以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しながら説明する。
[ぱちんこ遊技機の全体構成]
本発明に係る遊技機の代表例として、ぱちんこ遊技機PMの正面図及び背面図を図1及び図2に示しており、まず始めに、この図を参照して、ぱちんこ遊技機PMの全体構成について概要説明する。
始めに、図1を参照しながら、ぱちんこ遊技機PMの正面側の基本構造を説明する。ぱちんこ遊技機PMは、図1に示すように、外郭方形枠サイズに構成された縦向きの固定保持枠をなす外枠1の開口前面に、これに合わせた方形枠サイズに構成されて開閉搭載枠をなす前枠2が互いの正面左側縁部に配設された上下のヒンジ機構3により横開き開閉および着脱が可能に取り付けられ、正面右側縁部に設けられたダブル錠と称される施錠装置4を利用して常には外枠1と係合連結された閉鎖状態に保持される。
前枠2には、この前枠2の上部前面域に合わせた方形状のガラス枠5が上下のヒンジ機構3を利用して横開き開閉および着脱可能に組み付けられ、施錠装置4を利用して常には前枠2の前面を覆う閉鎖状態に保持される。前枠2には、遊技盤20が着脱可能にセット保持され、常には閉鎖保持されるガラス枠5の複層ガラスを通して遊技盤20の正面の遊技領域PAを視認可能に臨ませるようになっている。
ガラス枠5の前面側には、遊技の展開状況に応じて発光する演出ランプ10や、遊技の展開状況に応じて効果音を発生するスピーカ11が設けられている。ガラス枠5の下部には遊技球を貯留する上下の球皿(上球皿8及び下球皿9)が設けられており、上球皿8の正面中央にはリフト装置80を介して演出ボタンユニット100が設けられ、下球皿9の正面右側には遊技球の発射操作を行う発射ハンドル12が設けられている。
遊技盤20は、例えばアクリル樹脂やポリカーボネート樹脂、ABS樹脂等の合成樹脂材料を用いて矩形平板状に形成された基板をベースとして構成される。遊技盤20の前面には、外レール及び内レールが円弧状に固設されて遊技球が転動可能な略円形の遊技領域PAが区画形成され、この遊技領域PAに多数本の釘や風車とともに、第1特図始動口61、第2特図始動口62、普図始動口63、大入賞口64、などの各種入賞口の他、第1特別図柄表示装置71、第2特別図柄表示装置72、第1特図保留ランプ73、第2特図保留ランプ74、普通図柄表示装置75、普図保留ランプ76などの各種表示装置が設けられている。遊技領域PAの略中央にはセンター飾り22が配設されており、このセンター飾り22の中央開口を通して演出表示装置70の画面が視認可能に設けられている。遊技領域PAの下端には各入賞口に入球せずに転動流下した遊技球を遊技盤20の裏側へ排出するアウト口29が設けられている。以下、遊技盤20に設けられた各構成要素を順番に説明する。
第1特図始動口61は、第1特別図柄遊技(以下、単に「第1特図遊技」と称する)に対応する始動入賞口として設けられており、遊技球の入球を検出するための第1始動入賞検出器611を備えている。第1始動入賞検出器611は、例えば第1特図始動口61への遊技球の入球を検出するいわゆる通過型センサであり、遊技球の入球時に該入球を示す第1始動入賞情報を生成する。
第2特図始動口62は、第2特別図柄遊技(以下、単に「第2特図遊技」と称する)に対応する始動入賞口として設けられている。第2特図始動口62は、第2始動入賞検出器621と、いわゆる電チュー(電動チューリップ)と称される電動役物622と、電動役物622を開閉作動させるための電動役物ソレノイド623とを備える。第2始動入賞検出器621は、例えば第2特図始動口62への遊技球の入球を検出するいわゆる通過型センサであり、遊技球の入球時に該入球を示す第2始動入賞情報を生成する。電動役物622は、第2特図始動口62へ遊技球が入球し難い閉鎖状態と該状態よりも遊技球が入球し易い開放状態とに可変する。
普図始動口63は、普図始動入賞検出器631を備えている。普図始動入賞検出器631は、例えば普図始動口63への遊技球の通過を検出するいわゆる通過型センサであり、遊技球の通過時に該通過を示す普図始動口通過情報を生成する。なお、普図始動口63への遊技球の通過は、第2特図始動口62の電動役物622を拡開させるか否かを決定するための普通図柄抽選の契機となる。
大入賞口64は、第1特別図柄又は第2特別図柄が所定態様で変動停止した場合、「大当り」として開放状態となる、横長方形状をなし遊技領域PAの下方に位置した入賞口である。大入賞口64は、大入賞検出器641と、電動役物642と、電動役物642を開閉作動させるための大入賞口ソレノイド643とを備える。大入賞検出器641は、例えば大入賞口64への遊技球の入球を検出するいわゆる通過型センサであり、遊技球の入球時に該入球を示す大入賞情報を生成する。電動役物642は、大入賞口64に遊技球が入球不能又は入球困難な通常状態と遊技球が入球し易い開放状態とに大入賞口64を可変させる。
続いて、第1特別図柄表示装置71(第2特別図柄表示装置72)は、第1特図遊技(第2特図遊技)に対応する第1特別図柄(第2特別図柄)の変動表示及び停止表示を行う。第1特別図柄表示装置71(第2特別図柄表示装置72)は、例えば8個のランプから構成され、特別図柄の変動表示は当該ランプの点灯パターンに従って表現される。第1特図保留ランプ73(第2特図保留ランプ74)は、例えば2個のランプから構成され、当該ランプの点灯・点滅表示によって第1特図遊技(第2特図遊技)に係る保留数(最大4個)を表現する。第1特図保留ランプ73(第2特図保留ランプ74)の保留数は、第1特別図柄(第2特別図柄)の変動中、第1特図遊技及び第2特図遊技の実行中のうちいずれかの間に第1特図始動口61(第2特図始動口62)へ入賞した抽選結果の数であり、まだ図柄変動が実行されていない入賞球の数を示す。
普通図柄表示装置75は、普通図柄の変動表示及び停止表示を行う。普図保留ランプ76は、例えば4個のランプから構成され、当該ランプの点灯個数が普通図柄変動の保留数(まだ実行されていない普通図柄変動の数)に相当する。
演出表示装置70は、主として、第1特別図柄・第2特別図柄と連動して変動・停止する装飾図柄や予告表示を含む演出画像の変動表示及び停止表示を行うとともに、装飾図柄の保留表示を行う。具体的には、演出表示装置70の画面上に、装飾図柄の変動表示及び停止表示や予告表示が実行される装飾図柄表示部700と、第1特別図柄に対応した装飾図柄の保留表示が実行される第1装図保留表示部701と、第2特別図柄に対応した装飾図柄の保留表示が実行される第2装図保留表示部702と、が形成されている。なお、本実施形態では液晶パネルで構成されているが、機械式のドラムやLED等の他の表示手段で構成されてもよい。
最後に、センター飾り22は、演出表示装置70の周囲に設置され、遊技球の流路、演出表示装置70の画面の保護、装飾等の機能を有する。センター飾り22には、遊技の展開状況に応じた演出動作を実行する可動役物24などが設けられている。
続いて、図2を参照しながら、ぱちんこ遊技機PMの背面側の基本構造を説明する。前枠2の背面側には、中央に前後連通する窓口を有して前枠2よりも幾分小型の矩形枠状に形成された基枠体をベースとしてなる裏セット盤30が、上下のヒンジ機構3を介して前枠2後方に横開き開閉及び着脱が可能に連結されている。この裏セット盤30には、前面開放の矩形箱状をなす裏セットカバー30Cが着脱自在に装着されており、常には前枠2に取り付けられた遊技盤20の裏面側を覆って配設されている(これにより後述するメイン制御基板1000及びサブ制御基板2000が裏セットカバー30Cにより覆われる)。
裏セット盤30の各部には、多数個の遊技球を貯留する貯留タンク31、貯留タンク31から右方に緩やかな下り傾斜を有して延びるタンクレール32、タンクレール32の右端部に繋がり下方に延びる球供給通路部33、球供給通路部33により導かれた遊技球を払い出す賞球払出ユニット34、賞球払出ユニット34から払い出された遊技球を上球皿6に導くための賞球通路部35などが設けられている。
遊技盤10の背面側には、ぱちんこ遊技機PMの作動を統括的に制御するメイン制御基板(メイン制御基板ユニット)1000や、遊技展開に応じた画像表示、効果照明、効果音等の演出全般の制御を行うサブ制御基板(サブ制御基板ユニット)2000などが取り付けられている。これに対して、裏セット盤30の背面側には、遊技球の発射及び払い出しに関する制御を行う払出制御基板(払出制御基板ユニット)3000や、遊技施設側から受電して各種制御基板や電気・電子部品に電力を供給する電源基板(電源基板ユニット)4000などが取り付けられている。なお、これらの制御基板は、不正改造防止のため、カシメ構造及び封印構造を有する透明樹脂製の基板ケースに収容されたアッセンブリ状態で遊技盤20背面又は裏セット盤30背面の所定位置にそれぞれ配設される。これらの制御基板とぱちんこ遊技機PM各部の電気・電子部品とがハーネス(コネクタケーブル)で接続されて、ぱちんこ遊技機PMが作動可能に構成されている。
ぱちんこ遊技機PMは、外枠1が遊技施設の遊技島(設置枠台)に固定設置され、前枠2、ガラス枠5等が閉鎖施錠された状態で遊技に供され、上球皿8に遊技球を貯留させて発射ハンドル12を回動操作することにより遊技が開始される。発射ハンドル12が回動操作されると、上球皿8に貯留された遊技球が、ガラス枠5の背面側に配設される球送り機構によって1球ずつ発射機構に送り出され、発射機構により遊技領域PAに打ち出されて、以降パチンコゲームが展開される。
遊技領域PAに発射された遊技球は、遊技盤20の前面側に設けられた遊技釘や風車などに衝突してその落下経路を変えながら転動流下する。遊技領域PAを転動流下する遊技球が、第1特図始動口61、第2特図始動口62、普図始動口63、大入賞口64などの各入賞口に入球すると、その入賞口の種別に応じた賞球が賞球払出ユニット33により上球皿8又は下球皿9に払い出される。遊技球が特図始動口61,62に入球すると、特別図柄表示装置71,72において特別図柄が変動表示されるとともに、演出表示装置70において装飾図柄が変動表示される。特別図柄、装飾図柄の変動表示は、先だって抽選によって決定された変動時間の経過後に停止される。停止後の特別図柄が大当たりを示す図柄である場合、演出表示装置70上では3つの図柄が一致した表示態様がとられる。図柄が大当たり図柄で停止すると、通常遊技よりも遊技者に有利な特別遊技が実行される。特別遊技は、大入賞口64の開閉動作を複数回連続して継続する遊技であり、1回の開閉を単位とした複数回の単位遊技(ラウンド)で構成される。そして、その単位遊技の設定ラウンド数(例えば、15ラウンド又は2ラウンド)を消化したときに特別遊技が終了することとなる。
[演出ボタンユニットの構成]
