(第1実施形態)
以下、図面を参照しつつ、本発明の第1実施形態を説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示される。なお、確定特別図柄は、可変表示中に表示される特別図柄とは異なるものであってもよい。
なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の画面上では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の画面上には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。なお、確定飾り図柄は、可変表示中に表示される飾り図柄とは異なるものであってもよい。例えば、スクロール表示される飾り図柄以外の飾り図柄が確定飾り図柄となってもよい。
このように、画像表示装置5の画面上では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム(第1特図ゲームともいう。)、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム(第2特図ゲームともいう。)と同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
画像表示装置5の画面上には、始動入賞記憶表示エリア5Hが配置されている。始動入賞記憶表示エリア5Hでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に、遊技球が進入(例えば、通過)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。この実施の形態では、保留記憶表示を、保留されている可変表示と同じ個数の図柄(本実施の形態では、丸印などであり、以下、保留表示図柄ともいう。)を表示することによって行う。1つの保留表示図柄は、保留されている1つの可変表示に対応している。第1特図を用いた特図ゲームに対応した、保留されている可変表示は、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける向かって左側の領域に表示される保留表示図柄によって表される。第2特図を用いた特図ゲームに対応した、保留されている可変表示は、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける向かって右側の領域に表示される保留表示図柄によって表される。
例えば、第1始動入賞口に遊技球が進入する第1始動入賞の発生により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときに、当該第1始動条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ、第1特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。また、第2始動入賞口を遊技球が進入する第2始動入賞の発生により、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときに、当該第2始動条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ、第2特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。これに対して、第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第1特図保留記憶数が1減算(デクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第2特図保留記憶数が1減算(デクリメント)される。
第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、あるいは始動入賞記憶表示5Hエリアに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。図1に示す例では、始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bはそれぞれ、例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のそれぞれにおける上限値(例えば「4」)に対応した個数(例えば4個)のLEDを含んで構成されている。ここでは、LEDの点灯個数によって、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを表示している。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用のソレノイド81によって垂直位置となる閉鎖状態と傾動位置となる開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入しない閉鎖状態にする。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入できる開放状態にする。なお、普通可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオフ状態であるときに通常開放状態となり、第2始動入賞口に遊技球が進入できる一方、ソレノイド81がオン状態であるときの拡大開放状態よりも遊技球が進入しにくいように構成してもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bは、第2始動入賞口を遊技球が進入可能な開放状態または拡大開放状態といった第1可変状態と、遊技球が進入不可能な閉鎖状態または進入困難な通常開放状態といった第2可変状態とに、変化できるように構成されている。第1可変状態は、第2可変状態よりも遊技球が第2始動入賞口に進入し易い状態であればよい。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球(景品遊技媒体)として払い出され、第1保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2保留記憶数が所定の上限値以下であれば、第2始動条件が成立する。
なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。パチンコ遊技機1は、賞球となる遊技球を直接に払い出すものであってもよいし、賞球となる遊技球の個数に対応した得点を付与するものであってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口に進入(例えば、通過)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口に進入しやすくなる。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が進入しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が進入できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口に進入できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口に進入しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口に遊技球が進入したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口に遊技球が進入したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を進入させて賞球を得ることが不可能または困難になり、第1状態よりも遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、例えば、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41(所定の部材によって遊技球が通過可能に形成され、遊技球の通過は、図2のゲートスイッチ21によって検出される。)を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、タッチセンサ基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号を受け取る機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンド(後述の演出制御コマンドなど)を制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。また、主基板11は、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどを制御して、各種保留記憶数を表示する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100やスイッチ回路110、ソレノイド回路111などが搭載されている。スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号(遊技媒体の通過や進入を検出したこと(スイッチがオンになったこと)を示す検出信号)を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号(例えば、ソレノイド81やソレノイド82をオン状態にする信号など)を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させる機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23といった、各種スイッチからの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、各種スイッチは、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20などの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号(制御コマンド)は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送信される演出制御コマンドである(詳しくは後述する)。演出制御コマンドはいずれも、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」となり、EXTデータの先頭ビットは「0」となるように、予め設定されていればよい。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理(例えば、上記主基板11の機能を実現するための処理など。)が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100を構成する1チップのマイクロコンピュータは、少なくともCPU103の他にRAM102が内蔵されていればよく、ROM101や乱数回路104、I/O105などは外付けされてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、例えば乱数回路104などにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。遊技用乱数は、乱数回路104などのハードウェアによって更新されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することでソフトウェアによって更新されるものであってもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられたランダムカウンタや、RAM102とは別個の内部レジスタに設けられたランダムカウンタに、所定の乱数値を示す数値データを格納し、CPU103が定期的または不定期的に格納値を更新することで、乱数値の更新が行われるようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンド送信テーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種データ(各種フラグやカウンタ、タイマなども含む。)が書換可能に一時記憶される。
I/O105は、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号が入力される入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御する処理(演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させる機能を実現する処理)が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。演出制御パターンは、例えばプロセスタイマ判定値と対応付けられた演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなど)や終了コードなどを含んだプロセスデータから構成されている。演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データ(各種フラグやカウンタ、タイマなども含む。)が記憶される。
演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令などに基づき(例えば、この指令によって、表示制御部123は、演出制御用CPU120に制御される。)、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定して実行する。例えば、表示制御部123は、画像表示装置5の表示画面内に表示させる演出画像の切換タイミングを決定することなどにより、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を画像表示装置5に実行させるための制御を行う。一例として、表示制御部123には、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)、LCD駆動回路などが搭載されていればよい。なお、VDPは、GPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、あるいは、より一般的にDSP(Digital Signal Processor)と称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。CGROMは、例えば書換不能な半導体メモリであってもよいし、フラッシュメモリなどの書換可能な半導体メモリであってもよく、あるいは、磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成されたものであればよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、演出制御基板12の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、I/O125の出力ポートからは、画像表示装置5へと伝送される映像信号や、音声制御基板13へと伝送される指令(効果音信号)、ランプ制御基板14へと伝送される指令(電飾信号)などが出力される。
上記のような構成によって、演出制御用CPU120は、音声制御基板13を介してスピーカ8L、8Rを制御して音声を出力させたり、ランプ制御基板14を介して遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯駆動を行わせたり、表示制御部123を介して画像表示装置5の表示領域に演出画像を表示させたりして、各種の演出を実行する。
パチンコ遊技機1においては、遊技媒体としての遊技球を用いた所定の遊技が行われ、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値が付与可能となる。遊技球を用いた遊技の一例として、パチンコ遊技機1における筐体前面の右下方に設置された打球操作ハンドルが遊技者によって所定操作(例えば回転操作)されたことに基づいて、所定の打球発射装置が備える発射モータなどにより、遊技媒体としての遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技領域を流下した遊技球が、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口(第1始動領域)に進入すると、図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたこと(第1始動口スイッチ22Aがオンになったこと)などにより第1始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始される。
また、遊技球が普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口(第2始動領域)に進入すると、図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたこと(第2始動口スイッチ22Bがオンになったこと)などにより第2始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始される。ただし、普通可変入賞球装置6Bが第2可変状態としての通常開放状態や閉鎖状態であるときには、第2始動入賞口に遊技球が進入困難または進入不可能である。
通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたこと(ゲートスイッチ21がオンになったこと)に基づいて、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立する。その後、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる開放制御や拡大開放制御が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る閉鎖制御や通常開放制御が行われる。普通図柄の可変表示結果を、予め定められた特定表示結果としての「普図当り」にするか否かは、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始されるときになど、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。
第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されるときや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始されるときには、特別図柄の可変表示結果を、予め定められた特定表示結果としての「大当り」にするか否かが、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。そして、可変表示結果の決定に基づく所定割合で、変動パターンの決定などが行われる。
こうした可変表示結果や変動パターンの決定に基づいて特図ゲームが開始された後、例えば変動パターンに対応して予め定められた可変表示時間が経過したときには、可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される。第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の可変表示に対応して、画像表示装置5の画面上に配置された「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、特別図柄とは異なる飾り図柄(演出図柄)の可変表示が行われる。第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるときには、画像表示装置5において飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示される。
特別図柄の可変表示結果として予め定められた大当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」(特定表示結果)となり、遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。すなわち、大当り遊技状態に制御されるか否かは、可変表示結果が「大当り」となるか否かに対応しており、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。特別図柄の可変表示結果として、大当り図柄が導出表示されず、ハズレ図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる。
一例として、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄とする。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄やハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄やハズレ図柄となるようにしてもよい。
大当り遊技状態では、大入賞口が開放状態となって特別可変入賞球装置7が遊技者にとって有利な第1状態となる。そして、所定期間(例えば29秒間)あるいは所定個数(例えば9個)の遊技球が大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を継続して開放状態とするラウンド遊技(単に「ラウンド」ともいう)が実行される。こうしたラウンド遊技の実行期間以外の期間では、大入賞口が閉鎖状態となり、入賞球が発生困難または発生不可能となる。大入賞口に遊技球が進入したときには、カウントスイッチ23により入賞球(大入賞口に進入した遊技球)が検出され、その検出ごとに所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。大当り遊技状態におけるラウンド遊技は、所定の上限回数(例えば「15」)に達するまで繰返し実行される。
特図表示結果が「大当り」となる場合には、大当り種別が「5R確変」、「15R非確変」、「15R確変」のいずれかとなる場合が含まれている。例えば、特別図柄の可変表示結果として、「3」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「5R確変」となり、「5」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「15R非確変」となり、「7」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「15R確変」となる。大当り種別が「5R確変」となった場合には、大当り遊技状態におけるラウンド遊技として、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(大入賞口を開放状態)とする上限時間が比較的に長い時間(例えば29秒など)となる通常開放ラウンドが、5ラウンド(5回)分実行される。大当り種別が「15R非確変」又は「15R確変」となった場合には、大当り遊技状態におけるラウンド遊技としての通常開放ラウンドが15ラウンド(15回)分実行される。
大当り遊技状態が終了した後には、可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り確率)が通常状態よりも高くなる確変状態に制御されることがある。確変状態は、次回の大当り遊技状態が開始されることといった、所定の確変終了条件が成立するまで、継続するように制御される。
また、大当り遊技状態が終了した後には、平均的な可変表示時間が通常状態よりも短くなる時短状態に制御されることがある。時短状態は、所定回数(この実施の形態では、100回)の可変表示が実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたことのうち、いずれか一方の時短終了条件が先に成立するまで、継続するように制御される。
