JP6154709B2 - 内張り材の端部予熱方法およびそれに使用する予熱袋体 - Google Patents

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Description

本発明は、厚肉の熱可塑性樹脂からなる内張り材を既設管路に引き込み、加熱加圧して管内径までに膨張させて管路を補修または補強する内張り方法に関するものであって、特に内張り材を管路に引き込んだ後、内張り材内部を加熱加圧するための金具を取り付けるにあたり、その取付端部の熱可塑性樹脂を軟化させて金具取付作業を容易にするための内張り材の端部予熱方法およびそれに使用する予熱袋体に関する。
従来から、上下水道管などの既設管路の内面に筒状の内張り材を設置することによって、補修または補強を行うことが知られている。このような内張り材としては、例えば、特許文献1に記載のものがある。この内張り材は、硬質の熱可塑性樹脂からなり、例えば、塩化ビニル樹脂あるいは高密度ポリエチレンなどである。
また、特許文献1には、この内張り材を用いた既設管路の補修方法が開示されている。この内張り材を既設管路の補修に用いる場合、まず、内張り材を既設管路内に引き込み、所定の区間に挿通する。挿通した後、内張り材の両端部に、内張り材を封止するための封止具をそれぞれ取り付ける。封止具を取り付けた後、内張り材内に蒸気を供給し、内張り材を軟化させるとともに、径方向に膨張させて既設管路の内面に沿わせる。
特開2006−46592号公報
従来、内張り材は、その外形を小さくして管路内への引き込みを容易にするため、蒸気などで加熱して軟化状態とし、その長手方向に直交する断面において内側に窪んだ凹部を有するように変形されて、既設管路内に引き込まれる。しかしながら、内張り材が長尺である場合、或いは、引き込み作業に手間がかかった場合、作業中に内張り材が徐々に冷えていき、挿通完了時には、内張り材の端部は、再び固化した状態に戻ってしまう。端部が固化していると、この端部に封止具を取り付けるためには、改めて端部を軟化温度以上まで予熱し、軟化させる必要がある。
従来、内張り材の端部を軟化する方法としては、シートで内張り材の端部外面を包み、外面に直接蒸気などの加熱流体を供給して内張り材を軟化することが行われている。
しかしながら、引き込み時、内張り材は内側に窪んだ凹部を有している。そのため、内張り材の凹部とシートとの間には隙間が生じやすい。従って、凹部とシートとの間から加熱流体が漏れてしまうため、端部の予熱に時間を要するという問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、加熱流体の漏れを防止し、内張り材の端部を効率的に予熱可能とする予熱方法およびそれに使用する予熱袋体を提供することである。
課題を解決するための手段および発明の効果
第1の発明の内張り材の端部予熱方法は、長手方向に直交する断面において内側に窪んだ凹部を有し、既設管路内に設置される熱可塑性樹脂からなる筒状の内張り材の端部予熱方法であって、開口部を有する袋体を前記内張り材の端部の外周に被せる袋体取付工程と、前記袋体を前記内張り材の凹部に沿わせる近接工程と、前記袋体内に加熱流体を供給し、前記内張り材の端部を予熱する流体供給工程と、を備えるものである。
本発明では、開口部を有する袋体は、内張り材の端部の外周に被せられ、内張り材の凹部に沿わせられる。従って、隙間の発生を防止することができる。これにより、内張り材内からの加熱流体の漏れを防止し、内張り材の端部を効率的に予熱することができる。
第2の発明の内張り材の端部予熱方法は、前記第1の発明において、前記袋体取付工程において、前記内張り材の両端部に前記袋体をそれぞれ取り付け、前記流体供給工程において、前記内張り材の一方の端部に被せられた前記袋体にのみ前記加熱流体を供給することを特徴とするものである。
