以下、実施形態を図面に基づいて説明する。
1.システム
2.ハードウェア構成例
3.機能
4.動作シーケンス
(1.システム)
図1は一実施形態における位置情報管理システム1を表す。図1は、通信装置100、102、104、106、無線端末120、122、124、管理装置140、管理サーバ160、通信装置と無線端末と管理装置とから構成されるネットワーク180及びネットワーク190を有する。ここで、ネットワーク180は、管理装置140によって管理される無線ネットワークである。
図2は、図1において無線ネットワークを構成する通信装置100、102、104、106、無線端末120、122、124、管理装置140を抜き出して示したものである。
通信装置100、102、104、106は、例えば部屋の天井等に固定され、固定された位置に係る、経緯情報、建物の階数及び棟番号のような位置情報(以下「位置情報」とする)そのものを連続的又は断続的に無線送信する。通信装置は、それぞれ独立した筐体を有し、予め設置された電源から給電されて動作するか、あるいはLED蛍光管のような照明器具に組み込まれ、該照明器具から給電されて動作する。通信装置100、102、104、106は、それぞれが保持する位置情報を、無線信号により所定の範囲に送信する。所定の範囲は、用いられる無線信号の信号強度によって定められる。通信装置は、位置の管理対象となる領域をカバーするように配置され、それぞれの領域が重複しないように構成される。あるいは、重複する場合であっても、位置情報を受信する側において、受信電波の強度に基づいて、何れか一つの通信装置が決定できるよう構成される。図1の例では、それぞれの通信装置の下方に示される円錐型の点線が、所定の範囲を表している。位置情報を送信する通信方式として、例えば地上補完信号(Indoor Messaging System;IMES)を用いることができる。
無線端末120、122、124は、通信装置100、102、104、106のうち、最寄の通信装置が送信する無線信号を受信することができる。図1の例では、それぞれの無線端末は、位置を管理する対象である直方体の管理対象物に付されている。無線端末120、122、124は、自らも電波を送信可能な、例えばアクティブタグのような端末である。以下、無線端末120について説明する。
(無線端末120)
無線端末120は、通信装置100からの無線信号を受信できる範囲にあり、通信装置100の位置情報を受信する。通信装置100の位置情報の受信は、例えばIMESを用いて行われる。無線端末120は、受信した位置情報と共に、例えばネットワークアドレスのような自らの識別情報を含む情報を通信装置100へ送信する。該送信は、例えばIEEE802.15.4及びZigBee(登録商標)のような近距離無線通信によるネットワーク180を通じて行われる。この場合には、無線端末120の識別情報として、IEEE802.15.4の短縮アドレスまたはIEEE拡張(MAC)アドレスを用いることができる。通信装置100へ送信された識別情報と位置情報は、次に、隣接する通信装置102を経由して、管理装置140に送信される。なお、無線端末120における送受信の動作は、当該無線端末120において予め定められたタイミングか、あるいは、当該無線端末120の備える加速度センサによる加速度の変化が検出されたタイミングで行われる。
管理装置140は、ネットワーク180とネットワーク190とを相互に接続し、ネットワーク180側から送信されたデータをネットワーク190にブリッジする。管理装置140は、例えば建物のフロア毎、または壁などで仕切られた部屋毎に設置される。ネットワーク180がIEEE802.15.4及びZigBee(登録商標)によるPAN(Personal Area Network)であり、ネットワーク190がIEEE802.3規格に基づくLANである場合には、それらの間での通信方式の変換を行う。また、無線端末120の識別情報がIEEE802.15.4の短縮アドレスで表されている場合には、PAN構成時の情報に基づきIEEE拡張アドレスに変換し、管理サーバ160に送信する。
管理サーバ160は、管理装置140を経由して受信された識別情報と位置情報とを、受信日時と共に記録し、通信装置の位置を管理する。管理サーバ160では、無線端末に係る管理対象物が予め記録されている。よって、これらの情報を用いて、管理対象物の所在を探索することができる。
ネットワーク180は、それぞれの通信装置100、102、104、106と、無線端末120、122、124と、管理装置140とを接続する、例えばIEEE802.15.4及びZigBee(登録商標)規格によって構成されるPANである。PANがIEEE802.15.4及びZigBee(登録商標)規格で構成される場合は、無線端末、通信装置、管理装置は、それぞれZigBee(登録商標)規格で定められるエンドデバイス機能、ルータ機能及びコーディネータ機能を有する。そして、それぞれの通信装置及び無線端末は、起動時に管理装置の管理下に入り、PANを構成し、管理装置への最小経路が決定される。
ネットワーク190は、管理装置140と管理サーバ160とを接続するネットワークであり、例えばIEEE802.3規格で定められるLANである。
上記の通り、一実施形態における位置情報管理システム1において、無線端末は、最寄の通信装置と通信できるだけの電力を用いて、識別情報と位置情報とを管理サーバへ送信することができる。また、通信装置を設置するための新たなインフラの敷設が不要であり、導入コストを低減することができる。
