JP6154724B2 - 自律走行型掃除機の制御方法 - Google Patents
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Description
<自律走行型掃除機の構成>
図1は、本実施形態に係る自律走行型掃除機を左前方から見下ろした斜視図である。
自律走行型掃除機Cは、所定の掃除領域(例えば、部屋)を自律的に移動しながら掃除する掃除機である。自律走行型掃除機Cは、主に、本体1と、駆動輪2R,2L(図2参照)と、走行モータ3R,3L(図4参照)と、補助輪4a,4b,4c(図2参照)と、送風機5(図4参照)と、センサ類(測距センサ6c等:図4参照)と、サイドブラシ8R,8Lと、隅部掃除ブラシ9と、制御装置100(図5参照)と、を備えている。
本体1は、各種モータや制御装置100等を収容する筐体であり、その外形は薄型の円柱状を呈している。本体1は、上壁である上ケース11と、底壁(及び一部の側壁)である下ケース12と、前部に設置されるバンパ13と、を備えている。上ケース11には、後記する集塵ケースK(図3(a)参照)を出入れするための蓋11aが設けられている。
下ケース12には、駆動輪2R,2Lをそれぞれ露出させる孔部H1と、三つの補助輪4a,4b,4cを露出させる孔部H2と、集塵ケースK(図3(a)参照)に塵埃を取り込むための吸口H3と、が形成されている。平面視で円形を呈する下ケース12の中心付近に吸口H3が形成され、この吸口H3の左右方向両側に、前記した孔部H1が形成されている。
下ケース12の前部には、サイドブラシ8R,8Lを露出させる二つの切欠V1が形成され、左後部には隅部掃除ブラシ9を露出させる孔部H4が形成されている。
バンパ13は、外部から作用する押圧力に応じて前後方向で移動可能に設置されている。バンパ13は、左右一対のバンパばね13b(板ばね:図4参照)によって外向きに付勢されている。バンパばね13bは、その先端がJ字状に湾曲しており、この湾曲箇所がバンパ13の内壁面に接している(図4参照)。
図4は、図3(a)のB−B線で切断した平断面図である。
駆動輪2R,2Lは、自身が回転することで本体1を前進・後退・旋回させるための車輪である。駆動輪2R,2Lは、左右方向において吸口H3の両側に配置されている。右側の駆動輪2Rは、複数段の歯車で構成された減速機21Rを介し、自身に走行モータ3Rの駆動力が作用するように設置されている。左側の駆動輪2Lについても同様である。
ちなみに、前記した減速機21R,21Lのうち、特に、回転速度の大きい走行モータ3R,3Lから一段目の歯車に斜歯歯車を用いることが好ましい。これによって、走行モータ3R,3Lが駆動する際の走行音を効果的に抑制できる。
図4に示す走行モータ3Rは、右側の駆動輪2Rを回転させるためのモータであり、その回転軸が減速機21Rに設置されている。他方の走行モータ3Lは、左側の駆動輪2Lを回転させるためのモータであり、その回転軸が減速機21Lに設置されている。これらの走行モータ3R,3Lは、制御装置100(図5参照)からの指令に応じて、同一の又は異なる回転速度で駆動可能になっている。走行モータ3R,3Lの回転速度をそれぞれ制御することで、自律走行型掃除機Cを前進・後退・旋回させることができる。
補助輪4a,4b,4cは、本体1を所定高さで保ちつつ自律走行型掃除機Cをスムーズに移動させるための車輪である。補助輪4a,4b,4cは、本体1の移動に伴い床面との間で生じる摩擦力によって回転するように軸支されている。
図2に示す補助輪4aは、バンパ13付近の左右方向中央に設けられ、前記した下ケース12の孔部H2を介して露出している。残りの補助輪4b,4cは、本体1の後端付近に設けられ、孔部H2を介して露出している。
図3(a)に示す送風機5は、駆動することで集塵ケースK内の空気を外部に排出して負圧を発生させ、床面から吸口H3を介して塵埃を吸い込む機能を有している。送風機5は、下ケース12との間に弾性体(図示せず)を介して設置されている。このように弾性体を介在させることで、送風機5の振動が減衰して本体1に伝わりにくくなり、本体1の振動・騒音を低減できる。