なお、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態や、時短状態、確変状態等の遊技者にとって有利な状態以外の遊技状態のことであり、普図ゲームにおける可変表示結果が「普図当り」となる確率及び特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」となる確率が、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に所定の復帰処理を実行しなかったとき)と同一に制御される状態である。
なお、確変状態は、所定回数の可変表示が実行されることと、次回の大当り遊技状態が開始されたことのうち、いずれか一方の確変終了条件が先に成立するまで、継続するように制御されるようにしてもよい。時短状態は、次回の大当り遊技状態が開始されたことという時短終了条件が成立するまで、継続するように制御されるようにしてもよい。
一例として、大当り種別が「5R確変」である場合の大当り遊技状態(適宜、「5R確変大当り遊技状態」ともいう。)が終了した後の遊技状態は、確変状態となるが時短状態とはならない。また、大当り種別が「15R非確変」である場合の大当り遊技状態(適宜、「15R非確変大当り遊技状態」ともいう。)が終了した後の遊技状態は、確変状態とならないが時短状態となる。また、大当り種別が「15R確変」である場合の大当り遊技状態(適宜、「15R確変大当り遊技状態」ともいう。)が終了した後の遊技状態は、確変状態及び時短状態となる。
時短状態では、通常状態よりも第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい有利変化態様で、普通可変入賞球装置6Bを第1可変状態(開放状態または拡大開放状態)と第2可変状態(閉鎖状態または通常開放状態)とに変化させる。例えば、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御により、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させればよい。なお、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させる制御は、高開放制御(「時短制御」あるいは「高ベース制御」ともいう)と称される。こうした時短状態に制御されることにより、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの所要時間が短縮され、通常状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態となる。
なお、時短状態は、「高ベース状態」、「高ベース」などともいわれ、時短状態でない遊技状態は、「低ベース状態」、「低ベース」、「非時短状態」、「非時短」などともいわれる。確変制御が行われる確変状態は、「高確状態」、「高確」などともいわれ、確変状態でない遊技状態は、「低確状態」、「低確」、「非確変状態」、「非確変」などともいわれる。確変状態及び時短状態になっているときの遊技状態は、「高確高ベース状態」、「高確高ベース」などともいわれる。確変状態とはならずに時短状態になっているときの遊技状態は、「低確高ベース状態」、「低確高ベース」などともいわれる。時短状態とはならずに確変状態になっているときの遊技状態は、「高確低ベース状態」、「高確低ベース」などともいわれる。時短状態及び確変状態のいずれかにもならない状態、つまり、通常状態は、「低確低ベース状態」、「低確低ベース」などともいわれる。
5R確変大当り遊技状態と、15R確変大当り遊技状態とを比較すると、両者とも、通常開放ラウンドが実行されて多くの賞球が得られやすい状態であるので、遊技者にとって有利な特定遊技状態に該当する。ここで、5R確変大当り遊技状態の方が、5R確変大当り遊技状態よりも、大当り遊技状態におけるラウンド数が多い。さらに、5R確変大当り遊技状態はその後に遊技状態が時短状態にならない一方、15R確変大当り遊技状態はその後に遊技状態が時短状態になる。このようなことから、15R確変大当り遊技状態の方が、5R確変大当り遊技状態よりも、遊技者にとっての有利度が高くなっている。つまり、特定遊技状態を、第1特定遊技状態と、第1特定遊技状態よりも有利な第2特定遊技状態とに分けた場合、この実施の形態では、5R確変大当り遊技状態は第1特定遊技状態に該当し、15R確変大当り遊技状態は第2特定遊技状態に該当する。
15R非確変大当り遊技状態と、15R確変大当り遊技状態とを比較すると、両者とも、通常開放ラウンドが実行されて多くの賞球が得られやすい状態であるので、遊技者にとって有利な特定遊技状態に該当する。ここで、15R非確変大当り遊技状態と15R確変大当り遊技状態とでは、ラウンド数が共通する。しかし、15R確変大当り遊技状態はその後に確変状態になるが、15R非確変大当り遊技状態はその後に確変状態にならない。確変状態は、大当りになる確率が低確変状態よりも高いので、遊技者にとって有利である。このようなことから、15R確変大当り遊技状態の方が、15R非確変大当り遊技状態よりも、遊技者にとっての有利度が高くなっている。このため、この実施の形態では、15R非確変大当り遊技状態は第1特定遊技状態に該当し、15R確変大当り遊技状態は第2特定遊技状態に該当する。
以上のように、この実施の形態では、5R確変大当り遊技状態及び15R非確変大当り遊技状態が第1特定遊技状態に該当し、15R確変大当り遊技状態が第2特定遊技状態に該当する。
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間(可変表示中の期間)では、飾り図柄の可変表示態様が所定のリーチ態様となる(リーチが成立する)ことがある。
ここで、リーチ態様とは、画像表示装置5の画面上にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示態様、あるいは、全部または一部の飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリア5Cなど)では飾り図柄が変動している表示態様、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部または一部で飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様である。
また、リーチ態様となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の画面上に飾り図柄とは異なるキャラクター画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ態様となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクター画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ態様となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
また、この実施の形態では、特図ゲームにおける可変表示結果が大当り図柄になるときには、当該特図ゲームの実行期間(特に特図表示結果が導出表示される前)において特定報知が実行される。特定報知は、画像表示装置5に所定の画像を表示するなどして行われる演出(スピーカ8L、8Rや、遊技効果ランプ9などを用いた演出であってもよい。)であり、現在実行中の特図ゲームの可変表示結果が大当り図柄であること(つまり、大当り遊技状態に制御されること)を報知する演出である。例えば、「大当り確定!」などの文字を画像表示装置5に表示したり、所定のキャラクターを画像表示装置5に表示したりする演出が特定報知に該当する。なお、この実施の形態では、特定報知を、大当り種別によらず、同じ態様とすることで、特定報知の実行時には、その後の大当り遊技状態が第1特定遊技状態であるか第2特定遊技状態であるかを遊技者が認識できないようにしている。
また、この実施の形態では、リーチ演出とは別に特定期間演出というものが行われる。特定期間演出は、5R確変大当り遊技状態又は15R確変大当り遊技状態のいずれかに制御されて確変状態になってから最初に実行される第2特図ゲームの実行開始タイミングから開始される特定期間内に実行される演出である。特定期間は、実行開始タイミングから所定時間(20秒)経過したときに終了する期間である(20秒の期間)。特定期間演出は、画像表示装置5に所定の画像を表示するなどして行われる演出(スピーカ8L、8Rや、遊技効果ランプ9などを用いた演出であってもよい。)であり、例えば、現在が特定期間であることを報知するとともに、この特定期間内に「大当り」を発生(例えば、大当り図柄の導出表示)させることを遊技者に指示する演出(所謂ミッションの演出)などである。例えば、ストップウォッチで前記実行開始タイミングからの経過時間を計る画像(経過時間を順次表示する画像)を画像表示装置5に表示したり、棒状の表示バーの長さが前記実行開始タイミングからの経過時間に応じて変化する画像を画像表示装置5に表示したりして現在が特定期間内であることを報知するとともに、経過時間が所定時間に達する前に「大当り」を発生させることを遊技者に指示するミッション演出の画像(例えば、「20秒以内に大当りを発生させろ!」などの画像)を表示する演出である。特定期間演出は、例えば、特定期間の終了とともに終了すればよい(例えば、所定時間が経過したことを報知して終了すればよい)。
特定期間演出が実行されることと並行して特図ゲームが複数回実行されることがある。そして、特定期間演出の実行中に、前記特定報知が実行された場合、前記特定報知の実行タイミング(例えば、開始タイミング)が特定期間終了前であっても、この特定報知の実行に伴って特定期間演出の実行が終了することがある。例えば、特定報知の実行によって、画像表示装置5に表示したストップウォッチがストップしたり、表示バーの変化がストップしたりする。また、ミッション演出の画像の表示も終了する。これらストップする演出やミッション演出の画像の表示の終了は、特定報知の演出に含まれるものとする。これらによって、特定期間演出の実行が終了することになる。
さらに、この実施の形態では、特定期間演出において、特定期間の長さ(つまり、前記所定時間)が報知される所定時間報知の演出が実行される。この演出は、画像表示装置5に、例えば、所定時間である20秒の画像を表示する演出(例えば、特定期間の最初にのみ表示してもよいし、特定期間演出中にずっと表示してもよい。)である。
特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果である特図表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示される。一例として、大当り種別が「5R確変」となる場合には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄である「3」が揃って停止表示されることにより、大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示されればよい。大当り種別が「15R非確変」となる場合には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄である「5」が揃って停止表示されることにより、大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示されればよい。大当り種別が「15R確変」となる場合には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄である「7」が揃って停止表示されることにより、大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示されればよい。
特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様とならずに、所定の非リーチ組合せを構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることがある。また、特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ組合せ」ともいう)を構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることもある。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の主要な動作(作用)を説明する。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
このような遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、割込み禁止状態に設定して、所定の遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。遊技制御用タイマ割込処理には、例えばスイッチ処理やメイン側エラー処理、情報出力処理、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス処理、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理といった、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するための処理が含まれている。なお、遊技制御用タイマ割込処理の終了時には、割込み許可状態に設定される。これによって、遊技制御用タイマ割込み処理は、タイマ割り込みが発生するごと、つまり、割込み要求信号の供給間隔である所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとに実行されることになる。
スイッチ処理は、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから検出信号が入力されたかを判定することによって、各スイッチがオン状態であるか否か(つまり、遊技球の進入又は通過があったか否か)をスイッチごとに判定する処理である。
メイン側エラー処理は、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする処理である。
情報出力処理は、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する処理である。
遊技用乱数更新処理は、主基板11の側で用いられる複数種類の遊技用乱数のうち、少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための処理である。一例として、主基板11の側で用いられる遊技用乱数には、特図表示結果決定用の乱数値MR1と、大当り種別決定用の乱数値MR2と、変動パターン決定用の乱数値MR3と、が含まれていればよい(図3参照)。特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定に用いられる乱数値であり、「1」〜「65535」のいずれかの値を取り得る。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合に、大当り種別を「5R確変、「15R非確変」または「15R確変」のいずれかといった、複数種別のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、「1」〜「100」のいずれかの値を取り得る。変動パターン決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターンを、予め用意された複数パターンのいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、「1」〜「200」のいずれかの値を取り得る。
特別図柄プロセス処理では、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、特別図柄表示装置4における表示動作の制御(特図ゲームの実行)や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定(ラウンド遊技の実行)などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。特別図柄プロセス処理の詳細は後述するが、タイマ割り込みの発生毎に特別図柄プロセス処理が実行されることによって、特図ゲームの実行や、大当り遊技状態などが実現される。
普通図柄プロセス処理では、例えば、通過ゲート41を遊技球が通過した場合(例えば、スイッチ処理にてゲートスイッチ21がオン状態になっていると判定された場合)に保留数が上限数に達していなければ普図ゲームの保留記憶(例えば、乱数値をRAM102に記憶させること)を行ったり、保留記憶を用いて普図ゲームの可変表示結果を決定したり、普図ゲームの変動パターン(変動時間など)を決定したり、変動パターンに従って普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して普通図柄の可変表示を実行して普図ゲームの可変表示結果を導出表示したり、可変表示結果が普図当りの場合に普通可変入賞球装置6Bを拡大開放状態にする処理を行ったりする。タイマ割り込みの発生毎に普通図柄プロセス処理が実行されることによって、普図ゲームの実行や、普図当りのときの普通可変入賞球装置6Bの所定期間の拡大開放状態などが実現される。
コマンド制御処理は、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる処理である。一例として、特別図柄プロセス処理や普通図柄プロセス処理などでは、制御コマンド(演出制御コマンドなど)の送信設定(例えば、送信する制御コマンドの記憶アドレス値をRAM102に格納する等)が行われ、コマンド制御処理では、送信設定された制御コマンドを、実際に演出制御基板12に対して送信する処理が行われる。この送信する処理では、演出制御INT信号などが用いられ、制御コマンドの送信が行われる。
ここで、コマンド制御処理により送信される演出制御コマンドのうち、特別図柄プロセス処理にて送信設定される主な演出制御コマンドについて説明する。図4は、この実施の形態で用いられる主な演出制御コマンドを示す説明である。
コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5において可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターン指定コマンド)である。この実施の形態では、変動パターン(図13参照、詳しくは後述する。)それぞれに対応する変動パターン指定コマンドが設定されている。例えば、各変動パターンには、一意の番号(変動パターン番号)が振られ、その番号がコマンド中の「XX」に設定される(例えば、変動パターンPA1−1なら「01」など)。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターン指定コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもあり、変動パターンの設定時に実行される後述のステップS111にて送信設定される。
コマンド8CXX(H)は、大当りとするか否かおよび大当り種別(つまり、可変表示結果)を指定する演出制御コマンド(表示結果指定コマンド)である。この実施の形態では、表示結果それぞれに対応する表示結果指定コマンドが設定されている。例えば、各表示結果には、一意の番号が振られ、その番号がコマンド中の「XX」に設定される(例えば、「ハズレ」なら「00」、「5R確変」の「大当り」なら「01」など)。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、表示結果指定コマンドは、変動パターン指定コマンドなどとともに、変動パターンの設定時に実行される後述のステップS111にて送信設定される。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを指定する演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを指定する演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを図柄変動指定コマンドと総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、変動パターン指定コマンドに含めるようにしてもよい。第1図柄変動指定コマンド又は第2図柄変動指定コマンドは、変動パターン指定コマンドなどとともに、変動パターンの設定時に実行される後述のステップS111にて送信設定される。
コマンド8F00(H)は、飾り図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを指定する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。図柄確定指定コマンドは、後述のステップS110において保留記憶がない場合などに送信設定される。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションの表示を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。客待ちデモ指定コマンドは、後述のステップS112における特図ゲーム終了時にて送信設定される。
コマンドA001(H)は、5R確変大当り遊技状態の開始(大当り種別が5R確変のときのファンファーレの開始)を指定する演出制御コマンド(大当り開始1指定コマンド)である。なお、ファンファーレとは、大当り遊技状態の開始時に実行される、大当り遊技状態になったことを報知する演出である。コマンドA002(H)は、15R非確変大当り遊技状態の開始(大当り種別が15R非確変のときのファンファーレの開始)を指定する演出制御コマンド(大当り開始2指定コマンド)である。コマンドA003(H)は、15R確変大当り遊技状態の開始(大当り種別が15R確変のときのファンファーレの開始)を指定する演出制御コマンド(大当り開始3指定コマンド)である。大当り開始1指定コマンド〜大当り開始3指定コマンドを総称して大当り開始指定コマンドという場合がある。これらコマンドは、後述のステップS113において、大当り遊技状態が開始されるときに、大当り種別に応じて送信される。
コマンドA601(H)は、5R確変大当り遊技状態におけるエンディングの開始を指定する演出制御コマンド(大当り終了1指定コマンド)である。なお、エンディングとは、大当り遊技状態の終了時に実行される、大当り遊技状態が終了することを報知する演出である。コマンドA602(H)は、15R非確変大当り遊技状態におけるエンディングの開始を指定する演出制御コマンド(大当り終了2指定コマンド)である。コマンドA603(H)は、15R確変大当り遊技状態におけるエンディングの開始を指定する演出制御コマンド(大当り終了3指定コマンド)である。これらコマンドは、後述のステップS116において、最後のラウンド遊技が終了したときに、大当り種別に応じて送信される。
コマンドB0XX(H)は、遊技状態を指定する演出制御コマンド(遊技状態指定コマンド)である。この実施の形態では、遊技状態それぞれに対応する遊技状態指定コマンドが設定されている。例えば、遊技状態が通常状態(低確低ベース)であれば、「XX」は、「00」に設定される。例えば、遊技状態が高確低ベース状態であれば、「XX」は、「01」に設定される。例えば、遊技状態が高確高ベース状態であれば、「XX」は、「02」に設定される。例えば、遊技状態が低確高ベース状態であれば、「XX」は、「03」に設定される。遊技状態指定コマンドは、遊技状態の変更があったとき(後述のステップS113やステップS117の実行時)に送信設定される。
コマンドB1XX(H)は、時短状態の残り回数(あと何回変動表示を終了するまで時短状態が継続するか)を指定する演出制御コマンド(時短回数指定コマンド)である。「XX」が、時短(有利)状態の残り回数を示す。時短回数指定コマンドは、時短状態の残り回数が変化する特図ゲームの終了時(後述のステップS113の実行時)に送信設定される。
