JP6155965B2 - 電極形成用ガラス粉末および電極形成用導電ペースト - Google Patents

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Description

本発明は、太陽電池の電極を形成するために用いられる電極形成用ガラス粉末、およびこれを用いた電極形成用導電ペースト、太陽電池に関するものである。
従来から、シリコン(Si)等の半導体基板の上に電極となる導電層を形成した電子デバイスが、種々の用途に使用されている。この電極となる導電層は、アルミニウム(Al)や銀(Ag)、銅(Cu)等の導電性金属粉末とガラス粉末を有機ビヒクル中に分散させた導電性ペーストを、半導体基板上に塗布し、導電性金属粉末の融点以上の温度で焼成することにより形成されている。
導電性ペーストに配合されるガラス粉末としては、酸化鉛を含有するものが用いられている(例えば、特許文献1参照)が、環境保護等の理由から、鉛を含有しない組成のものが求められている。
また、長期信頼性に伴う電極の耐水性や、コストダウンによる基板の薄層化に伴う基板反りの要求が厳しくなる傾向にあるが、既存のガラスを使用したAlペーストだと両特性を同時に達成することは困難だった。
鉛を含有しないガラス粉末も種々提案されており、例えば、特許文献2ではAl電極配線用のガラス組成物として、Alより仕事関数が小さい元素を用いたガラスを提案されている。Vおよびアルカリ土類酸化物RnOが多く含有された組成となっているが、実施例より、基板の反りが発生している(特許文献2、実施例G−09〜G−13参照)。
また、鉛の代替としてBiを主成分としたビスマス系ガラスフリットも知られている(例えば、特許文献3参照)。しかし、ここに開示されたものはBiの含有量が多いため、Al電極の耐水性が悪化し、長期信頼性を得ることができない。
以上の基板の反りを低減し、且つガラスフリットの耐水性を両立したAl粉末を含むペースト組成物も知られている(例えば、特許文献4参照)。しかし、遷移金属酸化物を多量に含むため、生産コストが高くなる。
特開2008−159917号公報 国際公開第11/118297号パンフレット 特開2010−010495号公報 国際公開第11/013469号パンフレット
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、太陽電池電極を形成するために用いられるガラス粉末であって、焼成後の電極の、基板反りと耐水性を両立させ、低コストで生産可能な無鉛ガラスからなるガラス粉末の提供を目的とする。
上記した課題は、以下の(1)から()に記載した本発明により達成される。
(1)太陽電池の電極に用いられるガラス粉末であって、酸化物換算の質量%表示で、Biを5〜40%、ZnOを15〜50%、Alを1〜10%、SiOを0〜30%、Bを0〜30%、V を3.8〜5%含有し、光学的塩基性度が0.47〜0.57、ガラス転移点が450〜600℃、粒径D50が0.5〜5.0μmの範囲にあり、実質的にPbを含まないことを特徴とするガラス粉末。
(2)SiOを5〜30%、Bを5〜30%、ΣRO(R=Mg、Ca、Sr、Ba)を0〜30%、TiOを0〜10%、Sを0〜35%含有する(1)のガラス粉末。
(3)(1)又は(2)に記載のガラス粉末と、導電性金属粉末、および有機ビヒクルを含有する電極形成用導電ペースト。
(4)導電性金属粉末が、Al、Ag、Cuから選ばれる1種である、(3)記載の電極形成用導電ペースト。
(5)前記導電性金属粉末100質量部に対し、前記ガラス粉末を0.1〜10質量部、前記有機ビヒクルを10〜30質量部含有することを特徴とする(3)又は(4)記載の電極形成用導電ペースト
本発明のガラス粉末によれば、焼成後の電極の、基板の反りと耐水性を両立させ、さらに低コストで生産することができる。
以下、本発明について太陽電池の裏面電極を一例として詳細に説明する。なお、導電性金属粉末にはAlを用いた。本発明のガラス粉末は太陽電池の電極形成の時に使用されるものであり、酸化物換算の質量%表示で、Biを5〜40%、ZnOを15〜50%、Alを1〜10%、SiOを0〜30%、Bを0〜30%含有し、光学的塩基性度が0.47〜0.57、ガラス転移点が450〜600℃、粒径D50が0.5〜5.0の範囲にあり、実質的にPbを含まないことを特徴とする。
