JP6154019B2 - 口腔内崩壊錠 - Google Patents

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Description

本発明は、口腔内崩壊錠に関する。
口腔内崩壊錠は、服用後速やかに、口腔内で溶解又は崩壊する経口製剤である。また、口腔内崩壊錠は、通常の錠剤に比べて、製造時、輸送時又は処方時に高い頻繁で錠剤の欠けや割れが発生することが知られている。一方、口腔内崩壊錠には、欠けや割れの問題を解決するために、錠剤の硬度を高めると、口腔内での崩壊に時間を要してしまうという問題が発生する。
口腔内崩壊錠に特有の問題を解決するために、口腔内崩壊錠の崩壊性と硬度とを両立させるための改良が進められている。
特開2008−143853号公報には、エバスチンを溶媒に溶解し、この溶液を多孔性の製剤用添加物にスプレー及び乾燥することにより得られる、口腔内崩壊性に優れる口腔内崩壊錠が記載されている。
国際公開第2007/029376号パンフレットには、2種以上の糖類、無機物及び崩壊剤が均質に分散した造粒粒子と、活性成分とを混合して得られる口腔内崩壊錠が記載されている。
国際公開第2007/074856号パンフレットには、医薬成分を含有する細粒とδ型マンニトールを含有する添加剤とを混合し、打錠する口腔内崩壊錠の製造方法が記載されている。
口腔内崩壊錠は、上述の通り、服用後速やかに、口腔内で溶解又は崩壊する経口製剤であるため、口腔内崩壊錠に含有される薬物の溶出を制御することが必要になる場合がある。口腔内崩壊錠からの薬物の溶出を制御する方法の1つとして、薬物を溶出制御膜で被覆した細粒を含む口腔内崩壊錠が開発されている。
現在普及している口腔内崩壊錠としては、薬物を含有する細粒(以下、単に「細粒」ともいう。)を錠剤中に含むものがある。また、この口腔内崩壊錠に含まれる細粒は、薬物を含む薬物含有核及び溶出制御膜を含むことが多い。
しかし、薬物を溶出制御膜で被覆した細粒を含む口腔内崩壊錠は、打錠により溶出制御膜の被膜の破壊が生じると溶出制御膜による溶出制御能が損なわれてしまう。
また、低い圧力で口腔内崩壊錠を打錠することで溶出制御膜の被膜の破壊が減じられることは明らかだが、低い圧力で打錠することにより口腔内崩壊剤の硬度が低下してしまい、脆い錠剤となってしまう場合がある。さらに、溶出制御膜で被覆された細粒自体は圧縮成形性に乏しいことから、このような細粒を含む錠剤では低い打錠圧で高い硬度を示す口腔内崩壊錠を得ることは容易ではない。
本発明は、低い打錠圧で圧縮しても高い硬度を示し、且つ優れた口腔内崩壊性を示す口腔内崩壊錠を提供することを課題とする。
また、本発明は、低い打錠圧で圧縮しても、口腔内崩壊錠に求められる適度な硬度を示し得る口腔内崩壊錠の製造方法を提供することを課題とする
前記課題を解決するための手段は以下の態様を含む
<1> 薬物含有核、及び、溶出制御膜を含む細粒と、
噴霧乾燥により製造された賦形剤と結合剤とを含有する造粒物と、を含む口腔内崩壊錠であって、噴霧乾燥により製造された賦形剤と結合剤とを含有する造粒物が結晶セルロースを含有し、口腔内崩壊錠の全質量に対して、細粒の含有割合が40質量%以上であり、 噴霧乾燥により製造された賦形剤と結合剤とを含有する造粒物の全質量に対して、結晶セルロース含有量が10質量%〜30質量%である、口腔内崩壊錠。
<2> 噴霧乾燥により製造された賦形剤が、糖又は糖アルコールを含有する<1>に記載の口腔内崩壊錠。
> 噴霧乾燥により製造された賦形剤が、糖アルコールを含有する<1>又は<2>のいずれか1つに記載の口腔内崩壊錠。
> 2種以上の噴霧乾燥により製造された賦形剤を含むことを特徴とする<1>〜<>のいずれか1つに記載の口腔内崩壊錠。
> 噴霧乾燥により製造された賦形剤が2種以上の成分を含む<1>〜<>のいずれか1つに記載の口腔内崩壊錠。
> 溶出制御膜が、腸溶性高分子を含有する<1>〜<>のいずれか1つに記載の口腔内崩壊錠。
> 溶出制御膜が、腸溶性(メタ)アクリル酸共重合体を含有する<1>〜<>のいずれか1つに記載の口腔内崩壊錠。
> 薬物含有核が、プロトンポンプインヒビターを含有する<1>〜<>のいずれか1つに記載の口腔内崩壊錠。
> 薬物含有核が、ベンズイミダゾール化合物又はその塩を含有する<1>〜<88>のいずれか1つに記載の口腔内崩壊錠。
10> 薬物含有核が、ラベプラゾール又はラベプラゾールナトリウムを含有する<1>〜<>のいずれか1つに記載の口腔内崩壊錠。
11> 絶対硬度が0.2N/mm〜4N/mmである<1>〜<10>のいずれか1つに記載の口腔内崩壊錠。
12> 口腔内崩壊時間が60秒以内である<1>〜<11>のいずれか1つに記載の口腔内崩壊錠。
13> 薬物含有核を溶出制御膜で被覆して細粒を得ること、噴霧乾燥により製造された賦形剤を、結合剤及び結晶セルロースを用いてさらに造粒して、噴霧乾燥により製造された賦形剤と結合剤と結晶セルロースとを、含有する造粒物を得ること、細粒と、得られた造粒物と、を混合して混合物を得ること、及び混合物を打錠すること、を含む口腔内崩壊錠の製造方法であって、口腔内崩壊錠の全質量に対して細粒を40質量%以上含有し、噴霧乾燥により製造された賦形剤と結合剤とを含有する造粒物が、造粒物の全質量に対して結晶セルロースを10質量%〜30質量%含有する、口腔内崩壊錠の製造方法。
14> 噴霧乾燥により製造された賦形剤を、結合剤及び結晶セルロースを用いてさらに造粒する方法において、流動層造粒法を用いる<13>に記載の製造方法。
15> 噴霧乾燥により製造された賦形剤が2種以上の賦形剤を含む<13>又は<14>のいずれか1つに記載の製造方法。
16> 打錠圧(N/mm)と得られた錠剤の絶対硬度(N/mm)が、打錠圧/絶対硬度が15以下となる、<13>〜<15>のいずれか1つに記載の製造方法。
本発明によれば、低い打錠圧で圧縮しても高い硬度を示し、且つ優れた口腔内崩壊性を示す口腔内崩壊錠を提供することができる。
また、本発明によれば、低い打錠圧で圧縮しても、口腔内崩壊錠に求められる適度な硬度を示し得る口腔内崩壊錠の製造方法を提供することができる
以下、本発明の口腔内崩壊錠及びその製造方法について詳細に説明する。
なお、本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
本明細書において、組成物中の各成分の量は、組成物中の各成分に該当する物質が複数存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
本明細書において「平均粒子径」とは、体積平均粒子径を示す。平均粒子径の測定方法としては、レーザー回折式粒度分布測定法が挙げられ、具体例としてはレーザー回折散乱式粒度分布測定装置(製品名:LS 13 320、ベックマンコールター社製)を用いる方法が挙げられる。
本明細書において(メタ)アクリル酸共重合体とはアクリル酸共重合体及びメタクリル酸共重合体の少なくとも一方を意味する。
≪口腔内崩壊錠≫
本発明の口腔内崩壊錠は、薬物含有核、及び、溶出制御膜を含む細粒と、噴霧乾燥により製造された賦形剤と結合剤とを含有する造粒物と、を含む。
また、口腔内崩壊錠は必要に応じて薬物含有核とは異なる他の核、又は溶出制御膜等とは異なる他の成分を含んでいてもよい。
≪細粒≫
本発明にかかる細粒は、薬物含有核と溶出制御膜とを含む。
細粒は必要に応じて他の成分を含んでいてもよい。他の成分としては、例えば、細粒同士の付着又は凝集を防ぐオーバーコート層が含有しうる成分や、薬物と溶出制御膜とを隔てる中間層等が挙げられる。
<薬物含有核>
本発明にかかる薬物含有核は、薬物を含有する。薬物含有核は、薬物のみから成ってもよく、また、必要に応じて他の成分を含んでいてもよい。
薬物としては、特に制限されず、抗血小板薬、抗潰瘍剤、抗精神病薬、気管支喘息治療薬、アレルギー性鼻炎治療薬、降圧薬、高コレステロール血症薬、抗うつ薬、抗ヒスタミン剤、抗菌剤、骨粗しょう症薬、糖尿病薬、利尿薬、抗リウマチ薬等が挙げられる。
抗血小板薬としては、クロピドグレル硫酸塩、チクロピジン、プロスグレル塩酸塩、シロスタゾール等が挙げられる。
抗潰瘍剤としては、ラベプラゾール、ラベプラゾールナトリウム、オメプラゾール、ランソプラゾール、パントプラゾール等のベンズイミダゾール化合物又はその塩などのプロトンポンプインヒビター、ファモチジン、シメチジン、塩酸ラニチジン等のヒスタミンH受容体拮抗薬などが挙げられる。
抗精神病薬としては、オランザピン、デュロキセチン、リスペリドン、クエチアピン、等が挙げられる。