コマンドC1XX(H)は、第1保留記憶数を指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数指定コマンド)である。「XX」が、第1保留記憶数を示す。コマンドC2XX(H)は、第2保留記憶数を指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数指定コマンド)である。「XX」が、第2保留記憶数を示す。第1保留記憶数指定コマンドと第2保留記憶数指定コマンドとを総称して、保留記憶数指定コマンドという場合がある。保留記憶数指定コマンドは、後述のステップS101やステップS111などの、第1保留記憶数又は第2保留記憶数に変化があるときに送信設定される。
コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図5は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。図6は、ステップS101にて実行される始動入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。
始動入賞判定処理を開始すると、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(ステップS201)。例えば、スイッチ処理にて第1始動口スイッチ22Aがオン状態になっていると判定されたか否かでこの判定を行う。このとき、例えばスイッチ処理にてオン状態と判定されているなどして第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(ステップS201;Yes)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。このとき、CPU103は、RAM102の所定領域に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS202;No)、RAM102の所定領域に設けられた始動口バッファの格納値である始動口バッファ値を、「1」に設定する(ステップS203)。
ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(ステップS201;No)、ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS202;Yes)、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(ステップS204)。例えば、スイッチ処理にて第2始動口スイッチ22Bがオン状態になっていると判定されたか否かでこの判定を行う。このとき、例えばスイッチ処理にてオン状態と判定されているなどして第2始動口スイッチ22Bがオンであれば(ステップS204;Yes)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS205)。このとき、CPU103は、RAM102の所定領域に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS205にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS205;No)、始動口バッファ値を「2」に設定する(ステップS206)。第2始動口スイッチ22Bがオンでなかったり(ステップS204;No)、第2特図保留記憶数が上限値であったり(ステップS205;Yes)した場合には、始動入賞判定処理を終了する。
ステップS203、S206の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファ値に応じた保留記憶数カウント値を1加算するように更新する(ステップS207)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口に遊技球が進入して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口に遊技球が進入して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。このときには、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新する(ステップS208)。
ステップS208の処理を実行した後に、CPU103は、始動入賞の発生時に対応した所定の遊技用乱数を抽出する(ステップS209)。一例として、ステップS209の処理では、乱数回路104やRAM102の所定領域に設けられたランダムカウンタ等によって更新される数値データのうちから、図3に示す、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データが抽出される。こうして抽出された各乱数値を示す数値データが保留データとして、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭にセットされることで記憶される(ステップS210)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、保留データが図7(A)に示すような第1特図保留記憶部にセットされる。一方、始動口バッファ値が「2」であるときには、保留データが図7(B)に示すような第2特図保留記憶部にセットされる。なお、このとき、CPU103は、保留データが第1特図保留記憶部にセットされたときには、第1保留表示器25Aを制御して、1つ加算された第1特図保留記憶数を特定可能な表示を第1保留表示器25Aに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ増やす)ようにしてもよい。なお、CPU103は、保留データが第2特図保留記憶部にセットされたときには、第2保留表示器25Bを制御して、1つ加算された第2特図保留記憶数を特定可能な表示を第2保留表示器25Bに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ増やす)ようにしてもよい。
図7(A)に示す第1特図保留記憶部は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が進入して第1始動入賞が発生したものの、未だ開始されていない第1特図ゲームの保留データを保留記憶として記憶する。一例として、第1特図保留記憶部は、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の進入による第1始動条件の成立に基づいてCPU103が乱数回路104等から抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部に記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行(可変表示)が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき大当り遊技状態に制御すると決定されるか否かや、飾り図柄の可変表示態様が特定態様(例えばリーチ演出など)となるか否かなどを判定可能にする保留記憶情報となる。
図7(B)に示す第2特図保留記憶部は、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が進入して第2始動入賞が発生したものの、未だ開始されていない第2特図ゲームの保留データを保留記憶として記憶する。一例として、第2特図保留記憶部は、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の進入による第2始動条件の成立に基づいてCPU103が乱数回路104等から抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部に記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行(可変表示)が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき大当り遊技状態に制御すると決定されるか否かや、飾り図柄の可変表示態様が特定態様(例えばリーチ演出など)となるか否かなどを判定可能にする保留記憶情報となる。
ステップS210の処理に続いて、始動口バッファ値に応じて、保留記憶数指定コマンドの送信設定を行う(ステップS211)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときに、CPU103は、演出制御基板12に対して、第1特図保留記憶数(第1保留記憶数カウント値などから特定すればよい)を通知する第1保留記憶数指定コマンドを送信する設定を行う。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには、CPU103は、演出制御基板12に対して、第2特図保留記憶数(第2保留記憶数カウント値などから特定すればよい)を通知する第2保留記憶数指定コマンドを送信するための設定を行う。こうして送信設定された保留記憶数指定コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、コマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される(以下、他のコマンドについても同じ)。
その後、CPU103は、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS212)。このとき、始動口バッファ値が「2」であれば(ステップS212;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS213)、始動入賞判定処理を終了する。これに対して、始動口バッファ値が「1」であるときには(ステップS212;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS214)、ステップS204の処理に進む。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
ここでの第1保留記憶数指定コマンドは、第1始動入賞の発生により第1始動条件が成立したときに、第1特図保留記憶数の増加を通知する演出制御情報として、演出制御基板12の側へと送信される。また、第2保留記憶数指定コマンドは、第2始動入賞の発生により第2始動条件が成立したときに、第2特図保留記憶数の増加を通知する演出制御情報として、演出制御基板12の側へと送信される。なお、ステップS211において、始動口バッファ値が「1」であるときには、CPU103は、演出制御基板12に対して、第1特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する演出制御コマンドである第1始動口入賞指定コマンドを第1保留記憶数指定コマンドとともに送信する設定を行ってもよい。また、始動口バッファ値が「2」であるときには、CPU103は、演出制御基板12に対して、第2特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する演出制御コマンドである第2始動口入賞指定コマンドを第2保留記憶数指定コマンドとともに送信する設定を行ってもよい。
図5に示すステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102の所定領域に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S120の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データの有無などに基づいて、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。このとき、可変表示結果が「大当り」に決定された場合には、大当り種別を「5R確変」、「15R非確変」、「15R確変」といった複数種別のいずれかに決定する。大当り種別はRAM102の所定領域に設けられた大当り種別バッファに格納されて記憶される。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
図8は、特別図柄通常処理として、図5のステップS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図8に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。CPU103は、第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;No)、例えば第2特図保留記憶部の先頭領域(例えば保留番号「1」に対応する記憶領域)といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データとして、所定の乱数値を示す数値データを読み出す(ステップS232)。これにより、図6に示すステップS209の処理で第2始動入賞口における始動入賞(第2始動入賞)の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS233)。例えば、第2特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位にシフトする。また、ステップS233の処理では、合計保留記憶数(合計保留記憶数カウント値)を1減算するように更新する。そして、RAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を、「2」に更新する(ステップS234)。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS231;Yes)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。CPU103は、第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、ステップS235の処理は、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図ゲームは、第1特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
ステップS235にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS235;No)、例えば第1特図保留記憶部の先頭領域(例えば保留番号「1」に対応する記憶領域)といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データとして、所定の乱数値を示す数値データを読み出す(ステップS236)。これにより、図6に示すステップS209の処理で第1始動入賞口における始動入賞(第1始動入賞)の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
なお、第1始動入賞口であるか第2始動入賞口であるかにかかわらず、遊技球が始動入賞口に進入した順番で、特図ゲームが実行される場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれに遊技球が進入したかを示す始動口データを、保留データとともに、あるいは保留データとは別個に、保留番号と対応付けてRAM102の所定領域に記憶させておき、それぞれの保留データに対応する特図ゲームについて、始動条件が成立した順番を特定可能にすればよい。
ステップS236の処理に続いて、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS237)。例えば、第1特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位にシフトする。また、ステップS237の処理では、合計保留記憶数(合計保留記憶数カウント値)を1減算するように更新する。そして、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果(特図ゲームの可変表示結果)である特図表示結果を、「大当り」と「ハズレ」とのいずれかに決定する(ステップS239)。
一例として、ステップS239の処理では、CPU103は、現在が確変状態であるか否かを判定する。この判定は、RAM102に設けられた確変フラグ(確変状態のときにオン状態になるフラグ)の状態に基づいて行えばよい。CPU103は、確変フラグがオフ状態のとき、つまり、現在が確変状態でない場合(低確時)には、例えば図9(A)に示す低確時特図表示結果決定テーブル(予めROM101に記憶され、用意されている。)を、特図表示結果を決定するための使用テーブルに設定する。一方、確変フラグがオン状態のとき、つまり、現在が確変状態である場合(高確時)には、例えば図9(B)に示す高確時特図表示結果決定テーブル(予めROM101に記憶され、用意されている。)を、特図表示結果を決定するための使用テーブルに設定する。これらテーブルでは、例えば、図9に示すように、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」とのいずれとするかの決定結果に割り当てられていればよい。
CPU103は、ステップS232又はS236で変動用乱数バッファに一時格納した遊技用乱数に含まれる特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データを変動用乱数バッファから読み出し、読み出した乱数値の数値データに基づいて、使用テーブルに設定した低確時特図表示結果決定テーブル又は高確時特図表示結果決定テーブルを参照することにより、乱数値MR1に該当する決定値に割り当てられた「大当り」と「ハズレ」とのいずれかの決定結果を特図表示結果として決定すればよい。
このような処理により、例えば、乱数値MR1が「9000」であるとき、CPU103は、確変フラグがオン状態(確変状態)である場合には、特図表示結果を「大当り」にすると決定し、確変フラグがオフ状態(確変状態でない状態)である場合には、特図表示結果を「ハズレ」にすると決定する。
図9(A)及び(B)に示すように、確変状態のときには、通常状態などの非確変状態のときよりも高い割合で、特図表示結果が「大当り」に決定される。したがって、例えば図5に示すステップS117の大当り終了処理により(詳しくは後述する。)、確変フラグがオン状態にセットされたことなどに基づいて、現在が確変状態であるときには、遊技状態が非確変状態になっているときよりも、特図表示結果が「大当り」になりやすく、大当り遊技状態になりやすい。つまり、確変状態は、大当り遊技状態になりやすい、遊技者にとって有利な状態になっている。
その後、CPU103は、ステップS239の処理により決定された特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS240)。特図表示結果が「大当り」に決定された場合には(ステップS240;Yes)、RAM102の所定領域に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS241)。
また、大当り種別を複数種類のいずれかに決定する(ステップS242)。一例として、ステップS242の処理では、CPU103は、今回決定された「大当り」が、第1特図ゲームの可変表示についてのものなのか、第2特図ゲームの可変表示についてのものなのか、つまり、今回実行される可変表示の特図(変動特図)が、第1特図であるのか、第2特図であるのかを判定する。この判定は、変動特図指定バッファ値の値によって判定すればよい。CPU103は、変動特図指定バッファ値が「1」のとき、つまり、変動特図が第1特図である場合には、例えば図10(A)に示す大当り種別決定テーブル(予めROM101に記憶され、用意されている。)を、大当り種別を決定するための使用テーブルに設定する。一方、変動特図指定バッファ値が「2」のとき、つまり、変動特図が第2特図である場合には、例えば図10(B)に示す大当り種別決定テーブル(予めROM101に記憶され、用意されている。)を、大当り種別を決定するための使用テーブルに設定する。これらテーブルでは、例えば、図10に示すように、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、大当り種別を「5R確変」、「15R非確変」、「15R確変」のいずれとするかの決定結果に割り当てられていればよい。
CPU103は、ステップS232又はS236で変動用乱数バッファに一時格納した遊技用乱数に含まれる大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データを変動用乱数バッファから読み出し、読み出した大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データに基づいて、使用テーブルに設定した大当り種別決定テーブルを参照することにより、乱数値MR2に該当する決定値に割り当てられた「5R確変」、「15R非確変」、「15R確変」のいずれかを今回の大当り種別として決定(選択)すればよい。
図10(A)及び(B)では、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、大当り種別の決定割合を異ならせている。より具体的には、変動特図が第1特図のときよりも、第2特図のときの方が、大当り種別は、「15R確変」に決定されやすくなっており、「5R確変」には決定されにくくなっている。つまり、変動特図が第1特図のとき(第1特図ゲームの表示結果が「大当り」のとき)の方が、大当り図柄の導出表示後、5R確変大当り遊技状態及び15R非確変状態を含む第1特定遊技状態に移行しやすくなっており、変動特図が第2特図のとき(第2特図ゲームの表示結果が「大当り」のとき)の方が、大当り図柄の導出表示後、15R確変状態を含む第2特定遊技状態(第1特定遊技状態よりも有利な状態)に移行しやすくなっている。
ステップS242の処理を実行した後には、大当り種別を記憶させる(ステップS243)。CPU103は、RAM102の所定領域に設けられた大当り種別バッファに、大当り種別の決定結果を示す大当り種別バッファ設定値(例えば、「5R確変」の場合には「0」、「15R非確変」の場合には「1」、「15R確変」の場合には「2」となる値)を格納することにより、大当り種別を記憶させればよい。
ステップS240にて特図表示結果が「大当り」ではない場合には(ステップS240;No)、ステップS243のあとには、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を決定する(ステップS246)。一例として、大当りフラグがセットされていない場合(つまり、オフ状態の場合)、ハズレ図柄として予め定められた特別図柄(「−」)を確定特別図柄に決定する。一方、大当りフラグがセットされている場合(つまり、オン状態の場合)、ステップS242における大当り種別の決定結果に応じて(大当り種別バッファ設定値に応じて)、複数種類の大当り図柄として予め定められた特別図柄(「5R確変」であれば「3」、「15R非確変」であれば「5」、「15R確変」であれば「7」)のいずれかを確定特別図柄に決定すればよい。
ステップS246の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“1”に更新してから(ステップS247)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS247にて特図プロセスフラグの値が“1”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図5に示すステップS111の変動パターン設定処理が実行される。
ステップS235にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(ステップS235;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS248)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。演出制御基板12では、客待ちデモ指定コマンドが送信されると、デモ画面表示を行う。
