JP6154732B2 - ロータリダンパ - Google Patents

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Description

本発明は、ロータリダンパに関する。
従来、ロータリダンパは、ハウジングと、このハウジングに軸支され自軸回りに回転可能なシャフトとを備え、このシャフトの回転を抑制する減衰力を発生するようになっている。ロータリダンパが車両のサスペンション用に利用される場合、ハウジングを車体に固定し、シャフトを車輪にリンク機構を介して連結することが一般的であり、上記リンク機構で車輪の上下運動をシャフトの回転運動に変換している。
ここで、リンク機構を構成する揺動可能なアームは、ブッシュの撓みによってある程度揺動方向以外に動くことができる構造となっている。このため、ロータリダンパが車両のサスペンション用に利用されて、外力が車輪及びリンク機構を介してロータリダンパに入力されると、ロータリダンパのシャフトには、当該シャフトの回転方向以外にも、軸方向の力が作用することになる。
従来、ロータリダンパのハウジングと車体は、ボルトで剛結合されるとともに(例えば、特許文献1)、シャフトとリンク機構は、セレーション嵌合により剛結合されており(例えば、特許文献2)、上記軸方向の力を吸収することができない。このため、特許文献2に開示のロータリダンパでは、シャフトに固定されるベーンと、シャフトを軸支するサイドパネルとの間に耐摩耗性に優れたサイドプレートを介装し、このサイドプレートでシャフトに入力される軸方向の力を受けている。
特開平9−303466号公報 特開2012−197861号公報
しかしながら、上記したように、軸方向の力を受けながらシャフトが回転すると、ベーンがサイドプレートに高い圧力で押し付けられながら回転するので、フリクションの増加を避けられない。また、上記軸方向の力の向きが変わると、シャフトが軸方向にガタついて異音の発生の原因となる。このような、シャフトの軸方向に作用する外力に起因するフリクションの増加や、ガタツキの発生は、サイドプレートの有無によらず発生する。
そこで、本発明の目的は、シャフトが回転する際のフリクションを低減するとともに、シャフトのガタツキを抑制することが可能なロータリダンパを提供することである。
上記課題を解決するための手段は、筒状のケースと、このケースの軸方向の一端を閉塞する第一サイドパネルと、上記ケースの軸方向の他端を閉塞する第二サイドパネルとを備えるハウジングと、上記ケースに挿通されるとともに上記第一サイドパネル及び上記第二サイドパネルに軸支され自軸回りに回転可能なシャフトと、このシャフトに固定されて上記ケースと上記シャフトとの間に形成される空間を一方室と他方室とに区画するベーンと、上記一方室と上記他方室とを連通する流路と、この流路の途中に設けた減衰弁とを備えるロータリダンパにおいて、上記ハウジング内に形成されて内部圧力で上記シャフトを上記第二サイドパネル側に押す第一サイド室と、上記ハウジング内に形成されて内部圧力で上記シャフトを上記第一サイドパネル側に押す第二サイド室と、上記シャフトと上記第二サイドパネルとの間に介装されるスラストベアリングとを備えており、上記シャフトにおける上記第一サイド室の上記内部圧力を受ける受圧面積の方が、上記第二サイド室の上記内部圧力を受ける受圧面積よりも大きく設定されていることである。
本発明のロータリダンパによれば、シャフトが回転する際のフリクションを低減するとともに、シャフトのガタツキを抑制することが可能となる。
本発明の一実施の形態に係るロータリダンパの縦断面図である。 本発明の一実施の形態に係るロータリダンパを示した図であり、図1のXX線断面を示す。
以下に本発明の一実施の形態に係るロータリダンパについて、図面を参照しながら説明する。いくつかの図面を通して付された同じ符号は、同じ部品か対応する部品を示す。また、図面は、符号の向きに見るとする。