気管支喘息治療薬又はアレルギー性鼻炎治療薬としては、モンテルカストナトリウム、プランルカスト等が挙げられる。
降圧薬としては、テルミサルタン、オルメサルタンメドキソミル、バルサルタン、アムロジピンベジル酸塩等が挙げられる。
高コレステロール血症薬としては、フルバスタチンナトリウム、コレスチミド等が挙げられる。
抗うつ薬としては、例えばイミプラミン、塩酸マプロチリン、アンフェタミン等が挙げられる。
抗ヒスタミン剤としては、例えば塩酸ジフェンヒドラミン、プロメタジン、塩酸イソチペンジル、dl−マレイン酸クロルフェニラミン等が挙げられる。
抗菌剤としては、ペニシリン、アンピシリン、エリスロマイシン、クラリスロマイシン、バンコマイシン等が挙げられる。
骨粗しょう症薬としては、例えばイプリフラボン等が挙げられる。
糖尿病薬としては、例えばトルブタミド、ボグリボース、塩酸ピオグリタゾン、グリベンクラミド、トログリタゾン、マレイン酸ロジグリタゾン、アカルボース、ミグリトール、エミグリテート等が挙げられる。
利尿薬としては、例えばイソソルビド、フロセミド、HCTZ(ハイドロクロロサイアザイド)等のチアジド剤などが挙げられる。
抗リウマチ薬としては、メソトレキセート、ブシラミン等が挙げられる。
中でも、十分な溶出制御を達成するために必要な溶出制御膜の量が多くなる薬物や、溶出制御膜の破壊が生じると薬効が損なわれてしまう薬物では、細粒を含み、低い打錠圧で十分な硬度を有する口腔内崩壊錠を得られる本発明の効果が十分に発揮できる。このような薬物としては、酸に弱く、腸溶性膜での被覆が必要な薬物が挙げられる。具体的には、ラベプラゾール、ランソプラゾール、オメプラゾール、パントプラゾール等のベンズイミダゾール化合物またはその塩を含むプロトンポンプインヒビターが好ましく、ラベプラゾール、ランソプラゾール、オメプラゾール、パントプラゾール等のベンズイミダゾール化合物またはその塩がより好ましく、中でも酸で極めて分解しやすいラベプラゾール又はラベプラゾールナトリウムが更に好ましい。
薬物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組合わせて用いることもできる。
口腔内崩壊錠1錠に対する薬物の含有量は、薬物の種類により、一日投与量の下限値と上限値とを考慮して適宜決定することができる。例えば、薬物として、ラベプラゾールナトリウムを用いる場合には、口腔内崩壊錠1錠に対して、10mg〜20mgのラベプラゾールナトリウムを含有することが好ましい。
薬物含有核は、薬物以外にも、本発明の効果を阻害しない範囲で、他の成分を含んでいてもよい。薬物含有核が他の成分を含んでいる場合、薬物と、他の成分とは混合されたものであってもよいし、他の成分の表面が薬物で被覆された構成であってもよいし、薬物の表面が他の成分で被覆された構成であってもよい。
どのような構成を採用するかについては、薬物の種類、含有量、一日投与量、平均粒子径等を考慮して、適宜決定することができる。
他の成分としては、成形性の向上や服用を容易にする賦形剤、成形性の向上に寄与する結合剤、製剤の崩壊を促進する崩壊剤、製造性の向上に寄与する滑沢剤又は流動化剤等が挙げられる。
賦形剤としては、例えば、糖、糖アルコール、結晶セルロース、デンプンが挙げられる。糖としては、乳糖、白糖、マルトース、トレハロース、グルコース、フルクトース、デキストリン等が挙げられる。糖アルコールとしては、マンニトール、エリスリトール、イソマルト、ラクチトール、マルチトール、ソルビトール、キシリトール等が挙げられる。デンプンとしては、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、コメデンプン、コムギデンプン等が挙げられる。
結合剤としては、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、アラビアゴム、ゼラチン、アルファー化デンプン等が挙げられる。
崩壊剤としては、例えば、トウモロコシデンプンやバレイショデンプン等のデンプン、部分アルファー化デンプン、カルボキシメチルスターチナトリウム、カルメロース、カルメロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム等が挙げられる。
滑沢剤又は流動化剤としては、例えば、タルク、軽質無水ケイ酸、モノステアリン酸グリセリン、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、フマル酸ステアリルナトリウム等が挙げられる。
他の成分はいずれかの種類を1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
薬物含有核に含まれる他の成分の含有量は、薬物の種類等により適宜決定することができる。例えば、薬物の全質量に対して、他の成分の含有量は、0質量%〜99質量%、10質量%〜90質量%、25質量%〜80質量%にすることができる。
(核粒子)
本発明にかかる薬物含有核は、核粒子を含んでいてもよい。
核粒子は、口腔内崩壊錠の作製において、薬物含有核又は細粒を作製する際の基材となる粒子である。例えば、薬物含有核又は細粒は、核粒子上に必要な成分をコーティングすることで作製可能である。コーティングを容易にするために、表面が平滑な核粒子を用いたり、薬物含有核又は細粒の粒度分布を均一化するために、粒度分布を均一化した核粒子を用いたりすることが好ましい。
核粒子は、薬物及び他の成分からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有していればよい。そのため、核粒子は薬物のみを含有していてもよいし、薬物と他の成分とを含有していてもよいし、他の成分のみを含有していてもよい。また、原末そのものを用いてもよいし、造粒物を用いてもよいし、市販の核粒子を用いてもよい。
市販の核粒子としては、ノンパレル(フロイント産業(株)製)、セルフィア(旭化成ケミカルズ(株)製)などが挙げられる。
(中間層)
本発明にかかる薬物を含有する細粒は、薬物含有核を被覆し、溶出制御膜と薬物含有核との接触を防止する中間層を薬物含有核と溶出制御膜との間に含有していてもよい。薬物が溶出制御膜と接触することで、薬物の分解が促進される場合などには中間層を導入すると有効である。
中間層は1層であっても、2層以上の多層であってもよい。
中間層が薬物含有核を被覆した形態とは、薬物含有核の表面の少なくとも一部に中間層が存在している状態であればよい。中間層が、薬物含有核の表面の1/4以上を被覆していることが好ましく、1/2以上を被覆していることがより好ましい。また、中間層が薬物含有核の表面の全体を被覆していることが最も好ましい。
中間層が含む成分としては、特に制限されることはなく、口腔内崩壊錠において公知の成分を利用することができる。中間層は、溶出制御膜とは異なる成分のポリマー、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、流動化剤等を含むことができる。
2層以上の中間層を設ける際には、組成等を変えた複数の中間層コーティング液を、中間層コーティング液ごとに複数回に分けて、薬物含有核に噴霧すればよい。
<溶出制御膜>
本発明にかかる溶出制御膜は、薬物含有核を被覆する層を構成する。
溶出制御膜は、製剤に時限放出性又は徐放性を付与する膜を意味する。具体的には、接触する液体のpHに応じて溶解性が変化することで目的の部位で薬物を放出する胃溶性膜や腸溶性膜、ある一定時間で水に溶解するがその間薬物の放出を妨げる水溶性膜、水への溶解度が低い又は水不溶性であるために薬物を膜間から徐々にしか放出しない水不溶性膜、又はこれらの機能を組み合わせた膜等が挙げられる。
溶出制御膜の必要量が多く、圧縮成形性に乏しい細粒になりやすいため、細粒を含み、低い打錠圧で十分な硬度を有する口腔内崩壊錠を得られる本発明の効果が十分に発揮されるという観点から、溶出制御膜は、腸溶性膜であることが好ましく、腸溶性高分子を含有する溶出制御膜がより好ましく、腸溶性(メタ)アクリル酸共重合体を含有する溶出制御膜が更に好ましい。
溶出制御膜は、1つ以上の層であればよく、溶出制御膜は2層等の多層であってもよい。
溶出制御膜が含む成分としては、特に制限されることはなく、口腔内崩壊錠において公知の成分を利用することができる。
腸溶性膜としては、塩基性水溶液中では溶解し、酸性水溶液中では溶解しない成分で形成されていれば特に制限されることはなく、腸溶性高分子を含む腸溶性膜が好ましく、水系腸溶性高分子を含む腸溶性膜がより好ましい。塩基性水溶液中では溶解し、酸性水溶液中では溶解しない成分としては、例えば、腸溶性セルロース誘導体、腸溶性(メタ)アクリル酸共重合体等を用いた膜が挙げられる。
