JP6159619B2 - ヤーン - Google Patents

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Description

本発明は、ポンプやバルブ等の流体機器のシール部品として使用されるグランドパッキンに好適に用いられるヤーンに関するものである。
ポンプ、バルブ等の流体機器の軸封部などに用いるグランドパッキンや、それに用いるヤーン(編み糸)に関する従来技術として、一般的には特許文献1にて開示されたように、膨張黒鉛を用いたものが良く知られている。膨張黒鉛は、柔軟性や耐薬品性に優れ、密着性に富み、高温にも耐える利点はあるが、引張り強さが非常に小さく、もろくて折れやすい欠点がある。
そこで、強度や磨耗に強い繊維からなるヤーンや、これを撚り又は編組して紐状に構成されてなるグランドパッキンも作られている。例えば、特許文献2や特許文献3において開示されるアクリル繊維を用いたものが知られている。これらの有機繊維としては、アクリルやアクリル系のほか、レーヨン、セルロース、麻、綿、ポリビニルアルコールなど、種々のものが考えられる。
有機繊維の特徴としては、材料により、強度や磨耗に強い、耐熱性や吸湿性が低い、高温や耐薬品性に優れる、紫外線に弱い、抵抗力が強い、といった具合に様々である。従って、用途に合った材料による繊維材料を選択することが要求される。
即ち、グランドパッキンと、ポンプなどの流体機器のシャフト(軸)との滑りに重要な摩擦(摩擦係数)をある程度小さいものにすることや、グランド部やシャフトとの馴染み性に重要な柔軟性のあることなどが、ヤーンを形成する繊維(有機繊維)に求められる。
そこで、種々の特性が要求される繊維の特性を表す一要素として、特許文献4にて開示されるように、限界酸素指数(LOI)というものがある。限界酸素指数は、プラスチック或いは繊維などの素材の燃焼の容易さを知る評価法の一つであり、空気の「窒素分子/酸素分子」の比を変化させて、着火を起こす限界の酸素濃度、即ち、限界酸素指数(Limiting Oxygen Index:LOI)を求めている。
特開昭59−068387号公報 特開平11−217723号公報 特開平09−078375号公報 特開2013−067920号公報
そこで、本発明の目的は、有機繊維などの繊維によりヤーンを構築するに当り、必要となる特性の良し悪しを、その限界酸素指数の値との関係を見出して適切に定義することにより、グランドパッキンに必要となる特性を備えたヤーンを得る点にある。
請求項1に係る発明は、ヤーンにおいて、
限界酸素指数が21〜30を呈する繊維sを加撚してなることを特徴とするものである。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のヤーンにおいて、
前記限界酸素指数が22〜26であることを特徴とするものである。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載のヤーンにおいて、
前記繊維sは、その繊維断面を互いに平行な2本の直線L1,L2で挟んだ状態における前記2本の直線L1,L2どうしの間隔の最大値aを最小値bで除した値である扁平率fが1.1〜2と定義されるものが含まれていることを特徴とするものである。
請求項4に係る発明は、請求項3に記載のヤーンにおいて、
前記扁平率fが1.4〜1.6に定義されていることを特徴とするものである。
請求項5に係る発明は、請求項1〜4の何れか一項に記載のヤーンにおいて、
前記繊維sは、その断面形状に1箇所以上の凹部1を有するものが含まれていることを特徴とするものである。
請求項6に係る発明は、請求項5に記載のヤーンにおいて、
前記凹部1の深さhが0.4μm以上あることを特徴とするものである。
請求項7に係る発明は、請求項1〜6の何れか一項に記載のヤーンにおいて、
前記繊維sは、アクリル系繊維を有していることを特徴とするものである。
請求項8に係る発明は、請求項7に記載のヤーンにおいて、
前記アクリル系繊維が、アクリロニトリル酢酸ビニル共重合体繊維であることを特徴とするものである。
請求項1の発明によれば、繊維の限界酸素指数が21以上であることにより摩擦係数を小さくすることができる。従って、このヤーン用いてグランドパッキンとした場合は、シャフトなどの対摺動物との摩擦の少ない利点が得られる。
そして、繊維の限界酸素指数が30以下であることにより、柔軟性に富むものとすることができる。従って、このヤーン用いてグランドパッキンとした場合は、シャフトなどの対摺動物への馴染み性が良好となり、漏洩の少ない優れたシール性を得ることができる利点がある。
