JP6156681B2 - 窒化物半導体発光素子及びその製造方法 - Google Patents

窒化物半導体発光素子及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6156681B2
JP6156681B2 JP2013025834A JP2013025834A JP6156681B2 JP 6156681 B2 JP6156681 B2 JP 6156681B2 JP 2013025834 A JP2013025834 A JP 2013025834A JP 2013025834 A JP2013025834 A JP 2013025834A JP 6156681 B2 JP6156681 B2 JP 6156681B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nitride semiconductor
light emitting
semiconductor layer
type nitride
emitting device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013025834A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014154837A (ja
JP2014154837A5 (ja
Inventor
月原 政志
政志 月原
晃平 三好
晃平 三好
杉山 徹
徹 杉山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ushio Denki KK
Original Assignee
Ushio Denki KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ushio Denki KK filed Critical Ushio Denki KK
Priority to JP2013025834A priority Critical patent/JP6156681B2/ja
Priority to TW103100645A priority patent/TWI577048B/zh
Publication of JP2014154837A publication Critical patent/JP2014154837A/ja
Publication of JP2014154837A5 publication Critical patent/JP2014154837A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6156681B2 publication Critical patent/JP6156681B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Led Devices (AREA)

Description

本発明は窒化物半導体発光素子に関し、特に発光効率を向上させた発光素子に関する。
従来、窒化物半導体を用いた発光素子は、青色発光ダイオードなどに広く利用されている。最近では、更に短波長の領域、例えば、発光波長が370nm帯域にある紫外発光ダイオード(LED)の開発が進められている。
しかし、発光波長が375nm以下の紫外発光デバイスを作製すると、黄色可視光帯の発光(いわゆる「ディープ発光」)が見られるようになり、デバイスの発光色は白みがかった色が強くなるといった現象が発生している。この現象により、紫外光領域の光を放射するべきところが、黄色又は白色の発光が発生してしまい、ディープ発光による可視光成分がノイズとなって、放射する光の単色性が取れないという問題があった。また、必要な波長以外の光が放射されることにより、発光効率そのものが低下するという問題があった。ディープ発光は、紫外領域など短波長光の発光デバイスにおいて顕著に現れる。
このディープ発光が生じる原因としては、これまで発光層中の欠陥や不純物準位での発光と言われているが、定かではなかった。
なお、下記非特許文献1には、フォトルミネッセンスの測定から、ディープ発光にはC(炭素)が何らかの影響を及ぼしていることまでは認識されている。
水木 他、「CドープGaNの核反応分析:格子間炭素とイエロールミネッセンスの相関について」、平成17年3月、第52回応用物理学会関係連合講演会講演予稿集31a−L−35
本発明者は、上述したように、もし発光層中の欠陥や不純物準位での発光がディープ発光の原因であるとすれば、発光層の質を高めることでディープ発光を減衰させることができるものと推察した。すなわち、発光層内の欠陥や含有不純物(例えばC)を限りなく少なくすることで、ディープ発光を大幅に減衰させることができると推察した。
