JP2016039326A - 窒化物半導体発光素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】ディープ発光を抑制し、単色性を高めて発光効率の良い窒化物半導体発光素子を提供する。【解決手段】 本発明の窒化物半導体発光素子は、n型半導体層と、p型半導体層と、n型半導体層及びp型半導体層に挟持されて構成された活性層とを有する素子である。n型半導体層はGaN層を含み、GaN層のn型ドーパント濃度が5?1018/cm3以下である。【選択図】 図4

Description

本発明は窒化物半導体発光素子に関し、特に発光効率を向上させた発光素子に関する。
従来、窒化物半導体を用いた発光素子は、青色発光ダイオードなどに広く利用されている。最近では、更に短波長の領域、例えば、発光波長が370nm帯域にある紫外発光ダイオード(LED)の開発が進められている。
しかし、発光波長が405nm以下といった紫色波長帯、又は波長が375nm以下といった紫外領域の発光デバイスを作製すると、黄色可視光帯の発光(いわゆる「ディープ発光」)が見られるようになり、デバイスの発光色は白みがかった色が強くなるといった現象が発生している。この現象により、紫外光領域又は紫色の光を放射するべきところが、黄色又は白色の発光が生じ、ディープ発光による可視光成分がノイズとなって、放射する光の単色性が取れないという問題があった。また、必要な波長以外の光が放射されることにより、発光効率そのものが低下するという問題があった。
このディープ発光が生じる原因としては、これまで活性層中の欠陥や不純物準位での発光と言われているが、定かではなかった。
なお、下記非特許文献1には、フォトルミネッセンスの測定から、ディープ発光にはC(炭素)が何らかの影響を及ぼしているのではないかという記載がされている。
水木 他、「CドープGaNの核反応分析:格子間炭素とイエロールミネッセンスの相関について」、平成17年3月、第52回応用物理学会関係連合講演会講演予稿集31a−L−35 S.Fritze, et al., "High Si and Ge n-type doping of GaN doping - Limits and impact on stress", Applied Physics Letters 100, 122104, (2012)
本発明者は、上述したように、もし活性層中の欠陥や不純物準位での発光がディープ発光の原因であるとすれば、活性層の質を高めることでディープ発光を減衰させることができるものと推察した。すなわち、活性層内の欠陥や含有不純物を限りなく少なくすることで、ディープ発光を大幅に減衰させることができると推察した。
そこで、主たる発光波長が370nm帯の別々の紫外LED素子(51〜55)に対して同一の電流を流し、それぞれについて、素子の主たる発光波長の発光出力と、主たる発光波長の光強度に対するディープ発光強度の割合(以下、「ディープ強度比」という。)の関係を測定した。この測定結果を図1に示す。
同一の電流が流された状態で、主たる発光波長の光強度が高いLED素子54,55は、LED素子51,52に比べて欠陥や含有不純物の少ない良質な活性層を有しているものと考えられる。
確かに、LED素子51に比べると、その素子よりも良質な活性層を有していると考えられるLED素子52〜55は、そのディープ強度比が低下している。この点のみを踏まえると、活性層の質を高めることでディープ強度比を低下させることができていると考えられる。つまり、活性層中の欠陥や不純物準位での発光がディープ発光の原因であると結論付けることが可能である。
しかし、LED素子51,52,53,54,55の順に主たる発光波長の発光出力が大幅に高くなっている以上、この順に活性層の質は向上しているといえるが、ディープ強度比の低下割合は、この発光出力の向上の割合に比べて著しく低い。しかも、LED素子54と55を比べると、発光出力には十分な差異が現れているのにも関わらず、ディープ強度比はほとんど変化していない。
