JP6153733B2 - 燃料電池 - Google Patents

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Description

本発明は、据え置き用あるいは自動車等の移動体用の電源、および携帯用電源として有用な燃料電池に関するものであり、特に燃料ガスの発生装置または再生装置を有する燃料電池に関するものである。
燃料電池は、燃料気体を供給することで発電体に電力を発生させる手段である。据え置き型の中型エネルギー貯蔵装置として、もしくは、電気自動車やハイブリッド自動車の駆動源としての応用が期待されているほか、軽量化、小型化することによって、携帯電話やノートブック型コンピュータ等の携帯可能な機器向けの電力源とするための研究開発が進んでいる。
燃料電池は、原理的に取り出せる電力エネルギーの効率が高いため、省エネルギーになるだけでなく、環境負荷の低い発電方式であり、地球規模でのエネルギーや環境問題解決の切り札として期待されている。
以下の特許文献1、2では、炭化物等からなる負極燃料物質体と水(水蒸気)とを反応させること(賦活すること)で水素を発生させ、水素を燃料として用いる燃料電池が開示されている。
特許第4267968号公報 特開2012−21047号公報
特許文献1,2では、燃料電池に燃料ガスである水素を供給するための、パイプラインや高圧ガスボンベ設備など、大規模なインフラ整備が必要である。また、これら従来の燃料電池においては、燃料ガスは連続的に供給されるものであり、燃料ガスが系外に多少漏れた場合でも、発電能力への影響が少なかった。
これらに対して、燃料ガスの供給や精製、再生のための大規模な設備を必要とせず、小型で携帯できる燃料電池の開発が望まれている。
また、炭素材料を含む負極燃料物質を用いた場合、燃料電池の負極にカーボンが付着する現象が認められるときがある。これは、水素と二酸化炭素が化学反応して、負極触媒層においてカーボンと水とを生成した結果であると考えられる。このようなカーボン付着は,燃料電池の性能を劣化させるので好ましくない。
また、燃料電池には種々の形式があるが、200℃以下で動作する低温型の燃料電池は高価な触媒を必要とし、600℃以上で動作する高温型の燃料電池は使用できる構造材料が限られて高価になるという課題がある。
上記の課題を鑑み、この発明は、負極燃料物質体と水蒸気を反応させることで水素を発生させ、水素を燃料として駆動する小型で携帯可能なプロトン伝導型燃料電池を提供することを第1の目的とする。また、この発明は、高温領域においてガスの閉鎖空間の密閉を可能とし、また、繰り返し開閉可能な密閉部を備える燃料電池を提供することを第2の目的とする。また、この発明は、動作時におけるガスの閉鎖空間の圧力を所定の範囲に保つことができる燃料電池を提供することを第3の目的とする。また、この発明は、炭素材料を含む負極燃料物質を用いた場合において、系内におけるカーボン生成を防ぐことができる燃料電池を提供することを第4の目的とする。また、この発明は、200〜600℃の範囲で動作し、安価な触媒と安価な構造材料を用いることができ、高い出力密度の得られる中温型燃料電池を提供することを第5の目的とする。
この発明は、水素イオン伝導性および気密性を持つ電解質体と、電解質体の外面に設置され、放電時に酸素ガスを還元する正極と、電解質体の内面に設置され、放電時に燃料ガスを酸化する負極と、水または水蒸気と反応して燃料ガスを発生する負極燃料物質体と、負極燃料物質体を加熱するとともに電解質体を加熱する第1の加熱部と、負極および負極燃料物質体を内部に密閉する密閉容器と、を備え、密閉容器は、その容器壁面の少なくとも一部が電解質体によって形成されており、密閉部によって封止され、密閉容器は、その内部または外部に供給タンクを更に備え、負極燃料物質体と供給タンクから供給される水または水蒸気とを反応させることで燃料ガスを発生させることを特徴とする燃料電池を提供する。
また、密閉容器は、放電時に密閉容器内部の圧力を所定の範囲に保つための圧力調整部を更に備えることが好ましく、圧力調整部は、二酸化炭素吸収材を更に備えてもよい。
また、供給タンクは、水または水蒸気と負極燃料物質体とをともに供給することが好ましく、供給タンクは、気密性を備えるカセット式供給タンクであることが好ましい。
また、水素イオン伝導性および気密性を持つ電解質体と、電解質体の外面に設置され、放電時に酸素ガスを還元する正極と、電解質体の内面に設置され、放電時に燃料ガスを酸化する負極と、水または水蒸気と反応して燃料ガスを発生する負極燃料物質体と、負極燃料物質体を加熱するとともに電解質体を加熱する第1の加熱部と、負極および負極燃料物質体を内部に密閉する密閉容器と、を備え、密閉容器は、その容器壁面の少なくとも一部が電解質体によって形成されており、密閉部によって封止され、密閉容器は、放電時に密閉容器内部の圧力を所定の範囲に保つための圧力調整部を更に備え、圧力調整部は、二酸化炭素吸収材を更に備えることを特徴とする燃料電池を提供する
また、密閉部は、ロウ付け、レーザー溶接、ティグ溶接、半田溶接、超音波溶接、ガスケットシールおよびOリングシールのいずれかまたはそれら組み合わせによって密閉容器を封止することが好ましく、密閉容器は、密閉部によって開閉可能に封止されることが好ましい。
また、第1の加熱部と密閉容器を封止する密閉部との間を離間させ、燃料電池の稼働中における密閉容器のヘリウムリーク速度1×10−2Pa・m/sec以下に保ことが好ましい。
また、第1の加熱部と密閉容器を封止する密閉部との間を離間させ、燃料電池の稼働中における密閉部の温度300℃未満に保ことが好ましい。
