JP2015027981A - 腸溶性細粒及び医薬組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】腸液中における腸溶性細粒同士の凝集を抑制し、有効成分を速やかに溶出し得る腸溶性細粒及びそれを含む医薬組成物の提供。
【解決手段】酸に不安定な有効成分及びアルカリ性成分を含有する有効成分含有核と、有効成分含有核を被覆し、酸成分を含有する中間層と、中間層を被覆した腸溶層と、を有する腸溶性細粒及びそれを複数含む医薬組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、腸溶性細粒及びそれを複数含む医薬組成物に関する。
口腔内崩壊錠は、服用後速やかに、口腔内で溶解又は崩壊する経口製剤である。
有効成分が酸に不安定な場合には、胃液のような低pH溶液中では溶解せずに、腸液のような中性付近のpH溶液中で溶解する腸溶膜によって有効成分を被覆して製剤化することが一般的に行われる。
特許文献1には、有効成分を腸溶膜で被覆することに加えて、流動状態にあるアルカリ性成分の粒子に、酸に不安定な有効成分を溶解したアルカリ性成分の水溶液を噴霧して造粒することにより、化学的に不安定な有効成分の保存安定性を向上させる方法が記載されている。
特許文献2には、有効成分を腸溶コーティングした場合にも、速やかに有効成分を溶出し得る錠剤が記載されている。
国際公開第2009/069280号パンフレット 特表2010−526110号公報
酸に不安定な有効成分の保存安定性を向上させるためにアルカリ性成分を配合して調製された腸溶性細粒について、腸液のpHを模した溶出試験液(溶出試験第2液及び中性付近の溶出試験液)に対する溶出試験を実施すると、腸溶層が急激に溶解してゲル化し、腸溶性細粒同士が凝集することにより有効成分の溶出が妨げられ、有効成分の溶出の遅延が引き起こされることが明らかになった。このような製剤では、経口投与した場合、腸液中でも細粒の凝集が生じ、有効成分の溶出が妨げられることが予想される。
酸に不安定な有効成分とアルカリ性成分とを配合して調製された腸溶性細粒の腸液のpHを模した溶出試験液中における凝集を抑制する方法は知られていない。
本発明は、腸液中における腸溶性細粒同士の凝集を抑制し、有効成分を速やかに溶出し得る腸溶性細粒を提供することを課題とする。
また、本発明は、腸液中における腸溶性細粒同士の凝集を抑制し、有効成分を速やかに溶出し得る腸溶性細粒を含む医薬組成物を提供することを課題とする。
前記課題を解決するための手段は以下の通りである。
<1> 酸に不安定な有効成分及びアルカリ性成分を含有する有効成分含有核と、有効成分含有核を被覆し、酸性成分を含有する中間層と、中間層を被覆する腸溶層と、を有する腸溶性細粒。
<2> 2層以上の中間層を有し、そのうち少なくとも1層が酸性成分を含有する<1>に記載の腸溶性細粒。
<3> 中間層に含まれる酸性成分が2価以上の酸を含む<1>又は<2>に記載の腸溶性細粒。
<4> 中間層に含まれる酸性成分がカルボン酸を含む<1>〜<3>のいずれか1つに記載の腸溶性細粒。
<5> 中間層に含まれる酸性成分が2価以上のカルボン酸を含む<1>〜<4>のいずれか1つに記載の腸溶性細粒。
<6> 有効成分含有核と酸性成分を含有する中間層との間に、中性又はアルカリ性の中間層を有する<1>〜<5>のいずれか1つに記載の腸溶性細粒。
<7> アルカリ性成分が、飽和水溶液の25℃におけるpHが12以上であるアルカリを含む<1>〜<6>のいずれか1つに記載の腸溶性細粒。
<8> アルカリ性成分が、水酸化ナトリウムを含む<1>〜<7>のいずれか1つに記載の腸溶性細粒。
<9> 酸に不安定な有効成分が、プロトンポンプインヒビターを含む<1>〜<8>のいずれか1つに記載の腸溶性細粒。
<10> 酸に不安定な有効成分が、ベンズイミダゾール系化合物又はその塩を含む<1>〜<9>のいずれか1つに記載の腸溶性細粒。
<11> 酸に不安定な有効成分が、ラベプラゾール又はラベプラゾールナトリウムを含む<1>〜<10>のいずれか1つに記載の腸溶性細粒。
<12> 中間層が2層またはそれ以上の複数の層からなる<1>〜<11>のいずれか1つに記載の腸溶性細粒。
<13> 中間層が2層またはそれ以上の複数の層からなる腸溶細粒において、少なくとも最も内側の中間層にアルカリ性成分が含まれる<1>〜<12>のいずれか1つに記載の腸溶性細粒。
<14> 腸溶層が、(メタ)アクリル酸共重合体を含む<1>〜<13>のいずれか1つに記載の腸溶性細粒。
<15> <1>〜<14>のいずれか1つに記載の腸溶性細粒を複数含む医薬組成物。
<16> 口腔内崩壊錠である<15>に記載の医薬組成物。
本発明によれば、腸液中における腸溶性細粒同士の凝集を抑制し、有効成分を速やかに溶出し得る腸溶性細粒を提供することができる。
また、本発明によれば、腸液中における腸溶性細粒同士の凝集を抑制し、有効成分を速やかに溶出し得る腸溶性細粒を含む医薬組成物を提供することができる。
以下、本発明の腸溶性細粒及び医薬組成物について詳細に説明する。
なお、本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
本明細書において、組成物中の各成分の量は、組成物中の各成分に該当する物質が複数存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
本明細書において(メタ)アクリル酸共重合体とは、アクリル酸及びメタクリル酸の少なくとも一方を共重合成分として含む共重合体を意味する。
≪腸溶性細粒≫
本発明の腸溶性細粒は、酸に不安定な有効成分及びアルカリ性成分を含有する有効成分含有核と、有効成分含有核を被覆し、酸性成分を含有する中間層と、中間層を被覆する腸溶層と、を有する。
本発明の腸溶性細粒は、酸に不安定な有効成分とアルカリ性成分とを配合して調製された腸溶性細粒が、中間層に酸性成分を含むことで、腸液中における腸溶性細粒同士の凝集を抑制し、有効成分を速やかに溶出し得る。これは、腸液中において腸溶層が溶解し、腸溶性細粒内部に水が浸潤した際、腸溶性細粒内部のアルカリ性成分が酸性成分で中和されることで、腸溶層がアルカリ性成分との接触で急速に溶解しゲル化するのが防止されるためと推測される。
本発明の腸溶性細粒は、必要に応じてさらに他の成分、又は他の層を含んでいてもよい。
本明細書において腸溶性細粒とは腸溶層で被覆された平均粒子径2mm以下の粒子を意味する。
本明細書において平均粒子径とは、体積平均粒子径を示す。
平均粒子径の測定方法としては、レーザー回折式粒度分布測定法が挙げられ、具体例としてはレーザー回折散乱式粒度分布測定装置(製品名:LS 13 320、ベックマンコールター社製)を用いる方法が挙げられる。
<有効成分含有核>
有効成分含有核は、酸に不安定な有効成分(以下、単に「有効成分」とも称する。)及びアルカリ性成分を含有する。
酸に不安定な有効成分としては、特に制限されず、制酸剤、抗潰瘍剤、抗血小板薬、抗精神病薬、気管支喘息治療薬、アレルギー性鼻炎治療薬、降圧薬、抗うつ薬、抗ヒスタミン剤、骨粗しょう症薬、糖尿病薬、利尿薬、抗リウマチ薬等が挙げられる。
中でも、酸に分解しやすいために、本発明の効果をより十分に発揮できるという観点から、有効成分としては、プロトンポンプインヒビターが好ましく、ラベプラゾール、ランソプラゾール、オメプラゾール、パントプラゾール等のベンズイミダゾール化合物又はその塩がより好ましく、中でも酸で極めて分解しやすいラベプラゾール又はラベプラゾールナトリウムがさらに好ましい。
有効成分は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用することもできる。
有効成分の50質量%以上がラベプラゾール又はラベプラゾールナトリウムであることが好ましく、70質量%以上がラベプラゾール又はラベプラゾールナトリウムであることがより好ましく、90質量%以上がラベプラゾール又はラベプラゾールナトリウムであることが最も好ましい
腸溶性細粒の全質量に対する有効成分の含有量は、有効成分の種類により、1日投与量の下限値と上限値とを考慮して、適宜決定することができる。例えば、有効成分として、ラベプラゾールナトリウムを用いる場合には、腸溶性細粒の全質量に対して、有効成分の含有量は、2質量%〜16質量%であることが好ましく、2.5質量%〜12質量%であることがより好ましく、3質量%〜9質量%であることがさらに好ましい。
アルカリ性成分としては、飽和水溶液の25℃におけるpHが7.0より大きいものであれば特に制限されるものではない。製剤中における酸に不安定な有効成分の保存安定性の観点から、アルカリ性成分の飽和水溶液の25℃におけるpHは12以上であることが好ましい。
pHの測定は、例えば、pHメータ(型番:HM−30V、東亜ディーケーケー(株)製)により行うことができる。
アルカリ性成分に含まれるアルカリとしては、その飽和水溶液の25℃におけるpHが12以上であるものが好ましい。