図1,2に示すように、本実施の形態に係るロータリダンパDは、筒状のケース1と、このケース1の軸方向の一端を閉塞する第一サイドパネル2と、上記ケース1の軸方向の他端を閉塞する第二サイドパネル3とを備えるハウジングHと、上記ケース1に挿通されるとともに上記第一サイドパネル2及び上記第二サイドパネル3に軸支され自軸回りに回転可能なシャフト4と、このシャフト4に固定されて上記ケース1と上記シャフト4との間に形成される空間を一方室L1と他方室L2とに区画するベーン5と、上記一方室L1と上記他方室L2とを連通する流路L3と、この流路L3の途中に設けた減衰弁Vとを備えている。
さらに、上記ロータリダンパDは、上記ハウジングH内に形成されて内部圧力で上記シャフト4を上記第二サイドパネル3側に押す第一サイド室R1と、上記ハウジングH内に形成されて内部圧力で上記シャフト4を上記第一サイドパネル2側に押す第二サイド室R2と、上記シャフト4と上記第二サイドパネル3との間に介装されるスラストベアリング6とを備えており、上記シャフト4における上記第一サイド室R1の上記内部圧力を受ける受圧面積(第一段差面A1の面積)の方が、上記第二サイド室R2の上記内部圧力を受ける受圧面積(第二段差面A2の面積)よりも大きく設定されている。
以下、詳細に説明すると、本実施の形態に係るロータリダンパDは、車両のサスペンション用に利用されており、ハウジングHが車体に固定され、シャフト4が図示しないリンク機構を介して車輪に連結されている。このリンク機構は、車輪の上下運動をシャフト4の回転運動に変換するので、路面凹凸による衝撃が車輪に入力されると、シャフト4がハウジングHに軸支されながら自軸回りに回転するようになっている。この自軸回りに回転するとは、自身(シャフト)の軸回りに回転することをいう。また、ロータリダンパDは、上記したハウジングHと、シャフト4と、ベーン5と、流路L3と、減衰弁Vと、スラストベアリング6とを備えるとともに、図示しないアキュムレータを備えており、ベーン5で区画される一方室L1と他方室L2に充填される作動油の、温度変化による体積変化を補償できるようになっている。なお、減衰力を発生できれば、作動油以外の流体を利用してもよい。また、ロータリダンパDは、車両のサスペンション用以外に利用されるとしてもよい。
ハウジングHは、シャフト4が挿通されてシャフト4との間に空間を形成する筒状のケース1と、同じくシャフト4が挿通されてケース1の軸方向の両側に積層される一対のサイドプレート7,8と、図1中左側のサイドプレート7の反ケース側に積層されてシャフト4を軸支する第一サイドパネル2と、図1中右側のサイドプレート8の反ケース側に積層されて同じくシャフト4を軸支する第二サイドパネル3とを備えている。そして、ケース1とサイドプレート7,8と、第一サイドパネル2及び第二サイドパネル3は、ハウジングHの外側から第一サイドパネル2とサイドプレート7とを貫通しケース1の図1中左部に螺合される複数のボルトB1と、ハウジングHの外側から第二サイドパネル3とサイドプレート8とを貫通しケース1の図1中右部に螺合される複数のボルトB2で一体化されている。
ケース1の内周には、相対向してシャフト4側に突出しシャフト4の軸方向に沿って延びる一対の隔壁部1a,1bが設けられており、ケース1とシャフト4との間に形成される空間を二つの断面扇状の圧力室P1,P2に区画している。これらの圧力室P1,P2には、それぞれ作動油が充填されている。また、隔壁部1a,1bには、それぞれ、両サイドプレート7,8に密着するとともに、シャフト4の外周面に摺接するコ字状のシール10が取り付けられており、隔壁部1a,1bとシャフト4との間、及び、隔壁部1a,1bとサイドプレート7,8との間を通って、作動油が二つの圧力室P1,P2の間を移動することを防いでいる。