本発明では、内張り材の両端部に袋体をそれぞれ取り付け、内張り材の一方の端部に取り付けられた袋体にのみ加熱流体を供給する。一方の端部に取り付けられた袋体内から供給された加熱流体は、内張り材内を通って、他方の端部に取り付けられた袋体内へと送られる。従って、内張り材の一方の端部に取り付けられた袋体内に加熱流体を供給するだけで、内張り材の一方と他方の端部の両方を予熱することができる。従って、内張り材の他方の端部に加熱流体を供給する作業を省略することができる。これにより、既設管路の補修作業における作業性を高めることができる。
第3の発明の内張り材の端部予熱方法は、前記第2の発明において、前記流体供給工程前に、前記一方の端部に被せられた前記袋体に、前記加熱流体を供給するための流体供給管を取り付け、前記流体供給管は、加熱流体をそれぞれ噴出する2つ以上の噴出部を有し、前記2つ以上の噴出部は、一部の噴出部が前記内張り材内に挿入され、前記一部の噴出部を除く噴出部が前記一方の端部に取り付けられた前記袋体内に挿入されていることを特徴とするものである。
本発明では、一方の端部に被せられた袋体に、加熱流体を供給するための流体供給管を取り付け、流体供給管は、加熱流体をそれぞれ噴出する2つ以上の噴出部を有し、2つ以上の噴出部は、一部の噴出部が内張り材内に挿入され、一部の噴出部を除く噴出部が一方の端部に取り付けられた前記袋体内に挿入されている。従って、内張り材内を通って、内張り材の一端部に挿入された一部の噴出部から内張り材の他端部に取り付けた袋体内へと加熱流体を送って内張り材の他端部を予熱するとともに、一部の噴出部を除く噴出部から内張り材の一端部に取り付けられた袋体内に加熱流体を噴射して内張り材の一端部を予熱することができる。以上より、1本の流体供給管に設けられた2つ以上の噴出部によって、内張り材の両端部にそれぞれ取り付けた袋体内に効率的に加熱流体を送り、内張り材の両端部をそれぞれ予熱することができる。
第4の発明の予熱袋体は、長手方向に直交する断面において内側に窪んだ凹部を有し、既設管路内に設置される熱可塑性樹脂からなる筒状の内張り材の端部を予熱するための予熱袋体であって、開口部を有し、前記内張り材の端部に被せられる袋体と、前記袋体に設けられ、且つ、前記内張り材の端部の外周に被せられた袋体の内面を前記内張り材の凹部に沿わせる近接機構と、を備え、前記近接機構には、可撓性を有する帯状部材が設けられていることを特徴とするものである。
本発明では、予熱袋体は、開口部を有し、内張り材の端部に被せられる袋体と、袋体に設けられ、且つ、内張り材の端部に被せられた袋体の内面を内張り材の凹部に沿わせる近接機構と、を備える。また、この近接機構には、可撓性を有する帯状部材が設けられている。従って、可撓性を有する帯状部材を内張り材の凹部に沿って変形させることで、袋体の内面を内張り材の凹部に沿わせることができる。これにより、隙間の発生を防止することができる。従って、内張り材内からの加熱流体の漏れを防止し、内張り材の端部を効率的に予熱することができる。
第5の発明の予熱袋体は、前記第4の発明において、前記帯状部材は、前記袋体の周方向一部分に設けられていることを特徴とするものである。
本発明では、帯状部材は、袋体の周方向一部分に設けられている。帯状部材が袋体の全周にわたって設けられている場合、帯状部材は、その周径を調節することができないため、その長さが内張り材の外周径と一致しない場合には、内張り材の凹部に沿わすことができても、凹部を除いた部分に隙間が生じる可能性がある。それに対して、本発明では、帯状部材は、袋体の周方向一部分に設けられている。従って、帯状部材がない部分を内張り材の外周に確実に沿わすことができる。これにより、より隙間の発生をより確実に防止することができる。
第6の発明の予熱袋体は、前記第4又は5の発明において、前記近接機構は、前記袋体を締め上げて縮径させる長尺部材を有することを特徴とするものである。
