JP6155900B2 - 照明調整装置、照明調整方法、及び、照明調整プログラム - Google Patents

照明調整装置、照明調整方法、及び、照明調整プログラム Download PDF

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Description

本発明は、照明調整装置、照明調整方法、及び、照明調整プログラムに関する。
FA(Factory Automation)システムにおける生産ラインなどにおいて、画像検査や画像計測が行われる場合、検査や計測の対象とされる部品に適切な照明を照射し、画像処理の目的に適した画像を撮像することが重要になる。一般的に、画像処理の目的に適した画像が撮影可能になるように、操作者によって、部品に合わせた照明の調節及び設定が行われる。そして、照明の設定後、設定した照明を用いて部品の画像データが生成され、生成された画像データに基づいて、画像処理が行われる。部品の表面に照射する照明を変化させることは、例えば、特許文献1に記載される。
特開2002−312788号公報
しかしながら、一般的に、FAシステムにおいて、操作者が経験に基づいて照明を設定した後、照明の設定は調整されることなく運用が継続される。また、FAシステムにおいて、異なる複数の部品が処理対象となる場合であっても、部品に応じて照明の設定が切り替えられることなく、同一の照明の設定が適用される。
これにより、それぞれの部品について、必ずしも、画像検査や画像計測における画像処理に最適な画像を撮像可能な照明の設定が行われていなかった。また、部品ごとに照明の設定を切り替える場合においても、照明の設定作業を人手によって行うことは負荷が高かった。
そこで、本発明は、対象物に最適な複合照明を生成する照明調整装置、照明調整方法、及び、照明調整プログラムを提供するものである。
第1の側面は、複数の照明を用いた対象物の画像データの生成時における照明を調整する照明調節装置であって、前記照明を個別に用いたときに生成される前記対象物を撮像した個別照明画像データの、複数の照明に対応する集合である個別照明画像データ群に基づいて、画素間の輝度値の分散度合いが最大になる画像データを生成可能な複数の所定数の照明を検出し、前記複数の所定数の照明の組み合わせを調整情報として生成する調整情報生成手段、を有する。
第1の側面によれば、対象物に最適な複合照明を生成することができる。
本実施の形態例における照明調整装置の一例を示す図である。 本実施の形態例における照明調節装置のブロック図を例示する第1の図である。 本実施の形態例における照明調節装置のブロック図を例示する第2の図である。 複合照明を例示する図である。複合照明とは、複数の照明の組み合わせを示す。 調整情報に基づいて対象物毎に調整が行われた複合照明を例示する図である。 本実施の形態例における照明調装置の処理を説明するフローチャート図である。 輝度行列の一例を示す図である。 主成分分析の概要について説明する図である。 分散共分散行列に基づく固有ベクトルと固有画像を例示する図である。 固有ベクトルと近似する個別照明画像ベクトルの検出処理を説明する図である。 固有ベクトルと近似する個別照明画像ベクトルの線形和を例示する図である。 第1の固有値の固有画像と、検出された照明の固有画像の組み合わせを説明する図である。 輝度行列の具体例を例示する図である。 分散共分散行列に基づく固有値、及び、固有ベクトルの具体例を示す図である。 照明の強度係数の具体例を示す図である。 相関係数行列に基づく固有値、及び、固有ベクトルの具体例を示す図である。 照明の強度係数の具体例を示す図である。 第2の実施の形態例における、固有ベクトルと近似する個別照明画像ベクトルの検出処理について説明する図である。 第2の実施の形態例における照明の検出、及び、各照明の強度係数の算出について説明する図である。 第2の実施の形態例において算出される算出される固有値、及び、固有ベクトルの具体例を示す図である。 照明の強度係数の具体例を示す図である。
以下、図面にしたがって本発明の実施の形態について説明する。ただし、本発明の技術的範囲はこれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された事項とその均等物まで及ぶものである。
[照明調節装置の構成]
図1は、本実施の形態例における照明調整装置の一例を示す図である。図1の照明調整装置は、例えば、表示装置10、ROM(Read Only Memory)11、RAM(Random Access Memory)12、通信インタフェース13、CPU(Central Processing Unit)14、外部インタフェース15を有する。各部は、バス17を介して互いに接続される。また、照明調節装置100は、外部インタフェース15を介して、複数の照明L1〜L5、及び、撮像装置CMに接続される。
また、RAM12等のメモリには、本実施の形態例における照明調整プログラムPRが記憶される。照明調整プログラムPRは、CPU14と協働して照明調整処理を実現する。照明調整プログラムPRは、照明調整処理として、対象物をより的確に認識可能な画像データを生成可能にする照明の組み合わせを示す調整情報を生成する。
[照明調節装置のブロック図]
図2は、本実施の形態例における照明調節装置100のブロック図を例示する第1の図である。図2は、対象物の画像検査を実施する前の処理であって、対象物である部品毎の調整情報を生成する処理におけるブロック図を示す。調整情報は、複数の所定数の照明の組み合わせの情報、及び、各照明の強度情報を含む。
図2の照明調節装置100は、例えば、照明強度制御部34、照明強度記憶部33、部品番号入力部32、部品搬送部31、画像入力部35、照明強度算出部36を有する。部品搬送部31は、対象物を所定の位置に設置すると共に、照明を個別に順次点灯させて撮像装置CMに対象物の画像データ(以下、個別照明画像データと称する)を生成させる。また、部品搬送部31は、対象物の部品番号を部品番号入力部32に出力する。
