以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
[写真シール作成装置の外観構成]
図1は、本発明の一実施形態に係る写真シール作成装置1の外観の構成例を示す斜視図である。
写真シール作成装置1は、撮影や編集等の作業を利用者にゲームとして行わせ、撮影画像や編集済み画像を提供する代わりに利用者より代金を受け取るゲーム機である。写真シール作成装置1はゲームセンタなどの店舗に設置される。利用者は1人であることもあるし、複数人であることもある。
写真シール作成装置1が提供するゲームで遊ぶ利用者は、代金を投入し、自身が被写体となって撮影を行い、撮影によって得られた撮影画像の中から選択した編集対象の画像に対して、手書きの線画やスタンプ画像を合成する編集機能を用いて編集を行うことにより、撮影画像を彩り豊かな画像にする。利用者は、編集済みの画像が印刷されたシール紙を受け取って一連のゲームを終了させることになる。
図1に示すように、写真シール作成装置1は、主に、撮影ユニット11、編集部12、および事後接客部13から構成される。撮影ユニット11と編集部12が接した状態で設置され、編集部12と事後接客部13が接した状態で設置される。
撮影ユニット11は、撮影部21と背景部22から構成される。撮影部21と背景部22は所定の距離だけ離れて設置され、撮影部21と背景部22の間に形成される空間である撮影空間において撮影作業が行われる。
撮影部21は撮影作業を利用者に行わせる装置である。撮影部21は、撮影空間に入り、撮影作業を行っている利用者の正面に位置する。撮影空間を正面に望む面を構成する撮影部21の正面パネル41には、撮影作業時に利用者により用いられるタッチパネルモニタなどが設けられる。撮影空間にいる利用者から見て左側の面を左側面、右側の面を右側面とすると、撮影部21の左側面が側面パネル42Aにより構成され、右側面が側面パネル42B(図示せず)により構成される。
背景部22は、正面を向いて撮影作業を行っている利用者の背面側に位置する板状の部材である背面パネル51、背面パネル51の左端に取り付けられ、側面パネル42Aとほぼ同じ幅の板状の部材である側面パネル52A、および、背面パネル51の右端に取り付けられ、側面パネル42Bとほぼ同じ幅の板状の部材である側面パネル52B(図2)から構成される。
撮影部21の左側面を構成する側面パネル42Aと背景部22の側面パネル52Aは、ほぼ同一平面に設けられ、それぞれの上部が板状の部材である連結部23Aによって連結される。また、撮影部21の右側面を構成する側面パネル42Bと背景部22の側面パネル52Bは、ほぼ同一平面に設けられ、それぞれの上部が板状の部材である連結部23Bによって連結される。
撮影部21の側面パネル42A、連結部23A、および背景部22の側面パネル52Aに囲まれることによって形成される開口が撮影空間の出入り口G1となる。なお、図示はしないが、撮影部21の側面パネル42B、連結部23B、および背景部22の側面パネル52Bに囲まれることによって形成される開口も撮影空間の出入り口G2となる。
撮影空間の上方には、撮影部21の正面パネル41、連結部23A、連結部23B、および背景部22の背面パネル51に囲まれる開口が形成され、その開口の一部を覆うように天井ストロボユニット24が設けられる。天井ストロボユニット24の一端が連結部23Aに固定され、他端が連結部23Bに固定される。天井ストロボユニット24は、撮影に合わせて撮影空間内に向けて発光するストロボを内蔵する。天井ストロボユニット24を構成するストロボの内部には蛍光灯が設けられており、撮影空間の照明としても機能する。
なお、撮影空間にいる利用者の正面−背面方向を奥行き方向とすると、撮影ユニット11の寸法(奥行き、幅、および高さ)は、例えば、1850mm×1800mm×2225mmとされる。
編集部12は、撮影作業によって得られた画像を編集する編集作業を利用者に行わせる装置である。編集部12は、一方の側面が撮影部21の正面パネル41の背面に接するように撮影ユニット11に連結して設けられる。編集部12には、編集作業時に利用者により用いられるタブレット内蔵モニタなどの構成が設けられる。
図1に示す編集部12の構成を正面側の構成とすると、2組の利用者が同時に編集作業を行うことができるように、編集部12の正面側と背面側には編集作業に用いられる構成がそれぞれ設けられる。
編集部12の正面側は、床面に対して垂直な面であり、側面パネル42Aとほぼ平行な面である面71と、面71の上方に形成された斜面72から構成され、編集作業に用いられる構成が斜面72に設けられる。斜面72の左側には、柱状の形状を有し、照明装置74の一端を支持する支持部73Aが設けられる。斜面72の右側にも、照明装置74の他端を支持する支持部73B(図2)が設けられる。さらに、支持部73Aの左側には、板状の形状を有し、事後接客部13が連結して設けられる支持部73Cが設けられる。また、支持部73Cの上面にはカーテンレール26を支持する支持部75が設けられる。
編集部12の上方にはカーテンレール26が取り付けられる。カーテンレール26は、上から見たときの形状がコの字状となるように3本のレール26A乃至26Cを組み合わせて構成される。平行に設けられるレール26Aと26Bの一端は、連結部23Aと連結部23Bにそれぞれ固定され、他端に残りの一本のレール26Cの両端が接合される。
カーテンレール26には、編集部12の正面前方の空間と背面前方の空間の内部が外から見えないようにカーテンが取り付けられる。カーテンレール26に取り付けられたカーテンにより囲まれる編集部12の正面前方の空間と背面前方の空間が、利用者が編集作業を行う編集空間となる。
図2は、写真シール作成装置1を別の角度から見た斜視図である。
事後接客部13は利用者に対して事後接客を行う装置である。事後接客では、撮影画像や編集済みの画像が携帯電話機などの携帯端末に送信される。
図2に示すように、事後接客部13は、所定の厚さを有する板状の筐体を有しており、その背面が編集部12の左側面に接するように編集部12に連結して設けられる。事後接客部13の正面には、事後接客時に利用者により用いられるタブレット内蔵モニタや、撮影画像や編集済みの画像が印刷されたシール紙が排出される排出口などが設けられる。事後接客部13の正面前方の空間が、シール紙への印刷が終わるのを待っている利用者に対して事後接客を行う事後接客空間となる。
ここで、写真シール作成ゲームの流れと、それに伴う利用者の移動について図3を参照して説明する。図3は、写真シール作成装置1を上から見た平面図である。
写真シール作成装置1の利用者は、白抜き矢印#1で示すように出入り口G1から、または白抜き矢印#2で示すように出入り口G2から、撮影部21と背景部22の間に形成された撮影空間A1に入り、撮影部21に設けられたカメラやタッチパネルモニタなど利用して撮影作業を行う。
撮影作業を終えた利用者は、白抜き矢印#3で示すように出入り口G1を使って撮影空間A1から出て編集空間A2−1に移動するか、白抜き矢印#4で示すように出入り口G2を使って撮影空間A1から出て編集空間A2−2に移動する。
編集空間A2−1は、編集部12の正面側の編集空間であり、編集空間A2−2は、編集部12の背面側の編集空間である。編集空間A2−1と編集空間A2−2のいずれの空間に移動するのかが、撮影部21のタッチパネルモニタの画面表示などによって案内される。例えば2つの編集空間のうちの空いている方の空間が移動先として案内される。編集空間A2−1または編集空間A2−2に移動した利用者は編集作業を開始する。編集空間A2−1の利用者と、編集空間A2−2の利用者は同時に編集作業を行うことができる。
編集作業が終了した後、撮影画像や編集済みの画像の中から選択された画像の印刷が開始される。画像の印刷中、編集作業を終えた利用者は、編集空間A2−1で編集作業を行っていた場合には白抜き矢印#5で示すように編集空間A2−1から事後接客空間A3に移動して事後接客を受ける。また、編集作業を終えた利用者は、編集空間A2−2で編集作業を行っていた場合には白抜き矢印#6で示すように編集空間A2−2から事後接客空間A3に移動し、事後接客空間A3において事後接客を受ける。
画像の印刷が終了したとき、利用者は、事後接客部13に設けられた排出口からシール紙を受け取り、一連の写真シール作成ゲームを終えることになる。
次に、各装置の構成について説明する。
[撮影部の構成]
図4は、撮影部21の構成例を示す図である。撮影部21は、正面パネル41、側面パネル42A、および側面パネル42Bが、箱状の形状を有するベース部43に取り付けられることによって構成される。
正面パネル41は撮影空間A1で撮影作業を行う利用者の正面に位置し、側面パネル42Aと側面パネル42Bは、それぞれ、撮影空間A1で撮影作業を行う利用者の左側、右側に位置する。側面パネル42Aの上方には連結部23Aが固定され、側面パネル42Bの上方には連結部23Bが固定される。
正面パネル41のほぼ中央には撮影・表示ユニット81が設けられる。撮影・表示ユニット81は、カメラ91、カメラストロボ92、およびタッチパネルモニタ93から構成される。
カメラ91は、CCD(Charge Coupled Device)などの撮像素子を有する撮像装置を含むように構成され、撮影空間A1にいる利用者を撮影する。カメラ91により取り込まれた動画像(ライブビュー画像)は、タッチパネルモニタ93にリアルタイムで表示される。利用者により撮影が指示されたときなどの所定のタイミングでカメラ91により取り込まれた画像は撮影画像(静止画像)として保存される。なお、カメラ91により取り込まれた画像、すなわち、ライブビュー画像および撮影画像を併せて、以下、取り込み画像ともいう。