そこで、主たる発光波長が370nm帯の別々の紫外LED素子(51〜55)に対して同一の電流を流し、それぞれについて、素子の主たる発光波長の発光出力と、主たる発光波長の光強度に対するディープ発光強度の割合(以下、「ディープ強度比」という。)の関係を測定した。この測定結果を図1に示す。
同一の電流が流された状態で、主たる発光波長の光強度が高いLED素子54,55は、LED素子51,52に比べて欠陥や含有不純物の少ない良質な発光層を有しているものと考えられる。
確かに、LED素子51に比べると、その素子よりも良質な発光層を有していると考えられるLED素子52〜55は、そのディープ強度比が低下している。この点のみを踏まえると、発光層の質を高めることでディープ強度比を低下させることができていると考えられる。つまり、発光層中の欠陥や不純物準位での発光がディープ発光の原因であると結論付けることが可能である。
しかし、LED素子51,52,53,54,55の順に主たる発光波長の発光出力が大幅に高くなっている以上、この順に発光層の質は向上しているといえるが、ディープ強度比の低下割合は、この発光出力の向上の割合に比べて著しく低い。しかも、LED素子54と55を比べると、発光出力には十分な差異が現れているのにも関わらず、ディープ強度比はほとんど変化していない。
本発明者は、この実験結果から、ディープ発光は、発光層中の欠陥や不純物準位での発光とは異なる別の事象に基づいて生じているのではないかと考察し、かかる原因を究明することによって、ディープ強度比を低下させることが可能であることに思いを至った。
本発明は、ディープ発光を抑制し、単色性を高めて発光効率の良い窒化物半導体発光素子を提供することを目的とする。
本発明の窒化物半導体発光素子は、n型窒化物半導体層とp型窒化物半導体層の間に発光層を有する窒化物半導体発光素子であって、前記n型窒化物半導体層は、AlGa1−nN(0<n≦1)を含み、含有されるC濃度が1×1017/cm以下であることを特徴とする。
実施例において後述されるように、本発明者の鋭意研究により、n型窒化物半導体層に含有されるC濃度が高くなると、発光素子からディープ発光が強く顕在化することを突き止めた。そして、このC濃度を1×1017/cm以下とすることで、主たる発光波長の発光出力に対して、ディープ発光の発光出力を有意に低下させることができることを突き止めた。
窒化物半導体発光素子として、主たる発光波長が紫外光である発光素子を構成した場合、本来であれば、紫外光が発光されることで、ピーク波長の裾部分に該当する紫色の可視光の影響を受けて濃い紫色の光が発光されるはずである。しかし、黄色可視光帯の光を含むディープ発光が生じている場合、紫色系の光と黄色系の光が混合されたことで、発光色が白っぽくなる。
しかし、本発明のように、n型窒化物半導体層に含有されるC濃度を1×1017/cm以下として、同様に紫外光発光素子を構成した場合、素子からの発光色から白っぽさが少なくなる。この含有C濃度を低下させるほど、白っぽさはなくなっていき、発光色は濃い紫色になる。このことからも、n型窒化物半導体層に含有されるC濃度を低下させることで、ディープ発光を抑制できることが分かる。そして、これにより、発光素子の単色性と発光効率を向上させることができる。
ディープ発光の問題は、主たる発光波長が375nm以下の紫外光発光素子である場合に顕著に現れる。このため、紫外光発光素子において、n型窒化物半導体層に含有されるC濃度を1×1017/cm以下とすることで、ディープ発光を抑制する効果が最大限現れる。ただし、紫外光発光素子でなくても多少のディープ発光は生じるため、主たる発光波長が375nmを超える発光素子であっても、同様にn型窒化物半導体層に含有されるC濃度を1×1017/cm以下とすることで、ディープ発光の抑制効果は実現される。
また、本発明の窒化物半導体発光素子は、主たる発光波長が375nm以下の紫外光発光素子である場合に、黄色の可視光波長の発光強度が、この主たる発光波長の発光強度に対して強度比が0.1%以下であることを別の特徴とする。
上述したように、n型窒化物半導体層に含有されるC濃度を1×1017/cm以下とすることで、黄色の可視光波長の発光強度が、主たる発光波長の発光強度に対して強度比が0.1%以下となり、ディープ発光が問題とならないレベルにまで抑制される
本発明の窒化物半導体発光素子によれば、ディープ発光が抑制されるので、高い単色性と、高い発光効率を有する発光素子が実現される。
別々の紫外LED素子に対して同一の電流を流したときの、各素子の主たる発光波長の発光出力と、主たる発光波長の光強度に対するディープ発光強度の割合の関係を示すグラフである。 窒化物半導体発光素子の概略断面図である。 実施例1、実施例2、比較例1の3素子に同一の電流を流したときに得られる光のスペクトル分布を示すグラフである。 実施例1、実施例2、比較例1の3素子に同一の電流を流したときの発光態様を示す写真である。 窒化物半導体発光素子の別の概略断面図である。
本発明の窒化物半導体発光素子につき、図面を参照して説明する。なお、各図において図面の寸法比と実際の寸法比は必ずしも一致しない。