なお、通信装置の位置情報は、ネットワーク180を通じて提供されてもよい。これにより、IMESのような位置情報を送信するための送信手段が不要となる。
また、無線端末は、位置情報を送信した通信装置よりさらに近傍に管理装置が存在する場合には、識別情報と位置情報とを管理装置140に送信してもよい。これにより、最短経路で識別情報と位置情報が管理サーバに送信できる。
また、管理サーバに、管理装置の機能を統合してもよい。これにより、個別の管理装置が不要となる。
また、無線端末は、スマートフォン、PDA、PC又はスマートメータのような、アクティブタグと同等の機能を有する無線端末であってもよい。これにより、タグを付することなく、既存の無線端末の位置情報の管理が可能となる。
また、上述の位置情報に加えて、例えば部屋の中の区画を表す情報のような、より細かな位置を特定する情報を含んでもよい。これにより、より細かな位置管理が可能となる。
また、位置管理対象が人であってもよい。これにより、当該システム1によって人の所在を管理することができる。
また、ネットワーク180は、例えばBluetooth LE、ANT、Z-Wave等の近距離無線通信を用いて構成されてもよい。これにより、多様な無線端末の位置情報を管理することが可能となる。
また、ネットワーク190は、例えばインターネットのような、複数の種類のネットワークを含んでもよい。これにより、ネットワーク180と管理サーバ160との間の物理的な位置に関係なく、無線端末の位置情報を管理することが可能となる。
(2.ハードウェア構成例)
次に、図3、図4、図5、図6を用いて、位置情報管理システム1に含まれる通信装置100、無線端末120、管理装置140、管理サーバ160のハードウェア構成について説明する。
図3は、一実施形態における通信装置100のハードウェア構成を表す。通信装置100は、CPU200、RAM202、ROM204、位置信号送信制御部206、位置信号送信部208、無線通信制御部210、無線通信部212及びバス214を有する。
CPU200は、当該通信装置100の動作制御を行うプログラムを実行する。RAM202は、CPU200のワークエリア等を構成する。ROM204は、CPU200が実行するプログラムに加えて、当該通信装置100の位置情報を記憶する。位置信号送信制御部206は、位置信号送信部208を介して当該通信装置100の位置情報を表す測位信号を送信するための処理を実行する。位置信号送信部208は、例えばIMESのような測位信号を送出するアンテナを含む装置である。無線通信制御部210は、無線通信部212を介して無線通信処理を実行する。無線通信部212は、例えばIEEE802.15.4規格に適合する電波を送受信可能なアンテナを含む装置である。バス214は、上記装置を電気的に接続する。
上記構成により、一実施形態における通信装置100は、無線端末120に対して位置情報を送信し、無線端末120から識別情報と位置情報を受信し、これらの情報を管理装置を介して管理サーバへ送信することができる。
なお、上述したように、位置情報を無線通信によって送信する場合には、位置信号送信制御部206と位置信号送信部208は不要となる。
図4は、一実施形態における無線端末120のハードウェア構成を表す。無線端末120は、CPU220、RAM222、ROM224、位置信号受信制御部226、位置信号受信部228、無線通信制御部230、無線通信部232、加速度検出制御部234、加速度検出部236及びバス238を有する。
CPU220は、当該無線端末120の動作制御を行うプログラムを実行する。RAM222は、CPU220のワークエリア等を構成する。ROM224は、CPU220が実行するプログラムに加えて、当該無線端末120の識別情報や、通信装置100から受信した位置情報を記憶する。位置信号受信制御部226は、位置信号受信部228を介して、位置情報を表す測位信号を受信するための処理を実行する。位置信号受信部228は、例えばIMESのような測位信号を受信するアンテナを含む装置である。無線通信制御部230は、無線通信部232を介して無線通信処理を実行する。無線通信部232は、例えばIEEE802.15.4規格に適合する電波を送受信可能なアンテナを含む装置である。加速度検出制御部234は、加速度検出部236を介して加速度の変化を検出する。加速度検出部236は、例えば加速度センサ又は慣性力や磁気を用いたモーションセンサである。バス238は、上記装置を電気的に接続する。
上記構成により、一実施形態における無線端末120は、通信装置100から位置情報を受信し、前記位置情報と共に自らの識別情報を通信装置100へ送信することができる。特に、無線端末が動かされたタイミングで送信又は受信の動作を行うことにより、効率的に識別情報及び位置情報を送信することができる。
なお、無線端末120がスマートフォンやPCのような情報端末である場合には、ユーザからの入力を受け付ける、例えばタッチパネル、ダイヤルキー、キーボード、マウスのような入力装置及び対応する入力制御部を備えてもよい。さらに、スクリーンのような表示装置及び対応する表示制御部を備えてもよい。
また、無線端末120がGPSアンテナ及び対応する制御部を備える場合には、前記アンテナを用いてIMESによる測位信号を受信でき、ソフトウェアの改修のみによって当該位置情報管理システム1に対応させることができる。