次に、本実施形態に係る演出ボタンユニット100の構成について図3〜図16を参照して説明する。ここで、図3は演出ボタンユニット100が取り付けられた状態のガラス枠5の斜視図、図4は演出ボタンユニット100がリフトダウン位置(水平レベル)にある状態を示す斜視図、図5は演出ボタンユニット100がリフトダウン位置にある状態を示す側面図、図6は演出ボタンユニット100がリフトアップ位置にある状態を示す斜視図、図7は演出ボタンユニット100がリフトアップ位置にある状態を示す側面図、図8は演出ボタンユニット100の斜視図、図9は演出ボタンユニット100(トップカバーを外した状態)を右方から見た斜視図、図10は演出ボタンユニット100(トップカバーを外した状態)を左方から見た斜視図、図11は演出ボタンユニット100(トップカバーを外した状態)の正面図、図12は演出ボタンユニット100(トップカバーを外した状態)の平面図、図13は図12における矢印XIII−XIIIに沿って示す断面図、図14は演出ボタンユニット100(トップカバー及び回転球体などを外した状態)の斜視図、図15は演出ボタンユニット100におけるボタン支持部材の斜視図、図16は演出ボタンユニット100における演出ボタンの正面図、である。なお、以降の説明においては、説明の便宜のため、上下及び左右前後の方向は、ぱちんこ遊技機PMへの取付状態での方向として、図3及び図8の状態を基準にして定義しており、図3及び図8に示す矢印の方向をそれぞれ前後、左右、上下と称して説明する。
演出ボタンユニット100は、ガラス枠5の前面側において上球皿8の外周縁を覆うように配置されて、ガラス枠5に搭載されたリフト装置80を介して上下方向に揺動自在(昇降自在)に取り付けられている。
リフト装置80は、ガラス枠5の前面側に固定されて演出ボタンユニット100の左右の各端部を支持するリフトケース81,85と、演出ボタンユニット100を昇降動作させるためのリフト駆動機構90と、を備えて構成される。
各リフトケース81,85は、前面側が開口された略矩形箱状に形成されており、この前面側の開口部に演出ボタンユニット100の左右の各端部が挿入保持される。各リフトケース81,85は左右に分割される分割型ケーシングとして夫々形成されており、各リフトケース81,85内には演出ボタンユニット100を軸支するための支持軸82,86が突設されている。また、各リフトケース81,85には、演出ボタンユニット100を上方に常時付勢するためのコイルバネ83,87が支持されている。
リフト駆動機構90は、右側のリフトケース82内に装備されており、駆動源としてのリフトモータ91と、リフトモータ91に直結された伝達歯車92と、伝達歯車92に外接噛合するとともに演出ボタンユニット100の右端部に固定された扇状歯車93と、を備えている。
リフトモータ91は、サブ制御基板2000からの駆動パルス信号を受けることにより正逆両方向に回転駆動可能なステッピングモータである。伝達歯車92は、リフトモータ91の回転軸に直結されており、リフトモータ92の回転軸と一体となって回転可能である。扇状歯車93は、演出ボタンユニット100の右端部に一定的に結合されて側面視扇状に形成された扇状基部93aと、この扇状基部93aの後端に形成されて伝達歯車92に外接噛合する歯部93bと、扇状基部93aの右側面に形成されてリフトケース85内に設けられた支持軸86を受容する支持孔93cと、からなる。
扇状歯車93は、リフトケース85の支持軸86を中心として従動歯車92と噛合回転する。この扇状歯車93は演出ボタンユニット100の右側面に固定されているので、扇状歯車93が支持軸86を中心として正逆回転すると、演出ボタンユニット100も支持軸86を中心に上下に揺動することとなる。なお、演出ボタンユニット100は、常にはコイルバネ83,87の弾性力により上方向に付勢されており、これによりリフト装置80による演出ボタンユニット100の上昇運動がアシストされている。
かかる構成のリフト装置80において、リフトモータ91を回転駆動させると、リフトモータ91の回転駆動力が伝達歯車92を介して扇状歯車93に伝達され、この扇状歯車93が伝達歯車92と噛合回転することにより、演出ボタンユニット100が支持軸96を中心として上下に昇降動作する。例えば、リフトモータ91を正回転させると演出ボタンユニット100は上昇し、リフトモータ91を逆回転させると演出ボタンユニット100は下降する。
このように演出ボタンユニット100は、リフト装置80の作動により、リフトケース85の支持軸86を中心として下方向に揺動して水平レベルとなるリフトダウン位置(図4及び図5参照)と、上方向に揺動して傾斜姿勢となるリフトアップ位置(図6及び図7を参照)と、の間で昇降動作可能であり、球皿8,9の高さ位置に対する演出ボタンユニット100の高さ位置を調節可能にして、遊技者による球皿8,9へのアクセスを容易にしている。なお、右側のリフトケース85には、演出ボタンユニット100のリフトダウン位置及びリフトアップ位置を検出するためのリフト位置検出センサ(フォトセンサ)S11,S12が取り付けられている。
続いて、演出ボタンユニット100は、リフト装置80に昇降自在に支持されて該ユニット100のベースとなる横長箱状のユニットケース110と、ユニットケース110の内部において上下に揺動自在に軸支されるボタン支持部材120と、ボタン支持部材120に支持されて遊技者による押圧操作及び回転操作が可能な球型の演出ボタン130と、演出ボタン130を自動的に回転動作させるための駆動系140と、演出ボタン130と駆動系140とを連結/遮断(接続/切断)する電磁クラッチ150と、演出ボタン130の左側部に連結されて演出ボタン130と一体回転する回転検出盤170と、を主体として構成されている。
ユニットケース110は、下方に開口を有する有底箱状のトップケース111と、トップケース111の開口を閉止して取り付けられる略板状のボトムケース115と、から形成される。ユニットケース110は、その左端部がリフトケース81の支持軸82に軸支されるとともに、右端部が扇状歯車93を介してリフトケース85の支持軸86に軸支されることで、これら左右の支持軸82,86を中心として上下に揺動自在に取り付けられている。ユニットケース110における前方中央には、演出ボタン130を遊技者に向けて露出状態で配設するためのボタン配設空間110Sが略U字状に凹設されており、これにより遊技者によるボタン操作が可能となっている。ボトムケース115の上面側には、左右の支持枠体116,117が左右方向に一定距離だけ離間して形成されており、これら支持枠体116,117の間には長尺軸状の支持ロッド118が水平姿勢で架設されている。
ボタン支持部材120は、ボトムケース115の支持ロッド118に揺動自在に軸支されており、図15に示すように、左右の支持ベース部121,122と、これら支持ベース部121,122を連結する連結支持部123とを備えて形成されている。ボタン支持部材120には、ボトムケース115の支持ロッド118を挿通するためのロッド挿通孔124が左右に延びて形成されている。このボタン支持部材120は、演出ボタン130を回転自在に支持する取付ベースをなっており、演出ボタン130と一体的に上下方向に揺動することで、演出ボタン130の押圧操作を可能としている(図8に演出ボタン130の押圧操作方向を矢印「Z」で示す)。また、ボタン支持部材120は、ボトムケース115との間に介装された左右のコイルバネ127,128によって上方向に常時付勢されている。故に、ボタン支持部材120及び演出ボタン130は一体化された状態で、常には二つのコイルバネ127,128の弾性力を受けて遊技者による押圧操作が可能な上端位置(自由端位置)に付勢配設される。
また、ボタン支持部材120の左端部には、板状の検出片129が左方外方へ向けて突設されている。これに対して、ボトムケース115には、ボタン支持部材120の検出片129によって演出ボタン130の押圧操作を検出するための押圧操作検出センサS1が取り付けられている。この押圧操作検出センサS1は、光を投光する投光部と、この投光部からの光を受光する受光部とを有し、ボタン支持部材120の検出片129を挿入可能なスリットを有して略コ字形に配置されたフォトセンサである。この押圧操作検出センサS1は、演出ボタン130が操作されずボタン支持部材120の検出片129が当該センサS1の投光部と受光部との間に介在していない(遮光されてない)ときはオフとなり、演出ボタン130が下方向に押し込まれて検出片129が当該センサS1の投光部と受光部との間に介在している(遮光されている)ときにオンとなる。なお、この押圧操作検出センサS1の検出信号(オン/オフ信号)はサブ制御基板2000に入力され、サブ制御基板2000により演出ボタン130のオン/オフ操作が検出される。
演出ボタン130は、遊技者によりボタン操作される回転球体131と、回転球体131の内部に設けられた電飾部材136とから構成されており、ボタン支持部材120と一体的に上下方向に揺動自在であるとともに、ボタン支持部材120に対して回転自在に取り付けられている。本実施形態において、演出ボタン130は、押圧操作及び回転操作の二つのボタン操作が可能であるとともに、駆動系140からの回転駆動力を受けて回転動作(演出動作)が可能である。
回転球体131は、この球体131の中心点を通過して左右方向に延びる軸心周りに回転自在に構成されている。回転球体131は、透光性を有する合成樹脂材からなる二つの半球形の殻体132,132を組み合わせてなり、その内部は電飾部材136を収容可能な中空状とされている。また、回転球体131の内部には、この回転球体131の中心に向かって延びる板状の検出片133が一体的に形成されている。回転球体131の左右の端部には、左右外方に延出する中空状の左側軸部134及び右側軸部135が一体的に形成されている。回転球体131の左側軸部134は、ボタン支持部材120の支持ベース部121に設けられた軸受(ベアリング)B1に回転自在に支持されるとともに、回転検出盤170と一体回転可能に連結されている。回転球体131の右側軸部135は、ボタン支持部材120の支持ベース部122に設けられた軸受(ベアリング)B2に回転自在に支持されるとともに、電磁クラッチ150に連結されている。
電飾部材136は、多角柱状に配置された複数のLED基板137を有しており、これら複数のLED基板137を左右から挟み込むようにして左側面蓋138及び右側面蓋139が着脱自在に取り付けられている。LED基板137は、回転球体131を電飾するための発光体として表面実装(SMD)型のフルカラーLEDを有している。電飾部材136は、左側面蓋138及び右側面蓋139がボタン支持部材120(左側の支持ベース部121)から片持ち状に突出する電飾保持部121aに固定されるとともに、右側面蓋139から延出する円筒部139aが軸受(ベアリング)B3を介して回転球体131の右側軸部135に支持されることで、回転球体131とは一体回転せず常に静止固定されている。
電飾部材136の後側の外側面(LED基板137が配されていない外側面)には、回転球体131が初期位置(回転動作の起点となる基準位置)に存在することを検出するための球体検出センサS2が取り付けられている。球体検出センサS2は、光を投光する投光部と、この投光部からの光を受光する受光部とを有し、回転球体131の検出片133を挿入可能なスリットを有して略コ字形に配置されたフォトセンサである。この球体検出センサS2は、回転球体131の検出片133が当該センサS2の投光部と受光部との間に介在していない(遮光されてない)ときはオフとなり、回転球体131の検出片133が当該センサS2の投光部と受光部との間に介在している(遮光されている)ときにオンとなる。なお、この球体検出センサS2の検出信号(オン/オフ信号)はサブ制御基板2000に入力され、サブ制御基板2000により回転球体131が初期位置に存在することが検出される。
駆動系140は、右側の支持ベース部122に固着されたモータベース122aに取り付けられて、回転球体131を自動的に回転動作させるためのボタンモータ141と、ボタンモータ141の回転軸に結合された駆動歯車142と、駆動歯車142に外接噛合する従動歯車143と、を備えて構成されている。
