JP6156691B2 - パーソナルビークル - Google Patents

パーソナルビークル Download PDF

Info

Publication number
JP6156691B2
JP6156691B2 JP2013155554A JP2013155554A JP6156691B2 JP 6156691 B2 JP6156691 B2 JP 6156691B2 JP 2013155554 A JP2013155554 A JP 2013155554A JP 2013155554 A JP2013155554 A JP 2013155554A JP 6156691 B2 JP6156691 B2 JP 6156691B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vehicle body
angular velocity
unit
target
drive wheel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013155554A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015024011A (ja
Inventor
裕介 吉田
裕介 吉田
鈴木 努
努 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
Aisin Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Aisin Seiki Co Ltd, Aisin Corp filed Critical Aisin Seiki Co Ltd
Priority to JP2013155554A priority Critical patent/JP6156691B2/ja
Publication of JP2015024011A publication Critical patent/JP2015024011A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6156691B2 publication Critical patent/JP6156691B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は電動車いすなどのパーソナルビークルに関し、より詳細には、カント走行時の片流れを軽減したパーソナルビークルに関する。
電動車いすなどのパーソナルビークルが傾斜している路面を横切る方向に直進走行(カント走行)する際に、路面の傾斜がきつく車体のロール角(左右方向の傾斜角)が大きいと片流れの問題が生じやすい。すなわち、直進走行するように乗員が操作部を操作しているにもかかわらず、車体が谷側(傾斜下側)に向かって進む片流れが発生しがちであり、またパーソナルビークルの直進走行性が損なわれがちになる。片流れや直進走行性低下の要因として、旋回モーメントの発生、及び左右の駆動輪が分担する荷重の不均衡の2点が考えられる。
旋回モーメントは、カント走行の際に左右の駆動輪の回転中心を結ぶ車軸に対して車体及び乗員を含んだ総荷重の重心が前後方向に偏移していると発生する。例えば、車軸に対して重心が前側に偏移していると、重心に作用する荷重(重力)を傾斜路面に垂直な成分と傾斜下側に向かう成分とに分解して考えた場合に、傾斜下側に向かう成分は車軸を谷側に旋回させる旋回モーメントを発生させる。また、傾斜路面では、谷側(傾斜下側)の駆動輪に作用する荷重は、山側(傾斜上側)の駆動輪と比較して大きくなりがちである。これにより、左右の駆動輪で回転し始める始動トルクに差が生じ、山側の駆動輪が先に回転することになり、車体が谷側に向かって動き始める。また、左右の駆動輪で走行を維持するための走行トルクに差が生じ、直進走行性が損なわれがちになる。
本願出願人は、上記したカント走行時の片流れの問題を軽減したパーソナルビークル制御装置を特許文献1に開示している。特許文献1のパーソナルビークル制御装置は、パーソナルビークルがカント走行するにあたり、パーソナルビークルのロール角が大きい場合であっても、操作部が直進するように操作されている限り車体のずり落ちが抑制され、パーソナルビークルの直進走行性が確保されるように制御する制御部を備えている。具体的に、特許文献1では、車体のロール角及びヨー角に関する物理量を検知するためのセンサを備える。そして、制御部は検知されたロール角をもとにしたフィードフォワード項で目標車体角速度指令値を補正して左右の駆動輪にトルク差を与える。これにより、カント走行開始時の車体の片流れを軽減することができる。
特開2010−193939号公報
ところで、特許文献1の技術で、車体のロール角に応じて予め目標車体角速度をフィードフォワード補正している。しかしながら、乗員の体重の軽重の影響や総荷重の重心位置の変化の影響を考慮したソフトウェアや実機の微調整が必要となり、そのためのコストアップなどが課題となっている。
また、特許文献1の技術では、ロール角及びヨー角を検知するセンサとして複数のセンサ、例えば加速度センサ及びジャイロセンサを併用する。このため、パーソナルビークルの部品構成の複雑化、及び部品コストのアップが問題となっている。
本発明は、上記背景技術の問題点に鑑みてなされたものであり、カント走行時の片流れを軽減して直進走行性を向上したコスト低廉なパーソナルビークルを提供することを解決すべき課題とする。
上記課題を解決する本発明のパーソナルビークルは、車体と、前記車体の左右に設けられた左駆動輪及び右駆動輪と、前記車体の走行に関する指令信号を入力する操作部と、前記左駆動輪及び前記右駆動輪を独立して回転駆動する駆動部と、前記左駆動輪及び前記右駆動輪の実回転数を検出する回転数検出部と、前記指令信号ならびに前記左駆動輪及び前記右駆動輪の実回転数に基づいて前記駆動部を制御する制御部と、を備えたパーソナルビークルであって、前記車体のヨー軸周りの角速度であるヨー角速度を検出する車体角速度検出部をさらに備え、前記制御部は、前記指令信号に基づいて、前記車体が前記ヨー軸周りに回転する目標車体角速度、及び前記車体が直進する目標直進速度を設定する指令値設定手段と、前記目標車体角速度と前記ヨー角速度との差分に基づいて前記目標車体角速度を補正する比例補正手段と、前記差分の時間変化量に基づいて前記目標車体角速度を補正する微分補正手段と、前記比例補正手段及び前記微分補正手段によって補正された後の前記目標車体角速度ならびに前記目標直進速度に基づいて前記左駆動輪及び前記右駆動輪の目標回転数を演算する目標演算手段と、前記左駆動輪及び前記右駆動輪の目標回転数ならびに前記左駆動輪及び前記右駆動輪の実回転数に基づいて前記駆動部の駆動力を制御する駆動制御手段と、を有し、前記比例補正手段、及び前記微分補正手段の少なくとも一手段は、前記目標車体角速度を補正する補正量を制限する値制限部を有する。