その結果、有機繊維などの繊維によりヤーンを構築するに当り、必要となる特性の良し悪しを、その限界酸素指数の値との関係を見出して適切に定義することにより、グランドパッキンに必要となる特性を備えたヤーンを提供することができる。
この場合、請求項2のように、限界酸素指数が22〜26であれば、請求項1の構成による前記作用効果をより強化することができるヤーンを提供することができる。
請求項3の発明によれば、扁平率fにおいて、f≧1.1の繊維を加撚してなるヤーン、及びこれを用いたグランドパッキンは、含浸材を保持し易くなるとともに、f≦2の繊維を加撚してなるヤーン、及びこれを用いたグランドパッキンは、応力緩和を十分小さくでき、シールに必要な応力を確保及び維持することができる。
従って、1.1≦f≦2のものが存在すれば、前述の作用効果であるv「含浸材が保持され易くなる」やz「シールに必要な応力の確保や維持」を得ることができる。そして、1.1≦f≦2のものが50%以上存在すれば、前記作用効果v,zが明確に得られるため好ましい。
この場合、請求項4のように、1.4≦f≦1.6とすれば、前記作用効果v,zを強化することが可能である。
請求項5の発明によれば、1箇所以上の凹部を有する繊維の存在により、その凹部に含浸材を保持することができる。そして、その1箇所以上の凹部を有する繊維が含まれる繊維を用いてヤーンが構成されているので、含浸材を保持可能となる利点を実質的に発揮することができるヤーンを提供することができる。そして、1箇所以上の凹部を有する繊維が50%以上存在すれば、前述の作用効果であるw「含浸材を保持可能となる利点」が明確に得られるため好ましい。
この場合、請求項6のように、含浸材の保持のし易さの点から、凹部の深さは0.4μm以上あれば好ましい。そして、0.6μm以上あればより好都合である。
使用する繊維としては、請求項7のように、アクリル系繊維を有しているものが良く、また、請求項8のように、アクリル系繊維を、アクリロニトリル酢酸ビニル共重合体繊維とすれば好都合である。
単繊維の断面形状を示す断面写真 繊維の断面形状や扁平率を示す図 漏洩試験装置の構成を示す概略図 図3における漏洩試験部分の詳細図 応力緩和試験機を示す模式図 摩擦試験装置を示す模式図 漏洩試験及び摩擦試験の各結果を示す図表 図7に示す各試験結果を示すグラフ 扁平率と含浸率及び応力緩和との関係を示す図表 図9に示す各関係を示すグラフ
以下に、本発明によるヤーンの実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下においては、限界酸素指数は「LOI」と略称するものとする。
〔実施形態1〕
実施形態1によるヤーンは、LOIが21〜30を呈する繊維を加撚してなることを特徴としている。即ち、繊維のLOIの値eは、21≦e≦30である。
LOI値eが、21≦e≦30である繊維としては、アクリル繊維、アクリル系繊維、レーヨン、セルロース、麻、綿、ポリビニルアルコールが挙げられる。
アクリル繊維は、アクリロニトリルを50重量%以上含有するポリマーからなるものを含む。ポリマーは、アクリロニトリルを50重量%以上含有するならば、アクリロニトリルと、アクリロニトリルと共重合可能な不飽和モノマーとのコポリマーであってもよい。
アクリロニトリルと共重合可能な不飽和モノマーとしては、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2ーエチルヘキシル、アクリル酸2ーヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル等のアクリル酸エステル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2ーヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル等のメタクリル酸エステル、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、臭化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン等の不飽和モノマー等がある。
さらに、共重合されるモノマーとして、p−スルホフェニルメタリルエーテル、メタリルスルホン酸、アリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2ーアクリルアミドー2ーメチルプロパンスルホン酸、及びこれらのアルカリ金属塩等がある。