ボタンモータ141は、例えば、A相、B相、A−相、B−相の磁界を形成するステータコイルを有する2相のユニポーラ型ステッピングモータであり、周知のように、該モータ141の回転軸に取り付けられたロータ(回転子)と、その外側に固定されたステータ(固定子)とで構成される。ボタンモータ141は、サブ制御基板2000から所定の励磁方式に従って、所定ステップ数の駆動パルス信号を与えることにより回転駆動する。
ボタンモータ141の回転軸は駆動歯車142に直結されており、このボタンモータ141の回転駆動力は、駆動歯車142、従動歯車143、電磁クラッチ150を介して、演出ボタン130の回転球体131に伝達され得るようになっている。駆動歯車142及び従動歯車143は、同数の歯数で(つまり、歯車比1:1で)形成されており、ボタンモータ141の回転数と演出ボタン130の回転数とが同一となるよう設定されている。つまり、ボタンモータ141が1回転(360°回転)する毎に、演出ボタン130も1回転(360°回転)するようになっている。
電磁クラッチ150は、回転球体131の右側軸部135と従動歯車143の歯車軸143aとの間に同軸的に介在配置されており、サブ制御基板2000からの通電/非通電の切り替えによって、演出ボタン130と駆動系140との接続/切断を行う。この電磁クラッチ150としては、例えば、電磁マイクロクラッチ[天竜丸澤製]が適用される。なお、本実施形態では、クラッチ手段として、アーマチュア、ロータ及びステータ(電磁コイル)を備えるタイプの電磁クラッチを例示するが、駆動力の伝達/遮断が自在なものであれば特に限定されない。
電磁クラッチ150が非通電状態(「クラッチオフ状態」を称する)では、演出ボタン130と駆動系140とが切断され、演出ボタン130は両方向に自由回転が可能となる。一方、電磁クラッチ150が通電状態(「クラッチオン状態」と称する)では、演出ボタン130と駆動系140とが接続され、演出ボタン130と駆動系140とが連動し得ることとなり、演出ボタン130がボタンモータ141の動力により回転駆動が可能になるとともに、遊技者による演出ボタン130の回転操作に対してボタンモータ141の回転抵抗{保持トルク(非通電時のディテントトルク、通電時のホールディングトルク)、駆動トルク}を遊技者が感じ得る操作荷重として付与することが可能となる。
回転検出盤170は、回転球体131の左側軸部134に一体回転可能に連結されている。この回転検出盤170には、周方向に等間隔で列設された円弧帯板状の複数の検出突起171が左方外方に向けて突設されている。一方、ボタン支持部材120における左側の支持ベース部121には、回転検出盤170の検出突起171によって回転球体131の回転動作を検出するための前後一対の回転検出センサS3,S4が取り付けられている。各回転検出センサS3,S4は、光を投光する投光部と、この投光部からの光を受光する受光部とを有し、回転検出盤170の検出突起171を挿入可能なスリットを有して略コ字形に配置されたフォトセンサである。各回転検出センサS3,S4は、回転検出盤170の検出突起171が当該センサS3,S4の投光部と受光部との間に介在していない(遮光されてない)ときはオフとなり、回転検出盤170の検出突起171が当該センサS3,S4の投光部と受光部との間に介在している(遮光されている)ときにオンとなる。この回転検出センサの検出信号(オン/オフ信号)はサブ制御基板2000に入力され、各回転検出センサS3,S4のオン/オフの切替時間に応じて演出ボタン130(回転球体131)の回転速度が検出されるとともに、各回転検出センサS3,S4のパルス信号の立ち上がりのタイミング等によって演出ボタン130の回転方向(いずれの方向に回転しているか)が検出される。
かかる構成において、演出ボタン130、駆動系140、電磁クラッチ150及び回転検出盤170は、ボタン支持部材120に一体的に組み付けられ、このサブアッセンブリをボトムケース110の支持ロッド118に軸支したうえで、ボトムケース115上にトップケース111を被せてビス止めすることによって、演出ボタンユニット100が一体的に組み立てられる。そして、この演出ボタンユニット100をガラス枠5の前面側でリフト装置80に連結させることで、演出ボタンユニット100がリフト装置80によって昇降自在となり、演出ボタンユニット100の高さ位置が調節可能となる。なお、リフト装置80は、サブ制御基板2000によって作動を制御され、例えば、装飾図柄の変動時、特別遊技への移行を示す確定演出時などの際に演出的に作動されたり、賞球の払出時などの際に遊技者が上下の球皿8,9へアクセス容易にするために作動されたりする。
続いて、本実施形態に係る演出ボタンユニット100の作用について説明する。
<押下操作>
まず始めに、演出ボタン130が自由端位置(上端位置)にある状態では、押圧操作検出センサS1はボタン支持部材120の検出片129を検出しておらず、押圧検出センサS1はオフである。この自由端位置(上端位置)おいて、演出ボタン130は遊技者による押圧操作が可能である。ここで、遊技者が演出ボタン130を押圧操作方向Zに押圧操作して、演出ボタン130がボタン支持部材120と共にコイルバネ127,128の付勢力に抗して検出位置(下端位置)まで下降すると、ボタン支持部材120の検出片129が押圧操作検出センサS1の投光部と受光部との間の光路を遮光し、この検出信号(オン信号)がサブ制御基板2000へ向けて送信される。これにより、サブ制御基板2000において、演出ボタン130が押圧操作されたことが検出される。そして、遊技者によって演出ボタン130が離されると、演出ボタン130がコイルバネ127,128の弾性力によって上昇して元の自由端位置(上端位置)へ復帰する。
<回転操作>
演出ボタン130は、押圧操作と独立又は同時に回転操作が可能である。遊技者が演出ボタン130を回転操作すると、回転検出盤170の複数の検出突起171が各回転検出センサS3,S4の投光部と発光部との間の光路を順次通過することで演出ボタン130の回転動作が検出され、この検出信号(オン/オフ信号)がサブ制御基板2000へ向けて送信される。これにより、サブ制御基板2000において、演出ボタン130が回転操作されたことが検出されるとともに、演出ボタン130の回転方向及び回転速度が検出される。このとき、本実施形態では、演出ボタン130が回転操作されたとき、電磁クラッチ150をオン/オフ制御することで、演出ボタン130の操作荷重(遊技者が体感し得る操作感触)を異ならしめることができる。まず、電磁クラッチ150がクラッチオフ状態のとき、演出ボタン130と駆動系140とは切断されるため、演出ボタン130を無負荷状態で(ボタンモータ141の回転負荷を受けず)自由回転させることが可能である(その結果、遊技者には相対的に軽い操作荷重が付与される)。一方、電磁クラッチ150がクラッチオン状態のとき、演出ボタン130と駆動系140とは接続されるため、駆動系140による回転抵抗(例えば、ボタンモータ141の保持トルクや回転トルク等)に抗する力による操作荷重を体感しながら(この回転抵抗を重みと感じながら)、回転ボタン130を回転操作することができる。
従って、演出ボタン130をクラッチオン状態で回転操作した場合には、クラッチオフ状態で回転操作した場合と比較して、ボタンモータ141による回転抵抗の分だけ、遊技者には相対的に重い操作荷重が付与される。このように演出ボタン130の回転操作中に、電磁クラッチ150をオン/オフ切り替えることで、操作荷重を変化させることができる。
<連打>
本実施形態では、演出ボタン130を連続操作する、いわゆる「連打」を押圧操作及び回転操作のどちらでも実施可能となっている。ここで、演出ボタン130の操作回数は、押圧操作による連打では、演出ボタン130の押圧回数で評価されるが、回転操作による連打では、演出ボタン130の回転速度で評価される。つまり、回転操作による連打では、演出ボタン130の操作回数が増すほど演出ボタン130の回転速度が高まるため、該回転速度が所定の閾値を超えたことが回転検出センサS3,S4によって検出されたとき、演出ボタン130が所定の操作回数だけ連打されたものと同等に評価される。この回転操作による連打では、従来の押圧操作による連打と比べて、遊技者の個人的な能力に依存することがあまりなく、連打が不得意な遊技者であっても演出ボタン130の連打を十分に楽しむことが可能となる。なお、連打の検出手法としては、演出ボタン130の回転速度に限定されず、球体検出センサS2によって演出ボタン130が初期位置に到達した回数(つまり、演出ボタン130の回転回数)を検出し、この回転回数を押圧回数と同等(例えば、回転回数:押圧回数=1:1)に評価することで、この回転回数を連打回数としてカウントしてもよい。また、これに限定されることなく、演出ボタン130を所定期間内に複数回操作(回転操作)した場合に、この演出ボタン130の回転角度の累積値にて連打の回数を評価してもよいものである。さらに、演出ボタン130の押圧回数と回転回数(又は回転角度)との合算値にて連打の回数を評価してもよい。
<自動回転>
演出ボタン130は遊技者による押圧操作及び回転操作が可能である一方、ボタンモータ141を所定の励磁方式にて駆動して、演出的な可動物として自動的に回転作動させることも可能である。このとき、ボタンモータ141の回転駆動力は、駆動歯車142、従動歯車143、電磁クラッチ150の順に伝達され、電磁クラッチ150がクラッチオン状態であることを条件に、最終的には演出ボタン130に伝達されて、演出ボタン130が回転作動される。この演出ボタン130の回転作動は、所定の動作パターンに定められた動作内容(ボタンモータ141のステップ数、回転速度、回転方向、動作時間等)に従って実行される。また、演出ボタン130の回転作動は、全て初期位置から開始して、最終的には初期位置に復帰するように設定されている。
以上、本実施形態に係る演出ボタンユニット100によれば、電磁クラッチ150のオン/オフ制御により演出ボタン130とボタンモータ141とを接続/切断することで、演出ボタン130の操作荷重を異ならしめることができる。すなわち、クラッチオフ状態では、演出ボタン130とボタンモータ141とが切断されるため、演出ボタン130は正逆両方向(X,Y方向)に自由回転可能となり、遊技者は相対的に軽い操作荷重のもとで自分の趣向に合った回転方向に操作することができる。一方、クラッチオン状態では、演出ボタン130とボタンモータ141とが接続されるため、ボタンモータ141の回転抵抗(保持トルク、回転トルク)をボタン操作に係る操作荷重として付与することで、演出ボタン130を回転操作したときに遊技者が体感し得る操作荷重をその都度変化させることができる。従って、ボタン操作が単調となるのを防止して演出ボタン130による演出効果を十分に発揮することで、遊技の興趣性を向上させることが可能である。
また、本実施形態に係る演出ボタンユニット100によれば、遊技者自らが演出ボタン130を回転操作するだけでなく、遊技者の回転操作に依存せずにボタンモータ141により演出ボタン130を自動的に回転作動させることもできるため、演出ボタン130の利用価値を高めることができるとともに、これらの相乗効果によって遊技者に対して強いインパクトを付与して演出効果を更に高めることが可能となる。
また、本実施形態に係る演出ボタンユニット100によれば、押圧操作と回転操作との相互に異なる二つのボタン操作が可能となるため、遊技者にとってボタン操作が単調とならず、遊技者参加型の演出効果が高められる。