アルカリとしては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、その他金属の水酸化物、酸化物又は炭酸塩や、アミノ基を有する有機化合物等が挙げられる。具体的には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、N−メチル−D−グルカミン、トリスヒドロキシメチルアミノメタン、リシン、アルギニン、ヒスチジン等が挙げられる。有効成分の保存安定性の観点から、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、酸化マグネシウムが好ましく、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムがより好ましく、水酸化ナトリウムがさらに好ましい。
有効成分含有核の作製に使用する溶媒が水である場合には、製剤製造プロセス中に生じ得る有効成分の分解を防ぐため、及び製剤製造後の有効成分の保存安定性を得るために、アルカリ性成分としては、飽和水溶液のpHが高いものが好ましい。例えば、有効成分として、ラベプラゾールナトリウムを用いる場合には、飽和水溶液の25℃におけるpHが12以上となるアルカリ性成分を用いることがより好ましく、中でも、アルカリ性成分が水酸化ナトリウムを含むことがさらに好ましい。
アルカリ性成分は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用することもできる。
アルカリ性成分の50質量%以上が水酸化ナトリウムであることが好ましく、70質量%以上が水酸化ナトリウムであることがより好ましく、90質量%以上が水酸化ナトリウムであることが最も好ましい。
腸溶性細粒の全質量に対するアルカリ性成分の含有量は、有効成分の種類により適宜決定することができる。例えば、有効成分として、ラベプラゾールナトリウムを用いる場合には、腸溶性細粒の全質量に対して、アルカリ性成分の含有量は、0.01質量%〜10質量%であることが好ましく、0.05質量%〜5質量%であることがより好ましく、0.1質量%〜3質量%であることがさらに好ましい。
腸溶性細粒に含有される有効成分と、アルカリ性成分との質量比は、100:1〜1:100であることが好ましく、50:1〜1:50であることがより好ましく、15:1〜1:15であることがさらに好ましい。
有効成分含有核は、有効成分及びアルカリ性成分以外にも、本発明の効果を阻害しない範囲で、他の成分を含んでいてもよい。有効成分含有核が他の成分を含んでいる場合、有効成分及びアルカリ性成分と、他の成分とは混合されたものであってもよいし、他の成分の表面が有効成分及びアルカリ性成分で被覆された構成であってもよい。どのような形態を採用するかについては、有効成分の含有量、一日投与量、粒子径等を考慮して、適宜決定することができる。
他の成分としては、成形性の向上や服用を便利にする賦形剤として機能し得る成分、成形性の向上に寄与する結合剤として機能し得る成分、製剤の崩壊を促進する崩壊剤として機能し得る成分、製造性の向上に寄与する滑沢剤や流動化剤として機能し得る成分等が挙げられる。
成形性の向上や服用を便利にする賦形剤として機能し得る成分としては、具体的には、糖、糖アルコール、結晶セルロース、デンプンが挙げられる。糖としては、乳糖、白糖、マルトース、トレハロース、デキストリン等が挙げられる。糖アルコールとしては、マンニトール、エリスリトール、イソマルト、ラクチトール、マルチトール、ソルビトール、キシリトール等が挙げられる。デンプンとしては、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、コメデンプン、コムギデンプン等が挙げられる。
成形性の向上に寄与する結合剤として機能し得る成分としては、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。
崩壊を促進する崩壊剤として機能し得る成分としては、崩壊剤として公知のものを使用することができる。例えば、トウモロコシデンプンやバレイショデンプン等のデンプン、部分アルファー化デンプン、カルボキシメチルスターチナトリウム、カルメロース、カルメロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、デンプングリコール酸ナトリウム等が挙げられる。
製造性の向上に寄与する滑沢剤や流動化剤として機能し得る成分としては、タルク、軽質無水ケイ酸等が挙げられる。
有効成分含有核に含まれる他の成分の含有量は、有効成分の種類等により適宜決定することができる。例えば、有効成分及びアルカリ性成分の全質量に対して、他の成分の含有量は、0質量%〜99質量%、10質量%〜90質量%、50質量%〜80質量%にすることができる。
有効成分含有核の平均粒子径は、10μm〜500μmであることが好ましく、50μm〜400μmであることがより好ましく、100μm〜300μmであることがさらに好ましい。
<中間層>
中間層は、有効成分含有核を被覆し、腸溶層と有効成分含有核との接触を防止する層である。
本発明における腸溶性細粒は、後述する酸性成分を含有する中間層を少なくとも1層有する。
中間層は、酸性成分を含有する中間層を少なくとも1層含む2層以上又はそれ以上の複数の層から構成されていることが好ましい。また、腸溶性細粒において、中間層は3層、4層等の多層であってもよい。
酸性成分を含有する中間層と酸性成分を含有しない中間層との組み合せは有効成分の安定性や酸性成分による溶出促進効果の程度等を考慮して任意に決定することができる。
なお、本明細書において、「酸性成分を含有しない中間層」とは、当該特定の中間層が酸性成分を含有しないか、又は酸性成分の含有量が検出限界以下であることを意味する。
有効成分含有核と酸性成分を含有する中間層との間に、中性又はアルカリ性の中間層を有することが好ましい。このような構成にすることにより、中間層に含まれる酸性成分の拡散によって生じ得る有効成分の分解を効率的に防止することができる。
中性又はアルカリ性の中間層とは、水溶液又は水懸濁液の25℃におけるpHが中性又はアルカリ性を示すコーティング液を用いて形成される中間層を意味する。なお、有機溶媒を用いてコーティング液を調製する場合には、中間層を構成する成分を水に溶解又は懸濁させたときの25℃におけるが、中性又はアルカリ性であることを意味する。
中性又はアルカリ性のpHとしては、pHが6.0より大きければよく、pHが6.5以上であることが好ましく、pHが7.5以上であることがさらに好ましい。
また、有効成分含有核と酸性成分を含有する中間層との間に、アルカリ性の中間層を設ける場合には、中間層のうち、少なくとも最も内側の中間層(有効成分含有核から最も近い中間層)にアルカリ性成分が含まれることが好ましい。
また、中間層は、有効成分含有核に含有される有効成分の保存安定性向上の観点から、有効成分含有核に接している中間層以外の中間層に酸性成分が含まれていることが好ましく、有効成分含有核から最も遠い中間層(最も腸溶層に近い層)に酸性成分が含まれていることがより好ましい。
中間層が有効成分含有核を被覆した形態とは、有効成分含有核の表面の少なくとも一部に中間層が存在している状態であればよい。中間層が、有効成分含有核の表面の1/4以上を被覆していることが好ましく、1/2以上を被覆していることがより好ましい。また、中間層が有効成分含有核の表面の全体を被覆していることが最も好ましい。
中間層は、含有させる成分を層に安定的に保持させるため、ポリマーを含むことができる。具体的には水溶性ポリマー、水不溶性ポリマー、アルカリ性ポリマーを含むことができる。
中間層に含まれる水溶性ポリマーとしては、接触する溶液のpH値に依存することなく、酸性、中性及びアルカリ性のいずれの水溶液にも溶解しうる成分であれば特に制限されず、公知のものを用いることができる。
また、水溶性ポリマーとしては、中間層を被覆する腸溶層が腸で溶解した後に、被覆した有効成分の溶出を妨げないポリマーであることが好ましい。
本明細書において水溶性ポリマーとは、20℃の水への溶解度が、10g/L以上であるポリマーを意味する。
水溶性ポリマーとしては、具体的には、水溶性セルロース誘導体、水溶性ビニルポリマー誘導体、水溶性アクリル酸共重合体、多価アルコールポリマー又はこれらの共重合体が挙げられる。好ましくは、水溶性セルロース誘導体及び水溶性ビニルポリマー誘導体が挙げられ、より好ましくは水溶性セルロース誘導体が挙げられる。
より具体的には、水溶性セルロース誘導体としては、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースが挙げられる。水溶性ビニルポリマー誘導体としては、ポリビニルアルコール又はポリビニルピロリドン等が挙げられる。
水溶性アクリル酸共重合体としては、アクリル酸、アクリル酸エステル、又はメタクリル酸エステル等を含むポリマーで、酸性、中性及びアルカリ性のいずれの水溶液にも溶解しうるポリマーが挙げられる。多価アルコールポリマーとしては、マクロゴール又はポリグリセリン等が挙げられる。これらのポリマーの共重合体としては、ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体、ポリエチレングリコールポリビニルアルコールグラフト共重合体、ビニルピロリドン・ビニルアルコール共重合体等が挙げられる。