また、加速度検出制御部234及び加速度検出部236は任意の構成要素である。加速度検出制御部234及び加速度検出部236を備えない場合には、当該無線端末120の送信又は受信の動作は、予め定められた間隔又は時刻においてなされる。
また、上述したように、位置情報が無線通信によって受信される場合には、位置信号受信制御部226と位置信号受信部228は不要となる。
図5は、一実施形態における管理装置140のハードウェア構成を表す。管理装置140は、CPU240、RAM242、ROM244、無線通信制御部246、無線通信装置248、有線通信制御部250、有線通信装置252及びバス254を有する。
CPU240は、当該管理装置140の動作制御を行うプログラムを実行する。RAM242は、CPU240のワークエリア等を構成する。ROM244は、CPU240が実行するプログラムや該プログラムが使用するデータを記憶する。無線通信制御部246は、無線通信装置248を介して無線通信処理を実行する。無線通信装置248は、例えばIEEE802.15.4規格に適合する電波を送受信可能なアンテナを含む装置である。有線通信制御部250は、有線通信装置252を介して有線による通信処理を実行する。有線通信装置252は、例えばIEEE802.3規格に適合するネットワークインターフェースを有する装置である。バス254は、上記装置を電気的に接続する。
上記構成により、一実施形態における管理装置140は、通信装置100及び無線端末120を含むネットワーク180からの信号を、管理サーバ160を含むネットワーク190へと変換することができる。また、PANを構成するネットワーク180がZigBee(登録商標)である場合には、PANに参加するデバイスを管理するコーディネータの機能を有することができる。
図6は、一実施形態における管理サーバ160のハードウェア構成を表す。管理サーバ160は、CPU260、RAM262、ROM264、HDD266、通信制御部268、通信部270、表示制御部272、表示部274、入力制御部276、入力部278及びバス280を有する。
CPU260は、当該管理サーバ160の動作制御を行うプログラムを実行する。RAM262は、CPU260のワークエリア等を構成する。ROM264は、CPU260が実行するプログラムや該プログラムが使用するデータを記憶する。HDD266は、当該位置情報管理システム1で用いられる無線端末120の位置を管理するための情報を記憶する。通信制御部268は、通信部270を介して通信処理を実行する。通信部270は、例えばIEEE802.3規格に適合するネットワークインターフェースを有する装置である。表示制御部272は、当該管理サーバ160上で実行される、位置管理に係るプログラムの処理内容に合わせて、表示部274に表示される内容を制御する。表示部274は、例えば液晶ディスプレイやCRTディスプレイのようなディスプレイが含まれる。入力制御部276は、ユーザからの入力を受け付ける、キーボード、マウス等の入力部278からの信号を処理する。バス280は、上記装置を電気的に接続する。
上記構成により、一実施形態における管理サーバ160は、無線端末120の位置を管理し、該無線端末120の所在を探索することができる。
なお、HDD266は、テープドライブを含むあらゆる記憶装置であってもよく、あるいは、ネットワークを介してアクセス可能なストレージ領域であってもよい。
また、管理サーバ160は、上述した管理装置140が備える無線通信制御部及び無線通信装置を備え、管理装置140に代えて、その処理を行ってもよい。これにより、管理装置140を別途設ける必要がなくなる。
(3.機能)
図7は、一実施形態における通信装置100の機能ブロック図を表す。一実施形態における通信装置100は、記憶手段300、通信手段304及び制御手段312を有する。
記憶手段300は、当該通信装置100の位置情報302を記憶する。位置情報302を記憶するためのテーブルの例を図11に示す。図11は、階数、緯度、経度、棟番号の項目を含む。階数は、当該通信装置100が設置される建物の階数を表す。緯度及び経度は、当該通信装置100の所在する位置の緯度及び経度を表す。棟番号は、当該通信装置100が設置される建物の棟番号を表す。図11の例では、通信装置100は、ある建物のC棟の16階に所在し、緯度が35.459555、経度が139.387110の地点に所在する。
通信手段304は、位置情報送信手段306、端末情報受信手段308及び端末情報送信手段310を有する。
位置情報送信手段306は、経緯情報、建物の階数、棟番号のような情報を含む位置情報302を、所定の範囲にある無線端末120に対して連続的又は断続的に無線送信する。位置情報302は、例えばIMESに規定されるフォーマットを用いて送信される。
端末情報受信手段308は、無線端末120から送信された識別情報と位置情報とを受信する。
端末情報送信手段310は、無線端末120から送信された識別情報と位置情報とを、管理装置140を介して管理サーバ160へ送信する。ネットワーク180がZigBee(登録商標)規格を用いてなされる場合には、前記送信は、当該通信装置100が保持するルーティング情報を用いて行われる。
制御手段312は、当該通信装置100の動作を制御する。当該通信装置100が無線端末120及び管理装置140とZigBee(登録商標)を用いてPANを構成する場合には、当該通信装置100がルータ機能を提供するよう制御する。