上記した本発明のガラス粉末の各成分の説明およびそれらの含有割合(酸化物換算の質量%表示)について、以下に説明する。
Biは、ガラスの軟化流動性を向上させ、半導体基板と受光面電極の接合強度を向上させる。また、Biが還元されて生成されたBi粒子と、Al粒子が共晶反応によりAl粒子の溶融温度が低下する。その結果、Al粒子がSi基板へ拡散し、P層を形成し変換効率向上に寄与する。このBiはガラス粉末中に5質量%から40質量%以下の割合で含有させる。Biの含有量が5%未満であると、ガラス軟化点が高くなるために流動性が低下し、半導体基板と受光面電極との接合強度が十分なものとならないおそれがある。好ましくは10質量%以上であり、より好ましくは15質量%以上である。一方、Biの含有量が40質量%を超えると、Al電極としての耐水性が悪くなり、長期信頼性が得られなくなるおそれがある。好ましくは30質量%以下であり、より好ましくは25質量%以下である。
ZnOは、ガラスを安定化させる成分である。さらに、Al電極としての耐水性を高める成分であり、ガラス粉末中に10質量%以上50質量%以下の割合で含有させる。ZnOの含有量が10質量%未満であると、Al電極としての耐水性が低下し、長期信頼性が得られなくなるおそれがある。好ましくは、15質量%以上であり、より好ましくは20質量%以上である。一方、ZnOの含有量が50質量%を超えると、ガラスの安定性が悪化し、失透しやすくなるため、生産性が悪くなるおそれがある。好ましくは35質量%以下であり、より好ましくは30質量%以下である。
Alは、ガラスを安定化させる成分であり、ガラス粉末中に1質量%以上10質量%以下の割合で含有させる。Alの含有量が1質量%未満だとAlのSi基板への拡散が無くなりP層が形成できず、変換効率が向上しないおそれがある。好ましくは、1質量%以上である。Alの含有量が10質量%を超えるとガラスが失透しやすくなり、電極を安定生産できないおそれがある。好ましくは8質量%以下であり、より好ましくは5質量%以下である。
SiOは、ガラス形成成分である。さらに、アルミペーストの焼結を抑え、アルミ電極のブリスター発生を低減できる成分であり、ガラス粉末中に0質量%以上30質量%以下の割合で含有させる。好ましくは、5質量%以上であり、より好ましくは8質量%以上である。SiOの含有量が30質量%を超えると、ガラスの転移点が高くなるために流動性が低下し、半導体基板と受光面電極との接合強度が十分なものとならないおそれがある。好ましくは30質量%以下であり、より好ましくは25質量%以下である。
は、ガラス形成成分である。他のガラス形成成分であるSiOと共存させると安定したガラスを形成できる。ガラス粉末中に0質量%以上30質量%以下の割合で含有させる。好ましくは、5質量%以上であり、より好ましくは10質量%以上である。Bの含有量が30質量%を超えるとガラスの安定性を低下させるおそれがある。好ましくは30質量%以下であり、より好ましくは20質量%以下である。
TiOは、ガラスを安定化させる成分であり、ガラス粉末中に0質量%以上10質量%以下の割合で含有させる。TiOの含有量が10質量%を超えるとガラスが失透しやすくなり安定生産できないおそれがある。好ましくは、8質量%以下であり、より好ましくは5質量%以下である。
は、ガラスの軟化流動性を向上により半導体基板と受光面電極との接合強度を向上させ、且つ電極の耐水性を向上させる成分であり、ガラス粉末中に0質量%以上15質量%以下の割合で含有させる。Vの含有量が15質量%を超えると、光学的塩基性度が高くなるため、焼成後の基板に反りが発生するおそれがある。好ましくは10質量%以下であり、より好ましくは5質量%以下である。
Sbは、電極の耐水性を向上させる成分であり、ガラス粉末中に0質量%以上35質量%以下の割合で含有させる。好ましくは5質量%以上であり、より好ましくは10質量%以上である。Sbの含有量が35質量%を超えるガラスの安定性を低下させるおそれがある。好ましくは28質量%以下であり、より好ましくは20質量%以下である。
