以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示される。なお、確定特別図柄は、可変表示中に表示される特別図柄とは異なるものであってもよい。
なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターン(適宜LEDを全て消灯したパターンを点灯パターンとして含んでもよい。)が、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。
画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の画面上では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が変動表示(可変表示)される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の画面上には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。なお、確定飾り図柄は、可変表示中に表示される飾り図柄とは異なるものであってもよい。例えば、スクロール表示される飾り図柄以外の飾り図柄が確定飾り図柄となってもよい。
このように、画像表示装置5の画面上では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム(第1特図ゲームともいう。)、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム(第2特図ゲームともいう。)と同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
画像表示装置5の画面上には、所定の表示エリア5Hが配置されている。この表示エリア5Hでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に、遊技球が進入(例えば、通過)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。この実施の形態では、保留記憶表示を、保留されている可変表示と同じ個数の図柄(丸印などであり、以下、保留表示図柄ともいう。)を表示することによって行う。第1特図を用いた特図ゲームに対応した、保留されている可変表示は、表示エリア5Hにおける向かって左側の領域(第1保留表示領域)に表示される保留表示図柄によって表される。第2特図を用いた特図ゲームに対応した、保留されている可変表示は、表示エリア5Hにおける向かって右側の領域(第2保留表示領域)に表示される保留表示図柄によって表される。
例えば、第1始動入賞口に遊技球が進入する第1始動入賞の発生により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときに、当該第1始動条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ、第1特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。また、第2始動入賞口を遊技球が進入する第2始動入賞の発生により、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときに、当該第2始動条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ、第2特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。これに対して、第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、保留データ(保留記憶)が消化され、第1特図保留記憶数が1減算(デクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、保留データ(保留記憶)が消化され、第2特図保留記憶数が1減算(デクリメント)される。なお、保留データが消化されたときには、対応する保留表示図柄が消去される。また、第1保留表示領域及び第2保留表示領域のうち消去した保留表示図柄が表示されていた表示領域に、他の保留表示図柄が表示されていた場合には、当該表示されていた保留表示図柄を例えば1つ左の表示位置(消去した保留表示図柄が表示されていた表示位置を含む)にシフトさせる。
第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の特図保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
前記表示エリア5Hとともに、あるいは表示エリア5Hに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。図1に示す例では、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bはそれぞれ、例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のそれぞれにおける上限値(例えば「4」)に対応した個数(例えば4個)のLEDを含んで構成されている。ここでは、LEDの点灯個数によって、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを表示している。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。
普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用のソレノイド81によって垂直位置となる閉鎖状態と傾動位置となる開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入しない閉鎖状態にする。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入できる開放状態にする。なお、普通可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオフ状態であるときに通常開放状態となり、第2始動入賞口に遊技球が進入できるが、ソレノイド81がオン状態であるときの拡大開放状態よりも遊技球が進入しにくいように構成してもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bは、第2始動入賞口を遊技球が進入可能な開放状態または拡大開放状態といった第1可変状態(進入容易状態)と、遊技球が進入不可能な閉鎖状態または進入困難な通常開放状態といった第2可変状態(進入困難(進入不可を含む。)状態)とに、変化できるように構成されている。第1可変状態は、第2可変状態よりも遊技球が第2始動入賞口に進入し易い状態であればよい。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球(景品遊技媒体)として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)未満であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値未満であれば、第2始動条件が成立する。
なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。パチンコ遊技機1は、賞球となる遊技球を直接に払い出すものであってもよいし、賞球となる遊技球の個数に対応した得点を付与するものであってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口に進入(例えば、通過)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口に進入しやすくなる。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が進入しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が進入できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口に進入できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口に進入しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口に遊技球が進入したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口に遊技球が進入したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を進入させて賞球を得ることが不可能または困難になり、第1状態よりも遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、例えば、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、遊技領域に形成された通過ゲート41(所定の部材によって遊技球が通過可能に形成され、遊技球の通過は、図2のゲートスイッチ21によって検出される。)を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、音声等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤などの背面には、例えば情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、タッチセンサ基板、払出制御基板などといった、各種の基板が配置されている。また、パチンコ遊技機1には、各基板などに電力を供給する電源基板なども搭載されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号を受け取る機能、演出制御基板12などのサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンド(後述の演出制御コマンドなど)を制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。また、主基板11は、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどを制御して、各種保留記憶数を表示する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や入力ドライバ回路110、ソレノイド回路111などが搭載されている。入力ドライバ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチ(ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23)からの検出信号(遊技媒体の通過や進入を検出したこと(スイッチがオンになったこと)を示す検出信号)を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号(例えば、ソレノイド81やソレノイド82をオン状態にする信号など)を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号などを受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどといった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作などや、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させる機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの信号(音声信号)に基づき、スピーカ8L、8Rから音声(音声信号が指定する音声)を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。なお、音声とは、音のみからなるもの(例えば、歌が入らない演奏のみからなる楽曲、効果音など)も含む。
ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの信号(電飾信号)に基づき、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯駆動(電飾信号が示す駆動内容による点灯/消灯)を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23といった、各種スイッチからの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、各種スイッチは、例えばセンサ(例えば、フォトセンサ、近接スイッチなど)と称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20などの表示制御を行うための信号を伝送する配線が接続されている。また、主基板11には、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための信号を伝送する配線が接続されている。また、主基板11には、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82を駆動するためのソレノイド駆動信号を伝送する配線が接続されている。また、主基板11には、演出制御コマンドなどを制御信号として演出制御基板12に伝送する配線などが接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号(制御コマンド)は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば演出制御コマンドである(詳しくは後述する)。制御コマンドはいずれも、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」となり、EXTデータの先頭ビットは「0」となるように、予め設定されていればよい。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理(例えば、上記主基板11の機能を実現するための処理など。)が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100を構成する1チップのマイクロコンピュータは、少なくともCPU103の他にRAM102が内蔵されていればよく、ROM101や乱数回路104、I/O105などは外付けされてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、例えば乱数回路104などにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。遊技用乱数は、乱数回路104などのハードウェアによって更新されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することでソフトウェアによって更新されるものであってもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられたランダムカウンタや、RAM102とは別個の内部レジスタに設けられたランダムカウンタに、所定の乱数値を示す数値データを格納し、CPU103が定期的または不定期的に格納値を更新することで、乱数値の更新が行われるようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンド送信テーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種データ(各種フラグやカウンタ、タイマなども含む。)が書換可能に一時記憶される。
I/O105は、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部(入力ドライバ回路110など)から各種信号が入力される入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部(ソレノイド回路111、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、中継基板15など)へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作を制御する処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作などを行う処理(演出用の電気部品に所定の演出動作などを実行させる機能を実現する処理)が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。演出制御基板12には、画像表示装置5に対して画像データ(画像表示装置5で表示する演出画像のデータ)を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての音声信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。演出制御パターンは、飾り図柄の可変表示やリーチ演出などの各種演出を実行するためのデータの集まりであって、例えばプロセスタイマ判定値などの判定値と対応付けられた演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、駆動制御データなど)や終了コードなどを含んだプロセスデータから構成されている。
演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データ(各種フラグやカウンタ、タイマなども含む。)が記憶される。
演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令などに基づき(例えば、この指令によって、表示制御部123は、演出制御用CPU120に制御される。)、画像表示装置5において表示する演出画像の画像データを出力する。例えば、表示制御部123は、記憶部を有し、演出制御用CPU120の制御のもとで、記憶部に格納されているデータに基づいて、画像データを生成して出力するようにしてもよい。また、表示制御部123は、演出制御用CPU120の制御のもとで、記憶部に格納されている画像データをそのまま出力してもよい。例えば、演出制御用CPU120は、画像表示装置5の表示画面内に表示させる演出画像の切換タイミングを決定して表示制御部123に指令することなどにより、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示などを実現する画像データを表示制御部123に出力させる。一例として、表示制御部123には、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)などが搭載されていればよい。なお、VDPは、GPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、あるいは、より一般的にDSP(Digital Signal Processor)と称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。CGROMは、例えば書換不能な半導体メモリであってもよいし、フラッシュメモリなどの書換可能な半導体メモリであってもよく、あるいは、磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成されたものであればよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、演出制御基板12の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、I/O125の出力ポートからは、画像表示装置5へと伝送される画像データ(表示制御部123から出力されるデータ)や、音声制御基板13へと伝送される音声信号(演出制御用CPU120によって出力されるデータ)、ランプ制御基板14へと伝送される電飾信号(演出制御用CPU120によって出力されるデータ)などが出力される。
