JP6152834B2 - 鋼の連続鋳造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、タンディッシュの底部に設置され、直線状のガス流出孔が複数形成された上ノズルを用いる鋼の連続鋳造方法に関し、タンディッシュから鋳型に注入される溶鋼に吹き込まれる不活性ガスに起因して鋳片に形成されてしまう欠陥の個数を抑える技術に関する。
鋼の連続鋳造においては、タンディッシュの底部に設置された上ノズル及びタンディッシュの下方に配置された浸漬ノズルを通じて、タンディッシュに滞留する溶鋼を鋳型へ注入する。タンディッシュに滞留する溶鋼に、アルミナなどの非金属介在物が含まれている場合、非金属介在物が浸漬ノズルの内壁面に付着し堆積し、浸漬ノズルの詰まりが発生してしまう。浸漬ノズルが閉塞すると、鋳造作業上及び鋳片品質上で様々な問題が発生する。例えば、鋳型内溶鋼の流動パターンが変化して、溶鋼流による凝固シェルの洗浄効果が低下し、鋳片表層下に非金属介在物や気泡が捕捉され、鋳片に欠陥が形成されてしまい、鋳片の品質が悪化してしまう。
浸漬ノズルの内壁に非金属介在物が付着し堆積することを防止するために、浸漬ノズル中の溶鋼流路を流下する溶鋼に、Arガスや窒素ガスなどの不活性ガスを吹き込み、該不活性ガスで浸漬ノズルの内壁を洗浄し、非金属介在物の付着及び堆積を防止する方法が実施されている。特許文献1には、ポーラスレンガから構成され、複数の孔が形成された上ノズルに不活性ガスを吹き込むことが記載され、不活性ガスの背圧を1.2[kg/cmG]以上とし且つ不活性ガスの吹込流量を5〜10[Nl/分]とすることが記載されている。
ポーラスレンガ中の孔径には分布があり、特許文献1のように、不活性ガスの背圧や吹込流量を調整しても、ポーラスレンガから吹き出される気泡の径及び個数を調整することは容易ではない。前述の通り、不活性ガスの気泡や不活性ガスに随伴される非金属介在物が凝固シェルに補足された場合には、鋳片に欠陥が形成されてしまうが、気泡径及び気泡個数を調整できなければ、気泡が大きくなり過ぎたり、気泡が多すぎたりして、不活性ガスの気泡や非金属介在物が凝固シェルに補足されて、鋳片に、欠陥が形成されてしまうおそれがある。
そこで、特許文献2では、加圧成型機にてノズルレンガを成型するときに、可燃糸を挟んだ状態のシートをレンガに挟み、その後の焼成工程で可燃糸を消失させて、ガス流出孔が複数形成された上ノズルを製造する方法が記載されている。この方法によって、所望の孔径を有する直線状のガス流出孔(細貫通孔)を所望の数形成された上ノズルを製造可能であり、この上ノズルを用いれば、不活性ガスの気泡径及び気泡個数をある程度容易に調整できる。
特開2000−84647号公報 特開平3−295872号公報
特許文献2の方法によって製造された上ノズルを用いると、ガス流出孔から吹き出される際の不活性ガスの気泡径及び気泡個数の調整はしやすくなる。しかしながら、鋳片の生産性を高めるべく、鋳型へ注入される溶鋼の流量を大きくするほど、上ノズルを通過する溶鋼の流れが速くなり、前記上ノズルを用いたとしても、溶鋼中の気泡径及び気泡個数を調整することが容易ではない場合があり、ひいては、鋳片に生じる欠陥の個数を所望に抑えられない場合がある。
本発明は、この問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、直線状のガス流出孔が複数形成された上ノズルを通じて、タンディッシュから鋳型に溶鋼を注入する際に、溶鋼中に吹き込む不活性ガスに起因して、鋳片に形成されてしまう欠陥の個数を抑える鋼の連続鋳造方法を提供することである。
