JP6155084B2 - 乗用車用空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

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本発明は、乗用車用空気入りラジアルタイヤに関する。
従来より、空気入りタイヤには、タイヤの内圧を保持するための空気バリア層として、タイヤ内面にインナーライナーが配置されている。インナーライナーとしては、通常、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム等のゴム組成物が使用されている。しかし、これらのゴム組成物は空気バリア性が充分高くないために、タイヤ内圧を維持するためには、1mm程度以上の厚みを要する、という問題があった。そのため、タイヤに占めるインナーライナーの重量が約5%と高くなり、タイヤの製造コストが増大すると共に、タイヤの重量を軽減して、燃費を向上させる上で障害となっていた。
一方、その優れた空気バリア性より、エチレン−ビニルアルコール共重合体(以下、「EVOH」ともいう)をインナーライナーとして使用することが提案されている。EVOHを使用することで、インナーライナー層の厚みを低減させることができ、それにより、タイヤの重量を軽減させることが可能である(特許文献1)。しかし、EVOHはタイヤに通常用いられているゴム組成物と比して、弾性率が大幅に高いため、インナーライナーとして使用した場合、屈曲時の変形で破断したり、クラックが生じたりするおそれがあった。すなわち、耐クラック性の向上と、空気バリア性の向上とは、相反するものである。
一方、従来技術において、車両の重量化、高速化に伴うタイヤのラジアル化、幅広化が進められてきたが(特許文献2など)、近年、環境問題への関心の高まりにより、このような幅広タイヤに起因する空気抵抗を低減させ、低燃費化させることについての要求が高まっている。また、幅広タイヤによる、車両スペースの圧迫と居住性低下についても、改善が求められる。特に、実用化が進んでいる電気自動車は、タイヤ車軸回りにタイヤを回転させるトルクを制御するためのモーターなどの駆動部品を収容するスペースの確保が必要となることから、タイヤ回りのスペース確保の重要性も高まりつつある。
そこで、例えば、特許文献3に示されるような、狭幅化、大径化することにより、転がり抵抗を低下させ、且つ軽量化した乗用車用空気入りラジアルタイヤが提案されている。
特開平6−40207号公報 特開平7−40706号公報 国際公開2012/176476号パンフレット
ここで、狭幅化、大径化された乗用車用空気入りラジアルタイヤは、タイヤ内圧を従来よりも高く維持することを要するため、高い空気バリア性が要求される。したがって、本発明は、高い空気バリア性を有する乗用車用空気入りラジアルタイヤを提供することにある。
本発明の乗用車用空気入りラジアルタイヤは、一対のビード部間でトロイダル状に跨る、ラジアル配列コードのプライからなるカーカスを備えた、乗用車用空気入りラジアルタイヤであって、前記タイヤをリムに組み込み、内圧250kPa以上とした際に、前記タイヤの断面幅SWが165mm未満である場合は、前記タイヤの断面幅SWと外径ODとの比SW/ODが0.26以下であり、前記タイヤの断面幅SWが165mm以上である場合は、前記タイヤの断面幅SWおよび外径ODは、関係式、
OD(mm)≧2.135×SW+282.3
を満たし、インナーライナーを備え、前記インナーライナーは、(1)ゴム成分が、当該ゴム成分100重量部中40〜100重量部の変性または未変性のブチルゴム及び0〜60重量部のジエン系ゴムのみからなる、或いは、(2)ガスバリア樹脂を含む樹脂組成物層と、ゴム組成物及び/またはエラストマーを含む樹脂組成物から構成されるゴム状弾性体層とが交互に7層以上積層されて接合された積層体であり、前記インナーライナーの−40℃での動的貯蔵弾性率が500〜8000MPaである、ことを特徴とする。
上記の構成を有することにより、転がり抵抗値が低く、且つ軽量化した乗用車用空気入りタイヤを提供することができる。上記乗用車用空気入りラジアルタイヤは、狭幅化したものであるので、空気抵抗値、転がり抵抗が小さく、車両の燃費性を向上させることができる。
一方で、配設されたインナーライナーの−40℃での動的貯蔵弾性率(E’)を上記の範囲内、すなわち高めに設定することで、耐クラック性と相反する空気バリア性を高めることが容易となり、タイヤの内圧を高く維持することが可能となる。これにより、上記の低い空気抵抗値、転がり抵抗を奏することをより容易とすることができるものである。
なお、本発明における「リム」とは、タイヤのビード幅に対応した幅を有するリムをいう。
前記インナーライナーは、変性または未変性のブチルゴムを含有することが好ましい。ブチルゴムは、低気体透過性でありながら、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂等の他の低気体透過性の樹脂と比して、耐クラック性が勝る、という利点を有する。したがって、本発明の乗用車用空気入りラジアルタイヤのインナーライナーに変性または未変性のブチルゴムを含有させることにより、該インナーライナーの耐クラック性を高く維持することができる、という利点を有する。
前記インナーライナーは、アスペクト比が3以上の粒子からなる無機充填剤を含有することが好ましい。
インナーライナーを構成する組成物に、その空気バリア性を高めるために無機充填剤を多量配合すると、低温時の硬度が増大するため、低温時の耐久性、精錬及び圧延工程での作業性が低くなりやすい、という問題があった。アスペクト比が3以上の粒子からなる無機充填剤、すなわち層状または板状の無機充填剤を含有させることで、比較的少量の配合で高い空気バリア性能を実現することができる。したがって、過剰に無機充填剤を配合しなくてもよいため、低温時の硬度上昇が抑えられ、かつ、空気バリア性の高いインナーライナーを提供することができる。
ここでいうアスペクト比とは、粒子図形を長方形で囲んだ時に最小長方形の、縦横の辺の長さの比をいい、長辺の長さを短辺の長さで除した値を指すものとする。