水溶性ポリマーとしては、中でも、微粒子コーティングに適した粘度や結着性の観点から、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びヒドロキシプロピルセルロースが好ましい。
水溶性ポリマーは、市販品を用いてもよい。市販品の例としては、ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体(商品名:POVACOAT、大同化成製工業(株)製)、ポリエチレングリコール・ポリビニルアルコールグラフト共重合体(商品名:Kollicoat IR、BASF社製)、ビニルピロリドン・ビニルアルコール共重合体(商品名:Kollicoat VA64、BASF社製)等が挙げられる。
水溶性ポリマーは、いずれかの水溶性ポリマーを1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
中間層に含まれる水溶性ポリマーの含有量は、有効成分の種類、含有量、1日投与量、粒子径等を考慮して、適宜決定することができる。例えば、水溶性ポリマーの含有量は、中間層を構成する膜成分の全質量に対して、0質量%〜100質量%、15質量%〜80質量%、30質量%〜60質量%にすることができる。
中間層に含まれる水不溶性ポリマーとしては、接触する水溶液のpH値に依存することなく、酸性、中性及びアルカリ性のいずれの水溶液にも溶解しない成分であれば特に制限されず、公知のものを用いることができる。
また、水不溶性ポリマーとしては、中間層を被覆する腸溶層が腸で溶解した後に、被覆した有効成分を徐放するなど、有効成分の溶出を制御するポリマーであることが好ましい。
本明細書において水不溶性ポリマーとは、20℃の水への溶解度が、10g/L未満であるポリマーを意味する。
水不溶性ポリマーとしては、水不溶性セルロースエーテル、水不溶性アクリル酸共重合体等が挙げられる。水不溶性セルロースエーテルとしては、エチルセルロース等が挙げられる。水不溶性アクリル酸共重合体としては、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチル・メタクリル酸塩化トリメチルアンモニウムエチル共重合体、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチル共重合体分散液等が挙げられる。
水不溶性ポリマーとしては、市販品を用いることもできる。水不溶性セルロースエーテルの市販品としては、エチルセルロース水分散液(商品名:Aquacoat ECD、FMC社製)等が挙げられる。水不溶性アクリル酸共重合体の市販品としては、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチル・メタクリル酸塩化トリメチルアンモニウムエチル共重合体(商品名:オイドラギットRS、エボニック社製)、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチル共重合体分散液(商品名:Eudragit NE30D、エボニック社製)等が挙げられる。
水不溶性ポリマーは、いずれかの水不溶性ポリマーを1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
中間層に含まれる水不溶性ポリマーの含有量は、有効成分の種類、含有量、1日投与量、粒子径等を考慮して、適宜決定することができる。例えば、水不溶性ポリマーの含有量は、中間層を構成する成分の全質量に対して、0質量%〜100質量%、15質量%〜80質量%、30質量%〜60質量%にすることができる。
中間層に含まれるアルカリ性ポリマーとしては、ポリマーの水溶液又は水懸濁液がアルカリ性を示すポリマーであれば特に制限されず、公知のものを用いることができる。具体的には、ポリマーの水溶液又は水懸濁液のpHが7.5以上を示すポリマーであり、好ましくは、8.5以上を示すポリマーである。
アルカリ性ポリマーとしては、例えば、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、メタクリル酸メチル・メタクリル酸ブチル・メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、メタクリル酸メチル・メタクリル酸ジエチルアミノエチル共重合体等が挙げられる。
アルカリ性ポリマーとしては、市販品を用いることもできる。例えば、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート(商品名:AEA、三菱化学フード(株)製)、メタクリル酸メチル・メタクリル酸ブチル・メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体(商品名:オイドラギットE100、エボニック社製)、メタクリル酸メチル・メタクリル酸ジエチルアミノエチル共重合体(商品名:Kollicoat Smartseal 30D、BASF社製)等が挙げられる。
中間層は、ポリマーの他に、本発明の効果を阻害しない範囲で、他の成分を含んでいてもよい。他の成分としては、成形性の向上や服用を便利にする賦形剤として機能し得る成分や、成形性の向上に寄与する結合剤として機能し得る成分、製剤の崩壊を促進する崩壊剤として機能し得る成分、製造性の向上に寄与する滑沢剤や流動化剤として機能し得る成分等を含んでいてもよく、1つの成分が2つ以上の機能を担うものであってもよい。
成形性の向上や服用を便利にする賦形剤として機能し得る成分としては、具体的には、糖、糖アルコール、結晶セルロース、デンプンが挙げられる。糖としては、乳糖、白糖、マルトース、トレハロース、デキストリン等が挙げられる。糖アルコールとしては、マンニトール、エリスリトール、イソマルト、ラクチトール、マルチトール、ソルビトール、キシリトール等が挙げられる。デンプンとしては、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、コメデンプン、コムギデンプン等が挙げられる。
成形性の向上に寄与する結合剤として機能し得る成分としては、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。
崩壊剤としては、公知のものを使用することができる。例えば、トウモロコシデンプンやバレイショデンプン等のデンプン、部分アルファー化デンプン、カルボキシメチルスターチナトリウム、カルメロース、カルメロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、デンプングリコール酸ナトリウム等が挙げられる。
製造性の向上に寄与する滑沢剤や流動化剤として機能し得る成分としては、タルク、軽質無水ケイ酸等が挙げられる。
有効成分含有核を中間層で被覆する際の中間層の被覆量は、有効成分含有核が中間層で被覆された形態になる量であれば特に制限されない。例えば、有効成分含有核の被覆に用いる中間層の質量は、有効成分含有核の全質量に対して、0.01倍量〜50倍量、0.1倍量〜5倍量、又は0.5倍量〜1倍量であることが挙げられる。
また、中間層の形成に際しては、有効成分含有核の全質量に対して、質量基準で、0.01倍量〜50倍量、0.1倍量〜5倍量、又は0.5倍量〜1倍量の質量の中間層を構成する成分を、薬理学的に許容される溶媒に溶解又は懸濁して、有効成分含有核に噴霧すればよい。
2層以上の中間層を設ける際には、組成等を変えた複数の中間層コーティング液を、それぞれの中間層コーティング液ごとに複数回に分けて、有効成分含有核に噴霧すればよい。例えば、有効成分含有核に直接噴霧する中間層コーティング液の組成を、アルカリ性成分、結合剤として機能し得る成分、賦形剤として機能し得る成分、滑沢剤として機能し得る成分、及び水を含む組成にすることが好ましく、より好ましくは、アルカリ性成分、結合剤として機能し得る成分、賦形剤として機能し得る成分、滑沢剤として機能し得る成分、及び水からなる組成にすることが好ましい。
<酸性成分>
本発明の腸溶性細粒は、中間層に酸性成分を含む。
本発明の腸溶性細粒は酸性成分を中間層に含むことにより、酸性成分を含まない場合に比べて、腸溶層のゲル化が防止され、腸溶性細粒同士の凝集が抑制され、且つ腸溶性細粒から有効成分が速やかに溶出しうるという効果を奏する。
酸性成分としては、水溶液中でプロトン(H)を生じ、且つ薬理学的に許容される成分であれば特に制限はされない。
酸性成分としては、例えば、第16改正日本薬局方に記載されている成分が挙げられる。
酸性成分としては、飽和水溶液の25℃におけるpHが6.0以下であるものが好ましく、5.5以下であるものがより好ましく、5.0以下であるものがさらに好ましい。
酸性成分は、酸、酸の一部が中和された塩、酸と酸の一部が中和された塩との混合物、酸性ポリマーが含むことができる。
