以下、本発明に係る好適な実施の形態を添付の図面を参照して詳しく説明する。添付の図面と共に以下に開示される詳細な説明は、本発明の例示的な実施の形態を説明するためのもので、本発明の唯一の実施の形態を示すためのものではない。以下の詳細な説明は本発明の完全な理解を提供するために具体的な細部事項を含む。しかし、このような具体的な細部事項なしにも本発明が実施され得るということが当業者には理解される。
以下の実施例は、本発明の構成要素と特徴を所定の形態で結合したものである。各構成要素又は特徴は、特別の言及がない限り、選択的なものと考慮すればよい。各構成要素又は特徴は、他の構成要素や特徴と結合していない形態で実施されてもよく、一部の構成要素及び/又は特徴を結合して本発明の実施例を構成してもよい。本発明の実施例で説明される動作の順序は変更されてもよい。ある実施例の一部の構成や特徴は、他の実施例に含まれてもよく、他の実施例の対応する構成又は特徴に取り替えられてもよい。
以下の説明で使われる特定用語は、本発明の理解を助けるために提供されるものであり、このような特定用語の使用は、本発明の技術的思想から逸脱しない範囲で他の形態に変更してもよい。
場合によって、本発明の概念が曖昧になることを避けるために、公知の構造及び装置は省略されたり、各構造及び装置の核心機能を中心にしたブロック図の形式で図示されることもある。また、本明細書全体を通じて同一の構成要素には同一の図面符号を付して説明する。
本発明の実施例は、無線アクセスシステムであるIEEE 802システム、3GPPシステム、3GPP LTE及びLTE−A(LTE−Advanced)システム、並びに3GPP2システムの少なくとも一つに開示された標準文書によって裏付けることができる。すなわち、本発明の実施例において、本発明の技術的思想を明確にするために説明を省いた段階又は部分は、上記の文書によって裏付けることができる。また、本文書で開示している用語はいずれも上記の標準文書によって説明することができる。
以下の技術は、CDMA(Code Division Multiple Access)、FDMA(Frequency Division Multiple Access)、TDMA(Time Division Multiple Access)、OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)、SC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)などのような様々な無線アクセスシステムに用いることができる。CDMAは、UTRA(Universal Terrestrial Radio Access)やCDMA2000のような無線技術(radio technology)によって具現することができる。TDMAは、GSM(登録商標)(Global System for Mobile communications)/GPRS(General Packet Radio Service)/EDGE(Enhanced Data Rates for GSM(登録商標) Evolution)のような無線技術によって具現することができる。OFDMAは、IEEE 802.11(Wi−Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802−20、E−UTRA(Evolved UTRA)などのような無線技術によって具現することができる。明確性のために、以下では3GPP LTE及び3GPP LTE−Aシステムを中心に説明するが、本発明の技術的思想がこれに制限されるものではない。
WLANシステムの構造
図1は、本発明を適用し得るIEEE 802.11システムの例示的な構造を示す図である。
IEEE 802.11構造は複数個の構成要素を含むことができ、それら構成要素の相互作用によって上位層に対してトランスペアレントなSTA移動性を支援するWLANを提供することができる。基本サービスセット(Basic Service Set;BSS)はIEEE 802.11 LANにおける基本的な構成ブロックに該当し得る。図1では、2個のBSS(BSS1及びBSS2)が存在し、それぞれのBSSのメンバーとして2個のSTAが含まれること(STA1及びSTA2はBSS1に含まれ、STA3及びSTA4はBSS2に含まれる)を例示的に示している。図1で、BSSを示す楕円は、当該BSSに含まれたSTAが通信を維持するカバレッジ領域を示すものと理解することができる。この領域をBSA(Basic Service Area)と称することができる。STAがBSAの外へ移動すると、当該BSA内の他のSTAと直接通信できなくなる。
IEEE 802.11 LANにおいて最も基本的なタイプのBSSは、独立したBSS(Independent BSS;IBSS)である。例えば、IBSSは、2個のSTAだけで構成された最小の形態を有することができる。また、最も単純な形態であるとともに他の構成要素が省略されている図1のBSS(BSS1又はBSS2)がIBSSの代表的な例示に該当し得る。このような構成は、STA同士が直接通信できる場合に可能である。また、このような形態のLANは、あらかじめ計画して構成するものではなく、必要な場合に構成することができ、これをアド−ホック(ad−hoc)ネットワークと呼ぶこともできる。
STAの電源オン/オフ、STAのBSS領域への入/出などによって、BSSにおいてSTAのメンバーシップが動的に変更することがある。BSSのメンバーになるためには、STAは同期化過程を用いてBSSにジョインすればよい。BSS基板構造の全てのサービスにアクセスするためには、STAはBSSに連携されなければならない。このような連携(association)は動的に設定されてもよく、分配システムサービス(Distribution System Service;DSS)の利用を含むことができる。
図2は、本発明を適用し得るIEEE 802.11システムの他の例示的な構造を示す図である。図2は、図1の構造において、分配システム(Distribution System;DS)、分配システム媒体(Distribution System Medium;DSM)、アクセスポイント(Access Point;AP)などの構成要素が追加された形態である。
LANにおいて直接的なステーション−対−ステーションの距離はPHY性能によって制限されることがある。このような距離の限界で充分である場合もあれば、より遠い距離のステーション間の通信が必要である場合もある。拡張されたカバレッジを支援するために分配システム(DS)を構成することができる。
DSは、BSS同士が相互接続される構造を意味する。具体的に、図1のようにBSSが独立して存在する代わりに、複数個のBSSで構成されたネットワークの拡張された形態の構成要素としてBSSが存在してもよい。
DSは論理的な概念であり、分配システム媒体(DSM)の特性によって特定することができる。これと関連して、IEEE 802.11標準では無線媒体(Wireless Medium;WM)と分配システム媒体(DSM)とを論理的に区別している。それぞれの論理的媒体は互いに異なる目的のために使用され、互いに異なる構成要素によって使用される。IEEE 802.11標準の定義では、このような媒体を互いに同一なものとも、互いに異なるものとも制限しない。このように複数個の媒体が論理的に互いに異なるという点で、IEEE 802.11 LAN構造(DS構造又は他のネットワーク構造)の柔軟性を説明することができる。すなわち、IEEE 802.11 LAN構造は様々に具現することができ、それぞれの具現例の物理的な特性によって独立的に当該LAN構造を特定することができる。
DSは複数個のBSSのシームレス(seamless)な統合を提供し、あて先へのアドレスを扱うために必要な論理的サービスを提供することによって移動機器を支援することができる。
APとは、連携されているSTAに対してWMを通じてDSへのアクセスを可能にし、且つSTA機能性を有する個体を意味する。APを通じてBSS及びDS間のデータ移動が行われてもよい。例えば、図2に示すSTA2及びSTA3は、STAの機能性を有するとともに、連携されているSTA(STA1及びSTA4)をDSにアクセスさせる機能を提供する。また、いかなるAPも基本的にSTAに該当するため、APはいずれもアドレス可能な個体である。WM上での通信のためにAPによって使われるアドレスとDSM上での通信のためにAPによって使われるアドレスは必ずしも同一である必要はない。
APに連携されているSTAのいずれか一つから該APのSTAアドレスに送信されるデータは、常に非制御ポート(uncontrolled port)で受信され、IEEE 802.1Xポートアクセス個体によって処理されてもよい。また、制御ポート(controlled port)が認証されると、送信データ(又は、フレーム)はDSに伝達されてもよい。
図3は、本発明を適用し得るIEEE 802.11システムのさらに他の例示的な構造を示す図である。図3では、図2の構造に追加的に広いカバレッジを提供するための拡張されたサービスセット(Extended Service Set;ESS)を概念的に示す。
任意の(arbitrary)大きさ及び複雑度を有する無線ネットワークがDS及びBSSによって構成されてもよい。IEEE 802.11システムでは、このような方式のネットワークをESSネットワークと称する。ESSは、一つのDSに接続されたBSSの集合に該当し得る。しかし、ESSはDSを含まない。ESSネットワークはLLC(Logical Link Control)層でIBSSネットワークとして見える点が特徴である。ESSに含まれるSTAは互いに通信することができ、移動STAはLLCにトランスペアレントに一つのBSSから他のBSSに(同一ESS内で)移動することができる。
IEEE 802.11では、図3におけるBSSの相対的な物理的位置について何ら仮定しておらず、次のような形態がいずれも可能である。BSSは部分的に重なってもよく、これは、連続したカバレッジを提供するために一般に用いる形態である。また、BSSは物理的に接続していなくてもよく、論理的にはBSS同士間の距離に制限はない。また、BSS同士は物理的に同一位置に位置してもよく、これはリダンダンシーを提供するために用いることができる。また、一つ(又は、一つ以上の)IBSS又はESSネットワークが一つ(又は、一つ以上の)ESSネットワークとして同一空間に物理的に存在してもよい。これは、ESSネットワークが存在する位置にアド−ホックネットワークが動作する場合、互いに異なる機関(organizations)によって物理的に重なるIEEE 802.11ネットワークが構成される場合、又は、同一位置で2つ以上の互いに異なるアクセス及び保安政策が必要な場合などにおける、ESSネットワーク形態に該当し得る。
図4は、無線LANシステムの例示的な構造を示す図である。図4では、DSを含む基板構造BSSの一例が示されている。
図4の例示で、BSS1及びBSS2がESSを構成する。無線LANシステムにおいてSTAはIEEE 802.11のMAC/PHY規定に従って動作する機器である。STAはAP STA及び非−AP(non−AP)STAを含む。Non−AP STAは、ラップトップコンピュータ、移動電話機のように、一般にユーザが直接扱う機器に該当する。図4の例示で、STA1、STA3、STA4はnon−AP STAに該当し、STA2及びSTA5はAP STAに該当する。
以下の説明で、non−AP STAは、端末(terminal)、無線送受信ユニット(Wireless Transmit/Receive Unit;WTRU)、ユーザ装置(User Equipment;UE)、移動局(Mobile Station;MS)、移動端末(Mobile Terminal)、移動加入者局(Mobile Subscriber Station;MSS)などと呼ぶことができる。また、APは、他の無線通信分野における、基地局(Base Station;BS)、ノード−B(Node−B)、発展したノード−B(evolved Node−B;eNB)、基底送受信システム(Base Transceiver System;BTS)、フェムト基地局(Femto BS)などに対応する概念である。
