JP6158550B2 - ビードワイヤ、ビードコアおよびこれを用いた空気入りタイヤ - Google Patents

ビードワイヤ、ビードコアおよびこれを用いた空気入りタイヤ Download PDF

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Description

本発明は、ビードワイヤ、ビードコアおよびこれを用いた空気入りタイヤ(以下、単に「タイヤ」とも称する)に関し、詳しくは、カーカスの引き抜け、およびビード部の耐久性を低下させることなく、タイヤの軽量化を可能とするビードワイヤ、ビードコアおよびこれを用いた空気入りタイヤに関する。
空気入りタイヤのビードコアは、リムとの嵌合性を高め気密性を確保するという機能のみならず、タイヤ幅方向外側に折り返されるカーカスをタイヤに係留させて、タイヤへの充填内圧、タイヤへの負荷荷重等の作用に起因するカーカスコードのビード部からの引き抜けを防止するという重要な機能を有している。通常、これらを適正に機能させるために、加硫時のビードコアの崩れの抑制およびリム組み性の改善が必要とされる。
例えば、特許文献1では、ビードワイヤの断面形状および配置位置を適正化することで、ビードコア全体としての回転剛性を大きくして、カーカスコードの引き抜けとビード部の耐久性を向上させる技術が提案されている。また、特許文献2では、ビードコアの断面形状にかかわらず、カーカスコードの引き抜け方向へのビードコアの捻じれ変形に対する剛性を高めて、ビードコアの巻回形態の崩れを有効に防止してビード部の耐久性を向上させる技術が提案されている。
一方、自動車には、地球環境保全という観点から燃費の改善が求められている。そのため、自動車車体の軽量化が積極的に進められており、これに伴い、自動車用のタイヤについても軽量化が求められている。自動車の軽量化については種々の手段が考えられるが、タイヤに使用されるビードコアの軽量化はその有力な手段の一つである。
ビードコアの軽量化については、その素材であるビードワイヤを高張力化し、ビードワイヤを伸線加工により細線化し、ビードワイヤの使用量を減らすことが考えられる。また、特許文献3では、ワイヤの素材として所定の合金を用い、強度を低下させることなくビードワイヤの比重を小さくして、ビードコアを軽量化する技術が提案されている。
特開2008−254684号公報 特開2011−131866号公報 特開2007−277686号公報
しかしながら、特許文献1および2で提案されている技術は、タイヤ加硫時のビードコアの崩れ、リム組み性の改善、およびビード部の耐久性の改善には効果はあるものの、ビードコアの軽量化については、十分な検討がなされていない。また、ビードコアの軽量化に関する技術において、ビードワイヤを細線化する技術は、ビードコアとして十分な剛性を確保することが困難になる場合もある。さらに、特許文献3で提案されている合金は、入手が困難であり、また、この合金からなる線材を熱処理することも困難である。
そこで、本発明の目的は、カーカスの引き抜け、およびビード部の耐久性を低下させることなく、タイヤの軽量化を可能とするビードワイヤ、ビードコアおよびこれを用いた空気入りタイヤを提供することにある。
本発明者は、上記課題を解消するために鋭意検討した結果、ビードワイヤの断面形状を所定の形状とすることで上記課題を解消することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のビードコアは、ビードワイヤが巻回されてなるビードコアであって、隣接するビードワイヤが互いに嵌合されてなり、かつ、嵌合された該ビードワイヤ間に空隙が形成されてなり、
前記ビードコアの幅方向断面における前記ビードワイヤの断面積の合計をS(mm)、前記空隙の面積の合計をS(mm)としたとき、前記Sおよび前記Sが下記式、
0.05≦S/(S+S)≦0.3
で表される関係を満足し、