酸としては、カルボン酸、リン酸、硫酸、亜硫酸、スルホン酸、スルフィン酸、スルフェン酸、硝酸、亜硝酸、ホウ酸、塩酸、ペルオキシド等が挙げられる。また、これらの酸を官能基として有する化合物が挙げられる。さらに、上記以外でも、アスコルビン酸のヒドロキシ基のように、高い酸性を示す官能基を有する化合物が挙げられる。
同分子量の化合物であれば価数の高い酸の方が少量で本発明の効果を得られるという観点から、2価以上の酸であることが好ましい。
カルボン酸としては、単位質量当たりの酸性成分に多くのカルボキシル基を含むことができるため少量で本発明の効果を得られるという観点から、総炭素数が2〜18のカルボン酸が好ましく、総炭素数が3〜18のカルボン酸がより好ましく、総炭素数が4〜18のカルボン酸がさらに好ましい。
本発明においてカルボン酸とは、1以上のカルボキシル基を有している化合物を意味する。
また、カルボン酸は、1以上のカルボキシル基を有していればよいが、同分子量の化合物であれば多数のカルボキシル基を有する方が少量で本発明の効果を得られるという観点から、2以上のカルボキシル基を有するカルボン酸がより好ましく、2〜3のカルボキシル基を有するカルボン酸がさらに好ましい。
カルボン酸としては、クエン酸、コハク酸、アジピン酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、酒石酸、安息香酸等が好ましく、水溶性が高く多量に均一にコーティングしやすいという観点から、クエン酸、マレイン酸等がより好ましく、また、水溶性が低く細粒内部へ浸潤しにくいために酸に不安定な有効成分に影響を与えにくいという観点から、フマル酸、安息香酸、アジピン酸等が好ましい。
酸の一部が中和された塩としては、クエン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム等が挙げられる。
酸と酸の一部が中和された塩との混合物としては、クエン酸とクエン酸二水素ナトリウムの混合物等が挙げられる。
酸性ポリマーとしては、その飽和水溶液の25℃におけるpHが6.0以下のポリマーであれば、特に制限なく用いることができる。
なお、中間層に含まれる酸性ポリマーとは、粉末の状態(粒子状のポリマーが相互に独立した形態)で中間層を構成する成分中に分散された状態で存在し、成膜されていないポリマーを意味する。
酸性ポリマーとしては、具体的にはヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート(HPMCAS)、ヒプロメロースフタル酸エステル(HPMCP)、カルボキシルメチルエチルセルロース等が挙げられる。酸性ポリマーは、市販品を用いてもよい。市販品の例としては、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート(商品名:AQOAT、信越化学工業(株)製)、ヒプロメロースフタル酸エステル(商品名:HPMCP、信越化学工業(株)製)、カルボキシルメチルエチルセルロース(商品名:CMEC、フロイント産業(株)製)等が挙げられる。
酸成分は、いずれかの種類を1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
中間層に含まれる酸成分の含有量は、中間層の層数、有効成分の種類、有効成分の含有量、有効成分の1日投与量、平均粒子径、酸成分の種類等を考慮して、適宜決定することができる。
なお、酸成分の含有量は、腸溶性細粒中に含まれるアルカリ性成分の中和に要する割合によって決定することができる。すなわち、腸溶性細粒中、有効成分含有核にのみアルカリ性成分が含まれる場合には、有効成分含有核に含まれるアルカリ性成分を、1:1で完全中和するのに必要な酸性成分の量を100%と規定する。また腸溶性細粒中、有効成分含有核及び中間層にアルカリ性成分が含まれる場合には、有効成分含有核に含まれるアルカリ性成分、及び、酸性成分を含有する中間層より内層の中間層に含まれるアルカリ性成分を合計したアルカリ性成分を、1:1で完全中和するのに必要な酸性成分の量を100%と規定する。例えば、1価のアルカリである水酸化ナトリウム1mmolに対しては、1価の酸では1mmol、2価の酸では0.5mmol、n価の酸では1/nmmolで100%である。
中間層に含まれる酸性成分の含有量は、有効成分含有核に含まれるアルカリ性成分、又は、有効成分含有核に含まれるアルカリ性成分及び酸性成分を含有する中間層より内層の中間層に含まれるアルカリ性成分を合計したアルカリ性成分の含有量に対して、10%〜200%であることが好ましく、25%〜150%であることがより好ましく、50%〜120%であることがさらに好ましい。
腸溶性細粒の全質量に対する酸性成分の含有量は、有効成分の種類、含有量、1日投与量、粒子径、酸性成分の種類等を考慮して、適宜決定することができる。
酸性成分としてクエン酸を用いる場合には、腸溶性細粒の全質量に対するクエン酸の含有量は、0.1質量%〜4質量%であることが好ましく、0.3質量%〜3質量%であることがより好ましく、0.6質量%〜2.5質量%であることがさらに好ましい。
酸性成分としてフマル酸を用いる場合には、腸溶性細粒の全質量に対するフマル酸の含有量は、0.1質量%〜4質量%であることが好ましく、0.2質量%〜3質量%であることがより好ましく、0.5質量%〜2.5質量%であることがさらに好ましい。
酸性成分としてヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート(HPMCAS)を用いる場合には、腸溶性細粒の全質量に対するHPMCASの含有量は、1質量%〜25質量%であることが好ましく、3質量%〜20質量%であることがより好ましく、6質量%〜15質量%であることがさらに好ましい。
<腸溶層>
腸溶層は、中間層を被覆する層であり、腸溶性コーティング剤を含むことが好ましい。また、腸溶層は、1つ以上の層から構成されていればよく、腸溶層は2層等の多層であってもよい。
腸溶性コーティング剤とは、酸性pHでは実質的に不溶性であるが、より弱い酸性pHから、アルカリ性pHでは少なくとも部分的に可溶性である腸溶性ポリマーであれば特に制限されない。酸性pHとは、0.5〜4.5のpHを示し、好ましくは、1.0〜2.0のpHである。より弱い酸性pHからアルカリ性pHとは、5.0〜9.0を示し、好ましくは6.0〜7.5である。
腸溶性コーティング剤が可溶性であるとは、20℃の接触する溶液への溶解度が、10g/L以上であることを意味する。
腸溶性コーティング剤としては、例えば、腸溶性セルロース誘導体、腸溶性(メタ)アクリル酸共重合体等が挙げられる。
腸溶性セルロース誘導体としては、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、カルボキシメチルエチルセルロース等が挙げられる。
腸溶性(メタ)アクリル酸共重合体としては、メタクリル酸共重合体及びアクリル酸共重合体が挙げられ、具体的には、メタクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体、メタクリル酸・アクリル酸エチル共重合体、アクリル酸メチル・メタクリル酸メチル・メタクリル酸共重合体等が挙げられる。
中でも、腸溶性膜としては、高濃度でも低粘度で微粒子コーティングが容易であるという観点で、(メタ)アクリル酸共重合体が好ましい。
なお、腸溶性コーティング剤としては、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート等の酸性ポリマーが包含される。腸溶層は、成膜された腸溶性コーティング剤を主成分とする層である。腸溶性コーティング剤として腸溶層に含まれる酸性ポリマーは、成膜された状態で存在する。腸溶性コーティング剤としての酸性ポリマーを成膜させる方法としては、酸性ポリマーを水又は有機溶媒に溶解させて噴霧する方法や、可塑剤(ポリマーの最低造膜温度を低下させる)と共に酸性ポリマーを懸濁させて噴霧し、ポリマー粒子同士を成膜させる方法等、酸性ポリマーの種類により適切な方法を選択することができる。
腸溶性セルロース誘導体及び腸溶性アクリル酸共重合体としては、市販品を用いることができる。腸溶性セルロース誘導体の市販品としては、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート(商品名:AQOAT、信越化学工業(株)製)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(商品名:HPMCP、信越化学工業(株)製)、カルボキシメチルエチルセルロース(商品名:CMEC、フロイント産業(株)製)等が挙げられる。腸溶性アクリル酸共重合体の市販品としては、メタクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体(商品名:オイドラギットL100、オイドラギットS100、エボニック社製)、メタクリル酸・アクリル酸エチル共重合体(商品名:オイドラギットL100−55、オイドラギットL30D55、エボニック社製)、アクリル酸メチル・メタクリル酸メチル・メタクリル酸コポリマー(商品名:オイドラギットFS30D、エボニック社製)等が挙げられる。