図5のステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果などに基づいて、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターンは、飾り図柄の可変表示の内容(可変表示態様)を指定するものであるので、この決定によって、飾り図柄の可変表示の内容が決定される。特別図柄や飾り図柄の可変表示時間(変動時間)は、変動パターンに対応して予め設定されている。したがって、変動パターン設定処理にて変動パターンを決定することにより、特別図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定特別図柄を導出するまでの可変表示時間が決定される。さらに、変動パターン設定処理は、特別図柄表示装置4において特別図柄の変動を開始させるための設定を行う処理を含んでもよい。変動パターン設定処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
図11は、変動パターン設定処理として、図5のステップS111にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図11に示す変動パターン設定処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS261)。そして、大当りフラグがオンである場合には(ステップS261;Yes)、特図表示結果が「大当り」となる大当り時に対応した変動パターンを決定する(ステップS262)。
ステップS261にて大当りフラグがオフである場合には、特図表示結果が「ハズレ」となるハズレ時に対応した変動パターンを決定する(ステップS265)。
図12は、この実施の形態における変動パターンを示している。この実施の形態では、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様にはならない「非リーチ」である場合とリーチ態様になる「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」で大当り種別が「5R確変」、「15R非確変」、「15R確変」のいずれであるかなどに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。
この実施の形態では、可変表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」であることを指定する変動パターンとして、変動パターンPA1−1が用意されている。変動パターンPA1−1では、変動時間が「2秒」に設定されている。
また、可変表示結果が「大当り」になる場合と「ハズレ」になる場合とで内容が対応する変動パターンが用意されている。具体的には、リーチ成立後、リーチ演出を実行することを指定する変動パターンであって、変動時間が「4秒」に設定されている変動パターンとして、可変表示結果が「ハズレ」となる場合の変動パターンPA1−2と、可変表示結果が「大当り」であって、大当り種別が「15R確変」となる場合の変動パターンPB3−2と、が用意されている。言い換えると、変動時間が4秒のときには、可変表示結果は、「はずれ」と、大当り種別が「15R確変」となる「大当り」と、のいずれかになり、大当り種別が「5R確変」、「15R非確変」である「大当り」にはならない。さらに、リーチ成立後、リーチ演出を実行することを指定する変動パターンであって、変動時間が「25秒」に設定されている変動パターンとして、可変表示結果が「ハズレ」となる場合の変動パターンPA1−3と、可変表示結果が「大当り」であって、大当り種別が「5R確変」又は「15R非確変」となる場合の変動パターンPB3−1と、可変表示結果が「大当り」であって、大当り種別が「15R確変」となる場合の変動パターンPB3−3と、が用意されている。言い換えると、変動時間が25秒のときには、可変表示結果は、「はずれ」と、大当り種別が「5R確変」、「15R非確変」、「15R確変」となる「大当り」と、のいずれかになる。
以上から、変動時間が「2秒」のとき、可変表示結果は「ハズレ」になり、「大当り」にはならない。変動時間が「4秒」又は「25秒」のとき、可変表示結果は「ハズレ」にも「大当り」にもなりうる。また、可変表示結果が「大当り」の場合に、大当り種別が「15R確変」になるときにのみ(つまり、第1特定遊技状態に制御されるとき)には、変動時間が「4秒」の可変表示が実行され得る。また、可変表示結果が「大当り」の場合には、大当り種別を問わず、変動時間が「25秒」の可変表示が実行され得る。つまり、可変表示結果が「大当り」の場合であって、大当り種別が「5R確変」であるか「15R非確変」である場合には、変動時間が「25秒」の可変表示のみが実行され得る。ここで、上記特定期間は、上述のように「20秒間」であるので、特定期間内(特定期間の開始時を含む)に開始された可変表示において、大当り種別が「5R確変」又は「15R非確変」である「大当り」の可変表示結果(大当り図柄)が特定期間内に導出表示されることはない。これは、変動時間が必ず、特定期間の「20秒間」より長い「25秒」になるからである。一方で、特定期間内(特定期間の開始時を含む)に開始された可変表示(特図ゲーム)において、大当り種別が「15R確変」である「大当り」の可変表示結果(大当り図柄)が特定期間内に導出表示されることはある。これは、変動時間が、特定期間の「20秒間」よりも短い「4秒」になることがあるためである。つまり、特定期間内に、「大当り」の可変表示結果が導出表示された場合には、15R確変大当り遊技状態(つまり、第1特定遊技状態)に制御されることはあるが、5R確変大当り遊技状態及び15R非確変大当り遊技状態(つまり、第2特定遊技状態)に制御されることはないようになっている。なお、この実施の形態では、第2特図ゲームの開始にともなって特定期間が開始されるため、特定期間は可変表示の途中から開始されることはない。このため、可変表示結果の導出表示タイミングが特定期間内になるか否かを考えるにあたって、特定期間前に開始される可変表示を考慮する必要はない。
図11に示すステップS262の処理では、例えば図13(A)に示す大当り変動パターン決定テーブル又は図13(B)に示す大当り変動パターン決定テーブルを用いて、大当り時の変動パターンが決定される。一例として、大当り種別が、「5R確変」又は「15非確変」である場合(大当り種別バッファに格納された大当り種別バッファ設定値によって特定できる。)、図13(A)に示す大当り変動パターン決定テーブルが用いられ、大当り種別が、「15R確変」である場合、図13(B)に示す大当り変動パターン決定テーブルが用いられる。各大当り変動パターンテーブルでは、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターンの決定結果に、割り当てられていればよい。
CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データと、大当り種別バッファ設定値と、に基づいて、大当り種別に応じた、例えば図13(A)又は(B)に示す、大当り変動パターン決定テーブルを参照することにより、乱数値MR3に該当する決定値に割り当てられた変動パターンを今回使用される変動パターンとして決定(選択)すればよい。図13(A)のように、大当り種別が「5R確変」又は「15R非確変」である「大当り」が可変表示結果となる場合には、変動時間が25秒である変動パターンPB3−1のみが選ばれので、上述のように、特定期間内(特定期間の開始時を含む)に、大当り種別が「5R確変」又は「15R非確変」である「大当り」の可変表示結果(大当り図柄)が導出表示されることはない。図13(B)のように、大当り種別が「15R確変」である「大当り」が可変表示結果となる場合には、変動時間が4秒である変動パターンPB3−2又は変動時間が25秒である変動パターンPB3−3のいずれかが選ばれので、上述のように、特定期間内(特定期間の開始時を含む)に、大当り種別が「15R確変」である「大当り」の可変表示結果(大当り図柄)が導出表示されることがある。なお、図13(B)のように、変動パターンPB3−2と変動パターンPB3−3とでは、変動パターンPB3−2の方が決定割合が高くなっているため、使用される変動パターンとして、4秒の変動パターンPB3−2が選択されやすい。このため、特定期間内(特定期間の開始時を含む)に開始される特図ゲームにおいて、大当り種別が「15R確変」である「大当り」の可変表示結果(大当り図柄)が導出表示される場合の当該導出表示のタイミングは、特定期間経過後よりも特定期間内に比較的なりやすい。
図11に示すステップS265の処理では、遊技状態が時短状態以外である場合(非時短時)と、遊技状態が時短状態である場合(時短時)とに対応して、予め用意したハズレ変動パターン決定テーブルを用いて、ハズレ時の変動パターンが決定される。例えば、時短中であるかは、RAM102の所定領域に設けられた時短フラグ(時短状態のときにオン状態になるフラグ)がオン状態であるか否かなどによって特定されればよく、非時短時には、図14(A)に示すハズレ変動パターン決定テーブルを用いて、ハズレ時の変動パターンが決定される。一方、時短時には、図14(B)に示すハズレ変動パターン決定テーブルを用いて、ハズレ時の変動パターンが決定される。各ハズレ変動パターン決定テーブルでは、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターンの決定結果に割り当てられていればよい。
CPU103は、例えば、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、非時短時と時短時とに応じたハズレ変動パターン決定テーブルのいずれかを参照することにより、乱数値MR3に該当する決定値に割り当てられた変動パターンを今回使用される変動パターンとして決定(選択)すればよい。
図14(A)及び(B)から分かるように、時短時における、変動時間が2秒と短い変動パターンPA1−1の決定割合が、非時短時よりも高くなっているため、時短時に実行される可変表示の平均変動時間は、非時短時の場合の平均変動時間よりも短くなっている。このため、時短時では、非時短時に比べて、特図ゲームの実行頻度が向上することになる。なお、可変表示結果が「ハズレ」となる場合には、そのときの変動パターンは、変動時間が2秒のもの(PA1−1)、変動時間が4秒のもの(PA1−2)、変動時間が25秒のもの(PA1−3)のいずれにもなりうるので、特定期間内(特定期間の開始時を含む)に開始された特図ゲームにおける「ハズレ」の可変表示結果(ハズレ図柄)の導出表示タイミングは、特定期間内及び特定期間経過後の何れにもなりうる。
図11に示すステップS262、S265の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示時間である特図変動時間(上記のように、単に変動時間ともいう。)を設定する(ステップS266)。特別図柄の可変表示時間となる特図変動時間は、上述のように、特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されるまでの所要時間である。特図変動時間は、図12に示すように、予め用意された複数の変動パターンに対応して、予め定められている。CPU103は、ステップS262、S265の処理で選択した変動パターンに対応した特図変動時間(選択した変動パターンの変動時間)を設定することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が導出されるタイミングを設定できる。特図変動時間の設定は、例えば、特図変動時間に応じたタイマ値を、RAM102の所定領域に設けられた遊技制御プロセスタイマに設定することなどによって行われる。
ステップS266の処理に続いて、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのうち、開始条件が成立したいずれかの特図ゲームを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う(ステップS267)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信する。これによって、特図ゲームが開始される。なお、CPU103は、第1特図を用いた可変表示を開始するときには、第1保留表示器25Aを制御して、1つ減算された第1特図保留記憶数を特定可能な表示を第1保留表示器25Aに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ減らす)ようにしてもよい。なお、CPU103は、第2特図を用いた可変表示を開始するときには、第2保留表示器25Bを制御して、1つ減算された第2特図保留記憶数を特定可能な表示を第2保留表示器25Bに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ減らす)ようにしてもよい。
ステップS267の処理を実行した後には、特別図柄の変動開始時におけるコマンドの送信設定が行われる(ステップS268)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して第1図柄変動指定コマンド、変動パターン指定コマンド、表示結果指定コマンド、第1保留記憶数指定コマンドを順次に送信する設定を行う。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して第2図柄変動指定コマンド、変動パターン指定コマンド、表示結果指定コマンド、第2保留記憶数指定コマンドを順次に送信する設定を行う。
ステップS268の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“2”に更新してから(ステップS269)、変動パターン設定処理を終了する。ステップS269にて特図プロセスフラグの値が“2”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図5に示すステップS112の特別図柄変動処理が実行される。
図5のステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させる処理や、遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減算する処理などが含まれている。そして、遊技制御プロセスタイマのタイマ値が0でないときには、特図変動時間が経過していないので、特図ゲームの可変表示を実行するための制御(例えば、第1特図や第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信する制御)などを行って、特別図柄変動処理を終了する。一方で、遊技制御プロセスタイマのタイマ値が0になり、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄(ステップS110で設定された確定特別図柄)を停止表示(導出表示)させ、また、停止表示されるときに図柄確定指定コマンドの送信設定も行い、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。タイマ割り込みの発生毎にステップS112が繰り返し実行されることによって、特別図柄の可変表示や確定特別図柄の導出表示などが実現される。
図5のステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。特別図柄停止処理には、大当りフラグがオン状態になっているかを判定する処理が含まれる。そして、特別図柄停止処理では、大当りフラグがオン状態である場合に時短フラグ及び確変フラグをリセットし(オフ状態にし)、RAM102の所定領域に設けられた、時短状態中に実行される可変表示の残り回数をカウントする時短回数カウンタのカウント値を「0」にする処理が行われる。また、このとき、ファンファーレ待ち時間(ファンファーレの開始から終了するまでの待ち時間であり、予め定められた時間である。)に対応するタイマ値を初期値として遊技制御プロセスタイマにセットする処理も行われる。また、このとき、大当り種別が「5R確変」の場合には大当り開始1指定コマンドを送信する設定を行い、大当り種別が「15R非確変」の場合には大当り開始2指定コマンドを送信する設定を行い、大当り種別が「15R確変」の場合には大当り開始3指定コマンドを送信する設定を行い、特図プロセスフラグを「4」に更新する処理なども行われる。大当り種別は、例えば、大当り種別バッファの大当り種別バッファ設定値によって特定できる。
また、特別図柄停止処理には、大当りフラグがオフ状態である場合に、時短フラグがオン状態である場合には、時短回数カウンタのカウント値を「1」減らし、減らした後のカウント値が「0」である場合に時短フラグをオフ状態にし、時短状態を終了させる処理や、特図プロセスフラグの値を「0」に更新する処理が含まれる。
これら一連の処理によって、大当り時には、一旦時短状態や確変状態が終了し、ハズレ時には、時短中において実行可能な残りの可変表示が「1回」減らされる。時短中において実行可能な残りの可変表示が「0」回になると、時短フラグがオフになり時短状態が終了する。つまり、時短状態(時短制御)は、その開始から可変表示結果が「大当り」になる前に予め定められた所定回数(下記の初期カウント値)だけ可変表示が実行された場合に終了する。また、特別図柄停止処理では、遊技状態を変更した場合(時短フラグや、確変フラグをリセットしてオフ状態とした場合)には、変更後の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドの送信設定がなされる。さらに、時短回数カウンタのカウント値を「1」減じた場合には、特別図柄停止処理では、減じたあとのカウント値(時短状態における残りの時短回数)を指定する時短回数指定コマンドの送信設定がなされる。
図5のステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理では、例えば、遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減算される。減算後のタイマ値が「0」でない場合には、ファンファーレ待ち時間がまだ経過していないことになるので、大当り開放前処理は終了する(適宜の処理を行ってから終了してもよい。)。減算後のタイマ値が「0」である場合には、ファンファーレ待ち時間が経過し、ラウンド遊技の開始タイミングになったことになる。この場合には、大当り遊技状態においてラウンド遊技の実行を開始して大入賞口を開放状態とする処理(例えば、ソレノイド駆動信号を大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する処理)、大当り種別バッファに格納された大当り種別バッファ設定値により特定される大当り種別が、「5R確変」である場合にはRAM102の所定領域に設けられたラウンド数カウンタに初期値として「5」を設定し、「15R非確変」又は「15R確変」である場合にはラウンド数カウンタに初期値として「15」を設定する処理、大入賞口を開放状態とする期間の上限(ここでは、29秒)に対応するタイマ値を遊技制御プロセスタイマに設定する処理などが実行される。大入賞口を開放状態とする処理などが実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。タイマ割り込みの発生毎にステップS114が繰り返し行われることによって、ラウンド遊技の開始タイミングまでの待機(ファンファーレの終了までの待機)及び大入賞口の開放などが実現される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減算する処理や、1減算したあとのタイマ値や、1回のラウンド遊技においてカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数(スイッチ処理でカウントスイッチ23がオン状態と判定される毎に1カウントするカウンタ(RAM102に設けられる。)などによってカウントされればよい。)などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態(又は一部開放状態であってもよい。)に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれる。
1減算したあとのタイマ値が0になった、又は、検出された遊技球の個数(前記カウンタのカウント値)が所定個数(例えば9個)に達したと判定したときには、大入賞口を閉鎖するタイミングになったので、大入賞口を閉鎖状態に戻す処理(例えば、ソレノイド駆動信号を大入賞口扉用のソレノイド82に伝送することを停止してソレノイド82をオフとする処理)や、大入賞口の閉鎖期間(ラウンド遊技のインターバル期間であり、予め設定されている期間)に対応するタイマ値を遊技制御プロセスタイマに設定する処理や、ラウンド数カウンタのカウント値を1減じる処理などが実行される。
1減算したあとのタイマ値が0になってもなく、検出された遊技球の個数も所定個数に達していない場合には、大入賞口の開放状態に維持する処理(例えば、ソレノイド駆動信号を継続する処理)などを行って、大当り開放中処理を終了する。大入賞口を閉鎖状態に戻したときには、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。タイマ割り込みの発生毎にステップS115が繰り返し行われることによって、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングまで大入賞口の開放状態が維持されることになる。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理では、ラウンド数カウンタのカウント値が「0」になったか否かを判定する処理や、「0」になっていない場合に遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減じる処理などが行われる。
ラウンド数カウンタのカウント値が「0」であると判定された場合には、ラウンド遊技が上限回数に達したことになるので、遊技制御プロセスタイマにエンディング待ち時間(エンディングの開始から終了するまでの待ち時間であり、予め定められた時間である。)に対応したタイマ値を遊技制御プロセスタイマに設定する。また、大当り種別が「5R確変」の場合には大当り終了1指定コマンドを送信する設定を行い、大当り種別が「15R非確変」の場合には大当り終了2指定コマンドを送信する設定を行い、大当り種別が「15R確変」の場合には大当り終了3指定コマンドを送信する設定を行い、特図プロセスフラグを“7”に更新する処理なども行う。大当り種別は、例えば、大当り種別バッファの大当り種別バッファ設定値によって特定できる。
遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減じる処理を行った場合には、1減じたあとのタイマ値が0であるかを判定し、0でない場合には、ラウンド遊技の開始タイミングでないので、閉鎖状態が維持され、大当り開放後処理は終了する。0である場合には、ラウンド遊技の開始タイミングになったので、大入賞口を開放状態とする処理、大入賞口を開放状態とする期間の上限(ここでは、29秒)に対応するタイマ値を遊技制御プロセスタイマに設定する処理などが実行される。大入賞口を開放状態とする処理などが実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