本発明では、近接機構は、袋体を締め上げて縮径させる長尺部材を有する。これにより、帯状部材を変形させて内張り材の凹部に確実に沿わせ、さらに、凹部を除いた外周面を、長尺部材によって締め上げて沿わせることができる。従って、内張り材の外周面の全周にわたって、隙間の発生を確実に防ぐことができる。これにより、内張り材の端部と予熱袋体との間からの加熱流体の漏れを確実に防止することができる。また、長尺部材によって、内張り材端部の外周面を締め上げることにより、加熱流体供給時の内圧上昇などに起因する予熱袋体の脱落を防止することができる。
補修後の既設管路内の状態を示す、既設管路の長さ方向を含む鉛直面に沿った断面図である。 既設管路に挿通された内張り材の一端部を示す斜視図である。 引き込み工程を示す図である。 端部予熱工程を示す図である。 (a)は、流体供給管が取り付けられる予熱袋体の上面図であって、(b)は、下面図である。 図4のA−A断面図である。 封止具取り付け工程を示す図である。 加熱拡張工程を示す図である。 内張り材が拡径した状態の加熱拡張工程を示す図である。 近接機構として、長さ調節可能な帯状部材が適用された図4のA−A断面図である。 長尺部材として、紐が適用された形態の図4相当の断面図である。
以下、本発明を用いた既設管路補修工事の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。図1は、地中に埋設された下水道管などの既設管路Pを補修した後の状態を示したものであって、マンホールM1,M2との間の施工例である。
マンホールM1から筒状の内張り材1を引き込み、既設管路P内のマンホールM1,M2に挟まれた所定の補修区間に、既設管路Pの内面に内張り材1を設置する場合について説明する。ここで、図面上におけるマンホールM1側を既設管路Pの上流側、マンホールM2側を既設管路Pの下流側とする。
(内張り材)
まず、内張り材1について説明する。図2に示すように、内張り材1は、筒状織物3と筒状織物3の内面と外面を被覆した硬質熱可塑性樹脂層2a,2bで構成されており、硬質熱可塑性樹脂層2a,2bは、硬質塩化ビニル樹脂または高密度ポリエチレンなどからなる。硬質塩化ビニル樹脂の軟化温度は、54〜74℃であり、高密度ポリエチレンの軟化温度は、40〜54℃である。なお、内張り材1は、筒状織物3の内面もしくは外面のいずれか一方にのみ熱可塑性樹脂層2a,2bの樹脂層が被覆された構成であっても構わない。
製造時、内張り材1の長さ方向に直交する断面は、円形である。内張り材1は、巻き取った時の体積を減少させるため、その長さ方向に直交する断面を扁平にした状態でリール(不図示)に巻き取られて保管される。
次に、内張り材1を用いた既設管路Pの補修方法について説明する。
(引き込み工程)
まず、マンホールM1の開口近くで加熱装置(不図示)内に設置した内張り材1を加熱して軟化させた後、リール(不図示)から内張り材1を引き出していく。その後、内張り材1は、その幅を既設管路Pの径よりも小さくするため、その長手方向に直交する断面において、内側に窪んだ凹部1aを有するように変形し、管内に引き込まれる。図3に示すように、内張り材1は、その先端部がマンホールM2に達した時点で引き込みを終了し、所定の長さになるように切断する。なお、引き込み工程は、既設管路Pの下流側、すなわち、マンホールM2から内張り材1を引き込むことによって行っても構わない。
(予熱袋体取付工程)
まず、予熱袋体4について説明する。予熱袋体4は、図5に示すように、袋体20と、近接機構30とを備える。
袋体20は、表面からの蒸気の漏れを防止可能とするもの、例えばターポリンなどを用いた袋体構成布5からなる。
