以下、実施形態を図面に基づいて説明する。
1.システム
2.ハードウェア構成例
3.機能
4.動作シーケンス
(1.システム)
図1は一実施形態における位置情報管理システム1を表す。図1は、通信装置100、102、104、106、無線端末120、122、124、管理装置140、管理サーバ160、通信装置と無線端末と管理装置とから構成されるネットワーク180及びネットワーク190を有する。ここで、ネットワーク180は、管理装置140によって管理される無線ネットワークである。
図2は、図1において無線ネットワークを構成する通信装置100、102、104、106、無線端末120、122、124、管理装置140を抜き出して示したものである。
通信装置100、102、104、106は、例えば部屋の天井等に固定され、固定された位置に係る、経緯情報、建物の階数及び棟番号のような位置情報(以下「位置情報」とする)そのものを連続的又は断続的に無線送信する。通信装置は、それぞれ独立した筐体を有し、予め設置された電源から給電されて動作するか、あるいはLED蛍光管のような照明器具に組み込まれ、該照明器具から給電されて動作する。通信装置100、102、104、106は、それぞれが保持する位置情報を、無線信号により所定の範囲に送信する。所定の範囲は、用いられる無線信号の信号強度によって定められる。通信装置は、位置の管理対象となる領域をカバーするように配置され、それぞれの領域が重複しないように構成される。あるいは、重複する場合であっても、位置情報を受信する側において、受信電波の強度に基づいて、何れか一つの通信装置が決定できるよう構成される。図1の例では、それぞれの通信装置の下方に示される円錐型の点線が、所定の範囲を表している。位置情報を送信する通信方式として、例えば地上補完信号(Indoor Messaging System;IMES)を用いることができる。
無線端末120、122、124は、通信装置100、102、104、106のうち、最寄の通信装置が送信する無線信号を受信することができる。図1の例では、それぞれの無線端末は、位置を管理する対象である直方体の管理対象物に付されている。無線端末120、122、124は、自らも電波を送信可能な、例えばアクティブタグのような端末である。以下、無線端末120について説明する。
(無線端末120)
無線端末120は、通信装置100からの無線信号を受信できる範囲にあり、通信装置100の位置情報を受信する。通信装置100の位置情報の受信は、例えばIMESを用いて行われる。無線端末120は、受信した位置情報と共に、例えばネットワークアドレスのような自らの識別情報を含む情報を通信装置100へ送信する。該送信は、例えばIEEE802.15.4及びZigBee(登録商標)のような近距離無線通信によるネットワーク180を通じて行われる。この場合には、無線端末120の識別情報として、IEEE802.15.4の短縮アドレスまたはIEEE拡張(MAC)アドレスを用いることができる。通信装置100へ送信された識別情報と位置情報は、次に、隣接する通信装置102を経由して、管理装置140に送信される。なお、無線端末120における送受信の動作は、当該無線端末120において予め定められたタイミングか、あるいは、当該無線端末120の備える加速度センサによる加速度の変化が検出されたタイミングで行われる。
管理装置140は、ネットワーク180とネットワーク190とを相互に接続し、ネットワーク180側から送信されたデータをネットワーク190にブリッジする。管理装置140は、例えば建物のフロア毎、または壁などで仕切られた部屋毎に設置される。ネットワーク180がIEEE802.15.4及びZigBee(登録商標)によるPAN(Personal Area Network)であり、ネットワーク190がIEEE802.3規格に基づくLANである場合には、それらの間での通信方式の変換を行う。また、無線端末120の識別情報がIEEE802.15.4の短縮アドレスで表されている場合には、PAN構成時の情報に基づきIEEE拡張アドレスに変換し、管理サーバ160に送信する。
管理サーバ160は、管理装置140を経由して受信された識別情報と位置情報とを、受信日時と共に記録し、通信装置の位置を管理する。管理サーバ160では、無線端末に係る管理対象物が予め記録されている。よって、これらの情報を用いて、管理対象物の所在を探索することができる。
ネットワーク180は、それぞれの通信装置100、102、104、106と、無線端末120、122、124と、管理装置140とを接続する、例えばIEEE802.15.4及びZigBee(登録商標)規格によって構成されるPANである。PANがIEEE802.15.4及びZigBee(登録商標)規格で構成される場合は、無線端末、通信装置、管理装置は、それぞれZigBee(登録商標)規格で定められるエンドデバイス機能、ルータ機能及びコーディネータ機能を有する。そして、それぞれの通信装置及び無線端末は、起動時に管理装置の管理下に入り、PANを構成し、管理装置への最小経路が決定される。
ネットワーク190は、管理装置140と管理サーバ160とを接続するネットワークであり、例えばIEEE802.3規格で定められるLANである。
上記の通り、一実施形態における位置情報管理システム1において、無線端末は、最寄の通信装置と通信できるだけの電力を用いて、識別情報と位置情報とを管理サーバへ送信することができる。また、通信装置を設置するための新たなインフラの敷設が不要であり、導入コストを低減することができる。
なお、通信装置の位置情報は、ネットワーク180を通じて提供されてもよい。これにより、IMESのような位置情報を送信するための送信手段が不要となる。
また、無線端末は、位置情報を送信した通信装置よりさらに近傍に管理装置が存在する場合には、識別情報と位置情報とを管理装置140に送信してもよい。これにより、最短経路で識別情報と位置情報が管理サーバに送信できる。
また、管理サーバに、管理装置の機能を統合してもよい。これにより、個別の管理装置が不要となる。
また、無線端末は、スマートフォン、PDA、PC又はスマートメータのような、アクティブタグと同等の機能を有する無線端末であってもよい。これにより、タグを付することなく、既存の無線端末の位置情報の管理が可能となる。
また、上述の位置情報に加えて、例えば部屋の中の区画を表す情報のような、より細かな位置を特定する情報を含んでもよい。これにより、より細かな位置管理が可能となる。
また、位置管理対象が人であってもよい。これにより、当該システム1によって人の所在を管理することができる。
また、ネットワーク180は、例えばBluetooth LE、ANT、Z-Wave等の近距離無線通信を用いて構成されてもよい。これにより、多様な無線端末の位置情報を管理することが可能となる。
また、ネットワーク190は、例えばインターネットのような、複数の種類のネットワークを含んでもよい。これにより、ネットワーク180と管理サーバ160との間の物理的な位置に関係なく、無線端末の位置情報を管理することが可能となる。
(2.ハードウェア構成例)
次に、図3、図4、図5、図6を用いて、位置情報管理システム1に含まれる通信装置100、無線端末120、管理装置140、管理サーバ160のハードウェア構成について説明する。
図3は、一実施形態における通信装置100のハードウェア構成を表す。通信装置100は、CPU200、RAM202、ROM204、位置信号送信制御部206、位置信号送信部208、無線通信制御部210、無線通信部212及びバス214を有する。
CPU200は、当該通信装置100の動作制御を行うプログラムを実行する。RAM202は、CPU200のワークエリア等を構成する。ROM204は、CPU200が実行するプログラムに加えて、当該通信装置100の位置情報を記憶する。位置信号送信制御部206は、位置信号送信部208を介して当該通信装置100の位置情報を表す測位信号を送信するための処理を実行する。位置信号送信部208は、例えばIMESのような測位信号を送出するアンテナを含む装置である。無線通信制御部210は、無線通信部212を介して無線通信処理を実行する。無線通信部212は、例えばIEEE802.15.4規格に適合する電波を送受信可能なアンテナを含む装置である。バス214は、上記装置を電気的に接続する。