また、前記繊維のLOI値eの調製には、前記繊維を温度200℃乃至400℃の空気雰囲気中に1時間乃至10時間暴露する手段を用いることができる。
次に、繊維の扁平率について説明する。
実施形態1によるヤーンを構成する繊維(単繊維)sは、図1,図2に示すように、その繊維断面を互いに平行な2本の直線L1,L2で挟んだ状態における2本の直線L1,L2どうしの間隔の最大値aを最小値bで除した値である扁平率f=1.1〜2と定義されるものが含まれている。
即ち、図2に示すそら豆状の断面形状を持つ繊維sの場合、互いに平行な2直線L1,L2で挟まれる間隔のうち、最大の値がaであり、最小値がbである。そして、この場合の扁平率f=(a/b)である。
上述の扁平率fとして、1.1≦f≦2のものが存在しておれば、前記作用効果v,zを得ることができるとともに、1.1≦f≦2のものが50%以上存在しておれば、前記作用効果v,zを明確に得ることができて好都合である。
例えば、ヤーンYを構成する繊維数が100本である場合は、扁平率fが1.1≦f≦2であるものが50本以上含まれている。なお、扁平率fは、f=1.4〜1.6に定義されていれば、より好都合である。
ヤーンを形成する繊維(単繊維)sは、その断面形状に、図2に示すように、断面形状に1箇所以上の凹部1を有するもの(そら豆状)が含まれている。1箇所以上の凹部1を有する繊維が存在すれば、前記作用効果wを実質的に発揮することができるとともに、1箇所以上の凹部を有する繊維が50%以上存在すれば前記作用効果wが明確に得られるため好ましい。
繊維sの断面形状がひょうたん型を呈するなど、凹部1が2箇所以上あっても良い。図2に示すように、凹部1の深さhは、含浸材を有効に凹部1で保持させる点から、h≧0.4μmであることが望ましい。より好ましくはh≧0.6μmであるのが望ましい。
図示は省略するが、凹部(凹み)の無い断面形状の繊維では、その扁平率fは、1.0≦f≦1.7であり、断面形状は曲線のみで形成されている。そして、そら豆状など、凹部を1箇所以上有する断面形状のものの扁平率fは、1.1≦f≦4であり、そのうちの多くは1.2≦f≦1.7であった。
繊維(単繊維)sの断面は、直径が17±3μmで、長さは128±20μmであった。また、繊維度は2デニールであった。繊維を紡績してなる単糸は、下撚り90回/mによる重量は0.14g/mであった。3本の単糸を撚ってなるヤーンは、上撚り40回/mによる重量が0.43g/mであった。そして、8本のヤーンによる角編み、16本のヤーンによる丸編み、32本のヤーンによる格子編みなどによりパッキン編組品(グランドパッキン)が形成される。
含浸については次のように処理する。本発明のヤーンを用いてなるグランドパッキン編組品をフッ素樹脂ディスパージョンへ浸漬させ、所定時間後に引き揚げて乾燥させる。含浸率τは、含浸後重量をx、含浸前重量をyとすれば、
τ={(x−y)/x}×100(単位:%)
で表すことができ、実施品の含浸率は、τ=45〜50%であった。
上記含浸後に、炭化水素系潤滑剤を同様に含浸させても良い。
〔漏洩試験装置及び方法とその結果について〕
図3に漏洩試験装置Aを示す。漏洩試験装置Aは、漏洩試験部分2、軸受3、回転継手4、トルク検出部5、軸受6、伝動ベルト7、原動機(モーター)8、漏洩測定部9などを試験枠22に図示のように配置して構成されている。
漏洩試験部分2、図4に示すように、流体入口10、シール装置Bを備えるシールボックス11、及び流体出口12などを有して構成されている。13は、タンク14内の流体(水など)を流体入口10に供給する供給流路16に介装されるポンプである。
シール対象となる流体の入口側の流体温度を測定する第1温度計15が供給流路16に装備されている。また、流体出口12からタンク14へと伸びる排出流路17には、出口側の流体温度を測定する第2温度計18が装備されている。
漏洩測定部9は、図3に示すように、シール装置Bから漏れてくる流体を受止めて貯留可能な貯め容器9Aと、貯め容器ごと漏れ出た流体の重さを測る重量計9Bとを有して構成されている。なお、図3,4における垂下するような破線は、漏れ流体の落下経路を模式的に示したものである。
シール装置Bは、シールボックス11のグランド部11Aと回転軸(シャフト)19との筒状空間部に、受け部材20、複数のグランドパッキンg、パッキン押え21とを挿入装備してなる。図示しないボルトでパッキン押え21をグランド部11Aのフランジ11aに締付け、それによって複数のグランドパッキンgを軸心P方向に押付けて、グランド部11Aと回転軸19との間をシールする一般的なものである。
