JP6159797B2 - 環境発電装置および方法 - Google Patents

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Description

本発明は、周囲振動または環境振動などの振動源からエネルギーを採取または収集するための環境発電装置および方法に関する。
従来の環境発電装置では、直流共振器または場合により複数の直流共振器が、環境発電装置が取り付けられている構造体の振動などの入力振動に対して応答する(本技術分野において、直流共振器は、線形共振器または通常の共振器であってもよい)。振動は、共振器を励起し、電力を抽出するために、例えば伝導コイルの近傍において振動するように共振器によって保持されている永久磁石によって、共振器は電気的に減衰する。このような環境発電装置は、バッテリーを充電したり、自己充足型デバイスにおけるセンサーおよび/または無線トランスミッターなどの電子デバイスを作動させたりするために、従来用いられている。
このような従来の環境発電装置は、振動エネルギーから電気エネルギーへの変換効率を制限するいくつかの問題を抱えている。特に2つの問題は、共振器の性能に関連している。第1に、従来の環境発電装置における共振器は、固有共振振動数を有しており、この共振振動数に近い振動数によってのみ効果的に励起する。環境発電装置を駆動するために利用可能な自然界の振動や周囲の振動は、多種多様な振動数を含んでいる傾向にあり、直流共振器は、共振器の共振振動数に近い利用可能な振動数の狭い帯域によってのみ、励起され得る。この問題に対処するために用いられてきたアプローチの1つは、異なる共振振動数を有する複数の直流共振器を環境発電装置に組み入れることであるが、これは、環境発電装置を複雑にする。第2に、直流共振器に蓄積可能なパワー密度は、駆動する振動振幅の1次関数として制限され、これは、従来の環境発電装置において入力振動から共振器へと伝達することができるエネルギーを抑制する。
本発明者らは、従来の環境発電装置のこれらの制限に対処するための代替のアプローチは、パラメトリック共振の現象を使用することであり得ると考えている。しかし、本発明者らは、環境発電のためにパラメトリック共振の使用を調査することを試みた先行技術を1つだけ承知しており、この調査は、重要な問題を見出した。これについては、非特許文献1の論文に記載されている。Daqaqらは、プルーフウエイトを担持する弾性カンチレバービームの形態の、パラメトリックに励起される共振器の挙動についての実験室研究を実施した。電力出力を抽出するために、当該ビームの共振を電気的に減衰された。Daqaqらによって報告された問題は、パラメトリック共振器を励起するためには閾振動振幅が必要とされるということ、ならびに結果として、それらの環境発電装置におけるパラメトリック共振器が低振幅の入力振動をハーベストすることができないということである。これは、それらのハーベスターによって収集することができるエネルギーを劇的に減少させた。対照的に、直流共振器を組み入れた従来の環境発電装置では、そのような閾振動振幅は存在しない。
M.Daqaq,C.Stabler,Y.QaroushおよびT.Seuaciuc−Osorio,「Investigation of Power Harvesting via Parametric Excitations」,J.Intel.Mat.Syst.Str.,vol.20,no.5,pp.547−557,2009
発明の説明
本発明は、環境発電装置、および以下において言及されるべき、添付の独立請求項において定義されるようなエネルギーをハーベストするための方法を提供する。本発明の好ましいもしくは有利な特徴は、従属請求項において提示される。
したがって、本発明は、好ましい実施形態において、第1および第2の機械的増幅器を備える環境発電装置を提供し得る。第1の機械的増幅器は、入力振動、例えば、周囲振動もしくは環境振動など、に応答し、それにより、当該第1の機械的増幅器は、当該振動によって励起または作動され得る。第2の機械的増幅器は、第1および第2の機械的増幅器が作動するように、または第1および第2の機械的自由度を提供するように、第1の機械的増幅器に連結される。第1および第2の機械的増幅器は、お互いに直接連結され得るか、あるいは、1つまたは複数のさらなる機械的自由度を介して連結され得る。第1および第2の機械的増幅器の少なくとも一方、好ましくは一方のみ、が、パラメトリック共振器を含む。環境発電装置のパワー出力は、減衰プロセスによって発生されるが、有利には、または好ましくは、当該減衰プロセスは、第1の機械的増幅器に作用しない。好ましくは、環境発電装置のパワー出力は、第2の機械的増幅器を減衰することによって発生される。
本発明のいくつかの態様において、環境発電装置のパワー出力を発生させるための減衰プロセスは、環境発電装置の総エネルギー出力の一部が各機械的増幅器から抽出されるように、第1および第2の機械的増幅器の両方に作用し得る。しかし、本発明のほとんどの実践形態において、第1の機械的増幅器の減衰を低減するかまたは最小化することが重要であり、このため、環境発電装置のエネルギー出力の少なくとも一部、好ましくはエネルギー出力のすべてが、好ましくは、第2の機械的増幅器を減衰させることによって抽出される。
したがって、本発明の実施形態は、直流共振器と比べて励起振動数のより広い帯域幅およびより高いパワー密度などのパラメトリック共振の特徴を活用することができ、その一方で、本明細書において説明される連結された第1および第2の機械的増幅器の配置は、パラメトリック共振器の開始閾振幅を最小化または低下させるように作用する。これは、有利には、先行技術においてDaqaqらによって説明された問題を解決することができ、より小さい振幅振動の効果的なハーベストを可能し得る。
本発明の作動原理の説明は、以下の通りであり得る。パラメトリック共振器の挙動は、以下においてより詳細に説明されるように、マシュー方程式を用いて説明することができる。図11に示されているように、パラメトリック共振器の挙動の一側面は、共振器の減衰が増加するに伴って開始振幅閾値も増加するということである。ある環境発電装置では、パワー出力を発生するために、減衰(通常、電気的減衰)が必要である。したがって、本発明の実施形態は、エネルギーがパラメトリック共振器の励起によってハーベストされるが当該パラメトリック共振器は(1)減衰されない(パラメトリック共振器は、パワーを抽出するために減衰されるさらなる機械的増幅器に連結されている)かまたは(2)減衰されないがパラメトリック共振器に連結された駆動振幅を増加させることができる機械的増幅器によって駆動されるような、機械的構造を使用する。
選択肢(1)において、パラメトリック共振器は減衰されないので、その開始振幅閾値は最小化され得る。選択肢(2)において、パラメトリック共振器は、パワーを抽出するために減衰され得、この場合、その開始振幅閾値は、当該減衰によって高められ得る。ただし、当該パラメトリック共振器は、開始振幅閾値を超えるために、好ましくは環境発電装置への振動入力の振幅を増加させるような機械的増幅器によって駆動される。
選択肢(2)において、特定の実施形態は、入力振動が直流共振器もしくは通常の共振器を含む第1の機械的増幅器を駆動するような、オートパラメトリック共振器構造体であり得る。第1の機械的増幅器は、パラメトリック共振器を含む第2の機械的増幅器に連結されている。当該直流共振器およびパラメトリック共振器の共振振動数は、直流共振器の共振振動数がパラメトリック共振器の共振振動数の約数となるように一致させられる(言い換えれば、パラメトリック共振器の共振振動数は、直流共振器の共振振動数の倍数、例えば、その共振振動数の2倍、3倍、または4倍など、である)。したがって、2つの共振器の組み合わせは、パラメトリック共振器が非常に小さい開始振幅によって駆動され得るようなオートパラメトリック共振器として機能する。
選択肢(1)および(2)において、第1の機械的増幅器(選択肢(1)ではパラメトリック共振器を含み、選択肢(2)ではパラメトリック共振器を駆動するための機械的増幅器を含む)は、減衰されないと説明されている。しかしながら、上記において詳しく説明されるように、本発明のいくつかの実施形態において、第1および第2の機械的増幅器の両方は、環境発電装置のエネルギー出力のそれぞれの部分を抽出するために減衰され得る。そのような実施形態において、重要な要因は、エネルギー出力の少なくともいくらかは、例えば第2の機械的増幅器に由来し、そのため、第1の機械的増幅器の減衰が、それを第2の機械的増幅器に連結させることによって減じられる、ということである。
機械的増幅器なる用語は、機械的変位および/または力を増幅するような装置または構造体、好ましくは、受動的な装置または構造体、を意味し、レバー、パラメトリック共振器、または通常の共振器などの構造体を含む。パラメトリック共振器なる用語は、パラメトリック共振において駆動されるように配置された共振器を意味する。共振器構造は、典型的には入力振動の配向および周波数に応じて、パラメトリック共振器または通常の共振器として駆動されることが可能であり得る。したがって、パラメトリック共振器は、パラメトリック共振における入力振動によって駆動され、通常の共振器は、通常の共振における入力振動によって駆動される。そのような共振器は、双安定性もしくは多安定性共振器または双安定性もしくは多安定性ビームなどの構造体を含み得る。
この文書において、減衰される機械的増幅器または減衰されない機械的増幅器について言及される。現実世界では、すべての機械的構造体がある程度減衰される。この文書において、減衰されないという用語は、機械的増幅器が環境発電装置からのパワーの抽出のための減衰メカニズムに直接的には接続されていないことを意味する。機械的アクチュエーターが、減衰されないとして説明される場合でも、当該機械的アクチュエーターは、例えば、環境発電装置のパワー出力を発生させるために電気的に減衰されるような、減衰される機械的アクチュエーターには連結されていてもよい。そのような場合、ある機械的増幅器は、減衰されないとして説明されても、電気的減衰は、減衰されない機械的増幅器および減衰される機械的増幅器を含む両方の機械的増幅器から、いくらかのエネルギーを抽出することができる。
環境発電装置のMEMS(微小電気機械システム)実践は、本発明の実施形態を実践するために好適であり得、MEMS振動環境発電装置(VEH)のために実践される3つの最も一般的な機械電気変換メカニズムについて、以下にまとめる。
電磁式:現在のマイクロマシニング技術を使用したより小さいスケールではコイルの巻数密度およびフィルファクターが減少するため、寸法を減らすことによってパワー出力を無理なくスケールダウンすることはできない。したがって、この技術は、より大きな環境発電装置に対して好適である。
