以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態について説明する。図1及び図2は、本発明の一実施形態に係るプリンター100(画像形成装置)の斜視図である。図3は、図1および図2に示されるプリンター100の内部構造を概略的に示す断面図である。図1乃至図3に示される画像形成装置としてのプリンター100は、いわゆるモノクロプリンター機であるが、他の実施形態において、画像形成装置は、カラープリンター、ファクシミリ装置、これらの機能を備える複合機やトナー画像をシートに形成するための他の装置であってもよい。尚、以下の説明で用いられる「上」や「下」、「前」や「後」、「左」や「右」といった方向を表す用語は、単に、説明の明瞭化を目的とするものであり、画像形成装置の原理を何ら限定するものではない。
プリンター100は、シートSに画像を形成するための様々な装置を収容する筐体101を備える。筐体101は、筐体101の上面を規定する上壁102と、筐体101の底面を規定する底壁103(図3)と、上壁102と底壁103との間の本体後壁105(図3)と、本体後壁105の前方に位置する本体前壁104と、を含む。筐体101は、各種の装置が配置される本体内部空間107を備える。筐体101の本体内部空間107には、シートSが所定の搬送方向に搬送されるシート搬送路PPが延設されている。また、プリンター100は、筐体101に対して開閉自在に装着される開閉カバー100Cを備える。
開閉カバー100Cは、本体前壁104の上方部分である前壁上方部104Bと、上壁102の前方部分である上壁前方部102Bとから構成される。また、開閉カバー100Cは、左右方向の両端部に配置された一対のアーム部108に配置される不図示のヒンジ軸を支点として、上下方向に開閉可能とされる(図2)。開閉カバー100Cの開状態において、本体内部空間107の上方が外部に開放される。一方、開閉カバー200Cの閉状態において、本体内部空間107の上方が、閉塞される。
上壁102の中央部には、排紙部102Aが配置される。排紙部102Aは、上壁102の前方部分から後方部分にかけて、下方に傾斜した傾斜面からなる。排紙部102Aには、後記の画像形成部120において、画像が形成されたシートSが排出される。また、本体前壁104の上下方向の中央部には、手差しトレイ104Aが配置される。手差トレイ104Aは、下端を支点として、上下に回動可能である(図3の矢印DT)。
図3を参照して、プリンター100は、カセット110と、ピックアップローラー112と、第1給紙ローラー113と、第2給紙ローラー114と、搬送ローラー115と、レジストローラー対116と、画像形成部120と、定着装置130とを備える。
カセット110は、内部にシートSを収容する。カセット110は、リフト板111を備える。リフト板111は、シートSの先頭縁を押し上げるように傾斜する。カセット110は、筐体101に対して、前方に引き出し可能とされる。
ピックアップローラー112は、リフト板111によって押し上げられたシートSの先頭縁上に配置される。ピックアップローラー112が回転すると、シートSはカセット110から引き出される。
第1給紙ローラー113は、ピックアップローラー112の下流に配設され、シートSを更に下流に送り出す。第2給紙ローラー114は、手差しトレイ104Aの支点の内側(後側)に配設され、手差トレイ104A上のシートSを筐体101内に引き込む。
搬送ローラー115は、第1給紙ローラー113、第2給紙ローラー114のシート搬送方向(以下、単に搬送方向ともいう)の下流(以下、単に下流ともいう)に配設される。搬送ローラー115は、第1給紙ローラー113、第2給紙ローラー114によって送り出されたシートSを更に下流へ搬送する。
レジストローラー対116は、シートSの斜め搬送を矯正する機能を有する。これにより、シートS上に形成される画像の位置が調整される。レジストローラー対116は、画像形成部120による画像形成のタイミングに合わせて、シートSを画像形成部120に供給する。
画像形成部120は、感光体ドラム121(像担持体)と、帯電器122と、露光装置123と、現像装置20と、トナーコンテナ30(現像剤収容容器)と、転写ローラー126(転写部)と、クリーニング装置127とを備える。
感光体ドラム121は、円筒形状を有する。感光体ドラム121は、静電潜像が形成される表面を有するとともに、前記表面に該静電潜像に応じたトナー画像(現像剤像)を担持する。帯電器122は、所定の電圧が印加され、感光体ドラム121の周面を略一様に帯電させる。
露光装置123は、帯電器122によって帯電された感光体ドラム121の周面に、レーザー光を照射する。該レーザー光は、プリンター100に通信可能に接続されたパーソナルコンピュータなどの外部装置(図示せず)から出力された画像データに従って、照射される。この結果、感光体ドラム121の周面には、画像データに対応する静電潜像が形成される。
現像装置20は、静電潜像が形成された感光体ドラム121の周面にトナーを供給する。トナーコンテナ30は、現像装置20へトナーを補給する。トナーコンテナ30は、現像装置20に対して着脱自在に配設されている。現像装置20がトナーを感光体ドラム121に供給すると、感光体ドラム121の周面に形成された静電潜像が現像(可視化)される。この結果、感光体ドラム121の周面に、トナー画像(現像剤像)が形成される。
転写ローラー126は、感光体ドラム121の下方においてシート搬送路PPを挟んで感光体ドラム121に対向して配置される。転写ローラー126は、感光体ドラム121との間で転写ニップ部を形成し、トナー画像をシートSに転写させる。
クリーニング装置127は、シートSへトナー画像が転写された後に、感光体ドラム121の周面に残るトナーを除去する。
定着装置130は、画像形成部120よりも搬送方向下流側に配置され、シートS上のトナー画像を定着させる。定着装置130は、シートS上のトナーを溶融させる加熱ローラー131と、シートSを加熱ローラー131に密着させる圧力ローラー132と、を備える。
プリンター100は、定着装置130の下流に配設された搬送ローラー対133と、搬送ローラー対133の下流に配設された排出ローラー対134と、を更に備える。シートSは、搬送ローラー対133によって上方に搬送され、最終的に、排出ローラー対134によって、筐体101から排出される。筐体101から排出されたシートSは、排紙部102A上に積み重ねられる。
<現像装置について>
図4は、現像装置20の内部構造を示す平面図である。現像装置20は、一方向(現像ローラー21の軸方向、左右方向)に長尺の箱形形状を有する現像ハウジング210を備える。該現像ハウジング210は、貯留空間220を有する。貯留空間220には、現像ローラー21と、第1攪拌スクリュー23および第2攪拌スクリュー24と、トナー補給口25とが配設されている。本実施形態では、一成分現像方式が適用され、この貯留空間220には、トナーが現像剤として充填されている。一方、二成分現像方式の場合、トナーと磁性体からなるキャリアとが混合されたものが、現像剤として充填される。トナーは、貯留空間220内において攪拌搬送され、静電潜像を現像するために、逐次現像ローラー21から感光体ドラム121に供給される。
現像ローラー21は、現像ハウジング210の長尺方向に延設される円筒形状を有し、外周に回転駆動されるスリーブ部分を有する。
現像ハウジング210の貯留空間220は、不図示の天板によって覆われるとともに、左右方向に延びる仕切り板22によって、左右方向に長尺の第1搬送路221と第2搬送路222とに区画されている。仕切り板22は、現像ハウジング210の左右方向の幅よりも短く、仕切り板22の左端及び右端には、第1搬送路221と第2搬送路222とをそれぞれ連通させる第1連通路223及び第2連通路224が備えられている。これにより、貯留空間220には、第1搬送路221、第2連通路224、第2搬送路222及び第1連通路223に至る循環経路が形成される。トナーは、該循環経路内を図4において反時計回りに搬送される。
トナー補給口25(現像剤受入口)は、現像ハウジング210の前記天板に開口された開口部であり、第1搬送路221の左端付近の上方に配置されている。トナー補給口25は、上記の循環経路に対向して配置され、トナーコンテナ30のトナー排出口377から補給される補給トナー(補給現像剤)を貯留空間220に受け入れる機能を備える。