上記課題を解決するための本発明の要旨は以下の通りである。
タンディッシュの底部に設置され、直線状のガス流出孔が複数形成された上ノズルを通じて、前記タンディッシュに収容されている溶鋼を鋳型に注入して行う鋼の連続鋳造方法であって、複数のガス流出孔に不活性ガスを吹き込むことで、前記上ノズルを通過する溶鋼に前記不活性ガスを吹き込むこととし、前記ガス流出孔は孔径dの平均D[mm]と前記ガス流出孔の個数Nとが下記式(1)を満たすとともに、前記不活性ガスの吹込流量q[Nl/分]と前記鋳型に注入される溶鋼の流量Q[トン/分]とが下記式(2)を満たすことを特徴とする鋼の連続鋳造方法。
5.0≦D×N≦100.0 (1)
1.5≦q/Q≦2.5 (2)
本発明によれば、直線状のガス流出孔が複数形成された上ノズルを通じてタンディッシュから鋳型に溶鋼を注入する際に、溶鋼中に吹き込まれる不活性ガスに起因して、鋳片に形成されてしまう欠陥の個数を抑えることができる。
連続鋳造設備のタンディッシュ及び鋳型の一部を示す概略断面図である。 図1に示す上ノズルを示す図である。 ガス流出孔の孔径dの平均D[mm]とガス流出孔の個数Nとの積及び鋳片中の欠陥個数[個/m]の関係を示すグラフである。 溶鋼の流量Q[トン/分]に対する不活性ガスの吹込流量q[Nl/分]及び欠陥個数[個/m]の関係を示すグラフである。 実施例における欠陥個数[個/m]を示すグラフである。
本発明の実施形態の一例に係る連続鋳造設備及び方法について説明する。図1は、連続鋳造設備のタンディッシュ及び鋳型の一部を示す概略断面図である。連続鋳造設備1は、溶鋼2を収容するタンディッシュ3と、該タンディッシュ3に接続されているノズル4と、該ノズル4の下方に配置されている鋳型5と、を有する。図1には、タンディッシュ3の底部が示されており、該タンディッシュ3は、外殻となる鉄皮31と、該鉄皮31の内側に施工された耐火物32とを有している。前記タンディッシュ3に収容された溶鋼2が、ノズル4内に流入し、次いで、該ノズル4から鋳型5の内部に注入される。
タンディッシュ3の底部には、耐火物32に嵌合する上ノズル41が設置され、該上ノズル41の下面に接するように、スライディングノズル42が配置され、更には、該スライディングノズル42の下面に接するように、浸漬ノズル43が配置されている。ノズル4は、上ノズル41とスライディングノズル42と浸漬ノズル43とで構成されており、それらの内部には、溶鋼2が流れる溶鋼流路21が形成されている。浸漬ノズル43の側面には、浸漬ノズル43を通じて溶鋼2を鋳型5へ注入する際に、溶鋼2が通過する溶鋼吐出孔22が形成されている。浸漬ノズル43の内壁に非金属介在物が付着し堆積することを防止するために、上ノズル41を介して不活性ガスを、溶鋼流路21内を流下する溶鋼2中に吹き込んでいる。不活性ガスは、Arガス、窒素ガス、Arガスと窒素ガスとの混合ガスの何れかである。
図2は上ノズル41を示し、(a)はその鉛直断面、(b)はその水平断面を示す。上ノズル41は、耐火物からなる本体部41dと、該本体部41dを取り囲んで、上ノズル41の外殻となる鉄皮41aと、を有する。本体部41dは中空状であり、中空部分が溶鋼流路21の一部となっている。本体部41dには、高さ方向及び溶鋼流路21の周方向に沿ってガス流出孔41bが複数形成されており、ガス流出孔41bに連通するガス導入流路41cが、鉄皮41aと本体部41dとの間で、該本体部41dを取り囲むように形成されている。本体部41dを貫通する直線状のガス流出孔41bが複数形成されている上ノズル41は、例えば、特許文献2に記載の方法で製造することができる。なお、上ノズル41のガス導入流路41cに不活性ガスを供給して、複数のガス流出孔41bから、溶鋼流路21を流下する溶鋼2に不活性ガスを吹き込むことができ、これにより、溶鋼2中に形成される不活性ガスの気泡径及び気泡数を調整できる。また、上ノズル41の鉛直方向の長さは、耐火物32の厚みもによるが、250〜350mmである。
