JP6156098B2 - イオントラップ質量分析装置 - Google Patents
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Description
a)前記イオントラップに捕捉したイオンに対し特定のイオンを選択的に残すイオン選別操作を行うことなく所定のプリカーサイオンについての開裂操作を実施するイオン非選択開裂制御部と、
b)前記イオントラップに捕捉したイオンに対しイオン選別操作に引き続き所定のプリカーサイオンについての開裂操作を実施するイオン選択開裂制御部と、
c)前記イオン選択開裂制御部の制御の下でMSn分析(ただしnは2以上の整数)を実行することで得られたMSnスペクトルにおいて、タンパク質又は糖タンパク質に特徴的であるピーク群を検出する特徴ピーク群検出部と、
d)前記特徴ピーク群検出部によりピーク群が検出された場合に、前記MSn分析と同じイオン選別操作及び開裂操作に引き続き、前記イオン非選択開裂制御部の制御の下で前記ピーク群をプリカーサイオンとした開裂操作を実行してマススペクトルを取得するように前記イオン選択開裂制御部及び前記イオン非選択開裂制御部を制御する分析制御部と、
を備えることを特徴としている。
また、イオントラップにおける開裂操作は典型的には、イオントラップ内に導入されたガスと励振されたイオンとの衝突による衝突誘起解離(低エネルギ衝突誘起解離)である。
a)前記イオントラップに捕捉したイオンに対し特定のイオンを選択的に残すイオン選別操作を行うことなく所定のプリカーサイオンについての開裂操作を実施するイオン非選択開裂制御部と、
b)前記イオントラップに捕捉したイオンに対しイオン選別操作に引き続き所定のプリカーサイオンについての開裂操作を実施するイオン選択開裂制御部と、
c)MSn+1分析を実施したと仮定したときに、ペプチドのN/C末端配列又はインモニウムイオンを用いたアミノ酸配列組成推定が可能であるプロダクトイオンが、低質量カットオフ以上の質量電荷比範囲に現れる、と推定されるようなプリカーサイオンが、前記イオン選択開裂制御部の制御の下でMSn分析(ただしnは2以上の整数)を実行することで得られたMSnスペクトルにプロダクトイオンとして検出されるか否か判定する特徴イオン検出部と、
d)前記特徴イオン検出部によりプロダクトイオンが検出された場合に、前記MSn分析と同じイオン選別操作及び開裂操作に引き続き、前記イオン非選択開裂制御部の制御の下で前記プロダクトイオンをプリカーサイオンとした開裂操作を実行してマススペクトルを取得するように前記イオン選択開裂制御部及び前記イオン非選択開裂制御部を制御する分析制御部と、
を備えることを特徴としている。
なお、分析制御部6及びデータ処理部5の一部はパーソナルコンピュータに予めインストールされた専用の処理・制御ソフトウエアを該コンピュータで実行することにより、後述する各機能を実施する構成とすることができる。
(1)ペプチドからのアミノ酸残基中の特定結合部位の開裂により生じたピーク群であり、アミノ酸2個以上の配列がMSnスペクトル上のピーク間隔から推定可能である複数のピークを含むピーク群。
(2)糖鎖のニュートラルロスにより生じたピーク群であり、2個以上の糖鎖又はその環開裂断片がMSnスペクトル上のピーク間隔から推定可能である複数のピークを含むピーク群。
(3)N型糖ペプチドに特徴的なトリプレットピーク(3本のピークからなるピーク群)。
(4)タンパク質に含まれる硫黄を用いたジスルフィド結合(Disulfide bond)により結合した複数のペプチドに特徴的である32Da又は34Da間隔で並ぶトリプレットピーク。
(5)着目しているピークをプリカーサイオンとしたMSn+1分析を実施したと仮定したときに、ペプチドのN/C末端配列又はインモニウムイオンを用いたアミノ酸配列組成推定が可能であるプロダクトイオンがそのときの低質量カットオフ以上の質量電荷比範囲に現れる、と推定されるようなプリカーサイオンに対応するピーク。
なお、ステップS8においてプリCID候補がないと判定された場合には、プリCID操作する対象が存在しないので、ステップS9をスキップしてステップS10へ進む。