また、負極燃料物質体を加熱する第2の加熱部を更に備え、第2の加熱部と密閉部との間を離間させ、燃料電池の稼働中における密閉容器のヘリウムリーク速度1×10−2Pa・m/sec以下に保ことが好ましい。
また、負極燃料物質体を加熱する第2の加熱部を更に備え、第2の加熱部と密閉部との間を離間させ、燃料電池の稼働中における密閉部の温度300℃未満に保ことが好ましい。
また、負極燃料物質体は、バイオマスを炭化させた炭化物、または、鉄、コバルト、ニッケル、もしくは亜鉛のうち少なくとも1つを含む金属粉末を備えることが好ましい。
また、電解質体は、ペロブスカイト構造を有する固体酸化物、リン酸を含浸させたマトリクス体、炭素−フッ素からなる疎水性テフロン骨格とスルホン酸基を持つパーフルオロ側鎖から構成されるパーフルオロカーボン材料からなるイオン交換膜、CsHPO/SiP複合体、硫化水素セシウム、CsHSO/SiO複合体、CsHPO/SiO複合体、リン酸亜鉛ガラス(ZnO−P)とピロリン酸チタン(TiP)微粒子の複合電解質、燐酸ジルコニウムまたは燐酸チタニウムのナノ結晶と燐酸イオンとイミダゾールまたはイミダゾール誘導体からなる有機無機ハイブリッドプロトン伝導体、Fe0.4Ta0.5、またはケイリン酸ガラス−過塩素酸−アルミナ系有機無機コンポジットプロトン伝導体のいずれかによって構成されることが好ましい。
本発明によれば、小型で携帯が可能なプロトン伝導型燃料電池を提供することができる。
また、本発明によれば、高温領域においてもガスの閉鎖空間の密閉性を保つことができ、繰り返し開閉できる密閉部を備える燃料電池を提供することができる。
また、本発明によれば、動作時におけるガスの閉鎖空間の圧力を所定の範囲に保つことができる。
また、本発明によれば、炭素材料を含む負極燃料物質を用いた場合において、系内におけるカーボン生成を防ぐことができる。
特に、200〜600℃の範囲で動作する中温型のプロトン伝導型燃料電池は、安価な触媒と安価な構造材料を用いることができ、高い出力密度が得られる。
本発明の実施の形態1に係る燃料電池の全体構成を示す図である。 本発明に係るプロトン伝導型燃料電池の動作説明図の一例である。 本発明に係るプロトン伝導型燃料電池の動作説明図の他の例である。 本発明の実施の形態2に係る燃料電池の全体構成を示す図である。 実施の形態1に係る燃料電池の構造変形例1の全体構成を示す図である。 実施の形態1に係る燃料電池の構造変形例2の全体構成を示す図である。 実施の形態2に係る燃料電池の構造変形例1の全体構成を示す図である。 実施の形態2に係る燃料電池の構造変形例2の全体構成を示す図である。
以下、この発明の実施の形態を添付の図面に基づいて説明する。
実施の形態1
図1に、この発明の実施の形態1に係る燃料電池1の全体構成を示す。実施の形態1に係る燃料電池1は、水素イオン(プロトン)を伝導することで発電がなされる燃料電池であり、図1に示すとおり、正極2、電解質体3、負極4およびこれらを加熱維持する第1の加熱部5、ならびに正極2から端子として引き出された正極集電体6および負極4から端子として引き出された負極集電体7からなる燃料電池部と、燃料電池部を壁面の一部に備える密閉容器8、密閉容器8を封止する密閉部9、密閉容器8内に設けられた負極燃料物質体10および負極燃料ケース11、負極燃料ケース11に隣接して設けられた供給タンク12、負極燃料ケース11および供給タンク12にそれぞれ独立して設けられた第2の加熱部13aおよび第3の加熱部13b、密閉容器8内の圧力を調整する圧力調整部14、密閉容器8内を開放可能な第1のバルブ15aおよび第2のバルブ15bからなる負極燃料部(賦活室)とによって構成される。
燃料電池部の正極2は、密閉容器8の壁面の一部に設けられた電解質体3を覆うように密閉容器8の外側に設置される。正極2は、発電時において電解質体3の伝導する水素イオン(H)を空気中の酸素(O)と反応させることで水蒸気(HO)を発生させる。正極2としては、例えば、炭素材と白金(Pt)やルテニウム(Ru)やその合金からなる触媒層、あるいはニオブ、ジルコニウム、タンタル、チタンなどの窒化物やその酸化物を含む触媒層によって形成され、酸素還元および酸化反応に対する触媒機能のほか、電子伝導性、ガス透過性、酸化雰囲気での安定性を有する。
電解質体3は、密閉容器8の壁面の一部を構成し、酸素ガスと水素ガスのクロスオーバーを避けることができる気密性を備え、その表面および裏面に正極2および負極4をそれぞれ備える。また、電解質体3は、第1の加熱部5によって、200〜600℃に加熱維持されることで、正極2から負極4へ水素イオン(プロトン)を伝導する。電解質体3の材料としては、主にAZrO (Aはアルカリ土類金属)の組成式で表記されるペロブスカイト構造を有する酸化物であり、Zrを元素MaおよびMbで置換(元素Maは、Y、Ho、Er、Tm、YbおよびLuからなる元素群のうち少なくとも1種類の元素。元素Mbは、ScおよびInのうち少なくとも1種類の元素)してなる無機固体電解質や、La0.9Sr0.1Yb1−xIn3−δペロブスカイト型酸化物などが挙げられる。
負極4は、密閉容器8の壁面の一部に設けられた電解質体3に接続され、密閉容器8の内側に設置される。負極4は、発電時において、密閉容器8内に発生した水素分子(H)を水素イオン(H)として電解質体3へ受け渡す。負極4もまた正極2と同じく、例えば炭素材と白金(Pt)やルテニウム(Ru)やその合金からなる触媒層によって形成される。なお、負極4は、水素などの燃料ガスの酸化および還元反応に対する触媒機能のほか、電子伝導性、ガス透過性、水蒸気存在下の還元雰囲気での安定性を有する。