袋体構成布5を丸め、その周方向両端部を重ね合わせる(重ね合わせ部20d)。その後、重ね合わせ部20dを縫製する(縫製部20b)。これにより、袋体構成布5は、筒状となる。その後、1つの開口を縫製して閉じることにより(縫製部20c)、開口部20aを有する袋体20が得られる。ここで、開口部20aとは、袋体20の開口およびその近傍を指す。袋体20は、重ね合わせ部20dに対して平行な長辺と、それに直交する短辺とを有する矩形状である。袋体20の開口部20aの周径は、内張り材1の端部に外周面に重ねた状態で被せることができるように、内張り材1の外周よりも大きい。ここで、縫製部20bが鉛直方向下側の略中央部に配置されるように袋体20を載置したときの、縫製部20b側を袋体20の下面、その逆側を袋体20の上面とする。なお、袋体の形状は、略正方形状であっても構わない。また、袋体は、2つの袋体構成布からなる構成であっても構わない。
近接機構30は、予熱袋体4の内面を内張り材1の凹部1aに沿わせるための帯状部材6と、凹部1aを除いた内張り材1の外周面に予熱袋体4の内面を締め付けて沿わせるための2本のベルト7とを有する。
帯状部材6は、外力を作用させて形状を変化させた後、外力を開放してもある特定の形状に復元することなく、その形状が保持される。具体的には、帯状部材6は、ステンレス鋼の金属板など可撓性を有するものからなる。帯状部材6の長さは、内張り材1の外周のうち凹部1aに該当する部分の周方向の長さに略等しい。なお、帯状部材6の幅および厚みは、変形可能な範囲内であれば適宜選択して構わない。
帯状部材6は、袋体20の開口部20aの上面に、袋体20の短辺方向に平行となるように取り付けられる。帯状部材6は、内部に帯状部材6を封入し、帯状部材取付布8と袋体20とが縫製されることによって取り付けられる。なお、帯状部材6の取り付け位置は、後述する切込み部20cより開口部20a側であれば、適宜選択して構わない。また、帯状部材6の取り付け方法は、この限りではない。
ベルト7には、長さ調節部7aが設けられる。この長さ調節部7aによって、2本のベルト7を連結解除可能に接続するとともに、その長さを調節する。
2本のベルト7は、袋体20の下面の短辺方向両端部にそれぞれ縫製などにより取り付けられる(縫製部7b)。なお、ベルト7の取り付け位置および取り付け方法は、この限りではない。また、ベルトは、長さ調節可能な機構が設けられた1本の帯であっても構わない。この場合、ベルトは、外周面を取り囲むように、その下面に設けられたベルト支持布によって移動可能に支持された状態で袋体20に取り付けられる。
内張り材1の両端部にそれぞれ取り付けられる予熱袋体4のうちの一方には、切込み部20cが設けられる。切込み部20cは、袋体20の短辺方向の一端部に設けられる。これにより、後述する蒸気供給工程において、凹部1aを有する内張り材1内に、噴出部11bが挿入可能となる。切込み部20cは、流体供給管11が挿入可能となる大きさの十字型の切り込みである。なお、切込み部20cの形状は、切込み部20cからの蒸気の漏れをある程度防止可能であればよいが蒸気の漏れを完全に防止可能とするため、流体供給管11を接続可能な配管を設けても構わない。
次に、予熱袋体4の設置方法について説明する。
図4に示すように、切込み部20cが設けられた予熱袋体4を上流側の内張り材1の端部に被せ、切込み部20cが設けられていない予熱袋体4を下流側の内張り材1の端部に被せる。予熱袋体4は、内張り材1の端部が近接機構30よりも予熱袋体4内の奥に位置するように被せられる。また予熱袋体4は、縫製部20bが鉛直方向下側の略中央部に配置されるように被せられる。
(近接工程)
次に、図6に示すように、帯状部材6を上から押さえつけ、内張り材1の凹部1aに沿うように変形させる。帯状部材6は、可撓性を有するため、変形させることによって、内張り材1の凹部1aに沿わせることができる。また、帯状部材6は、外力を開放してもある特定の形状に復元することなく、内張り材1の凹部1aに沿ったまま、その形状を保持することができる。これにより、内張り材1の凹部1aに沿わせた後の帯状部材6の変形による隙間の発生を防ぐことができる。