[機能構成]
次に、図17のブロック図を追加参照しながら、本実施形態に係る、ぱちんこ遊技機PM(主として、メイン制御基板1000/サブ制御基板2000)の各種機能について説明する。
《メイン制御基板》
メイン制御基板1000は、制御中枢としてのCPU、このCPUの演算処理を規定したプログラムを予め記憶するROM、CPUが取り扱うデータ(例えば、遊技中に発生する各種データやROMから読み出されたコンピュータプログラム等)を一時的に記憶するワークエリアとしてのRAM、等を備えており、ROMに記憶された制御プログラムに従って各駆動回路等が動作することにより、ぱちんこ遊技機PMにおける遊技に関する主たる制御が行われるように構成されている。
メイン制御基板1000には、第1特図始動口61、第2特図始動口62、普図始動口63、大入賞口64、第1特別図柄表示装置71、第2特別図柄表示装置72、普通図柄表示装置75、第1特図保留ランプ73、第2特図保留ランプ74、普図保留ランプ76等のそれぞれと電気的に接続されており、各種制御信号の送受信を可能とする。
本実施形態において、メイン制御基板1000は、遊技に関する主たる制御を司る遊技制御手段1100と、サブ制御基板2000側に各種遊技情報(例えば、図柄情報、保留情報、各種コマンドなど)を送信するための情報送信手段1200と、払出制御基板3000と協働して各種入賞口への遊技球の入球に基づき所定の賞球の払出制御を行う賞球払出決定手段1300と、を有している。
遊技制御手段1100は、入球判定手段1110、抽選乱数値取得手段1120、保留制御手段1130と、当否抽選手段1135、図柄変動開始条件充足判定手段1138、図柄内容決定手段1140、表示制御手段1150、電チュー開閉制御手段1160、特別遊技制御手段1170、小当り遊技制御手段1175、特定遊技制御手段1180、遊技関連情報一時記憶手段1190、を有している。以下、各手段について詳述する。
まず、入球判定手段1110は、各種入賞口への遊技球の入球を判定する。入球判定手段1110は、第1始動入賞情報を取得すると遊技球が第1特図始動口61に入賞したと判断し、第2始動入賞情報を取得すると遊技球が第2特図始動口62に入賞したと判断する。また、入球判定手段1110は、普図入賞情報を取得すると遊技球が普図始動口63に入賞したと判断する。さらに、入球判定手段1110は、大入賞情報を取得すると遊技球が大入賞口64に入賞したと判断する。
次に、抽選乱数値取得手段1120は、第1特図始動口61への遊技球の入球を契機として第1特図抽選に係る乱数の値(「第1抽選乱数値」と称する)を取得するか否かを判定すると共に、この判定結果に応じて当該乱数値(第1当否抽選乱数値、第1特別図柄抽選乱数値、第1変動パターン抽選乱数値)を取得する第1特図抽選乱数値取得手段1121と、第2特図始動口62への遊技球の入球を契機として第2特図抽選に係る乱数の値(「第2抽選乱数値」と称する)を取得するか否かを判定すると共に、この判定結果に応じて当該乱数値(第2当否抽選乱数値、第2特別図柄抽選乱数値、第2変動パターン抽選乱数値)を取得する第2抽選乱数値取得手段1122と、普図始動口63への遊技球の通過を契機として普通図柄抽選に係る乱数の値(「普図抽選乱数値」と称する)の取得の可否を判定すると共に、この判定結果に基づき当該乱数値(普図当否抽選乱数値、普通図柄抽選乱数値、普図変動パターン抽選乱数値)を取得する普図抽選乱数値取得手段1123と、を有する。
次に、保留制御手段1130は、第1特別図柄変動許可が下りてない状況で取得した当該第1抽選乱数値を一時記憶するか否かを判定し、判定結果に基づき当該乱数値を図柄変動許可が下りるまで保留するための第1特図保留手段1131と、第2特別図柄変動許可が下りてない状況で取得した当該第2抽選乱数値を一時記憶するか否かを判定し、判定結果に基づき当該乱数値を図柄変動許可が下りるまで保留するための第2特図保留手段1132と、普通図柄変動許可が下りてない状況で取得した当該普図抽選乱数値を一時記憶するか否かを判定し、判定結果に基づき当該乱数値を図柄変動許可が下りるまで保留するための普図保留手段1133と、を有する。ここで、第1特図保留手段1131、第2特図保留手段1132及び普図保留手段1133は、前記乱数値を保留順序と結合した形で最大4個まで一時記憶可能である。
次に、当否抽選手段1135は、当否抽選の結果、第1抽選乱数値に基づき通常遊技よりも遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定する第1特図当否抽選手段1135aと、第2抽選乱数値に基づき通常遊技よりも遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定する第2特図当否抽選手段1135bと、普図抽選乱数値に基づき第2特図始動口62の電動役物622を開放させるか否かを決定する普図当否抽選手段1135cと、を有する。第1特図当否抽選手段1135a及び第2特図当否抽選手段1135bは、当否抽選で参照する特図当否抽選テーブル(第1特図当否抽選テーブル、第2特図当否抽選テーブル)を複数保持する。特図当否抽選テーブルには、当否抽選値と、大当り、小当り、ハズレの判定結果と、が対応付けられており、対応付けられた大当りの範囲設定に応じて当否確率が定まる。第1特図当否抽選手段1135a及び第2特図当否抽選手段1135bは、通常時には通常確率による特図当否抽選テーブルを参照し、確率変動時には通常確率よりも当選確率が高くなる特図当否抽選テーブルを参照する。
次に、図柄変動開始条件充足判定手段1138は、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動開始条件(特別遊技中ではないこと、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動中でないこと等)を充足したか否かの判定処理を行う。また、図柄変動開始条件充足判定手段1138は、第1特別図柄及び第2特別図柄のうち、一方を変動表示させる間は他方の変動表示の開始を留保する。本実施形態では、図柄変動開始条件充足判定手段1138は、第1特別図柄よりも第2特別図柄の変動表示を優先的に実行する。すなわち、第2特図保留手段1132に第2抽選乱数値が保留されている間は、第1特図保留手段1131に第1抽選乱数値が保留されていても、第2特図保留手段1132に保留された第2抽選乱数値を優先的に消化する。これにより、第2特図保留手段1132により第2抽選乱数値が保留されているという状態を維持する限り、第2特図抽選を継続的に実行させることができる。
次に、図柄内容決定手段1140は、前記取得した第1抽選乱数値に基づき、第1特別図柄の停止図柄と変動パターンを決定する第1特図内容決定手段1141と、前記取得した第2抽選乱数値に基づき、第2特別図柄の停止図柄と変動パターンを決定する第2特図内容決定手段1142と、前記取得した普図抽選乱数値に基づき普通図柄の停止図柄と変動パターンを決定する普図内容決定手段1143と、を有する。
第1特図内容決定手段1141は、第1特別図柄に係る停止図柄及び変動パターンを決定する際に参照される第1特別図柄抽選テーブル及び第1特図変動パターン抽選テーブルを有する。同様に、第2特図内容決定手段1142は、第2特別図柄に係る停止図柄及び変動パターンを決定する際に参照される第2特別図柄抽選テーブル及び第2特図変動パターン抽選テーブルを有する。ここで、停止図柄は、図柄変動の終了時に表示すべき図柄である。大当たり図柄としては複数存在しており、この図柄の種類に基づいて、特別遊技時の利益状態や特別遊技後の遊技状態が決まるよう構成されている。また、複数種の変動パターンは、長短様々な変動時間をもつと共に、その変動時間にて複数の図柄で構成される装飾図柄による図柄変動も実行されることを前提として規定される。各変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に特別図柄及び装飾図柄の変動が停止される。
次に、表示制御手段1150は、第1特別図柄表示装置71上で、所定時間(第1特図内容決定手段1141により決定された変動パターンに係る変動時間)だけ第1特別図柄を変動させた後に停止表示する制御を行う第1特図制御手段1151と、第2特別図柄表示装置72上で、所定時間(第2特図内容決定手段1142により決定された変動パターンに係る変動時間)だけ第2特別図柄を表示させた後に停止表示する制御を行う第2特図制御手段1152と、普通図柄表示装置75上で、所定時間(普図内容決定手段1143により決定された変動パターンに係る変動時間)だけ普通図柄を変動表示させた後に停止表示する制御を行う普図制御手段1153と、を有する。
次に、電チュー開閉制御手段1160は、第2特図始動口62の電動役物622を開閉する制御を行うための条件を充足しているか否かを判定する。
次に、特別遊技制御手段1170は、第1及び第2特図抽選に係る抽選結果が特別遊技への移行を示す結果となった場合、特別図柄が所定の当り態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、大入賞口64を開放させることにより特別遊技を実行する。特別遊技は、大入賞口64の開閉動作を複数回連続して継続する遊技であり、1回の開閉を単位とした複数回の単位遊技(ラウンド)で構成される。特別遊技制御手段1170は、その単位遊技の設定ラウンド数(例えば、15ラウンド又は2ラウンド)を消化したときに特別遊技を終了させる。ここで、特別遊技制御手段1170は、上記のラウンド時間を管理するためのラウンド実行用タイマを有している。また、特別遊技制御手段1170は、特図遊技関連情報一時記憶手段1191にセットされるべき特別遊技の内容を特定する際に参照される特別遊技内容参照テーブルを有している。
小当り遊技制御手段1175は、第1及び第2特図抽選に係る抽選結果が小当り遊技への移行を示す結果となった場合、特別図柄が所定の当り態様で停止されたときに小当り遊技作動条件が成立したと判定し、大入賞口64を開放させることにより小当り遊技を実行する。
特定遊技制御手段1180は、特別遊技への抽選確率が通常遊技時よりも高い確変状態、特別図柄の変動時間が通常遊技時よりも相対的に短い時短状態、第2特図始動口62への入球容易性が高められる電チューサポート状態における通常遊技を制御する。特定遊技制御手段1180は、特別遊技の終了後に遊技状態を時短状態及び電チューサポート状態へ移行させる。一方、特別遊技の終了後に確変状態へ移行させるのは、図柄内容決定手段1140により決定された特別図柄が確変への移行を伴う大当り図柄であった場合に限られる。時短状態及び開放容易状態は、特別図柄の変動回数が特別遊技の終了時点から数えて所定の終了条件回数、例えば100回に達するまで継続される。ただし、同時に確変状態へ移行した場合は確変状態が続く限り時短状態及び電チューサポート状態も継続される。すなわち、次の大当りまで継続される。このように時短状態及び電チューサポート状態の終期は遊技状態に応じて定まる。時短状態においては、特別図柄の変動時間が概ね短い変動パターンが出現しやすくなる。一方、確変状態は、次の大当りによる特別遊技が実行されるまで継続される。確変状態の間は当否抽選手段1135による当否抽選結果が大当りとなる確率が高い値のまま維持される。