図5は、自律走行型掃除機の制御装置、及び制御装置に接続される機器を示す構成図である。
バンパセンサ6a,6b(障害物検知手段)は、バンパ13の後退(つまり、障害物との接触)を検知するマイクロスイッチである。図4に示すように、バンパ13から後方に突出した凸部13cの先端に、バンパセンサ6a,6bの可動接点が近接している。例えば、バンパ13の右側(又は中央付近)に障害物が接触した場合、右側の凸部13cが後退してバンパセンサ6aの可動接点に接触し、この接触に応じた検知信号が制御装置100に出力される。左側のバンパセンサ6bについても同様である。
測距センサ6cは、赤外線を発光させる発光部(図示せず)と、赤外線が障害物で反射して戻ってくる反射光を受光する受光部(図示せず)と、を有している。この受光部によって検出される反射光の強さに基づいて、障害物までの距離が算出される。なお、バンパ13のうち少なくとも測距センサ6cの近傍は、赤外線を透過させる樹脂又はガラスで形成されている。
ちなみに、測距センサ6cとして他の種類のセンサ(例えば、超音波センサ、可視光センサ)を用いてもよい。
操作ボタン7a,7b,7cは、ユーザの操作に応じた操作信号を制御装置100に出力するボタンであり(図1参照)、電源ボタン7aと、掃除の開始/終了ボタン7bと、掃除モードを変更するための掃除モード選択ボタン7cと、を有している。
図2に示すサイドブラシ8R,8Lは、自身が回転駆動されることで本体1よりも外側にある塵埃を吸口H3に導くブラシであり、その一部が平面視で本体1から露出している。サイドブラシ8R,8Lは、平面視において120°間隔で放射状に延びる3束の刷毛を有し、吸口H3よりも前方において左右に配置されている。
図3(b)は、隅部掃除ブラシの断面図である。隅部掃除ブラシ9は、部屋A(図8参照)の隅部G1(図10参照)の塵埃を掻き出すための1束の刷毛9aと、この刷毛9aの根元を固定するための弾性体9bと、を有し、本体1の左後部に設置されている。前記した刷毛9aは、隅部掃除ブラシホルダ9cから一方向に延びる1束の樹脂又は獣毛である。隅部掃除ブラシ9は、サイドブラシ8R,8Lよりも長く、かつ、点Q1(図4参照)を超える長さを有している。
このように隅部掃除ブラシ9を構成することで、本体1を超信地旋回させた際、突出した状態の隅部掃除ブラシ9を部屋の隅部G1(図10参照)に届かせることができる。ちなみに、本実施形態においてサイドブラシ8R,8Lは、図4に示す斜線領域Q2,Q3には届かない長さになっている。
隅部掃除ブラシホルダ9cは、下ケース12の内側において後方左寄りに回転可能に設置されている。図4に示す隅部掃除ブラシ用モータMgが駆動すると、その駆動力が歯車を介して隅部掃除ブラシホルダ9cに作用し、下ケース12の下方で隅部掃除ブラシ9を回動させるようになっている。
図5に示す走行モータ駆動装置10aは、右側の走行モータ3Rを駆動するインバータであり、制御装置100からの指令に応じて動作する。左側の走行モータ3Lに対応する走行モータ駆動装置10b、送風機駆動装置10c、吸口ブラシ用モータ駆動装置10d、サイドブラシ用モータ駆動装置10e,10f、隅部掃除ブラシ用モータ駆動装置10gについても同様である。
表示パネル駆動装置10hは、制御装置100からの指令に応じて、表示パネルPの電極に電圧を印加する装置である。前記した各駆動装置は、本体1内の制御基板D(図3(a)参照)に設置されている。
電池Bは、例えば、充電することで再利用可能な二次電池であり、電池収容部B1(図3(a)参照)に収容されている。電池Bからの電力は、センサ類、各モータ、各駆動装置、及び制御装置100に供給される。
