以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示される。なお、確定特別図柄は、可変表示中に表示される特別図柄とは異なるものであってもよい。
なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターン(適宜LEDを全て消灯したパターンを点灯パターンとして含んでもよい。)が、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の画面上では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の画面上には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。なお、確定飾り図柄は、可変表示中に表示される飾り図柄とは異なるものであってもよい。例えば、スクロール表示される飾り図柄以外の飾り図柄が確定飾り図柄となってもよい。
このように、画像表示装置5の画面上では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム(第1特図ゲームともいう。)、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム(第2特図ゲームともいう。)と同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
画像表示装置5の画面上には、始動入賞記憶表示エリア5Hが配置されている。始動入賞記憶表示エリア5Hでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に、遊技球が進入(例えば、通過)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。この実施の形態では、保留記憶表示を、保留されている可変表示と同じ個数の図柄(本実施の形態では、丸印などであり、以下、保留表示図柄ともいう。)を表示することによって行う。1つの保留表示図柄は、保留されている1つの可変表示に対応している。第1特図を用いた特図ゲームに対応した、保留されている可変表示は、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける向かって左側の領域に表示される保留表示図柄によって表される。第2特図を用いた特図ゲームに対応した、保留されている可変表示は、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける向かって右側の領域に表示される保留表示図柄によって表される。
例えば、第1始動入賞口に遊技球が進入する第1始動入賞の発生により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときに、当該第1始動条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ、第1特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。また、第2始動入賞口を遊技球が進入する第2始動入賞の発生により、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときに、当該第2始動条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ、第2特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。これに対して、第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第1特図保留記憶数が1減算(デクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第2特図保留記憶数が1減算(デクリメント)される。
第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、あるいは始動入賞記憶表示5Hエリアに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。図1に示す例では、始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bはそれぞれ、例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のそれぞれにおける上限値(例えば「4」)に対応した個数(例えば4個)のLEDを含んで構成されている。ここでは、LEDの点灯個数によって、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを表示している。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用のソレノイド81によって垂直位置となる閉鎖状態と傾動位置となる開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入しない閉鎖状態にする。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入できる開放状態にする。なお、普通可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオフ状態であるときに通常開放状態となり、第2始動入賞口に遊技球が進入できる一方、ソレノイド81がオン状態であるときの拡大開放状態よりも遊技球が進入しにくいように構成してもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bは、第2始動入賞口を遊技球が進入可能な開放状態または拡大開放状態といった第1可変状態と、遊技球が進入不可能な閉鎖状態または進入困難な通常開放状態といった第2可変状態とに、変化できるように構成されている。第1可変状態は、第2可変状態よりも遊技球が第2始動入賞口に進入し易い状態であればよい。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球(景品遊技媒体)として払い出され、第1保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2保留記憶数が所定の上限値以下であれば、第2始動条件が成立する。
なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。パチンコ遊技機1は、賞球となる遊技球を直接に払い出すものであってもよいし、賞球となる遊技球の個数に対応した得点を付与するものであってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口に進入(例えば、通過)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口に進入しやすくなる。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が進入しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が進入できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口に進入できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口に進入しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口に遊技球が進入したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口に遊技球が進入したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を進入させて賞球を得ることが不可能または困難になり、第1状態よりも遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、例えば、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41(所定の部材によって遊技球が通過可能に形成され、遊技球の通過は、図2のゲートスイッチ21によって検出される。)を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、タッチセンサ基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号を受け取る機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンド(後述の演出制御コマンドなど)を制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。また、主基板11は、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどを制御して、各種保留記憶数を表示する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100やスイッチ回路110、ソレノイド回路111などが搭載されている。スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号(遊技媒体の通過や進入を検出したこと(スイッチがオンになったこと)を示す検出信号)を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号(例えば、ソレノイド81やソレノイド82をオン状態にする信号など)を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させる機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23といった、各種スイッチからの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、各種スイッチは、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20などの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号(制御コマンド)は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送信される演出制御コマンドである(詳しくは後述する)。演出制御コマンドはいずれも、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」となり、EXTデータの先頭ビットは「0」となるように、予め設定されていればよい。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理(例えば、上記主基板11の機能を実現するための処理など。)が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100を構成する1チップのマイクロコンピュータは、少なくともCPU103の他にRAM102が内蔵されていればよく、ROM101や乱数回路104、I/O105などは外付けされてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、例えば乱数回路104などにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。遊技用乱数は、乱数回路104などのハードウェアによって更新されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することでソフトウェアによって更新されるものであってもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられたランダムカウンタや、RAM102とは別個の内部レジスタに設けられたランダムカウンタに、所定の乱数値を示す数値データを格納し、CPU103が定期的または不定期的に格納値を更新することで、乱数値の更新が行われるようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンド送信テーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種データ(各種フラグやカウンタ、タイマなども含む。)が書換可能に一時記憶される。RAM102は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、例えば、停電などがあってパチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても(所謂、電断があっても)、所定期間(例えば、バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータとは、バックアップRAMに保存される。このようにバックアップRAMに保存されバックアップされたデータを適宜バックアップデータという。
I/O105は、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号が入力される入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御する処理(演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させる機能を実現する処理)が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。演出制御パターンは、飾り図柄の可変表示やリーチ演出などの各種演出を実行するためのデータの集まりであって、例えばプロセスタイマ判定値と対応付けられた演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなど)や終了コードなどを含んだプロセスデータから構成されている。
演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データ(各種フラグやカウンタ、タイマなども含む。)が記憶される。なお、RAM122は、バックアップRAMではないので、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止した場合(つまり、電断があった場合)には、記憶しているデータが失われてしまう。
演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令などに基づき(例えば、この指令によって、表示制御部123は、演出制御用CPU120に制御される。)、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定して実行する。例えば、表示制御部123は、画像表示装置5の表示画面内に表示させる演出画像の切換タイミングを決定することなどにより、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を画像表示装置5に実行させるための制御を行う。一例として、表示制御部123には、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)、LCD駆動回路などが搭載されていればよい。なお、VDPは、GPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、あるいは、より一般的にDSP(Digital Signal Processor)と称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。CGROMは、例えば書換不能な半導体メモリであってもよいし、フラッシュメモリなどの書換可能な半導体メモリであってもよく、あるいは、磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成されたものであればよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、演出制御基板12の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、I/O125の出力ポートからは、画像表示装置5へと伝送される映像信号や、音声制御基板13へと伝送される指令(効果音信号)、ランプ制御基板14へと伝送される指令(電飾信号)などが出力される。
上記のような構成によって、演出制御用CPU120は、音声制御基板13を介してスピーカ8L、8Rを制御して音声を出力させたり、ランプ制御基板14を介して遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯駆動を行わせたり、表示制御部123を介して画像表示装置5の表示領域に演出画像を表示させたりして、各種の演出を実行する。
パチンコ遊技機1においては、遊技媒体としての遊技球を用いた所定の遊技が行われ、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値が付与可能となる。遊技球を用いた遊技の一例として、パチンコ遊技機1における筐体前面の右下方に設置された打球操作ハンドルが遊技者によって所定操作(例えば回転操作)されたことに基づいて、所定の打球発射装置が備える発射モータなどにより、遊技媒体としての遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技領域を流下した遊技球が、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口(第1始動領域)に進入すると、図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたこと(第1始動口スイッチ22Aがオンになったこと)などにより第1始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始される。
また、遊技球が普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口(第2始動領域)に進入すると、図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたこと(第2始動口スイッチ22Bがオンになったこと)などにより第2始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始される。ただし、普通可変入賞球装置6Bが第2可変状態としての通常開放状態や閉鎖状態であるときには、第2始動入賞口に遊技球が進入困難または進入不可能である。
通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたこと(ゲートスイッチ21がオンになったこと)に基づいて、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立する。その後、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる開放制御や拡大開放制御が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る閉鎖制御や通常開放制御が行われる。普通図柄の可変表示結果を、予め定められた特定表示結果としての「普図当り」にするか否かは、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始されるときになど、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。
第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されるときや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始されるときには、特別図柄の可変表示結果を、予め定められた特定表示結果としての「大当り」にするか否かが、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。そして、可変表示結果の決定に基づく所定割合で、変動パターンの決定などが行われる。
こうした可変表示結果や変動パターンの決定に基づいて特図ゲームが開始された後、例えば変動パターンに対応して予め定められた可変表示時間が経過したときには、可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される。第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の可変表示に対応して、画像表示装置5の画面上に配置された「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、特別図柄とは異なる飾り図柄(演出図柄)の可変表示が行われる。第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるときには、画像表示装置5において飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示される。
特別図柄の可変表示結果として予め定められた大当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」(特定表示結果)となり、遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。すなわち、大当り遊技状態に制御されるか否かは、可変表示結果が「大当り」となるか否かに対応しており、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。特別図柄の可変表示結果として、大当り図柄が導出表示されず、ハズレ図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる。
一例として、「1」、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄とする。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄やハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄やハズレ図柄となるようにしてもよい。
大当り遊技状態では、大入賞口が開放状態となって特別可変入賞球装置7が遊技者にとって有利な第1状態となる。そして、所定期間(例えば29秒間)あるいは所定個数(例えば9個)の遊技球が大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を継続して開放状態とするラウンド遊技(単に「ラウンド」ともいう)が実行される。こうしたラウンド遊技の実行期間以外の期間では、大入賞口が閉鎖状態となり、入賞球が発生困難または発生不可能となる。大入賞口に遊技球が進入したときには、カウントスイッチ23により入賞球(大入賞口に進入した遊技球)が検出され、その検出ごとに所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。大当り遊技状態におけるラウンド遊技は、所定の上限回数(例えば「5」又は「15」)に達するまで繰返し実行される。
特図表示結果が「大当り」となる場合には、大当り種別が「第1大当り」〜「第4大当り」のいずれかとなる場合が含まれている。例えば、特別図柄の可変表示結果として、「1」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「第1大当り」となり、「3」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「第2大当り」となり、「5」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「第3大当り」となり、「7」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「第4大当り」となる。大当り種別が「第3大当り」となった場合には、大当り遊技状態におけるラウンド遊技として、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(大入賞口を開放状態)とする上限時間が比較的に長い時間(例えば29秒など)となる通常開放ラウンドが、5ラウンド(5回)分実行される。大当り種別が「第1大当り」、「第2大当り」、「第4大当り」となった場合には、大当り遊技状態におけるラウンド遊技としての通常開放ラウンドが15ラウンド(15回)分実行される。
大当り遊技状態が終了した後には、可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り確率)が通常状態よりも高くなる確変状態に制御されることがある。確変状態は、次回の大当り遊技状態が開始されることといった、所定の確変終了条件が成立するまで、継続するように制御される。