上記構成により、一実施形態における通信装置100は、無線端末120に対して位置情報を送信し、無線端末120から識別情報と位置情報を受信し、これらの情報を管理装置を介して管理サーバへ送信することができる。
なお、上述したように、位置情報を無線通信によって送信する場合には、位置信号送信制御部206と位置信号送信部208は不要となる。
図4は、一実施形態における無線端末120のハードウェア構成を表す。無線端末120は、CPU220、RAM222、ROM224、位置信号受信制御部226、位置信号受信部228、無線通信制御部230、無線通信部232、加速度検出制御部234、加速度検出部236及びバス238を有する。
CPU220は、当該無線端末120の動作制御を行うプログラムを実行する。RAM222は、CPU220のワークエリア等を構成する。ROM224は、CPU220が実行するプログラムに加えて、当該無線端末120の識別情報や、通信装置100から受信した位置情報を記憶する。位置信号受信制御部226は、位置信号受信部228を介して、位置情報を表す測位信号を受信するための処理を実行する。位置信号受信部228は、例えばIMESのような測位信号を受信するアンテナを含む装置である。無線通信制御部230は、無線通信部232を介して無線通信処理を実行する。無線通信部232は、例えばIEEE802.15.4規格に適合する電波を送受信可能なアンテナを含む装置である。加速度検出制御部234は、加速度検出部236を介して加速度の変化を検出する。加速度検出部236は、例えば加速度センサ又は慣性力や磁気を用いたモーションセンサである。バス238は、上記装置を電気的に接続する。
上記構成により、一実施形態における無線端末120は、通信装置100から位置情報を受信し、前記位置情報と共に自らの識別情報を通信装置100へ送信することができる。特に、無線端末が動かされたタイミングで送信又は受信の動作を行うことにより、効率的に識別情報及び位置情報を送信することができる。
なお、無線端末120がスマートフォンやPCのような情報端末である場合には、ユーザからの入力を受け付ける、例えばタッチパネル、ダイヤルキー、キーボード、マウスのような入力装置及び対応する入力制御部を備えてもよい。さらに、スクリーンのような表示装置及び対応する表示制御部を備えてもよい。
また、無線端末120がGPSアンテナ及び対応する制御部を備える場合には、前記アンテナを用いてIMESによる測位信号を受信でき、ソフトウェアの改修のみによって当該位置情報管理システム1に対応させることができる。
また、加速度検出制御部234及び加速度検出部236は任意の構成要素である。加速度検出制御部234及び加速度検出部236を備えない場合には、当該無線端末120の送信又は受信の動作は、予め定められた間隔又は時刻においてなされる。
また、上述したように、位置情報が無線通信によって受信される場合には、位置信号受信制御部226と位置信号受信部228は不要となる。
図5は、一実施形態における管理装置140のハードウェア構成を表す。管理装置140は、CPU240、RAM242、ROM244、無線通信制御部246、無線通信装置248、有線通信制御部250、有線通信装置252及びバス254を有する。
CPU240は、当該管理装置140の動作制御を行うプログラムを実行する。RAM242は、CPU240のワークエリア等を構成する。ROM244は、CPU240が実行するプログラムや該プログラムが使用するデータを記憶する。無線通信制御部246は、無線通信装置248を介して無線通信処理を実行する。無線通信装置248は、例えばIEEE802.15.4規格に適合する電波を送受信可能なアンテナを含む装置である。有線通信制御部250は、有線通信装置252を介して有線による通信処理を実行する。有線通信装置252は、例えばIEEE802.3規格に適合するネットワークインターフェースを有する装置である。バス254は、上記装置を電気的に接続する。
上記構成により、一実施形態における管理装置140は、通信装置100及び無線端末120を含むネットワーク180からの信号を、管理サーバ160を含むネットワーク190へと変換することができる。また、PANを構成するネットワーク180がZigBee(登録商標)である場合には、PANに参加するデバイスを管理するコーディネータの機能を有することができる。
図6は、一実施形態における管理サーバ160のハードウェア構成を表す。管理サーバ160は、CPU260、RAM262、ROM264、HDD266、通信制御部268、通信部270、表示制御部272、表示部274、入力制御部276、入力部278及びバス280を有する。
CPU260は、当該管理サーバ160の動作制御を行うプログラムを実行する。RAM262は、CPU260のワークエリア等を構成する。ROM264は、CPU260が実行するプログラムや該プログラムが使用するデータを記憶する。HDD266は、当該位置情報管理システム1で用いられる無線端末120の位置を管理するための情報を記憶する。通信制御部268は、通信部270を介して通信処理を実行する。通信部270は、例えばIEEE802.3規格に適合するネットワークインターフェースを有する装置である。表示制御部272は、当該管理サーバ160上で実行される、位置管理に係るプログラムの処理内容に合わせて、表示部274に表示される内容を制御する。表示部274は、例えば液晶ディスプレイやCRTディスプレイのようなディスプレイが含まれる。入力制御部276は、ユーザからの入力を受け付ける、キーボード、マウス等の入力部278からの信号を処理する。バス280は、上記装置を電気的に接続する。
上記構成により、一実施形態における管理サーバ160は、無線端末120の位置を管理し、該無線端末120の所在を探索することができる。
なお、HDD266は、テープドライブを含むあらゆる記憶装置であってもよく、あるいは、ネットワークを介してアクセス可能なストレージ領域であってもよい。
また、管理サーバ160は、上述した管理装置140が備える無線通信制御部及び無線通信装置を備え、管理装置140に代えて、その処理を行ってもよい。これにより、管理装置140を別途設ける必要がなくなる。
(3.機能)
図7は、一実施形態における通信装置100の機能ブロック図を表す。一実施形態における通信装置100は、記憶手段300、通信手段304及び制御手段312を有する。
記憶手段300は、当該通信装置100の位置情報302を記憶する。位置情報302を記憶するためのテーブルの例を図11に示す。図11は、階数、緯度、経度、棟番号の項目を含む。階数は、当該通信装置100が設置される建物の階数を表す。緯度及び経度は、当該通信装置100の所在する位置の緯度及び経度を表す。棟番号は、当該通信装置100が設置される建物の棟番号を表す。図11の例では、通信装置100は、ある建物のC棟の16階に所在し、緯度が35.459555、経度が139.387110の地点に所在する。
通信手段304は、位置情報送信手段306、端末情報受信手段308及び端末情報送信手段310を有する。
位置情報送信手段306は、経緯情報、建物の階数、棟番号のような情報を含む位置情報302を、所定の範囲にある無線端末120に対して連続的又は断続的に無線送信する。位置情報302は、例えばIMESに規定されるフォーマットを用いて送信される。
端末情報受信手段308は、無線端末120から送信された識別情報と位置情報とを受信する。
端末情報送信手段310は、無線端末120から送信された識別情報と位置情報とを、管理装置140を介して管理サーバ160へ送信する。ネットワーク180がZigBee(登録商標)規格を用いてなされる場合には、前記送信は、当該通信装置100が保持するルーティング情報を用いて行われる。
制御手段312は、当該通信装置100の動作を制御する。当該通信装置100が無線端末120及び管理装置140とZigBee(登録商標)を用いてPANを構成する場合には、当該通信装置100がルータ機能を提供するよう制御する。
上記構成により、一実施形態における通信装置100は、位置情報302を保持し、位置情報302を無線端末120に送信し、該無線端末120の識別情報と位置情報を受信して、該識別情報を管理装置140を通じて管理サーバへ送信することができる。