上記構成により、一実施形態における通信装置100は、位置情報302を保持し、位置情報302を無線端末120に送信し、該無線端末120の識別情報と位置情報を受信して、該識別情報を管理装置140を通じて管理サーバへ送信することができる。
なお、位置情報302は、通信装置100が設置される建物名や、部屋の中の区画を表す情報のような追加の情報を含んでもよい。これにより、より細かな位置管理が可能となる。
図8は、一実施形態における無線端末120の機能ブロック図を表す。一実施形態における無線端末120は、記憶手段320、通信手段326、加速度検出手段332及び制御手段334を有する。
記憶手段320は、識別情報322と位置情報324を有する。識別情報322は、当該無線端末120のネットワークアドレスのような、当該位置情報管理システム1上で無線端末120を特定可能な情報を含む。例えば、ネットワーク180がIEEE802.15.4及びZigBee(登録商標)規格に基づく場合には、IEEE802.15.4の短縮アドレス又はIEEE拡張(MAC)アドレスを用いることができる。位置情報324は、通信装置100から送信された位置情報302である。位置情報324を記憶するためのテーブルの例を図12に示す。構成は図11と同様である。
通信手段326は、位置情報受信手段328と識別情報送信手段330を有する。
位置情報受信手段328は、通信装置100から送信された位置情報302を受信する。受信された位置情報302は、当該無線端末120の記憶手段320に保持される。
識別情報送信手段330は、当該無線端末120の識別情報322と共に位置情報324を通信装置100に送信する。位置情報302は、例えば図12のようなフォーマットにより無線端末120に送信される。図12のフォーマットでは、階数、緯度、経度、棟番号の各フィールドが、それぞれ9ビット、21ビット、21ビット、8ビットで表現され、IMES規格によって受信したメッセージの該当フィールドを繋げた形とする。各フィールドの表現形式はIMES規格に準ずる。実際には、このフォーマットに加えて、通信方式によって規定されるヘッダやチェックサム情報が付加されて送信される。通信方式として、例えばIEEE802.15.4及びZigBee(登録商標)規格が用いられる。
加速度検出手段332は、当該無線端末120の加速度の変化を検出する。加速度の変化は、例えば当該無線端末120が移動を開始した時、該移動が停止した時、又は傾きを検出した時等に検出される。検出された加速度の変化は、当該無線端末120の送信又は受信の動作のタイミングを決定するために用いられる。なお、当該加速度検出手段332は任意の構成要素である。
制御手段334は、位置情報受信手段238による位置情報の受信のタイミングと、識別情報送信手段330による識別情報322と位置情報324との送信のタイミングを制御する。送受信のタイミングは、加速度検出手段332による加速度の変化の検出に基づいて決定される。あるいは、当該無線端末120に予め設定された間隔あるいは時刻に基づいて決定されてもよい。また、送信と受信のタイミングは、それぞれ独立して決定されてもよい。さらに、制御手段334は、当該無線端末120が通信装置100及び管理装置140と共にZigBee(登録商標)によりPANを構成する場合には、当該無線端末120がエンドポイント機能を提供するよう制御する。
上記構成により、一実施形態における無線端末120は、通信装置から位置情報を効率的に受信し、該位置情報と共に識別情報通信装置へ効率的に送信することができる。
なお、無線端末120がスマートフォンやPCのような情報端末である場合には、ユーザからの入力を受け付ける入力手段や、ユーザに情報を提示する表示手段を備えてもよい。これにより、ユーザへの識別情報又は位置情報の提示や、ユーザからの識別情報又は位置情報の入力又は修正が可能となる。
図9は、一実施形態における管理装置140の機能ブロック図を表す。一実施形態における管理装置140は、通信手段340、変換手段346及び制御手段348を有する。
通信手段340は、受信手段342と送信手段344を有する。受信手段342は、ネットワーク180に属する通信装置又は無線端末から送信されたデータを受信する。送信手段344は、当該管理装置140で変換された前記データを、ネットワーク190に属する管理サーバ160へ送信する。ネットワーク180は、例えばIEEE802.15.4及びZigBee(登録商標)規格に基づくPANである。また、ネットワーク190は、例えばIEEE802.3規格に基づくLANである。
変換手段346は、受信手段342がネットワーク180から受信したデータを、ネットワーク190に適合する形式に変換する。変換されたデータは、送信手段344によって、ネットワーク190を介して管理サーバ160へ送信される。ここで、前記データに含まれる、無線端末120の識別情報が、IEEE802.15.4の短縮アドレスで表されている場合には、PAN構成時の情報に基づき、IEEE拡張アドレスに変換される。
制御手段348は、当該管理装置140の動作を制御する。当該管理装置140が通信装置100と無線端末120と共にZigBee(登録商標)規格によりPANを構成する場合には、当該管理装置140がコーディネータ機能を提供するよう制御する。
上記構成により、一実施形態における管理装置140は、通信装置100及び無線端末120が属するネットワーク180と、管理サーバが属するネットワーク190との間の通信をブリッジすることができる。