タイマ割り込みの発生ごとにステップS114で大入賞口が開放されてからS115及びS116が繰り返し実行されることによって、各ラウンド遊技が実現される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。大当り終了処理では、遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減じる処理などが行われる。1減じたタイマ値が0でなっていない場合には、エンディングが終了していないので、そのまま大当り終了処理を終了する。1減じたタイマ値が0になった場合には、エンディングが終了するので、大当り種別バッファに格納された大当り種別(大当り種別バッファ設定値)に応じて、例えば、図15に示すように、大当り種別が「5R確変」であれば、時短フラグをオフ状態のままにして確変フラグをオン状態にする。大当り種別が「15R非確変」であれば、時短フラグをオン状態にして確変フラグをオフ状態のままにして、時短回数カウンタにカウント初期値(例えば、100回)を設定する。大当り種別が「15R確変」であれば、時短フラグ及び確変フラグをオン状態にして、時短回数カウンタにカウント初期値(例えば、100回)を設定する。このような設定のあと、遊技制御プロセスタイマや、大当り種別バッファ設定値などの各種データを適宜リセットして特図プロセスフラグの値を“0”に更新する。
時短状態(時短制御)は、所定回数の可変表示が実行されることと、次回の大当り遊技状態が開始されることとのうち、次回の大当り遊技状態が開始されるのみで終了するようにしてもよい。この場合、カウント初期値の設定や、時短回数カウンタ自体が不要である。
次に、演出制御基板12における主な動作を説明する。
演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、所定の演出制御メイン処理を実行する。演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。その後、RAM122の所定領域に設けられたタイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば、待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
タイマ割込みフラグがオンである場合には、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに、コマンド解析処理を実行する。コマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。例えば、演出制御コマンドに応じて図16に示すような処理を実行する。なお、図16において、各種格納領域や、各種フラグは、RAM122に設けられる。
遊技状態指定コマンドの受信があった場合、コマンド解析処理では、遊技状態指定コマンドが指定する遊技状態に応じて、RAM122の所定領域に設けられた時短中フラグの状態と確変中フラグの状態とを更新する。遊技状態指定コマンドが通常状態を指定するものである場合には、確変中フラグ及び時短中フラグをオフ状態とする。遊技状態指定コマンドが高確低ベース状態を指定するものである場合には、確変中フラグをオン状態として、時短中フラグをオフ状態とする。遊技状態指定コマンドが高確高ベース状態を指定するものである場合には、確変中フラグ及び時短中フラグをオン状態とする。遊技状態指定コマンドが低確高ベース状態を指定するものである場合には、確変中フラグをオフ状態とし、時短中フラグをオン状態とする。このような処理によって、図17に示すように、主基板11側に設けられた確変フラグと、演出制御基板12側に設けられた確変中フラグとは、オン状態とオフ状態とが対応する。また、主基板11側に設けられた時短フラグと、演出制御基板12側に設けられた時短中フラグとは、オン状態とオフ状態とが対応する。なお、時短中フラグや確変中フラグがオフ状態からオン状態に変更されるタイミングは、大当り遊技状態が終了するタイミングでもある。このため、このような変更があったときには、後述の特定期間演出終了フラグをオフ状態にリセットする。
第1保留記憶数指定コマンドや第2保留記憶数指定コマンドを受信した場合には、演出制御用CPU120は、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった制御を行うことで、画像表示装置5の始動入賞記憶表示エリア5Hの所定領域の色を変更させるなどして、始動入賞記憶表示エリア5Hの保留記憶表示を変化させ、保留記憶表示によって特定可能となる可変表示(特図ゲームや飾り図柄の可変表示)の保留数を更新する。
コマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する。演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった発光体における点灯動作などといった各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理などが実行され、演出制御に用いる各種の乱数値として、RAM122のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新するなどする。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う処理が再度実行される。つまり、コマンド解析処理、演出制御プロセス処理、演出用乱数更新処理などは、タイマ割り込みが発生するごとに実行されることになる。
図18は、演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図18に示す演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU120は、まず、特定期間演出を実行するための特定期間演出処理を実行する(ステップS169)。図19は、特定期間演出処理の一例を示すフローチャートである。特定期間演出処理では、演出制御用CPU120は、まず、RAM122の所定領域に設けられた特定期間終了フラグがオン状態であるかを判定する(ステップS701)。特定期間終了フラグは、特定期間が終了してから次の大当り遊技状態が終了するまでオン状態となることで、特定期間が終了したあとに、次の特定期間の開始タイミングが来る前(具体的には、次の大当り遊技状態が来る前)に再度特定期間の設定がなされてしまうことを防止する。
特定期間終了フラグがオフ状態である場合(ステップS701;No)、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域に設けられた特定報知フラグがオン状態であるかを判定する(ステップS702)。特定報知フラグは、特定報知が実行されているときにオン状態となるフラグである。特定報知フラグがオフ状態であるときには(ステップS702;No)、特定期間演出フラグがオン状態であるかを判定する(ステップS703)。特定期間演出フラグは、特定期間演出が実行されているときにオン状態となるフラグである。
特定期間演出フラグがオン状態のときには(ステップS703;Yes)、演出制御用CPU120は、特定期間演出の実行のための特定期間演出動作制御を実行する(ステップS704)。例えば、特定期間演出の開始時においては、特定期間演出を実行するための演出制御パターン(例えば、画像表示装置5の処理領域に、特定期間演出の演出画像を表示するための演出制御パターン)を使用パターンにセットするとともに、特定期間演出の実行期間(ここでは、特定期間「20秒間」)に対応するタイマ値をRAM122の所定領域に設けられた特定期間演出用のプロセスタイマに設定する。設定されたタイマ値は、タイマ割り込み毎に実行される各ステップS704で1ずつ減じられる。
演出制御用CPU120は、使用パターンとして選択された演出制御パターンに含まれるデータのうちの、1減じたタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられた演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなど)に基づいて、表示制御部123を制御して演出画像を画像表示装置5に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった演出動作制御を行う。なお、略同時期(例えば、ステップS172の処理のとき)に他の演出動作制御も実行されるときには、ステップS704の演出動作制御によって表示される画像、音声などと、他の演出動作制御によって表示される画像、音声などとが合成などされるように、表示制御部123、音声制御基板13、ランプ制御基板14、などは動作する(複数のステップで行われる演出動作制御において同じ)。これによって、例えば、飾り図柄の可変表示やリーチ演出の実行中に、特定期間演出も重畳して実行される。タイマ割り込み毎にステップS704が繰り返し実行されることで、特定期間演出の実行が実現する。
演出制御用CPU120は、ステップS704のあと、特定期間演出や特定期間の終了タイミングであるかを判定する(ステップS705)。例えば、前記で1減じたタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に演出制御実行データとともに終了コードも対応付けられていた場合、現在が終了タイミングであると判定し(ステップS705;Yes)、この場合には、特定期間が終了したので(所定時間である20秒が特定期間開始から経過したので)、特定期間終了フラグをオン状態にして(ステップS706)、特定期間演出処理を終了する。前記で1減じたタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に演出制御実行データとともに終了コードが対応付けられていない場合、現在が終了タイミングでないと判定し(ステップS705;No)、この場合には、特定期間が終了していないので特定期間演出処理を終了する。
特定期間終了フラグがオン状態である場合(ステップS701;Yes)、特定報知フラグがオン状態である場合(ステップS702;Yes)、特定期間演出フラグがオフ状態である場合(ステップS703;No)、特定期間演出の実行タイミングでないので、演出制御用CPU120は、特定期間演出処理を終了する。
ステップS169の処理が実行されると、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域に設けられた演出プロセスフラグの値(最初は、“0”である。)に応じて、図18のステップS170〜S175の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11からの第1図柄変動指定コマンドあるいは第2図柄変動指定コマンドなどを受信したか否か(例えば、これらの受信フラグ(図16参照)がセットされているか、つまり、オン状態になっているか否か)に基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。第1図柄変動指定コマンドあるいは第2図柄変動指定コマンドなどを受信し、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始すると判定した場合(第1図柄変動指定コマンド受信フラグ又は第2図柄変動指定コマンド受信フラグがオン状態になっている場合)には、演出プロセスフラグの値が“1”に更新される。それ以外の場合には、演出プロセスフラグの値の更新を行わずに可変表示開始待ち処理を終了する。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。図20は、可変表示開始設定処理として、ステップS171にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図20に示す可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば主基板11から伝送された表示結果指定コマンド(表示結果指定コマンド格納領域に格納されている表示結果指定コマンド)などに基づいて、今回の特図表示結果が「ハズレ」となるか否かを判定する(ステップS521)。表示結果指定コマンドが「ハズレ」を指定するものであり特図表示結果が「ハズレ」となる旨の判定がなされたときには(ステップS521;Yes)、例えば主基板11から伝送された変動パターン指定コマンド(変動パターン指定コマンド格納領域に格納されている変動パターン指定コマンド)により指定された変動パターンが、飾り図柄の可変表示態様をリーチ態様としない「非リーチ」の場合に対応した非リーチ変動パターン(PA1−1)であるか否かを判定する(ステップS522)。
ステップS522にて非リーチ変動パターンであると判定された場合には(ステップS522;Yes)、非リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS523)。一例として、ステップS523の処理では、まず、乱数回路124またはRAM122の所定領域に設けられた演出用ランダムカウンタ等により更新される非リーチ組合せの飾り図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された非リーチ組合せの飾り図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄(非リーチ組合せの飾り図柄)を決定する。
ステップS522にて非リーチ変動パターンではないと判定された場合(つまり、変動パターンがPA1−2又はPA1−3のとき)には(ステップS522;No)、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS524)。一例として、ステップS524の処理では、まず、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新されるリーチ組合せの飾り図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意されたリーチ組合せの飾り図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄(リーチ組合せの飾り図柄)を決定する。
表示結果指定コマンドが「大当り」を指定するものであり、特図表示結果が「ハズレ」でない旨の判定がなされたときには(ステップS521;No)、大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS527)。例えば、表示結果指定コマンドが「5R確変」の「大当り」を指定するものである場合には、画像表示装置5の表示領域における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rそれぞれに導出表示される飾り図柄を「3」で揃える。表示結果指定コマンドが「15R非確変」の「大当り」を指定するものである場合には、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rそれぞれに導出表示される飾り図柄を「5」で揃える。表示結果指定コマンドが「15R確変」の「大当り」を指定するものである場合には、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rそれぞれに導出表示される飾り図柄を「7」で揃える。
ステップS523、S524、S527の処理のいずれかを実行した後には、この後に使用する使用パターンとなる演出制御パターンを、予め用意された複数パターンのうちから決定する(ステップS530)。演出制御パターンは、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して複数用意されており、ステップS530では、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターンに対応する演出制御パターンを使用パターンとして決定する。なお、可変表示結果が「大当り」になる変動パターンPB3−1〜PB3−3における演出制御パターンのみ、リーチ成立後に特定報知が実行される演出制御パターンになっている。このため、特定報知が実行されるときには、そのときに実行されている飾り図柄の可変表示(特図ゲームでもある。)は、大当り確定になる。
変動パターンPB3−1〜PB3−3それぞれに対応する演出制御パターンでは、特定報知の実行タイミングが予め設定されている。例えば、変動パターンPB3−1及びPB3−3に対応する演出制御パターンは、飾り図柄の変動開始後から23秒後に特定報知が実行されるように規定されている。このような規定によって、変動パターンPB3−1及びPB3−3が今回の可変表示の変動パターンである場合、特定期間は20秒間なので、特定報知が特定期間内に実行されることがなくなっている(一番早くて、特定期間終了後3秒後に特定報知が実行される)。上述のように、大当り種別が「5R確変」又は「15R非確変」である「大当り」が可変表示結果となる可変表示の変動パターンは、変動パターンPB3−1のみであるので、大当り種別が「5R確変」又は「15R非確変」である「大当り」が可変表示結果となる場合の特定報知が特定期間内に実行されることはない。
変動パターンPB3−2に対応する演出制御パターンについては、変動時間が4秒と短いので、特定報知の実行タイミングはリーチ成立後の適宜のタイミングでよい。変動パターンPB3−2が今回の可変表示の変動パターンである場合、特定期間は20秒間なので、特定報知が特定期間内に実行されることがある。上述のように、大当り種別が「15R確変」である「大当り」が可変表示結果となる可変表示の変動パターンは、変動パターンPB3−2又はPB3−3であるので、大当り種別が「15R確変」である「大当り」が可変表示結果となる場合の特定報知は特定期間内に実行されることがある(変動パターンPB3−2の場合)。
その後、演出制御用CPU120は、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、RAM122の所定領域に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値(変動パターンに対応する特図変動時間に応じた初期値)を設定する(ステップS531)。
そして、画像表示装置5における飾り図柄などの変動を開始させるための設定(演出動作制御の開始設定)を行う(ステップS532)。このときには、例えばステップS530にて使用パターンとして決定(設定)された演出制御パターンに含まれる表示制御データに基づいて表示制御部123を制御し、画像表示装置5の表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。
その後、特定期間演出開始条件が成立したかを判定し(ステップS533)、当該条件が成立している場合には(ステップS533;Yes)、特定期間演出フラグをオン状態にセットする(ステップS534)。特定期間演出開始条件は、例えば、確変中フラグがオン状態であり、特定期間終了フラグがオフ状態であり、特定期間演出フラグがオフ状態であり、かつ、今回の変動が第2特図についてのものである、ときにのみ成立する条件である。このような条件が成立するタイミングは、大当り遊技状態後の確変状態が開始されてから最初の第2特図ゲームの実行開始タイミングになっている。そして、このようなタイミングで特定期間演出フラグがオン状態になり(ステップS534)、次回の特定期間演出処理から特定期間演出の実行が開始される。この実施の形態では、大当り遊技状態後の確変状態が開始されてから最初の第2特図ゲームの実行開始タイミングを開始タイミングとして、特定期間や特定期間演出が開始されることになる。前記条件が成立していない場合(ステップS533;No)、又は、ステップS534のあとは、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS535)、可変表示開始設定処理を終了する。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。図21は、可変表示中演出処理の一例を示すフローチャートである。可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば演出制御プロセスタイマのタイマ値に基づいて、変動パターンに対応した可変表示時間(特図変動時間)が経過したか否かを判定する(ステップS551)。一例として、ステップS551の処理では、演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減じ、1減じたタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられたデータが終了コードであるか否かを判定することによって、特図変動時間が経過したかを判定する。
終了コードでない場合、つまり、特図変動時間が経過していない場合(ステップS551;No)、現在がリーチ演出を実行するためのリーチ演出実行期間であるか否かを判定する(ステップS552)。当該期間は、ステップS530の処理により決定(設定)された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。演出制御プロセスタイマのタイマ値(ステップS551で1減じたタイマ値、以下適宜同じ)と同じ値のプロセスタイマ判定値に対応したデータ(演出制御パターンに含まれるデータ)がリーチ演出実行期間であることを表しているなどして、リーチ演出実行期間であると判定したときには(ステップS552;Yes)、現在が特定報知実行期間であるかを判定する(ステップS553)。当該期間は、ステップS530の処理により決定(設定)された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。
演出制御プロセスタイマのタイマ値と同じ値のプロセスタイマ判定値に対応したデータ(演出制御パターンに含まれるデータ)が特定報知実行期間であることを表しているなどして、特定報知実行期間であると判定したときには(ステップS553;Yes)、特定報知フラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップS554)。特定報知が今回の可変表示において未実行である場合には、特定報知フラグはオフ状態であり(ステップS554;No)、この場合には特定報知が開始されるとともに、特定期間演出の実行が終了するので、特定報知フラグをオン状態とするとともに特定期間演出フラグをオフ状態とする(ステップS555)。
特定報知を実行中で特定報知フラグがオン状態のとき(ステップS554;Yes)、又は、ステップS555のあとには、特定報知及びリーチ演出を実行する演出動作制御を行う(ステップS557)。例えば、演出制御用CPU120は、使用パターンとして選択された演出制御パターンに含まれるデータのうちの、演出制御プロセスタイマのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられた、特定報知及びリーチ演出を実行するための演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなど)に基づいて、表示制御部123を制御して演出画像を画像表示装置5に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった演出動作制御を行う。タイマ割り込み毎にステップS557が繰り返し実行されることで、特定報知及びリーチ演出(特定報知の実行が行われている期間のリーチ演出)の実行が実現する。特定期間演出の実行中に特定報知の実行が開始されると、特定期間演出が特定報知に切り替わり、例えば、特定期間演出における、ストップウォッチがストップしたり、表示バーの変化がストップしたり、ミッション演出の画像の表示も終了するような演出が、特定報知によって実行されるように制御される。これらによって、特定期間演出の実行が終了することになる。
そして、例えば、上記演出動作制御で使用した演出制御実行データが特定報知の実行の最後に使用されるデータであるかを判定することで(最後に使用されるデータには、最後である旨が定義されているものとする。)、特定報知が終了するタイミングであるかを判定する(ステップS558)。演出制御実行データが特定報知の最後のデータであり、特定報知が終了するタイミングであると判定した場合には(ステップS558;Yes)、特定報知フラグをオフ状態とする(ステップS559)。なお、特定報知が実行されるということは、その後に大当り遊技状態が到来することになるので、特定期間終了フラグの状態は変更しなくてよい。