腸溶性セルロース誘導体としては、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、カルボキシメチルエチルセルロース等が挙げられる。
腸溶性(メタ)アクリル酸共重合体としては、腸溶性アクリル酸共重合体又は腸溶性メタクリル酸共重合体が挙げられ、具体的には、メタクリル酸/メタクリル酸メチル共重合体、メタクリル酸/アクリル酸エチル共重合体、アクリル酸メチル/メタクリル酸メチル/メタクリル酸共重合体等が挙げられる。
中でも、腸溶性膜としては、高濃度でも低粘度で微粒子コーティングが容易であるという観点で、腸溶性メタクリル酸共重合体が好ましい。
腸溶性セルロース誘導体及び腸溶性(メタ)アクリル酸共重合体としては、市販品を用いることもできる。腸溶性セルロース誘導体の市販品としては、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート(商品名:HPMCAS、信越化学工業(株)製)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(商品名:HPMCP、信越化学工業(株)製)、カルボキシメチルエチルセルロース(商品名:CMEC、フロイント産業(株)製)等が挙げられる。
腸溶性(メタ)アクリル酸共重合体の市販品としては、メタクリル酸/メタクリル酸メチル共重合体(商品名:オイドラギットL100、オイドラギットS、エボニック社製)、メタクリル酸/アクリル酸エチル共重合体(商品名:オイドラギットL100−55、オイドラギットL30D55、エボニック社製)、アクリル酸メチル/メタクリル酸メチル/メタクリル酸コポリマー(商品名:オイドラギットFS30D、エボニック社製)等が挙げられる。
水系腸溶性高分子は、水溶液又は水分散液として噴霧可能な腸溶性高分子を示す。上記腸溶性高分子のうち、水系腸溶性高分子としては、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、メタクリル酸/アクリル酸エチル共重合体、アクリル酸メチル/メタクリル酸メチル/メタクリル酸コポリマーが挙げられる。
腸溶性膜は、その目的に応じて、いずれかの成分を1種単独で使用してもよく、性質が同様の2種以上又は性質の異なる2種以上の成分を組み合わせて使用してもよい。また、2種以上の成分を組み合わせて用いる場合には、例えば多層構造の形になるように使用することもできる。
腸溶性層の含有量は、細粒の全質量に対して、5質量%〜70質量%、10質量%〜60質量%、15質量%〜50質量%等にすることができる。
胃溶性膜としては、酸性水溶液中では溶解し、塩基性水溶液中では溶解しない成分で形成されていれば特に制限されることはなく、例えば、胃溶性ポリビニル誘導体又は胃溶性(メタ)アクリル酸共重合体等を用いた膜が挙げられる。
胃溶性ポリビニル誘導体としては、例えば、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート等が挙げられ、胃溶性(メタ)アクリル酸共重合体としては、例えば、メタアクリル酸メチル/メタアクリル酸ブチル/メタアクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、メタクリル酸メチル/メタクリル酸ジエチルアミノエチル共重合体等が挙げられる。
胃溶性ポリビニル誘導体及び胃溶性(メタ)アクリル酸共重合体としては、市販品を用いることもできる。胃溶性ポリビニル誘導体の市販品としては、例えば、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート(商品名:AEA、三菱化学フード(株)製)等が挙げられる。胃溶性(メタ)アクリル酸共重合体の市販品としては、例えば、メタクリル酸メチル/メタクリル酸ブチル/メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体(商品名:オイドラギットE100、エボニック社製)、メタクリル酸メチル/メタクリル酸ジエチルアミノエチル共重合体(商品名:Kollicoat Smartseal 30D、BASF社製)等が挙げられる。
胃溶性膜は、その目的に応じて、いずれかの成分を1種単独で使用してもよく、性質が同様の2種以上又は性質の異なる2種以上の成分を組み合わせて使用してもよい。また、2種以上の成分を組み合わせて用いる場合には、例えば多層構造の形になるように使用することもできる。
胃溶性膜の含有量は、細粒の全質量に対して、5質量%〜70質量%、10質量%〜60質量%、15質量%〜50質量%等にすることができる。
水溶性膜としては、膜を20℃の水に浸漬した後、一定時間経過後に水に溶解する水溶性高分子で形成された膜であれば特に制限はない。ここで、一定時間とは、水溶性膜に求められる溶解時間に応じて適宜設定することができるが、例えば、0時間〜48時間、0時間〜24時間、0時間〜12時間が挙げられる。
水溶性高分子としては、具体的には、水溶性セルロース誘導体、水溶性ビニルポリマー誘導体、水溶性(メタ)アクリル酸共重合体、多価アルコールポリマー又はこれらの共重合体が挙げられる。好ましくは、水溶性セルロース誘導体及び水溶性ビニルポリマー誘導体が挙げられ、より好ましくは水溶性セルロース誘導体が挙げられる。
より具体的には、水溶性セルロース誘導体としては、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースが挙げられる。水溶性ビニルポリマー誘導体としては、ポリビニルアルコール又はポリビニルピロリドン等が挙げられる。水溶性(メタ)アクリル酸共重合体としては、アクリル酸ポリマー、アクリル酸エステルポリマー、又はメタクリル酸エステルポリマー等が挙げられる。多価アルコールポリマーとしては、マクロゴール又はポリグリセリン等が挙げられる。これらのポリマーの共重合体としては、ポリビニルアルコール/アクリル酸/メタクリル酸メチル共重合体、ポリエチレングリコールポリビニルアルコールグラフト共重合体、ビニルピロリドン/ビニルアルコール共重合体等が挙げられる。
水溶性高分子の共重合体は、市販品を用いることもできる。市販品の例としては、ポリビニルアルコール/アクリル酸/メタクリル酸メチル共重合体(商品名:POVACOAT、大同化成製工業(株)製)、ポリエチレングリコール/ポリビニルアルコールグラフト共重合体(商品名:Kollicoat IR、BASF社製)、ビニルピロリドン/ビニルアルコール共重合体(商品名:Kollicoat VA64、BASF社製)等が挙げられる。
また、水溶性高分子としては、微粒子コーティングに適した粘度や結着性の観点から、水溶性セルロース誘導体である、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びヒドロキシプロピルセルロースが好ましい。
水溶性セルロース誘導体は、市販品を用いることもできる。水溶性セルロース誘導体の市販品としては、メチルセルロース(商品名:METROSE SM、信越化学工業(株))、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(商品名:TC−5、信越化学工業(株))、ヒドロキシプロピルセルロース(商品名:HPC、日本曹達(株)製)等が挙げられる。
水不溶性膜は、その目的に応じて、いずれかの成分を1種単独で使用してもよく、性質が同様の2種以上又は性質の異なる2種以上の成分を組み合わせて使用してもよい。また、2種以上の成分を組み合わせて用いる場合には、例えば多層構造の形になるように使用することもできる。
水溶性膜の含有量は、細粒の全質量に対して、5質量%〜70質量%、10質量%〜60質量%、15質量%〜50質量%等にすることができる。
水不溶性膜としては、水不溶性セルロースエーテル、水不溶性(メタ)アクリル酸共重合体等を用いた膜が挙げられる。水不溶性セルロースエーテルとしては、エチルセルロース等が挙げられる。水不溶性(メタ)アクリル酸共重合体としては、アクリル酸エチル/メタクリル酸メチル/メタクリル酸塩化トリメチルアンモニウムエチル共重合体、アクリル酸エチル/メタクリル酸メチル共重合体分散液等が挙げられる。