ΣRO(R=Mg、Ca、Sr、Ba)はガラスを安定化させる成分であり、ガラス粉末中に0質量%以上30質量%以下の割合で含有させる。ΣROの含有量が30質量%を超える場合は結晶化によりガラスが得られないおそれがある。好ましくは20質量%以下であり、より好ましくは10質量%以下である。
本発明のガラス粉末には、上記したBi、ZnO、Al、SiO、B、ΣRO(R=Mg、Ca、Sr、Ba)の各成分に加え、追加の酸化物を含有させることができる。追加の酸化物としては、例えば、LiO、NaO、KO、ZrO、Fe、CuO、SnO、MoO、WO、MnO、CeO等を挙げることができる。これらの追加で含有させてもよい成分は、1種のみを含有させてもよいし、2種以上を含有させてもよく、ガラス粉末中に合計した含有量が10質量%以下の割合となるように含有させることができる。
なお、本発明のガラス粉末には、PbOは環境保護等の理由から、実質的に含有させないものとする。なお、以下、本明細書において、実質的に含有しないとは、積極的には含有させないが、不可避不純物による混入を許容することを意味する。
このようにして得られるガラス粉末は、その光学的塩基性度が0.47以上0.57以下である。光学的塩基性度は酸素供与能力をあらわし、値が大きいほど酸素を供与し易く、他の金属酸化物との酸素の授受が起こり易い。本発明では、光学的塩基性度が、耐水性とSi基板の反りに関係することを見出した。光学的塩基性度の値が低いほど導入するAl粉末が酸化されない傾向があるため、Al粒子の周りに不動態膜(Al)ができず、水に浸した際にAl粒子とHOが反応し水素ガスを発生させるため、耐水性が悪化する。そのため、光学的塩基性度が0.47未満であると、電極としての耐水性が悪くなり、長期信頼性が得られなくなるおそれがある。好ましくは0.47質量%以上であり、より好ましくは0.48質量%以上である。また、値が大きいほど基板の表面酸化が促進されるため、表面に酸化物膜ができ、酸化物膜と基板の膨張係数の違いにより基板の反りが発生する。そのため、光学的塩基性度が0.57を超えると、基板の反りが大きくなり、後工程でのハンドリング性が悪くなるおそれがある。好ましくは0.53以下であり、より好ましくは0.50以下である。
本発明のガラス粉末のガラス転移点Tgは、基板の反りの悪化と、基板との密着性の低下を防ぐために、450〜600℃であることが好ましい。ガラス粉末の転移点が450℃より低いと、ガラス粉末の熱膨張係数が相対的に大きくなり、太陽電池製造工程中の焼成工程を経た後に基板の反りを増加させるという問題が発生しやすくなる。600℃より高いと、焼成工程でガラス粉末が溶融されてAl電極と基板との間で密着性を与えなければならないが、ガラス粉末が十分に溶融されないため、密着性が低下するという問題が発生しやすくなる。
本発明のガラス粉末は、ガラスの粒径(50%粒径、以下、D50とする)が0.5μm以上5.0μm以下であることが好ましい。D50が0.5μm未満であると、ペースト化した際の分散が困難になる。また、D50が5.0μmを超えると、Al粒子の周りにガラスが存在しない個所が発生するため、Al電極と基板との接着性が悪くなる。より好ましくは、2.0μm以下である。なお、本明細書で記載するD50は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置を用いて測定した粒径分布の累積粒度曲線において、その積算量が体積基準で50%を占めるときの粒径を表す。
電極形成用導電ペーストにおけるガラス粉末の含有量は、例えば、Al粉末100質量部に対して0.1質量部以上10質量部以下とすることが好ましい。ガラス粉末の含有量が0.1質量%未満であると、Al粒子の周りをガラス析出物で覆うことができなくなるおそれがある。また、Al電極とSi基板の接着性が悪くなる。一方、ガラス粉末の含有量が10質量部を超えると、Al粒子がより焼結し、ブリスター等が発生しやすくなる。より好ましくは0.5質量部以上5質量部以下である。
以上の説明では、導電性ペーストにはAl粉末を含有させているが、Al粉末の代わりに導電性金属粉末である、Ag粉末、Cu粉末等を用いることもできる。それらの導電性金属粉末の形状や製造方法は特に限定されない。また、導電性金属粉末の粒径も特に限定されるものではなく、D50が0.1〜20μmという広い範囲のものを使用することができる。特にD50が0.1〜10μmのものを使用することが好ましい。D50が0.1μm未満、もしくは10μmを超えると、適正な粘度のペーストが得られなくなるおそれがある。