ステップS553にて演特定報知実行期間でないと判定したときには(ステップS553;No)、リーチ演出を実行する演出動作制御を行う(ステップS561)。例えば、演出制御用CPU120は、使用パターンとして選択された演出制御パターンに含まれるデータのうちの、演出制御プロセスタイマのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられた、リーチ演出を実行するための演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなど)に基づいて、表示制御部123を制御して演出画像を画像表示装置5に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった演出動作制御を行う。タイマ割り込み毎にステップS561が繰り返し実行されることで、リーチ演出(特定報知の実行が行われている期間以外でのリーチ演出)の実行が実現する。
特定報知が終了するタイミングでない場合(ステップS558;No)、ステップS561のあと、ステップS559のあと、リーチ演出実行期間でないと判定したときには(ステップS552;No)、その他の演出動作制御を行う(ステップS562)。例えば、演出制御用CPU120は、使用パターンとして選択された演出制御パターンに含まれるデータのうちの、演出制御プロセスタイマのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられた、演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなど)に基づいて、表示制御部123を制御して演出画像を画像表示装置5に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった演出動作制御を行う。タイマ割り込み毎にステップS557が繰り返し実行されることで、他の演出(例えば、飾り図柄の可変表示動作などであってもよい。)の実行が実現する。ステップS562のあと、可変表示中演出処理は終了する。
ステップS551の処理で1減じたタイマ値に対応するデータが終了コードであり、特図変動時間が飾り図柄の可変表示(特図ゲームでもある)の開始から経過した場合には(ステップS551;Yes)、主基板11から伝送される図柄確定指定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS565)。このとき、図柄確定指定コマンドの受信がなければ(ステップS565;No)、可変表示中演出処理を終了して待機する。なお、可変表示時間が経過した後、図柄確定指定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定指定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。
ステップS565にて図柄確定指定コマンドの受信があった場合には(ステップS565;Yes)、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった、飾り図柄の可変表示において可変表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)(ステップS171で決定した組合せの確定飾り図柄)を導出表示させる制御を行う(ステップS566)。このときには、大当り開始指定コマンド受信待ち時間に対応するタイマ値を演出制御プロセスタイマなどに設定する(ステップS567)。そして、演出プロセスフラグの値を特図当り待ち処理に対応した値である“3”に更新し(ステップS568)、可変表示中演出処理を終了する。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、例えば、大当り開始1指定コマンド〜大当り開始3指定コマンドのいずれかの受信があったか否かを大当り開始1指定コマンド受信フラグ〜大当り開始3指定コマンド受信フラグのいずれかがオン状態にセットされているかなどに基づいて判定する。そして、いずれかの受信フラグがオン状態にセットされており、大当り開始1指定コマンド〜大当り開始3指定コマンドのいずれかの受信があったと判定した場合には、受信したコマンドに応じた(オン状態の受信フラグに応じた)演出制御パターンを使用パターンとして選択し、さらに使用パターンとして選択した演出制御パターンの実行時間に応じたタイマ初期値を演出制御プロセスタイマに設定する。この実施の形態では、大当り遊技状態に制御されている期間において実行される演出が、5R確変大当り遊技状態、15R非確変大当り遊技状態、15R確変大当り遊技状態それぞれについて用意されている(これによって、遊技者は、現在の大当り遊技状態の種類を認識できる。)。このため、演出制御パターンも、これら演出をそれぞれ実行するために複数用意され、受信コマンドに応じて選択される(例えば、大当り開始3指定コマンドが受信されたときには、15R確変大当り遊技状態に対応した演出が実行される。)。その後、演出プロセスフラグの値を“4”に更新する。
大当り開始1指定コマンド〜大当り開始3指定コマンドのいずれの受信もないと判定した場合には、演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減算し、1減算したタイマ値が0でない場合には、特図当り待ち処理を終了する。一方で、1減算したタイマ値が0である場合(大当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過したとき)には、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する(このときには、各受信フラグや、各格納領域に格納されたデータなどは、適宜リセットされる)。
ステップS174の大当り中処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この大当り中処理において、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減じ、使用パターンとして選択された演出制御パターンに含まれるデータのうちの、1減じたあとのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられた、演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなど)に基づいて、表示制御部123を制御して演出画像を画像表示装置5に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった演出動作制御を行う。タイマ割り込み毎にステップS174が繰り返し実行されることで、大当り遊技状態に対応した演出(例えば、ファンファーレを含み、エンディングを除く演出)の実行が実現する。大当り中処理では、さらに、大当り終了1指定コマンド〜大当り終了3指定コマンドのいずれかを受信したかを大当り終了1指定コマンド受信フラグ〜大当り終了3指定コマンド受信フラグのうちのいずれかがオン状態であるかなどに基づいて判定し、いずれの受信フラグもオフ状態で大当り終了1指定コマンド〜大当り終了3指定コマンドのいずれも受信していない場合、各ラウンド遊技が全て終了していないので、演出制御プロセスフラグの値を更新せずに大当り中処理を終了する。また、いずれかの受信フラグがオン状態となっている場合(当り終了1指定コマンド〜大当り終了3指定コマンドのいずれかも受信した場合)には、各ラウンド遊技が全て終了したことになるので、エンディング演出の実行を開始するため、演出制御プロセスフラグの値をステップS175に対応した値である“5”に更新する。なお、この更新時では、エンディングを実行するための演出制御パターン(ここでは、エンディングは大当り種別に係わらず共通であるが、大当り種別、つまり、受信した大当り終了指定コマンドの種類に応じて異なるようにしてもよい。)を使用パターンとして選択し、さらに使用パターンとして選択した演出制御パターンの実行時間に応じたタイマ初期値を演出制御プロセスタイマに設定する。
ステップS175のエンディング処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。このエンディング処理において、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減じ、使用パターンとして選択された演出制御パターンに含まれるデータのうちの、1減じたあとのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられた、演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなど)に基づいて、表示制御部123を制御して演出画像を画像表示装置5に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった演出動作制御を行う。タイマ割り込み毎にステップS175が繰り返し実行されることで、エンディングの演出の実行が実現する。1減じたあとのタイマ値が「0」であったり、1減じたあとのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられたデータが終了コードである場合には、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する(このときには、各受信フラグや、各格納領域に格納されたデータなどは、適宜リセットされる)。
次に、上記一連の処理によって実現される特定期間、特定期間演出、特図変動(特別図柄の可変表示(特図ゲーム)のことであるが、飾り図柄の可変表示として考えてもよい。)、特定報知などの関係例を、図22〜図25を参照して説明する。
例えば、15R確変大当り遊技状態が終了すると(5R確変大当り遊技状態であってもよい。)、遊技状態は確変状態に移行する。確変状態に移行後、最初に第2特図ゲームが開始されると、第2特図ゲームの開始タイミングから特定期間に突入する。特定期間は、第2特図ゲームの開始タイミングから所定時間(20秒)が経ったときに終了する。つまり、特定期間の長さは20秒間になっている。
そして、この特定期間内には、特定期間演出が実行される。特定期間演出は、上述のように、現在が特定期間であることを報知するとともに、この特定期間内に「大当り」を発生させることを遊技者に指示する演出(所謂ミッションの演出)などである。特定期間演出では、例えば、ストップウォッチで前記開始タイミングからの経過時間を計る画像(経過時間を順次表示する画像)を画像表示装置5に表示して現在が特定期間内であることを報知するとともに、経過時間が所定時間に達する前に「大当り」を発生させることを遊技者に指示するミッション演出の画像(例えば、「20秒以内に大当りを発生させろ!」などの画像)を表示する。特定期間演出は、例えば、特定期間の終了とともに終了すればよい(例えば、所定時間が経過したことを報知して終了すればよい)。
また、特図変動の表示結果(可変表示結果)が、「大当り」となる場合には、当該特図変動では特定報知が実行される。特定報知は、上述のように、特図変動の表示結果が大当り図柄であること(つまり、大当り遊技状態に制御されること)を報知する演出などである。例えば、「大当り確定!」などの文字を画像表示装置5に表示したり、所定のキャラクターを画像表示装置5に表示したりする演出が特定報知に該当する。そして、特定期間演出の実行中に、前記特定報知が実行された場合、前記特定報知の実行タイミングが特定期間終了前であっても、この特定報知の実行に伴って特定期間演出の実行が終了する。例えば、特定報知の実行によって、画像表示装置5に表示したストップウォッチがストップする。また、ミッション演出の画像の表示も終了する。これらストップする演出やミッション演出の画像の表示の終了は、特定報知の演出に含まれるものとする。これらによって、特定期間演出の実行が終了することになる。
以上のように、特定報知の有無や実行タイミングなどによって、特定期間演出の終了タイミングなどが変化するので、以下、特定期間内に開始された特図変動で「大当り」が発生しない場合(図22)、特定期間内に開始された特図変動で「5R確変」又は「15R非確変」の「大当り」が発生する場合(図23)、特定期間内に開始された特図変動で「15R確変」の「大当り」が発生する場合(図24、図25)、について説明する。
特定期間内に開始された特図変動で「大当り」が発生しない場合(図22)は、特定期間において実行が開始される1以上の特図変動の可変表示結果が全て「ハズレ」になる場合である。このような場合、特図変動時間(飾り図柄の可変表示時間でもある。)が、2秒、4秒、25秒となる特図変動が実行されるが(変動パターンPA1−1〜PA1−3)、特に特図変動時間が短い2秒、4秒の可変表示(変動パターンPA1−1、PA1−2)が実行されやすい(図14参照)。このため、特定期間(20秒間)においては特図変動が複数回実行されやすい。図22(A)では、これら短い特図変動が複数回実行された場合を示す。なお、特定期間において実行される特図変動は、最大で10回(特図変動時間が全て2秒となった場合)、最低で1回(特定期間開始時の特図変動時間が25秒となった場合)。特定期間内に開始された特図変動で「大当り」が発生しない場合、可変表示結果が「大当り」にならないし、特定報知も実行されないので、特定期間終了まで特定期間演出は実行されることになる(図22(B)参照)。
特定期間内に開始された特図変動で「5R確変」又は「15R非確変」の「大当り」が発生する場合(図23)は、特定期間において実行が開始される特図変動の可変表示結果が「5R確変」又は「15R非確変」の「大当り」になる場合である。このような場合、特図変動時間(飾り図柄の可変表示時間でもある。)が25秒となる特図変動のみが実行される(変動パターンPB3−1)。このため、「5R確変」又は「15R非確変」の「大当り」の可変表示結果となる特図変動が特定期間の開始となる第2特図の特図変動であっても、特定期間内のそれ以降に開始される特図変動であっても、特定期間(20秒間)が終了する前に、当該特図変動が終了したり、特定報知(特図変動の開始から23秒後に実行される)が行われたりすることはない。図23(A)参照。図23(A)では、特定期間の開始後2回目に「5R確変」又は「15R非確変」の「大当り」の特図変動(25秒の特図変動)が開始された場合を示している。特定期間内に開始された特図変動で「5R確変」又は「15R非確変」の「大当り」が発生する場合、特定報知は特定期間内には実行されないので、特定期間終了まで特定期間演出は実行されることになる(図23(B)参照)。
特定期間内に開始された特図変動で「15R確変」の「大当り」が発生する場合(図24、図25)は、特定期間において実行が開始される特図変動の可変表示結果が「15R確変」の「大当り」になる場合である。このような場合、特図変動時間(飾り図柄の可変表示時間でもある。)が、4秒、25秒となる特図変動が実行される(変動パターンPB3−2、PB3−3)。
このため、特定期間内(例えば、特定期間開始から16秒経過する前)に特図変動時間が4秒の特図変動(可変表示結果が「15R確変」の「大当り」になる特図変動)が実行された場合には(図24の場合)、特定期間内(又は、特定期間演出の実行中)に、当該特図変動が終了したり、特定報知が行われたりする場合がある(図24(A)参照)。つまり、特定期間内に開始された特図変動で「15R確変」の「大当り」が発生する場合には、特定期間演出は特定期間の終了前(特定期間の開始タイミングから20秒経過する前)であっても特定報知の実行タイミングで終了する場合がある(図24(B)参照)。なお、1回の特図変動の特定報知の実行タイミングによっては、「15R確変」の「大当り」となる特図変動の開始が特定期間開始から16秒経過するあとであっても特定期間内に特定報知が実行される場合がある。
また、特定期間内(最初の特図変動であってもよいし、2回目以降の特図変動であってもよい。)に特図変動時間が25秒の特図変動(可変表示結果が「15R確変」の「大当り」になる特図変動)が実行された場合には(図25の場合)、変動パターンPB3−1の場合と同様に、特定期間(20秒間)が終了する前に、当該特図変動が終了したり、特定報知(特図変動の開始から23秒後に実行される)が行われたりすることはない。図25(A)参照。図25(A)では、2回目に特定期間の開始後2回目に「15R確変」の「大当り」の特図変動(25秒の特図変動)が開始された場合を示している。このような場合、特定報知は特定期間内には実行されないので、特定期間終了まで特定期間演出は実行されることになる(図25(B)参照)。
以上のように、この実施の形態では、特定期間内に実行される特図変動の可変表示結果が「大当り」になる場合、大当り種別が、「5R確変」又は「15R非確変」になる場合には、特定期間内に特定報知が実行されることはなく、また、特定期間内に特図変動が終了すること(可変表示結果が導出表示されること)はない。一方、大当り種別が、「15R確変」になる場合には、特定期間内に特定報知が実行されたり、また、特定期間内に特図変動が終了したりすること(可変表示結果が導出表示されること)がある。このようなときには、特定期間演出が終了する。さらに、大当り種別が「15R確変」になる場合には、「5R確変」又は「15R非確変」のときと同様に、特定期間内に特定報知が実行される可能性があり、また、特定期間内に特図変動が終了する(可変表示結果が導出表示される)可能性がある。
以上、説明したように、この実施の形態では、上記構成によって、識別情報(ここでは、特別図柄や飾り図柄)の可変表示を実行して表示結果を導出表示し、前記表示結果として予め定められた特定表示結果(ここでは、大当り図柄)が導出表示されたときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態(ここでは、大当り遊技状態)に移行するパチンコ遊技機1が構成される。
そして、この実施の形態では、上記構成によって、パチンコ遊技機1は、前記特定遊技状態に移行するか否かと、前記特定遊技状態に移行すると決定するときに第1特定遊技状態(ここでは、5R確変大当り遊技状態又は15R非確変大当り遊技状態)と前記第1特定遊技状態よりも前記遊技者にとって有利な第2特定遊技状態(ここでは、15R確変大当り遊技状態)とのうちのいずれかに移行するかと、を前記識別情報の可変表示の表示結果が導出表示される前に決定する事前決定手段(ここでは、ステップS239、S242などの処理を行って「大当り」とするか否か及び大当り種別を決定するCPU103)と、前記事前決定手段の決定結果に基づいて、複数種類の実行時間のうちのいずれかの実行時間で前記識別情報の可変表示を実行する可変表示実行手段(ここでは、ステップS239、S242などの決定結果に基づいてステップS111、ステップS112の処理を実行するCPU103や、ステップS171やS172の処理を実行する演出制御用CPU120)と、前記特定遊技状態に移行すると決定されたことに基づいて前記可変表示実行手段により実行される前記識別情報の可変表示中において、前記特定遊技状態に移行することを報知する特定報知(ここでは、特定報知)を実行する特定報知実行手段(ここでは、ステップS171やS172の処理を実行する演出制御用CPU120)と、を備えることになる。
なお、この実施の形態では、可変表示結果を「大当り」とするか否かを決定したあとに、大当り種別を決定していたが、所定の乱数値を用いて、「ハズレ」と大当り種別毎の「大当り」とのそれぞれについて乱数値と比較される決定値が割り当てられたテーブルを参照するなどして、可変表示結果を決定するときに、「大当り」とするか否かと、大当り種別とを同時に決定してもよい。前記事前決定手段は、このような決定方法で決定する手段も含むものである(以下で説明する他の事前決定手段についても同じ)。
この実施の形態では、特定報知は、表示結果が導出表示されるタイミングの前に実行されるものとして説明したが、特定報知は、表示結果が導出表示されるタイミングで実行されるものであってもよい(以下、同様。)。特定報知が実行される「前記識別情報の可変表示中」とは、表示結果が導出表示されるタイミングも含む。この場合の特定報知は、確定飾り図柄の停止表示以外の演出によって、特定遊技状態に移行することを報知するものであればよい。
そして、この実施の形態では、上記構成によって、前記特定報知実行手段は、所定条件の成立時(ここでは、確変状態に制御されたあとの最初の第2特図ゲームの実行開始タイミング)から所定時間(ここでは、20秒)が経過するまでの特定期間において前記可変表示実行手段により前記識別情報の可変表示が開始されるときに、当該可変表示が前記事前決定手段により前記第1特定遊技状態に移行すると決定されたことに基づいて実行される可変表示である場合には、前記特定期間が終了したあとから当該可変表示の表示結果を導出表示するまでの期間(前記のように、表示結果が導出表示されるタイミングを含む期間であってもよい。以下、同様。)において前記特定報知を実行する(ここでは、図23参照)ことになる。
この実施の形態では、前記第1特定遊技状態に移行すると決定されたことに基づいて実行される可変表示の実行時間(変動パターンPB3−1の特図変動時間)や特定報知の実行開始タイミング(可変表示の実行開始からの経過時間)を、特定期間の長さよりも長いもの(特図変動時間にあっては25秒、特定報知の実行開始タイミングにあっては23秒)のみとすることで、特定報知実行手段の上記構成を実現している。しかし、特定報知実行手段の構成は、このような具体的構成に限らない。例えば、特図変動時間の異なる変動パターンや、特定報知のタイミングを指定するとともに当該タイミングの異なる変動パターンなどを複数用意し、CPU103にて、特定期間の開始からの経過時間をタイマなどによって計測するとともに、「5R確変」、「15R非確変」の「大当り」となる特図変動などの実行開始時に、前記で計測したタイマ値に基づいて、前記特定期間が終了したあとから当該特図変動の可変表示結果を導出表示するまでの期間において特定報知を実行するような変動パターンを前記用意された複数の変動パターンから選択し、演出制御用CPU120やCPU103が前記で選択された変動パターンに基づいて処理を実行することによって、特定報知実行手段の上記構成を実現してもよい。このような場合、「特定期間の長さ」から「現在のタイマ値に対応する計測時間」を減じ、減じた時間よりも、特図変動の実行開始から特定報知の実行開始までの経過時間が長い変動パターンを選択するようにすればよい。また、演出制御用CPU120が、特定期間終了フラグがオン状態となったあとに特定報知を実行するようにしてもよい。このようなことは、以下の特定報知実行手段でも同様である。
この実施の形態では、確変状態に制御されたあと、最初に第2特図ゲームの実行が開始されることを所定条件の成立としているが、所定条件の成立は他でもよい。例えば、大当り遊技状態後、時短状態に制御されたあと、最初に第2特図ゲームの実行が開始されることを所定条件の成立としてもよい。この場合、演出制御用CPU120は、例えば、ステップS533における特定期間演出開始条件を、例えば、時短中フラグがオン状態であり、特定期間終了フラグがオフ状態であり、特定期間演出フラグがオフ状態であり、かつ、今回の変動が第2特図についてのものである、ときにのみ成立する条件とすればよい。例えば、大当り遊技状態後、確変状態及び時短状態に制御されたあとに、最初に第2特図ゲームの実行が開始されることを所定条件の成立としてもよい。この場合、演出制御用CPU120は、例えば、ステップS533における特定期間演出開始条件を、例えば、時短中フラグ及び確変中フラグがオン状態であり、特定期間終了フラグがオフ状態であり、特定期間演出フラグがオフ状態であり、かつ、今回の変動が第2特図についてのものである、ときにのみ成立する条件とすればよい。さらに、大当り種別を問わず、大当り遊技状態が終了したことを所定条件の成立としてもよい。この場合、演出制御用CPU120は、ステップS175において、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新するときに、特定期間演出フラグをオン状態にセットすればよい。さらに、15R確変大当り遊技状態が終了したことなど、複数の特定遊技状態のうちの所定の特定遊技状態が終了したことを所定条件の成立としてもよい。この場合、演出制御用CPU120は、ステップS175において、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新するときに、前記所定の特定遊技状態に対応した大当り終了指定コマンド受信フラグ(例えば、大当り終了3指定コマンド受信フラグなど)がオン状態になっているなどして、前記所定の特定遊技状態に対応した大当り終了指定コマンド(例えば、大当り終了指定コマンドなど)を受信しているときなどに、特定期間演出フラグをオン状態にセットすればよい。このようなことは、以下、所定条件の成立について同様である。