なお、位置情報302は、通信装置100が設置される建物名や、部屋の中の区画を表す情報のような追加の情報を含んでもよい。これにより、より細かな位置管理が可能となる。
図8は、一実施形態における無線端末120の機能ブロック図を表す。一実施形態における無線端末120は、記憶手段320、通信手段326、加速度検出手段332及び制御手段334を有する。
記憶手段320は、識別情報322と位置情報324を有する。識別情報322は、当該無線端末120のネットワークアドレスのような、当該位置情報管理システム1上で無線端末120を特定可能な情報を含む。例えば、ネットワーク180がIEEE802.15.4及びZigBee(登録商標)規格に基づく場合には、IEEE802.15.4の短縮アドレス又はIEEE拡張(MAC)アドレスを用いることができる。位置情報324は、通信装置100から送信された位置情報302である。位置情報324を記憶するためのテーブルの例を図12に示す。構成は図11と同様である。
通信手段326は、位置情報受信手段328と識別情報送信手段330を有する。
位置情報受信手段328は、通信装置100から送信された位置情報302を受信する。受信された位置情報302は、当該無線端末120の記憶手段320に保持される。
識別情報送信手段330は、当該無線端末120の識別情報322と共に位置情報324を通信装置100に送信する。位置情報302は、例えば図12のようなフォーマットにより無線端末120に送信される。図12のフォーマットでは、階数、緯度、経度、棟番号の各フィールドが、それぞれ9ビット、21ビット、21ビット、8ビットで表現され、IMES規格によって受信したメッセージの該当フィールドを繋げた形とする。各フィールドの表現形式はIMES規格に準ずる。実際には、このフォーマットに加えて、通信方式によって規定されるヘッダやチェックサム情報が付加されて送信される。通信方式として、例えばIEEE802.15.4及びZigBee(登録商標)規格が用いられる。
加速度検出手段332は、当該無線端末120の加速度の変化を検出する。加速度の変化は、例えば当該無線端末120が移動を開始した時、該移動が停止した時、又は傾きを検出した時等に検出される。検出された加速度の変化は、当該無線端末120の送信又は受信の動作のタイミングを決定するために用いられる。なお、当該加速度検出手段332は任意の構成要素である。
制御手段334は、位置情報受信手段238による位置情報の受信のタイミングと、識別情報送信手段330による識別情報322と位置情報324との送信のタイミングを制御する。送受信のタイミングは、加速度検出手段332による加速度の変化の検出に基づいて決定される。あるいは、当該無線端末120に予め設定された間隔あるいは時刻に基づいて決定されてもよい。また、送信と受信のタイミングは、それぞれ独立して決定されてもよい。さらに、制御手段334は、当該無線端末120が通信装置100及び管理装置140と共にZigBee(登録商標)によりPANを構成する場合には、当該無線端末120がエンドポイント機能を提供するよう制御する。
上記構成により、一実施形態における無線端末120は、通信装置から位置情報を効率的に受信し、該位置情報と共に識別情報通信装置へ効率的に送信することができる。
なお、無線端末120がスマートフォンやPCのような情報端末である場合には、ユーザからの入力を受け付ける入力手段や、ユーザに情報を提示する表示手段を備えてもよい。これにより、ユーザへの識別情報又は位置情報の提示や、ユーザからの識別情報又は位置情報の入力又は修正が可能となる。
図9は、一実施形態における管理装置140の機能ブロック図を表す。一実施形態における管理装置140は、通信手段340、変換手段346及び制御手段348を有する。
通信手段340は、受信手段342と送信手段344を有する。受信手段342は、ネットワーク180に属する通信装置又は無線端末から送信されたデータを受信する。送信手段344は、当該管理装置140で変換された前記データを、ネットワーク190に属する管理サーバ160へ送信する。ネットワーク180は、例えばIEEE802.15.4及びZigBee(登録商標)規格に基づくPANである。また、ネットワーク190は、例えばIEEE802.3規格に基づくLANである。
変換手段346は、受信手段342がネットワーク180から受信したデータを、ネットワーク190に適合する形式に変換する。変換されたデータは、送信手段344によって、ネットワーク190を介して管理サーバ160へ送信される。ここで、前記データに含まれる、無線端末120の識別情報が、IEEE802.15.4の短縮アドレスで表されている場合には、PAN構成時の情報に基づき、IEEE拡張アドレスに変換される。
制御手段348は、当該管理装置140の動作を制御する。当該管理装置140が通信装置100と無線端末120と共にZigBee(登録商標)規格によりPANを構成する場合には、当該管理装置140がコーディネータ機能を提供するよう制御する。
上記構成により、一実施形態における管理装置140は、通信装置100及び無線端末120が属するネットワーク180と、管理サーバが属するネットワーク190との間の通信をブリッジすることができる。
図10は、一実施形態における管理サーバ160の機能ブロック図を表す。一実施形態における管理サーバ160は、通信手段360、記憶手段366、入力手段370、表示手段372及び制御手段374を有する。
通信手段360は、受信手段362と送信手段364を有する。受信手段362は、管理装置140を通じて無線端末から送信された識別情報と位置情報とを受信する。受信された識別情報と位置情報は、記憶手段366に記憶される。送信手段364は、外部サーバ等に対して位置情報の提供を求められた場合に、該位置情報を前記外部サーバ等に送信する。
記憶手段366は、位置管理情報368を有する。位置管理情報368は、無線端末120から受信した識別情報と位置情報に、受信時刻等の管理情報を付加した情報である。該情報を記憶するテーブルの例を図14に示す。図14は、識別情報、機器名、所有部署、緯度、経度、階数、棟、受信日時の項目を有する。識別情報は、当該識別情報を送信した無線端末120の、例えばIEEE拡張アドレスのような情報である。緯度、経度、階数、棟は、識別情報と共に受信された位置情報に対応する。受信日時は、管理サーバ160が当該情報を受信した日時である。機器名は、当該情報を送信した無線端末120が付される管理対象の名前又は無線端末120の機器名である。所有部署は、当該情報を送信した無線端末120を所有する部署名である。機器名及び所有部署の情報は、予め当該管理サーバ160によって、識別情報と関連付けられている。
入力手段370は、ユーザが位置情報を探索するために、ユーザからの入力を受け付ける。
表示手段372は、ユーザが位置情報を探索するための検索画面に係るGUIを画面上に表示する。検索画面の例を図16に示す。図16に示された「所在検索システム」では、記憶手段366に記憶された情報を元に、無線端末に係る所有部署と機器名を画面に一覧表示する。ユーザが、検索したい機器のチェックボックスを入力手段370を通じて選択すると、チェックマークが付される。検索したい機器に全てチェックマークを付けた後に「検索実行」ボタンを選択すると、検索が実行され、結果を表示する画面に切り替わる。図16の例では、ユーザが「営業1課」が所有する「UCS P3000」という機器を対象として検索を実行する例を示している。図17は、その検索結果の画面の例である。「検索実行」ボタンが選択されると、表示手段372は、記憶手段366に記憶されたデータを元に、「UCS P3000」が所在する「A棟4階」のフロア図と、その機器名及び受信日時を表示する。
制御手段374は、当該管理サーバの動作を制御する。
上記構成により、一実施形態における管理サーバ160は、無線端末の位置を管理し、その所在を検索することができる。特に、無線端末の位置そのものを表す情報そのものを直接受信して管理することができ、位置の探索にかかる計算量を低減することができる。