画像表示装置5は、液晶パネルなどからなる表示パネルと、当該表示パネルを駆動するドライバ回路などを備える。表示制御部123からI/O125を介して画像表示装置5に供給された画像データは、前記ドライバ回路に入力される。画像データが入力されたドライバ回路は、入力された画像データに基づいて、表示パネルを駆動し、当該画像データが表す画像を表示パネルに表示させる。これによって、画像表示装置5には、飾り図柄の可変表示を含む各種の演出画像が表示されることになる。
上記のような構成によって、演出制御用CPU120は、音声制御基板13を介してスピーカ8L、8Rを制御して音声を出力させたり、ランプ制御基板14を介して遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどに点灯/消灯駆動を行わせたり、表示制御部123を介して画像表示装置5の表示領域に演出画像を表示させたりして、各種の演出を実行する。
パチンコ遊技機1においては、遊技媒体としての遊技球を用いた所定の遊技が行われ、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値が付与可能となる。遊技機において付与される遊技価値は、直接的には、賞球となる遊技球の払出しや、これに相当する得点の付与である。こうした遊技球や、その個数に対応する得点の記録情報は、例えば数量に応じて特殊景品や一般景品に交換可能な有価価値を有するものであればよい。あるいは、これらの遊技球や得点の記録情報は、特殊景品や一般景品には交換できないものの、遊技機で再度の遊技に使用可能な有価価値を有するものであってもよい。
また、遊技機において付与可能となる遊技価値は、賞球となる遊技球の払出しや得点の付与に限定されず、例えば大当り遊技状態に制御することや、確変状態などの特別遊技状態に制御すること、大当り遊技状態にて実行可能なラウンドの上限回数が第2ラウンド数(例えば「2」)よりも多い第1ラウンド数(例えば「15」)となること、時短状態にて実行可能な可変表示の上限回数が第2回数(例えば「50」)よりも多い第1回数(例えば「100」)となること、確変状態における大当り確率が第2確率(例えば1/50)よりも高い第1確率(例えば1/20)となること、通常状態に制御されることなく大当り遊技状態に繰り返し制御される回数である連チャン回数が第2連チャン数(例えば「5」)よりも多い第1連チャン数(例えば「10」)となることの一部または全部といった、遊技者にとってより有利な遊技状況となることが含まれていてもよい。
遊技球を用いた遊技の一例として、パチンコ遊技機1における筐体前面の右下方に設置された打球操作ハンドルが遊技者によって所定操作(例えば回転操作)されたことに基づいて、所定の打球発射装置が備える発射モータなどにより、遊技媒体としての遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技領域を流下した遊技球が、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口(第1始動領域)に進入すると、図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたこと(第1始動口スイッチ22Aがオンになったこと)などにより第1始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始される。
また、遊技球が普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口(第2始動領域)に進入すると、図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたこと(第2始動口スイッチ22Bがオンになったこと)などにより第2始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始される。ただし、普通可変入賞球装置6Bが第2可変状態としての通常開放状態や閉鎖状態であるときには、第2始動入賞口に遊技球が進入困難または進入不可能である。
通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたこと(ゲートスイッチ21がオンになったこと)に基づいて、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立する。その後、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる開放制御や拡大開放制御が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る閉鎖制御や通常開放制御が行われる。普通図柄の可変表示結果を、予め定められた特定表示結果としての「普図当り」にするか否かは、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始されるときになど、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。
第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されるときや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始されるときには、特別図柄の可変表示結果を、予め定められた特定表示結果としての「大当り」にするか否かが、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。そして、可変表示結果の決定に基づく所定割合で、変動パターンの決定などが行われる。
こうした可変表示結果や変動パターンの決定に基づいて特図ゲームが開始された後、例えば変動パターンに対応して予め定められた可変表示時間が経過したときには、可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される。第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の可変表示に対応して、画像表示装置5の画面上に配置された「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、特別図柄とは異なる飾り図柄(演出図柄)の可変表示が行われる。第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるときには、画像表示装置5において飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示される。
特別図柄の可変表示結果として予め定められた大当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」(特定表示結果)となり、遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。大当り遊技状態に制御されるか否かは、可変表示結果が「大当り」となるか否かに対応しており、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。特別図柄の可変表示結果として、大当り図柄が導出表示されず、ハズレ図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる。
一例として、「2」、「4」、「7」、「9」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄とする。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄やハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄やハズレ図柄となるようにしてもよい。
大当り遊技状態では、大入賞口が開放状態となって特別可変入賞球装置7が遊技者にとって有利な第1状態となる。そして、所定期間(例えば29秒間)あるいは所定個数(例えば9個)の遊技球が大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を継続して開放状態とするラウンド遊技(単に「ラウンド」ともいう)が実行される。こうしたラウンド遊技の実行期間以外の期間では、大入賞口が閉鎖状態となり、入賞球が発生困難または発生不可能となる。大入賞口に遊技球が進入したときには、カウントスイッチ23により入賞球(大入賞口に進入した遊技球)が検出され、その検出ごとに所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。大当り遊技状態におけるラウンド遊技は、所定の上限回数(例えば「15」)に達するまで繰返し実行される。
特図表示結果が「大当り」となる場合には、大当り種別が「第1通常」、「第2通常」、「第1確変」、「第2確変」のいずれかとなる場合が含まれている。例えば、特別図柄の可変表示結果として、「2」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「第1通常」となり、「4」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「第2通常」となり、「7」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「第1確変」となり、「9」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「第2確変」となる。大当り種別が「第1通常」、「第2通常」、「第1確変」、又は、「第2確変」となった場合には、大当り遊技状態におけるラウンド遊技として、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(大入賞口を開放状態)とする上限時間が所定時間(例えば29秒などの第1期間)となる通常開放ラウンドが、15ラウンド(15回)などの所定回数分実行される。なお、大当り種別が「第1通常」又は「第2通常」のときの「大当り」に基づく大当り遊技状態を「通常大当り遊技状態」という。また、大当り種別が「第1確変」又は「第2確変」のときの「大当り」に基づく大当り遊技状態を「確変大当り遊技状態」という。
大当り遊技状態が終了した後には、可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り確率)が通常状態よりも高くなる確変状態に制御されることがある。確変状態は、次回の大当り遊技状態が開始されることといった、所定の確変終了条件が成立するまで、継続するように制御される。また、大当り遊技状態が終了した後には、平均的な可変表示時間が通常状態よりも短くなる時短状態に制御されることがある。時短状態は、所定回数(この実施の形態では、100回)の可変表示(特図ゲーム)が実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたことのうち、いずれか一方の時短終了条件が先に成立するまで、継続するように制御される。なお、時短終了条件が成立するまでの可変表示(特図ゲームなど)の残りの実行回数を時短残回数ということがある。時短状態や確変状態も遊技者にとって有利な状態である。
この実施の形態では、通常大当り遊技状態が終了した後の遊技状態は、時短状態となるが確変状態にはならない。この実施の形態では、確変大当り遊技状態が終了した後の遊技状態は、時短状態及び確変状態になる。
なお、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態や、時短状態や、確変状態等の遊技者にとって有利な状態以外の遊技状態のことであり、普図ゲームにおける可変表示結果が「普図当り」となる確率及び特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」となる確率が、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に所定の復帰処理を実行しなかったとき)と同一に制御される状態である。
時短状態では、通常状態などの時短状態になっていない非時短状態よりも第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい有利変化態様で、普通可変入賞球装置6Bを第1可変状態(開放状態または拡大開放状態)と第2可変状態(閉鎖状態または通常開放状態)とに変化させる。例えば、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御により、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させればよい。なお、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させる制御は、高開放制御(「時短制御」あるいは「高ベース制御」ともいう)と称される。こうした時短状態に制御されることにより、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの所要時間が短縮され、通常状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態となる。
なお、時短状態は、「高ベース状態」、「高ベース」などともいわれ、時短状態でない遊技状態は、「低ベース状態」、「低ベース」、「非時短状態」、「非時短」などともいわれる。確変制御が行われる確変状態は、「高確状態」、「高確」などともいわれ、確変状態でない遊技状態は、「低確状態」、「低確」、「非確変状態」、「非確変」などともいわれる。確変状態及び時短状態になっているときの遊技状態は、「高確高ベース状態」、「高確高ベース」などともいわれる。確変状態とはならずに時短状態になっているときの遊技状態は、「低確高ベース状態」、「低確高ベース」などともいわれる。時短状態とはならずに確変状態になっているときの遊技状態は、「高確低ベース状態」、「高確低ベース」などともいわれる。時短状態及び確変状態のいずれかにもならない状態、つまり、通常状態は、「低確低ベース状態」、「低確低ベース」などともいわれる。
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間(可変表示中の期間)では、飾り図柄の可変表示態様が所定のリーチ態様となる(リーチが成立する)ことがある。
ここで、リーチ態様とは、画像表示装置5の画面上にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示態様、あるいは、全部または一部の飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリア5Cなど)では飾り図柄が変動している表示態様、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部または一部で飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様である。
上記飾り図柄の可変表示中には、画像表示装置5の画面上に飾り図柄とは異なるキャラクター画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像を表示したり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたりする演出が実行される。これら演出を、飾り図柄の可変表示そのもの(これも演出である。)とともに、可変表示中演出という。つまり、可変表示中演出は、特別図柄の可変表示にともなって、画像表示装置5の画面上に表示される画像による演出であり、飾り図柄の可変表示そのものも含む概念である。可変表示中演出は、例えば、遊技の進行に対応して実行され、遊技の進行を遊技者に認識させるような演出であればよい。可変表示態様をリーチ態様にすることも、可変表示中演出のうちの1つである。可変表示中演出は、特別図柄の可変表示にともなって、画像表示装置5の画面上に表示される画像(飾り図柄の可変表示そのものも含む)による演出の他、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などによる演出が含まれていてもよい。
上記可変表示中演出ではリーチ演出が実行されることがある。リーチ演出は、リーチ態様となったことに対応して実行される。リーチ演出は、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の画面上に飾り図柄とは異なるキャラクター画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ態様となる以前とは異なる演出動作を行う演出である。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ態様となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。この実施の形態では、リーチ演出として、演出態様がそれぞれ異なるノーマルリーチ、スーパーリーチA、スーパーリーチB、及び、スーパーリーチCが用意されている(図12参照、詳しくは後述する)。
また、上記可変表示中演出として、所定の予告を行う演出である予告演出が実行される。この実施の形態では、互いに態様の異なる予告演出A〜Cが用意されている。
特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果である特図表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示される。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の図柄番号の飾り図柄が揃って停止表示されることにより、大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示されればよい。
この実施の形態では、大当り種別が「第1通常」又は「第2通常」となる場合には、非確変大当り組合せ(通常大当り組合せともいう。)となる確定飾り図柄が導出される。非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうちの、「2」、「4」、「6」、「8」の偶数の図柄番号いずれかの飾り図柄から構成される。例えば、「2」、「4」、「6」、「8」の図柄番号の飾り図柄のいずれかが、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示される。当該偶数の図柄番号の飾り図柄の組合せは、大当り組合せとなる確定飾り図柄の一類型である。非確変大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄は、通常図柄(「非確変図柄」ともいう)と称される。
大当り種別が「第1確変」又は「第2確変」となる場合には、確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出される。確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうちの、「1」、「3」、「5」、「7」の奇数の図柄番号いずれかの飾り図柄から構成される。例えば、「1」、「3」、「5」、「7」の図柄番号の飾り図柄のいずれかが、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示される。当該奇数の図柄番号の飾り図柄の組合せは、大当り組合せとなる確定飾り図柄の一類型である。確変大当り組合せを構成する図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄は、確変図柄と称される。