カメラ91の背面側には、カメラストロボ92が設けられ、カメラ91は、カメラストロボ92の表面側で上下方向に駆動(移動)するようになされている。カメラストロボ92は、発光面を構成するアクリル板と、その背後に設けられる蛍光灯等の照明装置とから構成され、他のストロボと同様にカメラ91による撮影に合わせて発光する。カメラストロボ92においては、カメラ91の上下方向の位置に応じて露出する部分が発光面となる。つまり、カメラストロボ92は、カメラ91の上下方向の位置に応じて、被写体としての利用者の顔付近をカメラ91の上方または下方から照射する。
カメラ91の下側に設けられたタッチパネルモニタ93は、LCD(Liquid Crystal Display)などのモニタと、それに積層されたタッチパネルにより構成される。タッチパネルモニタ93は、カメラ91により取り込まれた動画像を表示するライブビューモニタとしての機能と、各種のGUI(Graphical User Interface)画像を表示し、利用者の選択操作をタッチパネルにより受け付ける機能とを備えている。タッチパネルモニタ93には、適宜、背景等の画像が合成された後の動画像が表示される。
正面パネル41には、撮影・表示ユニット81の位置を基準として、上方に上ストロボ82が設置される。また、左方に左ストロボ83が設置され、右方に右ストロボ84が設置される。撮影・表示ユニット81の下方の位置には、ベース部43の上面が一部突出する形で下ストロボ85が設けられる。
上ストロボ82は、利用者を上前方から照射する。左ストロボ83は、利用者を左前方から照射し、右ストロボ84は、利用者を右前方から照射する。下ストロボ85は、利用者を下前方から照射する。
ベース部43には利用者の足元を照射する足元ストロボ86も設けられる。上ストロボ82、左ストロボ83、右ストロボ84、下ストロボ85、および足元ストロボ86の内部には蛍光灯が設けられており、天井ストロボユニット24を構成するストロボの内部の蛍光灯と合わせて、撮影空間A1内の照明として用いられる。各蛍光灯の発光量が調整されることによって、または、発光させる蛍光灯の数が調整されることによって、撮影空間A1内の明るさが、利用者が行っている撮影作業の内容に応じて適宜調整される。
また、足元ストロボ86の右側には、利用者がお金を投入する硬貨投入返却口87が設けられる。
さらに、下ストロボ85の上側であって、タッチパネルモニタ93の左側には、利用者を左下前方から照射するモニタ左ストロボ88が設けられ、タッチパネルモニタ93の右側には、利用者を右下前方から照射するモニタ右ストロボ89が設けられる。
なお、各ストロボ内部には、蛍光灯以外の照明装置が設けられてもよい。
下ストロボ85を挟んでベース部43の上面の左右に形成されるスペース43Aおよび43Bは、撮影作業を行う利用者が手荷物等を置くための荷物置き場として用いられる。また、正面パネル41の例えば天井付近には、利用者に撮影作業を行わせる撮影処理の案内音声、BGM(Back Ground Music)、効果音等の音を出力するスピーカも設けられる。
ここで、カメラ91の上下方向の駆動について説明する。
撮影処理においては、カメラ91の上下方向の位置が、被写体としての利用者を、利用者から見て前方正面から撮影する位置と、利用者から見て前方斜め上から撮影する位置とになるように、カメラ91を上下方向に駆動させて撮影が行われる。
以下、適宜、利用者を前方正面から撮影する位置にあるカメラ91を下カメラといい、利用者を前方斜め上から撮影する位置にあるカメラ91を上カメラという。
[撮影・表示ユニットの構成例]
図5は、上下方向に駆動するカメラ91を含む撮影・表示ユニット81の詳細な構成例を示している。
図5Aに示されるように、撮影・表示ユニット81は、縦長の直方体の形状を有する筐体の一側面に、カメラ91、カメラストロボ92、およびタッチパネルモニタ93が設けられることで構成される。カメラ91およびカメラストロボ92の周囲には、それらを囲うような額縁状のカバー94が設けられており、カメラ91は、カバー94の開口部の範囲内で上下方向に駆動する。
図5Bは、図5Aの状態から、タッチパネルモニタ93およびカバー94を取り外した撮影・表示ユニット81を示している。図5Bに示されるように、カメラ91は、カメラストロボ92の発光面を構成するアクリル板95と一体に構成されており、アクリル板95は、カメラ91とともに上下方向に駆動する。また、カメラ91は、カメラ支持部96によってその側面が支持されており、カメラ支持部96に設けられたガイド溝に従って上下方向に駆動する。
図5Cは、図5Bの状態から、アクリル板95を取り外した撮影・表示ユニット81を示している。図5Cに示されるように、カメラ91の背面上方には、カメラ上蛍光灯97Uが設けられ、カメラ91の背面下方には、カメラ下蛍光灯97Dが設けられている。カメラ91は、カメラストロボ92を構成する照明装置としてのカメラ上蛍光灯97Uおよびカメラ下蛍光灯97Dと一体に構成されており、カメラ上蛍光灯97Uおよびカメラ下蛍光灯97Dは、カメラ91とともに上下方向に駆動する。
つまり、図5Aに示されるように、カメラ91がカバー94の開口部の下端に位置し、下カメラの状態となるとき、カメラ91の上側のアクリル板95が露出し、カメラ上蛍光灯97Uが発光することで、カメラストロボ92は、被写体としての利用者の顔付近をカメラ91の上方から照射する。
また、図示はしないが、カメラ91がカバー94の開口部の上端に位置し、上カメラの状態となるとき、カメラ91の下側のアクリル板95が露出し、カメラ下蛍光灯97Dが発光することで、カメラストロボ92は、被写体としての利用者の顔付近をカメラ91の下方から照射する。
[カメラの構成例]
図6は、カメラ91の詳細な構成例を示している。
カメラ91は、撮像装置であるカメラ本体91Mがケース91Cに搭載されて構成される。カメラ91には、所定の駆動機構によりカメラ91が上下方向に駆動することにより、カメラ本体91Mのレンズの光軸に平行な軸を中心に回転する回転部91Rが設けられている。また、カメラ本体91Mの焦点距離(ピント)を調整するフォーカスリング91Fの円周面に設けられたギアと、回転部91Rの一端に設けられたギア(図示せず)とは、内側にリブが設けられたタイミングベルト91Bにより連結されている。
すなわち、カメラ91が上下方向に駆動することにより、回転部91Rが回転し、回転部91Rが回転することにより、タイミングベルト91Bを介してフォーカスリング91Fが回転し、カメラ本体91Mのフォーカスが調整されるようになされている。具体的には、カメラ91が下カメラの状態では、ズームインするようにフォーカスが調整され、カメラ91が上カメラの状態では、ズームアウトするようにフォーカスが調整される。
また、ケース91Cの側面には、突起物P1,P2が設けられている。カメラ91は、突起物P1,P2がそれぞれ、図7に示されるようなカメラ支持部96に設けられたガイド溝g1,g2に沿ってガイドされることで上下方向に駆動する。ガイド溝g1,g2は、カメラ支持部96を貫通するように形成されてもよいし、貫通しないように形成されてもよい。また、図7に示されるように、ガイド溝g2は、ガイド溝g1の上端に対応する位置より上では、ガイド溝g1の上端を中心に孤を描くように形成されている。これにより、突起物P1,P2がそれぞれ、ガイド溝g1の上端、および、ガイド溝g2のガイド溝g1の上端に対応する位置に達した後、カメラ91は、ガイド溝g1の上端を中心に、図中左方向に所定角度だけ回転し、撮影空間の下方向を撮影するようになる。
このような構造により、カメラ91が下カメラの状態のときには、利用者は前方正面から撮影され、カメラ91が上カメラの状態のときには、利用者は前方斜め上から撮影されるようになる。
[背景部の構成]
図8は、背景部22の撮影空間A1側の構成例を示す図である。図8Aは、背景部22の構成例を示す正面図であり、図8Bは、背景部22の構成例を示す斜視図である。
背面パネル51の上方のほぼ中央には、撮影空間A1内で撮影作業を行っている利用者を後方中央から照射する背面中央ストロボ101が取り付けられる。
背面パネル51の上方であって、出入り口G1側の位置には、撮影空間A1内で撮影作業を行っている利用者を左後方から照射する背面左ストロボ102が取り付けられる。また、背面パネル51の上方であって、出入り口G2側の位置には、撮影空間A1内で撮影作業を行っている利用者を右後方から照射する背面右ストロボ103が取り付けられる。
また、背面パネル51の下側で、撮影空間A1において側面パネル52Aおよび側面パネル52Bに挟まれる部分には、床104が設けられている。床104は、図9に示されるように、背面パネル51側に近いほど高くなるように、写真シール作成装置1が設置される設置面に対して、例えば7°等の傾斜が設けられている。
なお、撮影空間にいる利用者の正面−背面方向を奥行き方向とすると、床104の寸法(奥行き、幅、および背面パネル51側の高さ)は、例えば、550mm×1710mm×80mmとされる。
[床の傾斜により得られる効果]
ここで、図10を参照して、床104に傾斜を設けることによって得られる効果について説明する。
図10には、撮影空間A1において、上カメラの状態のカメラ91によって撮影される被写体(利用者)111が示されている。被写体の全身を撮影しようとする場合、上カメラによる撮影によれば、下カメラによる撮影と比較して、顔が大きく写るので、顔が強調された撮影画像を得ることができる。また、下カメラにより得られる全身画像より、上カメラにより得られる全身画像の方が、画像における被写体の割合を高めることができる。このように、上カメラによる撮影は、被写体の全身画像を得るのに好適とされている。
例えば、一般的な写真シール作成装置の撮影空間において、図10Aに示されるように、被写体111がカメラ91に顔を近づけるように前傾姿勢をとった場合には、顔がより強調された撮影画像を得ることができる。