なお、管理サーバ160は、管理装置160の有する変換手段346、制御手段348及び受信手段342と同様の機能を有し、管理装置160と同様の機能を有してもよい。これにより、管理装置160を個別に設ける必要がなくなる。
また、管理サーバ160によって記憶される位置管理情報368は、図14に示された情報と共に、あるいは該情報に代えて、無線端末が情報を送信した日時、経由した通信装置又は管理装置の識別子、情報の到着までにかかった時間又は電界強度を含む情報を記憶してもよい。これにより、より詳細な条件で位置情報を管理することができる。
また、管理サーバ160は、無線端末の過去の位置情報を記録してもよい。これにより、無線端末の移動を追跡することができる。
(4.動作シーケンス)
図15は、図1の構成における一実施形態における位置情報管理システム1の動作シーケンスを表す図である。図15では、加速度の変化を検知すると位置情報を受信し、識別情報を送信する通信装置100と、該通信装置100の属する領域に位置情報を送信する無線端末120と、PAN(IEEE802.15.4及びZigBee(登録商標))とLAN(IEEE802.3)とをブリッジする管理装置140と、管理サーバ160とで構成される例について説明する。通信装置100と、無線端末120と、管理装置140との間のPANは既に確立されているものとする。
ステップS800において、通信装置100は、IMES等を用いて位置情報を連続的又は断続的に送信する。
ステップS802において、無線端末120は、加速度の変化を検知する。
ステップS804において、無線端末120は、通信装置100から送信される位置情報を受信する。
ステップS806において、無線端末120は、受信された位置情報を記憶する。
ステップS808において、無線端末120は、識別情報と位置情報を通信装置100へ送信する。
ステップS810において、通信装置100は、無線端末120から受信した識別情報と位置情報とを最小経路を通じて管理装置へ送信する。
ステップS812において、管理装置140は、通信装置100から受信した識別情報と位置情報を含む、ネットワーク180から送信されたデータをネットワーク190で適合する形式へと変換する。
ステップS814において、管理装置140は、ネットワーク190に適合する形式に変換された識別情報と位置情報を管理サーバ160へ送信する。
ステップS816において、管理サーバ160は、管理装置から受信した識別情報と位置情報を、識別情報に対応する無線端末の情報と共に登録する。
以上の手順により、一実施形態における位置情報管理システム1は、無線端末が最寄の通信装置に対して効率よく識別情報と位置情報とを送信することにより、無線端末の消費電力を抑えることができる。
なお、既に述べたように、管理サーバ160が管理装置140の機能を統合して実行してもよい。この場合には、別個の管理装置140を設置する必要がなくなる。
また、無線端末が加速度検出手段332を備えていない場合には、ステップS802は実行されず、ステップS804における位置情報の受信は、所定の時刻又は所定の間隔で行われ得る。その後の処理は、ステップS806〜S816と同様である。
一実施形態における位置情報管理システム1では、通信装置100は屋内の特異箇所に設置され、通信装置100から送信される位置情報に基づいて、無線端末120は、絶対測位を実行する。このようなレンジフリー方式の測位システムを採用した場合、位置情報を送信する通信装置100へ、位置情報が設定される。
位置情報の設定は、管理者により行われてもよい。管理者は、既知の屋内マップ情報等を参照し、通信装置100を設置する地点の緯度、経度、フロア情報等を調査する。管理者は、通信装置100に、調査結果から決定された位置を設定する。
この場合、屋内マップ情報に基づいて、位置が決定されるため、屋内マップ情報がない場合には、通信装置100に、位置を設定できない。また、屋内マップ情報に誤りが含まれる場合には、通信装置100に設定された位置の真正性が損なわれる場合がある。
そこで、位置情報管理システム1の一実施形態では、屋内マップ情報を作成する位置情報提供装置400が提供される。位置情報提供装置400は、屋内マップ情報を自律的に作成する。位置情報提供装置400は、屋内マップ情報と、絶対位置情報とを紐付け、送信装置100の位置を推定する。
図18は、一実施形態における位置情報提供装置400のハードウェア構成を表す。位置情報提供装置400は、CPU402、RAM404、ROM406、測位信号受信制御部408、測位信号受信部410、無線通信制御部412、無線通信部414、測位制御部416、GPS受信部418、相対測位制御部420、センサ422、移動制御部424、車輪426、可視光通信制御部428、及び可視光通信部430を有する。
CPU402は、当該位置情報提供装置400の動作の制御を行うプログラムを実行する。RAM404は、CPU402のワークエリア等を構成する。ROM406は、CPU402が実行するプログラムを記憶する。測位信号受信制御部408は、測位信号受信部410を介して、位置情報を含む測位信号を受信するための処理を実行する。測位信号受信部410は、例えばIMESのような測位信号を受信するアンテナを含む装置である。
無線通信制御部412は、無線通信部414を介して無線通信処理を実行する。無線通信部414は、例えばIEEE802.15.4、IEEE802.11等の規格に適合する電波を送受信可能なアンテナを含む装置である。
測位制御部416は、GPS受信部418を介して、当該位置情報提供装置400の位置を測位する。GPS受信部418は、GPS衛星(図示なし)により送信される測位信号を受信する。
相対測位制御部420は、センサ422を介して、当該位置情報提供装置400の位置を推定する。例えば、相対測位制御部420は、センサ422により検出された情報に基づいて、測位制御部416により検出された位置を基点として当該位置情報提供装置400の位置を推定する。相対測位制御部420は、オドメトリやデッドレコニング機能を利用して、当該位置情報提供装置400の位置を推定するようにしてもよい。オドメトリ機能が利用される場合には、車輪426に取り付けられたエンコーダ情報により、当該位置情報提供装置400の位置が推定されてもよい。また、相対測位制御部420は、SLAM(Simultaneous Localization and Mapping)により、当該位置情報提供装置400の位置を推定するようにしてもよい。SLAMを利用することにより、センサ情報に基づいて、環境地図と、当該位置情報提供装置400の位置の推定を略同時に行うことができる。
センサ422には、例えば加速度センサ又は慣性力や磁気を用いたモーションセンサが含まれる。また、センサ422には、レーザーレンジファインダ(Laser Range Finder :LRF)や超音波センサ、赤外線センサ等の測距センサ、カメラや3Dセンサ等が含まれてもよい。さらに、センサ422には、地磁気センサ等が含まれてもよい。
移動制御部424は、車輪426を駆動し、当該位置情報提供装置400の移動を制御する。移動制御部424は、予め決定された経路に従って、移動させるようにしてもよいし、進行できる方向に移動させるようにしてもよい。車輪426は、当該位置情報提供装置400を移動させる。位置情報提供装置400の一実施形態では、車輪426により移動する場合について説明するが、車輪に限られず、他の移動手段により移動するようにしてもよい。
可視光通信制御部428は、可視光通信部430を介して可視光を検出する処理を実行する。可視光は、例えば、通信装置100を搭載したLED照明等から照射される。可視光通信部430は、例えばフォトダイオード(Photodiode)のような可視光を検出する装置である。
バス432は、上記各部を電気的に接続する。
上記構成により、一実施形態における位置情報提供装置400は、通信装置100から測位信号を受信できる。また、位置情報提供装置400は、該測位信号に位置情報が含まれていない場合や、位置情報が誤っている場合に、管理サーバ160に、該通信装置100の識別情報とともに当該位置情報提供装置400の推定位置を送信することができる。
なお、位置情報提供装置400に、ユーザからの入力を受け付ける、例えばタッチパネル、ダイヤルキー、キーボード、マウスのような入力装置及び対応する入力制御部を備えてもよい。さらに、スクリーンのような表示装置及び対応する表示制御部を備えてもよい。