第1の加熱部5は、密閉容器の外部であって電解質体3を含む燃料電池部を加熱するように設置され、筒状の電解質体3を所定の温度に加熱維持する。電解質体3がペロブスカイト構造を有する固体酸化物で構成され水素イオンを伝導する場合、第1の加熱部5は、電解質体3を200〜600℃に加熱維持する。なお、第1の加熱部5と密閉部9とは距離L1離間される。第1の加熱部5と密閉部9とが距離L1離間されることで、加熱時において、密閉部9を300℃未満に保ち、かつ、密閉容器8内のヘリウムリーク速度を1×10−2Pa・m/sec以下に保つことができる。
第1の加熱部5としては、例えば、抵抗発熱体、アーク加熱、誘導加熱、誘電加熱、マイクロ波加熱、ガス加熱、プラズマ加熱、ランプヒータ、赤外線ヒータからなり、なかでも抵抗発熱体としては、Ni−Cr、SiC、C、MoSiなどが挙げられる。第1の加熱部5が、電解質体3を所定の温度に加熱維持することで初めて、電解質体3内部を水素イオンが伝導する。
また、正極集電体6は正極2に接続され、負極4からの電子を正極2に移動し、負極集電体7は負極4に接続され、負極4において水素を水素イオンとすることで得られた電子を正極2へ移動させる。なお、正極集電体6と負極集電体7との間に負荷が接続されることで電子が移動し、発電がなされる。正極集電体6の材料としては、特に制限はないが、酸化雰囲気中での安定性を有する物質が好ましく、例えばチタン、ステンレス、銀やこれを主体とする合金などがある。別の材料例としては、例えばニッケル、チタン、ステンレス、銀やこれを主体とする合金に、白金メッキや金メッキを施したものがある。また、負極集電体7の材料としては、特に制限はないが、酸化ガス分圧を還元ガス分圧で除した値の対数値が4.5以下となる分圧比領域において酸化されない金属が好ましく、例えば銀、プラチナ、金、銅、チタンステンレスやこれを主体とする合金が挙げられる。ここで主体とは、合金全体に対して80質量%以上、より好ましくは90質量%以上含有されていることを意味する。
負極燃料部の密閉容器8は、上述のとおり、その壁面の一部に電解質体3を備え、その内部が密閉空間となるように密閉部9によって封止されている。密閉容器8は、例えば、インコネルなどの耐熱性を備える金属によって形成されてもよく、また、水密性および気密性を有するセラミクスなどで形成されていてもよい。なお、もちろん、密閉容器8全体が電解質体3と同じ固体電解質によって形成されていてもよい。なお、電解質体3を構成するペロブスカイト構造を有する固体酸化物は水密性および気密性を有する。
また、密閉部9は、蓋9aおよびガスケット9bをエポキシ接着材またはセラミックペーストの接着剤などにより密閉容器8の端部または壁部に気密接合することで形成されており、密閉容器8の内部を密閉している。また、密閉部9は、例えば、ロウ付け、レーザー溶接、ティグ溶接、半田溶接、または超音波溶接などによって密閉されてもよい。蓋9aは、例えば、耐熱性のある金属によって構成されてもよく、ガスケット9bは、例えば、耐熱性のシリコンゴム等によって構成され、蓋9aと密閉容器8との間を密閉する。なお、密閉容器8内には、負極4および負極燃料ケース11に入れられた負極燃料物質体10が存在し、燃料電池の駆動時における密閉容器8内部の気密度は、ヘリウムリークテストにおいて1×10−2Pa・m/sec以下である。なお、密閉容器8は密閉部9を取り外すことで繰り返し開閉が可能である。
負極燃料物質体10は、例えば、バイオマス燃料を高温低酸素下で加熱し炭化させた炭化物からなり、第2の加熱部13aによって200〜800℃に加熱され水蒸気と反応することで水素を発生する。なお、炭化物は水素と共に二酸化炭素を発生する。なお、バイオマス燃料を高温低酸素下で加熱し炭化させた炭化物の主な成分としては炭素(C)、カルシウム(Ca)およびリン(P)などが挙げられる。
また、負極燃料ケース11は、負極燃料物質体10を保持する役割を有する。負極燃料物質体10と水および水蒸気ならびに二酸化炭素との反応を促進するため、負極燃料ケース11はメッシュ状、あるいは多孔状であることが好ましい。負極燃料ケース11の好適な例としては、例えばセラミクスファイバー、セラミクスで被覆された金属メッシュ、低密度多孔性アルミナが挙げられる。負極燃料ケース11が多孔状である場合その多孔度は20%以上であることが好ましい。負極燃料ケース11の多孔度により、燃料電池の出力特性は変動し、多孔度が高いほど、出力が向上するためである。なお、負極燃料ケース11は、内部に保持した負極燃料物質体10の交換が容易なように密閉容器8と気密接続が可能なカートリッジタイプのケースであることが好ましい。
供給タンク12は、負極燃料ケース11に隣接して設置され、水または水蒸気を負極燃料室に供給するものである。この場合、第3の加熱部13bによって加熱されて水蒸気を放出してもよい。また、供給タンク12を密閉容器8と気密接続が可能なカートリッジタイプとしても良い。供給タンク12が密閉容器8内に存在し、密閉容器8内に水蒸気を供給し続けることで密閉空間内の水蒸気圧を高く保つ。発生した水蒸気は、隣接する負極燃料ケース11内の高温に加熱された負極燃料物質体10と反応して水素を発生させる。なお、供給タンク12の構成は、密閉容器8内の水蒸気圧を高く保つように、密閉容器8内の水素の消費に合わせて所定間隔で水蒸気を噴出するものであり、発生した水素ガスの散逸を避けるために、供給タンク12内は気密に保たれる。
負極燃料ケース11の下には第2の加熱部13aが、供給タンク12の下には第3の加熱部13bが、それぞれ設置され、それぞれ独立して負極燃料ケース11および供給タンク12を加熱する。なお、第2の加熱部13aおよび第3の加熱部13bは、第1の加熱部5とそれらの形状は異なるものの同様の構成であり、それぞれを個別に加熱することができる。
