JPH11188065A - 電動車椅子の制御装置 - Google Patents

電動車椅子の制御装置

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JPH11188065A
JPH11188065A JP9360385A JP36038597A JPH11188065A JP H11188065 A JPH11188065 A JP H11188065A JP 9360385 A JP9360385 A JP 9360385A JP 36038597 A JP36038597 A JP 36038597A JP H11188065 A JPH11188065 A JP H11188065A
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JP
Japan
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speed
turning
center
vehicle
gravity
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Withdrawn
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JP9360385A
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Inventor
Hiroyuki Takahashi
宏行 高橋
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Yamaha Motor Co Ltd
Original Assignee
Yamaha Motor Co Ltd
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Publication date
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  • Non-Deflectable Wheels, Steering Of Trailers, Or Other Steering (AREA)
  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 車両の高重量化やコストアップを招くことな
く車両の直進性の向上を図ることができる電動車椅子の
制御装置を提供すること。 【構成】 左右の駆動輪4L,4Rをそれぞれ別個のモ
ータ18で独立に駆動し、それぞれの回転速度及び回転
方向を個別に制御することによって車速変更と操舵を行
う電動車椅子の制御装置を、乗員のジョイスティック1
2による操舵操作量から車両の左右方向への旋回速度指
令値(又は旋回速度指令値)ω* を算出するX軸信号検
出部(旋回速度指令値算出手段)24と、左右の駆動輪
4L,4R又はモータ18の回転速度を検出するエンコ
ーダ(回転速度検出装置)26と、該エンコーダ26の
出力値VL ,VR から車両の旋回角速度成分(又は旋回
速度成分)ωを算出する実旋回速度算出手段27と、前
記旋回速度指令値(又は旋回速度指令値)ω* と前記実
旋回速度算出手段27の出力値ωが等しくなるよう左右
の駆動輪4L,4Rの速度を制御する旋回速度制御手段
29を含んで構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、左右の駆動輪をそ
れぞれ別個のモータで独立に駆動し、それぞれの回転速
度及び回転方向を個別に制御することによって車速変更
と操舵を行う電動車椅子の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の電動車椅子は、通常、車体前部
に方向自在の左右一対のキャスタを有し、車体後部に左
右の駆動輪を有し、これらの駆動輪を各々独立のモータ
で回転駆動しているが、その操舵操作は一般的にはジョ
イスティックによって行われている。
【0003】ところで、ジョイスティックは2個の摺動
抵抗の回転中心軸が直交するよう構成されているが、従
来の電動車椅子ではジョイスティックは2つの回転中心
軸が前後方向に45°となるように取り付けられている
(特開平8−322110号公報参照)。
【0004】而して、上述のようにジョイステックを配
置することによって、図10に示すように、ジョイステ
ィック131の各摺動抵抗R1,R2から左右の各検知
部133,134を介して得られる信号(速度指令値V
L *,VR *)はそれぞれ左右の各モータ118への指令値
として扱うことができるため、左右のモータ118はそ
れぞれ個別に上記速度指令値VL *,VR *に応じた回転数
で回転するよう制御される。尚、図10において、10