静電式:成熟したMEMS技術であり、容易に製作することができ、ならびにIC技術と統合することができる。しかしながら、ピークパワー密度は、理論上および文献での報告の両方とも、その対照物よりも低い桁である。
圧電式:無理なく規模拡大縮小することができ、高い性能、とりわけPZT(圧電変換器)を提供するが、MEMS製作は、静電式と比べてそれほど簡単ではない。AlNおよびZnOベースのハーベスターは、現在、既存の製作技術によって実際に実現可能である。
以下の点は、本発明の実施形態のいくつかの重要な態様をまとめたものである。
以下の減衰マシュー方程式を使用して、パラメトリック共振器の挙動を説明する。
式中、xは変位であり、cは減衰であり、tは時間領域であり、εは一般的な励起振幅パラメータであり、δは一般的な固有振動数を二乗したパラメータである。
図11は、パラメトリック共振器の異なるレベルの減衰に対する、減衰マシュー方程式の三分岐ダイアグラムを示している。図11に示されているように、減衰されないcでは、主要なパラメトリック共振(1次)に対して開始振幅閾値は存在しない。
パラメトリック共振が達成されると、共振のその基本モードにおいて、従来の線形もしくは直流共振器より高い振幅およびより広い振動数応答に達することが潜在的に可能である。
減衰を増加させることにより(現実世界では共振器には機械的減衰が常に存在しており、電力出力を抽出するためには電気的減衰が必要である)、開始振幅閾値が増加する。これは、図11における第2および第3のダイアグラムに示されている。
この開始振幅閾値は、小さい振幅の入力振動の場合にパラメトリック共振への到達において問題を生じる。
本発明の実施形態は、振動環境発電のためにパラメトリック共振を使用する。
本発明は、パラメトリックに励起される振動環境発電装置を実際に実現するためにこの開始閾値の影響を減じることを目的とする。
これは、連結された別の自由度の機械的増幅器(別の共振器または非共振性の機械的増幅器、例えばレバーなど、のいずれか)を電気的に減衰することにより、パラメトリック共振器に対する電気的減衰を最小化することまたは低下させることによって為され得る。これは、上記において説明した選択肢(1)であり、分岐ダイアグラム(図11)における閾値を本質的に低減し得る。
別の方法では、第1の自由度として、直流共振器または非共振性の機械的増幅器、例えばレバーなど、が導入され得る。これは、上記において説明した選択肢(2)であり、ベース励起振幅または入力励起振幅が閾値を超えるのを助けるためにそれらを増幅し得、結果としてパラメトリック共振器を励起し得る。
図12は、本発明の好ましい実施形態の作動の一般的原理を示すフローチャートである。図13は、開始閾振幅が低下された、パラメトリックに励起される振動環境発電装置のための可能な設計ルートを示す、より詳細なフローチャートである。これらの設計ルートの特定の実施形態については、以下においてさらに詳細に説明されるであろう。
理論およびシミュレーション−パラメトリック共振
採用動機(環境発電装置においてパラメトリック共振を使用するための)は、以下のようにまとめることができる。
・変位振幅を機械的に増幅することによりパワー出力を増加させる(潜在的に直流共振器である対照物より1桁高く)
・共振ピークの非線形性の特徴により作動振動数帯域幅を広げる
直流励起とは異なり、パラメトリック励起は、通常、駆動変位に対して垂直な方向であり、平行ではない。この励起によりパラメトリック共振を達成するためには、励起振動数ωが、およそ2ω0/nであることが必要であり、この場合、ω0は、共振器の固有振動数であり、nは、次数(約数)である。したがって、励起振動数が固有振動数の2倍であるときに、1次(主要)パラメトリック共振を達成することができる。さらに、安定均衡から系を「押し出す」ためには、非ゼロ初期変位の前提条件が存在する。
これらの要件とは別に、励起振幅は、図1および11の分岐ダイアグラムに示されているように、パラメトリック共振領域に到達する前に減衰依存性の開始閾値を超える必要がある。当該技術分野の本質が、電気エネルギーを抽出するために機械的共振器を電気的に減衰させることを頼りにしているため、上記のことは、振動環境発電との関連において反生産的に思える。しかしながら、一度、パラメトリック共振が活性化されると、振動振幅の発達は、線形減衰によって制限されず、物理的制限または非線形性の発現のどちらかによってのみ飽和され得る。
カンチレバー共振器
カンチレバー共振器は、当技術分野における一般的な設計選択である。それは、自由端付近において大きな変位を達成することができ(電磁式変換器および静電式変換器にとって理想的)、固定端付近において高いレベルの応力を受けることができる(圧電式変換器にとって理想的)。慣習上、カンチレバーは、下記にまとめられるように、変位(通常の共振)に対して平行な直流励起によって駆動される。
ここで、c1は粘性減衰であり、c2は2次減衰であり、μx3は幾何学的非線形性の三乗であり、Aは励起変位振幅であり、kはバネ剛性であり、mは有効質量であり、lはビームの有効長であり、Eは弾性係数であり、Iは面積慣性モーメントである。
変位の方向に対して垂直にパラメトリック励起が適用される場合、以下の運動方程式(減衰マシュー方程式の変形)が観察され得る。
図22は、様々な加速度レベルにおいていずれかのタイプの励起によって誘起される場合の微小カンチレバーの共振ピークを、数値的に(1E−05の「相対許容値」によるMATLABのode45ソルバーを使用して)対比している。直流励起は、励起レベルにかかわらず、常に応答を得るが、そのパラメトリック対照物は、開始閾振幅より下のゼロ定常応答を有しており、小さい非ゼロ初期変位条件が必要である。しかしながら、この閾値を超えて励起振幅を増加させることにより、パラメトリック共振は、急速に、共振の基本モードを上回る。
この数値シミュレーションならびに文献(上記において言及したようなDaqaqら)における既存の実験研究は、この開始閾振幅に対して著しい大きさを認めているが、その一方で、実際には、ハーベスティングのために利用可能な周囲振動は、通常、非常に小さい。日本の鉄道橋において記録された振動は、0.1ms-2の桁であった。したがって、この技術分野においてパラメトリック共振の長所を現実的に利用するためには、図11に示されたこの閾値およびベース軸のギャップを最小化する必要がある。
設計および製作
開始閾振幅の限界を超えることによってパラメトリック共振器を励起するために、アクティブアクチュエーターを採用することが可能であり得る。しかしながら、環境発電は、追加のパワー消費を提供することができない。したがって、この臨界基準を満たすための受動的な解決策は、非常に望ましい。
図12は、この問題に対処するために提案される好ましい設計アプローチを提示している。第1の設計ルートは、電気的に減衰される追加の機械的増幅器と連結されている、電気的に減衰されないパラメトリック共振器を採用している。ここで、当該パラメトリック共振器は、本質的に、低い開始閾振幅を有する。第2の設計ルートは、電気的に減衰されるパラメトリック共振器の前に、電気的に減衰されない機械的増幅器を導入している。このシナリオでは、ベース振動振幅が増幅され、パラメトリック共振を活性化させるための閾値に近づけられている。再び図11を参照すると、第1のアプローチは、不安定領域を実質的に下げさせるが、その一方で、第2のアプローチは、水平のベース軸を上げる。
パラメトリック共振技術は、従来の直流励起されるハーベスターと比べて、より良いパワーおよび振動数共振を理論的に約束するものであるが、開始基準、例えば振幅閾値など、が満たされる必要がある。これに対処するための受動的な設計アプローチは、30倍近いこの閾値の減少を実験的に示している。共振の基本モードにおいて駆動される同じハーベスターとは対照的に、パラメトリックに励起されるシナリオでは、1桁を超える高いパワー応答およびおよそ2倍の作動振動数帯域幅が記録された。
周囲環境発電
周囲振動は、通常、様々な方向に振動する広範囲または多種多様の振動数を含んでいる。上記において説明したように、通常の共振器もしくは直流共振器を使用する従来の環境発電装置の場合、上記のことは、それらの振動数応答が狭い故に、特定の問題を引き起こす。本明細書において説明されるように、パラメトリック共振器は、より広い振動数応答を有し得るため、結果として、直流共振器よりも広い振動数帯域にわたって振動エネルギーを捉えることが可能である。それでもなお、効果的な環境発電装置は、有利には、広範な振動数および/または広範な振動方向からエネルギーを収集するために、様々な振動数に応答する2つ以上のパラメトリック共振器および/または異なる配向の2つ以上のパラメトリック共振器を備え得る。
したがって、ある環境発電装置は、1つまたは複数のパラメトリック共振器をそれぞれが含むような、2つ以上のサブユニットの配列を含み得る。そのような配列における当該サブユニットまたはパラメトリック共振器は、広い作動振動数帯域幅を網羅するように、機械的に連結され得る。
特定の実施形態の説明
本発明の特定の実施形態の説明を含む、本発明の作動の原理について、以下において、添付の図面を参照しながらより詳細に説明する。