前記ビードワイヤとして、前記断面形状がL字型形状または逆L字型形状であるビードワイヤを含むことを特徴とするものである。
本発明のビードコアにおいては、ビードワイヤとして、断面形状が凸型形状と凹型形状とを有する形状のビードワイヤや、コの字型形状のビードワイヤを含むことが好適である。また、本発明のビードコアにおいては、ビードワイヤの炭素含有量は0.7〜0.9質量%であることが好ましい。
また、本発明のビードコアにおいては、前記空隙にゴムが充填されてなることが好ましい。さらに、本発明のビードコアにおいては、金属帯または螺旋状に巻回されたテキスタイルにより集束固定されてなることが好ましい。
本発明の空気入りタイヤは、ビードコアを埋設してなる一対のビード部を有し、該ビードコアの周りに折り返してトロイド状に延びるカーカスを有する空気入りタイヤにおいて、
前記ビードコアが、上記本発明のビードコアであることを特徴とするものである。
本発明によれば、カーカスの引き抜け、およびビード部の耐久性を低下させることなく、タイヤの軽量化を可能とするビードワイヤ、ビードコアおよびこれを用いた空気入りタイヤを提供することができる。
本発明の一好適例に係るビードワイヤを巻回して形成した本発明の一好適例に係るビードコアの断面図である。 本発明の一好適例に係るビードワイヤの断面図である。 本発明の一好適例に係るビードワイヤを巻回して形成した本発明の他の好適例に係るビードコアの断面図である。 本発明の他の好適例に係るビードワイヤを巻回して形成した本発明の他の好適例に係るビードコアの断面図である。 本発明の他の好適例に係るビードワイヤ4種を巻回して形成した本発明の他の好適例に係るビードコアの断面図である。 本発明の他の好適例に係る4種のビードワイヤの断面図であり、(a)および(b)は凹部の深さが異なる2種類のビードワイヤ、(c)はL字型のビードワイヤ、(d)は逆L字型のビードワイヤである。 本発明のビードコアを金属帯を用いて集束固定した例を示す図である。 本発明の一好適例の空気入りタイヤを示す片側断面図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面を用いて詳細に説明する。
まず、本発明のビードワイヤについて説明する。図1に本発明の一好適例に係るビードワイヤを巻回して形成した本発明の一好適例に係るビードコアの断面図を示す。本発明のビードコア10は、本発明のビードワイヤ1が巻回されてなるものであり、図1に示すように、本発明のビードワイヤ1を巻回してビードコア10を形成したとき、隣接するビードワイヤ1が互いに嵌合可能な断面形状を有し、かつ、嵌合されたビードワイヤ1間に空隙が生じる断面形状を有している。
図2は、図1に示す本発明の一好適例に係るビードワイヤ1の断面図である。図示例においては、ビードワイヤ1は、断面形状において凸状形状の凸部2と、断面形状において凹状形状の凹部3とを有しており、凸部2の高さをh、幅をw1とし、凹部3の深さをd、幅をw2としたとき、d>h、w1=w2となる形状を有している。このような形状を有するビードワイヤ1を巻回して、凸部2と凹部3とを嵌合させて、図1に示すような本発明の一好適例に係るビードコア10を形成する。このように、本発明のビードコア10は隣接するビードワイヤ1が互いに嵌合されてなるものであるため、カーカスコードの引き抜け方向へのビードコア10の捻じれ変形に対する剛性が高まる。そのため、ビードコア10の巻回形態が崩れ難くなり、ビード部の耐久性が向上する。
また、本発明のビードワイヤは、嵌合されたビードワイヤ1間に空隙が生じる断面形状を有している。図2に示すビードワイヤ1の場合、d>hであるため、隣接するビードワイヤ1間には空隙4が形成される(図1参照)。そのため、ビードコア10の断面当たりのスチール占有率が小さくなり、ビードコア10が軽量化され、結果としてタイヤの軽量化が図られることになる。