次に、遊技関連情報一時記憶手段1190は、特別図柄に関する制御や特別遊技・小当り遊技に関する制御等の特図遊技(主遊技)に関連した処理の際の情報を一時記憶するための特図遊技関連情報一時記憶手段1191と、普通図柄に関する制御や第2始動口62の電動役物622に関する情報等の普図遊技に関連した処理の際の情報を一時記憶するための普図遊技関連情報一時記憶手段1192と、を有する。
《サブ制御基板》
サブ制御基板2000は、制御中枢としてのCPU、このCPUの演算処理を規定したプログラムを予め記憶するROM、CPUが取り扱うデータを一時的に記憶するワークエリアとしてのRAM、等を備えており、ROMに記憶された制御プログラムに従って各駆動回路等が動作することにより、ぱちんこ遊技機PMにおける演出全般に関する制御が行われるように構成されている。
サブ制御基板2000には、演出ランプ10、スピーカ11、演出表示装置70、リフト装置80、演出ボタンユニット100等のそれぞれと電気的に接続されており、各種制御信号の送受信を可能とする。
本実施形態において、サブ制御基板2000は、メイン制御基板1000側からのコマンドや各種情報を受信するための情報受信手段2100と、メイン制御基板1000側からのコマンド等に基づき演出全般に関する制御を司る演出制御手段2200と、サブ制御基板2000側で実行される処理に関する演出一般の情報(フラグを含む)を一時記憶するための演出関連情報一時記憶手段2300と、を有している。
情報受信手段2100は、メイン制御基板1000側からの特図遊技に関する図柄情報を一時記憶するためのメイン側情報一時記憶手段2110を有する。なお、ここで一時記憶された情報は、以下で説明する各処理において、後述の各手段により必要に応じて適宜参照される。
演出制御手段2200は、主として演出表示装置70上での演出表示に関する制御を司る演出表示制御手段2210と、装飾図柄の保留情報や保留先読みの決定処理及び表示処理等、保留情報の表示処理に関する制御を司る装図保留情報表示制御手段2220と、演出ボタンユニット100の制御を司るボタン制御手段2230と、を有する。
演出表示制御手段2210は、装飾図柄や該装飾図柄の変動演出パターン等に関するデータを含め演出表示に関するデータを記憶するための演出パターン記憶手段2211と、メイン制御基板1000側からの図柄情報等に基づき装飾図柄の停止図柄と変動演出パターン等を決定するための演出内容決定手段2212と、演出表示装置70上での画像表示に関する制御を実行するための画像表示制御手段2213と、を有する。また、演出表示制御手段2210は、特別遊技の実行に先立って、その特別遊技中に表示させる開始デモ及び終了デモを含む大当り演出の内容を決定する。さらに、演出表示制御手段2200は、小当り遊技の実行に先立って、その小当り遊技中に表示させる開始デモ及び終了デモを含む小当り演出の内容を決定する。
演出パターン記憶手段2211は、装飾図柄の変動において演出表示装置70に表示させる演出的な画像内容とその表示過程が定められた複数の演出パターンを保持する。演出パターンには、装飾図柄の変動表示における変動開始から停止までの変動過程と演出過程が定められた複数の変動演出パターンと、装飾図柄の変動表示とは別に表示されて大当りへの信頼度の高さを変動表示の停止前に予告的に示唆する複数の予告演出パターンとが含まれる。
演出内容決定手段2212は、メイン制御基板1000側から受け取る特別図柄情報(停止図柄情報や変動パターン情報)に基づき、演出画像表示制御手段2213によって演出表示装置70へ表示させる演出内容を決定する。演出内容決定手段2212は、装飾図柄の停止図柄の組み合わせとその配置及び変動演出パターンを、当否抽選手段1135による抽選の結果や、図柄内容決定手段1140によって決定された特別図柄の停止図柄及び変動パターンに応じて決定する。演出パターン記憶手段2211は、図柄内容決定手段1140によって決定された特別図柄の変動パターンに対応する変動演出パターンを演出パターン記憶手段2211から読み出し、その変動演出パターンの情報を演出画像表示制御手段2213へ送る。また、演出内容決定手段2212は、決定した停止図柄の組合せを示す情報を画像表示制御手段2213に送信する。演出内容決定手段2212は、装飾図柄の停止図柄及び変動演出パターンを決定する際に参照するための抽選テーブルを有する。
装飾図柄の変動演出パターンには、装飾図柄の変動表示態様、すなわち、装飾図柄の変動開始から変動終了までの一連の演出表示過程が定義されている。変動演出パターンには、通常のハズレ図柄を表示するときのパターンと、あと一つ図柄が揃えば大当りとなるリーチ状態を経てハズレ図柄又は大当り図柄を表示するときのパターンが含まれる。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれる。例えば、ノーマルリーチとは、比較的変動時間が短く、大当たりとなる期待の低いリーチ演出であり、3個ある図柄列のうち2列が仮停止した後、残り1個の図柄列が変動する態様(変動時間が相対的に短い態様)を指し、スーパーリーチとは、ノーマルリーチに比べ変動時間が長く、大当たりとなる期待がノーマルリーチより高いリーチ演出であり、3個ある図柄列のうち2列が仮停止した後、残り1個の図柄列がコマ送り変動する態様(変動時間が相対的に長い態様)を指す。各変動演出パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過後に図柄変動が停止される。演出内容決定手段2212は、特別図柄の変動パターンに応じて、変動時間が等しい演出画像の変動演出パターンを選択する。
また、本実施形態では、変動演出パターンとして擬似連続変動演出パターンを含む。擬似連続変動パターンは、当否抽選手段1135による当否抽選の結果を表すための装飾図柄の1回の変動表示の間に、図柄を停止させたように表示する半停止状態に一時的にすることにより擬似的に複数回図柄を変動表示させたように見せる変動演出パターンである。擬似連続変動演出(「擬似連」とも略称する)は、複数回の個別擬似変動表示で構成され、個別擬似変動表示の連続表示回数(本例では、最大4回)によって当該変動における大当りの信頼度を示すことができる。
装飾図柄の停止図柄は、3つの図柄の組み合わせとして形成され、例えば当否抽選手段1135による当否抽選結果が15R特別遊技への移行を示す場合には特定の組み合わせ、例えば「777」や「111」のように3つの図柄が揃った組み合わせが選択される。当否抽選結果が2R特別遊技への移行を示す場合や小当りの場合もまた特定の組み合わせ、例えば「357」のような所定の組み合わせが選択される。すなわち、2R大当りや小当りの特定の組み合わせは必ずしも3つの図柄が揃った組み合わせでなくてもよい。当否抽選結果が大当りでも小当りでもない場合は、「213」や「546」のように3つの図柄が揃っていない組み合わせであって、2R大当りや小当りのときに選択される特定の組み合わせに該当しない組み合わせが選択される。当否抽選結果が15R大当りでない場合であって、リーチ付きのハズレを示す変動演出パターンが選択された場合は、「181」や「767」のように一つだけ図柄が揃っていない組み合わせを選択する。
予告演出パターンは、特定のキャラクタやモチーフの画像、アニメーション、映像などを一時的に画面表示させる演出パターンや、特定の音声を出力する演出パターンである。予告演出パターンによる演出は、図柄変動と並行して実行され、その図柄変動が大当り態様にて停止する信頼度が高いことを予告的に示唆する。
演出内容決定手段2212は、当否抽選の結果に応じて演出表示装置70に予告演出を表示させるか否かを所定の予告抽選により決定して事前演出設定をするとともに、表示させるべき予告演出パターンを決定する。演出内容決定手段2212は、予告演出を表示させるか否かを決定するために参照すべき予告決定テーブルと、予告演出パターンの種類を選択するときに参照すべき予告種類テーブルとを保持する。予告決定テーブルは、当否抽選の結果に応じて異なる欄が参照されるように設定されており、当否抽選の結果が当りの場合はハズレの場合よりも高い確率で予告演出を表示させるよう、当否抽選の結果と予告演出を表示するか否かの対応関係が定められる。これにより、予告演出が表示させること自体で大当りへの信頼度の高さを示唆することができる。
本実施形態では、遊技者介入型の予告演出が設定されており、その予告演出の実行に際して遊技者による演出ボタン130の操作入力を要求する入力画面(例えば、演出ボタン130を示す画像)が表示される。遊技者がその入力要求に応じて操作有効期間内に演出ボタン130を押圧操作又は回転操作した場合には、当否抽選の結果に応じた予告演出が実行される。なお、本実施形態のように、演出ボタン130に対して複数種類の操作方法(例えば、押圧操作、回転操作、連打など)が用意されている場合には、予告演出の種別や当否抽選結果(特別遊技への移行期待度)に応じて、遊技者がどのような操作を行うべきかを意味又は示唆する画像を表示してもよい。例えば、期待度が相対的に低めの予告演出である場合や、当該変動での特別遊技への移行期待度が相対的に低い場合には、「ボタンを押せ!」の文字表示や、ボタン画像及びボタンを押す動作を模した画像を演出表示装置70上に表示してもよい。一方、期待度が相対的に高めの予告演出である場合や、当該変動での特別遊技への移行期待度が相対的に高い場合には、「ボタンを回せ!」の文字表示や、ボタン画像及びボタンを回す動作を模した画像を演出表示装置70上に表示してもよい。さらには、演出ボタン130を回転操作させる場合には、その回転操作方向(X,Y方向)を示唆する画像を表示してもよい。
画像表示制御手段2213は、演出内容決定手段2212において選択された変動演出パターンに従って演出表示装置70へ装飾図柄を含む演出画像を変動表示させる。画像表示制御手段2213は、主制御基板1000から、装飾図柄の変動開始コマンドを受信したときに新たな図柄変動を開始させ、変動停止コマンドを受信したときに図柄変動を停止させて停止図柄を確定表示させる。
画像表示制御手段2213は、演出内容決定手段2212によって予告演出を表示させる旨が決定された場合、選択された予告演出パターンに従った予告演出を図柄変動の演出に重畳させる形で演出表示装置70へ表示させる。なお、画像表示制御手段2213は、演出ランプ10の点灯及び消灯や、スピーカ11からの音声出力、可動役物24による演出動作などの演出処理をさらに制御する。
次に、装図保留情報表示制御手段2220は、保留に関する各種情報を一時記憶するための保留情報一時記憶手段2221を有する。
ボタン制御手段2230は、演出表示制御手段2210から受け取る指示に従い、演出表示装置70における表示内容に沿って、演出ボタン130に係る制御を実行する。本実施形態では、ボタン制御手段2230は、所定の契機の発生に基づき(例えば、予告演出や擬似連続変動などが実行されたときに)、演出ボタンユニット100における電磁クラッチ150をオン/オフ制御するとともに、ボタンモータ141の駆動を制御する。
[ぱちんこ遊技機の処理]
次に、図18〜図29のフローチャートを参照しながら、本実施形態に係る、ぱちんこ遊技機PMの処理の流れを説明する。
《メイン制御基板側の処理》