導電ペーストには、有機ビヒクルとしての有機樹脂バインダーを溶媒に溶解して得られる有機ビヒクル溶液を用いることができ、溶媒としては例えばエチルセルロース、ニトロセルロース等を用いることができる。有機ビヒクルの含有量は、導電性ペースト全体の5質量%以上30質量%以下であることが好ましい。有機ビヒクルの含有量が5質量%未満になると、ペースト粘度が上昇するために導電性ペーストの印刷等の塗布性が低下し、良好な導電層(電極)を形成することが難しくなる。また、有機ビヒクルの含有量が30質量%を超えると、ペーストの固形分率が低くなり、十分な塗布膜厚が得られにくくなる。
本発明の電極形成用導電ペーストには、上記した導電性金属粉末、ガラス粉末、および有機ビヒクル溶液に加え、必要に応じて、かつ、本発明の目的に反しない限度において公知の添加剤を配合することができる。
このような添加剤としては、例えば、SiO、Al3、TiO、MgO、ZrO、又はそれらの複合酸化物などの無機酸化物を用いることができる。これらの無機酸化物は、導電性ペーストの焼成に際し、Al粒子の焼結を和らげる効果あり、焼成後のAl電極表面のブリスター発生を抑制することができる。これらの無機酸化物からなる添加剤の大きさは特に限定されるものではないが、例えば、D50が10μm以下のものを好適に用いることができる。
無機酸化物の配合量は目的に応じて適宜に設定されるものであるが、ガラス粉末に対して、好ましくは10質量%以下、より好ましくは7質量%以下である。無機酸化物の配合量が15質量%を超えると、封着時における無機酸化物の流動性が低下して接着強度が低下するおそれがある。また、実用的な配合効果(無機酸化物の熱膨張係数の調整や機械的強度の向上)を得るためには、配合量の下限値は好ましくは3質量%以上、より好ましくは5質量%以上である。
本発明の太陽電池は、このような電極形成用導電ペーストの焼付けにより裏面電極と受光面電極の少なくとも一面にAl電極が形成されたものである。
以下、本発明について実施例を参照してさらに詳細に説明する。
(例1〜14)
表1および表2の例1〜10は実施例であり、例11〜14は比較例である。電極形成に使用するガラス粉末として、表に示す組成を有するものを製造した。すなわち、表1に示す組成となるように原料粉末を配合、混合し、1000〜1300℃の電気炉中で白金ルツボを用いて1時間溶融し、薄板状ガラスを成形した。その後、D50が所定の範囲となるように、薄板状ガラスをボールミルで粉砕することで、実施例1〜10および比較例1〜4のガラス粉末を製造した。
次に、例1〜14のガラス粉末について、以下のようにガラス転移点Tg、粒径D50、光学的塩基性度、耐水性、基板反り、ピール強度の評価を行った。その結果を表1および表2に示す。
(ガラス転移点Tg)
アルミ試料容器に試料を充填し、示差熱分析装置(DTA)を用いて常温〜600℃まで、10℃/minで大気昇温し、測定した。測定により得た、試料であるガラス粉末と基準物質の温度差を温度に対してプロットした曲線(DTA曲線)より、基線に沿う接線と第1の変曲点から第2の変曲点までの曲線に沿う接線との交点をガラス転移点Tgとした。
(粒径D50
水:60ccにガラス粉末:0.02gを混ぜ、超音波分散により3分間分散させた。マイクロトラック測定機に試料投入し、D50の値を得た。
(光学的塩基性度Λ)
光学的塩基性度Λは酸化物を成分とするモル%表示で表わされたガラス組成について次のとおり定義される。すなわち、第i成分の酸化物をCiモル%含有するガラスにおいて、
Λ=1−Σ[zi・ri(γi−1)/2γi
である。Σは添字iについて合計することを示す。
γi=1.36(xi−0.26)、
i:第i成分の酸化物中の陽イオンの価数、
i:前記「酸化物を成分とするモル%表示で表わされたガラス組成」中の全酸素数に対する、第i成分の酸化物中の陽イオン数の比率、
i:第i成分の酸化物中で酸素と結合している原子のポーリングの電気陰性度。
参考のために、主な原子のポーリングの電気陰性度を以下に示す。
Si:1.8、B:2.0、Al:1.5、Zn:1.6、Mg:1.2、Ba:0.9、Ti:1.5、Pb:1.8、Bi:1.9、V:1.6、Ce:1.1、Sb:1.9