リンクセットアップ過程
図5は、一般のリンクセットアップ(link setup)過程を説明するための図である。
STAがネットワークに対してリンクをセットアップし、データを送受信するためには、まず、ネットワークを発見(discovery)し、認証(authentication)を行い、連携(association)を確立(establish)し、保安(security)のための認証手順などを行わなければならない。リンクセットアップ過程をセッション開始過程、セッションセットアップ過程と呼ぶこともできる。また、リンクセットアップ過程の発見、認証、連携、保安設定の過程を総称して連携過程と呼ぶこともできる。
図5を参照して例示的なリンクセットアップ過程について説明する。
段階S510で、STAはネットワーク発見動作を行うことができる。ネットワーク発見動作はSTAのスキャニング(scanning)動作を含むことができる。すなわち、STAがネットワークにアクセスするためには、参加可能なネットワークを探さなければならない。STAは無線ネットワークに参加する前に互換可能なネットワークを識別しなければならないが、特定領域に存在するネットワーク識別過程をスキャニングという。
スキャニング方式には、能動的スキャニング(active scanning)と受動的スキャニング(passive scanning)がある。
図5では例示として能動的スキャニング過程を含むネットワーク発見動作を示す。能動的スキャニングにおいて、スキャニングを行うSTAはチャネルを移しながら周辺にどのAPが存在するかを探索するためにプローブ要請フレーム(probe request frame)を送信して、それに対する応答を待つ。応答者(responder)は、プローブ要請フレームを送信したSTAに、プローブ要請フレームに対する応答としてプローブ応答フレーム(probe response frame)を送信する。ここで、応答者は、スキャニングされているチャネルのBSSで最後にビーコンフレーム(beacon frame)を送信したSTAであってもよい。BSSでは、APがビーコンフレームを送信するため、APが応答者となり、IBSSでは、IBSS内のSTAが交互にビーコンフレームを送信するため、応答者が一定でない。例えば、1番チャネルでプローブ要請フレームを送信し、1番チャネルでプローブ応答フレームを受信したSTAは、受信したプローブ応答フレームに含まれたBSS関連情報を保存し、次のチャネル(例えば、2番チャネル)に移動して同一の方法でスキャニング(すなわち、2番チャネル上でプローブ要請/応答の送受信)を行うことができる。
図5には示していないが、スキャニング動作は受動的スキャニング方式で行われてもよい。受動的スキャニングにおいて、スキャニングを行うSTAはチャネルを移りながらビーコンフレームを待つ。ビーコンフレームは、IEEE 802.11において管理フレーム(management frame)の一つであり、無線ネットワークの存在を知らせ、スキャニングを行うSTAにとって無線ネットワークを探して無線ネットワークに参加できるように周期的に送信される。BSSでAPがビーコンフレームを周期的に送信する役割を担い、IBSSではIBSS内のSTAが交互にビーコンフレームを送信する。スキャニングを行うSTAはビーコンフレームを受信すると、ビーコンフレームに含まれたBSSに関する情報を保存し、他のチャネルに移動しながら各チャネルでビーコンフレーム情報を記録する。ビーコンフレームを受信したSTAは、受信したビーコンフレームに含まれたBSS関連情報を保存し、次のチャネルに移動して同一の方法で次のチャネルでスキャニングを行うことができる。
能動的スキャニングと受動的スキャニングとを比較すれば、能動的スキャニングが受動的スキャニングに比べてディレー(delay)及び電力消耗が小さいという利点がある。
STAがネットワークを発見した後に、段階S520で認証過程を行うことができる。このような認証過程は、後述する段階S540の保安セットアップ動作と明確に区別するために、第1の認証(first authentication)過程と呼ぶことができる。
認証過程は、STAが認証要請フレーム(authentication request frame)をAPに送信し、これに応答してAPが認証応答フレーム(authentication response frame)をSTAに送信する過程を含む。認証要請/応答に使われる認証フレーム(authentication frame)は管理フレームに該当する。
認証フレームは、認証アルゴリズム番号(authentication algorithm number)、認証トランザクションシーケンス番号(authentication transaction sequence number)、状態コード(status code)、検問テキスト(challenge text)、RSN(Robust Security Network)、有限循環グループ(Finite Cyclic Group)などに関する情報を含むことができる。これは、認証要請/応答フレームに含まれ得る情報の一例示に過ぎず、他の情報に置き換わったり、追加の情報がさらに含まれたりしてもよい。
STAは認証要請フレームをAPに送信することができる。APは、受信された認証要請フレームに含まれた情報に基づいて、当該STAに対する認証を許容するか否かを決定することができる。APは認証処理の結果を認証応答フレームを通じてSTAに提供することができる。
STAが成功的に認証された後に、段階S530で連携過程を行うことができる。連携過程は、STAが連携要請フレーム(association request frame)をAPに送信し、それに応答してAPが連携応答フレーム(association response frame)をSTAに送信する過程を含む。
例えば、連携要請フレームは、様々な能力(capability)に関する情報、リッスンインターバル(listenin terval)、SSID(service set identifier)、支援レート(supported rates)、支援チャネル(supported channels)、RSN、移動性ドメイン、支援オペレーティングクラス(supported operating classes)、TIM放送要請(Traffic Indication Map Broadcast request)、相互動作(interworking)サービス能力などに関する情報を含むことができる。
例えば、連携応答フレームは、様々な能力に関する情報、状態コード、AID(Association ID)、支援レート、EDCA(Enhanced Distributed Channel Access)パラメータセット、RCPI(Received Channel Power Indicator)、RSNI(Received Signal to Noise Indicator)、移動性ドメイン、タイムアウト間隔(連携カムバック時間(association comeback time))、重複(overlapping)BSSスキャンパラメータ、TIM放送応答、QoSマップなどの情報を含むことができる。
これは連携要請/応答フレームに含まれ得る情報の一例に過ぎず、他の情報に置き換わったり、追加の情報がさらに含まれたりしてもよい。
STAがネットワークに成功的に連携された後に、段階S540で保安セットアップ過程を行うことができる。段階S540の保安セットアップ過程は、RSNA(Robust Security Network Association)要請/応答を通じた認証過程ということもでき、上記の段階S520の認証過程を第1の認証(first authentication)過程とし、段階S540の保安セットアップ過程を単純に認証過程と呼ぶこともできる。
段階S540の保安セットアップ過程は、例えば、EAPOL(Extensible Authentication Protocol over LAN)フレームを通じた4−ウェイ(way)ハンドシェーキングを通じて、プライベートキーセットアップ(private key setup)をする過程を含むことができる。また、保安セットアップ過程は、IEEE 802.11標準で定義しない保安方式によって行われてもよい。
WLANの進化
無線LANで通信速度の限界を克服するために比較的最近に制定された技術標準としてIEEE 802.11nが存在する。IEEE 802.11nは、ネットワークの速度と信頼性を増大させ、且つ無線ネットワークの運営距離を拡張することに目的がある。より具体的に、IEEE 802.11nは、データ処理速度が最大540Mbps以上である高処理率(High Throughput;HT)を支援するとともに、送信エラーを最小化し、データ速度を最適化するために送信端と受信端の両方とも多重アンテナを使用するMIMO(Multiple Inputs and Multiple Outputs)技術に基づいている。
無線LANの普及が活性化され、且つそれを用いたアプリケーションが多様化するに伴って、最近ではIEEE 802.11nが支援するデータ処理速度よりも高い処理率を支援するための新しい無線LANシステムの必要性が台頭している。超高処理率(Very High Throughput;VHT)を支援する次世代無線LANシステムは、IEEE 802.11n無線LANシステムの次のバージョン(例えば、IEEE 802.11ac)であり、MACサービスアクセスポイント(Service Access Point;SAP)で1Gbps以上のデータ処理速度を支援するために最近に新しく提案されているIEEE 802.11無線LANシステムの一つである。
次世代無線LANシステムは、無線チャネルを效率的に利用するために複数のSTAが同時にチャネルにアクセスするMU−MIMO(Multi User Multiple Input Multiple Output)方式の送信を支援する。MU−MIMO送信方式によれば、APが、MIMOペアリング(pairing)された一つ以上のSTAに同時にパケットを送信することができる。
また、ホワイトスペース(white space)で無線LANシステム動作を支援することが議論されている。例えば、アナログTVのデジタル化による遊休状態の周波数帯域(例えば、54〜698MHz帯域)のようなTVホワイトスペース(TVWS)での無線LANシステムの導入は、IEEE 802.11af標準として議論されている。しかし、これは例示に過ぎず、ホワイトスペースは、許可されたユーザ(licensed user)が優先して使用できる許可された帯域といえる。許可されたユーザは、許可された帯域の使用が許可されたユーザのことを意味し、許可された装置(licensed device)、プライマリユーザ(primary user)、優先的ユーザ(incumbent user)などと呼ぶこともできる。
例えば、WSで動作するAP及び/又はSTAは、許可されたユーザに対する保護(protection)機能を提供しなければならない。例えば、WS帯域で特定帯域幅を有するように規約(regulation)上分割されている周波数帯域である特定WSチャネルを、マイクロホン(microphone)のような許可されたユーザが既に使用している場合、許可されたユーザを保護するために、AP及び/又はSTAは当該WSチャネルに該当する周波数帯域は使用することができない。また、AP及び/又はSTAは、現在フレーム送信及び/又は受信のために使用している周波数帯域を許可されたユーザが使用することになる場合は、当該周波数帯域の使用を中止しなければならない。