画像入力部35は、個別照明画像データの入力を受け付ける。画像入力部35に全ての照明の個別照明画像データ(個別照明画像データ群)が入力されると、照明強度算出部36は、個別照明画像データ群に基づく主成分分析を行い、画素間の輝度値の分散度合いが最大になる画像データを取得可能な照明の組み合わせを調整情報として生成する。点線で囲まれた画像入力部35と照明強度算出部36の処理は、本実施の形態例における照明調節処理に対応する。
また、照明強度算出部36は、さらに、それぞれの照明の強度を算出する。照明強度記憶部33は、照明強度算出部36によって生成された調整情報を、部品番号入力部32によって出力される部品番号に関連付けて記憶する。そして、照明強度制御部34は、対象物の調整情報に基づいて、照射させる照明を選択すると共にその強度を制御する。照明調節装置100は、例えば、対象物を順次、変更して調整情報を生成し、複数の対象物に対応する調整情報を、予め、照明強度記憶部33に記憶させておく。
図3は、本実施の形態例における照明調節装置100のブロック図を例示する第2の図である。図3は、調整情報に基づいて照明を制御し、画像検査を実施する処理におけるブロック図を示す。ただし、対象物である部品毎の調整情報を生成する図2の処理と、調整情報に基づいて画像検査を実施する図3の処理が分けて実施される必要はない。1つの対象物の調整情報の生成処理と画像検査の実施処理とが、一連の流れで行われてもよい。
図3の照明調節装置100は、例えば、図2で説明した部品搬送部31、部品番号入力部32、照明強度記憶部33、照明強度制御部34に加えて、画像入力部35、画像検査部37、検査結果出力部38を有する。部品搬送部31は、対象物を所定の位置に設置する。照明強度制御部34は、設置された対象物の部品番号に基づいて、照明強度記憶部33から調整情報を読み出し、調整情報に基づいて照明を選択すると共に強度を調整し、複合照明を生成する。撮像装置CMは、調整された照明環境において、対象物の画像データを生成し、画像入力部35に出力する。画像検査部37は、対象物の画像データに基づいて検査処理を実施し、検査結果を検査結果出力部38から出力させる。ひとつの対象物に対する調整情報が複数個、存在する場合、それぞれの調整情報に基づいて照明が制御され、画像データの生成処理及び検査処理が行われる。
[複合照明]
図4は、複合照明を例示する図である。複合照明とは、複数の照明の組み合わせを示す。また、それぞれの照明は、独立に強度を調整可能である。図4において、形状や表面の質感の異なる3つの対象物Axa〜Cxcに5つの照明L1〜L5が照射される。各照明L1〜L5の強度は、矢印の太さによって表される。具体的に、太い矢印で示される照明L2〜L4の強度は、細い矢印で示される照明L1、L5の強度よりも大きい。
図4の例では、3つの対象物Axa〜Cxcの形状や表面の質感等の特徴が異なるにも関わらず、照射される照明、及び、照明の強度は同一である。しかしながら、本実施の形態例のように、画像データに基づいて対象物の検査が実施される場合、画像データは、対象物が明確に検知し易い画像データであることが望ましい。対象物が最も明確に検知可能な画像データとは、情報量の多い画像データであって、例えば、画像データにおける各画素の輝度値の分散度合いが大きい画像データである。各画素の輝度値の分散度合いが大きい画像データとは、例えば、濃淡が強く、コントラストの強い画像データを示す。そこで、本実施の形態例における照明調節装置100は、個別照明画像データ群に基づいて、画素間の輝度値の分散度合いが最大となる画像データを生成可能な複数の所定数の照明を検出する。前述したとおり、個別照明画像データ群とは、個別の照明をそれぞれ用いたときに生成される対象物を撮像した個別照明画像データの、複数の照明に対応する集合を示す。
図5は、本実施の形態例における調整情報にしたがって、対象物毎に調整が行われた複合照明を例示する図である。図5の(A)は対象物Axaの複合照明の例を示し、図5の(B)は対象物Bxbの複合照明の例を示す。図4と同様にして、各照明L1〜L5の強度は、矢印の太さによって表される。図5では、対象物それぞれについて、輝度値の分散度合いが大きい画像データを生成可能な複合照明が例示される。このように、対象物Axaと対象物Bxbとでは、形状や表面の質感が異なることにより、複合照明のパターンも異なっている。なお、図5の例において、5つの照明が用いられるが、複合照明における照明の数は、2つ以上のいずれの数であってもよい。
また、図5において、対象物Axa、Bxbそれぞれに対して、2つの複合照明のパターンが例示される。このように、1つの対象物に対して、複数の複合照明が生成されてもよい。図5の(A)の複合照明のパターンは、それぞれ、輝度値の分散度合いが大きい画像データを生成可能な複合照明である。ただし、各複合照明パターンを用いて取得される対象物Axaの画像データにおける輝度値の分散の現れ方は異なる。即ち、各複合照明のパターンを用いて取得される対象物Axaの画像データは、情報量の多い画像データであるが、情報の現れ方が異なっている。このように、本実施の形態例における照明調節装置100によって、同一の対象物について複数パターンの調整情報が生成されることにより、情報の現れ方が異なる複数の画像データに基づいて、より高精度の画像検査が実施可能になる。
続いて、本実施の形態例における照明調節装置100の処理の流れについて説明する。
[照明調節装置100のフローチャート図]
図6は、本実施の形態例における照明調装置の処理の流れを説明するフローチャート図である。照明調整装置100は、初めに、1つの照明を単独に点灯させた状態で(S11)、撮像装置CMに対象物の画像データ(個別照明画像データ)を生成させる(S12)。このとき、個別照明画像データ生成時における各照明の強度が記憶される。続いて、照明調整装置100は、全ての照明の個別照明画像データを取得したか否かを判定する(S13)。全ての個別照明画像データを取得していない場合(S13のNO)、照明調整装置100は、照明を切り替えて点灯させ(S14、S11)、個別照明画像データを生成させる(S12)。