前記インナーライナーは、ジエン系ゴムを含有していてもよい。ジエン系ゴムを含有することで、インナーライナーの耐クラック性を高めることが可能となる。
前記インナーライナーは、分散改良剤を含有していてもよい。分散改良剤を含有することにより、ゴム成分中への無機充填剤の分散を向上させ、インナーライナーの耐屈曲疲労性などを向上させることが可能となる。
前記インナーライナーは、ガスバリア樹脂を含む樹脂組成物を含有することが好ましい。ガスバリア樹脂を含む樹脂組成物をインナーライナーに配することで、インナーライナーの空気バリア性を高めることが可能となる。
前記ガスバリア樹脂は、変性または未変性のエチレン−ビニルアルコール共重合体を含有することが好ましい。ガスバリア樹脂として、変性または未変性のエチレン−ビニルアルコール共重合体を用いることで、高い空気バリア性、延伸性、熱成形性を有するインナーライナーを配した乗用車用空気入りラジアルタイヤを提供することが可能となる。
本発明によれば、高い空気バリア性を有する乗用車用空気入りラジアルタイヤを提供することが可能となる。
(a)タイヤの側面図である。(b)タイヤの接地面を示すタイヤ周方向断面図である。 タイヤ外径ODと撓み量δ1との関係を示す図である。 タイヤの変形について説明するための図である。 (a)(b)タイヤの変形について説明するためのタイヤ幅方向断面図である。 接地幅Wと撓み量δ2との関係を示す図である。 荷重と内圧と接地面積との関係について説明するための図である。 (a)タイヤを高内圧化したときの撓み量δ1を示す図である。(b)タイヤを高内圧化したときの接地面積を示す図である。 タイヤの大径化、狭幅化による車両スペースの確保について説明するための図である。 インナーライナーの耐クラック性と空気バリア性の関係を模式的に表した図である。 ドラム試験機の概要を示す図である。
<乗用車用空気入りラジアルタイヤの転がり抵抗低減の原理>
第一に、本発明の乗用車用空気入りラジアルタイヤ(以下、「タイヤ」ともいう)の転がり抵抗低減の原理について図を用いて説明する。
図1(a)は、タイヤクラウン部がタイヤの荷重時において撓む様子を示している。このクラウン部の撓みにより、図1(a)に平行四辺形で模式的に示すように、トレッドゴムがタイヤ周方向にせん断変形し、この変形がタイヤ転動時において繰り返されてエネルギー損失の原因となって転がり抵抗が増大する。
そこで、まず、転がり抵抗値を低減するためには、タイヤ接地時の撓み量を低減することが重要となる。
図1(b)は、タイヤ接地面のタイヤ周方向断面図である。図1(b)に示すように、タイヤ外径をOD(mm)、撓み量をδ1(mm)、周方向の接地長をL(mm)とするとき、幾何学的に撓み量δ1を以下の2つの式で近似的に表すことができる。
(式1)δ1=(OD/2)×(1−cosθ)
(式2)θ≒tan−1{(L/2)/(OD/2)}≒L/OD
また、図2は、様々なタイヤサイズの従来タイヤを適用リムに装着し、規定内圧を充填し、最大負荷荷重を負荷したときのタイヤ外径ODと撓み量δ1との関係を示す図である。上記の「適用リム」とは、タイヤサイズに応じて下記の規格に規定された標準リム(下記TRAのYEAR BOOKでは、“Design Rim”、下記ETRTOのSTANDARDS MANUALでは“Measuring Rim”)をいい、「規定内圧」とは、下記の規格において、最大負荷能力に対応して規定される空気圧をいい、「最大負荷能力」とは、下記の規格でタイヤに付加されることが許容される最大の質量をいう。そして、その規格とは、タイヤが生産または使用される地域に有効な産業規格によって決められたものであり、例えば、アメリカ合衆国では、“THE TIRE AND RIM ASSOCIATION INC.(TRA)”の“Year Book”であり、欧州では“The European Tire and Rim Technical Organization(ETRO)”であり、日本では、“日本自動車タイヤ協会(JATMA)”の“JATMA YEAR BOOK”である。
上記式1、式2及び図2から、撓み量δ1を低減するためには、タイヤ外径ODを増大させることが有効であることがわかる。
すなわち、タイヤの転がり抵抗を、トレッドゴムのタイヤ周方向せん断変形を抑制する観点から低減するには、タイヤの大径化が有効である。
さらに、タイヤのベルト張力Tは、タイヤの内圧をPとしたとき、以下の式で表されることから、タイヤの大径化によりベルト張力が増大することがわかる。
(式3)T=(OD/2)×P
ベルト張力が増大すると、タイヤのリング剛性(タイヤのリング形状を維持するための剛性)が増大するため、図3(a)(b)に示すように、タイヤのリング形状を維持して、そのリング全体が偏心移動する変形(偏芯変形)が助長される。これにより、トレッドゴムの変形が抑制されて、タイヤの転がり抵抗値が低減する。
すなわち、タイヤの大径化は、タイヤのリング変形を抑制する観点からも、タイヤの転がり抵抗値の低減に有効である。
次に、トレッドゴムのタイヤ幅方向のせん断変形に着目すると、タイヤ接地時において、クラウン部が撓むことにより、図4(a)に平行四辺形で模式的に示すように、トレッドゴムはタイヤ幅方向にせん断変形し、この変形がタイヤ転動時において繰り返されてエネルギー損失の原因となり、転がり抵抗が増大する。
図4(b)は、タイヤ接地面のタイヤ幅方向断面図である。図4(b)に示すように、タイヤ幅方向断面において、タイヤを装着する車両毎に規定される最大負荷を荷重したときに接地端となる点をE1、E2とし、幅方向中央位置を点Fとし、幅方向の接地長をW(mm)とする。
また、無負荷状態において、幅方向断面にて3点E1、E2、Fを含む曲線を円弧と近似した場合の点E1、E2におけるクラウン半径をCR(mm)とし、そのときの円の中心をOとする。このとき、幅方向断面において、線分OE1がタイヤ赤道面に対してなす角度をγ(°)とする。
さらに、上記タイヤを装着する車両毎に規定される最大負荷の荷重による撓み量(幅方向接地端が径方向に撓む量)をδ2(mm)、とするとき、幾何学的にδ2を以下の2つの式で近似的に表すことができる。
(式4)δ2=CR×(1−cosγ)
(式5)γ≒tan−1{(W/2)/CR}≒W/2CR