制御装置100は、例えばマイコン(Microcomputer:図示せず)であり、ROM(Read Only Memory)に記憶されたプログラムを読み出してRAM(Random Access Memory)に展開し、CPU(Central Processing Unit)が各種処理を実行するようになっている。
制御装置100は、操作ボタン7a,7b,7c、及び前記したセンサ類から入力される信号に応じて演算処理を実行し、前記した各駆動装置に指令信号を出力する。制御装置100が実行する具体的な処理については後記する。
(走行パターンの概要)
自律走行型掃除機Cは、主に部屋A(図6参照)の中で使用され、自律走行しながら床面上の塵埃を吸口ブラシS(図2参照)で取り込み、送風機5で吸引して集塵ケースKに回収する。自律走行型掃除機Cの走行パターンとして、以下に示す反射走行パターン、平行走行パターン、及び壁際走行パターンが挙げられる。
図6は、反射走行パターンの走行軌跡を示す説明図である。反射走行パターンは、壁や障害物(棚、ソファ等)に接触又は接近した場合、自律走行型掃除機Cが進行方向を変えながら掃除する走行パターンであり、部屋A全体の掃除に適している。バンパセンサ6a,6b(図4参照)又は測距センサ6cによって障害物が検知された場合、制御装置100は走行モータ3R,3Lを互いに逆回転させる。これによって本体1は、平面視においてその場で回転(つまり、超信地旋回)して、進行方向が変わる。その結果、自律走行型掃除機Cは、あたかも障害物等によって本体1が反射するように方向転換する。
図7は、平行走行パターンの走行軌跡を示す説明図である。平行走行パターンは、障害物等に接触又は接近した場合、自律走行型掃除機Cの進行方向を平行に移動することで部屋Aの中を蛇行していく走行パターンであり、部屋A全体の掃除に適している。
障害物が検知された場合、制御装置100は走行モータ3R,3Lを停止させた後、超信地旋回で本体1の向きを約90°回転させる。その後、制御装置100は、吸口H3(図2参照)の横幅分だけ本体1を前進させてから走行モータ3R,3Lを停止させ、超信地旋回でさらに約90°回転させる。このようにして、自律走行型掃除機Cは、自身の前方に位置する壁等で折り返すように部屋Aの中を規則的に走行する。
図8は、壁際走行パターンの走行軌跡を示す説明図である。壁際走行パターンは、特に部屋Aの壁際(隅部G1を含む:図10参照)を重点的に掃除する走行パターンである。制御装置100は、バンパセンサ6a,6b(図4参照)及び測距センサ6cからの信号に基づき、本体1の側面と壁との距離が略一定(例えば、10mm)で維持されるように走行モータ3R,3Lを制御する。本実施形態では、平面視において自律走行型掃除機Cが壁際を時計回りに走行する場合について説明する。
次に、自律走行型掃除機Cが、前記した平行走行パターン又は壁際走行パターンで部屋Aを掃除する際、特に隅部G1(図10参照)を掃除する方法について詳細に説明する。図9は、隅部を掃除する際に制御装置が実行する処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS101において制御装置100は、壁際(自身の左側に位置する左壁A1)に沿って前進する(図10(a)参照)。なお、この状態において制御装置100は、サイドブラシ8R,8Lを回転させ、壁際の塵埃を吸口H3に向かって掻き集める。また、制御装置100は、その先端を右側に向けた状態で隅部掃除ブラシ9を収納している(図10(a)参照)。
なお、サイドブラシ8R,8Lの先端は隅部G1まで届いていないが(図10(b)、図4参照)、制御装置100はサイドブラシ8R,8Lを回転させ続ける。これによって、隅部G1よりも手前側の塵埃が吸口H3の前方に掻き集られる。
前記したように、隅部掃除ブラシ9は、本体1の周壁に略接し略直角に交わる2本の直線の交点を超える長さを有している。したがって、図10(c)の状態において隅部掃除ブラシ9は、その先端が隅部G1に完全に達している。
旋回角度θAが所定値θ1未満である場合(S106→No)、制御装置100の処理はS105に戻る。旋回角度θAが所定値θ1以上である場合(S106→Yes)、制御装置100の処理はステップS107に進む。