はじめに、図18〜図21のフローチャートを参照しながら、メイン制御基板1000側での処理の流れを説明する。まず、図18は、メイン制御基板1000側で実行される一般的な処理の流れを示すメインフローチャートである。まず、ステップS1100で、メイン制御基板1000は、入賞処理を実行する。次に、ステップS1400で、メイン制御基板1000は、通常遊技制御処理(普通図柄)を実行する。次に、ステップS1600で、メイン制御基板1000は、通常遊技制御処理(特別図柄)を実行する。次に、ステップS1800で、メイン制御基板1000は、特別遊技制御処理を実行する。次に、ステップS1900で、メイン制御基板1000は、小当り遊技制御処理を実行する。そして、ステップS1950で、メイン制御基板1000は、遊技球が入賞した入賞口に基づき、払出制御基板3000に対して賞球払出コマンドを送信して所定の賞球数の払出処理を行い、再びステップS1050に戻る。なお、S1800の特別遊技とS1900の小当り遊技は同時並行に実行されることはなく、一方が実行されるときは他方は作動回避される。
次に、図19は、図18におけるステップS1100のサブルーチンに係る、入賞処理のフローチャートである。まず、ステップS1102で、入球判定手段1110は、普図入賞口63に遊技球が入球(通過)したか否かを判定する。ステップS1102でYesの場合、ステップS1104で、普図抽選乱数値取得手段1123は、普図保留手段1133を参照し、保留球数が上限個数(4個)内であるか否かを判定する。ステップS1104でYesの場合、ステップS1106で、普図抽選乱数値取得手段1123は、普図抽選乱数値を取得する。続いて、ステップS1108で、普図保留手段1133は、何番目の保留であるかという順番情報と共に、当該乱数値を普図保留手段1133にセットする形で保留球数を1加算する。続いて、ステップS1110で、入球判定手段1110は、第1特図始動口61(第2特図始動口62)の第1始動入賞検出器611(第2始動入賞検出器621)から始動入賞情報を受信したか否かを判定する。ステップS1110でYesの場合、ステップS1112で、抽選乱数値取得手段1120,は、保留球数が上限個数(4個)内であるか否かを判定する。ステップS1112でYesの場合、ステップS1114及びステップS1116で、抽選乱数値取得手段1120は、特図抽選乱数値(当否抽選乱数値、特別図柄抽選乱数値、変動パターン抽選乱数値等)を取得し、保留制御手段1130が、第1特別図柄(第2特別図柄)について何個目の保留であるかという順番情報と共に、当該特図抽選乱数値を第1特図保留手段1131又は第2特図保留手段1132にセットする形で保留球数を1加算する。次に、ステップS1118で、情報送信手段1200は、保留制御手段1130を参照し、当該特図抽選乱数値が第1特別図柄又は第2特別図柄について何個目の保留として記憶されたのかの情報、その保留の記憶情報(当否抽選乱数値、特別図柄抽選乱数値、変動パターン抽選乱数値等)を取得すると共に、当該情報をサブ制御基板2000側に送信し、次の処理(ステップS1400)に移行する。なお、ステップS1102、S1104、S1110及びステップS1112でNoの場合にも、次の処理(ステップS1400)に移行する。
次に、図20は、図18におけるステップS1600のサブルーチンに係る、通常遊技制御処理(特別図柄に関する処理)のフローチャートである。なお、本処理は、第1特別図柄側及び第2特別図柄側で共通するため、特記する場合を除き、第1特別図柄側を主に記載することとし、第2特別図柄側は括弧書きで記載する。まず、ステップS1601で、第1特図保留手段1131(第2特図保留手段1132)は、保留球が存在するか否かを判定する。ステップS1601でYesの場合、ステップS1602で、図柄変動開始条件充足判定手段1138は、特別図柄の変動開始条件が成立しているか否かを判定する。ここで、変動開始条件は、特別遊技中や特別図柄の変動中でないことが条件となる。ステップS1602でYesの場合、ステップS1604で、当否抽選手段1135は、第1特図保留手段1131(第2特図保留手段1132)に一時記憶されている、今回の図柄変動に係る第1抽選乱数値(第2抽選乱数値)を読み出す。次に、ステップS1605で、遊技制御手段1100は、抽選テーブル設定処理を実行する。この抽選テーブル設定処理では、当該遊技状態に応じて、抽選テーブルとして、通常状態テーブル、確変状態テーブル及び時短状態テーブル、のいずれかがセットされる。次に、ステップS1606で、当否抽選手段1135は、第1当否抽選乱数値(第2当否抽選乱数値)及び遊技状態に基づき、第1特図当否抽選テーブル(第2特図当否抽選テーブル)を参照し、特別図柄の当否抽選を実行する。そして、ステップS1608で、当否抽選手段1135は、抽選結果が当りか否かを判定する。ステップS1608でYesの場合、ステップS1610で、当否抽選手段1135は、特図遊技関連情報一時記憶手段1191内の当りフラグをオンにする。他方、ステップS1608でNoの場合には、ステップS1610をスキップする。
そして、ステップS1612で、第1特図内容決定手段1141は(第2特図内容決定手段1142)は、第1特図内容決定用抽選テーブル(第2特図内容決定用抽選テーブル)内の各抽選テーブルを参照し、第1特別図柄抽選乱数値及び第1変動パターン抽選乱数値(第2特別図柄抽選乱数値及び第2変動パターン抽選乱数値)に基づいて第1特別図柄(第2特別図柄)に関する停止図柄及び変動パターンを決定し、これらを特図遊技関連情報一時記憶手段1191に一時記憶する。なお、前記参照されるテーブルは、当否結果・遊技状態(確率変動遊技状態や限定頻度遊技状態)に基づいて決定される(以下も同様)。次に、ステップS1614で、情報送信手段1200は、ステップS1612で決定した第1特別図柄(第2特別図柄)に関する図柄情報(停止図柄情報、停止図柄の属性情報、変動パターン情報等)を、変動開始コマンドと共に、サブ制御基板2000側に送信する。次に、ステップS1616で、第1特図制御手段1151(第2特図制御手段1152)は、所定時間(前記ステップS1612で決定した変動パターンに係る変動時間)を変動時間管理用のタイマにセットする。そして、ステップS1618で、第1特図制御手段1151(第2特図制御手段1152)は、第1特別図柄表示装置71(第2特別図柄表示装置72)上で、特図遊技関連情報一時記憶手段1191に記憶された変動パターンに従い、特別図柄の変動表示を開始する。
次に、ステップS1622で、第1特図変動時間管理手段1151a(第2特図変動時間管理手段1152a)が、所定時間(変動時間の終期)に到達したか否かを判定する。ステップS1622でYesの場合、ステップS1624で、情報送信手段1200は、サブ制御基板2000側に変動停止コマンドを送信する。次に、ステップS1626で、第1特図制御手段1151(第2特図制御手段1152)は、第1特別図柄表示装置71(第2特別図柄表示装置72)上での特別図柄の変動表示を停止し、特図遊技関連情報一時記憶手段1191に記憶されている停止図柄を確定停止図柄として表示制御する。次に、ステップS1700で、メイン制御基板1000は、特別遊技移行判定処理を実行し、次の処理(ステップS1800又はS1900)に移行する。
なお、ステップS1601及びステップS1602でNoの場合、ステップS1638で、第1特図制御手段1151(第2特図制御手段1152)は、特別図柄の変動中であるか否かを判定する。ステップS1638でYesの場合はステップS1622に移行し、Noの場合には次の処理(ステップS1800又はS1900)に移行する。また、ステップS1622でNoの場合には、ステップS1624,S1626,S1630,S1700をスキップして、次の処理(ステップS1800又はS1900)に移行する。
次に、図21は、図20におけるステップS1700のサブルーチンに係る、特別遊技移行判定処理のフローチャートである。まず、ステップS1702で、遊技制御手段1100は、当りフラグがオンであるか否かを判定する。ステップS1702でYesの場合、ステップS1704で、遊技制御手段1100は、当りフラグをオフにする。次に、ステップS1706で、当否抽選手段1135は、前記当否抽選の結果が大当りであるか否かを判定する。ステップS1706でyesの場合、ステップS1708で、特定遊技制御手段1180は、停止図柄が時短(電チューサポート状態)を伴う図柄であるか否かを判定する。ステップS1708でYesの場合、ステップS1710で、特定遊技制御手段1180は、時短の設定をオンにする。続いて、ステップS1712で、特定遊技制御手段1180は、停止図柄が確変を伴う図柄であるか否かを判定する。ステップS1712でYesの場合、ステップS1714で、特定遊技制御手段1180は、確変の設定をオンにする。続いて、ステップS1718で、特別遊技制御手段1170は、特別遊技内容参照テーブルを参照することにより、当該特別遊技の内容を遊技関連情報一時記憶手段1190に設定する。そして、ステップS1720で、特別遊技(ステップS1800)へ移行する。なお、ここで設定された確変のオン設定及び時短のオン設定は、特別遊技の終了後に有効となる。
一方、ステップS1706でNoの場合、すなわち大当りでない場合には、ステップS1722で、特定遊技制御手段1180は、現在の遊技状態が時短中であるか否かを判定する。ステップS1722でYesの場合、特定遊技制御手段1180は、時短の終期であるか否かを判定する。ここで、時短の終期は、確変の終期と同じか、又は終期回数(例えば、100回)に到達したときである。ステップS1724でYesの場合、ステップS1728で、特定遊技制御手段1180は、時短の設定をオフにする。続いて、ステップS1728で、当否抽選手段1135は、前記当否抽選の結果が小当りであるか否かを判定する。ステップS1728でYesの場合、ステップS1730で、小当り遊技(ステップS1900)へ移行する。なお、ステップS1728でNoの場合、つまりハズレであった場合には、ステップS1730をスキップする。
《サブ制御基板側の処理》
次に、図22〜図29のフローチャートを参照しながら、サブ制御基板2000側での処理の流れを説明する。まず、図22は、サブ制御基板2000側での処理の流れを示したメインフローチャートである。はじめに、ステップS2100で、サブ制御基板2000は、装飾図柄表示内容決定処理を実行する。次に、ステップS2200で、サブ制御基板2000は、装飾図柄表示制御処理を実行する。次に、ステップS2300で、サブ制御基板2000は、特別遊技中表示制御処理を実行する。次に、ステップS2400で、サブ制御基板2000は、小当り遊技中表示制御処理を実行し、ステップS2100に戻る処理を繰り返す。なお、ステップS2300の特別遊技中表示とステップS2400の小当り遊技中表示は同時並行に実行されることはなく、一方が実行されるときは他方は作動回避される。以下、各サブルーチンに係る処理について詳述する。