図1においては、ビードワイヤ1の凸部2と凹部3が、ビードコア10の径方向内外となるようにビードワイヤ1が巻回されているが、図3に示すように、凸部2と凹部3が、ビードコア10の幅方向となるように配置してもよい。なお、本発明のビードコアは、図2に示される断面形状を有するビードワイヤ1が巻回されてなるものに限られるものではなく、例えば、図4(a)〜(c)に示すようなビードワイヤ1が巻回されてなるビードコアであってもよい。また、ビードコア10の断面形状も、図4(a)および(b)のような矩形に限られず、図4(c)のような平行四辺形としてもよく、また、略丸形や六角形等の形状としてもよい。
図5は、本発明の他の好適例に係るビードワイヤを巻回して形成した、本発明の他の好適例に係るビードコアの断面図である。本発明のビードコアは、1種のビードワイヤからなる必要はなく、図示するように、複数種(図示例では4種)のビードワイヤ1a、1b、1cおよび1dを巻回して嵌合させ、これらビードワイヤ1a、1b、1cおよび1d間に空隙が形成されたものであってもよい。図6は、図5に示すビードコア10を形成する本発明の他の好適例に係るビードワイヤ1a、1b、1cおよび1dの断面図である。図示するように、(a)および(b)は凹部の深さが異なる2種類コの字型のビードワイヤ1a、1b、(c)はL字型のビードワイヤ1c、(d)は逆L字型のビードワイヤ1dである。図5に示すように、複数種のビードワイヤ1a、1b、1cおよび1dを組み合わせて互いに嵌合させて空隙4を形成させる場合、変形入力を受けても積み上げたビードコア10が崩れることがないように、空隙4を構成する少なくとも1種のビードワイヤは複数のユニットに跨って配置されることが好ましい。
本発明のビードワイヤの断面形状は、巻回してビードコアを形成したとき、ビードコアの幅方向断面において、隣接するビードワイヤが互いに嵌合可能であり、かつ、嵌合されたビードワイヤ間に空隙が生じる断面形状を有するものであれば特に制限はないが、特に、ビードワイヤの断面形状は凸状形状や凹状形状であることが好ましい。
本発明のビードワイヤ1においては、巻回してビードコア10を形成したとき、ビードコア10の幅方向断面におけるビードワイヤ1の断面積の合計をS(mm)、空隙4の面積の合計をS(mm)としたとき、SおよびSが下記式、
0.05≦S/(S+S)≦0.3
で表される関係を満足する(以下、S/(S+S)を「空隙率」とも称す)。空隙率が0.05未満であると十分な軽量効果を得ることができず、一方、空隙率が0.3を超えると、ビードワイヤ1の剛性が低下してしまい、ビードコア10として用いた場合に変形入力を受けると断面形状が潰れてしまうおそれがある。また、本発明のビードワイヤ1を用いて作製したビードコア10を用いたタイヤにおいて、走行中における入力によりビードコア10が変形してしまい、カーカスの引き抜けを引き起こすことになり、ビード部の耐久性が低下してしまうおそれもある。
また、本発明のビードワイヤ1の炭素含有量は、0.7〜0.9質量%であることが好ましい。炭素含有量が0.7質量%未満の場合、炭素を含有する効果、すなわち、加工硬化により得られる強力が十分でない場合があり、一方、0.9質量%を超えると、ビードワイヤが硬くなりすぎることがあるため、好ましくない。
本発明のビードワイヤ1は、巻回してビードコア10を形成したとき、ビードコア10の幅方向断面において、隣接するビードワイヤ1が互いに嵌合可能であり、かつ、嵌合されたビードワイヤ1間に空隙4が生じる断面形状を有することのみが重要であり、それ以外の構造については適宜設定することができる。例えば、ビードコアを形成した場合に、隣接するビードワイヤと嵌合しない面も互いに接触していることが好ましい。これにより、ビードコアが崩れてしまうことを良好に防止することができる。また、本発明のビードワイヤにおいては、角部は丸みを有していてもよい。