さらに、本発明の写真シール作成装置1のように傾斜を設けた床104を備えることで、図10Bに示されるように、被写体111のかかと部分がヒールのある靴を履いているときと同じ状態となり、カメラ91の撮像面に対する足の甲の長さが、図10Aの場合より長くなるので、より足が長く見える撮影画像を得ることができる。
特に、ヒールのある靴を履いた場合の地面と足の裏のなす角度が7°のときに最も足が長く見えるものとすると、床104の傾斜を7°とすることで、例えば学校指定のヒールの低い靴を履いている女子中高生であっても、ヒールのある靴を履いたときと同様に、より足が長く見える撮影画像を得ることができる。
また、図10Aに示されるように、被写体111が前傾姿勢をとってカメラ91を見た場合、顎の下から首にかけての部分111nがストロボによって照射されてしまうので、撮影画像においては、顔の輪郭がわかりにくく、必要以上に顔が大きく見えてしまう恐れがある。
一方、図10Bのように床104を備えることで、被写体111は、図10Aのように前傾姿勢にならず、顎を出さない姿勢で撮影することができるので、顎の下から首にかけての部分111nに影ができ、撮影画像においては、顔の輪郭が強調されて、必要以上に顔が大きく見えることを避けることができる。
さらに、図10Aにおいて、被写体111が前傾姿勢をとらずにカメラ91を見た場合、撮影画像においては、上目遣いをした顔となってしまう。一方、図10Bのように床104を備えることで、被写体111の視線が高くなるので、被写体111は、カメラ91を自然に見ることができ、撮影画像においては、上目遣いをした顔となることを避けることができる。
[クロマキー用シートについて]
また、本実施の形態においては、背景部22の撮影空間A1側に、背景に利用する巻き取り式の背景カーテンや、クロマキー用のカーテンとして使用する昇降式カーテンを設けず、背景部22を構成する背面パネル51、側面パネル52A,52B、および床104の表面にクロマキー用のシートが貼付される。
図11は、背景部22の撮影空間A1側に貼付されるクロマキー用シートについて説明する図である。
図11に示されるように、背面パネル51にはクロマキー用シート121Aが貼付され、側面パネル52Bの下部にはクロマキー用シート121Bが貼付され、床104の斜面部分にはクロマキー用シート121Cが貼付される。クロマキー用シート121A乃至121Cは、緑色のクロマキー用シートであり、これにより、いわゆるグリーンバック合成が行われる。なお、図示はしないが、側面パネル52Aの下部にもクロマキー用シート121Bと同様のクロマキー用シート121C’が貼付される。なお、図11に示されるように、クロマキー用シート121Bは、側面パネル52Bの下部のみに貼付されるものとしたが、側面パネル52Bにおいてクロマキー用シート121Bが貼付される部分は、カメラ91の画角に入る部分より広ければよく、例えば側面パネル52Bの全面であってもよい。また、側面パネル52Aに貼付されるクロマキー用シート121C’についても同様である。
クロマキー用シート121A,121B,121Cはそれぞれ、同一の材質で構成されるようにしてもよいし、異なる材質で構成されるようにしてもよい。具体的には、例えば、撮影空間A1の背面となるクロマキー用シート121Aを布製とし、側面となるクロマキー用シート121Bを樹脂製または布製とし、クロマキー用シート121Cをゴム等の樹脂製としてもよい。
[編集部の構成]
図12は、編集部12の正面側(編集空間A2−1側)の構成例を示す図である。
斜面72のほぼ中央には、タブレット内蔵モニタ131が設けられる。タブレット内蔵モニタ131を挟んで左側にタッチペン132Aが設けられ、右側にタッチペン132Bが設けられる。
タブレット内蔵モニタ131は、タッチペン132Aまたは132Bを用いて操作入力が可能なタブレットがLCDなどの編集用モニタに重畳して設けられることによって構成される。タブレット内蔵モニタ131には、例えば、編集対象画像として選択された撮影画像の編集に用いられる画面である編集画面が表示される。2人で同時に編集作業を行う場合、タッチペン132Aは一方の利用者により用いられ、タッチペン132Bは他方の利用者により用いられる。
編集部12の左側には事後接客部13が設けられる。
[事後接客部の構成]
図13は、事後接客部13の正面側の構成例を示す図である。
事後接客部13の上方中央にはタブレット内蔵モニタ161が設けられる。タブレット内蔵モニタ161を挟んで左側にタッチペン162Aが設けられ、右側にタッチペン162Bが設けられる。タブレット内蔵モニタ161もタブレット内蔵モニタ131と同様に、タッチペン162Aまたは162Bを用いて操作入力が可能なタブレットがLCDなどの事後接客用モニタに重畳して設けられることによって構成される。タブレット内蔵モニタ161には、撮影画像や編集済みの画像を携帯電話機などの携帯端末に送信する事後接客処理に用いられる画面が表示される。
タブレット内蔵モニタ161の下には非接触型ICリーダ/ライタ163が設けられ、非接触型ICリーダ/ライタ163の下にはシール紙排出口164が設けられる。シール紙排出口164の下にはスピーカ165が設けられる。
非接触型ICリーダ/ライタ163は、近接された非接触型ICと通信を行い、非接触型ICからのデータの読み出しや非接触型ICに対するデータの書き込みを行う。
シール紙排出口164には、編集空間A2−1の利用者が編集作業を行うことによって作成した画像が印刷されたシール紙、または、編集空間A2−2の利用者が編集作業を行うことによって作成した画像が印刷されたシール紙が排出される。編集部12の内部にはプリンタが設けられており、画像の印刷がそのプリンタにより行われる。
スピーカ165は、事後接客処理の案内音声、BGM、効果音等の音を出力する。
[写真シール作成装置の内部構成]
次に、写真シール作成装置1の内部構成について説明する。図14は、写真シール作成装置1の内部の構成例を示すブロック図である。上述した構成と同じ構成には同じ符号を付してある。なお、重複する説明については適宜省略する。
制御部201はCPU(Central Processing Unit)などよりなり、ROM(Read Only Memory)206や記憶部202に記憶されているプログラムを実行し、写真シール作成装置1の全体の動作を制御する。制御部201には、記憶部202、通信部203、ドライブ204、ROM206、RAM(Random Access Memory)207が接続される。制御部201には、撮影部208、編集部209、および事後接客部210の各構成も接続される。
記憶部202は、ハードディスクやフラッシュメモリなどの不揮発性の記憶媒体からなり、制御部201から供給された各種の設定情報を記憶する。記憶部202に記憶されている情報は制御部201により適宜読み出される。
通信部203はインターネットなどのネットワークのインタフェースであり、制御部201による制御に従って外部の装置と通信を行う。
ドライブ204には、光ディスクや半導体メモリなどよりなるリムーバブルメディア205が適宜装着される。ドライブ204によりリムーバブルメディア205から読み出されたコンピュータプログラムやデータは、制御部201に供給され、記憶部202に記憶されたり、インストールされたりする。
ROM206には、制御部201において実行されるプログラムやデータが記憶されている。RAM207は、制御部201が処理するデータやプログラムを一時的に記憶する。
撮影部208は、撮影空間A1における撮影処理を行う構成である硬貨処理部221、照明装置222、カメラ91、タッチパネルモニタ93、およびスピーカ223から構成される。
硬貨処理部221は、硬貨投入返却口87に対する硬貨の投入を検出する。硬貨処理部221は、例えば300円などの所定の金額分の硬貨が投入されたことを検出した場合、そのことを表す起動信号を制御部201に出力する。
照明装置222は、撮影空間A1内の各ストロボの内部に設けられる蛍光灯であり、制御部201より供給される照明制御信号に従って発光する。上述したように、撮影空間A1には、天井ストロボユニット24のストロボの他に、撮影部21に設けられる上ストロボ82、左ストロボ83、右ストロボ84、下ストロボ85、足元ストロボ86、モニタ左ストロボ88、モニタ右ストロボ89と、背景部22に設けられる背面中央ストロボ101、背面左ストロボ102,背面右ストロボ103が設けられている。
また、照明装置222は、制御部201による制御に従って発光量を調整することによって、利用者が行っている撮影作業の段階に応じて撮影空間A1内の明るさを調整する。
カメラ91は、制御部201による制御に従って撮影を行い、撮影によって得られた画像を制御部201に出力する。
スピーカ223は、利用者に撮影作業を行わせる撮影処理の案内音声、BGM、効果音等の音を出力する。
編集部209Aは、編集空間A2−1における編集処理を行う構成として編集部12の正面側に設けられるタブレット内蔵モニタ131、タッチペン132A,132B、およびスピーカ231から構成される。編集部209Bも編集部209Aと同一の構成を有しており、編集空間A2−2における編集処理を行う。
タブレット内蔵モニタ131は、制御部201による制御に従って、内蔵する編集用モニタに編集画面を表示し、編集画面(内蔵するタブレット)に対する利用者の操作を検出する。利用者の操作の内容を表す信号は制御部201に供給され、編集対象の撮影画像の編集が行われる。
スピーカ231は、利用者に編集作業を行わせる編集処理の案内音声、BGM、効果音等の音を出力する。
事後接客部210は、事後接客空間A3における事後接客処理を行う構成であるタブレット内蔵モニタ161、タッチペン162A,162B、非接触型ICリーダ/ライタ163、スピーカ165、印刷処理を行う構成であるプリンタ241、およびシール紙ユニット242から構成される。