ケース1の両側に積層されるサイドプレート7,8は、それぞれ、第一サイドパネル2及び第二サイドパネル3よりも薄肉の円板状とされていて、中央部にシャフト4の挿通を許容する挿通孔7a,8aが形成されている。また、サイドプレート7,8は、ベーン5に摺接して第一サイドパネル2及び第二サイドパネル3を保護するために設けられており、耐摩耗性の観点から、耐摩耗性に優れた性質を有する。また、図1中左側のサイドプレート7の軸方向の両側には、それぞれ、サイドプレート7の周方向に沿って密着するOリング70,71が設けられており、サイドプレート7とケース1の間と、サイドプレート7と第一サイドパネル2との間を塞いでいる。同様に、図1中右側のサイドプレート8の軸方向の両側にも、それぞれ、サイドプレート8の周方向に沿って密着するOリング80,81が設けられており、サイドプレート8とケース1との間と、サイドプレート8と第二サイドパネル3との間を塞いでいる。
ケース1との間に図1中左側のサイドプレート7を挟む第一サイドパネル2と、ケース1との間に図1中右側のサイドプレート8を挟む第二サイドパネル3は、共に、例えば、アルミニウムといった軽量な材料で形成されており、これによりロータリダンパDの全重量を軽減することができる。
第一サイドパネル2は、筒状でシャフト4の図1中左部が挿通されるシャフト保持部2aと、このシャフト保持部2aの図1中右端から外側に張り出すフランジ状のキャップ部2bとを備えている。シャフト保持部2aの内周には、反ケース側から順に、環状のダストシール20と、環状のオイルシール21と、筒状のベアリング22が軸方向に並んで保持されている。また、シャフト保持部2aにおけるベアリング22よりもケース1側の内周が拡径されており、この拡径部2cとシャフト4との間に第一サイド室R1が形成されている。
そして、ダストシール20は、シャフト4の外周面に摺接して塵や埃がハウジングH内に侵入することを防ぎ、オイルシール21は、同じくシャフト4の外周面に摺接してハウジングH内の作動油が流出することを防ぐ。また、第一サイド室R1には、環状のサイドシール23と、このサイドシール23を押さえる板ばね24が収容されており、サイドシール23は後述のシャフト4に形成される第一段差面A1とサイドプレート7との間を塞ぐ。このため、第一サイドパネル2は、ベアリング22を介してシャフト4の図1中左部を自軸回りに回転可能に軸支しながら、ケース1とシャフト4との間に形成される空間の図1中左側開口を塞ぐことができる。また、キャップ部2bには、上記ボルトB1が挿通されるとともに、このボルトB1よりも内周側の図1中右側面に上記Oリング71が密着している。
第二サイドパネル3は、有底筒状であってシャフト4の図1中右部が挿入されるシャフト保持部3aと、このシャフト保持部3aの図1中左端から外側に張り出すフランジ状のキャップ部3bとを備えている。シャフト保持部3aの内周には、反ケース側から順に、環状のオイルシール30と、環状のベアリング31が軸方向に並んで保持されている。また、シャフト保持部3aにおけるベアリング31よりもケース1側の内周が拡径されており、この拡径部3cとシャフト4との間に第二サイド室R2が形成されている。
そして、シャフト保持部3aの底部は、塵や埃がハウジングH内に侵入することを防ぎ、オイルシール30は、同じくシャフト4の外周面に摺接してハウジングH内の作動油が流出することを防ぐ。また、第二サイド室R2には、環状のサイドシール32と、このサイドシール32を押さえる板ばね33が収容されており、サイドシール32は後述のシャフト4に形成される第二段差面A2とサイドプレート8との間を塞ぐ。このため、第二サイドパネル3は、ベアリング31を介してシャフト4の図1中右部を自軸回りに回転可能に軸支しながら、ケース1とシャフト4との間に形成される空間の図1中右側開口を塞ぐことができる。また、キャップ部3bには、上記ボルトB2が挿通されるとともに、このボルトB2よりも内周側の図1中左側面に上記Oリング81が密着している。
シャフト4は、図1中左側をハウジングHから突出させており、この突出端から図1中右側に順に連なり、同軸上に配置されるセレーション4aと、第一軸部4bと、この第一軸部4bよりも外径が大きい拡径部4cと、第一軸部4bよりも外径が大きく拡径部4cよりも外径が小さい第二軸部4dとを備えており、拡径部4cの第一軸部4b側端に第一段差面A1が形成されるとともに、拡径部4cの第二軸部4d側端に第一段差面A1よりも面積が小さい第二段差面A2が形成されている。そして、シャフト4は、車輪に連結されるリンク機構に上記セレーション4aを接続している。