例えば、第1成分の酸化物がBi、第2成分の酸化物がSiOであり、モル%表示の組成が20Bi・80SiOであるガラスについては、
=3、z=4、
全酸素数=0.2×3+0.8×2=2.2、
=0.2×2/2.2、r=0.8×1/2.2、
=1.9、x=1.8、
Λ=0.47
である。
本発明のAl電極は以下の方法で作製する。
まず、エチルセルロース10質量部にブチルジグリコールアセテート90質量部を混合し、85℃で2時間撹拌して有機ビヒクルを調製した。次に、こうして得られた有機ビヒクル21質量部を、Al粉末(高純度化学研究所社製アルミニウムパウダー:ALE11PB)79質量部に混合した後、自転公転ミキサーにより混練した。その後、ガラス粉末を、Al粉末100質量部に対して5質量部の割合で配合し、さらに自転公転ミキサーにより混練しAlペーストとした。
次いで、上記のようにして得られたAlペーストを、5cm角の多結晶Si基板の上に4cm角、#325のスクリーン印刷版を用いて印刷し、120℃の乾燥機で10分間乾燥した後、空気雰囲気中で赤外線焼成炉により、昇温速度35℃/秒、最高温度800℃、最高温度保持時間5秒間の条件で焼成した。こうして、Al電極が形成されたSi基板を得た。
次に、例1〜14のガラス粉末を用いて作製したAl電極について、以下のように耐水性、基板反り、ピール強度の評価を行った。その結果を表1および表2に示す。
(耐水性評価)
上記で作製した電極を75℃のお湯に入れ、電極面から泡が出はじめる時間を計測し、耐水性を評価した。泡が出た時間が0〜300秒の場合は×、300〜600秒の場合は△、600秒以上の場合は○と表1および表2に示した。
(基板反り評価)
電極を形成したSi基板において、基板の反りを反り評価装置(東京精密製 型式:サーフコム1400D)を用いて評価した。Si基板の各対角線上をなぞり、ゼロ点からの最大の高さ(Hmax)の基板の対角線2か所を測った平均値を測定値とした。Hmaxの平均値が200μm以上の場合は×、200〜150μmの場合は△、150μm以下の場合は○と表1および表2に示した。
(ピール強度)
電極において、メンディングテープ(住友3M社製 製品名:スコッチ(登録商標)メンディングテープ)を用いてピール強度を評価した。メンディングテープをAl電極に貼り、剥がした際の剥がれ具合を評価し、ほとんど剥がれていた場合は×、半分以下で剥がれている場合は△、剥がれがない場合は○と表1および表2に示した。
Figure 0006155965
Figure 0006155965
表1から明らかなように、実施例である例1〜11のガラス粉末は太陽電池の裏面Al電極を形成するために好適なものである。
また、実施例では太陽電池の裏面電極として説明をしたが、これは一例であり、太陽電池の表面電極等にも用いることができる。
本発明によれば、太陽電池の電極を形成するために好適なガラス粉末を提供することができ、かかるガラス粉末の利用により耐水性や基板反りの信頼性に優れる太陽電池を製造することができる。

Claims (5)

  1. 太陽電池の電極に用いられるガラス粉末であって、酸化物換算の質量%表示で、Biを5〜40%、ZnOを15〜50%、Alを1〜10%、SiOを0〜30%、Bを0〜30%、V を3.8〜5%含有し、光学的塩基性度が0.47〜0.57、ガラス転移点が450〜600℃、50%粒径D50が0.5〜5.0μmの範囲にあり、実質的にPbを含まないことを特徴とするガラス粉末。
  2. SiOを5〜30%、Bを5〜30%、ΣRO(R=Mg、Ca、Sr、Ba)を0〜30%、TiOを0〜10%、Sを0〜35%含有する請求項1記載のガラス粉末。
  3. 請求項1又は2に記載のガラス粉末と、導電性金属粉末および有機ビヒクルを含有する導電ペースト。
  4. 導電性金属粉末が、Al、Ag、Cuから選ばれる1種である、請求項3記載の導電ペースト。
  5. 前記導電性金属粉末100質量部に対し、前記ガラス粉末を0.1〜10質量部、前記有機ビヒクルを10〜30質量部含有することを特徴とする請求項3又は4記載の導電ペースト。
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