第1攪拌スクリュー23は、第1搬送路221に配設されている。第1攪拌スクリュー23は、第1回転軸23aと、この第1回転軸23aの周上にスパイラル状に突設された第1螺旋羽根23b(スクリュー羽根)とを含む。第1攪拌スクリュー23は、第1回転軸23a回り(矢印R2)に回転駆動されることで、図4の矢印D1方向にトナーを搬送する。第1攪拌スクリュー23は、トナー補給口25が第1搬送路221に対向する位置を通過するように現像剤を搬送する。これにより、第1攪拌スクリュー23は、トナー補給口25から流入する新しいトナーと、第2搬送路222側から第1搬送路221に搬入されたトナーとを混合しながら搬送する機能を有する。第1攪拌スクリュー23のトナー搬送方向(D1方向)下流側には、第1パドル23cが配設されている。第1パドル23cは、第1回転軸23a上に配設された板状部材である。第1パドル23cは、第1回転軸23aと共に回転され、図4の矢印D4方向に向かって、第1搬送路221から第2搬送路222に、トナーを受け渡す。
第2攪拌スクリュー24は、第2搬送路222に配設されている。第2攪拌スクリュー24は、第2回転軸24aと、この第2回転軸24aの周上にスパイラル状に突設された第2螺旋羽根24bとを含む。第2攪拌スクリュー24は、第2回転軸24a回り(矢印R1)に回転駆動されることで、図4の矢印D2方向にトナーを搬送しながら、現像ローラー21にトナーを供給する。第2攪拌スクリュー24のトナー搬送方向(D2方向)下流側には、第2パドル24cが配設されている。第2パドル24cは、第2回転軸24aと共に回転され、図4の矢印D3方向に向かって、第2搬送路222から第1搬送路221に、トナーを受け渡す。
トナーコンテナ30(図3)は、現像ハウジング210のトナー補給口25の上方に配置されている。トナーコンテナ30は、トナー排出口377(図4)を備える。トナー排出口377は、現像装置20のトナー補給口25に対応して、トナーコンテナ30の底部371(図8(B))に配設されている。トナー排出口377から落下したトナーは、トナー補給口25から現像装置20に補給される。
<トナー補給について>
次に、トナー補給口25から新たに補給されるトナーの流れについて説明する。図5は、現像装置20に配設されたトナー補給口25およびトナーコンテナ30に配設されたトナー排出口377付近の断面図である。
トナーコンテナ30のトナー排出口377から供給された補給トナーT2は、第1搬送路221に落下して既存のトナーT1と混合され、第1攪拌スクリュー23により矢印D1方向に搬送される。この際、トナーT1、T2は攪拌され、帯電される。
第1攪拌スクリュー23は、トナー補給口25よりトナー搬送方向下流側に、部分的に現像剤の搬送性能が抑制される抑制パドル28(搬送能力抑制部)を備える。本実施形態では、抑制パドル28は、第1攪拌スクリュー23の隣接する第1螺旋羽根23b間に配置された板状部材である。抑制パドル28が第1回転軸23a回りに回転することで、抑制パドル28よりも上流側から搬送されるトナーは滞留し始める。そして、これらのトナーの滞留は、抑制パドル28の直ぐ上流側であって、トナー補給口25が第1搬送路221に対向する位置まで累積していく。この結果、トナー補給口25の入口付近には、現像剤の滞留部29(現像剤滞留部)が形成される。
トナー補給口25から補給トナーT2が補給され、貯留空間220内のトナー量が増えると、この滞留部29で滞留するトナーがトナー補給口25を塞ぎ(封止し)、それ以上のトナーの補給を抑制する。その後、貯留空間220内のトナーが現像ローラー21から消費され滞留部29で滞留するトナーが減少すると、トナー補給口25を塞いでいたトナーが減り滞留部29とトナー補給口25との間に隙間が生じる。この結果、再び補給トナーT2がトナー補給口25から貯留空間220に流入する。このように、本実施形態では、滞留部29に滞留するトナーの減少に伴って、補給トナー量の受入量が調整される体積補給型のトナー補給形式が採用される。
<トナーコンテナの現像装置に対する装着について>
図6および図7は、本実施形態に係るトナーコンテナ30および現像装置20の斜視図である。トナーコンテナ30は、筐体101内の現像装置20に対して着脱可能とされる。図2を参照して、筐体101の開閉カバー100Cが上方に開放されると、現像装置20の現像ハウジング210に備えられたコンテナ収容部109が、筐体101の外部に露出する。図6および図7を参照して、現像ハウジング210は、一対のハウジング左壁210Lおよびハウジング右壁210Rを備える。コンテナ収容部109は、ハウジング左壁210Lおよびハウジング右壁210Rの間に形成されている。本実施形態では、トナーコンテナ30はコンテナ収容部109に対して略上方から装着される(図6および図7の矢印DC参照)。この際、トナーコンテナ30の後記のカバー39がハウジング右壁210R側に配置され、トナーコンテナ30の後記の蓋部31が、ハウジング左壁210L側に配置される。現像ハウジング210は、一対のガイド溝109Aを備える(図7)。ガイド溝109Aは、ハウジング左壁210Lおよびハウジング右壁210Rに形成された溝部分である。
更に、図7を参照して、現像装置20は、第1伝達ギア211と、第2伝達ギア212と、第3伝達ギア213と、を備える。また、プリンター100は、筐体101に備えられた第1モーターM1と、第2モーターM2と、制御部50と、を備える。第1伝達ギア211、第2伝達ギア212および第3伝達ギア213は、ハウジング右壁210Rに回転可能に支持されたギアである。第1伝達ギア211は第2伝達ギア212に連結されている。また、第1伝達ギア211は不図示のギア群を介して、現像ローラー21、第1攪拌スクリュー23および第2攪拌スクリュー24に連結されている。現像装置20が筐体101に装着されると、第1モーターM1が第3伝達ギア213に連結されるとともに、第2モーターM2が第1伝達ギア211に連結される。
第1モーターM1は、第3伝達ギア213を介して、トナーコンテナ30の後記のシャフト33を回転させることで、トナーコンテナ30の後記の移動壁32を移動させる。第2モーターM2は、第1伝達ギア211を介して、現像装置20の現像ローラー21、第1攪拌スクリュー23および第2攪拌スクリュー24を回転させる。更に、第2モーターM2は、第1伝達ギア211および第2伝達ギア212を介して、トナーコンテナ30の後記の攪拌部材35を回転させる。制御部50は、プリンター100の印刷動作などにおいて、第1モーターM1および第2モーターM2をそれぞれ制御し、現像装置20およびトナーコンテナ30の各部材を駆動させる。
<トナーコンテナの構造について>
次に、図8乃至図12を参照して、本発明の一実施形態に係るトナーコンテナ30(現像剤収容容器)について説明する。図8は、本実施形態に係るトナーコンテナ30の(A)平面図、(B)正面図である。図9は、トナーコンテナ30の分解斜視図である。図10は、トナーコンテナ30の断面図である。図11および図12は、本実施形態に係るトナーコンテナ30の内部の様子を示した斜視図である。なお、図11および図12は、トナーコンテナ30の後記のコンテナ本体37が部分的に欠落された斜視図である。図13は、トナーコンテナ30内のシャフト33の斜視図である。図14は、トナーコンテナ30の分解斜視図である。また、図15は、トナーコンテナ30のカバー39の斜視図(A)、(B)である。更に、図16は、トナーコンテナ30の分解斜視図(A)、(B)である。
トナーコンテナ30は、左右方向(第1方向、図10の矢印DA方向)に延びる筒形状からなる。トナーコンテナ30は、内部に補給トナー(現像剤)を収容する。図9を参照して、トナーコンテナ30は、蓋部31と、移動壁32と、シャフト33(シャフト部)と、第1シール34と、攪拌部材35と、第2シール36と、コンテナ本体37(容器本体)と、充填口キャップ30K(図14)と、トナーセンサーTS(図16)と、第1ギア381(図9)(第1駆動伝達部)と、第2ギア382(第2駆動伝達部、第2ギア部)と、カバー39と、を備える。
蓋部31(図9、図10)は、コンテナ本体37に固定され、コンテナ本体37の開口部を封止する。蓋部31は、蓋軸穴部31J(軸支部)と、当接部311(規制面)と、第1ガイド部312と、を備える。蓋軸穴部31Jは、蓋部31の中央部に備えられ、シャフト33を回転可能に軸支する。蓋軸穴部31Jは、蓋部31の右側の側面(内面部)から左方向に所定の長さだけ形成された孔部である。当接部311は、蓋軸穴部31Jの底面部に相当する。当接部311には、シャフト33の端面が当接する。当接部311は、シャフト33の第1方向における位置を規制する機能を備えている。第1ガイド部312(図11)は、蓋部31の左側の側面(外面部)において、上下方向に延びるように形成された突起部である。第1ガイド部312は、トナーコンテナ30が現像装置20に装着されることをガイドする機能を備える。
コンテナ本体37は、筒形状からなるトナーコンテナ30の本体部分である。コンテナ本体37は、内周部37Kと、内部空間37H(図10、図11)と、を備える。内周部37Kは、コンテナ本体37の内周面であって、トナーコンテナ30の長手方向(第1方向、図10および図11の矢印DA方向)に沿って筒状に延びている。