図10は、一実施形態における管理サーバ160の機能ブロック図を表す。一実施形態における管理サーバ160は、通信手段360、記憶手段366、入力手段370、表示手段372及び制御手段374を有する。
通信手段360は、受信手段362と送信手段364を有する。受信手段362は、管理装置140を通じて無線端末から送信された識別情報と位置情報とを受信する。受信された識別情報と位置情報は、記憶手段366に記憶される。送信手段364は、外部サーバ等に対して位置情報の提供を求められた場合に、該位置情報を前記外部サーバ等に送信する。
記憶手段366は、位置管理情報368を有する。位置管理情報368は、無線端末120から受信した識別情報と位置情報に、受信時刻等の管理情報を付加した情報である。該情報を記憶するテーブルの例を図14に示す。図14は、識別情報、機器名、所有部署、緯度、経度、階数、棟、受信日時の項目を有する。識別情報は、当該識別情報を送信した無線端末120の、例えばIEEE拡張アドレスのような情報である。緯度、経度、階数、棟は、識別情報と共に受信された位置情報に対応する。受信日時は、管理サーバ160が当該情報を受信した日時である。機器名は、当該情報を送信した無線端末120が付される管理対象の名前又は無線端末120の機器名である。所有部署は、当該情報を送信した無線端末120を所有する部署名である。機器名及び所有部署の情報は、予め当該管理サーバ160によって、識別情報と関連付けられている。
入力手段370は、ユーザが位置情報を探索するために、ユーザからの入力を受け付ける。
表示手段372は、ユーザが位置情報を探索するための検索画面に係るGUIを画面上に表示する。検索画面の例を図16に示す。図16に示された「所在検索システム」では、記憶手段366に記憶された情報を元に、無線端末に係る所有部署と機器名を画面に一覧表示する。ユーザが、検索したい機器のチェックボックスを入力手段370を通じて選択すると、チェックマークが付される。検索したい機器に全てチェックマークを付けた後に「検索実行」ボタンを選択すると、検索が実行され、結果を表示する画面に切り替わる。図16の例では、ユーザが「営業1課」が所有する「UCS P3000」という機器を対象として検索を実行する例を示している。図17は、その検索結果の画面の例である。「検索実行」ボタンが選択されると、表示手段372は、記憶手段366に記憶されたデータを元に、「UCS P3000」が所在する「A棟4階」のフロア図と、その機器名及び受信日時を表示する。
制御手段374は、当該管理サーバの動作を制御する。
上記構成により、一実施形態における管理サーバ160は、無線端末の位置を管理し、その所在を検索することができる。特に、無線端末の位置そのものを表す情報そのものを直接受信して管理することができ、位置の探索にかかる計算量を低減することができる。
なお、管理サーバ160は、管理装置160の有する変換手段346、制御手段348及び受信手段342と同様の機能を有し、管理装置160と同様の機能を有してもよい。これにより、管理装置160を個別に設ける必要がなくなる。
また、管理サーバ160によって記憶される位置管理情報368は、図14に示された情報と共に、あるいは該情報に代えて、無線端末が情報を送信した日時、経由した通信装置又は管理装置の識別子、情報の到着までにかかった時間又は電界強度を含む情報を記憶してもよい。これにより、より詳細な条件で位置情報を管理することができる。
また、管理サーバ160は、無線端末の過去の位置情報を記録してもよい。これにより、無線端末の移動を追跡することができる。
(4.動作シーケンス)
図15は、図1の構成における一実施形態における位置情報管理システム1の動作シーケンスを表す図である。図15では、加速度の変化を検知すると位置情報を受信し、識別情報を送信する通信装置100と、該通信装置100の属する領域に位置情報を送信する無線端末120と、PAN(IEEE802.15.4及びZigBee(登録商標))とLAN(IEEE802.3)とをブリッジする管理装置140と、管理サーバ160とで構成される例について説明する。通信装置100と、無線端末120と、管理装置140との間のPANは既に確立されているものとする。
ステップS800において、通信装置100は、IMES等を用いて位置情報を連続的又は断続的に送信する。
ステップS802において、無線端末120は、加速度の変化を検知する。
ステップS804において、無線端末120は、通信装置100から送信される位置情報を受信する。
ステップS806において、無線端末120は、受信された位置情報を記憶する。
ステップS808において、無線端末120は、識別情報と位置情報を通信装置100へ送信する。
ステップS810において、通信装置100は、無線端末120から受信した識別情報と位置情報とを最小経路を通じて管理装置へ送信する。
ステップS812において、管理装置140は、通信装置100から受信した識別情報と位置情報を含む、ネットワーク180から送信されたデータをネットワーク190で適合する形式へと変換する。
ステップS814において、管理装置140は、ネットワーク190に適合する形式に変換された識別情報と位置情報を管理サーバ160へ送信する。
ステップS816において、管理サーバ160は、管理装置から受信した識別情報と位置情報を、識別情報に対応する無線端末の情報と共に登録する。
以上の手順により、一実施形態における位置情報管理システム1は、無線端末が最寄の通信装置に対して効率よく識別情報と位置情報とを送信することにより、無線端末の消費電力を抑えることができる。