第一軸部4bの外周面には、第一サイドパネル2に保持されるダストシール20、オイルシール21及びベアリング22が摺接し、第二軸部4bの外周面には、第二サイドパネル3に保持されるオイルシール30及びベアリング31が摺接している。また、拡径部4cは、ケース1に収容されるようになっており、この拡径部4cの外周面に隔壁部1a,1bのシール10が摺接し、拡径部4cの外周であって、両隔壁部1a,1bの間に上記圧力室P1,P2がそれぞれ形成されている。さらに、拡径部4cの第一段差面A1には、第一サイド室R1に収容されるサイドシール23が摺接し、同第二段差面A2には、第二サイド室R2に収容されるサイドシール32が摺接している。
シャフト4に固定されるベーン5は、拡径部4cの外周に軸方向に沿って起立するとともに、周方向に180度の角度をもって一対設けられており、一方のベーン5が一方の圧力室P1を二つの部屋p10,p11に区画するとともに、他方のベーン5が他方の圧力室P2を二つの部屋p20,p21に区画している。ベーン5,5には、それぞれ、両サイドプレート7,8に摺接するとともに、ケース1の内周面に摺接するコ字状のシール50が取り付けられており、ベーン5,5とケース1との間、及びベーン5とサイドプレート7,8との間を通って、作動油が二つの部屋(p10とp11、p20とp21)の間を移動することを防いでいる。
シャフト4が図2中時計回りに回転するとき、ベーン5,5の進行方向に位置し、対角線上に配置される二つの部屋p10,p20は、シャフト4に形成される一方通路4eを介して連通し、一方室L1を構成する。また、シャフト4が図2中反時計回りに回転するとき、ベーン5,5の進行方向に位置し、対角線上に配置される二つの部屋p11,p21は、シャフト4に形成されて上記一方通路4eと交わらないように配置される他方通路4fを介して連通し、他方室L2を構成する。つまり、一方室L1と他方室L2は、一対のベーン5,5で区画され、シャフト4が図1中時計回りに回転するとき、一方室L1が縮小され、反時計回りに回転するとき、他方室L2が縮小されるようになっている。また、一方室L1と他方室L2は、流路L3を介して連通しており、この流路L3の途中には、この流路L3を通過する作動油の流れに抵抗を与える減衰弁Vが設けられている。
つづいて、シャフト4と第二サイドパネル3との間に介装されるスラストベアリング6は、本実施の形態において、ボールベアリングからなり、球状の転動体60と、この転動体60を図1中左右両側から回転自在に保持する一対の環状の保持具61,62とを備えている。そして、一方の保持具61がシャフト4の第二軸部4dに連結され、他方の保持部62が第二サイドパネル3におけるシャフト保持部3aの底部に固定されている。このため、シャフト4は、一対のベアリング(ラジアルベアリング)22,31と、スラストベアリング6で支えられながら、自軸回りに回転する。なお、スラストベアリング6は、ボールベアリング以外であるとしてもよい。例えば、スラストベアリング6は、コロ軸受や、すべり軸受等であってもよく、シャフト4の軸方向に作用する荷重を受けることができる軸受であれば、適宜変更することが可能である。
以下、本実施の形態に係るロータリダンパDの作動について説明する。
外力の入力により、シャフト4が図2中時計回りに回転すると、縮小される一方室L1の作動油が流路L3を通って拡大する他方室L2に移動し、反対に、シャフト4が図2中反時計回りに回転すると、縮小される他方室L2の作動油が流路L3を通って拡大する一方室L1に移動する。このため、シャフト4の自軸回りの回転に伴い、ロータリダンパDは、作動油が上記流路L3を通過する際の減衰弁Vの抵抗に起因する減衰力を発生し、上記シャフト4の自軸回りの回転を抑制できる。