そのため、AP及び/又はSTAは、WS帯域中の特定周波数帯域の使用が可能か否か、すなわち、当該周波数帯域に許可されたユーザが存在するか否かを把握する手順を先行しなければならない。許可されたユーザが特定周波数帯域に存在するか否かを把握することをスペクトルセンシング(spectrum sensing)という。スペクトルセンシングメカニズムとして、エネルギー探知(energy detection)方式、信号探知(signature detection)方式などが活用される。受信信号の強度が一定値以上であれば、許可されたユーザが使用中であると判断したり、DTVプリアンブル(preamble)が検出されると、許可されたユーザが使用中であると判断すればよい。
また、次世代通信技術としてM2M(Machine−to−Machine)通信技術が議論されている。IEEE 802.11無線LANシステムでもM2M通信を支援するための技術標準がIEEE 802.11ahとして開発されている。M2M通信は、一つ以上のマシン(Machine)が含まれる通信方式を意味し、MTC(Machine Type Communication)又は事物通信と呼ばれることもある。ここで、マシンとは、人間の直接的な操作や介入を必要としない個体(entity)を意味する。例えば、無線通信モジュールが搭載された検針機(meter)や自動販売機のような装置を含めて、ユーザの操作/介入無しで自動でネットワークに接続して通信を行うことができるスマートフォンのようなユーザ機器もマシンの例示に該当し得る。M2M通信は、デバイス間の通信(例えば、D2D(Device−to−Device)通信)、デバイスとサーバー(application server)間の通信などを含むことができる。デバイスとサーバー間の通信の例示としては、自動販売機とサーバー、POS(Point of Sale)装置とサーバー、電気、ガス又は水道検針機とサーバー間の通信が挙げられる。その他にも、M2M通信ベースのアプリケーション(application)には、保安(security)、運送(transportation)、ヘルスケア(health care)などが含まれてもよい。このような適用例の特性を考慮すると、一般に、M2M通信は、数多くの機器が存在する環境でたまに少量のデータを低速で送受信することを支援できるものでなければならない。
具体的に、M2M通信は多数のSTAを支援できるものでなければならない。現在定義されている無線LANシステムでは、一つのAPに最大2007個のSTAが連携される場合を仮定するが、M2M通信ではそれよりも多い個数(約6000個)のSTAが一つのAPに連携される場合を支援する方案が議論されている。また、M2M通信では低い送信速度を支援/要求するアプリケーションが多いと予想される。これを円滑に支援するために、例えば、無線LANシステムでは、TIM(Traffic Indication Map)要素に基づいてSTAが自身に送信されるデータの有無を認知できるが、TIMのビットマップサイズを減らす方案が議論されている。また、M2M通信では送信/受信間隔が非常に長いトラフィックが多いと予想される。例えば、電気/ガス/水道の使用量のように長い周期(例えば、1ケ月)ごとに大変少ない量のデータをやり取りすることが要求される。そのため、無線LANシステムでは、一つのAPに連携され得るSTAの個数が非常に多くなっても、一つのビーコン周期の間にAPから受信するデータフレームが存在するSTAの個数が大変少ない場合を效率的に支援する方案が議論されている。
このように無線LAN技術は急速に進化しつつあり、前述の例示に加えて、直接リンクセットアップ、メディアストリーミング性能の改善、高速及び/又は大規模の初期セッションセットアップの支援、拡張された帯域幅及び動作周波数の支援などのための技術が開発されている。
媒体アクセスメカニズム
IEEE 802.11に基づく無線LANシステムにおいて、MAC(Medium Access Control)の基本アクセスメカニズムは、CSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance)メカニズムである。CSMA/CAメカニズムは、IEEE 802.11 MACの分配調整機能(Distributed Coordination Function、DCF)とも呼ばれるが、基本的に「listen before talk」アクセスメカニズムを採用している。このような類型のアクセスメカニズムによれば、AP及び/又はSTAは送信を始めるに先立ち、所定の時間区間(例えば、DIFS(DCF Inter−Frame Space)の間に無線チャネル又は媒体(medium)をセンシング(sensing)するCCA(Clear Channel Assessment)を行うことができる。センシングの結果、媒体が遊休状態(idle status)と判断されると、当該媒体を通じてフレーム送信を始める。一方、媒体が占有状態(occupied status)と感知されると、当該AP及び/又はSTAは自分の送信を開始せず、媒体アクセスのための遅延期間(例えば、任意バックオフ周期(random backoff period))を設定して待った後、フレーム送信を試みることができる。任意バックオフ周期の適用から、複数のSTAはそれぞれ異なった時間待った後にフレーム送信を試みることが期待され、よって、衝突(collision)を最小化することができる。
また、IEEE 802.11 MACプロトコルはHCF(Hybrid Coordination Function)を提供する。HCFはDCFとPCF(Point Coordination Function)に基づく。PCFは、ポーリング(polling)ベースの同期式アクセス方式で、全ての受信AP及び/又はSTAがデータフレームを受信できるように周期的にポーリングする方式のことをいう。また、HCFは、EDCA(Enhanced Distributed Channel Access)とHCCA(HCF Controlled Channel Access)を有する。EDCAは、提供者が複数のユーザにデータフレームを提供するためのアクセス方式を競合ベースとするものであり、HCCAは、ポーリングメカニズムを用いた非競合ベースのチャネルアクセス方式を用いるものである。また、HCFは、WLANのQoS(Quality of Service)を向上させるための媒体アクセスメカニズムを含み、競合周期(Contention Period;CP)、非競合周期(Contention Free Period;CFP)のいずれにおいてもQoSデータを送信することができる。
図6は、バックオフ過程を説明するための図である。
図6を参照して任意バックオフ周期に基づく動作について説明する。占有(occupy又はbusy)状態だった媒体が遊休(idle)状態に変更されると、複数のSTAはデータ(又はフレーム)送信を試みることができる。この時、衝突を最小化するための方案として、STAはそれぞれ任意バックオフカウントを選択し、それに該当するスロット時間だけ待機した後、送信を試みることができる。任意バックオフカウントは、擬似−任意整数(pseudo−random integer)値を有し、0乃至CW範囲の値のいずれか一つに決定され得る。ここで、CWは、競合ウィンドウ(Contention Window)パラメータ値である。CWパラメータは初期値としてCWminが与えられるが、送信失敗の場合(例えば、送信されたフレームに対するACKを受信できなかった場合)に2倍の値を取ることができる。CWパラメータ値がCWmaxになると、データ送信に成功するまでCWmax値を維持しながらデータ送信を試みることができ、データ送信に成功する場合にはCWmin値にリセットされる。CW、CWmin及びCWmax値は2n−1(n=0,1,2,…)に設定されることが好ましい。
任意バックオフ過程が始まると、STAは、決定されたバックオフカウント値によってバックオフスロットをカウントダウンする間に続けて媒体をモニタする。媒体が占有状態とモニタされるとカウントダウンを止めて待機し、媒体が遊休状態になると残りのカウントダウンを再開する。
図6の例示で、STA3のMACに送信するパケットが到達した場合に、STA3はDIFSだけ媒体が遊休状態であることを確認し、直ちにフレームを送信することができる。一方、残りのSTAは、媒体が占有(busy)状態であることをモニタして待機する。その間にSTA1、STA2及びSTA5のそれぞれでも送信するデータが発生することがあり、それぞれのSTAは、媒体が遊休状態とモニタされると、DIFSだけ待機した後に、それぞれ選択した任意バックオフカウント値によってバックオフスロットのカウントダウンを行うことができる。図6の例示では、STA2が最も小さいバックオフカウント値を選択し、STA1が最も大きいバックオフカウント値を選択した場合を示す。すなわち、STA2がバックオフカウントを終えてフレーム送信を始める時点でSTA5の残余バックオフ時間はSTA1の残余バックオフ時間よりも短い場合を例示する。STA1及びSTA5は、STA2が媒体を占有する間に暫くの間カウントダウンを止めて待機する。STA2の占有が終了して媒体が再び遊休状態になると、STA1及びSTA5はDIFSだけ待機した後に、中止していたバックオフカウントを再開する。すなわち、残余バックオフ時間だけの残りのバックオフスロットをカウントダウンした後にフレーム送信を開始することができる。STA5の残余バックオフ時間がSTA1よりも短かったため、STA5がフレーム送信を開始するようになる。一方、STA2が媒体を占有する間にSTA4でも送信するデータが発生することがある。このとき、STA4の立場では、媒体が遊休状態になるとDIFSだけ待機した後、自身が選択した任意バックオフカウント値によるカウントダウンを行ってフレーム送信を開始することができる。図6の例示では、STA5の残余バックオフ時間がSTA4の任意バックオフカウント値と偶然に一致する場合を示し、この場合、STA4とSTA5間に衝突が発生することがある。衝突が発生する場合はSTA4、STA5両方ともACKを受信することができず、データ送信に失敗することになる。この場合、STA4とSTA5はCW値を2倍に増やした後に任意バックオフカウント値を選択してカウントダウンを行うことができる。一方、STA1は、STA4とSTA5の送信によって媒体が占有状態である間に待機しているが、媒体が遊休状態になると、DIFSだけ待機した後、残余バックオフ時間が経過するとフレーム送信を開始することができる。
STAのセンシング動作
前述したように、CSMA/CAメカニズムは、AP及び/又はSTAが媒体を直接センシングする物理的キャリアセンシング(physical carrier sensing)の他、仮想キャリアセンシング(virtual carrier sensing)も含む。仮想キャリアセンシングは、隠れたノード問題(hidden node problem)などのように媒体アクセスで発生し得る問題を補完するために用いられる。仮想キャリアセンシングのために、無線LANシステムのMACはネットワーク割当ベクトル(Network Allocation Vector;NAV)を用いることができる。NAVは、現在媒体を使用していたり又は使用する権限のあるAP及び/又はSTAが、媒体が使用可能な状態になるまで残っている時間を他のAP及び/又はSTAに示す(indicate)値である。したがって、NAVに設定された値は、当該フレームを送信するAP及び/又はSTAによって媒体の使用が予定されている期間に該当し、NAV値を受信するSTAは、当該期間において媒体アクセスが禁止される。NAVは、例えば、フレームのMACヘッダ(header)の「duration」フィールドの値によって設定されてもよい。
また、衝突可能性を減少させるために堅牢な衝突検出(robust collision detect)メカニズムが導入された。これについて図7及び図8を参照して説明する。実際にキャリアセンシング範囲と送信範囲は同一でないこともあるが、説明の便宜のために両者は同一であると仮定する。
図7は、隠れたノード及び露出されたノードを説明するための図である。