スライディングノズル42は、上部固定板45と摺動板46と下部固定板47とを有し、各板には、その板を貫通する貫通穴が設けられている。スライディングノズル42は、上部固定板45と下部固定板47と摺動板46とが重なり合うことで、各板の貫通穴が連通し、この連通した貫通穴が溶鋼流路21の一部となる構成されている。摺動板46は往復型アクチュエーター48と接続しており、該往復型アクチュエーター48の作動によって摺動板46が水平方向に移動することで、この摺動板46は、上部固定板45と下部固定板47との間をこれらと接触したまま移動する。これにより、摺動板46の貫通穴が、上部固定板45と下部固定板47との貫通穴からずれることで、スライディングノズル42における溶鋼流路21の水平断面積(スライディングノズル42の開度)を調整して、溶鋼流路21を通過する溶鋼量を制御できる。
浸漬ノズル43は、下部に形成される溶鋼吐出孔22が鋳型5内の溶鋼2に埋没するようにその先端が溶鋼2中に浸漬されて使用される。鋳型5は、相対する鋳型長辺51と、該鋳型長辺51の内側に内装された、相対する鋳型短辺52と、により構成されており、鋳型長辺51と鋳型短辺52とにより形成される鋳型5の内部に、浸漬ノズル43の溶鋼吐出孔22から溶鋼2が注入されて、鋳型5内に溶鋼湯面23が形成される。
モールドパウダー24を鋳型5内の溶鋼2に投入し、溶鋼湯面23の上にモールドパウダー24の層を形成する。モールドパウダー24の層によって、溶鋼湯面23の酸化を防止しかつ溶鋼2を保温する。また、モールドパウダー24が溶融して形成される溶融スラグは、浮上してくる溶鋼2中の非金属介在物を吸収する。加えて、溶融スラグは、鋳型5と、該鋳型5で溶鋼2が抜熱されて形成される凝固シェル25と、の間に流れ込む。これにより、鋳型5への鋳片の焼付が防止され、鋳型5による溶鋼2の抜熱が均一に行われる。
転炉または電気炉などの一次精錬炉若しくはRH真空脱ガス装置などの二次精錬炉で溶製された溶鋼2を、取鍋(図示せず)からタンディッシュ3に注入し、タンディッシュ3に滞留する溶鋼量が所定量になったら、摺動板46を水平方向に移動してスライディングノズル42の開度を上げて、溶鋼流路21を介して溶鋼2を鋳型5に注入する。溶鋼2は、溶鋼吐出孔22から、鋳型短辺52に向かう吐出流となって鋳型5内に注入される。鋳型5の内部に注入された溶鋼2は鋳型5により冷却され、凝固シェル25を形成する。
鋳型5の内部に溶鋼2を所定量注入したことを確認して、溶鋼吐出孔22を鋳型内の溶鋼2に浸漬させ、外殻が凝固シェル25となってから、鋳型5の下方に設置したピンチロール(図示せず)を駆動して、内部に未凝固の溶鋼2を有する鋳片の引き抜きを開始する。溶鋼湯面23の位置を鋳型5内のほぼ一定位置に制御しながら鋳片引き抜き速度を増やし、次いで、その速度を維持して、鋳片を引き抜いて、鋼の鋳片を製造する。
以上の鋼の連続鋳造設備及び方法の説明を踏まえて本発明について説明する。ガス流出孔41bの孔径dと個数Nを所望とした上ノズル41を用い、不活性ガスをガス流出孔41bに供給しながら鋼の連続鋳造を行えば、吹き出し直後の不活性ガスの気泡径及び気泡個数を所望の値に設定できる。但し、鋳型5へ注入される溶鋼2の流量Q[トン/分]が大きくなると、上ノズル41を通過する溶鋼2の速度が速くなってしまい、溶鋼2中の気泡径及び気泡個数を調整することが容易ではない場合があり、ひいては、鋳片に生じる欠陥の個数を調整できない場合があった。