マシュー方程式のδ−εパラメータ平面における安定領域(網掛け無し)および非安定(網掛け)領域を示すグラフ(数値的に発生させた)。当該不安定領域は、パラメトリック共振の達成を意味する。 パラメトリックに励起される振動環境発電装置(PEVEH)の実施形態の模式図。垂直駆動力は、パラメトリック励起を生じる。 以下に説明されるような、構築されたMATLAB数値モデルの構造全体を示すブロックダイアグラム。 臨界減衰付近での、図2の実施形態に対して(時間領域において)振動振幅の立ち上がりの数値シミュレーションを示す。 臨界減衰付近での、図2の実施形態に対して(時間領域において)振動振幅の立ち上がりの数値シミュレーションを示す。図4は、通常の共振の励起に関するものであり、図5はパラメトリック共振に関するものである。この場合、パラメトリック共振は、安定状態へと向かうためには、通常の共振より長い時間を必要とする。 振動数領域におけるパラメトリック共振および通常の共振についての数値計算された応答の間の比較を示す。 様々な励起振幅に対するパラメトリック共振および通常の共振のピークパワー応答の間の定量的数値比較を示す、励起振幅に対するピーク安定状態でのパワー出力のプロット。 表3のような寸法を有する、図2に示されるような環境発電装置においての、実験的振動振幅の立ち上がりの実験計測を示す。 図8において試験した環境発電装置についての、様々な励起振幅Aに対しての振動数領域における実験的パワー応答のボードプロットを示す。 図8および9において試験した環境発電装置についての、同等の加速度(約0.6ms-2)においてのパラメトリック共振(比較目的のために半分にした振動数スケール)および通常の共振の実験的振動数帯域幅および抽出可能なパワーを示す。 減衰マシュー方程式の分岐ダイアグラムにおける、パラメトリック共振器の開始振幅閾値への減衰の効果を示す。網掛け領域は、パラメトリック共振が達成される場合である。減衰cの増加に伴い、開始振幅の増加が見られる。 本発明の態様を組み入れた環境発電装置を構成するための好ましい設計原理を概説するフローチャート。これらは、開始閾振幅を受動的に最小化するための設計アプローチである。当該図において、「追加の機械的増幅器」は、直流共振器およびパラメトリック共振器ならびに非共振型増幅器、例えばレバーなど、を包含し、「n DOF」は、n自由度(n=0、1、2...)である。 開始閾振幅を低減するため、またはその問題を解決するための、パラメトリックに励起される振動環境発電装置における可能な設計ルートをまとめた、図12より詳細なフローチャート。 図12および13において提示された設計ルートを具現化する様々な環境発電装置構造を示す。 図12および13において提示された設計ルートを具現化する様々な環境発電装置構造を示す。 図12および13において提示された設計ルートを具現化する様々な環境発電装置構造を示す。 図12および13において提示された設計ルートを具現化する様々な環境発電装置構造を示す。 図12および13において提示された設計ルートを具現化する様々な環境発電装置構造を示す。 図12および13において提示された設計ルートを具現化する様々な環境発電装置構造を示す。 図12および13において提示された設計ルートを具現化する様々な環境発電装置構造を示す。 図12および13において提示された設計ルートを具現化する様々な環境発電装置構造を示す。 様々な励起加速度レベルでの直流励起とパラメトリック励起との間の安定状態の共振ピークの数値比較を示すグラフ。 MEMSカンチレバーのCOMSOL設計を示す。直流励起は、面外駆動力に一致しており、その一方で、面内励起は、図23のパラメトリック共振および図24のオートパラメトリック共振を潜在的に誘起し得る。容量式櫛形フィンガーは、カンチレバーから延びている。付随の固定された櫛形フィンガーは、ここに示されていない。 MEMSカンチレバーのCOMSOL設計を示す。直流励起は、面外駆動力に一致しており、その一方で、面内励起は、図23のパラメトリック共振および図24のオートパラメトリック共振を潜在的に誘起し得る。容量式櫛形フィンガーは、カンチレバーから延びている。付随の固定された櫛形フィンガーは、ここに示されていない。 図23に示されたパラメトリックに励起可能なMEMS設計のSOIMUMPS具現化を示す。 24に示されたオートパラメトリックに励起可能なMEMS設計のSOIMUMPS具現化を示す。 図24および26のカンチレバー共振器の二重ビーム支持部の拡大図。 4.2ms-2の入力加速度でのオートパラメトリックハーベスターの実験的パワー応答を示すグラフ。それぞれ、固有振動数fnの2倍および半分において、1次および3次パラメトリック共振を見ることができる。 図24、26、および27の環境発電装置設計の質量−バネ−ダンパ同等物を示すダイアグラム。 無応力状態および予応力をかけた双安定状態の、両端において締め付け固定または据え付け固定されたビーム(直流共振器)上に支持されたパラメトリック共振器を含む本発明の実施形態の模式図を30(a)において、ならびにビームの双安定性を示すグラフを30(b)に示す。 図30において図式的に示されるような、両持ちビームに連結された、主にパラメトリックに励起されるカンチレバーを示す。 ビームに予応力を加えることによって誘起される双安定性を有するまたは有しない、図31に示される実施形態に対する実験的に測定されたパワースペクトルを示す。 側部バネを備える直流およびパラメトリックに励起される双安定性共振器を含む本発明の実施形態のモデル図。 図33に示されるタイプの環境発電装置を示す。垂直励起により、垂直カンチレバーは、PR(パラメトリック共振器)として機能し、水平カンチレバーは、DR(直流共振器)として機能する。両方の補助共振器は、予応力をかけられた双安定性CCB(両持ちビーム)上に載っている。2つの側部バネは、ポテンシャル障壁の調節を支援し、スナップスルーの確率を増加させる。 隣接するポテンシャル井戸内への飛び移りのより高い確率を可能にする、側部バネによる双安定性システムにおけるポテンシャル障壁の高さの代表的な調節を示すグラフを表す。パラメータTは、調節に関連する期間である。 実際の振動データの増幅された試料に対する、図34に示されたプロトタイプの実験的に記録された電圧応答を示す。 電磁式環境発電配置を用いた、本発明のさらなる実施形態を示す。明瞭化のために前面に取り付けられたプレートが省略されている、環境発電装置の斜視図を示す。 電磁式環境発電配置を用いた、本発明のさらなる実施形態を示す。点線により細部を示した、図37に対応する図を示す。 電磁式環境発電配置を用いた、本発明のさらなる実施形態を示す。図37および38の環境発電装置の内部構造の図を示す。
振動環境発電の分野において、主要な技術的課題は、依然として、既存の設計における低いパワー密度および狭い作動振動数帯域幅である。従来技術は、直流励起による(直流共振器の)共振の基本モードの活性化を頼りにしてきたが、本発明は、有利には、環境発電のためのパラメトリック共振の採用による新しいパラダイムを提供または可能にし得る。直流共振とは異なり、パラメトリック共振における振動性振幅の発達は、線形減衰ゆえに定常状態へとは向かわない。したがって、パラメトリック共振を採用する環境発電装置のパワー出力は、より高いレベルへと蓄積し得る。さらに、それは、最終的にパラメトリック共振を制限する非線形性の発現であり、したがって、このアプローチは、潜在的に、作動振動数の範囲を広げることもできる。本発明者らの理論的予測および数値モデリングは、1桁高い振動性振幅の発達が達成可能であることを提言した。
本発明者らの初期実験では、マクロサイズ化された電磁式プロトタイプ(実際の体積は、約1,800cm3)を構築し試験した。この装置は図2に示されており、下記においてより詳細に説明される。パラメトリックに駆動される場合、この装置は、基本(通常のまたは直流)共振において直接駆動される同じプロトタイプ(0.65ms-2において27.5mWで36.5μWcm-3-24)とは対照的に、半分のパワー帯域においての約67%の増加、および入力加速度の二乗に対して正規化された1桁高いピークパワー密度(0.57 ms2において171.5mWで293μWcm-3-24)を実証した。この数字は、現在の技術水準のマイクロサイズ化された対照物、例えば、PerpetuumのPMG−17(119μWcm-3-24)など、と比べて、有望な将来性を提示している。
過去十年、環境発電に対して、学会および産業の両方からの興味が急速に増加してきた。従来の発電のトップダウンプロセスとは対照的に、環境発電の分散的および自己持続的性質は、遠隔装置および無線装置の長寿命のために、バッテリーに対して便利な搭載式の補足物を提供する。
分散型発電のための比較的成熟した技術として、既にソーラーパワーが登場しているが、しかしながら、これは、光度が不十分な封入用途または内蔵用途には適していない。その一方で、周囲動力学的振動は、レールから橋まで、産業用コンプレッサーからタービンエンジンまで、歩道から人間の動作までと、様々な用途において観察される。したがって、それは、例えば構造健全性モニタリングなどのための無線センサーノードに電力を供給し維持するために利用する一般的なエネルギー源である。
ほとんどの従来の振動ハーベスターは、駆動力が振動変位の方向に対して平行に適用される2次の質量−バネ−ダンパシステムの直流励起による共振の基本モードの活性化を頼りにしている。共振の基本モードは、励起振動数がシステムの共振振動数に一致する場合に実現される。直流励起により達成されるこのタイプの共振は、「通常の共振」とも呼ばれる。
未だに存在する、この新たな技術の2つの主要な技術的課題は、小さいパワー密度および狭い作動振動数帯域幅である。実世界の振動源におけるランダムで絶えず変化する性質のために、理想的なハーベスターは、幅広い振動数にわたって機能することができなければならない。しかしながら、減衰調整によってより変化の少ない共振応答のシステムを設計することは、達成可能なピークパワーに妥協することになる。したがって、理想的な目的は、ピークパワーと振動数帯域幅の両方を最大化することである。
このジレンマを解決する試みにおいて、本発明の実施形態は、機械的増幅の手段としてパラメトリック共振(自己励起される非線形振動の一種)を採用し、それと同時に、振動数帯域を広げるためにその非線形共振特性を利用する。この特定の共振現象は、外部励起によって結果として内部システムパラメータの周期的変調が生じる場合に誘起される。通常の共振とは対照的に、駆動力は、通常、振動性変位に対して垂直に適用される。
上記において説明されるように、このアプローチは、重大な問題、すなわち、パラメトリック共振領域に達する前に励起振幅がある特定の開始閾値を超えるという要件を抱えている。本発明の実施形態は、このタイプの装置の実用化を達成するために、パラメトリックに励起される振動環境発電装置(PEVEH)の短所を克服することを目的とする。
パラメトリック共振は、自己励起される不安定な現象ゆえに、ほとんどの振動共振とは異なっている。それには、2つの分類:ヘテロパラメトリック共振(現代の学会では、単純にパラメトリック共振と呼ばれている)およびオートパラメトリック共振が存在する。ヘテロパラメトリック励起は、外力に対しての応答における、ある特定のシステムパラメータの周期的変調によって誘起される。オートパラメトリック共振は、多自由度システムの様々な固有振動数の中のある特定の整数比関係から生じ、結果として、当該システムの1つの振動性構成要素は第2の発振器におけるシステムパラメータの周期的変調を組み入れることになる。本発明の実施形態は、パラメトリック共振のどちらかの形態を採用し得る。
第1表には、通常の共振を使用する振動環境発電における現在のパラダイムに勝るパラメトリック共振の利点についてまとめてある。通常の共振とは異なり、一般的な非減衰マシュー方程式(下記の式1)に支配される、パラメトリック共振による振動振幅の発達は、線形減衰によって安定状態とは向かわず、物理的制限または高い振幅での非線形性の発現のどちらかのみによって制限され得る。この非線形性の発生は、さらに、パラメトリック共振器が作動し得る振動数帯域を広げることに役立ち得、結果として、同時に以下の2つの目的:
・パワーピークを最大化させるための機械的増幅の手段としてパラメトリック共振を使用すること
・作動振動数帯域幅を広げるためにその非線形共振ピークを使用すること
を実現する。
第1表
通常の共振よりもパラメトリック共振を採用する動機
前者によって使われたエネルギーEinは、線形減衰によるエネルギー消失Elostに正比例し、その一方で、後者では、√Elostに比例する。したがって、通常の共振よりも高い桁の振動振幅の発達が理論的に予測できる。
上記の非減衰マシュー方程式(式1)から、δおよびεは、その値がシステムの安定性を決定する一般的なパラメータであり、ならびに、tは時間である。変位xが制限のない解を有する場合、振動振幅の指数関数的立ち上がりを達成することができる。この振幅の発達は、純粋な線形の設定において理論的に無限に近づくことができ、図1に示された分岐ダイアグラムにおける不安定領域(網掛け)によって表される。通常、定期的に励起されるシステム(以下において提示されるような)の固有振動数の2倍において観察される、1次または主要なパラメトリック共振は、最も大きな不安定領域を示している。
Daqaqらによって経験および報告されているように、減衰されるシナリオにおいて(すなわち、減衰されるパラメトリック共振器にとって)、主要な障害因子の1つは、初期減衰を超える前に励起振幅がある特定の閾振幅を超えるという要件である。さもなければ、当該システムは、安定均衡内に捕らわれるであろう。必要とされる正確な閾振幅は、特定のシステムの作用メカニズムに応じて変わる。さらに、システムを安定均衡から「押し出す」ためには、初期非ゼロ変位も必要である。
図2の設計概略図は、マイクロスケールのパラメトリックに励起される振動環境発電装置(PEVEH)のプロトタイプを表している。正確な励起基準に応じて、様々なシステムにおいてパラメトリック励起が観察され得る。図2は、そのようなシステムの1つを示しており、当該システムでは、振り子112がレバービーム108の左手側の端に吊されており、当該レバービーム108は、振り子が静止している場合、ベース(図示されず)に固定された旋回軸110上でバランスが取れている。当該ビームの右手側の端には、トランスデューサ114が取り付けられている。これは、レバービームが旋回軸の周りで傾転する場合に、固定されたコイル(図示されず)内において移動可能な、当該ビームに固定された磁石を含む。それにより、当該コイルから電気エネルギーを抽出することができる。このシステムは、図2に示されるように、直流および/またはパラメトリックに駆動することができる。旋回軸を介しての、据え付け固定されたベースからの振動の伝播が、角変位θ(t)により振り子を駆動する。レバーメカニズムは、垂直変位y(t)によりトランスデューサ側でのさらなる機械的増幅を可能にする(小さい弧角を仮定する)。振動が無い場合、レバービーム108は、水平を維持するようにバランスが取られる。旋回軸110に、その結果として振り子112に水平駆動振動(Ahcosωht)を適用することは、直流励起と同じであり、これは、ωhが振り子の固有振動数ω0に等しい場合に通常の共振の活性化を可能にする。旋回軸を、その結果として振り子を垂直駆動することは(Ahcosωvt)、パラメトリック励起であり、ωv≒2ω0のとき、振り子のパラメトリック共振を活性化させ得る。振り子運動によって誘起されるレバーの変位は、レバーによりトランスデューサ側においてさらに機械的に増幅され、結果として、トランスデューサから電気エネルギーを引き出すことができる。
主要な減衰(トランスデューサの電気的減衰)は、振り子に対して直接的には作用しない。したがって、パラメトリック共振を活性化するために必要な開始振幅閾値は、振り子の質量が、主にまたは直接減衰されるような設計よりも低い。
(旋回軸を水平に振動させることによって)吊り下げ部分において振り子を水平に駆動することにより、式2に支配される直流励起が誘起される。
この場合、θは振り子の角変位であり、ω0は振り子の角固有振動数であり、ωhは水平励起角振動数であり、Ahは水平励起変位振幅であり、cは振り子減衰係数であり、lは振り子の腕の長さであり、tは時間領域である。垂直駆動力により、振り子をパラメトリックに駆動する場合、式3がシステムの動作を支配する。時変係数の存在は、これが減衰マシュー方程式でありかつパラメトリック励起を開始することができるということを意味している。
この場合、ωvは垂直励起角振動数であり、Avは垂直励起変位振幅である。式4は、水平(直流)および垂直(パラメトリック)励起の両方が存在する場合の支配方程式となる。
式2および4における通常の共振は、ωh=ω0の場合に達成することができる。式3および4におけるパラメトリック共振は、ωv=2ω0/nの場合に達成することができ、ここで、式中、nは次数である。主要なパラメトリック共振は、n=1の場合に観察される。
図2に示されたハーベスターのコアメカニズムは、振り子をその吊り下げ部分においてパラメトリックに駆動するための、システム支持体(旋回軸およびバランスの取られたレバー)に沿った垂直方向での振動励起の伝播を伴う。振り子の角変位θ(t)が非ゼロの場合、レバービーム108(追加の機械的増幅器として機能する)は、バランスを崩して、垂直方向においてトランスデューサを駆動する。F1(t)は、振り子の質量によって加えられる力であり、F2は、トランスデューサ側の質量であり、ならびにF3(t)は、トランスデューサの電気的減衰によりレバービームに作用する力である。
静止してバランスの取れたレバービームを説明する均衡方程式(t=0およびθ=0)は、式5によって与えられる。
この場合、mは振り子の質量であり、m1は振り子側の総質量であり、m2はトランスデューサ側の総質量であり、la(t)は振り子の質量中心と旋回軸との間の有効長であり、la(0)は、静止状態での元のlaの定数パラメータであり、lbはトランスデューサ側の質量中心と旋回軸との間の有効長であり、gは重力による加速度である。動的応答下において、la(t)は式6によって表され、不均衡がレバービームにおいて誘起される。
この場合、Δla(t)は、振り子が動いているときの有効長la(t)における変化であり、Φ=0.5π−θである。時間の関数として、レバービームは旋回軸の周りで揺動するので、トランスデューサ側の質量(磁石)114は、近くに位置された固定コイルに対して変位y(t)において移動する。lb≫y(t)の場合、小さい弧角を想定することができ、y(t)は、単純な垂直変位として近似することができる。機械的な仕事は、トランスデューサの電気的減衰に対して為され、システムから抽出可能な電力は、レバービームの周りの動的力によって見積もることができる。したがって、当該システムの支配方程式は、以下のようにまとめられる。
ここで、F3(t)なる項は、θが非ゼロの場合のレバーにおける不均衡に起因して生じるトルクからの機械的な力におよそ等しいと考えられる。この仮定は、様々な減衰項を考慮しつつ、エネルギーの変換が機械的パワーから電力への変換の際に成り立つ理想的なトランスデューサに当てはまる。
電磁式トランスデューサの場合、変位は、二乗関係によって電力出力Pelecに関連しており、すなわち、θ2∝y2∝Pelecである。達成可能な理論上の最大電力出力の見積もりPmaxelecは、理想的電気負荷条件下(電気的減衰Deがパラメトリック減衰Dに等しい場合)において、式8にて想定される。
ここで、m’は、一般的な質量であり、a’は、この質量の時変加速度である。この式の一般的m’a’項は、理想的電磁式トランスデューサが受ける機械的力である。したがって、m’a’≒F3および最大電力出力の推定量は、式9においてθ(t)依存性パワー出力関係を得るためにこの項を再び式7に代入することによって計算することができる。θ(t)それ自体は、励起基準に応じて、式2〜4のうちの1つによって決定される。
当該負荷において抽出可能な最大パワーの実際の量(Pmaxload)も、それぞれ、式10および11において定義されるように電磁式トランスデューサの抵抗性負荷条件および電気的減衰(De)に応じて変わる。ここで、Rloadは、抵抗性負荷であり、Rcoilはコイルの抵抗であり、Nはコイルの巻数であり、lcoilはコイルの長さであり、Bは磁束密度であり、Lcoilはコイルのインダクタンスである。式11の虚数成分は、<1kHzの振動数では無視することができる。
eは、y(t)に直接抵抗する一方で、レバーの動的運動を制限する場合にθ(t)への分数効果も有する。システムおよびトランスデューサの実際の効率ならびに追加の非線形減衰因子は、さらに、上記において見積もられた最大パワーを減少させる。したがって、数値モデルがより現実的な見積もりを提供しならびに実験モデルに一致するためには、F3(t)、Dp、Deなどの変数のための係数およびDeから振り子の減衰へのフィードバック減衰のための係数として、様々な適合された数値因子(変位の定数または関数のいずれか)が必要である。
数値シミュレーション
様々な励起条件下でのPEVEH設計(図2)の挙動を調査するために、図3に概説されるMATLAB Simulinkを使用した数値モデルを、第2表の数値パラメータにより構成した。
第2表
当該数値シミュレーションにおいて採用したシステムパラメータ
mは、振り子の重りの質量であり、m1およびm2は、レバービームの各端部の質量である。lは振り子の長さであり、l1およびl2は、レバービームの各端部の長さである。
臨界減衰付近での通常の共振およびパラメトリック共振の結果としての、時間領域における振り子の角変位の立ち上がりの定性的比較が、それぞれ、図4および5に提示されている。パラメトリック共振は、本質的に、より長い過渡状態を有する。しかしながら、それは、より大きな変位振幅へと潜在的に蓄積し得る(図5の垂直軸は、図4の垂直軸に比べて圧縮されていることに注意されたい)。上記において既に確立されているように、出力パワー応答は、二乗変位に正比例する。したがって、増加する振動性振幅の効果は、この二乗関係によるパワーピークの上昇において増幅される。図6aおよび6bは、振動数領域における両方の場合について、システムのパワー応答を定性的に比較している(図6bの垂直軸は図6aの垂直軸に比べて圧縮されていることに注意されたい)。非線形性の発現と、その結果としての固有振動数fn付近での振動数帯域の拡大は、励起振幅Aの増加を伴う通常の応答では比較的緩やかである。他方で、パラメトリック共振は、低いAでさえ、比較的より著しい非線形性を示しており、より高いAにおけるより高い次数の非線形性の発現(より急なピーク)が後続する。しかしながら、後者は、振動数帯域のすぐ外側において、および/またはAが開始閾振幅(この設定において約4.25mmである)を下回っている場合、ゼロ定常状態応答を有する。