図7(a)は、隠れたノードに関する例示であり、STA AとSTA Bとが通信中にあり、STA Cが送信する情報を持っている場合である。具体的に、STA AがSTA Bに情報を送信している状況であるにもかかわらず、STA CがSTA Bにデータを送る前にキャリアセンシングを行う際、媒体が遊休状態にあると判断することがある。これは、STA Aの送信(すなわち、媒体占有)をSTA Cの位置ではセンシングできないこともあるためである。このような場合、STA BはSTA AとSTA Cの情報を同時に受け、衝突が発生することになる。このとき、STA AをSTA Cの隠れたノードということができる。
図7(b)は、露出されたノード(exposed node)に関する例示であり、STA BがSTA Aにデータを送信している状況で、STA CがSTADに送信する情報を持っている場合である。この場合、STA Cがキャリアセンシングを行うと、STA Bの送信によって媒体が占有された状態であると判断することができる。そのため、STA CがSTA Dに送信する情報を持っていても、媒体占有状態とセンシングされたため、媒体が遊休状態になるまで待たなければならない。しかし、実際にはSTA AはSTA Cの送信範囲外にあるため、STA Cからの送信とSTA Bからの送信とがSTA Aの立場では衝突しないこともあるため、STA CはSTA Bが送信を止めるまで余計に待機することとなる。このとき、STA CをSTA Bの露出されたノードということができる。
図8は、RTSとCTSを説明するための図である。
図7のような例示的な状況で衝突回避(collision voidance)メカニズムを效率的に利用するために、RTS(request to send)とCTS(clear to send)などの短いシグナリングパケット(short signaling packet)を利用することができる。両STA間のRTS/CTSは周囲のSTAがオーバーヒヤリング(over hearing)できるようにし、この周囲のSTAが上記両STA間の情報送信の有無を考慮するようにすることができる。例えば、データを送信しようとするSTAがデータを受けるSTAにRTSフレームを送信すると、データを受けるSTAはCTSフレームを周囲の端末に送信することによって、自身がデータを受けることを知らせることができる。
図8(a)は、隠れたノード問題を解決する方法に関する例示であり、STA AとSTA CがいずれもSTA Bにデータを送信しようとする場合を仮定する。STA AがRTSをSTA Bに送ると、STA BはCTSを自身の周囲にあるSTA A及びSTA Cの両方に送信する。その結果、STA CはSTA AとSTA Bのデータ送信が終わるまで待機し、衝突を避けることが可能になる。
図8(b)は、露出されたノード問題を解決する方法に関する例示であり、STA AとSTA B間のRTS/CTS送信をSTA Cがオーバーヒヤリングすることによって、STA Cは自身が他のSTA(例えば、STA D)にデータを送信しても衝突が発生しないと判断することができる。すなわち、STA Bは周囲の全ての端末機にRTSを送信し、実際に送るデータがあるSTA AのみがCTSを送信するようになる。STA CはRTSを受信できるだけで、STA AのCTSは受信できないため、STA AはSTA Cのキャリアセンシング外にあるということがわかる。
電力管理
前述したように、無線LANシステムではSTAが送受信を行う前にチャネルセンシングを行わなければならないが、チャネルを常にセンシングすることはSTAの持続的な電力消耗を引き起こす。受信状態での電力消耗は送信状態での電力消耗に比べて大差はなく、受信状態を持続することも、電力の制限された(すなわち、バッテリーによって動作する)STAには大きな負担となる。したがって、STAが持続的にチャネルをセンシングするために受信待機状態を維持すると、無線LAN処理率の側面で特別な利点を有することもなく電力を非効率的に消耗することになる。このような問題点を解決するために、無線LANシステムではSTAの電力管理(power management;PM)モードを支援する。
STAの電力管理モードはアクティブ(active)モード及び省電力(power save;PS)モードに分けられる。STAは基本的にアクティブモードで動作する。アクティブモードで動作するSTAは、アウェイク状態(awake state)を維持する。アウェイク状態は、フレーム送受信やチャネルスキャニングなどの正常動作が可能な状態である。一方、PSモードで動作するSTAはスリープ状態(sleep state)とアウェイク状態(awake state)を切り替えながら動作する。スリープ状態で動作するSTAは、最小限の電力で動作し、フレーム送受信だけでなくチャネルスキャニングも行わない。
STAがスリープ状態でできるだけ長く動作するほど電力消耗が減るため、STAの動作期間が増加する。しかし、スリープ状態ではフレーム送受信が不可能なため、無条件に長く動作するわけにはいかない。スリープ状態で動作するSTAがAPに送信するフレームが存在する場合、アウェイク状態に切り替えてフレームを送信することができる。一方、APがSTAに送信するフレームがある場合、スリープ状態のSTAはそれを受信できない他、受信するフレームが存在することもわからない。したがって、STAは自身に送信されるフレームの存在有無を確認するために(また、存在するならそれを受信するために)、特定周期に従ってアウェイク状態に切り替わる動作を必要とし得る。
図9は、電力管理動作を説明するための図である。
図9を参照すると、AP 210は、一定の周期でビーコンフレーム(beacon frame)をBSS内のSTAに送信する(S211、S212、S213、S214、S215、S216)。ビーコンフレームには、TIM(Traffic Indication Map)情報要素(Information Element)が含まれる。TIM情報要素は、AP 210が、自身と連携されているSTAに対するバッファされたトラフィックが存在し、フレームを送信する旨を知らせる情報を含む。TIM要素には、ユニキャスト(unicast)フレームを知らせるために用いられるTIMと、マルチキャスト(multicast)又はブロードキャスト(broadcast)フレームを知らせるために用いられるDTIM(delivery traffic indication map)がある。
AP 210は、3回のビーコンフレームを送信する度に1回ずつDTIMを送信することができる。STA1 220及びSTA2 222はPSモードで動作するSTAである。STA1 220及びSTA2 222は、所定の周期のウェイクアップインターバル(wakeup interval)ごとにスリープ状態からアウェイク状態に切り替わって、AP 210によって送信されたTIM要素を受信できるように設定されてもよい。それぞれのSTAは、自身のローカルクロック(local clock)に基づいてアウェイク状態に切り替わる時点を計算することができ、図9の例示ではSTAのクロックがAPのクロックと一致すると仮定する。
例えば、所定のウェイクアップインターバルは、STA1 220がビーコンインターバルごとにアウェイク状態に切り替わってTIM要素を受信できるように設定されてもよい。そのため、STA1 220は、AP 210が最初にビーコンフレームを送信する時(S211)にアウェイク状態に切り替わり得る(S221)。STA1 220は、ビーコンフレームを受信してTIM要素を取得することができる。取得されたTIM要素が、STA1 220に送信されるフレームがある旨を示すと、STA1 220は、AP 210にフレーム送信を要請するPS−Poll(Power Save−Poll)フレームをAP 210に送信することができる(S221a)。AP 210は、PS−Pollフレームに対応してフレームをSTA1 220に送信することができる(S231)。フレーム受信を完了したSTA1 220は再びスリープ状態に切り替わって動作する。
AP 210が二番目にビーコンフレームを送信するにあたり、他の装置が媒体にアクセスするなどして媒体が占有された(busy medium)状態であるから、AP 210は正確なビーコンインターバルに合わせてビーコンフレームを送信できず、遅延された時点に送信することがある(S212)。この場合、STA1 220はビーコンインターバルに合わせて動作モードをアウェイク状態に切り替えるが、遅延送信されるビーコンフレームを受信できず、再びスリープ状態に切り替わる(S222)。
AP 210が三番目にビーコンフレームを送信する時、当該ビーコンフレームはDTIMと設定されたTIM要素を含むことができる。ただし、媒体が占有された(busy medium)状態であるから、AP 210はビーコンフレームを遅延して送信する(S213)。STA1 220は、ビーコンインターバルに合わせてアウェイク状態に切り替わって動作し、AP 210によって送信されるビーコンフレームからDTIMを取得することができる。STA1 220が取得したDTIMは、STA1 220に送信されるフレームはなく、他のSTAのためのフレームが存在する旨を示す場合を仮定する。この場合、STA1 220は、自身が受信するフレームがないことを確認し、再びスリープ状態に切り替わって動作することができる。AP 210はビーコンフレーム送信後にフレームを該当のSTAに送信する(S232)。
AP 210は、四番目にビーコンフレームを送信する(S214)。ただし、STA1 220は、その以前の2回にわたるTIM要素受信から、自身に対するバッファされたトラフィックが存在するという情報が取得できなかったため、TIM要素受信のためのウェイクアップインターバルを調整してもよい。又は、AP 210によって送信されるビーコンフレームにSTA1 220のウェイクアップインターバル値を調整するためのシグナリング情報が含まれた場合、STA1 220のウェイクアップインターバル値が調整されてもよい。本例示で、STA1 220は、ビーコンインターバルごとにTIM要素の受信のために運営状態を切り替えたが、3回のビーコンインターバルごとに1回起床するように運営状態を切り替えるように設定されてもよい。したがって、STA1 220は、AP 210が四番目のビーコンフレームを送信し(S214)、五番目のビーコンフレームを送信する時点に(S215)スリープ状態を維持するため、TIM要素を取得することができない。
AP 210が六番目にビーコンフレームを送信する時(S216)、STA1 220はアウェイク状態に切り替わって動作し、ビーコンフレームに含まれたTIM要素を取得することができる(S224)。TIM要素は、ブロードキャストフレームが存在する旨を示すDTIMであるから、STA1 220はPS−PollフレームをAP 210に送信することなく、AP 210によって送信されるブロードキャストフレームを受信することができる(S234)。一方、STA2 230に設定されたウェイクアップインターバルはSTA1 220に比べて長い周期に設定されてもよい。そのため、STA2 230は、AP 210が五番目にビーコンフレームを送信する時点(S215)にアウェイク状態に切り替わってTIM要素を受信することができる(S241)。STA2 230は、TIM要素から、自身に送信されるフレームが存在することがわかり、フレーム送信を要請するためにAP 210にPS−Pollフレームを送信することができる(S241a)。AP 210はPS−Pollフレームに対応してSTA2 230にフレームを送信することができる(S233)。
図9のような省電力モードの運営のためにTIM要素には、STAに送信されるフレームが存在するか否かを示すTIM、又はブロードキャスト/マルチキャストフレームが存在するか否かを示すDTIMが含まれる。DTIMはTIM要素のフィールド設定によって具現することができる。
図10乃至図12は、TIMを受信したSTAの動作を詳しく説明するための図である。
