JP6153769B2 - カム装置 - Google Patents
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Description
一方、特許文献2に示すように、ローラギアカムと、前記ローラギアカムのテーパリブと係合するカムフォロアが複数放射状に配置されたターレットとを備えた、ローラギアカム機構のカム装置は従来から割出用に利用されており、モーターからターレット側に機械的にころがり接触で回転力が伝達されると共に、ノンバックラッシ状態での伝達が実現されているので、トルクの伝達効率や回転量の制御の点からは優れている。しかしながら、このカム装置をフィルムの送りのように連続の処理乃至加工にそのまま適用するとなると、等速性にゆらぎが出てくる。
上記課題を解決するために、本発明の請求項1の発明は、ローラギアカムと、前記ローラギアカムのテーパリブと係合するカムフォロアが複数放射状に配置されたターレットとを備え、前記ローラギアカムの回転により軸方向に位相が変位するテーパリブに前記カムフォロアが順次係合することで前記ローラギアカムと前記ターレットとの間で回転運動が伝達されるカム装置において、
複数のローラギアカムを、カムフォロアが同時に受ける押し側の予圧の総和と引き側の予圧の総和の差を小さくする方向で互いに係合位相をずらして配置したことを特徴とするカム装置である。
しかも、ローラギアカムを複数併用したことにより結果的にトルクも大きくできる。
図1に示すように、カム装置1では、ハウジング3内に以下の構成部材が組み込まれている。
軸受支持された出力軸(図示省略)の外周にドーナツ円盤状のターレット5が取付けられており、このターレット5の外周には複数(奇数)のカムフォロア7が放射状に等間隔をもって設けられている。各カムフォロア7は回転自在になっており、その回転方向がターレット5の回転方向の接線方向となるように位置決めされている。
第1ローラギアカム9の外周面にはテーパリブ11が所定の幾何学的曲線をもって全体的に螺旋状に形成されている。ターレット5と第1ローラギアカム9とは直角のねじれ関係をもって配置されており、隣接するカムフォロア7、7どうしの間にテーパリブ11が楔のように入り込んで係合するようになっている。
第1ローラギアカム9は円筒状になっており、軸受支持された第1入力軸13が挿通している。第1入力軸13の一端側には第1サーボモーター15が連結されており、モーターからの回転駆動力が入力される。
また、カムフォロア7が転がりながらテーパリブ11に案内されてトルクを伝達するので、トルクがスムーズに伝達される。
予圧の大きさについて、図2は係合の説明図に基づいて説明する。
この図では、カムフォロア7A、7Bが押し側、すなわちカムフォロア7が荷重を受ける側で係合し、カムフォロア7D、7Eが引き側、すなわち回り止めにより隙間を発生させない側でテーパリブ11に係合する直前の状態を示している。正確に言えば、この直前でも、係合しているが、説明の便宜のために、全てのカムフォロア7からテーパリブ11を離している。
基準線(S)方向の距離に差がある場合には、距離の小さい方が先に当たって係合するので、強く係合する、すなわち予圧が大きくなることになる。
一方、図3に示すように、第1ローラギアカム9が回転すると、テーパリブ11の係合位相が変位する。
位相(1)では、カムフォロア7A、7Bが押し側で、カムフォロア7C、7Dが引き側でそれぞれ回転しつつ、基準線(S)を挟んで対称に係合しており、
位相(2)では、カムフォロア7A、7Bが押し側で、カムフォロア7C、7Dが引き側でそれぞれ回転しつつ、基準線(S)より右方側にずれた位置で対称的に係合しており、引き側のカムフォロア7Eがテーパリブ11に当たる直前になっており、
位相(3)では、カムフォロア7A、7Bが押し側で、カムフォロア7D、7Eが引き側でそれぞれ回転しつつ、基準線(S)を挟んで対称に係合しており、
位相(4)では、カムフォロア7B、7Cが押し側で、カムフォロア7D、7Eが引き側でそれぞれ回転しつつ、基準線(S)より左方側にずれた位置で対称的に係合しており、押し側のカムフォロア7Aがテーパリブ11から離脱する直前になっており、
位相(5)では、カムフォロア7B、7Cが押し側で、カムフォロア7D、7Eが引き側でそれぞれ回転しつつ、基準線(S)を挟んで対称に係合している。
第1ローラギアカム9側のテーパリブ11に対して、第2ローラギアカム17側のテーパリブ19は、係合位相が180度ずれた状態で配置している。
このとき、テーパリブ11、19の予圧がかかる部位の幅寸法と、それぞれのテーパリブ間距離を便宜的に等しく「1」に設定し、押し側と引き側双方向の距離の総和と、押し側、引き側それぞれの距離の総和を計算すると、□内に示す数値になっている。
一つのローラギアカムだけだと、押し側と引き側で距離が(2:4)、(4:2)とアンバランスとなるときが出てくるが、二つのローラギアカムを併用し、一方のローラギアカムが(2:4)のときに、他方のローラギアカムが(4:2)になっているので、押し側と引き側でそれぞれ距離を総和すると、(6:6)となり、押し側と引き側で距離の総和が等しくなってバランスが取れている。