また、図8(A)、(B)を参照して、コンテナ本体37は、底部371と、天板372と、前壁373と、後壁374と、右壁375(壁部)(図10)と、本体フランジ部37F(図9)と、突出壁376(図9、図10)と、を備える。底部371は、コンテナ本体37の底部分であって、下方に向かって突出した半円筒形状からなる。換言すれば、前記第1方向と交差する断面視において、底部371は円弧形状からなる。前壁373および後壁374は、底部371の側端から上方に向かって立設された一対の側壁である。天板372は、底部371の上方に配置され内部空間37Hの上方を覆う。右壁375は、底部371、前壁373、後壁374および天板372の第1方向の一端側(右端側)に連設され、コンテナ本体37を塞ぐ壁部である。なお、内部空間37Hは、底部371、天板372、前壁373、後壁374によって形成される内周部37Kと、更に、右壁375および蓋部31よって画定される空間である。この際、右壁375は、内部空間37Hの第1方向の一の端面を画定する。また、内部空間37Hのうち、右壁375と移動壁32との間の領域が、収容空間37Sとされる。収容空間37Sは、トナーコンテナ30の内部において、トナーが収容される空間である。
図10に示すように、コンテナ本体37のうち右壁375の第1方向の反対側は開口されている。本体フランジ部37Fは、該開口部を形成するとともに、コンテナ本体37の左端部の外径が僅かに拡大された領域である。蓋部31が本体フランジ部37Fに固定されると、蓋部31はコンテナ本体37の内部空間37Hを塞ぐ。なお、蓋部31の外周縁である蓋溶着部31F(図16)は、本体フランジ部37Fに超音波溶着(溶着)される。
図9および図10を参照して、突出壁376は、コンテナ本体37の外周部が右壁375よりも右側に突出した部分である。突出壁376には、カバー39が装着される。
また、コンテナ本体37は、トナー排出口377(現像剤排出口)と、シャッター30Sと、把持部37Lと、前切欠き部37Mと、下切欠き部37Nと、充填口37Gと、本体軸受部37J(軸穴部)と、を備える。
トナー排出口377は、内周部37Kに連通してコンテナ本体37の下面部に開口されている開口である。図10および図11に示すように、トナー排出口377は、コンテナ本体37の右端部(第1方向の一端部)に開口されている。換言すれば、トナー排出口377は、第1方向において右壁375に隣接して配置されている。
また、トナー排出口377は、第1方向に沿って所定の長さをもって、かつ、底部371の円弧形状に沿って所定の幅をもって、矩形形状に開口されている。本実施形態では、トナー排出口377は、底部371の下端部よりも周方向に沿って後側にずれた位置に開口されている。
収容空間37Sに収容されたトナーはトナー排出口377から現像装置20に向かって排出される。本実施形態では、上記のように、底部371、前壁373、後壁374および天板372によってコンテナ本体37の内部空間37Hが形成されている。このため、トナーの自重によって、収容空間37S内のトナーが円弧形状からなる底部371に集まるため、後記の移動壁32によって搬送されるトナーを効率的にトナー排出口377から排出させることができる。
シャッター30S(図6)は、コンテナ本体37の右端部において、スライド移動可能に配置されている。シャッター30Sは、トナー排出口377をコンテナ本体37の外側から塞ぐ(封止する)とともに、トナー排出口377を外部に露出させる。シャッター30Sのスライド移動は、トナーコンテナ30の現像装置20に対する装着動作に連動される。
把持部37L(図9)は、コンテナ本体37の天板372の後側部分において、左右方向に沿って突設された突起である。把持部37Lは、ユーザーによって把持される。前切欠き部37Mは、突出壁376の前側の側面の一部が、左方に向かって切り欠かれた領域である。前切欠き部37Mは、充填口37Gを露出させる。また、下切欠き部37Nは、突出壁376の下側の側面の一部が、径方向内側に向かって凹没された領域である。下切欠き部37Nには、後記のカバー39の第4突片395(図15)が係合される。
充填口37Gは、右壁375から右側に突設された円筒形状からなる。充填口37Gの円筒内部は、右壁375を第1方向に沿って貫通するように形成されている。そして、充填口37Gは、コンテナ本体37の外側と収容空間37Sとを連通させる。トナーコンテナ30の製造段階で、充填口37Gから収容空間37Sにトナーが充填される。
本体軸受部37Jは、右壁375に形成された軸受である。本体軸受部37Jは、右壁375の中央部から右方に向かって突出した円筒形状からなる。図10を参照して、本体軸受部37Jは、大径部37J1と、小径部37J2とを備える。大径部37J1は、右壁375から右方に向かって突設された円筒部である。小径部37J2は、大径部37J1の右端部に連結され、大径部37J1よりも小径の円筒部である。本体軸受部37Jには、シャフト33が挿通される。この際、シャフト33の右端側がコンテナ本体37の外側に突出する。更に、本体軸受部37Jの円筒内部において、本体軸受部37Jとシャフト33との間には、攪拌部材35の一部(攪拌軸受部351)が挿通されている。
充填口キャップ30K(図14)は、コンテナ本体37の充填口37Gに装着され、充填口37Gを封止する。充填口37Gからトナーが収容空間37Sに充填された後、充填口キャップ30Kが充填口37Gに装着され、溶着される。この結果、充填口37Gからトナーが漏れ出すことが防止される。
移動壁32は、コンテナ本体37の内部(内部空間37H)において第1方向に面して配置される壁部である。移動壁32は、収容空間37Sの第1方向の一方の端面(左端面)を画定する。なお、収容空間37Sの第1方向の他方の端面(右端面)は、右壁375によって画定されている。また、移動壁32は、トナーコンテナ30の使用開始時から使用終了時までの間、収容空間37Sのトナーをトナー排出口377に向かって搬送しながら、第1方向の一端側の初期位置から他端側の最終位置まで、内部空間37H内を第1方向に移動する機能を備える。本実施形態では、移動壁32の初期位置は、蓋部31の右側(第1方向下流側)に配置され、最終位置はトナー排出口377の直左側(第1方向上流側)に配置されている。また、移動壁32は、第1モーターM1が発生する回転駆動力によって移動される。なお、蓋部31は、移動壁32よりも第1方向上流側に配置されている。また、右壁375は、移動壁32よりも第1方向下流側に配置されている。
図10乃至図12を参照して、移動壁32は、搬送壁部320と、外周壁部321と、ガイドリブ320A(図12)と、内部リブ320B(図11)と、円筒部320Cと、内壁シール322(シール部材)と、シャフトシール323(清掃部材)と、軸受部32J(図10)と、外周部32Kと、を備える。
搬送壁部320は、コンテナ本体37の内周部37Kとともに収容空間37Sを画定する壁部である。特に、搬送壁部320は、シャフト33に垂直な搬送面320Sを備える。搬送面320Sは、移動壁32の移動に伴って、収容空間37S内のトナーを押圧しながら搬送する。本実施形態では、搬送面320Sは、テーパ面320T(図10、図12)を備える。テーパ面320Tは、シャフト33の周囲を囲むように、搬送面320Sの一部が第1方向下流側に向かって傾斜することで形成される。
軸受部32Jは、搬送壁部320の略中央部に形成された軸受部である。軸受部32Jは移動壁32を保持しながら第1方向に沿って移動する。後記のシャフト33は、この軸受部32Jに挿通されている。
円筒部320Cは、搬送壁部320のうち搬送面320Sとは反対側の面から第1方向上流側に向かって突設される円筒部分である。円筒部320Cは、軸受部32Jの一部を形成する。円筒部320Cは、雌螺旋部320Dを備える。雌螺旋部320Dは、円筒部320Cの内周面に形成された螺旋状のねじ部である。雌螺旋部320Dは、シャフト33の後記の雄螺旋部333と係合することで、移動壁32を第1方向に沿って移動させる機能を備える。この際、円筒部320Cの内壁とシャフト33の外周部との接触によって、移動壁32の姿勢が維持される。このため、シャフト33に対して移動壁32の搬送壁部320が傾斜することが抑止される。
外周壁部321は、搬送壁部320の外周縁全体から収容空間37Sとは反対側、すなわち、移動壁32の移動方向上流側(第1方向上流側)に向かって突設されている壁部である。外周壁部321は、コンテナ本体37の内周部37Kに対向して配置される。ガイドリブ320Aは、外周壁部321において第1方向に沿って延設されたリブ部材である。ガイドリブ320Aは、外周壁部321の周面において、シャフト33の回転における周方向に間隔をおいて複数配置されている。ガイドリブ320Aは、コンテナ本体37の内周部37Kに僅かに接触し、コンテナ本体37の内部において移動壁32がシャフト33に対して傾斜することを抑止する機能を備える。