図10を参照すると、STAは、APからTIMを含むビーコンフレームを受信するためにスリープ状態からアウェイク状態に切り替わり、受信したTIM要素を解釈して、自身に送信されるバッファされたトラフィックがあることを確認できる。STAは、PS−Pollフレームの送信のための媒体アクセスのために他のSTAと競合(contending)を行った後に、APにデータフレーム送信を要請するためにPS−Pollフレームを送信することができる。STAによって送信されたPS−Pollフレームを受信したAPは、STAにフレームを送信することができる。STAはデータフレームを受信し、それに対する確認応答(ACK)フレームをAPに送信することができる。その後、STAは再びスリープ状態に入ることができる。
図10のように、APは、STAからPS−Pollフレームを受信した後、所定の時間(例えば、SIFS(Short Inter−Frame Space))後にデータフレームを送信する即時応答(immediate response)方式によって動作することができる。一方、APがPS−Pollフレームを受信した後に、STAに送信するデータフレームをSIFS時間の間に準備できなかった場合は、遅れた応答(deferred response)方式によって動作してもよく、それに対ついて図11を参照して説明する。
図11の例示で、STAがスリープ状態からアウェイク状態に切り替わってAPからTIMを受信し、競合を経てPS−PollフレームをAPに送信する動作は、図10の例示と同一である。APがPS−Pollフレームを受信したが、SIFSの間にデータフレームを用意できなかった場合、データフレームを送信する代わりにACKフレームをSTAに送信してもよい。APは、ACKフレーム送信後データフレームが用意されると、競合を行った後、データフレームをSTAに送信することができる。STAは、データフレームを成功的に受信したことを示すACKフレームをAPに送信し、スリープ状態に切り替わり得る。
図12は、APがDTIMを送信する例示に関するものである。STAはAPからDTIM要素を含むビーコンフレームを受信するためにスリープ状態からアウェイク状態に切り替わってもよい。これらのSTAは、受信したDTIMから、マルチキャスト/ブロードキャストフレームが送信されることがわかる。APは、DTIMを含むビーコンフレームを送信後に、PS−Pollフレームの送受信動作無しで直ちにデータ(すなわち、マルチキャスト/ブロードキャストフレーム)を送信することができる。これらのSTAは、DTIMを含むビーコンフレームを受信してから引き続きアウェイク状態を維持しながらデータを受信し、データ受信が完了した後、再びスリープ状態に入ることができる。
TIM構造
図9乃至図12を参照して上述したTIM(又は、DTIM)プロトコルに基づく省電力モード運営方法において、STAは、TIM要素に含まれたSTA識別情報から、自身のために送信されるデータフレームが存在するか否かを確認することができる。STA識別情報は、STAとAPとの連携(association)時にSTAに割り当てられた識別子であるAID(Association Identifier)に関する情報であってよい。
AIDは一つのBSS内ではそれぞれのSTAに対する固有の(unique)識別子として使われる。一例として、現在無線LANシステムにおいてAIDとしては1から2007までの値のうち一つの値を割り当てることができる。現在定義されている無線LANシステムでは、AP及び/又はSTAが送信するフレームにはAIDのために14ビットを割り当てることができ、AID値は16383まで割り当てることができるが、2008〜16383は予備(reserved)値として設定されている。
既存の定義によるTIM要素は、一つのAPに多数の(例えば、2007個を超える)STAが連携され得るM2Mアプリケーションの適用には適していない。既存のTIM構造をそのまま拡張する場合にはTIMビットマップのサイズが大きすぎになるため、既存のフレームフォーマットでは支援することができず、また、低い伝送レートのアプリケーションを考慮するM2M通信に適していない。また、M2M通信では、一つのビーコン周期の間に受信データフレームが存在するSTAの個数は大変少ないと予想される。したがって、このようなM2M通信の適用例を考慮すれば、TIMビットマップのサイズは大きくなるが、大部分のビットが0値を有する場合が多く発生すると予想されるため、ビットマップを效率的に圧縮する技術が要求される。
既存のビットマップ圧縮技術として、ビットマップの先頭部分に連続する0を省略してオフセット(offset)(又は、開始点)値で定義する方案がある。しかし、バッファされたフレームが存在するSTAの個数は少ないが、それぞれのSTAのAID値の差が大きいと圧縮効率が高くない。例えば、AIDが10と2000の値であるただ2つのSTAに送信するフレームのみがバッファされている場合、圧縮されたビットマップの長さは1990であるが、両端を除いてはいずれも0の値を有することになる。一つのAPに連携され得るSTAの個数が少ない場合にはビットマップ圧縮の非効率性があまり問題にならないが、STAの個数が増加する場合は、このような非効率性が全体システム性能を阻害する要因になり得る。
これを解決するための方案として、AIDを複数のグループに分けてより効果的なデータ送信を行うようにすることができる。各グループには、指定されたグループID(GID)が割り当てられる。このようなグループベースで割り当てられるAIDについて図13を参照して説明する。
図13(a)は、グループベースで割り当てられたAIDの一例を示す図である。図13(a)の例示では、AIDビットマップの先頭部におけるいくつかのビットを、GIDを表示するために用いることができる。例えば、AIDビットマップにおける先頭の2ビットを用いて4個のGIDを示すことができる。AIDビットマップの全体長さがNビットの場合に、先頭の2ビット(B1及びB2)の値が当該AIDのGIDを示す。
図13(b)は、グループベースで割り当てられたAIDの他の例を示す図である。図13(b)の例示では、AIDの位置によってGIDを割り当てることができる。このとき、同一のGIDを使用するAIDはオフセット(offset)及び長さ(length)の値で表現することができる。例えば、GID 1がオフセットA及び長さBで表現されると、ビットマップ上でA乃至A+B−1のAIDがGID 1を有するということを意味する。例えば、図13(b)の例示で、全体1乃至N4のAIDが4個のグループに分割されると仮定する。この場合、GID 1に属するAIDは1乃至N1であり、このグループに属するAIDはオフセット1及び長さN1で表現することができる。次に、GID 2に属するAIDをオフセットN1+1及び長さN2−N1+1で表現することができ、GID 3に属するAIDをオフセットN2+1及び長さN3−N2+1で表現することができ、GID 4に属するAIDをオフセットN3+1及び長さN4−N3+1で表現することができる。
このようなグループベースで割り当てられるAIDが導入されると、GIDによって異なる時間区間にチャネルアクセスを許容できるようにすることによって、多数のSTAに対するTIM要素不足の問題を解決すると同時に、効率的なデータの送受信を行うことができる。例えば、特定時間区間では特定グループに該当するSTAにのみチャネルアクセスが許容され、残り他のSTAにはチャネルアクセスが制限(restrict)されてもよい。このように特定STAにのみアクセスが許容される所定の時間区間を、制限されたアクセスウィンドウ(Restricted Access Window;RAW)と呼ぶこともできる。
GIDによるチャネルアクセスについて図13(c)を参照して説明する。図13(c)では、AIDが3個のグループに分けられている場合、ビーコンインターバルによるチャネルアクセスメカニズムを例示的に示す。一番目のビーコンインターバル(又は、一番目のRAW)は、GID 1に属するAIDに該当するSTAのチャネルアクセスが許容される区間で、他のGIDに属するSTAのチャネルアクセスは許容されない。これを具現するために、一番目のビーコンにはGID 1に該当するAIDのみのためのTIM要素が含まれる。二番目のビーコンフレームにはGID 2を有するAIDのみのためのTIM要素が含まれ、これによって二番目のビーコンインターバル(又は、二番目のRAW)の間には、GID 2に属するAIDに該当するSTAのチャネルアクセスのみが許容される。三番目のビーコンフレームには、GID 3を有するAIDのみのためのTIM要素が含まれ、これによって三番目のビーコンインターバル(又は、三番目のRAW)の間には、GID 3に属するAIDに該当するSTAのチャネルアクセスのみが許容される。四番目のビーコンフレームには再びGID 1を有するAIDのみのためのTIM要素が含まれ、これによって四番目のビーコンインターバル(又は、四番目のRAW)の間には、GID 1に属するAIDに該当するSTAのチャネルアクセスのみが許容される。続いて、五番目以降のビーコンインターバル(又は、五番目以降のRAW)のそれぞれにおいても、当該ビーコンフレームに含まれたTIMで示される特定グループに属したSTAのチャネルアクセスのみが許容されてもよい。
図13(c)では、ビーコンインターバルによって許容されるGIDの順序が循環的又は周期的な例示を示しているが、これに制限されることはない。すなわち、TIM要素に特定GIDに属するAIDのみを含めることによって、特定時間区間(例えば、特定RAW)の間に、これら特定AIDに該当するSTAのみのチャネルアクセスを許容し、残りのSTAのチャネルアクセスは許容しない方式で動作してもよい。
前述したようなグループベースAID割当方式は、TIMの階層的(hierarchical)構造と呼ぶこともできる。すなわち、全体AID空間を複数個のブロックに分割し、0以外の値を持つ特定ブロックに該当するSTA(すなわち、特定グループのSTA)のチャネルアクセスのみが許容されるようにすることができる。これによって、大きいサイズのTIMを小さいブロック/グループに分割して、STAがTIM情報を維持しやすくし、且つSTAのクラス、サービス品質(QoS)、又は用途によってブロック/グループを管理しやすくする。図13の例示では2−レベルの階層を示しているが、2つ以上のレベルの形態で階層的構造のTIMが構成されてもよい。例えば、全体AID空間を複数個のページ(page)グループに分割し、それぞれのページグループを複数個のブロックに区別し、それぞれのブロックを複数個のサブ−ブロックに分割することができる。このような場合、図13(a)の例示の拡張として、AIDビットマップにおいて先頭のN1個のビットはページID(すなわち、PID)を示し、その次のN2個のビットはブロックIDを示し、その次のN3個のビットはサブ−ブロックIDを示し、残りのビットがサブ−ブロック内のSTAビット位置を示す方式で構成されてもよい。
以下に説明する本発明の例示において、STA(又は、それぞれのSTAに割り当てられたAID)を所定の階層的なグループ単位に分割して管理する様々な方式が適用されてもよく、グループベースAID割当方式は上記の例示に制限されるものではない。
改善されたチャネルアクセス方案
グループベースでAIDが割当/管理される場合、特定グループに属したSTAは当該グループに割り当てられた「グループチャネルアクセスインターバル」(又はRAW)でのみチャネルを使用することができる。仮にSTAがM2Mアプリケーションを支援する場合に、当該STAに対するトラフィックは長い周期(例えば、数十分又は数時間)で発生する特性を有することがある。このようなSTAはアウェイク状態を頻繁に維持する必要がないため、長い時間の間にスリープモードで動作するがたまにアウェイク状態に切り替わること(すなわち、当該STAのウェイクアップインターバルが長く設定されること)が好ましい。このように長い周期のウェイクアップインターバルを有するSTAを「long−sleeper」又は「長い−スリープ」モードで動作するSTAと呼ぶこともできる。ただし、ウェイクアップ周期が長く設定される原因は、必ずしもM2M通信のためのものに制限されず、一般の無線LAN動作においてもSTAの状態や周辺状況などによってウェイクアップインターバルが長く設定されてもよい。