一方、全ての個別照明画像データを取得した場合(S13のYES)、照明調整装置100の照明強度記憶部33は、複数の照明に対応する個別照明画像データ群に基づいて、輝度行列を生成する(S15)。輝度行列とは、列ベクトルとして、照明の数分の個別照明画像データを有する行列である。例えば、照明の数がN、個別照明画像データが有する画素数がMである場合、M×Nの輝度行列が生成される。本実施の形態例における輝度行列の各成分は輝度値であるが、画素値であってもよい。また、輝度行列の各成分は、例えば、個別照明画像データを区分した部分領域の明るさ(平均輝度等)に変換した値等であってもよい。
続いて、照明強度記憶部33は、輝度行列に基づいて分散共分散行列を生成する(S16)。分散共分散行列とは、個別照明画像データにおける要素間の共分散の行列を示す。個別照明画像データが有する画素数がMである場合、M×Mの分散共分散行列が生成される。続いて、照明強度記憶部33は、分散共分散行列に基づいて主成分分析を行う(S17)。つまり、照明強度記憶部33は、輝度行列に対して主成分分析の手法を適用する。そして、照明強度記憶部33は、分散共分散行列に基づいて固有値、及び、固有ベクトルを算出する(S18)。
固有値とは、主成分分析に基づく、輝度行列における各列(各個別照明画像データ)の一次結合(線形和)によって得られる画像の分散を示す。また、固有ベクトルは、輝度行列における各列の一次結合によって得られる画像を示すベクトルである。また、固有値、及び、固有ベクトルは、個別照明画像データが有する画素の数分、算出される。数値の大きい固有値から順に、第1の固有値、第2の固有値、第3の固有値とされる。このため、第1の固有値は、輝度行列の各列の一次結合によって得られる画像の中で、最も分散度合いの大きい画像の分散を示す。
続いて、照明強度記憶部33は、値の大きい固有値から順に固有値を選択する(S19)。このため、初め、第1の固有値が選択される。固有ベクトルを2次元に並び替えて生成される画像を、固有画像と称する。第1の固有値に対応する固有画像は、輝度の分散度合いが大きく、情報量の多い画像を示す。そこで、照明強度記憶部33は、まず、第1の固有画像と近似する画像を生成可能な照明の組み合わせ、及び、各照明の強度を算出する。具体的に、本実施の形態例における照明強度記憶部33は、選択した固有値の固有ベクトルを、複数の個別照明画像データのベクトル(個別照明画像ベクトル)の線形和によって合成する。そして、線形和を構成する複数の個別照明画像ベクトルの係数が照明の強度係数として算出される。
そこで、照明強度記憶部33は、選択された固有値の固有ベクトルと近似する個別照明画像ベクトルを有する個別照明画像データを複数、検出する(S20)。具体的に、照明強度記憶部33は、固有ベクトルと各個別照明画像ベクトルとの内積に基づいて角度を算出する。そして、固有ベクトルとの角度がより小さい複数の個別照明画像ベクトルが、固有ベクトルに近似するベクトルとして検出される。なお、照明強度記憶部33は、所定数の、角度が小さい個別照明画像ベクトルを検出してもよいし、角度が閾値以下の個別照明画像ベクトルを全て検出してもよい。
続いて、照明強度記憶部33は、検出した複数の個別照明画像ベクトルを固有ベクトルに近似させた場合における、一次結合係数を算出する(S21)。具体的に、照明強度記憶部33は、固有ベクトルに近似するように複数の個別照明画像ベクトルの線形和を生成し、線形和における各個別照明画像ベクトルの係数を算出する。算出される係数は、個別照明画像ベクトルに対応する照明の強度係数に対応する。
そして、検出された複数の照明、及び、各照明の強度が、第1の固有画像に近似する画像を生成可能な複合照明を示す調整情報として生成される(S23)。このように、本実施の形態例における照明強度記憶部33は、個別照明画像データ群に基づく固有画像と近似する画像を生成可能な照明の組み合わせ、及び、照明の強度を算出することによって、輝度値の分散度の高い画像を生成可能にする。
続いて、照明強度記憶部33は、別の固有値について調整情報を生成するか否かを判定する(S24)。別の固有値について調整情報を生成する場合(S24のYES)、照明強度記憶部33は、次に値の大きい固有値について、工程S20〜S23の処理を行う。一方、別の固有値について調整情報を生成しない場合(S24のNO)、照明強度記憶部33は処理を終了する。このように、照明強度記憶部33は、上位の複数の固有値について、調整情報を生成してもよい。これにより、照明強度記憶部33は、1つの対象物について、コントラストが高く、コントラストの現れ方が相互に異なる複数の画像データを生成可能になる。
なお、照明調節装置100は、対象物が変更された場合、新たな対象物に対して、図6のフローチャート図の処理を行う。そして、照明調節装置100は、対象物の部品番号に関連付けて調整情報を記憶する。また、図6のフローチャート図では、分散共分散行列に基づいて固有値が算出される。ただし、固有値は、分散共分散行列の代わりに、相関係数行列に基づいて算出されてもよい。相関係数行列に基づく場合、輝度行列が正規化されることにより、照明の明るさのばらつきに影響されず、照明の組み合わせ、及び、各照明の強度を算出可能になる。
なお、複合照明は、ユーザによって選択されてもよい。例えば、照明調節装置100は、複数の上位の固有値に対応する固有画像を表示装置10等に表示させ、ユーザに、生成したい固有画像を選択させる。そして、照明調節装置100は、選択された固有画像に対応する固有ベクトルに基づいて、複数の照明の組み合わせ、及び、照明の強度情報を算出する。これにより、ユーザは、所望の画像に近似する画像データを取得可能な複合照明を選択可能になる。即ち、照明調節装置100は、最適な画像データを取得可能な複合照明を示す調整情報を生成可能になる。
[輝度行列]
図7は、輝度行列の一例を示す図である。図7の(A)は、ある照明を個別に点灯させ、対象物Axaを上方向から撮像した場合における個別照明画像データの一例である。この例において、個別照明画像データは9個の画素(M=9)を有する。また、点線で囲まれる各領域Pxは、画素領域を示す。また、本実施の形態例では、照明の数は7個である(N=7)。この場合、図7の(A)のような、9個の画素の情報を有する個別照明画像データが7個生成される。
また、図7の(B)は輝度行列を示す。前述したとおり、輝度行列における各列は、各画素の輝度値を有する個別照明画像データに対応する。このため、画素数が9個、照明の数が7個である場合、9×7(M×N)の輝度行例が生成される。具体的に、輝度行列における列GL1は、照明L1の個別照明画像データの輝度値を有し、列GL7は、照明L7の個別照明画像データの輝度値を有する。