内部リブ320Bは、図11に示すように、円筒部320Cの外周面と外周壁部321の内周面とを連結するリブである。内部リブ320Bは、周方向に沿って複数配置されている。なお、図10の断面図は、シャフト33の軸心を通る上下方向の断面図であるため、一部の内部リブ320Bと搬送壁部320とが繋がった状態で図示されている。
内壁シール322は、外周壁部321の搬送壁部320側において、搬送壁部320の周囲を覆うように配置されるシール部材である。内壁シール322はウレタンスポンジからなる弾性部材である。テープ状の内壁シール322の一端が、搬送壁部320の上部に固定された後、内壁シール322が搬送壁部320の回りに巻きつけられながら固定される。そして、内壁シール322の他端が前記内壁シール322の一端に重なるように固定される。内壁シール322は、コンテナ本体37の内周部37Kと移動壁32との間で圧縮変形する。また、内壁シール322は、移動壁32の外周部32Kを形成する。外周部32Kは、コンテナ本体37の内周部37Kに密接して配置される。内壁シール322によって、収容空間37Sのトナーが、コンテナ本体37の内周部37Kと移動壁32との間から、移動壁32よりも移動方向上流側に流出することが防止される。なお、前述のガイドリブ320Aは、内壁シール322よりも第1方向上流側に配置されている。
シャフトシール323は、軸受部32Jにおいて雌螺旋部320Dよりも移動壁32の移動方向先端側に固定されている(図11)。特に、本実施形態では、シャフトシール323は、搬送面320Sのテーパ面320Tの先端部に配置されている。シャフトシール323はウレタンスポンジからなる弾性部材である。シャフトシール323は、移動壁32の移動に伴って、シャフト33の雄螺旋部333と接触する。この際、シャフトシール323は、雌螺旋部320Dよりも先に雄螺旋部333に接触し、雄螺旋部333に付着したトナーを清掃する。したがって、トナーが雄螺旋部333からほぼ除去された状態で、雄螺旋部333が雌螺旋部320Dに係合する。このため、雄螺旋部333と雌螺旋部320Dとの間でトナーが凝集することが抑止され、移動壁32の移動が安定して実現される。また、シャフトシール323はリング形状を有するため、シャフト33の周方向全体に亘ってシャフト33に密着する。このため、収容空間37Sのトナーが軸受部32Jを通って移動壁32よりも移動方向上流側に流出することが防止される。
シャフト33は、内部空間37Hにおいて第1方向に延びるようにコンテナ本体37の右壁375および蓋部31に回転可能に支持されている。シャフト33は、第1シャフト端部331と、第2シャフト端部332と、雄螺旋部333と、移動壁停止部334と、移動壁支持部335と、シャフトフランジ336と、を備える。
図9および図10を参照して、第1シャフト端部331は、シャフト33の右端部(第1方向の一方の端部)である。第1シャフト端部331は、本体軸受部37Jを貫通して右側に突出したシャフト33の先端部である。図9に示すように、第1シャフト端部331の周面には、一対のD面が形成されている。第1シャフト端部331には、中央部にD穴形状を備える第2ギア382が係合される。この結果、シャフト33と第2ギア382とが一体回転可能とされる。また、第2ギア382を貫通した第1シャフト端部331の先端部は、カバー39の後記の第2ガイド部391の内部に進入するように配置される。第2シャフト端部332は、シャフト33の左端部(第1方向の他方の端部)である。第2シャフト端部332は、蓋部31に形成された蓋軸穴部31Jに軸支される。
雄螺旋部333は、内部空間37Hにおいてシャフト33の外周面に形成された螺旋状のねじ部である。本実施形態では、雄螺旋部333は、図10に示すようにシャフト33のうち蓋部31に隣接する領域から、トナー排出口377よりも第1方向(図10の矢印DA)上流側の領域まで配置されている。
移動壁停止部334は、雄螺旋部333の第1方向下流側に連続して配置されている。移動壁停止部334は、内部空間37H内のシャフト33において雄螺旋部333が部分的に欠落された軸部分のみの領域である。移動壁停止部334は、トナー排出口377の上方であって、トナー排出口377よりも第1方向上流側に位置している。
移動壁支持部335は、移動壁停止部334の第1方向下流側に配置されている。換言すれば、雄螺旋部333と移動壁支持部335とは第1方向において不連続とされている。移動壁支持部335は、シャフト33の周面から径方向に突設された突起部である。図10に示すように、移動壁支持部335は、トナー排出口377の第1方向上流側端部の上方に配置されている。図13では、シャフト33およびシャフト33Zの斜視図および拡大斜視図が示されている。なお、シャフト33Zは、後記の変形実施形態で説明するが、本実施形態におけるシャフト33と比較して、移動壁支持部335が備えられていない。
移動壁支持部335は、移動壁32が最終位置に至った際に、移動壁32の搬送面320Sの第1方向に対する傾斜(シャフト33に対する傾斜)を抑制する機能を備える。移動壁支持部335は、シャフト33の周面において周方向に沿って配置されたリング形状からなる。なお、本実施形態では、移動壁支持部335は、第1方向に沿って複数(2つ)配置されている。詳しくは、移動壁支持部335は、第1支持部335Aと、第2支持部335Bとを備える(図13)。第1支持部335Aは、第1方向上流側に配置されたリング状の突起である。第2支持部335Bは、第1方向下流側に配置されたリング状の突起である。図13の拡大図で示すように、第1支持部335Aは、第1方向の略中央部に配置された稜線を中心に、第1方向上流側および下流側に向かって先下がりに傾斜した傾斜面を備えている。一方、第2支持部335Bは第1方向下流側に向かって先上がりに傾斜した傾斜面と、当該傾斜面に連結された側端面335Cを備える。側端面335Cは、第1方向に面して、かつ、第1方向に対して垂直に配置されている。
なお、第1支持部335Aおよび第2支持部335Bがシャフト33の周面から突出する高さは、雄螺旋部333の山の高さと同じ、または、雄螺旋部333の山の高さよりも僅かに高く設定されてもよい。
シャフトフランジ336は、移動壁支持部335よりも第1方向下流側に間隔をおいて配置されている。シャフトフランジ336は、シャフト33の周面から径方向に突設された円板状のフランジである。なお、図9、図10および図13に示すように、シャフトフランジ336は第1方向において隣接するように、2枚配置されている。第1方向下流側のシャフトフランジ336は、第1方向上流側のシャフトフランジ336よりも小径である。この下流側のシャフトフランジ336は、攪拌部材35の後記の攪拌円筒部354(図11)とともに、第1シール34(図10)を圧縮する機能を備える。一方、上流側のシャフトフランジ336は、攪拌円筒部354の内部にトナーが進入することを抑止する機能を備える。
第1シール34は、上記のように、シャフト33のシャフトフランジ336と、攪拌部材35の攪拌円筒部354の側面との間で圧縮して配置されるリング状のシール部材である。第1シール34は、スポンジ材からなる。第1シール34は、攪拌部材35の攪拌軸受部351(図10)の内周面とシャフト33の周面との間を通って、トナーがコンテナ本体37の外側に漏れ出すことを防止する。
攪拌部材35(図9、図10)は、トナー排出口377の上方において、右壁375に沿って配置される。攪拌部材35は、収容空間37S内のトナーを攪拌する。本実施形態では、攪拌部材35は、シャフト33回りに、かつ、シャフト33に対して相対的に回転する。図11において、攪拌部材35は矢印DB方向に回転される。攪拌部材35は、攪拌軸受部351(第1円筒部)と、攪拌支持部352(回転部)と、攪拌羽根353(羽根部)と、攪拌円筒部354(図10、図11)とを備える。
攪拌軸受部351は、シャフト33に外嵌される円筒形状からなる。攪拌軸受部351はコンテナ本体37の収容空間37S側から本体軸受部37Jに挿通される。この結果、攪拌軸受部351の右端側は、本体軸受部37Jを貫通して右壁375(本体軸受部37J)よりもコンテナ本体37の外側に露出する(図14参照)。一方、攪拌軸受部351の左端側は、収容空間37S内に配置される。攪拌軸受部351の右端部には、第1係合部35Kが形成されている(図9)。第1係合部35Kは、第1ギア381の内周面に形成された第2係合部381Kと係合する。この結果、攪拌部材35と第1ギア381とが一体的に回転する。