なお、「装着する車両毎に規定される最大負荷」とは、最大乗員数を想定した時に、4輪の中で最も荷重のかかるタイヤへの負荷荷重を意味する。
また、図5は、様々なタイヤサイズの従来タイヤを適用リムに装着し、規定内圧を充填し、最大負荷荷重を負荷したときの接地幅Wと撓み量δ2との関係を示す図である。
上記式4、式5、及び図5に示すように、接地幅Wを低減することにより、撓み量δ2を低減することができることがわかる。すなわち、タイヤの転がり抵抗を、トレッドゴムのタイヤ幅方向せん断変形を抑制する観点から低減するには、タイヤの狭幅化が有効である。
また、タイヤの狭幅化は、タイヤ重量の軽量化にも有効である。
以上により、まず、大径化と狭幅化とを適切に規制することによりタイヤ重量を低減しつつも、タイヤの転がり抵抗値を低減させ得ることがわかる。
ところで、図6に示すように、タイヤの接地長をL、接地幅をW、タイヤの内圧をP、タイヤの負荷荷重をLoとするとき、タイヤの接地面と負荷荷重との間には、力の釣り合い条件から導かれる、以下の式で近似される関係が成り立つ。
(式6)Lo≒W×L×P
従って、タイヤの荷重と内圧とを一定とするとき、上述したトレッドゴムの幅方向のせん断変形を抑制すべく、またタイヤを軽量化すべく、タイヤの接地幅Wを低減すると、上記式6に示す釣り合いの関係式から接地長Lが増大することがわかる。
すると、上記の式1、式2に従うと、接地長Lの増大により撓み量δ1が増大することによって、トレッドゴムのタイヤ周方向のせん断変形が増大することになってしまう。
タイヤを狭幅化しつつも、接地長の増大を抑制する手法として、タイヤを高内圧のもとに使用することが有効である。
すなわち、上記式6の関係により、接地幅を低減させても、タイヤを高内圧のもとに使用することにより接地長を低減させずに、負荷荷重を支えることができる。
図7(a)は、タイヤサイズ195/65R15のタイヤを適用リムに装着し、最大負荷荷重を負荷したときの接地幅Wと撓み量δ1との関係を示す図である。また、図7(b)は、タイヤサイズ195/65R15のタイヤを適用リムに装着し、最大負荷荷重を負荷したときの接地幅Wと接地面積との関係を示す図である。
図7(a)に示すように、タイヤに規定内圧を充填して使用する場合には、接地幅が低減することにより、撓み量δ1が増大する。このため、トレッドゴムの周方向せん断変形の抑制効果が減少する。また、図7(b)に示すように、接地幅を減少させても接地面積は、ほぼ一定であり、接地長が増大していることがわかる。
これに対し、タイヤを高内圧化して使用することにより、図7(a)に示すように、接地幅を低減しても撓み量の増大を抑制し、図7(b)に示すように、接地幅を低減させることにより、接地面積を減少させることができる。
これにより、タイヤ接地時のトレッドゴムの周方向及び幅方向のせん断変形を抑制してタイヤの転がり抵抗値を低減することができる。
また、図8(a)(b)に示すように、タイヤの狭幅化により、車両スペースの確保が可能となり、特にタイヤの車両装着内側近傍に駆動部品の設置スペースを確保することができる。さらに、ラジアルタイヤの大径化によって車輪軸が高くなり、床下のスペースが拡大されるため、車両のトランク等のスペースや、駆動部品の設置スペースを確保することができる。
<乗用車用空気入りラジアルタイヤの構造>
上記より、狭幅化したタイヤにおいて、タイヤの内圧を250kPa以上とした際に、タイヤの転がり抵抗値の低減とタイヤ重量の低減とを共に実現し得る。なお、内圧については、350kPa以下とすることが好ましい。
上記タイヤは、狭幅化したものであるので、空気抵抗値、転がり抵抗が小さく、車両の燃費性を向上させることができる。
本発明のタイヤは、タイヤをリムに組み込み、内圧250kPa以上とした際に、前記タイヤの断面幅SWが165mm未満である場合は、前記タイヤの断面幅SWと外径ODとの比SW/ODが0.26以下であり、前記タイヤの断面幅SWが165mm以上である場合は、前記タイヤの断面幅SWおよび外径ODは、関係式、
OD≧2.135×SW+282.3
を満たす。
すなわち、断面幅が165mm未満である場合、SW/ODが0.26以下であるタイヤは、タイヤの転がり抵抗値とタイヤ重量とを共に低減することができる。断面幅SWが165mm以上である場合には、上記関係式を満たすタイヤは、タイヤの転がり抵抗値とタイヤ重量とを共に低減することができる。
ここで、250kPa以上の高内圧条件でタイヤを使用するための好ましいタイヤ構造について説明する。
まず、カーカスは、少なくとも一枚のカーカスプライの端部が、タイヤ最大幅部よりタイヤ径方向外側に位置するハイターンアップ構造とすることが好ましく、タイヤ径方向においてカーカスとベルトとの間に位置するいわゆるエンベロープ構造のものとすることがより望ましい。
また、ベルトは、高剛性のものを用いるのが好ましく、具体的には、ベルトコードのヤング率が45000MPa以上のものであることが好ましい。
カーカス構造やベルト剛性を適切化して、高内圧でも使用可能なタイヤの強度を確保するためである。
<インナーライナー>
インナーライナーの空気バリア性を高めるためには、空気バリア性の高い成分を高配合で含有することを要するが、このような成分は弾性率が高いため、インナーライナーの耐クラック性が低くなる、という問題があった。すなわち、耐クラック性の向上と、空気バリア性の向上とは、相反する性質を有するものであった。
しかしながら、本発明のタイヤは、上記のように高内圧で使用されることから、走行時の歪が小さいため、従来のタイヤと比して、インナーライナーに要求される耐クラック性は高くないといえる。
図9に、インナーライナーの空気バリア性と耐クラック性の関係を模式的に示す。インナーライナーの耐クラック性を高めるためには、空気バリア性をある程度犠牲にする必要があることが分かる。図に示すように、従来のタイヤにおいては、耐クラック性を高めに設定することを要したが、本発明のタイヤにおいては、耐クラック性を低くし、上記に規定したように空気バリア性を高めることを要する。