水不溶性膜としては、市販品を用いることもできる。水不溶性セルロースエーテルの市販品としては、エチルセルロース水分散液(商品名:Aquacoat ECD、FMC社製)等が挙げられる。水不溶性(メタ)アクリル酸共重合体の市販品としては、アクリル酸エチル/メタクリル酸メチル/メタクリル酸塩化トリメチルアンモニウムエチル共重合体(商品名:オイドラギットRS、エボニック社製)、アクリル酸エチル/メタクリル酸メチル共重合体分散液(商品名:オイドラギットNE30D、エボニック社製)等が挙げられる。
水不溶性膜は、その目的に応じて、いずれかの成分を1種単独で使用してもよく、性質が同様の2種以上又は性質の異なる2種以上の成分を組み合わせて使用してもよい。また、2種以上の成分を組み合わせて用いる場合には、例えば多層構造の形になるように使用することもできる。
水不溶性膜の含有量は、細粒の全質量に対して、5質量%〜70質量%、10質量%〜60質量%、15質量%〜50質量%等にすることができる。
溶出制御膜は、その目的に応じて、上記膜成分から性質の異なる2種以上の成分を組み合わせて使用してもよい。また、2種以上の成分を組み合わせて用いる場合には、例えば多層構造の形になるように使用することもできる。
2層以上の溶出制御膜を設ける場合には、組成等を変えた複数の溶出制御膜コーティング液を、それぞれの溶出制御膜コーティング液ごとに複数回に分けて、薬物又は薬物及び他の成分の複合成分に噴霧すればよい。
溶出制御膜は、高分子の他に、本発明の効果を阻害しない範囲で、他の成分を含んでいてもよい。他の成分としては、賦形剤、結合剤、滑沢剤、流動化剤、可塑剤等を含んでいてもよい。
賦形剤、結合剤、滑沢剤又は流動化剤の具体例としては、薬物含有核の項で説明した各成分と同様の成分が挙げられる。
可塑剤としては、クエン酸トリエチル、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリブチル等が挙げられる。
溶出制御膜が薬物含有核を被覆した形態とは、薬物含有核の表面の少なくとも一部に溶出制御膜が存在している状態であればよい。溶出制御膜が、薬物含有核の表面の1/4以上を被覆していることが好ましく、1/2以上を被覆していることがより好ましい。また、溶出制御膜が薬物含有核の表面の全体を被覆していることが最も好ましい。
薬物含有核を溶出制御膜で被覆する際の溶出制御膜の被覆量は、薬物含有核が溶出制御膜で被覆された形態になる量であれば特に制限されない。例えば、薬物含有核の被覆に用いる溶出制御膜の質量は、薬物含有核の全質量に対して、0.05倍量〜15倍量、0.1倍量〜10倍量、又は0.15倍量〜5倍量であることが挙げられる。
また、溶出制御膜の形成に際しては、例えば、薬物含有核の全質量に対して、質量基準で、0.05倍量〜15倍量、0.1倍量〜10倍量、又は0.15倍量〜5倍量の質量の溶出制御膜が含む成分を、薬理学的に許容される溶媒に溶解又は懸濁して、薬物含有核に噴霧すればよい。
細粒は、薬物含有核、溶出制御膜の他、薬理学的に許容し得る製剤用添加物を含有することができる。
製剤用添加物としては、結合剤、賦形剤、滑沢剤、崩壊剤等の他、甘味剤、矯味剤、流動化剤、香料、着色料等の医薬品の製造に一般的に用いられる製剤用添加物として公知の成分が挙げられる。
なお、製剤用添加物として公知の成分としては、結合剤、賦形剤、滑沢剤、崩壊剤等として機能し得る成分が挙げられ、1の成分が2以上の機能を担うものであってもよい。
薬理学的に許容し得る製剤用添加物は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用して用いてもよい。
薬理学的に許容し得る製剤用添加物の含有量は、薬物の種類、含有量、1日投与量、粒子径等を考慮して、適宜決定することができる。
細粒の平均粒子径は、50μm〜1mmであることが好ましく、150μm〜750μmであることがより好ましく、200μm〜500μmであることがさらに好ましい。
細粒は、薬物含有核を造粒し、造粒した薬物含有核を溶出制御膜で被覆するものであればよい。細粒は、例えば、薬物含有核を造粒し、造粒した薬物含有核を溶出制御膜で被覆する等公知の方法に従い調製することができる。
薬物含有核を造粒する方法、造粒した薬物含有核を溶出制御膜で被覆する方法等は特に制限されず、公知の方法を用いることができる。具体的には、薬物含有核を造粒する方法としては、流動層造粒法、撹拌造粒法、噴霧乾燥造粒法、圧縮造粒法及び破砕造粒法等が挙げられる。また、薬物含有核を溶出制御膜で被覆する方法としては、流動層造粒法、撹拌造粒法等が挙げられる。
流動層造粒法に使用しうる造粒機としては、例えば、流動層造粒機(製品名:FD−MP−01、パウレック(株)製)、フローコーター(製品名:FL−1、フロイント産業(株)製)等が挙げられる。
≪噴霧乾燥により製造された賦形剤と結合剤とを含有する造粒物≫
本発明にかかる口腔内崩壊錠は、細粒の他に、噴霧乾燥により製造された賦形剤と結合剤とを含有する造粒物(以下、「噴霧乾燥賦形剤造粒物」とも称する。)を含む。
本発明にかかる噴霧乾燥賦形剤造粒物は、後述する噴霧乾燥により製造された賦形剤を、結合剤を用い造粒して得られる成分である。
本発明にかかる噴霧乾燥賦形剤造粒物に含まれる結合剤は、造粒工程において粉末同士の結合を促進する機能を有するものであれば特に制限されることはない。
結合剤としては、例えば、薬物含有核に含まれる結合剤として記載した成分を用いることが出来る。また、薬物含有核に含まれる賦形剤、崩壊剤、として記載した成分も、水等の溶媒に溶解又は懸濁させたものを噴霧することで結合剤として用いることが出来る。さらに、溶出制御膜として記載した各種高分子も、造粒における結合剤として用いることが出来る。
噴霧乾燥賦形剤造粒物は、後述する噴霧乾燥により製造された賦形剤及び結合剤以外の他の成分を含んでいてもよい。口腔内崩壊錠を作製する際の圧縮成型性の向上という観点から、噴霧乾燥賦形剤造粒物は、後述する噴霧乾燥により製造された賦形剤及び結合剤以外の他の成分として、結晶セルロースを含有することが好ましい。
噴霧乾燥により製造された賦形剤及び結合剤以外の他の成分の含有量としては、噴霧乾燥賦形剤造粒物の全質量に対して70質量%以下であることが好ましく、60質量%以下であることがより好ましく、50質量%以下であることが更に好ましい。
本発明にかかる口腔内崩壊錠の全質量に対して、細粒の含有割合が約40質量%以上の口腔内崩壊錠を作製する場合には、噴霧乾燥賦形剤造粒物に、結晶セルロースを含有することが好ましい。
具体的には、噴霧乾燥により製造された賦形剤と結合剤とを含有する造粒物の全質量に対して、5質量%〜50質量%の結晶セルロースを含有することが好ましく、10質量%〜30質量%の結晶セルロースを含有することがより好ましい。
噴霧乾燥賦形剤造粒物は、噴霧乾燥により製造された賦形剤及び結合剤、結晶セルロース等を用いて、常法に従い造粒して得ることができる。
例えば、流動層造粒法、攪拌造粒法等の方法で製造することができる。中でも、噴霧乾燥により製造された賦形剤中のポーラスな構造を破壊することなく造粒することが可能であるため、流動層造粒法により造粒することが好ましい。
噴霧乾燥賦形剤造粒物は、例えば、特開2008−7420号公報、特許3470096等に記載の方法に従い製造することができる。
噴霧乾燥賦形剤造粒物の平均粒子径は、50μm〜500μmであることが好ましく、75μm〜400μmであることがより好ましく、100μm〜300μmであることがさらに好ましい。
噴霧乾燥賦形剤造粒物の含有量は、細粒の全質量に対して、20質量%〜250質量%であることが好ましく、40質量%〜200質量%であることがより好ましく、60質量%〜150質量%であることが更に好ましい。
噴霧乾燥賦形剤造粒物の含有量は、口腔内崩壊錠の全質量に対し、10質量%〜90質量%であることが好ましく、20質量%〜80質量%であることがより好ましく、30質量%〜70質量%であることが更に好ましい。
噴霧乾燥賦形剤造粒物に含まれる噴霧乾燥により製造された賦形剤は、いずれかの種類を1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
<噴霧乾燥により製造された賦形剤>
本発明にかかる噴霧乾燥により製造された賦形剤(以下、単に「噴霧乾燥賦形剤」とも称する。)は、薬理学的に許容し得る製剤用添加物からなる、噴霧乾燥によって製造された賦形剤を指す。
本発明にかかる噴霧乾燥賦形剤は、少なくとも、1種の糖又は糖アルコールを含有することが好ましく、糖又は糖アルコール、無機物、及び崩壊剤からなる群より選ばれる、2種類以上の成分を含むことがより好ましい。
噴霧乾燥賦形剤に含まれる糖又は糖アルコールとしては、薬物含有核の項で説明した事項をそのまま適用する。