第2の加熱部13aは、負極燃料ケース11の下に設置され、負極燃料ケース11内部の負極燃料物質体10が水蒸気と反応して水素を発生するように、負極燃料物質体10を200〜800℃に加熱する。
また、第3の加熱部13bは、供給タンク12の下に設置され、供給タンク12内部の水が水蒸気となるように、水を100℃以上に加熱する。なお、密閉容器8内の内圧が大気圧より高い場合が多々あるため、水が水蒸気となる温度も100℃以上となる場合がある。
なお、第2の加熱部13aおよび第3の加熱部13bと密閉部9とは距離L2離間される。第2の加熱部13aおよび第3の加熱部13bと密閉部9とが距離L2離間されることで、加熱時において、密閉部9を300℃未満に保ち、かつ、密閉容器8内のヘリウムリーク速度を1×10−2Pa・m/sec以下に保つことができる。
圧力調整部14は、密閉容器8の壁部に設置された第1のパイプ14aおよび第2のパイプ14bを隔てて密閉容器8の内部と接続される。圧力調整部14としては、例えば金属製ベローズ、ダイヤフラム、または風船などからなり、密閉容器8内で発生する水蒸気や二酸化炭素によって引き起こされる圧力の変動を吸収し、密閉容器8内の圧力を所定の範囲に保つ。また、圧力調整部14は、アルカリ化合物からなる二酸化炭素吸収材、液体弁(液中に入れられたパイプ)などの二酸化炭素排出または二酸化炭素吸収のための構成を同時に備えてもよい。圧力調整部が炭酸ガス(二酸化炭素)の吸収剤で構成されている場合には、系内の炭酸ガス分圧を低く保つことができるので、水蒸気と炭化物が反応して水素ガスと炭酸ガスを発生する化学反応を促進できる。
また、密閉容器8は、第1のバルブ15aおよび第2のバルブ15bを密閉容器8の壁部にそれぞれ備え、これらを開放することで密閉容器8内の気体を交換することができる。例えば、第1のバルブ15aおよび第2のバルブ15bをそれぞれ開放し、第1のバルブ15aおよび第2のバルブ15bのいずれかから予め密閉容器8内部に水素ガスを充填することで、燃料電池1における発電の開始を容易なものとすることができる。
次に、本発明の実施の形態1に係る燃料電池1における動作を説明する。
図2は、本発明の実施の形態1に係る燃料電池1の動作を模式的に示す図である。
燃料電池1は、正極2、電解質体3、負極4および負極燃料物質体10を備え、正極2、電解質体3および負極4は、それぞれが密着して接続され、負極4および負極燃料物質体10は、図示しない密閉部9と電解質体3を壁面の一部として備える密閉容器8によって密閉される。
図示しない第1の加熱部5によって、正極2、電解質体3および負極4が200℃〜600℃に加熱される。
また、図示しない第2の加熱部13aによって負極燃料物質体10が200℃〜800℃に加熱されて、負極燃料物質体10(C)が以下の(1)式のように水蒸気(HO)と反応し、密閉容器8内部に水素ガス(H)を充満させる。
[化1]
C+2HO→CO+2H …(1)
負極燃料物質体10から発生した水素ガス(H)は、以下の(2)式のとおり負極4に吸収され、負極4から正極2まで水素イオン(H)として電解質体3内を移動し、正極2において以下の(3)式のとおり外部の酸素(O)と反応して水(HO)を生成させる。
この反応によって、負極4において水素(H)が水素イオン(H)となる際の電荷eが、負極4から負極集電体および正極集電体を通じて正極2へ流れることで、正極2から負極4へ電流が流れる。
[化2]
→2H+2e …(2)
1/2O+2H+2e→HO …(3)
なお、負極燃料物質体10は、上述のとおりバイオマス炭化物であり主成分は炭素(C)であるため、水蒸気(HO)と反応して水素(H)を発生させるとともに自らは二酸化炭素(CO)となる。発生した二酸化炭素(CO)は、密閉容器8内の圧力を高めるため、圧力調整部14に設けられた二酸化炭素吸収材によって吸収される。
また、負極燃料物質体10であるバイオマス炭化物は、主成分の炭素(C)のほかに少量のカルシウム(Ca)やリン(P)などを含む。負極燃料物質体10に含まれるカルシウム(Ca)やリン(P)は、水蒸気と反応して水素を発生し自らは酸化物となる。
なお、負極燃料物質体10としては、バイオマス燃料を高温低酸素下で加熱し炭化させたバイオマス炭化物以外にも、水と反応して水素ガスを発生する種々の燃料物質を用いることができるが、なかでも鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、亜鉛(Zn)などを含む金属粉末から構成されてもよい。炭素やこれら金属粉末を含む負極燃料物質体は、水との反応性に優れている。これら金属粉末を負極燃料とした場合には、炭酸ガスの発生が無いので、その吸収剤も必要ない。また、充電すると金属粉末の酸化物は、再び金属粉末に還元されるので、燃料電池を可逆的に繰り返し用いることもできる。これらの点でバイオマス炭化物を燃料に用いた場合よりも機能的に優れている。一方、バイオマス炭化物を用いたプロトン伝導型燃料電池は、現在、大量に廃棄され、有効な利用方法が見いだされていないバイオマスを用いてエネルギーを製造できるという点で優れている。
図3は、負極燃料物質体10として鉄粉(Fe)を用いた場合の実施の形態1に係る燃料電池1の動作を模式的に示す図である。なお、鉄粉以外の上述の金属粉末も、鉄粉と同様の反応を示す。