攪拌支持部352は、円筒状の攪拌軸受部351の左端側からシャフト33の回転における径方向に突設される突片である。攪拌支持部352は、右壁375に沿って、第1方向に面して配置される。攪拌支持部352は、収容空間37Sにおいてシャフト33回りに回転する。特に、本実施形態では、攪拌支持部352は、一対配置されている。すなわち、一方の攪拌支持部352は、右壁375に沿って、シャフト33よりも径方向外側に向かって延びるように配置されている。また、他方の攪拌支持部352は、上記の一方の攪拌支持部352とは周方向において異なる位置から、径方向外側に向かって延びるように配置されている。換言すれば、一対の攪拌支持部352は、径方向において互いに反対側に向かって延びるように配置されており、径方向外側に向かって周方向の幅が広く設定されたプロペラ形状を備えている。このため、攪拌支持部352が円板形状からなる場合と比較して、攪拌支持部352と右壁375との隙間に入ったトナーが動きやすく、当該トナーが凝集することが防止される。
攪拌羽根353は、一対の攪拌支持部352から、左側(第1方向上流側)に向かって突設された羽根部材である。図11および図12に示すように、攪拌羽根353は、各攪拌支持部352から2つずつ突設されている。攪拌羽根353は、シャフト33の軸方向と直交する断面視において、L字型形状を備えている(図17(B)参照)。攪拌羽根353は、トナー排出口377の上方を周回しながら、トナー排出口377の周辺のトナーを攪拌するとともに、トナー排出口377からトナーを排出する。
攪拌円筒部354は、攪拌軸受部351のうち攪拌支持部352よりも左側の領域である。攪拌円筒部354の外径は、攪拌支持部352よりも右側の攪拌軸受部351の外径よりも大きく設定されている。図10に示すように、攪拌円筒部354の内部には、第1シール34が圧縮して配置されている。
第2シール36は、コンテナ本体37の大径部37J1の内部に配置されるリング状のシール部材である。第2シール36は、本体軸受部37Jの大径部37J1と小径部37J2との段差部と、攪拌部材35の攪拌支持部352の右側面に形成されたリング状の突起との間で圧縮して配置される。第2シール36は、スポンジ材からなる。第2シール36は、攪拌部材35の攪拌軸受部351の外周面と本体軸受部37Jの内周面との間を通って、トナーがコンテナ本体37の外側に漏れ出すことを防止する。
第1ギア381は、攪拌部材35に回転駆動力を伝達する。第1ギア381は、第1伝達ギア211および第2伝達ギア212を介して第2モーターM2に連結される(図7)。第1ギア381は、本体軸受部37Jを貫通した攪拌部材35の攪拌軸受部351に連結される。第1ギア381は、円筒状のギア円筒部381A(第2円筒部)と、第1ギア部381Bとを備える(図10)。
ギア円筒部381Aは、攪拌部材35の攪拌軸受部351に外嵌される円筒部である。また、前述のように、攪拌部材35の第1係合部35K(図9)が第1ギア381の第2係合部381Kに連結されることで、ギア円筒部381Aが攪拌軸受部351に連結される。この結果、第1ギア381と攪拌部材35とが一体的に回転する。
第1ギア部381Bは、円筒ギア部381Aの右端部に配置されるギアである。第1ギア部381Bは、ギア円筒部381Aよりも大きな外径からなる。第1ギア部381Bの周面には複数のギア歯が備えられている。
第2ギア382は、シャフト33に回転駆動力を伝達する。第2ギア382の周面にも複数のギア歯が備えられている。第2ギア382は、第3伝達ギア213を介して第1モーターM1に連結される(図7)。図10に示すように、シャフト33の右端部は、攪拌部材35の攪拌軸受部351を貫通するように配置されている。そして、第2ギア382は、攪拌軸受部351を貫通したシャフト33の先端部(第1シャフト端部331)に連結(固定)されている。なお、図10に示すように、第2ギア382の側面は攪拌部材35の攪拌軸受部351の先端に対向している。また、第2ギア382は、第1方向において、第1ギア部381Bに隣接して配置されている。なお、第1ギア381および第2ギア382は、移動壁32の移動方向(第1方向)下流側に配置されている。
換言すれば、図10に示すように、第1ギア381および第2ギア382は、コンテナ本体37の外側において、コンテナ本体37の右壁375に対向する位置に集約して配置されている。このため、トナーコンテナ30全体を、特に第1方向において、コンパクトに構成することができる。また、蓋部31および右壁375の両方に、貫通する軸穴を設ける必要が低減される。このため、トナー(現像剤)の漏れや蓋部31および右壁375の剛性の低下が抑止される。また、本実施形態では、円筒ギア部381Aを備える第1ギア381の形状によって、第1ギア381および第2ギア382が隣接して配置される。したがって、第1ギア381および第2ギア382に駆動力を入力する駆動部(第1伝達ギア211、第2伝達ギア212および第3伝達ギア213)を現像装置20の内部に集約して配置することができる。
カバー39は、コンテナ本体37の突出壁376に装着される。カバー39は、第1ギア381および第2ギア382の周方向の一部を外部に露出させ、かつ、第1ギア381および第2ギア382の周方向の他の部分を覆う機能を備えている。図15を参照して、カバー39は、第2ガイド部391と、第1突片392と、第2突片393と、第3突片394と、第4突片395と、第1穴部396と、第2穴部397と、ギア用開口部39Kとを備えている。
第2ガイド部391は、カバー39の右側の側面において、上下方向に沿って右側に突設される突起部である。第2ガイド部391は、蓋部31の第1ガイド部312とともに、トナーコンテナ30が現像装置20に装着されることをガイドする機能を備える。なお、図10に示すように、第2ガイド部391の内部には、第2ギア382を貫通した第1シャフト端部331の先端部が収容される。
第1突片392、第2突片393、第3突片394および第4突片395は、カバー39の外周縁から左方に向かって突設される突片である。これらの突片は、いわゆるスナップフィットとして、カバー39がコンテナ本体37に装着される際に使用される。第1穴部396および第2穴部397は、カバー39の左側の側面の外周縁付近において開口された孔部である。一方、図14を参照して、コンテナ本体37は、更に、右側に向かってピン状に突設された第1スタッド37Pおよび第2スタッド37Qを備える。カバー39がコンテナ本体37に装着される際に、第1スタッド37Pおよび第2スタッド37Qが、それぞれ、第1穴部396および第2穴部397に挿入されることで、カバー39の周方向の位置が規定される。
ギア用開口部39Kは、図15(A)に示すように、カバー39の下面部が半円弧形状をもって開口された開口部である。カバー39がコンテナ本体37に装着されると、第1ギア381および第2ギア382のギア歯の一部がギア用開口部39Kを介してトナーコンテナ30の外側に露出する。この結果、トナーコンテナ30が現像装置20の現像ハウジング210に装着された際に、第1ギア381および第2ギア382がそれぞれ第2伝達ギア212および第3伝達ギア213(図7)に係合される。このように、ギア用開口部39Kを備えることによって、第1ギア381および第2ギア382を保護しながら、第1ギア381および第2ギア382に回転駆動力を入力することができる。
トナーセンサーTS(図8(B)、図16)は、コンテナ本体37の底部371に配置されるセンサーである。トナーセンサーTSは、周方向においてトナー排出口377に隣接して配置されており、本実施形態では、底部371の最下面部に固定されている。トナーセンサーTSは、透磁率センサーもしくは圧電素子からなるセンサーである。トナーセンサーTSが圧電素子からなる場合、トナーセンサーTSのセンサー部分は収容空間37Sに露出している。トナーセンサーTSは、収容空間37Sのトナーに押圧されることで、HIGH信号(+5V)を出力する。また、トナーセンサーTSの上方にトナーがほとんど存在しない場合には、トナーセンサーTSはLOW信号(0V)を出力する。トナーセンサーTSの出力信号は、制御部50(図7)によって参照される。なお、トナーセンサーTSが透磁率センサーの場合、センサーが直接トナーに接触する必要がない。このため、他の実施形態において、トナーセンサーTSは、コンテナ本体37の外壁に対向するように現像装置20の現像ハウジング210側に配置されてもよい。更に、トナーセンサーTSの配置は、底部371に限定されるものではない。他の実施形態において、トナーセンサーは、コンテナ本体37の天板372、前壁373および後壁374などに配置されてもよい。
<トナーコンテナの組み立てについて>