中でも、薬物との反応性が低く、溶解も速やかである、マンニトールや乳糖を含むことが好ましい。
噴霧乾燥賦形剤として用いられる糖又は糖アルコールは、いずれかの種類を1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
噴霧乾燥賦形剤に含まれる無機物としては、薬理学的に許容される無機酸化物、リン酸塩、ケイ酸塩、炭酸塩、水酸化物等が挙げられる。
具体的には、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、リン酸水素カルシウム、無水リン酸水素カルシウム、無水リン酸水素カルシウム造粒物、ハイドロタルサイト、ケイ酸アルミニウム、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミナマグネシウム、乾燥水酸化アルミニウムゲル、及び炭酸マグネシウム等が挙げられる。
より好ましくは、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、無水リン酸水素カルシウムが挙げられる。
噴霧乾燥賦形剤に含まれる無機物は、いずれかの種類を1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
噴霧乾燥賦形剤として用いられる崩壊剤としては、薬物含有核の項で説明した崩壊剤を用いることができるが、口腔内崩壊錠の速やかな崩壊を促すという観点から、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロースから選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
噴霧乾燥法は、常法に従い行えばよく、例えば、国際公開第2007/029376号明細書に記載の方法等に従えばよい。
噴霧乾燥賦形剤は、市販品を用いることもできる。市販品としては、パーテックM100、パーテックM200(D−マンニトール、いずれもMERCK社)、SuperTab 11SD、14SD、Lactopress Spray Dried(乳糖一水和物、いずれもDFE Pharma社)、エフメルト Type M(D−マンニトール/キシリトール/結晶セルロース/クロスポビドン/無水リン酸水素カルシウムの混合物)、Type C(D−マンニトール/キシリトール/結晶セルロース/クロスポビドン/メタケイ酸アルミン酸マグネシウムの混合物)、フジカリン(無水リン酸水素カルシウム)、ノイシリン(メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、タイプ:S1、S2、NS2N、US2、SG1、SG2)(いずれも富士化学工業(株)社)等が挙げられる。
(その他成分)
本発明の口腔内崩壊錠は、細粒及び噴霧乾燥により製造された賦形剤と結合剤とを含有する造粒物の他に、その他成分を含んでいてもよい。
その他成分としては、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、甘味剤、矯味剤、流動化剤、香料、着色料等の医薬品の製造に一般的に用いられる製剤用添加物として公知の成分を含有することができる。賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤等の成分としては、例えば、薬物含有核の項で説明した賦形剤に記載の事項をそのまま適用することができる。賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、甘味剤、矯味剤、流動化剤、香料、着色料等の成分は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用して用いてもよい。これら成分の含有量は、薬物の種類、含有量、1日投与量、粒子径等を考慮して、適宜決定することができる。
口腔内崩壊錠の大きさ及び形状は、医薬上許容されるものであれば特に限定されない。円形錠の場合は、直径7mm〜12mm、厚さ3.0mm〜7.0mm、好ましくは直径8mm〜11mm、厚さ3.5mm〜6.5mm等が挙げられ、変形錠の場合は、短径:4mm〜8mm、長径8mm〜18mm、好ましくは短径:4mm〜6.5mm、長径:8mm〜15mm等が挙げられ、厚さ3.0mm〜7.0mm、好ましくは3.5mm〜6.5mm等が挙げられる。
口腔内崩壊錠の硬度は、特に制限はないが、崩壊性、輸送安定性、自動分包機の利用性等の観点から、錠剤硬度計で測定した硬度(N)を錠剤断面積(mm)で割った絶対硬度が、0.2N/mm〜4N/mmであることが好ましく、0.25N/mm〜3N/mmであることがより好ましく、0.3N/mm〜2N/mmであることがさらに好ましい。
なお、本発明においては、口腔内崩壊錠剤の硬度はSchleuniger社製の錠剤硬度計Model 8Mを用いて測定した。「絶対硬度」は、錠剤硬度計で測定した硬度を、錠剤を縦方向に二分した断面積(錠剤径(mm)×錠剤の厚み(mm))で割った値であり、以下の式で求めた。
絶対硬度(N/mm)=硬度(N)/断面積(mm
口腔内崩壊錠の崩壊時間は60秒以内であることが好ましく、30秒以内であることがより好ましく、20秒未満であることがさらに好ましい。
本明細書においては、崩壊性は、崩壊試験機NT−200(富山産業製)を用いて、日本薬局方に従い崩壊時間を測定する。
口腔内崩壊錠を製造する方法は、特に制限されず、公知の方法を用いることができる。例えば、薬物を含む薬物含有核、及び、溶出制御膜を含む細粒と、本発明にかかる噴霧乾燥賦形剤造粒物とを、混合して、混合物を得て、得られた混合物を打錠機で打錠することにより口腔内崩壊錠を得ることができる。
細粒と本発明にかかる噴霧乾燥賦形剤造粒物とを混合する方法は特に制限されない。例えば、V型混合器(筒井理化学器械(株)製)、流動層造粒機(パウレック(株)製)等の公知の混合器を用いて混合することができる。
また、得られた混合物を打錠する方法も特に制限されるものではない。例えば、ロータリー打錠機(製品名HT−P18A、(株)畑鉄工所製)、高速回転式錠剤機(製品名:AQUARIUS G、菊水製作所(株)製)等の公知の打錠機を用いて打錠することができる。
≪口腔内崩壊錠の製造方法≫
本発明の口腔内崩壊錠の製造方法は、薬物含有核を溶出制御膜で被覆して細粒を得ること(以下、「細粒調製工程」ともいう。)、噴霧乾燥により製造された賦形剤を、結合剤を用いてさらに造粒し、噴霧乾燥により製造された賦形剤と結合剤とを含有する造粒物を得ること(以下、「噴霧乾燥賦形剤造粒物調製工程」ともいう。)、細粒と噴霧乾燥により製造された賦形剤と結合剤とを含有する造粒物とを混合して混合物を得ること(以下、「混合物調製工程」ともいう。)、及び、混合物を打錠すること(以下、「打錠工程」ともいう。)、を含む口腔内崩壊錠の製造方法。
本発明の口腔内崩壊錠の製造方法は、細粒調製工程と、噴霧乾燥賦形剤造粒物調製工程とを含むことで、低い打錠圧で圧縮しても、口腔内崩壊錠に求められる適度な硬度を示し得る口腔内崩壊錠を製造し得る。
なお、本発明の口腔内崩壊錠の製造方法において、細粒調製工程及び噴霧乾燥賦形剤造粒物調製工程は、それぞれ独立に行えばよい。細粒調製工程により得た細粒と、噴霧乾燥賦形剤造粒物調製工程により得た噴霧乾燥により製造された賦形剤と結合剤とを含有する造粒物とを用いて、混合物調製工程及び打錠工程を経て口腔内崩壊錠を製造することができる。なお、混合物調製工程及び打錠工程は独立して行ってもよく、連続して行ってもよい。また、噴霧乾燥賦形剤造粒物調製工程は細粒調製工程と連続して行うこともできる。この場合、細粒調製工程にて調製した細粒と噴霧乾燥賦形剤とを同じ造粒容器に投入し、造粒すればよく、混合工程において細粒と噴霧乾燥賦形剤造粒物とを混合する工程を省略することが出来る。
本発明の口腔内崩壊錠の製造方法は、必要に応じて更に他の工程を含んでもよい。
<細粒調製工程>
本発明の口腔内崩壊錠の製造方法における細粒調製工程では、薬物含有核を溶出制御膜で被覆して細粒を調製する。
細粒調製工程において、薬物含有核を溶出制御膜で被覆する方法としては、薬物含有核が溶出制御膜で覆われた形態をとるように被覆し得るものであれば、その方法は特に制限されない。被覆方法としては、例えば、流動層造粒法、撹拌造粒法等が挙げられる。
なお、薬物含有核及び溶出制御膜としては、口腔内崩壊錠の項で説明した事項をそのまま適用する。
薬物含有核が溶出制御膜で覆われた形態とは、溶出制御膜が薬物含有核の表面の少なくとも一部に存在している状態であればよい。溶出制御膜が薬物含有核の表面の1/4以上を被覆していることが好ましく、1/2以上を被覆していることがより好ましい。また、溶出制御膜が薬物含有核の表面の全体を被覆していることが最も好ましい。