確定飾り図柄が非確変大当り組合せや確変大当り組合せとなる飾り図柄の可変表示中には、可変表示中演出の一部として再抽選演出が実行されることがある。再抽選演出では、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに非確変大当り組合せとなる飾り図柄(通常図柄)を仮停止表示させた後に、例えば「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて同一の図柄番号の飾り図柄が揃った状態で再び変動させ、確変大当り組合せとなる飾り図柄(確変図柄)と、非確変大当り組合せとなる飾り図柄(通常図柄)とのうち、いずれかを確定飾り図柄として停止表示(最終停止表示)させる。再抽選演出は、大当り種別が「第2通常」又は「第2確変」である場合に実行される。大当り種別が「第2通常」のときには、再抽選演出として、仮停止表示させた飾り図柄(通常図柄)を再変動させた後に非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄を導出表示する再抽選落選演出が行われる。これに対して、大当り種別が「第2確変」のときには、再抽選演出として、仮停止表示させた飾り図柄(通常図柄)を再変動させた後に確変大当り組合せとなる確定飾り図柄を導出表示する再抽選当選演出が実行される。
特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様とならずに、所定の非リーチ組合せを構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることがある。また、特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ組合せ」ともいう)を構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることもある。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の主要な動作(作用)を説明する。なお、以下では、フローチャートなどを参照して動作を説明するが、各動作(各処理)では、フローチャートに現れていない処理などが適宜行われる場合がある。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM101がクリアされる。RAM102のクリアは、例えば、電源投入時に、パチンコ遊技機1に設けられた図示しないクリアスイッチなどの初期化用操作手段が操作されたことなどによって行われる。この操作は、例えば、遊技店の営業時間外に行われる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時(停電などによる電断時)における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい(例えば、クリアスイッチが押されずに電源が投入(オン)された時にRAM101に所定のデータが記憶されるなどしている状態のとき(例えば電断のときなど))。
このような遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、割込み禁止状態に設定して、所定の遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。
CPU103は、遊技制御用タイマ割込処理において、例えば、スイッチ処理を行い、メイン側エラー処理を行い、情報出力処理を行い、その後、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス処理、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理といった、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するための処理が含まれている。なお、遊技制御用タイマ割込処理の終了時には、割込み許可状態に設定される。これによって、遊技制御用タイマ割込み処理は、タイマ割り込みが発生するごと、つまり、割込み要求信号の供給間隔である所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとに実行されることになる。
スイッチ処理は、入力ドライバ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから検出信号が入力されたかを判定することによって、各スイッチがオン状態であるか否か(つまり、遊技球の進入又は通過があったか否か)をスイッチごとに判定する処理である。なお、スイッチ処理では、例えば、オン状態と判定したスイッチ(第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23)に対応する賞球個数を示す賞球個数コマンドの送信設定も行う。賞球個数コマンドはコマンド制御処理にて払出制御基板に送信され、払出制御基板は、このコマンドを受信すると、球払出装置を制御して、このコマンドが示す賞球個数分だけ賞球を払い出す処理を実行する。
メイン側エラー処理は、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする処理である。
情報出力処理は、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する処理である。
遊技用乱数更新処理は、主基板11の側で用いられる複数種類の遊技用乱数のうち、少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための処理である。一例として、主基板11の側で用いられる遊技用乱数には、特図表示結果決定用の乱数値MR1と、大当り種別決定用の乱数値MR2と、変動パターン決定用の乱数値MR3と、が含まれていればよい(図6参照)。特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定に用いられる乱数値であり、「1」〜「65535」のいずれかの値を取り得る。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合に、大当り種別を「第1通常」、「第2通常」、「第1確変」、「第2確変」のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、「1」〜「100」のいずれかの値を取り得る。変動パターン決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターンを、予め用意された複数の変動パターンのいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、「1」〜「251」のいずれかの値を取り得る。
特別図柄プロセス処理では、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かなどの決定や変動パターンの決定、当該決定結果に基づく特別図柄表示装置4における表示動作の制御(特図ゲームの実行)、大当り遊技状態の特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定(ラウンド遊技や短期開放制御の実行)などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。特別図柄プロセス処理の詳細は後述するが、タイマ割り込みの発生毎に特別図柄プロセス処理が実行されることによって、可変表示結果や変動パターンの決定、当該決定に基づく特図ゲームの実行、大当り遊技状態などが実現される。
普通図柄プロセス処理では、例えば、通過ゲート41を遊技球が通過した場合(例えば、スイッチ処理にてゲートスイッチ21がオン状態になっていると判定された場合)に保留数が上限数に達していなければ普図ゲームの保留記憶(例えば、乱数値を抽出してRAM102に記憶させること)を行ったり、保留記憶(RAM102に記憶した乱数値)を用いて普図ゲームの可変表示結果を決定したり、普図ゲームの変動パターン(変動時間など)を決定したり、変動パターンに従って普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して普通図柄の可変表示を実行して普図ゲームの可変表示結果を導出表示したり、可変表示結果が普図当りの場合に普通可変入賞球装置6Bを開放状態などの第1可変状態にする処理を行ったりする。タイマ割り込みの発生毎に普通図柄プロセス処理が実行されることによって、普図ゲームの実行や、普図当りのときの普通可変入賞球装置6Bの所定期間の第1可変状態などが実現される。
コマンド制御処理は、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる処理である。一例として、特別図柄プロセス処理や普通図柄プロセス処理、スイッチ処理などでは、制御コマンド(演出制御コマンドなど)の送信設定(例えば、送信する制御コマンドの記憶アドレス値をRAM102に格納する等)が行われ、コマンド制御処理では、送信設定された制御コマンドを、実際に演出制御基板12などに対して送信する処理が行われる。この送信する処理では、演出制御INT信号などが用いられ、制御コマンドの送信が行われる。
コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
ここで、コマンド制御処理により主基板11から演出制御基板12に送信される主な制御コマンドについて図3を参照して説明する。なお、「(H)」は16進数であることを示す。
コマンド8001(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを指定する演出制御コマンド(第1変動開始指定コマンド)である。コマンド8002(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを指定する演出制御コマンド(第2変動開始指定コマンド)である。第1変動開始指定コマンドと第2変動開始指定コマンドとを変動開始指定コマンドと総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、後述の変動パターン指定コマンドに含めるようにしてもよい。第1変動開始指定コマンド又は第2変動開始指定コマンドは、変動パターン指定コマンドなどとともに、変動パターンの設定時に実行される後述のステップS111にて送信設定される。
コマンド81XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5において可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターン指定コマンド)である。この実施の形態では、変動パターン(図12参照、詳しくは後述する。)それぞれに対応する変動パターン指定コマンドが設定されている。例えば、各変動パターンには、一意の番号(変動パターン番号)が振られ、その番号がコマンド中の「XX」に設定される(例えば、変動パターンPA1−1なら「01」など)。変動パターン指定コマンドは、飾り図柄の変動開始を指定するためのコマンドでもあり、変動パターンの設定時に実行される後述のステップS111にて送信設定される。
コマンド8CXX(H)は、可変表示結果を大当りとするか否かおよび大当り種別(つまり、可変表示結果)を指定する演出制御コマンド(表示結果指定コマンド)である。この実施の形態では、表示結果それぞれに対応する表示結果指定コマンドが設定されている。例えば、各表示結果には、一意の番号が振られ、その番号がコマンド中の「XX」に設定される(例えば、「ハズレ」なら「00」、大当り種別が「第1通常」の「大当り」なら「01」など)。表示結果指定コマンドは、変動パターン指定コマンドなどとともに、変動パターンの設定時に実行される後述のステップS111にて送信設定される。
コマンド8F00(H)は、飾り図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを指定する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。図柄確定指定コマンドは、後述のステップS112における特図ゲーム終了時にて送信設定される。
コマンド95XX(H)は、遊技状態を指定する演出制御コマンド(遊技状態指定コマンド)である。この実施の形態では、遊技状態それぞれに対応する遊技状態指定コマンドが設定されている。例えば、遊技状態が通常状態(低確低ベース)であれば、「XX」は、「00」に設定される。例えば、遊技状態が高確低ベース状態であれば、「XX」は、「01」に設定される。例えば、遊技状態が高確高ベース状態であれば、「XX」は、「02」に設定される。遊技状態指定コマンドは、遊技状態の変更が行われ得る後述のステップS113やステップS117の実行時に送信設定される。
コマンドA000(H)は、大当り遊技状態の開始(ファンファーレの開始)を指定する演出制御コマンド(当り開始指定コマンド)である。なお、ファンファーレとは、大当り遊技状態の開始時に実行される、大当り遊技状態になったことを報知する演出である。このコマンドは、後述のステップS113において、大当り遊技状態が開始されるときに送信設定される。
コマンドA300(H)は、大当り遊技状態の終了(エンディングの開始)を指定する演出制御コマンド(当り終了指定コマンド)である。なお、エンディングとは、大当り遊技状態の終了時に実行される、大当り遊技状態が終了することを報知する演出である。このコマンドは、後述のステップS116において、最後のラウンド遊技が終了したときに送信設定される。
コマンドB100(H)は、第1始動入賞口に遊技媒体が進入したことによる第1始動入賞が発生したことを指定する演出制御コマンド(第1始動口入賞指定コマンド)である。コマンドB200(H)は、第2始動入賞口に遊技媒体が進入したことによる第2始動入賞が発生したことを指定する演出制御コマンド(第2始動口入賞指定コマンド)である。第1始動口入賞指定コマンドと第2始動口入賞指定コマンドとを始動口入賞指定コマンドと総称することがある。これらコマンドは、後述の始動入賞判定処理(ステップS101)にて送信設定される。
コマンドC1XX(H)は、第1特図保留記憶数を指定する演出制御コマンド(第1特図保留記憶数指定コマンド)である。「XX」が、第1特図保留記憶数を示す。コマンドC2XX(H)は、第2特図保留記憶数を指定する演出制御コマンド(第2特図保留記憶数指定コマンド)である。「XX」が、第2特図保留記憶数を示す。第1特図保留記憶数指定コマンドと第2特図保留記憶数指定コマンドとを総称して、特図保留記憶数指定コマンドという場合がある。特図保留記憶数指定コマンドは、第1特図保留記憶数又は第2特図保留記憶数が変化し得る後述のステップS101やステップS111にて送信設定される。
次に、特別図柄プロセス処理について説明する。図4は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。図5は、ステップS101にて実行される始動入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。
始動入賞判定処理を開始すると、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(ステップS201)。スイッチ処理にて第1始動口スイッチ22Aがオンであると判定されているなどして第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(ステップS201;Yes)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。このとき、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた第1特図保留記憶数カウンタ(第1特図保留記憶数をカウントするカウンタ)の格納値である第1特図保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS202;No)、RAM102の所定領域(遊技制御バッファ設定部など)に設けられた始動口バッファの格納値である始動口バッファ値を、「1」に設定する(ステップS203)。
ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(ステップS201;No)、ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS202;Yes)、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(ステップS204)。スイッチ処理にて第2始動口スイッチ22Bがオンであると判定されているなどして第2始動口スイッチ22Bがオンであれば(ステップS204;Yes)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS205)。このとき、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた第2特図保留記憶数カウンタ(第2特図保留記憶数をカウントするカウンタ)の格納値である第2特図保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS205にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS205;No)、始動口バッファ値を「2」に設定する(ステップS206)。第2始動口スイッチ22Bがオンでなかったり(ステップS204;No)、第2特図保留記憶数が上限値ではあったり(ステップS205;Yes)した場合には、始動入賞判定処理を終了する。
ステップS203、S206の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶数カウント値を1加算するように更新する(ステップS207)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1特図保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2特図保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1特図保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口に遊技球が進入して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。また、第2特図保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口に遊技球が進入して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。このときには、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新する(ステップS208)。