[構造]
本発明の窒化物半導体発光素子1の構造につき、図2を参照して説明する。図2は窒化物半導体発光素子1の概略断面図である。なお、以下では、「LED素子1」と略記する。
なお、本実施形態では、LED素子1が、主たる発光波長が370nm帯の紫外光発光素子であるものとして説明するが、発光波長はこの値に限られるものではない。
LED素子1は、支持基板2、アンドープ層3、n型窒化物半導体層4、発光層5、p型窒化物半導体層6が下からこの順に積層されて形成されている。
(支持基板2)
支持基板2は、サファイア基板で構成される。なお、サファイアの他、Si、SiC、AlN、AlGaN、GaN、YAGなどで構成しても構わない。
(アンドープ層3)
アンドープ層3は、GaNにて形成される。より具体的には、GaNよりなる低温バッファ層と、その上層にGaNよりなる下地層によって形成される。
(n型窒化物半導体層4)
n型窒化物半導体層4は、不純物として含有されるCの濃度が1×1017/cm以下となるように形成されたAlGa1−nN(0<n≦1)によって構成される。この含有C濃度の低下方法については後述される。
(発光層5)
発光層5は、例えばGaInNからなる井戸層とAlGaNからなる障壁層が繰り返されてなる多重量子井戸構造を有する半導体層(AlGaInN発光層)で形成される。これらの層はアンドープでもp型又はn型にドープされていても構わない。
(p型窒化物半導体層6)
p型窒化物半導体層6は、AlGa1−mN(0<m≦1)によって構成される。なお、p型窒化物半導体層6は、n型窒化物半導体層4とは異なり、不純物として含有されるCの濃度が1×1017/cmを上回っていても構わない。この点についても後述される。
なお、図2には図示しないが、LED素子1は、p型窒化物半導体層6の上層に、コンタクト用の高濃度p型GaN層を有するものとして構わない。また、エッチングによって露出されたn型窒化物半導体層4の上層にn電極を、高濃度p型GaN層の上層にp電極をそれぞれ有するものとして構わない。
[製造プロセス]
次に、図2に示したLED素子1の製造プロセスにつき説明する。なお、この製造プロセスはあくまで一例であり、ガスの流量、炉内温度、炉内圧力等は適宜調整して構わない。
まず、支持基板2の上層にアンドープ層3を形成する。これは、例えば以下の方法により実現される。
(支持基板2の準備)
支持基板2としてのサファイア基板を準備し、c面サファイア基板のクリーニングを行う。このクリーニングは、より具体的には、例えばMOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition:有機金属化学気相蒸着)装置の処理炉内にc面サファイア基板を配置し、処理炉内に流量が10slmの水素ガスを流しながら、炉内温度を例えば1150℃に昇温することにより行われる。
(アンドープ層3の形成)
次に、c面サファイア基板の表面に、GaNよりなる低温バッファ層を形成し、更にその上層にGaNよりなる下地層を形成する。これら低温バッファ層及び下地層がアンドープ層3に対応する。
アンドープ層3のより具体的な形成方法は例えば以下の通りである。まず、МОCVD装置の炉内圧力を100kPa、炉内温度を480℃とする。そして、処理炉内にキャリアガスとして流量がそれぞれ5slmの窒素ガス及び水素ガスを流しながら、原料ガスとして、流量が50μmol/minのトリメチルガリウム(TMG)及び流量が223000μmol/minのアンモニアを処理炉内に68秒間供給する。これにより、c面サファイア基板の表面に、厚みが20nmのGaNよりなる低温バッファ層を形成する。
次に、MOCVD装置の炉内温度を1150℃に昇温する。そして、処理炉内にキャリアガスとして流量が20slmの窒素ガス及び流量が15slmの水素ガスを流しながら、原料ガスとして、流量が100μmol/minのTMG及び流量が223000μmol/minのアンモニアを処理炉内に30分間供給する。これにより、低温バッファ層の表面に、厚みが3μmのGaNよりなる下地層を形成する。
(n型窒化物半導体層4の形成)
次に、アンドープ層3の上層にAlGa1−nN(0<n≦1)の組成からなるn型窒化物半導体層4を形成する。
n型窒化物半導体層4のより具体的な形成方法は、例えば以下の通りである。まず、引き続き炉内温度を1150℃とした状態で、MOCVD装置の炉内圧力を30kPaとする。そして、処理炉内にキャリアガスとして流量が20slmの窒素ガス及び流量が15slmの水素ガスを流しながら、原料ガスとして、TMG,トリメチルアルミニウム(TMA),アンモニア及びn型不純物をドープするためのテトラエチルシランを処理炉内に30分間供給する。これにより、例えばAl0.06Ga0.94Nの組成を有し、厚みが1.7μmのn型窒化物半導体層4がアンドープ層3の上層に形成される。