本発明者は、この実験結果から、ディープ発光は、活性層中の欠陥や不純物準位での発光とは異なる別の事象に基づいて生じているのではないかと考察し、かかる原因を究明することによって、ディープ強度比を低下させることが可能であることに思いを至った。
本発明は、ディープ発光を抑制し、単色性を高めて発光効率の良い窒化物半導体発光素子を提供することを目的とする。
本発明は、n型半導体層と、p型半導体層と、前記n型半導体層及び前記p型半導体層に挟持されて構成された活性層とを有する窒化物半導体発光素子であって、
前記n型半導体層はGaN層を含み、前記GaN層のn型ドーパント濃度が5×1018/cm以下であることを特徴とする。
また、本発明は、基板上に、n型半導体層と、p型半導体層と、前記n型半導体層及び前記p型半導体層に挟持されて構成された活性層とを有する窒化物半導体発光素子であって、
前記基板と前記活性層の間にGaN層を含み、前記GaN層のn型ドーパント濃度が5×1018/cm以下であることを別の特徴とする。
窒化物半導体発光素子は、サファイア等の成長基板の上層にGaN層を成長させた後、当該GaN層の上層に各半導体層を成長させるのが一般的である。ここで、窒化物半導体を用いたLED素子としては、いわゆる「横型構造」と「縦型構造」の2種類が大きく存在する。横型構造とは、成長基板をそのまま残した上で、成長基板の同一面側にn側電極とp型電極が配置された構造を指す。また、縦型構造とは、成長基板の反対側に支持基板を貼り付けた上で成長基板及び成長基板の直上に形成されたGaN層を除去し、支持基板の一方の面にn側電極を配置し、他方の面にp側電極を配置してなる構造を指す。
本発明者の鋭意研究によれば、他の成長条件を同一にして横型構造のLED素子と縦型構造のLED素子を製造すると、横型構造のLED素子においてディープ発光の強度が高いことが確認された(図2参照)。図2は、成長基板及びその上層に成長したGaN層を除去して構成した縦型構造のLED素子と、成長基板及び前記GaN層を残存させた横型構造のLED素子に対して、それぞれ同一の電圧を加えたときに得られる光のスペクトル分布を示すグラフである。横軸は発光波長、縦軸が発光強度である。なお、いずれのLED素子も、主たる発光波長が370nm帯となるような条件で製造されたものである。
図2によれば、縦型構造の素子に比べて、横型構造の素子では、黄色の可視光波長帯を含む550nm−600nm帯の発光波長(ディープ発光)の強度が高くなっていることが分かる。かかる結果から、本発明者は、GaN層が存在することで、ディープ発光の強度が高くなっているのではないかと推察した。
また、本発明者は、この理由として、活性層から放出された主たる発光波長の光をGaN層が吸収することにより、主たる発光波長の強度が低下した結果、相対的にディープ発光の強度が高まったのではないかという仮説を立てた。そこで、横型構造の素子として、n型半導体層をAlGaNで構成したもの(検証例1)と、n型半導体層をGaNで構成したもの(検証例2)とをそれぞれ作製し、同一条件で発光させてそれぞれのディープ強度比を測定した。なお、ここでいう「ディープ強度比」とは、主たる発光波長の発光強度に対する、黄色の可視光波長帯を含む波長が550nm−600nm帯の発光(ディープ発光)の強度の比率を指す。
もし、GaN層での吸収に起因して主たる発光波長の強度が低下した結果、相対的にディープ発光の強度が高まるのであれば、検証例2の方が検証例1よりもディープ強度比が高くなるはずである。しかし、上記検証の結果、ディープ強度比は共に0.1%程度であり、検証例1と検証例2に有意な差は認められず、上記の仮説は正しくないという結論に達した。
そこで、本発明者は、更に研究を重ねた結果、GaN層に含まれるn型ドーパント濃度によってディープ発光の強度が影響されることを突き止めた。すなわち、GaN層に含まれるn型ドーパント濃度を高くするとディープ発光の強度が高まり、同濃度を低くするとディープ発光の強度が低下することを見出した。特に、GaN層のn型ドーパント濃度を5×1018/cm以下とすることで、主たる発光波長の発光出力に対して、ディープ発光の発光出力を有意に低下させることができることを突き止めた。この点は、「実施例」を参照して後述される。