本発明のビードワイヤは、高炭素鋼の線材を用いて、1伸線加工で所定の寸法形状に加工し、その後、ロールによる圧延加工を行い所望の形状とすることで製造することができるが、ダイスを使用した引き抜き加工にて成形してもよい。また、本発明のビードワイヤにおいては、所望の形状を得た後にブルーイング熱処理を施してもよく、さらに、ゴムとの接着性を向上させるために、その表面にブロンズめっきやブラスめっきを施してもよい。
次に、本発明のビードコアについて説明する。
本発明のビードコア10は、上述の通り、上記本発明のビードワイヤ1が巻回されてなるビードコアであって、隣接するビードワイヤ1が互いに嵌合されてなり、かつ、嵌合されたビードワイヤ1間に空隙を有する(図1、3、4および5参照)。空隙4がビードコア10内部に存在することにより、従来よりもスチールの使用量を削減することができるため、ビードコア10の重量が減少し、その結果、タイヤの軽量化を図ることができる。また、隣接するビードワイヤが嵌合されていることにより、カーカスコードの引き抜け方向へのビードコア10の捻じれ変形に対する剛性が高まり、ビードコア10の巻回形態の崩れを防止してビード部の耐久性が向上する。
本発明のビードコア10においては、空隙4にはゴムが充填されていることが好ましい。ビードコア10の内部に形成された空隙4にゴムが充填されることで、ビードワイヤ1間における水分の伝播を防止することができ、ビードコア10の疲労耐久性を向上させることができる。なお、空隙4にゴムを充填する場合は、ビードワイヤ1の凹部3に、予めゴムを巻く、または凹部3にゴムを詰めてから、ビードワイヤ1を巻回してビードコア10を形成すればよい。
また、本発明のビードコア10においては、金属帯または螺旋状に巻回されたテキスタイルにより集束固定されてなることが好ましい。図7は、本発明のビードコア10を、金属帯5を用いて集束固定した例を示す図である。ビードコア10を集束固定することにより、タイヤ加硫時および走行時のビードコア10の崩れをより良好に防止することができる。なお、金属帯としては、例えば、スチールやアルミニウム合金製のものを好適に用いることができ、テキスタイルとしては、例えば、ナイロン、レーヨン、ポリエステル等の有機繊維のヤーンを用いた織物等を好適に用いることができる。
さらに、本発明のビードコア10は、本発明のビードワイヤ1の説明の際に述べたとおり、ビードコア10の幅方向断面におけるビードワイヤ1の断面積の合計をS(mm)、空隙4の面積の合計をS(mm)としたとき、SおよびSが下記式、
0.05≦S/(S+S)≦0.3
で表される関係を満足することが好ましい。また、ビードコア10を形成するビードワイヤ1は、炭素含有量が0.7〜0.9質量%のスチールワイヤであることが好ましい。
本発明のビードコア10は、上記本発明のビードワイヤ1を従来技術と同様に複数段列積層して形成されたもので、ビードコア10の幅方向断面において、隣接するビードワイヤ1が嵌合されてなり、この嵌合によりビードワイヤ間に空隙4が形成されているものであればよく、それ以外の点については特に制限されるものではない。例えば、ビードコアの断面形状としては、上述したとおり、図示するような断面形状が四角や平行四辺形のビードコアとしてもよいが、これ以外の断面形状として、円形、六角形等としてもよい。また、そのビードワイヤの段列数についても、所望に応じ適宜決定することができ、特に制限されるものではない。
次に、本発明の空気入りタイヤについて説明する。
本発明の空気入りタイヤは、ビードコアを埋設してなる一対のビード部を有し、このビードコアの周りに折り返してトロイド状に延びるカーカスを有する空気入りタイヤであり、ビード部に埋設するビードコアとして上記本発明のビードコアを用いたものである。本発明のビードコアを採用することにより、カーカスの引き抜け、およびビード部の耐久性を低下させることなく、タイヤの軽量化を実現することが可能になる。本発明のタイヤにおいては、それ以外の具体的な構造や部材、材質等については、特に制限されるものではなく、所望に応じ適宜構成することが可能である。