上記した距離は予圧の大きさに比例するので、上記した距離関係に設定することで、予圧のバランスが取れていることになる。
また、第1ローラギアカム9と、第2ローラギアカム17を二つ併用したことでトルクが二倍になっている。
さらに、カムフォロア7の本数が奇数になっているので、第1ローラギアカム9と、第2ローラギアカム17をターレット5の直径方向に対称的に配置することができるので、ハウジング3を慣用的な四角形状に設定できている。
図5では、カム装置1と同じ構成部分は同じ符号を付すことで説明を省略する。
このカム装置25は、第1の実施の形態に係るカム装置1と異なり、3つのローラギアカム27、31、35が配されている。ローラギアカム27にはサーボモーター29が、ローラギアカム31にはサーボモーター33が、ローラギアカム35にはサーボモーター37がそれぞれ連結されている。
3つのローラギアカム27、31、35が三角形を為すようにターレット5を囲んでおり、ハウジング39はこれらローラギアカム27、31、35を囲む部位では外方に突出した形状になっている。
各ローラギアカムの構成は、第1の実施の形態に係るローラギアカム9と同じになっている。
なお、ローラギアカム27、31、35の係合箇所のバランスを上手く取るために、カムフォロア7は偶数に設定されている。
図6では、カム装置1と同じ構成部分は同じ符号を付すことで説明を省略する。
このカム装置41は、第1の実施の形態に係るカム装置1と異なり、共用サーボモーター43が使用されている。この共用サーボモーター43の出力軸がギア45に連結され、ギア45とギア47は噛合し、ギア45とギア49は噛合し、ギア49とギア51は噛合している。ギア49は支持部53によりハウジング3内に回転可能に支持されており、ギア51が第1ローラギアカム9側の第1入力軸13に、ギア47が第2ローラギアカム17側の第2入力軸21にそれぞれ連結されている。
このように、モーターを共用することで、安定した同期性を容易に確保することができる。
例えば、ローラギアカムの個数は複数であればよく、4個でも良い。
また、テーパリブの係合数も限定されず、カムの長さに応じて変えればよい。
さらに、入力軸とローラギアカムは同一部材で構成されていてもよい。
すなわち、特許請求されている形状的、物理的特徴等を満たすものであれば、従来からあるまたは将来案出されるその他の部位の形状的特徴を付加し、素材を任意に選択しても、本発明の範囲に含まれる。
3‥‥ハウジング 5‥‥ターレット 7‥‥カムフォロア
9‥‥第1ローラギアカム 11‥‥テーパリブ
13‥‥第1入力軸 15‥‥第1サーボモーター
17‥‥第2ローラギアカム 19‥‥テーパリブ
21‥‥第2入力軸 23‥‥第2サーボモーター
25‥‥カム装置(第2の実施の形態)
27、31、35‥‥ローラギアカム 29、33、37‥‥サーボモーター
39‥‥ハウジング
41‥‥カム装置(第3の実施の形態)
43‥‥共用サーボモーター 45、47、49、51‥‥ギア
Claims (6)
- ローラギアカムと、前記ローラギアカムのテーパリブと係合するカムフォロアが複数放射状に配置されたターレットとを備え、前記ローラギアカムの回転により軸方向に位相が変位するテーパリブに前記カムフォロアが順次係合することで前記ローラギアカムと前記ターレットとの間で回転運動が伝達されるカム装置において、
複数のローラギアカムを、カムフォロアが同時に受ける押し側の予圧の総和と引き側の予圧の総和の差を小さくする方向で互いに係合位相をずらして配置したことを特徴とするカム装置。 - 請求項1に記載したカム装置において、
ターレット中心からローラギアカムの軸線への垂線を基準線とし、前記ローラギアカム側のテーパリブとそれらがそれぞれ当たって係合する前記ターレット側のカムフォロアの係合面との前記基準線方向の距離を予圧の代用値として利用して、この距離の総和の差が小さくなる方向で各ローラギアカムの係合位相を互いにずらして配置したことを特徴とするカム装置。 - 請求項1または2に記載したカム装置において、
同じ係合位相のローラギアカムを2個設け、各ローラギアカムを係合位相が互いに180度ずれた状態で配置したことを特徴とするカム装置。 - 請求項3に記載したカム装置において、
カムフォロアの本数を奇数に設定し、各ローラギアカムをターレット中心に対して直径方向対称な位置に配置したことを特徴とするカム装置。 - 減速装置として利用することを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載したカム装置。
- 請求項5に記載したカム装置において、
複数のローラギアカムの駆動源が単一のモーターであることを特徴とするカム装置。
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