上記したうちのヨー角速度と目標車体角速度とは、同じ次元を有する量である。本明細書では、検出されたヨー角速度と制御目標にする目標車体角速度とで用語を使い分けることにより明瞭化を図っている。ヨー角速度は、検出車体角速度と言い換えてもよい。
さらに、前記制御部は、前記指令信号の時間的な変化を平滑化する平滑化手段をさらに有することが好ましい。
また、本発明のパーソナルビークルは、車体と、前記車体の左右に設けられた左駆動輪及び右駆動輪と、前記車体の走行に関する指令信号を入力する操作部と、前記左駆動輪及び前記右駆動輪を独立して回転駆動する駆動部と、前記左駆動輪及び前記右駆動輪の実回転数を検出する回転数検出部と、前記指令信号ならびに前記左駆動輪及び前記右駆動輪の実回転数に基づいて前記駆動部を制御する制御部と、を備えたパーソナルビークルであって、前記車体のヨー軸周りの角速度であるヨー角速度を検出する車体角速度検出部をさらに備え、前記制御部は、前記指令信号に基づいて、前記車体が前記ヨー軸周りに回転する目標車体角速度、及び前記車体が直進する目標直進速度を設定する指令値設定手段と、前記ヨー角速度の大きさに基づいて前記目標車体角速度を減算補正する第2比例補正手段と、前記ヨー角速度の時間変化量に基づいて前記目標車体角速度を減算補正する第2微分補正手段と、前記第2比例補正手段及び前記第2微分補正手段によって補正された後の目標車体角速度ならびに前記目標直進速度に基づいて前記左駆動輪及び前記右駆動輪の目標回転数を演算する目標演算手段と、前記左駆動輪及び前記右駆動輪の目標回転数ならびに前記左駆動輪及び前記右駆動輪の実回転数に基づいて前記駆動部の駆動力を制御する駆動制御手段と、を有してもよい。
さらに、前記第2比例補正手段、及び前記第2微分補正手段の少なくとも一手段は、前記目標車体角速度を補正する補正量を制限する値制限部を有することが好ましい。
本発明によれば、比例補正手段及び微分補正手段を併用して目標車体角速度をフィードバック補正し、最終的に左駆動輪及び右駆動輪を独立して回転駆動する駆動部の駆動力を制御する。このため、カント走行時に車体のヨー角速度(実際に生じる車体角速度)が大きく変化しても、微分補正手段により速やかなフィードバック補正が行われ、左右の駆動輪の駆動力に差が生じる。これにより、左右の駆動輪にトルク差を与えることができる。さらに、目標車体角速度を微分補正手段で補正することにより、操作部の操作や乗員の体重の軽重、重心位置の変化などの影響を受けにくくすることができる。したがって、従来技術と比較して、個別の実機による調整を少なくしてカント走行時の片流れを軽減して直進走行性を向上できる。
加えて、本発明では、ヨー角(ヨー角速度)は検出するが、ロール角は検出しなくてよい。したがって、特許文献1と異なって複数のセンサは不要となり、部品構成を簡素化してコスト低廉なパーソナルビークルを提供できる。
さらに、制御部が平滑化手段をさらに有する態様では、乗員による操作部の操作が走行開始時に不安定であったり走行中に微妙にふらついたりしても、その影響を平滑化して軽減できる。これにより、車体の挙動の急激な変化を防止でき、走行制御の安定性が向上する。
また、制御部が第2比例補正手段及び第2微分補正手段を有して目標車体角速度をフィードバック補正する態様では、敏感な補正処理を行う第2微分補正演算部に対して操作部の操作が直接的には影響しない。したがって、フィードバック補正によりカント走行時の片流れを軽減して直進走行性を向上できることに加え、平滑化手段を有する態様と同等に、操作部の影響による車体の挙動の急激な変化を防止できる。
さらに、目標車体角速度を補正する補正量を制限する値制限部を有する態様では、路面の起伏や乗員の操作などに起因して乗員の意図しない方向に車体が進んでも(ヨー角速度が変化しても)、進行方向を是正するために車体の挙動が急激に変化するおそれはなく、走行制御の安定性が向上する。
第1実施形態のパーソナルビークルである電動車いすの全体構成を示す背面図である。 電動車いすの駆動系及び制御系の構成を説明する構成ブロック図である。 電動車いすの走行制御を行う制御部の制御ブロック図である。 電動車いすの走行制御を行う制御部のうちの角速度補正部の詳細ブロック図である。 角速度補正部の演算処理を行う制御部の演算処理フローの前半を示したフローチャートである。 角速度補正部の演算処理を行う制御部の演算処理フローの後半を示したフローチャートである。 電動車いすのカント走行実験で、従来技術による実験結果を示す図である。 第2実施形態の電動車いすの走行制御を行う制御部の制御ブロック図である。 第3実施形態の電動車いすの走行制御を行う制御部のうちの角速度補正部の詳細ブロック図である。
本発明の第1実施形態のパーソナルビークルについて、図1〜図6を参考にして説明する。第1実施形態のパーソナルビークルは電動車いす1であり、まず、その全体構成について説明する。図1は、第1実施形態のパーソナルビークルである電動車いす1の全体構成を示す背面図である。電動車いす1は、車体2、左駆動輪3L及び右駆動輪3R、操作ユニット4、ならびに左駆動ユニット5L及び右駆動ユニット5Rなどで構成されている。
車体2は、左右対称形状をしている。車体2は、左側面部21L及び右側面部21R、着座部22A、背もたれ部22B、左アームレスト23L及び右アームレスト23R、左フットレスト24L及び右フットレスト24R、ならびに左転倒防止バー25L及び右転倒防止バー25Rなどからなる。左側面部21L及び右側面部21Rは、離隔平行して垂直に配置され、X字状に交差する2本の結合部材211、212によって結合されている。着座部22Aは、左側面部21L及び右側面部21Rの略中間高さ位置に配設されて、左側面部21Lから右側面部21Rまで概ね水平に架け渡されている。背もたれ部22Bは、着座部22Aの後縁から上方に延在して、左側面部21Lから右側面部21Rまで架け渡されている。背もたれ部22Bの後ろ側には、走行用電源及び制御用電源を兼ねるバッテリ29が2分割されて配設されている。