ここで、V族であるアンモニアと、III族であるTMG,TMAの流量比(V/III比)を2000以上にすることで、n型窒化物半導体層4に含有するC濃度を1×1017/cm以下にすることができる。例えば、流量223000μmol/minのTMG、流量100μmol/minのTMA、流量7μmol/minのアンモニアを原料ガスとして用いることで、V/III比を約2000とすることができる。なお、テトラエチルシランにもC原子が含まれるが、その流量は例えば0.025μmol/min程度であるため、TMGやTMAと比べてn型窒化物半導体層4に含有するC濃度への影響は無視できる。
なお、V/III比を1000とした場合、生成されたn型窒化物半導体層4の含有C濃度は5×1017/cmであった(後述する比較例1)。また、V/III比を2000とした場合の、前記含有C濃度は1×1017/cmであり(後述する実施例2)、V/III比を4000とした場合の、前記含有C濃度は5×1016/cmであった(後述する実施例1)。なお、生成されたn型窒化物半導体層4の含有C濃度は、SIMS(Secondary Ion Mass Spectrometry:二次イオン質量分析法)によって測定した。
原料ガスであるTMGやTMAには、構成分子にC原子が含まれる。一方、アンモニアにはC原子が含まれない。このため、V/III比を高めることで、形成されるn型窒化物半導体層4の含有C濃度を低下させることができる。
なお、V/III比を高める以外にも、成長圧力を高めることでも含有C濃度を低下させることが可能である。これは、成長圧力を高めることで、MOCVD装置内にアンモニアが滞在する時間が伸びるため、炉内にアンモニアリッチな環境が形成される結果、V/III比を大きくするのと同様の効果が得られるためと考えられる。なお、この場合、成長圧力としては、30kPa以上100kPa以下であることが好ましく、50kPa以上100kPa以下であることがより好ましい。
また、n型窒化物半導体層4に含まれるn型不純物としては、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、硫黄(S)、セレン(Se)、錫(Sn)及びテルル(Te)などを用いることができる。これらの中では、特にシリコン(Si)が好ましい。
(発光層5の形成)
次に、n型窒化物半導体層4の上層にAlGaInNで構成される多重量子井戸構造を有する発光層5を形成する。
具体的には、まずMOCVD装置の炉内圧力を100kPa、炉内温度を830℃とする。そして、処理炉内にキャリアガスとして流量が15slmの窒素ガス及び流量が1slmの水素ガスを流しながら、原料ガスとして、流量が10μmol/minのTMG、流量が12μmol/minのトリメチルインジウム(TMI)及び流量が300000μmol/minのアンモニアを処理炉内に48秒間供給するステップを行う。その後、流量が10μmol/minのTMG、流量が1.6μmol/minのTMA、0.002μmol/minのテトラエチルシラン及び流量が300000μmol/minのアンモニアを処理炉内に120秒間供給するステップを行う。以下、これらの2つのステップを繰り返すことにより、厚みが2nmのGaInNよりなる井戸層及び厚みが7nmのn型AlGaNよりなる障壁層による15周期の多重量子井戸構造を有する発光層5が、n型窒化物半導体層4の表面に形成される。
(p型窒化物半導体層6の形成)
次に、発光層5の上層に、AlGa1−mN(0≦m<1)で構成されるp型半導体層6を形成する。
具体的には、MOCVD装置の炉内圧力を100kPaに維持し、処理炉内にキャリアガスとして流量が15slmの窒素ガス及び流量が25slmの水素ガスを流しながら、炉内温度を1025℃に昇温する。その後、原料ガスとして、流量が35μmol/minのTMG、流量が20μmol/minのTMA、流量が250000μmol/minのアンモニア及びp型不純物をドープするための流量が0.1μmol/minのビスシクロペンタジエニルを処理炉内に60秒間供給する。これにより、発光層5の表面に、厚みが20nmのAl0.3Ga0.7Nの組成を有する正孔供給層を形成する。その後、TMGの流量を9μmol/minに変更して原料ガスを360秒間供給することにより、厚みが120nmのAl0.13Ga0.87Nの組成を有する正孔供給層を形成する。これらの正孔供給層によりp型窒化物半導体層6が形成される。
ここで、p型窒化物半導体層6の形成プロセスでは、n型窒化物半導体層4の形成プロセスよりも低温下で膜成長がなされるため、n型窒化物半導体層4の形成時よりも炉内がIII族リッチな環境下となる。よって、n型窒化物半導体層4よりも含有C濃度が高くなる可能性がある。しかし、後述するように、p型窒化物半導体層6内の含有C濃度が例えば1×1019/cm程度と高い値であったとしても、n型窒化物半導体層4内の含有C濃度を1×1017/cm以下にすることで、ディープ発光を減衰させる効果が得られた。