4L,104Rは左右の駆動輪、121はモータドライ
バ、126はエンコーダ、130は速度制御手段であ
り、左右は同じ制御を行わざるを得ないために比例定数
p と積分定数ki は左右で同じ値となる。
【0005】従って、乗員がジョイスティック131の
レバーを操作することによって左右のモータ118への
速度指令値VL *,VR *が変化し、左右の駆動輪104
L,104Rの回転数及び左右の駆動輪104L,10
4R間の回転数差が変化するため、車速変更と操舵を行
うことができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述のよう
に左右の駆動輪の回転数の差で車両の方向が決定される
ため、駆動輪への負荷が急増する等のために駆動輪の回
転数が指令値通りにならない場合、乗員の意図する方向
と実際の車両の進行方向との間に差が生じてしまうとい
う問題があった。
【0007】そこで、上記問題を避けるために左右の駆
動輪の回転数が指令値と常に一致するよう制御を行おう
とすると、駆動輪への負荷が急増する等のために駆動輪
の回転数が変化して車速が低下した場合等に車速が急に
指令車速に戻ろうとするため、乗員にとっては乗心地が
悪く、却って走行安定性が低下してしまう。
【0008】又、ジョイスティックに代えてスロットル
で車両速度を指示してハンドル状の操舵装置で旋回方向
を指示する操縦装置で電動車椅子の操縦を行わせようと
する場合、操舵装置からの指示と車両の旋回方向とが常
に一致するよう制御を行うと、スロットルからの指示に
対しても車両速度が敏感に反応するため、甚だ操縦性が
悪くなってしまう。
【0009】一方、電動ステアリング装置が考案されて
いるが、車椅子の高重量化とコストアップを招いてしま
う。
【0010】本発明は上記問題に鑑みてなされたもの
で、その目的とする処は、高重量化やコストアップを招
くことなく、車両の進行方向と乗員の意図する方向がず
れないようにするとともに、車両速度の変化に対しては
敏感に反応しないようにすることによって操舵性と乗員
の乗心地の向上を図ることができる図ることができる電
動車椅子の制御装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、左右の駆動輪をそれぞれ別
個のモータで独立に駆動し、それぞれの回転速度及び回
転方向を個別に制御することによって車速変更と操舵を
行う電動車椅子の制御装置を、乗員の操舵操作量から車
両の左右方向への旋回速度又は旋回角速度指令値を算出
する旋回速度指令値算出手段と、左右の駆動輪又はモー
タの回転速度を検出する回転速度検出装置と、前記回転
速度検出装置の出力値から車両の旋回速度又は旋回角速
度成分を算出する実旋回速度算出手段と、前記旋回速度
指令値算出手段の出力値と前記実旋回速度算出手段の出
力値が等しくなるよう左右の駆動輪の回転速度を制御す
る旋回速度制御手段と、を含んで構成したことを特徴と
する。
【0012】又、請求項2記載の発明は、請求項1記載
の発明において、乗員のスロットル操作量から車両の前
進/後進方向への重心速度指令値を算出する重心速度指
令値算出手段と、前記回転速度検出装置の出力値から車
両の重心速度成分を算出する実重心速度算出手段と、前
記重心速度指令値と前記実重心速度算出手段の出力値が
等しくなるよう左右の駆動輪の回転速度を制御する重心
速度制御手段と、を設けたことを特徴とする。
【0013】従って、請求項1記載の発明によれば、左
右の駆動輪の速度を制御するのみで実旋回速度算出手段
の出力値(実際の旋回速度)が旋回速度指令値(乗員の
操舵操作に基づく旋回速度指令値)に一致するために車
椅子がトラバース面や凹凸の激しい路面を走行する場合
でも車両は外乱の影響を受けることなく乗員の意図する
方向に正確に進行し、車両の高重量化やコストアップを
招くことなく車両の操舵性が高められる。
【0014】請求項2記載の発明によれば、旋回速度制
御手段に加えて重心速度制御手段を設けたため、車両の
操舵性を良好に保ちつつ、登坂/降坂時の速度変動を小
さく抑えて車椅子の乗心地性を高めることができる。
又、旋回速度制御手段と重心速度制御手段を各々独立に
機能させることができるため、旋回成分と重心成分に分
けて速度制御を行うことができ、例えば旋回速度制御に
おいては応答を迅速にして車両の方向ずれを防いで操舵
性を高め、重心速度制御においては応答を遅くして発進
/停止時の乗員へのショックを緩和して乗心地性を高め
ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて説明する。
【0016】<実施の形態1>図1は本発明の実施の形
態1に係る電動車椅子の側面図、図2はジョイスティッ
クの側面図、図3は同ジョイステックの底面図、図4は
同電動車椅子の旋回速度と重心速度を定義するための模