タブレット内蔵モニタ161は、制御部201による制御に従って、内蔵する事後接客用モニタに事後接客に用いられる画面を表示し、その画面(内蔵するタブレット)に対する利用者の操作を検出する。利用者の操作の内容を表す信号は制御部201に供給され、事後接客が行われる。
プリンタ241は、撮影画像、または編集処理によって得られた編集済みの画像を、プリンタ241に装着されたシール紙ユニット242に収納されているシール紙に印刷し、シール紙排出口164に排出する。
[制御部の構成]
次に、制御部201について説明する。図15は、制御部201がROM206などに格納されているプログラムを実行することにより実現される機能ブロックの構成例を示している。
制御部201は、写真シール作成ゲームを開始する際に投入される代金に関する処理や利用者グループを撮影する等の写真シール作成ゲームの撮影作業の工程に関する処理を行う撮影処理部301、撮影画像に対する落書き編集等の写真シール作成ゲームの編集作業の工程に関する処理を行う編集処理部302、シール紙の印刷等の写真シール作成ゲームの印刷の工程に関する処理を行う印刷処理部303、および、編集作業を終了した利用者グループを接客する写真シール作成ゲームの事後接客の工程に関する処理を行う事後接客処理部304を有する。
つまり、制御部201は、写真シール作成ゲームの各工程に関する処理の制御を行う。
[編集処理部の構成]
図16は、図15の編集処理部302の詳細な構成例を示す機能ブロック図である。
編集処理部302は、編集処理を行うことで、GUI画像を表示したり、利用者による落書き編集入力を受け付けたり、その落書き編集入力に応じて合成用画像を撮影画像に合成したりする。つまり、編集処理部302は、利用者に、撮影画像に対する落書き編集機能を提供する。落書き編集機能としては、例えば、フリーハンドの線等で撮影画像に落書きを行うペン機能や、所定のスタンプ画像(合成用画像)を撮影画像の任意の位置に合成するスタンプ機能等がある。
また、編集処理部302は、撮影画像の中で人物の周りに所定幅で色や柄をつけることにより、その人物にいわゆるオーラがついたように見えるような画像処理を施す「オーラ」という編集機能や、利用者により選択された文字や図形といったスタンプ画像を、タッチペンの軌跡に沿って連続的に撮影画像に対して貼り付ける「コロコロスタンプ」という編集機能を提供する。
さらに、編集処理部302は、利用者により選択された文字や図形を、撮影画像の中の人物の周りに貼り付ける「文字オーラ」という編集機能を提供する。「文字オーラ」の編集機能によれば、撮影画像における被写体(人物)以外の領域である背景領域のうちの、被写体の輪郭に沿った所定幅の領域である輪郭領域に、利用者により選択された文字や図形が合成されるようになる。
なお、以下においては、撮影画像における輪郭領域に合成される文字や図形そのものを、文字オーラともいう。
編集処理部302は、表示制御部311、入力受付部312、および合成処理部313から構成される。
表示制御部311は、編集部209におけるタブレット内蔵モニタ131の表示を制御する。
入力受付部312は、タブレット内蔵モニタ131に対する、利用者によるタッチペン132A,132Bを用いた操作入力を受け付ける。
合成処理部313は、利用者により選択された合成用画像を撮影画像に合成する合成処理を行う。特に、合成処理部313は、「文字オーラ」の編集機能の一部を提供する変更部321および合成部322を備えている。
変更部321は、文字オーラの色および/または撮影画像の背景領域の色を変更する利用者の指示に基づいて、その文字オーラおよび背景領域の少なくとも一部の色を変更する。
合成部322は、変更部321によって背景領域の少なくとも一部の色が変更された撮影画像における輪郭領域に、変更部321によってその色が変更された文字オーラを合成する。
[写真シール作成装置の動作]
ここで、図17のフローチャートを参照して、写真シール作成ゲームを提供する写真シール作成装置1の処理について説明する。
ステップS1において、写真シール作成装置1の制御部201の撮影処理部301は、所定の金額分の硬貨が投入されたか否かを硬貨処理部221から供給される信号に基づいて判定し、投入されたと判定するまで待機する。
硬貨が投入されたとステップS1において判定した場合、ステップS2において、撮影処理部301は、撮影部208を制御し、カメラ91に取り込まれた被写体の動画像をタッチパネルモニタ93にライブビュー表示させ、撮影空間A1にいる利用者を被写体として撮影する撮影処理を行う。
ステップS3において、撮影処理部301は、撮影空間A1にいる利用者に対して、編集空間A2−1または編集空間A2−2への移動を案内する。編集空間A2−1または編集空間A2−2への移動の案内は、撮影部208のタッチパネルモニタ93に画面を表示させることによって、または音声をスピーカ223から出力させることによって行われる。
ステップS4において、編集処理部302は、編集空間A2−1と編集空間A2−2のうち、撮影処理を終えた利用者の移動先とした方の編集空間に対応する編集部209を制御し、編集処理を行う。なお、編集処理については、図18のフローチャートを参照して後述する。
ステップS5において、編集処理部302は、編集空間A2−1または編集空間A2−2で編集処理を終えた利用者に対して事後接客空間A3への移動を案内する。事後接客空間A3への移動の案内は、タブレット内蔵モニタ131に画面を表示させることによって、または音声をスピーカ231から出力させることによって行われる。
ステップS6において、印刷処理部303は、利用者により選択された画像をプリンタ241に出力してシール紙に印刷させる印刷処理を行う。
ステップS7において、事後接客処理部304は、事後接客部210を制御し、印刷終了待機中の利用者に対する事後接客処理を行う。具体的には、事後接客処理部304は、撮影画像や編集済みの画像を携帯端末に送信する携帯送信ゲーム処理を事後接客処理として行い、携帯端末の電子メールアドレスを直接入力することで画像を携帯端末に送信するか、非接触型ICと通信することで画像を携帯端末に送信するかを利用者に選択させる送信方法の選択画面や、送信する画像の選択画面をタブレット内蔵モニタ161に表示させ、利用者による操作に応じて画像を送信する。
印刷が終了すると、ステップS8において、事後接客処理部304は、印刷が終了した旨をタブレット内蔵モニタ161に表示させ、プリンタ241は、画像が印刷されたシール紙をシール紙排出口164に排出し、処理を終了させる。
[編集処理の例]
次に、図18のフローチャートを参照して、画像編集装置としての写真シール作成装置1によって実行される、上述した写真シール作成ゲームの一連の処理におけるステップS4の編集処理について説明する。
ステップS31において、編集処理部302の表示制御部311は、撮影部208において得られた撮影画像の中から落書き編集の対象である編集対象画像を選択させるための選択画面をタブレット内蔵モニタ131に表示させ、利用者に編集対象画像を選択させる。
入力受付部312が、撮影画像の中から例えば6枚の編集対象画像を選択する利用者の操作入力を受け付けると、ステップS32において、表示制御部311は、例えば図19に示されるような、利用者に名前を入力させるための名前入力画面をタブレット内蔵モニタ131に表示させる。
図19に示されるように、名前入力画面401の左側には、タブレット内蔵モニタ131に対して左側の利用者が、自分の顔を選択するための顔選択部411−1と、自分の名前を入力するための名前入力部412−1とが表示されている。顔選択部411−1に表示される被写体としての利用者の顔は、例えば撮影画像のうちの所定の1枚から抽出された顔画像とされる。名前入力部412−1には、ひらがな表示欄421−1、ローマ字表示欄422−1、戻るボタン423−1、消去ボタン424−1、ひらがなキー425−1、OKボタン426−1、およびスキップボタン427−1が表示されている。
また、名前入力画面401の右側には、名前入力画面401の左側と同様に、タブレット内蔵モニタ131に対して右側の利用者が、自分の顔を選択するための顔選択部411−2と、自分の名前を入力するための名前入力部412−2とが表示されている。顔選択部411−2に表示される被写体としての利用者の顔もまた、例えば撮影画像のうちの所定の1枚から抽出された顔画像とされる。名前入力部412−2には、ひらがな表示欄421−2、ローマ字表示欄422−2、戻るボタン423−2、消去ボタン424−2、ひらがなキー425−2、OKボタン426−2、およびスキップボタン427−2が表示されている。
例えば、タブレット内蔵モニタ131に対して左側の利用者が、ひらがなキー425−1において所定の文字のキーを選択すると、ひらがな表示欄421−1およびローマ字表示欄422−1には、それぞれ対応するひらがなおよびローマ字が表示される。
戻るボタン423−1が選択されると、ひらがな表示欄421−1およびローマ字表示欄422−1に表示されているひらがな1文字分のひらがなおよびローマ字が消去され、消去ボタン424−1が選択されると、ひらがな表示欄421−1およびローマ字表示欄422−1に表示されている全てのひらがなおよびローマ字が消去される。
OKボタン426−1が選択されると、ひらがな表示欄421−1およびローマ字表示欄422−1に表示されているひらがなおよびローマ字が、顔選択部411−1において選択された顔に対応する被写体(利用者)に紐付けられる。
以上のようにして、タブレット内蔵モニタ131に対して左側の利用者による名前入力が行われる。なお、スキップボタン427−1が選択されると、タブレット内蔵モニタ131に対して左側の利用者による名前入力は行われない。
名前入力画面401の右側についても、タブレット内蔵モニタ131に対して右側の利用者による名前入力が行われる。