なお、p型不純物としては、マグネシウム(Mg)、ベリリウム(Be)、亜鉛(Zn)、カーボン(C)などを用いることができる。
(後の工程)
p型窒化物半導体層6の形成後、TMAの供給を停止すると共に、ビスシクロペンタジエニルの流量を0.2μmol/minに変更して原料ガスを20秒間供給する。これにより、厚みが5nmのp型GaNよりなる高濃度p型GaN層が形成される。
その後、アニール処理を行った後、エッチングによるn型窒化物半導体層4の一部上面を露出させる。そして、露出したn型窒化物半導体層4の上面にn電極を、高濃度p型GaN層の上面にp電極をそれぞれ形成する。
[実施例]
以下、実施例を参照して説明する。
上述したプロセスにおいて、n型窒化物半導体層4の形成時の原料ガスのV/III比のみを異ならせ、他の条件は同じにすることで、実施例1、実施例2、比較例1の3素子を形成した。なお、いずれの素子も主たる発光波長が370nm帯の紫外光発光素子である。
・実施例1: V/III比を4000として作成。n型窒化物半導体層4の含有C濃度は5×1016/cm
・実施例2: V/III比を2000として作成。n型窒化物半導体層4の含有C濃度は1×1017/cm
・比較例1: V/III比を1000として作成。n型窒化物半導体層4の含有C濃度は5×1017/cm
なお、いずれの素子においても、p型窒化物半導体層6の形成時の原料ガスのV/III比を6000とし、p型窒化物半導体層6の含有C濃度は1×1017/cmであった。
図3は、実施例1、実施例2、比較例1の3素子に同一の電圧を加えたときに得られる光のスペクトル分布を示すグラフである。横軸は発光波長、縦軸が光強度である。また、図4は、各素子の発光状態を示す写真である。
図3によれば、比較例1においては、370nm帯の発光強度に対して、黄色の可視光波長帯を含む550nm−600nm帯の発光波長(ディープ発光)の強度の比率(ディープ強度比)は約0.3%であり、0.1%を超えている。この場合、本来であれば紫外光が発光されることで、ピーク波長の裾部分に該当する紫色の可視光の影響を受けて濃い紫色の光が発光されるはずであるが、図4の写真によりディープ発光の影響を受けてかなり白っぽく光っている。紫色系の光と黄色系の光が混合されたことで、発光色が白っぽくなっている。なお、図3によれば、実施例1のディープ強度比は約0.03%、実施例2のディープ強度比は約0.1%である。
これに対し、実施例1、実施例2では、ディープ強度比が0.1%以下に抑えられており、図4の写真でも素子からの発光色から白っぽさが少なくなり、濃い色になっていることが分かる。比較例1,実施例1,実施例2を比べると、n型窒化物半導体層4の含有C濃度を低下させるほど、ディープ強度比を低下させる効果が得られていることが分かる。
なお、実施例2と同様、n型窒化物半導体層4の含有C濃度を1×1017/cmとした状態で、p型窒化物半導体層6の形成時の原料ガスのV/III比を1000にして、p型窒化物半導体層6の含有C濃度を1×1019/cmに上昇させて同様の測定を行ったが、実施例2と有意な差は得られなかった。このことからも、n型窒化物半導体層4の含有C濃度がディープ発光に影響していることが分かる。
すなわち、ディープ発光は、発光層5内ではなく、n型窒化物半導体層4内に含まれるCが作り出す不純物準位に由来して生じていることが分かる。このことから、n型窒化物半導体層4内の含有C濃度をなるべく少なくすることにより、ディープ発光を抑制させることができる。
p型窒化物半導体層6の不純物としてMgをドープする場合、Mgが作り出す準位によりCでの準位由来の発光が抑制されると考えられる。このため、p型窒化物半導体層6に含まれるCの不純物濃度は、少なくともMgのドープ量以下であれば、ディープ発光には影響しないと考えられる。Mgのドープ濃度は1〜2×1019/cm程度であるため、1×1019/cm程度の含有C濃度であれば、ディープ発光に影響しない。しかし、同程度の含有C濃度がn型窒化物半導体層4に含まれている場合には、高いディープ発光が生じてしまうのは前述の通りである。
なお、発光層5もn極性の窒化物半導体によって構成されているため、含有C濃度は低い方が好ましい。しかし、発光層5は、n型窒化物半導体層4と比較して膜厚が極めて薄いため、含有されるCの絶対量がn型窒化物半導体層4よりも極めて少ない。よって、実際には、n型窒化物半導体層4の含有C濃度ほどディープ発光に大きく寄与しない。
[別実施形態]
図2に示すLED素子1は、支持基板2及びアンドープ層3を有するものとしたが、これらを剥離した構成(図5参照)としても構わない。この場合においても、図3及び図4を参照して上述したものと同様の効果が得られた。
1 : 窒化物半導体発光素子
2 : 支持基板
3 : アンドープ層
4 : n型窒化物半導体層
5 : 発光層
6 : p型窒化物半導体層
51,52,53,54,55 : LED素子