なお、前記窒化物半導体発光素子において、n型半導体層は、GaN層のみで構成されていても構わないし、AlX1InX2GaX3N(0≦X1≦1、0≦X2≦1、0≦X3≦1、X1+X2+X3=1)とGaN層の積層構造であっても構わない。いずれの場合においても、前記GaN層のn型ドーパント濃度が5×1018/cm以下である。この場合、前記窒化物半導体発光素子を、縦型構造のLED素子として構成しても構わないし、横型構造のLED素子として構成しても構わない。
また、前記窒化物半導体発光素子は、基板とn型半導体層の間に、n型ドーパント濃度が5×1018/cm以下のGaN層を有しているものとしても構わない。この場合、前記窒化物半導体発光素子は横型構造のLED素子として構成することができる。
上記構成において、GaN層のn型ドーパント濃度を1×1017/cm以下としても構わない。かかる構成とすることで、主たる発光波長の発光出力に対する、ディープ発光の発光出力を更に低下させることができる。
本発明の窒化物半導体発光素子は、主たる発光波長が405nm以下であるものとすることができる。
また、本発明の窒化物半導体発光素子は、黄色の可視光波長の発光強度が、主たる発光波長の発光強度に対して強度比が0.1%以下であることを別の特徴とする。ここで、「強度比」とは、主たる発光波長のピーク強度に対する波長550nm以上600nm以下の黄色の可視光波長のピーク強度の比をいう。
上述したように、n型半導体層がGaN層を含む場合においては、当該GaN層のn型ドーパント濃度を5×1018/cm以下とすることで、黄色の可視光波長の発光強度が、前記主たる発光波長の発光強度に対して強度比が0.1%以下となり、ディープ発光が問題とならないレベルにまで抑制される。また、基板と活性層の間にGaN層を含む場合においては、当該GaN層のn型ドーパント濃度を5×1018/cm以下とすることで、黄色の可視光波長の発光強度が、前記主たる発光波長の発光強度に対して強度比が0.1%以下となり、ディープ発光が問題とならないレベルにまで抑制される。
本発明の窒化物半導体発光素子によれば、ディープ発光が抑制されるので、高い単色性と、高い発光効率を有する発光素子が実現される。
別々の紫外LED素子に対して同一の電流を流したときの、各素子の主たる発光波長の発光出力と、主たる発光波長の光強度に対するディープ発光強度の割合の関係を示すグラフである。 成長条件を同一にして製造された横型構造のLED素子と縦型構造のLED素子に対して、それぞれ同一の電圧を加えたときに得られる光のスペクトル分布を示すグラフである。 窒化物半導体発光素子の構成を模式的に示す断面図である。 実施例1、実施例2、比較例1の3素子に同一の電圧を加えたときに得られる光のスペクトル分布を示すグラフである。 n型ドーパントの濃度を1.5×1019/cmとしたときのGaNの層表面のSEM写真である。
[構造]
本発明の窒化物半導体発光素子1の構造につき、図3を参照して説明する。図3は窒化物半導体発光素子1(適宜、「発光素子1」と略記する。)の構成を模式的に示す断面図である。
発光素子1は、基板2と、基板2の上面に形成された第一GaN層3と、第一GaN層3の上層に形成されたn型半導体層4と、n型半導体層4の上層に形成された活性層5と、活性層5の上層に形成されたp型半導体層6とを有する。
(基板2)
基板2は、サファイア基板で構成される。なお、サファイアの他、Si、SiC、AlN、AlGaN、GaN、YAGなどで構成しても構わない。
(第一GaN層3)
第一GaN層3は、n型ドーパント濃度が5×1018/cm以下で構成されている。ここでいうn型ドーパントとしては、Si、Ge、Oなどが挙げられる。
(n型半導体層4)
n型半導体層4は、例えばAlX1InX2GaX3N(0≦X1≦1、0≦X2≦1、0≦X3≦1、X1+X2+X3=1)によって構成される。一例として、Al0.06Ga0.94Nで構成することができる。