図18のフローチャートに戻り、ステップS33において、入力受付部312は、名前入力画面401に対する利用者による名前入力を受け付ける。これにより、撮影画像における被写体と、入力された名前とが紐付けられ、その情報がRAM207や記憶部202に記憶される。
ステップS34において、表示制御部311は、編集対象画像としての撮影画像の背景領域に合成される背景画像の色味群を選択させるための選択画面をタブレット内蔵モニタ131に表示させ、利用者に所望の色味群の背景を選択させる。背景画像の色味群は、背景画像の色味(色の感じ)による分類を表し、例えば、ふんわりした色味による分類を表す色味群「パステル」や、くっきりした色味による分類を表す色味群「ビビッド」等がある。
背景画像の色味群が選択されると、例えば6枚の編集対象画像それぞれの背景画像の色を利用者に選択させる。背景画像の色は、編集対象画像1枚毎に選択されるようにしてもよいし、所定の色の組み合わせ(背景セット)として一括で選択されるようにしてもよい。
利用者が背景を選択すると、表示制御部311は、次に、タブレット内蔵モニタ131に編集開始ボタンのGUI画像を表示する。利用者により、タッチペン132A,132Bを用いて、その編集開始ボタンが操作されると、ステップS35において、表示制御部311は、タッチパネルモニタ93に編集画面を表示させる。
ステップS36において、入力受付部312は、編集部209のタブレット内蔵モニタ131やタッチペン132A,132Bを制御し、利用者からの編集対象画像の選択指示および落書き編集入力の受け付けを開始する。
ステップS37において、入力受付部312は、タブレット内蔵モニタ131より供給される入力信号(すなわち、タブレット内蔵モニタ131やタッチペン132A,132Bにより受け付けられた位置情報)に基づいて、利用者による指示が入力されたか否かを判定する。利用者等によりタッチペン132A,132Bが操作され、タブレット内蔵モニタ131に表示された編集画面に対して、位置情報が入力されたと判定された場合、処理はステップS38に進み、編集処理部302は、入力座標に基づいて入力された指示内容を把握し、その指示に対応する処理を行う。
例えば、合成処理部313は、利用者により、落書き編集の対象となる編集画像として選択された編集対象画像を編集用に大きく表示したり、合成用画像の合成指示に基づいて合成用画像を編集画像に合成し、その結果得られる合成画像を表示したりする。また、ここでは、「オーラ」や「コロコロスタンプ」、「文字オーラ」といった編集機能も提供される。
入力に対応する処理が終了すると、処理はステップS39に進む。なお、ステップS37において指示が入力されていないと判定された場合、ステップS38はスキップされ、処理はステップS39に進む。
ステップS39において、編集処理部302は、所定の時間(制限時間)が経過したか、または、編集画面上に設けられている終了ボタンが操作されたか否かを判定し、制限時間にも達しておらず、終了ボタンも操作されていないと判定された場合、処理はステップS37に戻り、それ以降の処理が繰り返される。そして、ステップS39において、所定の時間が経過した、または、終了ボタンが操作されたと判定された場合、処理はステップS40に進む。
ステップS40において、編集処理部302は、落書き編集が行われた編集済み画像を、印刷用の画像である印刷画像として保存する。なお、この「保存する」とは、単に編集済み画像を印刷処理を行う印刷処理部303に提供することを示すものであり、実際に、データを、RAM207や記憶部202に保存するかしないかは任意である。
ステップS40において編集済み画像が保存されると、編集画面の表示が終了されるとともに、編集入力の受け付けが終了され、処理は図17のフローチャートのステップS4に戻り、ステップS5以降の処理が行われる。
以上のような編集処理により編集作業は行われる。
[文字オーラ合成処理について]
ここで、図20のフローチャートを参照して、画像編集装置としての写真シール作成装置1によって実行され、図18の編集処理のステップS37において提供される「文字オーラ」の編集機能を実現する文字オーラ合成処理について説明する。
なお、文字オーラ合成処理は、表示制御部311の制御によってタブレット内蔵モニタ131に表示される編集画面の中の編集用パレットにおいて、編集機能毎に表示されるタブの中から、「文字オーラ」の編集機能を提供するためのタブが選択されると開始される。
ステップS61において、表示制御部311は、図21に示されるように、タブレット内蔵モニタ131に表示される編集画面の中の編集用パレットに、文字オーラが合成されたサンプル画像(以下、文字オーラサンプル画像という)を表示させる。
図21は、文字オーラ合成処理時の編集画面の構成例を示す図である。図21に示されるように、編集画面501には、主な構成が、一部を除き左右に2つずつ設けられている。これにより、基本的に同じ組の2人の利用者が同時に落書き編集入力を行うことができる。
編集画像表示部511−1には、タブレット内蔵モニタ131に対して左側の利用者が編集画像として選択した編集対象画像が表示され、編集画像表示部511−2には、タブレット内蔵モニタ131に対して右側の利用者が編集画像として選択した編集対象画像が表示されている。
編集画像表示部511−1,511−2それぞれの下側には、編集画像表示部511−1,511−2に表示されている編集画像に対して、落書き編集入力を行うための編集機能を提供する編集ツールを利用者に選択させるための編集用パレット512−1,512−2が表示されている。
編集用パレット512−1,512−2には、編集ツールが、「おすすめ」、「ペン」、「スタンプ」、「フォント」、「変身」といったカテゴリ毎のタブで表示されるようになされており、図21の例では、いずれにおいても「おすすめ」タブが選択されている。
さらに、図21に示されるように、「おすすめ」タブには、編集ツールが、「RUMOR」、「オーラ」、「日付」、「おなまえ」、「おなまえ入りメッセージ」、「彼氏・彼女」、「おしゃれ手書き」、「一発落書き」といったジャンル毎のタブで表示されるようになされている。図21の例では、編集用パレット512−1において、「オーラ」タブが選択されており、編集用パレット512−2において、「RUMOR」タブが選択されている。
なお、それぞれのタブで表示される編集ツールによって提供される編集機能の詳細については、ここでは説明を省略するが、「オーラ」タブで表示される編集ツールによって提供される編集機能が、「文字オーラ」の編集機能とされる。すなわち、この例では、タブレット内蔵モニタ131に対して左側の利用者の操作によって、文字オーラ合成処理が実行される。
「オーラ」タブが選択されている編集用パレット512−1には、文字オーラサンプル画像531、文字色変更ボタン532、文字オーラオフボタン533が表示されている。
文字オーラサンプル画像531は、モデルを被写体として撮影したモデル画像における輪郭領域に文字オーラが合成された画像であり、図21の例では、10種類の文字や図形が文字オーラとして合成された画像が表示されている。10枚の文字オーラサンプル画像531のうちのいずれかが利用者に選択されると、対応する文字オーラが、編集画像表示部511−1に表示されている編集画像に合成されるようになる。
なお、10枚の文字オーラサンプル画像531のうち、上段左の2枚は、図18のステップS33において利用者によって入力された利用者の名前を表す文字(文字列)が文字オーラとして合成されている名前オーラサンプル画像531a,531bとされる。ここで、文字オーラとして輪郭領域に合成される利用者の名前を表す文字列を、以下、名前オーラという。
利用者が複数である場合、名前オーラにおいては、それぞれの利用者の名前を表す文字列が順番に繰り返して配列され表示される。例えば、利用者が2人である場合、それぞれの利用者の名前として、「なつみ」、「どうむ」のひらがなが入力されたとすると、名前オーラにおいては、「NATSUMI_DOMU_NATSUMI_DOMU_・・・」(“_”には、ハート型や星型等の図形が表示される)のように、2人の利用者の名前を表すローマ字が繰り返して配列され表示されるようになる。
なお、名前オーラサンプル画像531a,531b以外の文字オーラサンプル画像531に合成されている文字オーラは、予め設定されている文字(文字列)や図形が繰り返して配列され表示されるものとする。
文字色変更ボタン532は、文字オーラサンプル画像531に合成されている文字オーラの色(以下、文字色という)を変更するためのボタンである。図21の例では、文字色を、黒色、白色、濃いピンク色にするためのボタンが表示されており、文字色を黒色にするためのボタンが選択されている。
また、文字オーラオフボタン533は、編集画像表示部511−1に表示されている編集画像に合成された文字オーラを消去するためのボタンである。なお、文字オーラオフボタン533によって、文字オーラサンプル画像531に合成されている文字オーラが消去されるようにしてもよい。
さて、図20のフローチャートに戻り、編集用パレット512−1に文字オーラサンプル画像531が表示された状態で、ステップS62において、入力受付部312は、文字色の変更の指示を受け付けたか否か、すなわち、文字色変更ボタン532が操作されたか否かを判定する。
ステップS62において、文字色の変更の指示を受け付けたと判定されると、すなわち、文字色変更ボタン532が操作されると、処理はステップS63に進み、変更部321は、文字色変更ボタン532において選択された色に、文字オーラサンプル画像531の文字オーラの文字色を変更する。
続いてステップS64において、変更部321は、変更された文字オーラの文字色に応じて、文字オーラサンプル画像531の背景領域の色(以下、背景色という)を変更する。具体的には、文字オーラサンプル画像531の背景領域の背景色は、文字オーラの文字色の補色や、文字オーラの文字色と同じ系統色であって濃淡や明暗が異なる色に変更される。