また、長さ調節部7aによって、2つのベルト7を連結するとともに、その長さを調節することにより、予熱袋体4を締め上げる。これにより、凹部1aを除いた内張り材1の外周面に予熱袋体4をより隙間なく沿わせることができる。また、ベルト7によって内張り材1端部の外周面を締め上げることにより、蒸気による内圧などに起因する予熱袋体4の脱落を防止することができる。
また、予熱袋体4は、袋体20に近接機構30が取り付けられている。従って、袋体20と近接機構30とが分離している場合に比べて、上述した設置作業を効率的に行うことができる。これにより、既設管路Pの補修作業における作業性の低下を防止することができる。また、袋体20を沿わせるための治具などを紛失することもない。
(蒸気供給工程)
次に、図4に示すように、蒸気をそれぞれ噴出する噴出部11a,11bが設けられた流体供給管11を、予熱袋体4に設けられた切込み部20cに挿入し、流体供給管11を予熱袋体4に取り付ける。このとき、噴出部11aを予熱袋体4内に配置し、噴出部11bを内張り材1内に挿入する。
マンホールM1の開口近くに、ホース10が接続された蒸気供給装置13を設置し、ホース10を流体供給管11に接続する。
ここで、流体供給管11が挿入される切込み部20cは、十字型の切り込みである。従って、切込み部20cと流体供給管11との間の隙間を小さくすることができるため、切込み部20cからの蒸気の漏れを抑制することができる。
ホース10および流体供給管11を介して、蒸気供給装置13から予熱袋体4内に蒸気を供給する。この蒸気の温度は、内張り材1の軟化点以上であって、例えば、110℃である。
噴出部11aから噴射される蒸気は、予熱袋体4に充填して上流側の内張り材1の端部を予熱する。また、噴出部11bから噴出される蒸気は、内張り材1内を通って下流側に取り付けた予熱袋体4内へと送られ、下流側の内張り材1の端部を予熱する。
以上により、流体供給管11に設けられた噴出部11a,11bによって、内張り材1の両端部にそれぞれ取り付けた予熱袋体4内に効率的に蒸気を送り、内張り材1の両端部をそれぞれ予熱することができる。
内張り材1の両側から蒸気を供給する場合、マンホールM1,M2の開口近くにそれぞれ蒸気設備が必要になるが、この方法によれば、マンホールM1の開口近くにのみ蒸気設備を設置すればよい。従って、マンホールM2の開口近くに蒸気設備を設置することによって、交通が妨げられることを防止できる。
また、蒸気供給中は、内張り材1および予熱袋体4の底部にドレン水が溜まる。ドレン水が溜まった部分では温度が上昇しにくいため、予熱袋体4内の温度を効率的に上昇させるためには、このドレン水を排出しつつ予熱することが望ましい。
ここで、図5に示すように、袋体20の縫製部20bは、ドレン排出部20bを兼ねる。予熱袋体4は、縫製部20bが鉛直方向下側の略中央部に配置されるように被せられている。従って、縫製部20bから、予熱袋体4内のドレン水を排出することができる。縫製部20bのピッチを調節することによって、ドレン水の排出量を調節することができる。例えば、縫製部20bのピッチを大きくすることによって、ドレン水を一度に多く排出することができる。
以上により、内張り材1の端部をより効率的に予熱することができる。
(封止具取付工程)
次に、予熱袋体4、流体供給管11およびホース10を取り外し、図7に示すように、前述した蒸気供給工程によって、予熱されて軟化した内張り材1の両端部に封止具12をそれぞれ取り付ける。このとき、作業者は、軟化した端部(凹部1a)を手、もしくは、治具によって引き上げて膨らませ、そこに封止具12を差し込む。封止具12は、マンホールM1,M2内に配置され、筒状の内張り材1の両端の開口部をそれぞれ封止する。封止具12には、ホース孔12aが設けられている。