なお、n型半導体層4として、AlX1InX2GaX3NとGaNの積層構造を採用することもできる。このGaNを「第二GaN層」と呼ぶとすれば、この第二GaN層も、第一GaN層3と同様に、n型ドーパント濃度が5×1018/cm以下で構成されている。
(活性層5)
活性層5は、例えばInGaNからなる発光層とAlGaNからなる障壁層が複数層繰り返されて構成される。これらの層はアンドープでもp型又はn型にドープされていても構わない。
(p型半導体層6)
p型半導体層6は、AlY1InY2GaY3N(0≦Y1≦1、0≦Y2≦1、0≦Y3≦1、Y1+Y2+Y3=1)によって構成される。一例として、p型半導体層6をAl0.3Ga0.7Nで構成することができる。
なお、p型半導体層6として、AlY1InY2GaY3NとGaNの積層構造を採用することもできる。
[製造プロセス]
次に、図3に示した発光素子1の製造プロセスにつき説明する。なお、この製造プロセスはあくまで一例であり、ガスの流量、炉内温度、炉内圧力等は適宜調整して構わない。
まず、基板2の上層に第一GaN層3を形成する。これは、例えば以下の方法により実現される。
(基板2の準備)
基板2としてのサファイア基板を準備し、c面サファイア基板のクリーニングを行う。このクリーニングは、より具体的には、例えばMOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition:有機金属化学気相蒸着)装置の処理炉内にc面サファイア基板を配置し、処理炉内に流量が10slmの水素ガスを流しながら、炉内温度を例えば1150℃に昇温することにより行われる。
(第一GaN層3の形成)
次に、c面サファイア基板の表面に、GaNよりなる低温バッファ層を形成し、更にその上層にGaNよりなる下地層を形成する。これら低温バッファ層及び下地層が第一GaN層3に対応する。
第一GaN層3のより具体的な形成方法は例えば以下の通りである。まず、МОCVD装置の炉内圧力を100kPa、炉内温度を480℃とする。そして、処理炉内にキャリアガスとして流量がそれぞれ5slmの窒素ガス及び水素ガスを流しながら、原料ガスとして、流量が50μmol/minのトリメチルガリウム(TMG)及び流量が223000μmol/minのアンモニアを処理炉内に68秒間供給する。これにより、c面サファイア基板の表面に、厚みが20nmのGaNよりなる低温バッファ層を形成する。
次に、MOCVD装置の炉内温度を1150℃に昇温する。そして、処理炉内にキャリアガスとして流量が20slmの窒素ガス及び流量が15slmの水素ガスを流しながら、原料ガスとして、流量が100μmol/minのTMG及び流量が223000μmol/minのアンモニアを処理炉内に30分間供給する。これにより、低温バッファ層の表面に、厚みが1.7μmのGaNよりなる下地層を形成する。
原料ガス中の水分やMOCVD装置の部材などからOが取り込まれる場合がある。また、従来、このような第一GaN層3を成長させるにあたって、意図的にSiを導入する場合があった。本構成のLED素子1においては、このようなSiやOといったn型ドーパント濃度が5×1018/cm以下の範囲内になるよう、第一GaN層3を成長させる。具体的な方法の一例としては、例えば第一GaN層3の成長時にSi含有の原因となる材料を導入しないことや、利用前にMOCVD装置を厳密に清浄しておき、残存しているおそれのあるOやSiの成分を極力除去しておくことなどが挙げられる。
(n型半導体層4の形成)
次に、第一GaN層3の上層にAlX1InX2GaX3Nの組成からなるn型半導体層4を形成する。
n型半導体層4のより具体的な形成方法は、例えば以下の通りである。まず、引き続き炉内温度を1150℃とした状態で、MOCVD装置の炉内圧力を30kPaとする。そして、処理炉内にキャリアガスとして流量が20slmの窒素ガス及び流量が15slmの水素ガスを流しながら、原料ガスとして、TMG,トリメチルアルミニウム(TMA),アンモニア及びn型不純物をドープするためのテトラエチルシランを処理炉内に30分間供給する。これにより、例えばAl0.06Ga0.94Nの組成を有し、厚みが1.7μmのn型半導体層4が第一GaN層3の上層に形成される。