また、大当り遊技状態が終了した後には、平均的な可変表示時間が通常状態よりも短くなる時短状態に制御されることがある。時短状態は、所定回数(この実施の形態では、50回又は100回)の可変表示(特図ゲーム)が実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたことのうち、いずれか一方の時短終了条件が先に成立するまで、継続するように制御されることもあれば、次回の大当り遊技状態が開始されるという時短終了条件の成立があるまで、継続するように制御されることもある。
図10に示すように、この実施の形態では、大当り種別が「第1大当たり」である場合の大当り遊技状態(適宜、第1大当り遊技状態ということがある。)が終了した後の遊技状態は、時短状態となるが確変状態にはならない。このときの時短状態は、50回の可変表示が実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたことのうち、いずれか一方の時短終了条件が先に成立するまで継続する。このような時短状態を、時短50回の時短状態という。
また、大当り種別が「第2大当たり」である場合の大当り遊技状態(適宜、第2大当り遊技状態ということがある。)が終了した後の遊技状態は、時短状態となるが確変状態にはならない。このときの時短状態は、100回の可変表示が実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたことのうち、いずれか一方の時短終了条件が先に成立するまで継続する。このような時短状態を、時短100回の時短状態という。
また、大当り種別が「第3大当たり」である場合の大当り遊技状態(適宜、第3大当り遊技状態ということがある。)が終了した後の遊技状態は、時短状態にはならないが確変状態となる。
また、大当り種別が「第4大当たり」である場合の大当り遊技状態(適宜、第4大当り遊技状態ということがある。)が終了した後の遊技状態は、時短状態及び確変状態になる。このときの時短状態は、次回の大当り遊技状態が開始されたという時短終了条件が成立するまで継続する。このような時短状態を、時短∞(無限)の時短状態という。
なお、時短終了条件が成立するまでの可変表示(特図ゲームなど)の残りの実行回数を時短残回数という。例えば、時短状態となってから可変表示が30回実行された場合には、時短50回の時短状態では時短残回数は20回になり、時短100回の時短状態では時短残回数は70回になる。時短∞の時短状態では時短状態は、可変表示の実行回数に関わらず、次の大当り遊技状態まで継続するので時短残回数は∞回とする。
なお、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態や、時短状態、確変状態等の遊技者にとって有利な状態以外の遊技状態のことであり、普図ゲームにおける可変表示結果が「普図当り」となる確率及び特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」となる確率が、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に所定の復帰処理を実行しなかったとき)と同一に制御される状態である。
時短状態では、通常状態よりも第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい有利変化態様で、普通可変入賞球装置6Bを第1可変状態(開放状態または拡大開放状態)と第2可変状態(閉鎖状態または通常開放状態)とに変化させる。例えば、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御により、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させればよい。なお、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させる制御は、高開放制御(「時短制御」あるいは「高ベース制御」ともいう)と称される。こうした時短状態に制御されることにより、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの所要時間が短縮され、通常状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態となる。
なお、時短状態は、「高ベース状態」、「高ベース」などともいわれ、時短状態でない遊技状態は、「低ベース状態」、「低ベース」、「非時短状態」、「非時短」などともいわれる。確変制御が行われる確変状態は、「高確状態」、「高確」などともいわれ、確変状態でない遊技状態は、「低確状態」、「低確」、「非確変状態」、「非確変」などともいわれる。確変状態及び時短状態になっているときの遊技状態は、「高確高ベース状態」、「高確高ベース」などともいわれる。確変状態とはならずに時短状態になっているときの遊技状態は、「低確高ベース状態」、「低確高ベース」などともいわれる。時短状態とはならずに確変状態になっているときの遊技状態は、「高確低ベース状態」、「高確低ベース」などともいわれる。時短状態及び確変状態のいずれかにもならない状態、つまり、通常状態は、「低確低ベース状態」、「低確低ベース」などともいわれる。
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間(可変表示中の期間)では、飾り図柄の可変表示態様が所定のリーチ態様となる(リーチが成立する)ことがある。
ここで、リーチ態様とは、画像表示装置5の画面上にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示態様、あるいは、全部または一部の飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリア5Cなど)では飾り図柄が変動している表示態様、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部または一部で飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様である。
また、リーチ態様となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の画面上に飾り図柄とは異なるキャラクター画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ態様となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクター画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ態様となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
この実施の形態では、飾り図柄の可変表示中において行われる演出(リーチ演出を含む。)について、演出態様の異なる複数の演出モードが用意されている(図24などを参照、詳しくは後述する。)。具体的には、遊技状態が時短状態でないとき(例えば、通常状態や、高確低ベース状態のとき)には、演出モードは「モード0」となる。大当り遊技状態後の最初の可変表示から50回目の可変表示までの時短状態では、演出モードは「モード1」となり、大当り遊技状態後の51回目の可変表示から100回目の可変表示までの時短状態では、演出モードは「モード2」となり、大当り遊技状態後の101回目の可変表示から大当り遊技状態に継続するまでの時短状態では、演出モードは「モード3」となる。この実施の形態では、モード0〜3において、画像表示装置5に表示される画像のうちの背景画像(飾り図柄の可変表示やキャラクター以外の背景を構成する画像)を互いに異ならせることによって、モード0〜3のそれぞれの演出態様が異なるようになっている(図25参照)。なお、モード0〜3において、飾り図柄の種類やデザインを互いに異ならせたり、リーチ演出などで登場するキャラクターを互いに異ならせたりするなどして、モード0〜3のそれぞれの演出態様を互いに異なさせるようにしてもよい。
上述のように、時短状態は、大当り遊技状態終了後、50回の可変表示が実行されることによって終了する場合がある(時短50回の時短状態のとき)。時短状態は、大当り遊技状態終了後、100回の可変表示が実行されることによって終了する場合がある(時短100回の時短状態のとき)。さらに、時短状態は、大当り遊技状態終了後、100回の可変表示が実行されたあとも継続する場合がある(時短∞の時短状態のとき)。
上記のように、モード1は、大当り終了後50回の可変表示が実行されるまでの演出モードであるので、演出モードがモード1となっているときの時短状態は、時短50回、時短100回、時短∞のいずれかの時短状態である。モード2は、大当り終了後51回目の可変表示の実行から100回目の可変表示の実行までの演出モードであるので、演出モードがモード2となっているときの時短状態は、時短100回、時短∞のいずれかの時短状態である。モード3は、大当り終了後101回目の可変表示の実行からの演出モードであるので、演出モードがモード3となっているときの時短状態は、時短∞の時短状態である。モード3は、次の大当りの発生まで継続される。
つまり、モード1からモード2に切り替わった場合には、現在の時短状態が時短100回又は時短∞の時短状態であることが分かり、モード1からモード0に切り替わった場合には、今回の時短状態(終了した時短状態)が時短50回の時短状態であることが分かる。モード2からモード3に切り替わった場合には、現在の時短状態が時短∞の時短状態であることが分かり、モード2からモード0に切り替わった場合には、今回の時短状態(終了した時短状態)が時短100回の時短状態であることが分かる。このように、この実施の形態では、モードの切り替えによって、時短状態の種類(時短50回であるか、時短100回であるか、時短∞であるか)を遊技者が認識できるようになっており、ゲーム性が向上している。
また、モード1〜2では、時短状態開始(大当り遊技状態終了後)からの飾り図柄の可変表示の実行回数(特図ゲームの実行回数でもある。)が報知されるとともに、そのモードが終了するまで(つまり、モードが切り替わるまで)の可変表示の残りの実行回数(以下、適宜、モード残回数という。)が報知される(図25参照)。なお、モード3は可変表示の実行回数に関わらず次の大当り遊技状態まで継続するので、モード3におけるモード残回数は∞回とする。これによって、モードの切り替えに伴って時短状態が終了してしまう可能性のあるタイミングを遊技者に報知し、時短状態が終了してしまうなどの遊技者の不安感を煽ることができ、ゲーム性がまし、遊技の興趣が向上する。
特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果である特図表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示される。一例として、大当り種別にかかわらず、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄である「7」が揃って停止表示されることにより、大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示されればよい。これによって、大当り時の大当り種別の見分けがしづらくなっている。
特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様とならずに、所定の非リーチ組合せを構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることがある。また、特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ組合せ」ともいう)を構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることもある。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の主要な動作(作用)を説明する。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、RAM102にバックアップデータが記憶されていないときには、例えばRAM102がクリアされ、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンドである初期化指定コマンド(電源投入指定コマンド)を演出制御基板12に送信する送信設定(例えば、送信する制御コマンドの記憶アドレス値をRAM102に格納する等)が行われ、かつ、送信設定された初期化指定コマンドを送信する処理(処理内容は、後述のコマンド制御処理にてコマンドを送信する処理と適宜同じ。)が行われる。なお、送信設定された初期化指定コマンドは後述のコマンド制御処理にて送信されてもよい。初期化指定コマンドは、図4(A)に示すように、コマンド9000(H)として用意され、電源投入による初期化を指定する。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。
また、遊技制御メイン処理では、RAM102にバックアップデータが記憶されているときには、電断があったということになるので、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにする。このときには、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンドである電断復旧指定コマンドを演出制御基板12に送信する送信設定(例えば、送信する制御コマンドの記憶アドレス値をRAM102に格納する等)が行われ、かつ、送信設定された電断復旧指定コマンドを送信する処理(処理内容は、後述のコマンド制御処理にてコマンドを送信する処理と適宜同じ。)が行われる。なお、送信設定された電断復旧指定コマンドは後述のコマンド制御処理にて送信されてもよい。電断復旧指定コマンドは、図4(A)に示すように、コマンド9200(H)として用意され、電断から復旧したことを指定する。
このような遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、割込み禁止状態に設定して、所定の遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。遊技制御用タイマ割込処理には、例えばスイッチ処理やメイン側エラー処理、情報出力処理、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス処理、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理といった、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するための処理が含まれている。なお、遊技制御用タイマ割込処理の終了時には、割込み許可状態に設定される。これによって、遊技制御用タイマ割込み処理は、タイマ割り込みが発生するごと、つまり、割込み要求信号の供給間隔である所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとに実行されることになる。
スイッチ処理は、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから検出信号が入力されたかを判定することによって、各スイッチがオン状態であるか否か(つまり、遊技球の進入又は通過があったか否か)をスイッチごとに判定する処理である。
メイン側エラー処理は、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする処理である。
情報出力処理は、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する処理である。
遊技用乱数更新処理は、主基板11の側で用いられる複数種類の遊技用乱数のうち、少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための処理である。一例として、主基板11の側で用いられる遊技用乱数には、特図表示結果決定用の乱数値MR1と、大当り種別決定用の乱数値MR2と、変動パターン決定用の乱数値MR3と、が含まれていればよい(図3参照)。特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定に用いられる乱数値であり、「1」〜「65535」のいずれかの値を取り得る。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合に、大当り種別を「第1大当り」〜「第4大当り」のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、「1」〜「100」のいずれかの値を取り得る。変動パターン決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターンを、予め用意された複数パターンのいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、「1」〜「200」のいずれかの値を取り得る。
特別図柄プロセス処理では、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定や変動パターンの決定、当該決定結果に基づく特別図柄表示装置4における表示動作の制御(特図ゲームの実行)、大当り遊技状態時の特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定(ラウンド遊技の実行)などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。特別図柄プロセス処理の詳細は後述するが、タイマ割り込みの発生毎に特別図柄プロセス処理が実行されることによって、可変表示結果や変動パターンの決定、当該決定に基づく特図ゲームの実行、大当り遊技状態などが実現される。
普通図柄プロセス処理では、例えば、通過ゲート41を遊技球が通過した場合(例えば、スイッチ処理にてゲートスイッチ21がオン状態になっていると判定された場合)に保留数が上限数に達していなければ普図ゲームの保留記憶(例えば、乱数値をRAM102に記憶させること)を行ったり、保留記憶を用いて普図ゲームの可変表示結果を決定したり、普図ゲームの変動パターン(変動時間など)を決定したり、変動パターンに従って普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して普通図柄の可変表示を実行して普図ゲームの可変表示結果を導出表示したり、可変表示結果が普図当りの場合に普通可変入賞球装置6Bを拡大開放状態にする処理を行ったりする。タイマ割り込みの発生毎に普通図柄プロセス処理が実行されることによって、普図ゲームの実行や、普図当りのときの普通可変入賞球装置6Bの所定期間の拡大開放状態などが実現される。
コマンド制御処理は、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる処理である。一例として、特別図柄プロセス処理や普通図柄プロセス処理などでは、制御コマンド(演出制御コマンドなど)の送信設定(例えば、送信する制御コマンドの記憶アドレス値をRAM102に格納する等)が行われ、コマンド制御処理では、送信設定された制御コマンドを、実際に演出制御基板12に対して送信する処理が行われる。この送信する処理では、演出制御INT信号などが用いられ、制御コマンドの送信が行われる。
ここで、コマンド制御処理により主基板11から演出制御基板12に送信される演出制御コマンドのうち、特別図柄プロセス処理にて送信設定される主な演出制御コマンドについて図4(B)を参照して説明する。
コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5において可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターン指定コマンド)である。この実施の形態では、変動パターン(図13参照、詳しくは後述する。)それぞれに対応する変動パターン指定コマンドが設定されている。例えば、各変動パターンには、一意の番号(変動パターン番号)が振られ、その番号がコマンド中の「XX」に設定される(例えば、変動パターンPA1−1なら「01」など)。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターン指定コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもあり、変動パターンの設定時に実行される後述のステップS111にて送信設定される。
コマンド8CXX(H)は、大当りとするか否かおよび大当り種別(つまり、可変表示結果)を指定する演出制御コマンド(表示結果指定コマンド)である。この実施の形態では、表示結果それぞれに対応する表示結果指定コマンドが設定されている。例えば、各表示結果には、一意の番号が振られ、その番号がコマンド中の「XX」に設定される(例えば、「ハズレ」なら「00」、「第1大当り」の「大当り」なら「01」など)。また、表示結果指定コマンドは、変動パターン指定コマンドなどとともに、変動パターンの設定時に実行される後述のステップS111にて送信設定される。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを指定する演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを指定する演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを図柄変動指定コマンドと総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、変動パターン指定コマンドに含めるようにしてもよい。第1図柄変動指定コマンド又は第2図柄変動指定コマンドは、変動パターン指定コマンドなどとともに、変動パターンの設定時に実行される後述のステップS111にて送信設定される。
コマンド95XX(H)は、現在の演出モードを指定する演出制御コマンド(モード指定コマンド)である。例えば、モードには、一意の番号が振られ、その番号がコマンド中の「XX」に設定される(例えば、「モード1」なら「01」など)。また、モード指定コマンドは、変動パターン指定コマンドなどとともに、時短状態における変動パターンの設定時に実行される後述のステップS111にて送信設定される。なお、演出モード(モード番号)は、後述のモードフラグ(モード1フラグ〜モード3フラグを総称したもの)などによって特定すればよい。
コマンド9AXX(H)は、現在(このコマンドの送信時)が時短状態である場合に使用され、時短残回数を指定する演出制御コマンド(時短回数指定コマンド)である。また、時短回数指定コマンドは、変動パターン指定コマンドなどとともに、変動パターンの設定時に実行される後述のステップS111にて送信設定される。コマンド中の「XX」は、時短残回数に設定される(例えば、時短残回数が「5回」なら「05」など)。なお、時短回数指定コマンドは、時短状態における変動パターンの設定時に送信設定されるので、特図ゲームの開始時に送信される。このため、時短回数指定コマンドは、これから開始される特図ゲームを含む時短残回数を指定する。例えば、時短50回の時短状態において、時短状態の開始から50回目の特図ゲーム(時短50回の時短状態において最後に実行される特図ゲーム)の開始時(変動パターンの設定時)には、時短回数指定コマンドは時短残回数「1回」を指定する(例えば、「XX」を「01」とする)。このように、この実施の形態では、時短回数指定コマンドにて指定される時短残回数は「0回」になることはない(時短残回数が0回となっても「XX」が「00」になることはない。)。このため、この実施の形態では、時短50回や100回の時短状態において時短回数指定コマンドの「XX」に「00」が用いられないので、特に「00」を時短残回数が「∞回」であることを示すように設定されている。これによって、時短回数指定コマンドの内容を容易化でき、時短回数が∞回であることの特定が容易になる。なお、時短残回数は、後述の時短回数カウンタのカウント値などによって特定すればよい。