[主成分分析]
図8は、主成分分析の概要について説明する図である。前述したとおり、照明調節装置100は、N個の照明それぞれに対応して取得される、M画素を有する個別照明画像データに基づいて、主成分分析を行う。図8は、M個の座標軸を有するM次元の空間の一例を示す。ただし、図8の例では、より簡便に表すために、M個の座標軸のうち4つの座標軸X1、X2、XM−1、XMが表示される。また、M次元の空間上に、各照明に対応するN個の輝度値n1〜nNがプロットされる。
主成分分析では、第1の主成分の軸として、M次元の空間上のN個の輝度値の分布に基づいて、最も分散の大きい軸V1が算出される。第1の主成分の軸V1は、複数の個別照明画像データの一次結合によって得られる画像の中で、最も輝度値の分散の大きい画像を示す。また、第1の主成分の軸V1と直行し、第1の主成分の軸の次に分散の大きい軸が第2の主成分の軸V2として算出される。同様にして、第3〜第Mの主成分の軸が算出される。また、第1の主成分の軸V1は分散共分散行列に基づく第1の固有値の固有ベクトル、第2の主成分の軸V2は分散共分散行列に基づく第2の固有値の固有ベクトルに対応する。
[固有ベクトル、固有画像]
図9は、分散共分散行列に基づいて算出される固有ベクトルと固有画像を例示する図である。図6のフローチャート図において前述したとおり、照明強度記憶部33は、分散共分散行列に基づいて、固有値、固有ベクトルを算出する(図6の工程S18)。個別照明画像データが9個の画素を有する場合、9個の固有値及び固有ベクトルV1〜V9が算出される。また、固有ベクトルV1〜V9を2次元に並び替えることにより、固有画像G1〜G9が生成される。値の大きい固有値に対応する固有画像G1〜G9ほど、輝度の分散が大きくコントラストが高い。
図9の例において、左から順に、値の大きい固有値に対応する固有ベクトルV1〜V9、及び、固有画像G1〜G9が例示される。具体的に、一番左は、第1の固有値に対応する固有ベクトルV1、及び、固有画像G1である。また、左から2番目は、第2の固有値に対応する固有ベクトルV2、及び、固有画像G2である。したがって、図9の固有画像のうち、第1の固有値に対応する固有画像G2は、輝度値の分散が最も大きい画像である。
[個別照明画像ベクトルの検出]
図10は、固有ベクトルと近似する個別照明画像ベクトルの検出処理について説明する図である。図6のフローチャート図において前述したとおり、照明強度記憶部33は、選択した固有値(例えば、第1の固有値)の固有ベクトルと近似する複数の個別照明画像ベクトルを検出する(図6の工程S20)。
図10の(A)は、輝度行列における各個別照明画像データを示す。例えば、列GL2は、照明L2の個別照明画像データに対応する。そして、図10の(B)におけるベクトルVL2は、個別照明画像データGL2に対応するベクトルを示す。同様にして、図10の(B)におけるベクトルVL5は個別照明画像データGL5に、ベクトルVL7は個別照明画像データGL7に対応するベクトルである。また、図10の(B)におけるベクトルV1は、第1の固有値に対応する固有ベクトルである。
具体的に、照明強度記憶部33は、固有ベクトルV1と個別照明画像ベクトルVL1〜LV7との内積をそれぞれ算出し、算出される角度の小さい個別照明画像ベクトルを検出する。これにより、固有ベクトルV1と方向が近似する個別照明画像ベクトルが検出される。この例において、固有ベクトルV1と近似するベクトルとして、例えば、個別照明画像ベクトルVL2、VL5、VL7が検出される。そこで、照明強度記憶部33は、個別照明画像ベクトルVL2、VL5、VL7に基づいて、固有ベクトルV1に近似する線形和を生成する。
[強度係数の算出]
図11は、固有ベクトルと近似する個別照明画像ベクトルの線形和について例示する図である。図6のフローチャート図で前述したとおり、照明強度記憶部33は、固有ベクトルV1に近似するように個別照明画像ベクトルVL2、VL5、VL7の線形和を生成し、線形和における各個別照明画像ベクトルVL2、VL5、VL7の係数k2、k5、k7を強度係数として算出する(図6の工程S22)。線形和における各個別照明画像ベクトルVL2、VL5、VL7の長さは、各個別照明画像ベクトルの固有ベクトルへの射影成分として求められる。各個別照明画像ベクトルの長さは、各照明L2、L5、L7の強度係数k2、k5、k7に対応する。なお、強度係数k2、k5、k7は、合計して値1になるように調整されてもよい。
図12は、第1の固有値の固有画像と、検出された照明の固有画像の組み合わせについて説明する図である。図12に示すように、第1の固有値に対応する固有画像G1は、個別照明画像データGL2に強度係数k2が乗算された画像、個別照明画像データGL5に強度係数k5が乗算された画像、個別照明画像データGL7に強度係数k7が乗算された画像が合成された画像に近似する。これは、強度係数k2を適用させた照明L2、強度係数k5を適用させた照明L5、強度係数k7を適用させた照明L7を組み合わせて照射することにより、固有画像G1に近似する画像が撮像可能になることを意味する。
なお、本実施の形態例では、照明調節装置100が、輝度値の分散が高くなる照明の組み合わせに加えて、各照明の強度を算出する場合について説明した。しかしながら、照明調節装置100は、輝度値の分散が高くなる照明の組み合わせを検出するだけでもよい。これにより、照明調節装置100は、複数の照明のうち、輝度値の分散が高くなる複数の所定数の照明を検出することによって、簡易に、情報量の多い画像を生成可能にする。
続いて、本実施の形態例における照明調節装置100の処理を具体例に基づいて説明する。
[具体例:輝度行列]
図13は、輝度行列の具体例を例示する図である。この例において、個別照明画像データは9個の画素を有し、照明の数は7個である。このため、図13の具体例における輝度行列は、9×7の輝度行列であって、0〜255の範囲の輝度値を有する。図13の輝度行列に基づいて、分散共分散行列が生成される。この例では、9×9の分散共分散行列が生成される。
[具体例:分散共分散行列]