流動層造粒法により薬物含有核を溶出制御膜で被覆する場合には、例えば、水、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、アセトン、ジエチルエーテル等の薬理学的に許容される溶媒に、溶出制御膜が含む成分等を溶解、分散又は懸濁した液を、薬物含有核に噴霧すればよい。
薬理学的に許容される溶媒に溶出制御膜が含む成分等を溶解、分散又は懸濁する方法としては、公知の方法に従えばよい。
溶出制御膜が含む成分を溶解、分散又は懸濁した液を薬物含有核に噴霧する量は、薬物含有核が溶出制御膜で覆われた形態になる量であれば特に制限されない。例えば、薬物含有核に対して、質量基準で、0.05倍〜15倍、0.1倍〜10倍、又は0.15倍〜5倍の質量の溶出制御膜が含む成分を、薬理学的に許容される溶媒に溶解、分散又は懸濁して、薬物含有核に噴霧すればよい。
噴霧速度、噴霧時間、噴霧液温度又は乾燥条件等は、溶出制御膜が含む成分又は溶媒の種類等により適宜設定すればよい。
流動層造粒機としては、例えば、流動層造粒機(製品名:FD−MP−01、パウレック(株)製)、フローコーター(製品名:FL−1、フロイント産業(株)製)等が挙げられる。
細粒調製工程で得られた細粒の平均粒子径は、50μm〜1mmであることが好ましく、150μm〜750μmであることがより好ましく、200μm〜500μmであることがさらに好ましい。
<噴霧乾燥賦形剤造粒物調製工程>
本発明の口腔内崩壊錠の製造方法における噴霧乾燥賦形剤造粒物調製工程では、噴霧乾燥により製造された賦形剤を、結合剤を用いてさらに造粒し、噴霧乾燥賦形剤造粒物を調製する。
噴霧乾燥により製造された賦形剤を、結合剤を用いてさらに造粒する方法としては、結合液等の液体を噴霧することにより粒子を形成する湿式造粒法を採用する。
湿式造粒法としては、例えば、流動層造粒法、攪拌造粒法、及び噴霧乾燥法等が挙げられる。
中でも、噴霧乾燥賦形剤噴霧乾燥により製造された賦形剤を、結合剤を用いてさらに造粒する方法としては、流動層造粒法が好ましい。
流動層造粒法としては、具体的には、転動流動層造粒法、噴流流動層造粒法等が挙げられる。
噴霧乾燥により製造された賦形剤を、結合剤を用いてさらに造粒する際の具体的な条件等は、造粒方法、噴霧乾燥賦形剤の種類、量、結合剤の種類、量等により適宜決定すればよい。
以下、噴霧乾燥により製造された賦形剤を、結合剤を用いてさらに造粒する方法として、流動層造粒法を採用した場合を例に挙げて説明する。本発明にかかる噴霧乾燥賦形剤噴霧乾燥により製造された賦形剤を、結合剤を用いてさらに造粒する方法はこれに限定されるものではない。
噴霧乾燥賦形剤造粒物調製工程においては、例えば、噴霧乾燥により製造された賦形剤と結合剤とを流動層造粒機に投入し、さらに結合液を噴霧して造粒を行えばよい。また、噴霧乾燥により製造された賦形剤と結合剤とを流動層造粒機に投入し、水等の溶媒を噴霧することで造粒を行うことも出来る。
噴霧乾燥賦形剤の投入方法は特に制限されるものではなく、公知の方法に従えばよい。 流動層造粒機への噴霧乾燥により製造された賦形剤及び結合剤の投入は、一度に行ってもよく、複数回に分けて行ってもよい。複数回に分けて行う場合には、流動層造粒機内に噴霧乾燥により製造された賦形剤及び結合剤を断続的又は連続的に投入すればよい。
また、噴霧乾燥賦形剤造粒物調製工程においては、噴霧乾燥により製造された賦形剤と結合剤との他に、結晶セルロース及びその他の成分等を流動層造粒機に投入してもよい。
より好ましくは、噴霧乾燥により製造された賦形剤と結合剤と、結晶セルロース及びその他の成分からなる群より選ばれる少なくとも1種とを用いて造粒物を得ることが挙げられ、更に好ましくは、噴霧乾燥により製造された賦形剤と結合剤と結晶セルロースとを用いて噴霧乾燥賦形剤造粒物を得ることが挙げられる。
結合液は水等の溶媒に結合剤を溶解又は懸濁させた液を用いればよい。結合液の流動層造粒機内への噴霧方法は、特に制限されるものではなく、公知の方法に従えばよい。
結合液の噴霧量は、流動層造粒機に投入する噴霧乾燥賦形剤の種類や量に応じて調整すればよい。
流動層造粒機としては、例えば、流動層造粒機(製品名:FD−MP−01、パウレック(株)製)、フローコーター(製品名:FL−1、フロイント産業(株)製)等が挙げられる。
噴霧乾燥により製造された賦形剤の詳細については、口腔内崩壊錠の項で説明した事項をそのまま適用する。
結合液としては、特に制限されるものではなく、湿式造粒法に使用される公知の結合液を用いることができる。
結合液としては、例えば、水又は有機溶媒をそのまま利用してもよいし、水又は有機溶媒に、結合剤を溶解、又は懸濁させたものを利用してもよい。
有機溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、アセトン、ジエチルエーテル等が挙げられる。
噴霧乾燥賦形剤造粒物調製工程で用いる結合剤は、造粒工程において粉末同士の結合を促進する機能を有するものであれば特に制限されることはなく、噴霧乾燥により製造された賦形剤と結合剤とを含有する造粒物の項で説明した事項をそのまま適用する。
中でも、結合力が弱く口腔内崩壊錠が速やかに崩壊するという観点から、マンニトールや乳糖等が、崩壊性も有するため口腔内崩壊錠が速やかに崩壊するという観点から、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース等が好ましい。
結合液としては、結合剤を、溶媒の全質量に対して1質量%〜30質量%添加した結合液、2質量%〜25質量%添加した結合液、3質量%〜20質量%添加した結合液等が挙げられる。
また、結合液は結合剤の他にも、滑沢剤、流動化剤等を含有していてもよい。
滑沢剤、流動化剤としては、薬物含有核の項で説明した滑沢剤、流動化剤と同様のものが挙げられる。
噴霧乾燥賦形剤造粒物調製工程で得られた噴霧乾燥賦形剤造粒物の平均粒子径は、50μm〜500μmであることが好ましく、75μm〜400μmであることがより好ましく、100μm〜300μmであることがさらに好ましい。
<混合工程>
本発明の口腔内崩壊錠の製造方法における混合工程では、細粒と噴霧乾燥により製造された賦形剤と結合剤とを含有する造粒物とを混合して、混合物を調製する。
また、混合工程においては、細粒と噴霧乾燥により製造された賦形剤と結合剤とを含有する造粒物とに加えて、その他成分の項で説明した製剤用添加物を混合してもよい。
混合工程において、細粒と、噴霧乾燥により製造された賦形剤と結合剤とを含有する造粒物とを混合する方法としては、各成分を混合することができれば、その混合方法は特に制限されない。
混合方法としては、例えば、V型混合器(筒井理化学器械(株)製)等の公知の混合器を用いて、混合することが挙げられる。
混合に要する時間等の混合条件は、細粒及び噴霧乾燥により製造された賦形剤と結合剤とを含有する造粒物の量、種類等により適宜調製することができる。
<打錠工程>
本発明の口腔内崩壊錠の製造方法における打錠工程では、混合工程により得られた混合物を打錠して、口腔内崩壊錠を調製する。
打錠工程において、得られた混合物を打錠する方法としては、この目的で一般に適用されている方法をそのまま適用すればよく、特に制限はない。
打錠する際の打錠圧は特に制限されるものではないが、150N/mm以下の打錠圧で混合物を打錠することが好ましく、120N/mm以下であることが好ましく、100N/mm以下であることがより好ましい。
また、打錠圧(N/mm)と本発明の口腔内崩壊錠の製造方法によって得られた錠剤の絶対硬度(N/mm)とが、打錠圧/絶対硬度が15以下であることが好ましい。
混合物を打錠する際の温度としては、特に制限はなく、例えば20℃〜40℃のような通常の温度条件を適用することができる。
打錠工程に適用しうる圧縮成型機としては、例えば、ロータリー打錠機(製品名HT−P18A、(株)畑鉄工所製)、高速回転式錠剤機(製品名:AQUARIUS G、菊水製作所(株)製)が挙げられる。
本発明の口腔内崩壊錠の製造方法により得られた口腔内崩壊錠の大きさ及び形状は医薬上許容されるものであれば特に限定されない。円形錠の場合は、直径7mm〜12mm、厚さ3.0mm〜7.0mm、好ましくは直径8mm〜11mm、厚さ3.5mm〜6.5mm等が挙げられ、変形錠の場合は、短径:4mm〜8mm、長径8mm〜18mm、好ましくは短径:4mm〜6.5mm、長径:8mm〜15mm等が挙げられ、厚さ3.0mm〜7.0mm、好ましくは3.5mm〜6.5mm等が挙げられる。