式図、図5及び図6は同電動車椅子の制御装置の構成を
示すブロック図である。
【0017】図1に示す本実施の形態に係る電動車椅子
1においては、パイプ枠状の車体フレーム2の前後部が
左右一対のキャスタ3L,3Rと駆動輪4L,4Rによ
って移動自在に支持されている。
【0018】そして、右側(図1の奥側)のシートパイ
プ2aの前端折曲部にはパイプ状のステー11が上方に
向かって斜め前方に立設されており、このステー11の
上端部にはジョイスティック12が取り付けられてい
る。このジョイスティック12は、図2及び図3に詳細
に示すように、操作ボックス13と該操作ボックス14
に全方向に傾倒自在に支持されたレバー14を含んで構
成されており、その2個の摺動抵抗の回転中心軸の一方
は車両の前後方向(x軸方向)に一致し、他方は車幅方
向(y軸方向)に一致するよう配置されている。
【0019】他方、左右の各駆動輪4L,4Rの外側に
は、乗員Mが手でこれを回すべきハンドリム16が各駆
動輪4L,4Rのハブ17に一体に固定されており、各
駆動輪4L,4Rのハブ17には電動ユニットがそれぞ
れ組み込まれている。この電動ユニットは、図5に示す
モータ18と、該モータ18の回転を各駆動輪4L,4
Rに伝達するためのギヤ19,20、モータ18を駆動
制御するためのモータドライバ21等を含んで構成され
ている。
【0020】而して、本実施の形態に係る電動車椅子1
においては、図1に示すように右側の駆動輪4R側に電
源であるバッテリ22が着脱自在に設けられている。即
ち、右側の駆動輪4Rの不図示の固定プレートにはバッ
テリホルダー23が取り付けられており、このバッテリ
ホルダー23に対してバッテリ22が着脱される。
【0021】以上の構成を有する電動車椅子1におい
て、操作ボックス13に設けられた前記メインスイッチ
15(図1参照)がONされると、バッテリ22は左右
の駆動輪4L,4Rにそれぞれ設けられた電動ユニット
にそれぞれ給電して各モータ18を各々独立に駆動し、
左右のモータ18の回転がギヤ19,20を介して左右
の駆動輪4L,4Rにそれぞれ伝達されて左右の駆動輪
4L,4Rが各々独立に駆動制御され、当該電動車椅子
1が乗員Mの意思に従って走行せしめられる。
【0022】ここで、本発明に係る制御装置による制御
において使用される旋回角速度と重心速度を図4に基づ
いて定義しておく。
【0023】図4に示すように、点Oを中心とした車両
の旋回角速度をω、左右の駆動輪4L,4Rの車体中心
からの距離をW、旋回中心Oから車体中心まで距離をr
とすると、左右の駆動輪4L,4Rの速度VL ,VR
それぞれ次式によって求められる。
【0024】VL =(r+W)×ω VR =(r−W)×ω 上式より旋回角速度ωは次式によって求められる。
【0025】ω=(VL −VR )/2W … (1) 距離Wは車両寸法によって定まる既知の値であるため、
上記(1)式によって速度VL ,VR から旋回角速度ω
を算出することができる。
【0026】又、車両の重心速度vは左右の駆動輪4
L,4Rの速度VL ,VR の平均であるため、次式によ
って求められる。
【0027】v=(VL +VR )/2 … (2) 従って、上記(2)式によって速度VL ,VR から重心
速度vを算出することができる。
【0028】更に、(1),(2)式から速度VL ,V
R を次式のように逆算することができる。
【0029】VL =v+W×ω … (3) VR =v−W×ω … (4) 従って、上記(3),(4)式によって旋回角速度ωと
重心速度vから左右の駆動輪4L,4Rの速度VL ,V
R を算出することができる。
【0030】次に、本発明に係る制御装置の構成を図6
に基づいて説明する。
【0031】本発明に係る制御装置は、乗員の操舵操作
に応じてジョイスティック12から出力されるX軸方向
(左右方向)の信号(X軸信号)EX を検出して左右方
向への旋回速度指示値ω* を算出する旋回速度指令値算
出手段であるX軸信号検出部24と、乗員のスロットル
操作に応じてジョイスティック12から出力されるY軸
方向(前後方向)の信号(Y軸信号)EY を検出して車
両の前進/後進方向への重心速度指示値v* を算出する
重心速度指令値算出手段であるY軸信号検出部25と、
左右の駆動輪4L,4R又はモータ18の回転速度を検
出する回転速度検出装置を構成するエンコーダ26と、
該エンコーダ26の出力値(左右の駆動輪4L,4Rの
速度VL ,VR )から車両の旋回速度成分ωを算出する
実旋回速度算出手段27と車両の重心速度成分vを算出
する実重心速度算出手段28と、前記旋回速度指示値ω
* と前記実旋回速度算出手段27の出力値ωが等しくな
る(ω* =ω)よう左右の駆動輪4L,4Rの速度V
L ,VR を制御する旋回速度制御手段29と、前記重心
速度指令値v* と前記実重心速度算出手段28の出力値