図22は、変更された文字オーラの文字色に応じて背景領域の背景色が変更された文字オーラサンプル画像の例を示している。
例えば、文字色変更ボタン532において黒色のボタンが選択されると、図22Aに示されるように、文字オーラサンプル画像において、文字オーラの文字色が黒色に変更されるとともに、背景領域の背景色が白色に変更される。また、文字色変更ボタン532において白色のボタンが選択されると、図22Bに示されるように、文字オーラサンプル画像において、文字オーラの文字色が白色に変更されるとともに、背景領域の背景色が黒色に変更される。さらに、文字色変更ボタン532において濃いピンク色のボタンが選択されると、図22Cに示されるように、文字オーラサンプル画像において、文字オーラの文字色が濃いピンク色に変更されるとともに、背景領域の背景色が淡い(薄い)ピンク色に変更される。
なお、ステップS63,S64においては、編集用パレット512−1に表示されている文字オーラサンプル画像531全ての文字色および背景色が変更されてもよいし、表示されている文字オーラサンプル画像531のうちの一部の文字オーラサンプル画像の文字色および背景色が変更されてもよい。
ステップS64の後、処理はステップS62に戻り、ステップS62乃至S64の処理が繰り返される。そして、ステップS62において、文字色の変更を受け付けていないと判定されると、処理はステップS65に進む。
ステップS65において、入力受付部312は、文字オーラサンプル画像531のいずれかが選択されたか否かを判定する。
ステップS65において、文字オーラサンプル画像531のいずれも選択されていないと判定されると、処理はステップS62に戻り、ステップS62乃至S65の処理が繰り返される。
一方、ステップS65において、文字オーラサンプル画像531のいずれかが選択されたと判定されると、処理はステップS66に進み、変更部321は、編集画像表示部511−1に表示されている編集画像の背景色を、文字オーラサンプル画像531の背景色と同一の色に変更する。
ステップS67において、合成部322は、ステップS63において文字色が変更され、ステップS65において選択された文字オーラサンプル画像531に合成されている文字オーラを、編集画像表示部511−1に表示されている、背景色が変更された編集画像における輪郭領域に合成する。
以上の処理によれば、写真シール作成装置において、文字オーラの文字色の変更が指示されると、文字オーラの文字色が変更されるとともに、編集画像の背景色が文字オーラの文字色に応じた色に変更され、その背景色が変更された編集画像に、文字色が変更された文字オーラが合成されるようになる。これにより、撮影画像の背景の色と、文字オーラの色とのバランスが考慮された、より良い仕上がりの画像を提供することが可能となり、写真シール作成装置の利用者の満足度をより向上させることが可能となる。
なお、以上においては、文字オーラの文字色に応じて、文字オーラサンプル画像531(編集画像)における背景領域全体の背景色が変更されるものとしたが、背景領域の一部の背景色が変更されるようにしてもよい。
例えば、文字色変更ボタン532において白色のボタンが選択された場合、図23に示されるように、文字オーラサンプル画像において、文字オーラの文字色が白色に変更されるとともに、背景領域のうちの輪郭領域551の背景色が黒色に変更されるようにしてもよい。このとき、背景領域のうちの輪郭領域551以外の領域552の背景色は変更されないようにする。
なお、背景領域の一部として、上述したような輪郭領域の背景色が変更される以外にも、例えば、文字オーラの文字や図形それぞれを基準とした所定距離の範囲内の領域の背景色が変更されるようにしてもよいし、文字や図形それぞれの周囲で背景色が変更される領域の大きさや形状を設定するテンプレートを文字や図形毎に用意し、そのテンプレートで設定される大きさや形状の領域の背景色が変更されるようにしてもよい。さらに、背景色が変更される背景領域の一部においては、その領域の色が1つの色に変更される以外にも、その領域の色が文字や図形それぞれからの距離に応じたグラデーションで表現されるようにしてもよいし、そもそも背景色が変更されるのではなく、合成される文字オーラの文字色の明度との比較によって、その領域の色の明暗が変更されるようにしてもよい。
また、以上においては、文字オーラの文字色に応じて、文字オーラサンプル画像531(編集画像)における背景領域の少なくとも一部の背景色が変更されるものとしたが、背景領域の背景色の変更を受け付けるようにして、背景領域の背景色に応じて、文字オーラの文字色が変更されるようにしてもよい。
[文字オーラ合成処理の他の例について]
ここで、図24のフローチャートを参照して、背景領域の背景色の変更を受け付け、変更された背景領域の背景色に応じて、文字オーラの文字色を変更する文字オーラ合成処理について説明する。
なお、図24のフローチャートのステップS95乃至S97の処理は、図20のフローチャートのステップS65乃至S67の処理とそれぞれ同一であるので、その説明は省略する。
すなわち、ステップS91において、表示制御部311は、図25に示されるように、タブレット内蔵モニタ131に表示される編集画面の中の編集用パレットに、文字オーラサンプル画像531を表示させる。
図25は、図24の文字オーラ合成処理時の編集画面の構成例を示す図である。なお、図25の編集画面501において、図21の編集画面501と異なるのは、文字色変更ボタン532に代えて、背景色変更ボタン571が設けられている点である。
背景色変更ボタン571は、文字オーラサンプル画像531の背景領域の背景色を変更するためのボタンである。図25の例では、背景色を、白色、黒色、淡いピンク色にするためのボタンが表示されており、背景色を白色するためのボタンが選択されている。
さて、図24のフローチャートに戻り、編集用パレット512−1に文字オーラサンプル画像531が表示された状態で、ステップS92において、入力受付部312は、背景色の変更の指示を受け付けたか否か、すなわち、背景色変更ボタン571が操作されたか否かを判定する。
ステップS92において、背景色の変更の指示を受け付けたと判定されると、すなわち、背景色変更ボタン571が操作されると、処理はステップS93に進み、変更部321は、背景色変更ボタン571において選択された色に、文字オーラサンプル画像531の背景領域の背景色を変更する。
続いてステップS94において、変更部321は、変更された背景領域の背景色に応じて、文字オーラサンプル画像531の文字オーラの文字色を変更する。具体的には、文字オーラサンプル画像531の文字オーラの文字色は、背景領域の背景色の補色や、背景領域の背景色と同じ系統色であって濃淡や明暗が異なる色に変更される。
例えば、背景色変更ボタン571において白色のボタンが選択されると、文字オーラサンプル画像において、背景領域の背景色が白色に変更されるとともに、文字オーラの文字色が黒色に変更される。また、背景色変更ボタン571において黒色のボタンが選択されると、文字オーラサンプル画像において、背景領域の背景色が黒色に変更されるとともに、文字オーラの文字色が白色に変更される。さらに、背景色変更ボタン571において淡いピンク色のボタンが選択されると、文字オーラサンプル画像において、背景領域の背景色が淡いピンク色に変更されるとともに、文字オーラの文字色が濃いピンク色に変更される。
なお、ステップS93,S94においても、編集用パレット512−1に表示されている文字オーラサンプル画像531全ての文字色および背景色が変更されてもよいし、表示されている文字オーラサンプル画像531のうちの一部の文字オーラサンプル画像の文字色および背景色が変更されてもよい。
ステップS94の後、処理はステップS92に戻り、ステップS92乃至S94の処理が繰り返される。そして、ステップS92において、背景色の変更を受け付けていないと判定されると、処理はステップS95に進む。
以上の処理によれば、写真シール作成装置において、背景領域の背景色の変更が指示されると、背景領域の背景色が変更されるとともに、文字オーラの文字色が背景領域の背景色に応じた色に変更され、その背景色が変更された編集画像に、文字色が変更された文字オーラが合成されるようになる。これにより、撮影画像の背景の色と、文字オーラの色とのバランスが考慮された、より良い仕上がりの画像を提供することが可能となり、写真シール作成装置の利用者の満足度をより向上させることが可能となる。
ところで、上述したように、利用者によって入力された利用者の名前を表す文字は、撮影画像における被写体それぞれに紐付けられている。そこで、複数の利用者の名前が入力された場合、文字オーラ合成処理において、名前オーラサンプル画像531aまたは531bが選択されたときには、合成部322は、編集画像における被写体の輪郭領域のそれぞれに、利用者毎の名前オーラを合成するようにしてもよい。
例えば、2人の利用者の名前として、「なつみ」、「どうむ」のひらがなが入力されたとすると、編集画像において、「なつみ」に対応する被写体の輪郭領域には、「NATSUMI_NATSUMI_NATSUMI_・・・」(“_”には、所定の図形が表示される)のように、「なつみ」に対応する利用者の名前を表すローマ字が名前オーラとして合成され、「どうむ」に対応する被写体の輪郭領域には、「DOMU_DOMU_DOMU_・・・」のように、「どうむ」に対応する利用者の名前を表すローマ字が名前オーラとして合成されるようになる。
このように、利用者が複数の場合、撮影画像における被写体それぞれの周りに、利用者毎の名前が文字オーラとして合成されるので、面白みのある画像を提供することが可能となる。
また、編集画像における被写体と被写体との隙間にも名前オーラが合成され、名前オーラ同士が重なり合ってしまう場合、合成部322は、名前オーラ同士が重なり合う領域にハート型や星型等の図形を合成するようにしてもよい。