さらに、この実施の形態では、上記構成によって、前記可変表示実行手段は、前記特定期間において、前記事前決定手段により前記第2特定遊技状態に移行すると決定されたことに基づいて前記識別情報の可変表示の実行を開始するときには、前記特定期間内(この実施の形態のように、特定期間の終了時を含んでもよいし、特定期間の終了時を含まないようにしてもよい。以下、同様。)に当該可変表示の表示結果が導出表示される実行時間(ここでは、変動パターンPB3−2の特図変動時間「4秒」)にて当該可変表示を実行可能である(ここでは、図24参照)ことになる。
この実施の形態では、このような構成によって、特定表示結果(ここでは大当り図柄)が特定期間内に導出表示されるときには、その特定遊技状態は第1特定遊技状態(ここでは、5R確変大当り遊技状態又は15R非確変大当り遊技状態)ではなく第2特定遊技状態(ここでは、15R確変大当り遊技状態)になるので、特定表示結果が特定期間内に導出表示されたときに第1特定遊技状態に移行してしまう落胆を抑制することができ、所定条件の成立時から所定時間が経過するまでの特定期間について遊技の興趣を向上させることができる。
さらに、この実施の形態では、このような構成によって、第1特定遊技状態に移行する場合には、特定報知が特定期間経過後に実行されるので、特定期間内に特定報知が実行されたときに第1特定遊技状態に移行することに対する落胆を抑制することができ、所定条件の成立時から所定時間が経過するまでの特定期間について遊技の興趣を向上させることができる。
この実施の形態では、このような構成によって、前記特定報知実行手段は、所定条件の成立時(ここでは、確変状態に制御されたあとの最初の第2特図ゲームの実行開始タイミング)から所定時間(ここでは、20秒)が経過するまでの特定期間において前記可変表示実行手段により前記識別情報の可変表示が開始されるときに、当該可変表示が前記事前決定手段により前記第1特定遊技状態に移行すると決定されたことに基づいて実行される可変表示である場合には、前記特定期間が終了したあとから当該可変表示の表示結果を導出表示するまでの期間において前記特定報知を実行し(ここでは、図23参照)、当該可変表示が前記事前決定手段により前記第2特定遊技状態に移行すると決定されたことに基づいて実行される可変表示である場合には、前記特定期間内かつ当該可変表示中において前記特定報知を実行可能である(ここでは、図24参照)ことになる。
なお、特定期間内に特定報知が実行されるか、特定期間後に特定報知が実行されるかを問題にする場合、特定報知の実行開始タイミングを基準としてもよいし、特定報知の実行終了タイミングを基準としてもよい。例えば、特定期間内に特定報知を実行するとした場合、特定報知の開始タイミングが特定期間内に入っていればよいとしてもよいし、特定報知の終了タイミングが特定期間内に入らなければならないとしてもよい。また、表示結果の導出タイミングは問題となくてもよい。例えば、前記のように、前記特定期間内かつ当該可変表示中において前記特定報知を実行可能であるとした場合に、表示結果を導出表示するタイミングは、特定期間後になるようにしてもよい。これらのように、変動パターンや、特定報知の実行タイミングを設定するなどしてもよい。
この実施の形態では、前記第2特定遊技状態に移行すると決定されたことに基づいて実行される可変表示の実行時間(変動パターンPB3−2の特図変動時間)や特定報知の実行開始タイミング(可変表示の実行開始からの経過時間)を、特定期間の長さよりも短いもの(特図変動時間にあっては4秒など)とし得ることで、特定報知実行手段の上記構成を実現している。しかし、特定報知実行手段の構成は、このような具体的構成に限らない。例えば、特図変動時間の異なる変動パターンや、特定報知のタイミングを指定するとともに当該タイミングの異なる変動パターンなどを複数用意し、CPU103にて、特定期間の開始からの経過時間をタイマなどによって計測するとともに、「15R確変」の「大当り」となる特図変動などの実行開始時に、前記で計測したタイマ値に基づいて、前記特定期間内かつ当該可変表示中において特定報知を実行するような変動パターンを前記用意された複数の変動パターンから選択し、演出制御用CPU120やCPU103が前記で選択された変動パターンに基づいて処理を実行することによって、特定報知実行手段の上記構成を実現してもよい。このような場合、「特定期間の長さ」から「現在のタイマ値に対応する計測時間」を減じ、減じた時間よりも、特図変動の実行開始から特定報知の実行開始までの経過時間が短い変動パターンを選択するようにすればよい。これらは、以下の特定報知実行手段についても同様である。
このような構成によれば、特定期間内に特定報知が実行されたときには第1特定遊技状態ではなく第2特定遊技状態に移行するので、特定期間内に特定報知が実行されたときに第1特定遊技状態に移行することに対する落胆を抑制することができ、所定条件の成立時から所定時間が経過するまでの特定期間について遊技の興趣を向上させることができる。
なお、前記の落胆について説明すると、具体的には、例えば、特定表示結果が特定期間内に導出表示された場合(特定報知が特定期間内に実行されるときも適宜同様)には、特定期間は他の期間とは異なる特別なものなので、遊技者はパチンコ遊技機1が第2特定遊技状態に移行することでより有利になることを期待するが、特定表示結果が特定期間内に導出表示された場合(特定報知が特定期間内に実行されるときも適宜同様)に仮に第1特定遊技状態に移行してしまうと、このような期待が裏切られ、遊技者は落胆する(以下でも同様である。)。この実施の形態では、このような落胆(特定表示結果が特定期間内に導出表示されたときや特定報知が特定期間内に実行されるときに第1特定遊技状態に移行してしまう落胆)を抑制することができ、所定条件の成立時から所定時間が経過するまでの特定期間について遊技の興趣を向上させることができる。なお、このような効果は、特定報知が、表示結果が導出表示されるタイミングの前に実行されるものとすることによってより大きな効果となる。このような場合には、可変表示結果の導出表示前に遊技者は特定遊技状態への移行を認識でき、特に特定期間において特定報知が実行された場合には、可変表示結果の導出表示前からパチンコ遊技機1が第2特定遊技状態に移行することでより有利になることを期待するため、その後に第1特定遊技状態に移行してしまうとその落胆がより大きくなるためである。さらに、特定報知を、その後の特定遊技状態が第1特定遊技状態であるか第2特定遊技状態であるか(ここでは、大当り種別が「5R確変」又は「15R非確変」であるか「15R確変」であるか)によらず、同じ態様とし、特定報知の実行時には、その後の特定遊技状態が第1特定遊技状態であるか第2特定遊技状態であるかを遊技者が認識できないようにすることで、第2特定遊技状態に移行することに対する期待感が、可変表示の終了時又は特定遊技状態の開始時などの所定タイミングまで持続するため、上記落胆が大きくなってしまう場合があるが、この実施の形態では、上記のような構成によって、このような落胆を抑制できる。なお、特定報知を、途中まで、その後の特定遊技状態が第1特定遊技状態であるか第2特定遊技状態であるか(ここでは、大当り種別が「5R確変」又は「15R非確変」であるか「15R確変」であるか)によらず同じ態様とし、その後の態様(例えば、演出の最後の態様)を、特定遊技状態が第1特定遊技状態であるか第2特定遊技状態であるか(ここでは、大当り種別が「5R確変」又は「15R非確変」であるか「15R確変」であるか)に応じて(または、大当り種別それぞれに応じて)、異なるようにしてもよい。このような場合であっても、前記途中までは、第2特定遊技状態に移行することに対する期待感が発生するため、上記落胆が発生してしまう場合があるが、この実施の形態では、上記のような構成によって、このような落胆を抑制できる。
また、この実施の形態では、上記構成によって、予め定められた第1始動条件が成立したこと(ここでは、第1始動入賞口への遊技媒体の入賞の発生)に基づいて第1識別情報(ここでは、第1特別図柄)の可変表示を実行し、予め定められた第2始動条件が成立したこと(ここでは、第2始動入賞口への遊技媒体の入賞の発生)に基づいて第2識別情報(ここでは、第2特別図柄)の可変表示を実行し、かつ、第1始動条件と第2始動条件とが成立した場合には前記第2識別情報の可変表示を前記第1識別情報の可変表示よりも優先して実行し(ここでは、ステップS110参照)、前記第1識別情報又は前記第2識別情報の可変表示の表示結果として予め定められた特定表示結果(ここでは、大当り図柄)が導出表示されたときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態(ここでは、大当り遊技状態)に移行するパチンコ遊技機1が構成されている。
そして、この実施の形態では、上記構成によって、パチンコ遊技機1は、前記第1始動条件が成立したことに基づいて、前記特定遊技状態に移行するか否かと、前記特定遊技状態に移行すると決定するときに第1特定遊技状態(ここでは、5R確変大当り遊技状態又は15R非確変大当り遊技状態)と前記第1特定遊技状態よりも前記遊技者にとって有利な第2特定遊技状態(ここでは、15R確変大当り遊技状態)とのうちのいずれかに移行するかと、を前記第1の識別情報の可変表示の表示結果が導出表示される前に決定する第1事前決定手段(ここでは、ステップS239、S242などの処理を行って第1特図ゲームの可変表示結果を「大当り」とするか否か及び大当り種別を決定するCPU103)と、前記第2始動条件が成立したことに基づいて、前記特定遊技状態に移行するか否かと、前記特定遊技状態に移行すると決定するときに前記第1特定遊技状態と前記第2特定遊技状態とのうちのいずれかに移行するかと、を前記第2の識別情報の可変表示の表示結果が導出表示される前に決定する第2事前決定手段(ここでは、ステップS239、S242などの処理を行って第2特図ゲームの可変表示結果を「大当り」とするか否か及び大当り種別を決定するCPU103)と、前記第1事前決定手段又は前記第2事前決定手段の決定結果に基づいて、複数種類の実行時間のうちのいずれかの実行時間で前記第1識別情報又は前記第2識別情報の可変表示を実行する可変表示実行手段(ここでは、ステップS239、S242などの決定結果に基づいてステップS111、ステップS112の処理を実行するCPU103や、ステップS171やS172の処理を実行する演出制御用CPU120)と、前記特定遊技状態に移行すると決定されたことに基づいて前記可変表示実行手段により実行される前記第1識別情報又は前記第2識別情報の可変表示中において、前記特定遊技状態に移行することを報知する特定報知(ここでは、特定報知)を実行する特定報知実行手段(ここでは、ステップS171やS172の処理を実行する演出制御用CPU120)と、を備えることになる。
さらに、この実施の形態では、上記構成によって、前記第2事前決定手段は、前記第1事前決定手段が前記第2特定遊技状態に移行すると決定する割合よりも高い割合で、前記第2特定遊技状態に移行すると決定し(ここでは、図10参照)、前記特定報知実行手段は、所定条件の成立時から所定時間が経過するまでの特定期間において前記可変表示実行手段により前記第1識別情報又は前記第2識別情報の可変表示が開始されるときに、当該可変表示が、前記第1特定遊技状態に移行すると決定されたことに基づいて実行される可変表示である場合には、前記特定期間が終了したあとから当該可変表示の表示結果を導出表示するまでの期間において前記特定報知を実行し(ここでは、図23参照)、前記可変表示実行手段は、前記特定期間において、前記第2特定遊技状態に移行すると決定されたことに基づいて前記第1識別情報又は前記第2識別情報の可変表示の実行を開始するときには、前記特定期間内に当該可変表示の表示結果が導出表示される実行時間(ここでは、変動パターンPB3−2の特図変動時間「4秒」)にて当該可変表示を実行可能であり(ここでは、図24参照)、前記所定条件の成立は、前記特定遊技状態の終了後に前記第2識別情報の可変表示が開始することである(ここでは、確変状態に制御されたあとの最初の第2特図ゲームの実行が開始すること)ことになる。
このような構成によれば、特定表示結果が特定期間内に導出表示されるときには、その特定遊技状態は第1特定遊技状態ではなく第2特定遊技状態になるので、第1特定遊技状態に移行してしまう落胆を抑制することができ、所定条件の成立時から所定時間が経過するまでの特定期間について遊技の興趣を向上させることができる。さらに、前記所定条件の成立は、前記特定遊技状態の終了後に前記第2識別情報の可変表示が開始することとすることで、特定期間内に第2特定遊技状態に移行する特定表示結果が導出表示される割合が増えるので演出の効果が上がり、遊技の興趣が向上する。
さらに、この実施の形態では、上記構成によって、前記特定報知実行手段は、所定条件の成立時から所定時間が経過するまでの特定期間において前記可変表示実行手段により前記第1識別情報又は前記第2識別情報の可変表示が開始されるときに、当該可変表示が、前記第1特定遊技状態に移行すると決定されたことに基づいて実行される可変表示である場合には、前記特定期間が終了したあとから当該可変表示の表示結果を導出表示するまでの期間において前記特定報知を実行し(ここでは、図23参照)、当該可変表示が、前記第2特定遊技状態に移行すると決定されたことに基づいて実行される可変表示である場合には、前記特定期間内かつ当該可変表示中において前記特定報知を実行可能である(ここでは、図24参照)ことになる。
このような構成によれば、特定期間内に特定報知が実行されたときには第1特定遊技状態ではなく第2特定遊技状態に移行するので、所定条件の成立時から所定時間が経過するまでの特定期間について遊技の興趣を向上させることができる。また、前記所定条件の成立は、前記特定遊技状態の終了後に前記第2識別情報の可変表示が開始することとすることで、特定期間内に第2特定遊技状態に移行する特定表示結果が導出表示される割合が増えるので演出の効果が上がり、遊技の興趣が向上する。
さらに、この実施の形態では、上記構成によって、パチンコ遊技機1は、前記所定条件の成立時からの経過時間を表示する経過時間表示手段(ここでは、ステップS169にて特定期間演出を実行するときに経過時間を表示する演出制御用CPU120)を備えることになる。これによって、経過時間の表示によって、遊技者は現在が特定期間内であるか否かを認識して遊技することができるので遊技の興趣が向上する。
さらに、この実施の形態では、上記構成によって、前記可変表示実行手段は、前記特定期間において、前記特定遊技状態に移行しないと決定されたこと(ここでは、ステップS239にて「ハズレ」を決定されたこと)に基づいて前記識別情報(前記第1識別情報又は前記第2識別情報)の可変表示の実行を開始するときには、前記特定期間内に当該可変表示の表示結果が導出表示される実行時間(ここでは、変動パターンPA1−1の2秒、変動パターンPA1−2の4秒)又は前記特定期間の終了後に当該可変表示の表示結果が導出表示される実行時間(ここでは、変動パターンPA1−3の25秒)にて当該可変表示を実行可能である(ここでは、可変表示結果が「ハズレ」となる可変表示を実行するCPU103や演出制御用CPU120)ことになる。これによって、特定遊技状態に移行するか否かを、可変表示の実行時間によって、遊技者が当該可変表示の表示結果の導出表示前に認識できてしまうことを防止することができる。
さらに、この実施の形態では、上記構成によって、前記可変表示実行手段は、前記特定期間において、前記第2特定遊技状態に移行すると決定されたことに基づいて前記識別情報(前記第1識別情報又は前記第2識別情報)の可変表示の実行を開始するときであっても、前記特定期間の終了後に当該可変表示の表示結果が導出表示される実行時間(ここでは、変動パターンPB3−3の特図変動時間「25秒」)にて当該可変表示を実行可能である(ここでは、図25参照)ことになる。これによって、可変表示が特定期間終了後まで継続してしまったときに、第2特定遊技状態に移行することはないという遊技者の落胆を抑制できる。
さらに、この実施の形態では、上記構成によって、前記特定報知実行手段は、前記特定期間において前記可変表示実行手段により前記識別情報(前記第1識別情報又は前記第2識別情報)の可変表示が開始されるときに、当該可変表示が、前記第2特定遊技状態に移行すると決定されたことに基づいて実行される可変表示である場合であっても、前記特定期間が終了したあとから当該可変表示の表示結果を導出表示するまでの期間において前記特定報知を実行可能である(例えば、図25参照など)ことになる。これによって、特定期間が終了したあとに特定報知が実行されたときに第1特定遊技状態にしか移行しないという落胆を抑制できる。
さらに、この実施の形態では、上記構成によって、前記可変表示実行手段は、前記特定期間において前記識別情報(前記第1識別情報又は前記第2識別情報)の可変表示の実行を開始するときには、前記第1特定遊技状態に移行すると決定されたことに基づくよりも、前記第2特定遊技状態に移行すると決定されたことに基づく方が、前記可変表示の実行時間を短くしやすい(例えば、図12〜13参照など)、ことになる。これによって、第2特定遊技状態に移行する可変表示が実行されたときに特定期間内に特定報知を実行できる機会が増えるので、遊技の興趣が向上する。なお、可変表示の実行時間を短くしやすいとは、この実施形態のように、特図変動時間の短い変動パターン(4秒の変動パターン)が、第1特定遊技状態に移行すると決定されたときには選択されず、第2特定遊技状態に移行すると決定されたときには選択されることであってもよい。また、可変表示の実行時間を短くしやすいとは、例えば、特図変動時間の短い変動パターンの決定割合が、第1特定遊技状態に移行すると決定されたときよりも、第2特定遊技状態に移行すると決定されたときの方が高い割合となっていることを含む。
(第2実施形態)
次に本発明の第2実施形態について説明する。なお、以下では、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。第1実施形態では、特定期間の長さ(上記所定時間)は20秒間と一定であり、途中で変更されることはなかった。しかし、第2実施形態では、特定期間の長さが可変表示の実行状況によって変更される。なお、変更前の特定期間の長さは、第1実施形態と同様に20秒間であるものとして説明する。なお、この実施形態では、特定報知を行わないものとしてもよい。
第2実施形態では、例えば、図26に示す変動パターンが使用される。変動パターンの内容や決定割合は、第1実施形態と同様であるが、変動パターンPA1−3、PB3−1、PB3−3の変動時間が第1実施形態では25秒だったのに対し、第1実施形態では13秒に短縮されている。つまり、変動パターンPB3−1や変動パターンPB3−3で可変表示が実行されるときには、第1実施形態では特定期間内に可変表示結果の導出タイミング(可変表示の終了時期)は到来しなかったのに対し、第2実施形態では特定期間内に可変表示結果の導出タイミング(特図変動の終了時期)が到来し得る。
この実施形態では、特定期間内に変動パターンPB3−1で特図変動が開始される場合であって、当該特図変動の可変表示結果の導出タイミングが特定期間内となってしまう場合に、当該特図変動の可変表示結果の導出タイミングが特定期間の後になるように、特定期間の長さ(前記所定時間)を短縮する。そして、これに伴って第1所定時間短縮演出が行われる。当該特図変動の可変表示結果の導出タイミングが特定期間内となってしまう場合とは、特定期間(20秒間)の最初の特図変動が変動パターンPB3−1(変動時間は13秒間)での特図変動である場合などである。また、第1所定時間短縮演出は、例えば、特定期間演出の所定時間報知の演出において、報知対象の所定時間を短縮する演出である。
この実施形態では、特定期間内に変動パターンPB3−3で特図変動が開始される場合であって、当該特図変動の可変表示結果の導出タイミングが特定期間内となる場合に、当該特図変動の可変表示結果の導出タイミングが特定期間の後になるように、特定期間の長さ(前記所定時間)を短縮する。そして、これに伴って第2所定時間短縮演出が行われる。当該特図変動の可変表示結果の導出タイミングが特定期間内となる場合とは、特定期間(20秒間)の最初の特図変動が変動パターンPB3−3(変動時間は13秒間)での特図変動である場合などである。また、第2所定時間短縮演出は、例えば、特定期間演出の所定時間報知の演出において、報知対象の所定時間を短縮する演出である。
この実施形態では、特定期間内に変動パターンPB3−3で特図変動が開始される場合であって、当該特図変動の可変表示結果の導出タイミングが特定期間よりも後になる場合に、当該特図変動の可変表示結果の導出タイミングが特定期間内になるように、特定期間の長さ(前記所定時間)を延長する。そして、これに伴って所定時間延長演出が行われる。当該特図変動の可変表示結果の導出タイミングが特定期間よりも後になる場合とは、特定期間(20秒間)の開始後10秒後に開始される特図変動が変動パターンPB3−3(変動時間は13秒間)での特図変動である場合などである。また、所定時間延長演出は、例えば、特定期間演出の所定時間報知の演出において、報知対象の所定時間を延長する演出である。
上記各演出を実行するため、例えば、第1実施形態におけるステップS169では図27の特定期間演出処理を実行する。なお、ステップS701〜S706の処理内容は、図27と図19とで略同じなので説明を省略する。
ステップS705において、特定期間演出や特定期間の終了タイミングでないと判定した場合には(ステップS705;No)、演出制御プロセスフラグの値(演出制御プロセス値)が“1”から“2”に更新された直後であるかを判定する(ステップS1701)。例えば、ステップS535にて演出制御プロセスフラグの値(演出制御プロセス値)が“1”から“2”に更新するときに、更新した旨を表す更新フラグをセットしておき、ステップS1701では、この更新フラグがセットされているか否か(オン状態となっているか)を判定すればよい。なお、この更新フラグは、例えば、演出制御プロセスフラグの値(演出制御プロセス値)が“1”から“2”に更新されてから最初のステップS172においてオフ状態にリセットされればよい。
前記更新フラグがオン状態で、演出制御プロセスフラグの値が“1”から“2”に更新された直後である場合(ステップS1701;Yes)、現在が可変表示の実行開始時なので、今回の可変表示結果が「大当り」であるかを判定する(ステップS1702)。この判定は、例えば、表示結果指定コマンド格納領域に格納された表示結果指定コマンドに基づいて行えばよい。表示結果指定コマンドが「大当り」を指定するものであり、今回の可変表示結果が「大当り」である場合(ステップS1702;Yes)、変動パターン指定コマンド格納領域に格納された変動パターン指定コマンドによって指定される、今回の可変表示の変動パターンに応じて、以降のステップS704にて所定時間を変更する設定を行う(ステップS1703)。
ステップS1703では、例えば、図28に例示するような方法で所定時間を変更する。
例えば、変動パターンがPB3−1の場合には、所定時間を20秒から12秒に短縮する設定(第1所定時間短縮演出の実行設定も含む。)を行う。但し、例えば、特定期間開始から8秒経過した以降は、この設定を行わないようにする。特定期間開始から8秒経過した以降に実行される変動パターンPB3−1の可変表示では、可変表示結果の導出タイミングが特定期間の後になるので、所定時間の変更の必要がないからである。現在が特定期間開始から8秒経過した以降のタイミングであるか否かは、例えば、特定期間演出用のプロセスタイマのタイマ値が8秒に対応した値以下であるか否かなどによって判定すればよい。
例えば、変動パターンがPB3−3の場合であって、現在が特定期間開始から8秒経過した以降のタイミングでない場合には、所定時間を20秒から12秒に短縮する設定(第2所定時間短縮演出の実行設定も含む。)を行う。なお、この設定は、前記場合に必ず行うものでなくてもよく、実行の有無を乱数値や決定テーブルなどを用いて所定割合で決定するとよい。特定期間開始から8秒経過した以降に実行される変動パターンPB3−3の可変表示では、可変表示結果の導出タイミングが特定期間の後になるので、このような設定を行う必要がないため、現在が特定期間開始から8秒経過した以降のタイミングである場合にはこのような設定を行わないようにする。