ステップS108において制御装置100は、本体1を反時計回りに超信地旋回させる(図10(e)参照)。これによって、時計回りの超信地旋回のみでは掻き出せなかった塵埃を、反時計回りの超信地旋回で掻き出すことができる。
ステップS109において制御装置100は、反時計回りの旋回角度θBが所定値θ2以上であるか否かを判定する。前記した所定値θ2は、隅部掃除ブラシ9の先端が前壁A2から離れた状態になる角度(180°、270°等)である。
ステップS112において制御装置100は、走行モータ3R,3Lを駆動し、前壁A2に沿って本体1を前進させる。自律走行型掃除機Cは、前壁A2に沿って壁際走行しながら、ステップS105の処理で掻き出された塵埃を回収する(回収ステップ)。
この状態において、図10に示す前壁A2は、自律走行型掃除機Cを基準とする新たな「左壁」になる。
本実施形態では、二つの壁面が交差する隅部G1において隅部掃除ブラシ9を突出させ、本体1を超信地旋回させるようにした。ここで、隅部掃除ブラシ9は、略直角に交わり本体1に略接する2本の直線の交点を超える長さを有している。したがって、時計回り又は反時計回りで超信地旋回する際、隅部掃除ブラシ9の先端を隅部G1に完全に到達させることができる。
したがって、その後に超信地旋回したとき(S105)、隅部掃除ブラシ9が左壁A1に押し当てられつつ隅部G1に接近し、隅部G1の塵埃を掻き出すことができる。また、隅部掃除ブラシ9が駆動輪2R,2Lに踏まれるおそれもない。
第2実施形態は、自律走行型掃除機Cの動作が第1実施形態とは異なるが、その構成は第1実施形態と同様である。したがって、自律走行型掃除機Cの動作について説明し、第1実施形態と重複する部分については説明を省略する。
なお、隅部掃除ブラシ9を突出させた状態で超信地旋回を行う際、隅部掃除ブラシ9の先端付近は左壁A1に押し当てられ、左壁A1に沿ってたわんでいる(図12(b)参照)。また、隅部掃除ブラシ9の先端は、隅部G1に対して反対側(後側)を向いた状態になっている。
図12(c)に示す状態から、本体1がさらに時計回りに超信地旋回すると、隅部掃除ブラシ9の先端が左方(つまり、隅部G1)を向いた状態で隅部G1から離れる。隅部G1から離れた隅部掃除ブラシ9は、先端付近が左壁A1に沿って押し当てられ、その先端は隅部G1に臨んでいる(押当ステップ)。
ステップS204において制御装置100は、本体1を比較的高速で反時計回りに超信地旋回させる(図12(e)参照)。そうすると、隅部掃除ブラシ9は、その先端が隅部G1に臨んだ状態で、前壁A2に沿って隅部G1に再び接近する。
したがって、ステップS203の処理で掻き集められた塵埃とともに、それまで前壁A2付近に残っていた塵埃も隅部掃除ブラシ9に付着し、隅部G1に向かって左方に掻き集められる。
旋回角度θBが所定値θ4未満である場合(S205→No)、制御装置100の処理はS204に戻る。旋回角度θBが所定値θ4以上である場合(S205→Yes)、制御装置100の処理はステップS110に進む。
ステップS110〜S112の処理は第1実施形態と同様であるから(図9参照)、説明を省略する。
本実施形態では、隅部G1付近で本体1を時計回りに超信地旋回させる際の角度を、隅部掃除ブラシ9が前壁A2に押し当てられ、その先端が隅部G1に臨むような角度に制限した(S202)。これによって、続いて本体1を反時計回りに超信地旋回させる際(S204)、隅部掃除ブラシ9を前壁A2に押し当てつつ(つまり、左壁A1で隅部掃除ブラシ9をガイドしつつ)、その先端を隅部G1に接近させる。このように、前壁A2を伝った先(左方)にある隅部G1に隅部掃除ブラシ9の先端を到達させ、隅部G1に塵埃を掻き集めることができる。
このように本実施形態によれば、隅部G1付近で時計回りに超信地旋回する角度を制限し、その後に反時計回りに超信地旋回させるという簡単な制御で、隅部G1の塵埃を確実かつ容易に掃除できる。