図19は、一実施形態における位置情報提供装置400の機能ブロック図を表す。一実施形態における位置情報提供装置400は、記憶手段502、通信手段508、位置情報判定手段514、屋内マップ情報作成手段515、制御手段516、及び位置情報推定手段518を有する。
記憶手段502は、識別情報504と、位置情報506とを有する。識別情報504は、当該位置情報提供装置400のネットワークアドレスのような、位置情報管理システム1上で位置情報提供装置400を特定可能な情報を含む。例えば、ネットワーク180がIEEE802.15.4及びZigBee(登録商標)規格に基づく場合には、IEEE802.15.4の短縮アドレス又はIEEE拡張(MAC)アドレスを用いることができる。位置情報506は、通信装置100から送信された測位信号に含まれる位置情報である。位置情報506を記憶するためのテーブルの例を図12に示す。構成は図11と同様である。
通信手段508は、測位信号受信手段510と、位置情報送信手段512とを有する。
測位信号受信手段510は、通信装置100から送信された測位信号を受信する。受信された測位信号に位置情報302が含まれる場合には、当該位置情報提供装置400の記憶手段502に、該位置情報を保持するようにしてもよい。
位置情報送信手段512は、通信装置100からの測位信号に位置情報が含まれていない場合に、該通信装置100の識別情報とともに、通信装置100の推定位置を送信する。ここで、通信装置100の推定位置は、該通信装置100から測位信号を受信した際に、相対測位制御部420により推定される当該位置情報提供装置400の位置である。また、位置情報送信手段512は、通信装置100からの測位信号に含まれる位置情報が誤っている場合に、該通信装置100の識別情報とともに、通信装置100の推定位置を送信するようにしてもよい。ここで、通信装置100の推定位置は、該通信装置100から測位信号を受信した際に、相対測位制御部420により推定される当該位置情報提供装置400の位置である。つまり、位置情報提供装置400の推定位置が、通信装置100の推定位置とみなされる。
位置情報送信手段512による制御により無線通信部414から送信される通信装置100の識別情報、通信装置100の推定位置は、管理装置140を介して、管理サーバ160に送信される。管理サーバ160は、管理装置140からの通信装置100の識別情報、通信装置100の推定位置を、該当する通信装置100に設定する。具体的には、管理サーバ160は、管理装置140からの通信装置100の識別情報を宛先として、通信装置100の推定位置を送信する。該推定位置は、管理サーバ160の通信部270から、管理装置140に送信される。管理装置140は、管理サーバ160からの通信装置100の推定位置を無線送信する。例えば、管理サーバ160からの通信装置100の推定位置は有線通信部252により受信され、無線通信部248から送信される。該推定位置は、該当する通信装置100に受信される。通信装置100の推定位置は、例えば図12のようなフォーマットにより通信装置100に送信される。図12のフォーマットでは、階数、緯度、経度、棟番号の各フィールドが、それぞれ9ビット、21ビット、21ビット、8ビットで表現され、IMES規格によって受信したメッセージの該当フィールドを繋げた形とする。各フィールドの表現形式はIMES規格に準ずる。ここで、位置情報提供装置400は、予め保持する階数、棟番号を、通信装置100の推定位置に含め、管理サーバ160に送信するようにしてもよい。実際には、このフォーマットに加えて、通信方式によって規定されるヘッダやチェックサム情報が付加されて送信される。通信方式として、例えばIEEE802.15.4及びZigBee(登録商標)規格が用いられる。
位置情報判定手段514は、測位信号受信手段510により受信された測位信号に、位置情報が含まれるか否かを判定する。また、位置情報判定手段514は、測位信号受信手段510により受信された測位信号に位置情報が含まれる場合であっても、該位置情報が正しいか否かを判定するようにしてもよい。位置情報判定手段514は、測位信号受信手段510により受信された測位信号に含まれる位置情報が正しいか否かを判定する際に、位置情報推定手段518で推定された位置に基づいて判定するようにしてもよい。
屋内マップ情報作成手段515は、センサ422により検出された情報に基づいて、屋内マップを作成する。例えば、屋内マップ情報作成手段515は、測距センサにより検出された情報と、カメラにより取得された情報とを組み合わせて、空間を認識するようにしてもよい。測距センサには、例えば、レーザーレンジファインダ、超音波センサ、赤外線センサ等が含まれる。屋内マップ情報作成手段515は、空間認識の結果と、位置情報推定手段518による推定位置に基づいて、屋内マップを作成するようにしてもよい。さらに、屋内マップ情報作成手段515は、屋内マップに、当該位置情報提供装置400の位置を登録するようにしてもよい。例えば、屋内マップ情報作成手段515は、SLAMにより、当該位置情報提供装置400の位置を推定するようにしてもよい。SLAMを利用することにより、センサ情報に基づいて、環境地図と、当該位置情報提供装置400の位置の推定を略同時に行うことができる。
また、屋内マップ情報作成手段515は、測位信号受信部410により測定される測位信号の電波強度を、屋内マップに反映し、電波分布が最適であるか否かを判定するようにしてもよい。例えば、屋内マップ情報作成手段515は、FDTD法(Finite-difference time-domain method)による測位信号の電磁場解析による最適化シミュレーションの結果と比較し、電波分布が最適であるか否かを判定する。電波分布が最適でないと判定した場合、屋内マップ情報作成手段515は、最適化シミュレーション結果に基づく電波分布に従って、電波分布が最適となるように、送信装置100の設置位置を新たに提案したり、送信装置100を移動させる位置を提案したり、送信装置100から送信する測位信号の出力強度を変更する提案をしたりしてもよい。また、屋内マップ情報作成手段515は、管理装置140を介して、管理サーバ160に、出力強度を変更する命令を送信するようにしてもよい。出力強度を変更する命令は、管理サーバ160から、該当する通信装置100へ送信される。出力強度を変更する命令を受信した通信装置100は、出力強度を変更する。
また、屋内マップ情報作成手段515は、可視光通信制御部428から、可視光通信部430により検出される可視光を照射するLED照明の位置情報を取得し、屋内マップ情報に反映してもよい。
図20は、位置情報提供装置400の動作の一実施例を示す。図20は、位置情報提供装置400が屋内マップ情報を作成する際の動作を示す。
位置情報提供装置400は、屋内を移動する。図20に示される例では、位置情報提供装置400は、一点破線により示される経路で、位置(1)から位置(2)を経由して、位置(3)へ移動する。
位置(1)では、位置情報提供装置400は、GPS受信部418により受信されるGPS衛星800l(lは、l>2の整数)等からの測位信号に基づいて、測位を実行し、当該位置情報提供装置400の(絶対)位置を求める。また、図20に示されるように、屋外で、位置情報提供装置400は、GPS受信部418により受信されるGPS衛星800l等からの測位信号に基づいて、測位を実行し、当該位置情報提供装置400の位置を求めるようにしてもよい。
位置(2)、位置(3)では、位置情報提供装置400は、通信装置100から測位信号を受信するが、該通信装置100には位置情報が設定されている。位置情報提供装置400は、通信装置100からの測位信号に、位置情報が含まれているため、通信装置100の推定位置を送信しない。