ウェイクアップインターバルが設定されると、STAは自身のローカルクロックに基づいて上記ウェイクアップインターバルが経過するか否かを決定することができる。しかし、STAのローカルクロックは低価のオシレータを使用する場合が一般的であるため、誤差の発生する確率が高く、さらにはSTAが長い−スリープモードで動作すると、その誤差が時間の経過と共により大きくなることがある。したがって、たまに起床するSTAの時間同期はAPの時間同期と一致しないことがある。例えば、STAは自身がビーコンを受信できるタイミングであると計算してアウェイク状態に切り替わるが、当該タイミングでは実際にAPが送信するビーコンを受信できない場合もある。すなわち、クロックドリフト(clock drift)によってSTAはビーコンフレームを逃す(miss)こともあり、長い−スリープモードで動作する場合にはこのような問題はより多く発生する。
図14乃至図16は、グループチャネルアクセスインターバルが設定される場合のSTAの動作の例示を示す図である。
図14の例示で、STA3はグループ3(すなわち、GID=3)に属したSTAであるが、グループ1(すなわち、GID=1)に割り当てられたチャネルアクセスインターバルで起床して、APにフレーム送信を要請するPS−Pollを行うことができる。STAからPS−Pollを受信したAPはSTA3にACKフレームを送信するが、APがSTA3に送信するバッファされたデータがあるとACKフレームを通じてそれを示す情報(すなわち、送信されるデータが存在するという情報)を提供することができる。例えば、ACKフレームに含まれる1ビットサイズの「More Data」フィールド(又はMDフィールド)の値を1に設定(すなわち、MD=1)することによって上記情報を示すことができる。
ここで、STA3がPS−Pollを送信した時点はグループ1に対するチャネルアクセスインターバルに属するため、APはSTA3に送信するデータがあってもACKフレームを送信した直後にデータを送信するのではなく、STA3の属したグループ3に割り当てられたチャネルアクセスインターバル(図14のGID 3 channel access)でSTA3へのデータを送信する。
STA3にとってはAPからMD=1に設定されたACKフレームを受信したため、APからデータが送信されることを続けて待つ。すなわち、図14の例示では、STA3は起床した直後にビーコンを受信できなかったため、自身のローカルクロックに基づく計算によって、自身の起床した時点が自身の属したグループに割り当てられたチャネルアクセスインターバルであることもあり、自身に送信されるデータがあることもあるという仮定の下に、APにPS−Pollを送る。又は、自身が長い−スリープモードで動作するため、時間同期化が合わないこともあると仮定し、もし自身に送信されるデータがあるならそれを受信するためにSTA3はAPにPS−Pollを送ることもある。STA3がAPから受信したACKフレームはSTA3に送信されるデータがあることを示す(indicate)ため、STA3は、自身のチャネルアクセスが許容されたインターバルであるという仮定の下に続けてデータ受信を待つことになる。STA3は、次のビーコンに含まれた情報から時間同期化を正確に行うまでは、データ受信が許容されないにもかかわらず、余計に電力を消耗することになる。
特に、STA3が長い−スリープモードで動作する場合には、ビーコンを頻繁に受信できないため、自身の属したチャネルアクセスインターバルでない場合にもCCAを行うなど、余計な電力消耗が発生することがある。
次に、図15の例示では、GID 1を有する(すなわち、グループ1に属した)STAが起床したタイミングでビーコンフレームを逃す場合を示す。すなわち、自身に割り当てられたGID(又はPID)が含まれたビーコンを受信できなかったSTAは、自身のGID(又はPID)が含まれたビーコンを受信するまで続けてアウェイク状態で待機する。すなわち、たとえSTAが起床した時点が自身に割り当てられたチャネルアクセスインターバルであるといっても、STAはビーコンを通じて送信されるTIMに自身のGID(又はPID)が含まれているか否かを確認できなかったため、当該タイミングが自身のグループに割り当てられたチャネルアクセスインターバルであるか否かがわからない。
このように、図15の例示でスリープ状態からアウェイク状態に切り替わったSTAは、最初のビーコンを逃した後に、自身のGID(すなわち、GID 1)を含む四番目のビーコンを受信するまで続けてアウェイク状態にあるため、余分の電力を消耗することになる。結局として余分の電力を消耗した後に、STAはGID 1を含むビーコンを受信することができ、これによってRTS送信、CTS受信、データフレーム送信、ACK受信を行うことができる。
図16では、STAが他のグループに対するチャネルアクセスインターバルに起床した場合を示す。例えば、GID 3を有するSTAがGID 1に対するチャネルアクセスインターバルに起床することがある。すなわち、GID 3を有するSTAは、起床した後、自身のGIDに該当するビーコンを受信するまで余計に電力を消耗することになる。三番目のビーコンでGID 3を指示するTIMを受信すると、自身のグループに対するチャネルアクセスインターバルであることを認知し、RTS、CTSなどを通じたCCA後に、データ送信及びACK受信などの動作を行うことができる。
本発明では、前述したようにグループベースで制限されたアクセスが許容される場合に、STAの余分の電力消耗を防止又は低減できる改善されたチャネルアクセス方案を提案する。特に、APとの時間同期が一致しない確率が高い長い−スリープモードで動作するSTAに対して、本発明に提案するチャネルアクセス方案を有用に適用することができる。
本発明ではスリープ状態からアウェイク状態に切り替わったSTAが、APに対して、チャネルアクセス要請に関する情報を含むフレーム(第1フレーム)を送信すると、それに対してAPがチャネルアクセス許容の有無に関する情報を含むフレーム(第2フレーム)をSTAに応答する方案を用いて、STAの余分の電力消耗を防止することができる。チャネルアクセス許容の有無に関する情報としてはタイミング情報が代表的である。また、第1フレームは、既存のPS−Pollフレームであってもよく、本発明で提案する新しい形態のフレーム(例えば、チャネルアクセス要請フレーム)であってもよい。第2フレームは、既存のACKフレームやアクセス制御(Access Control)フレームであってもよく、本発明で提案する新しい形態のフレーム(例えば、チャネルアクセス応答フレーム)であってもよい。以下では、本発明の具体的な例示について説明する。
本発明によれば、長い−スリープモードで動作するSTAはビーコンフレームを受信しなくても(又は、自身のGID(又はPID)を含むビーコンフレームを受信するまでアウェイク状態を維持しながら待機しなくても)、APからSTAへのチャネル(すなわち、下りリンク(DL)チャネル)及び/又はSTAからAPへのチャネル(すなわち、上りリンク(UL)チャネル)に対するアクセスを行うことができる。
この場合、STAは、第1フレームをAPに送信してチャネルアクセスを要請することができる。第1フレームは本発明においてPS−Poll又はチャネルアクセス−要請(CA−REQ)フレームであってよい。ただし、本発明の範囲はこれに制限されるものではなく、本発明の様々な例示で説明する情報を含む所定のフレームを総称して第1フレームと呼ぶことができる。
この第1フレームはいつでも(at any time)送信され得るものと定義することができる。STAが自身に送信されるDLデータがあるか否かがわからない状況でも(例えば、TIMを受信していない状況でも)送信されるものと定義することができる。
図17は、本発明で提案するCA−REQフレームフォーマットの例示を示す図である。
一般に、フレームは、MACヘッダ、ペイロード(payload)及びFCS(Frame Check Sequence)で構成することができる。フレームによってはペイロード部分を有しなくてもよい。MACヘッダにおける先頭の2オクテット(すなわち、16ビット)はフレーム制御(Frame Control)フィールドに該当する。フレーム制御フィールドは、プロトコルバージョンフィールド、タイプフィールド、サブタイプフィールド、MD(More Data)フィールドなどを含むことができる。フレームにおける末尾の2オクテットはFCSとすることができる。
図17(a)に示すように、CA−REQフレームは、STAの識別子(すなわち、AID)とAPの識別子(すなわち、BSSID)フィールドを含むことができる。AIDは、当該STAに割り当てられたAIDで埋め、BSSIDは、STAが当該CA−REQフレームを送信するあて先となるAPの識別子で埋めることができる。該フレームがCA−REQフレームであるか否かは、フレーム制御フィールドのタイプフィールドとサブタイプフィールドを用いて示すことができる。仮にSTAがAPに送信すべきULデータを持っていると、フレーム制御フィールドのMDビットを1に設定して該CA−REQフレームを送信することができる。この場合、AIDフィールドはGID(又はPID)を含む(すなわち、APはSTAのAIDから該AIDの属したGDI(又はPID)がわかる)ため、CA−REQフレームに別個にGID(又はPID)フィールドを含める必要はない。
また、STAのGIDは階層的なAID構造によって指示されてもよく、AID範囲内で特定AID範囲がGIDを指示する用途に用いられてもよい(図13(a)参照)。したがって、図17(b)に示すように、AIDフィールド及びGIDフィールドを別個として含む形態でCA−REQフレームを構成してもよい。
他の例示として、図17(c)に示すように、CA−REQフレームは、図17(a)の例示的なフレーム構造に、UL/DL指示子(UL/DL indicator)フィールドをさらに含んでもよい。UL/DL指示子フィールドは、当該CA−REQフレームがDLチャネルに対するアクセス要請か、又はULチャネルに対するアクセス要請かを示すことができる。
上記第1フレームの様々な例示を利用する本発明の実施例については、第2フレームのフォーマットを説明した後に詳しく説明する。
第1フレーム(例えば、PS−Poll又はCA−REQフレーム)を受信したAPは、それに応答して第2フレーム(例えば、ACK、アクセス制御、又はチャネルアクセス−応答(CA−RSP)フレーム)をSTAに送信することができる。
図18乃至図20は、本発明で提案するCA−RSPフレームフォーマットの例示を示す図である。
図18乃至図20に示すように、CA−RSPフレームの例示は、フレーム制御フィールド、AIDフィールド、BSSIDフィールド及びFCSフィールドを基本的に含む形態で定義することができる。当該フレームがCA−RSPフレームであるか否かは、フレーム制御フィールドのタイプフィールドとサブタイプフィールドを用いて示すことができる。仮にAPがSTAに送信すべきDLデータを持っていると、フレーム制御フィールドのMDビットを1に設定してCA−RSPフレームを送信することができる。
また、CA−RSPフレームは、起床した後にビーコンフレームを受信できなかったSTA(又は、第1フレームを送信したSTA)にチャネルアクセスを許容するか否かを直接的/間接的に知らせる情報を含むことができる。これを応答情報(response information)と呼ぶことができる。
図18の例示に示すように、応答情報は、タイムスタンプ(time stamp)情報(図18(a))、ACK情報(図18(b))、チャネルアクセス開始オフセット(Channel Access Start Offset;CASO)及び許容チャネルアクセス期間(Granted Channel Access Duration;GCAD)情報(図18(c))、又は現在アクセスグループ番号(Current Access Group Number;CAGN)及び次のアクセスグループ開始オフセット(Next Access Group Start Offset;NAGSO)情報(図18(d))の形態とすることができる。それぞれのフィールドの長さ(図18で、L、L1又はL2)は所定の値に定めることができる。