ステップS208の処理を実行した後に、CPU103は、始動入賞の発生時に対応した所定の遊技用乱数を抽出する(ステップS209)。一例として、ステップS209の処理では、乱数回路104やRAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられたランダムカウンタ等によって更新される数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データ(図6参照)が抽出される。こうして抽出された各乱数値を示す数値データが保留データとして、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭にセットされることで記憶される(ステップS210)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、保留データが図7(A)に示すような第1特図保留記憶部にセットされる。一方、始動口バッファ値が「2」であるときには、保留データが図7(B)に示すような第2特図保留記憶部にセットされる。なお、このとき、CPU103は、保留データが第1特図保留記憶部にセットされたときには、第1保留表示器25Aを制御して、1つ加算された第1特図保留記憶数を特定可能な表示を第1保留表示器25Aに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ増やす)ようにしてもよい。なお、CPU103は、保留データが第2特図保留記憶部にセットされたときには、第2保留表示器25Bを制御して、1つ加算された第2特図保留記憶数を特定可能な表示を第2保留表示器25Bに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ増やす)ようにしてもよい。
図7(A)に示す第1特図保留記憶部は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が進入して第1始動入賞が発生したものの、未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部は、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の進入による第1始動条件の成立に基づいてCPU103が乱数回路104等から抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部に記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行(可変表示)が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき大当り遊技状態に制御すると決定されるか否かや、飾り図柄の可変表示態様が特定態様(例えばリーチ演出など)となるか否かなどを判定可能にする保留記憶情報となる。
図7(B)に示す第2特図保留記憶部は、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が進入して第2始動入賞が発生したものの、未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部は、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の進入による第2始動条件の成立に基づいてCPU103が乱数回路104等から抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部に記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行(可変表示)が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき大当り遊技状態に制御すると決定されるか否かや、飾り図柄の可変表示態様が特定態様(例えばリーチ演出など)となるか否かなどを判定可能にする保留記憶情報となる。
ステップS210の処理に続いて、CPU103は、始動入賞時コマンドの送信設定を行う(ステップS211)。始動入賞時コマンドは、始動口入賞指定コマンドと、特図保留記憶数指定コマンドと、から構成される。始動口バッファ値が「1」のときは、始動入賞時コマンドとして、第1始動口入賞指定コマンドと、第1特図保留記憶数指定コマンドと、の送信設定を行う。始動口バッファ値が「2」のときは、始動入賞時コマンドとして、第2始動口入賞指定コマンドと、第2特図保留記憶数指定コマンドと、の送信設定を行う。送信設定されたコマンドは、コマンド制御処理にて送信される。
送信設定する第1特図保留記憶数指定コマンドや第2特図保留記憶数指定コマンドは、現在の第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数を指定するコマンド(当該記憶数に対応したEXTデータを含むコマンド)とし、指定する特図保留記憶数は、第1特図保留記憶数カウンタや第2特図保留記憶数カウンタのカウント値によって特定すればよい。
ステップS211のあと、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS212)。このとき、始動口バッファ値が「2」であれば(ステップS212;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS213)、始動入賞判定処理を終了する。これに対して、始動口バッファ値が「1」であるときには(ステップS212;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS214)、ステップS204の処理に進む。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
図4に戻り、ステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S117の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。このとき、可変表示結果が「大当り」に決定された場合には、大当り種別を「第1通常」、「第2通常」、「第1確変」、「第2確変」といった複数種別のいずれかに決定する。大当り種別の決定結果を示すデータがRAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた大当り種別バッファに格納されることにより、大当り種別が記憶される。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄、ハズレ図柄)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
図8は、特別図柄通常処理として、ステップS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。CPU103は、第2特図保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;No)、例えば第2特図保留記憶部の先頭領域(例えば保留番号「1」に対応する記憶領域)といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データとして、乱数値MR1〜MR3を示す数値データを読み出す(ステップS232)。これにより、ステップS209の処理で第2始動入賞口における始動入賞(第2始動入賞)の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、例えば第2特図保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS233)。例えば、第2特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位(保留番号「1」〜「3」に対応する記憶領域)にシフトする。また、ステップS233の処理では、合計保留記憶数を1減算するように更新してもよい。そして、RAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を、「2」に更新する(ステップS234)。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS231;Yes)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。CPU103は、第1特図保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、ステップS235の処理は、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
なお、第1始動入賞口であるか第2始動入賞口であるかにかかわらず、遊技球が始動入賞口に進入した順番で、特図ゲームが実行される場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれに遊技球が進入したかを示す始動口データを、保留データとともに、あるいは保留データとは別個に、保留番号と対応付けてRAM102の所定領域に記憶させておき、それぞれの保留データに対応する特図ゲームについて、始動条件が成立した順番を特定可能にすればよい。
ステップS235にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS235;No)、例えば第1特図保留記憶部の先頭領域(例えば保留番号「1」に対応する記憶領域)といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データとして、乱数値MR1〜MR3を示す数値データを読み出す(ステップS236)。これにより、ステップS209の処理で第1始動入賞口における始動入賞(第1始動入賞)の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS236の処理に続いて、例えば第1特図保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS237)。例えば、第1特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位(保留番号「1」〜「3」に対応する記憶領域)にシフトする。また、ステップS237の処理では、合計保留記憶数を1減算するように更新してもよい。そして、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を、「大当り」と「ハズレ」とのいずれかに決定する(ステップS239)。一例として、ステップS239の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された特図表示結果決定テーブルを選択し、特図表示結果を決定するための使用テーブルに設定する。例えば、CPU103は、現在の遊技状態と変動特図指定バッファ値(今回の可変表示が特図1のものであるか特図2のものであるか)とに基づいて、例えば図9(A)〜(D)のいずれかに示す特図表示結果決定テーブルを使用テーブルとしてセットする。具体的には、確変フラグ(RAM102の所定領域に設けられて確変状態のときにオン状態となるフラグ)がオフ状態で、変動特図指定バッファ値が「1」を示すものである場合には、図9(A)の第1特図表示結果決定テーブル(非確変)を使用テーブルとしてセットする。確変フラグがオン状態で、変動特図指定バッファ値が「1」を示すものである場合には、図9(B)の第1特図表示結果決定テーブル(確変)を使用テーブルとしてセットする。確変フラグがオフ状態で、変動特図指定バッファ値が「2」を示すものである場合には、図9(C)の第2特図表示結果決定テーブル(非確変)を使用テーブルとしてセットする。確変フラグがオン状態で、変動特図指定バッファ値が「2」を示すものである場合には、図9(D)の第2特図表示結果決定テーブル(確変)を使用テーブルとしてセットする。各特図表示結果決定テーブルでは、例えば、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」とのいずれとするかの決定結果に割り当てられていればよい。
CPU103は、ステップS232又はS236で読み出され、変動用乱数バッファに一時格納した遊技用乱数に含まれる特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データを変動用乱数バッファから読み出し、乱数値MR1を示す数値データに基づいて、使用パターンとしてセットした特図表示結果決定テーブルを参照することにより、乱数値MR1に合致する決定値に割り当てられた「大当り」と「ハズレ」とのいずれかの決定結果を特図表示結果として決定すればよい。
図9に示すように、確変状態のときには、非確変状態のときよりも高い決定割合で、特図表示結果が「大当り」に決定される。したがって、例えば図4に示すステップS117の大当り終了処理により(詳しくは後述する。)、大当り種別が「第1確変」又は「第2確変」であった場合に対応して確変フラグがオン状態にセットされたことなどに基づいて、現在が確変状態であるときには、非確変状態のときよりも、特図表示結果が「大当り」になりやすく、大当り遊技状態になりやすい。つまり、遊技者にとって有利である。
その後、CPU103は、ステップS239の処理により決定された特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS240)。特図表示結果が「大当り」に決定された場合には(ステップS240;Yes)、RAM102の所定領域に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS241)。また、大当り種別を複数種類のいずれかに決定する(ステップS242)。一例として、ステップS242の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された大当り種別決定テーブルを選択し、大当り種別を決定するための使用テーブルに設定する。CPU103は、例えば、図10に示す大当り種別決定テーブルを使用テーブルとしてセットする。大当り種別決定テーブルでは、例えば、図10に示すように、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、大当り種別を「第1通常」、「第2通常」、「第1確変」、「第2確変」のいずれとするかの決定結果に割り当てられていればよい。
CPU103は、ステップS232又はS236で変動用乱数バッファに一時格納した遊技用乱数に含まれる大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データを変動用乱数バッファから読み出し、変動用乱数バッファから読み出した大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データに基づいて、使用テーブルに設定された大当り種別決定テーブルを参照することにより、乱数値MR2に合致する決定値に割り当てられた大当り種別のいずれかを今回の大当り種別として選択すればよい。
ステップS242の処理を実行した後には、大当り種別を記憶させる(ステップS243)。CPU103は、RAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた大当り種別バッファに、大当り種別の決定結果を示す大当り種別バッファ設定値(例えば、「第1通常」の場合には「0」、「第2通常」の場合には「1」、「第1確変」の場合には「2」、「第2確変」の場合には「3」となる値)を格納することにより、大当り種別を記憶させればよい。
特図表示結果が「大当り」でない場合(ステップS240;No)、ステップS243のあとには、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を決定する(ステップS246)。一例として、ステップS240にて特図表示結果が「大当り」ではないと判定された場合には、ハズレ図柄として予め定められた特別図柄を確定特別図柄に決定する。一方、ステップS240にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、ステップS242における大当り種別の決定結果に応じて(大当り種別バッファ設定値に応じて)、複数種類の大当り図柄として予め定められた特別図柄のいずれかを確定特別図柄に決定すればよい。
ステップS246の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“1”に更新してから(ステップS247)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS247にて特図プロセスフラグの値が“1”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図4に示すステップS111の変動パターン設定処理が実行される。
ステップS235にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(ステップS235;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS248)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信設定してから、デモ表示設定を終了する。演出制御基板12では、客待ちデモ指定コマンドが送信されると、デモ画面表示を行う。
図4のステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果などに基づいて、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターンは、飾り図柄の可変表示の内容(可変表示態様)を指定するものであるので、この決定によって、飾り図柄の可変表示の内容が決定される。特別図柄や飾り図柄の可変表示時間は、変動パターンに対応して予め設定されている。なお、大当り時には、後述のように、大当り種別によって可変表示時間は調整されることがある。変動パターン設定処理にて変動パターンを決定すると、特別図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定特別図柄を導出するまでの可変表示時間(特図変動時間)が決定される。さらに、変動パターン設定処理は、特別図柄表示装置4において特別図柄の変動を開始させるための設定を行う処理を含んでもよい。変動パターン設定処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
図11は、変動パターン設定処理として、ステップS111にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS261)。そして、大当りフラグがオンである場合には(ステップS261;Yes)、特図表示結果が「大当り」となる大当り時に対応した変動パターンを決定し(ステップS262A)、決定した変動パターンに対応する特図変動時間に大当り種別に応じて調整時間を加算する処理(詳しくは後述)を行う(ステップS262B)。
ステップS261にて大当りフラグがオフである場合には(ステップS261;No)、特図表示結果が「ハズレ」となるハズレ時に対応した変動パターンを決定する(ステップS263)。
図12は、この実施の形態における変動パターンを示している。この実施の形態では、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様にはならない「非リーチ」である場合とリーチ態様になる「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。
この実施の形態では、「非リーチ」の場合の「ハズレ」の変動パターンとして、PA1−1、PA1−2が用意されている。「リーチ」の場合の「ハズレ」の変動パターンとして、PA2−1(ノーマルリーチが実行される。)、PB2−1(スーパーリーチAが実行される。)、PB2−2(スーパーリーチBが実行される。)、PB2−3(スーパーリーチCが実行される。)が用意されている。また、「大当り」の変動パターンとして、PA4−1(ノーマルリーチが実行される。)、PB4−1(スーパーリーチAが実行される。)、PB4−2(スーパーリーチBが実行される。)、PB4−3(スーパーリーチCが実行される。)が用意されている。