なお、既に述べたように、管理サーバ160が管理装置140の機能を統合して実行してもよい。この場合には、別個の管理装置140を設置する必要がなくなる。
また、無線端末が加速度検出手段332を備えていない場合には、ステップS802は実行されず、ステップS804における位置情報の受信は、所定の時刻又は所定の間隔で行われ得る。その後の処理は、ステップS806〜S816と同様である。
位置情報管理システム1の通信装置100は、例えば、LED蛍光灯のような照明器具に組み込まれる。通信装置100は、LED蛍光灯の内部、あるいはLED照明器具の外形部に固定された位置情報送信用アンテナを使用して、位置信号送信機208から位置情報を送信する。このようなレンジフリー式測位システムでは、事前にアンテナ設計を行った方向に位置情報を送信することができる。逆に、事前にアンテナ設計を行った方向以外の方向には位置情報を送信できない。
図18は、位置信号送信部208が搭載されたLED蛍光灯600の一実施例を示す。
位置信号送信部208が搭載されたLED蛍光灯600は、LEDチップ602と、アンテナ604と、位置信号送信機基板606とを備える。
アンテナ604からIMES信号が放射される。又、図18において、608は、アンテナ604により放射されたIMES信号が到達する範囲の一例を示す。
図18に示される例では、LED蛍光灯600の長手方向に対して垂直な方向に指向性を有するようにアンテナ604が設計される。
このLED蛍光灯600を、天井に固定した場合を考える。
図19は、天井への、LED蛍光灯600の固定例を示す。
図19に示される例では、天井の傾斜部分に、LED蛍光灯600が固定される。この場合、LED蛍光灯600の長手方向は、天井の傾斜部分と略平行になる。このため、アンテナ604により放射される可視光は、天井の傾斜部分と略垂直方向となる。LED蛍光灯600に搭載されたアンテナから、鉛直下向きに位置情報を送信できないため、LED蛍光灯600の真下では、無線端末120は位置情報を受信できない。
レンジフリー方式では、アンテナ設計の段階で電波指向性を高めることにより電波到達範囲を限定する。電波到達範囲を限定することにより測位範囲に厳しい制約を与え測位精度を向上させる。従って、電波送信強度を増大させることにより電波到達範囲を広く取る方法では、測位精度が極端に低下し、高精度な測位システムを構築することはできない。
通信装置100の一実施例では、通信装置100から放射されるIMES信号が鉛直下向きになるように制御される。
図20Aは、LED蛍光灯700の一実施例を示す。図20Aには、LED蛍光灯700の長手方向に垂直な方向と、鉛直下向きとの間の角度がθ°(0≦θ<90°)に制御される場合を示す。
位置信号送信機208が搭載されたLED蛍光灯700は、LEDチップ702と、アンテナ704と、位置信号送信機基板706と、アンテナハーネス710、多自由度可動機構712と、重り714とを備える。
位置信号送信機基板706から、アンテナハーネス710を介して入力される位置情報を含む情報は、アンテナ704から、電波信号(IMES信号)で放射される。
アンテナ704は、LED蛍光灯700の長手方向に対して垂直な方向に指向性を有するように設計される。アンテナ704には、必要に応じて重り714が取り付けられる。アンテナ704、重り714には、多自由度可動機構712が取り付けられる。
多自由度可動機構712は、アンテナ704から放射される電波の指向性が鉛直下向きとなるように制御する。つまり、多自由度可動機構712は、アンテナ704から放射される電波の電界強度が強い方向を鉛直下向きになるように制御する。具体的には、多自由度可動機構712は、該多自由度可動機構712に取り付けられた重り714が、該重り714に働く重力により速度が零となったときには鉛直下向きに位置することを利用する。重り714は、多自由度可動機構712に、紐により取り付けられてもよい。紐で取り付けられることにより、重り714は多自由度可動機構712を支点として、振り子のように揺れ、多自由度可動機構712から重り714の方向が鉛直下向きとなる状態で停止する。また、紐は、シリコーン樹脂等、自由に変形ができ、熱耐性、耐用性が高いものが好ましい。また、紐の代わりに軸受けを用いてもよい。
重りの速度が零になったときに重りが鉛直下向きとなることにより、該重りに取り付けられたアンテナから指向性を有する電波信号が鉛直下向きに放射される。重り714が他の部材に当たり、破損するおそれがあるので、重り714が常に揺れているのは好ましくない。そこで、多自由度可動機構712は、LED蛍光灯700が、天井等の部材に固定されている場合に、重り714等の可動部分が動くようにしてもよい。つまり、天井等の部材から取り外されている場合には、重り714等の可動部分が固定される。
図20Bは、一実施形態におけるLED蛍光灯700を示す。図20Bには、図20Aに示されるLED蛍光灯700の斜視図が示される。
LED蛍光灯700は、スイッチ716を備える。スイッチ716は、LED蛍光灯700が天井等の部材に固定される前は、出っ張った状態である。スイッチ176は、LED蛍光灯700が天井等の部材に固定された場合に、内部に押しつけられた状態となる。スイッチ716が、出っ張った状態又は内部に押しつけられた状態となることにより、取り外された状態又は固定された状態が検出される。