さらに、図19の例示では、CA−RSPフレームの応答情報が応答タイプ(response type)フィールド及びボディー(body)で構成される例示的なフォーマットを示す。応答タイプフィールドの長さは3ビットと定義できる。この場合、応答情報が1オクテット長を有すると、ボディーは5ビット長と定義され、応答情報が2オクテット長を有すると、ボディーは13ビット長と定義され得る。
図20の例示に示すように、応答情報のボディーは、チャネルアクセス期間(Channel Access Duration)情報(図20(a))、チャネルアクセス期間及びタイムスタンプ情報(図20(b))、現在チャネルアクセスグループID(CCAGID)及び次のアクセスグループ開始オフセット(NAGSO)情報(図20(c))、CCAGID、NAGSO、タイムスタンプ及び許容チャネルアクセス期間(GCAD)情報(図20(d))、又は新規グループID(又は新規AID)情報(図20(e))の形態とすることができる。
上記第2フレーム(又は、ACK、アクセス制御又はCA−RSPフレーム)に含まれる情報は例示的なものであり、図18乃至図20の様々な例示の一つ以上の組合せで構成してもよい。
以下では、上記の第1フレーム及び第2フレームを利用する本発明の実施例について具体的に説明する。
図21乃至図34は、本発明に提案する第1及び第2フレームを用いたチャネルアクセス動作の例示を示す図である。
図21の例示では、GID 3を有するSTA3は起床した後にビーコンを受信できなかった状態でAPに第1フレーム(例えば、CA−REQフレーム)を送信することができる。すなわち、STA3は、自身の属したグループに対するチャネルアクセスインターバルでないタイミングでもAPにCA−REQフレームを送信することができる。これに応答してAPは第2フレーム(例えば、CA−RSP)をSTA3に送信することができる。第2フレームでMD=1に設定されて、STA3に送信されるDLデータが存在することを知らせることができる。
また、第2フレームはタイムスタンプ情報を含むことができる(図18(a)参照)。STA3は、第2フレームに含まれたタイムスタンプ値から、APとの時間同期を正確に合わせることができる。時間同期を合わせたSTAは、次のビーコン送信タイミングを実質的に正確に計算でき、その時までスリープモードで動作することができる。次のビーコン送信タイミングで起床したSTA3はビーコンを成功的に受信することによって、現在グループ情報(すなわち、どのグループに対するチャネルアクセスが許容されるか)を取得することができる。取得した現在グループ情報に基づいてSTA3は自身のグループに対するチャネルアクセスが許容される時点を計算することができる。例えば、自身のグループに該当するチャネルアクセスインターバルを三番目のビーコン以降と計算したSTA3は、再びスリープモードに切り替わって電力を節約した後、三番目のビーコンタイミングで起床してチャネルアクセスを試み、APからDLデータを受信することができる。
図22の例示では、図21の例示に追加動作として、STAがAPからの第2フレームに含まれたタイムスタンプ情報から自身のグループに該当するチャネルアクセスインターバルを計算した後、該タイミングで起床してDLデータを受信する前に、チャネルアクセス過程(例えば、CA−REQ及びCA−RSPの送受信)を行うこともできる。
上記追加のチャネルアクセス過程で、APは、第1フレームに対する応答としてACK情報を含む第2フレーム(図18(b)参照)をSTAに送信した後、当該STAにデータを送信するように動作することができる。
第2フレームに含まれるACK情報は、図18(b)の例示のようにACKフィールドの形態で定義されてもよいが、ACKフレームにおけるように、第2フレームの様々な例示(図18乃至図20参照)においてフレーム制御フィールドのMDフィールドを1に設定する形態を含む。
また、APがSTAから第1フレームを受信した場合、当該STAのチャネルアクセスが可能な状況であれば、APは、図22の例示のように、CA−RSPフレームを送る代わりに、ACKフレームをSTAに送信して、チャネルアクセスが許容されることを示すこともできる。この場合、当該STAに送信するバッファされたDLデータが存在すると、ACKフレームのMDフィールドを1に設定して送信することができる。
図23の例示では、STAから第1フレームを受信したAPがSTAに、ACKを含む第2フレーム又はACKフレームを送信せず、直ちにDLデータを送信することもできる。図23の例示で、GID 3チャネルアクセスインターバル以前のSTAとAPの動作は、図22の例示と同一である。STAが自身のチャネルアクセスインターバルでAPに第1フレーム(例えば、CA−REQフレーム)を送信すると、APは直ちにDLデータを送信してもよい。
図24の例示で、STAからの第1フレームを受信したAPは、CASO及びGCADを含む第2フレーム(図18(c)参照)をSTAに送信してもよい。
CASOは、APが当該STAのチャネルアクセスを許容し始める時点に関する情報を示す。すなわち、CASOは、現在チャネルアクセスが許容されていないSTAが再びスリープ状態に入ってから再び起床すべき時点を示す情報を意味する。また、CASOは所定のタイマー情報として提供されてもよい(すなわち、所定のタイマーが満了する時点でSTAは再び起床することができる)。DLデータ送信の場合、APがSTAにDLデータを送信する時点と設定されてもよく、ULデータ送信の場合は、STAがAPにULデータ送信を許容する時点と設定されてもよい。又は、CASOは、次のビーコンが送信される時点(Next TBTT(Target Beacon Transmission Time))、STAに該当するグループに対するビーコンが送信される開始時点、又はSTAに該当するグループチャネルアクセスインターバル(Group channel access interval)の開始時点を示すことができる。DLデータ送信の場合、APはSTAにCASOが示す時点以降からDLデータ送信を試みることができる。また、CASOは、DL/ULデータ送信を問わず、当該STAが属したグループのためのチャネルアクセスインターバル(図24の例示ではGID 3チャネルアクセスインターバル)の開始位置と設定されてもよい。
GCADは、STAがチャネルをアクセスできる期間を示し、その基準時点(又は開始点)はCASOである。
APから第2フレームを通じてCASO及びGCAD情報を取得したSTAは、自身の属したグループを確認したり当該グループのためのチャネルアクセスインターバルの位置を確認したりしなくても(例えば、別途のビーコンフレームを受信しなくても)、CASOが示す時点でデータ受信を試みることができる。したがって、第2フレームを通じてCASO及びGCADを受信したSTAは、CASOが示す時点までスリープ状態を維持することによってさらなる省電力を達成することができる。
図24の例示では、第2フレームのMDビットが1に設定され、STAがCASOが示す時点で起床してGCADの間にDLデータの受信を試みる場合を示す。また、図示してはいないが、STAが送信する第1フレームのMDビットが1に設定される場合はULデータ送信に対するものであって、STAは、CASOが示す時点で起床してGCADの間にULデータ送信を試みることができる。
図25の例示では、STAからの第1フレームを受信したAPは、CAGN及びNAGSO情報を含む第2フレーム(上記図18(d)参照)を当該STAに送信することができる。
STAは、CAGN情報から、現在時点でのチャネルアクセスが許容されるグループがわかる。また、STAは、NAGSO情報から、現在時点を基準に次のチャネルアクセスインターバルの開始時点がわかる。図25の例示では、STAは、第2フレームを通じて受信したCAGNから、現在グループ1(すなわち、GID 1)に対するチャネルアクセスインターバル中であり、NAGSOから、次にアクセスが許容されるグループ2(すなわち、GID 2)に対するチャネルアクセスインターバルの開始タイミングがわかる。
仮にSTAが全体グループの個数を知っており、全てのグループのチャネルアクセスインターバルが同一の時間長で与えられ、当該グループの構成情報が同一であると仮定できれば、STAはCAGN及びNAGSOを用いて自身のグループに対するチャネルアクセスインターバルの位置を計算することができる。
上式1で、GIDは、STAに割り当てられたグループ番号を意味する。GIDはSTAのアクセスグループ番号(Access Group Number of STA;AGNS)と表現することもできる。CAGNは、前述したように、現在アクセスが許容されるグループの番号を意味する。NAGSOは、前述したように、次のアクセスグループのチャネルアクセスインターバルの開始時点を意味し、マイクロ秒(μs)の単位で定義できる。Nは、APが支援する総グループの数を意味する。Iは、一つのグループに対するチャネルアクセスインターバルの長さを意味する。││は絶対値を意味し、modはモジューロ演算を意味する。
図25の例示で、総グループ数は3で、STAのGIDは3で、現在時点のグループ番号は1であるため、STAの属したグループ(すなわち、グループ3)のチャネルアクセスインターバルの開始タイミングは、NAGSO+((3−1−1) mod 3)*I=NAGSO+Iで計算することができる。
上の式1は、総グループ数が4の場合に、各グループの番号が1、2、3及び4と与えられる場合を仮定している。仮に、グループ番号が0、1、2、3のように与えられると、上の式1を次式2のように変更することができる。
このようにAPが第2フレームを通じてCASO及びNAGSO情報をSTAに提供すると、STAは、次のビーコンタイミングで起床してビーコンを受信する必要なく、自身のグループに該当するチャネルアクセスインターバルの開始時点に起床してデータを受信することができる。
また、STAが、第2フレームを通じて提供されるCASO及びNAGSO情報から、自身のグループに該当するチャネルアクセスインターバルの開始時点を正しく決定するためには、総グループ数(N)、グループチャネルアクセスインターバルの長さ(I)などをあらかじめ知っていなければならない。このようなN、I値に関する情報は、STAがAPに連携される時にAID(又は、GID、PID)の割当時に当該APから受けることができる。
図26の例示では、APが運営する総グループ数(N)に関する情報及び/又は一つのグループチャネルアクセスインターバルの長さ(I)に関する情報などを、STAがAID(又は、GID/PID)を受ける時に又はスリープモードで動作する前にAPから受けなかった場合に、APが第2フレームにこれらの情報(例えば、N、Iの値)を含めてCAGN及びNAGSOと共に提供することができる。これによって、STAは、自身のグループに該当するチャネルアクセスインターバルの開始時点を決定することができる。
また、第2フレーム(例えば、CA−RSPフレーム)にCASO及びGCADを含める方案(図18(c)参照)や、CAGN及びNAGSOを含める方案(図18(d))参照)において、図24乃至図26で上述した例示では、STAが自身のグループに割り当てられたチャネルアクセスインターバルでチャネルアクセス動作(例えば、第1フレーム送信)無しにAPからDLデータを受信する動作を行う例を図示したが、本発明はこれに制限されるものではない。すなわち、図21乃至図23で説明した通り、第2フレームの他の例示的なフォーマットを用いる方案においても、STAが自身のチャネルアクセスインターバルでチャネルアクセスを試みる時、第1フレーム送信、第2フレーム受信及びデータ受信(図22の例示と類似)、第1フレーム送信、ACKフレーム受信及びデータ受信(図22の例示と類似)、又は第1フレーム送信及びデータ受信(図23の例示と類似)の方式で動作してもよい。
図27の例示では、APがSTAから受信した第1フレーム(例えば、CA−REQ又はPS−Poll)に応答して第2フレーム(例えば、CA−RSPフレーム又はACKフレーム)を送信する時、APがSTAに送信するデータを持っている場合は、該第2フレームのMDビットを1に設定して当該STAに知らせることができる。又は、APが第1フレーム(例えば、PS−Poll)を受けた後にSTAにACKを送信することなく直ちにデータを送信することもできる。