図8は、本発明の空気入りタイヤの好適な実施の形態を示す片側断面図である。図8に示す空気入りタイヤ100は、一対のビード部101と、両ビード部101のタイヤ半径方向外側に連なる一対のサイドウォール部102と、両サイドウォール部102に連なるトレッド部103とを有し、一対のビード部101間にトロイド状に延在してこれら各部101,102,103を補強する少なくとも1枚(図示する例では1枚)のカーカスプライからなるカーカス104と、カーカス104のクラウン部のタイヤ半径方向外側に配置された(図示例では4枚)のベルト層からなるベルト105と、を備えている。
図示例のカーカス104は、1枚の折り返しカーカスプライから構成され、折り返しカーカスプライは、ビード部101内にそれぞれ埋設した一対のビードコア106間にトロイド状に延在する本体部と、各ビードコア106の周りでタイヤ幅方向の内側から外側に向けて半径方向外方に巻上げた折り返し部とからなるが、カーカス104のプライ数および構造は、これに限られるものではない。
以下、本発明を、実施例を用いてより詳細に説明する。
<参考例1>
図1に示すタイプのビードコアを有する、図8に示すタイプのタイヤを、タイヤサイズ11R22.5で作製した。ビードコアは、外郭幅2mm、外郭高さ1.3mmであり、図2に示すタイプの幅方向断面の上下に凹凸状の嵌合部を有する矩形状のスチール製のビードワイヤを、図1に示す向きにタイヤ幅方向8本並列に配置し、そしてタイヤ径方向に6層に巻き重ね、金属帯により集束固定したものである。このとき、ビードコアの空隙率は0.19であった。
ビードワイヤは、炭素含有量が0.81質量%の高炭素鋼の原材料を用いて、先ず1次伸線加工を行い直径3.0mmのワイヤへ加工し、続いて、ロールを使用して圧延加工にて上記記載の形状とした。その後、得られたビードワイヤに対してブルーイング熱処理およびブロンズめっきを施して用いた。なお、このタイヤは、1層のカーカスの両端部がビードコアの周りにタイヤ内側から外側に折り返され、トレッド部のカーカス外周側には4層のベルト層を配置した構成であり、ビード部以外の構造については慣例の空気入りタイヤに従うものである。
<実施例1>
図5に示すビードコアを有するタイヤであり、ビードワイヤとしては図6に示す4種のビードワイヤを用いた。(a)タイプのビードワイヤとして、外郭幅2.0mm、外郭高さ1.0mmである凹型断面のワイヤを8本、(b)タイプのビードワイヤとして、外郭幅2.0mm、外郭高さ0.5mmである溝の浅い凹型を7本、(c)タイプおよび(d)タイプのビードワイヤとして、外郭幅1.0mm、外郭高さ0.5mmであるL型、および外郭幅1.0mm、外郭高さ0.5mmである逆L型の断面形状を有する4種のビードワイヤを、図5に示す向きにタイヤ幅方向並列に組み合わせて配置し、そしてタイヤ径方向に6層に巻き重ね、テキスタイルにより集束固定した。このとき、ビードコアの空隙率は0.23であった。それ以外の構成は参考例1のタイヤと同じである。
<参考例2>
参考例2のタイヤは、図1に示した構造をビード部に有するタイヤであり、ビードワイヤ3を、外郭幅2mm、外郭高さ1.3mmであり、断面形状を有する矩形状のスチール製のビードワイヤとし、空隙率が0.30となるビードコアとした。それ以外の構成は実施例1のタイヤと同じである。ここでのビードワイヤは、参考例1と同じ方法で作成し、寸法のみ変更して作成したものである。
<比較例>
比較例1のタイヤは、図1に示した構造のビードコアを有するタイヤであり、ビードワイヤとして、外郭幅2mm、外郭高さ1.3mmでの矩形状のスチール製ビードワイヤを用いた。ビードコアの空隙率は0.38であった。それ以外の構成は実施例1のタイヤと同じである。ここでのビードワイヤは、参考例1と同じ方法で作成し、寸法のみ変更して作成したものである。
<従来例1>
従来例1のタイヤは、幅2mm、高さ1.3mmの矩形断面を有するスチール製のビードワイヤを用いて、タイヤ幅方向8本並列に配置し、そしてタイヤ径方向に6層に巻き重ね、金属帯により集束固定したものである。なお、隣接するビードワイヤと嵌合させる嵌合部は設けられていない。それ以外の構成は参考例1のタイヤと同じである。