例えば、スイッチ716が、内部に押しつけられた状態から、出っ張った状態になったときに、多自由度可動機構712は、紐が動かないように機械的な機構よって固定してもよい。また、LED蛍光灯700が取り外された場合でも電源供給可能である場合には、多自由度可動機構712に、可動部分を固定状態にすることを指示する制御信号を入力するようにしてもよい。多自由度可動機構712は、スイッチ716からの制御信号に従って、重り714等の可動部分を固定状態にする。例えば、多自由度可動機構712は、紐が動かないように固定してもよい。
また、例えば、スイッチ716は、出っ張った状態から、内部に押しつけられた状態になったときに、多自由度可動機構712は、機械的な機能によって紐が動くようにしてもよい。また、例えば、スイッチ716は、出っ張った状態から、内部に押しつけられた状態になったときに、多自由度可動機構712に、可動部分を可動状態にすることを指示する制御信号を入力するようにしてもよい。多自由度可動機構712は、スイッチ716からの制御信号に従って、重り714等の可動部分を可動状態にする。例えば、多自由度可動機構712は、紐が動くようにしてもよい。
このようにすることにより、LED蛍光灯700が固定された状態であるか否かを検出できると共に、固定された状態であるか否かに連動して、多自由度可動機構712は重り714等の可動部分を可動状態にしたり、固定状態にしたりできる。このため、重り714が他の部材に当たり破損することがない。
上述したスイッチ716は、一例であり、他の方法によりLED蛍光灯700が固定された状態であるか否かが検出されてもよい。
また、多自由度可動機構712は、電気−機械変換素子により構成されてもよい。例えば、圧電素子、磁歪素子、電歪素子、静電アクチュエータ等のように、電気エネルギー(例えば、電圧、電流、電界、電荷、静電気、磁界等)を機械エネルギー(例えば、伸縮、膨張、湾曲、ねじれ等の変形やひずみ)に変換することができる素子であってもよい。この場合、多自由度可動機構712は、サーボ機構を備えたものであってもよい。また、多自由度可動機構712は、外部から制御できるものであってもよい。例えば、管理サーバ160で、多自由度可動機構712を制御することにより、アンテナ704から放射される指向性を有する電波信号の方向を制御してもよい。管理サーバ160で、アンテナ704から放射される電波信号の照射方向を制御することにより、電波が到達しない範囲へ照射したり、電波信号を照射する位置を制御したりすることができる。
一例として、LED蛍光灯700の長手方向と垂直な方向と、鉛直下向き方向との間の角度が制御される場合について説明する。他の方向の角度が制御される場合についても同様である。LED蛍光灯700の長手と垂直な方向と、鉛直下向き方向との間の角度や、他の方向の角度は、略同時に制御されてもよい。
多自由度可動機構712は、LED蛍光灯700の長手方向と垂直となる方向と、鉛直下向きの方向との間の角度を検出する。例えば、反時計回りを正の方向として、LED蛍光灯700の長手方向と垂直となる方向を零として、LED蛍光灯700の長手方向と垂直となる方向と、鉛直下向きの方向との間の角度を検出するようにしてもよい。図20に示される例では、LED蛍光灯700の長手方向と垂直となる方向と、鉛直下向きの方向との間の角度はθ°となる。多自由度可動機構712は、制御手段312による制御により、アンテナ704を、LED蛍光灯700の長手方向と垂直となる方向と、鉛直下向きの方向との間の角度を回転させるように制御する。ここでは、LED蛍光灯700の長手方向と垂直となる方向と、鉛直下向きの方向との間の角度はθ°であるため、該角度θ°回転させるように制御する。
図20に示されるようなLED蛍光灯700によれば、天井の傾斜部分に取り付けられた場合でも、鉛直下方向に位置情報等を放射できる。
図21は、天井の傾斜部分に、LED蛍光灯700を取り付けた例を示す。図21によれば、天井の傾斜部分に取り付けられたLED蛍光灯700から、鉛直下向きに位置情報等が放射されるため、LED蛍光灯700の真下で、無線端末120は、位置情報等を受信できる。
また、天井の傾斜部分にLED蛍光灯700を取り付け、かつ鉛直下向き以外の方向へ、位置情報を含む電波信号が照射される場合を考える。
図22は、天井の傾斜部分にLED蛍光灯700を取り付け、かつ鉛直下向き以外の方向へ、位置情報を含む電波信号が照射される場合を示す。
この場合、電波信号を受信した無線端末120により特定される位置情報は、実際の位置と異なるおそれがある。このため、LED蛍光灯700から鉛直下向き以外の方向に電波信号が放射される場合には、鉛直下向きからの角度に応じて位置情報が補正されることが好ましい。具体的には、放射する電波信号の方向に応じて、電波信号を受信する無線端末120の位置となるように、電波信号で送信する位置情報を補完する。
図23は、通信装置100の一実施例を示す。
図23に示す通信装置100は、図7を参照して説明した通信装置に、角度取得手段314と、位置情報補完手段316とを有する。
角度取得手段314は、鉛直下向きに対する、可視光の放射方向の角度を取得する。
位置情報補完手段316は、角度取得手段314で取得された角度に基づいて、位置情報を補完する。
図24は、通信装置100の動作の一実施例を示す。
ステップS2402では、角度取得手段314は、制御手段312から現在の角度を取得する。
ステップS2404では、角度取得手段314は、位置情報補完手段316に、制御部312から取得した現在の角度を入力する。