vが等しくなるよう左右の駆動輪4L,4Rの速度V
L ,VR を制御する重心速度制御手段30とで構成され
ている。
【0032】ここで、本発明に係る制御装置における制
御の基本原理を図5に基づいて説明する。
【0033】何ら外乱が無い状態で電動車椅子1が速度
1 で直進している場合においては旋回速度成分ω=0
であるため、ジョイスティック12から出力されるY軸
信号EY は、 EY ∝V1 =v となる。
【0034】又、本実施の形態に係る電動車椅子1にお
いては、ジュイスティック12のレバー13を真横に倒
した状態で車体が定置旋回するよう構成されているた
め、レバー13を真横に倒した状態では、ジョイスティ
ック12から出力されるX軸信号EX は、 EX ∝ω となる。
【0035】従って、X軸信号EX とY軸信号EY がそ
れぞれ旋回速度指令値ω* 、重心速度指示値v* に比例
するよう制御すれば良いことが分かる。
【0036】そこで、a,bを定数として、 EY =a×v*X =b×ω* とおくと、 EY +EX =a×v* +b×ω*Y −EX =a×v* −b×ω* ここで、kを定数として、 a=k b=k×W とおくと、 EY +EX =k×(v* +W×ω* )=k×VL *Y −EX =k×(v* −W×ω* )=k×VR * ここに、VL *:左駆動輪4Lの速度指令値 VR *:右駆動輪4Rの速度指令値 となる。つまり、 EY =k×v* … (5) EX =k×W×ω* … (6) とおくと、 EY +EX =k×VL *Y −EX =k×VR * となり、これらの式から左右の駆動輪4L,4Rの各速
度指令値VL *,VR *を次式によって求めることができ
る。
【0037】VL *=(EY +EX )/k VR *=(EY −EX )/k つまり、Y軸信号EY とX軸信号EX の和(EY +E
X )によって左駆動輪4Lの速度指令値VL *を求め、Y
軸信号EY とX軸信号EX の差(EY −EX )によって
右駆動輪4Rの速度指令値VR *を求めることができ、図
5に示す速度指令値算出部分でこの計算を行っている。
【0038】次に、本発明に係る制御装置の具体的な作
用を図6に基づいて説明する。
【0039】左右のエンコーダ26によって左右の駆動
輪4L,4Rの実際の速度VL ,VR が検出されると、
これらの速度VL ,VR が前記実旋回速度算出手段27
及び実重心速度算出手段28に入力され、実旋回速度算
出手段27においては前記(1)式によって実際の旋回
角速度ωが算出され、実重心速度演算手段28において
は前記(2)式によって実際の重心速度vが算出され
る。
【0040】そして、前記X軸信号検出部24は前記
(6)式によって旋回速度指令値ω*を算出し、該X軸
信号検出部24から出力される旋回速度指令値ω* と実
際の旋回角速度ωが前記旋回速度制御手段29に入力さ
れ、又、前記Y軸信号検出部25は前記(5)式によっ
て重心速度指令値v* を算出し、該Y軸信号検出部25
から出力される重心速度指令値v* と実際の重心速度v
が前記重心速度制御手段30に入力され、旋回速度制御
手段29においては実際の旋回角速度ωが旋回速度指令
値ω* に等しくなるよう(ω* −ω)が比例積分され、
重心速度制御手段30においては実際の重心速度vが重
心速度指令値v* に等しくなるよう(v*−v)が比例
積分される。尚、旋回速度制御手段29及び重心速度制
御手段30における制御方式としては比例積分制御(P
I制御)に限定されず、他の任意の制御方式を採用する
ことができる。
【0041】而して、旋回速度制御手段29からの出力
はωに比例し、重心速度制御手段30からの出力はvに
比例するため、これらを前記(3),(4)式から左右
の駆動輪4L,4Rの速度指令値VL *,VR *に変換する
ことができ、これらの速度指令値VL *,VR *が左右のモ
ータドライバ21に入力され、各モータドライバ21に
よってモータ18の駆動が制御されてが左右の駆動輪4
L,4Rの速度VL ,VR がそれぞれ制御される。
【0042】以上において、本実施の形態では、左右の
駆動輪4L,4Rの速度VL ,VRを制御するのみで実
旋回速度算出手段27の出力値(実際の旋回速度)ωが
旋回速度指令値(乗員の操舵操作に基づく旋回速度指令
値)ω* に一致するために電動車椅子1がトラバース面
や凹凸の激しい路面を走行する場合でも車両は外乱の影
響を受けることなく乗員の意図する方向に正確に進行
し、車両の高重量化やコストアップを招くことなく車両
の操舵性が高められる。
【0043】又、本実施の形態では、旋回速度制御手段
29に加えて重心速度制御手段30を設けたため、車両
の操舵性を良好に保ちつつ、登坂/降坂時の速度変動を
小さく抑えて電動車椅子1の乗心地性を高めることがで
きる。この場合、旋回速度制御手段29と重心速度制御