一方、所定上限値が3以上であれば、ステップS11において少なくとも1回はNoと判定され、nの値がインクリメントされて(ステップS12)ステップS3へと戻る。そうして、さらに多段のMSn分析について同様の測定及び処理を実行する。
実測例1において、目的試料はラビットのグリコーゲンホスホリラーゼ(Rabbit Glycogen phosphorylase B)のトリプシン消化物ペプチドである。
図3(a)はトリプシン消化物ペプチド中のアミノ酸配列[LLSYVDDEAFIR](m/z 1441)をプリカーサイオンに設定して得られたMS2スペクトルである。なお、データの積算回数は40回である。図示するように、MS2スペクトル中には質量電荷比がm/z750、m/z635、m/z506である3本のピークが観測され、それらピークの間隔はタンパク質の構成要素であるアスパラギン酸(D)とグルタミン酸(E)に相当する。そのため、この複数のピークは上記(1)の特徴的なピーク群であると推定される。なお、このMS2スペクトルから抽出したピーク情報をタンパク質データベース検索に供してもペプチドを同定することはできなかった。
図3(a)、(b)に示したMS2スペクトル及びMS2+PreCIDスペクトルからそれぞれ得られたピークリストを統合したピーク情報をタンパク質データベース検索に供して同定処理を行った結果、ペプチドは正しく同定された。
この実測例2では、目的試料はウシフェチュイン由来の三分岐糖ペプチドである三分岐N結合型糖ペプチド(m/z 6536.72(Ave.))である。この三分岐糖ペプチドのシアル酸脱離イオン(m/z 5662.9(Ave.))に対するMS2スペクトルから特定糖やその環開裂によるニュートラルロスに由来するプロダクトイオンを抽出し、これを対象としたプリCIDを実施した。さらに、それによって得られたMS2+PreCIDスペクトルにおいてN型糖ペプチドに特徴的なトリプレットピークを検出し、そのいずれか一つ以上をプリカーサイオンとしたMS3分析を実施した。
2…イオントラップ
21…リング電極
22、24…エンドキャップ電極
23…イオン入射口
25…イオン出射口
3…検出部
4…ガス供給部
5…データ処理部
51…マススペクトル作成部
52…プリカーサイオン選択部
53…特徴ピーク検出部
54…ペプチド同定部
6…分析制御部
61…通常CID実行制御部
62…プリCID実行制御部
7…主電源部
8…補助電源部
Claims (7)
- 分析対象のタンパク質又はペプチドである化合物由来のイオンを捕捉するとともに捕捉したイオンを開裂させるイオントラップを具備し、開裂により生成されたプロダクトイオンを該イオントラップ自体で又は該イオントラップの外側に設けた質量分離器により質量分離して検出するイオントラップ質量分析装置において、
a)前記イオントラップに捕捉したイオンに対し特定のイオンを選択的に残すイオン選別操作を行うことなく所定のプリカーサイオンについての開裂操作を実施するイオン非選択開裂制御部と、
b)前記イオントラップに捕捉したイオンに対しイオン選別操作に引き続き所定のプリカーサイオンについての開裂操作を実施するイオン選択開裂制御部と、
c)前記イオン選択開裂制御部の制御の下でMSn分析(ただしnは2以上の整数)を実行することで得られたMSnスペクトルにおいて、タンパク質又は糖タンパク質に特徴的であるピーク群を検出する特徴ピーク群検出部と、
d)前記特徴ピーク群検出部によりピーク群が検出された場合に、前記MSn分析と同じイオン選別操作及び開裂操作に引き続き、前記イオン非選択開裂制御部の制御の下で前記ピーク群をプリカーサイオンとした開裂操作を実行してマススペクトルを取得するように前記イオン選択開裂制御部及び前記イオン非選択開裂制御部を制御する分析制御部と、
を備えることを特徴とするイオントラップ質量分析装置。 - 請求項1に記載のイオントラップ質量分析装置であって、