コマンド9BXX(H)は、基本的に、現在(このコマンドの送信時)の演出モードがモード1〜2のいずれかである場合に使用され、モード残回数を指定する演出制御コマンド(モード回数指定コマンド)である。また、モード回数指定コマンドは、変動パターン指定コマンドなどとともに、時短状態における変動パターンの設定時に実行される後述のステップS111にて送信設定される。コマンド中の「XX」は、モード残回数に設定される(例えば、モード残回数が「5回」なら「05」など)。なお、モード回数指定コマンドは、変動パターンの設定時に送信設定されるので、特図ゲームの開始時に送信される。このため、モード回数指定コマンドは、これから開始される特図ゲームを含むモード残回数を指定する。例えば、モード1において、モード1の開始から50回目の特図ゲーム(モード1において最後に実行される特図ゲーム)の開始時(変動パターンの設定時)には、モード回数指定コマンドはモード残回数「1回」を指定する(例えば、「XX」を「01」とする)。このように、この実施の形態では、モード1〜モード2で使用されるモード回数指定コマンドにて指定されるモード残回数は「0回」になることはない(モード残回数が0回となっても「XX」が「00」になることはない。)。この実施の形態では、モード1やモード2ではモード回数指定コマンドの「XX」に「00」が用いられないので、モード残回数が「∞回」である場合には「XX」を「00」に設定し、これによって、モード3においてもモード回数指定コマンドを使用する。これによって、モード回数指定コマンドによって各種のモードにおけるモード残回数を特定可能とし、モード残回数が「∞回」であることの特定も容易になる。なお、モード残回数は、後述のモード回数カウンタのカウント値などによって特定すればよい。
コマンド9D00(H)は、飾り図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを指定する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。図柄確定指定コマンドは、後述のステップS112における特図ゲーム終了時にて送信設定される。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションの表示を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。客待ちデモ指定コマンドは、後述のステップS110において保留記憶がない場合などに送信設定される。
コマンドA001(H)は、大当り遊技状態の開始(ファンファーレの開始)を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド)である。なお、ファンファーレとは、大当り遊技状態の開始時に実行される、大当り遊技状態になったことを報知する演出である。このコマンドは、後述のステップS113において、大当り遊技状態が開始されるときに送信される。
コマンドA601(H)は、大当り遊技状態におけるエンディングの開始を指定する演出制御コマンド(大当り終了指定コマンド)である。なお、エンディングとは、大当り遊技状態の終了時に実行される、大当り遊技状態が終了することを報知する演出である。このコマンドは、後述のステップS116において、最後のラウンド遊技が終了したときに、大当り種別に応じて送信される。
コマンドB0XX(H)は、遊技状態を指定する演出制御コマンド(遊技状態指定コマンド)である。この実施の形態では、遊技状態それぞれに対応する遊技状態指定コマンドが設定されている。例えば、遊技状態が通常状態(低確低ベース)であれば、「XX」は、「00」に設定される。例えば、遊技状態が高確低ベース状態であれば、「XX」は、「01」に設定される。例えば、遊技状態が高確高ベース状態であれば、「XX」は、「02」に設定される。例えば、遊技状態が低確高ベース状態であれば、「XX」は、「03」に設定される。遊技状態指定コマンドは、遊技状態の変更があったとき(後述のステップS113やステップS117の実行時)に送信設定される。
コマンドC1XX(H)は、第1保留記憶数を指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数指定コマンド)である。「XX」が、第1保留記憶数を示す。コマンドC2XX(H)は、第2保留記憶数を指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数指定コマンド)である。「XX」が、第2保留記憶数を示す。第1保留記憶数指定コマンドと第2保留記憶数指定コマンドとを総称して、保留記憶数指定コマンドという場合がある。保留記憶数指定コマンドは、後述のステップS101やステップS111などの、第1保留記憶数又は第2保留記憶数に変化があるときに送信設定される。
コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図5は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。図6は、ステップS101にて実行される始動入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。
始動入賞判定処理を開始すると、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(ステップS201)。例えば、スイッチ処理にて第1始動口スイッチ22Aがオン状態になっていると判定されたか否かでこの判定を行う。このとき、例えばスイッチ処理にてオン状態と判定されているなどして第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(ステップS201;Yes)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。このとき、CPU103は、RAM102の所定領域に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS202;No)、RAM102の所定領域に設けられた始動口バッファの格納値である始動口バッファ値を、「1」に設定する(ステップS203)。
ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(ステップS201;No)、ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS202;Yes)、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(ステップS204)。例えば、スイッチ処理にて第2始動口スイッチ22Bがオン状態になっていると判定されたか否かでこの判定を行う。このとき、例えばスイッチ処理にてオン状態と判定されているなどして第2始動口スイッチ22Bがオンであれば(ステップS204;Yes)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS205)。このとき、CPU103は、RAM102の所定領域に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS205にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS205;No)、始動口バッファ値を「2」に設定する(ステップS206)。第2始動口スイッチ22Bがオンでなかったり(ステップS204;No)、第2特図保留記憶数が上限値であったり(ステップS205;Yes)した場合には、始動入賞判定処理を終了する。
ステップS203、S206の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファ値に応じた保留記憶数カウント値を1加算するように更新する(ステップS207)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口に遊技球が進入して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口に遊技球が進入して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。このときには、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新する(ステップS208)。
ステップS208の処理を実行した後に、CPU103は、始動入賞の発生時に対応した所定の遊技用乱数を抽出する(ステップS209)。一例として、ステップS209の処理では、乱数回路104やRAM102の所定領域に設けられたランダムカウンタ等によって更新される数値データのうちから、図3に示す、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データが抽出される。こうして抽出された各乱数値を示す数値データが保留データとして、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭にセットされることで記憶される(ステップS210)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、保留データが図7(A)に示すような第1特図保留記憶部にセットされる。一方、始動口バッファ値が「2」であるときには、保留データが図7(B)に示すような第2特図保留記憶部にセットされる。なお、このとき、CPU103は、保留データが第1特図保留記憶部にセットされたときには、第1保留表示器25Aを制御して、1つ加算された第1特図保留記憶数を特定可能な表示を第1保留表示器25Aに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ増やす)ようにしてもよい。なお、CPU103は、保留データが第2特図保留記憶部にセットされたときには、第2保留表示器25Bを制御して、1つ加算された第2特図保留記憶数を特定可能な表示を第2保留表示器25Bに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ増やす)ようにしてもよい。
図7(A)に示す第1特図保留記憶部は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が進入して第1始動入賞が発生したものの、未だ開始されていない第1特図ゲームの保留データを保留記憶として記憶する。一例として、第1特図保留記憶部は、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の進入による第1始動条件の成立に基づいてCPU103が乱数回路104等から抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部に記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行(可変表示)が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき大当り遊技状態に制御すると決定されるか否かや、飾り図柄の可変表示態様が特定態様(例えばリーチ演出など)となるか否かなどを判定可能にする保留記憶情報となる。
図7(B)に示す第2特図保留記憶部は、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が進入して第2始動入賞が発生したものの、未だ開始されていない第2特図ゲームの保留データを保留記憶として記憶する。一例として、第2特図保留記憶部は、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の進入による第2始動条件の成立に基づいてCPU103が乱数回路104等から抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部に記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行(可変表示)が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき大当り遊技状態に制御すると決定されるか否かや、飾り図柄の可変表示態様が特定態様(例えばリーチ演出など)となるか否かなどを判定可能にする保留記憶情報となる。
ステップS210の処理に続いて、始動口バッファ値に応じて、保留記憶数指定コマンドの送信設定を行う(ステップS211)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときに、CPU103は、演出制御基板12に対して、第1特図保留記憶数(第1保留記憶数カウント値などから特定すればよい)を通知する第1保留記憶数指定コマンドを送信する設定を行う。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには、CPU103は、演出制御基板12に対して、第2特図保留記憶数(第2保留記憶数カウント値などから特定すればよい)を通知する第2保留記憶数指定コマンドを送信するための設定を行う。こうして送信設定された保留記憶数指定コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、コマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される(以下、他のコマンドについても同じ)。
その後、CPU103は、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS212)。このとき、始動口バッファ値が「2」であれば(ステップS212;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS213)、始動入賞判定処理を終了する。これに対して、始動口バッファ値が「1」であるときには(ステップS212;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS214)、ステップS204の処理に進む。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
ここでの第1保留記憶数指定コマンドは、第1始動入賞の発生により第1始動条件が成立したときに、第1特図保留記憶数の増加を通知する演出制御情報として、演出制御基板12の側へと送信される。また、第2保留記憶数指定コマンドは、第2始動入賞の発生により第2始動条件が成立したときに、第2特図保留記憶数の増加を通知する演出制御情報として、演出制御基板12の側へと送信される。なお、ステップS211において、始動口バッファ値が「1」であるときには、CPU103は、演出制御基板12に対して、第1特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する演出制御コマンドである第1始動口入賞指定コマンドを第1保留記憶数指定コマンドとともに送信する設定を行ってもよい。また、始動口バッファ値が「2」であるときには、CPU103は、演出制御基板12に対して、第2特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する演出制御コマンドである第2始動口入賞指定コマンドを第2保留記憶数指定コマンドとともに送信する設定を行ってもよい。
図5に示すステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102の所定領域に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S120の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データの有無などに基づいて、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。このとき、可変表示結果が「大当り」に決定された場合には、大当り種別を複数種別のいずれかに決定する。大当り種別はRAM102の所定領域に設けられた大当り種別バッファに格納されて記憶される。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
図8は、特別図柄通常処理として、図5のステップS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図8に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。CPU103は、第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;No)、例えば第2特図保留記憶部の先頭領域(例えば保留番号「1」に対応する記憶領域)といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データとして、所定の乱数値を示す数値データを読み出す(ステップS232)。これにより、図6に示すステップS209の処理で第2始動入賞口における始動入賞(第2始動入賞)の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS233)。例えば、第2特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位にシフトする。また、ステップS233の処理では、合計保留記憶数(合計保留記憶数カウント値)を1減算するように更新する。そして、RAM102の所定領域に設けられた変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を、「2」に更新する(ステップS234)。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS231;Yes)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。CPU103は、第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、ステップS235の処理は、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図ゲームは、第1特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
ステップS235にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS235;No)、例えば第1特図保留記憶部の先頭領域(例えば保留番号「1」に対応する記憶領域)といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データとして、所定の乱数値を示す数値データを読み出す(ステップS236)。これにより、図6に示すステップS209の処理で第1始動入賞口における始動入賞(第1始動入賞)の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
なお、第1始動入賞口であるか第2始動入賞口であるかにかかわらず、遊技球が始動入賞口に進入した順番で、特図ゲームが実行される場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれに遊技球が進入したかを示す始動口データを、保留データとともに、あるいは保留データとは別個に、保留番号と対応付けてRAM102の所定領域に記憶させておき、それぞれの保留データに対応する特図ゲームについて、始動条件が成立した順番を特定可能にすればよい。
ステップS236の処理に続いて、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS237)。例えば、第1特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位にシフトする。また、ステップS237の処理では、合計保留記憶数(合計保留記憶数カウント値)を1減算するように更新する。そして、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果(特図ゲームの可変表示結果)である特図表示結果を、「大当り」と「ハズレ」とのいずれかに決定する(ステップS239)。
一例として、ステップS239の処理では、CPU103は、現在が確変状態であるか否かを判定する。この判定は、RAM102に設けられた確変フラグ(確変状態のときにオン状態になるフラグ)の状態に基づいて行えばよい。CPU103は、確変フラグがオフ状態のとき、つまり、現在が確変状態でない場合(低確時)には、例えば図9(A)に示す低確時特図表示結果決定テーブル(予めROM101に記憶され、用意されている。)を、特図表示結果を決定するための使用テーブルに設定する。一方、確変フラグがオン状態のとき、つまり、現在が確変状態である場合(高確時)には、例えば図9(B)に示す高確時特図表示結果決定テーブル(予めROM101に記憶され、用意されている。)を、特図表示結果を決定するための使用テーブルに設定する。これらテーブルでは、例えば、図9に示すように、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」とのいずれとするかの決定結果に割り当てられていればよい。
CPU103は、ステップS232又はS236で変動用乱数バッファに一時格納した遊技用乱数に含まれる特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データを変動用乱数バッファから読み出し、読み出した乱数値の数値データに基づいて、使用テーブルに設定した低確時特図表示結果決定テーブル又は高確時特図表示結果決定テーブルを参照することにより、乱数値MR1に該当する決定値に割り当てられた「大当り」と「ハズレ」とのいずれかの決定結果を特図表示結果として決定すればよい。
このような処理により、例えば、乱数値MR1が「9000」であるとき、CPU103は、確変フラグがオン状態(確変状態)である場合には、特図表示結果を「大当り」にすると決定し、確変フラグがオフ状態(確変状態でない状態)である場合には、特図表示結果を「ハズレ」にすると決定する。
図9(A)及び(B)に示すように、確変状態のときには、通常状態などの非確変状態のときよりも高い割合で、特図表示結果が「大当り」に決定される。したがって、例えば図5に示すステップS117の大当り終了処理により(詳しくは後述する。)、確変フラグがオン状態にセットされたことなどに基づいて、現在が確変状態であるときには、遊技状態が非確変状態になっているときよりも、特図表示結果が「大当り」になりやすく、大当り遊技状態になりやすい。つまり、確変状態は、大当り遊技状態になりやすい、遊技者にとって有利な状態になっている。
その後、CPU103は、ステップS239の処理により決定された特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS240)。特図表示結果が「大当り」に決定された場合には(ステップS240;Yes)、RAM102の所定領域に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS241)。
また、大当り種別を複数種類のいずれかに決定する(ステップS242)。一例として、ステップS242の処理では、CPU103は、今回決定された「大当り」が、第1特図ゲームの可変表示についてのものなのか、第2特図ゲームの可変表示についてのものなのか、つまり、今回実行される可変表示の特図(変動特図)が、第1特図であるのか、第2特図であるのかを判定する。この判定は、変動特図指定バッファ値の値によって判定すればよい。CPU103は、変動特図指定バッファ値が「1」のとき、つまり、変動特図が第1特図である場合には、例えば図10(A)に示す大当り種別決定テーブル(予めROM101に記憶され、用意されている。)を、大当り種別を決定するための使用テーブルに設定する。一方、変動特図指定バッファ値が「2」のとき、つまり、変動特図が第2特図である場合には、例えば図10(B)に示す大当り種別決定テーブル(予めROM101に記憶され、用意されている。)を、大当り種別を決定するための使用テーブルに設定する。これらテーブルでは、例えば、図10に示すように、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、大当り種別を「第1大当り」〜「第4大当り」のいずれとするかの決定結果に割り当てられていればよい。
CPU103は、ステップS232又はS236で変動用乱数バッファに一時格納した遊技用乱数に含まれる大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データを変動用乱数バッファから読み出し、読み出した大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データに基づいて、使用テーブルに設定した大当り種別決定テーブルを参照することにより、乱数値MR2に該当する決定値に割り当てられた「第1大当り」〜「第4大当り」のいずれかを今回の大当り種別として決定(選択)すればよい。