左側面部21L及び右側面部21Rの上端後部から後方に延出するように、左ハンドル部27L及び右ハンドル部27Rが配設されている。左アームレスト23L及び右アームレスト23Rは、左側面部21L及び右側面部21Rの上方寄りの外側から左右両側に略水平に張り出すように配設されている。左フットレスト24L及び右フットレスト24Rは、左側面部21L及び右側面部21Rの下方寄りの内側から前方に延出するように配設されている。
左転倒防止バー25L及び右転倒防止バー25Rは、左側面部21L及び右側面部21Rの下端から後方に延出するように配設されている。左転倒防止バー25Lの後端には左後輪26Lが設けられ、右転倒防止バー25Rの後端には右後輪26Rが設けられている。左側面部21L及び右側面部21Rの外側の下方のやや後方寄りに、左駆動輪3L及び右駆動輪3Rが設けられている。左駆動輪3Lの車軸は左側面部21Lによって回転可能に軸承され、右駆動輪3Rの車軸は右側面部21Rによって回転可能に軸承されている。左駆動輪3L及び右駆動輪3Rの着地点の間隔はトレッドTである。左側面部21L及び右側面部21Rの外側の下方の前方寄りに、図には見えない左前輪及び右前輪が回転可能に設けられている。
右アームレスト23Rの上面の前方寄りに、概ね直方体形状の操作ユニット4が配設されている。操作ユニット4は、その上面から突出したジョイスティック41を有している。左側面部21L及び右側面部21Rの後ろ側の着座部22Aよりも少し低い位置に、概ね直方体形状の左駆動ユニット5L及び右駆動ユニット5Rが配設されている。左駆動ユニット5Lは左駆動輪3Lの車軸に臨んでおり、右駆動ユニット5Lは右駆動輪3Rの車軸に臨んでいる。
乗員は、着座部22Aに着座して背もたれ部22Bにもたれかかり、左アームレスト23L及び右アームレスト23Rに足を載せて電動車いす1に乗ることができる。さらに乗員は、右手を右アームレスト23Rに載せてジョイスティック41を操作することができる。また、介護者は、左ハンドル部27L及び右ハンドル部27Rを押動操作して、電動車いす1を移動させることができる。
乗員が通常の姿勢で乗車したとき、車体2及び乗員を含んだ総荷重の重心は、左駆動輪3L、右駆動輪3R、左前輪、及び右前輪の各着地点を結んだ矩形の内部に位置する。電動車いす1の通常の走行では、左駆動輪3L、右駆動輪3R、左前輪、及び右前輪で総荷重が分担され、左後輪26L及び右後輪26Rは着地されない。左後輪26L及び右後輪26Rは、路面に凹凸があるときや、重心位置が後方に極端に偏移したときに着地して、車体2の後方への転倒を防止する。また、車輪径に関して、左駆動輪3L及び右駆動輪3Rの有効半径Reが最も大きく、左後輪26L及び右後輪26Rの有効半径が最も小さく、左前輪及び右前輪の有効半径は中間的な大きさである。なお、対応する左右の車輪の有効半径は、互いに等しいものとして扱う。
次に、電動車いす1の駆動系及び制御系の構成について説明する。図2は、電動車いす1の駆動系及び制御系の構成を説明する構成ブロック図である。図示されるように、駆動系及び制御系は、操作ユニット4、左駆動ユニット5L、及び右駆動ユニット5Rで構成されている。左駆動ユニット5Lは主に左駆動輪3Lの駆動及び制御に係わり、右駆動ユニット5Lは主に右駆動輪3Rの駆動及び制御に係わっている。操作ユニット4は、乗員からの指令信号S1を受け取り必要な情報を表示するマンマシンインターフェース機能を備え、指令信号S1に対する演算処理機能を備え、さらに、左駆動ユニット5L及び右駆動ユニット5Rを協調作動させるメインコントロール機能を備えている。
操作ユニット4は、前述したジョイスティック41及びメインコントローラ42からなる。ジョイスティック41は、乗員の操作によって任意の方向に傾動する。ジョイスティック41は、乗員の操作を指令信号S1に変換してメインコントローラ42の操作制御部43に入力する。ジョイスティック41が傾動する方向は電動車いす1の進行方向を指令し、傾動角度は走行速度を指令する。つまり、傾動角度が大きいほど電動車いす1は高速で走行する。ジョイスティック41は、車体2の走行に関する指令信号S1を入力する本発明の操作部に相当する。
メインコントローラ42は、操作制御部43、操作通信部44、スイッチ45、表示部46、及び操作電源部47で構成されている。スイッチ45は、乗員が操作して速度レンジを設定する部位である。速度レンジは、例えば第1〜第5速度レンジとして、各速度レンジで異なる上限速度に規制することができる。具体的に、例えば、第1速度レンジではジョイスティック41の傾動角度を最大にしたときに時速1kmで走行し、第5速度レンジではジョイスティック41の傾動角度を最大にしたときに時速6kmで走行するように設定できる。表示部46は、設定されている速度レンジや、バッテリ29の蓄電状況などを乗員に向けて表示する。表示する情報は、上記に限定されず、例えば、現在の走行速度をバーグラフで表示してもよい。
操作制御部43は、ジョイスティック41からの指令信号S1を受け取り、スイッチ45から速度レンジの設定信号を受け取り、表示部46に表示内容を指令する。また、操作制御部43は、指令信号S1に対する演算処理を行う。操作通信部44は、操作制御部43と他装置とを双方向通信可能に接続して、情報を授受できるようにしている。操作電源部47は、バッテリ29から電源供給を受け、電源電圧を安定化してメインコントローラ42内の各部43〜46に電源供給する。メインコントローラ42には、例えば、CPU、メモリ、及び入出力部を有してソフトウェアで作動する電子制御装置を用いることができる。
左駆動ユニット5Lは、左モータ51L、左回転数センサ52L、及び左コントローラ53Lからなる。左モータ51Lは、その出力軸が左駆動輪3Lの車軸に回転連結されており、左駆動輪3Lを回転駆動する。左モータ51Lの種類に特別な制約はないが、正転及び逆転の両方向に回転できることが好ましい。左回転数センサ52Lは、左駆動輪3Lの車軸の近傍に配設されており、左駆動輪3Lの実回転数NLを検出し、左回転数信号に変換して出力する。
左コントローラ53Lは、左制御部54L、左通信部55L、左角速度センサ56L、左モータ駆動部57L、及び左電源部58Lで構成されている。左角速度センサ56Lは、車体2のヨー軸周りの角速度であるヨー角速度ωYを検出し、左角速度信号に変換して出力する。左角速度センサ56Lとして、例えばジャイロセンサを用いることができる。ヨー角速度ωYが正値のときに車体2は右旋回しており、ヨー角速度ωYが負値のときに車体2は左旋回している。左モータ駆動部57Lは、左制御部54Lからの左駆動信号に基づいて、左モータ51Lに印加する左駆動電圧VLを調整する。また、左モータ駆動部57Lは、左モータ51Lに流れる左駆動電流を左電流信号に変換して出力する。