手段30の制御定数は各々独立に設定することができる
ため、旋回成分と重心成分に分けて速度制御を行うこと
ができ、例えば旋回速度制御においては応答を迅速にし
て車両の方向ずれを防いで操舵性を高め、重心速度制御
においては応答を遅くして発進/停止時の乗員へのショ
ックを緩和して乗心地性を高めることができる。
【0044】<実施の形態2>次に、本発明の実施の形
態2を図7乃至図9に基づいて説明する。尚、図7は本
発明の実施の形態2に係る電動車椅子の側面図、図8は
同電動車椅子の旋回速度と重心速度を定義するための模
式図、図9は同電動車椅子の制御装置の構成を示すブロ
ック図であり、これらの図においては図1乃至図6にお
いて示したと同一要素には同一符号を付しており、以
下、それらについての説明は省略する。
【0045】図7に示す本実施の形態に係る電動車椅子
1は操舵操作をステアリングハンドルによって行うもの
であって、ステー11の上端部には、そこから車幅方向
内方に向かって略水平に車幅方向中央部まで延びる別の
ステー11aが脱着可能に取り付けられている。そし
て、このステー11aの先端部には操作ボックス13が
取り付けられており、この操作ボックス13には小径の
ステアリングハンドル31が回動可能に支持されるとと
もに、メインスイッチ15が取り付けられている。従っ
て、操作ボックス13とこれに設けられたステアリング
ハンドル31及びメインスイッチ15は乗員Mの前方の
車幅方向中央に位置している。
【0046】そして、上記ステアリングハンドル31に
は車速の進行方向成分を増減操作するためのスロットル
レバー32が設けられている。
【0047】而して、本実施の形態に係る電動車椅子1
においては、図8に示すように、左右の駆動輪4L,4
Rの軸位置から所定距離dだけ前方に離れた位置に設け
られたと仮想された操舵輪40がステアリングハンドル
31によって回動操作されると同様の感覚での操舵が制
御的に実現されるが、その制御方法についての説明は省
略する(詳細については特願平9−223815号参
照)。
【0048】ここで、本実施の形態に係る制御装置によ
る制御において使用される旋回速度と重心速度を図8に
基づいて定義しておく。
【0049】図示のように、電動車椅子1の車体の中心
線上であって、左右の駆動輪4L,4Rの軸位置から前
方に距離dだけ隔てた位置に前記ステアリングハンドル
31の操舵量に応じてその舵角θが変化する操舵輪40
を仮想する。
【0050】而して、点Oを中心とした車両の旋回角速
度をω、左右の駆動輪4L,4Rの車体中心からの距離
をW、旋回中心Oから車体中心まで距離をrとすると、
仮想した操舵輪40が速度VF と旋回中心Oから操舵輪
40の中心までの距離Lはそれぞれ次式によって求めら
れる。
【0051】VF =L×ω L=(d2 +r21/2 =d(tan θ2 +1)1/2 /ta
n θ 上式より旋回角速度ωを求めると、 ω=VF /L=(tan θ/(d(tan θ2 +1)
1/2 ))×VF となる。
【0052】ここで、前記スロットルレバー32からの
電圧信号をEa とし、 VF =α×Ea となるようにαを決めれば、 ω=(tan θ/(d(tan θ2 +1)1/2 ))×α×Ea … (7) となる。
【0053】従って、tan θと電圧信号Ea から(7)
式によって旋回角速度ωを算出することができる。
【0054】又、車両の重心速度vは次式によって求め
ることができる。
【0055】 v=r×ω=(r/L)×VF =cos θ×VF =α×cos θ×Ea … (8) 従って、cos θと電圧信号Ea から(8)式によって重
心速度vを算出することができる。
【0056】而して、本実施の形態に係る制御装置の構
成は図9に示されるが、その構成は旋回速度指令値算出
手段と実重心速度算出手段の構成のみが前記実施の形態
1の制御装置とは異なっている。
【0057】即ち、本実施の形態に係る制御装置におい
ては、スロットルレバー32からの電圧信号Ea を検知
するスロットル検知部33と、ステアリングハンドル3
1の舵角θを検出する舵角量検出部34と、検出された
舵角θに対してcos θとtanθを求める三角関数テーブ
ル35と、スロットル検出部33から出力されるα・E
a と三角関数テーブル35から出力されるcos θとtan
θを用いて前記(7),(8)式によって旋回速度指令
値ω* と重心速度指令値v* を算出する速度指令値計算
部36とで構成されている。而して、本実施の形態に係
る制御装置においても前記実施の形態1と同様の制御が
なされるため、本実施の形態によっても前記実施の形態
1と同様の効果が得られる。
【0058】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、請求項1