23は、シール用流体の入口側のジャケット温度を測る第3温度計であり、24は、シール用流体の出口側のジャケット温度を測る第4温度計である。また、グランドパッキンgの温度(パッキン温度)を測る第5温度計25も装備されている。
漏洩試験装置Aによる漏洩試験方法としては、内径100mm、外径129mm、高さ14.5mmのグランドパッキンgの5個を1セット(5リング1セット)として、ポンプを模擬した前記試験装置Aのグランド部11Aに組み込む。グランド部11Aに圧力0.5MPaの清水(シール用流体)を負荷し、1900rpmで回転軸19を回転させる。第5温度計25を使って、グランドパッキンg付近のグランド部11A温度が40℃となるように、パッキン押え21の締付ボルトを調節する。そして、漏洩測定部9により、漏洩量の変化が無くなり、一定となる約6時間後の漏洩量を記録する、という具合である。
〔応力緩和試験〕
グランドパッキンgの応力緩和については、図5に示す応力緩和試験機Cを用いた。この応力緩和試験機Cは、グランドパッキンgを装着するためのパッキン装着部27を備える機枠26、パッキン押圧部28、押圧ボルト29などを有して構成されている。
複数の押圧ボルト29に架設される押圧板30に、パッキン押圧部28の上部28aが球面接触されており、環状のパッキン装着部27に装填されている単数又は複数のグランドパッキンgをリング状の押え部28bを介して押圧する構造とされている。
さて、環状のパッキン装着部27に、内径100mm、外径129mm、高さ14.5mmのグランドパッキンgを5リング1セットとして組み込み、押圧ボルト29を操作して締め付け、グランドパッキンgへの締付応力(初期締付応力)pを、p=2N/mm2とし、24時間後の残留応力を測定した。
応力緩和率σは、24時間後の締付応力をqとすれば、
σ=p−q/p
で表される。
〔摩擦試験機〕
グランドパッキンgの摩擦試験機Dについて簡単に説明する。
摩擦試験機Dは、図6に示すように、試験フレーム31に、支持枠32及びアーム33が立設され、かつ、それら32,33の間に、ステンレス材などの金属材製で円柱状の回転ドラム(回転軸)34を枢支して摩擦試験機Dが構成されている。回転ドラム34は、図外の駆動源により、軸心34a回りにおける図示の矢印(白抜き矢印)方向に回転駆動可能である。
支持枠32の上部に角紐状などのグランドパッキンgの一端を固定し、その他端を回転ドラム34の下側を通して巻回させてから持ち上げる。その持ち上げられたグランドパッキンgの他端に紐35を接続し、その紐35をアーム33の上端部に枢支される滑車36に巻き掛け、その垂下された紐他端35aに錘37が装着されている。つまり、グランドパッキンgは、ある程度の力で回転ドラム34の表面34aに押え付けられた状態で回転ドラム34と相対摩擦される。
〔実施例〕
使用する繊維sは、アクリル系繊維又はアクリル繊維を用い、その繊維直径は18(14〜20)μmである。使用繊維のLOIの測定は、JIS K 7201−2「プラスチック−酸素指数による燃焼性の試験方法−第2部:室温における試験」に従って行った。
まず、上記繊維の複数を加撚してヤーンYを作製する。次に、編組機(図示省略)を用いて、ヤーン(編糸)Yを8本用いる8打ち角編み、或いはヤーンYを16本用いる16打ち丸編みにより紐状のグランドパッキンgを作製するが、撚り紐にてグランドパッキンを作製しても良い。
そして、その紐状パッキンを2点ロール或いは4点ロールを用いて、一辺の長さが14.5mmである断面正方形の角紐状のグランドパッキンgとし、所定の長さに切断した。
上記により作製されたグランドパッキンgを用いて、漏洩試験と摩擦試験とを行い、図7,図8に示すように、漏洩量及びトルクとLOI値eとの関係を求めた。
摩擦試験においては、錘37を1kgとし、回転ドラム34を3000rpmで回転させたときの回転ドラム34の回転力値、即ちトルク(トルク値)を計測した。その結果を図7の表と図8のグラフとに示す。
トルクに関しては、図7,8から、LOI値e<22では、eが大きくなるに連れてトルク値は小さくなっている。また、e=22付近でトルク値の変化量が小さくなり、e≧22ではトルク値はほぼ一定の値を示している。
この結果から、LOI値e≧22では摩擦が小さくなり、ポンプ動力への負担が軽減されるグランドパッキンgになることが見出された。LOI値eが大きくなるに連れて、繊維の炭化度が増し、回転ドラム34との摩擦係数が減少したものと推測される。