したがって、本発明のタイヤに使用されるインナーライナーは、−40℃での動的貯蔵弾性率(E’)は、500〜8000MPaのものとする。このように低温時のE’が比較的高いインナーライナーであっても、本発明のタイヤにおいては割れが生じにくく、一方で、上記のように空気バリア性の高い成分を高配合することが可能となる。なお、上記−40℃でのE’は、550〜7000MPa、さらに600〜6000MPaであることが好ましい。
本発明のタイヤに使用されるインナーライナーは、タイヤの内圧を高く維持することを要することから、60℃での空気透過係数が1×10−14〜6.5×10−10cc・cm/(cm・s・cmHg)、であることが好ましい。
<<第一実施形態のインナーライナー>>
本発明のタイヤの第一実施形態においては、インナーライナーは、(1)ゴム成分が、当該ゴム成分100重量部中40〜100重量部の変性または未変性のブチルゴム及び0〜60重量部のジエン系ゴムのみからなり、ゴム成分としてブチルゴムを含有するゴム組成物とするブチルゴムとしては、変性ブチルゴム、未変性ブチルゴムのいずれも使用でき、またこれらを混合してもよい。変性ブチルゴムとしては、塩素化ブチルゴム、臭素化ブチルゴム等のハロゲン化ブチルゴムを好適に使用できる。ブチルゴムは、他の低空気透過性の樹脂組成物等と比して耐クラック性が高い、という利点を有し、インナーライナーとして好適に使用できる材料である。
インナーライナー中のブチルゴムの配合量は、ゴム成分100重量部中40重量部〜100重量部であり、50〜100重量部であることが好ましい。ブチルゴムの配合量を40重量部以上とすることで、インナーライナーの空気透過性を低く保つことができる。
上記のブチルゴムは、高粘度のブチルゴムを含有することが好ましい。高粘度のブチルゴムとは、具体的には、ムーニー粘度が40(ML1+4(130℃))以上のブチルゴムを指すものとする。上記ムーニー粘度は、さらに40〜60(ML1+4(130℃))であることが好ましい。また、高粘度のブチルゴムは、全ブチルゴム中に50重量%以上、好適には70重量%以上配合されることが好ましい。このように高粘度のブチルゴムを一定量以上使用することで、空気透過性が低く、かつ、ゴム切れや穴あき等の生じにくいインナーライナーを得ることができる。
ここで、上記ムーニー粘度[ML1+4(130℃)]は、JIS K6300−1(2001)に記載のムーニー粘度試験方法に基づき、温度130℃の条件で、L形ロータを用いて予熱時間1分、ロータ回転時間4分の条件で測定した粘度の値を言う。尚、値が大きいほど、高粘度である。
上記インナーライナーは、アスペクト比が3以上、より好適には4〜200さらに好適には5〜100の粒子からなる無機充填剤を含有することが好ましい。すなわち、層状または板状の無機充填剤を使用することが好ましい。このような無機充填剤をインナーライナーに配合することで、特に押出または圧延工程において層構造を形成し、空気の透過経路を遮り、耐空気透過性が効果的に発揮される。したがって、通常の無機粘土鉱物やカーボンブラック等を配合する場合よりも少ない配合量で、効果的に耐空気透過性を向上させることが可能である。
このような層状または板状の無機充填剤としては、天然品および合成品のいずれであってもよく、特に制限されず、例えばカオリン質クレー、クレー、マイカ、長石、シリカおよびアルミナ等が挙げられる。これらの中でも、カオリン質クレーおよびセリサイト質クレーが特に好適である。
これらの無機充填剤の粒子径が大きすぎるとゴム組成物の耐屈曲疲労性が低下するおそれがあるので、平均粒子径は30μm以下が好ましい。無機充填剤は一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、その配合量としては、ゴム成分100重量部に対し、5〜300重量部の範囲が好ましい。配合量が5重量部未満では、耐空気透過性向上の効果が十分に発揮されないおそれがあり、また、配合量が300重量部を超えるとゴム組成物の硬さが増大し、耐低温クラック性が悪くなると共に、耐屈曲疲労性が低下する原因となる。なお、本発明のタイヤにおいては、従来のタイヤよりも多くの充填剤の配合が可能であり、これにより高い耐空気透過性を奏することが可能である。
上記インナーライナーは、ゴム成分としてジエン系ゴムを含有してもよい。ジエン系ゴムとしては、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレン合成ゴム(IR)、ポリブタジエン(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)等を挙げることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。ジエン系ゴムの配合量は、ゴム成分100重量部に対して0〜60重量部であり、0〜30重量部とすることが好ましい。ジエン系ゴムを配合することで、インナーライナーの耐クラック性を高めに調整することができる。
上記インナーライナーは、分散改良剤を含有していてもよい。分散改良剤は、ゴム成分中への無機充填剤等の分散を向上させ、耐屈曲疲労性などを向上させるために用いられるものであり、この分散改良剤としては、例えばシランカップリング剤、ジメチルステアリルアミン、トリエタノールアミンなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。分散改良剤の配合量は、ゴム成分100重量部に対して0〜5重量部、特に0.01〜20重量部配合することが好ましい。
第一実施形態における上記インナーライナーの厚さは、200〜3000μmとすることが好ましい。厚さを200μm以上とすることで、十分な空気バリア性を奏することができ、一方3000μm以下とすることで、タイヤ重量を低く抑えることが可能となる。
<<第二実施形態のインナーライナー>>
本発明のタイヤの第二実施形態においては、インナーライナーは、(2)ガスバリア樹脂を含む樹脂組成物層と、ゴム組成物及び/またはエラストマーを含む樹脂組成物から構成されるゴム状弾性体層とが交互に7層以上積層されて接合された積層体であり、ガスバリア樹脂を含む樹脂組成物を含有するここでいうガスバリア樹脂とは、気体の透過を防止する機能を有する樹脂であり、具体的には20℃−65%RH条件下で、JIS−K7126(等圧法)に記載の方法に準じて測定した酸素透過速度が、100mL・20μm/(m・day・atm)以下の樹脂をいう。なお、本発明に用いられるガスバリア樹脂の酸素透過速度は、50mL・20μm/(m・day・atm)以下が好ましく、10mL・20μm/(m・day・atm)以下がさらに好ましい。