これにより、名前オーラ同士が重なることなく、見栄えの良い画像を提供することが可能となる。なお、名前オーラ同士が重なり合う領域に所定の図形を合成する以外にも、名前オーラ同士が重なり合う領域には何も合成させないようにしてもよい。
さらに、一度利用者によって入力された名前の修正を、上述した編集処理の中で受け付けるようにすることもできる。
[名前の修正入力について]
図26は、名前の修正入力を受け付ける編集画面の構成例を示す図である。なお、図26の編集画面において、図21および図25の編集画面と異なるのは、「おすすめ」タブが選択されている編集用パレット512−1において、「オーラ」タブではなく、「おなまえ入りメッセージ」タブが選択されている点である。「おなまえ入りメッセージ」タブで表示される編集ツールによれば、利用者により入力された利用者の名前を表す文字列と各種のメッセージとが含まれるスタンプ画像が、編集画像に合成されるようになる。
「おなまえ入りメッセージ」タブが選択されている編集用パレット512−1には、上述したスタンプ画像を選択するための複数のアイコンの他、おなまえ修正ボタン591が表示されている。また、「RUMOR」タブが選択されている編集用パレット512−2には、所定のスタンプ画像を選択するための複数のアイコンの他、おなまえ修正ボタン592が表示されている。
おなまえ修正ボタン591,592は、利用者により入力された利用者の名前を修正するためのボタンである。
例えば、タブレット内蔵モニタ131に対して左側の利用者によりおなまえ修正ボタン591が操作されることで、入力受付部312が利用者の名前の修正入力を受け付けると、図27に示されるように、編集画面501上の左側に、名前修正パレット611が表示される。
名前修正パレット611の上側には、「ひだりの人」の表記の下方に、タブレット内蔵モニタ131に対して左側の利用者の名前の修正に用いられるひらがな表示欄621−1、ローマ字表示欄622−1、戻るボタン623−1、消去ボタン624−1、およびローマ字修正ボタン625−1が表示され、「みぎの人」の表記の下方に、タブレット内蔵モニタ131に対して右側の利用者の名前の修正に用いられるひらがな表示欄621−2、ローマ字表示欄622−2、戻るボタン623−2、消去ボタン624−2、およびローマ字修正ボタン625−2が表示されている。
また、名前修正パレット611の下側には、ひらがなキー626、OKボタン627、およびキャンセルボタン628が表示されている。
名前修正パレット611が表示されると、ひらがな表示欄621−1およびローマ字表示欄622−1には、予め入力された左側の利用者の名前を表すひらがなおよびローマ字が表示され、ひらがな表示欄621−2およびローマ字表示欄622−2には、予め入力された右側の利用者の名前を表すひらがなおよびローマ字が表示される。
このように表示された利用者の名前の修正入力は、入力受付部312によって受け付けられ、戻るボタン623−1,623−2、消去ボタン624−1,624−2、ローマ字修正ボタン625−1,625−2、ひらがなキー626、およびOKボタン627が用いられることで、名前入力画面401(図19)における名前入力と同様にして行われる。
なお、タブレット内蔵モニタ131に対して左側の利用者によりおなまえ修正ボタン591が操作された場合、図27に示されるように、タブレット内蔵モニタ131に対して右側の利用者による名前の修正入力を受け付けないようにするために、編集用パレット512−2において、おなまえ修正ボタン592は非表示とされる。
また、タブレット内蔵モニタ131に対して右側の利用者によりおなまえ修正ボタン592が操作された場合には、タブレット内蔵モニタ131に対して左側の利用者による名前の修正入力を受け付けないようにするために、編集用パレット512−1において、おなまえ修正ボタン591は非表示とされる。
このようにして利用者の名前の修正入力が受け付けられ、再度、文字オーラ合成処理が実行され、その中で名前オーラサンプル画像が選択されると、合成部322は、編集画像における輪郭領域に、修正された利用者の名前を表す文字列としての名前オーラを合成する。これにより、利用者は、編集作業中に思いついた所望の名前を用いた名前オーラを、編集画像に合成することができるようになるので、より面白みのある画像を提供することが可能となる。
なお、図27の名前修正パレット611において、「ひだりの人」および「みぎの人」の表記に代えて、対応する被写体の顔画像を表示させるようにしてもよい。
また、上述してきた文字オーラ合成処理においては、文字オーラの文字色または背景領域の背景色の変更の指示に基づいて、文字オーラの文字色および背景領域の少なくとも一部の背景色が変更されるものとしたが、文字オーラの文字色および背景領域の少なくとも一部の背景色の濃淡や明暗が変更されるようにしてもよい。
さらに、文字オーラについては、文字オーラの文字色または背景領域の背景色の変更の指示に基づいて、文字オーラにおける文字のフォントやスタイル(斜体、太字等)、囲み線の有無等の文字の書式が変更されるようにしてもよい。
ところで、近年の写真シール機においては、最終的に印刷されるシール紙に配置される編集済み画像のレイアウトを利用者に選択させるものがある。このような写真シール機において、利用者は、そのレイアウトとともに、シール紙において編集済み画像が配置される領域以外の領域に印刷される画像(領域外画像)を、複数の中から選択することができる。
しかしながら、利用者が選択可能な領域外画像が、シール紙に配置される編集済み画像の雰囲気と必ずしも合ったものであるとは限らず、例えば6枚の編集済み画像が配置されて印刷されるシール紙は、全体的に統一感のないものとなり、ひいては、写真シール機の利用者の満足度を低下させる恐れがあった。
そこで、以下においては、印刷されるシール紙を全体的に統一感のあるものとする処理について説明する。
[統一感のあるシール紙を提供するための編集処理]
図28および図29は、統一感のあるシール紙を提供するための編集処理の流れの例を説明するフローチャートである。
なお、図28のフローチャートのステップS131乃至S139における処理は、図18のフローチャートのステップS31乃至S39における処理と同様であるので、その説明は省略する。
すなわち、ステップS139において、所定の時間が経過した、または、終了ボタンが操作されたと判定された後、処理は図29のステップS140に進み、表示制御部311は、タブレット内蔵モニタ131に、シールレイアウトを決定するシール紙の分割パターンを選択させる分割パターン選択画面を表示させ、利用者に分割パターンを選択させる。ここで、シールレイアウトは、写真シール作成ゲームの一連の処理において最終的に出力されるシール紙における印刷画像(編集済み画像)の配置を示すものである。
図30は、分割パターン選択画面の例を示している。
分割パターンには、シール紙が2枚にカットされて出力されるシールレイアウトを選択させる「2人用」、シール紙が3枚または4枚にカットされて出力されるシールレイアウトを選択させる「3人用・4人用」、シール紙に対して印刷画像のサイズを大きくまたは小さくしたシールレイアウトを選択させる「大分割・小分割」、およびシール紙に配置される複数の印刷画像のうちの一部の印刷画像のサイズを大きくしたシールレイアウトを選択させる「記念日分割」がある。
図30の分割パターン選択画面には、それぞれの分割パターンを選択させるためのボタンが表示されている。図30の例では、分割パターンとして「2人用」が選択されており、2人の利用者がシールレイアウトを選択・決定することができるようになされている。
ステップS141において、入力受付部312は、デザイン画像を選択させる分割パターンが選択されたか否かを判定する。
ここで、デザイン画像は、シール紙において印刷画像が配置される領域以外の領域に印刷される画像であり、デザイン画像を選択させる分割パターンは、例えば「2人用」および「記念日分割」であるものとする。
ステップS141において、デザイン画像を選択させる分割パターンが選択されたと判定された場合、すなわち、分割パターンとして、「2人用」または「記念日分割」が選択された場合、ステップS142において、表示制御部311は、複数のデザイン画像を、分割パターン選択画面に表示させ、利用者に選択させる。ここでは、分割パターンとして、「2人用」が選択されたものとする。
図30に示される、分割パターンとして「2人用」が選択されている分割パターン選択画面には、タブレット内蔵モニタ131に対して左側の利用者に操作される分割パターン選択操作画面651−1と、タブレット内蔵モニタ131に対して右側の利用者に操作される分割パターン選択操作画面651−2とが表示されている。
分割パターン選択操作画面651−1には、デザイン画像661−1,662−1、OKボタン663−1、および選択済デザイン画像664−1が表示されている。
デザイン画像661−1,662−1は、上述したように、シール紙において印刷画像が配置される領域以外の領域に印刷される画像(領域外画像)であり、それぞれ色や図柄、文言で装飾されている。デザイン画像661−1,662−1には、それぞれのシールレイアウトが与えられている。
図30に示されるデザイン画像661−1のシールレイアウトには、編集作業によって落書き編集が行われた例えば6枚の編集済み画像を1枚ずつ配置させるものと、6枚の編集済み画像に加え、6枚の編集済み画像から利用者に選択された1枚の編集済み画像(以下、選択画像という)を拡大して配置させるものとがある。デザイン画像661−1のシールレイアウトをスペシャルレイアウトともいう。