左制御部54Lは、左回転数センサ52Lから左回転数信号を受け取り、左角速度センサ56Lから左角速度信号を受け取り、左モータ駆動部57Lから左電流信号を受け取る。そして、左制御部54Lは、主に左駆動輪3Lの駆動及び制御に係わる演算処理を行い、左モータ駆動部57Lに左駆動信号を指令する。左通信部55Lは、左制御部54と他装置とを双方向通信可能に接続して、情報を授受できるようにしている。左電源部58Lは、バッテリ29から電源供給を受け、電源電圧を安定化して左コントローラ53L内の各部54L〜57Lに電源供給し、さらに前記の左駆動電圧VLを供給する。左コントローラ53Lには、例えば、CPU、メモリ、及び入出力部を有してソフトウェアで作動する電子制御装置を用いることができる。
右駆動ユニット5Rの構成は、左駆動ユニット5Lと同様であり、名称に付された左を右に読み替え、符号に付されたLをRに読み替えて理解できる。略述すると、右駆動ユニット5Rは、右モータ51R、右回転数センサ52R、及び右コントローラ53Rからなる。右コントローラ53Rは、右制御部54R、右通信部55R、右角速度センサ56R、右モータ駆動部57R、及び右電源部58Rで構成されている。また、右駆動ユニット5Rの機能も、左駆動ユニット5Lと同様であるので説明は省略する。
ここで、左モータ駆動部57L及び右モータ駆動部57Rは、独立して左及び右駆動電圧VL、VRを調整することができるので、左駆動輪3L及び右駆動輪3Rを独立して回転駆動する本発明の駆動部に相当する。また、左回転数センサ52L及び右回転数センサ52Rは、本発明の回転数検出部に相当する。
さらに、操作制御部43、左制御部54L、及び右制御部54Rは、それぞれの通信部44、55L、55Rで双方向通信可能に接続されて、情報を授受できるようになっている。そして、3つの制御部43、54L、54Rは、協動して電動車いす1の走行を制御する。したがって、操作制御部43、左制御部54L、及び右制御部54Rは、指令信号S1ならびに左駆動輪3L及び右駆動輪3Rの実回転数NL、NRに基づいて駆動部を制御する本発明の制御部を構成する。制御部の構成は上述に限定されず、例えば1つのコントローラで集中制御する構成であってもよい。3つの制御部43、54L、54Rの機能分担に制約は無いので、以降では単に制御部の機能として説明する。
また、左角速度センサ56L及び右角速度センサ56Rは、ともに車体2のヨー角速度ωYを検出して左角速度信号及び右角速度信号を出力するので、本発明の車体角速度検出部に相当する。左角速度信号及び右角速度信号は、本来等しくなるが別々の量と考えて、左制御部54Lで左回転数信号を受け取り、右制御部54Rで右回転数信号を受け取るように構成できる。これに限定されず、左角速度センサ56L及び右角速度センサ56Rは、一方を常用とし、他方を予備とすることができる。また、左角速度センサ56Lの左角速度信号と右角速度センサ56Rの右角速度信号とを平均化してヨー角速度ωYを求めるようにしてもよい。さらには、左角速度センサ56L及び右角速度センサ56Rの一方を無くすことも可能である。
次に、電動車いす1の走行制御の方法について説明する。図3は、電動車いす1の走行制御を行う制御部の制御ブロック図である。図示されるように、制御部は、目標速度及び角速度演算部61、ならびに目標出力演算部62を有している。また、目標速度及び角速度演算部61は、角速度補正部63を内包している。制御部は、ジョイスティック41からの指令信号S1を入力とし、検出された車体2のヨー角速度ωY、ならびに検出された左及び右駆動輪3L、3Rの実回転数NL、NRをフィードバック入力としている。そして、制御部は、最終的に左駆動電圧VLを左駆動信号の形態で出力し、右駆動電圧VRを右駆動信号の形態で出力する。
目標速度及び角速度演算部61は、指令信号S1に基づいて、車体2が直進する目標直進速度V1及び、車体2がヨー軸周りに回転する目標車体角速度ω1を設定する。ジョイスティック41の傾動方向が前側180°の範囲にあると目標直進速度V1は正値となり、傾動方向が後側180°の範囲にあると目標直進速度V1は負値となる。また、ジョイスティック41の傾動方向が左側180°の範囲にあると目標車体角速度ω1は正値となり、傾動方向が右側180°の範囲にあると目標車体角速度ω1は負値となる。目標直進速度V1及び目標車体角速度ω1を設定する機能は、本発明の指令値設定手段に相当する。
角速度補正部63は、目標車体角速度ω1及びヨー角速度ωYを入力としてフィードバック補正演算を行い、補正後の目標車体角速度ω2を求める。角速度補正部63の詳細な内部構成については後述する。
目標出力演算部62は、まず、補正後の目標車体角速度ω2と目標直進速度V1とに基づいて左及び右駆動輪3L、3Rの目標回転数を演算する。この演算機能は、本発明の目標演算手段に相当する。目標出力演算部62は、次に、左及び右駆動輪3L、3Rの目標回転数と実回転数NL、NRに基づいて、左及び右駆動電圧VL、VRを演算する。目標出力演算部62は、左駆動電圧VLを左駆動信号の形態で左モータ駆動部57Lに出力し、右駆動電圧VRを右駆動信号の形態で右モータ駆動部57Rに出力する。これにより、左及び右モータ51L、51Rに印加される実際の駆動電圧が制御される。この制御機能は、本発明の駆動制御手段に相当する。
次に、角速度補正部63の詳細について説明する。図4は、電動車いす1の走行制御を行う制御部のうちの角速度補正部63の詳細ブロック図である。角速度補正部63は、差分演算部71、比例補正演算部72、微分補正演算部74、及び出力演算部75からなる。
差分演算部71の減算器711は、目標車体角速度ω1とヨー角速度ωYとの差分Δωを演算する。このとき、目標直進速度V1が正値である前進時には目標車体角速度ω1からヨー角速度ωYを減算し、逆に、目標直進速度V1が負値である後進時にはヨー角速度ωYから目標車体角速度ω1を減算する。次に、差分演算部71の値制限部712は、差分Δωが所定の制限値(正負の2値あり)を超過している場合に限り、差分Δωを制限値に補正する。差分演算部71は、値制限部712を通った後の差分Δωを比例補正演算部72及び微分補正演算部74に出力する。
比例補正演算部72の乗算器721は、値制限部712を通った後の差分Δωに比例項定数Kpを乗算して比例項ωpとする。比例補正演算部72は、比例項ωpを出力演算部75に出力する。比例補正演算部72は、比例補正手段に相当する。