パラメトリック共振において非線形性がより重要な役割を果たし、低い振幅においてさえも見られることが観察され得る。一方で、高い振幅においては、通常の共振に関連する非線形性だけが重要となる。したがって、所定の励起振幅に対し、パラメトリックの場合は、比較的より広い作動振動数帯域を示す。しかしながら、固有振動数(図6bの差越し線)の左側でのより高い非線形ピークは、初期変位が存在する場合かまたは下向きの振動数掃引の間のどちらかにおいてのみ達成可能である。これは、上向きの振動数掃引の際は、これらに達する際にシステムの初期変位が存在せず、さもなければ作動振動数帯域に達するためであり、言い換えれば、当該システムは、より低い分岐点において捉えられ得る。
図6bの高い励起振幅において、非線形性のピークにおける急な上昇(細長いピーク形状)が観察され、これは、より高い次数の非線形性の発現を示している。この挙動の理論的説明は、これらの大きな振幅では、振り子の振動はもはや単純な調和運動には近づかないが、限界サイクル運動へのホップ分岐を経て、結果としてピークパワーレベルにおけるさらに速い発達を得る、というものである。
励起振幅における増加により、振動性振幅(したがってピークパワー)も、それに応じて増加する。通常の共振の場合、2次多項式関係が、変位振幅とθ∝P関係によるパワー発達との間に存在する。しかしながら、変位振幅の発達は、図7の定量的比較において示されるように、パラメトリック共振の場合はより高い次数の非線形因子により強調される。図7は、励起振幅に対するピーク定常状態のパワー出力のプロットであり、励起振幅の変量に対する、パラメトリック共振と通常の共振のピークパワー応答の間の定量的数値比較を示している。励起振幅のある特定の閾値を越えると、パラメトリック共振は、通常の共振を急速に凌ぐ。定性的に、通常の共振は、2次多項式曲線に一致するのに対して、パラメトリック共振は、より高い次数の非線形特性を示す。したがって、後者の変位振幅(およびピークパワー)は、励起振幅の増加に対応して急激に発達する。
さらに、高い励起振幅では、パラメトリック共振の場合、振幅の発達率において追加の急な上昇を認めることができる。これは、さらに高い次数の非線形性の発現を示唆しており、ならびに、図6bにおける観察に一致している。
明らかに、当該数値シミュレーションは、パラメトリック共振が、通常の共振の対照物より著しい非線形性およびより高い達成可能なパワーピークの結果として、より広い作動振動数帯域を有するということを示していた。しかしながら、上記において説明される性能における「より高い次数」は、必ずしも絶対的なパワーの大きさを指しているわけではないが、より本質的に、図7に示されているより高い次数の多項式的挙動を意味していることに留意されたい。事実、励起振幅が、必要な開始閾振幅を辛うじて越える場合、達成可能な絶対的ピークパワーは、通常の共振より低くあり得る。したがって、パラメトリックなアプローチは、より高い励起振幅ほど、行う価値が高まる。
理論的および数値的予測を検証するために、下記の第3表に一覧されるようなシステムパラメータによる、図2に例示されるようなマクロスケールの電磁式プロトタイプを構成し、検討した。第3表の未測定のパラメータを数値的に見積もり、実験的パワー応答の数値モデルに一致するように適合させた。
第3表
実験的プロトタイプのシステムパラメータおよび(記録されたパワー応答に一致させるために)適合させた対応する数値モデルの値
トランスデューサは、約50cm3の総構成要素量およびおよそ90cm3の実用装置量を有する。当該トランスデューサの電力発生のために四磁石配置を用いた。当該磁石は、直径22mmおよび厚さ10mmの寸法のディスク形状の焼結されたネオジウム鉄ボロンである。コイルも、外径50mm、内径5mm、厚さ10mm、線径90マイクロメートルの寸法および約25万の推定コイル巻数の円筒形状である。当該プロトタイプの総構成要素量は、およそ500cm3であり、その実用装置量は、約1,800cm3である。
パラメトリック共振において(理想的な負荷抵抗によって)記録されたピーク電力は、1.70ms-2において956.6mWであり、通常の共振では、0.65ms-2において27.75mWである。さらに、この設定(そこからピークパワー値が述べられた)でのパラメトリック共振は、定常状態に達しなかったが、振り子が±π/2ラジアンの最大角変位までしか許容されないという設計の物理限界によってかなり抑制された。より大きな角変位または円運動が可能な場合、より高いパワーレベルも達成され得る。
図8は、第3表のような寸法を有する、図2に示されるような環境発電装置についての、実験的振動性振幅の立ち上がりの実験的測定を示している。θの振幅は、電圧出力Vに直接的かつ線形的に比例し、関係:θ2∝V2∝Pによってパワー出力Pに関連付けられる。パラメトリック共振に対して図8に記録された最大ピークツーピーク電圧(Vpp)は、通常の共振よりはるかに大きい(21.8Vに対して56.4V)ことに留意されたい。
図8に示された、振動性振幅の立ち上がりの定性的比較は、パラメトリックの場合のより長い過渡状態に関して、図4および5の数値モデルに一致している。しかしながら、最終的な定常状態は、通常の共振よりかるかに高いパワーレベルに蓄積した。
図9は、図8において試験した環境発電装置についての、様々な励起振幅Aに対する振動数領域における実験的パワー応答のボードプロットを示している。記録されたピークパワーデータにおける適合されたシミュレーション同等物もプロットされている。Aが高いほど、パラメトリック共振の非線形性は急速に顕著となり、結果として振動数帯域の拡大を生じているが、その一方で、通常の共振では、比較的狭いままである。図6bにおいて説明されるような高い振幅でのパラメトリック共振に関連している非線形性ピークの急な上昇が確証される。当該非線形性ピークは、上向きおよび下向きの振動数掃引の際に異なる応答を有し、というのも、それらは、システムがより高い分岐点へと移行することを可能にするために、著しい初期変位が存在する場合にのみ、達成可能であるためである。
同じ励起レベル付近において(第4表を参照のこと)、これらの実験では、パラメトリック共振は、通常の共振より6倍高いピークパワーを得た。環境発電装置を駆動するために採用されたロータップ・シェーカーは、振幅においておよそ5mmの物理的限界を有する。この制限内において、通常の共振は、観察可能な非線形性を示すことができない。作動振動数帯域幅は、パワーの半値点(ピーク×1/√2)から測定される。
第4表
通常の共振およびパラメトリック共振の実験性能の比較
後者は、6倍高い絶対ピークパワー(約0.6ms-2の同等の加速度において)を示し、加速度の二乗に対して正規化されたパワー密度に関して1桁高い結果も達成した。当該シェーカーの約5mmの物理的振幅限界のために、通常の共振ではより高い加速度は測定されなかった。
図10は、図8および9において試験した環境発電装置についての、同等の加速度(約0.6ms-2)でのパラメトリック共振(比較目的のために振動数スケールは半分に圧縮されている)および通常の共振の実験的振動数帯域幅および抽出可能なパワーを示している。より濃い網掛け領域は、半分のパワーの帯域内での抽出可能なパワーを指している。絶対項において、通常の共振およびパラメトリック共振は、それぞれ、0.033Hzおよび0.055Hzの半分のパワーの帯域を有する。より薄い網掛け領域は、通常の共振のパワーの半値点(ピーク×1/√2)(帯域幅は約0.153Hzで、4倍以上広い)の上においてパラメトリック共振によって抽出可能な追加の潜在的パワーを表している。図10は、同じ入力加速度(約0.6ms-2)レベルでの両方の共振の振動数帯域幅および抽出可能なパワーを対比している。このシナリオにおいて、パラメトリックに駆動されるシステムは、通常の共振と比較して、作動振動数帯域において約67%の増加を示した。参考として通常の共振のパワーの半値点を取ってみると、パラメトリックの場合のパワー曲線は、4倍の広さの振動数帯域幅があった。
図2に示された、第3表のような寸法を有する環境発電装置は、パラメトリック共振において通常の共振より1桁高い性能を実験的に実施し、これは、その利点の理論的および数値的予測を確認するものである。2つの共振の長所および短所をまとめて比較したものが表5に示されている。それ自体と比較することは別として、第6表は、選択された現在の技術水準のマクロサイズの電磁式振動環境発電装置に対するプロトタイプの性能を簡潔に対比している。ここで報告される実験結果は、好意的には、現在の技術水準に匹敵する。
上記において言及したように、Daqaqら(2009)は、振動環境発電のためのパラメトリック共振の採用を調査した、これまでで最初で唯一の文献であるように思われる。しかし、この分析にもかかわらず、実用性能を達成する飛躍は、先行技術においてまだ報告されていない。先行技術に記載されているように、パラメトリックに励起されたシステムの深刻な限界は、初期閾値を越えるために励起振幅を必要とすることであり、当該閾値の下では、定常状態応答はゼロであろう。Daqaqらは、この閾振幅に対する解析モデルを提供したが、当該問題のいかなる解決策も提供していない。
第5表
通常の共振とパラメトリック共振との間のまとめ比較
開始閾振幅の問題は、Daqaqらのパラメトリックに励起されるカンチレバーに限ったことではない。しかしながら、ここで報告する2自由度のPEVEH設計は、有利なことに、この短所によってそれほど制限されない。これは、当該システムにおける主要な減衰が、この制限に対する主な貢献要因として機能すること(および当該閾値が、理論的に減衰されないシナリオの場合に存在しないこと)を、本発明者らが理解しているためである。PEVEHの場合、減衰の主な源(トランスデューサ)が、2次振動性要素(レバービーム)として機能する。そのため、主要な振動性要素(振り子)の励起は、異なる自由度にあり、初期減衰の効果は最小化される。Daqaqらの文献にあるように、減衰の主な源がパラメトリック共振と同じ自由度の場合、不利なことにより高い開始閾振幅が必要である。
(システムを安定均衡から「押し出す」ための)非ゼロ初期変位の要件は、ほとんどのパラメトリックに励起されるシステムにおける別の特性である。静止状態を不安定な均衡とする設計は、解決策としての役割を果たす。
パラメトリックに駆動されるハーベスターは、著しく高い性能を示すそれらの潜在的能力にもかかわらず、完全ではない。したがって、お互いを補って補助するための直流励起およびパラメトリック励起の両方の統合は、振動環境発電のための理想的な解決策としての役割を果たし得る。
有利には、オートパラメトリック共振の現象も使用することができる。そのような作用メカニズム内における直流励起される構成要素の存在は、開始閾振幅を低下させ、非ゼロ初期変位の要件を克服する助けとなる。したがって、それは、パラメトリックに励起されるハーベスターの長所を生かしつつ、その短所を補足することができる。