以下の(4)式に示すように、負極燃料物質体10である鉄粉(Fe)は、第2の加熱部13aによって高温に加熱されて水蒸気(HO)と反応することで水素(H)を発生させ、自らは酸化鉄(II)(FeO)となる。また、以下の(5)式に示すように、酸化鉄(II)(FeO)は、加熱された水蒸気(HO)と更に反応することで水素(H)を発生させ、自らは酸化鉄(Fe)となる。なお、水蒸気分圧を非常に高くできた場合には、Feにまで酸化される場合もある。負極4等での反応は上述のとおり、負極燃料物質体10としてバイオマス炭化物を用いた場合と同じである。
[化3]
Fe+HO→FeO+H …(4)
3FeO+HO→Fe+H …(5)
以上より、実施の形態1に係る燃料電池1は、水素発生を行う負極燃料部(賦活室)と発電を行う燃料電池部とが1つの密閉容器8内に存在し、密閉容器8内で発生する水素を消費しつつ発電を行うため、水素発生のための大規模な設備を必要とせず、小型で携帯可能である。また、第1の加熱部5と密閉部9とを所定間隔L1離間させ、第2の加熱部13aおよび第3の加熱部13bと密閉部9とを所定間隔L2離間させているため、駆動時における密閉容器8内の密閉性が充分に保たれるので水素ガスの散逸が無くエネルギー効率が高い。また、無機プロトン伝導体を電解質体に用いた場合は、有機系電解質体に比較して、高温安定性に優れているので非常に長寿命化できるものである。
実施の形態2
上述の実施の形態1に係る燃料電池1では、燃料ガスである水素を発生させる賦活室(負極燃料部)と発電を行う燃料電池部とが同じ密閉容器8内に存在したが、燃料ガスを発生させる負極燃料部と発電を行う燃料電池部とが1つの密閉空間を形成するように空間的に連続していれば、負極燃料部と燃料電池部とが分離されていてもよい。
図4に示すとおり、実施の形態2に係る燃料電池101は、正極22、電解質体23、負極24およびこれらを加熱維持する電池加熱部25、ならびに正極22から端子として引き出された正極集電体26および負極24から端子として引き出された負極集電体27、電解質体23を壁面の一部に備える密閉容器28、密閉容器28を封止する電池密閉部29からなる燃料電池部と、負極燃料物質体30、負極燃料物質体30を内部に備える賦活容器31、賦活容器31に接続された供給タンク32、負極燃料物質体30を含む賦活容器31を加熱する燃料加熱部33、賦活容器31およびこれに接続された密閉容器8内の圧力を調整する圧力調整部34、賦活容器31の両端をそれぞれ封止する第1の燃料密閉部36および第2の燃料密閉部37とからなる負極燃料部(賦活室)とによって構成される。そして、燃料電池部と負極燃料部とは1つの密閉空間を形成するように連絡パイプ35によって空間的に連結される。
燃料電池部の正極22は、筒状の電解質体23の外側表面を覆うように筒状に形成される。また、筒状の電解質体23は、一端が閉塞した筒状の密閉容器28の壁面の一部を構成する。また、負極24は、筒状の正極22に対応して、筒状の電解質体23の内側表面を覆うように筒状に形成される。また、電池加熱部25は、燃料電池部を均等に加熱維持するために、筒状の電解質体23の周囲に筒状に設置される。
なお、燃料電池部の正極22、電解質体23、負極24、電池加熱部25、正極集電体26、負極集電体27は、実施の形態1に係る燃料電池1の燃料電池部の正極2、電解質体3、負極4、第1の加熱部5、正極集電体6および負極集電体7と上述の形状以外は同様の構成である。
また、密閉容器28は、筒状で一端が閉塞されており、もう一端が電池密閉部29によって封止されている。密閉容器28は、例えば、実施の形態1に係る燃料電池1と同様、加熱に耐えうる金属で構成されていてもよく、また、セラミックス等の固体電解質で構成され、電解質体23と一体として形成されていてもよい。
電池密閉部29は、実施の形態1に係る燃料電池1と同様、蓋29aとガスケット29bをエポキシ接着材またはセラミックペーストの接着剤などにより密閉容器28の端部に気密接合することで形成されており、密閉容器28の開放された端部を密閉する。また、電池密閉部29と電池加熱部25とは距離L3離間される。電池密閉部29と電池加熱部25とが距離L3離間されることで、実施の形態1の場合と同様に、加熱時において、電池密閉部29を300℃未満に保ち、かつ、密閉容器28内部を含む密閉空間のヘリウムリーク速度を1×10−2Pa・m/sec以下に保つことができる。
また、蓋29aには、封止栓29cが設置され、封止栓29cには連絡パイプ35が設置される。封止栓29cは、例えば、耐熱性の高いシリコンゴムなどによって構成され、電池密閉部29の密閉性を保つ。
負極燃料物質体30は、実施の形態1の負極燃料物質体10と同様に、例えば、バイオマス燃料を高温低酸素下で加熱し炭化させた炭化物からなり、燃料加熱部33によって高温に加熱され水蒸気と反応することで水素を発生し、また、同様に、二酸化炭素を発生する。なお、負極燃料物質体30を構成する主な成分としては炭素(C)、カルシウム(Ca)およびリン(P)などが挙げられる。負極燃料物質体30は、図示しない負極燃料ケース内に保持されてもよく、図示しない負極燃料ケースは、負極燃料物質体30と水および水蒸気との反応を促進するため、メッシュ状あるいは多孔状であることが好ましい。あるいは図示しない気密性のカセットケースとしてもよい。
賦活容器31は、気密性および水密性を備える金属またはセラミクスの筒状容器からなり、両端部を第1の燃料密閉部36および第2の燃料密閉部37によって密閉されている。なお、賦活容器31は、燃料加熱部33の加熱に耐えうるように構成されている。また、賦活容器31は、例えば、気密性および水密性を有するセラミクスから構成されてもよく、また、例えば、インコネル等の加熱に耐えうる金属によって構成されてもよい。