例えば、変動パターンがPB3−3の場合であって、現在が特定期間開始から7秒経過する前のタイミングでない場合には、所定時間を20秒から40秒に延長する設定(所定時間延長演出の実行設定も含む。)を行う。なお、この設定は、前記場合に必ず行うものでなくてもよく、実行の有無を乱数値や決定テーブルなどを用いて所定割合で決定するとよい。特定期間開始から7秒経過する前に実行される変動パターンPB3−3の可変表示では、可変表示結果の導出タイミングが特定期間内になるので、このような設定を行う必要がないため、現在が特定期間開始から7秒経過する前のタイミングである場合にはこのような設定を行わないようにする。
所定時間を変更(延長又は短縮)する設定は、例えば、ステップS705で判定される特定期間終了のタイミングが、変更後の所定時間に合わせたタイミングになるように、例えば、現在使用パターンとしてセットされている特定期間演出を実行するための演出制御パターンに含まれる終了コードを変更後の所定時間に応じたプロセスタイマ判定値に対応付けるなどによって行う。また、所定時間を変更(延長又は短縮)する設定は、現在使用パターンとしてセットされている特定期間演出を実行するための演出制御パターンに含まれる演出制御実行データのうちの必要なデータを第1所定時間短縮演出、第2所定時間短縮演出、又は、所定時間延長演出を実行するのに必要なデータなどに書き換えるなどして行われる。これらによって、所定時間が変更されるとともに、次回以降のステップS704にて、第1所定時間短縮演出、第2所定時間短縮演出、又は、所定時間延長演出が実行され、特定期間演出の所定時間報知の演出で報知される所定時間も変更される。
演出制御プロセスフラグの値が“1”から“2”に更新された直後でない場合(ステップS1701;No)、今回の可変表示結果が「大当り」でない場合(ステップS1702;No)、ステップS1703には、特定期間演出処理を終了する。
この実施形態では、上記一連の処理によって、特定期間内に変動パターンPB3−1で特図変動が開始される場合、つまり、特定期間内に可変表示結果が「5R確変」又は「15R非確変」の「大当り」になる特図変動が開始される場合であって、当該特図変動の可変表示結果の導出タイミングが特定期間内となってしまう場合に、当該特図変動の可変表示結果の導出タイミングが特定期間の後になるように、特定期間の長さ(前記所定時間)が20秒から12秒に短縮される(図29(A)参照)。例えば、第1所定時間短縮演出により、所定時間報知の演出で表示される所定時間の画像(20秒の画像)を変化させ、短縮後の所定時間の画像(12秒の画像)に変化させる。
この実施形態では、上記一連の処理によって、特定期間内に変動パターンPB3−3で特図変動が開始される場合、つまり、特定期間内に可変表示結果が「15R確変」の「大当り」になる特図変動が開始される場合であって、当該特図変動の可変表示結果の導出タイミングが特定期間内となる場合に、当該特図変動の可変表示結果の導出タイミングが特定期間の後になるように、特定期間の長さ(前記所定時間)が20秒から12秒に短縮される(図29(B)参照)。例えば、第2所定時間短縮演出により、所定時間報知の演出で表示される所定時間の画像(20秒の画像)を変化させ、短縮後の所定時間の画像(12秒の画像)に変化させる。
この実施形態では、上記一連の処理によって、特定期間内に変動パターンPB3−3で特図変動が開始される場合、つまり、特定期間内に可変表示結果が「15R確変」の「大当り」になる特図変動が開始される場合であって、当該特図変動の可変表示結果の導出タイミングが特定期間経過後となる場合に、当該特図変動の可変表示結果の導出タイミングが特定期間内になるように、特定期間の長さ(前記所定時間)が20秒から40秒に延長される(図29(C)参照)。例えば、所定時間延長演出により、所定時間報知の演出で表示される所定時間の画像(20秒の画像)を変化させ、延長後の所定時間の画像(30秒の画像)に変化させる。
この実施の形態では、上記構成によって、パチンコ遊技機1は、前記特定遊技状態に移行するか否かと、前記特定遊技状態に移行すると決定するときに第1特定遊技状態(ここでは、5R確変大当り遊技状態又は15R非確変大当り遊技状態)と前記第1特定遊技状態よりも前記遊技者にとって有利な第2特定遊技状態(ここでは、15R確変大当り遊技状態)とのうちのいずれかに移行するかと、を前記識別情報の可変表示の表示結果が導出表示される前に決定する事前決定手段(ここでは、ステップS239、S242などの処理を行って「大当り」とするか否か及び大当り種別を決定するCPU103)と、前記事前決定手段の決定結果に基づいて、複数種類の実行時間のうちのいずれかの実行時間で前記識別情報の可変表示を実行する可変表示実行手段(ここでは、ステップS239、S242などの決定結果に基づいてステップS111、ステップS112の処理を実行するCPU103や、ステップS171やS172の処理を実行する演出制御用CPU120)と、所定条件が成立した場合(ここでは、確変状態に制御されたあとの最初の第2特図ゲームの実行が開始された場合)に遊技者に所定時間(20秒)を報知する所定時間報知手段(ここでは、ステップS169にて特定期間演出を実行するときに所定時間(20秒)を表示する所定時間報知の演出を実行する演出制御用CPU120)と、を備えることになる。
そして、この実施の形態では、上記構成によって、前記所定時間報知手段は、前記所定条件の成立時から前記所定時間が経過するまでの特定期間において前記可変表示実行手段により前記識別情報の可変表示が開始されるときに、当該可変表示が前記事前決定手段により前記第1特定遊技状態に移行すると決定された決定結果に基づいて実行される可変表示である場合には、当該可変表示の表示結果の導出表示前に前記特定期間が終了するように前記所定時間を短縮する報知を行い(ここでは、第2実施形態において第1所定時間短縮演出を実行する演出制御用CPU120など、図29(A)参照)、前記可変表示実行手段は、前記事前決定手段により前記第2特定遊技状態に移行すると決定されたことに基づいて、前記特定期間において前記識別情報の可変表示を開始するときに、前記特定期間の終了前に当該可変表示の表示結果を導出表示する実行期間(ここでは、変動パターンPB3−2の特図変動時間「4秒」)の可変表示を実行可能である(ここでは、図24参照)ことになる。
このような構成によれば、所定時間の短縮により、特定表示結果が特定期間内に導出表示されるときには、その特定遊技状態は第1特定遊技状態ではなく第2特定遊技状態になるので、特定表示結果が特定期間内に導出表示されたにもかかわらず第1特定遊技状態に移行してしまう落胆を抑制することができ、所定条件の成立時から所定時間が経過するまでの特定期間について遊技の興趣を向上させることができる。
そして、この実施の形態では、上記構成によって、前記所定時間報知手段は、前記特定期間において前記可変表示実行手段により前記識別情報の可変表示が開始されるときに、当該可変表示が前記事前決定手段により前記第2特定遊技状態に移行すると決定されたことに基づいて実行される可変表示である場合には、当該可変表示の表示結果の導出表示後に前記特定期間が終了するように前記所定時間を延長する報知を行うことが可能である(ここでは、第2実施形態において所定時間延長演出を実行する演出制御用CPU120など、図29(C)参照)ことになる。これによって、報知される所定時間が延長されることで、延長された特定期間内に特定表示結果が導出されれば第2特定遊技状態に移行するので遊技の興趣が向上する。
そして、この実施の形態では、上記構成によって、前記所定時間報知手段は、前記特定期間において前記可変表示実行手段により前記識別情報の可変表示が開始されるときに、当該可変表示が前記事前決定手段により前記第2特定遊技状態に移行すると決定されたことに基づいて実行される可変表示である場合には、当該可変表示の表示結果を導出表示するまでに前記特定期間が終了するように前記所定時間を短縮する報知を行うことが可能である(ここでは、第2実施形態において第2所定時間短縮演出を実行する演出制御用CPU120など、図29(B)参照)ことになる。これによって、報知される所定時間が短縮されることで、短縮された特定期間後に特定表示結果が導出されても第2特定遊技状態に移行する可能性があるので遊技の興趣が向上する。
なお、第1特定遊技状態又は第2特定遊技状態に移行する特定表示結果が表示される可変表示において、特定期間の長さ(所定時間)を延長するが、延長後の特定期間の長さが特定期間内に可変表示結果が導出表示されない長さになるように、所定時間を延長する所定時間延長演出を実行可能としてもよい。また、第2特定遊技状態に移行する特定表示結果が表示される可変表示において、特定期間の長さ(所定時間)を短縮するが、短縮後の特定期間の長さが特定期間内に可変表示結果が導出表示される長さになるように、所定時間を短縮する第2所定時間短縮演出を実行可能としてもよい。このようなことで、演出のバリエーションが増え、遊技の興趣が向上する。
なお、この実施形態では、特定期間と可変表示結果の導出タイミングとの比較で、特定期間の延長や短縮を行っているが、特定期間と特定報知の実行タイミング(例えば、開始タイミング)で、特定期間の延長や短縮を行ってもよい。具体的には、例えば、特定期間内に変動パターンPB3−1で特図変動が開始される場合、特定報知の実行タイミング(例えば、特図変動の開始から10秒後とする。)が特定期間の後になるように、特定期間の長さを短縮してもよい(例えば、20秒を9秒とする)。この場合、例えば、第1所定時間短縮演出において、所定時間報知の演出で表示される所定時間の画像(20秒の画像)を変化させ、短縮後の所定時間の画像(9秒の画像)に変化させる。また、特定期間内に変動パターンPB3−3で特図変動が開始される場合、特定報知の実行タイミング(例えば、特図変動の開始から10秒後とする。)が特定期間の後になるように、特定期間の長さを短縮してもよい(例えば、20秒を9秒とする)。例えば、第2所定時間短縮演出において、所定時間報知の演出で表示される所定時間の画像(20秒の画像)を変化させ、短縮後の所定時間の画像(9秒の画像)に変化させる。また、特定期間内に変動パターンPB3−3で特図変動が開始される場合、特定報知の実行タイミング(例えば、特図変動の開始から10秒後とする。)が特定期間内になるように、特定期間の長さを短縮してもよい(例えば、20秒を30秒とする)。例えば、所定時間延長演出において、所定時間報知の演出で表示される所定時間の画像(20秒の画像)を変化させ、延長後の所定時間の画像(30秒の画像)に変化させる。
このような構成によって、特定報知が特定期間内に導出表示されるときには、その特定遊技状態は第1特定遊技状態ではなく第2特定遊技状態になるので、特定報知が特定期間内に導出表示されたにもかかわらず第1特定遊技状態に移行してしまう落胆を抑制することができ、所定条件の成立時から所定時間が経過するまでの特定期間について遊技の興趣を向上させることができるとの効果や、報知される所定時間が延長されることで、延長された特定期間内に特定報知が実行されれば第2特定遊技状態に移行するので遊技の興趣が向上するとの効果や、報知される所定時間が短縮されることで、短縮された特定期間後に特定報知が実行されても第2特定遊技状態に移行する可能性があるので遊技の興趣が向上するとの効果などが適宜得られる。
(変形例)
この発明は、上記実施の形態などに限定されず、さらに様々な変形及び応用が可能である。例えばパチンコ遊技機1は、上記実施の形態などで示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。また、第1実施形態の少なくとも一部の構成と第2実施形態の少なくとも一部の構成とを組み合わせてもよい。以下では、上記各実施形態の変形例を示す。下記の変形例それぞれについて、少なくとも一部を組み合わせても良い。
(変形例1)
上記実施形態では、前記特定期間は、前記識別情報(第1識別情報及び/又は前記第2識別情報)の可変表示を複数回実行可能な期間である(ここでは、特図変動時間が最短2秒となる可変表示を10回実行可能な20秒間の特定期間)。ここで、変形例1では、前記可変表示実行手段は、前記特定期間において、前記第2特定遊技状態に移行すると決定されたことに基づいて前記第1識別情報又は前記第2識別情報の可変表示の実行を開始するときには、前記特定期間中にすでに実行されている前記第1識別情報及び前記第2識別情報の可変表示の回数に応じて異なる実行時間の前記可変表示を実行するようにしてよい。可変表示の回数に応じて異なる実行時間とは、少なくとも第1の回数と第2の回数という2種類の回数において実行時間が異なればよく、回数それぞれについて実行時間が異なる必要はない。
例えば、変動時間の異なる変動パターンを複数用意するとともに、CPU103は、特定期間の開始を演出制御基板12側とは別個に判定し(例えば、確変フラグがオン状態となってから最初の第2特図ゲームの実行開始時に特定期間が始まると判定すればよい。)、特定期間の開始からの特図変動の実行回数をカウントし、「15R確変」の「大当り」が可変表示結果のときの変動パターンを決定するとき(ステップS262)にカウントした実行回数に応じて異なる変動パターン決定テーブルを参照して、カウントした実行回数に応じて異なる割合で、変動パターンを使用パターンとして決定すればよい。
例えば、可変表示の回数が多ければ、当該可変表示の実行時間を短くすることで、特定期間内に「15R確変」の「大当り」が導出表示されやすくなり、遊技者は特定期間により注目し、遊技の興趣が向上する。また、可変表示の回数が多ければ、当該可変表示の実行時間を長くすることで、特定期間よりもあとに「15R確変」の「大当り」が導出表示されやすくなり、遊技者は特定期間以外の期間にも注目し、遊技の興趣が向上する。
このように、変形例1では、特定期間における可変表示の実行回数に応じた適当なタイミングで第2特定遊技状態となる可変表示の表示結果を導出表示できる。
(変形例2)
前記特定報知実行手段は、前記特定期間において前記可変表示実行手段により前記第1識別情報又は前記第2識別情報の可変表示が開始されるときに、当該可変表示が、前記第2特定遊技状態に移行すると決定されたことに基づいて実行される可変表示である場合には、当該可変表示中における複数のタイミングのうちのいずれかで前記特定報知を実行するようにしてもよい。
例えば、大当り時の変動パターンPB3−1〜PB3−3それぞれについて、特定報知の実行タイミングが異なる複数の演出制御パターンを用意し、ステップS530で、演出制御用CPU120は、例えば乱数値と所定の決定テーブルとを用いて所定の決定割合で、変動パターンPB3−1〜PB3−3のいずれかに対応する演出制御パターンを選択するようにして、複数のタイミングのうちのいずれかで前記特定報知を実行する。
このように、変形例2では、特定報知の実行タイミングのバリエーションが増え、遊技の興趣が向上する。
(変形例3)
特定報知は、可変表示結果が「大当り」となるときに必ず実行されるものではなく、所定割合で実行されるものであってもよい。例えば、大当り時の変動パターンPB3−1〜PB3−3それぞれについて、特定報知を実行する場合と実行しない場合の演出制御パターンをそれぞれ用意し、ステップS530で、演出制御用CPU120は、例えば、乱数値と所定の決定テーブルとを用いて所定の決定割合で、特定報知の実行の有無を決定し、実行すると決定した場合には特定報知を実行する演出制御パターンを選択し、実行しないと決定した場合には特定報知を実行しない演出制御パターンを選択すればよい。また、特定報知は、可変表示結果が特定表示結果以外のもの(上記実施形態では、ハズレであるが、小当りなどを含んでもよい。)となるときに実行可能とされるようにしてもよい(但し、特定表示結果になる確率の方が特定表示結果以外になる確率よりも高くなるようにするとよい。)。つまり、特定遊技状態に移行することを報知するとは、特定遊技状態に必ず移行することを報知するものでなくてもよい。このような場合であっても、特定表示結果が特定期間内に導出表示されるとき又は特定報知が特定期間内に実行されるときには、その特定遊技状態(具体的には、移行する可能性のある特定遊技状態)は第1特定遊技状態ではなく第2特定遊技状態になるので、第1特定遊技状態に移行してしまう落胆は抑制でき、上記で説明したような効果はある程度得られる。
(変形例4)
特定報知や特定期間演出などは適宜全く実行しなくてもよい。
(変形例5)
第1特定遊技状態よりも遊技者にとって有利な第2特定遊技状態は、上記実施形態でも該当することであるが、例えば、第1特定遊技状態よりも、ラウンド遊技の上限回数が多い、ラウンド遊技の上限期間が長いなどして、より多くの賞球が得られやすい特定遊技状態であってもよいし、第2特定遊技状態後の遊技状態が第1特定遊技状態のあとよりも有利な遊技状態(時短状態や確変状態など)になる特定遊技状態であってもよい。第1特定遊技状態及び第2特定遊技状態は、それぞれ、複数種類の特定遊技状態を含むものであってもよい。上記実施形態では、第1特定遊技状態は、2種類の特定遊技状態を含む。複数種類の特定遊技状態それぞれを有利度に従って第1特定遊技状態と第2特定遊技状態とのうちのいずれかに分類してもよい。また、特定遊技状態には他の特定遊技状態があってもよい。但し、この場合には、当該他の特定遊技状態は、第1特定遊技状態よりも有利度の高いものであることが望ましい(これによって上記で説明した効果が適宜得られやすくなる。)。
(変形例6)
前記所定条件の成立時からの経過時間を表示する経過時間表示手段は、特定期間が終了したあと(例えば、特定期間満了まで特定期間演出が実行されたあとなど)も経過時間を表示してもよい(例えば、表示し続けたり、断続的に表示したりしてもよい)。例えば、ストップウォッチで特定期間の開始タイミングからの経過時間を計る画像(経過時間を順次表示する画像)を画像表示装置5に表示したり、棒状の表示バーの長さが特定期間の開始タイミングからの経過時間に応じて変化する画像を画像表示装置5に表示したりする場合には、特定期間演出が終了しても、これら画像を表示する演出を続行してもよい。具体的には、ストップウォッチで測定される経過時間を表示し続けたり、長さが変化する表示バーの表示を継続したりしてもよい。この場合、例えば、特定期間演出で実行されるミッション演出の画像の表示や所定時間報知の演出を、特定期間の終了時に終わらせることによって、特定期間が終了したことを報知するとよい。また、特定期間演出の所定時間報知の演出(所定時間の表示など)を、特定期間の終了後にも継続して実行することによって、経過時間と所定時間との対比により、特定期間が終了したことを報知してもよい。なお、特定期間が終了したあとも経過時間を表示するのは、例えば、ステップS169のステップS706で特定期間終了フラグがオンされたことに基づいてステップS701で特定期間終了フラグがオンと判定したときに、経過時間の表示を続ける演出動作制御を実行するなどして実現する。
特定期間が終了したあとも経過時間を表示する演出は、特定報知や可変表示結果が「大当り」になったことに対応して経過時間の表示を終了させるとよい。特に、画像表示装置5に表示したストップウォッチをストップさせたり、表示バーの変化をストップさせたりする演出を特定報知として実行し、特定期間が終了したあとも経過時間を表示する演出を終了させてもよい。なお、特定報知は、特定期間中や特定期間が終了したあとも経過時間を表示する演出の実行中において、画像表示装置5に表示したストップウォッチをストップさせたり、表示バーの変化をストップさせたりする演出のみ(つまり、表示する経過時間をストップさせる演出のみ)としてもよい。
(変形例7)
変動パターンや各種演出制御パターンなどは、上記実施の形態に限らず、様々なものを採用できる。また、各種演出の演出態様も適宜変更可能である。
(変形例8)
変動パターンの決定テーブルは、第1特図ゲームと第2特図ゲームとで異なるものとしてもよい。例えば、第2特図ゲームでは、第1特図ゲームよりも変動時間の短い変動パターンが選択されやすくしてもよい。これによって、第2特図ゲームの実行頻度が高まり、遊技の進行がスムーズになる。また、特定期間における最初の一定期間では、変動時間の短い変動パターンが、特定期間におけるその後の期間よりも選ばれやすいように、複数のテーブルを用意してもよい。これによって、特定期間突入時において特図ゲームの実行頻度が高まり、このときには特定期間の残り期間が長いので、特定期間内に特定報知がなされるかもしれない(つまり、第2特定遊技状態への移行があるかもしれない)という期待感を向上させることができる。
(変形例9)
上記実施の形態においては、変動時間及びリーチ演出の種類等の変動態様を示す変動パターンを演出制御基板側に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターン指定コマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御基板側に通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、CPU103は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御用CPU120は、2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。尚、CPU103の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用CPU120の方で選択を行う様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターン指定コマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
(変形例10)
パチンコ遊技機1は、遊技者に賞球となる遊技球が払い出され、払い出された遊技球(貸し球の場合もある)を遊技領域に発射して遊技が行われる遊技機であってもよいし、遊技に使用するための得点が付与されて、この得点を使用してパチンコ遊技機1の内部に封入された遊技球を遊技領域に打ち込んで遊技が行われる遊技機であってもよい。すなわち、遊技領域に設けられた始動領域を遊技媒体が通過したことに基づいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報の可変表示を行い表示結果を導出する可変表示手段に予め定められた特定表示結果が導出されたときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機(上記パチンコ遊技機1もこのような構成の一例である。)において、所定の遊技に用いられる得点が0でないときに、この得点を使用して遊技機内に封入された遊技媒体を遊技領域に打ち込んで遊技が行われ、遊技媒体の打ち込みに応じて得点が減算され、遊技領域に設けられた入賞領域を遊技媒体が通過(進入)することに応じて得点を加算する遊技機にも本発明を適用できる。こうした遊技機は、得点の加算に使用可能な遊技用価値の大きさを特定可能な情報が記録された遊技用記録媒体を挿入するための遊技用記録媒体挿入口と、遊技用記録媒体挿入口に挿入された遊技用記録媒体の記録情報を読み出す遊技用記録媒体処理手段を備えてもよい。
(変形例11)
第1始動入賞口と、第2始動入賞口とは、遊技領域の離れた場所に形成されてもよい。このような場合、遊技者は、遊技球の打ち分けを行うことで、第1始動入賞口への入賞と、第2始動入賞口への入賞とを狙い分けることができるので遊技の興趣が向上する。
(変形例12)
また、特定期間と、特定期間以外と、で、変動パターンを分けてもよい。例えば、特定期間以外では、スーパーリーチなど通常のリーチ演出よりも大当り期待度の高い演出を実行するような変動パターンが選択されることが可能になるようにしてもよい。
(変形例13)
その他にも、遊技機の装置構成やデータ構成、フローチャートで示した処理、などを実行するための画像表示装置における画像表示動作やスピーカにおける音声出力動作さらには遊技効果ランプや装飾用LEDにおける点灯動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、例えばパチンコ遊技機1といった、遊技機に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。