図11に示すステップS262の処理では、例えば図13に示す大当り変動パターン決定テーブルを用いて、大当り時の変動パターンが決定される。一例として、大当り変動パターン決定テーブルでは、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターンの決定結果に割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから変動パターン決定用の乱数値MR3を読み出し、読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、大当り変動パターン決定テーブルを参照することにより、乱数値MR3に該当する決定値に割り当てられた変動パターンを今回使用される変動パターンとして決定(選択)すればよい。例えば、乱数値MR3が「140」である場合、CPU103は、変動パターンPB4−2を選択する。
図11に示すステップS263の処理では、例えば図14に示すハズレ変動パターン決定テーブルを用いて、ハズレ時の変動パターンが決定される。一例として、ハズレ変動パターン決定テーブルでは、遊技状態が時短状態であるか非時短状態であるかに応じて(RAM102の所定領域に設けられた時短フラグ(時短状態のときにオンになるフラグ)によって特定できる。)、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターンの決定結果に割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データと、時短フラグの状態と、に基づいて、ハズレ変動パターン決定テーブルを参照することにより、乱数値MR3に該当する決定値に、時短状態であるか否かに応じて割り当てられた変動パターンを今回使用される変動パターンとして決定(選択)すればよい。例えば、乱数値MR3が「220」である場合、CPU103は、時短フラグがオン状態のときには(時短状態のときには)、変動パターンPA2−1を選択し、時短フラグがオフ状態のときには(非時短状態のときには)、変動パターンPB2−1を選択する。
図14に示すハズレ変動パターン決定テーブルでは、時短状態のときの方が、特図変動時間の短い変動パターンが選択されやすくなっており、時短状態のときには、非時短状態のときよりも平均的な可変表示時間を短縮して、無効な始動入賞の発生を抑制することや、遊技者による遊技球の発射停止(いわゆる「止め打ち」)を低減することができる。また、可変表示の実行頻度を高めることができる。
また、図13及び図14を参照すると、リーチ演出のうちスーパーリーチCが実行されたときが、最も高い割合で可変表示結果が「大当り」となる。そして、スーパーリーチB、スーパーリーチA、ノーマルリーチの順で、可変表示結果が「大当り」となる割合(所謂大当り期待度)が下がっていく。
この実施の形態では、図14に示すように、変動パターンそれぞれには、特別図柄の可変表示時間である特図変動時間(特図変動時間の数値データ)が設定されている。なお、特図変動時間は、単に変動時間ともいう。例えば、特図変動時間それぞれが、ROM101に各変動パターンに対応して格納されることで、特図変動時間が変動パターンそれぞれに設定される。なお、特図変動時間(図14)は、後述のように調整されることがあるので、基本の変動時間として基本特図変動時間ともいう。
大当りフラグがオン状態となっているとき(可変表示結果が「大当り」になるとき)には、ステップS262Bにおいて、ステップS262Aで決定した変動パターンに対応する基本特図変動時間をROM101から取得し、取得した基本特図変動時間に調整時間(調整時間の数値データ)を加算する演算を行う。ステップS262Aのあとに実行されるステップS266では、CPU103は、この加算後の時間を実際の特図変動時間として設定する。一方で、大当りフラグがオフ状態になっているとき(可変表示結果が「ハズレ」になるとき)には、調整時間の加算は行われず、ステップS266では、ステップS263で決定した変動パターンに対応する基本特図変動時間をROM101から取得してそのまま実際の特図変動時間として設定する。
この実施の形態では、可変表示の表示結果が「大当り」になる場合であっても、再抽選演出の実行の有無によらず、共通の大当り時の変動パターンが使用されるため(つまり、特図変動時間が共通になるため)、可変表示結果が「大当り」となる可変表示において再抽選演出を実行する場合には、当該再抽選演出を実行するための期間を確保する必要がある。そこで、この実施の形態では、この実行期間を確保するため、大当り種別に応じて調整時間が設定されている。例えば、図15に示すように、再抽選演出を実行しない種別である「第1通常」又は「第1確変」には、調整時間として0秒が設定されている。一方、再抽選演出を実行する種別である「第2通常」又は「第2確変」には、調整時間として8秒が設定されている。ステップS262Bでは、今回の大当り種別に設定されている調整時間を基本特図変動時間(ステップS262Aで決定した変動パターンに設定されている特図変動時間)に加算するが、大当り種別が再抽選演出を実行しない種別である「第1通常」又は「第1確変」である場合には、基本特図変動時間に調整時間として0秒が加算されるので、実際の特図変動時間が基本特図変動時間と同じ時間となる(つまり、実際に設定される特図変動時間は、基本特図変動時間と変わらない)。一方、大当り種別が再抽選演出を実行する種別である「第2通常」又は「第2確変」である場合には、基本特図変動時間に調整時間として8秒が加算され、実際の特図変動時間が基本特図変動時間よりも8秒だけ長くなる(言い換えると、この8秒分で再抽選演出の実行期間が確保されたことになる)。
CPU103は、ステップS262Bにおいて、例えば、ROM102に予め記憶されている調整時間テーブルを参照して調整時間を特定すればよい。調整時間テーブルは、図15に例示するように、例えば、可変表示結果となる図柄(ここでは、特に大当り種別であり、例えば、大当り種別バッファ設定値によって特定されればよい。)それぞれに、調整時間(つまり、調整時間のデータ)が割り当てられたものであればよい(これによって、大当り種別に調整時間が設定されていることになる。)。CPU103は、例えば、ステップS262Bにおいて、現在の大当り種別バッファ設定値や、ステップS110で決定した確定特別図柄、大当り種別などに基づいて、ROM102に予め記憶されている調整時間テーブルを参照し、当該大当り種別バッファ設定値などに対応している調整時間を今回加算する調整時間として特定し、ステップS262Aで決定した変動パターンに対応する基本変動時間に、特定した調整時間を加算する。
図13に示すステップS262B、S263のいずれかの処理を実行した後には、特図変動時間(変動時間ともいう。)を設定する(ステップS266)。CPU103は、ステップS262Bを実行した場合には、加算後の時間を特図変動時間として設定する。CPU103は、ステップS263を実行した場合には、ステップS263で決定した変動パターンに対応した基本変動時間を特図変動時間として設定する。特図変動時間は、特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されるまでの所要時間である。CPU103は、特図変動時間を設定することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が導出されるタイミングを設定できる。特図変動時間の設定は、例えば、特図変動時間(ステップS262Bを実行した場合には加算後の時間であり、ステップS263を実行した場合にはステップS263で決定した変動パターンに対応した基本変動時間)に応じたタイマ値を、RAM102の所定領域に設けられた遊技制御プロセスタイマに設定することなどによって行われる。
ステップS266の処理に続いて、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのうち、開始条件が成立したいずれかの特図ゲームを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための制御を行う(ステップS267)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信する制御を行う。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信する制御を行う。これによって、特図ゲームが開始される。なお、CPU103は、第1特図を用いた可変表示を開始するときには、第1保留表示器25Aを制御して、1つ減算された第1特図保留記憶数を特定可能な表示を第1保留表示器25Aに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ減らす)ようにしてもよい。なお、CPU103は、第2特図を用いた可変表示を開始するときには、第2保留表示器25Bを制御して、1つ減算された第2特図保留記憶数を特定可能な表示を第2保留表示器25Bに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ減らす)ようにしてもよい。
ステップS267の処理を実行した後には、特図表示結果や変動パターンの決定結果などを演出制御基板12側に通知するために、特別図柄の変動開始時におけるコマンド(変動開始時コマンド)の送信設定が行われる(ステップS268)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して、変動開始時コマンドとして、第1変動開始指定コマンド、変動パターン指定コマンド(ステップS262又はS263で決定した変動パターンを示すEXTデータを含むコマンド)、表示結果指定コマンド(ステップS246で決定した可変表示結果を示すEXTデータを含むコマンド)、第1特図保留記憶数指定コマンド(ステップS237で1減じた第1特図保留記憶数カウント値、つまり、特図ゲームの実行開始によって保留記憶を1つ消化したときの第1特図保留記憶数を示すEXTデータを含むコマンド)を順次に送信するための送信設定を行う。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して、変動開始時コマンドとして、第2変動開始指定コマンド、変動パターン指定コマンド(ステップS262又はS263で決定した変動パターンを示すEXTデータを含むコマンド)、表示結果指定コマンド(ステップS246で決定した可変表示結果を示すEXTデータを含むコマンド)、第2特図保留記憶数指定コマンド(ステップS233で1減じた第2特図保留記憶数カウント値、つまり、特図ゲームの実行開始によって保留記憶を1つ消化したときの第2特図保留記憶数を示すEXTデータを含むコマンド)を順次に送信するための送信設定を行う。
ステップS268の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“2”に更新してから(ステップS269)、変動パターン設定処理を終了する。ステップS269にて特図プロセスフラグの値が“2”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図4に示すステップS112の特別図柄変動処理が実行される。
図4のステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減算する処理などが含まれている。そして、遊技制御プロセスタイマのタイマ値(1減算したあとのタイマ値)が0でないときには、特図変動時間が経過していないので、特図ゲームの可変表示を実行するための制御(例えば、第1特図や第2特図の表示を更新(所定時間特別図柄の表示を維持させるための更新を適宜含む。以下同じ。)させる駆動信号を送信する制御)などを行って第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための処理を行い、特別図柄変動処理を終了する。一方で、遊技制御プロセスタイマのタイマ値が0になり、特別図柄の変動を開始してからの経過時間がステップS111で設定された特図変動時間に達したときには、第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄(ステップS110で設定された確定特別図柄)を停止表示(導出表示)させ(確定特別図柄は、所定時間表示し続けるように制御するとよい。)、また、停止表示されるときに図柄確定指定コマンドの送信設定も行い、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。タイマ割り込みの発生毎にステップS112が繰り返し実行されることによって、特別図柄の可変表示や確定特別図柄の導出表示などが実現される。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。特別図柄停止処理において、CPU103は、大当りフラグがオン状態になっているかを判定する。大当りフラグがオン状態である場合には、時短フラグ、確変フラグをリセットし(オフ状態にし)、RAM102の所定領域に設けられた、時短状態中に実行される可変表示の残り回数(時短残回数)をカウントする時短回数カウンタのカウント値をカウントする時短回数カウンタのカウント値を「0」にする処理が行われる。そして、ファンファーレ待ち時間(大当り遊技状態におけるファンファーレの開始から終了するまでの待ち時間であり、予め定められた時間である。)に対応するタイマ値を初期値として遊技制御プロセスタイマにセットする。そして、RAM102に設けられた、ラウンド遊技をカウントするためのラウンド数カウンタに初期値として「15」を設定する。その後、当り開始指定コマンド及び現在の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンド(ここでは通常状態を指定するコマンド)を送信する設定を行い、特図プロセスフラグを「4」に更新するなどして特別図柄停止処理を終了する。なお、大当り遊技状態後に、遊技状態が変更されるので、ここで遊技状態指定コマンドを送信しなくてもよい。
大当りフラグがオフ状態である場合には、時短フラグがオン状態であるかを判定し、オン状態である場合には、時短回数カウンタのカウント値を「1」減算する。その後、「1」減算したあとのカウント値が「0」であるかを判定し、カウント値が「0」である場合には、時短状態が終了する時短終了条件が成立したので(つまり、時短状態において実行可能な所定回数の可変表示が実行されたので)、時短状態を終了させるために、時短フラグをオフ状態とする。その後、現在の遊技状態に基づいて遊技状態指定コマンドを送信する送信設定を行う。時短フラグがオフ状態である場合、「1」減算したあとのカウント値が「0」でない場合、又は、遊技状態指定コマンド送信設定後には、特図プロセスフラグの値を「0」に更新するなどして特別図柄停止処理を終了する。このとき、遊技制御プロセスタイマなどの各種データ(次の可変表示に持ち越したくないもの)を適宜リセットするとよい。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理では、例えば、遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減算する。減算後のタイマ値が「0」でない場合には、ファンファーレ待ち時間がまだ経過していないことになるので、大当り開放前処理は終了する。減算後のタイマ値が「0」である場合には、ファンファーレ待ち時間が経過し、ラウンド遊技の開始タイミングになったことになる。この場合には、大当り遊技状態においてラウンド遊技の実行を開始して大入賞口を開放状態とする処理(例えば、ソレノイド駆動信号を大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する処理)、大入賞口を開放状態とする期間の上限(ここでは29秒)に対応するタイマ値を遊技制御プロセスタイマに設定する処理などが実行される。大入賞口を開放状態とする処理などが実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。タイマ割り込みの発生毎にステップS114が繰り返し行われることによって、ラウンド遊技の開始タイミングまでの待機(ファンファーレの終了までの待機)及び大入賞口の開放などが実現される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減算する処理や、1減算したあとのタイマ値や、1回のラウンド遊技においてカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数(スイッチ処理でカウントスイッチ23がオン状態と判定される毎に1カウントするカウンタ(RAM102に設けられる。)などによってカウントされればよい。)などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態(又は一部開放状態であってもよい。)に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれる。
1減算したあとのタイマ値が0になった、又は、検出された遊技球の個数(前記カウンタのカウント値)が所定個数(例えば9個)に達したと判定したときには、大入賞口を閉鎖するタイミングになったので、大入賞口を閉鎖状態に戻す処理(例えば、ソレノイド駆動信号を大入賞口扉用のソレノイド82に伝送することを停止してソレノイド82をオフとする処理)や、大入賞口の閉鎖期間(ラウンド遊技のインターバル期間であり、予め設定されている期間)に対応するタイマ値を遊技制御プロセスタイマに設定する処理や、ラウンド数カウンタのカウント値を1減じる処理などが実行される。1減算したあとのタイマ値が0になってもなく、検出された遊技球の個数も所定個数に達していない場合には、大入賞口の開放状態に維持する処理(例えば、ソレノイド駆動信号の供給を継続する処理)などを行って、大当り開放中処理を終了する。大入賞口を閉鎖状態に戻したときには、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。タイマ割り込みの発生毎にステップS115が繰り返し行われることによって、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングまで大入賞口の開放状態が維持されることになる。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理では、ラウンド数カウンタのカウント値が「0」になったか否かを判定する処理や、「0」になっていない場合に遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減じる処理などが行われる。
ラウンド数カウンタのカウント値が「0」であると判定された場合には、ラウンド遊技が上限回数に達したことになるので、遊技制御プロセスタイマにエンディング待ち時間(大当り遊技状態のおけるエンディングの開始から終了するまでの待ち時間であり、予め定められた時間である。)に対応したタイマ値を遊技制御プロセスタイマに設定する。また、当り終了指定コマンドを送信する設定を行い、特図プロセスフラグを“7”に更新する処理なども行う。
遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減じる処理を行った場合には、1減じたあとのタイマ値が0であるかを判定し、0でない場合には、ラウンド遊技の開始タイミングでないので、閉鎖状態が維持され、大当り開放後処理は終了する。0である場合には、ラウンド遊技の開始タイミングになったので、大入賞口を開放状態とする処理、大入賞口を開放状態とする期間の上限(ここでは、29秒)に対応するタイマ値を遊技制御プロセスタイマに設定する処理などが実行される。大入賞口を開放状態とする処理などが実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