第3実施形態は、隅部G1の塵埃を前壁A2に沿って弾き飛ばす点が第2実施形態と異なるが、その他(自律走行型掃除機Cの構成等)については第2実施形態と同様である。したがって、自律走行型掃除機Cの動作について説明し、第2実施形態と重複する部分については説明を省略する。
ステップS301において制御装置100は、本体1を時計回りに超信地旋回させる(図14(b)〜(d)参照)。ステップS302において制御装置100は、時計回りの旋回角度θAが所定値θ5以上であるか否かを判定する。前記した所定値θ5は、隅部掃除ブラシ9の先端が隅部G1に到達した後、先端が右方を向いて前壁A2から離れる角度(例えば、180°+360°×n:ここでnは0又は自然数)である。
なお、旋回角度θAが所定値θ5以上である状態において隅部掃除ブラシ9の先端は右方に向いて真っ直ぐに延びており、隅部G1の塵埃は右方に弾き飛ばされる(図14(e)参照)。つまり、隅部掃除ブラシ9の先端は、いったん隅部G1を通過して隅部G1とは反対側(右側)に臨む状態になる(隅部通過ステップ)。
ステップS306において制御装置100は、反時計回りの超信地旋回を停止させる。
図14(k)に示すように、それまで前壁A2に押し当てられ、たわんでいた隅部掃除ブラシ9が真っ直ぐに延び切ることで、隅部掃除ブラシ9によって運ばれた塵埃が前方に向けて弾き飛ばされる(掻出ステップ)。ステップS110〜S112の処理は第1実施形態と同様であるから(図9参照)、説明を省略する。
前記した一連の動作によって後方に弾き出された塵埃は、その後に本体1を前進させる際(S112)、そのまま回収される(回収ステップ)。
本実施形態によれば、隅部G1付近で反時計回りに超信地旋回させる角度を制限し(S305)、その後に時計回りに超信地旋回させるという簡単な制御で(S307)、第2実施形態と同様に隅部G1の塵埃を確実かつ容易に掃除できる。
また、第2実施形態では、反時計回りの超信地旋回(S204:図11参照)によって隅部G1の塵埃を左壁A1に沿って弾き飛ばすようにしたが、本実施形態では、時計回りの超信地旋回(S307:図13参照)によって隅部G1の塵埃を前壁A2に沿って弾き飛ばすようにした。したがって、その後に本体1を前進させつつ掃除することで、ステップS307で弾き飛ばされた塵埃をスムーズに回収できる。
第4実施形態は、第2実施形態と比較して、隅部G1ブラシの回動によって隅部G1の塵埃を左壁A1に沿って弾き出す点が異なるが、その他(自律走行型掃除機Cの構成)については第2実施形態と同様である。したがって、第2実施形態と異なる部分について説明し、重複する部分については説明を省略する。
ステップS401において制御装置100は、本体1を時計回りに超信地旋回させる。ステップS402において制御装置100は、時計回りの旋回角度θAが所定値θ8以上であるか否かを判定する。前記した所定値θ8は、隅部掃除ブラシ9の先端を隅部G1に到達させずに、先端付近をたわませつつ左壁A1に押し当てた状態にする角度である(図16(b)参照)。
回動角度φAが所定値φ1未満である場合(S405→No)、制御装置100の処理はステップS404に戻る。回動角度φAが所定値φ1以上である場合(S405→Yes)、制御装置100の処理はステップS406に進む。ステップS406において制御装置100は、隅部掃除ブラシ9の回動を停止させる(図16(e))。
ステップS408において制御装置100は、隅部掃除ブラシ9の回動角度φBが所定値φ2以上である否かを判定する。前記した所定値φ2は、隅部掃除ブラシの先端が左壁A1から離れた状態になる角度(例えば、90°:図16(g))である。
ステップS111,S112の処理は第1実施形態と同様であるから(図9参照)、説明を省略する。
本実施形態によれば、隅部G1付近で時計回りに超信地旋回した後(S401)、隅部掃除ブラシ9を時計回りに回動させ(S404)、さらに隅部掃除ブラシ9を反時計回りに回動させるという簡単な制御で(S407)、第2実施形態と同様に隅部G1の塵埃を確実かつ容易に掃除できる。