次に、トナーコンテナ30の組み立て手順の概要について説明する。図9を参照して、第1シール34がシャフト33の第1シャフト端部331側に挿通される。第1シール34はシャフトフランジ336に当接する。一方、攪拌部材35の攪拌軸受部351側に第2シール36が挿通される。第2シール36は攪拌支持部352の基端部に配置されたリング状の突起部に当接する。更に、シャフト33の第1シャフト端部331側が攪拌部材35の攪拌軸受部351に挿通される。この後、シャフト33の第2シャフト端部332側に移動壁32が挿通される。移動壁32の雌螺旋部320Dとシャフト33の雄螺旋部333とが係合するために、移動壁32は数回転分、回転されながらシャフト33に装着される。移動壁32、シャフト33、第1シール34、攪拌部材35および第2シール36が一体とされた状態で、シャフト33の第1シャフト端部331側がコンテナ本体37の本体フランジ部37F側から内部空間37Hに挿入される。第1シャフト端部331は、本体軸受部37Jを貫通して、図14に示すように、コンテナ本体37の右端側に突出する。その後、図16を参照して、コンテナ本体37の本体フランジ部37Fに蓋部31の蓋溶着部31Fが超音波溶着される。この結果、コンテナ本体37の内部に内部空間37H、収容空間37Sが形成される。コンテナ本体37の充填口37Gが開放された状態で、収容空間37Sにトナーが充填される。
<現像剤の充填について>
図17は、本実施形態に係るトナーコンテナ30の(A)正面図、(B)断面図である。図17(B)は、図17(A)のD−D位置の断面図である。図18は、トナーコンテナ30の(A)斜視図、(B)断面斜視図である。図18(B)の断面斜視図は、図18(A)のC−C位置における断面を含む。
図17および図18を参照して、本実施形態では、第1方向上流側(左側、図17(B)の紙面手前側)から右壁375を見た場合、攪拌部材35のシャフト33回りの所定の回転位置において、充填口37Gが露出する形状を攪拌部材35が備えている。詳しくは、図17(B)に示すように、攪拌部材35がシャフト33回りの所定の回転位置に配置されると、周方向において一方の攪拌支持部352と他方の攪拌支持部352との間に、充填口37Gが露出する。したがって、右壁375に沿った位置で攪拌部材35が回転可能とされている場合であっても、図17(B)、図18(B)に示すように攪拌部材35の回転位置を合わせることで、充填口37Gを介して収容空間37Sにトナーをスムーズに充填することが可能となる。
また、上記のように、本実施形態では収容空間37Sにトナーを充填するための充填口37Gが右壁375に開口されている。図21は、本実施形態に係るトナーコンテナ30と比較される他のトナーコンテナ30Dの断面図(A)、(B)である。また、図22(A)は、同様に、トナーコンテナ30Dの断面図であり、図22(B)は、本実施形態に係るトナーコンテナ30と比較される他のトナーコンテナ30Eの断面図である。
図21(A)、(B)、図22(A)に示されるトナーコンテナ30Dでは、トナーを充填するための充填口32D1が移動壁32Dに開口されている。この場合、蓋部31Dがコンテナ本体37Dに溶着される前にトナーが充填される。
移動壁32Dにはシャフト33Dが挿通されるための軸受部32JDが開口されている。そして、上記のように、移動壁32Dに充填口32D1が更に開口された場合、移動壁32Dの剛性が低下しやすい。移動壁32Dの剛性が低い場合、移動壁32Dがシャフト33Dに沿ってトナー排出口377Dに向かって移動する際、移動壁32Dがシャフト33Dに対して傾きやすくなる。一方、本実施形態のように、充填口37Gが右壁375側に開口されていると(図18)、移動壁32には軸受部32Jだけが開口されればよく、移動壁32の剛性が高く維持される。
更に、プリンター100では、トナーコンテナ30内に充填されるトナー充填量が複数設定される場合がある。一例として、各トナーコンテナ30のプリント可能枚数が複数設定される場合、予めトナーコンテナ30に充填されるトナー量はプリント可能枚数に応じて設定される。トナーコンテナ30D内に多くのトナーが充填される場合、移動壁32Dが図21(A)に示すように左端部に配置された状態で、トナーが充填される。一方、トナーコンテナ30D内に充填されるトナー量が少ない場合、充填後のトナーは図21(B)に示すように、トナーコンテナ30Dの底付近に分布する。このようなトナーコンテナ30Dがプリンター100に装着された場合には、プリンター100の使用に先だって、移動壁32Dが図22(A)に示す位置まで移動される必要がある。このように、トナーコンテナ30Dでは、プリンター100の製造工程、または、ユーザーの使用場所において初期的に移動壁32Dを移動させる時間が必要となり、プリンター100の製造工数の増大、または、使用場所での準備時間の増大がもたらされる。
図22(B)を参照して、トナーコンテナ30Eでは、雄螺旋部333Eがシャフト33Eの第1方向の中央部に部分的に配置されている。そして、シャフト33Eの左端側には、雄螺旋部333Eが配置されていない軸部だけの領域33E1が設定されている。この場合、移動壁32Eの軸受部32JEが領域33E1を通過しながら、移動壁32Eを予め図22(B)に示す位置に配置させることができる。しかしながら、この場合、図22(B)で示す状態で、充填口32E1を介してトナーが充填されるために、充填設備(ノズル)がトナーコンテナ30Eの内部にまで進入する必要が生じる。この結果、充填設備の形状が複雑化される。特に、充填口32E1まで届くような細長の充填用ノズルが配置されると、当該ノズル内でトナーが詰まりやすくなる。また、充填時に移動壁32Eが動きやすいため、充填効率が低下する。また、移動壁32Eの位置が不安定なため、充填口32E1に充填口キャップ32E2を溶着することが困難となる。一方、本実施形態のように、充填口37Gが右壁375側に開口されていると、トナー充填量を問わず、常に位置が固定された右壁375側からトナーが充填可能とされる。また、トナーコンテナ30の組立過程において、予め、移動壁32がシャフト33上の第1方向の所定の位置に配置された状態で、シャフト33をコンテナ本体37の内部に装着されることが可能となる。したがって、初期的な収容空間37Sの大きさが予め設定された上で、充填口37Gからトナーが充填される。このように、本実施形態では、収容空間37Sに充填されるトナーの充填量が複数設定され、移動壁32の初期位置が複数設定される場合でも、充填設備の共通化が実現されるとともに、安定して充填作業が行われる。
<移動壁の移動について>
蓋部31の第1ガイド部312およびカバー39の第2ガイド部391が、現像装置20の一対のガイド溝109Aにガイドされながら、トナーコンテナ30がユーザーによってコンテナ収容部109に装着される(図6、図7)。トナーコンテナ30がコンテナ収容部109に装着される際、シャッター30Sが移動され、トナー排出口377が開放される。この結果、トナー排出口377がトナー補給口25の上方に対向して配置される(図4、図5)。
図19は、トナーコンテナ30において移動壁32が最終位置に配置された様子を示す断面図(A)および拡大断面図(B)である。なお、前述の図10は、移動壁32が初期位置から第1方向に移動した途中の状態を示す断面図である。また、移動壁32の初期位置は、蓋部31に沿った位置、すなわち、図10で示される移動壁32の位置よりも左側に設定されている。
新しいトナーコンテナ30がプリンター100に装着されると、制御部50(図7)は、第1モーターM1を駆動させ、第3伝達ギア213に係合する第2ギア382を介して、シャフト33を回転駆動させる。この結果、シャフト33の雄螺旋部333と移動壁32の雌螺旋部320Dとの係合によって、移動壁32が第1方向(図10の矢印DA)にトナー排出口377に向かって移動する。やがて、移動壁32が初期位置から右方に所定の距離だけ移動すると、収容空間37Sがトナーで充満され、トナーセンサーTSが充満状態に応じたHIGH信号を出力する。制御部50は、トナーセンサーTSから出力されたHIGH信号を受けて、移動壁32を停止させる。
本実施形態では、第1方向と交差する断面視において、コンテナ本体37の内周部37Kおよび移動壁32の外周部32Kは、非真円形状からなる。特に、図17(A)に示すように、コンテナ本体37の底部371、天板372、前壁373および後壁374によってコンテナ本体37の内周部37Kが形成されている。更に、後壁374の上端部分には、コンテナ本体37の内部に向かって凹没された傾斜部37TPが配置されている。この結果、シャフト33を通る鉛直面を中心に、コンテナ本体37が左右で非対称の形状を備えている。なお、傾斜部37TPの上端部に把持部37Lが配置されているため、ユーザーは、把持部37Lと前壁373とを掴むようにして、トナーコンテナ30を把持することができる。
一方、コンテナ本体37の内周部37Kに密着する移動壁32の外周部32Kも内周部37Kと相似な形状を備えている。このため、雄螺旋部333と雌螺旋部370Dとの係合によって、移動壁32に対してシャフト33回りの回転力が付与された場合であっても、移動壁32がシャフト33回りに回転する(連れ回りする)ことが防止される。この結果、第1モーターM1の回転駆動力によって、移動壁32を安定して第1方向に移動させることができる。また、上記のように、雄螺旋部333と雌螺旋部370Dとの係合によって、移動壁32の外周部32Kがコンテナ本体37の内周部37Kに密接して配置された状態で、移動壁32を第1方向に沿って安定して移動させることができる。