図10(A)及び(B)では、変動特図(特図ゲーム)が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、大当り種別の決定割合を異ならせている。より具体的には、変動特図が第1特図のときには、大当り種別は「第1大当り」〜「第4大当り」のいずれかに決定されるが、変動特図が第2特図のときには、大当り種別は、「第3大当り」には決定されないようになっている。つまり、第2特図ゲームで大当りになったとしても、5Rの大当り遊技状態(第3大当り遊技状態)には制御されないようになっているので、第2特図ゲームの方が、第1特図ゲームよりも有利度が高くなっている。さらに、変動特図が第1特図のときよりも、第2特図のときの方が、大当り種別は、「第4大当り」に決定されやすくなっている。つまり、変動特図が第2特図のとき(第2特図ゲームの表示結果が「大当り」のとき)の方が、大当り図柄の導出表示後、15Rの大当り遊技状態であって、その後に確変状態及び時短状態に移行する、遊技者にとって第1〜第3大当り遊技状態よりも有利な第4大当り遊技状態に移行しやすくなっている。このため、第2特図ゲームが実行されることによって、第1特図ゲームが実行された場合よりも遊技者にとって有利である。
ステップS242の処理を実行した後には、大当り種別を記憶させる(ステップS243)。CPU103は、RAM102の所定領域に設けられた大当り種別バッファに、大当り種別の決定結果を示す大当り種別バッファ設定値(例えば、「第1大当り」の場合には「1」、「第2大当り」の場合には「2」、「第3大当り」の場合には「3」、「第4大当り」の場合には「4」となる値)を格納することにより、大当り種別を記憶させればよい。
ステップS240にて特図表示結果が「大当り」ではない場合(ステップS240;No)、又は、ステップS243のあとには、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を決定する(ステップS246)。一例として、大当りフラグがセットされていない場合(つまり、オフ状態の場合)、ハズレ図柄として予め定められた特別図柄(「−」)を確定特別図柄に決定する。一方、大当りフラグがセットされている場合(つまり、オン状態の場合)、ステップS242における大当り種別の決定結果に応じて(大当り種別バッファ設定値に応じて)、複数種類の大当り図柄として予め定められた特別図柄(「第1大当り」であれば「1」、「第2大当り」であれば「2」、「第3大当り」であれば「3」、「第4大当り」であれば「4」)のいずれかを確定特別図柄に決定すればよい。
ステップS246の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“1”に更新してから(ステップS247)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS247にて特図プロセスフラグの値が“1”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図5に示すステップS111の変動パターン設定処理が実行される。
ステップS235にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(ステップS235;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS248)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。演出制御基板12では、客待ちデモ指定コマンドが送信されると、デモ画面表示を行う。
図5のステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果などに基づいて、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターンは、飾り図柄の可変表示の内容(可変表示態様)を指定するものであるので、この決定によって、飾り図柄の可変表示の内容が決定される。特別図柄や飾り図柄の可変表示時間(変動時間)は、変動パターンに対応して予め設定されている。したがって、変動パターン設定処理にて変動パターンを決定することにより、特別図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定特別図柄を導出するまでの可変表示時間が決定される。さらに、変動パターン設定処理は、特別図柄表示装置4において特別図柄の変動を開始させるための設定を行う処理を含んでもよい。変動パターン設定処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
図11は、変動パターン設定処理として、図5のステップS111にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図11に示す変動パターン設定処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS261)。そして、大当りフラグがオンである場合には(ステップS261;Yes)、特図表示結果が「大当り」となる大当り時に対応した変動パターンを決定する(ステップS262)。
ステップS261にて大当りフラグがオフである場合には、特図表示結果が「ハズレ」となるハズレ時に対応した変動パターンを決定する(ステップS265)。
図12は、この実施の形態における変動パターンを示している。この実施の形態では、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様にはならない「非リーチ」である場合とリーチ態様になる「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、現在の演出モードが「モード0」〜「モード3」のいずれであるかなどに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。
この実施の形態では、可変表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」であることを指定する変動パターンとして、モード0のときに使用される変動パターンPA1−1、モード1又は2のときに使用される変動パターンPA2−1、モード3のときに使用される変動パターンPA3−1が用意されている。
また、可変表示結果が「大当り」になる場合と「ハズレ」になる場合とで内容が対応する変動パターンが用意されている。
具体的には、リーチ成立後、通常のリーチ演出を実行することを指定する変動パターンとして、モード0のときに使用される、変動パターンPA1−2(可変表示結果が「ハズレ」の場合)及び変動パターンPB1−2(可変表示結果が「大当り」の場合)が用意されている。また、モード1又は2のときに使用される、変動パターンPA2−2(可変表示結果が「ハズレ」の場合)及び変動パターンPB2−2(可変表示結果が「大当り」の場合)が用意されている。また、モード3のときに使用される、変動パターンPA3−2(可変表示結果が「ハズレ」の場合)及び変動パターンPB3−2(可変表示結果が「大当り」の場合)が用意されている。
具体的には、リーチ成立後、通常のリーチ演出とは異なるスーパーリーチのリーチ演出を実行することを指定する変動パターンとして、モード0のときに使用される、変動パターンPA1−3(可変表示結果が「ハズレ」の場合)及び変動パターンPB1−3(可変表示結果が「大当り」の場合)が用意されている。また、モード1又は2のときに使用される、変動パターンPA2−3(可変表示結果が「ハズレ」の場合)及び変動パターンPB2−3(可変表示結果が「大当り」の場合)が用意されている。また、モード3のときに使用される、変動パターンPA3−3(可変表示結果が「ハズレ」の場合)及び変動パターンPB3−3(可変表示結果が「大当り」の場合)が用意されている。
図11に示すステップS262の処理では、現在の演出モードに応じて、例えば図13(A)〜(D)のいずれかに示す大当り変動パターン決定テーブルを用いて、大当り時の変動パターンが決定される。現在の演出モードは、モード1フラグ、モード2フラグ、モード3フラグの状態に基づいて特定すればよい。これらフラグは、RAM102に設けられ演出モードに応じてオン・オフされる。具体的には、モード0の場合には、モード1フラグ、モード2フラグ、モード3フラグは、オフ状態になる。モード1の場合には、モード1フラグのみがオン状態になる。モード2の場合には、モード2フラグのみがオン状態になる。モード3の場合には、モード3フラグのみがオン状態になる。
現在の演出モードが「モード0」であれば、図13(A)の大当り変動パターン決定テーブルが使用され、現在の演出モードが「モード1」であれば、図13(B)の大当り変動パターン決定テーブルが使用され、現在の演出モードが「モード2」であれば、図13(C)の大当り変動パターン決定テーブルが使用され、現在の演出モードが「モード3」であれば、図13(D)の大当り変動パターン決定テーブルが使用される。各大当り変動パターンテーブルでは、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターンの決定結果に、割り当てられていればよい。
CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、現在の演出モードに対応して使用される大当り変動パターン決定テーブルを参照することにより、乱数値MR3に該当する決定値に割り当てられた変動パターンを今回使用される変動パターンとして決定(選択)すればよい。図13のように、この実施の形態では、大当り時の変動パターンを決定するためのテーブルが複数種類用意され、演出モードによって使い分けられている。さらに、モード1とモード2とでは、共通の変動パターンが使用されているが、決定割合を互いに異ならせることによって、モード1とモード2とで異なるテーブルで変動パターンを決定するようになっている。
図11に示すステップS265の処理では、現在の演出モードに応じて、例えば図14(A)〜(D)のいずれかに示すハズレ変動パターン決定テーブルを用いて、ハズレ時の変動パターンが決定される。
現在の演出モードが「モード0」であれば、図14(A)のハズレ変動パターン決定テーブルが使用され、現在の演出モードが「モード1」であれば、図14(B)のハズレ変動パターン決定テーブルが使用され、現在の演出モードが「モード2」であれば、図14(C)のハズレ変動パターン決定テーブルが使用され、現在の演出モードが「モード3」であれば、図14(D)のハズレ変動パターン決定テーブルが使用される。各ハズレ変動パターンテーブルでは、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターンの決定結果に、割り当てられていればよい。
CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、現在の演出モードに対応して使用されるハズレ変動パターン決定テーブルを参照することにより、乱数値MR3に該当する決定値に割り当てられた変動パターンを今回使用される変動パターンとして決定(選択)すればよい。図14のように、この実施の形態では、ハズレ時の変動パターンを決定するためのテーブルが複数種類用意され、演出モードによって使い分けられている。さらに、モード1とモード2とでは、共通の変動パターンが使用されているが、決定割合を互いに異ならせることによって、モード1とモード2とで異なるテーブルで変動パターンを決定するようになっている。
モード1〜3のいずれかの演出モードのときには、時短状態となっている。このため、変動時間(特図ゲームの開始から可変表示結果の導出までの時間)の平均時間が非時短状態のときよりも時短状態のときの方が短くなるように、変動パターンに対応する特図ゲームの変動時間や各種テーブルが設定されている(図12〜14参照)。また、大当り時における変動パターンの決定割合は、スーパーリーチの変動パターンPB1−3、PB2−3、PB3−3の方が通常のリーチの変動パターンPB1−2、PB2−2、PB3−2よりも高くなっており、ハズレ時における変動パターンの決定割合は、スーパーリーチの変動パターンPA1−3、PA2−3、PA3−3の方が通常のリーチの変動パターンPA1−2、PA2−2、PA3−2よりも低くなっている。このため、演出制御基板12においてスーパーリーチのリーチ演出が実行される場合には、通常(ノーマルリーチ)のリーチ演出が実行される場合よりも大当り期待度が高くなる。
図11に示すステップS262、S265の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示時間である特図変動時間(上記のように、単に変動時間ともいう。)を設定する(ステップS266)。特別図柄の可変表示時間となる特図変動時間は、上述のように、特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されるまでの所要時間である。特図変動時間は、図12に示すように、予め用意された複数の変動パターンに対応して、予め定められている。CPU103は、ステップS262、S265の処理で選択した変動パターンに対応した特図変動時間(選択した変動パターンの変動時間)を設定することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が導出されるタイミングを設定できる。特図変動時間の設定は、例えば、特図変動時間に応じたタイマ値を、RAM102の所定領域に設けられた遊技制御プロセスタイマに設定することなどによって行われる。
ステップS266の処理に続いて、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのうち、開始条件が成立したいずれかの特図ゲームを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う(ステップS267)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信する。これによって、特図ゲームが開始される。なお、CPU103は、第1特図を用いた可変表示を開始するときには、第1保留表示器25Aを制御して、1つ減算された第1特図保留記憶数を特定可能な表示を第1保留表示器25Aに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ減らす)ようにしてもよい。なお、CPU103は、第2特図を用いた可変表示を開始するときには、第2保留表示器25Bを制御して、1つ減算された第2特図保留記憶数を特定可能な表示を第2保留表示器25Bに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ減らす)ようにしてもよい。
ステップS267の処理を実行した後には、特別図柄の変動開始時におけるコマンドの送信設定が行われる(ステップS268)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して、第1図柄変動指定コマンド、表示結果指定コマンド(ステップS239の決定結果に対応したコマンド)、第1保留記憶数指定コマンド(現在の第1保留記憶数カウント値に対応したコマンド)、モード指定コマンド(モードフラグの状態に対応したコマンド)、時短回数指定コマンド(時短回数カウンタのカウント値に対応したコマンド)、モード回数指定コマンド(モード回数カウンタのカウント値に対応したコマンド)、変動パターン指定コマンド(ステップS262やS265で決定された変動パターンに対応したコマンド)を順次に送信する設定を行う。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して、第2図柄変動指定コマンド、表示結果指定コマンド(ステップS239の決定結果に対応したコマンド)、第2保留記憶数指定コマンド(現在の第2保留記憶数カウント値に対応したコマンド)、モード指定コマンド(モードフラグの状態に対応したコマンド)、時短回数指定コマンド(時短回数カウンタのカウント値に対応したコマンド)、モード回数指定コマンド(モード回数カウンタのカウント値に対応したコマンド)、変動パターン指定コマンド(ステップS262やS265で決定された変動パターンに対応したコマンド)を順次に送信する設定を行う。
なお、モード指定コマンド、時短回数指定コマンド、モード回数指定コマンドは、時短状態のときにのみ(例えば、時短フラグがオン状態のときにのみ)、送信設定される。時短状態のときに可変表示の実行毎に送信設定される、モード指定コマンド、時短回数指定コマンド、モード回数指定コマンドによって、現在の演出モード、時短残回数、モード残回数などが演出制御基板12に通知される。なお、これらコマンドが送信されない場合(例えば、この実施の形態では、変動パターン指定コマンドが最後に送信されるので、モード指定コマンド、時短回数指定コマンド、モード回数指定コマンドの送信がないまま変動パターン指定コマンドが送信された場合)には、現在が時短状態でないということが分かる。また、時短状態において、時短回数カウンタのカウント値が「0」の場合には、後述のように、時短残回数が∞回であり、時短回数指定コマンドの「XX」が「00」となり(0回を表すデータとなり)、当該時短回数指定コマンドは、時短残回数が∞回であることを指定する。また、時短状態において、モード回数カウンタのカウント値が「0」の場合には、後述のように、モード残回数が∞回であり、モード回数指定コマンドの「XX」が「00」となり(0回を表すデータとなり)、当該モード回数指定コマンドは、モード残回数が∞回であることを指定する。
ステップS268の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“2”に更新してから(ステップS269)、変動パターン設定処理を終了する。ステップS269にて特図プロセスフラグの値が“2”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図5に示すステップS112の特別図柄変動処理が実行される。
図5のステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減算する処理などが含まれている。そして、遊技制御プロセスタイマのタイマ値(1減算したあとのタイマ値)が0でないときには、特図変動時間が経過していないので、特図ゲームの可変表示を実行するための制御(例えば、第1特図や第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信する制御)などを行って第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させる処理を行い、特別図柄変動処理を終了する。一方で、遊技制御プロセスタイマのタイマ値が0になり、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄(ステップS110で設定された確定特別図柄)を停止表示(導出表示)させ、また、停止表示されるときに図柄確定指定コマンドの送信設定も行い、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。タイマ割り込みの発生毎にステップS112が繰り返し実行されることによって、特別図柄の可変表示や確定特別図柄の導出表示などが実現される。
図5のステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。図15は、特別図柄停止処理として、図5のステップS113にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図15に示す特別図柄停止処理において、CPU103は、大当りフラグがオン状態になっているかを判定する(ステップS351)。大当りフラグがオン状態である場合には(ステップS351;Yes)、時短フラグ(時短状態のときにオンになるフラグであり、RAM102に設けられている。)、確変フラグ、モードフラグをリセットし(オフ状態にし)、RAM102の所定領域に設けられた、時短状態中に実行される可変表示の残り回数(時短残回数)をカウントする時短回数カウンタのカウント値及び現在の演出モード中に実行される可変表示の残り回数(モード残回数)をカウントする時短回数カウンタのカウント値を「0」にする処理が行われる(ステップS352)。なお、オフ状態になっているフラグについては、オフ状態を維持し、カウント値が「0」のときには、「0」を維持する。そして、ファンファーレ待ち時間(ファンファーレの開始から終了するまでの待ち時間であり、予め定められた時間である。)に対応するタイマ値を初期値として遊技制御プロセスタイマにセットする(ステップS353)。そして、大当り種別バッファに格納された大当り種別バッファ設定値により特定される大当り種別に応じて、RAM102に設けられた、ラウンド遊技をカウントするためのラウンド数カウンタに初期値として「5」(「第3大当り」のとき)又は「15」(「第1大当り」、「第2大当り」又は「第4大当り」のとき)を設定する(ステップS354)。その後、大当り開始指定コマンド及び遊技状態指定コマンド(ここでは通常状態を指定するコマンド)を送信する設定を行い(ステップS355)、特図プロセスフラグを「4」に更新する(ステップS356)。
大当りフラグがオフ状態である場合には(ステップS351;No)、時短フラグがオン状態であるかを判定し(ステップS357)、オン状態である場合には(ステップS357;Yes)、時短回数カウンタのカウント値が「0」であるかを判定する(ステップS358)。この実施の形態では、時短残回数が∞回の場合には、時短フラグがオン状態で、時短回数カウンタのカウント値が「0」になる(図17参照)。ステップS358で時短回数カウンタのカウント値が「0」である場合には(ステップS358;Yes)、時短残回数が∞回であり(つまり、今回の時短状態が時短∞の時短状態であり)、ステップS363に進む。時短フラグがオフ状態である場合には(ステップS357;No)、時短状態ではないので、ステップS367の処理に進む。
ステップS358で時短回数カウンタのカウント値が「0」でない場合には(ステップS358;No)、現在の時短状態が時短50回又は100回の時短状態であり、この場合には、時短回数カウンタのカウント値を「1」減算する(ステップS359)。その後、「1」減算したあとのカウント値が「0」であるかを判定し(ステップS360)、カウント値が「0」である場合には(ステップS360;Yes)、時短状態が終了する時短終了条件が成立したので(つまり、時短状態において実行可能な所定回数の可変表示が実行されたので)、時短状態を終了させるために、時短フラグをオフ状態とする(ステップS361)。このときには、演出モードも「0」に戻るので、オン状態のモードフラグがある場合には当該オン状態のモードフラグをオフ状態とし、モード回数カウンタのカウント値が「0」でない場合には「0」にリセットする。これによって、演出モードがモード0に戻ることになる。その後、遊技状態指定コマンド(ここでは通常状態又は高確低ベース状態を指定するコマンド)を送信する設定を行い(ステップS362)、ステップS367の処理に進む。カウント値が「0」でない場合には(ステップS360;No)、時短状態が継続しており、ステップS363に進む。
ステップS363では、モード1フラグ又はモード2フラグがオン状態であるかを判定し、どちらかがオン状態である場合には(ステップS363;Yes)、現在の演出モードがモード1又はモード2であるので、モード回数カウンタのカウント値を「1」減じ(ステップS364)、「1」減算したあとのカウント値が「0」であるかを判定し(ステップS365)、カウント値が「0」である場合には(ステップS365;Yes)、演出モードの切り替えタイミングなので、モードフラグのオン・オフなどを切り替える(ステップS366)。これによって、モードが切り替わる。ステップS366のあとにはステップS367の処理が行われる。
ステップS366では、例えば、図16に示すように、モード1フラグが現在オン状態になっているときには、モード1フラグをオフ状態とするとともに、モード2フラグをオン状態とし、モード回数カウンタに初期値として「50」のカウント値を設定する。また、モード2フラグが現在オン状態になっているときには、モード2フラグをオフ状態とするとともに、モード3フラグをオン状態とし、モード回数カウンタに初期値として「0」のカウント値を設定する。モード3は、次の大当り遊技状態まで継続されるので、モード回数カウンタにカウント値の初期値として「0」を設定し、モード3フラグをオン状態とする。このように、モード回数カウンタに「0」が設定されているとき、モード3フラグがオン状態になっていれば現在の演出モードがモード3になっていることであることがわかり、モードフラグが全てオフ状態となっていれば現在の演出モードがモード0になっていることがわかる。さらにいえば、モード3のときは時短状態のときなので、時短状態のときにモード回数カウンタのカウント値が「0」になっているときには、モード残回数は∞回になっていることになる。
モード1フラグ及びモード2フラグのいずれもがオフ状態の場合、つまり、モード3フラグがオン状態の場合(ステップS363;No)、モード残回数は、∞回なので(つまり、モード3は次の大当りまで継続するので)、モード回数カウンタのカウント値の更新などはせずにステップS367の処理に進む。また、「1」減算したあとのモード回数カウンタのカウント値が「0」でない場合(ステップS365;No)、演出モードの切り替え時期ではないので、ステップS367の処理に進む。
ステップS367では、特図プロセスフラグの値を「0」に更新する。