そこで、本発明者らは、前記上ノズル41を用いる鋼の連続鋳造において、鋳型5へ注入される溶鋼2の流量をある程度大きくしたとしても、鋳片に生じる欠陥の個数を抑えることを可能とする条件を鋭意検討し、実験を重ね、鋼の連続鋳造で、後述する式(1)及び(2)を満たせば、鋳型5へ注入される溶鋼2の流量がある程度大きくなり、上ノズルを通過する溶鋼2の流れが速くなってしまっても、溶鋼2中の気泡径及び気泡個数を調整して、鋳片に生じる欠陥の個数を抑え得ることを見出した。本発明では、孔径dの平均D[mm]とガス流出孔41bの個数Nとの積、及び、鋳型5への溶鋼2の流量Q[トン/分]に対する上ノズル41への不活性ガスの吹込流量q[Nl/分]の値を、所定の範囲とすることで、鋳片に生じる欠陥の個数を抑えることが可能となる。
ガス流出孔41bの孔径dを最大で、1.2[mm]とすることが好ましい。これにより、ガス流出孔41bから吹き出る不活性ガスの気泡のサイズを抑えて、溶鋼湯面23を一定にして、モールドパウダーの溶鋼2への巻き込みを抑えやすくなる。溶鋼2に巻き込まれるモールドパウダーの量及び該モールドパウダー中の非金属介在物の量が抑えられ、鋳片に形成される欠陥の個数を抑え得る。なお、ガス流出孔41bの孔径dは0.05mm以上となる。特許文献2に記載の燃糸を用いた方法では、径が0.05mm未満となる孔を形成することが困難だからである。
複数のガス流出孔41bの孔径dの平均D[mm]とガス流出孔41bの個数Nとの積は下記式(1)を満たす。
5.0≦D×N≦100.0 (1)
孔径dの平均D×個数Nを100.0以下とすることにより、ガス流出孔41bから吹き出る不活性ガスの気泡のサイズ及び量を抑えて、溶鋼湯面23を一定にして、モールドパウダーの溶鋼2への巻き込みを抑え、鋳片に形成される欠陥の個数を抑え得る。また、孔径dの平均D×個数Nを5.0以上とすることにより、気泡による、アルミナなどの介在物を浮上させる効果が発揮され、溶鋼2に非金属介在物が含まれにくくなり、鋳片に形成される欠陥の個数を抑え得る。
上記式(1)を満たす上ノズル41を用いた鋼の連続鋳造方法において、ガス導入流路41cに不活性ガスを供給し、ガス流出孔41bから不活性ガスを溶鋼2に吹き込む。この際、上ノズル41への不活性ガスの吹込流量q[Nl/分]と、溶鋼2の流量Q[トン/分]とは、下記式(2)を満たすものとする。
1.5≦q/Q≦2.5 (2)
吹込流量q/溶鋼流量Qを2.5以下とすることにより、ガス流出孔41bから吹き出る不活性ガスの気泡のサイズ及び量を抑えて、溶鋼湯面23を一定にして、モールドパウダーの溶鋼2への巻き込みを抑え、鋳片に形成される欠陥の個数を抑え得る。また、吹込流量q/溶鋼流量Qを1.5以上とすることにより、気泡による、アルミナなどの介在物を浮上させる効果が発揮され、溶鋼2に非金属介在物が含まれにくくなり、鋳片に形成される欠陥の個数を抑え得る。
次に、式(1)及び(2)のいずれも満たす鋼の連続鋳造を行う場合と、式(1)及び(2)のいずれかを満たさない場合とで、鋳片に生じる欠陥の個数が変わり、その個数の変化を、実験1及び実験2に示す。
<実験1>