図14は、分散共分散行列に基づいて算出される固有値、及び、固有ベクトルの具体例を示す図である。図14の表H11は、分散共分散行列に基づいて算出される上位から3つの固有値(第1の固有値554.72、第2の固有値401.57、第3の固有値69.56)を示す表である。また、表H12は、第1、第2の固有値に対応する、第1、第2固有ベクトルを示す表である。また、表H13は、第1、第2の固有ベクトルと各照明の個別照明画像ベクトルとの角度をそれぞれ示す表である。
図14の例では、第1の固有ベクトルに近似する個別照明画像ベクトルを有する照明が2つ検出される。具体的に、第1の固有値554.72に対応する第1の固有ベクトルに近似する個別照明画像ベクトルは、照明L5の個別照明画像ベクトル、照明L6の個別照明画像ベクトルである。照明L5、L6の個別照明画像ベクトルと第1の固有ベクトルとの角度は、照明L1〜L7のうち、最も小さい。また、第2の固有値401.57に対応する第2の固有ベクトルに近似する個別照明画像ベクトルは、照明L6の個別照明画像ベクトル、照明L7の個別照明画像ベクトルである。このように、固有値に応じて、固有値の固有ベクトルと近似する個別照明画像ベクトルを有する照明は異なる。
図15は、照明の強度係数の具体例を示す図である。図15の表H14は、第1、第2の固有値それぞれについて、検出された照明の強度係数を示す表である。また、表H15は、第1、2の固有値それぞれについて、検出された照明に強度係数が適用された複合照明が照射された場合において撮像される画像データの輝度値を示す表である。
表H14に示すように、第1の固有値の第1の固有ベクトルに近似する画像データを生成可能にする照明L5の強度係数は値4.48、照明L6の強度係数は値0.24である。そして、表H15には、強度係数4.48が適用された照明L5、強度係数0.24が適用された照明L6が照射され、撮像された画像データにおける輝度値が示される。同様にして、第2の固有値の第2の固有ベクトルに近似する画像データを生成可能にする照明L6の強度係数は値2.04、照明L7の強度係数は値2.65である。そして、表H15には、強度係数2.04が適用された照明L6、強度係数2.65が適用された照明L7が照射され、撮像された画像データにおける輝度値が示される。
続いて、相関係数行列に基づいて固有値を算出する場合の具体例について説明する。照明調節装置は、図6のフローチャート図において、輝度行列に基づいて分散共分散行列の代わりに、相関係数行列を生成する(S16)。そして、照明調節装置は、相関係数行列に基づく固有値、固有ベクトルを算出し(S17、S18)、照明の組み合わせを検出すると共に、照明の強度を算出する。
[具体例:相関係数行列]
図16は、相関係数行列に基づいて算出される固有値、及び、固有ベクトルの具体例を示す図である。図16の表H21は、相関係数行列に基づいて算出される上位から3つの固有値(第1の固有値4.425、第2の固有値3.674、第3の固有値0.484)を示す表である。また、表H22は、第1、第2の固有値に対応する、第1、第2固有ベクトルを示す表である。また、表H23は、第1、第2の固有ベクトルと各照明の個別照明画像ベクトルとの角度をそれぞれ示す表である。
図16の例では、第1の固有ベクトルに近似する個別照明画像ベクトルを有する照明が2つ検出される。具体的に、第1の固有値4.425に対応する第1の固有ベクトルに近似する個別照明画像ベクトルは、照明L3の個別照明画像ベクトル、照明L4の個別照明画像ベクトルである。照明L3、L4の個別照明画像ベクトルと第1の固有ベクトルとの角度は、照明L1〜L7のうち、最も小さい。また、第2の固有値3.674に対応する第2の固有ベクトルに近似する個別照明画像ベクトルは、照明L5の個別照明画像ベクトル、照明L6の個別照明画像ベクトルである。
図17は、照明の強度係数の具体例を示す図である。図17の表H24は、第1、第2の固有値それぞれについて、検出された照明の強度係数を示す表である。また、表H25は、第1、2の固有値それぞれについて、検出された照明に強度係数が適用された複合照明が照射された場合において撮像される画像データの輝度値を示す表である。
表H24に示すように、第1の固有値の第1の固有ベクトルに近似する画像データを生成可能にする照明L3の強度係数は値2.60、照明L4の強度係数は値2.11である。そして、表H25には、強度係数2.60が適用された照明L3、強度係数2.11が適用された照明L4が照射され、撮像された画像データにおける輝度値が示される。同様にして、第2の固有値の第2の固有ベクトルに近似する画像データを生成可能にする照明L5の強度係数は値2.07、照明L6の強度係数は値2.69である。そして、表H25には、強度係数2.07が適用された照明L5、強度係数2.69が適用された照明L6が照射され、撮像された画像データにおける輝度値が示される。
相関係数行列では、各個別照明画像データにおける輝度値が正規化される。このため、分散共分散行列に基づく場合と、相関係数行列に基づく場合とで、算出される固有値、及び、固有ベクトルは異なる。したがって、検出される照明の組み合わせ、及び、強度係数も異なる。前述したとおり、相関係数行列に基づく固有値が採用される場合、輝度行列が正規化されることによって、各照明の輝度のばらつきに影響を受けることなく、照明の組み合わせ、及び、各照明の強度を算出することができる。
以上のように、本実施の形態例における照明調節装置100は、照明をそれぞれ用いたときに生成される対象物を撮像した個別照明画像データの、複数の照明に対応する集合である個別照明画像データ群に基づいて、画素間の輝度値の分散度合いが最大になる画像データを生成可能な複数の所定数の照明を検出する。そして、照明調節装置100は、複数の所定数の照明の組み合わせを調整情報として生成する。
これにより、本実施の形態例における照明調節装置100は、複数の照明から輝度の分散が大きい情報量の多い画像データを生成可能にする所定数の照明の組み合わせを検出することができる。また、照明調節装置100は、対象物の画像データに基づくことにより、対象物の構造を際立って認識可能にする適切な照明の組み合わせを検出することができる。そして、照明調節装置100は、輝度値の分散の大きい画像を生成可能にすることにより、画像検査、画像計測、画像認識における画像処理の精度、及び、効率を向上させることができる。