供給タンク32は、供給バルブ32aを備える供給パイプ32bによって第2の燃料密閉部37を通じて賦活容器31に接続される。供給タンク32は、供給バルブ32aおよび供給パイプ32bを通じて賦活容器31内に水または水蒸気を供給し続けることで、賦活容器31内の水蒸気圧を高く保つ。水蒸気は、賦活容器31内の高温に加熱された負極燃料物質体30と反応して水素を発生させる。また、供給タンク32は、例えば、賦活容器31および密閉容器28内の水素の消費に合わせて、供給バルブ32aの開閉度合を調整することで、水または水蒸気の供給を調整するものであってもよい。なお、供給タンク32内は、実施の形態1に係る供給タンク12と同様に水蒸気の供給量を所定の範囲に保つため、また、賦活容器31からの逆流を防ぐために気密に保たれる。また、供給タンクを気密性のカセットケースとしても良い。これらカセットケースとしては、例えば、採血に用いられるバイアル瓶のようなものが想定される。
燃料加熱部33は、賦活容器31の周囲に筒状に設置され、負極燃料物質30が供給タンク32より供給される水蒸気と反応して水素を発生するように、負極燃料物質30を600〜700℃程度に加熱維持する。燃料加熱部33の構成は、その筒状の形状を除き実施の形態1の第1の加熱部5と同様の構成である。
圧力調整部34は、例えば、賦活容器31の第2の燃料密閉部37に設置された封止栓37aと、第1のパイプ34aおよび第2のパイプ34bを通じて賦活容器31の内部と接続される。圧力調整部34の構成は、実施の形態1の圧力調整部14と同じである。
なお、図4では、圧力調整部34は、第2の燃料密閉部37の封止栓37aに設置されるが、第1の燃料密閉部36の封止栓36aに設置されてもよく、また、燃料電池部の電池密閉部29に設置されてもよい。密閉空間内のいずれかに接続されれば、密閉空間内部の圧力を調整できるためである。
連絡パイプ35は、一方が燃料電池部の密閉容器28内部に電池密閉部29の封止栓29cによって接続され、もう一方が、負極燃料部の賦活容器31内部に第1の燃料密閉部36の封止栓36aによって接続される。連絡パイプ35は、1つの密閉空間を形成するように負極燃料部と燃料電池部とを空間的に接続することで、負極燃料部の賦活容器31内において発生した水素を燃料電池部の負極4および電解質体3へ供給する。
第1の燃料密閉部36は、筒状の賦活容器31の一方の端部に設置され、封止栓36aによって一方の端部を封止し、かつ、連絡パイプ35と賦活容器31とを接続する。
また、第2の燃料密閉部37は、筒状の賦活容器31のもう一方の端部に設置され、封止栓37aによってもう一方の端部を封止し、かつ、供給パイプ32bによって供給タンク32と賦活容器31とを接続し、第1のパイプ34aおよび第2のパイプ34bによって圧力調整部34と賦活容器31とを接続する。封止栓36a、37aは、例えば、それぞれ耐熱性の高いシリコンゴム等で構成されてもよく、また、それぞれ金属で構成され、蓋29aと同様に、筒状の賦活容器31の端部にエポキシ接着材またはセラミックペーストの接着剤などによって図示しないガスケットと共に接着されてもよい。
なお、第1の燃料密閉部36と燃料加熱部33とは距離L4離間され、第2の燃料密閉部37と燃料加熱部33とは距離L5離間される。第1の燃料密閉部36と燃料加熱部33とが所定距離L4離間され、第2の燃料密閉部37と燃料加熱部33とが所定距離L5離間されることで、燃料加熱部33による燃料加熱時において、第1の燃料密閉部36および第2の燃料密閉部37を300℃未満に保ち、かつ、賦活容器31内部を含む密閉空間のヘリウムリーク速度を1×10−2Pa・m/sec以下に保つことができる。
次に、本発明の燃料電池101における動作を説明する。
本発明の実施の形態2に係る燃料電池101の動作は、実施の形態1に係る燃料電池1と同様である。ただ、実施の形態2に係る燃料電池101は、燃料電池部と賦活燃料部とが分かれているため、一部の動作が相違する。よって、相違点のみ説明する。
燃料加熱部33により、賦活容器31内の負極燃料物質体30を600〜700℃に加熱し、また、供給タンク32から賦活容器31内への水の供給を調整して賦活容器31内の水蒸気圧を高く保つことで、賦活容器31内の負極燃料物質体30(C)と水蒸気(HO)とを反応させ、賦活容器31内に水素(H)を発生させる。
図4に示すように、発生した水素(H)は、連絡パイプ35を通って燃料電池部の密閉容器28内に供給され、また、二酸化炭素(CO)は、圧力調整部34の図示しない二酸化炭素吸収材によって吸収される。
なお、燃料電池部の電解質体23は、電池加熱部25によって200〜600℃に加熱されているため、連絡パイプ35によって供給された水素(H)を水素イオン(H)として負極24から正極22へ伝導し、発電が行われる。
また、実施の形態1の場合と同じく、負極燃料物質体10は、鉄粉(Fe)等の金属粉末で構成されてもよい。
以上より、実施の形態2に係る燃料電池101は、同一の密閉空間を形成するように燃料電池部と負極燃料部とが接続されており、小型で携帯可能である。また、電池加熱部25と電池密閉部29とを所定間隔L3離間させ、燃料加熱部33と第1の燃料密閉部36および第2の燃料密閉部37とをそれぞれ所定間隔L4、L5離間させているため、駆動時における密閉容器8および賦活容器31内の密閉性が充分に保たれる。
また、実施の形態1と異なり燃料電池部と負極燃料部とが分離しており、燃料電池部は、負極燃料部から水素の供給を受けるだけであるため、燃料電池部のメンテナンスに係る手間を省くことができ、また、例えば、1つの燃料電池部に対して複数の負極燃料部を切り替えて利用することで、長時間連続して発電が可能となる。また、1つの負極燃料部に対して複数の燃料電池部を接続して発電を行ってもよい。