位置情報提供装置400は、屋内を移動し、屋内マップ情報を作成する。位置情報提供装置400は、屋内マップ情報に基づいて、ソルバー機能により、電波分布が最適であるか否かを判定する。例えば、位置情報提供装置400は、測位信号に含まれる位置情報によりカバーされる領域がフロア全体で抜け、漏れがないか否かを判定するようにしてもよい。この場合、フロア面におけるカバー率により判定するようにしてもよい。電波分布が最適でないと判定した場合、位置情報提供装置400は、屋内マップにおける電波分布に基づいて、電波分布が最適となるように、送信装置100の設置位置を新たに提案する。例えば、図20では、位置情報提供装置400は、「(A)」により表される位置に、通信装置100を設置することを提案する。「(A)」により表される領域は、通信装置100からの測位信号によりカバーされていないためである。
また、例えば、図20では、位置情報提供装置400は、「(B)」により表される位置に設置されている通信装置100を、「(B´)」により表される位置に移動させることを提案する。「(B)」により表される通信装置100からの測位信号のカバー領域は、他の通信装置100からの測位信号のカバー領域と重複する部分が多い。従って、通信装置100を、「(B´)」により表される位置に移動させることにより、他の通信装置100からの測位信号のカバー領域と重複する部分を低減する。
また、例えば、図20では、位置情報提供装置400は、「(C)」により表される位置に設置されている通信装置100に、電波強度を増加させるように提案する。「(C)」により表される通信装置100からの測位信号の電波強度が弱いため、「(C)」により表される通信装置100の周辺の領域には、測位信号が送信されない領域が存在している。このため、「(C)」により表される通信装置100からの測位信号の電波強度を増加させることにより、測位信号が送信されない領域を低減する。
電波分布が最適となるように、通信装置100を新たに設置するか、通信装置100の設置位置を移動させるか、通信装置100の電波強度を調整するかは、予め設定されてもよいし、所定のアルゴリズムにより選択されてもよい。
また、屋内マップ情報作成手段515は、センサ422から、地磁気情報を取得し、地磁気および環境磁場の空間マップを作成するようにしてもよい。
上記構成により、一実施形態における位置情報提供装置400は、通信装置100から測位信号に基づいて、屋内マップを作成できる。また、位置情報提供装置400は、屋内マップに基づいて、電波分布を最適化するために、通信装置100の設置位置の提案、通信装置100の移動の提案等を行うことができる。
制御手段514は、測位信号受信手段510による測位信号の受信のタイミングと、位置情報送信手段512による通信装置100の推定位置の送信のタイミングを制御する。送受信のタイミングは、当該位置情報提供装置400に予め設定された間隔あるいは時刻に基づいて決定されてもよい。また、送信と受信のタイミングは、それぞれ独立して決定されてもよい。
上記構成により、一実施形態における位置情報提供装置400は、通信装置100から測位信号を効率的に受信できる。また、位置情報提供装置400は、通信装置100の位置を推定できるため、通信装置100からの測位信号に位置情報が含まれていない場合であっても、該通信装置100に、通信装置100の推定位置を通知できる。
位置情報推定手段518は、GPS受信部418により受信された測位信号に基づいて測位制御部416により測位された位置と、相対測位部422により検知された情報に基づいて相対測位制御部420により測位された位置に基づいて、当該位置情報提供装置400の位置を推定する。例えば、位置情報推定手段518は、GPS受信部418により受信された測位信号に基づいて測位された位置を基点とし、相対測位部422により検知された情報に基づいて、当該位置情報提供装置400の位置を推定する。相対測位部420により、通信装置100からの測位信号の電界強度が最大と想定される位置が検出され、該位置が求められる。推定された位置は、必要に応じて、緯度、経度に変換され、位置情報送信手段512による制御により、管理装置140を介して、管理サーバ160に送信される。
なお、位置情報提供装置400に、ユーザからの入力を受け付ける入力手段や、推定位置を提示する表示手段を備えてもよい。これにより、ユーザへの推定位置の提示や、ユーザからの推定位置の入力又は修正が可能となる。
図21は、一実施形態における通信装置100の機能ブロック図を表す。通信装置100のハードウェア構成は、図3と略同一である。
一実施形態における通信装置100は、図7に示される通信装置100に、位置情報受信手段307と、位置情報設定手段314とを有するようにしたものである。
位置情報受信手段307は、管理装置104からの位置情報を受信する。例えば、位置情報受信手段307は、無線通信部212を制御することにより、位置情報を受信する。
位置情報設定手段314は、位置情報受信手段307により受信された位置情報を設定する。例えば、位置情報設定手段314は、記憶手段300に、位置情報に格納するようにしてもよい。また、位置情報設定手段314は、記憶手段300に格納された位置情報302を更新するようにしてもよい。
上記構成により、一実施形態における通信装置100は、管理サーバ160から、管理装置140を介して送信された位置情報を受信できる。また、通信装置100は、管理サーバ160からの位置情報を、当該通信装置100の位置情報として設定できる。
図22は、位置情報提供装置400の動作の一実施例を示す。
図22に示される例では、位置情報提供装置400は、屋内を移動する。図22に示される例では、位置情報提供装置400は、一点破線により示される経路で、位置(1)から位置(2)を経由して、位置(3)に移動する。
位置(1)では、位置情報提供装置400は、GPS受信部418により受信される測位信号に基づいて、当該位置情報提供装置400の位置を測位する。また、図22に示されるように、屋外で、位置情報提供装置400は、GPS受信部418により受信されるGPS衛星800l等からの測位信号に基づいて、測位を実行し、当該位置情報提供装置400の位置を求めるようにしてもよい。
位置(2)では、位置情報提供装置400は、通信装置100から測位信号を受信するが、該通信装置100には位置情報が設定されている。位置情報提供装置400は、通信装置100からの測位信号に、位置情報が含まれているため、該通信装置100の推定位置を送信しない。
位置(3)では、位置情報提供装置400は、通信装置100から測位信号を受信する。該通信装置100には位置情報が設定されていない。位置情報提供装置400は、通信装置100からの測位信号に、位置情報が含まれていないため、該通信装置100当該位置情報提供装置400の推定位置を送信する。
図23は、位置情報提供装置400の動作の一実施例を示す。
ステップS2302では、通信装置100は、測位信号を送信する。該測位信号には、通信装置100固有のID情報が含まれる。測位信号は、IMESメッセージであってもよい。
ステップS2304では、位置情報提供装置400は、通信装置100からの測位信号を受信する。位置情報提供装置400は、測位信号に、位置情報が含まれるか否かを判定する。ここでは、位置情報提供装置400は、測位信号に、位置情報が含まれていないと判定する。
ステップS2306では、位置情報提供装置400は、当該位置情報提供装置400の位置を推定し、緯度経度情報に変換する。例えば、位置情報提供装置400は、オドメトリ測位等により、当該位置情報提供装置400の位置を推定するようにしてもよい。
ステップS2308では、位置情報提供装置400は、管理サーバ160に、通信装置100固有のIDと、該通信装置100の推定位置を送信する。通信装置100の推定位置は、位置情報提供装置400の相対測位された位置情報である。例えば、位置情報提供装置400は、無線通信部414から、通信装置100固有のIDと、該通信装置100の推定位置を送信する。通信装置100固有のIDと、該通信装置100の推定位置は、管理装置140を介して、管理サーバ160に送信される。
ステップS2310では、管理サーバ160は、位置情報提供装置400からの通信装置100固有のIDに基づいて、通信装置100を宛先として、該通信装置100の推定位置を送信する。
ステップS2312では、通信装置100は、管理サーバ160からの該通信装置100の推定位置を設定する。