腸溶性コーティング剤は、その目的に応じて、いずれかの成分を1種単独で使用してもよく、性質が同様の2種以上又は性質の異なる2種以上の成分を組み合わせて使用してもよい。また、2種以上の成分を組み合わせて用いる場合には、例えば多層構造の形になるように使用することもできる。
腸溶性細粒の全質量に対する腸溶性コーティング剤の含有量は、有効成分の種類、含有量、1日投与量、粒子径等を考慮して、適宜決定することができる。
腸溶層は、腸溶性コーティング剤の他に、本発明の効果を阻害しない範囲で、成形性の向上や服用を便利にする賦形剤として機能し得る成分や、成形性の向上に寄与する結合剤として機能し得る成分、製造性の向上に寄与する滑沢剤や流動化剤として機能し得る成分、膜の可塑性を向上させる可塑剤として機能し得る成分、コーティング液のpHを調整するpH調整剤等が挙げられる。
成形性の向上や服用を便利にする賦形剤として機能し得る成分としては、具体的には、糖、糖アルコール、結晶セルロース、デンプンが挙げられる。
成形性の向上に寄与する結合剤として機能し得る成分としては、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。
製造性の向上に寄与する滑沢剤や流動化剤として機能し得る成分としては、タルク、軽質無水ケイ酸、モノステアリン酸グリセリン等が挙げられる。
膜の可塑性を向上させる可塑剤として機能し得る成分としては、クエン酸トリエチル、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリブチル等が挙げられる。
pH調整剤としてはクエン酸、水酸化ナトリウム等が挙げられる。
なお、腸溶層は、コーティング液調製時のポリマー分散液の凝集を防ぐためのpH調整剤としてクエン酸を含んでいてもよいが、腸溶層に含まれるクエン酸の含有量は、腸溶層を形成するために用いられる腸溶層コーティング液中の固形成分の全質量に対して、0.5質量%以下であることが好ましく、0.001質量%〜0.2質量%であることがより好ましく、0.005質量%〜0.1質量%であることがさらに好ましい。
また、腸溶層に含まれるクエン酸の含有量は、腸溶性細粒の全質量に対して、0.5質量%以下であることが好ましく、0.0001質量%〜0.2質量%であることがより好ましく、0.0005質量%〜0.1質量%であることがさらに好ましい。
腸溶層が中間層を被覆した形態とは、中間層の表面の少なくとも一部に腸溶層が存在している状態であればよい。腸溶層が、中間層の表面の1/4以上を被覆していることが好ましく、1/2以上を被覆していることがより好ましい。また、腸溶層が中間層の表面の全体を被覆していることが最も好ましい。
中間層を腸溶層で被覆する際の腸溶層の被覆量は、中間層が腸溶層で被覆された形態になる量であれば特に制限されない。例えば、中間層の被覆に用いる腸溶層の質量は、中間層の全質量に対して、0.1倍量〜15倍量、1倍量〜5倍量、又は2倍量〜5倍量であることが挙げられる。
また、腸溶層の形成に際しては、中間層の全質量に対して、質量基準で、0.1倍量〜15倍量、1倍量〜5倍量、又は2倍量〜5倍量の質量の腸溶層を構成する成分を、薬理学的に許容される溶媒に溶解又は懸濁して、中間層に噴霧すればよい。なお、中間層が2以上の層から構成されている場合には、有効成分含有核から最も遠い層(腸溶層に最も近い層)を腸溶層により被覆する。
腸溶層は、前述の通り、1つ以上の層から構成されていればよく、腸溶層は2層等であってもよい。
複数の腸溶層を設けることにより、有効成分の保存安定性等に影響を及ぼす成分の使用量を減らすこと、柔軟性の異なる層を設けて細粒の破損を抑制すること、溶解性の異なる層を設けることで有効成分の溶出を調整すること、製造性を向上させること等ができるため、腸溶層は2層以上であることが好ましい。
2層以上の腸溶層を設ける場合には、組成等を変えた複数の腸溶層コーティング液を、それぞれの腸溶層コーティング液ごとに複数回に分けて、中間層に噴霧すればよい。
腸溶性細粒は、酸に不安定な有効成分、アルカリ性成分、中間層及び腸溶層の他、薬理学的に許容し得るその他の製剤用添加物を含有することができる。その他の製剤用添加物としては、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等の結合剤、マンニトール、乳糖等の賦形剤、タルク、モノステアリン酸グリセリン等の滑沢剤、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、部分アルファー化デンプン等の崩壊剤、等の他、甘味剤、矯味剤、流動化剤、香料、着色料等の医薬品の製造に一般的に用いられる製剤用添加物として公知の成分が挙げられる。なお、製剤用添加物として公知の成分としては、結合剤、賦形剤、滑沢剤、崩壊剤、等として機能し得る成分が挙げられ、1の成分が2以上の機能を担うものであってもよい。
腸溶性細粒の平均粒子径は、1mm以下であることが好ましく、750μm以下であることがより好ましく、500μm以下であることがさらに好ましい。
また、腸溶性細粒の平均粒子径は、50μm以上であることが好ましく、150μm以上であることがより好ましく、300μm以上であることがさらに好ましい。
腸溶性細粒は、有効成分含有核を造粒し、造粒した有効成分含有核を中間層で被覆し、被覆された中間層を腸溶層で被覆すること等公知の方法に従い調製することができる。
有効成分含有核を造粒する方法、造粒した有効成分含有核を中間層で被覆する方法、及び被覆された中間層を腸溶層で被覆する方法等は特に制限されず、公知の方法を用いることができる。例えば、流動層造粒法、攪拌造粒法、スプレードライ等が挙げられる。
流動層造粒方法に使用しうる造粒機としては、例えば、流動層造粒機(製品名:FD−MP−01、パウレック(株)製)、フローコーター(製品名:FL−1、フロイント産業(株)製)等が上げられる。
≪医薬組成物≫
本発明の医薬組成物は、酸に不安定な有効成分及びアルカリ性成分を含有する有効成分含有核と、有効成分含有核を被覆し、酸性成分を含有する中間層と、中間層を被覆した腸溶層と、を有する腸溶性細粒を複数含む。
本発明の医薬組成物は、アルカリ性成分と、酸性成分とを含有する腸溶性細粒を含むことで、腸液中において腸溶層が溶解しても、腸溶層のゲル化が防止され、腸溶性細粒同士の凝集を抑制し、医薬組成物から有効成分を速やかに溶出し得る。
本発明の医薬組成物は、必要に応じてさらに他の成分を含んでいてもよい。
酸に不安定な有効成分、アルカリ性成分、中間層、酸性成分及び腸溶層については、腸溶性細粒について前述した事項をそのまま適用する。
医薬組成物は、崩壊剤、滑沢剤、賦形剤、結合剤、甘味剤、矯味剤、流動化剤、香料、着色料等の医薬品の製造に一般的に用いられる製剤用添加物として公知の成分を含んでいてもよい。
また、医薬組成物としては、錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、細粒剤、ドライシロップ剤等が挙げられるが、中でも錠剤が好ましく、特に口腔内崩壊錠が好ましい。
崩壊剤としては、崩壊剤として機能し得る成分であれば、公知のものを使用することができる。例えば、トウモロコシデンプンやバレイショデンプン等のデンプン、部分アルファー化デンプン、カルボキシメチルスターチナトリウム、カルメロース、カルメロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース、ヒドロキシプロピルスターチ等が挙げられる。
これら崩壊剤の中でも、崩壊性の点から、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースがより好ましい。
崩壊剤は、いずれかの崩壊剤を一種単独で使用してもよく、二種以上を併用してもよい。
崩壊剤の含有量は、適宜設定することができるが、腸溶性細粒の全質量に対し、0.01倍量〜5倍量であることが好ましく、0.05倍量〜1倍量であることがより好ましく、0.1倍量〜0.5倍量であることがさらに好ましい。
滑沢剤としては、滑沢剤として機能し得る成分であれば、公知のものを使用することができる。例えば、フマル酸ステアリルナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ショ糖脂肪酸エステル等が挙げられる。フマル酸ステアリルナトリウムは、例えば、JRS PHARMA社等から、市販品として入手することができる。
滑沢剤は、いずれかの滑沢剤を一種単独で使用してもよく、二種以上を併用してもよい。
滑沢剤の含有量は、適宜設定することができるが、腸溶性細粒の全質量に対し、0.001倍量〜0.5倍量であることが好ましく、0.005倍量〜0.1倍量であることがより好ましく、0.01倍量〜0.05倍量であることがより好ましい。
賦形剤としては、賦形剤として機能し得る成分であれば、公知のものを使用することができる。例えば、糖、糖アルコール、結晶セルロース、無水リン酸水素カルシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等が挙げられる。