図5のステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理では、例えば、遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減算される。減算後のタイマ値が「0」でない場合には、ファンファーレ待ち時間がまだ経過していないことになるので、大当り開放前処理は終了する(適宜の処理を行ってから終了してもよい。)。減算後のタイマ値が「0」である場合には、ファンファーレ待ち時間が経過し、ラウンド遊技の開始タイミングになったことになる。この場合には、大当り遊技状態においてラウンド遊技の実行を開始して大入賞口を開放状態とする処理(例えば、ソレノイド駆動信号を大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する処理)、大入賞口を開放状態とする期間の上限(ここでは、29秒)に対応するタイマ値を遊技制御プロセスタイマに設定する処理などが実行される。大入賞口を開放状態とする処理などが実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。タイマ割り込みの発生毎にステップS114が繰り返し行われることによって、ラウンド遊技の開始タイミングまでの待機(ファンファーレの終了までの待機)及び大入賞口の開放などが実現される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減算する処理や、1減算したあとのタイマ値や、1回のラウンド遊技においてカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数(スイッチ処理でカウントスイッチ23がオン状態と判定される毎に1カウントするカウンタ(RAM102に設けられる。)などによってカウントされればよい。)などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態(又は一部開放状態であってもよい。)に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれる。
1減算したあとのタイマ値が0になった、又は、検出された遊技球の個数(前記カウンタのカウント値)が所定個数(例えば9個)に達したと判定したときには、大入賞口を閉鎖するタイミングになったので、大入賞口を閉鎖状態に戻す処理(例えば、ソレノイド駆動信号を大入賞口扉用のソレノイド82に伝送することを停止してソレノイド82をオフとする処理)や、大入賞口の閉鎖期間(ラウンド遊技のインターバル期間であり、予め設定されている期間)に対応するタイマ値を遊技制御プロセスタイマに設定する処理や、ラウンド数カウンタのカウント値を1減じる処理などが実行される。
1減算したあとのタイマ値が0になってもなく、検出された遊技球の個数も所定個数に達していない場合には、大入賞口の開放状態に維持する処理(例えば、ソレノイド駆動信号を継続する処理)などを行って、大当り開放中処理を終了する。大入賞口を閉鎖状態に戻したときには、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。タイマ割り込みの発生毎にステップS115が繰り返し行われることによって、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングまで大入賞口の開放状態が維持されることになる。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理では、ラウンド数カウンタのカウント値が「0」になったか否かを判定する処理や、「0」になっていない場合に遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減じる処理などが行われる。
ラウンド数カウンタのカウント値が「0」であると判定された場合には、ラウンド遊技が上限回数に達したことになるので、遊技制御プロセスタイマにエンディング待ち時間(エンディングの開始から終了するまでの待ち時間であり、予め定められた時間である。)に対応したタイマ値を遊技制御プロセスタイマに設定する。また、大当り終了指定コマンドを送信する設定を行い、特図プロセスフラグを“7”に更新する処理なども行う。
遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減じる処理を行った場合には、1減じたあとのタイマ値が0であるかを判定し、0でない場合には、ラウンド遊技の開始タイミングでないので、閉鎖状態が維持され、大当り開放後処理は終了する。0である場合には、ラウンド遊技の開始タイミングになったので、大入賞口を開放状態とする処理、大入賞口を開放状態とする期間の上限(ここでは、29秒)に対応するタイマ値を遊技制御プロセスタイマに設定する処理などが実行される。大入賞口を開放状態とする処理などが実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
タイマ割り込みの発生ごとにステップS114で大入賞口が開放されてからS115及びS116が繰り返し実行されることによって、各ラウンド遊技が実現される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。大当り終了処理では、遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減じる処理などが行われる。1減じたタイマ値が0でなっていない場合には、エンディングが終了していないので、そのまま大当り終了処理を終了する。1減じたタイマ値が0になった場合には、エンディングが終了するので、大当り種別バッファに格納された大当り種別(大当り種別バッファ設定値)に応じて、時短フラグ、時短回数カウンタ、確変フラグ、モード1フラグ、モード回数カウンタなどの状態を設定する。
例えば、図17に示すように、大当り種別が「第1大当り」であれば、時短フラグをオン状態とするとともに、時短回数カウンタにカウント初期値として「50」を設定する。また、確変フラグをオフ状態のままとし、モード1フラグをオン状態とするとともに、モード回数カウンタにカウント初期値として「50」を設定する。これによって、第1大当り遊技状態後には、遊技状態が時短50回の時短状態になるとともに(確変状態にはならない。)、演出モードがモード1になる。
例えば、図17に示すように、大当り種別が「第2大当り」であれば、時短フラグをオン状態とするとともに、時短回数カウンタにカウント初期値として「100」を設定する。また、確変フラグをオフ状態のままとし、モード1フラグをオン状態とするとともに、モード回数カウンタにカウント初期値として「50」を設定する。これによって、第2大当り遊技状態後には、遊技状態が時短100回の時短状態になるとともに(確変状態にはならない。)、演出モードがモード1になる。
例えば、図17に示すように、大当り種別が「第3大当り」であれば、時短フラグをオフ状態のままとし、確変フラグをオン状態とする。これによって、第3大当り遊技状態後には、確変状態になり、時短状態にならない。そして、演出モードはモード0となる。
例えば、図17に示すように、大当り種別が「第4大当り」であれば、時短フラグ及び確変フラグをオン状態とするとともに、時短回数カウンタにカウント初期値として「0」を設定する。また、モード1フラグをオン状態とするとともに、モード回数カウンタにカウント初期値として「50」を設定する。これによって、第2大当り遊技状態後には、遊技状態が時短∞の時短状態になるとともに確変状態になる。また、演出モードがモード1になる。なお、このように、時短フラグがオン状態であるが、時短回数カウンタのカウント値を0とすることによって、現在が時短∞の時短状態であることを、時短フラグ及び時短回数カウンタによって特定可能としている。
大当り終了処理では、このような設定のあと、遊技制御プロセスタイマや、大当り種別バッファ設定値などの各種データを適宜リセットして特図プロセスフラグの値を“0”に更新する。
次に、演出制御基板12における主な動作を説明する。
演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、所定の演出制御メイン処理を実行する。演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。その後、RAM122の所定領域に設けられたタイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば、待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
タイマ割込みフラグがオンである場合には、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに、コマンド解析処理を実行する。コマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。例えば、演出制御コマンドに応じて図18に示すような処理を実行する。なお、図18において、各種格納領域や、各種フラグは、RAM122に設けられる。
初期化指定コマンドを受信したときには、演出制御用CPU120は、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった制御を行うことで、画像表示装置5に、電源が投入されて内部データが初期化されたことを報知する電源投入初期化画面を表示させる表示動作制御を行う。電断復旧指定コマンドを受信したときには、演出制御用CPU120は、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった制御を行うことで、画像表示装置5に、電断からの復旧を報知する電断復旧画面を表示させる表示動作制御を行う。
遊技状態指定コマンドの受信があった場合、コマンド解析処理では、遊技状態指定コマンドが指定する遊技状態に応じて、RAM122の所定領域に設けられた時短中フラグの状態と確変中フラグの状態とを更新する。遊技状態指定コマンドが通常状態を指定するものである場合には、確変中フラグ及び時短中フラグをオフ状態とする。遊技状態指定コマンドが高確低ベース状態を指定するものである場合には、確変中フラグをオン状態として、時短中フラグをオフ状態とする。遊技状態指定コマンドが高確高ベース状態を指定するものである場合には、確変中フラグ及び時短中フラグをオン状態とする。遊技状態指定コマンドが低確高ベース状態を指定するものである場合には、確変中フラグをオフ状態とし、時短中フラグをオン状態とする。このような処理によって、図19に示すように、主基板11側に設けられた確変フラグと、演出制御基板12側に設けられた確変中フラグとは、オン状態とオフ状態とが対応する。また、主基板11側に設けられた時短フラグと、演出制御基板12側に設けられた時短中フラグとは、オン状態とオフ状態とが対応する。
第1保留記憶数指定コマンドや第2保留記憶数指定コマンドを受信した場合には、演出制御用CPU120は、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった制御を行うことで、画像表示装置5の始動入賞記憶表示エリア5Hの所定領域の色を変更させるなどして、始動入賞記憶表示エリア5Hの保留記憶表示を変化させ、保留記憶表示によって特定可能となる可変表示(特図ゲームや飾り図柄の可変表示)の保留数を更新する。
コマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する。演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった発光体における点灯動作などといった各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理などが実行され、演出制御に用いる各種の乱数値として、RAM122のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新するなどする。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う処理が再度実行される。つまり、コマンド解析処理、演出制御プロセス処理、演出用乱数更新処理などは、タイマ割り込みが発生するごとに実行されることになる。
図20は、演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図20に示す演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域に設けられた演出プロセスフラグの値(最初は、“0”である。)に応じて、図18のステップS170〜S175の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11からの第1図柄変動指定コマンドあるいは第2図柄変動指定コマンドなどを受信したか否か(例えば、これらの受信フラグ(図16参照)がセットされているか、つまり、オン状態になっているか否か)に基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。第1図柄変動指定コマンドあるいは第2図柄変動指定コマンドなどを受信し、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始すると判定した場合(第1図柄変動指定コマンド受信フラグ又は第2図柄変動指定コマンド受信フラグがオン状態になっている場合)には、演出プロセスフラグの値が“1”に更新される。それ以外の場合には、演出プロセスフラグの値の更新を行わずに可変表示開始待ち処理を終了する。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。図21は、可変表示開始設定処理として、ステップS171にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図21に示す可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば主基板11から伝送された表示結果指定コマンド(表示結果指定コマンド格納領域に格納されている表示結果指定コマンド)などに基づいて、今回の特図表示結果が「ハズレ」となるか否かを判定する(ステップS521)。表示結果指定コマンドが「ハズレ」を指定するものであり特図表示結果が「ハズレ」となる旨の判定がなされたときには(ステップS521;Yes)、例えば主基板11から伝送された変動パターン指定コマンド(変動パターン指定コマンド格納領域に格納されている変動パターン指定コマンド)により指定された変動パターンが、飾り図柄の可変表示態様をリーチ態様としない「非リーチ」の場合に対応した非リーチ変動パターン(変動パターンPA1−1、PA2−1、PA3−1のいずれか)であるか否かを判定する(ステップS522)。
ステップS522にて非リーチ変動パターンであると判定された場合には(ステップS522;Yes)、非リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS523)。一例として、ステップS523の処理では、まず、乱数回路124またはRAM122の所定領域に設けられた演出用ランダムカウンタ等により更新される非リーチ組合せの飾り図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された非リーチ組合せの飾り図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄(非リーチ組合せの飾り図柄)を決定する。
ステップS522にて非リーチ変動パターンではないと判定された場合(つまり、変動パターンがPA1−2、PA1−3、PA2−2、PA2−3、PA3−2、PA3−3のとき)には(ステップS522;No)、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS524)。一例として、ステップS524の処理では、まず、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新されるリーチ組合せの飾り図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意されたリーチ組合せの飾り図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄(リーチ組合せの飾り図柄)を決定する。
表示結果指定コマンドが「大当り」を指定するものであり、特図表示結果が「ハズレ」でない旨の判定がなされたときには(ステップS521;No)、大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS527)。例えば、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rそれぞれに導出表示される飾り図柄をすべて「7」と決定する。
ステップS523、S524、S527の処理のいずれかを実行した後には、この後に使用する使用パターンとなる演出制御パターンを、予め用意された複数パターンのうちから決定する演出制御パターン決定処理を実行する(ステップS530)。
図22は、演出制御パターン決定処理の一例を示すフローチャートである。演出制御用CPU103は、まず、例えば主基板11からモード指定コマンドを受信しているかなどに基づいて、現在がモード1〜3のいずれかであるか否かを判定する(ステップS521)。
モード指定コマンドを受信している場合(例えば、モード指定コマンド格納領域にモード指定コマンドが格納されている場合)、現在がモード1〜3のいずれかであるので(ステップS521;Yes)、時短残回数とモード残回数とを特定する(ステップS522)。これら残回数は、主基板11から伝送されて図18に示す各格納領域に格納された、時短回数コマンド及びモード回数コマンドによって指定されるので、これらコマンドによって特定できる。なお、時短回数コマンドの「XX」が「00」であるときには、時短残回数は∞回である。モード回数コマンドの「XX」が「00」であるときには、モード残回数は∞回である。
時短残回数とモード残回数とを特定したあと、変動パターン指定コマンドによって指定される変動パターン、モード指定コマンドが指定する演出モード、ステップS522で特定した時短残回数及びモード残回数に応じた演出制御パターンを今回の飾り図柄の可変表示で使用する使用パターンとして設定する(ステップS523)。
例えば、モード指定コマンドが指定する演出モード(現在の演出モード)がモード1〜2である場合には、時短実行回数(時短状態において実際に実行されている可変表示の実行回数)及びモード残回数を表示するとともに、現在の演出モード及び変動パターンに対応した演出(飾り図柄の可変表示やリーチ演出などを含む。)を実行するための演出制御パターンを使用パターンに設定する。時短実行回数は、今回実行される可変表示が時短状態における何回目であるかの回数であるので、例えば、モード1であれば、50回−モード残回数+1回によって特定できる。モード2あれば、100回−モード残回数+1回によって特定できる。演出制御用CPU120は、時短実行回数とモード残回数を画像表示装置5に表示するためのデータと、モード1又は2で、変動パターンが指定した可変表示態様の飾り図柄の可変表示を実行するためのデータ(変動パターンに応じて演出モード毎に用意されている。)と、を組み合わせて演出制御パターンとして使用パターンに設定する(必要なデータは、ROM121に記憶されている。以下、演出制御パターンについてのデータについて同様。)。なお、実際に表示されるモード残回数は、モード回数指定コマンドで指定されるモード残回数−1回の回数になる。モード回数指定コマンドで指定されるモード残回数は、今回の可変表示を1回として数える一方、実際に表示されるモード残回数は、可変表示中に表示されるものであるので、今回の可変表示を1回として数えないからである。例えば、時短実行回数が41回(つまり、今回の可変表示が時短状態になってから41回目の可変表示の場合)で、モード回数指定コマンドによって指定されるモード残回数が10回で、演出モードがモード1で、変動パターンがPA1−2であれば、時短実行回数が41回目でモード残回数が9回であることを報知する画像5BB(図25(B)参照)を表示するとともに、ノーマルのリーチ演出を含む飾り図柄の可変表示の演出を実行するための演出制御パターンを使用パターンに設定する。なお、時短実行回数及びモード残回数、モード1又は2、変動パターンそれぞれごとに、演出制御パターンを予め用意してもよい。また、この実施の形態では、特に、モード回数指定コマンドによって指定されるモード残回数が1回の場合(つまり、今回実行する可変表示がモード1又は2の最後である場合)には、時短回数コマンドによって指定される時短残回数が1回であるか否か(つまり、今回実行する可変表示で時短状態が終了するか否か)に応じて、時短状態が継続するか否か(モード2又は3に切り替わるか、モード0に切り替わるか)を報知する演出を実行するための演出制御パターンを使用パターンとして設定し、時短状態の継続の有無を報知する。前記報知する演出は、この実施の形態では、時短状態が継続するか否か(演出モードがモード1からモード2に発展するか否か、又は、モード2からモード3に発展するか否か)などを煽り(例えば、モード2又は3に発展する場合と発展しない場合とで共通の態様とする。)、演出の結果として、前記時短残回数が1回でない場合には時短状態を継続すること(モード2又は3に発展すること)を報知し、前記時短残回数が1回である場合には時短状態が終了すること(モード0に転落すること)を報知する煽り演出などであればよい。
例えば、モード指定コマンドが指定する演出モード(現在の演出モード)がモード3である場合には、時短状態が次の大当りまで継続すること(時短残回数及びモード残回数が∞回であること)を表示するとともに、モード3及び変動パターンに対応した演出(飾り図柄の可変表示やリーチ演出などを含む。)を実行するための演出制御パターン(モード3について、変動パターンに対応して用意されている。)を使用パターンに設定する。例えば、演出モードがモード3で、変動パターンがPA1−2であれば、例えば、時短状態やモード3が次の大当りまで継続することを報知する画像5DD(図25(D)参照)を表示するとともに、ノーマルのリーチ演出を含む飾り図柄の可変表示の演出を実行するための演出制御パターンを使用パターンに設定する。
モード指定コマンドを受信していない場合、現在がモード0であるので(ステップS521;No)、モード0用(つまり通常用)であって、変動パターンに対応した演出を実行するための演出制御パターン(モード0について、変動パターンに対応して用意されている。)を使用パターンに設定する(ステップS522)。
その後、演出制御用CPU120は、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、RAM122の所定領域に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値(変動パターンに対応する特図変動時間に応じた初期値)を設定する(ステップS531)。
そして、画像表示装置5における飾り図柄などの変動を開始させるための設定(演出動作制御の開始設定)を行う(ステップS532)。このときには、例えばステップS530にて使用パターンとして決定(設定)された演出制御パターンに含まれる表示制御データに基づいて表示制御部123を制御し、画像表示装置5の表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS535)、可変表示開始設定処理を終了する。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。図23は、可変表示中演出処理の一例を示すフローチャートである。可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば演出制御プロセスタイマのタイマ値に基づいて、変動パターンに対応した可変表示時間(特図変動時間)が経過したか否かを判定する(ステップS551)。一例として、ステップS551の処理では、演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減じ、1減じたタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられたデータが終了コードであるか否かを判定することによって、特図変動時間が経過したかを判定する。