構造変形例
また、図5に示すように、実施の形態1の構造変形例1として、燃料電池201において、供給タンク12を供給バルブ12aおよび供給パイプ12bを用いて密閉容器8の外部に設置し、外部から密閉容器8内へ水または水蒸気を供給する構成であってもよく、また、図6に示すように、実施の形態1の構造変形例2として、燃料電池301において、負極燃料物質体10を構成する負極燃料物質を、水などと混合して密閉容器8の外部に設置された供給タンク12から供給バルブ12aおよび供給パイプ12bを用いて水と共に密閉容器8内に供給する構成であってもよい。図5および図6からも明らかなように、これらの場合、第3の加熱部13bは不要となる。
また、図7に示すように、実施の形態2の構造変形例1として、燃料電池401において、供給タンク32を賦活容器31の内部に設置する構成であってもよく、また、図8に示すように、実施の形態2の構造変形例2として、燃料電池501において、負極燃料物質体30を構成する負極燃料物質を、水などと混合して賦活容器31の外部に設置された供給タンク32から水と共に賦活容器31内に供給する構成であってもよい。
材料変形例
上述の実施の形態1および実施の形態2、ならびにこれらの構造変形例1および2では、電解質体3、23を、ペロブスカイト構造を有する固体酸化物としていたが、これら電解質体を、リン酸(HPO)を含浸させたマトリクス体で構成してもよく、また、ナフィオン(登録商標)(炭素−フッ素からなる疎水性テフロン骨格とスルホン酸基を持つパーフルオロ側鎖から構成されるパーフルオロカーボン材料)などの固体高分子膜で構成してもよく、また、CsHPO/SiP複合体によって構成されてもよく、また、硫化水素セシウム(CsHSO)、CsHSO/SiO複合体、またはCsHPO/SiO複合体によって構成されてもよく、リン酸亜鉛ガラス(ZnO−P)とピロリン酸チタン(TiP)微粒子の複合電解質であってもよく、また、燐酸ジルコニウムまたは燐酸チタニウムのナノ結晶と燐酸イオンとイミダゾールまたはイミダゾール誘導体からなる有機無機ハイブリッドプロトン伝導体であってもよく、また、Fe0.4Ta0.5であってもよく、ケイリン酸ガラス−過塩素酸−アルミナ系有機無機コンポジットプロトン伝導体で構成されてもよい。
材料変形例に係る燃料電池の構成は、電解質体を上述の材料で構成した以外は、図1〜4に示す実施の形態1に係る燃料電池1および実施の形態2に係る燃料電池101、ならびに図5〜8に示すこれらの構造変形例に係る燃料電池201−501と同じである。
また、材料変形例に係る燃料電池の動作も、実施の形態1および実施の形態2と同様に、図2および図3に示す動作となるが、その動作温度が電解質体を構成する材料によって異なる。
例えば、リン酸を含浸させたマトリクス体の場合は、第1の加熱部5および電池加熱部25による電解質体の加熱温度を160〜210℃として発電を行うことができる。同様に、ナフィオン(登録商標)などのプロトン交換膜の場合は、その加熱温度を80〜100℃として発電を行うことができ、また、CsHPO/SiP複合体の場合は、加熱温度270℃で最も効率的な発電を行うことができ、また、硫化水素セシウム(CsHSO)、CsHSO/SiO複合体、CsHPO/SiO複合体やリン酸亜鉛ガラス(ZnO−P)とピロリン酸チタン(TiP)微粒子の複合電解質は、加熱温度100〜300℃付近で発電を行うことができ、また、燐酸ジルコニウムまたは燐酸チタニウムのナノ結晶と燐酸イオンとイミダゾールもしくはイミダゾール誘導体からなる有機無機ハイブリッドプロトン伝導体は、加熱温度100〜200℃付近で発電を行うことができ、また、また、Fe0.4Ta0.5は、加熱温度100〜300℃付近で発電を行うことができ、ケイリン酸ガラス−過塩素酸−アルミナ系有機無機コンポジットプロトン伝導体は、加熱温度100〜120℃付近で最も効率良く発電できる。
よって、材料変形例に係る燃料電池は、実施の形態1に係る燃料電池1および実施の形態2に係る燃料電池101よりも低い温度で発電を行うことができる。
以上、本発明の燃料電池について、実施の形態1および実施の形態2、これらの構造変形例1および2、ならびにこれらの材料変形例を基に詳細に説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更を行ってもよい。
1、101−501 燃料電池、 2、22 正極、 3、23、203、303 電解質体、 4、24 負極、 5 第1の加熱部、 6、26 正極集電体、 7、27 負極集電体、 8、28 密閉容器、 9 密閉部、 9a、29a 蓋、 9b、29b ガスケット、 10、30 負極燃料物質体、 11 負極燃料ケース、 12、32 供給タンク、 12a、32a 供給バルブ、 12b、32b 供給パイプ、 13a 第2の加熱部、 13b 第3の加熱部、 14、34 圧力調整部、 14a、34a 第1のパイプ、 14b、34b 第2のパイプ、 15a 第1のバルブ、 15b 第2のバルブ、 25 電池加熱部、 29 電池密閉部、 31 賦活容器、 33 燃料加熱部、 35 連絡パイプ、 36 第1の燃料密閉部、 29c、36a、37a 封止栓、 37 第2の燃料密閉部。

Claims (14)

  1. 水素イオン伝導性および気密性を持つ電解質体と、
    前記電解質体の外面に設置され、放電時に酸素ガスを還元する正極と、
    前記電解質体の内面に設置され、放電時に燃料ガスを酸化する負極と、