なお、このように雄螺旋部333および370Dの係合によって移動壁32が第1方向(図10の矢印DA)に移動する場合、シャフト33には図10の矢印DJ方向に反力が付与される(スラスト力)。したがって、移動壁32が移動する間、シャフト33の第2シャフト端部332の端面が蓋部31の当接部311に当接する。この結果、当接部311がシャフト33の第1方向の位置を規制する機能を備える。なお、蓋部31がシャフト33によって強く左方に押圧された場合であっても、本実施形態では、蓋部31がコンテナ本体37の本体フランジ部37F(図9)に超音波溶着されている。したがって、蓋部31がコンテナ本体37から脱離することが防止される。更に、本実施形態では、シャフト33の位置を規制する当接部311が、移動壁32よりも第1方向上流側に配置されている。このため、シャフト33と当接部311との当接部分にトナーが介在することが防止される。したがって、当接部311におけるトナーの固着に伴うシャフト33の回転不良が防止される。
前述のように、本実施形態では、図5に示すように体積補給型のトナー補給形式が採用されている。このため、現像装置20側の滞留部29(図5)がトナー補給口25を下方から封止している場合、トナーコンテナ30から補給トナーは落下しない。一方、現像装置20の現像ローラー21から感光体ドラム121にトナーが供給され、滞留部29のトナーが減少すると、トナー排出口377からトナー補給口25を介して現像装置20にトナーが流入する。この結果、トナーコンテナ30の収容空間37Sでは、トナーセンサーTSの周辺のトナーが消失するため、トナーセンサーTSがLOW信号を出力する。該信号を受けて、制御部50は、トナーセンサーTSがHIGH信号を出力するまで、第1モーターM1を駆動させ、移動壁32をトナー排出口377に向かって更に移動させる。
なお、現像装置20における現像動作に応じて、制御部50は、第2モーターM2を駆動し、現像ローラー21などを回転駆動させる。この回転動作に連動して、第2伝達ギア212に係合した第1ギア381を介して、攪拌部材35が回転される。この結果、収容空間37Sの右端側に配置された攪拌部材35がシャフト33回りに回転するため、トナー排出口377の上方のトナーが安定して攪拌される。このため、前記トナーの流動性が増し、トナーが安定してトナー排出口377から落下する。特に、本実施形態では、攪拌部材35の攪拌支持部352から攪拌羽根353が突設されている。このため、攪拌羽根353の周回運動によって、トナー排出口377の周辺のトナーが積極的に攪拌される。
トナーコンテナ30の収容空間37Sのトナーが使用され続けると、やがて移動壁32は図19に示す最終位置に至る。このように、移動壁32が第1方向に徐々に移動していくことで、収容空間37S内のトナーが移動壁32に押圧されながら、トナー排出口377まで搬送される。この際、移動壁32が最終位置に至るまでの間、収容空間37Sが徐々に縮小されていく。したがって、トナーコンテナ30の内部において、トナーが残留する空間自体が徐々に消失される。この結果、収容空間の容積が変化しない従来のトナーコンテナと比較して、使用終了時に、コンテナ本体37の収容空間37Sに残留するトナー量が減少される。
なお、本実施形態では、図19(A)に示すように、移動壁32の最終位置では、移動壁32はトナー排出口377よりも僅かに第1方向上流側で停止する。詳しくは、図19(B)を参照して、移動壁32の移動に伴って移動壁32の軸受部32Jが移動壁停止部334に至ると、雄螺旋部333と雌螺旋部320Dとの係合が解除される。この結果、シャフト33から移動壁32への移動力の伝達が失われ、移動壁32が最終位置において停止する。なお、この際、トナー排出口377の上方には空間が残っているため、当該空間には若干のトナーが残存する。しかしながら、本実施形態では、攪拌部材35が回転駆動することによって、最後まで安定してトナーをトナー排出口377から排出することができる。なお、トナー排出口377は、コンテナ本体37の下端部よりも僅かに上方にずれた位置に開口されている。このような場合であっても、コンテナ本体37の最下端部に残ったトナーは、攪拌羽根353(図17、図18)によって、上方に掬い上げられた後、トナー排出口377から安定して排出される。
移動壁32の最終位置では、移動壁32の外周部32K(図10)の第1方向上流側端部は、トナー排出口377の第1方向上流側端部よりも、更に第1方向上流側に配置されている。特に、本実施形態では、内壁シール322の第1方向上流側端部が、トナー排出口377の第1方向上流側端部よりも、更に第1方向上流側に配置されている。図23は、本実施形態に係るトナーコンテナ30と比較されるトナーコンテナ30Bにおいて、移動壁32が最終位置に配置された状態の断面図である。トナーコンテナ30Bでは、移動壁32の最終位置において、移動壁32の内壁シール322の第1方向上流側端部が、トナー排出口377の第1方向上流側端部よりも、第1方向の下流側に配置されている。このため、図23の矢印DTに示すように、トナー排出口377から一旦排出されたトナーが、移動壁32よりも上流側の内部空間37Hに誤って流入することがある。本実施形態では、上記のように、最終位置における移動壁32とトナー排出口377との位置関係が設定されることで、このようなトナーの流出が安定して防止される。なお、本実施形態のように、体積補給型のトナー補給形式が採用された場合には、トナーコンテナ30内のトナーが空になると、補給トナーがトナーコンテナ30側から現像装置20側に向かって滞留部29を押圧する押圧力が失われる。この場合、現像装置20内の諸条件によって、トナー補給口25からトナー排出口377側に、現像装置20内のトナーが逆流する場合がある。このように、トナーが一層逆流しやすい場合であっても、移動壁32の最終位置の配置によって、トナーが移動壁32よりも上流側の内部空間37Hに誤って流入することが防止される。
更に、図19を参照して、移動壁32の最終位置では、移動壁32の搬送面320Sは攪拌部材35の攪拌羽根353に対して第1方向上流側に間隔をおいて配置される。このため、最終位置に至った移動壁32の搬送面320Sと攪拌部材35とが干渉することが防止される。したがって、コンテナ本体37内に残ったトナーを排出させるために、攪拌部材35が引き続き回転された場合でも、攪拌部材35と移動壁32とが摺擦することがなく、トナーの凝集物が形成されることが防止される。また、トナーコンテナ30が空になった状態で、所定の間、現像装置20が使用され続け、現像ローラー21に同期して攪拌部材35が回転され続けた場合でも、移動壁32および攪拌部材35の干渉が防止される。また、上記のように、シャフト33に設けられた移動壁停止部334によって、移動壁32の移動が最終位置において確実に停止される。このため、移動壁32と攪拌部材35との干渉が更に防止される。また、図19に示す移動壁32の最終位置では、移動壁32の内壁シール322がトナーコンテナ30の内周部37Kを内側から弾性力をもって径方向に付勢している。このため、移動壁32が最終位置に安定してロックされ、移動壁32が攪拌部材35側に近づくことが防止される。
また、本実施形態では、図19に示すように、攪拌部材35の攪拌羽根353の第1方向上流側の端部は、トナー排出口377の第1方向上流側端部よりも、僅かに第1方向下流側に配置されている。なお、他の実施形態において、攪拌部材35の攪拌羽根353の第1方向上流側の端部は、トナー排出口377の第1方向上流側端部と第1方向において同じ位置に配置されてもよい。このように、攪拌羽根353およびトナー排出口377の位置が設定されることによって、トナー排出口377の周辺に位置するトナーの撹拌および排出が安定して実現される。更に、攪拌羽根353がトナー排出口377よりも第1方向上流側に突出していないため、移動壁32の最終位置をできるだけトナー排出口377側に近づけることができる。
更に、本実施形態では、移動壁32の搬送面320Sが、テーパ面320Tを備えている(図19(A))。そして、シャフトシール323は、テーパ面320Tの先端部に配置されている。また、移動壁32の最終位置において、シャフトシール323の第1方向下流側端部は、トナー排出口377の第1方向上流側端部よりも、更に第1方向下流側に配置されている。このように、攪拌羽根353の径方向内側に、テーパ面320Tおよびシャフトシール323が進入するように、移動壁32の最終位置が設定されることによって、移動壁32の最終位置を更にトナー排出口377側に近づけることができる。また、移動壁32の軸受部32Jに対向するように、シャフト33の移動壁停止部334および移動壁支持部335を第1方向に沿って余裕をもって配置することが可能となる。換言すれば、テーパ面320Tを備えることによって、移動壁32の第1方向における厚みが増すため、移動壁停止部334および移動壁支持部335を配置する領域を第1方向において長く確保することが可能となる。更に、テーパ面320Tを備えることで、雌螺旋部320Dよりも第1方向下流側に間隔を置いて、シャフトシール323を配置することができる。したがって、雌螺旋部320Dへのトナーの過剰な進入が防止される。