実験1では、式(1)及び式(2)を満たす鋼の連続鋳造を行う場合と、式(2)を満たすものの、式(1)を満たさない場合とで、鋳片に生じる欠陥の個数を調査した。欠陥個数は、超音波探傷により求めている。長辺長さ1.8m、短辺長さ0.26mの内部空間を有する鋳型5を用いて、鋳片を作製する連続鋳造を複数回行なった。複数回の連続鋳造において、溶鋼2の流量Qを6.0[トン/分]とし、不活性ガスの吹込流量qを12.0[Nl/分]とし、q/Qの値を2.0としたが、連続鋳造の各々において、ガス流出孔41bについて、孔径dの平均D[mm]と個数Nとが異なる上ノズル41を用いた。
実験1の調査結果を図3に示す。図3のグラフに、孔径dの平均D[mm]と個数Nとの積及び鋳片中の欠陥個数[個/m]の関係を示す。グラフに示すように式(1)を満たす場合、欠陥個数が0.4[個/m]以下となって、鋳片の品質が良好となっていることがわかる。欠陥個数が0.4[個/m]以下の場合に鋳片の品質が良好であると判断した理由は、欠陥個数が0.4[個/m]と超えると、圧延後の製品表面疵が発生しやすくなることに基づく。
<実験2>
実験2では、ガス流出孔41bの孔径dが0.5[mm]以下であり、その平均Dが0.3[mm]で、個数Nが120個で、平均Dと個数Nとの積(D×N)が36で式(1)を満たす上ノズル41及び実験1と同じサイズの鋳型5を用い、不活性ガスを溶鋼2に吹き込みつつ、鋼の連続鋳造を行った。実験2では、溶鋼2の流量Q及び不活性ガスの吹込流量qを変更して、式(1)を満たした上で式(2)を満たす鋼の連続鋳造を行う場合と、式(1)を満たすが、式(2)を満たさない場合とで、鋳片に生じる欠陥の個数を調査した。
実験2の調査結果を図4に示す。図4のグラフには、不活性ガスの吹込流量q[Nl/分]/溶鋼の流量Q[トン/分]及び欠陥個数[個/m]の関係を示す。グラフに示すように、式(1)を満たす上に式(2)を満たす場合には、欠陥個数が0.4[個/m]以下となって、鋳片の品質が良好となっていることがわかる。
上記の通り、式(1)及び(2)のいずれもを満たす場合には、直線状のガス流出孔が複数形成された上ノズルを通じて、タンディッシュから鋳型に溶鋼を注入する際に、溶鋼中に吹き込む不活性ガスに起因して鋳片に形成される欠陥の個数を抑えることができる。
図1に示す連続鋳造設備1を用いて、鋼の連続鋳造を実施した。直線状のガス流出孔41bが複数形成された上ノズル41を通じて、タンディッシュ3に収容されている溶鋼2を鋳型5に注入して鋼の連続鋳造を複数回行った。鋼の連続鋳造の各々において、ガス流出孔41bに不活性ガスを吹き込んだ。また、鋼の連続鋳造の各々では、ガス流出孔41bの孔径d、その平均D[mm]と、ガス流出孔41bの個数Nと、を適宜変更し、加えて、上ノズル41への不活性ガスの吹込流量q[Nl/分]と鋳型5に注入される溶鋼2の流量Q[トン/分]とを変更することとした(本発明例1〜34及び比較例1〜31)。
本発明例1〜34では、式(1)及び(2)のいずれも満たす鋼の連続鋳造を実施したが、比較例1〜31では、式(1)及び(2)のいずれかを満たさない鋼の連続鋳造を実施した。また、本発明例1〜34及び比較例1〜31の鋳片の一部を切り出し、切り出した一部について、超音波探傷を行い、単位面積当りの欠陥個数[個/m]を測定した。本発明例1〜34及び比較例1〜31の鋼の連続鋳造の条件及び結果(欠陥個数)を表1に示し、本発明例1〜34及び比較例1〜31での欠陥個数を図5に示す。
Figure 0006152834
本発明例1〜4では、式(1)及び(2)を満たし、欠陥個数は0.4[個/m]以下となり、鋳片の品質は良好であることがわかる。一方で、比較例1は、孔径dの最大値Dを1.2mmより大きくし、加えて、式(1)を満たさない。また、比較例2及び3では、式(2)を満たさない。比較例1は、式(1)を満たさないだけで、欠陥個数は0.4[個/m]を超え、比較例2及び3では、式(2)を満たさないだけで、欠陥個数は0.4[個/m]を超えて、鋳片の品質が大幅に悪化することがわかる。