また、デザイン画像662−1のシールレイアウトには、6枚の編集済み画像をそれぞれ拡大した6枚の画像と縮小した6枚の画像の、合わせて12枚の画像を配置させるものと、6枚の編集済み画像をそれぞれ縮小した6枚の画像と、所定の領域でトリミングした6枚の画像の、合わせて12枚の画像を配置させるものとがある。デザイン画像662−1のシールレイアウトを通常レイアウトともいう。この通常レイアウトのデザイン画像は、利用者がそのデザイン画像の色、すなわちシール紙のふちの色を選択することができるデザイン画像とされる。
OKボタン663−1は、デザイン画像661−1,662−1のうちの利用者に選択されたデザイン画像を、最終的に出力されるシール紙に印刷されるデザイン画像として決定するためのボタンである。選択済デザイン画像664−1は、利用者が選択したデザイン画像に、編集作業によって落書き編集が行われた編集済み画像が配置された画像である。なお、選択済デザイン画像664−1は、最終的に出力されるシール紙と同一の大きさで表示される。
すなわち、利用者により、デザイン画像661−1,662−1のうちのいずれかのデザイン画像が選択され決定されることで、最終的に出力されるシール紙のシールレイアウトが決定されるようになる。図30の例では、デザイン画像662−1の上段のデザイン画像が選択され決定されて、対応する選択済デザイン画像664−1が表示されている。
また、分割パターン選択操作画面651−2には、デザイン画像661−2,662−2、OKボタン663−2、および選択済デザイン画像664−2が表示されているが、それぞれ、分割パターン選択操作画面651−1に表示されている、デザイン画像661−1,662−1、OKボタン663−1、および選択済デザイン画像664−1と同一のものであるので、その説明は省略する。
なお、図30の例では、デザイン画像661−2の下段の左から2番目のデザイン画像が選択され決定されて、対応する選択済デザイン画像664−2が表示されている。
図29のフローチャートに戻り、ステップS143において、入力受付部312は、ステップS142でシール紙のふちの色を選択させるデザイン画像、すなわち、デザイン画像662−1または662−2が選択されたか否かを判定する。
ステップS143において、シール紙のふちの色を選択させるデザイン画像が選択されたと判定された場合、処理はステップS144に進む。
ステップS144において、表示制御部311は、タブレット内蔵モニタ131に、ステップS142で選択されたシールレイアウトのデザイン画像であって、撮影画像の写りに応じたふちの色のデザイン画像を選択させる選択画面を表示させ、利用者にふちの色を選択させる。
ここで、撮影画像の写りとは、撮影処理において利用者に選択される、色合いやシャープネス等、画像の画質を表すものであり、例えば、「シルク」と「ライト」のいずれかが選択可能とされる。写りとして「シルク」が選択された場合、撮影処理において得られる撮影画像は、全てふんわりした感じの画像となり、写りとして「ライト」が選択された場合、撮影処理において得られる撮影画像は、全てくっきりした感じの画像となる。
図31は、シール紙のふちの色の選択画面の例を示している。
図31に示される選択画面には、タブレット内蔵モニタ131に対して左側の利用者に操作される操作画面671−1と、タブレット内蔵モニタ131に対して右側の利用者に操作される操作画面671−2とが表示されている。
操作画面671−1には、ふち色選択用デザイン画像681乃至684、およびOKボタン685が表示されている。
ふち色選択用デザイン画像681乃至684は、図30の選択済デザイン画像664−1と同一の画像であって、撮影処理において利用者に選択された写りに合ったふちの色のデザイン画像に、編集済み画像が配置された画像である。
例えば、撮影処理において、写りとして「シルク」が選択されている場合、ふち色選択用デザイン画像681乃至684のふちの色は、それぞれ白色、黒色、濃いピンク色、紺色とされ、写りとして「ライト」が選択されている場合、ふち色選択用デザイン画像681乃至684のふちの色は、それぞれ白色、黒色、淡いピンク色、グレーとされる。なお、ここでは、ふち色選択用デザイン画像681乃至684のふちの色のうち、白色と黒色は、デフォルトで設定された色とされ、他の2色が写りに合った色とされる。
OKボタン685は、利用者により選択されたふち色選択用デザイン画像を、シール紙に印刷されるデザイン画像(ふちの色)として決定させる。これにより、最終的に出力されるシール紙は、例えば6枚の編集済み画像と、ふちの色とが統一感のあるものとなる。
なお、最終的に出力されるシール紙のふちの所定の部分には、写真シール作成装置1自体の機種名を表す文字列が印字されるが、その機種名を表す文字列の色も、写りに応じて変更されるようにしてもよい。
一方、操作画面671−2には、選択候補画像691、OKボタン692、および決定済デザイン画像693が表示されている。
選択候補画像691は、例えば6枚の編集済み画像であり、利用者によりいずれか1枚が選択される。OKボタン692は、利用者により選択された1枚の編集済み画像を選択画像として決定させる。
決定済デザイン画像693は、図30の選択済デザイン画像664−2と同一の画像である。ただし、選択画像表示領域693aには、利用者がOKボタン692を操作することにより決定された選択画像が表示される。
図29のフローチャートに戻り、ステップS143において、シール紙のふちの色を選択させるデザイン画像が選択されなかったと判定された場合、すなわち、通常レイアウトのデザイン画像が選択されなかった場合、ステップS144はスキップされ、処理はステップS145に進む。
また、ステップS141において、デザイン画像を選択させる分割パターンが選択されなかったと判定された場合、すなわち、分割パターンとして、「3人用・4人用」または「大分割・小分割」が選択された場合、ステップS142乃至S144はスキップされ、処理はステップS145に進む。
なお、上述では、デザイン画像を選択させる分割パターンは、「2人用」および「記念日分割」であるものとしたが、「3人用・4人用」や「大分割・小分割」を、デザイン画像を選択させる分割パターンとして、シール紙のふちの色を選択させるデザイン画像が選択されるようにしてもよい。この場合、ステップS141の判断処理は実行されなくなる。
ステップS145において、編集処理部302は、所定の時間が経過したか否かを判定する。所定の時間が経過していないと判定された場合、処理はステップS140に戻り、それ以降の処理が繰り返される。そして、ステップS145において、所定の時間が経過したと判定された場合、処理はステップS146に進む。
ステップS146において、編集処理部302は、画面の表示を終了し、編集入力の受け付けを終了する。
ステップS147において、編集処理部302は、選択されたデザイン画像とそのシールレイアウトについての情報であるレイアウト情報を生成し、シール紙に配置される印刷画像(編集済み画像)とともに、記憶部202に保存(記憶)させる。
ステップS147の処理が終了すると、編集処理は終了され、処理は図18のステップS5に戻る。
そして、印刷処理においては、保存された編集済み画像とレイアウト情報とに基づいて、編集済み画像が、レイアウト情報で示されるシールレイアウトのデザイン画像に配置されたシール紙が印刷される。
以上の処理によれば、撮影画像の写りに応じたシール紙のふちの色が複数表示され、利用者に選択されるので、例えば6枚の編集済み画像が配置されて印刷されるシール紙は、編集済み画像の雰囲気とシール紙のふちの色とが統一感のあるものとなり、結果として、利用者の満足度をより向上させることが可能となる。
なお、シール紙のふちの部分には、上述した写真シール作成装置1自体の機種名を表す文字列の他に、写真シール作成ゲームにおける撮影が行われた日時、撮影処理において選択された写りや、背景画像の色味等を表す文字が印字されるが、それらの文字のフォント(手書き風やゴシック体等)を、撮影画像の写りに応じて複数表示させ、利用者に選択させるようにしてもよい。
また、撮影処理において選択された写りに限らず、例えば、編集済み画像の背景色(背景画像の色味群)に応じたシール紙のふちの色を複数表示させ、利用者に選択させるようにしてもよい。具体的には、6枚の編集済み画像の背景色として選択された色の組み合わせや最も多い色に応じたシール紙のふちの色(デザイン画像)を、予め複数設定しておき、それらを表示させるようにする。
さらに、6枚の編集済み画像の背景画像が、図柄等のない色のみの背景画像である場合には、図柄を含んだシール紙のふちの色を複数表示させ、利用者に選択させるようにしてもよい。
以上により、最終的に印刷されるシール紙は、編集済み画像の雰囲気とシール紙のふちの色とが統一感のある上にデザイン性に富んだものとなり、結果として、利用者の満足度をより一層向上させることが可能となる。
ところで、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。上述した一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、ネットワークや記録媒体からインストールされる。
この記録媒体は、例えば、図14に示されるように、装置本体とは別に、写真シール作成装置1の管理者にプログラムを配信するために配布される、プログラムが記録されている磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROMおよびDVDを含む)、光磁気ディスク(MD(Mini-Disc(登録商標))を含む)、もしくは半導体メモリなどよりなるリムーバブルメディア205により構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態で管理者に配信される、プログラムが記録されているROM206や、記憶部202に含まれるハードディスクなどで構成される。
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。