終了コードでない場合、つまり、特図変動時間が経過していない場合(ステップS551;No)、現在がリーチ演出を実行するためのリーチ演出実行期間であるか否かを判定する(ステップS552)。当該期間は、ステップS530の処理により決定(設定)された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。演出制御プロセスタイマのタイマ値(ステップS551で1減じたタイマ値、以下適宜同じ)と同じ値のプロセスタイマ判定値に対応したデータ(演出制御パターンに含まれるデータ)がリーチ演出実行期間であることを表しているなどして、リーチ演出実行期間であると判定したときには(ステップS552;Yes)、リーチ演出を実行する演出動作制御を行う(ステップS561)。例えば、演出制御用CPU120は、使用パターンとして選択された演出制御パターンに含まれるデータのうちの、演出制御プロセスタイマのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられた、リーチ演出を実行するための演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなど)に基づいて、表示制御部123を制御して演出画像を画像表示装置5に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった演出動作制御を行う。タイマ割り込み毎にステップS561が繰り返し実行されることで、リーチ演出の実行が実現する。
ステップS561のあと、リーチ演出実行期間でないと判定したときには(ステップS552;No)、その他の演出動作制御を行う(ステップS562)。例えば、演出制御用CPU120は、使用パターンとして選択された演出制御パターンに含まれるデータのうちの、演出制御プロセスタイマのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられた、演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなど)に基づいて、表示制御部123を制御して演出画像を画像表示装置5に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった演出動作制御を行う。タイマ割り込み毎にステップS557が繰り返し実行されることで、他の演出(例えば、飾り図柄の可変表示動作などであってもよい。)の実行が実現する。ステップS562のあと、可変表示中演出処理は終了する。
ステップS551の処理で1減じたタイマ値に対応するデータが終了コードであり、特図変動時間が飾り図柄の可変表示(特図ゲームでもある)の開始から経過した場合には(ステップS551;Yes)、主基板11から伝送される図柄確定指定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS565)。このとき、図柄確定指定コマンドの受信がなければ(ステップS565;No)、可変表示中演出処理を終了して待機する。なお、可変表示時間が経過した後、図柄確定指定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定指定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。
ステップS565にて図柄確定指定コマンドの受信があった場合には(ステップS565;Yes)、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった、飾り図柄の可変表示において可変表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)(ステップS171で決定した組合せの確定飾り図柄)を導出表示させる制御を行う(ステップS566)。このときには、大当り開始指定コマンド受信待ち時間に対応するタイマ値を演出制御プロセスタイマなどに設定する(ステップS567)。そして、演出プロセスフラグの値を特図当り待ち処理に対応した値である“3”に更新し(ステップS568)、可変表示中演出処理を終了する。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、例えば、大当り開始指定コマンドのいずれかの受信があったか否かを大当り開始指定コマンド受信フラグのいずれかがオン状態にセットされているかなどに基づいて判定する。そして、いずれかの受信フラグがオン状態にセットされており、大当り開始指定コマンドのいずれかの受信があったと判定した場合には、主基板11から伝送された表示結果指定コマンド(表示結果指定コマンド格納領域に格納されたコマンド)が指定する表示結果の大当り種別が「第3大当り」であるか否かに応じた演出制御パターン(これによって、遊技者は、現在の大当り遊技状態が5Rの大当り遊技状態であるか否かだけは認識できる。)を使用パターンとして選択し、さらに使用パターンとして選択した演出制御パターンの実行時間に応じたタイマ初期値を演出制御プロセスタイマに設定する。その後、演出プロセスフラグの値を“4”に更新する。
大当り開始指定コマンドの受信がないと判定した場合には、演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減算し、1減算したタイマ値が0でない場合には、特図当り待ち処理を終了する。一方で、1減算したタイマ値が0である場合(大当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過したとき)には、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する(このときには、各受信フラグや、各格納領域に格納されたデータなどは、適宜リセットされる)。
ステップS174の大当り中処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この大当り中処理において、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減じ、使用パターンとして選択された演出制御パターンに含まれるデータのうちの、1減じたあとのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられた、演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなど)に基づいて、表示制御部123を制御して演出画像を画像表示装置5に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった演出動作制御を行う。タイマ割り込み毎にステップS174が繰り返し実行されることで、大当り遊技状態に対応した演出(例えば、ファンファーレを含み、エンディングを除く演出)の実行が実現する。大当り中処理では、さらに、大当り終了指定コマンドを受信したかを大当り終了指定コマンド受信フラグがオン状態であるかなどに基づいて判定し、当該受信フラグがオフ状態で大当り終了指定コマンドを受信していない場合、各ラウンド遊技が全て終了していないので、演出制御プロセスフラグの値を更新せずに大当り中処理を終了する。また、当該受信フラグがオン状態となっている場合(大当り終了指定コマンドを受信した場合)には、各ラウンド遊技が全て終了したことになるので、エンディング演出の実行を開始するため、演出制御プロセスフラグの値をステップS175に対応した値である“5”に更新する。なお、この更新時では、エンディングを実行するための演出制御パターン(ここでは、エンディングは大当り種別に係わらず共通である。)を使用パターンとして選択し、さらに使用パターンとして選択した演出制御パターンの実行時間に応じたタイマ初期値を演出制御プロセスタイマに設定する。
ステップS175のエンディング処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。このエンディング処理において、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減じ、使用パターンとして選択された演出制御パターンに含まれるデータのうちの、1減じたあとのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられた、演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなど)に基づいて、表示制御部123を制御して演出画像を画像表示装置5に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった演出動作制御を行う。タイマ割り込み毎にステップS175が繰り返し実行されることで、エンディングの演出の実行が実現する。1減じたあとのタイマ値が「0」であったり、1減じたあとのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられたデータが終了コードである場合には、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する(このときには、各受信フラグや、各格納領域に格納されたデータなどは、適宜リセットされる)。
次に、上記一連の処理によって実現される時短状態、演出モードなどと、主基板11から演出制御基板12に送信されるモード指定コマンド、時短回数指定コマンド、モード回数指定コマンドについて図24を参照して説明する。
図24(A)に示すように、大当り種別が「第1大当り」の「大当り」に基づく大当り遊技状態(第1大当り遊技状態)に制御されたあとの遊技状態は、時短50回の時短状態になり、演出モードがモード1となり、可変表示(特図ゲームや飾り図柄の可変表示)が50回実行されると、時短状態が終了し、演出モードがモード1からモード0に切り替わる(転落する)。50回目の可変表示では、演出モードがモード1からモード2に発展するか否かを煽り(時短状態がこのあとも継続するか否かを煽り)、時短回数指定コマンドによって指定される時短残回数が1回であるので、演出の結果として、モード1からモード0に転落することを報知する煽り演出が実行される。このような演出によって遊技の興趣が向上する。
また、図24(A)に示すように、大当り種別が「第2大当り」の「大当り」に基づく大当り遊技状態(第2大当り遊技状態)に制御されたあとの遊技状態は、時短100回の時短状態になる。この場合には、可変表示(特図ゲームや飾り図柄の可変表示)の実行回数が1回目から50回目までは演出モードはモード1となり、可変表示の実行回数が51回目から100回目までは演出モードがモード2となる(発展する)。その後、時短状態が終了し、演出モードがモード1からモード0に切り替わる(転落する)。50回目の可変表示では、例えば、演出モードがモード1からモード2に発展するか否かを煽り(時短状態がこのあとも継続するか否かを煽り)、時短回数指定コマンドによって指定される時短残回数が1回でないので(51回なので)、演出の結果として、モード1からモード2に発展することを報知する煽り演出が実行される。また、100回目の可変表示では、例えば、演出モードがモード1からモード2に発展するか否かを煽り(時短状態がこのあとも継続するか否かを煽り)、時短回数指定コマンドによって指定される時短残回数が1回なので、演出の結果として、モード2からモード0に転落することを報知する煽り演出が実行される。これら演出によって遊技の興趣が向上する。
また、図24(A)に示すように、大当り種別が「第4大当り」の「大当り」に基づく大当り遊技状態(第4大当り遊技状態)に制御されたあとの遊技状態は、時短∞の時短状態になる。この場合には、可変表示(特図ゲームや飾り図柄の可変表示)の実行回数が1回目から50回目までは演出モードはモード1となり、可変表示の実行回数が51回目から100回目までは演出モードがモード2となる(発展する)。さらに、可変表示の実行回数が101回目からは演出モードがモード3となる(発展する)。50回目の可変表示では、例えば、演出モードがモード1からモード2に発展するか否かを煽り(時短状態がこのあとも継続するか否かを煽り)、時短回数指定コマンドによって指定される時短残回数が1回でないので(∞回なので)、演出の結果として、モード1からモード2に発展することを報知する煽り演出が実行される。100回目の可変表示では、例えば、演出モードがモード2からモード3に発展するか否かを煽り(時短状態がこのあとも継続するか否かを煽り)、時短回数指定コマンドによって指定される時短残回数が1回でないので(∞回なので)、演出の結果として、モード2からモード3に発展することを報知する煽り演出が実行される。これ以降、次の大当りまでは、モード3(つまり時短状態)が継続する。これら演出によって遊技の興趣が向上する。
図24(B)のように、大当り遊技状態のあとの41回目の可変表示(大当りが導出表示されない場合)においては、時短50回の時短状態では、モード1を指定するモード指定コマンドと、10回の時短残回数を指定する時短回数指定コマンドと、10回のモード残回数を指定するモード回数指定コマンドと、が主基板11から演出制御基板12に送信される。時短100回の時短状態では、モード1を指定するモード指定コマンドと、60回の時短残回数を指定する時短回数指定コマンドと、10回のモード残回数を指定するモード回数指定コマンドと、が主基板11から演出制御基板12に送信される。時短∞の時短状態では、モード1を指定するモード指定コマンドと、∞回の時短残回数を指定する時短回数指定コマンドと、10回のモード残回数を指定するモード回数指定コマンドと、が主基板11から演出制御基板12に送信される。上述したように、このような三つのコマンドによって、現在のモード、時短実行回数、モード残回数の他、時短状態の種類(時短50回、100回、∞のいずれの時短状態であるか)などを特定できる。
図24(C)のように、大当り遊技状態のあとの91回目の可変表示(大当りが導出表示されない場合)においては、時短50回の時短状態では時短状態が終了しているので、上記三つのコマンドは送信されない。時短100回の時短状態では、モード2を指定するモード指定コマンドと、10回の時短残回数を指定する時短回数指定コマンドと、10回のモード残回数を指定するモード回数指定コマンドと、が主基板11から演出制御基板12に送信される。時短∞の時短状態では、モード2を指定するモード指定コマンドと、∞回の時短残回数を指定する時短回数指定コマンドと、10回のモード残回数を指定するモード回数指定コマンドと、が主基板11から演出制御基板12に送信される。上述したように、このような三つのコマンドによって、現在のモード、時短実行回数、モード残回数の他、時短状態の種類(時短100回、∞のいずれの時短状態であるか)などを特定できる。
図24(D)のように、大当り遊技状態のあとの141回目の可変表示(大当りが導出表示されない場合)においては、時短50回又は100回の時短状態では時短状態が終了しているので、上記三つのコマンドは送信されない。時短∞の時短状態では、モード3を指定するモード指定コマンドと、∞回の時短残回数を指定する時短回数指定コマンドと、∞回のモード残回数を指定するモード回数指定コマンドと、が主基板11から演出制御基板12に送信される。このような三つのコマンドによって、現在のモード、時短実行回数、モード残回数の他、時短状態の種類(時短∞の時短状態である)などを特定できる。
次に、各演出モードで画像表示装置5に表示される演出画面の一例を、図25を参照して説明する。図25(A)は、モード0(つまり、通常モード)における演出画面である。モード0では、背景が通常のもの(ここでは、白地)になっており、飾り図柄が飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて可変表示される。
図25(B)は、モード1における演出画面である。モード1では、背景がモード1用のもの(ここでは、ドットが付されて表現されている。)になっており、飾り図柄が飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて可変表示される。また、モード1では、時短実行回数(ここでは、41回目)とモード残回数(ここでは、9回)とを報知する画像5BBが表示される。
図25(C)は、モード2における演出画面である。モード2では、背景がモード2用のもの(ここでは、モード1よりも密度が少ないドットが付されて表現されている。)になっており、飾り図柄が飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて可変表示される。また、モード2では、時短実行回数(ここでは、91回目)とモード残回数(ここでは、9回)とを報知する画像5CCが表示される。
図25(D)は、モード3における演出画面である。モード3では、背景がモード2用のもの(ここでは、ハッチングが付されて表現されている。)になっており、飾り図柄が飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて可変表示される。また、モード3では、時短状態やモード3が次の大当りまで継続することを報知する画像5DDが表示される。
上述のように、この実施の形態では、モード指定コマンド、時短回数指定コマンド、モード回数指定コマンドの三つのコマンドによって、可変表示の実行時に、現在の演出モード、時短残回数、モード残回数、時短実行回数、50回目の可変表示又は100回目の改変表示において時短状態が継続するかなどが特定可能になり、前記した煽り演出、時短実行回数やモード残回数の報知(画像5BB、5CCなど)、時短状態やモード3が次の大当りまで継続することの報知(画像5DDなど)、演出モードに応じた可変表示の演出などを適切に実行できる。
ここで、上記3つのコマンドを可変表示毎に送信せず、時短残回数や時短実行回数、モード残回数などを、演出制御基板12側のRAM122に設けたカウンタでカウントしたり、モードに応じたフラグや時短状態の種類に応じたフラグを演出制御基板12側のRAM122にセットしたりして、現在の演出モード、時短残回数、モード残回数、時短実行回数、50回目の可変表示又は100回目の可変表示において時短状態が継続するかなどを特定可能とすることも考えられる(必要なコマンドは適宜送信されるものとする)。しかし、演出制御基板12側で使用されるRAM122は、上述のようにバックアップRAMとしないので、例えば、遊技中に電断が生じた場合には電断から復旧したとしても、前記フラグの状態やカウント値は保存されず消えてしまうので、電断からの復旧後、現在の演出モード、時短残回数、モード残回数、時短実行回数、50回目の可変表示又は100回目の可変表示において時短状態が継続するかなどを特定できなくなり、前記した煽り演出、時短実行回数やモード残回数の報知(画像5BB、5CCなど)、時短状態やモード3が次の大当りまで継続することの報知(画像5DDなど)、演出モードに応じた可変表示の演出を適切に実行することができない。しかし、本実施形態では、前記3つのコマンドを可変表示の実行ごとに送信するので、電断が起きたとしても、その直後に送信される前記3つのコマンドによって、現在の演出モード、時短残回数、モード残回数、時短実行回数、50回目の可変表示又は100回目の改変表示において時短状態が継続するかなどが特定可能になり、前記した煽り演出、時短実行回数やモード残回数の報知(画像5BB、5CCなど)、時短状態やモード3が次の大当りまで継続することの報知(画像5DDなど)、演出モードに応じた可変表示の演出などを適切に実行できる。
以上説明したように、この実施の形態では、上記構成によって、遊技領域に設けられた始動領域(この実施の形態では、第1始動入賞口や第2始動入賞口)に遊技媒体(この実施の形態では、遊技球)が進入したことによる始動条件の成立に基づいて識別情報(この実施の形態では、特別図柄)の可変表示(この実施の形態では、特図ゲーム)を実行して表示結果を導出表示し、当該表示結果として予め定められた特定表示結果(この実施の形態では、大当り図柄)を導出表示したときに遊技者にとって有利な特定遊技状態(この実施の形態では、大当り遊技状態)に制御する遊技機であって、遊技の進行を制御し、当該遊技の進行に応じてコマンドを送信する遊技制御手段(この実施の形態では、CPU103を有する主基板11)と、前記遊技制御手段が送信した前記コマンドに基づいて識別情報の可変表示に応じた演出(この実施の形態では、飾り図柄の可変表示)の実行を制御する演出制御手段(この実施の形態では、演出制御用CPU120を有する演出制御基板12)と、を備えるパチンコ遊技機1が構成される。
そして、この実施の形態では、上記構成によって、前記遊技制御手段は、遊技者にとって有利な有利状態(この実施の形態では、時短状態)として、前記特定遊技状態が終了してから再び前記特定遊技状態に制御されるまで続く第1有利状態(この実施の形態では、時短∞の時短状態)と、前記特定遊技状態が終了してから識別情報の可変表示が所定回数(この実施の形態では、50回又は100回)実行されるまで続く第2有利状態(この実施の形態では、時短50回の時短状態又は時短100回の時短状態)と、のいずれかに制御可能な有利状態制御手段(この実施の形態では、ステップS117の処理で、時短フラグや時短回数カウンタを大当り種別に応じて設定するCPU103)と、識別情報の可変表示の表示結果を前記特定表示結果にするか否かを当該可変表示の表示結果の導出表示前に決定する事前決定手段(この実施の形態では、ステップS239の処理を実行するCPU103)と、所定条件が成立したあと(この実施の形態では、時短状態が開始されたあと)の識別情報の可変表示の回数(可変表示の実行回数)に応じて(この実施の形態では、時短実行回数によって切り替わるモードに応じて)、識別情報の可変表示の可変表示パターン(この実施の形態では、変動パターン)が設定された複数種類の可変表示パターン決定用データ(この実施の形態では、ハズレ変動パターン決定テーブル)のうちのいずれかを選択する決定用データ選択手段(この実施の形態では、ステップS265において演出モードに応じてハズレ変動パターン決定テーブルを選択するCPU103)と、前記事前決定手段による決定結果と前記決定用データ選択手段によって選択される可変表示パターン決定用データとに基づいて可変表示パターンを決定する可変表示パターン決定手段(この実施の形態では、ステップS261で大当りフラグがオフ状態であると判定したときに、ステップS265でハズレ変動パターン決定テーブルを参照してハズレ時変動パターンを決定するCPU103)と、前記可変表示パターン決定手段が決定した前記可変表示パターンで識別情報の可変表示を実行する可変表示実行手段(この実施の形態では、ステップS112の処理を実行するCPU103)と、前記可変表示実行手段によって識別情報の可変表示を実行するごと(この実施の形態では、可変表示を実行するごとかつ実行前(特に実行直前))に前記演出制御手段に前記コマンドを送信するコマンド送信手段(この実施の形態では、ステップS268で変動開始時のコマンドの送信設定を行い、コマンド制御処理でコマンドを送信するCPU103)と、を備えることになる。
この実施の形態では、各可変表示パターン決定用データは、複数の可変表示パターンが設定されている。具体的には、複数の可変表示パターンそれぞれが、乱数値と比較される所定範囲の決定値に割り当てられることによって、各可変表示パターン決定用データは、複数の可変表示パターンが設定されている。しかし、本発明は、これに限らず、各可変表示パターン決定用データのうちの少なくとも1つは、1つの可変表示パターンが設定されているものであってもよい。例えば、可変表示パターン決定用データは、乱数値と比較される決定値のすべてが1つの可変表示パターンに割り当てられることによって、可変表示パターン決定用データは、1つの可変表示パターンが設定されてもよい。
複数種類の可変表示パターン決定用データについて、種類の異なる可変表示パターン決定用データは、例えば、同一の可変表示パターンが設定されているが、可変表示パターンの選択割合(決定割合)が異なるものであってもよいし(例えば、モード1で使用されるハズレ変動パターン決定用テーブルとモード2で使用されるハズレ変動パターン決定用テーブル)、異なる可変表示パターンが設定されているものであってもよいし(例えば、モード0で使用されるハズレ変動パターン決定用テーブルとモード1で使用されるハズレ変動パターン決定用テーブル)、一部重複する可変表示パターンが設定されているものであってもよい。
そして、この実施の形態では、上記構成によって、前記コマンド送信手段は、前記コマンドとして、前記決定用データ選択手段によって現在選択されている前記可変表示パターン決定用データを特定可能な可変表示決定用データ用コマンド(この実施の形態では、モード指定コマンド)と、前記有利状態制御手段によって前記有利状態に制御されている有利期間における識別情報の可変表示の回数を特定可能な有利期間用可変表示回数コマンド(この実施の形態では、時短回数指定コマンド)と、前記現在選択されている可変表示パターン決定用データと同じデータが前記決定用データ選択手段によって選択されている選択期間における識別情報の可変表示の回数を特定可能な選択期間用可変表示回数コマンド(この実施の形態では、モード回数指定コマンド)と、を送信可能である、ように構成されていることになる。
そして、この実施の形態では、上記構成によって、可変表示パターン決定用データの切り替わりタイミング(選択期間終了のタイミング)及び有利期間の終了のタイミングを演出制御手段が特定可能となる。特に電断などがあったとしても、可変表示パターン決定用データの切り替わりタイミング(選択期間終了のタイミング)及び有利期間の終了のタイミングを演出制御手段が特定可能となる。