このようなガスバリア樹脂としては、エチレンービニルアルコール共重合体(以下、「EVOH」ともいう。)、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニリデン、アクリロニトリル共重合体、ポリフッ化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニルアルコール等を挙げることができる。これらのガスバリア樹脂の中でも、空気バリア性の点から、EVOH、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂が好ましく、空気バリア性に加え、溶融成形性、後述のゴム組成物層との接着性などの点からEVOHが特に好ましい。
前記EVOHとしては、変性または未変性のEVOHのいずれも使用できるが、特にEVOHにエポキシ化合物を反応させて得られた変性EVOHが好ましい。このように変性することにより、未変性のEVOHの弾性率を大幅に下げることができ、屈曲時の破断性、クラックの発生度合いを改良することができる。
この変性処理に用いられる未変性のEVOHにおいては、エチレン単位含有量は25〜50モル%であることが好ましい。エチレン単位含有量が25モル%以上であると十分な耐屈曲性及び耐疲労性が得られ、かつ、溶融成形性も良好である。一方50モル% 以下であると十分な空気バリア性が得られる。より良好な耐屈曲性及び耐疲労性を得る観点からは、エチレン単位含有量は、30モル% 以上がさらに好ましく、35モル% 以上が特に好ましい。一方、空気バリア性の観点からは、エチレン単位含有量は48モル% 以下がより好ましく、45モル%以下が特に好ましい。
さらに、前記EVOHのケン化度は好ましくは90モル%以上であり、より好ましくは95モル%以上であり、さらに好ましくは98モル%以上であり、最適には99モル% 以上である。ケン化度が90モル%以上であると、十分な空気バリア性及び積層体作製時の熱安定性が得られる。
変性処理は、前記の未変性EVOH100重量部に対して、好ましくは1〜50重量部、より好ましくは2〜40重量部、さらに好ましくは5〜35重量部のエポキシ化合物を反応させることにより行うことができる。この際、適当な溶媒を用いて、溶液中で反応させるのが有利である。
溶液反応による変性処理法では、EVOHの溶液に酸触媒あるいはアルカリ触媒存在下でエポキシ化合物を反応させることによって変性EVOHが得られる。反応溶媒としては、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドおよびN−メチルピロリドン等の、EVOHの良溶媒である極性非プロトン性溶媒が好ましい。反応触媒としては、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、硫酸および三弗化ホウ素等の酸触媒や、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、ナトリウムメトキサイド等のアルカリ触媒が挙げられる。これらのうち、酸触媒を用いることが好ましい。触媒量としては、EVOH100重量部に対し、0.0001〜10重量部程度が適当である。また、EVOHおよびエポキシ化合物を反応溶媒に溶解させ、加熱処理を行うことによっても変性EVOHを製造することができる。
変性処理に用いられるエポキシ化合物は特に制限はされないが、一価のエポキシ化合物であることが好ましい。二価以上のエポキシ化合物である場合、EVOHとの架橋反応が生じ、ゲル、ブツ等の発生により積層体の品質が低下するおそれがある。変性EVOHの製造の容易性、空気バリア性、耐屈曲性および耐疲労性の観点から、好ましい一価エポキシ化合物としてグリシドール及びエポキシプロパンが挙げられる。
ガスバリア樹脂を含む樹脂組成物としては、変性または未変性のEVOHのマトリックス中に、変性または未変性のEVOHより23℃におけるヤング率が低い粘弾性体を分散させた樹脂組成物を好適に使用することができる。前記粘弾性体としては、好適には23におけるヤング率が500MPa以下の柔軟樹脂を用いることが好ましい。このように、ヤング率の低い粘弾性体を分散させることで、樹脂組成物の耐クラック性を高めることができる。上記粘弾性体は、平均粒径が2μm以下であることが更に好ましい。粘弾性体の平均粒径が2μmを超えてしまうと、ガスバリア層の耐クラック性向上効果を十分に発揮できない可能性がある。
上記粘弾性体としては、水酸基と反応する官能基が複数導入された多点変性粘弾性体(粘弾性体1)と、水酸基と反応する官能基が一分子鎖に1個以下導入された、一部変性粘弾性体(粘弾性体2)および未変性粘弾性体(粘弾性体3)の少なくとも一方とを含むことが好ましい。粘弾性体全体中の粘弾性体2と粘弾性体3の合計配合量は、20〜99重量%とすることがより好ましく、粘弾性体2及び粘弾性体3中の粘弾性体3の配合量は、10〜95重量%ですることがさらに好ましい。粘弾性体の配合を上記のようにすることで、マトリクス中に粘弾性体を十分に分散させ、かつ、マトリクスと粘弾性体とのゲル化を低減させることが可能となる。
粘弾性体1としては、水酸基と反応する官能基を一分子中に2つ以上有する樹脂、具体的には、無水マレイン酸変性水素添加スチレン−エチレン・ブタジエン−スチレンブロック共重合体、無水マレイン酸変性超低密度ポリエチレン等が挙げられる。