微分補正演算部74は、遅延器741、減算器742、値制限部743、及び乗算器744で構成されている。遅延器741は、差分Δωを遅延保持して前回の差分Δω−1とし、減算器742に入力する。減算器742は、今回の差分Δωから前回の差分Δω−1を減算して微分値Dω(差分の時間変化量)とする。値制限部743は、微分値Dωが所定の制限値(正負の2値あり)を超過している場合に限り、微分値Dωを制限値に補正する。乗算器744は、値制限部743を通った後の微分値Dωに微分項定数Kdを乗算して微分項ωdとする。微分補正演算部74は、微分項ωdを出力演算部75に出力する。微分補正演算部74は、微分補正手段に相当する。
出力演算部75の加算器751は、比例項ωp及び微分項ωdを加算して補正項ωaddとする。出力演算部75の演算器752は、加算器または減算器として作動する。すなわち、目標直進速度V1が正値である前進時に、演算器752は、元の目標車体角速度ω1に補正項ωaddを加算して補正後の目標車体角速度ω2とする。また、目標直進速度V1が負値である後進時に、演算器752は、元の目標車体角速度ω1から補正項ωaddを減算して補正後の目標車体角速度ω2とする。補正後の目標車体角速度ω2は、図3に示されるように、目標出力演算部62に出力される。
次に、角速度補正部63の演算処理を行う制御部の演算処理フローについて説明する。図5及び図6は、角速度補正部63の演算処理を行う制御部の演算処理フローを示したフローチャートであり、図5に前半が示され、図6に後半が示されている。フローチャート中の値±A、及び±Cは、補正量を制限するために予め適宜設定されている。
制御部は、図5のステップS1で前進と判定すると、ステップS2で、差分演算部71の減算器711により差分Δωを演算する。また、制御部は、ステップS3で後進と判定すると、ステップS4で減算器711により差分Δωを演算する。前進でも後進でもないとき、制御部は、ステップS5で目標車体角速度ω1=0とする。ステップS2、S4、S5に続くステップS6で差分Δωが正側制限値+Aを超過している場合にはステップS7に進み、値制限部712により差分Δωを正側制限値+Aに補正する。さらに、ステップS8で差分Δωが負側制限値−Aを負側に超過している場合にはステップS9に進み、値制限部712により差分Δωを負側制限値−Aに補正する。この後、処理フローは図6に続く。
図6のステップS21で、制御部は、微分補正演算部74の減算器742により微分値Dωを演算する。続くステップS22で微分値Dωが正側制限値+Cを超過している場合にはステップS23に進み、値制限部743により微分値Dωを正側制限値+Cに補正する。さらに、ステップS24で微分値Dωが負側制限値−Cを負側に超過している場合にはステップS25に進み、値制限部743により微分値Dωを負側制限値−Cに補正する。次にステップS26で、制御部は、遅延器741により前回の差分Δω−1を記憶保持して、次回の処理演算に備える。次にステップS27で、制御部は、出力演算部75により、元の目標車体角速度ω1を補正演算して目標車体角速度ω2とする。
この後、ステップS28で、制御部は、キャンセル条件を満たすか否か判定する。キャンセル条件は2つあり、第1は車体の停止、第2は車体の一定角速度走行である。車体の一定角速度走行は、(差分Δω≦一定値)という不等式が一定時間以上継続していることから判定する。キャンセル条件を満たすとき、制御部は、ステップS29に進み、前回の差分Δω−1をクリアして、処理フローを終了する。キャンセル条件を満たさないとき、制御部は、ステップS29のクリア処理を行わずに処理フローを終了する。
次に、上述のように構成された第1実施形態の電動車いす1の作用及び効果について、従来技術を引用しながら説明する。図7は、電動車いすのカント走行実験で、従来技術の実験結果を示す図である。図7で、横軸は時間tであり、縦軸は実測された車体のヨー角速度ならびに左右の駆動輪の実回転数である。カント走行実験では、車体が傾斜路面を横切る方向に直進走行するように、ジョイスティックを正面前方に傾動操作している。そして、時刻t1に電動車いすが走行を開始している。
図7のカント走行実験において、ジョイスティックの傾動操作は直進走行を指令しており、換言すれば、ヨー角速度ゼロを指令している。にもかかわらず、実験結果では、走行を開始した時刻t1の直後からヨー角速度が発生している。さらに、時間が経過しても、ヨー角速度はゼロにならず、実回転数は左駆動輪よりも右駆動輪で大きくなっている。したがって、電動車いすは、カント走行開始時から傾斜下側に向かう片流れが発生し、かつ、走行中も直進できずに徐々に傾斜下方へと進行方向が変化し、最終的には傾斜に沿って下り走行する。
これに対して、第1実施形態の電動車いす1では、微分補正演算部74は、走行開始直後に発生したヨー角速度ωYに即応して、目標車体角速度(ω1→ω2)を敏感に補正できる。したがって、時刻t2あたりまでに片流れが進展する以前に、ヨー角速度ωYを軽減することができる。また、その後もヨー角速度ωYの発生を軽減し、換言すれば左駆動輪3L実回転数NLと右駆動輪33Rの実回転数NRとを一致させて高い直進走行性を確保できる。
以上説明したように、第1実施形態のパーソナルビークルである電動車いす1は、比例補正演算部72及び微分補正演算部74を併用して目標車体角速度ω1をフィードバック補正し、最終的に左駆動輪3L及び右駆動輪3Rを独立して回転駆動する左モータ駆動部57L及び右モータ駆動部57Rの左駆動電圧VL及び右駆動電圧VRを制御する。このため、カント走行開始時に車体2のヨー角速度ωYが大きく変化しても、微分補正演算部74により速やかなフィードバック補正が行われ、左右の駆動輪3L、3Rの駆動力に差が生じる。これにより、左右の駆動輪3L、3Rにトルク差を与えることができる。さらに、目標車体角速度ω1を微分補正演算部74で補正することにより、ジョイスティック41操作や乗員の体重の軽重、重心位置の変化など影響を受けにくくすることができる。したがって、従来技術と比較して、カント走行時の片流れを軽減して直進走行性を向上できる。
加えて、電動車いす1では、ヨー角速度ωYは検出するが、ロール角は検出しなくてよい。したがって、特許文献1と異なって複数のセンサは不要となり、部品構成を簡素化してコスト低廉な電動車いす1を提供できる。
さらに、目標車体角速度ω1を補正する補正量を制限する2個の値制限部712、743を有するので、路面の起伏や乗員の操作などに起因して乗員の意図しない方向に車体2が進んでも(ヨー角速度ωYが変化しても)、進行方向を是正するために車体2の挙動が急激に変化するおそれはなく、走行制御の安定性が向上する。