次に、図23は、図22におけるステップS2100のサブルーチンに係る、装飾図柄表示内容決定処理のフローチャートである。まず、ステップS2102で、装図保留情報表示制御手段2220は、メイン側情報一時記憶手段2110を参照し、メイン制御基板1000側から変動開始コマンド(及び、新たな図柄情報)を受信したか否かを判定する。ステップS2102でYesの場合、ステップS2104で、装図保留情報表示制御手段2220は、装図保留情報一時記憶手段2221の装図保留カウンタ値に1を減算する。次に、ステップS2106で、演出内容決定手段2212は、ステップS2102で受信した図柄情報に基づき、装図停止図柄決定用抽選テーブル及び装図変動内容決定用抽選テーブルを参照し、装飾図柄の停止図柄と変動演出パターンを決定する。次に、ステップS2107で、演出内容決定手段2212は、当否抽選の結果及び装飾図柄の変動演出パターン等に基づき予告演出を実行するか否かを予告抽選によって決定するとともに予告演出パターンを設定する。そして、ステップS2108で、演出表示制御手段2210は、演出関連情報一時記憶手段2300のフラグ領域にアクセスし、図柄内容決定フラグをオンにする。そして、ステップS2110で、装図保留情報表示制御手段2220は、装図保留情報一時記憶手段2221の装図保留カウンタ値と同数の保留表示をし、次の処理(ステップS2200)に移行する。一方、ステップS2102でNoの場合、ステップS2112で、装図保留情報表示制御手段2220は、メイン側情報一時記憶手段2110を参照し、メイン制御基板1000側から保留情報を受信したか否かを判定する。ステップS2112でYesの場合、ステップS2114で、装図保留情報表示制御手段2220は、装図保留情報一時記憶手段2221の装図保留カウンタ値に1を加算して、ステップS2110に移行する。なお、ステップS2112でNoの場合にもステップS2110に移行する。
次に、図24は、図22におけるステップS2200のサブルーチンに係る、装飾図柄表示制御処理のフローチャートである。まず、ステップS2202で、演出表示制御手段2210は、装飾図柄の変動表示中であるか否かを判定する。ステップS2202でYesの場合、ステップS2204で、演出表示制御手段2210は、演出関連情報一時記憶手段2300のフラグ領域を参照し、図柄内容決定フラグがオンであるか否かを判定する。ステップS2204でYesの場合、ステップS2206で、演出表示制御手段2210は、図柄内容決定フラグをオフにする。次に、ステップS2208で、演出表示制御手段2210は、変動演出パターンに従って演出表示装置70上で装飾図柄の変動表示処理を開始する。次に、ステップS2210で、演出表示制御手段2210は、予告演出が設定されているか否かを判定する。ステップS2210でYesの場合、ステップS2220で、演出表示制御手段2210は、ボタン制御手段2230と協働して、選択された予告演出パターンに従って予告演出処理を実行する。
そして、ステップS2212で、演出表示制御手段2210は、メイン制御基板1000側から変動停止コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS2212でYesの場合、ステップS2214で、演出表示制御手段2210は、演出関連情報一時記憶手段2300の図柄関連情報エリア内に一時記憶された決定内容に従い、演出表示装置70上で装飾図柄の停止図柄を確定表示し、次の処理(ステップS2300)に移行する。
なお、ステップS2202でNoの場合にはステップS2220に移行し、ステップS2210でNoの場合にはステップS2212に移行し、ステップS2204でNo及びステップS2212でNoの場合は次の処理(ステップS2300)に移行する。
次に、図25は、図24におけるステップS2220のサブルーチンに係る、第1の予告演出処理(ボタン演出処理)のフローチャートである。まず、ステップS2221で、ボタン制御手段2230は、演出ボタン130の操作を有効化する操作開始タイミングであるか否かを判定する。ステップS2221でYesの場合、ステップS2222で、ボタン制御手段2230は、演出ボタン130の操作を有効化する(演出ボタン130の操作信号の入力を有効化する)。
続いて、ステップS2223で、ボタン制御手段2230は、予め設定された駆動パターン選択テーブル(図26を参照)に基づき、演出変動パターン及び予告演出パターン等とリンクしたかたちで、ボタンモータ141の駆動パターンを設定する。ここで、図26に示すように、駆動パターン選択テーブルには、各駆動パターンA〜Eに対してモータ励磁方式が規定されている。なお、図26では、説明の理解を容易にするために、各駆動パターンA〜Eに対して予告演出画像の内容及び大当り信頼度も付記している。駆動パターンAは、当該変動におけるボタンモータ141の駆動時間の全てを、「1−1相励磁」で駆動させるパターンであり、予告演出としては「空き缶」が釣りあげられる画像が表示される。駆動パターンBは、当該変動におけるボタンモータ141の駆動時間のうち、半分の時間を「1−1相励磁」、残りの半分を「1−2相励磁」で駆動させるパターンであり、予告演出としては「小型の魚」が釣りあげられる画像が表示される。駆動パターンCは、当該変動におけるボタンモータ141の駆動時間の全てを、「1−2相励磁」で駆動させるパターンであり、予告演出としては「中型の魚」が釣りあげられる画像が表示される。駆動パターンDは、当該変動におけるボタンモータ141の駆動時間のうち、半分の時間を「1−2相励磁」、残りの半分を「2−2相励磁」で駆動させるパターンであり、予告演出としては「大型の魚」が釣りあげられる画像が表示される。駆動パターンEは、当該変動におけるボタンモータ141の駆動時間の全てを、「2−2相励磁」で駆動させるパターンであり、予告演出としては「特大の魚」が釣りあげられる画像が表示される。
このとき、ボタンモータ141に発生する回転トルクに関しては、1−1相励磁<1−2相励磁<2−2相励磁、の順番に大きくなっていく反面、ボタンモータ141がクラッチオン状態で回転操作されている状況下では、遊技者が回転操作中に感じる操作荷重(回転負荷)も同様の順番で大きくなっていく。一方、大当り信頼度としては、駆動パターンA<駆動パターンB<駆動パターンC<駆動パターンD<駆動パターンE、といったように、駆動パターンAの信頼度が最も低く、駆動パターンEの信頼度が最も高い。つまり、信頼度が高い駆動パターンが選択されるほど、予告演出として大きな魚が釣りあげられる画像が表示されるとともに、ボタンモータ141の回転トルクも高まって演出ボタン141の操作荷重が増大することとなる。よって、遊技者は、演出ボタン130を釣竿のリールに見立て、あたかも釣り上げた魚の大きさに応じた操作荷重を演出ボタン130の回転操作によって体感できるようになっている。
図25のフローチャートに戻って、ステップS2224で、演出表示制御手段2210は、演出表示装置70上で、演出ボタン130のY方向への回転操作を促す画像(演出ボタン130が有効化された旨を報知する画像)と共に、選択された予告演出パターンに従って予告演出画像(演出ボタン130の回転操作を促す画像と重畳させるかたちで海で魚釣りをしている画像)の表示を開始する。続いて、ステップS2225で、ボタン制御手段2230は、回転検出センサS3,S4からの検出信号に基づき、演出ボタン130がY方向へ回転操作されたか否かを判定する。ステップS2225でYesの場合、ステップS2226で、ボタン制御手段2230は、電磁クラッチ150がクラッチオン状態であるか否かを判定する。ステップS2226でNoの場合、ステップS2227で、ボタン制御手段2230は、電磁クラッチ150に所定電圧を印加して、クラッチオン状態とする。続いて、ステップS2228で、ボタン制御手段2230は、前記設定した駆動パターンに従ってボタンモータ141の駆動を開始する。なお、ボタンモータ141の回転駆動方向は、遊技者によるY方向への回転操作に抗する方向(すなわち、回転ボタン130をX方向へ回転駆動する方向)に設定される。一方、ステップS2225又はステップS2226でNoの場合には、ステップS2227及びS2228をスキップして、ステップS2229へ移行する。
そして、ステップS2229で、ボタン制御手段2230は、演出ボタン130の操作を無効化する操作終了タイミングであるか否かを判定する。ステップS2229でYesの場合、ステップS2230で、ボタン制御手段2230は、演出ボタン130の操作を無効化する。続いて、ステップS2231及びS2232で、ボタン制御手段2230は、ボタンモータ141の回転駆動を停止するとともに、電磁クラッチ150をクラッチオフ状態とすることで、演出ボタン130が空転状態に戻される。一方、ステップS2221でNoの場合、ステップS2233で、ボタン制御手段2230は、演出ボタン130の操作が有効化されているか否かを判定する。ステップS2233でYesの場合、すなわち、既に演出ボタン130の操作が有効化されている場合には、ステップS2225に移行する。また、ステップS2229でNoの場合には、ステップS2231、S2232及びS2233をスキップして、次の処理(S2212)に移行する。
従って、本例における予告演出処理(ボタン演出処理)では、演出ボタン130を釣竿のリールに見立て、釣り上げた魚の大きさに応じた操作荷重を演出ボタン130の回転操作によって体感できるとともに、操作荷重が重くなるにつれて大当り信頼度が高くなるように設定されているので、リアルな操作感触を付与して遊技者の期待感をより一層煽ることが可能になる。なお、上述の駆動パターン選択テーブルは一例であり、例えば、駆動パターンとして、演出ボタン130をクラッチオフ状態で空転させるパターンを設けたり、クラッチオン且つモータ非励磁状態として演出ボタン130の回転操作に対してボタンモータ141のディテントトルクを付与したりする駆動パターンを追加してもよい。
次に、上述した第1の予告演出処理(ボタン演出処理)の変形例として、第2の予告演出処理(ボタン演出処理)について図27を参照しながら説明する。ここで、図27は第2の予告演出処理(ボタン演出処理)S2240のフローチャートである。まず、ステップS2241で、演出表示制御手段2210は、装飾図柄の変動開始処理時であるか否かを判定する。ステップS2241でYesの場合、ステップS2242で、演出表示制御手段2210は、選択された変動演出パターンが擬似連2回以上の変動演出パターンであるか否かを判定する。ステップS2242でYesの場合、ステップS2243で、ボタン制御手段2230は、予め設定された操作荷重変更回数選択テーブル(図28を参照)に基づき、演出ボタン130の操作荷重を擬似連の何回目で大きくするかを決定する。図28に示すように、操作荷重変更回数選択テーブルでは、当否抽選結果が当りかハズレか、及び、擬似連の設定回数によって、抽選乱数値の設定範囲が異なっており(参照される欄が異なっており)、この抽選乱数値と対応付けされたかたちで演出ボタン130の操作荷重を大きくする実行回数が定められている。例えば、当否抽選結果が当りであり、擬似連の設定回数が4回である場合には、抽選乱数値が51〜250の範囲であれば、擬似連の4回目で演出ボタン130の操作感触を重くする制御が実行される。
図27のフローチャートに戻って、ステップS2244で、ボタン制御手段2230は、予め設定された駆動パターン選択テーブル(図26を参照)に基づき、演出変動パターン等とリンクしたかたちで、ボタンモータ141の駆動パターンを設定する。続いて、ステップS2245で、演出ボタン130の操作を有効化する操作開始タイミングであるか否かを判定する。ステップS2245でYesの場合、ステップS2246で、ボタン制御手段2230は、演出ボタン130の操作を有効化する(演出ボタン130の操作信号の入力を有効化する)。続いて、ステップS2247で、演出表示制御手段2210は、演出表示装置70上で、演出ボタン130が有効化された旨を報知する画像と共に、演出ボタン130のX方向への回転操作を促す画像の表示を行う。