(加熱拡径工程)
次に、図8に示すように、蒸気供給装置13にホース14を接続する。また、マンホールM2の開口近くに、ホース16が接続されたサイレンサー15を設置する。サイレンサー15によって、内張り材1内の蒸気の排出および蒸気排出時の消音が行われる。M1内に配置された封止具12のホース孔12aにホース14を接続し、M2内に配置された封止具12のホース孔12aにホース16を接続する。
ホース14を介して、蒸気供給装置13から蒸気を供給することにより、内張り材1を加熱して軟化する。さらに、図9に示すように、蒸気の圧力を高めることによって、内張り材1は、その外周が既設管路Pの内周に対応する大きさまで円形状に拡径し、既設管路Pの内面に沿わせられる。
内張り材1を拡径して既設管路Pの内面に沿わせた後、蒸気の供給を停止する。その後、内張り材1内の蒸気をエアーに置換し、内張り材1を冷却する。冷却後、ホース14,16とともに、封止具12を内張り材1から取り外す。その後、既設管路Pの端からマンホールM1,M2に飛び出した内張り材1を切除する。
(作用・効果)
本実施形態では、予熱袋体4は、開口部20aを有し、内張り材1の両端部にそれぞれ被せられる袋体20と、この袋体20に設けられた近接機構30とを備える。また、近接機構30は、可撓性を有する帯状部材6と、2本のベルト7とを有する。従って、内張り材1の両端部に袋体20をそれぞれ被せた後、帯状部材6によって袋体20の内面を内張り材1の凹部1aに沿わせ、2本のベルトによって袋体20を締め上げることができる。これにより、隙間の発生を防止することができる。従って、内張り材内からの加熱流体の漏れを防止し、内張り材の端部を効率的に予熱することができる。
また、本実施形態では、袋体20の周方向に設けられた帯状部材6の長さは、内張り材1の外周のうち、凹部1aに該当する部分の周方向の長さに略等しい。従って、帯状部材6を変形させて、内張り材1の凹部1aに確実に沿わせることができる。これにより、隙間の発生を確実に防止することができる。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施形態や実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な設計変更が可能なものである。
上記の実施形態では、引き込み時、内張り材1は、その長さ方向に直交する断面において、内側に窪んだ凹部1aを有するように成形されているが、内張り材1の断面形状は、この限りではない。例えば、内張り材1の断面形状は、内側に窪んだ2つ以上の凹部を有する形状であっても構わない。また、内側に窪んだ3つの凹部を有するW字形状の場合においては、予熱袋体の近接機構には、3つの凹部にそれぞれ沿うように3つの帯状部材が設けられる。
また、上記の実施形態では、近接機構30は、袋体20と一体化されているが、袋体20と近接機構30とが分離されている構成であっても構わない。例えば、袋体20を内張り材1の端部に被せた後、帯状部材6を内張り材1の凹部1aに変形させつつ嵌め込むことによって、袋体20を内張り材1の端部外周面に沿わせても構わない。
また、上記の実施形態では、帯状部材6を変形させて内張り材1の凹部1aに沿わせ、さらに、凹部1aを除いた外周面を、2本のベルト7によって締め上げて沿わせることにより、予熱袋体4を内張り材1の端部の全周にわたって隙間なく沿わせているが、例えば、帯状部材のみによって、袋体20を内張り材1の端部の全周にわたって沿わせても構わない。帯状部材を袋体20に取り付け、帯状部材の長さおよび袋体20の内周を内張り材1の外周と略一致するように形成することにより、帯状部材のみによって、袋体20からの蒸気の漏れを防止することができる。
また、図10に示すように、重なり部21aを有し、重なり部21aがその周方向にずれ可能とする帯状部材21のみによって、袋体20を内張り材1の端部の全周にわたって沿わせても構わない。