ところで、第1実施形態で、微分補正演算部74により即応した敏感な補正処理を行うと弊害が生じ得る。詳述すると、乗員によるジョイスティック41の操作が走行開始時に不安定であったり走行中に微妙にふらついたりすると、目標車体角速度ω1が変化して、その影響が直ちに補正処理に反映される。これにより、乗員が意図していないのに車体2の挙動が急激に変化して、走行制御の安定性が低下してしまう弊害のおそれが増加する。このような弊害のおそれを軽減するために、第2実施形態では、制御部にローパスフィルタ64を設ける。
図8は、第2実施形態の電動車いすの走行制御を行う制御部の制御ブロック図である。第2実施形態の電動車いすの全体構成(図1参照)ならびに駆動系及び制御系の構成(図2参照)は、第1実施形態と同じである。図8と図3を比較すれば分かるように、第2実施形態では、ジョイスティック41の指令信号S1を平滑化するローパスフィルタ64(平滑化手段)が追加されている。ローパスフィルタ64は、例えば、指令信号S1をAD変換した後側に設けるディジタル演算フィルタとすることができる。これに限定されず、ローパスフィルタ64は、AD変換よりも前側に設けるアナログ回路のフィルタであってもよい。ローパスフィルタ64を備えることで、ジョイスティック41の小刻みな傾動変化が平滑化される。また、ジョイスティック41の急峻な傾動変化が緩和される。一方、ヨー角速度ωYの変化に対しては、第1実施形態と同等に、即応した敏感な補正処理を行うことができる。
第2実施形態の電動車いすは、制御部がローパスフィルタ64をさらに有するので、乗員によるジョイスティック41の操作が走行開始時に不安定であったり走行中に微妙にふらついたりしても、その影響を平滑化して軽減できる。加えて、2個の値制限部712、743との相乗効果も発生する。これにより、ジョイスティック41の操作の影響による車体2の挙動の急激な変化を防止でき、走行制御の安定性が向上する。
次に、第3実施形態の電動車いすについて説明する。図9は、第3実施形態の電動車いすの走行制御を行う制御部のうちの角速度補正部63Aの詳細ブロック図である。第3実施形態の電動車いすの全体構成(図1参照)、駆動系及び制御系の構成(図2参照)、ならびに制御ブロック図(図3参照)は第1実施形態と同じで、角速度補正部63Aの内部構成が異なっている。第3実施形態の角速度補正部63Aは、第2比例補正演算部76、第2微分補正演算部77、及び出力演算部78からなる。
第2比例補正演算部76の乗算器761は、ヨー角速度ωYに比例項定数Kpを乗算して比例項ωp2とする。比例補正演算部72は、比例項ωp2を出力演算部78に出力する。第2比例補正演算部72は、第2比例補正手段に相当する。
第2微分補正演算部77は、遅延器771、減算器772、及び乗算器774で構成されている。遅延器771は、ヨー角速度ωYを遅延保持して前回のヨー角速度ωY−1とし、減算器772に入力する。減算器772は、今回のヨー角速度ωYから前回のヨー角速度ωY−1を減算して微分値Dω2(差分の時間変化量)とする。乗算器774は、微分値Dω2に微分項定数Kdを乗算して微分項ωd2とする。微分補正演算部74は、微分項ωd2を出力演算部78に出力する。第2微分補正演算部77は、第2微分補正手段に相当する。
出力演算部78は、加算器781及び演算器782で構成されている。加算器781は、比例項ωp2及び微分項ωd2を加算して補正項ωaddとする。演算器782は、加算器または減算器として作動する。すなわち、目標直進速度V1が正値である前進時に、演算器782は、元の目標車体角速度ω1から補正項ωaddを減算補正して補正後の目標車体角速度ω2とする。また、目標直進速度V1が負値である後進時に、演算器782は、元の目標車体角速度ω1に補正項ωaddを加算して補正後の目標車体角速度ω2とする。・BR>竦ウ後の目標車体角速度ω2は、目標出力演算部62に出力される。
第3実施形態の電動車いすは、制御部が第2比例補正演算部76及び第2微分補正演算部77を有して目標車体角速度ω1をフィードバック補正する。そして、敏感な補正処理を行う第2微分補正演算部77に対して、ジョイスティック41の操作が直接的には影響しない。したがって、フィードバック補正によりカント走行時の片流れを軽減して直進走行性を向上できることに加え、平滑化手段を有する態様と同等に、ジョイスティック41の操作の影響による車体2の挙動の急激な変化を防止できる。
なお、本発明のパーソナルビークルは、上述した第1〜第3実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、当業者が行い得る変更、改良等を施した種々の形態にて実施できることは言うまでもない。例えば、車体角速度検出部として、左及び右角速度センサ56L、56Rを省略し、左及び右回転数センサ52L、52Rで検出した実回転数NL、NRからヨー角速度ωYを演算するようにしてもよい。また例えば、各実施形態の目標出力演算部62で、回転数に代えて同じ次元を有する車軸角速度を用いた演算処理を行うようにしても、同じ走行制御機能を具備できる。この場合、左及び右駆動輪3L、3Rの目標回転数に代えて目標車軸角速度を用いるとともに、実回転数NL、NRを車軸角速度に換算する。
本発明は、実施形態で説明した電動車いす1以外にも、個人用乗物などに代表されるパーソナルビークルに広く利用することができる。
1:電動車いす(パーソナルビークル)
2:車体 26L:左後輪 26R:右後輪 29:バッテリ
3L:左駆動輪 3R:右駆動輪
4:操作ユニット 41:ジョイスティック(操作部)
42:メインコントローラ 43:操作制御部 44:操作通信部
5L:左駆動ユニット 51L:左モータ 52L:左回転数センサ
53L:左コントローラ 54L:左制御部 55L:左通信部
56L:左角速度センサ 57L:左モータ駆動部
5R:右駆動ユニット 51R:右モータ 52R:右回転数センサ
53R:右コントローラ 54R:右制御部 55R:右通信部
56R:右角速度センサ 57R:右モータ駆動部
61:目標速度及び角速度演算部 62:目標出力演算部
63、63A:角速度補正部 64:ローパスフィルタ(平滑化手段)
71:差分演算部 72:比例補正演算部
74:微分補正演算部 75:出力演算部 76:第2比例補正演算部
77:第2微分補正演算部 78:出力演算部
712、743:値制限部
S1:指令信号 V1:目標直進速度 ω1:目標車体角速度
ωY:ヨー角速度 ω2:補正後の目標車体角速度
NL、NR:実回転数 VL、VR:左及び右駆動電圧(駆動力)