本発明者らの実験は、振動環境発電のためのパラメトリック共振の使用を実証した。数値シミュレーションおよび構成された実験プロトタイプは、振動性振幅(したがって、パワー)の発達において通常の共振より1桁高い理論的予測を確証した。パラメトリック共振において実験的に記録されたピークパワー(0.57ms-2において171.5mW)は、入力加速度の二乗に対して正規化されたパワー密度に関して、通常の共振(0.65ms-2において27.75mW)より一桁優れていた。振幅の増大を伴う著しい非線形性の発達も、それぞれのパワーの半値点から測定された作動振動数帯域幅において67%の増加を示した(または、通常の共振のパワー半値点を参考値として取る場合には4倍を超える)。さらに、これらの初期実験結果は、好意的には、現在の技術水準に匹敵するものである。
第6表
加速度の二乗に対して正規化されたパワー密度に関しての、PEVEHと選択された現在の技術水準のマイクロサイズの電磁式振動環境発電装置との比較
図12および13は、本発明の実施形態の発展において採用することができる好ましい設計原理についてまとめたものである。特に、これらの図は、有利には(任意選択により)オートパラメトリック共振器を形成することにより、パラメトリック共振器の振動振幅閾値における低下またはパラメトリック共振器を駆動するための入力振動振幅の増幅のどちらかを達成し得る第1および第2の機械的増幅器の性質のための選択肢についてまとめてある。
これらの設計原理は、上記において説明した選択肢(1)および選択肢(2)に関連し、ならびに第1および第2の機械的増幅器について言及する本発明の説明(Statement of Invention)において定義された構造、または一緒に連結されたメカニズムに関する。選択肢(1)において、パラメトリック共振器を含む第1の機械的増幅器は、パワーを抽出するために減衰されるさらなる(第2の)機械的増幅器に連結されている。これは、図12におけるダイアグラムの上側の線に対応している。選択肢(2)において、パラメトリック共振器を含む(第2の)機械的増幅器は、第1の機械的増幅器に連結されており、ならびに第1の機械的増幅器によって駆動され、ならびに当該第2の機械的増幅器は、パワーを抽出するために減衰される。これは、図12におけるダイアグラムの下側の線に対応している。
図13は、これらの設計原理の様々な実施形態を提示している。例えば、選択肢(1)では、パラメトリック共振器を含む第1の機械的増幅器は、直流共振器もしくはレバーなどの構成要素を含む第2の機械的増幅器に連結され得る。選択に(2)では、例えば、当該第1の機械的増幅器は、直流共振器もしくはレバーなどの構成要素を含み得、ならびに、パラメトリック共振器を含む第2の機械的増幅器に連結され得るが、追加的に第2のパラメトリック共振器もしくは直流共振器を含んでいてもよい。
図12および13は、電力出力を発生させるための、第1の機械的増幅器と第2の機械的増幅器との間の、ならびに第2の機械的増幅器と機械電気変換工程またはダンパとの間の「n自由度」を示している。各場合において、nの値は、ゼロまたは任意の整数であり得る。したがって、例えば、第1の機械的増幅器は、第2の機械的増幅器に(他のいかなる自由度も介さずに)直接連結されてもよく、および/または機械電気変換工程は、第2の機械的増幅器に直接作用してもよい。さらに、図12および13の各場合において、nの値は異なっていてもよい。
図14〜21は、図12および13において概説された特定の設計を示している。
図14は、直流共振器4を含む第2の機械的増幅器に連結されたパラメトリック共振器2を含む第1の機械的増幅器を組み入れた、マイクロスケールまたはMEMS環境発電装置を示している。当該パラメトリック共振器は、2つのアンカー点8の間に延びる弾性ビーム6を含む。当該ビームは、その中間点においてプルーフマス10を有する。この共振器は、図14に示されているように、ビーム6の軸に平行な振動によってパラメトリックに駆動される。
当該パラメトリック共振器のプルーフマス10は、直流共振器の弾性カンチレバービーム12の中間点に連結されている。ビーム12の2つの自由端のそれぞれにおいて、プルーフマス14が保持されている。ビーム12は圧電材料であり、そのため、当該ビームが共振するときに電力を抽出することができる。
有利には、当該パラメトリック共振器および直流共振器の共振振動数は、お互いに等しいかまたはその倍数に合わせられる。これは、適切であれば、以下において説明される本発明の他の実施形態にも同様に適用される。特に、パラメトリック共振器(第2の機械的増幅器)が、直流共振器(第1の機械的アクチュエーター)によって駆動される場合、当該直流共振器の共振振動数は、有利には、オートパラメトリック共振を得ることができ得るように、パラメトリック共振器の共振振動数の2倍であり得る。
図14において、パラメトリック共振器および直流共振器の両方は、圧電材料(ピエゾプレート)から作成されているように示されている。材料のこの選択は、環境発電装置の製作のために好都合であり得るが、パラメトリック共振器が共振するときに当該パラメトリック共振器から電力が抽出されるべきであるということを意味するものではない。この実施形態において、パラメトリック共振器は、第1の機械的増幅器を具体化するものであり、直流共振器は、第2の機械的増幅器を具現化するものであり、ならびに、電力は第2の機械的増幅器から抽出されるべきであって第1の機械的増幅器からではないことが好ましい。しかしながら、所望であれば、いくらかの電力は、第1の機械的増幅器から抽出してもよい。これは、不利なことに、パラメトリック共振器の活性化振幅を増加させ得るが、直流共振器(第2の機械的増幅器)へのパラメトリック共振器の連結および直流共振器からの環境発電装置の電力出力の少なくとも一部の抽出は、有利なことに、パラメトリック共振器の減衰を減少させ、その結果、電力出力のすべてがそこから抽出されるようなパラメトリック共振器のみを使用する(先行技術におけるような)環境発電装置と比較して、その活性化振幅を減少させる。
これら同じ点が、適宜、環境発電装置の2つ以上の構成要素が圧電材料から製作されるように説明されている、下記において説明される各実施形態にも適用される。
図15は、直流共振器22を含む第2の機械的増幅器に連結されたパラメトリック共振器20を含む第1の機械的増幅器を組み入れた、マイクロスケールまたはMEMS環境発電装置を示している。図15の環境発電装置は、図14のハーベスターと同様に作動する。当該パラメトリック共振器は、アンカー28から延びるカンチレバービーム26を含む。当該ビームは、その自由端においてプルーフマス30を保持しており、ビーム軸に対して平行な振動によって、パラメトリック共振において駆動される。当該直流共振器は、当該パラメトリック共振器のプルーフマスから延びるカンチレバービーム32を含み、そのもう一方の端に直流共振器のプルーフマス34を保持する。
図14および15の環境発電装置において、電気エネルギー出力は、好ましくは、直流共振器から取り出され、パラメトリック共振器の減衰を最小化し、したがって、パラメトリック共振器の開始振幅閾値を最小化する。
図14および15において、電力は、圧電的に抽出される。当業者であれば理解するであろうように、他の手段、例えば、静電式の櫛状部など、を使用することもできる。
図16は、第1の機械的増幅器がパラメトリック共振器40を含み、さらにレバー42を含む第2の機械的増幅器に連結されている、環境発電装置の構造を示している。これは、図2に示した構造と同じである。
図17は、第1の機械的増幅器が、直流共振器50を含み、さらにパラメトリック共振器52を含む第2の機械的増幅器に連結されている、マイクロスケールまたはMEMS環境発電装置を示している。この構造は、直流共振器およびパラメトリック共振器の共振振動数がおよそ一致する場合にオートパラメトリック共振器を形成し得る。当該直流共振器は、2つのアンカー56の間に延びる一対の弾性ビーム54を含む。当該パラメトリック共振器は、直流共振器のビームの中間点から延びていてその自由端においてプルーフマス60を保持するカンチレバービーム58を含む。当該直流共振器は、そのビーム54の軸に垂直でパラメトリック共振器のビーム58の軸に平行な振動によって駆動される。これは、図17に示された方向yにおいて、パラメトリック共振器の振動を生じる。電力は、当該パラメトリック共振器から抽出することができる。
図18は、直流共振器70を含む第1の機械的増幅器を組み入れた環境発電装置の模式図であり、当該直流共振器は、パラメトリック共振器72を含む第2の機械的増幅器に連結されている。図17のように、この構造は、オートパラメトリック共振器を形成し得る。
図19は、第1の機械的増幅器が、直流共振器80、82を含み、さらにパラメトリック共振器84を含む第2の機械的増幅器に連結されている、マイクロスケールまたはMEMS環境発電装置を示している。当該第2の機械的増幅器は、さらなる自由度を介して、電気的に減衰され得る第2のパラメトリック共振器86に連結されていてもよい。
図20は、第1の機械的増幅器が、直流共振器90を含み、さらにパラメトリック共振器92を含む第2の機械的増幅器に連結されている、マイクロスケールまたはMEMS環境発電装置を示している。第2の機械的増幅器は、電気的に減衰され得る第2の直流共振器94に連結されている。
図21は、第1の機械的増幅器が、レバー100を含み、さらにパラメトリック共振器102を含む第2の機械的増幅器に連結されている、環境発電装置の模式図である。当該パラメトリック共振器は、電気的に減衰され得る。
静電式の櫛状部202を備えるマイクロカンチレバー200の設計モデルが、図23に示されている。面外振動は直流励起と同等であり、その一方で、面内駆動力は、潜在的に、正しい振動数および振幅条件においてパラメトリック共振を誘起し得る。図24は、アンカー208とカンチレバーの(ベース)端部210との間に二重ビーム206を追加することによる、図12の第2の設計経路の繰り返しである。この追加の初期バネ構造は、電気的に減衰されない追加の(第1)機械的増幅器(直流共振器)として機能する。図24の構造は、潜在的に、オートパラメトリック共振を観察することができる。これは、外部(ヘテロ)パラメトリック励起によって開始されないが、むしろ、システムにおける直流励起可能な構成要素(追加の初期二重ビームもしくはバネ206)(これは、内部的にエネルギーをパラメトリック共振器(カンチレバー)に移動させる)に作用する直流励起によって開始される、パラメトリック共振のサブセットである。数学的に、ヘテロパラメトリック共振およびオートパラメトリック共振の両方は、同様に減少する。