また、反時計回りの回動を終えた隅部掃除ブラシ9をそのまま収容し(S408→Yes、S111)、超信地旋回を停止した状態からそのまま前進する(S403、S112:図16(c)、(h)参照)。したがって、隅部G1付近において自律走行型掃除機Cは、その一連の動作をスムーズに行うことができる。
第5実施形態は、隅部G1の塵埃を前壁A2に沿って弾き飛ばす点が第4実施形態と異なるが、その他(自律走行型掃除機Cの構成等)については第4実施形態と同様である。したがって、自律走行型掃除機Cの動作について説明し、第4実施形態と重複する部分については説明を省略する。
ステップS501において制御装置100は、本体1を時計回りに超信地旋回させ(S501)、旋回角度θAが所定値θ9に達した場合(S502→Yes)、旋回を停止させる(S503)。このとき、隅部掃除ブラシ9は、その先端が隅部G1に到達しておらず、先端付近がたわんだ状態で左壁A1に押し当てられている(図19(b)、(c)参照)。
ステップS505において制御装置100は、隅部掃除ブラシ9の回動角度φAが所定値φ3以上である否かを判定する。前記した所定値φ3は、隅部掃除ブラシ9の先端が前壁A2から離れて、紙面右側に臨んだ状態になる角度(例えば、180°:図19(e))である。
ステップS506において制御装置100は、隅部掃除ブラシ9の回動を停止させる。
ステップS508において制御装置100は、隅部掃除ブラシ9の回動角度φBが所定値φ4以上である否かを判定する。前記した所定値φ4は、それまで隅部G1に到達していた隅部掃除ブラシ9の先端が隅部G1から離れて、この先端が隅部G1に臨んだ状態になる角度である(例えば、90°)。図19(g)に示すように、隅部掃除ブラシ9は、その先端付近が左壁A1に沿って押し当てられ、その先端が隅部G1に臨んでいる(押当ステップ)。
ステップS510おいて制御装置100は、隅部掃除ブラシ9を時計回りに比較的高速で回動させる。当該処理によって、塵埃がいったん隅部G1に掻き集められた後、前壁A2に沿って掻き出される(掻出ステップ:図19(h)〜(j)参照)。
回動角度φAが所定値φ5未満である場合(S511→No)、制御装置100の処理はステップS510に戻る。回動角度φAが所定値φ5以上である場合(S511→Yes)、制御装置100の処理はステップS111に進む。
ステップS111,S112の処理は第1実施形態と同様であるから(図9参照)、説明を省略する。
本実施形態によれば、隅部G1付近で時計回りに超信地旋回した後(S501)、隅部掃除ブラシ9を時計回り(S504)、反時計回り(S507)、そして時計回りに順次回動させるという簡単な制御で(S510)、第4実施形態と同様に隅部G1の塵埃を確実かつ容易に掃除できる。
以上、本発明に係る自律走行型掃除機Cについて各実施形態により説明したが、本発明はこれらの記載に限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。
例えば、前記各実施形態では、本体1の左後方を略接した状態で囲うとともに略直角に交わる2本の直線(図4の破線X,Y)の交点を超える長さの隅部掃除ブラシ9を用いる場合について説明したが、これに限らない。
図21に示す例では、隅部掃除ブラシ9の回動軸Lと、本体1の上面に垂直な直線と、のなす角が0°よりも大きくなっている(上側に向かうにつれて、回動軸Lが外側に寄っている)。また、下ケース12には、隅部掃除ブラシ9を本体1内に収容するための開口部H8が形成されている。
このように隅部掃除ブラシ9を収納することで、運転時間よりも長い保管/受電時において、隅部掃除ブラシ9の刷毛9aが自重で下側にたわんで変形することを防止できる。
また、隅部掃除ブラシ9が突出された状態において駆動輪2R,2Lに踏まれない範囲で広がる扇状又は放射状の刷毛を有するようにしてもよい。