    水または水蒸気と反応して前記燃料ガスを発生する負極燃料物質体と、
    前記負極燃料物質体を加熱するとともに前記電解質体を加熱する第1の加熱部と、
    前記負極および前記負極燃料物質体を内部に密閉する密閉容器と、を備え、
    前記密閉容器は、その容器壁面の少なくとも一部が前記電解質体によって形成されており、密閉部によって封止され、
    前記密閉容器は、その内部または外部に供給タンクを更に備え、
    前記負極燃料物質体と前記供給タンクから供給される水または水蒸気とを反応させることで前記燃料ガスを発生させることを特徴とする燃料電池。
  2. 前記密閉容器は、放電時に前記密閉容器内部の圧力を所定の範囲に保つための圧力調整部を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池。
  3. 前記圧力調整部は、二酸化炭素吸収材を更に備えることを特徴とする請求項2に記載の燃料電池。
  4. 前記供給タンクは、水または水蒸気と前記負極燃料物質体とをともに供給することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料電池。
  5. 前記供給タンクは、気密性を備えるカセット式供給タンクであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の燃料電池。
  6. 水素イオン伝導性および気密性を持つ電解質体と、
    前記電解質体の外面に設置され、放電時に酸素ガスを還元する正極と、
    前記電解質体の内面に設置され、放電時に燃料ガスを酸化する負極と、
    水または水蒸気と反応して前記燃料ガスを発生する負極燃料物質体と、
    前記負極燃料物質体を加熱するとともに前記電解質体を加熱する第1の加熱部と、
    前記負極および前記負極燃料物質体を内部に密閉する密閉容器と、を備え、
    前記密閉容器は、その容器壁面の少なくとも一部が前記電解質体によって形成されており、密閉部によって封止され、
    前記密閉容器は、放電時に前記密閉容器内部の圧力を所定の範囲に保つための圧力調整部を更に備え、
    前記圧力調整部は、二酸化炭素吸収材を更に備えることを特徴とする燃料電池。
  7. 前記密閉部は、ロウ付け、レーザー溶接、ティグ溶接、半田溶接、超音波溶接、ガスケットシールおよびOリングシールのいずれかまたはそれらの組み合わせによって前記密閉容器を封止することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の燃料電池。
  8. 前記密閉容器は、前記密閉部によって開閉可能に封止されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の燃料電池。
  9. 前記第1の加熱部と前記密閉容器を封止する前記密閉部との間を離間させ、
    前記燃料電池の稼働中における前記密閉容器のヘリウムリーク速度を1×10−2Pa・m/sec以下に保つことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の燃料電池。
  10. 前記第1の加熱部と前記密閉容器を封止する前記密閉部との間を離間させ、
    前記燃料電池の稼働中における前記密閉部の温度を300℃未満に保つことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の燃料電池。
  11. 前記負極燃料物質体を加熱する第2の加熱部を更に備え、
    前記第2の加熱部と前記密閉部との間を離間させ、
    前記燃料電池の稼働中における前記密閉容器のヘリウムリーク速度を1×10−2Pa・m/sec以下に保つことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の燃料電池。
  12. 前記負極燃料物質体を加熱する第2の加熱部を更に備え、
    前記第2の加熱部と前記密閉部との間を離間させ、
    前記燃料電池の稼働中における前記密閉部の温度を300℃未満に保つことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の燃料電池。
  13. 前記負極燃料物質体は、バイオマスを炭化させた炭化物、または、鉄、コバルト、ニッケル、もしくは亜鉛のうち少なくとも1つを含む金属粉末を備えることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の燃料電池。
  14. 前記電解質体は、ペロブスカイト構造を有する固体酸化物、リン酸を含浸させたマトリクス体、炭素−フッ素からなる疎水性テフロン骨格とスルホン酸基を持つパーフルオロ側鎖から構成されるパーフルオロカーボン材料からなるイオン交換膜、CsHPO/SiP複合体、硫化水素セシウム、CsHSO/SiO複合体、CsHPO/SiO複合体、リン酸亜鉛ガラス(ZnO−P)とピロリン酸チタン(TiP)微粒子の複合電解質、燐酸ジルコニウムまたは燐酸チタニウムのナノ結晶と燐酸イオンとイミダゾールまたはイミダゾール誘導体からなる有機無機ハイブリッドプロトン伝導体、Fe0.4Ta0.5、またはケイリン酸ガラス−過塩素酸−アルミナ系有機無機コンポジットプロトン伝導体のいずれかによって構成されることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の燃料電池。
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