本発明の口腔内崩壊錠の製造方法により得られた口腔内崩壊錠の硬度は、特に制限はないが、崩壊性、輸送安定性、自動分包機の利用性等の観点から、錠剤硬度計で測定した硬度(N)を錠剤断面積(mm)で割った絶対硬度が、0.2N/mm〜4N/mmであることが好ましく、0.25N/mm〜3N/mmであることがより好ましく、0.3N/mm〜2N/mmであることがさらに好ましい。
本発明の口腔内崩壊錠の製造方法により得られた口腔内崩壊錠の崩壊時間は60秒以内であることが好ましく、30秒以内であることがより好ましく、20秒未満であることがさらに好ましい。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は質量基準である。
(実施例1)
[腸溶細粒の製造]
以下のように薬物としてラベプラゾールナトリウムを含む、腸溶性ポリマーで被覆された腸溶細粒を製造した。
(1)原薬層コーティング細粒(薬物含有核)の製造
マンニトールの150μm〜250μmの球状顆粒(フロイント産業(株)製;ノンパレル108)600gを流動層造粒機(パウレック(株)製;MP−01(SPC))に仕込み、給気温度60℃、給気風量30m/h〜50m/h、液速約5g/minで調整し、予め調製した下記組成の原薬液全量を球状顆粒に噴霧コーティングした後、給気温度を80℃として30分間乾燥を行った。
50号の丸篩(300μm)と70号の丸篩(212μm)で篩過して原薬層コーティング細粒を得た。
[原薬液]
・ラベプラゾールナトリウム 240部
・ヒドロキシプロピルセルロース(タイプSSL、日本曹達(株)製)
72部
・水酸化ナトリウム 24部
・精製水 1264部
(2)中間層コーティング細粒の製造
前記原薬層コーティング細粒600gを流動層造粒機に仕込み、給気温度60℃、給気風量40m/h〜50m/h、液速約5g/minで調整し、予め調製した下記組成の中間層1コーティング液を874gと、中間層2コーティング液を1718gとを順に、原薬層コーティング細粒に噴霧コーティングした後、給気温度を80℃として30分間乾燥を行った。
42号の丸篩(355μm)と60号の丸篩(250μm)で篩過して中間層コーティング細粒を得た。
[中間層1コーティング液]
・ヒドロキシプロピルメチルセルロース(タイプ2910、粘度4.5mPa・s、信越化学工業(株)製) 50部
・タルク 20部
・マンニトール 50部
・水酸化ナトリウム 12部
・精製水 868部
[中間層2コーティング液]
・ヒドロキシプロピルメチルセルロース(タイプ2910、粘度4.5mPa・s)
90部
・タルク 36部
・マンニトール 90部
・精製水 1584部
(3)中間層コーティング細粒(2)の製造
中間層コーティング細粒600gを流動層造粒機に仕込み、給気温度50℃、給気風量30m/h〜40m/h、液速約6g/minで調整し、予め調製した下記組成の中間層3コーティング液を477g噴霧コーティングした後、給気温度を80℃として30分間乾燥を行った。
36号の丸篩(425μm)と60号の丸篩(250μm)で篩過して中間層コーティング細粒(2)を得た。
[中間層3コーティング液]
・ヒドロキシプロピルメチルセルロース(タイプ2910、粘度4.5mPa・s)
25部
・タルク 10部
・塩化カルシウム 25部
・軽質無水ケイ酸 25部
・精製水 415部
(4)腸溶細粒の製造
中間層コーティング細粒(2)500gを流動層造粒機に仕込み、給気温度60℃、給気風量50m/h〜70m/h、液速5〜10g/minで調整し、予め調製した下記組成の腸溶層1コーティング液を677gと、腸溶層2コーティング液を5114gと、マンニトール液を509gとを順に中間層コーティング細粒(2)に噴霧コーティングした後、給気温度60℃のまま60分間乾燥し、さらに給気温度を80℃として60分間乾燥を行った。
30号の丸篩(500μm)と42号の丸篩(355μm)で篩過して腸溶細粒を得た。
[腸溶層1コーティング液]
・メタクリル酸コポリマーLD(30w/w%水分散液) 266.7部
・アクリル酸エチル/メタクリル酸メチル コポリマー分散液(30w/w%水分散液)
66.7部
・マクロゴール6000 10部
・モノステアリン酸グリセリン 6部
・ポリソルベート80 1.5部
・無水クエン酸 0.025部
・精製水 422部
[腸溶層2コーティング液]
・メタクリル酸コポリマーLD(30w/w%水分散液) 266.7部
・アクリル酸エチル/メタクリル酸メチル コポリマー分散液(30w/w%水分散液)
66.7部
・マクロゴール6000 10部
・モノステアリン酸グリセリン 6部
・ポリソルベート80 1.5部
・無水クエン酸 0.025部
・黄色三二酸化鉄 0.1部
・精製水 237部
[マンニトール液]
・マンニトール 14部
・精製水 86部
[噴霧乾燥賦形剤造粒物の製造]
(5)噴霧乾燥賦形剤造粒物の製造
マンニトール(メルク社製;Parteck M100)40g、D−マンニトール/キシリトール/結晶セルロース/クロスポビドン/無水リン酸水素カルシウムの混合物(富士化学工業(株)製;エフメルトTypeC)280g、結晶セルロース(旭化成ケミカルズ(株)製;結晶セルロース KG−1000)40g、を流動層造粒機(パウレック(株)製;MP−01(FD))に仕込み、給気温度50〜80℃、給気風量20〜50m/h、液速5〜10g/minで調製し、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース84gを精製水1316gに分散させた液を667g噴霧し造粒した。
[混合及び打錠]
(6)口腔内崩壊錠の製造
腸溶細粒40部、噴霧乾燥賦形剤造粒物57.55部、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム(富士化学工業(株);ノイシリン UFL2)2部、ステアリン酸マグネシウム(太平化学産業(株)製)を量り取り、V型混合機(筒井理化学器械(株)製)を用いて45rpmで30分間混合して打錠末を得た。この打錠末575mgを、打錠機(畑鐵工所(株)製;HT−P18A)を用いて、11.0mmφ、2段R面の杵で打錠し、硬度約50Nの錠剤(口腔内崩壊錠)を得た。
(実施例2、3、4、比較例1、2)
実施例1と同様の方法で添加物の種類及び比率を変えた賦形剤造粒物を製造し、腸溶細粒及びその他添加物と混合し打錠末を得た。実施例1と同様の条件にて約50Nの硬度となるように打錠した。
実施例1〜4及び比較例1、2の処方及び錠剤重量、錠剤径、剤厚、硬度、絶対硬度、打錠圧、崩壊試験における崩壊時間を表1に示す。表1中の処方量が斜体となっているものは水溶液又は水懸濁液として噴霧したことを示す。
表中、賦形剤造粒物中の組成における数値の単位は質量部を示し、錠剤処方中の腸溶細粒、賦形剤造粒物及び後末の混合比は質量%を示す。表中、SD賦形剤は噴霧乾燥賦形剤を、SD賦形剤造粒物は噴霧乾燥賦形剤造粒物を、後末は腸溶細粒及び賦形剤とは別に混合行程にて加えた添加物であることを示す。以下同様である。
実施例1〜4は噴霧乾燥により製造された賦形剤を含む賦形剤をさらに造粒した造粒賦形剤と、腸溶細粒を混合して打錠した錠剤である。約490kgf(51N/mm)から約680kgf(71N/mm)の打錠圧で約50Nの硬度の錠剤を得られた。
実施例1〜4の崩壊時間はいずれも20秒であり、良好な崩壊性を有する口腔内崩壊錠であった。
なお、崩壊性は、崩壊試験機NT−200(富山産業製)を用いて、局方に従い崩壊時間を測定した。
一方、比較例1、2は噴霧乾燥により製造された賦形剤を含まない賦形剤を造粒した造粒賦形を用いた錠剤である。約50Nの硬度の錠剤を得るのに、約800kgf以上の打錠圧が必要であった。比較例1及び比較例2の崩壊時間はいずれも20秒以内であり、良好な崩壊性を有する口腔内崩壊錠であった。
噴霧乾燥賦形剤を含む賦形剤を造粒した場合には、噴霧乾燥賦形剤を含まない賦形剤を造粒した場合に比べ、低い打錠圧で同程度の硬度を持つ口腔内崩壊錠を得られた。

(実施例5、6、7)
実施例1と同様の方法で添加物の種類及び比率を変えた噴霧乾燥賦形剤造粒物を製造した。腸溶細粒には、実施例1に記載のものから中間層3を除いた、実施例1に記載の腸溶細粒に類似の腸溶細粒を用いた。左記腸溶細粒120部、賦形剤造粒物180部、ステアリン酸マグネシウム2部を量り取り、V型混合機を用いて45rpmで30分間混合して打錠末を得た。この打錠末300mgを、打錠機を用いて、9.0mmφ、1段R面の杵で打錠し、硬度約40Nの錠剤(口腔内崩壊錠)を得た。