タイマ割り込みの発生ごとにステップS114で大入賞口が開放されてからS115、S116が繰り返し実行されることによって、各ラウンド遊技が実現される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。大当り終了処理では、遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減じる処理などが行われる。1減じたタイマ値が0でなっていない場合には、エンディングが終了していないので、そのまま大当り終了処理を終了する。1減じたタイマ値が0になった場合には、エンディングが終了するので、大当り種別バッファに格納された大当り種別(大当り種別バッファ設定値)に応じて、時短フラグ、時短回数カウンタ、確変フラグなどの状態を設定する。
例えば、大当り種別が「第1確変」又は「第2確変」であれば、時短フラグ及び確変フラグをオン状態とするとともに、RAM102の所定領域に設けられた時短回数カウンタにカウント初期値として「100」を設定する。大当り種別が「第1通常」又は「第2通常」であれば、時短フラグのみをオン状態とするとともに、時短回数カウンタにカウント初期値として「100」を設定する。大当り終了処理では、このような設定のあと、設定に応じた遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドを送信する送信設定を行い、遊技制御プロセスタイマや、大当り種別バッファ設定値などの各種データ(次の可変表示に持ち越したくないもの)を適宜リセットして特図プロセスフラグの値を“0”に更新する。
次に、演出制御基板12における主な動作を説明する。
演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、所定の演出制御メイン処理を実行する。演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。その後、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)に設けられたタイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば、待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
タイマ割込みフラグがオンである場合には、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに、コマンド解析処理を実行する。コマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファ(RAM122に設けられる。)に格納されている各種の制御コマンドを読み出した後に、その読み出された制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
コマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する。演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5や演出ユニット55の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった発光体における点灯動作などといった各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され、演出制御に用いる各種の乱数値として、RAM122のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定に戻る。
コマンド解析処理について図16を参照して説明する。コマンド解析処理において、演出制御用CPU120は、変動開始時コマンドの受信をしたかを判定し(ステップS681)、受信している場合には(ステップS681;No)、変動開始時コマンドに含まれる変動パターン指定コマンドが指定する変動パターンと、変動開始時コマンドに含まれる表示結果指定コマンドが指定する可変表示結果と、に基づいて、変動パターンの振り分けを行う(ステップS682)。上述のように、主基板11側では、大当り種別(再抽選演出の有無)に係わらず共通の変動パターンが使用される。このため、演出制御基板12側では、変動パターン指定コマンドが指定する変動パターンのみでは、再抽選の有無、特図変動時間などを把握できない。そこで、演出制御基板12側では、主基板11側とは異なる後述の演出側変動パターンを用意しておき、ステップS682において、変動パターン指定コマンドが指定する変動パターンを当該演出側変動パターンに振り分け、振り分け後の演出側変動パターンに基づいて、後述の各種処理を行う。演出側変動パターンは、大当り時の変動パターンについて、大当り種別に応じて異なるパターンとなっており、これによって、主基板11側で決定された変動パターン及び大当り種別(再抽選演出の有無)に対応した可変表示中演出を演出制御基板12側で実行できる。
演出制御用CPU120は、例えば、ROM121に予め記憶された振分テーブルを参照して、変動パターンの振り分けを行う。振分テーブルは、例えば、図17に示すように、変動パターン指定コマンドによって指定される変動パターンと、表示結果指定コマンドによって指定される可変表示結果と、の組合せそれぞれについて、演出側変動パターンが割り当てられていればよい。なお、図17では、参考のため、各演出側変動パターンに設定されている特図変動時間と、当該振り分け後の変動パターンにおける再抽選の有無も示されている。
図17に示すように、指定される可変表示結果が「ハズレ」の場合には、変動パターン指定コマンドによって指定される変動パターンと演出側変動パターンとが一対一になるように、指定される変動パターンが演出側変動パターンに割り当てられており、各演出側変動パターンには、主基板11側と同じ特図変動時間(基本特図変動時間)が割り当てられている。
また、表示結果指定コマンドによって指定される可変表示結果が「大当り」の場合には、変動パターン指定コマンドによって指定される変動パターンそれぞれについて、可変表示結果の大当り種別ごとに4つの演出側変動パターンが割り当てられている。そして、「第1通常」及び「第1確変」の可変表示結果に割り当てられている演出側変動パターンには、主基板11側と同じ特図変動時間(基本特図変動時間)が割り当てられている。「第2通常」及び「第2確変」の可変表示結果に割り当てられている演出側変動パターンには、基本特図変動時間に主基板11と同様の調整時間8秒が加算された時間が特図変動時間として割り当てられている。
演出制御基板12で設定される特図変動時間は、主基板11側で設定される特図変動時間と同じ時間になるように、演出側変動パターンそれぞれに設定されている。
例えば、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドによって指定される変動パターンと、表示結果指定コマンドによって指定される可変表示結果と、に基づいて、振分テーブルを参照して、当該変動パターンと可変表示結果との組合せに割り当てられている演出側変動パターンを今回使用する変動パターンとして特定する。これによって、変動パターンの振り分けが行われる。特定された演出側変動パターンは、例えば、RAM122の所定領域に設けられた演出側変動パターンバッファに格納されればよい。
例えば、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドによって指定される変動パターンが変動パターンPA1−1であったときには、当該変動パターンに割り当てられている演出側変動パターンPA1−1を今回使用する変動パターンとして特定する。
なお、可変表示結果が「ハズレ」の場合には、変動パターンが主基板11側と演出基板12側で一対一に対応するので、変動パターン指定コマンドによって指定される変動パターンをそのまま、今回使用する変動パターンとして特定してもよい。
例えば、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドによって指定される変動パターンが変動パターンPB4−3であったときには、表示結果指定コマンドによって指定される可変表示結果の大当り種別が「第1通常」であれば、両者の組合せに割り当てられている演出側変動パターンPB4−3−1を今回使用する変動パターンとして特定し、表示結果指定コマンドによって指定される可変表示結果の大当り種別が「第2通常」であれば、両者の組合せに割り当てられている演出側変動パターンPB4−3−2を今回使用する変動パターンとして特定し、表示結果指定コマンドによって指定される可変表示結果の大当り種別が「第1確変」であれば、両者の組合せに割り当てられている演出側変動パターンPB4−3−3を今回使用する変動パターンとして特定し、表示結果指定コマンドによって指定される可変表示結果の大当り種別が「第2確変」であれば、両者の組合せに割り当てられている演出側変動パターンPB4−3−4を今回使用する変動パターンとして特定する。なお、特図変動時間は、演出側変動パターンPB4−3−1及びPB4−3−3については、変動パターンPB4−3の基本特図変動時間と同じ時間になっており、演出側変動パターンPB4−3−2及びPB4−3−4については、変動パターンPB4−3の基本特図変動時間に調整時間の8秒が加算された時間になっている。
ステップS682のあとは、他の演出制御コマンドの解析処理などを行う(ステップS689)。
図18は、各演出制御コマンドについてコマンド解析処理にて行われる処理の表を示す図である。表における各受信フラグや、各格納領域は、RAM122の所定領域に設けられる。また、受信フラグをセットとは、オン状態にすることである。なお、受信フラグや格納領域に格納されるコマンドなどは、適宜のタイミングで適宜クリアされてもよい(例えば、一度受信フラグによってコマンドの受信が確認された場合であって、再度の確認が後の処理にて無い場合などに適宜クリアする)。
演出制御用CPU120は、遊技状態指定コマンドを受信しているときには、受信した遊技状態指定コマンドの内容に基づいて、高確フラグ及び高ベースフラグのオン状態・オフ状態を切り替える。高確フラグは、例えば、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)に設けられ、確変状態になったことに対応してオン状態になるものであり、主基板11側の確変フラグのオン状態・オフ状態の切り替えに対応して、オン状態・オフ状態が切り替わる。高ベースフラグは、例えば、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)に設けられ、時短状態になったことに対応してオン状態になるものであり、主基板11側の時短フラグのオン状態・オフ状態の切り替えに対応して、オン状態・オフ状態が切り替わる。例えば、演出制御用CPU120は、遊技状態指定コマンドが高確高ベース状態を指定するものである場合(例えば、確変フラグ及び時短フラグがオン状態であることを指定する場合)、高確フラグ及び高ベースフラグの両者をオン状態にする(すでにオン状態である場合には、オン状態を維持する。以下、両フラグについてのオン状態、オフ状態について同じ)。遊技状態指定コマンドが高確低ベース状態を指定するものである場合(例えば、確変フラグがオン状態で時短フラグがオフ状態であることを指定する場合)、高確フラグをオン状態とし、高ベースフラグをオフ状態にする。遊技状態指定コマンドが低確低ベース状態(通常状態)を指定するものである場合(例えば、確変フラグ及び時短フラグがオフ状態であることを指定する場合)、高確フラグ及び高ベースフラグをともにオフ状態にする。
また、第1特図保留記憶数指定コマンドや第2特図保留記憶数指定コマンドを受信したときには、表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送するなどして、現在表示中の保留表示図柄の数を、各コマンドが指定する記憶数に応じた数に変化させるようにしてもよい。なお、保留表示図柄の数を減らすのは、後述のステップS171のときであってもよい。
図19は、演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図19に示す演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)に設けられた演出プロセスフラグの値(最初は、“0”である。)に応じて、以下のようなステップS170〜S175の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11からの第1変動開始指定コマンドあるいは第2変動開始指定コマンドなどを受信したか否か(例えば、各受信フラグがオン状態になっているか否か)に基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。第1変動開始指定コマンドあるいは第2変動開始指定コマンドなどを受信し、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始すると判定した場合には、演出プロセスフラグの値が“1”に更新される。それ以外の場合には、演出プロセスフラグの値の更新を行わずに可変表示開始待ち処理を終了する。
なお、この可変表示開始待ち処理において、飾り図柄の可変表示を開始すると判定していない場合であって、客待ちデモ指定コマンドが送信されると(客待ちデモ指定コマンド受信フラグがオン状態となっている場合)、演出制御用CPU120は、デモ画面表示を行うための制御を行う(このとき、例えば、当該フラグをクリアしてオフする。)。デモ画面表示は、ROM121に記憶されている演出制御パターンなどの各種データを用いて実行される。例えば、演出制御用CPU120は、表示制御部123を制御してデモ画像を画像表示装置5に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(音声信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった演出動作制御を行う。タイマ割り込み毎に当該演出動作制御が繰り返し実行されることで、デモ画面表示の実行が実現する。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。図20は、可変表示開始設定処理の一例を示すフローチャートである。可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば主基板11から伝送された表示結果指定コマンド(表示結果指定コマンド格納領域に格納されているコマンド)などに基づいて、特図表示結果が「ハズレ」となるか否かを判定する(ステップS521)。特図表示結果が「ハズレ」のときには(ステップS521;Yes)、例えば演出側変動パターンバッファに格納した演出側変動パターンが、飾り図柄の可変表示態様をリーチ態様としない「非リーチ」の場合に対応した非リーチ演出側変動パターン(PA1−1、PA1−2)であるか否かを判定する(ステップS522)。特図表示結果が「ハズレ」となるか否かの判定は、演出側変動パターンバッファに記憶された演出側変動パターンに基づいて行ってもよい。
ステップS522にて非リーチ演出側変動パターンであると判定された場合には(ステップS522;Yes)、非リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS523)。一例として、ステップS523の処理では、まず、乱数回路124またはRAM122の所定領域に設けられた演出用ランダムカウンタ等により更新される非リーチ組合せの飾り図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、抽出した数値データに基づいて、ROM121に予め記憶されて用意された非リーチ組合せの飾り図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄(非リーチ組合せの飾り図柄)を決定する。
ステップS522にて非リーチ演出側変動パターンではないと判定された場合(演出側変動パターンが、PA2−1、PB2−1〜PB2−3のとき)には(ステップS522;No)、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS524)。一例として、ステップS524の処理では、まず、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新されるリーチ組合せの飾り図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、抽出した数値データに基づいて、ROM121に予め記憶されて用意されたリーチ組合せの飾り図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄(リーチ組合せの飾り図柄)を決定する。
ステップS521にて特図表示結果が「ハズレ」ではないと判定されたとき(演出側変動パターンがハズレ時の演出側変動パターンでないとき)には(ステップS521;No)、主基板11から伝送された表示結果指定コマンド(表示結果指定コマンド格納領域に格納されているコマンド)によって特定される大当り種別に応じて、大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS525)。なお、大当り種別は、演出側変動パターンによって特定してもよい。演出側変動パターンは、大当り種別ごとに用意されているため、大当り種別は、演出側変動パターンによっても特定できる。一例として、ステップS525の処理では、まず、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。続いて、例えば主基板11から伝送された表示結果指定コマンド(表示結果指定コマンド格納領域に格納されているコマンド)によって特定される大当り種別に応じて、ROM121に予め記憶されて用意された第1大当り確定図柄決定テーブル(乱数値と比較される決定値が決定結果としての通常図柄に割り当てられたテーブル)又は第2大当り確定図柄決定テーブル(乱数値と比較される決定値が決定結果としての確変図柄に割り当てられたテーブル)のいずれかを使用テーブルに設定する。演出制御用CPU120は、前記で抽出した数値データに基づいて、使用テーブルに設定した第1大当り確定図柄決定テーブル(大当り種別が「第1通常」、「第2通常」である場合)又は第2大当り確定図柄決定テーブル(大当り種別が「第1確変」、「第2確変」である場合)を参照することなどにより、画像表示装置5の表示領域における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。例えば、大当り種別が「第1通常」、「第2通常」である場合には、第1大当り確定図柄決定テーブルを参照して、通常図柄のいずれかを今回の可変表示で揃って導出表示する確定飾り図柄と決定する。例えば、大当り種別が「第1確変」、「第2確変」である場合には、第2大当り確定図柄決定テーブルを参照して、確変図柄のいずれかを今回の可変表示で導出表示する確定飾り図柄と決定する。なお、例えば、大当り組合せを構成する飾り図柄として揃って導出され得る通常図柄を「6」のみとし、確変図柄を「7」のみとし、大当り種別が「第1通常」、「第2通常」である場合には、「6」を確定飾り図柄と決定し、大当り種別が「第1確変」、「第2確変」である場合には、「7」を確定飾り図柄と決定するようにしてもよい。なお、このような場合には、リーチ態様を構成する飾り図柄も「6」又は「7」にするようにするとよい。また、非リーチ組合せの飾り図柄が導出表示される場合に、最初に導出表示される飾り図柄も「6」又は「7」にするようにするとよい。