続いて、ステップS2248で、ボタン制御手段2230は、回転検出センサS3,S4からの検出信号に基づき、演出ボタン130がX方向へ回転操作されたか否かを判定する。ステップS2248でYesの場合、ステップS2249で、ボタン制御手段2230は、演出ボタン130の操作荷重を大きくすると決定された擬似連の実行回の変動中であるか否かを判定する。ステップS2249でYesの場合、すなわち、上記決定された実行回である場合には、ステップS2250で、ボタン制御手段2230は、電磁クラッチ150がクラッチオン状態であるか否かを判定する。ステップS2250でNoの場合、ステップS2251で、ボタン制御手段2230は、電磁クラッチ150に所定電圧を印加して、クラッチオン状態とする。続いて、ステップS2252で、ボタン制御手段2230は、前記設定した駆動パターンに従ってボタンモータ141の駆動を開始する。なお、ボタンモータ141の回転駆動方向は、遊技者によるX方向への回転操作に抗する方向(すなわち、回転ボタン130をY方向へ回転駆動する方向)に設定される。一方、ステップS2248、S2249又はS2250でNoの場合には、ステップS2251及びS2252をスキップして、ステップS2253へ移行する。
そして、ステップS2253で、ボタン制御手段2230は、演出ボタン130の操作を無効化する操作終了タイミングであるか否かを判定する。ステップS2253でYesの場合、ステップS2254で、ボタン制御手段2230は、演出ボタン130の操作を無効化する。続いて、ステップS2255及びS2256で、ボタン制御手段2230は、ボタンモータ141の回転駆動を停止するとともに、電磁クラッチ150をクラッチオフ状態とすることで、演出ボタン130が空転状態に戻される。
従って、この第2の予告演出処理(ボタン演出処理)では、当否抽選結果が当りの場合には擬似連の回数が後になるほど演出ボタン130の操作荷重を相対的に大きくする制御が実行される割合が高くなる一方で、当否抽選結果がハズレの場合には擬似連の回数が後になるほど演出ボタン130の操作荷重を相対的に大きくする制御が実行される割合が低くなっている。よって、演出ボタン130の操作荷重が大きくなるときの擬似連の回数が後であればあるほど大当り信頼度が高くなるため、擬似連続変動表示における遊技者の期待感をより一層煽ることが可能になる。
なお、演出ボタン130の操作荷重を多段階で変化させてもよい。具体的には、擬似連が続くほど演出ボタン130の操作荷重を段々と増大させていき(例えば、擬似連1回目では駆動パターンA→擬似連2回目では駆動パターンB→擬似連3回目では駆動パターンC→…)、あるいは増大する可能性が高くなるようにして、遊技者の期待感を更に高めるようにしてもよい。
次に、上述した第1の予告演出処理(ボタン演出処理)の変形例として、第3の予告演出処理(ボタン演出処理)について図29を参照しながら説明する。ここで、図29は第3の予告演出処理(ボタン演出処理)S2260のフローチャートである。まず、ステップS2261で、ボタン制御手段2230は、演出ボタン130の操作を有効化する操作開始タイミングであるか否かを判定する。ステップS2261でYesの場合、ステップS2262で、ボタン制御手段2230は、演出ボタン130の操作を有効化する(演出ボタン130の操作信号の入力を有効化する)。
続いて、ステップS2263で、ボタン制御手段2230は、予め設定された背面画像選択テーブル(図30(a)を参照)に基づき、表示対象とするインジケータ背面画像を設定する。ここで、図30(a)に示すように、インジケータ背面画像は、矩形の画像であって当該画像内にて星や稲妻などのシンボルが適所に配置された画像から形成されている。そして、本例に示されるように、インジケータ背面画像の表示内容に応じて、大当たり信頼度を示唆する演出内容となっている。
図29のフローチャートに戻って、ステップS2264で、演出表示制御手段2210は、演出表示装置70上で、演出ボタン130のY方向への回転操作を促す画像(演出ボタン130が有効化された旨を報知する画像)と共に、選択された予告演出パターンに従って予告演出画像(演出ボタン130の回転操作を促す画像と重畳させるかたちでインジケータ画像)の表示を開始する。ここで、図30(b)には、インジケータ画像の一例を示しており、当該インジケータ画像の表示開始の時点では、インジケータ背面画像の前面側にインジケータ前面画像を表示して、インジケータ前面画像によってインジケータ背面画像の全体が遮蔽されている(つまり、インジケータ背面画像が視認できなくなっている)。続いて、ステップS2265で、ボタン制御手段2230は、回転検出センサS3,S4からの検出信号に基づき、演出ボタン130がY方向へ回転操作されたか否かを判定する。ステップS2265でYesの場合、ステップS2266で、ボタン制御手段2230は、回転検出センサS3,S4からの検出信号に基づき、演出ボタン130の回転速度を検出する。
続いて、ステップS2267で、演出表示制御手段2210は、演出ボタン130の回転速度に対応した減少速度でインジケータ前面画像の表示領域を減少させる。つまり、図30(b)に示すように、演出ボタン130が低速回転の場合には、インジケータ前面画像における表示領域の減少速度を低速度とし、演出ボタン130が中速回転の場合には、インジケータ前面画像における表示領域の減少速度を中速度とし、演出ボタン130が高速回転の場合には、インジケータ前面画像における表示領域の減少速度を高速度とする。そのため、演出ボタン130の回転速度が上昇するほど、インジケータ背面画像の表示領域が増大し、遊技者はインジケータ背面画像を視認し得ることとなる。なお、演出ボタン130が回転操作されない場合には、インジケータ前面画像の表示領域を超低速で減少させてもよいし、インジケータ前面画像の表示領域を減少させなくてもよい。
一方、ステップS2265でNoの場合、ステップS2266及びステップS2267をスキップして、ステップS2268に移行する。そして、ステップS2268で、ボタン制御手段2230は、演出ボタン130の操作を無効化する操作終了タイミングであるか否かを判定する。ステップS2268でYesの場合、ステップS2269で、ボタン制御手段2230は、演出ボタン130の操作を無効化して、次の処理(ステップS2212)に移行する。一方、ステップS2261でNoの場合、ステップS2270で、ボタン制御手段2230は、演出ボタン130の操作が有効化されているか否かを判定する。ステップS2270でYesの場合、すなわち、既に演出ボタン130の操作が有効化されている場合には、ステップS2265に移行する。また、ステップS2268でNoの場合には、ステップS2269をスキップして、次の処理(S2212)に移行する。
従って、この第3の予告演出処理(ボタン演出処理)では、演出ボタン130の操作速度(回転速度)に対応してインジケータ背面画像の表示領域が増大して遊技者はこれを視認可能となるため、演出ボタン130に対する遊技者の操作意欲を向上させて積極的な遊技への参加を促すことができる。
以上のように、第1〜第3のボタン演出処理では、遊技者による演出ボタン130の回転操作と演出表示装置70上での図柄変動態様や予告演出内容とを連携させることで、演出ボタン130の回転操作に面白みを与えて、遊技者参加型の演出機能をより一層高めることが可能となる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば適宜改良可能である。
上述の実施形態では、ボタン制御処理を予告演出に適用した場合を例示して説明したが、これに限定されるものではなく、ボタン演出処理を特別遊技演出、図柄変動、昇格演出、保留表示などと連携して実行してもよい。例えば、特別遊技(大当り遊技)中の確変昇格演出として、演出表示装置70上に「扉」の画像を表示し、演出ボタン130の回転操作を「扉」の開放操作に見立て、「扉を開放することができた場合に確変昇格が成功する」というボタン演出処理を実行してもよい。具体的には、当該確変昇格演出を実行する以前に所定の演出等において、演出ボタン130を回転操作する際の遊技者の操作特性を検出しておき、遊技者が演出ボタン130を何れの方向(X方向,Y方向)に回転操作する傾向があるかを判定しておく。そして、遊技者が演出ボタン130をX方向(遊技機側)へ回転操作する傾向があれば、当該確変昇格演出において扉を押すことで扉を開放する演出を実行する。一方、遊技者が演出ボタン130をY方向(遊技者側)へ回転操作する傾向があれば、当該確変昇格演出において扉を引くことで扉を開放する演出を実行する。このように、遊技者の操作特性を演出に反映させる制御を実行することで、演出ボタン130に対する遊技者の操作意欲を向上させて積極的な遊技への参加を促すことができる。なお、事前に遊技者の操作特性を検出せずに、当該確変昇格演出の実行中に遊技者の操作特性に合わせて演出内容を変化させてもよい。これに加えて、特別遊技において実行される単位遊技数が異なる(16R、12R、8R、4Rなど)複数種の大当たりが設定されている場合、単位遊技が終了するか継続するか(現在実行中の単位遊技にて終了するか、その単位遊技の後にも更なる単位遊技が実行されるか)を煽る演出を特別遊技の所定タイミングで行ってもよい。その煽り演出において、演出ボタン130の操作荷重と単位遊技継続期待度を紐付けることが好適である(つまり、操作荷重が大きいほど継続期待度が高まる)。
また、上述の実施形態では、ボタンモータ141の励磁方式等を切り換える制御を行うことで演出ボタン130の操作荷重を変化させているが、この構成に限定されるものではなく、例えば、ボタンモータ141を駆動することなく、クラッチ手段の係合度合いを連続的又は段階的に変化させる制御を行うことで、演出ボタン130の操作荷重を変化させてもよい。
また、上述の実施形態では、単一の演出ボタン130のみを有する演出ボタンユニット100を例示して説明したが、これに限定されるものではなく、複数の演出ボタンを有する構成や、演出ボタンに併設されて他の操作手段(操作レバー、操作スイッチ、操作ダイヤルなど)を有する構成であってもよい。
また、上述の実施形態では、演出ボタン130を上下方向に押圧操作する構成を例示して説明したが、この構成に限定されるものではなく、例えば、演出ボタン130を前後方向など他の方向に押圧操作する構成であってよい。
また、上述の実施形態では、演出ボタン130を球状に形成した場合を例示して説明したが、これに限定されるものではなく、例えば円筒状や角柱状など他の形状であってもよい。
また、上述の実施形態では、演出ボタンユニット100を上球皿8に隣接して設置した構成を例示して説明したが、これに限定されるものではなく、演出ボタンユニット100を下球皿9などの他の部位に設置してもよく、いずれにしても遊技者が操作可能な位置に設けられていればよい。さらに、上述の実施形態では、演出ボタンユニット100をリフト装置80を介してガラス枠5に取り付けた構成を例示して説明したが、演出ボタンユニット100をガラス枠5に直接取り付けてもよい。
なお、上述の実施形態においては、演出ボタンユニットをぱちんこ遊技機に適用した場合を例示して説明したが、これに限定されるものではなく、ぱちんこ遊技機以外の遊技機、例えば、スロットマシン、アレンジボール機、雀球遊技機、封入式遊技機(所定個数の遊技球を機内に封入して循環使用する遊技機)等の他の遊技機、更にはメダル遊技機、ゲーム機などのアミューズメント機器、に適用することができ、同様の効果を得ることができる。