また、本実施の形態例における照明調節装置100において、個別照明画像データ群の各画素の輝度値を有する輝度行列の分散共分散行列または相関係数行列に基づいて固有値を算出して上位の固有値を選択し、複数の照明のうち、上位の固有値の固有ベクトルと最も近似する個別照明画像ベクトルを有する複数の所定数の照明を検出する。これにより、照明調節装置100は、個別照明画像データ群に基づいて、固有ベクトルと近似する複数の個別照明画像ベクトルを有する個別照明画像データを高精度に、効率的に検出することができ、輝度値の分散が最大になる画像データを生成可能にする。
また、本実施の形態例における照明調節装置100において、調整情報は、さらに、複数の所定数の照明の各強度係数を含み、所定数の複数の照明の各個別照明ベクトルの線形和を固有ベクトルと近似させた場合における各個別照明ベクトルの各係数を強度係数として算出する。これにより、本実施の形態例における照明調節装置100は、輝度値の分散が高い照明の組み合わせに加えて、各照明の強度を算出することができる。このため、照明調節装置100は、輝度値の分散が大きい画像データを生成可能な複合照明をより高精度に生成可能になり、画像処理の精度、及び、効率を向上させることができる。
また、本実施の形態例における照明調節装置100において、固有ベクトルと個別照明画像ベクトルとの内積に基づいて、上位の固有値の固有ベクトルと最も近似する個別照明画像ベクトルを有する複数の所定数の照明を検出する。これにより、照明調節装置100は、固有ベクトルと近似する複数の個別照明画像データを高精度に、効率的に検出することができる。
また、本実施の形態例における照明調節装置100において、上位の固有値を複数個選択し、選択した上位の固有値それぞれについて、調整情報を生成する。これにより、照明調節装置100は、輝度値の分散の高い画像データであって、輝度値の分散の表れ方が互いに異なる画像データを生成可能な照明の組み合わせパターンを複数検出することができる。これにより、ユーザは、複数の照明の組み合わせパターンから、最適な照明の組み合わせパターンを選択することができる。
[第2の実施の形態例]
第1の実施の形態例における照明調節装置は、選択した固有値(例えば、第1の固有値)の固有ベクトルと近似する複数の個別照明画像ベクトルを検出する(図6の工程S20)。これに対して、第2の実施の形態例における照明調節装置は、固有ベクトルと近似する、個別照明画像ベクトルと反転する反転ベクトルについても検出の対象とする。
[個別照明画像ベクトルの検出]
図18は、第2の実施の形態例における、固有ベクトルと近似する個別照明画像ベクトルの検出処理について説明する図である。この例において、個別照明画像ベクトルVL6は、固有ベクトルV1と近似する。一方、個別照明画像ベクトルVL1、VL4は、固有ベクトルV1と近似していないものの、個別照明画像ベクトルVL1、VL4の反転ベクトル−VL1、−VL4(以下、反転個別照明画像ベクトル)が、固有ベクトルV1と近似する。これは、個別照明画像ベクトルVL1、VL4に対応する画像データに、固有ベクトルV1の固有画像の輝度値の分散が反転して現れることを意味する。第2の実施の形態例において、固有ベクトルV1と近似するベクトルとして、例えば、個別照明画像ベクトルVL6、及び、個別照明画像ベクトルVL1、VL4の反転ベクトルが検出される(図6の工程S21)。
[照明調節処理の流れ]
図19は、第2の実施の形態例における照明調節装置100の処理の流れについて説明する図である。続いて、照明調節装置100は、個別照明画像ベクトルVL1、VL4、VL6の線形和を固有ベクトルV1に近似させた場合における、各固有ベクトルV1の係数k1、k4、k6を算出する(図6の工程S21)。ただし、反転ベクトルが固有ベクトルV1と近似する個別照明画像ベクトルVL1、VL4の係数k1、k4はマイナス値になる。照明にマイナスの強度係数を適用することは現実的ではない。
そこで、第2の実施の形態例における照明調節装置100は、個別照明画像ベクトルVL1,VL4を反転して、反転個別照明画像ベクトル−VL1、−VL4を生成する(S31)。そして、照明調節装置100は、反転個別照明画像ベクトル−VL1、−VL4、及び、個別照明画像ベクトルVL6の線形和を固有ベクトルV1に近似させた場合における、各ベクトルV1の係数k1、k4、k6を強度係数として算出する(図6の工程S32)。これにより、個別照明画像ベクトルVL6に対応する照明L6を有する複合照明1Y1が生成されると共に、反転個別照明画像ベクトル−VL1、−VL4に対応する照明L1、L4を有する複合照明2Y2が生成される(S33)。
続いて、照明調節装置100は、複合照明1Y1に基づいて、強度係数k6が適用された照明L6を照射し対象物の第1の画像データgY1を生成させる。また、照明調節装置100は、複合照明2Y2に基づいて、強度係数k1が適用された照明L1と強度係数k14が適用された照明L4とを照射して、対象物の第2の画像データgY2を生成させる。そして、照明調節装置100は、第1の画像データgY1と第2の画像データgY2の差分画像gY3を、固有値の固有画像に近似した画像データとして出力する。
このようにして、第2の実施の形態例では、照明調節装置は、固有ベクトルと近似する個別照明画像ベクトルに加えて、固有ベクトルと近似する反転個別照明画像ベクトルを検出の対象とする。ただし、検出される反転個別照明画像ベクトルの個別照明画像データにおける輝度値の表れ方は、固有ベクトルの固有画像における輝度値の表れ方と反転する。そこで、照明調節装置100は、個別照明画像ベクトルを有する照明を照射して取得される画像データgY1から、反転個別照明画像ベクトルを有する照明を照射して取得される画像データgY2を減算した、差分画像データgY3を生成する。これにより、照明調節装置100は、反転ベクトルが固有ベクトルと近似する反転個別照明画像ベクトルを使用する場合であっても、固有ベクトルの固有画像と近似する画像データを生成可能になる。
[具体例]