また、本実施形態では、雄螺旋部333の第1方向下流側端部に加え、移動壁停止部334よりも第1方向下流側に配置された移動壁支持部335によって軸受部32Jが支持される。したがって、最終位置に至った移動壁32が、シャフト33に対して傾斜することが抑制される。特に、移動壁32の搬送面320Sが第1方向に対して傾斜することが抑止される。図24は、本実施形態に係るトナーコンテナ30と比較されるトナーコンテナ30Cの断面図である。トナーコンテナ30Cは、本実施形態における移動壁支持部335を備えていない点で、トナーコンテナ30と相違する。図24に示すように、トナーコンテナ30Cの移動壁32が最終位置に至ると、雌螺旋部320Dが雄螺旋部333から外れる。この際、軸受部32Jの内周面と移動壁停止部334の外周面との間のギャップが大きいため、移動壁32が図24(B)に示すように傾斜してしまう。この際、軸受部32Jの先端に配置されたシャフトシール323の下方部分323Aは移動壁停止部334から離間してしまい、矢印DSで示すようにトナーが軸受部32Jに進入した後、移動壁32よりも第1方向上流側に流出しやすい。同様に、シャフトシール323の上方部分323Bは移動壁停止部334に対して過剰に押圧されるため、シャフトシール323が大きく変形する。この結果、同様にトナーが軸受部32Jに進入しやすくなる。更に、移動壁32がシャフト33に対して傾斜すると、移動壁32の外周部32Kに配置された内壁シール322の圧縮量も変化する。この結果、コンテナ本体37と移動壁32との間からトナーが第1方向上流側に流出しやすくなる。
一方、本実施形態では、上記のように、シャフト33には移動壁支持部335が備えられている。このため、移動壁32の傾斜が抑制されるとともに、内壁シール322やシャフトシール323の偏った変形が抑止される。この結果、移動壁32とコンテナ本体37の内周部37Kとの間や本体軸受部37Jを介して、移動壁32よりも上流側にトナーが流出することが防止される。また、移動壁32の傾斜が防止されることによって、最終位置において移動壁32の搬送面320Sと攪拌部材35との干渉が防止される。
なお、移動壁支持部335がシャフト33から突出する高さは、雄螺旋部333の山の高さと同じ、または、雄螺旋部333の山の高さよりも僅かに高いことが望ましい。この場合、移動壁支持部335が軸受部32Jを確実に支持することができる。また、移動壁支持部335がシャフト33の周面において周方向に沿って配置されたリング形状からなるため、軸受部32Jが周方向全体に亘って、安定して移動壁支持部335に支持される。
更に、図13および図19(B)に示すように、移動壁支持部335が第1方向に沿って複数配置されているため、第1方向に沿った所定の範囲において、軸受部32Jが安定して支持される。また、移動壁支持部335の第2支持部335Bは、第1方向に対して垂直な側端面335C(図19(B))を備えている。このため、移動壁支持部335が、できるだけ第1方向下流側において軸受部32Jを支持することができる。この結果、移動壁32の最終位置を一層トナー排出口377に近づけることができる。
以上、本発明の実施形態に係るトナーコンテナ30およびこれらを備えたプリンター100について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば次のような変形実施形態を採用することができる。
(1)上記の第1の実施形態では、プリンター100としてモノクロプリンターをもって説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。特に、プリンター100がタンデム式のカラープリンターの場合には、プリンター100の開閉カバー100C(図2)が開放された後、複数色のトナーに対応してそれぞれのトナーコンテナ30が上方から隣接するように筐体101内に装着されてもよい。
(2)また、上記の実施形態では、体積補給型のトナー補給形式をもって説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。現像装置20に不図示のトナーセンサーが配置される態様でもよい。トナーセンサーによって現像装置20内のトナーが減少したことが検知されると、制御部50によって第1モーターM1が駆動され、移動壁32が第1方向に移動される。この結果、トナー排出口377からトナーが落下し現像装置20に流入する。
(3)更に、上記の第1実施形態では、軸受部32Jが移動壁32の略中央部に配置される態様にて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。軸受部32Jは、移動壁32の他の領域に配置されてもよい。軸受部32Jが移動壁32の上端側に配置され、対応するシャフト33もコンテナ本体37内の上方部分において第1方向に沿って延設される態様でもよい。この場合、シャフトシール323(図19)に付与されるトナーの圧力が低くなるため、シャフトシール323のシール性能が一層高く維持される。
(4)また、上記の実施形態では、移動壁32は、蓋部31側から右壁375側に移動する態様にて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。トナー排出口377が蓋部31側に開口され、移動壁32が右壁375側から蓋部31側に移動する態様でもよい。また、トナー排出口377の上方で回転される攪拌部材35は、上記の実施形態の形状に限定されるものではない。攪拌部材35は、トナー排出口377の周辺のトナーを攪拌する、その他の形状を備えるものでもよい。
(5)また、上記の実施形態では、シャフト33に備えられた移動壁支持部335が、移動壁32の姿勢を維持し、傾斜を抑制する傾斜抑制機構として機能する態様にて説明した。本発明はこれに限定されるのではない。図20は、本発明の変形実施形態に係るトナーコンテナ30Aの断面図である。本変形実施形態では、先の実施形態に係る移動壁支持部335の代わりに、トナーコンテナ30Aが突出部材37Xを備える点で相違する。突出部材37Xは、コンテナ本体37の内周部37Kから径方向内側に向かって突設された突起部である。本変形実施形態では、移動壁32が移動壁停止部334に対応する最終位置に至ると、搬送面320Sが突出部材37Xに当接することによって、移動壁32の第1方向に対する傾斜が抑制される。
更に、図20に示すように、突出部材37Xは、シャフト33よりも上方において、コンテナ本体37の内周部37Kから下方に向かって突設されている。したがって、突出部材がコンテナ本体37の底部側に配置された場合と比較して、突出部材37Xが、トナー排出口377に向かうトナーの流れを妨げることがない。
なお、突出部材37Xがコンテナ本体37と一体成型で成形される場合には、図20の突出部材37Xは、右壁375に至るまで第1方向に延びるようにリブ状に配置されてもよい。この場合、金型からコンテナ本体37が引き抜かれる際に、第1方向に沿ってリブ状の突出部材が形成される。
更に、本変形実施形態では、シャフト33がシャフト案内部33P(図20)を備えている。シャフト案内部33Pは、シャフト33の左端側の所定の範囲において、雄螺旋部333が欠落された領域である。トナーコンテナ30Aでは、図20に示される移動壁32の位置に、移動壁32の初期位置が設定されている。そして、トナーコンテナ30Aのトナー充填量は、先の実施形態に係るトナーコンテナ30のトナー充填量の約半分である。トナーコンテナ30Aの組立段階において、移動壁32がシャフト33のシャフト案内部33Pを通過することで、シャフト33が回転されることなく、移動壁32が速やかに初期位置に配置される。このように、シャフト33上に形成された雄螺旋部333の第1方向上流側端部の位置および移動壁32の初期位置は、収容空間37Sに収容されるトナーの充填量に応じて設定されている。そして、トナーコンテナ30Aのように収容空間37Sに第1の重量のトナーが充填される場合よりも、トナーコンテナ30のように収容空間37Sに前記第1の重量よりも大きい第2の重量のトナーが充填される場合の方が、シャフト33の雄螺旋部333の第1方向上流側端部が、より第1方向上流側に位置するように、雄螺旋部333の位置が設定される。この結果、予め設定されたトナーの充填量に応じて、収容空間37Sの体積を設定することができる。