なお、AlX1InX2GaX3Nの上層にGaN(上記「第二GaN層」に対応)を成長させてn型半導体層4を構成する方法も可能である。この場合には、AlX1InX2GaX3Nの成長後、例えば、TMAの供給を停止すると共に、それ以外の原料ガスを6秒間供給することで、厚みが5nmの第二GaN層を形成することができる。
n型半導体層4として第二GaN層を成長させる場合には、第一GaN層3と同様に、n型ドーパント濃度が5×1018/cm以下の範囲内になるように第二GaN層を成長させる。
なお、上述の例では、n型半導体層4に含まれるn型不純物をSiとする場合について説明しているが、Siの他、Ge、S、Se、Sn、Teなどを用いることもできる。
(活性層5の形成)
次に、n型半導体層4の上層に活性層5を形成する。
具体的には、まずMOCVD装置の炉内圧力を100kPa、炉内温度を830℃とする。そして、処理炉内にキャリアガスとして流量が15slmの窒素ガス及び流量が1slmの水素ガスを流しながら、原料ガスとして、流量が10μmol/minのTMG、流量が12μmol/minのトリメチルインジウム(TMI)及び流量が300000μmol/minのアンモニアを処理炉内に48秒間供給するステップを行う。その後、流量が10μmol/minのTMG、流量が1.6μmol/minのTMA、0.002μmol/minのテトラエチルシラン及び流量が300000μmol/minのアンモニアを処理炉内に120秒間供給するステップを行う。以下、これらの2つのステップを繰り返すことにより、厚みが2nmのInGaNよりなる発光層及び厚みが7nmのn型AlGaNよりなる障壁層が15周期繰り返されてなる活性層5が、n型半導体層4の表面に形成される。
(p型半導体層6の形成)
次に、活性層5の上層に、AlY1InY2GaY3Nで構成されるp型半導体層6を形成する。
具体的には、MOCVD装置の炉内圧力を100kPaに維持し、処理炉内にキャリアガスとして流量が15slmの窒素ガス及び流量が25slmの水素ガスを流しながら、炉内温度を1025℃に昇温する。その後、原料ガスとして、流量が35μmol/minのTMG、流量が20μmol/minのTMA、流量が250000μmol/minのアンモニア及びp型不純物をドープするための流量が0.1μmol/minのビスシクロペンタジエニルマグネシウム(CPMg)を処理炉内に60秒間供給する。これにより、活性層5の表面に、厚みが20nmのAl0.3Ga0.7Nの組成を有する正孔供給層を形成する。その後、TMGの流量を9μmol/minに変更して原料ガスを360秒間供給することにより、厚みが120nmのAl0.13Ga0.87Nの組成を有する正孔供給層を形成する。これらの正孔供給層によりp型半導体層6が形成される。
なお、AlY1InY2GaY3Nの上層にp型GaNを成長させてp型半導体層6を構成する方法も可能である。この場合には、AlY1InY2GaY3Nの成長後、例えば、TMAの供給を停止すると共に、TMAの供給を停止すると共に、CPMgの流量を0.2μmol/minに変更して原料ガスを20秒間供給する。これにより、厚みが5nmのp型GaNが形成される。
なお、上述の例では、p型半導体層6に含まれるp型不純物をMgとする場合について説明しているが、Mgの他、Be、Zn、Cなどを用いることもできる。
(後の工程)
基板2の同一面側にn側電極とp型電極を配置するいわゆる「横型構造」のLED素子を実現する場合には、ICPエッチングによりn型半導体層4の一部上面を露出させ、露出したn型半導体層4の上層にn側電極を形成し、p型半導体層6の上層にp側電極を形成する。そして、各素子同士を例えばレーザダイシング装置によって分離し、電極に対してワイヤボンディングを行う。これにより、いわゆる「横型構造」を有するLED素子が製造される。