<従来例2>
従来例2のタイヤは、幅2mm、高さ1.3mm、鋭角70度、鈍角110度の平行四辺形断面を有するスチール製のビードワイヤを用いて、タイヤ幅方向8本並列に配置し、そしてタイヤ径方向に6層に巻き重ね、金属帯により集束固定したものである。隣接するビードワイヤと嵌合させる嵌合部は設けられていない。それ以外の構成は参考例1のタイヤと同じである。
各供試タイヤを作成する途中でビードコアの重量を測定し、その後、これらの試験タイヤを以下に示す方法により、ビードコアの回転変化およびビード部の耐久性の試験を行った。
<ビードコアの回転変化試験>
ビードコアの回転変化試験は、上記タイヤをタイヤサイズ8.25のリムに装着し内部に空気圧を加える前と、700kPa(相対圧)の空気圧を付与した場合における、タイヤ幅方向断面におけるビードコアを、それぞれCTスキャン装置を用いて撮影し、ビードコアの相対的な角度変化を計測することにより行った。結果を表1に示す。
<耐久性試験>
ビード部の耐久性試験は、上記タイヤを同じくサイズ8.25リムに装着し、室温45℃の下、内部に700kPa(相対圧)の空気圧を充填し、室内ドラム試験機を用い、これらタイヤを57kNの加重(正規荷重の180%)の作用下で60km/hの速度で不可転動させビード部が故障するまでの走行距離を計測することにより行った。結果を表1に示す。
Figure 0006158550
この試験の結果、本発明のビードワイヤを用いたビードコアを用いたタイヤは、ビードコア中に隙間があってもビードコアの回転角度変化が小さく、故障までの走行距離が大きくなることがわかった。また、ビードコア重量も減少し、ひいては、タイヤ重量も軽くなった。一方、ビードの隙間率を0.38まで大きくした比較例1では、ビードコアおよびタイヤ重量は減少するが、ビードの回転角度変化も大きく、その結果、故障までの走行距離は短かった。すなわち、耐久性が劣るものであつた。
1 ビードワイヤ
2 凸部
3 凹部
4 空隙
5 金属帯
10 ビードコア
100 空気入りタイヤ
101 ビード部
102 サイドウォール部
103 トレッド部
104 カーカス
105 ベルト
106 ビードコア

Claims (7)

  1. ビードワイヤが巻回されてなるビードコアであって、隣接するビードワイヤが互いに嵌合されてなり、かつ、嵌合された該ビードワイヤ間に空隙が形成されてなり、
    前記ビードコアの幅方向断面における前記ビードワイヤの断面積の合計をS(mm)、前記空隙の面積の合計をS(mm)としたとき、前記Sおよび前記Sが下記式、
    0.05≦S/(S+S)≦0.3
    で表される関係を満足し、
    前記ビードワイヤとして、前記断面形状がL字型形状または逆L字型形状であるビードワイヤを含むことを特徴とするビードコア。
  2. 前記ビードワイヤとして、前記断面形状が凸型形状と凹型形状とを有するビードワイヤを含む請求項1に記載のビードコア。
  3. 前記ビードワイヤとして、前記断面形状がコの字型形状であるビードワイヤを含む請求項1に記載のビードコア。
  4. 前記ビードワイヤの炭素含有量が0.7〜0.9質量%である請求項1〜3のうちいずれか一項記載のビードコア。
  5. 前記空隙にゴムが充填されてなる請求項1〜4のうちいずれか一項記載のビードコア。
  6. 金属帯または螺旋状に巻回されたテキスタイルにより集束固定されてなる請求項1〜5のうちいずれか一項記載のビードコア。
  7. ビードコアを埋設してなる一対のビード部を有し、該ビードコアの周りに折り返してトロイド状に延びるカーカスを有する空気入りタイヤにおいて、
    前記ビードコアが請求項1〜6のうちいずれか一項記載のビードコアであることを特徴とする空気入りタイヤ。
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