Claims (4)

  1. 車体と、前記車体の左右に設けられた左駆動輪及び右駆動輪と、前記車体の走行に関する指令信号を入力する操作部と、前記左駆動輪及び前記右駆動輪を独立して回転駆動する駆動部と、前記左駆動輪及び前記右駆動輪の実回転数を検出する回転数検出部と、前記指令信号ならびに前記左駆動輪及び前記右駆動輪の実回転数に基づいて前記駆動部を制御する制御部と、を備えたパーソナルビークルであって、
    前記車体のヨー軸周りの角速度であるヨー角速度を検出する車体角速度検出部をさらに備え、
    前記制御部は、
    前記指令信号に基づいて、前記車体が前記ヨー軸周りに回転する目標車体角速度、及び前記車体が直進する目標直進速度を設定する指令値設定手段と、
    前記目標車体角速度と前記ヨー角速度との差分に基づいて前記目標車体角速度を補正する比例補正手段と、
    前記差分の時間変化量に基づいて前記目標車体角速度を補正する微分補正手段と、
    前記比例補正手段及び前記微分補正手段によって補正された後の目標車体角速度ならびに前記目標直進速度に基づいて前記左駆動輪及び前記右駆動輪の目標回転数を演算する目標演算手段と、
    前記左駆動輪及び前記右駆動輪の目標回転数ならびに前記左駆動輪及び前記右駆動輪の実回転数に基づいて前記駆動部の駆動力を制御する駆動制御手段と、を有し、
    前記比例補正手段、及び前記微分補正手段の少なくとも一手段は、前記目標車体角速度を補正する補正量を制限する値制限部を有するパーソナルビークル。
  2. 前記制御部は、前記指令信号の時間的な変化を平滑化する平滑化手段をさらに有する請求項1に記載のパーソナルビークル。
  3. 車体と、前記車体の左右に設けられた左駆動輪及び右駆動輪と、前記車体の走行に関する指令信号を入力する操作部と、前記左駆動輪及び前記右駆動輪を独立して回転駆動する駆動部と、前記左駆動輪及び前記右駆動輪の実回転数を検出する回転数検出部と、前記指令信号ならびに前記左駆動輪及び前記右駆動輪の実回転数に基づいて前記駆動部を制御する制御部と、を備えたパーソナルビークルであって、
    前記車体のヨー軸周りの角速度であるヨー角速度を検出する車体角速度検出部をさらに備え、
    前記制御部は、
    前記指令信号に基づいて、前記車体が前記ヨー軸周りに回転する目標車体角速度、及び前記車体が直進する目標直進速度を設定する指令値設定手段と、
    前記ヨー角速度の大きさに基づいて前記目標車体角速度を減算補正する第2比例補正手段と、
    前記ヨー角速度の時間変化量に基づいて前記目標車体角速度を減算補正する第2微分補正手段と、
    前記第2比例補正手段及び前記第2微分補正手段によって補正された後の目標車体角速度ならびに前記目標直進速度に基づいて前記左駆動輪及び前記右駆動輪の目標回転数を演算する目標演算手段と、
    前記左駆動輪及び前記右駆動輪の目標回転数ならびに前記左駆動輪及び前記右駆動輪の実回転数に基づいて前記駆動部の駆動力を制御する駆動制御手段と、を有するパーソナルビークル。
  4. 記第2比例補正手段、及び前記第2微分補正手段の少なくとも一手段は、前記目標車体角速度を補正する補正量を制限する値制限部を有する請求項3に記載のパーソナルビークル。
JP2013155554A 2013-07-26 2013-07-26 パーソナルビークル Active JP6156691B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013155554A JP6156691B2 (ja) 2013-07-26 2013-07-26 パーソナルビークル