位置情報管理システム1の一実施形態において、位置情報提供装置400は、GPS衛星800lからの測位信号に基づく測位により求められる位置情報の代わりに、通信装置100からの測位信号に含まれる位置情報を用いるようにしてもよい。ここで、該通信装置100には、正しい位置情報が設定されている必要がある。このようにすることにより、位置情報提供装置400に、測位制御部416、GPS受信部418を備える必要がない。
位置情報管理システム1の一実施形態によれば、通信装置100に位置情報が設定されていない場合に、位置情報提供装置400により、位置情報を設定できる。また、通信装置100に位置情報が設定されているが、該位置が誤っている場合にも、位置情報提供装置400により、位置情報を設定できる。位置情報提供装置400により、通信装置100に、位置情報が必要に応じて設定されるため、管理者が設定する煩わしさを低減できる。
位置情報管理システム1の一実施例では、通信装置100は屋内の特異箇所に設置され、通信装置100からの位置情報に基づいて、無線端末120は、絶対測位を実行する。つまり、無線端末120は、通信装置100からの位置情報のカバー領域に侵入した際に、位置情報を受信し、測位することができる。
従って、通信装置100からの位置情報のカバー領域外に、無線端末120が位置する場合には、該無線端末120は、位置情報を受信できないため、測位できない。例えば、無線端末120が管理サーバ160へ、識別情報と、位置情報を送信した後に、通信装置100からの位置情報のカバーエリア外を移動した場合、無線端末120の位置が変わっているにも拘わらず、無線端末120から、管理サーバに160に、位置情報が送信されない。このような場合、管理サーバ160に管理される位置管理情報と、実際の状況とが異なることになる。すなわち、管理サーバ160に管理される位置管理情報の信頼性が損なわれる場合がある。
そこで、位置情報管理システム1の一実施形態では、無線端末120に、位置情報を提供する移動通信装置600が提供される。移動通信装置600は、通信装置100からの測位信号に基づいて、当該移動通信装置の位置を認識する。移動通信装置600は、相対測位手段により、当該移動通信装置600の位置を推定する。移動通信装置600は、測位信号に基づいて認識した位置を基点として、相対測位手段により推定された位置を経度緯度情報に変換する。移動通信装置600は、経度緯度情報に変換した位置情報を送信する。つまり、移動通信装置600は、通信装置100からの位置情報の受信位置からの移動を補間し、送信する。
図24は、一実施形態における移動通信装置600のハードウェア構成を表す。移動通信装置600は、CPU602、RAM604、ROM606、測位信号受信制御部608、測位信号受信部610、無線通信制御部612、無線通信部614、位置信号送信制御部616、測位信号送信部618、相対測位制御部620、センサ622、移動制御部624、車輪626を有する。
CPU602は、当該移動通信装置600の動作の制御を行うプログラムを実行する。RAM604は、CPU602のワークエリア等を構成する。ROM606は、CPU602が実行するプログラムを記憶する。
測位信号受信制御部608は、測位信号受信部610を介して、位置情報を含む測位信号を受信するための処理を実行する。測位信号受信部610は、例えばIMESのような測位信号を受信するアンテナを含む装置である。
無線通信制御部612は、無線通信部614を介して無線通信処理を実行する。無線通信部614は、例えばIEEE802.15.4規格に適合する電波を送受信可能なアンテナを含む装置である。
位置信号送信制御部616は、位置信号送信部618を介して当該移動通信装置600の推定位置情報を含む測位信号を送信するための処理を実行する。位置信号送信部618は、例えばIMESのような測位信号を送出するアンテナを含む装置である。
相対測位制御部620は、センサ622を介して、当該移動通信装置600の位置を推定する。例えば、相対測位制御部620は、センサ622により検出された情報に基づいて、測位信号受信制御部608により受信された位置を基点として当該移動通信装置600の位置を推定する。相対測位制御部620は、オドメトリやデッドレコニング機能を利用して、当該移動通信装置600の位置を推定するようにしてもよい。センサ622には、例えば、加速度センサ、ジャイロセンサ、慣性力や地磁気を用いたモーションセンサが含まれる。また、センサ622には、レーザーレンジファインダ(Laser Range Finder :LRF)や超音波センサ、赤外線センサ等の測距センサ、カメラや3Dセンサ等が含まれてもよい。
移動制御部624は、車輪626を駆動し、当該移動通信装置600の移動を制御する。移動制御部624は、予め決定された経路に従って、移動させるようにしてもよいし、進行できる方向に移動させるようにしてもよい。進行できる方向は取得しているマップ情報を元に未取得領域方向を優先させ決定するようにしてもよい。また、車輪626は、当該移動通信装置600を移動させる。移動通信装置600の一実施形態では、車輪626により移動する場合について説明するが、車輪に限られず、他の移動手段により移動するようにしてもよい。
バス628は、上記各部を電気的に接続する。
上記構成により、一実施形態における移動通信装置600は、通信装置100から測位信号を受信できる。また、移動通信装置600は、当該移動通信装置600の移動に応じて推定された位置を送信することができる。
移動通信装置600に、GPS衛星からの測位信号を受信するGPS受信部(図示なし)を備えるようにしてもよい。相対測位制御部620は、センサ622により検出された情報に基づいて、GPS受信部により受信された測位信号により測位された位置を基点として当該移動通信装置600の位置を推定するようにしてもよい。
なお、移動通信装置600に、ユーザからの入力を受け付ける、例えばタッチパネル、ダイヤルキー、キーボード、マウスのような入力装置及び対応する入力制御部を備えてもよい。さらに、スクリーンのような表示装置及び対応する表示制御部を備えてもよい。
図25は、一実施形態における移動通信装置600の機能ブロック図を表す。一実施形態における移動通信装置600は、記憶手段702、通信手段708、制御手段718、及び位置情報推定手段720を有する。
記憶手段702は、識別情報704と、位置情報706とを有する。識別情報704は、当該移動通信装置600のネットワークアドレスのような、位置情報管理システム1上で移動通信装置600を特定可能な情報を含む。例えば、ネットワーク180がIEEE802.15.4及びZigBee(登録商標)規格に基づく場合には、IEEE802.15.4の短縮アドレス又はIEEE拡張(MAC)アドレスを用いることができる。位置情報706は、通信装置100から送信された測位信号に含まれる位置情報である。位置情報706を記憶するためのテーブルの例を図12に示す。構成は図11と同様である。
通信手段708は、測位信号受信手段710と、位置情報送信手段712と、端末情報受信手段714と、端末情報送信手段716とを有する。
測位信号受信手段710は、通信装置100からの測位信号を受信する。受信された測位信号に位置情報302が含まれる場合には、当該移動通信装置600の記憶手段702に、該位置情報を保持するようにしてもよい。
位置情報送信手段712は、当該移動通信装置600の推定位置を送信する。移動通信装置600の推定位置は、例えば図12のようなフォーマットにより移動通信装置600から送信される。図12のフォーマットでは、階数、緯度、経度、棟番号の各フィールドが、それぞれ9ビット、21ビット、21ビット、8ビットで表現され、IMES規格によって受信したメッセージの該当フィールドを繋げた形とする。各フィールドの表現形式はIMES規格に準ずる。ここで、移動通信装置600は、予め保持する階数、棟番号を、当該移動通信装置600の推定位置に含め、送信するようにしてもよい。実際には、このフォーマットに加えて、通信方式によって規定されるヘッダやチェックサム情報が付加されて送信される。通信方式として、例えばIEEE802.15.4及びZigBee(登録商標)規格が用いられる。
端末情報受信手段714は、無線端末120から送信された識別情報と位置情報とを受信する。