ステップS2406では、位置情報補完手段316は、補完演算を行う。
図25は、位置情報補完手段316の処理(その1)を示す。図25には、一例として、LED蛍光灯700の長手方向の位置が補完される場合について説明する。LED蛍光灯700の他の方向の位置を補完する場合についても同様である。
LED蛍光灯700の鉛直下向きに位置する無線端末120の位置を(X0、Y0)とする。(X0、Y0)はLED蛍光灯の取り付け位置の絶対座標(経度、緯度)であり、事前に作業者が設定する。
LED蛍光灯700の長手方向と垂直となる方向と、鉛直下向きの方向との間の角度はθ°となる。ここでは、時計回りを正とする。
また、LED蛍光灯700を設置する際に、フロアの下面からアンテナ704までの高さLが設定される。また、無線端末120の高さUは既知であるとする。例えば、無線端末120の高さUは、各フロアにおける高さであってもよい。無線端末120は、通信装置700へ、当該無線端末120の高さUを通知するようにしてもよい。
位置情報補完手段316は、位置情報を補完することにより、傾斜部に取り付けられたLED蛍光灯700の長手方向と垂直となる方向に位置する無線端末120に送信する位置情報(X1、Y1)を求める。具体的には、フロアの下面からアンテナまでの高さLと、無線端末120の高さUとの差をAとする。さらに、アンテナと、LED蛍光灯700の長手方向と垂直となる方向に位置する無線端末120との間の距離をBとする。
位置情報補完手段316は、Y1=Y0、X1=√(B2−A2)+X0から、位置情報(X1、Y1)を求める。L=A+U、B2=A2+(X1−X0)2であるためである。
図26は、位置情報補完手段316の処理(その2)を示す。図26には、一例として、LED蛍光灯700の長手方向の位置が補完される場合について説明する。LED蛍光灯700の他の方向の位置を補完する場合についても同様である。
LED蛍光灯700の鉛直下向きに位置する無線端末120の位置(X0、Y0)はLED蛍光灯の取り付け位置の絶対座標(経度、緯度)であり、事前に作業者が設定する。
LED蛍光灯700の長手方向と垂直となる方向と、鉛直下向きの方向との間の角度はθ°となる。ここでは、時計回りを正とする。
また、LED蛍光灯700を設置する際に、フロアの下面からアンテナ704までの高さLが設定される。また、無線端末120の高さUは既知であるとする。例えば、無線端末120の高さUは、各フロアにおける高さであってもよい。無線端末120は、通信装置700へ、当該無線端末120の高さUを通知するようにしてもよい。
位置情報補完手段316は、位置情報を補完することにより、傾斜部に取り付けられたLED蛍光灯700の長手方向と垂直となる方向に位置する無線端末120に送信する位置情報(X1、Y1)を求める。具体的には、フロアの下面からアンテナ704までの高さLと、無線端末120の高さUとの差をAとする。さらに、アンテナ704と、LED蛍光灯700の長手方向と垂直となる方向に位置する無線端末120との間の距離をBとする。
位置情報補完手段316は、Y1=Y0、X1=√(B2−A2)+X0から、位置情報(X1、Y1)を求める。
アンテナ704からフロアの下面まで、LED蛍光灯700の長手方向と垂直となる方向への延長線と、フロアの下面との交点と、アンテナ704との間の長さをB´とする。A/B´=cosθ、B´=A/cosθである。また、三角形の相似の条件から、L:B´=A:Bである。従って、B=B´A/Lである。B´にA/cosθを代入することにより、B=A2/L×cosθとなる。よって、X1=√(B2−A2)+X0となる。
ステップS2408では、位置情報補完手段316は、位置情報送信手段306へ、補完された絶対座標を入力する。
ステップS2410では、位置情報送信手段306は、位置情報送信機208から、補完された絶対座標を含む位置情報を送信する。具体的には、位置情報送信手段306は、位置情報送信機208から、IMES信号として、補完された絶対座標を含む位置情報を送信する。
ステップS2412では、制御手段312は、角度を変更する。
ステップS2414では、角度取得手段314は、制御手段312から現在の角度を取得する。
ステップS2416では、角度取得手段314は、位置情報補完手段316に、制御部312から取得した現在の角度を入力する。
ステップS2418では、位置情報補完手段316は、補完演算を行う。
ステップS2420では、位置情報補完手段316は、位置情報送信手段306へ、補完された絶対座標を入力する。
ステップS2422では、位置情報送信手段306は、位置情報送信機208から、補完された絶対座標を含む位置情報を送信する。具体的には、位置情報送信手段306は、位置情報送信機208から、IMES信号として、補完された絶対座標を含む位置情報を送信する。
IMES信号の放射方向に応じて位置情報が補完されることにより、無線端末120は、現在の位置情報を取得できる。
以上、本発明は特定の実施形態、実施例を参照しながら説明されてきたが、各実施形態、実施例は単なる例示に過ぎず、当業者は様々な変形例、修正例、代替例、置換例等を理解するであろう。説明の便宜上、本発明の実施例に係る装置は機能的なブロック図を用いて説明されたが、そのような装置はハードウェアで、ソフトウェアで又はそれらの組み合わせで実現されてもよい。本発明は上記実施例に限定されず、本発明の精神から逸脱することなく、様々な変形例、修正例、代替例、置換例等が包含される。