また、ベルトは、図11に示すように、1本の紐22であっても構わない。紐22の結び位置を調節することによって、袋体20を締め上げることができる。
また、予熱袋体4を開口部に巾着機構を有する袋体とし、開口部を縮径させることによって、袋体を締め上げても構わない。
また、上記の本実施形態では、内張り材1の上流側から蒸気を供給しているが、蒸気は、内張り材1の下流側から供給しても構わない。
また、上記の実施形態では、縫製部9がドレン排出部20bを兼ねているが、例えば、縫製部9の一部のみ縫製のピッチを大きくし、ドレン水の排出量を積極的に増加させる構成であっても構わない。
また、上記の実施形態では、縫製部20bがドレン排出部20bを兼ねているが、例えば、縫製部20bとは別に、ドレン排出部を設けても構わない。
また、上記の実施形態では、噴出部11a,11bを有する流体供給管11によって蒸気を供給しているが、例えば、1つの噴出部を有する流体供給管によって蒸気を供給しても構わない。また、3つ以上の噴出部を有する流体供給管によって、蒸気を供給しても構わない。
また、上記の実施形態では、内張り材1の上流側の端部に設置された予熱袋体4に流体供給管11を取り付け、蒸気を供給しているが、例えば、内張り材1の両端部に設置された予熱袋体4に流体供給管をそれぞれ取り付け、蒸気を供給させても構わない。このとき、流体供給管は、1つの噴出部を有する流体供給管で構わない。
1 内張り材
4 予熱袋体
5 袋体構成布
6 帯状部材
7 ベルト
12 封止金具
20 袋体
30 近接機構
P 既設管路

Claims (6)

  1. 長手方向に直交する断面において内側に窪んだ凹部を有し、既設管路内に設置される熱可塑性樹脂からなる筒状の内張り材の端部予熱方法であって、
    開口部を有する袋体を前記内張り材の端部の外周に被せる袋体取付工程と、
    前記袋体を前記内張り材の凹部に沿わせる近接工程と、
    前記袋体内に加熱流体を供給し、前記内張り材の端部を予熱する流体供給工程と、
    を備える、内張り材の端部予熱方法。
  2. 前記袋体取付工程において、前記内張り材の両端部に前記袋体をそれぞれ取り付け、
    前記流体供給工程において、前記内張り材の一方の端部に被せられた前記袋体にのみ前記加熱流体を供給することを特徴とする、請求項1に記載の内張り材の端部予熱方法。
  3. 前記流体供給工程前に、前記内張り材の一方の端部に被せられた前記袋体に、前記加熱流体を供給するための流体供給管を取り付け、
    前記流体供給管は、加熱流体をそれぞれ噴出する2つ以上の噴出部を有し、
    前記2つ以上の噴出部は、一部の噴出部が前記内張り材内に挿入され、前記一部の噴出部を除く噴出部が前記内張り材の一方の端部に取り付けられた前記袋体内に挿入されていることを特徴とする、請求項2に記載の内張り材の端部予熱方法。
  4. 長手方向に直交する断面において内側に窪んだ凹部を有し、既設管路内に設置される熱可塑性樹脂からなる筒状の内張り材の端部を予熱するための予熱袋体であって、
    開口部を有し、前記内張り材の端部に被せられる袋体と、
    前記袋体に設けられ、且つ、前記内張り材の端部の外周に被せられた袋体の内面を前記内張り材の凹部に沿わせる近接機構と、
    を備え、
    前記近接機構には、可撓性を有する帯状部材が設けられていることを特徴とする予熱袋体。
  5. 前記帯状部材は、前記袋体の周方向一部分に設けられていることを特徴とする、請求項4に記載の予熱袋体。
  6. 前記近接機構は、前記袋体を締め上げて縮径させる長尺部材を有することを特徴とする、請求項4又は5に記載の予熱袋体。
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