また、シャフト4の回転に伴いベーン5,5で一方室L1や他方室L2が加圧され、第一サイド室R1や第二サイド室R2よりも高圧になると、サイドシール23,32が板ばね24,33の附勢力に抗して押し上げられて作動油が流入する。しかし、第一サイド室R1や第二サイド室R2の圧力が一方室L1や他方室L2よりも高圧になっても、第一サイド室R1の内部圧力は、サイドシール23を第一段差面A1とサイドプレート7の内周面に押し付けるように作用し、同様に、第二サイド室R2の内部圧力は、サイドシール32を第二段差面A2とサイドプレート8の内周面に押し付けるように作用するので、第一サイド室R1や第二サイド室R2の作動油が一方室L1や他方室L2に逆流することがない。このため、第一サイド室R1と第二サイド室R2の内部圧力は、共に、一方室L1及び他方室L2の最大圧力に維持される。
そして、第一サイド室R1の内部圧力は、シャフト4を第二サイドパネル3側に押すように第一段差面A1に作用し、第二サイド室R2の内部圧力は、シャフト4を第一サイドパネル2側に押すように第二段差面A2に作用するが、上記内部圧力を受ける受圧面となる、第一段差面A1の面積の方が第二段差面A2の面積よりも大きくなるように設定されているので、第一サイド室R1の内部圧力による推力が第二サイド室R2による推力に勝り、シャフト4を第二サイドパネル3側に押し付ける押し付け力fが発生する。このため、シャフト4をスラストベアリング6に押し付けながらシャフト4を回転させることができるので、サイドプレート8にかかる力を軽減してシャフト4が回転する際のフリクションを低減するとともに、シャフト4のガタツキを抑制して異音の発生を抑制できる。
また、サイドシール23は、高圧状態に維持される第一サイド室R1の内部圧力で第一段差面A1とサイドプレート7の内周面に押し付けられており、第一段差面A1とサイドプレート7との間を塞いで、一方室L1と他方室L2の作動油が減衰弁Vを介さずに移動することを防ぐことができる。同様に、サイドシール32は、高圧状態に維持される第二サイド室R2の内部圧力で第二段差面A2とサイドプレート8の内周面に押し付けられているので、第二段差面A2とサイドプレート8との間を塞いで、一方室L1と他方室L2との間を作動油が減衰弁Vを介さずに移動することを防ぐことができる。
以下、本実施の形態に係るロータリダンパDの作用効果について説明する。
本実施の形態において、第一サイドパネル2は、筒状に形成されるシャフト保持部2aを備えるとともに、第二サイドパネル3は、有底筒状に形成されるシャフト保持部3aを備えており、スラストベアリング6は、第二サイドパネル3におけるシャフト保持部3aの底部とシャフト4との間に介装されている。
上記構成によれば、第二サイドパネル3のシャフト保持部3aが有底筒状に形成されるので、当該シャフト保持部3aの底部を利用してスラストベアリング6を容易に取り付けることが可能となる。他方、第一サイドパネル2のシャフト保持部2aは筒状に形成されるので、当該シャフト保持部2aからシャフト4を突出させて、その突端部(セレーション4a)を車輪側に接続できる。また、上記構成によれば、スラストベアリング6をロータリダンパDに追加したとしても、ロータリダンパDの構造が複雑化することを抑制できる。しかし、スラストベアリング6の取り付け位置や方法は、適宜変更することが可能である。
また、本実施の形態において、ケース1と第一サイドパネル2との間と、ケース1と第二サイドパネル3との間には、それぞれ、シャフト4が挿通される環板状のサイドプレート7,8が挟持されている。そして、サイドシール23,32は、それぞれ、環状に形成されて、一方のサイドシール23が第一段差面A1とサイドプレート7との間を塞ぎ、他方のサイドシール32が第二段差面A2とサイドプレート8との間を塞いでいる。
上記構成によれば、サイドプレート7,8でもシャフト4に入力される軸方向の力(外力F)を受けることができるので、例えば、図1中左向きの軸方向の力が、押し付け力fに勝ったとしても、図1中左側のサイドプレート7で上記力を受けることができる。しかし、サイドプレート7,8を廃するとしてもよい。