隅部掃除ブラシ9を左右両側に配置する場合、隅部G1を掃除に際に一方又は両方の隅部掃除ブラシ9を突出させる。いずれか一方の隅部掃除ブラシ9を突出される場合、側壁に近い側に配置されたほうの隅部掃除ブラシ9を突出させることが好ましい。これによって、本体1を超信地旋回するのに要する消費電力量を削減できる。
なお、他の実施形態も同様にして、反時計回りに壁際走行する場合に適用できる。
1 本体
13 バンパ
2R 駆動輪(右駆動輪)
2L 駆動輪(左駆動輪)
3R 走行モータ(右側の走行モータ)
3L 走行モータ(左側の走行モータ)
5 送風機
6a,6b バンパセンサ(障害物検知手段)
6c 測距センサ(障害物検知手段)
8R,8L サイドブラシ
9,9A,9B 隅部掃除ブラシ
9a 刷毛
9b 弾性体
G1 隅部
H3 吸口
L1,L2 直線
Q1 点(交点)
Claims (3)
- 右駆動輪及び左駆動輪を回転させることで本体を壁際に沿って移動させ、二つの壁面が交差してなる隅部を障害物検知手段によって検知する隅部検知ステップと、
前記本体に設置される隅部掃除ブラシの先端付近を一方の前記壁面に沿って押し当てつつ、前記隅部掃除ブラシの先端が前記隅部に臨むようにする押当ステップと、
前記隅部掃除ブラシの先端を前記隅部に到達させ、さらに前記隅部掃除ブラシによって前記隅部の塵埃を掻き出す掻出ステップと、を含み、
一方向に延びる刷毛を少なくとも一束有し、前記本体に略接して略直角に交わる二本の直線の交点を超える長さを有する前記隅部掃除ブラシを用いて、前記掻出ステップにおいて前記隅部の塵埃を掻き出し、
前記押当ステップでは、前記本体を平面視で所定の向きに旋回させた後、前記旋回をいったん停止させ、
前記掻出ステップでは、前記本体を平面視で前記所定の向きとは逆向きに旋回させること
を特徴とする自律走行型掃除機の制御方法。 - 右駆動輪及び左駆動輪を回転させることで本体を壁際に沿って移動させ、二つの壁面が交差してなる隅部を障害物検知手段によって検知する隅部検知ステップと、
前記本体に設置される隅部掃除ブラシの先端付近を一方の前記壁面に沿って押し当てつつ、前記隅部掃除ブラシの先端が前記隅部に臨むようにする押当ステップと、
前記隅部掃除ブラシの先端を前記隅部に到達させ、さらに前記隅部掃除ブラシによって前記隅部の塵埃を掻き出す掻出ステップと、
前記掻出ステップで掻きだした塵埃を、前記本体に設けられた吸口を介して回収する回収ステップと、を含み、
一方向に延びる刷毛を少なくとも一束有し、前記本体に略接して略直角に交わる二本の直線の交点を超える長さを有する前記隅部掃除ブラシを用いて、前記掻出ステップにおいて前記隅部の塵埃を掻き出し、
前記押当ステップでは、前記本体を平面視で所定の向きに旋回させた後、前記旋回をいったん停止させ、
前記掻出ステップでは、前記本体を平面視で前記所定の向きとは逆向きに旋回させること
を特徴とする自律走行型掃除機の制御方法。 - 右駆動輪及び左駆動輪を回転させることで本体を壁際に沿って移動させ、二つの壁面が交差してなる隅部を障害物検知手段によって検知する隅部検知ステップと、
前記本体に設置される隅部掃除ブラシの先端が、前記隅部を通過して前記隅部とは反対側に臨むようにする隅部通過ステップと、
前記隅部通過ステップとは逆向きに前記隅部掃除ブラシを移動させ、前記隅部掃除ブラシの先端付近を前記壁面に沿って押し当てつつ、前記隅部掃除ブラシの先端が前記隅部に臨むようにする押当ステップと、
前記隅部掃除ブラシの先端を前記隅部に到達させ、さらに前記隅部掃除ブラシによって前記隅部の塵埃を掻き出す掻出ステップと、
前記掻出ステップで掻きだした塵埃を、前記本体に設けられた吸口を介して回収する回収ステップと、を含み、
前記隅部掃除ブラシは、前記本体に略接して略直角に交わる二本の直線の交点を超える長さを有すること
を特徴とする自律走行型掃除機の制御方法。
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