(比較例3、4)
比較例3では、実施例5に使用した腸溶細粒120部、D−マンニトール/キシリトール/結晶セルロース/クロスポビドン/無水リン酸水素カルシウムの混合物(富士化学工業(株)製;エフメルトTypeC)180部、ステアリン酸マグネシウム2部を量り取り、実施例5と同様に混合して打錠末を得た。比較例4では、実施例5に使用した腸溶細粒120部、実施例7と同様の添加物で造粒していないものを180部、ステアリン酸マグネシウム2部を量り取り、実施例5同様に混合して打錠末を得た。いずれも実施例5と同様の条件にて約40Nの硬度となるように打錠した。
実施例5〜7及び比較例3、4の処方及び錠剤重量、錠剤径、剤厚、硬度、絶対硬度、打錠圧、崩壊試験における崩壊時間を表2に示す。表2中の処方量が斜体となっているものは水溶液又は水懸濁液として噴霧したことを示す。斜体の添加物がないものは造粒していないことを示す。
実施例5は多種類の成分を含む噴霧乾燥賦形剤(エフメルト)を造粒して打錠した錠剤であり、実施例6は、噴霧乾燥賦形剤を結晶セルロースと共に造粒して打錠した錠剤である。いずれも500kgf台の打錠圧で約40Nの硬度の錠剤を得られた。実施例7はマンニトール単一成分からなる噴霧乾燥賦形剤を造粒して打錠した錠剤である。約650kgf(101N/mm)の打錠圧で約40Nの硬度の錠剤を得られた。実施例5〜7の崩壊時間はいずれも20秒以内であり、良好な崩壊性を有する口腔内崩壊錠であった。
一方、比較例3は多種類の添加物を含む噴霧乾燥賦形剤(エフメルト)を造粒せずに打錠した錠剤、比較例4は実施例7と同様の添加物を造粒せずに打錠した錠剤である。約40Nの硬度の錠剤を得るのに、いずれも約700kgf(108N/mm)以上の打錠圧が必要であった。比較例3及び比較例4の崩壊時間はいずれも20秒以内であり、良好な崩壊性を有する口腔内崩壊錠であった。
噴霧乾燥賦形剤が多種類の成分を含むか単一の成分からなるかにかかわらず、噴霧乾燥賦形剤を造粒して打錠した場合には、噴霧乾燥賦形剤を造粒せず打錠した場合に比べ、低い打錠圧で同程度の硬度を持つ口腔内崩壊錠を得られた。

(実施例8、9、10)
実施例1と同様の方法で添加物の種類及び比率を変えた賦形剤造粒物を製造した。腸溶細粒には、実施例1に記載のものから中間層3中の軽質無水ケイ酸を除いた、実施例1に記載の腸溶細粒に類似の腸溶細粒を用いた。左記腸溶細粒60部、賦形剤造粒物36.9部、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム(富士化学工業(株);ノイシリン UFL2)2部、スクラロース(三栄減エフ・エフ・アイ(株)製)0.5部、香料(高砂香料工業(株)製;ストロベリーミクロン)0.1部、フマル酸ステアリルナトリウム(JRS PHARMA社製;PRUV)0.5部を量り取り、ガラス瓶中で十分に混合して打錠末を得た。この打錠末320mgを、打錠機(畑鐵工所(株)製;HT−P18A)を用いて、8.5mmφ、2段R面の杵で打錠し、硬度約40Nの錠剤(口腔内崩壊錠)を得た。
実施例8〜10の処方及び錠剤重量、錠剤径、剤厚、硬度、絶対硬度、打錠圧、崩壊試験における崩壊時間を表3に示す。表3中の処方量が斜体となっているものは水溶液又は水懸濁液として噴霧したことを示す。
実施例8〜10は腸溶細粒を錠剤の60重量%含み、賦形剤の比率が少ない錠剤である。実施例8〜10の賦形剤造粒物は、この順にそれぞれ結晶セルロースを10、20、30重量%含む。実施例10では約500kgf(86N/mm)の打錠圧で約39Nの硬度の錠剤を、実施例9では約620kgf(107N/mm)の打錠圧で37Nの硬度の錠剤を、実施例8では約910kgf(157N/mm)の打錠圧で約34Nの硬度の錠剤が得られた。実施例8〜10の崩壊時間はいずれも10秒以内であり、良好な崩壊性を有する口腔内崩壊錠であった。
腸溶細粒比率が高い錠剤においては、噴霧乾燥賦形剤を造粒する際に、結晶セルロースを多く含む方がより低い打錠圧で高い硬度を得られた。

2013年10月7日に出願された日本国特許出願2013−210564の開示は参照により本明細書に取り込まれる。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願、及び技術規格は、個々の文献、特許出願、及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。

Claims (16)

  1. 薬物含有核、及び、溶出制御膜を含む細粒と、
    噴霧乾燥により製造された賦形剤と結合剤とを含有する造粒物と、を含む口腔内崩壊錠であって、
    噴霧乾燥により製造された賦形剤と結合剤とを含有する造粒物が結晶セルロースを含有し、
    口腔内崩壊錠の全質量に対して、細粒の含有割合が40質量%以上であり、
    噴霧乾燥により製造された賦形剤と結合剤とを含有する造粒物の全質量に対して、結晶セルロース含有量が10質量%〜30質量%である、
    口腔内崩壊錠
  2. 噴霧乾燥により製造された賦形剤が、糖又は糖アルコールを含有する請求項1記載の口腔内崩壊錠。
  3. 噴霧乾燥により製造された賦形剤が、糖アルコールを含有する請求項1又は請求項に記載の口腔内崩壊錠。
  4. 2種以上の噴霧乾燥により製造された賦形剤を含むことを特徴とする請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の口腔内崩壊錠。
  5. 噴霧乾燥により製造された賦形剤が2種以上の成分を含む請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の口腔内崩壊錠。
  6. 溶出制御膜が、腸溶性高分子を含有する請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の口腔内崩壊錠。
  7. 溶出制御膜が、腸溶性(メタ)アクリル酸共重合体を含有する請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の口腔内崩壊錠。
  8. 薬物含有核が、プロトンポンプインヒビターを含有する請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の口腔内崩壊錠。
  9. 薬物含有核が、ベンズイミダゾール化合物又はその塩を含有する請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の口腔内崩壊錠。
  10. 薬物含有核が、ラベプラゾール又はラベプラゾールナトリウムを含有する請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の口腔内崩壊錠。
  11. 絶対硬度が0.2N/mm〜4N/mmである請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の口腔内崩壊錠。
  12. 口腔内崩壊時間が60秒以内である請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載の口腔内崩壊錠。
  13. 薬物含有核を溶出制御膜で被覆して細粒を得ること、
    噴霧乾燥により製造された賦形剤を、結合剤及び結晶セルロースを用いてさらに造粒して、噴霧乾燥により製造された賦形剤と結合剤と結晶セルロースとを、含有する造粒物を得ること、
    細粒と、得られた造粒物と、を混合して混合物を得ること、
    及び混合物を打錠すること、を含む口腔内崩壊錠の製造方法であって、
    口腔内崩壊錠の全質量に対して細粒を40質量%以上含有し、
    噴霧乾燥により製造された賦形剤と結合剤とを含有する造粒物が、造粒物の全質量に対して結晶セルロースを10質量%〜30質量%含有する、口腔内崩壊錠の製造方法
  14. 噴霧乾燥により製造された賦形剤を、結合剤及び結晶セルロースを用いてさらに造粒する方法において、流動層造粒法を用いる請求項13に記載の製造方法。
  15. 噴霧乾燥により製造された賦形剤が2種以上の賦形剤を含む請求項13又は請求項14に記載の製造方法。
  16. 打錠圧(N/mm)と得られた錠剤の絶対硬度(N/mm)が、打錠圧/絶対硬度が15以下となる、請求項13〜請求項15のいずれか1項に記載の製造方法。
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