漏洩量に関しては、図7,8から、LOI値e<27では殆ど変わらない値を示し、e=27付近ではやや増加するものの、した。そして、27≦e<30では増加傾向を示し、e≧30では大幅に漏洩量が増えていることが理解できる。
これらのことから、LOI値eは、21≦e≦30であるのが望ましく、より好ましくは、22≦e≦26であると言えよう。
e<21である繊維を加撚してなるヤーンでは、これを用いて作製されてグランドパッキンとシャフト(ポンプのシャフト)とでは、摩擦(摩擦係数)が許容範囲を超えて大きくなってしまうことが知見された。
そして、e>30である繊維を加撚してなるヤーンは柔軟性に乏しいことが判った。柔軟性に乏しいと弾性率が高く、パッキンを構成した場合には塑性変形し難いものとなる。
即ち、柔軟性に乏しいと、角紐状グランドパッキン(紐角パッキン)の断面形状を保持し難くなり、丸みを帯びてしまう。また、ポンプのシャフトへの馴染み性に劣るため、漏洩量(単位時間当たりの漏洩量)が多くなってしまう。
以上のことから、LOIに関しては、その値であるe≧21の繊維を加撚してなるヤーンでは、摩擦(摩擦係数)が十分小さくなり、そのヤーンで構成されるグランドパッキンはシャフトとの良好な滑り性を有するものとなる。
そして、e≧22ではさらに良好な滑り性を有するグランドパッキンとなるヤーンを提供することができる。
e≦30であれば、必要となる柔軟性を有するグランドパッキンを構築できるヤーンとすることが可能になる。即ち、角紐状グランドパッキンを構成した場合、断面形状の保持が可能となって丸みを帯びないようにすることができる。
また、ポンプのシャフトへの馴染み性が良くなり、漏洩量の少ない良好なシール性を得ることが可能になる。
そして、e≦26では、グランドパッキンは適度な柔軟性を有するものとなり、ポンプのグランド部や回転軸などのシール対象との馴染み性がさらに良好になり、漏洩量がより少なくなる。
前述した含浸率τ及び応力緩和率σのそれぞれと繊維の扁平率fとの関係を、図9と図10に示す。
扁平率fは、f<1.1の場合、潤滑性及びシール性(目詰め材)付与のための含浸材が付着し難くなる。
扁平率fは、f>2の場合、過度に柔軟性を有する。即ち、曲率の小さな部分に応力が集中し、容易に塑性変形してしまうため、グランドパッキンとしたときの応力緩和が大きくなってしまう。
つまり、グランドパッキンをポンプのグランドに装着し、パッキン押えで締付けたときのグランドパッキンに掛る応力が、グランドパッキンの塑性変形のために小さくなり過ぎてしまう。そのため、グランドパッキン使用時の応力が容易に緩和されてしまい、シールに必要な応力を確保及び維持することができず、多量漏洩を引き起こす原因になることがある。
凹部1(図2参照)がない断面形状の場合は、潤滑性及びシール性(目詰め材)付与のための含浸材が定着し難くなってしまう。
扁平率fに関して、f≧1.1の繊維を加撚してなるヤーンを用いたグランドパッキンは、含浸材を保持し易く、f≧1.2では含浸材の保持のし易さがさらに良好になる。但し、f≦2の繊維を加撚してなるヤーンを用いたグランドパッキンは、応力緩和を十分小さくでき、シールに必要な応力を確保及び維持することができる。また、繊維断面に凹部があれば、その凹部1に含浸材を保持し易くなり、好ましい。
1 凹部
a 直線どうしの間隔の最大値
b 直線どうしの間隔の最小値
f 扁平率
h 凹部の深さ
s 繊維
L1,L2 互いに平行な2本の直線

Claims (8)

  1. グランドパッキンに用いられるヤーンであって、
    限界酸素指数が21〜30を呈する繊維を加撚してなるヤーン。
  2. 前記限界酸素指数が22〜26である請求項1に記載のヤーン。
  3. 前記繊維は、その繊維断面を互いに平行な2本の直線で挟んだ状態における前記2本の直線どうしの間隔の最大値を最小値で除した値である扁平率が1.1〜2と定義されるものが含まれている請求項1又は2に記載のヤーン。
  4. 前記扁平率が1.4〜1.6に定義されている請求項3に記載のヤーン。
  5. 前記繊維は、その断面形状に1箇所以上の凹部を有するものが含まれている請求項1〜4の何れか一項に記載のヤーン。
  6. 前記凹部の深さが0.4μm以上ある請求項5に記載のヤーン。
  7. 前記繊維は、アクリル系繊維を有している請求項1〜6の何れか一項に記載のヤーン。
  8. 前記アクリル系繊維が、アクリロニトリル酢酸ビニル共重合体繊維である請求項7に記載のヤーン。
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