また、本実施の形態において、第一サイド室R1には、当該第一サイド室R1の内部圧力で第一段差面A1に押し付けられて、第一サイド室R1を介して一方室L1と他方室L2とが連通することを抑制するサイドシール23が収容されている。また、第二サイド室R2には、当該第二サイド室R2の内部圧力で第二段差面A2に押し付けられて、第二サイド室R2を介して一方室L1と他方室L2とが連通することを抑制するサイドシール32が収容されている。
上記構成によれば、第一段差面A1とサイドプレート7との間(サイドプレート7を廃する場合には、第一段差面A1と第一サイドパネル2との間)を塞ぐサイドシール23を収容する第一サイド室R1の内部圧力に起因する推力と、第二段差面A2とサイドプレート8との間(サイドプレート8を廃する場合には、第二段差面A2と第二サイドパネル3との間)を塞ぐサイドシール32を収容する第二サイド室R2の内部圧力に起因する推力の差を利用して、シャフト4に図1中右側(第二サイドパネル3側)に向かう押し付け力fを作用させることができる。
つまり、第一サイド室R1と第二サイド室R2に、シャフト4に上記押し付け力fを作用させる役割と、サイドシール23,32を収容する役割の、二つの役割を持たせることができるので、これらの役割を別々の構成に分担させる場合と比較して、ロータリダンパDの構成を簡易にすることができる。しかし、上記役割を個別の構成に分担させるとしてもよい。
また、本実施の形態において、シャフト4は、第一サイドパネル2で軸支される第一軸部4bと、第二サイドパネル3で軸支される第二軸部4dと、第一軸部4bと第二軸部4dとの間に配置されベーン5が固定される拡径部4cとを備えており、この拡径部4cは、第一軸部4b及び第二軸部4dよりも大径に形成されている。そして、拡径部4cの第一軸部4b側端に第一段差面A1が形成されるとともに、拡径部4cの第二軸部側4d端に第一段差面A1よりも面積の小さい第二段差面A2が形成されており、第一サイド室R1は、第一サイドパネル2と第一段差面A1との間に形成され、第二サイド室R2は、第二サイドパネル3と第二段差面A2との間に形成されている。
上記構成によれば、第一サイド室R1の内部圧力が、シャフト4を第二サイドパネル3側に押すように第一段差面A1に作用し、第二サイド室R2の内部圧力が、シャフト4を第一サイドパネル2側に押すように第二段差面A2に作用する。また、第一サイド室R1の内部圧力を受ける受圧面となる第一段差面A1の面積を、第二サイド室R2の内部圧力を受ける受圧面となる第二段差面A2の面積よりも大きくすることが容易である。しかし、第一サイド室R1側と第二サイド室R2側とで受圧面積差を持たせ、これらに第一サイド室R1や第二サイド室R2の内部圧力を作用させるための構成は、上記の限りではなく、適宜変更することが可能である。
また、本実施の形態において、ロータリダンパDは、ハウジングH内に形成されて内部圧力でシャフト4を第二サイドパネル3側に押す第一サイド室R1と、ハウジングH内に形成されて内部圧力でシャフト4を第一サイドパネル2側に押す第二サイド室R2と、シャフト4と第二サイドパネル3との間に介装されるスラストベアリング6とを備えており、シャフト4における第一サイド室R1の内部圧力を受ける受圧面積(第一段差面A1の面積)の方が、第二サイド室R2の内部圧力を受ける受圧面積(第二段差面A2の面積)よりも大きく設定されている。
上記構成によれば、シャフト4の軸方向に入力される外力Fをスラストベアリング6で受けながらシャフト4を回転させることができるので、サイドプレート8が受ける軸方向の力を軽減してシャフト4が回転する際のフリクションを低減することが可能となる。また、シャフト4に第二サイドプレート3側に向かう押し付け力fを作用させることができるので、当該押し付け力fでシャフト4をスラストベアリング6に押し当てながらシャフト4を回転させることができる。したがって、シャフト4の軸方向に入力される外力Fの向きが変わったとしても、上記押し付け力fでシャフト4の軸方向のガタツキを抑制し、異音の発生を抑制できる。
以上、本発明の好ましい実施の形態を詳細に説明したが、特許請求の範囲から逸脱することなく改造、変形及び変更を行うことができることは理解すべきである。