また、この実施の形態では、上記構成によって、前記コマンド送信手段は、前記有利状態制御手段によって前記第2有利状態に制御されている有利期間には、前記有利期間用可変表示回数コマンドとして、当該有利期間において実行される識別情報の可変表示の残りの回数(この実施の形態では、時短残回数)を示すコマンドを送信する、ことになる。これによって、有利期間において実行される可変表示の残り回数を演出制御手段が容易に特定可能となる。
また、この実施の形態では、上記構成によって、前記コマンド送信手段は、前記選択期間中には、前記選択期間用可変表示回数コマンドとして、当該選択期間において実行される識別情報の可変表示の残りの回数(この実施の形態では、モード残回数)を示すコマンドを送信する、ことになる。これによって、可変表示パターン決定用データの切り替わりまでの可変表示の残り回数を演出制御手段が容易に特定可能となる。
また、この実施の形態では、上記構成によって、前記演出制御手段は、前記選択期間中には、受信した前記選択期間用可変表示回数コマンドに基づいて、当該選択期間において実行される識別情報の可変表示の残りの回数を報知する(この実施の形態では、モード残回数を報知する画像5BBや画像5CCを表示する)、ことになる。これによって、例えば、電断によって演出制御手段にこれまでの演出の実行に関する情報が保存されていない場合であっても、遊技者に可変表示パターン決定用データの切り替わりまでの可変表示の回数を遊技者に報知できる。
また、この実施の形態では、上記構成によって、前記コマンド送信手段は、前記有利状態制御手段によって前記第1有利状態に制御されている有利期間には、前記有利期間用可変表示回数コマンドとして、前記第2有利状態に制御されている有利期間における識別情報の可変表示の回数を特定するのに使用されるデータ以外のデータ(この実施の形態では、EXTデータ「XX」を「00」にするなど)によって構成されるコマンドを送信することになる。有利期間用可変表示回数コマンドによって、有利状態が次の特定遊技状態になるまで終了しないことを演出制御手段が特定可能になる。特に、この実施の形態では、通常、時短回数コマンドによって指定される時短残回数が「0回」とならないように設定し、時短残回数が∞回のときに「0回」に対応する「00」を「XX」に設定する。これによって、一種類の時短回数コマンドで時短残回数が∞回であることを示すことができる。前記有利状態制御手段によって前記第1有利状態に制御されている有利期間の前記有利期間用可変表示回数コマンドは、前記有利期間用可変表示回数コマンドとして、前記第2有利状態に制御されている有利期間における識別情報の可変表示の回数を特定するのに使用されるデータ(この場合、例えば、特定のデータを用いるようにし、モード指定コマンドがモード3を指定しているときには、前記選択期間が前記特定遊技状態に制御されるまで終了しないことが示されると予め設定してもよい。なお、この場合には、モード1やモード2のときには、特定のデータによって特定される回数が演出制御基板12側で認識されてしまう。)やその他データによって構成されてもよい。
また、この実施の形態では、上記構成によって、前記コマンド送信手段は、前記選択期間が前記特定遊技状態に制御されるまで終了しない場合には、前記選択期間用可変表示回数コマンドとして、前記選択期間が識別情報の可変表示の回数(実行された実行回数)に応じて終了する場合に当該選択期間における識別情報の可変表示の回数を特定するのに使用されるデータ以外のデータ(例えば、EXTデータ「XX」を「00」にするなど)によって構成されるコマンドを送信することになる。選択期間用可変表示回数コマンドによって、現在選択されている可変表示パターン決定用データが次の特定遊技状態に制御されるまで他のものに切り替わらないことを演出制御手段が特定可能になる。特に、この実施の形態では、通常、モード回数コマンドによって指定されるモード残回数が「0回」とならないように設定し、モード残回数が∞回のときに「0回」に対応する「00」を「XX」に設定する。これによって、一種類のモード回数コマンドでモード残回数が∞回であることを示すことができる。前記選択期間が前記特定遊技状態に制御されるまで終了しない場合の選択期間用可変表示回数コマンドは、前記選択期間が識別情報の可変表示の回数(実行された実行回数)に応じて終了する場合に当該選択期間における識別情報の可変表示の回数を特定するのに使用されるデータ(この場合、例えば、特定のデータを用いるようにし、モード指定コマンドがモード3を指定しているときには、前記選択期間が前記特定遊技状態に制御されるまで終了しないことが示されると予め設定してもよい。)やその他データによって構成されてもよい。
(変形例)
この発明は、上記実施の形態などに限定されず、さらに様々な変形及び応用が可能である。例えばパチンコ遊技機1は、上記実施の形態などで示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。以下では、上記各実施形態の変形例を示す。下記の変形例それぞれについて、少なくとも一部を組み合わせても良い。
(変形例1)
上記実施形態では、時短回数指定コマンドが時短残回数を指定し、モード回数指定コマンドがモード残回数を指定するが、時短回数指定コマンド(有利期間用可変表示回数コマンド)は、時短状態における可変表示の実行回数や残実行回数など、つまり、時短状態における可変表示の回数を特定できればよく、時短実行回数を指定するものであってもよい。また、モード回数指定コマンド(選択期間用可変表示回数コマンド)は、同じモードにおける可変表示の実行回数や残実行回数など、つまり、同一モードにおける可変表示の回数を特定できればよく、モード実行回数(1つの演出モード中に実行される可変表示の回数)を指定するものであってもよい。このような場合、時短回数カウンタやモード回数カウンタは、可変表示の実行時にカウント値がカウントアップされていくことによって、時短実行回数やモード実行回数を特定可能とするようにしてもよい。なお、時短回数指定コマンド及びモード回数指定コマンドは、可変表示の実行前に送信されるので、時短実行回数やモード実行回数は、実際に実行された可変表示の回数であってもよいが、以下では、これから実行される可変表示の回数を含めた可変表示の実行回数を時短実行回数やモード実行回数として説明する。なお、時短残回数やモード残回数も、これから実行される可変表示の回数を含めた可変表示の残回数を時短残回数やモード残回数として説明する。時短回数指定コマンドやモード回数指定コマンドは、これらカウント値(これから実行される可変表示の回数を1回として含めたカウント値)に対応した内容になることによって、時短実行回数やモード実行回数を特定可能とする。また、モード等は、上記の態様に限らず、適宜の態様にできる。以下、これらについて説明する。なお、下記の説明では、モード毎に選択される変動パターンや選択割合(決定割合)は、上記で説明したもの以外のものであってよく、下記の説明に矛盾しないような適宜の変動パターン、決定割合を採用できるものとする。なお、以下の説明では、特に言及がない限り、時短状態になったあとなどに次の大当り遊技状態に制御されないこと(次の大当りの発生がないこと)を前提として説明する。上記実施の形態のように、次の大当りが発生した場合には、その時点で時短状態を一旦終了させてもよい。
(変形例1−1)
例えば、図26(A)のように、大当り種別を「第1大当り」と「第4大当り」とのみを用意し、時短状態のときの演出モードをモード1とし、非時短状態のときの演出モードをモード0としてもよい。このような場合、第1大当り遊技状態後では、時短実行回数が50回となったあと、51回目の可変表示において非時短状態に戻り、演出モードはモード1からモード0に転落する。第4大当り遊技状態後では、次の大当りまで、モード1及び時短状態が継続する。
このような場合において、例えば、時短回数指定コマンドは時短残回数を指定し、モード回数指定コマンドはモード残回数を指定するようにしてもよい。このような場合、図26(B)のように、時短実行回数が41回目のときに、時短50回の時短状態のときには(第1大当り遊技状態のあとには)、モード指定コマンドは、モード1を指定し、時短回数指定コマンドは時短残回数として10回を指定し、モード回数指定コマンドはモード残回数として10回を指定する。また、時短∞の時短状態のときには(第4大当り遊技状態のあとには)、モード指定コマンドは、モード1を指定し、時短回数指定コマンドは時短残回数として∞回を指定し、モード回数指定コマンドはモード残回数として∞回を指定する。このような場合には、時短実行回数が41回目のときに限らず、これら三つのコマンドによって、時短残回数の特定、テーブル切り替えのタイミング(つまり、モードの切り替えタイミング)の特定、モード切り替えの有無の把握の全てが可能である。但し、この態様では、時短∞の時短状態のときに、50回目の可変表示が、上記三つのコマンドからは特定ができなくなっている。このため、時短状態になってから50回目の可変表示の実行時において上記実施の形態のような煽り演出を行うことが難しくなっている。
また、例えば、時短回数指定コマンドは時短残回数を指定し、モード回数指定コマンドはモード実行回数を指定するようにしてもよい。このような場合、図26(C)のように、時短実行回数が41回目のときに、時短50回の時短状態のときには(第1大当り遊技状態のあとには)、モード指定コマンドは、モード1を指定し、時短回数指定コマンドは時短残回数として10回を指定し、モード回数指定コマンドはモード実行回数として41回を指定する。また、時短∞の時短状態のときには(第4大当り遊技状態のあとには)、モード指定コマンドは、モード1を指定し、時短回数指定コマンドは時短残回数として∞回を指定し、モード回数指定コマンドはモード実行回数として41回を指定する。このような場合には、時短実行回数が41回目のときに限らず、これら三つのコマンドによって、時短残回数の特定、テーブル切り替えのタイミング(つまり、モードの切り替えタイミング)の特定、モード切り替えの有無の把握の全てが可能である。
また、例えば、時短回数指定コマンドは時短実行回数を指定し、モード回数指定コマンドはモード残回数を指定するようにしてもよい。このような場合、図26(D)のように、時短実行回数が41回目のときに、時短50回の時短状態のときには(第1大当り遊技状態のあとには)、モード指定コマンドは、モード1を指定し、時短回数指定コマンドは時短実行回数として41回を指定し、モード回数指定コマンドはモード残回数として10回を指定する。また、時短∞の時短状態のときには(第4大当り遊技状態のあとには)、モード指定コマンドは、モード1を指定し、時短回数指定コマンドは時短実行回数として41回を指定し、モード回数指定コマンドはモード残回数として∞回を指定する。このような場合には、時短実行回数が41回目のときに限らず、これら三つのコマンドによって、時短残回数の特定、テーブル切り替えのタイミング(つまり、モードの切り替えタイミング)の特定、モード切り替えの有無の把握の全てが可能である。
また、例えば、時短回数指定コマンドは時短実行回数を指定し、モード回数指定コマンドはモード実行回数を指定するようにしてもよい。このような場合、図26(E)のように、時短実行回数が41回目のときに、時短50回の時短状態のときには(第1大当り遊技状態のあとには)、モード指定コマンドは、モード1を指定し、時短回数指定コマンドは時短実行回数として41回を指定し、モード回数指定コマンドはモード実行回数として41回を指定する。また、時短∞の時短状態のときには(第4大当り遊技状態のあとには)、モード指定コマンドは、モード1を指定し、時短回数指定コマンドは時短実行回数として41回を指定し、モード回数指定コマンドはモード実行回数として41回を指定する。このような場合には、時短実行回数が41回目のときに限らず、これら三つのコマンドによって、テーブル切り替えのタイミング(つまり、モードの切り替えタイミング)の特定が可能であるが、時短残回数の特定、及び、モード切り替えの有無の把握が困難になる。
(変形例1−2)
例えば、図27(A)のように、大当り種別を「第2大当り」と「第4大当り」とのみを用意し、時短状態のときの演出モードをモード1及びモード2とし、非時短状態のときの演出モードをモード0としてもよい。このような場合、第2大当り遊技状態後では、時短実行回数が100回になるまで時短状態が継続するが、そのうち1回目から90回目まではモード1となり、91回目から100回目まではモード2となり、101回目から時短状態が終了するのでモード0となる。第4大当り遊技状態後では、次の大当りまで時短状態が継続するが、そのうち1回目から90回目まではモード1となり、91回目から100回目まではモード2となり、101回目からも時短状態が継続するのでモード1に戻る。このような場合には、モード2において、時短状態が継続するか否かの危機感を煽る演出を実行するようにするとよい。
このような場合において、例えば、時短回数指定コマンドは時短残回数を指定し、モード回数指定コマンドはモード残回数を指定するようにしてもよい。このような場合、図27(B)のように、時短実行回数が41回目のときに、時短100回の時短状態のときには(第2大当り遊技状態のあとには)、モード指定コマンドは、モード1を指定し、時短回数指定コマンドは時短残回数として60回を指定し、モード回数指定コマンドはモード残回数として50回を指定する。また、時短∞の時短状態のときには(第4大当り遊技状態のあとには)、モード指定コマンドは、モード1を指定し、時短回数指定コマンドは時短残回数として∞回を指定し、モード回数指定コマンドはモード残回数として50回を指定する。このような場合には、時短実行回数が41回目のときに限らず、これら三つのコマンドによって、時短残回数の特定、テーブル切り替えのタイミング(つまり、モードの切り替えタイミング)の特定の全てが可能である。
また、例えば、時短回数指定コマンドは時短残回数を指定し、モード回数指定コマンドはモード実行回数を指定するようにしてもよい。このような場合、図27(C)のように、時短実行回数が41回目のときに、時短100回の時短状態のときには(第2大当り遊技状態のあとには)、モード指定コマンドは、モード1を指定し、時短回数指定コマンドは時短残回数として60回を指定し、モード回数指定コマンドはモード実行回数として41回を指定する。また、時短∞の時短状態のときには(第4大当り遊技状態のあとには)、モード指定コマンドは、モード1を指定し、時短回数指定コマンドは時短残回数として∞回を指定し、モード回数指定コマンドはモード実行回数として41回を指定する。このような場合には、時短実行回数が41回目のときに限らず、これら三つのコマンドによって、時短残回数の特定、テーブル切り替えのタイミング(つまり、モードの切り替えタイミング)、モード切り替えの有無の把握の全てが可能である。
また、例えば、時短回数指定コマンドは時短実行回数を指定し、モード回数指定コマンドはモード残回数を指定するようにしてもよい。このような場合、図27(D)のように、時短実行回数が41回目のときに、時短100回の時短状態のときには(第2大当り遊技状態のあとには)、モード指定コマンドは、モード1を指定し、時短回数指定コマンドは時短実行回数として41回を指定し、モード回数指定コマンドはモード残回数として50回を指定する。また、時短∞の時短状態のときには(第4大当り遊技状態のあとには)、モード指定コマンドは、モード1を指定し、時短回数指定コマンドは時短実行回数として41回を指定し、モード回数指定コマンドはモード残回数として50回を指定する。このような場合には、時短実行回数が41回目のときに限らず、これら三つのコマンドによって、時短残回数の特定が困難で、テーブル切り替えのタイミング(つまり、モードの切り替えタイミング)の特定は可能である。
また、例えば、時短回数指定コマンドは時短実行回数を指定し、モード回数指定コマンドはモード実行回数を指定するようにしてもよい。このような場合、図27(E)のように、時短実行回数が41回目のときに、時短100回の時短状態のときには(第2大当り遊技状態のあとには)、モード指定コマンドは、モード1を指定し、時短回数指定コマンドは時短実行回数として41回を指定し、モード回数指定コマンドはモード実行回数として41回を指定する。また、時短∞の時短状態のときには(第4大当り遊技状態のあとには)、モード指定コマンドは、モード1を指定し、時短回数指定コマンドは時短実行回数として41回を指定し、モード回数指定コマンドはモード実行回数として41回を指定する。このような場合には、時短実行回数が41回目のときに限らず、これら三つのコマンドによって、テーブル切り替えのタイミング(つまり、モードの切り替えタイミング)が可能であるが、時短残回数の特定が困難で、テーブル切り替えのタイミング(つまり、モードの切り替えタイミング)の特定は可能である。
(変形例1−3)
例えば、図28(A)のように、時短状態のときの演出モードをモード1からモード3とし、非時短状態のときの演出モードをモード0としてもよい(この構成は、上記実施形態と同様である)。このような場合、第1大当り遊技状態後では、時短実行回数が50回になるまで時短状態が継続するが、その期間中(1回目から50回目)まではモード1となり、51回目からはモード0になる。第2大当り遊技状態後では、時短実行回数が100回になるまで時短状態が継続するが、1回目から50回目まではモード1となり、51回目から100回目まではモード2となり、101回目からはモード0になる。第4大当り遊技状態後では、時短実行回数が∞回で次の大当りの発生まで時短状態が継続するが、1回目から50回目まではモード1となり、51回目から100回目まではモード2となり、101回目からはモード3になる。モード1から3それぞれでは、ステージ1から3それぞれが設定され、演出制御基板12側で、ステージに応じた背景画像を表示するなどして(演出制御パターンで設定されていればよい。)、ステージ1から3それぞれに応じた演出が実行される。また、上記実施の形態と同様に煽り演出を実行するようにしてもよい。
このような場合において、例えば、時短回数指定コマンドは時短残回数を指定し、モード回数指定コマンドはモード残回数を指定するようにしてもよい(これは上記実施の形態と同様である)。このような場合、図28(B)のように、時短実行回数が41回目のときに、時短50回の時短状態のときには(第1大当り遊技状態のあとには)、モード指定コマンドはモード1を指定し、時短回数指定コマンドは時短残回数として10回を指定し、モード回数指定コマンドはモード残回数として10回を指定する。時短100回の時短状態のときには(第2大当り遊技状態のあとには)、モード指定コマンドはモード1を指定し、時短回数指定コマンドは時短残回数として60回を指定し、モード回数指定コマンドはモード残回数として10回を指定する。時短∞の時短状態のときには(第4大当り遊技状態のあとには)、モード指定コマンドはモード1を指定し、時短回数指定コマンドは時短残回数として∞回を指定し、モード回数指定コマンドはモード残回数として10回を指定する。このような場合には、時短実行回数が41回目のときに限らず、これら三つのコマンドによって、時短残回数の特定、テーブル切り替えのタイミング(つまり、モードの切り替えタイミング)の特定、ステージの把握の全てが可能である。
このような場合において、例えば、時短回数指定コマンドは時短残回数を指定し、モード回数指定コマンドはモード実行回数を指定するようにしてもよい。このような場合、図28(C)のように、時短実行回数が41回目のときに、時短50回の時短状態のときには(第1大当り遊技状態のあとには)、モード指定コマンドはモード1を指定し、時短回数指定コマンドは時短残回数として10回を指定し、モード回数指定コマンドはモード実行回数として41回を指定する。時短100回の時短状態のときには(第2大当り遊技状態のあとには)、モード指定コマンドはモード1を指定し、時短回数指定コマンドは時短残回数として60回を指定し、モード回数指定コマンドはモード実行回数として41回を指定する。時短∞の時短状態のときには(第4大当り遊技状態のあとには)、モード指定コマンドはモード1を指定し、時短回数指定コマンドは時短残回数として∞回を指定し、モード回数指定コマンドはモード実行回数として41回を指定する。このような場合には、時短実行回数が41回目のときに限らず、これら三つのコマンドによって、時短残回数の特定、テーブル切り替えのタイミング(つまり、モードの切り替えタイミング)の特定、ステージの把握の全てが可能である。
このような場合において、例えば、時短回数指定コマンドは時短実行回数を指定し、モード回数指定コマンドはモード残回数を指定するようにしてもよい。このような場合、図28(D)のように、時短実行回数が41回目のときに、時短50回の時短状態のときには(第1大当り遊技状態のあとには)、モード指定コマンドはモード1を指定し、時短回数指定コマンドは時短実行回数として41回を指定し、モード回数指定コマンドはモード残回数として10回を指定する。時短100回の時短状態のときには(第2大当り遊技状態のあとには)、モード指定コマンドはモード1を指定し、時短回数指定コマンドは時短実行回数として41回を指定し、モード回数指定コマンドはモード残回数として10回を指定する。時短∞の時短状態のときには(第4大当り遊技状態のあとには)、モード指定コマンドはモード1を指定し、時短回数指定コマンドは時短実行回数として41回を指定し、モード回数指定コマンドはモード残回数として10回を指定する。このような場合には、時短実行回数が41回目のときに限らず、これら三つのコマンドによって、時短残回数の特定は困難であるが、テーブル切り替えのタイミング(つまり、モードの切り替えタイミング)の特定、ステージの把握の全てが可能である。
このような場合において、例えば、時短回数指定コマンドは時短実行回数を指定し、モード回数指定コマンドはモード実行回数を指定するようにしてもよい。このような場合、図28(E)のように、時短実行回数が41回目のときに、時短50回の時短状態のときには(第1大当り遊技状態のあとには)、モード指定コマンドはモード1を指定し、時短回数指定コマンドは時短実行回数として41回を指定し、モード回数指定コマンドはモード実行回数として41回を指定する。時短100回の時短状態のときには(第2大当り遊技状態のあとには)、モード指定コマンドはモード1を指定し、時短回数指定コマンドは時短実行回数として41回を指定し、モード回数指定コマンドはモード実行回数として41回を指定する。時短∞の時短状態のときには(第4大当り遊技状態のあとには)、モード指定コマンドはモード1を指定し、時短回数指定コマンドは時短実行回数として41回を指定し、モード回数指定コマンドはモード実行回数として41回を指定する。このような場合には、時短実行回数が41回目のときに限らず、これら三つのコマンドによって、時短残回数の特定は困難であるが、テーブル切り替えのタイミング(つまり、モードの切り替えタイミング)の特定、ステージの把握の全てが可能である。
(変形例1−4)
例えば、図29(A)のように、時短状態のときの演出モードをモード1及び特殊モードとし、非時短状態のときの演出モードをモード0としてもよい。このような場合、同じモード1でも、可変表示の実行回数に応じてステージが切り替わるようにする。このような場合、第1大当り遊技状態後では、時短実行回数が50回になるまで時短状態が継続するが、1回目から49回目まではステージ1のモード1となり、50回目の可変表示では特殊モードとなり、51回目以降は時短状態が終了するので、通常のモード0になる。第2大当り遊技状態後では、時短実行回数が100回になるまで時短状態が継続するが、1回目から49回目まではステージ1のモード1となり、50回目の可変表示では特殊モードとなり、51回目から99回目まではステージ2のモード2となり、100回目の可変表示では特殊モードとなり、101回目からは時短状態が終了するので、通常のモード0になる。第4大当り遊技状態後では、次の大当りの発生まで時短状態が継続するが、1回目から49回目まではステージ1のモード1となり、50回目の可変表示では特殊モードとなり、51回目から99回目まではステージ2のモード2となり、100回目の可変表示では特殊モードとなり、101回目からは次の大当りまでステージ3のモード3になる。ステージ1から3は、演出制御基板12側で、ステージに応じた背景画像を表示するなどして(演出制御パターンで設定されていればよい。)、ステージ1から3それぞれに応じた演出が実行される。また、特殊モードでは、時短状態が継続するか否か(ステージが発展して他のステージに移行するか否か)を煽る煽り演出(上記実施形態の煽り演出と同様)を実行するようにしてもよい。