粘弾性体2としては、水酸基と反応する官能基を一分子中に1個有する樹脂、具体的には、無水マレイン酸で片末端を変性した水素添加スチレン−エチレン・ブタジエン−スチレンブロック共重合体、末端変性スチレン−エチレン・ブチレン−スチレンブロック共重合体(末端変性SEBS)、一部変性スチレン−エチレン・ブチレン−エチレンブロック共重合体(末端変性SEBC)等が挙げられる。また、粘弾性体2としては、アミン系、(チオ)エポキシ系、(チオ)イソシアネート系、アルコキシシリル系、カルボキシル系、シラノール系の官能基もしくは水酸基を有するブタジエン重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、イソプレン重合体、イソブチレン−イソプレン共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、或いはその水添物(水添BR、水添SBR、SEBS、SEPS、SEBC等)も挙げられる。より具体的には、末端変性SBR(JSRテクニカルレビュー、No.114/2007)や、その水添物の他、“ANIONIC POLYMERIZATION”(HENRY L. HSIEH, Roderic P.QUIRK)に記載の方法で変性して得られる変性BR、変性SBRやその水添物が挙げられる。ここで、粘弾性体2は、分子鎖の末端に官能基を有していてもよく、末端以外の部分に官能基を有していても良い。なお、末端以外の部分を変性する場合には、下記のものを用いることができる。
Figure 0006155084
[式中、Rは炭素数が1〜20の直鎖または環状の炭化水素基である。]
粘弾性体3としては、水酸基と反応する官能基を有さない樹脂、具体的には、水素添加スチレン−エチレン・ブタジエン−スチレンブロック共重合体、超低密度ポリエチレン、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレンゴム(SIR)、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブチルゴム(IIR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、ハロゲン化ブチルゴム(X−IIR)、水素添加ブタジエンゴム(水添BR)、水素添加スチレンブタジエンゴム(水添SBR)、水素添加イソプレンゴム(水添IR)、ポリスチレン−ポリイソブチレン−ポリスチレンブロック共重合体(SIBS)等が挙げられる。
更に、上記樹脂組成物における粘弾性体の含有率は、10〜30重量%の範囲であることが好ましい。粘弾性体の含有率が10重量%未満では、耐クラック性の向上効果が現れにくく、一方、30重量%を超えると、耐空気透過性が低下する可能性がある。
本発明のタイヤの第二実施形態に使用されるインナーライナー、上記のガスバリア樹脂(より好適には変性または未変性のEVOH)を含む樹脂組成物を有する層(A層)を備える
また、上記インナーライナーは、A層に加えて、ゴム組成物及び/またはエラストマーを含む樹脂組成物から構成されるゴム状弾性体層(B層)を備え、A層とB層とが交互に積層されて接合された積層体とするインナーライナーを積層体とすることで、A層の空気バリア性と、B層の弾性により、インナーライナーの空気バリア性と、耐クラック性の両方を向上させることが可能となる。
上記A層は、上記EVOH等のガスバリア樹脂を含む樹脂組成物を有する単層フィルムであってもよく、また、他の層を有する多層フィルムであってもよい。他の層としては、耐水性とゴムに対する接着性の点から、熱可塑性ウレタン系エラストマーからなる層が好ましく、特にガスバリア樹脂を含む樹脂フィルム層を挟持する形で外層部分に熱可塑性ウレタン系エラストマー層を配置することが好ましい。
このような多層フィルムの具体例としては、前記の変性EVOHを含む樹脂組成物のフィルムの両面に、それぞれ熱可塑性ウレタン系エラストマーフィルムが積層された三層構造の多層フィルムを挙げることができる。
前記熱可塑性ウレタン系エラストマー(以下、「TPU」とも表記する)は、分子中にウレタン基(−NH−COO−)をもつエラストマーであり、(1)ポリオール(長鎖ジオール)、(2)ジイソシアネート、(3)短鎖ジオールの三成分の分子間反応によって生成する。ポリオールと短鎖ジオールは、ジイソシアネートと付加反応をして線状ポリウレタンを生成する。この中でポリオールはエラストマーの柔軟な部分(ソフトセグメント) になり、ジイソシアネートと短鎖ジオールは硬い部分(ハードセグメント) になる。TPUの性質は、原料の性状、重合条件、配合比によって左右され、この中でポリオールのタイプがTPUの性質に大きく影響する。基本的特性の多くは長鎖ジオールの種類で決定されるが、硬さはハードセグメントの割合で調整される。
種類としては、(イ)カプロラクトン型(カプロラクトンを開環して得られるポリラクトンエステルポリオール)、(ロ)アジピン酸型又はアジペート型(アジピン酸とグリコールとのアジピン酸エステルポリオール)、(ハ)PTMG(ポリテトラメチレングリコール)型又はエーテル型(テトラヒドロフランの開環重合で得られたポリテトラメチレングリコール)などがある。
上記A層を構成するフィルムの成形方法に特に制限はなく、単層フィルムの場合、従来公知の方法、例えば溶液流延法、溶融押出法、カレンダー法などを採用することができるが、これらの方法の中で、Tダイ法やインフレーションなどの溶融押出法が好適である。また、多層フィルムの場合は、共押出しによるラミネート法が好ましく用いられる。
A層は、前記B層との密着性を向上させるために、所望により、少なくともB層との接着側の面に、酸化法や凹凸化法などにより表面処理を施すことができる。
上記酸化法としては、例えば、コロナ放電処理法、プラズマ放電処理法、クロム酸処理(湿式)法 、火炎処理法、熱風処理法、オゾン・紫外線照射処理法などが挙げられ、また凹凸化法としては、例えばサンドブラスト法、溶剤処理法などが挙げられる。これらの表面処理法は基材フィルムの種類に応じて適宜選ばれるが、一般にはコロナ放電処理法が効果及び操作性などの面から、好ましく用いられる。
上記B層のゴム状弾性体は、ゴム組成物及び/またはエラストマーを含む樹脂組成物で構成される。上記ゴム組成物中のゴム成分については特に制限はないが、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、ジエン系ゴムなどを用いることが好ましく、特にゴム成分中に50重量%以上のブチルゴム及び/ 又はハロゲン化ブチルゴムを含有していることが好ましい。さらに、ブチル系ゴムの中では、加硫速度が速く、耐熱性、接着性、他の不飽和ゴムとの相溶性に優れる点から、ハロゲン化ブチルゴムが好ましい。特に、ゴム成分中にハロゲン化ブチルゴム70〜100重量%を含むものが好ましい。