A1 第一段差面(第一サイド室の内部圧力を受ける受圧面)
A2 第二段差面(第二サイド室の内部圧力を受ける受圧面)
D ロータリダンパ
H ハウジング
L1 一方室
L2 他方室
L3 流路
R1 第一サイド室
R2 第二サイド室
V 減衰弁
1 ケース
2 第一サイドパネル
2a 第一サイドパネルのシャフト保持部
3 第二サイドパネル
3a 第二サイドパネルのシャフト保持部
4 シャフト
4b 第一軸部
4c 拡径部
4d 第二軸部
5 ベーン
6 スラストベアリング
7,8 サイドプレート
23,32 サイドシール

Claims (5)

  1. 筒状のケースと、このケースの軸方向の一端を閉塞する第一サイドパネルと、上記ケースの軸方向の他端を閉塞する第二サイドパネルとを備えるハウジングと、上記ケースに挿通されるとともに上記第一サイドパネル及び上記第二サイドパネルに軸支され自軸回りに回転可能なシャフトと、このシャフトに固定されて上記ケースと上記シャフトとの間に形成される空間を一方室と他方室とに区画するベーンと、上記一方室と上記他方室とを連通する流路と、この流路の途中に設けた減衰弁とを備えるロータリダンパにおいて、
    上記ハウジング内に形成されて内部圧力で上記シャフトを上記第二サイドパネル側に押す第一サイド室と、上記ハウジング内に形成されて内部圧力で上記シャフトを上記第一サイドパネル側に押す第二サイド室と、上記シャフトと上記第二サイドパネルとの間に介装されるスラストベアリングとを備えており、
    上記シャフトにおける上記第一サイド室の上記内部圧力を受ける受圧面積の方が、上記第二サイド室の上記内部圧力を受ける受圧面積よりも大きく設定されていることを特徴とするロータリダンパ。
  2. 上記シャフトは、上記第一サイドパネルで軸支される第一軸部と、上記第二サイドパネルで軸支される第二軸部と、上記第一軸部と上記第二軸部との間に配置され上記ベーンが固定される拡径部とを備え、この拡径部は、上記第一軸部及び上記第二軸部よりも大径に形成されて、上記拡径部の上記第一軸部側端に第一段差面が形成されるとともに、上記拡径部の上記第二軸部側端に上記第一段差面より面積の小さい第二段差面が形成されており、
    上記第一サイド室は、上記第一サイドパネルと上記第一段差面との間に形成されるとともに、上記第二サイド室は、上記第二サイドパネルと上記第二段差面との間に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のロータリダンパ。
  3. 上記第一サイド室には、当該第一サイド室の上記内部圧力で上記第一段差面に押し付けられて、上記第一サイド室を介して上記一方室と上記他方室とが連通することを抑制する一方のサイドシールが収容されており、
    上記第二サイド室には、当該第二サイド室の上記内部圧力で上記第二段差面に押し付けられて、上記第二サイド室を介して上記一方室と上記他方室とが連通することを抑制する他方のサイドシールが収容されていることを特徴とする請求項2に記載のロータリダンパ。
  4. 上記ケースと上記第一サイドパネルとの間と、上記ケースと上記第二サイドパネルとの間には、それぞれ、上記シャフトが挿通される環板状のサイドプレートが挟持されており、
    上記サイドシールは、それぞれ、環状に形成されて、一方の上記サイドシールが上記第一段差面と一方の上記サイドプレートとの間を塞ぎ、他方の上記サイドシールが上記第二段差面と他方の上記サイドプレートとの間を塞いでいることを特徴とする請求項3に記載のロータリダンパ。
  5. 上記第一サイドパネルは、筒状に形成されるシャフト保持部を備えるとともに、上記第二サイドパネルは、有底筒状に形成されるシャフト保持部を備えており、
    上記スラストベアリングは、上記第二サイドパネルにおける上記シャフト保持部の底部と上記シャフトとの間に介装されていることを特徴とする請求項1から請求項4の何れか一項に記載のロータリダンパ。
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