本発明例11〜14は、本発明例1〜4と同様に式(1)及び(2)を満たすものとした。本発明例11〜14では、本発明例1〜4と同様に、欠陥個数は0.4[個/m]以下となった。
本発明例21〜24では、個数Nを50とし、孔径dの最大値を0.15[mm]とし、平均Dを0.1[mm]とし、吹込流量qを12.0[Nl/分]とし、流量Qを適宜変更とした[トン/分]。一方、比較例21では、個数Nを40とした以外は、本発明例21と同じ条件として、鋼の連続鋳造を行った。本発明例21〜24では、孔径dが1.2[mm]以下を満たし、式(1)及び(2)を満たす。比較例21は、式(2)を満たすものの、式(1)を満たさない。
本発明例21〜24では、欠陥個数は0.4[個/m]以下となり、鋳片の品質は良好であることがわかる。一方で、比較例21は、式(1)を満たさないだけで、欠陥個数は0.4[個/m]を超えて、鋳片の品質が大幅に悪化することがわかる。
本発明例31〜34では、個数Nを200とし、孔径dの最大値を0.8[mm]とし、平均Dを0.5[mm]とし、吹込流量qを12.0[Nl/分]とし、流量Qを適宜変更とした[トン/分]。一方、比較例31では、個数Nを220とした以外は、本発明例31と同じ条件として、鋼の連続鋳造を行った。本発明例31〜34では、孔径dが1.2[mm]以下を満たし、式(1)及び(2)を満たす。比較例31は、式(2)を満たすものの、式(1)を満たさない。
本発明例31〜34では、欠陥個数は0.4[個/m]以下となり、鋳片の品質は良好であることがわかる。一方で、比較例31は、式(1)を満たさないだけで、欠陥個数は0.4[個/m]を超えて、鋳片の品質が大幅に悪化することがわかる。
以上の実施例の結果からも、式(1)及び(2)のいずれもを満たす場合には、直線状のガス流出孔が複数形成された上ノズルを通じて、タンディッシュから鋳型に溶鋼を注入する際に、溶鋼中に吹き込む不活性ガスに起因して、鋳片に形成される欠陥の個数を抑え得ることがわかる。
1 連続鋳造設備
2 溶鋼
3 タンディッシュ
4 ノズル
5 鋳型
21 溶鋼流路
22 溶鋼吐出孔
23 溶鋼湯面
24 モールドパウダー
25 凝固シェル
31 鉄皮
32 耐火物
41 上ノズル
41a 鉄皮
41b ガス流出孔
41c ガス導入流路
41d 本体部(耐火物)
42 スライディングノズル
43 浸漬ノズル
45 上部固定板
46 摺動板
47 下部固定板
48 往復型アクチュエーター
51 鋳型長辺
52 鋳型短辺

Claims (1)

  1. タンディッシュの底部に設置され、直線状のガス流出孔が複数形成された上ノズルを通じて、前記タンディッシュに収容されている溶鋼を鋳型に注入して行う鋼の連続鋳造方法であって、
    複数のガス流出孔に不活性ガスを吹き込むことで、前記上ノズルを通過する溶鋼に前記不活性ガスを吹き込むこととし、
    前記ガス流出孔は孔径dの平均D[mm]と前記ガス流出孔の個数Nとが下記式(1)を満たすとともに、
    前記不活性ガスの吹込流量q[Nl/分]と前記鋳型に注入される溶鋼の流量Q[トン/分]とが下記式(2)を満たすことを特徴とする鋼の連続鋳造方法。
    5.0≦D×N≦100.0 (1)
    1.5≦q/Q≦2.5 (2)
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