Claims (6)

  1. n型窒化物半導体層とp型窒化物半導体層の間に発光層を有する窒化物半導体発光素子であって、
    前記n型窒化物半導体層は、AlGa1−nN(0<n≦1)を含み、含有されるC濃度が5×10 16 /cm以下であり、
    前記p型窒化物半導体層に含有されるp型不純物の濃度が、前記n型窒化物半導体層に含有されるC濃度よりも高く、
    主たる発光波長が375nm以下の紫外光発光素子であることを特徴とする窒化物半導体発光素子。
  2. 前記窒化物半導体発光素子がLED素子であることを特徴とする請求項1に記載の窒化物半導体発光素子。
  3. 黄色の可視光波長の発光強度が、前記主たる発光波長の発光強度に対して強度比が0.1%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の窒化物半導体発光素子。
  4. サファイア基板を有し、
    前記n型窒化物半導体層、前記p型窒化物半導体層、及び前記発光層は、前記サファイア基板のC面上に形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の窒化物半導体発光素子。
  5. 窒化物半導体発光素子の製造方法であって、
    前記窒化物半導体発光素子は、主たる発光波長が375nm以下の紫外光発光素子であり、
    サファイア基板を準備する工程(a)と、
    前記サファイア基板のC面上に、n型窒化物半導体層と、発光層と、p型窒化物半導体層とを形成する工程(b)とを有し、
    前記工程(b)において、
    前記n型窒化物半導体層は、AlGa1−nN(0<n≦1)を含み、含有されるC濃度が5×10 16 /cm以下であり、
    前記p型窒化物半導体層に含有されるp型不純物の濃度が、前記n型窒化物半導体層に含有されるC濃度よりも高いことを特徴とする窒化物半導体発光素子の製造方法。
  6. 前記工程(b)において、V族の材料と、III族の材料の流量比であるV/III比を2000以上に設定した状況で前記n型窒化物半導体層を成長させることを特徴とする請求項5に記載の窒化物半導体発光素子の製造方法。
JP2013025834A 2013-02-13 2013-02-13 窒化物半導体発光素子及びその製造方法 Active JP6156681B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013025834A JP6156681B2 (ja) 2013-02-13 2013-02-13 窒化物半導体発光素子及びその製造方法
TW103100645A TWI577048B (zh) 2013-02-13 2014-01-08 Nitride semiconductor light emitting device and manufacturing method thereof