糖アルコールとしては、例えば、マンニトール、エリスリトール、イソマルト、ラクチトール、マルチトール、ソルビトール、キシリトール等が挙げられる。これらの糖アルコールの中でも、口腔内崩壊錠の溶解性の点から、マンニトール及びエリスリトールが好ましい。
結晶セルロースは、市販品を用いることもできる。市販品としては、セオラス(旭化成ケミカルズ(株)製)、Pharmacel(DFE Pharma社製)等を使用することができる。
結合剤としては、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシビニルポリマー、カルメロースナトリウム、アルファー化デンプン、ポリビニルピロリドン、アラビアゴム末、ゼラチン、プルラン、ポリビニルアルコール等が挙げられる。
製剤用添加物は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用して用いてもよい。
製剤用添加物の含有量は、有効成分の種類、含有量、1日投与量、粒子径等を考慮して、適宜決定することができる。
医薬組成物が口腔内崩壊錠である場合には、例えば、口腔内崩壊錠1錠に対する有効成分の含有量は、有効成分の種類により、一日投与量の下限値と上限値とを考慮して適宜決定することができる。例えば、有効成分として、ラベプラゾールナトリウムを用いる場合には、口腔内崩壊錠1錠に対して、10mg〜20mgのラベプラゾールナトリウムを含有することが好ましい。
医薬組成物が口腔内崩壊錠である場合には、例えば、口腔内崩壊錠の大きさ及び形状は医薬上許容されるものであれば特に限定されない。円形錠の場合は、直径7mm〜12mm、厚さ3.0mm〜7.0mm、好ましくは直径8mm〜11mm、厚さ3.5mm〜6.5mm等が挙げられ、変形錠の場合は、短径:4mm〜8mm、長径8mm〜18mm、好ましくは短径:4mm〜6.5mm、長径:8mm〜15mm等が挙げられ、厚さ3.0mm〜7.0mm、好ましくは3.5mm〜6.5mm等が挙げられる。
また、口腔内崩壊錠の硬度は、特に制限はないが、例えば錠剤径が8mm〜11mm程度の円形状においては、崩壊性、輸送安定性、自動分包機の利用性等の観点から、錠剤硬度計による測定で、20N以上100N以下であることが好ましく、30N以上80N以下であることがより好ましい。なお、口腔内崩壊錠剤の硬度はSchleuniger社製の錠剤硬度計Model 8Mを用いて測定する。
本明細書においては、口腔内において錠剤の一部が崩壊したことを確認できた時間を崩壊時間とする。口腔内崩壊錠の崩壊時間は30秒未満であることが好ましく、崩壊時間は20秒未満であることがより好ましい。
口腔内崩壊錠を製造する方法は、特に制限されず、公知の方法を用いることができる。例えば、腸溶性細粒と、崩壊剤、滑沢剤、賦形剤、結合剤等の製剤用添加物とを、混合して、混合物を得て、得られた混合物を打錠機で打錠することにより口腔内崩壊錠を得ることができる。
腸溶性細粒と、製剤用添加物とを混合する方法は特に制限されない。例えば、V型混合器(筒井理化学器械(株)製)、流動層造粒機(パウレック(株)製)等の公知の混合器を用いて混合することができる。
また、得られた混合物を打錠する方法も特に制限されるものではない。例えば、ロータリー打錠機(製品名HT−P18A、(株)畑鉄工所製)等の公知の打錠機を用いて打錠することができる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断らない限り、「部」は質量基準である。
(実施例1)
以下のように中間層に酸(クエン酸)を含有する腸溶性細粒を作製し、別途混合した賦形剤と混合、打錠して口腔内崩壊錠(錠剤)を作製した。
(1)原薬層コーティング細粒(有効成分含有核)の製造
マンニトールの150〜250μmの球形球状顆粒(フロイント産業(株)製;ノンパレル108)600gを流動層造粒機(パウレック(株)製;MP−01(SPC))に仕込み、給気温度60℃、排気温度約30℃、液速5g/minに調整し、予め調製した下記組成の原薬液を噴霧コーティングした。
規定量1500gの原薬液を噴霧した時点で噴霧を止め、給気温度を60℃として15分間乾燥を行った。50号の丸篩(300μm)と70号の丸篩(212μm)で篩過して原薬層コーティング細粒を得た。
[原薬液]
ラベプラゾールナトリウム 320部
ヒドロキシプロピルセルロース(タイプSSL、日本曹達(株)製) 96部
水酸化ナトリウム 32部
精製水 1552部
(2)中間層コーティング細粒の製造
前記原薬層コーティング細粒700gを流動層造粒機に仕込み、給気温度60℃、排気温度約30℃、液速6g/minに調整し、予め調製した下記組成の中間層1コーティング液を噴霧コーティングした。
規定量1020gの中間層1コーティング液を噴霧した時点で噴霧を止め、給気温度を60℃として15分間乾燥を行い、中間層1コーティング細粒を得た。
さらに、中間層1コーティング細粒700gを流動層造粒機に仕込み、給気温度60℃、排気温度約30℃、液速6g/minに調整し、予め調製した下記組成の中間層2コーティング液を噴霧コーティングした。
規定量1694gの中間層2コーティング液を噴霧した時点で噴霧を止め、給気温度を60℃として15分間乾燥を行った。42号の丸篩(355μm)と60号の丸篩(250μm)で篩過して中間層2コーティング細粒を得た。
[中間層1コーティング液]
ヒドロキシプロピルメチルセルロース
(タイプ2910、粘度4.5mPa・s、信越化学工業(株)製) 50部
タルク 20部
マンニトール 50部
水酸化ナトリウム 12部
精製水 868部
[中間層2コーティング液]
ヒドロキシプロピルメチルセルロース(タイプ2910、粘度4.5mPa・s)10部
タルク 4部
マンニトール 10部
精製水 176部
(3)酸含有層(中間層3)コーティング細粒の製造
前記中間層2コーティング細粒9gを微小量流動層造粒機(ダルトン(株)製;微少量流動層/造粒・コーティング装置(ドラフトチューブ付))に仕込み、給気温度60℃、液速0.3g/minに調製し、予め調製した下記組成の酸含有層コーティング液を規定量8.09g噴霧コーティングした。
[酸含有層コーティング液]
ヒドロキシプロピルメチルセルロース(タイプ2910、粘度4.5mPa・s)
10部
タルク 4部
無水クエン酸 10部
精製水 176部
(4)腸溶性細粒の製造
前記酸含有コーティング液の噴霧に引き続き、室温給気、液速0.3g/minに調製し、予め調製した下記組成の腸溶層1コーティング液、腸溶層2コーティング液、マンニトール液それぞれを既定量11.4g、60.7g、2.0gずつ連続して噴霧コーティングした後、給気温度を80℃として30分間乾燥を行った。30号の丸篩(500μm)と60号の丸篩(250μm)で篩過して、中間層を被覆した腸溶層を含む腸溶性細粒を得た。
[腸溶層1コーティング液]
メタクリル酸コポリマーLD(30w/w%水分散液) 300部
アクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマー分散液(30w/w%水分散液)
33.3部
マクロゴール6000 10部
モノステアリン酸グリセリン 6部
ポリソルベート80 2.4部
無水クエン酸 0.025部
精製水 428部
[腸溶層2コーティング液]
メタクリル酸コポリマーLD(30w/w%水分散液) 300部
アクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマー分散液(30w/w%水分散液)
33.3部
クエン酸トリエチル 10部
モノステアリン酸グリセリン 6部
ポリソルベート80 2.4部
無水クエン酸 0.025部
黄色三二酸化鉄 0.1部
精製水 428部
[マンニトール液]
マンニトール 14部
精製水 86部
(5)賦形剤混合末の作製
マンニトール、キシリトール、結晶セルロース、クロスポビドン及び無水リン酸水素カルシウム混合物(富士化学工業製;エフメルトTypeC)10.5g、エリスリトール(物産フードサイエンス(株)製)15.8g、クロスポビドン(ISP社製;Polyplasdone XL)9.5g、フマル酸ステアリルナトリウム(JRS PHARMA社製;PRUV)1.9gをバイアル瓶中で十分に混合した。
(6)口腔内崩壊錠の製造
前記賦形剤混合末835mg、前記腸溶性細粒845mgをバイアル瓶中でさらに混合し打錠末を得た。この打錠末280mgを量り取り、卓上簡易錠剤成型機(市橋精機(株)製;HANDTAB−Jr)を用いて、9mmφ、標準R面の杵で8kNで30秒間圧縮成型して口腔内崩壊錠(錠剤)とした。