記載の発明によれば、左右の駆動輪の速度を制御するの
みで実旋回速度算出手段の出力値(実際の旋回速度)が
旋回速度指令値(乗員の操舵操作に基づく旋回速度指令
値)に一致するために車椅子がトラバース面や凹凸の激
しい路面を走行する場合でも車両は外乱の影響を受ける
ことなく乗員の意図する方向に正確に進行し、車両の高
重量化やコストアップを招くことなく車両の操舵性が高
められるという効果が得られる。
【0059】請求項2記載の発明によれば、旋回速度制
御手段に加えて重心速度制御手段を設けたため、車両の
操舵性を良好に保ちつつ、登坂/降坂時の速度変動を小
さく抑えて車椅子の乗心地性を高めることができる。
又、旋回速度制御手段と重心速度制御手段を各々独立に
機能させることができるため、旋回成分と重心成分に分
けて速度制御を行うことができ、例えば旋回速度制御に
おいては応答を迅速にして車両の方向ずれを防いで操舵
性を高め、重心速度制御においては応答を遅くして発進
/停止時の乗員へのショックを緩和して乗心地性を高め
ることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る電動車椅子の側面
図である。
【図2】ジョイスティックの側面図である。
【図3】ジョイスティックの底面図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る電動車椅子の旋回
速度と重心速度を定義するための模式図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係る電動車椅子の制御
装置の基本構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の実施の形態1に係る電動車椅子の制御
装置の構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の実施の形態2に係る電動車椅子の側面
図である。
【図8】本発明の実施の形態2に係る電動車椅子の旋回
速度と重心速度を定義するための模式図である。
【図9】本発明の実施の形態2に係る電動車椅子の制御
装置の構成を示すブロック図である。
【図10】従来の電動車椅子の制御装置の構成を示すブ
ロック図である。
【符号の説明】
1 電動車椅子 4L,4R 駆動輪 12 ジョイスティック 18 モータ 24 X軸信号検出部(旋回速度指令値算出手
段) 25 Y軸信号検出部(重心速度指令値算出手
段) 26 エンコーダ(回転速度検出装置) 27 実旋回速度算出手段 28 実重心速度算出手段 29 旋回速度制御手段 30 重心速度制御手段 31 ステアリングハンドル 32 スロットルレバー

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 左右の駆動輪をそれぞれ別個のモータで
    独立に駆動し、それぞれの回転速度及び回転方向を個別
    に制御することによって車速変更と操舵を行う電動車椅
    子の制御装置であって、 乗員の操舵操作量から車両の左右方向への旋回速度又は
    旋回角速度指令値を算出する旋回速度指令値算出手段
    と、 左右の駆動輪又はモータの回転速度を検出する回転速度
    検出装置と、 前記回転速度検出装置の出力値から車両の旋回速度又は
    旋回角速度成分を算出する実旋回速度算出手段と、 前記旋回速度指令値算出手段の出力値と前記実旋回速度
    算出手段の出力値が等しくなるよう左右の駆動輪の回転
    速度を制御する旋回速度制御手段と、 を含んで構成されることを特徴とする電動車椅子の制御
    装置。
  2. 【請求項2】 乗員のスロットル操作量から車両の前進
    /後進方向への重心速度指令値を算出する重心速度指令
    値算出手段と、 前記回転速度検出装置の出力値から車両の重心速度成分
    を算出する実重心速度算出手段と、 前記重心速度指令値と前記実重心速度算出手段の出力値
    が等しくなるよう左右の駆動輪の回転速度を制御する重
    心速度制御手段と、 を設けたことを特徴とする請求項1記載の電動車椅子の
    制御装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004120875A (ja) * 2002-09-25 2004-04-15 Matsushita Electric Works Ltd 動力車
JP2013226387A (ja) * 2012-03-26 2013-11-07 Aisin Seiki Co Ltd パーソナルビークル制御装置
JP2017226289A (ja) * 2016-06-21 2017-12-28 アイシン精機株式会社 電動車

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