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013025834A JP6156681B2 (ja) 2013-02-13 2013-02-13 窒化物半導体発光素子及びその製造方法

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2014154837A JP2014154837A (ja) 2014-08-25
JP2014154837A5 JP2014154837A5 (ja) 2016-02-18
JP6156681B2 true JP6156681B2 (ja) 2017-07-05

Family

ID=51576362

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013025834A Active JP6156681B2 (ja) 2013-02-13 2013-02-13 窒化物半導体発光素子及びその製造方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP6156681B2 (ja)
TW (1) TWI577048B (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6478685B2 (ja) * 2015-02-12 2019-03-06 ウシオ電機株式会社 半導体発光素子

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6888170B2 (en) * 2002-03-15 2005-05-03 Cornell Research Foundation, Inc. Highly doped III-nitride semiconductors
JP2005101536A (ja) * 2003-08-28 2005-04-14 Nichia Chem Ind Ltd 窒化物半導体レーザ素子
WO2007013257A1 (ja) * 2005-07-29 2007-02-01 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. 窒化物系半導体素子
CN101689523B (zh) * 2007-07-17 2012-02-22 住友电气工业株式会社 电子器件的制作方法、外延衬底的制作方法、ⅲ族氮化物半导体元件及氮化镓外延衬底
JP5191843B2 (ja) * 2008-09-09 2013-05-08 株式会社東芝 半導体発光素子及びウェーハ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014154837A (ja) 2014-08-25
TWI577048B (zh) 2017-04-01
TW201448270A (zh) 2014-12-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5549338B2 (ja) 紫外光放射用窒素化合物半導体ledおよびその製造方法
TW201724560A (zh) 氮化物半導體發光元件
US9978905B2 (en) Semiconductor structures having active regions comprising InGaN and methods of forming such semiconductor structures
TWI497766B (zh) 半導體裝置製造方法
US9117955B2 (en) Semiconductor structures having active regions comprising ingan, methods of forming such semiconductor structures, and light emitting devices formed from such semiconductor structures
US9246057B2 (en) Semiconductor structures having active regions comprising InGaN, methods of forming such semiconductor structures, and light emitting devices formed from such semiconductor structures
JP2009239243A (ja) 発光素子及びその製造方法
TWI636581B (zh) Semiconductor light-emitting element
KR100916489B1 (ko) 반도체 발광소자 및 그 제조방법
US8278129B2 (en) Manufacturing method of nitride semi-conductor layer, and a nitride semi-conductor light emitting device with its manufacturing method
TWI602321B (zh) Nitride semiconductor light emitting device and method of manufacturing the same
JP2012204540A (ja) 半導体装置およびその製造方法
JP6156681B2 (ja) 窒化物半導体発光素子及びその製造方法
JP6356530B2 (ja) 窒化物半導体発光素子及びその製造方法
JP2006128653A (ja) 3−5族化合物半導体、その製造方法及びその用途
JP3785059B2 (ja) 窒化物半導体の製造方法
WO2015190000A1 (ja) 窒化物半導体発光素子
JP6206710B2 (ja) 窒化物半導体発光素子
JP2016039326A (ja) 窒化物半導体発光素子
KR100921143B1 (ko) 반도체 발광소자
KR20150133622A (ko) 발광 소자 및 그 제조 방법
TW201635596A (zh) 半導體發光元件

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140616

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150917

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151224

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160511

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160511

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160630

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161018

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170511

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170524

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6156681

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250