一方、基板の一方の面にn側電極を配置し、他方の面にp側電極を配置してなる、いわゆる「縦型構造」のLED素子を製造する場合には、以下の手順による。まず、p型窒化物半導体層6の上層にp側電極となる金属電極(反射電極)、ハンダ拡散防止層、及びハンダ層を形成する。そして、ハンダ層を介して、導体又は半導体で構成された支持基板(例えばCuW基板)を貼り合わせた後、上下を反転させて基板2をレーザ照射等の方法により剥離する。その後、n型半導体層4の上層にn側電極を形成する。以下、横型構造と同様に、素子分離及びワイヤボンディングを行う。
なお、上述したように、n型半導体層4は、AlX1InX2GaX3N層のみで構成されている場合の他、AlX1InX2GaX3N層とGaN層を含む層であっても構わない。また、AlX1InX2GaX3N層は、AlN層、AlGaN層、AlInGaN層、又はGaN層のいずれの層で構成されていても構わないし、これらが複数層積層されていても構わない。但し、n型半導体層4をAlInGaN層で構成する場合、Inの組成比は極めて低い(例えば1%未満)ものとして構わない。p型半導体層6についても同様である。
[実施例]
以下、実施例を参照して説明する。
上述のプロセスにおいて、n型半導体層4に含まれるGaN層(上記の「第二GaN層」に対応する。)にドープされるSi濃度を異ならせ、他の条件は同じにすることで、実施例1、実施例2、比較例1の3つの横型構造のLED素子を製造した。
実施例1の素子は、第二GaN層のSi濃度が5×1016/cmである。
実施例2の素子は、第二GaN層のSi濃度が5×1018/cmである。
比較例1の素子は、第二GaN層のSi濃度が1×1019/cmである。
図4は、実施例1、実施例2、比較例1の各LED素子に同一の電圧を加えたときに得られる光のスペクトル分布を示すグラフである。横軸は発光波長、縦軸が発光強度である。図4によれば、比較例1においては、370nm帯の発光強度に対して、黄色の可視光波長帯を含む550nm−600nm帯の発光波長(ディープ発光)の強度の比率(ディープ強度比)は約0.15%であり、0.1%を超えている。この場合、本来であれば紫外光が発光されることで、ピーク波長の裾部分に該当する紫色の可視光の影響を受けて濃い紫色の光が発光されるはずであるが、ディープ発光の影響を受けて白っぽく光ることが確認された。紫色系の光と黄色系の光が混合されたことで、発光色が白っぽく発光されたものと考えられる。なお、図4によれば、実施例1のディープ強度比は約0.06%、実施例2のディープ強度比は約0.09%である。
実施例1、実施例2では、ディープ強度比が0.1%以下に抑えられており、素子からの発光色から白っぽさがなくなっていることが確認された。比較例1,実施例1,実施例2を比べると、n型半導体層4のSi濃度を低下させるほど、ディープ強度比を低下させる効果が得られていることが分かる。
この結果と、「課題を解決するための手段」の項で上述した検証結果に基づけば、GaN層に含有されるSi濃度を低下させることで、ディープ発光強度を低下できることが分かる。なお、上記実施例1,実施例2,及び比較例1の各素子においては、第一GaN層3のSi濃度はいずれも5×1018/cmを下回っていた。このことから、GaN層を有するLED素子において、当該GaN層のSi濃度を5×1018/cm以下とすることで、ディープ発光強度を低減できることが分かる。
本来、n型半導体層4は、抵抗率を低下させる観点から、n型ドーパントの濃度をできるだけ高めることが一般的である。また、n型ドーパントとしてはSiが一般的に利用される。
ここで、n型半導体層4としてGaN層を有する場合、GaN層にドープされるSi濃度を1×1019/cm以上にすると、原子結合の状態が悪化するなどの原因により、GaN層の表面に膜荒れが発生してしまうという現象が知られている(例えば上記非特許文献1参照)。
図5は、n型ドーパントの濃度を1.5×1019/cmとしたときのGaNの層表面のSEM(Scanning Electron Microscope:走査型電子顕微鏡)写真である。図5に示すように、GaN層にドープするSi濃度を1.5×1019/cmとすると、表面に荒れが生じていることが分かる。なお、Si濃度を1.3×1019/cm、2×1019/cmとしても同様に表面の荒れが確認できた。これより、GaNにおいては、非特許文献1に記載のように、1×1019/cmより大きくすると層表面に荒れが生じてしまうことが分かる。