図23および24による設計は、MEMSCAP製造工場のシリコン・オン・インシュレータ−(SOI)マルチユーザーMEMSプロセス(MUMP)を使用して製作され、試料装置は、図25および26において見ることができる。図27は、図26の装置の二重ビーム206の拡大図を示している。図29は、図26および27の装置の作動原理を示している。シリコン厚は25μmであり、装置の総体積は、約0.147mm3である。カンチレバービームから延びる各可動性の櫛形フィンガーに対して、対応する固定された静電式の櫛形フィンガーは、10μmのギャップ間隔において当該可動性の櫛形フィンガーの横に位置されており、その結果として、静電式トランスデューサを形成する。
これらの設計を用いて実験的試験を実施した。全ての試験は、通常の気圧において行われ、カンチレバーは、非ゼロ初期変位基準を克服するために、自由端を有するように直立に取り付けた。この直立配置は、倒立振り子と同等であり、カンチレバーチップは、不安定均衡において静止している。COMSOLシミュレーション(図23および24)ならびに、MEMS装置のPolyTecレーザー振動計による振動数掃引により、固有振動数の2倍または半分のいずれかにおいての非共振モードが明らかとなった。したがって、これらの振動数範囲近傍内における他の共振ピークの存在の可能性は排除することができる。シェーカーによる機械的励起により、図26のオートパラメトリックハーベスターにおいて1次および3次パラメトリック共振が記録された。fn付近において2次パラメトリック共振の発現も観察されたが、定常状態応答は、常に、共振の基本モードへと向かった。予測されるように、この設計は、図25の装置より低い開始閾振幅を有していた。
・パラメトリックハーベスター:〜3g
・オートパラメトリックハーベスター(追加のバネを伴う)
− 1次:〜0.1g
− 3次:〜0.3g
第7表:二乗加速度に対して正規化されたパワー密度についての、文献からの選択された対照物との結果の比較
事実、パラメトリック共振井戸に対して、1gの加速度内において1桁高いパワー応答を観察することができ、このことは、図28において明確に実証されている。4.2ms-2において、基本モード、1次パラメトリック共振、および3次パラメトリック共振に対して、それぞれ、0.011μW、0.156μW、および0.127μWのパワーピークが記録された。第7表は、これらの結果を文献におけるいくつかの選択された静電式ハーベスターと簡潔に対比している。さらに、主要なパラメトリック共振の作動振動数帯域幅(パワーの半値点から測定した)は、共振の基本モードのおよそ2倍である。
したがって、4.2ms-2において駆動される面外(大きな変位に適応するため)静電式MEMSプロトタイプ(〜0.147mm3)は、共振の基本モードにおいて0.011μWおよび主要なパラメトリック共振において0.16μWのピークパワーを示した。振動数帯域幅における2倍の増加も、パラメトリックなシナリオにおいて観察された。
この新規の技術のパワー効率を、現実のインフラストラクチャー振動に対して誘起される場合の、直流励起されるハーベスターとの対比において調査するために、MEMS装置、薄膜装置/厚膜装置、およびマクロスケール装置が本発明者らによって開発されている。
直流共振およびパラメトリック共振の両方の同時採用、および/またはベース共振器(第1の機械的増幅器)への双安定性の組み入れ(出力パワースペクトルを広げることによって機械エネルギーから電気エネルギーへの変換効率をさらに改善し得る)によって、さらなる向上を得ることができる。本発明者らの実験において、多自由度システムに由来する複数の直流共振ピークおよびパラメトリック共振ピークが観察され、累積する約10Hzのパワーの半帯域幅が、最初の40Hzに対して記録された。
任意の共振器は、潜在的に、直流共振およびパラメトリック共振の両方を示すことができるが、ほとんどが、励起基準に応じてどちらかの共振のみに対して応答する。したがって、強制された励起に対して平行に移動するように構成された共振器は、主要な直流共振器(DR)として見なすことができ、ならびに強制される励起に対して垂直に移動するように構成された共振器は、主要なパラメトリック共振器(PR)として見なすことができる。
本質的に、パラメトリックに励起される共振は、線形減衰が振幅の発達を飽和しないために、直流励起される共振器より高いエネルギー貯蔵に関連している。ほとんど常にパラメトリック共振に関連している振動性非線形性は、結果として、線形的に直流励起される対照物に比べて、潜在的に、振動数応答の中程度の拡大を生じ得、依然として、パラメトリック共振器の作動振動数帯域を増加させることが望ましい。
したがって、本発明のさらなる態様は、既に複数の直流共振ピークに達している本質的に多振動数相補的なハーベスターを提供し得、ならびに、境界条件が有利になった場合、より効果的なパラメトリック共振を求めることができる。
パラメトリック共振における問題のある境界条件は、上記において説明される減衰依存性の開始閾振幅の存在であり、この場合、励起は、この共振現象のより「有益な」領域に達する前にこの開始閾振幅に達する必要がある。図30(a)に示されるような、直交する初期両持ちビーム(CCB)バネの追加は、ベース励起を増幅させることによってこの活性化障壁を受動的に下げることを助ける。これは、図17、19、20、24、26、27、および29に示された構造と同様である。
実際には、当該CCBは、締め付け固定されるのではなく、その端部に据え付け固定され得るかまたは任意の好都合は方法において支持され得る。
クランプの間の距離を減少させることにより、その結果としてCCBに予応力をかける(湾曲させる)ことによって、このシステムに双安定性を導入することができる。対称な双安定システムは、ゼロ変位における不安定均衡と、図30(b)に示されるように元の状態のどちらか側に位置する、下記の一般方程式によって定義されるような2つの安定均衡とを有する。
式中、U、x、m、c、F、k、およびμは、それぞれ、ポテンシャルエネルギー、変位、質量、減衰、駆動力、負の線形バネ定数、およびDuffingパラメータである。式14は、ポテンシャル井戸内の位置±xsを定義し、式15は、ポテンシャル障壁ΔU(他の安定状態へ達するために飛び越える必要のあるエネルギー)を表す。
システムが、ある井戸内から別の井戸内へ移行する場合、すなわち、CCBがスナップスルー状態にある場合はいつでも、比較的大量のエネルギーが放出され、当該エネルギーは、電気的に採取することができる。
図31に示されるような実験設定(構成要素量:約8.14cm3)を使用して、予応力から生じる双安定性の効果を特徴付けた。CCB220は、当該CCBから延びるカンチレバーの形態の補助的PR(パラメトリック共振器)222のための初期バネとしての役割を果たす。機械電気変換器として、APC Internationalによる圧電セラミック(PZT)224を採用し、エポキシ接着剤を使用してカンチレバーに取り付けた。CCBは、クランプ228の間に保持されている。
PRのカンチレバーの端部に取り付けられたサイズミックマス226のサイズおよび位置を調節することにより、CCBの固有振動数を、PRの主要なパラメトリック共振に一致するようにまたは一致しないように調整することができる。振動数の一致が為される場合、オートパラメトリック共振を活性化させることができる。これは、構成する共振性要素の固有振動数におけるある特定の整数比関係から生じるエネルギーの内部移動によって誘起されるパラメトリック共振のサブセットである。CCBの基本モードおよびPRの主要なパラメトリックモードは共存せず、システムは、共振の2つのモードの間を交互に行ったり来たりする。主要なパラメトリック共振の特徴的な識別要因は、励起振動数が、観察される応答のそれの2倍であることである。
様々なレベルの予応力を当該CCB220に加えることにより、図30に示されるような双安定ビームを形成し、図32に示されるような一定の傾向が観察された。双安定性の増加とともに、PRの直流共振ピークおよびパラメトリック共振ピークにおける著しく進行性の上昇が、実験的に観察された。一方で、CCBは、品質因子における減少を示し、元の固有振動数付近において、対になった共振ピークの発現が認められた。この観察は、COMSOLシミュレーションと一致し、この場合、CCBは、異なるポテンシャル井戸内に関連するわずかに異なる共振振動数を有しているように見える(スナップスルー状態)。第8表は、約5ms-2の励起入力加速度、0.38MΩの負荷抵抗、ならびに80mm(単安定性)、70mm(穏やかな双安定性)、および60mm(高い双安定性)のクランプギャップに対して得られるピークパワーの結果を表している。
第8表:一定の約5ms-2において駆動される様々なレベルの双安定性での、PRおよびCCBの様々な基本モードならびにPRの主要なパラメトリックモードにおけるパワーピーク
PR(パラメトリック共振において作動)は、一度達成されると、より高い双安定性において実質的に良好に機能するが、開始閾値の制限障壁は、以下のように増加したそれも活性化することを必要とした。
・単安定性:3.60ms-2
・穏やかな双安定性:4.05ms-2
・高い双安定性:4.58ms-2
この挙動は、PRのベース励起を増幅するために使用される、極度に予応力をかけたCCBからのより低い振動応答の結果である。したがって、パラメトリック共振において開始閾値を下げるように向かうための受動的な助けとしてのCCBの有効性は、予応力が増加するのに伴って減少するが、PRへのエネルギー移送におけるCCBの有効性は増加する。
パラメトリック共振は、直流励起される対照物と比べて著しく高いエネルギー変換効率を提供することができるが、その初期活性化は、以下のような基準の列挙を満たす必要があり得る。
・ω=ωn/2;ここで、ω、ωn、およびnは、それぞれ、励起振動数、固有振動数、およびパラメトリック共振の次数を示す整数である。
・励起振幅は、減衰依存性の開始閾振幅を超えなければならない。
・非ゼロ変位が存在しなければならない。
・パラメトリック共振ピークに達する前に、一過性の立ち上がり時間に耐えなければならない。
したがって、パラメトリック共振とともに、より到達しやすい直流共振を採用することは、ランダムな振動入力からの応答を最大化する助けになる。双安定性の場合、最も大きなエネルギーは、スナップスルー状態の際に放出される。しかしながら、これらの状態の間のポテンシャル障壁を越えることは、大きなエネルギー入力を必要とする。上記において説明した予応力を加えられたCCBにおける据え付け固定されたクランプを追加の側部バネに替えることは、当該ポテンシャル障壁の高さを調節または下げるための助けとなり得、スナップスルーの可能性を高め得る。この直接的およびパラメトリックに励起される双安定共振器の概要概念は、図34(下記において説明される)と同じ参照番号が使用されている図33に示されたモデルダイアグラムにおいて表すことができる。