上記エラストマーとしては、特に制限されるものではないが、ポリスチレン系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリジエン系エラストマー、ポリ塩化ビニル系エラストマー、塩素化ポリエチレン系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー及びフッ素樹脂系エラストマーを好適に使用でき、これらを単独で用いてもよく、また、2種以上を混合して使用してもよい。
B層の一層あたりの厚みは、0.001〜40μm、特に0.05〜7μm、さらに0.1〜2μmとすることが好ましい。
A層及びB層の合計積層数は7層以上であり、好適な合計積層数は〜100であ。合計積層数が7層以上とする場合、上記A層の一層の平均厚みは0.001〜10μmであることが好ましい。A層及びB層は、層間に接着剤層を設けて接合してもよく、また、積層した後に活性エネルギー線(好適には電子線)を照射して接合させてもよい。このような7層以上の多層構造体を形成する場合、インナーライナー全体の好適な厚みは、0.1〜1000μm、特に10〜500μmである。
なお、本発明のタイヤにおいては、従来のタイヤと比してインナーライナー耐クラック性を低くすることが可能であるため、上記B層の厚みを薄くする、積層数を減じる、もしくはB層の積層を省略しA層のみとすることができる。これにより、インナーライナーの重量の低減、ひいてはタイヤ重量の低減が可能となる。
B層の使用を省略し、A層のみで使用する場合においては、A層の厚さは、1〜200μm程度が好ましい。より好ましい厚さは10〜150μm、さらに好ましい厚さは20〜100μmの範囲である。
<インナーライナー1の調製>
表1の実施例1〜7及び比較例1,2に示す配合で、インナーライナーを構成するゴム組成物を混練により調製し、各ゴム組成物からなる厚さ1000μmのインナーライナー1を備えた未加硫の空気入りタイヤ(グリーンタイヤ)を作製した。比較例1,2には、タイヤサイズ205/55R16(断面幅(SW):205mm、外径(OD):631mm)のタイヤを使用し、実施例1〜6には、155/55R20(断面幅:155mm、外径678.5mm)のタイヤ(本発明タイヤ1)、実施例7には175/60R19(断面幅:175mm、外径:692.6mm)のタイヤ(本発明タイヤ2)を使用した。
<インナーライナー2の調製>
表1比較例3及び4の供試タイヤには、以下の方法で作成したインナーライナー2(樹脂フィルムA)を配設した。
加圧反応槽に、エチレン含量44モル%、ケン化度99.9モル%のエチレン−ビニルアルコール共重合体2重量部およびN−メチル−2−ピロリドン8重量部を仕込み、120℃で、2時間加熱攪拌することにより、エチレン−ビニルアルコール共重合体を完全に溶解させた。これにエポキシ化合物としてエポキシプロパン0.4重量部を添加後、160℃で4時間加熱した。加熱終了後、蒸留水100重量部に析出させ、多量の蒸留水で充分にN−メチル−2−ピロリドンおよび未反応のエポキシプロパンを洗浄し、変性エチレン−ビニルアルコール共重合体を得た。さらに、得られた変性エチレン−ビニルアルコール共重合体を粉砕機で粒子径2mm程度に細かくした後、再度多量の蒸留水で十分に洗浄した。洗浄後の粒子を8時間室温で真空乾燥した後、2軸押出機を用いて200℃で溶融し、ペレット化した。
得られた変性EVOHのペレットを使用し、押出装置を用いて、下記押出成形条件で単層のEVOHフィルムを作製し、インナーライナー2とした。フィルムの厚みは、20μmとした。
押出成形条件は以下のとおりである。
押出温度:EVOH/ダイ=170/220℃
押出機仕様:20mmφ押出機 ラボ機ME型CO−EXT(株式会社東洋精機製)
Tダイ仕様:500mm幅 (株式会社プラスチック工学研究所製)
冷却ロールの温度:50℃
引き取り速度4m/分
上記で形成されたインナーライナー2を備えた比較例3及び4のグリーンタイヤをそれぞれ調製した。比較例3には、タイヤサイズ205/55R16のタイヤを使用し、比較例4には、155/55R20タイヤ(本発明タイヤ1)を使用した。
<インナーライナー3の調製>
表1の実施例9の供試タイヤには、以下の方法で作成したインナーライナー3(樹脂フィルムB)を配設した。
1.EVOHペレット(A)の製造
エチレン含量44.5モル%、酢酸ビニル単位含有量55.5モル%、ケン化度99.5モル%のEVOHを、酢酸及びオルトホウ酸(OBA)を含む水溶液(水溶液1L中、酢酸0.3g、リン酸0.06g、オルトホウ酸0.35g溶解)を用いて、浴比20で処理し、乾燥後、押出機にてペレット化し、EVOHペレット(A)を得た。
2.TPUペレット(B)の製造
1,4ーブタンジオールとアジピン酸とを反応させることによって得られた1分子あたりの水酸基数が2.0であり、数平均分子量が1,000であるポリエステルジオール68.8重量%、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート27.5重量%、及び1,4−ブタンジオール3.7重量%の混合物を、多軸スクリュー型押出機(ダイス温度260℃)で20分間溶融混練することによって、熱可塑性ポリウレタン樹脂TPU(ショア−A硬度85)を製造した。次いでペレット化してTPUペレット(B)を得た。
3.インナーライナー3の製造
EVOHペレット(A)及びTPUペレット(B)を用い、それぞれペレットを構成する樹脂組成物によって交互にA層が16層及びB層が17層の多層構造体が形成されるように、33層フィードブロックにて、共押出機に210℃溶融状態として供給し、共押出を行い合流させることによって、多層の積層体とした。合流する2種類のペレットの溶融物は、フィードブロック内にて各層流路を表面側から中央側に向かうにつれ徐々に厚くなるように変化させることにより、押出された多層構造体の各層の厚さが均一になるように押出された。また、隣接するA層とB層の層厚さはほぼ同じになるようにスリット形状を設計した。このようにして得られた計25層からなる積層体を、表面温度25℃に保たれ静電印加したキヤスティングドラム上で急冷固化した。急冷固化して得られたキャストフィルムを離型紙上に圧着し巻取りを行った。なおペレットの溶融物が合流してからキヤスティングドラム上で急冷固化されるまでの時間が約4分となるように流路形状及び総吐出量を設定した。