実施例1で得られた口腔内崩壊錠1錠中に含まれる腸溶性細粒の含有量は141mgである。また、口腔内崩壊錠1錠中に含まれるラベプラゾールナトリウムの含有量は10mgであり、腸溶性細粒の全質量に対するラベプラゾールナトリウムの含有率は7.1質量%である。口腔内崩壊錠1錠中に含まれる腸溶性細粒中の水酸化ナトリウムの含有量は1.68mgであり、また、物質量としては42μmolである。腸溶性細粒の全質量に対する腸溶性細粒中の水酸化ナトリウムの含有率は1.2質量%である。口腔内崩壊錠1錠中に含まれる無水クエン酸の含有量は2.69mgであり、また、物質量としては14μmolである。腸溶性細粒の全質量に対する腸溶性細粒中の無水クエン酸の含有率は1.9質量%である。
(実施例2)
実施例1(1)及び(2)と同様にして作製した中間層コーティング細粒を用い、以下のように中間層に酸(フマル酸)を含有する腸溶性細粒を作製し、別途造粒した賦形剤と混合、打錠して口腔内崩壊錠(錠剤)を作製した。
(3)酸含有層コーティング細粒の製造
実施例1(2)記載の中間層2コーティング細粒10gを微小量流動層造粒機に仕込み、給気温度60℃、液速0.3g/minに調製し、予め調製した下記組成の酸含有層コーティング液を規定量13.58g噴霧コーティングした後、給気温度60℃で30分間乾燥を行った。36号の丸篩(425μm)と60号の丸篩(250μm)で篩過して酸含有層コーティング細粒を得た。
[酸含有層コーティング液]
ヒドロキシプロピルメチルセルロース(タイプ2910、粘度4.5mPa・s)
10部
タルク 4部
フマル酸 6部
精製水 180部
(4)腸溶性細粒の製造
前記酸含有層コーティング細粒8gを微小量流動層造粒機に仕込み、室温給気、液速0.3g/minに調製し、実施例1(4)と同様の組成で予め調製した腸溶層1コーティング液、腸溶層2コーティング液、マンニトール液それぞれを既定量9.1g、48.3g、1.6gずつ連続して噴霧コーティングした後、給気温度を80℃として30分間乾燥を行った。30号の丸篩(500μm)と42号の丸篩(355μm)で篩過して腸溶性細粒を得た。
(5)賦形剤造粒物の製造
マンニトール、キシリトール、結晶セルロース、クロスポビドン及び無水リン酸水素カルシウム混合物(富士化学工業(株)製;エフメルトTypeC)320g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(信越化学工業(株)製;L―HPC NBD−022)50g、結晶セルロース(旭化成ケミカルズ(株)製;セオラス KG−802)50gを流動層造粒機(パウレック(株)製;MP−01(FD))に仕込み、給気温度60℃、液速5g/minに調製し、マンニトール25g、無水クエン酸5gを精製水220gに溶解させた液を噴霧し造粒を行った。続けて15分間乾燥を行い、賦形剤造粒物を得た。
(6)口腔内崩壊錠の製造
前記賦形剤造粒物760mg、前記腸溶性細粒725mg、ステアリン酸マグネシウム15mgをバイアル瓶中で十分に混合して打錠末を得た。この打錠末300mgを量り取り、卓上簡易錠剤成型機を用いて、9mmφ、標準R面の杵で6kNで30秒間圧縮成型して口腔内崩壊錠(錠剤)とした。
実施例2で得られた口腔内崩壊錠1錠中に含まれる腸溶性細粒の含有量は145mgである。また、口腔内崩壊錠1錠中に含まれるラベプラゾールナトリウムの含有量は10mgであり、腸溶性細粒の全質量に対するラベプラゾールナトリウムの含有率は6.9質量%である。口腔内崩壊錠1錠中に含まれる腸溶性細粒中の水酸化ナトリウムの含有量は1.68mgであり、また、物質量としては42μmolである。腸溶性細粒の全質量に対する腸溶性細粒中の水酸化ナトリウムの含有率は1.2質量%である。口腔内崩壊錠1錠中に含まれるフマル酸の含有量は2.44mgであり、また、物質量としては21μmolである。腸溶性細粒の全質量に対する腸溶性細粒中の無水クエン酸の含有率は1.7質量%である。
(実施例3)
実施例1(1)及び(2)と同様にして作製した中間層コーティング細粒を用い、以下のように酸(フマル酸)の量を実施例2の約60質量%とした細粒を作製し、実施例2(5)と同様にして作製した賦形剤造粒物と混合、打錠して口腔内崩壊錠(錠剤)を作製した。
(3)酸含有層コーティング細粒の製造
実施例1(2)記載の中間層2コーティング細粒10gを微小量流動層造粒機に仕込み、給気温度60℃、液速0.3g/minに調製し、予め調製した下記組成の酸含有層コーティング液を規定量8.73g噴霧コーティングした後、給気温度60℃で30分間乾燥を行った。36号の丸篩(425μm)と60号の丸篩(250μm)で篩過して酸含有層コーティング細粒を得た。
[酸含有層コーティング液]
ヒドロキシプロピルメチルセルロース(タイプ2910、粘度4.5mPa・s)
10部
タルク 4部
フマル酸 6部
精製水 180部
(4)腸溶性細粒の製造
前記酸含有層コーティング細粒7.5gを微小量流動層造粒機に仕込み、室温給気、液速0.3g/minに調製し、実施例1(4)と同様の組成で予め調製した腸溶層1コーティング液、腸溶層2コーティング液、マンニトール液それぞれを既定量8.5g、46.0g、1.6gずつ連続して噴霧コーティングした後、給気温度を80℃として30分間乾燥を行った。30号の丸篩(500μm)と60号の丸篩(250μm)で篩過して腸溶性細粒を得た。
(6)口腔内崩壊錠の製造
実施例2(5)記載の賦形剤造粒物791mg、前記腸溶性細粒694mg、ステアリン酸マグネシウム15mgをバイアル瓶中で十分に混合して打錠末を得た。この打錠末300mgを量り取り、卓上簡易錠剤成型機を用いて、9mmφ、標準R面の杵で6kNで30秒間圧縮成型して口腔内崩壊錠(錠剤)とした。
実施例3で得られた口腔内崩壊錠1錠中に含まれる腸溶性細粒の含有量は139mgである。また、口腔内崩壊錠1錠中に含まれるラベプラゾールナトリウムの含有量は10mgであり、腸溶性細粒の全質量に対するラベプラゾールナトリウムの含有率は7.2質量%である。口腔内崩壊錠1錠中に含まれる腸溶性細粒中の水酸化ナトリウムの含有量は1.68mgであり、また、物質量としては42μmolである。腸溶性細粒の全質量に対する腸溶性細粒中の水酸化ナトリウムの含有率は1.2質量%である。口腔内崩壊錠1錠中に含まれるフマル酸の含有量は2.44mgであり、また、物質量としては13μmolである。腸溶性細粒の全質量に対する腸溶性細粒中の無水クエン酸の含有率は1.0質量%である。
(実施例4)
実施例1(1)及び(2)と同様にして作製した中間層コーティング細粒を用い、以下のように中間層に酸性成分(ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート(信越化学工業(株)製;AQOAT AS−LF))を含有する腸溶性細粒を作製し、実施例2(5)と同様にして作製した賦形剤造粒物と混合、打錠して口腔内崩壊錠(錠剤)を作製した。
(3)酸含有層コーティング細粒の製造
実施例1(2)記載の中間層2コーティング細粒8gを微小量流動層造粒機に仕込み、給気温度60℃、液速0.3g/minに調製し、予め調製した下記組成の酸含有層コーティング液を規定量54.95g噴霧コーティングした後、給気温度60℃で30分間乾燥を行った。36号の丸篩(425μm)と60号の丸篩(250μm)で篩過して酸含有層コーティング細粒を得た。
[酸含有層コーティング液]
ヒドロキシプロピルメチルセルロース(タイプ2910、粘度4.5mPa・s)
3部
タルク 4部
ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート 10部
精製水 133部
(4)腸溶性細粒の製造
前記酸含有層コーティング細粒8gを微小量流動層造粒機に仕込み、室温給気、液速0.3g/minに調製し、実施例1(4)と同様の組成で予め調製した腸溶層1コーティング液、腸溶層2コーティング液、マンニトール液それぞれを既定量8.1g、41.2g、1.3gずつ連続して噴霧コーティングした後、給気温度を80℃として30分間乾燥を行った。30号の丸篩(500μm)と42号の丸篩(355μm)で篩過して腸溶性細粒を得た。
(6)口腔内崩壊錠の製造
実施例2(5)記載の賦形剤造粒物1152mg、前記腸溶性細粒1042mg、ステアリン酸マグネシウム22mgをバイアル瓶中で十分に混合して打錠末を得た。この打錠末443mgを量り取り、卓上簡易錠剤成型機を用いて、10mmφ、標準R面の杵で、6kNで30秒間圧縮成型して口腔内崩壊錠(錠剤)とした。
実施例4で得られた口腔内崩壊錠1錠中に含まれる腸溶性細粒の含有量は208mgである。また、口腔内崩壊錠1錠中に含まれるラベプラゾールナトリウムの含有量は10mgであり、腸溶性細粒の全質量に対するラベプラゾールナトリウムの含有率は4.8質量%である。口腔内崩壊錠1錠中に含まれる腸溶性細粒中の水酸化ナトリウムの含有量は1.68mgであり、また、物質量としては42μmolである。腸溶性細粒の全質量に対する腸溶性細粒中の水酸化ナトリウムの含有率は0.8質量%である。口腔内崩壊錠1錠中に含まれるヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート(AQOAT