端末情報送信手段716は、無線端末120から送信された識別情報と位置情報とを、管理装置140を介して管理サーバ160へ送信する。ネットワーク180がZigBee(登録商標)規格を用いてなされる場合には、前記送信は、当該通信装置100が保持するルーティング情報を用いて行われる。
制御手段718は、測位信号受信手段710による位置情報の受信のタイミングと、位置情報送信手段712による当該移動通信装置600の推定位置の送信のタイミングを制御する。送受信のタイミングは、当該移動通信装置600に予め設定された間隔あるいは時刻に基づいて決定されてもよい。また、送信と受信のタイミングは、それぞれ独立して決定されてもよい。
上記構成により、一実施形態における移動通信装置600は、通信装置100から測位信号を効率的に受信できる。また、移動通信装置600は、移動した場合であっても当該移動通信装置600の位置を推定できるため、無線端末120に、推定位置を通知できる。
位置情報推定手段720は、測位信号受信部610を介して、測位信号受信制御部608により受信された測位信号に含まれる位置情報により示される位置と、センサ622により検知された情報に基づいて、相対測位制御部620により測位された位置に基づいて、当該移動通信装置600の位置を推定する。例えば、位置情報推定手段720は、測位信号受信制御部608により受信された測位信号に含まれる位置情報により示される位置を基点とし、センサ622により検知された情報に基づいて、当該移動通信装置600の位置を推定する。推定された位置は、必要に応じて、緯度、経度に変換され、位置情報送信手段720による制御により、位置信号送信部618から送信される。位置情報推定手段720は、当該移動通信装置600の位置を推定する際に、測位誤差を求めるようにしてもよい。位置情報推定手段720は、精度情報に、測位誤差を換算するようにしてもよい。精度情報は、推定位置とともに、無線端末120に送信されてもよい。この場合、位置情報送信手段は、IMESメッセージのリザーブビットに、精度情報を格納し、位置情報とともに送信するようにしてもよい。
図26は、IMESメッセージの一実施例を示す。図26には、「word1」−「word4」について示される。「word1」には、21bit目から24bit目に計4bitsのリザーブビットが含まれる。「word4」には、16bit目から17bit目に計2bitsのリザーブビットが含まれる。位置情報送信手段712は、計6bitsのリザーブビットに、精度情報を格納する。
なお、移動通信装置600に、ユーザからの入力を受け付ける入力手段や、推定位置を提示する表示手段を備えてもよい。これにより、ユーザへの推定位置の提示や、ユーザからの推定位置の入力又は修正が可能となる。
図27は、移動通信装置600の動作の一実施例を示す。
ステップS2702では、通信装置100は、測位信号を送信する。該測位信号には、通信装置100の位置情報が含まれる。位置情報には、例えば経度緯度情報、フロア情報等が含まれる。測位信号は、IMESメッセージであってもよい。
ステップS2704では、移動通信装置600は、初期位置情報として、通信装置100からの測位信号に含まれる位置情報を記憶する。
ステップS2706では、移動通信装置600は、移動する。
ステップS2708では、移動通信装置600は、当該移動通信装置600の位置を推定する。例えば、移動通信装置600は、オドメトリ測位等により、当該移動通信装置600の位置を推定する。移動通信装置600は、送信する位置情報に、推定位置を反映する。
ステップS2710では、移動通信装置600は、測位信号を送信する。該測位信号には、推定位置情報が含まれる。測位信号は、IMESメッセージであってもよい。
一実施形態における移動通信装置600は、通信装置100からの測位信号が届かない領域に存在する無線端末120に、当該移動通信装置600の測位信号を受信させることができる。
図28は、移動通信装置600の動作の一実施例を示す。
図28に示される例では、移動通信装置600は、屋内を移動する。図28に示される例では、移動通信装置600は、一点破線により示される経路で、位置(1)から位置(2)を経由して、位置(3)に移動する。
位置(1)、位置(2)では、移動通信装置600は、通信装置100からの測位信号に基づいて認識した位置と、相対測位手段により推定された位置に基づいて、当該移動通信装置600の位置を推定する。移動通信装置600は、測位信号を送信する。該測位信号には、当該移動通信装置600の推定位置情報が含まれる。移動通信装置600からの測位信号によりカバーされる領域には、無線端末120が存在しない。
位置(3)では、移動通信装置600は、通信装置100からの測位信号に基づいて認識した位置と、相対測位手段により推定された位置に基づいて、当該移動通信装置600の位置を推定する。移動通信装置600は、測位信号を送信する。該測位信号には、当該移動通信装置600の推定位置情報が含まれる。移動通信装置600からの測位信号によりカバーされる領域には、無線端末120が存在する。移動通信装置600により送信される当該移動通信装置600の推定位置情報の範囲は、該推定位置情報を受信した無線端末120の位置をみなせる程度に狭いことが望ましい。
無線端末120は、移動通信装置600からの測位信号を受信する。無線端末120は、移動通信装置600からの測位信号に含まれる推定位置と、当該無線端末120の識別情報とを含む情報を移動通信装置600へ送信する。該送信は、例えばIEEE802.15.4及びZigBee(登録商標)のような近距離無線通信によるネットワーク180を通じて行われる。この場合には、無線端末120の識別情報として、IEEE802.15.4の短縮アドレスまたはIEEE拡張(MAC)アドレスを用いることができる。
移動通信装置600へ送信された識別情報と位置情報は、通信可能な範囲に位置する他の移動通信装置又は通信装置を経由して、管理装置140に送信される。
図29は、一実施形態における移動通信装置600の機能ブロック図を表す。一実施形態における移動通信装置600は、記憶手段702、通信手段708、無線端末情報取得手段722、無線端末測位依頼手段724、空間マップ作成手段726、制御手段718、及び位置情報推定手段720を有する。
移動通信装置600は、図25を参照して説明した移動通信装置に、無線端末情報取得手段722と、無線端末測位依頼手段724と、空間マップ作成手段726とを有するようにしたものである。
無線端末情報取得手段722は、管理サーバ160から、該管理サーバ160に記録された無線端末120の識別情報と、位置情報と、受信日時とを取得する。
無線端末測位依頼手段724は、無線端末情報取得手段722により取得された情報のうち、受信日時を参照し、予め設定された期間、識別情報と位置情報とを送信していない無線端末を検索する。無線端末測位依頼手段724は、検索の結果得られた無線端末120からの位置情報に基づいて、該位置に移動するように制御する。無線端末測位依頼手段724は、無線端末120からの位置情報の位置で、測位信号を送信するように制御する。
識別情報と位置情報とを送信してから長期間経過している無線端末120は、送信装置100からの測位信号を受信できない領域に存在すると想定される。移動通信装置600は、最後に、無線端末から受信した位置情報に該当する位置に移動し、測位信号を送信する。このようにすることにより、無線端末120に、測位を促し該無線端末120の識別情報と、位置情報とを含む情報の送信を促すことができる。
空間マップ作成手段726は、測位信号受信部610により測位される測位信号の受信電界強度に基づいて、通信装置100からの電波の電界強度のマップを作成する。通信装置100からの電波の電界強度のマップを参照することにより、通信装置100からの測位信号によりカバーされていない領域を知ることができる。
以上、本発明は特定の実施形態、実施例を参照しながら説明されてきたが、各実施形態、実施例は単なる例示に過ぎず、当業者は様々な変形例、修正例、代替例、置換例等を理解するであろう。説明の便宜上、本発明の実施例に係る装置は機能的なブロック図を用いて説明されたが、そのような装置はハードウェアで、ソフトウェアで又はそれらの組み合わせで実現されてもよい。本発明は上記実施例に限定されず、本発明の精神から逸脱することなく、様々な変形例、修正例、代替例、置換例等が包含される。