図20は、第2の実施の形態例において算出される算出される固有値、及び、固有ベクトルの具体例を示す図である。図20の表H11、H12は、第1の実施の形態例における図14の表H11、H12と同様である。第2の実施の形態例では、表H33に示すように、第1の固有値554.72に対応する第1の固有ベクトルに近似する個別照明画像ベクトルとして、照明L5の個別照明画像ベクトルと、照明L1の反転個別照明画像ベクトルが検出される(S21)。具体的に、第1の固有ベクトルと、照明L1の反転個別照明画像ベクトルとの角度は、20.4(=180−159.6)である。このため、第1の固有ベクトルと照明L1の反転個別照明画像ベクトルとの角度は、第1の固有ベクトルと照明L5の個別照明画像ベクトルとの角度24.1より小さい。
図21は、照明の強度係数の具体例を示す図である。図21の表H34は、第1の固有値について、照明の強度係数を示す表である。表H34に示すように、個別照明画像ベクトルVL1、VL5線形和を固有ベクトルに近似させた場合における、個別照明画像ベクトルVL1の係数は−2.25のようにマイナス値となる。そこで、照明調節装置100は、強度係数6.57が適用された照明L5を照射して対象物の第1の画像データgY1を生成させると共に、強度係数2.25が適用された照明L1を照射して、対象物の第2の画像データgY2を生成させる。そして、照明調節装置100は、第1の画像データgY1から第2の画像データgY2の差分画像データgY3を出力する。
図21の表H35には、強度係数6.57が適用された照明L5を照射して取得される第1の画像データgY1における輝度値、及び、強度係数2.25が適用された照明L1を照射して取得される第2の画像データgY2における輝度値が例示される。さらに、表H35には、第1の画像データgY1から第2の画像データgY2が減算されることによって生成される差分画像データgY3の輝度値が例示される。
このように、第2の実施の形態例における照明調節装置は、上位の固有値の固有ベクトルと近似する個別照明画像ベクトルを有する第1の照明に加えて、上位の固有値の固有ベクトルと反転ベクトルが近似する個別照明画像ベクトルを有する第2の照明とを検出する。また、このとき、対象物の画像データは、第1の照明を用いたときに生成される第1の画像データから、第2の照明を用いたときに生成される第2の画像データの差分画像データとして取得される。
これにより、第2の実施の形態例における照明調節装置は、反転した個別照明画像ベクトルが固有ベクトルと近似する場合についても、輝度値の分散が高い画像データを生成可能にすることができる。これにより、照明調節装置は、固有ベクトルとより高精度に近似する個別照明画像ベクトルを検出可能になり、輝度値の分散がより高い画像データを生成可能になる。
また、第2の実施の形態例における照明調節装置において、調整情報は、さらに、複数の所定数の照明の各強度係数を含み、所定数の複数の照明の各個別照明ベクトルの線形和を固有ベクトルと近似させた場合における各個別照明ベクトルの各係数を強度係数として算出する。これにより、第2の実施の形態例においても照明調節装置100は、輝度値の分散が高い照明の組み合わせに加えて、各照明の強度を算出することができる。このため、照明調節装置100は、輝度値の分散が大きい画像データを生成可能な複合照明をより高精度に生成可能になり、画像処理の精度、及び、効率を向上させることができる。
以上の実施の形態をまとめると、次の付記のとおりである。
(付記1)
複数の照明を用いた対象物の画像データの生成時における照明を調整する照明調節装置であって、
前記照明を個別に用いたときに生成される前記対象物を撮像した個別照明画像データの、複数の照明に対応する集合である個別照明画像データ群に基づいて、画素間の輝度値の分散度合いが最大になる画像データを生成可能な複数の所定数の照明を検出し、前記複数の所定数の照明の組み合わせを調整情報として生成する調整情報生成手段、を有する照明調節装置。
(付記2)
付記1において、
前記調整情報生成手段は、前記個別照明画像データ群の各画素の輝度値を有する輝度行列の分散共分散行列または相関係数行列に基づいて固有値を算出して上位の固有値を選択し、前記複数の照明のうち、前記上位の固有値の固有ベクトルと近似する個別照明画像ベクトルを有する前記複数の所定数の照明を検出する照明調節装置。
(付記3)
付記2において、
前記調整情報は、さらに、前記複数の所定数の照明の各強度係数を含み、
前記調整情報生成手段は、さらに、前記所定数の複数の照明の各個別照明ベクトルの線形和を前記固有ベクトルと近似させた場合における前記各個別照明ベクトルの各係数を強度係数として算出する照明調節装置。
(付記4)
付記2において、
前記調整情報生成手段は、前記固有ベクトルと前記個別照明画像ベクトルとの内積に基づいて、前記上位の固有値の固有ベクトルと近似する個別照明画像ベクトルを有する前記複数の所定数の照明を検出する照明調節装置。
(付記5)
付記2乃至4のいずれかにおいて、
前記調整情報生成手段は、前記上位の固有値を複数個選択し、選択した上位の固有値それぞれについて、前記調整情報を生成する照明調節装置。
(付記6)
付記2において、
前記調整情報生成手段は、前記上位の固有値の固有ベクトルと近似する個別照明画像ベクトルを有する第1の照明に加えて、前記上位の固有値の固有ベクトルと反転ベクトルが近似する個別照明画像ベクトルを有する第2の照明とを検出し、
前記対象物の画像データは、前記第1の照明を用いたときに生成される第1の画像データから、前記第2の照明を用いたときに生成される第2の画像データの差分画像データとして取得される照明調整装置。
(付記7)
付記6において、
前記調整情報は、さらに、前記複数の所定数の照明の各強度係数を含み、
前記調整情報生成手段は、さらに、前記所定数の複数の照明の各個別照明ベクトルの線形和を前記固有ベクトルと近似させた場合における前記各個別照明ベクトルの各係数を強度係数として算出する照明調節装置。
(付記8)
複数の照明を用いた対象物の画像データの生成時における照明を調整する照明調節方法であって、
前記照明を個別に用いたときに生成される前記対象物を撮像した個別照明画像データの、複数の照明に対応する集合である個別照明画像データ群に基づいて、画素間の輝度値の分散度合いが最大になる画像データを生成可能な複数の所定数の照明を検出し、前記複数の所定数の照明の組み合わせを調整情報として生成する調整情報生成工程、を有する照明調節方法。