ステップS523、S524、S525のあと、演出制御用CPU120は、演出制御パターン設定処理を実行する(ステップS530)。図21は、演出制御パターン設定処理の一例のフローチャートである。演出制御用CPU120は、演出制御パターン設定処理において、まず、予告演出の実行の有無などを決定する(ステップS771)。
ステップS771では、演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される乱数値SR1を示す数値データを抽出し、抽出した数値データに基づいて予告演出実行決定テーブル(ROM121の所定領域に予め記憶されている)を参照して、予告演出の実行の有無などを決定する。
図22は、予告演出実行決定テーブルの構成例を示す図である。予告演出実行決定テーブルでは、乱数値SR1と比較される決定値(図22では、決定割合(選択割合)が記載されている。)が、「実行無し」(予告演出を実行しない決定結果)と、「予告演出A」(予告演出Aを実行する決定結果)と、「予告演出B」(予告演出Bを実行する決定結果)と、「予告演出C」(予告演出Cを実行する決定結果)と、の決定結果それぞれに、演出側変動パターンバッファに格納されている演出側変動パターンによって特定される可変表示結果や可変表示態様に応じて、異なる割合で割り当てられていればよい。
この実施の形態では、演出側変動パターンがPA1−1、PA1−2であるなどして、今回実行される可変表示結果が非リーチ組合せになる場合には、97%の割合で「実行無し」の決定結果が選択され、1%の割合で「予告演出A」の決定結果が選択され、1%の割合で「予告演出B」の決定結果が選択され、1%の割合で「予告演出C」の決定結果が選択されるように予告演出実行決定テーブルが構成されればよい。
この実施の形態では、演出側変動パターンがPA2−1であるなどして、今回実行される可変表示結果がノーマルリーチ後のリーチハズレ組合せになる場合には、76%の割合で「実行無し」の決定結果が選択され、8%の割合で「予告演出A」の決定結果が選択され、8%の割合で「予告演出B」の決定結果が選択され、8%の割合で「予告演出C」の決定結果が選択されるように予告演出実行決定テーブルが構成されればよい。
この実施の形態では、演出側変動パターンがPB2−1〜PB2−3のいずれかであるなどして、今回実行される可変表示結果がスーパーリーチ後のリーチハズレ組合せになる場合には、55%の割合で「実行無し」の決定結果が選択され、15%の割合で「予告演出A」の決定結果が選択され、15%の割合で「予告演出B」の決定結果が選択され、15%の割合で「予告演出C」の決定結果が選択されるように予告演出実行決定テーブルが構成されればよい。
この実施の形態では、演出側変動パターンがPA4−1−1、PA4−1−3、PB4−1−1、PB4−1−3、PB4−2−1、PB4−2−3、PB4−3−1、PB4−3−3のいずれかであるなどして、今回実行される可変表示結果が再抽選演出無しで「大当り」になる場合には、10%の割合で「実行無し」の決定結果が選択され、40%の割合で「予告演出A」の決定結果が選択され、30%の割合で「予告演出B」の決定結果が選択され、20%の割合で「予告演出C」の決定結果が選択されるように予告演出実行決定テーブルが構成されればよい。
この実施の形態では、演出側変動パターンがPA4−1−2、PA4−1−4、PB4−1−2、PB4−1−4、PB4−2−2、PB4−2−4、PB4−3−2、PB4−3−4のいずれかであるなどして、今回実行される可変表示結果が再抽選演出有りで「大当り」になる場合には、5%の割合で「実行無し」の決定結果が選択され、20%の割合で「予告演出A」の決定結果が選択され、30%の割合で「予告演出B」の決定結果が選択され、45%の割合で「予告演出C」の決定結果が選択されるように予告演出実行決定テーブルが構成されればよい。
演出制御用CPU120は、乱数値SR1と、演出側変動パターンなどと、に基づいて、予告演出実行決定テーブルを参照し、乱数値SR1に合致する決定値が、演出側変動パターンなどに応じて、「実行無し」に割り当てられていた場合には予告演出を実行しないと決定し(「実行無し」が選択されたことになる。)、「予告演出A」に割り当てられていた場合には予告演出Aを実行すると決定し(「予告演出A」が選択されたことになる。)、「予告演出B」に割り当てられていた場合には予告演出Bを実行すると決定し(「予告演出B」が選択されたことになる。)、「予告演出C」に割り当てられていた場合には予告演出Cを実行すると決定する(「予告演出C」が選択されたことになる。)。
図22の決定割合が示すように、この実施の形態では、表示結果が「大当り」のときには、表示結果が「ハズレ」のときに比べて「実行無し」が選択されにくく、「予告演出A」〜「予告演出C」のいずれかが選択されやすくなっている。このため、「予告演出A」〜「予告演出C」が実行された場合には、当該可変表示の大当り期待度は向上する。つまり、「予告演出A」〜「予告演出C」は、大当り期待度が高いことを予告するものでもある。また、表示結果が「ハズレ」のときであっても、スーパーリーチが実行されるときには、「予告演出A」〜「予告演出C」が、スーパーリーチが実行されないときより選択されやすくなっているので、「予告演出A」〜「予告演出C」が実行された場合には、スーパーリーチが実行される可能性が比較的高いことを予告できる。また、再抽選演出有りの「大当り」と再抽選演出無しの「大当り」とで、予告演出A〜Cの決定割合が異なるようになっている。これによって、予告演出A〜Cのいずかが実行されることで、再抽選演出の実行の有無の割合を予告できる。
予告演出は、キャラクターがセリフを言うセリフ予告演出、これからリーチになるか否かなどを選択肢の提示と選択肢の選択によって予告する選択演出、遊技の方法を説明する説明演出、段階的にキャラクターを登場させるステップアップ演出、背景を変化させる背景予告演出など、適宜の態様を取るものであればよい。予告演出A〜Cは、少なくとも一部の予告演出が同じ種類の予告演出で、態様が異なるものであってもよい。例えば、予告演出A〜Cそれぞれの少なくとも一部を、キャラクターやセリフが異なるセリフ予告演出としてもよい。予告演出A〜Cそれぞれの少なくとも一部を、キャラクターの登場段階が異なるステップアップ演出としてもよい。予告演出A〜Cそれぞれの少なくとも一部を、背景が異なる背景演出としてもよい。予告演出A〜Cは、異なる種類の予告演出であってもよい。例えば、予告演出Aをセリフ予告演出とし、予告演出Bをステップアップ演出とし、予告演出Cを背景演出としてもよい。
ステップS771のあと、演出制御用CPU120は、演出側変動パターン、確定飾り図柄、予告演出の実行の有無などに基づいて、演出制御パターンを使用パターンとして設定し(ステップS778)、本処理を終了する。例えば、ステップS778では、確定飾り図柄(最終停止図柄)を最終的に導出表示させる、演出側変動パターンが指定する態様での可変表示中演出を実行させる演出制御パターンを使用パターンとして設定する。なお、予告演出を実行すると決定している場合には、実行すると決定した予告演出A〜Cのいずれかをさらに実行させる演出制御パターンを使用パターンとして設定する。例えば、演出側変動パターンがPB4−3−4であって、最終停止図柄(確定飾り図柄)を「7」とし、予告演出Aを実行する場合には、予告演出AやスーパーリーチCを実行してから一度通常図柄を揃って仮停止させ(通常図柄をどの図柄にするかを乱数値やテーブルを用いて決定してもよい。)、その後に確変図柄である「7」を導出表示する再抽選当選演出を実行する演出制御パターンを使用パターンに設定する。例えば、演出側変動パターンがPB4−3−2であって、最終停止図柄(確定飾り図柄)を「6」とする場合には、一度通常図柄を揃って仮停止させ(通常図柄をどの図柄にするかを乱数値やテーブルを用いて決定してもよい。)、その後に通常図柄である「6」を導出表示する再抽選落選演出を実行する演出制御パターンを使用パターンに設定する。例えば、演出側変動パターンがPB4−3−3であって、最終停止図柄(確定飾り図柄)を「7」とする場合には、「7」でリーチ態様としてスーパーリーチCを実行してから確変図柄である「7」を導出表示する演出制御パターンを使用パターンに設定する。
演出制御パターンを使用パターンとして設定するときには、設定され得る全ての演出制御パターン(演出側変動パターン、確定飾り図柄、及び、予告演出などのそれぞれの各組合せに対応する演出制御パターン)をROM121に記憶させるなどして予め用意して、用意された複数の演出制御パターンのうちから、今回の演出側変動パターン、予告演出の実行有無や今回の態様、及び、今回の確定飾り図柄などに対応する演出制御パターンを使用パターンとして設定してもよいし、演出側変動パターンや確定飾り図柄それぞれに対応する基本的な演出制御パターンや、予告演出それぞれに対応する基本的な演出制御パターンなどをROM121に記憶させるなどして予め用意し、演出側変動パターンや確定飾り図柄、予告演出を実行する場合にはその態様などに応じて基本的な演出制御パターンを組み合わせて、組み合わせた演出制御パターンを使用パターンとして設定してもよい。
ステップS530のあとには、演出制御用CPU120は、例えば演出側変動パターンに対応して、RAM122の所定領域に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値(演出側変動パターンに対応する変動時間に応じた初期値、図17参照)を設定する(ステップS531)。なお、ここで設定される変動時間は、主基板11側で設定される特図変動時間を同じになる。
そして、画像表示装置5における飾り図柄などの変動を開始させるための設定(演出動作制御の開始設定)を行う(ステップS533)。このときには、例えばステップS530にて使用パターンとして決定(設定)された演出制御パターンに含まれる表示制御データに基づいて表示制御部123を制御し、表示制御部123から画像表示装置5に画像データを送信させ、画像表示装置5の表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS534)、可変表示開始設定処理を終了する。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。図23は、可変表示中演出処理の一例を示すフローチャートである。可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば演出制御プロセスタイマのタイマ値に基づいて、変動パターンに対応した可変表示時間(特図変動時間)が経過したか否かを判定する(ステップS551)。一例として、ステップS551の処理では、演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減じ、1減じたタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられたデータが終了コードであるか否かを判定することによって、特図変動時間が経過したかを判定する。
終了コードでない場合、つまり、特図変動時間が経過していない場合(ステップS551;No)、演出制御用CPU120は、使用パターンとして選択された演出制御パターンに含まれるデータのうちの、演出制御プロセスタイマのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられた演出を実行するための演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなど)に基づいて、表示制御部123を制御して画像表示装置5に演出画像(特に、飾り図柄の可変表示、予告演出、リーチ演出、再抽選演出などのうち実際に実行する演出の演出画像)を表示させることや、音声制御基板13に対する指令(音声信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった演出動作制御を行う(ステップS560)。タイマ割り込み毎にステップS560が繰り返し実行されることで、飾り図柄の可変表示、予告演出、リーチ演出、再抽選演出などの実行(上記演出のうち演出制御パターンで実行が規定されている演出の実行)が実現する。ステップS560のあと、可変表示中演出処理は終了する。
ステップS551の処理で1減じたタイマ値に対応するデータが終了コードであり、特図変動時間が飾り図柄の可変表示(特図ゲームでもある)の開始から経過した場合には(ステップS551;Yes)、主基板11から伝送される図柄確定指定コマンドの受信があったか否か(図柄確定指定コマンド受信フラグがオン状態であるか否か)を判定する(ステップS561)。このとき、図柄確定指定コマンド受信フラグがオフで図柄確定指定コマンドの受信がなければ(ステップS561;No)、可変表示中演出処理を終了して待機する。なお、可変表示時間が経過した後、図柄確定指定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定指定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。
ステップS561にて図柄確定指定コマンドの受信があった場合には(ステップS561;Yes)、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送することといった、飾り図柄の可変表示において可変表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)(ステップS171で決定した組合せの確定飾り図柄)を導出表示させる制御を行う(ステップS562)。このときには、当り開始指定コマンド受信待ち時間に対応するタイマ値を演出制御プロセスタイマなどに設定する(ステップS563)。そして、演出プロセスフラグの値を特図当り待ち処理に対応した値である“3”に更新し(ステップS564)、可変表示中演出処理を終了する。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、例えば、当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、当り開始指定コマンドの受信があったと判定した場合には、大当り遊技状態時に対応した演出を実行するための演出制御パターンを使用パターンとして選択し、さらに使用パターンとして選択した演出制御パターンの実行時間に応じたタイマ初期値を演出制御プロセスタイマに設定する。その後、演出プロセスフラグの値を“4”に更新する。
当り開始指定コマンドの受信がないと判定した場合には、演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減算し、1減算したタイマ値が0でない場合には、特図当り待ち処理を終了する。一方で、1減算したタイマ値が0である場合(当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過したとき)には、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する(このときには、各受信フラグや、各格納領域に格納されたデータなど(次の可変表示に持ち越したくないもの)は、適宜リセットされる)。
ステップS174の当り中処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この当り中処理において、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減じ、使用パターンとして選択された演出制御パターンに含まれるデータのうちの、1減じたあとのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられた、演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなど)に基づいて、表示制御部123を制御して演出画像を画像表示装置5に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(音声信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった演出動作制御を行う。タイマ割り込み毎にステップS174が繰り返し実行されることで、大当り遊技状態に対応した演出(例えば、ファンファーレを含み、エンディングを除く演出)の実行が実現する。当り中処理では、さらに、当り終了指定コマンドを受信したかを判定し、当り終了指定コマンドを受信していない場合、各ラウンド遊技が全て終了していないので、演出制御プロセスフラグの値を更新せずに当り中処理を終了する。また、当り終了指定コマンドを受信した場合には、各ラウンド遊技が全て終了したことになるので、エンディング演出の実行を開始するため、演出制御プロセスフラグの値をステップS175に対応した値である“5”に更新する。なお、この更新時では、エンディングを実行するための演出制御パターンを使用パターンとして選択し、さらに使用パターンとして選択した演出制御パターンの実行時間に応じたタイマ初期値を演出制御プロセスタイマに設定する。
ステップS175のエンディング処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。このエンディング処理において、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減じ、使用パターンとして選択された演出制御パターンに含まれるデータのうちの、1減じたあとのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられた、演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなど)に基づいて、表示制御部123を制御して演出画像を画像表示装置5に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(音声信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった演出動作制御を行う。タイマ割り込み毎にステップS175が繰り返し実行されることで、エンディングの演出の実行が実現する。1減じたあとのタイマ値が「0」であったり、1減じたあとのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられたデータが終了コードであったりする場合には、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する(このときには、各受信フラグや、各格納領域に格納されたデータなど(次の可変表示に持ち越したくないもの)は、適宜リセットされる)。
上記一連の処理で実現する演出動作のうち、可変表示結果が「大当り」となる可変表示において行われる演出動作を、図24を参照して説明する。図24(A)のように、大当り種別が「第1通常」の場合には、可変表示開始後、通常図柄でのリーチが成立し、所定のリーチ演出が実行されて、通常図柄が揃う大当り組合せの確定飾り図柄が導出表示される。図24(B)のように、大当り種別が「第2通常」の場合には、可変表示開始後、通常図柄でのリーチが成立し(例えば、「第1通常」と同様の時期にリーチを成立させることで、その後に再抽選演出が実行されるか否かなどを把握し難くするとよい。)、所定のリーチ演出が実行されて、通常図柄が揃って仮停止し、その後、再抽選落選演出が実行され、通常図柄が揃う大当り組合せの確定飾り図柄が導出表示される。
図24(C)のように、大当り種別が「第1確変」の場合には、可変表示開始後、確変図柄でのリーチが成立し、所定のリーチ演出が実行されて、確変図柄が揃う大当り組合せの確定飾り図柄が導出表示される。図24(D)のように、大当り種別が「第2確変」の場合には、可変表示開始後、通常図柄でのリーチが成立し(例えば、「第1通常」や「第2通常」と同様の時期にリーチを成立させることで、その後に再抽選演出が実行されるか否かなどを把握し難くするとよい。)、所定のリーチ演出が実行されて、通常図柄が揃って仮停止し、その後、再抽選当選演出が実行され、確変図柄が揃う大当り組合せの確定飾り図柄が導出表示される。