AS−LF)の含有量は27.4mgである。本実施例にて使用したAQOAT AS−LFの酸化は86であり、AQOAT AS−LF27.4mgは、1.68mgの水酸化ナトリウムでちょうど中和される量である。腸溶性細粒の全質量に対する腸溶性細粒中のAQOAT AS−LFの含有率は13.2質量%である。なお、AQOAT AS−LFは通常製膜して使用されるが、本実施例では粉末のままヒドロキシプロピルメチルセルロース水溶液中に分散させてコーティングに供し、製膜させずに使用した。
(参考例1)
実施例1(1)(2)と同様にして作製した中間層コーティング細粒を用い、以下のように中間層に酸を加えない細粒を作製し、実施例1(5)と同様にして作製した賦形剤混合末と混合、打錠して口腔内崩壊錠(錠剤)を作製した。
(4)腸溶性細粒の製造
実施例1(2)記載の中間層2コーティング細粒9gを微小量流動層造粒機に仕込み、室温給気、液速0.3g/minに調製し、実施例1(4)と同様の組成で予め調製した腸溶層1コーティング液、腸溶層2コーティング液を連続して噴霧コーティングした後、給気温度を80℃として30分間乾燥を行った。30号の丸篩(500μm)と42号の丸篩(355μm)で篩過して腸溶性細粒を得た。
(6)口腔内崩壊錠の製造
実施例1(5)記載の賦形剤混合末696mg、前記腸溶性細粒984mgをバイアル瓶中でさらに混合し打錠末を得た。この打錠末280mgを量り取り、卓上簡易錠剤成型機を用いて、9mmφ、標準R面の杵で6kNで30秒間圧縮成型して口腔内崩壊錠(錠剤)とした。
参考例1で得られた口腔内崩壊錠1錠中に含まれる腸溶性細粒の含有量は164mgである。また、口腔内崩壊錠1錠中に含まれるラベプラゾールナトリウムの含有量は13mgであり、腸溶性細粒の全質量に対するラベプラゾールナトリウムの含有率は7.8質量%である。口腔内崩壊錠1錠中に含まれる腸溶性細粒中の水酸化ナトリウムの含有量は1.68mgであり、また、物質量としては42μmolである。腸溶性細粒の全質量に対する腸溶性細粒中の水酸化ナトリウムの含有率は1.3質量%である。
(参考例2)
実施例1(1)(2)と同様にして作製した中間層コーティング細粒を用い、以下のように1細粒当たり実施例1と同量の酸(クエン酸)を腸溶層に含有する腸溶性細粒を作製し、実施例1(5)と同様にして作製した賦形剤混合末と混合、打錠して口腔内崩壊錠(錠剤)を作製した。
(4)腸溶性細粒の製造
実施例1(2)記載の中間層2コーティング細粒8.25gを微小量流動層造粒機に仕込み、室温給気、液速0.3g/minに調製し、実施例1(4)と同様の組成で予め調製した腸溶層1コーティング液、腸溶層2コーティング液、マンニトール液それぞれを既定量9.6g、51.9g、1.8gずつ連続して噴霧コーティングした後、給気温度を80℃として30分間乾燥を行った。30号の丸篩(500μm)と42号の丸篩(355μm)で篩過して腸溶性細粒を得た。
(6)口腔内崩壊錠の製造
実施例1(5)記載の賦形剤混合末901mg、前記腸溶性細粒779mgをバイアル瓶中でさらに混合し打錠末を得た。この打錠末280mgを量り取り、卓上簡易錠剤成型機を用いて、9mmφ、標準R面の杵で8kNで30秒間圧縮成型して口腔内崩壊錠(錠剤)とした。
参考例2で得られた口腔内崩壊錠1錠中に含まれる腸溶性細粒の含有量は130mgである。また、口腔内崩壊錠1錠中に含まれるラベプラゾールナトリウムの含有量は10mgであり、腸溶性細粒の全質量に対するラベプラゾールナトリウムの含有率は7.7質量%である。口腔内崩壊錠1錠中に含まれる腸溶性細粒中の水酸化ナトリウムの含有量は1.68mgであり、また、物質量としては42μmolである。腸溶性細粒の全質量に対する腸溶性細粒中の水酸化ナトリウムの含有率は1.3質量%である。口腔内崩壊錠1錠中に含まれる無水クエン酸の含有量は2.69mgであり、また、物質量としては14μmolである。腸溶性細粒の全質量に対する腸溶性細粒中の無水クエン酸の含有率は2.1質量%である。
実施例1〜実施例4及び参考例1〜参考例2にかかる口腔内崩壊錠について、日本薬局方溶出試験第2液での溶出試験を行った。
実施例1〜実施例4及び参考例1〜参考例2にかかる口腔内崩壊錠の溶出試験は日本分光(株)製の溶出試験機DT−810を用いてパドル法で実施した。溶出溶媒の容積は900mL、温度は37±0.5℃に維持し、パドル速度は50rpmとした。錠剤から溶出されるラベプラゾールナトリウムの量をUV分光光度計により、290nmの波長で測定し溶出率(%)を算出した。
その結果(溶出率(%))を下記表1に示す。
表1の結果より明らかである通り、中間層に酸を添加した実施例1〜実施例4にかかる全ての口腔内崩壊錠は120分の試験時間内にベッセル内にてほぼ全ての有効成分が溶出した。
一方で、酸を添加していない参考例1、及び酸を腸溶層に添加した参考例2では120分においても溶出率は80%に満たない。このとき、ベッセル底部にて口腔内崩壊錠(錠剤)内の細粒同士が凝集した塊が観察された。この凝集塊内部にある細粒からの溶出は周囲の腸溶性細粒のポリマーに阻害されるため、実施例1〜実施例4のように十分な溶出率が得られなかったものと考えられる。
なお、実施例1及び実施例2では、30分でほぼ95%以上の溶出率に達しており、有効成分が速やかに溶出されている。これらの実施例において、溶出試験中、腸溶性細粒はそれぞれが粒の状態を維持しており、参考例で見られたような凝集塊は観察されなかった。実施例1ではクエン酸を、実施例2ではフマル酸を、それぞれ腸溶性細粒中に含まれるアルカリ性成分(水酸化ナトリウム)の中和に必要な量を中間層に添加した。水への溶解度はクエン酸が59g/mL 20℃、フマル酸が0.63g/mL 20℃(出展:東京化成工業(株)MSDS)と約100倍の差があるが、凝集抑制及び溶出促進の効果には差がなかった。
フマル酸量を実施例1の約60質量%に減じた実施例3や、溶解後に粘性が生じる高分子を添加した実施例4では、試験中に僅かながら細粒同士の凝集が観察された。このために溶出が実施例1及び実施例2に比較して遅延したと考えられる。しかしながら、120分の時点では100%の溶出率に達しており、凝集抑制及び溶出促進という観点から、実用的には参考例に対して十分な優位性を有する。

Claims (16)

  1. 酸に不安定な有効成分及びアルカリ性成分を含有する有効成分含有核と、有効成分含有核を被覆し、酸性成分を含有する中間層と、中間層を被覆する腸溶層と、を有する腸溶性細粒。
  2. 2層以上の中間層を有し、そのうち少なくとも1層が酸性成分を含有する請求項1に記載の腸溶性細粒。
  3. 中間層に含まれる酸性成分が2価以上の酸を含む請求項1又は請求項2に記載の腸溶性細粒。
  4. 中間層に含まれる酸性成分がカルボン酸を含む請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の腸溶性細粒。
  5. 中間層に含まれる酸性成分が2価以上のカルボン酸を含む請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の腸溶性細粒。
  6. 有効成分含有核と酸性成分を含有する中間層との間に、中性又はアルカリ性の中間層を有する請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の腸溶性細粒。
  7. アルカリ性成分が、飽和水溶液の25℃におけるpHが12以上であるアルカリを含む請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の腸溶性細粒。
  8. アルカリ性成分が、水酸化ナトリウムを含む請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の腸溶性細粒。
  9. 酸に不安定な有効成分が、プロトンポンプインヒビターを含む請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の腸溶性細粒。
  10. 酸に不安定な有効成分が、ベンズイミダゾール系化合物又はその塩を含む請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の腸溶性細粒。
  11. 酸に不安定な有効成分が、ラベプラゾール又はラベプラゾールナトリウムを含む請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の腸溶性細粒。
  12. 中間層が2層またはそれ以上の複数の層からなる請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載の腸溶性細粒。
  13. 中間層が2層またはそれ以上の複数の層からなる腸溶細粒において、少なくとも最も内側の中間層にアルカリ性成分が含まれる請求項1〜請求項12のいずれか1項に記載の腸溶性細粒。
  14. 腸溶層が、(メタ)アクリル酸共重合体を含む請求項1〜請求項13のいずれか1項に記載の腸溶性細粒。
  15. 請求項1〜請求項14のいずれか1項に記載の腸溶性細粒を複数含む医薬組成物。
  16. 口腔内崩壊錠である請求項15に記載の医薬組成物。
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