(付記9)
付記8において、
前記調整情報生成工程では、前記個別照明画像データ群の各画素の輝度値を有する輝度行列の分散共分散行列または相関係数行列に基づいて固有値を算出して上位の固有値を選択し、前記複数の照明のうち、前記上位の固有値の固有ベクトルと近似する個別照明画像ベクトルを有する前記複数の所定数の照明を検出する照明調節方法。
(付記10)
付記9において、
前記調整情報は、さらに、前記複数の所定数の照明の各強度係数を含み、
前記調整情報生成工程では、さらに、前記所定数の複数の照明の各個別照明ベクトルの線形和を前記固有ベクトルと近似させた場合における前記各個別照明ベクトルの各係数を強度係数として算出する照明調節方法。
(付記11)
複数の照明を用いた対象物の画像データの生成時における照明を調整する照明調節処理を、を実行させるプロセッサ読み取り可能な照明調節プログラムにおいて、
前記照明調節処理は、
前記照明を個別に用いたときに生成される前記対象物を撮像した個別照明画像データの、複数の照明に対応する集合である個別照明画像データ群に基づいて、画素間の輝度値の分散度合いが最大になる画像データを生成可能な複数の所定数の照明を検出し、前記複数の所定数の照明の組み合わせを調整情報として生成する調整情報生成工程、を有する照明調節プログラム。
(付記12)
付記11において、
前記調整情報生成工程では、前記個別照明画像データ群の各画素の輝度値を有する輝度行列の分散共分散行列または相関係数行列に基づいて固有値を算出して上位の固有値を選択し、前記複数の照明のうち、前記上位の固有値の固有ベクトルと近似する個別照明画像ベクトルを有する前記複数の所定数の照明を検出する照明調節プログラム。
(付記13)
付記12において、
前記調整情報は、さらに、前記複数の所定数の照明の各強度係数を含み、
前記調整情報生成工程では、さらに、前記所定数の複数の照明の各個別照明ベクトルの線形和を前記固有ベクトルと近似させた場合における前記各個別照明ベクトルの各係数を強度係数として算出する照明調節プログラム。
10:表示装置、11:ROM、12:RAM、13:通信インタフェース、14:CPU、15:外部インタフェース、100:照明調節装置、L1〜L5照明、CM:撮像装置

Claims (9)

  1. 複数の照明を用いた対象物の画像データの生成時における照明を調整する照明調節装置であって、
    前記照明を個別に用いたときに生成される前記対象物を撮像した個別照明画像データの、複数の照明に対応する集合である個別照明画像データ群に基づいて、画素間の輝度値の分散度合いが最大になる画像データを生成可能な複数の所定数の照明を検出し、前記複数の所定数の照明の組み合わせを調整情報として生成する調整情報生成手段、を有する照明調節装置。
  2. 請求項1において、
    前記調整情報生成手段は、前記個別照明画像データ群の各画素の輝度値を有する輝度行列の分散共分散行列または相関係数行列に基づいて固有値を算出して上位の固有値を選択し、前記複数の照明のうち、前記上位の固有値の固有ベクトルと近似する個別照明画像ベクトルを有する前記複数の所定数の照明を検出する照明調節装置。
  3. 請求項2において、
    前記調整情報は、さらに、前記複数の所定数の照明の各強度係数を含み、
    前記調整情報生成手段は、さらに、前記所定数の複数の照明の各個別照明ベクトルの線形和を前記固有ベクトルと近似させた場合における前記各個別照明ベクトルの各係数を強度係数として算出する照明調節装置。
  4. 請求項2において、
    前記調整情報生成手段は、前記固有ベクトルと前記個別照明画像ベクトルとの内積に基づいて、前記上位の固有値の固有ベクトルと近似する個別照明画像ベクトルを有する前記複数の所定数の照明を検出する照明調節装置。
  5. 請求項2乃至4のいずれかにおいて、
    前記調整情報生成手段は、前記上位の固有値を複数個選択し、選択した上位の固有値それぞれについて、前記調整情報を生成する照明調節装置。
  6. 請求項2において、
    前記調整情報生成手段は、前記上位の固有値の固有ベクトルと近似する個別照明画像ベクトルを有する第1の照明に加えて、前記上位の固有値の固有ベクトルと反転ベクトルが近似する個別照明画像ベクトルを有する第2の照明とを検出し、
    前記対象物の画像データは、前記第1の照明を用いたときに生成される第1の画像データから、前記第2の照明を用いたときに生成される第2の画像データの差分画像データとして取得される照明調整装置。
  7. 請求項6において、
    前記調整情報は、さらに、前記複数の所定数の照明の各強度係数を含み、
    前記調整情報生成手段は、さらに、前記所定数の複数の照明の各個別照明ベクトルの線形和を前記固有ベクトルと近似させた場合における前記各個別照明ベクトルの各係数を強度係数として算出する照明調節装置。
  8. 複数の照明を用いた対象物の画像データの生成時における照明を調整する照明調節方法であって、
    前記照明を個別に用いたときに生成される前記対象物を撮像した個別照明画像データの、複数の照明に対応する集合である個別照明画像データ群に基づいて、画素間の輝度値の分散度合いが最大になる画像データを生成可能な複数の所定数の照明を検出し、前記複数の所定数の照明の組み合わせを調整情報として生成する調整情報生成工程、を有する照明調節方法。
  9. 複数の照明を用いた対象物の画像データの生成時における照明を調整する照明調節処理を、を実行させるプロセッサ読み取り可能な照明調節プログラムにおいて、
    前記照明調節処理は、
    前記照明を個別に用いたときに生成される前記対象物を撮像した個別照明画像データの、複数の照明に対応する集合である個別照明画像データ群に基づいて、画素間の輝度値の分散度合いが最大になる画像データを生成可能な複数の所定数の照明を検出し、前記複数の所定数の照明の組み合わせを調整情報として生成する調整情報生成工程、を有する照明調節プログラム。
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