パラメータm1、m2、およびAは、直流共振器(DR)の有効質量、パラメトリック共振器(PR)の有効質量、および外部加速度の振幅を指す。図33のモデルダイアグラムから、励起に対して平行な変位の共振器は、主に直流励起される共振器(DR)と見なされ、PRについてはその逆である。COMSOLモデルを示している、これの設計逐次法は、図34に示されている。この構造において、双安定性ビーム230は、その端部において、2つの端部バネ232によって支持されている。当該側部バネの端部は、据え付け固定されており234、当該側部バネは、双安定性ビームの端部をお互いの方向へと向かわせ、ビーム230を双安定状態に維持するための予応力を提供する。カンチレバーの形態のパラメトリック共振器236および直流共振器238は、当該双安定性ビームから延びている。各カンチレバーは、電力の抽出のために圧電トランスデューサ240、242を含む。当該構造は、パラメトリック共振器に対して平行で直流共振器に対して垂直な方向の振動によって励起されるように配置される。
図35は、図34の双安定性システムにおけるポテンシャル障壁の調節を示している。側部バネが振動するため、CCBに加えられる予応力も時間Tとともに変わる。T/4および3T/4は、振動する側部バネが予応力を緩和する際の井戸の1つからのポテンシャル障壁が最も小さい場合である。0TおよびT/2は、側部バネがそれぞれの元の状態に戻る時であり、ポテンシャル障壁は変わらない。これは、双安定性ビームにおける隣接井戸内へと超える確率を増加させる。当該側部バネの共振モードも達成される場合、エネルギー伝達は最大化され得る。
図34のプロトタイプは、鉄道線路からの測定振動データ(12倍に増幅)に晒され、DRおよびPRトランスデューサからの電圧応答は、図37に見ることができる(このプロトタイプでは、共振性カンチレバーの端部に、いかなる端部サイズミックマスも取り付けられていなかった。改良された装置では、環境発電装置の感度を高めるために、端部マスが取り付けられ得る)。入力振動数は、急速な振動数変化を伴うおよそ60Hzのスパンを網羅するランダム振動数ピークを有する。電圧出力のFFT分析は、広帯域応答を裏付けている。この初期実験から分かるように、このマルチ振動数ハーベスターは、広帯域振動に対して単独の直流共振器よりも敏感に応答し、境界条件が有利になる場合、パラメトリック共振に関連する高い変換効率を達成する可能性を組み入れる。
したがって、まとめにおいて、本発明者らの実験は、予応力をかけたCCBによる双安定性の増加を伴う基本モードピークおよび主要なパラメトリックピークの両方における著しい増加を示している。直流およびパラメトリックに励起される双安定プロトタイプは、10Hz〜40Hzの蓄積された帯域幅のおよそ3分の1を網羅することによって広帯域作動も実証した。このマルチ振動数設計は、直流励起されるピークを容易に提供する一方で、境界条件が有利になる場合には、より効果的なパラメトリック共振も頼りにすることができる。
本発明のこの態様についてまとめると、第1の機械的増幅器は、双安定性もしくは多安定性構造体、例えば、予応力をかけられたビームなど、またはより一般的な用語において、2つ以上の安定状態を有する機械的増幅器、を含み得る。第2の機械的増幅器は、パラメトリック共振器を含み得、ならびに外部振動によって、第1の機械的増幅器によって、または第1の機械的増幅器を介して、駆動され得る。第1の機械的増幅器における双安定性もしくは多安定性構造体の使用は、2つの主な利点を有し得る。第1に、その安定状態のそれぞれにおいて、多安定性構造体は、同等の単安定性構造体より硬くあり得る。例えば、ビームに予応力をかけることによって形成される双安定性構造体は、その安定状態の1つまたは複数において、予応力がかけられていない同様のビームより硬くあり得る。より硬いビームは、有利には、それ自体はあまりエネルギーを吸収しないで、より多くのエネルギーを第2の機械的増幅器のパラメトリック共振器に移すことが可能であり得る。第2に、多安定構造体のその安定状態間の移行(スナップスルー)は、より大量のエネルギーを第2の機械的増幅器のパラメトリック共振器に移し得る。これは、有利には、パラメトリック共振器の共振を生じるための活性化、または閾値、振幅を超え得る。ひとたび、活性化振幅を超えると、その安定状態のうちの1つの中で多安定構造体を通じて移されるエネルギーは、パラメトリック共振を維持するのに十分であり得る。
図37、38、および39は、電磁式環境発電配置が用いられる本発明のさらなる実施形態を示している。図37は、明瞭化のために前に取り付けられるプレートが省略されている、環境発電装置の斜視図を示しており、図38は、図37に相当する図が示されているが、点線により詳細が示されており、図39は、図37および38の環境発電装置の内部構造の図を示している。
環境発電装置は、その端部(図示されず)において据え付け固定されている、弾力のあるビーム300の形態の直流共振器を含む。これは、当該ハーベスターの第1の機械的増幅器である。カンチレバー302の形態のパラメトリック共振器が、ビーム300から上方に延びている。当該ビームおよびカンチレバーは、ベリリウム鋼またはばね鋼から製作されている。当該カンチレバーは、好ましくは、パラメトリック共振を促すために不安定状態にするために、使用の際、上方に向けられる。2つの永久磁石304が、カンチレバー302の両側に固定されている。当該カンチレバーおよび磁石は、カップ形状のコイルホルダー308内に維持されたコイル306の間に、それらから近い距離に離間されて位置決めされている。各コイルホルダーは、支持のための取り付けプレート310に固定されている。ビーム300およびパラメトリック共振器の共振振動数は、好ましくは上記において説明されるようなオートパラメトリック共振器を形成するために、一致している。
当該磁石は、好ましくはNdFeB磁石である。
作動の際、コイル間の磁石の振動は、当該コイルから電力を引き出すことを可能にする。

Claims (21)

  1. 入力振動からエネルギーを採取するための環境発電装置であって、
    前記入力振動に応答する第1の機械的増幅器と、
    前記第1の機械的増幅器に連結された第2の機械的増幅器と、を備え、
    前記第1および第2の機械的増幅器のうちの少なくとも一方が、パラメトリック共振器を有し、
    前記第2の機械的増幅器を減衰させることによって、環境発電装置の出力が発生する、環境発電装置。
  2. 前記環境発電装置の出力が電力出力であり、前記第2の機械的増幅器が、該電力出力を発生させるために電気的に減衰される、請求項1に記載の環境発電装置。
  3. 前記第1の機械的増幅器が減衰されない、請求項1または2に記載の環境発電装置。
  4. 前記第1の機械的増幅器が電気的に減衰されない、請求項1から3のいずれかに記載の環境発電装置。
  5. 前記第1の機械的増幅器が前記パラメトリック共振器を有する、請求項1から4のいずれかに記載の環境発電装置。
  6. 前記第2の機械的増幅器が、非共振性機械的増幅器、直流共振器、またはさらなるパラメトリック共振器を有する、請求項5に記載の環境発電装置。
  7. 前記非共振性機械的増幅器、前記直流共振器、または前記さらなるパラメトリック共振器が減衰して、前記環境発電装置の出力を発生させる、請求項6に記載の環境発電装置。
  8. 前記第2の機械的増幅器が、さらなる機械的増幅器を有し、前記非共振性機械的増幅器、前記直流共振器、または前記さらなるパラメトリック共振器に連結されており、
    前記さらなる機械的増幅器が減衰して、前記環境発電装置の出力を発生させる、請求項6に記載の環境発電装置。
  9. 前記第2の機械的増幅器が前記パラメトリック共振器を有する、請求項1から4のいずれかに記載の環境発電装置。
  10. 前記第1の機械的増幅器が直流共振器を有する、請求項9に記載の環境発電装置。
  11. 前記第1の機械的増幅器の前記直流共振器と、前記第2の機械的増幅器の前記パラメトリック共振器とが、オートパラメトリック増幅器を形成する、請求項10に記載の環境発電装置。
  12. 前記直流共振器の共振振動数が、前記パラメトリック共振器の共振振動数の約数である、請求項10または11に記載の環境発電装置。
  13. 前記第1の機械的増幅器が非共振性機械的増幅器を有する、請求項9に記載の環境発電装置。
  14. 前記パラメトリック共振器が減衰して、前記環境発電装置の出力を発生させる、請求項9から13のいずれかに記載の環境発電装置。
  15. 前記第2の機械的増幅器が、さらなる機械的増幅器を有するとともに前記パラメトリック共振器に連結されており、
    前記さらなる機械的増幅器が減衰して、前記環境発電装置の出力を発生させる、請求項9から13のいずれかに記載の環境発電装置。
  16. マクロスケール装置、マイクロスケール装置、厚膜装置、薄膜装置、またはMEMS装置である、請求項1から15のいずれかに記載の環境発電装置。
  17. 前記第1および第2機械的増幅器が、第1および第2の自由度を提供する、請求項1から16のいずれかに記載の環境発電装置。
  18. 前記第1の機械的増幅器が、不安定均衡にある静止状態を有する、請求項1から17のいずれかに記載の環境発電装置。
  19. 直流共振および/またはパラメトリック共振において励起することができる1つまたは複数の共振器を含む、請求項1から18のいずれかに記載の環境発電装置。
  20. 入力振動からエネルギーを採取するための環境発電装置であって、
    前記入力振動に応答する第1の機械的増幅器と、
    前記第1の機械的増幅器に連結された第2の機械的増幅器と、を備え、
    前記第1および第2の機械的増幅器のうちの少なくとも一方が、パラメトリック共振器と、環境発電装置の出力を発生させるための減衰メカニズムと、を有し、
    前記減衰メカニズムが前記第1の機械的増幅器に直接的には作用しない、環境発電装置。
  21. 機械的振動を採取するための方法であって、
    前記振動によって第1の機械的増幅器を駆動するステップと、
    前記第1の機械的増幅器の出力によって第2の機械的増幅器を駆動するステップと、
    前記第2の機械的増幅器を減衰させることによってパワー出力を抽出するステップと、を備え、
    前記第1および第2機械的増幅器のうちの少なくとも一方が、パラメトリック共振において駆動される共振器である、方法。
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