上記のようにして得られたキャストフィルムはDIGITAL MICROSCOPE VHX−900(KEYENCE社製)及び電子顕微鏡VE−8800(KEYENCE社製)にて断面観察を行った結果、A層及びB層それぞれの平均厚みが0.5μm、全体の厚みが12.5μmであった。なお、各厚みはランダムに選択された9点での測定値の平均値とした。
次いで、このキャストフィルムに、電子線加速機(日新ハイボルテージ社製、機種名「キュアト口ンEB200−100」)により、加速電圧200kV、照射線量200kGyの電子線を照射して多層構造体を得た。
<インナーライナーの物性試験>
上記実施例1〜7、9及び比較例1〜に用いたインナーライナー1〜3について、下記の方法を用いて、空気透過係数及び動的貯蔵弾性率(E’)を測定した。
<<空気透過係数>>
上記インナーライナー1については、所定の厚さに延伸し、160℃で30分間加硫してサンプルを調製した後、インナーライナー2,3については、所定の大きさに切りだした後、空気透過試験機M−C1(東洋精機(株)製)を用いて、60℃での空気透過係数を測定した。尚、空気透過係数の数値が小さいほど、耐空気透過性に優れている。
<<動的貯蔵弾性率(E’)>>
同様に、加硫後のインナーライナー1〜3について、東洋精機社製スペクトロメーターを用い、歪0.1%、−40℃における貯蔵弾性率(E’)を測定した。
<タイヤ転動試験>
上記実施例1〜7、9及び比較例1〜の各グリーンタイヤについて、160℃で30分間の条件で加硫して、専用リムに組み付けた。各タイヤについて、充填内圧260kPa、に空気充填した。各タイヤについて、タイヤ負荷質量5.0kN、時速80km/hの条件で、図10に示すように直径1.7mの鉄板表面を持つ鉄製ドラムを備えた−50℃の低温ドラム試験機を用いて600分間転動させ、インナーライナーの割れの有無について目視で確認評価した。評価結果は表1に示す通りとなった。
Figure 0006155084
※1 高粘度ブチルゴム:JSRブロモブチル2255(日本ブチル株式会社)
※2 低粘度ブチルゴム:JSRブロモブチル2222(日本ブチル株式会社)
※3 カーボンブラック:シーストV(東海カーボン)
※4 カオリンクレー:平均粒径3.6μm、平均アスペクト比20
※5 タッキファイヤ:タッキロール201(田岡化学)
※6 分散改良剤A:A−100KB(花王株式会社)
※7 分散改良剤B:シランカップリング剤KH−SI69 ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド(杭州沸点化工有限公司)
※8 加硫促進剤:ノクセラーDM(大内新興化学)
表1の結果より、比較例のタイヤにおいては、動的貯蔵弾性率が高い(空気バリア性が高い)インナーライナー1,2をそれぞれ配したところ、ドラム転動後のインナーライナーの割れが見られたが、実施例のタイヤにおいては、インナーライナーの割れが生じなかった。したがって、本発明のタイヤにおいては、空気バリア性の高いインナーライナーを効果的に使用可能であることが分かった。
本発明のタイヤは、その構造より、タイヤ転がり抵抗値が低く、軽量化されたものであるのに加えて、高い空気バリア性を有するものであった。

Claims (8)

  1. 一対のビード部間でトロイダル状に跨る、ラジアル配列コードのプライからなるカーカスを備え、且つインナーライナーを備えた、乗用車用空気入りラジアルタイヤであって、
    前記タイヤをリムに組み込み、内圧250kPa以上とした際に、
    前記タイヤの断面幅SWが165mm未満である場合は、前記タイヤの断面SWと外径ODとの比SW/ODが0.26以下であり、
    前記タイヤの断面幅SWが165mm以上である場合は、前記タイヤの断面幅SWおよび外径ODは、関係式、
    OD(mm)≧2.135×SW+282.3
    を満たし、
    前記インナーライナーは、(1)ゴム成分が、当該ゴム成分100重量部中40〜100重量部の変性または未変性のブチルゴム及び0〜60重量部のジエン系ゴムのみからなる、或いは、(2)ガスバリア樹脂を含む樹脂組成物層と、ゴム組成物及び/またはエラストマーを含む樹脂組成物から構成されるゴム状弾性体層とが交互に7層以上積層されて接合された積層体であり、
    前記インナーライナーの−40℃での動的貯蔵弾性率が500〜8000MPaである、
    ことを特徴とする、乗用車用空気入りラジアルタイヤ。
  2. 前記インナーライナーが、変性または未変性のブチルゴムを含有する、請求項1に記載の乗用車用空気入りラジアルタイヤ。
  3. 前記インナーライナーが、アスペクト比が3以上の粒子からなる無機充填剤を含有する、請求項2に記載の乗用車用空気入りラジアルタイヤ。
  4. 前記インナーライナーが、ジエン系ゴムを含有する、請求項2に記載の乗用車用空気入りラジアルタイヤ。
  5. 前記インナーライナーが、分散改良剤を含有する、請求項2に記載の乗用車用空気入りラジアルタイヤ。
  6. 前記インナーライナーが、ガスバリア樹脂を含む樹脂組成物を含有する、請求項1に記載の乗用車用空気入りラジアルタイヤ。
  7. 前記ガスバリア樹脂が、変性または未変性のエチレン−ビニルアルコール共重合体を含有する、請求項6記載の乗用車用空気入りラジアルタイヤ。
  8. 前記インナーライナーは、60℃での空気透過係数が1×10 −14 〜6.5×10 −10 cc・cm/(cm ・s・cmHg)である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の乗用車用空気入りラジアルタイヤ。
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