そこで、n型半導体層4にGaN層を含める場合には、GaN層の表面に膜荒れを生じさせない範囲内において抵抗率をできるだけ低下させる観点から、ドーパントの濃度を1×1019/cmに設定するのが一般的であった。半導体層の抵抗率を低下させることができれば、低電圧の下で高い発光強度が実現できるためである。比較例1において、第二GaN層のSi濃度を1×1019/cmに設定しているのは、かかる理由による。
しかし、上記の考察によれば、第二GaN層のSi濃度を意図的に5×1018/cm以下とすることによって、ディープ発光の強度を低下させられることが分かった。これは従来になかった知見である。
なお、図2及び図4によれば、このようなディープ発光の問題が特に顕著化するのは、主たる発光波長が黄色波長帯よりも短い領域を示すLED素子であり、より具体的には紫外又は紫色光を発光するLED素子である。すなわち、LED素子1の主たる発光波長が405nm以下である場合において、GaN層のSi濃度を5×1018/cm以下とすることで、ディープ発光の問題を抑制することが可能となる。なお、LED素子1の主たる発光波長が375nm以下である場合には、上記構成とすることで、ディープ発光の問題を大幅に抑制できる。
なお、上述の実施例では、n型半導体層4に含まれる第二GaN層について検討したが、第一GaN層3についても同様の議論が可能である。活性層5と基板2の間にGaN層を有する横型構造のLED素子において、当該GaN層のSi濃度を5×1018/cm以下とすることで、ディープ発光の問題を抑制することが可能となる。すなわち、成長基板としての基板2及びその上層に設けられる第一GaN層3が残存する横型構造のLED素子1であって、n型半導体層4としてGaNを含まない構成とした場合においても、第一GaN層3のSi濃度を5×1018/cm以下とすることで、ディープ発光の問題を抑制することができる。
また、LED素子が縦型構造か横型構造かを問わず、n型半導体層4にGaN層(第二GaN層)を含む場合には、この第二GaN層のSi濃度を5×1018/cm以下とすることで、ディープ発光の問題を抑制することが可能となる。
また、上述の実施例では、n型ドーパントとしてSiを用いる場合について説明したが、OやGeなどについても同様の議論が可能である。
1 : 窒化物半導体発光素子
2 : 基板
3 : 第一GaN層
4 : n型半導体層
5 : 活性層
6 : p型半導体層
51,52,53,54,55 : LED素子

Claims (5)

  1. n型半導体層と、p型半導体層と、前記n型半導体層及び前記p型半導体層に挟持されて構成された活性層とを有する窒化物半導体発光素子であって、
    前記n型半導体層はGaN層を含み、前記GaN層のn型ドーパント濃度が5×1018/cm以下であることを特徴とする窒化物半導体発光素子。
  2. 基板上に、n型半導体層と、p型半導体層と、前記n型半導体層及び前記p型半導体層に挟持されて構成された活性層とを有する窒化物半導体発光素子であって、
    前記基板と前記活性層の間にGaN層を含み、前記GaN層のn型ドーパント濃度が5×1018/cm以下であることを特徴とする窒化物半導体発光素子。
  3. 前記GaN層は、n型ドーパント濃度が1×1017/cm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の窒化物半導体発光素子。
  4. 主たる発光波長が405nm以下の発光素子であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の窒化物半導体発光素子。
  5. 黄色の可視光波長の発光強度が、主たる発光波長の発光強度に対して強度比が0.1%以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の窒化物半導体発光素子。
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