このような場合において、例えば、時短回数指定コマンドは時短残回数を指定し、モード回数指定コマンドはモード残回数を指定するようにしてもよい。このような場合、図29(B)のように、時短実行回数が41回目のときに、時短50回の時短状態のときには(第1大当り遊技状態のあとには)、モード指定コマンドはモード1を指定し、時短回数指定コマンドは時短残回数として10回を指定し、モード回数指定コマンドはモード残回数として9回を指定する。時短100回の時短状態のときには(第2大当り遊技状態のあとには)、モード指定コマンドはモード1を指定し、時短回数指定コマンドは時短残回数として60回を指定し、モード回数指定コマンドはモード残回数として9回を指定する。時短∞の時短状態のときには(第4大当り遊技状態のあとには)、モード指定コマンドはモード1を指定し、時短回数指定コマンドは時短残回数として∞回を指定し、モード回数指定コマンドはモード残回数として9回を指定する。このような場合には、時短実行回数が41回目のときに限らず、これら三つのコマンドによって、時短残回数の特定、テーブル切り替えのタイミング(つまり、モードの切り替えタイミング)の特定が可能である。しかし、例えば、時短50回の時短実行回数40回目と時短100回の時短実行回数90回目とで、三つのコマンドの指定内容が同じになるので、ステージの把握ができない場合がある(ステージの把握ができない場合には、電断復旧後にステージに応じた演出を再開できない恐れがある。)。
このような場合において、例えば、時短回数指定コマンドは時短残回数を指定し、モード回数指定コマンドはモード実行回数を指定するようにしてもよい。このような場合、図29(C)のように、時短実行回数が41回目のときに、時短50回の時短状態のときには(第1大当り遊技状態のあとには)、モード指定コマンドはモード1を指定し、時短回数指定コマンドは時短残回数として10回を指定し、モード回数指定コマンドはモード実行回数として41回を指定する。時短100回の時短状態のときには(第2大当り遊技状態のあとには)、モード指定コマンドはモード1を指定し、時短回数指定コマンドは時短残回数として60回を指定し、モード回数指定コマンドはモード実行回数として41回を指定する。時短∞の時短状態のときには(第4大当り遊技状態のあとには)、モード指定コマンドはモード1を指定し、時短回数指定コマンドは時短残回数として∞回を指定し、モード回数指定コマンドはモード実行回数として41回を指定する。このような場合には、時短実行回数が41回目のときに限らず、これら三つのコマンドによって、時短残回数の特定、テーブル切り替えのタイミング(つまり、モードの切り替えタイミング)の特定が可能である。しかし、例えば、時短50回の時短実行回数40回目と時短100回の時短実行回数90回目とで、三つのコマンドの指定内容が同じになるので、ステージの把握ができない場合がある。
このような場合において、例えば、時短回数指定コマンドは時短実行回数を指定し、モード回数指定コマンドはモード残回数を指定するようにしてもよい。このような場合、図29(D)のように、時短実行回数が41回目のときに、時短50回の時短状態のときには(第1大当り遊技状態のあとには)、モード指定コマンドはモード1を指定し、時短回数指定コマンドは時短実行回数として41回を指定し、モード回数指定コマンドはモード残回数として9回を指定する。時短100回の時短状態のときには(第2大当り遊技状態のあとには)、モード指定コマンドはモード1を指定し、時短回数指定コマンドは時短実行回数として41回を指定し、モード回数指定コマンドはモード残回数として9回を指定する。時短∞の時短状態のときには(第4大当り遊技状態のあとには)、モード指定コマンドはモード1を指定し、時短回数指定コマンドは時短実行回数として41回を指定し、モード回数指定コマンドはモード残回数として9回を指定する。このような場合には、時短実行回数が41回目のときに限らず、これら三つのコマンドによって、時短残回数の特定は困難であるが、テーブル切り替えのタイミング(つまり、モードの切り替えタイミング)の特定、ステージの把握が可能である。
このような場合において、例えば、時短回数指定コマンドは時短実行回数を指定し、モード回数指定コマンドはモード実行回数を指定するようにしてもよい。このような場合、図29(E)のように、時短実行回数が41回目のときに、時短50回の時短状態のときには(第1大当り遊技状態のあとには)、モード指定コマンドはモード1を指定し、時短回数指定コマンドは時短実行回数として41回を指定し、モード回数指定コマンドはモード実行回数として41回を指定する。時短100回の時短状態のときには(第2大当り遊技状態のあとには)、モード指定コマンドはモード1を指定し、時短回数指定コマンドは時短実行回数として41回を指定し、モード回数指定コマンドはモード実行回数として41回を指定する。時短∞の時短状態のときには(第4大当り遊技状態のあとには)、モード指定コマンドはモード1を指定し、時短回数指定コマンドは時短実行回数として41回を指定し、モード回数指定コマンドはモード実行回数として41回を指定する。このような場合には、時短実行回数が41回目のときに限らず、これら三つのコマンドによって、時短残回数の特定は困難であるが、テーブル切り替えのタイミング(つまり、モードの切り替えタイミング)の特定、ステージの把握が可能である。
(変形例1−5)
変形例1−5の構成は、変形例1−4の構成とほぼ同じであるが、変形例1−4ではモード1が可変表示49回目で終了していたのに対し(つまり、50回目の可変表示で特殊モードになる。)、変形例1−5ではモード1が可変表示39回目で終了する(つまり、40回目の可変表示で特殊モードになる。)。このため、例えば、時短実行回数が31回目のときには、時短状態の種類によらず、モード回数指定コマンドはモード実行回数として31回を指定する。また、時短実行回数が31回目のときで、時短状態が時短100回の時短状態のときには、時短回数指定コマンドは時短残回数として70回を指定する。さらに、時短回数指定コマンドは時短残回数を指定し、モード回数指定コマンドはモード実行回数を指定するものとする場合(図30(C)の場合)、変形例1−4ではテーブル切り替えのタイミングの特定が可能であったが、変形例1−5ではテーブル切り替えのタイミング(モード1から特殊モードへの切り替えタイミング)が特定できない場合がある。モード1において実行される可変表示の回数が、ステージ1のモード1とステージ2のモード1とで異なるため、時短∞の時短状態のときに、テーブル切り替えタイミングが分からなくなってしまうからである。その他のときには、テーブル切り替えタイミングが分かるときがある。
(変形例1のまとめ)
以上、説明したように、時短回数指定コマンドが時短残回数と時短実行回数とのいずれを指定するものであるかと、モード回数指定コマンドがモード残回数とモード実行回数とのいずれを指定するものであるかと、に応じて、例えば、図30(C)の場合にように、状況によってはテーブル切り替えタイミングを特定できないこともあるが、つまり、テーブル切り替えタイミングを特定する精度が下がってしまう場合があるが、少なくともモード指定コマンド、時短回数指定コマンド、モード回数指定コマンドの三つのコマンドの少なくとも1つによって、所定の精度で、テーブル切り替えタイミングを特定することができる。また、この三つのコマンドを用いれば、時短回数指定コマンドが時短残回数と時短実行回数とのいずれを指定するものであるかと、モード回数指定コマンドがモード残回数とモード実行回数とのいずれを指定するものであるかと、モードの構成などによるが、時短残回数、時短実行回数なども特定でき、上記実施形態のように、特に電断などがあったとしても、時短実行回数の報知や、煽り演出などを実行できるようになる。つまり、この三つのコマンドによって、電断などがあったとしても、適切な演出を行うことができる。特に、時短回数指定コマンドが時短残回数を指定し、モード回数指定コマンドがモード残回数を指定することによって、時短残回数やテーブル切り替えタイミングなどの特定ができやすいので(モードの構成などによらず)、時短回数指定コマンドが時短残回数を指定し、モード回数指定コマンドがモード残回数を指定することが望ましい。
(変形例2)
上記実施の形態では、煽り演出は、演出の結果として時短状態が継続するか否か(モードが発展するか否か)のいずれかを報知しているが、煽り演出は時短状態が継続するか否か(モードが発展するか否か)を煽るだけで、継続の有無の結果を最終的に報知しなくてもよい。このような場合には、例えば、次の可変表示におけるモードによって、時短状態が継続したか否かを報知することになる。具体的には、例えば、モード1の最後の可変表示で、「モード1から発展あるか?」などの画像を画像表示装置5に表示するが、実際に発展したかどうかを報知せず、次回の可変表示の演出モードによって、モードが発展したか転落したかを報知する。このような構成によれば、時短残回数が1回であるか否か(今回の可変表示で時短状態が終了するか否か)を特定する必要はない。
(変形例3)
時短残回数、時短実行回数、モード残回数などは、具体的に遊技者に報知しなくてもよい。演出制御基板12側において、内部的に、時短残回数、時短実行回数、モード残回数を特定し、特定した回数などによって、飾り図柄の可変表示時に実行する演出内容を変えるようにしてもよい。
(変形例4)
モード指定コマンド、時短回数指定コマンド、モード回数指定コマンドは、非時短状態のときにも主基板11から演出制御基板12に送信するようにしてもよい。非時短状態において送信されるモード指定コマンドは、例えば、モード0を指定する。また、時短回数指定コマンド、モード回数指定コマンドは、例えば、時短残回数あるいはモード残回数として0回を指定する。このような場合、モード0で時短残回数あるいはモード残回数として0回であれば、現在が非時短状態になる。このような場合、モード0以外で時短残回数あるいはモード残回数として0回であれば、この0回は∞回を表す。
(変形例5)
上記実施形態では、選択する可変表示パターン決定用データを演出モード別に分けることで特定したが、演出モードなどを用いずに、選択する可変表示パターン決定用データを特定してもよい。
(変形例6)
上記実施形態では、有利状態を時短状態としたが、確変状態などにしてもよい。この場合には、確変状態について回数切りのものと、次の大当りまで継続するものとを用意し、時短状態と同様に考えて、モードなどを対応づければよい。また、時短回数指定コマンドは、確変の実行回数や確変状態が終了するまでの残りの実行回数を指定するコマンドであればよい。
(変形例7)
また、前記演出制御手段は、受信した前記可変表示決定用データ用コマンドによって特定される可変表示パターン決定用データに応じて異なる割合で、識別情報の可変表示が実行されている期間中に演出(リーチ演出)を実行する可変表示中演出実行手段(例えば、ステップS172の処理を実行する演出制御用CPU120)と、前記可変表示中演出実行手段によっていずれの演出が実行されるかを、前記可変表示決定用データ用コマンドによって現在特定される前記可変表示パターン決定用データに基づいて、当該演出が実行される識別情報の可変表示が実行される前に示唆する示唆演出(例えば、先読み演出)を実行する示唆演出実行手段(例えば、先読み演出を実行する演出制御用CPU120)と、受信した前記選択期間用可変表示回数コマンドに基づいて、前記選択期間において実行される識別情報の可変表示の残りの回数を特定し、特定した当該回数が所定数以下(例えば、保留記憶数の上限値以下)である場合に、前記示唆演出実行手段が前記示唆演出を実行することを制限する(示唆演出の実行割合を0にする他、低くする場合も含む。)示唆演出実行制限手段(例えば、先読み演出の実行を制限する演出制御用CPU120)と、を備える、ようにしてもよい。
具体的には例えば、上記実施形態では、演出制御用CPU120は、モードに応じて決定した変動パターン(変動パターン指定コマンド)に応じて演出内容を決定して実行するので、結局、受信した可変表示決定用データ用コマンド(モード指定コマンド)によって特定される可変表示パターン決定用データに応じて異なる割合で、識別情報の可変表示が実行されている期間中に演出(リーチ演出)を実行することになる。そして、演出制御用CPU120は、上記実施形態では実行されない、例えば、示唆演出として先読み演出を実行するようにする。先読み演出は、例えば、保留記憶されている可変表示においてスーパーリーチが実行されるか否かを、当該可変表示の実行前に示唆する演出などであればよい。これによって、当該可変表示の大当り期待度が高いことを示唆する。
具体的には、例えば、CPU103は、ステップS101において、ステップS209で抽出した乱数値に基づいて、現在の遊技状態で可変表示結果を「大当り」とするかを判定し(ステップS239の処理と同様の処理を行えばよい。)、判定結果及び現在のモードでの変動パターンを特定する(判定結果が「大当り」であるか否か及びモードフラグの状態などに基づいてステップS262又はステップS265と同様の処理を行えばよい。)ことで、先読みを行う。そして先読みした変動パターンを特定する演出制御コマンドを始動入賞時の判定結果指定コマンドとして保留記憶数指定コマンドなどともにステップS268などで送信設定するようにする。なお、ここで送信設定されるコマンドの対象となる可変表示をターゲットという。
例えば、演出制御用CPU120は、始動入賞時の判定結果指定コマンドを保留記憶数指定コマンドなどともに受信すると、これらコマンドを格納するとともに、判定結果指定コマンドに基づいて、今回の保留記憶に対応する可変表示がスーパーリーチを実行させる変動パターンであるか否かを判定し、スーパーリーチを実行させる変動パターンである場合には、所定割合(10割でもよい)で、先読み演出を実行するか否かを決定し、先読み演出を実行すると決定した場合には、例えば、所定キャラクターを表示させたり、画像表示装置5に表示している保留表示図柄(今回の保留記憶数指定コマンドなどの受信によって新たに表示される、ターゲットの保留表示図柄など)の表示態様を変更したりするなどして、ターゲットの可変表示によってスーパーリーチが実行されることを報知するなどする。このような構成によって、先読み予告の演出が示唆演出として実行されるが、この変形例では、演出制御用CPU120は、モード回数指定コマンド、モード指定コマンドなどに基づいてモード残回数を特定し、特定したモード残回数が所定回数以下(ここでは、合計保留記憶数の上限値=所定回数)である場合には、先読み予告の演出を実行しないようにするか、前記所定割合を下げることによって、先読み予告の演出の実行を制限する。演出制御用CPU120は、特定したモード残回数が所定回数以下(ここでは、合計保留記憶数の上限値=所定回数)でない場合には、先読み予告の演出の実行を制限しないようにする。モード残回数の特定では、例えば、モード回数指定コマンドがモード残回数を指定している場合には、そのモード残回数を用い、モード回数指定コマンドがモード実行回数を指定している場合には、モード指定コマンドで指定する演出モードにおける可変表示の上限実行回数からモード実行回数を減じ、モード残回数を特定する。
先読みは、現在の演出モードに基づいて行われる一方、先読み演出時においてモード残回数が所定回数以下(ここでは、合計保留記憶数の上限値=所定回数)である場合には、先読みターゲットの可変表示が実際に実行されるときの演出モードが、先読み時の演出モードとは異なる場合がある。このような場合には、スーパーリーチが実行されると予告した可変表示においてスーパーリーチが実行されないという演出の不整合が生じてしまう。このため、先読み演出時においてモード残回数が所定回数以下(ここでは、合計保留記憶数の上限値=所定回数)である場合には、先読み演出の実行をしないように制限する。
以上、この変形例によれば、示唆演出によって示唆される対象の演出と、実際に実行される演出と、の不整合を抑制(例えば、不整合が生じる可能性を低くできることを含む。)できる。
(変形例8)
演出制御用CPU120は、モード指定コマンド、時短回数指定コマンド、モード回数指定コマンドの受信状態を判定し、これらコマンドを正常に受信していないと判定した場合には、何らかの異常が発生したとして、モードの演出(時短実行回数、モード残回数の報知などを含む。)などを行わず、共通の演出を実行することによって、間違ったモード、間違った時短実行回数、間違ったモード残回数で演出を実行してしまう可能性を低くしてもよい。なお、これらコマンドを正常に受信していないと判定した場合には、上記先読み演出(示唆演出)の実行を中止したり、飾り図柄の可変表示以外の演出の実行を中止したり、飾り図柄の可変表示そのものの実行を中止してもよい。なお、これらの措置は、例えば、これらコマンドを正常に受信していないと判定した場合において保留されている可変表示について行えばよい(例えば、最新の保留記憶数指定コマンドによって指定されている保留記憶数だけ可変表示が実行されるまでこれら措置を行えばよい)。
また、モード指定コマンド、時短回数指定コマンド、モード回数指定コマンドを正常に受信していない場合とは、例えば、3つのコマンドがセットで送信されてこないとき、三つのコマンドが指定する内容が相互に矛盾していたり(例えば、上記実施形態においてモード1が指定されているのに、時短実行回数が100回になっている場合など)、あり得ない内容であったりするとき(例えば、上記実施形態において時短残回数が通常は取り得ない150回になっていたりする場合など)などである。
(変形例9)
変動パターンや各種演出制御パターン、主基板11から演出制御基板12に送信される各種コマンドなどは、上記実施の形態に限らず、様々なものを採用できる。また、各種演出の演出態様も適宜変更可能である。モード指定コマンドと、遊技状態指定コマンドと、は分けずに1つのコマンド(便宜上、遊技状態・モード指定コマンドという。)としてもよい。例えば、遊技状態が時短状態(高ベース)であるときには、遊技状態・モード指定コマンドは、遊技状態とモードとを指定する。具体的には、EXTデータ「XX」を、高確高ベース状態かつモード1のときには「01」とし、高確高ベース状態かつモード2のときには「02」とし、高確高ベース状態かつモード3のときには「03」とし、低確高ベース状態かつモード1のときには「04」とし、低確高ベース状態かつモード2のときには「05」とし、低確高ベース状態かつモード3のときには「06」とし、低確低ベースのときには「07」とし、高確低ベースのときには「08」などとすればよい。遊技状態・モード指定コマンドを送信設定するタイミングは、例えば、上記実施の形態において、モード指定コマンドや遊技状態指定コマンドを送信設定するタイミング(例えば、ステップS268など)であればよい。
(変形例10)
上記実施形態では、所定条件が成立したあとの識別情報の可変表示の回数に応じて、識別情報の可変表示の可変表示パターンが設定された複数種類の可変表示パターン決定用データのうちのいずれかを選択するときの、所定条件の成立が、大当り遊技状態(特に、第1、第2、第4大当り遊技状態)が終了したことである場合について説明しているが、所定条件の成立は、他のものであってもよい。所定条件の成立は、例えば、大当り遊技状態の終了後、所定回数の可変表示が実行されることとしてもよい。また、大当り遊技状態とは別に可変表示結果が特定表示結果とは異なる特別表示結果となったときに小当り遊技状態に制御するようにしてもよく、この場合には、所定条件の成立を、小当り遊技状態の終了又は小当り遊技状態後に所定回数の可変表示が実行されることなどとしてもよい。
(変形例11)
特定遊技状態が終了してから識別情報の可変表示が所定回数実行されるまで続く第2有利状態は、上記の実施形態では、識別情報の可変表示が所定回数実行される前に特定遊技状態となった場合には、終了するものとして説明しているが、特定遊技状態となったあとも継続してもよい。つまり、前記所定回数は、特定遊技状態を跨いだ可変表示の実行回数であってもよい。
(変形例12)
上記決定用データ選択手段は、上記実施形態の構成のうちの、モード1フラグからモード3フラグのいずれかをオン状態に設定することによって、演出モードを設定することで、複数種類の可変表示パターン決定用データのうちのいずれかを選択するCPU103としてもよい。そして、複数種類の可変表示パターン決定用データは、ハズレ変動パターン決定テーブルと大当り変動パターン決定テーブルとを含むものとしてもよい。また、上記可変表示パターン決定手段は、上記実施形態の構成のうちの、ステップS261で大当りフラグがオフ状態であると判定したときに、ステップS265で前記モードフラグの状態に応じたハズレ変動パターン決定テーブルを参照してハズレ時の変動パターンを決定し、ステップS261で大当りフラグがオン状態であると判定したときに、ステップS262で前記モードフラグの状態に応じた大当り変動パターン決定テーブルを参照して大当り時の変動パターンを決定するCPU103としてもよい。また、ハズレ変動パターン決定テーブルと大当り変動パターン決定テーブルとは1つのテーブルによって構成されていてもよく、例えば、CPU103は、大当りフラグがオン状態であるか否かなどに応じて、1つのテーブルのうちのハズレ変動パターン決定テーブルの部分又は大当り変動パターン決定テーブルの部分を参照するようにしてもよい。
(変形例13)
上記実施の形態においては、変動時間及びリーチ演出の種類等の変動態様を示す変動パターンを演出制御基板12側に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターン指定コマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御基板12側に通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、CPU103は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御用CPU120は、2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。尚、CPU103の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用CPU120の方で選択を行う様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターン指定コマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
(変形例14)
パチンコ遊技機1は、遊技者に賞球となる遊技球が払い出され、払い出された遊技球(貸し球の場合もある)を遊技領域に発射して遊技が行われる遊技機であってもよいし、遊技に使用するための得点が付与されて、この得点を使用してパチンコ遊技機1の内部に封入された遊技球を遊技領域に打ち込んで遊技が行われる遊技機であってもよい。すなわち、遊技領域に設けられた始動領域を遊技媒体が通過したことに基づいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報の可変表示を行い表示結果を導出する可変表示手段に予め定められた特定表示結果が導出されたときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機(上記パチンコ遊技機1もこのような構成の一例である。)において、所定の遊技に用いられる得点が0でないときに、この得点を使用して遊技機内に封入された遊技媒体を遊技領域に打ち込んで遊技が行われ、遊技媒体の打ち込みに応じて得点が減算され、遊技領域に設けられた入賞領域を遊技媒体が通過(進入)することに応じて得点を加算する遊技機にも本発明を適用できる。こうした遊技機は、得点の加算に使用可能な遊技用価値の大きさを特定可能な情報が記録された遊技用記録媒体を挿入するための遊技用記録媒体挿入口と、遊技用記録媒体挿入口に挿入された遊技用記録媒体の記録情報を読み出す遊技用記録媒体処理手段を備えてもよい。
(変形例15)
本発明は、始動条件の成立に基づいて識別情報の可変表示を実行して表示結果を導出表示し、当該表示結果として予め定められた特定表示結果を導出表示したときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機であればよく、例えば、スロットマシンなどにも適用できる。スロットマシンは、1ゲームに対して所定の賭数(メダル枚数またはクレジット数)を設定することによりゲームが開始可能になるとともに(始動条件の成立)、各々が識別可能な複数種類の識別情報(図柄)を可変表示する可変表示装置(例えば複数のリールなど)の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、その表示結果に応じて入賞(例えばチェリー入賞、スイカ入賞、ベル入賞、リプレイ入賞、BB入賞、RB入賞など、特定遊技状態の一例)が発生可能とされたものである。このようなスロットマシンであっても、遊技の進行を制御する主基板と、演出の実行を制御する演出制御基板とを設け、また、例えば、前記入賞の発生しやすい第1有利状態や第2有利状態などを設け、主基板からは、可変表示決定用データ用コマンドと、有利期間用可変表示回数コマンドと、選択期間用可変表示回数コマンドと、を送信し、演出制御基板では、これらコマンドに基づいて所定の処理(例えば、有利状態が終わることを煽る演出など)を実行するようにすればよい。
(変形例16)
その他にも、遊技機の装置構成やデータ構成、フローチャートで示した処理、などを実行するための画像表示装置における画像表示動作やスピーカにおける音声出力動作さらには遊技効果ランプや装飾用LEDにおける点灯動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、例えばパチンコ遊技機1といった、遊技機に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。