前記タンパク質又は糖タンパク質に特徴的であるピーク群は、ペプチドからのアミノ酸残基中の特定結合部位の開裂により生じたピーク群であり、アミノ酸2個以上の配列がスペクトル上のピーク間隔から推定可能である複数のピークを含むことを特徴とするイオントラップ質量分析装置。 - 請求項1に記載のイオントラップ質量分析装置であって、
前記タンパク質又は糖タンパク質に特徴的であるピーク群は、糖鎖のニュートラルロスにより生じたピーク群であり、2個以上の糖鎖又はその環開裂断片がスペクトル上のピーク間隔から推定可能である複数のピークを含むことを特徴とするイオントラップ質量分析装置。 - 請求項1に記載のイオントラップ質量分析装置であって、
前記タンパク質又は糖タンパク質に特徴的であるピーク群は、糖鎖のニュートラルロスにより生じたピーク群であり、N型糖ペプチドに特徴的なトリプレットピークであることを特徴とするイオントラップ質量分析装置。 - 請求項1に記載のイオントラップ質量分析装置であって、
前記タンパク質又は糖タンパク質に特徴的であるピーク群は、ジスルフィド結合により結合した複数のペプチドに特徴的である32Da又は34Da間隔で並ぶトリプレットピークであることを特徴とするイオントラップ質量分析装置。 - 請求項3に記載のイオントラップ質量分析装置であって、
前記分析制御部は、前記MSn分析と同じイオン選別操作及び開裂操作に引き続き、前記イオン非選択開裂制御部の制御の下で前記ピーク群をプリカーサイオンとした開裂操作を実行して取得したマススペクトルに対しN型糖ペプチドに特徴的なトリプレットピークを検出し、該特徴的なトリプレットピークが検出された場合には該トリプレットピークをプリカーサイオンとしたMSn+1分析を実行するように前記イオン選択開裂制御部及び前記イオン非選択開裂制御部を制御することを特徴とするイオントラップ質量分析装置。 - 分析対象のタンパク質又はペプチドである化合物由来のイオンを捕捉するとともに捕捉したイオンを開裂させるイオントラップを具備し、開裂により生成されたプロダクトイオンを該イオントラップ自体で又は該イオントラップの外側に設けた質量分離器により質量分離して検出するイオントラップ質量分析装置において、
a)前記イオントラップに捕捉したイオンに対し特定のイオンを選択的に残すイオン選別操作を行うことなく所定のプリカーサイオンについての開裂操作を実施するイオン非選択開裂制御部と、
b)前記イオントラップに捕捉したイオンに対しイオン選別操作に引き続き所定のプリカーサイオンについての開裂操作を実施するイオン選択開裂制御部と、
c)MSn+1分析を実施したと仮定したときに、ペプチドのN/C末端配列又はインモニウムイオンを用いたアミノ酸配列組成推定が可能であるプロダクトイオンが、低質量カットオフ以上の質量電荷比範囲に現れる、と推定されるようなプリカーサイオンが、前記イオン選択開裂制御部の制御の下でMSn分析(ただしnは2以上の整数)を実行することで得られたMSnスペクトルにプロダクトイオンとして検出されるか否か判定する特徴イオン検出部と、
d)前記特徴イオン検出部によりプロダクトイオンが検出された場合に、前記MSn分析と同じイオン選別操作及び開裂操作に引き続き、前記イオン非選択開裂制御部の制御の下で前記プロダクトイオンをプリカーサイオンとした開裂操作を実行してマススペクトルを取得するように前記イオン選択開裂制御部及び前記イオン非選択開裂制御部を制御する分析制御部と、
を備えることを特徴とするイオントラップ質量分析装置。
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JP2013244500A JP6156098B2 (ja) | 2013-11-27 | 2013-11-27 | イオントラップ質量分析装置 |
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JP2013244500A Active JP6156098B2 (ja) | 2013-11-27 | 2013-11-27 | イオントラップ質量分析装置 |
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