図24に示すようにこの実施の形態では、大当り種別が「第1通常」や「第1確変」の場合(つまり再抽選演出が実行されない場合)の可変表示結果(確定飾り図柄)の導出タイミングと、大当り種別が「第2通常」や「第2確変」の場合(つまり再抽選演出が実行される場合)の通常図柄を揃って仮停止させるタイミングと、が略同じタイミングとなっており、再抽選演出が実行される場合の可変表示結果(確定飾り図柄)の導出タイミングは、再抽選演出が実行されない場合の可変表示結果(確定飾り図柄)の導出タイミングよりも8秒遅れている。この8秒は、基本特図変動時間に加算される調整時間分である。つまり、この実施の形態では、調整時間の加算によって、再抽選演出の実行期間として8秒が確保されることになる。
次に再抽選演出が実行される場合に画像表示装置5に表示される演出画像を図25を参照して説明する。飾り図柄の可変表示の実行中(図25(A)参照、矢印は飾り図柄が可変表示されている様子を示す。)、通常図柄でリーチが成立する(図25(B)参照)。その後、通常図柄が揃って仮停止され(図25(C)参照)、再抽選演出が開始され、飾り図柄が揃った状態で再び変動するとともに、確変大当り遊技状態になるか否かを期待させる演出(「確変??」の文字の表示)が再抽選演出の一部として実行される(図25(D)参照)。その後、大当り種別が「第2通常」で再抽選落選演出が実行される場合には、通常図柄(ここでは、「6」)が揃って確定飾り図柄として導出表示される(図25(E)参照)。大当り種別が「第2確変」で再抽選当選演出が実行される場合には、確変図柄(ここでは、「7」)が揃って確定飾り図柄として導出表示される(図25(F)参照)。
この実施の形態では、可変表示結果が「大当り」となる場合において、再抽選演出を実行するか否かに関わらず、共通の変動パターンが使用され(図12参照)、特図変動時間についても再抽選演出を実行する場合(大当り種別が「第2通常」又は「第2確変」の場合)には調整時間の加算(ステップS262B)によって基本特図変動時間から変化させるので(図15の調整時間参照)、少ない種類の特図変動時間(基本特図変動時間)と変動パターンで、再抽選演出の有無に応じた複数の可変表示中演出を実行することができ、再抽選演出の実行の有無それぞれについて変動パターンや特図変動時間を用意するよりも主基板11側のデータの削減が行える。そして、この実施の形態では、大当り種別によっては特図変動時間を変化させない場合(大当り種別が「第1通常」又は「第1確変」の場合であり、再抽選演出を実行しない場合であって、基本特図変動時間を実際の特図変動時間とする場合)があるが、この場合であっても、基本特図変動時間を変化させない0秒の調整時間を基本特図変動時間に加算するようにしている。このため、今回の大当り種別が基本特図変動時間を変化させるものであるか否かの判別し、基本特図変動時間を変化させるものと判別したときに調整時間を基本特図変動時間に加算して特図変動時間を変化させるよりも、今回の大当り種別が基本特図変動時間を変化させるものであるか否かの判別を削減でき、主基板11側のプログラムの容量を減らすことができる。
また、この実施の形態では、可変表示結果が「大当り」のときにのみ、基本特図変動時間を変化させて変化後の特図変動時間を用いるが、調整時間の加算(ステップS262B)を可変表示結果が「大当り」であると判定したこと(ステップS261;Yes)を条件として実行される処理(ステップS262A)とともに実行するため(ステップS262)、調整時間の加算するタイミングにおいて可変表示結果が「大当り」であるか否かの判別をする必要がなく、当該判別を削減できるので、主基板11側のプログラムの容量を減らすことができる。
さらに、この実施の形態では、ステップS262Bにおいて、1つの変動パターンに設定されている基本特図変動時間は、当該1つの変動パターンについて大当り種別に応じて取り得る特図変動時間のうち最も短い期間になっており、基本特図変動時間に調整時間を加算するのみで、実際の特図変動時間にしているので、特図変動時間の設定のための処理を簡単にできる。
また、この実施の形態では、可変表示結果が「大当り」となるときにのみ、特図変動時間を変化させてバリエーションを持たせているので、「大当り」について多様化でき、遊技の興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態では、予告演出A〜Cそれぞれを実行するとの決定割合を可変表示パターンや大当り種別に応じて異なるようにしているので、予告演出A〜Cのいずれが実行されるかを遊技者が注目し、遊技の興趣が向上している。特に、この実施の形態では、再抽選演出が実行されるときには、予告演出Cが実行されやすく、再抽選演出が実行されないときには、予告演出Aが実行されやすくなっている。このため、通常図柄でリーチが成立しても、予告演出Cが実行されれば(または、リーチ前に予告演出Cが実行されていれば)、再抽選演出の実行に期待を持たせることができる。このように、この実施の形態では、大当り種別(再抽選演出の実行の有無、つまり、特図変動時間を変化させるか否か)によって、予告演出A〜Cの実行割合(特に、予告演出A〜Cそれぞれの実行割合の大小関係)を異ならせているので、予告演出A〜Cのいずれが実行されるかを遊技者は注目し、遊技の興趣が向上する。
この実施の形態では、上記の構成によって、パチンコ遊技機1は、識別情報の可変表示の表示結果を前記特定表示結果とするか否かを当該表示結果が導出される前に決定する事前決定手段(ここでは、ステップS239の処理を実行するCPU103)と、前記事前決定手段の決定結果に基づいて、識別情報の可変表示の表示結果の種類(ここでは、大当り種別)を予め定められた複数種類のいずれかに決定する表示結果決定手段(ここでは、ステップS242の処理を実行するCPU103)と、前記事前決定手段の決定結果に基づいて、識別情報の可変表示の可変表示パターン(ここでは、変動パターン)を予め定められた複数の可変表示パターンのうちのいずれかに決定する可変表示パターン決定手段(ここでは、ステップS262Aの処理を実行するCPU103)と、前記可変表示パターン決定手段が決定した可変表示パターンと前記表示結果決定手段が決定した表示結果の種類とに基づいて、識別情報の可変表示の可変表示期間を設定する可変表示期間設定手段(ここでは、ステップS262B及びステップS266の処理を実行するCPU103)と、を備えることになる。
そして、この実施の形態では、上記の構成によって、前記可変表示パターンそれぞれには、基本可変表示期間(ここでは、基本特図変動時間)を特定可能な第1データ(ここでは、基本特図変動時間の数値データ)が設定されており(図14を参照)、前記表示結果の種類それぞれには、調整値(ここでは、調整時間)を特定可能な第2データ(ここでは、調整時間の数値データ)が設定されており(図15を参照)、前記可変表示期間設定手段は、前記可変表示パターン決定手段が決定した可変表示パターンに設定されている第1データと、前記表示結果決定手段が決定した表示結果の種類に設定されている第2データと、を演算する演算処理(ここでは、ステップS262B)を実行し、当該演算処理による演算結果に基づいて前記可変表示期間を設定する(ここでは、ステップS266)。
さらに、この実施の形態では、上記の構成によって、前記表示結果の種類には、前記基本可変表示期間と同じ期間が前記可変表示期間として設定される所定種類(ここでは、大当り種別が「第1通常」又は「第1確変」である大当り図柄)が含まれ、当該所定種類に設定されている第2データは、前記演算処理による演算結果に基づいて設定される前記可変表示期間を当該演算処理で演算される前記第1データによって特定される基本可変表示期間と同じ期間にするデータ(ここでは、0秒の調整時間の数値データ)であることになる。
上記演算処理は、上記実施の形態では、加算処理であったが、減算処理であってもよい。この場合、例えば、変動パターンに設定される基本可変表示期間(例えば、上記基本特図変動時間)を、当該変動パターンが取り得る最も長い可変表示期間とし、表示結果の種類(例えば、上記大当り種別)に応じて第2データで第1データを減じる処理を行うようにするとよい。例えば、図12に示す特図変動時間(基本特図変動時間)のうち、大当りの変動パターンに対応する基本特図変動時間を再抽選演出が実行される期間とし、図15の調整時間は、「第1通常」及び「第1確変」のときに8秒とし、「第2通常」及び「第2確変」のときに0秒とすればよい。そして、ステップS262Bでは、今回設定された変動パターンに対応する基本特図変動時間から調整時間を減算すればよい。ステップS266では減算後の値を特図変動時間として設定すればよい。
また、上記演算処理は、乗算処理又は除算処理であってもよい。この場合、例えば、変動パターンに設定される基本可変表示期間(例えば、上記基本特図変動時間)を、当該変動パターンが取り得る最も短い可変表示(乗算処理のとき)又は長い可変表示期間(除算処理のとき)とし、表示結果の種類(例えば、上記大当り種別)に応じて第2データで第1データを乗算又は除算する処理を行うようにするとよい。例えば、図12に示す特図変動時間(基本特図変動時間)のうち、大当りの変動パターンに対応する基本特図変動時間を再抽選演出が実行されない期間(乗算処理のとき)又は再抽選演出が実行される期間(除算処理のとき)とし、図15の調整時間は、第2データの他の例として、「第1通常」及び「第1確変」のときに1.2などの係数とし(このように、第2データで特定される調整値は、係数などであってもよい。)、「第2通常」及び「第2確変」のときに1.0などの係数とすればよい。そして、ステップS262Bでは、今回設定された変動パターンに対応する基本特図変動時間に対して係数を乗算又は除算すればよい。ステップS266では乗算又は除算後の値を特図変動時間として設定すればよい。
なお、前記演算処理は、加算、減算、乗算、除算を複数組合せてもよい。例えば、表示結果が第1の種類である場合には、第2データを加算し、表示結果が第2の種類である場合には、第2データで減算するなどして、可変表示期間を変化させてもよい。例えば、表示結果が第1の種類である場合には、第2データを乗算し、表示結果が第2の種類である場合には、第2データで除算するなどして、可変表示期間を変化させてもよい。
第1データや第2データは、加算、減算、乗算、除算などの演算対象となる数値データであることが望ましいが、演算によって、表示結果の種類に応じた可変表示期間を設定できるものであればよい。
基本可変表示時間を変化させるか否かは、上記実施の形態では、大当り種別が再抽選演出を実行するものであるか否かに依存するようにしているが、基本可変表示時間を変化させるか否かは、表示結果の種類に依存すればよく、他の態様であってもよい。例えば、表示結果の種類として、「確変」(大当り遊技状態後に遊技状態が高確高ベースになる大当り種別)、「非確変」(大当り遊技状態後に遊技状態が低確高ベースになる大当り種別)を用意し、「確変」のときと「非確変」のときとで、特図変動時間を共通化し、「確変」のときには調整時間を「8秒」とし、「非確変」のときには調整時間を「0秒」とするようにしてもよい。さらに、表示結果の種類として、「突確」(大当り遊技状態後に遊技状態が高確低ベースになる大当り種別)をさらに用意し、例えば、「確変」のときと「非確変」のときと「突確」のときとで、特図変動時間を共通化し、「確変」のときには調整時間を「8秒」とし、「非確変」のときには調整時間を「4秒」とし、「突確」のときには調整時間を「0秒」としてもよい。なお、大当り種別が「突確」のときの大当り遊技状態は、小当り遊技状態と同様の態様としてもよく、大入賞口の開放期間を「確変」や「非確変」のときよりも短くしたり、ラウンド遊技の回数を「確変」や「非確変」のときよりも少なくしたものであってもよい。
第1データは、上記実施の形態では、基本特図変動時間の数値データ、つまり、基本特図変動時間を示す数値データとしているが、基本特図変動時間などの基本可変表示期間(例えば、可変表示の実行期間であって、後述の調整値が加算等される期間)を特定可能なデータであればよい。例えば、実際の基本可変表示期間(基本特図変動時間など)を所定の値(例えば、10、100、1000など)で割った値のデータなどであってもよい。また、第2データは、上記実施の形態では、調整時間の数値データ、つまり、調整時間を示す数値データとしているが、調整時間などの調整値(例えば、演算によって可変表示の実行期間を調整するための期間)を特定可能なデータであればよい。例えば、実際の調整値(調整時間など)を所定の値(例えば、10、100、1000など)で割った値のデータなどであってもよい。このような場合であっても、第1データの値と第2データの値とを加算するなど、第1データと第2データとを演算する演算処理を例えばステップS262Bで行い、その後に、演算結果の値に前記所定の値を乗算することで、実際の特図変動時間を特定するようにしてもよい。このようにすることで、第1データや第2データのデータ量を削減できる。
また、上記実施の形態では、演出側変動パターンを用意して、処理を簡便化しているが、演出側変動パターンを用意せず、例えば、演出制御基板12側で特図変動時間を設定するタイミング(ステップS531)や、演出制御パターンの設定タイミング(ステップS530)ごとに、変動パターン指定コマンドで指定される変動パターンと、表示結果指定コマンドで指定される表示結果(大当り種別)と、に基づいて、例えば、図17に示す関係を参照して特図変動時間を特定したり、再抽選演出の有無などを特定したりしてもよい。
上記の構成によれば、表示結果の種類が特定の種類(基本可変表示期間を変化させる種類であり、前記所定種類以外の種類)であるか否かを判別する処理を不要にできる。
また、この実施の形態では、上記の構成によって、前記第2データが設定されている前記表示結果の種類が、前記特定表示結果の種類(ここでは、大当り種別)になっている。このため、表示結果が特定表示結果となるときの可変表示期間を多様化できる。
なお、前記可変表示パターンには、前記表示結果が前記特定表示結果になる場合と前記特定表示結果以外の所定表示結果になる場合とで共通して使用される可変表示パターンが含まれ、前記第2データが設定されている表示結果の種類には、さらに、前記所定表示結果の種類が含まれる、ようにしてもよい。
例えば、変動パターンを、図26(A)に示すように、可変表示結果が「大当り」のときと「ハズレ」のときとで共通にし、可変表示結果が「ハズレ」のときにも調整時間を設定し、「ハズレ」のときにも調整時間を基本変動時間に加算するようにしてもよい(例えば、ステップS262Bの処理をステップS266内で行えばよい)。このような場合、例えば、「ハズレ」のときの調整時間を「0秒」とし、「第1通常」又は「第1確変」のときの調整時間を「2秒」とし、「第2通常」又は「第2確変」のときの調整時間を「10秒」とするようにしてもよい(図26(B)参照)。前記所定表示結果の種類は、「ハズレ」のみであってもよい、「ハズレ」に加えて又は変えて、「大当り」とは異なる「小当り」などが含まれてもよい。
上記の構成によれば、表示結果が特定表示結果になる場合と所定表示結果になる場合とで変動パターンを共通化できる。
また、この実施の形態では、上記の構成によって、前記可変表示パターン決定手段が決定した可変表示パターンと前記表示結果決定手段が決定した表示結果の種類との組合せに応じて異なる割合で予告演出(ここでは、予告演出A〜C)を実行する予告演出実行手段(ここでは、ステップS530、S560の処理を実行する演出制御用CPU120)がさらに設けられることになる。そして、これによって、好適に予告演出を実行できる。なお、予告演出は、1つであってもよいし、複数であってもよい。複数の予告演出を異なる割合で実行するとは、各予告演出について実行割合が異なることと、各予告演出のうちの一部について実行割合が異なることとの両者を含む。さらに、予告演出を異なる割合で実行するとは、可変表示パターンと表示結果の種類との組合せがある組合せのときに、当該予告演出を実行せず、他の組合せのときに、当該予告演出を実行する場合(必ず実行する場合であってもよいし、所定割合で実行する場合であってもよい。)も含む。
上記実施の形態では、上記構成によって、遊技状態を複数種類(ここでは、確変状態や非確変状態)のいずれかに制御する遊技状態制御手段(ここでは、ステップS117で確変フラグをオンにするCPU103)をさらに設けられるが、前記第2データは、前記表示結果の種類と前記遊技状態の種類との組合せそれぞれに設定されており、前記可変表示期間設定手段は、前記可変表示パターン決定手段が決定した可変表示パターンに設定されている第1データと、前記表示結果決定手段が決定した表示結果の種類及び前記遊技状態制御手段によって制御されている遊技状態の種類の組合せに設定されている第2データと、を演算する演算処理を実行し、当該演算処理による演算結果に基づいて前記可変表示期間を設定するようにしてもよい。
例えば、図27に示すように、調整時間を、大当り種別及び遊技状態(ここでは、確変状態であるか非確変状態であるか)に応じて設定し、CPU103は、ステップS262Bの処理を実行するときに、大当り種別及び遊技状態に応じて調整時間(例えば、大当り種別が「第2確変」で、確変フラグがオンのときには、「10秒」)を特定して基本特図変動時間に加算し、ステップS266で加算後の期間を特図変動時間として設定する。
上記の構成によれば、表示結果が特定表示結果となるときの可変表示期間を多様化できる。
上記実施の形態では、上記構成によって、前記可変表示期間設定手段は、前記基本可変表示期間と前記調整値とが加算されるように前記第1データと前記第2データとを演算する演算処理を実行し(ここでは、ステップS262Bで、基本特図変動時間と調整時間とを加算するCPU103)、前記可変表示パターンに設定されている前記第1データは、当該可変表示パターンと前記表示結果決定手段が決定した表示結果の種類とに基づいて前記可変表示期間設定手段によって設定され得る前記可変表示期間のうちで最も短い期間を特定可能なデータである(ここでは、図15を参照)ことになる。これによって、加算のみで可変表示期間を設定できる。
この発明は、上記実施の形態などについて、さらに様々な変形及び応用が可能である。例えばパチンコ遊技機1は、上記実施の形態などで示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。以下では、上記実施形態の変形例を示す。下記の変形例それぞれについて、少なくとも一部を組み合わせてもよい。
(変形例1)
上記実施の形態においては、変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御基板12に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御基板12に通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御基板12は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。尚、遊技制御用マイクロコンピュータ100の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御基板12の方で選択を行う様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
(変形例2)
その他にも、遊技機の装置構成やデータ構成、フローチャートで示した処理、などを実行するための画像表示装置における画像表示動作やスピーカにおける音声出力動作さらには遊技効果ランプや装飾用LEDにおける点灯動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、例えばパチンコ遊技機1といった、遊技機に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。