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013155554A JP6156691B2 (ja) 2013-07-26 2013-07-26 パーソナルビークル

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015024011A JP2015024011A (ja) 2015-02-05
JP6156691B2 true JP6156691B2 (ja) 2017-07-05

Family

ID=52489207

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013155554A Active JP6156691B2 (ja) 2013-07-26 2013-07-26 パーソナルビークル

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6156691B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017037898A1 (ja) 2015-09-02 2017-03-09 ヤマハ発動機株式会社 電動アシスト車椅子および電動アシスト車椅子の制御方法
JP6935189B2 (ja) * 2016-11-25 2021-09-15 本田技研工業株式会社 作業機

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5109099B2 (ja) * 2008-03-14 2012-12-26 アイシン精機株式会社 パーソナルビークル
JP5240778B2 (ja) * 2009-02-23 2013-07-17 アイシン精機株式会社 パーソナルビークル制御装置
JP2011068207A (ja) * 2009-09-24 2011-04-07 Toyota Motor Corp 車両制御装置
JP5839347B2 (ja) * 2011-02-28 2016-01-06 ヤンマー株式会社 作業車両

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015024011A (ja) 2015-02-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101379839B1 (ko) 동축 이륜차 및 그 제어방법
US8997911B2 (en) Vehicle
US8146696B2 (en) Methods and apparatus for moving a vehicle up or down a sloped surface
US8831833B2 (en) Vehicle
EP2093100B1 (en) Travel gear and its controlling method
EP1529556B1 (en) Travelling apparatus and method for controlling thereof
KR101509884B1 (ko) 도립진자형 차량
JP5306474B2 (ja) 倒立振子型車両の制御装置
US20140129086A1 (en) Mobile vehicle
JP2011068218A (ja) 電動車両
US9845101B2 (en) Pushcart
JP6925535B2 (ja) 操舵制御装置
JP2010247804A (ja) 姿勢制御装置
JP6156691B2 (ja) パーソナルビークル
JP6032871B2 (ja) 自走車両
JP6277404B2 (ja) 自動車
JP5303413B2 (ja) 倒立振子型移動体の制御装置
JP2015119817A (ja) パーソナルビークル
JP6119483B2 (ja) パーソナルビークル
JP5360178B2 (ja) 走行体
JP6115776B2 (ja) パーソナルビークル
JP2010030440A (ja) 同軸二輪車及びその制御方法
JP4888451B2 (ja) 同軸二輪車及びその制御方法
JP2013112234A (ja) 車両
JPH11188065A (ja) 電動車椅子の制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160412

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170223

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170222

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170419

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170511

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170524

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6156691

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151