図28の例示では、STAがAPに第1フレーム(例えば、CA−REQ又はPS−Poll)を送信する時、STAがAPに送信するデータを持っている場合なら、第1フレームのMDビットを1に設定してAPに知らせることができる。又は、STAは、PS−Pollを送信した後、APからACKやデータを受けると、APにデータを送信することができる。
図27及び図28の例示では、起床した直後にビーコンフレームを受信できなかったSTAがAPに送信する第1フレームとそれに対する応答である第2フレームがそれぞれ、CA−REQ及びCA−RSPであり、その後、STAが自身の属したグループのチャネルアクセスインターバルでチャネルアクセスのために利用する第1及び第2フレームがそれぞれ、PS−Poll及びACKフレームである場合を示している。本発明の範囲はこれに制限されず、起床した直後にビーコンを受信できなかったSTAがチャネルアクセスのために用いる第1フレームをPS−Poll、自身のチャネルアクセスインターバルでAPに送信する第1フレームをCA−REQとする場合など、様々な変形例が適用されてもよい。
また、図27及び図28の例示は、起床した直後にビーコンフレームを受信できなかったSTAがチャネルアクセスのために第1フレームを送信し、それに対する応答として第2フレームを受信することによって、自身の属したグループに対するチャネルアクセスインターバルに関する情報を取得する方案であって、図25と類似の方式を示しているが、これに制限されるものではない。すなわち、スリープモードにあるSTAがアウェイクモードに切り替わって初めてAPとやり取りする第1及び第2フレームの具体的な例示は、前述した図17及び図18のいずれか一つのフォーマットによって構成されてもよい。
図29の例示では、スリープ状態にあるSTAがULフレーム(例えば、データフレーム、制御フレーム、管理フレームなど)を送信するためにアウェイク状態に切り替わった場合に、ビーコンを受信できなかったときにもAPに第1フレームを送信することができる。この場合、STAはULで送信するデータがあるということをAPに知らせるために、第1フレームのフレーム制御フィールド内のMDビットを1に設定して送信することができる。これに加えて又は代えて、図17(c)の例示のように、第1フレーム内にUL/DL指示子情報を含めて、STAが送信する第1フレーム(例えば、CA−REQフレーム)がDL受信のためのチャネルアクセス要請か、又はUL送信のためのチャネルアクセス要請かを明確に示してもよい。
また、STAから第1フレームを受信したAPは、該第1フレームに含まれたAID情報から当該STAのGID情報を抽出することができる。この情報に基づいてAPは当該STAのチャネルアクセスが許容されるか否かを判定することができる。例えば、APがSTAの上記第1フレームを受信した時点で該STAのチャネルアクセスが許容されるか否かを判定することができる。図29の例示では、APがSTAから第1フレームを受信した時点がグループ1(すなわち、GID 1)のためのチャネルアクセスインターバルであり、APが第1フレームのAID情報から抽出したSTAのGID=1であるから、APは当該STAのチャネルアクセスが許容されると判定できる。これによって、APはSTAにチャネルアクセスを許容する旨の情報を第2フレームに含めて当該STAに送信することができる。
例えば、この第2フレームを図19の例示のようなフォーマットで構成することができる。すなわち、第2フレームの基本的なフィールド(例えば、フレーム制御フィールド、AIDフィールド、BSSIDフィールド、FCSフィールド)に追加されるフィールドを総称して応答情報(response informationfield)フィールドと呼ぶことができ、応答情報フィールドは、応答タイプフィールド及びボディーを含むことができる。例えば、応答タイプフィールドは、3ビットサイズで定義できる。応答タイプフィールドの値は、前述したようにSTAのチャネルアクセスが許容されるか否かを示すことができる。例えば、第2フレームの応答情報フィールド内の応答タイプフィールドの値を下記の表1のような意味を有するように定義することができる。
上記の表1で説明するように、APがSTAのチャネルアクセスを受諾する場合(例えば、当該GIDチャネルアクセスインターバルに対するGIDと、STAに割り当てられたGIDとが一致する場合)、第2フレーム内の応答タイプフィールドを000に設定してSTAに送信することができる。
また、応答タイプの値が000であるということは、STAの要請(CA−REQ又はPS−Pollなどを用いたチャネルアクセス要請)に対するACKとしての意味を有することもできる。したがって、応答タイプが000に設定された第2フレームを受信したSTAは、APに送信するULデータを持っていると(例えば、STAが第1フレーム内のMDビットを1に設定してAPに送信した場合に)、ULチャネルアクセスを行い、APから受信するDLデータが存在すると(例えば、APが第2フレーム内のMDビットを1に設定してSTAに送信した場合に)、APからのDLデータを待機及び受信することができる。
また、APが送信する第2フレームには、応答タイプフィールドに加えて現在チャネルアクセス期間(Current Channel Access Duration)に関する情報が含まれてもよい(図20(a)参照)。STAは、現在チャネルアクセス期間として設定された時間の間にチャネルアクセスを行うことができ、チャネルアクセス期間が終了するとチャネルアクセスを止める。
また、STAがAPとの時間同期を正確に合わせ得るように、第2フレームにタイムスタンプ情報が含まれてもよい(図20(b)参照)。タイムスタンプ情報は、応答タイプの値が000である(すなわち、チャネルアクセス許容を示す)場合にのみ含まれるように定義されてもよい。又は、応答タイプの値によらず、STAに正確な時間同期を提供するために、タイムスタンプ情報が常に第2フレームに含まれてもよい。
一方、APは、STAのチャネルアクセス要請を拒絶してもよい。例えば、現在チャネルアクセスインターバルに該当するGIDとSTAのGIDとが一致しないか、又は、現在チャネルアクセスを試みるSTAが多すぎる場合などに、当該STAのチャネルアクセス要請が禁止されることがある。この場合、APは、応答タイプを001に設定して第2フレームをSTAに送信することができる。
また、第2フレームのボディーは、CCAGID(Current Channel Access Group ID)及びNAGSO(Next Access Group Start Offset)フィールドを含んでもよい(図20(c)参照)。CCAGIDは、前述したCAGN情報に対応する意味を有する。このような例示は、応答タイプが001(すなわち、チャネルアクセス拒絶)である場合により好適に用いることができる。例えば、チャネルアクセスが拒絶されたSTAは、第2フレームに含まれたCCAGID及びNAGSO情報から、上記の式1又は式2に基づいて、自身の属したグループに対するチャネルアクセスインターバルの開始位置(又は、開始オフセット)を計算することができる。これによって、STAは、自身の属したグループのチャネルアクセスインターバルの開始時点でチャネルアクセスを試みることができる。
また、第2フレームのボディーは、CCAGIDとNAGSOに代えてCASO(Channel Access Start Offset)及びGCAD(Granted Channel Access Duration)フィールドを含んでもよい(図示せず)。これは、応答タイプが001(すなわち、チャネルアクセス拒絶)である場合により好適に用いることができる。APから第2フレームを通じてCASO及びGCAD情報を取得したSTAは、CASOが示す時点でGCAD時間の間にデータ受信を試みることができる。
また、第2フレームのボディーは、CCAGID、NAGSOに加えてタイムスタンプ及びGCADフィールドを含んでもよい(図20(d)参照)。これは、応答タイプが001(すなわち、チャネルアクセス拒絶)である場合により好適に用いることができる。
図19及び図20を参照して説明した第2フレームフォーマットの追加的な例示において、タイムスタンプ、CCAGID、NAGSO、CASO、GCADの少なくとも一つは、応答タイプの値(すなわち、チャネルアクセスの許容されるか否か)によらず、常に第2フレームに含まれるものとして定義されてもよい。これによって、STAは、より正確に自身の属したグループに対するチャネルアクセスインターバルを計算することが可能になる。
また、APは、STAの属したグループを変更してSTAにデータ送信を許諾してもよい。この場合、第2フレームの応答タイプが010に設定され、ボディーは新規GID(又は、新規AID)を含むことができる。例えば、チャネルアクセスを要請する(又は、第1フレームを送信する)STAのGID Xが現在チャネルアクセスインターバルのGID Yと一致しないが、APが現在ネットワーク状況(例えば、現在グループのアクセスSTAの密度が低い場合、又はチャネルアクセスを要請するSTAが緊急(emergency)状態の場合)などを考慮して、当該STAのチャネルアクセスを許容する方が好ましいと判断することもある。この場合、APは、STAに新しいGIDとしてYを再割当することによって、該STAが現在チャネルアクセスインターバルでチャネルアクセスを行えるようにすることができる。仮にGIDが別途に設定されるものではなく、AIDに含まれた情報から類推して決定されるものであれば、APは新しいAIDを第2フレームに含めてSTAに知らせることによって新しいGIDを割り当ててもよい。
応答タイプが001(すなわち、現在時点に該当するチャネルアクセスインターバルでSTAのチャネルアクセスを許容しない場合)である第2フレームを受信するSTAは、第2フレームに含まれた情報を用いて、自身のチャネルアクセスが許容される時点及び期間を計算することができ、その時点までスリープ状態にあるが、当該時点ではアウェイク状態に切り替わってチャネルアクセスを試みることができる。
DLチャネルアクセスの場合、STAは、上記計算結果から決定される時点でAPからDLデータを受信することを待つことができる。又は、DLチャネルアクセスのために、STAは、上記計算結果から決定される時点でAPにチャネルアクセスを要請(例えば、第1フレーム(例えば、CA−REQ又はPS−Poll)の送信)を行うこともできる。これに対する応答としてAPは第2フレーム(例えば、CA−RSP、ACKなど)をSTAに送信した後、DLデータを送信してもよく、第2フレーム送信を省略して直ちにDLデータをSTAに送信してもよい。
ULチャネルアクセスの場合、STAは、上記計算結果から決定される時点でULチャネルアクセス要請(例えば、第1フレーム(例えば、CA−REQ又はRTS)の送信)を行ってもよく、第1フレーム送信を省略して直ちにULデータを送信してもよい。APはSTAからCA−REQを受信すると、CA−RSPフレーム又はACKフレームを送信することができる。又は、APはSTAからRTSを受信するとCTSを送信してもよい。又は、APは、STAから第1フレーム又はRTSなしで直ちにデータを受信する場合にACKを送信してもよい。
図30乃至図34の例示では、本発明で提案する第1フレームとしてPS−Pollを用いる方案について説明する。PS−Pollは、STAがDLチャネルアクセス過程(すなわち、APがSTAに送信するデータを持っているか否かを確認する過程)を行うためにAPに送信するフレームを意味する。APは、これに対する応答として、STAに送信するデータがある場合は、データを直ちに送信するか、又はMD=1に設定されたACKを送信し、後でデータを送信することができる。仮にAPがSTAに送信するデータがない場合は、MD=0に設定されたACKをSTAに送信することができる。
既存のPS−Pollフレームは、図10又は図11で説明した通り、ビーコンフレームに含まれたTIMを受信したSTAが、自身が起床しており、DLデータを受信する準備ができていることをAPに知らせる目的を含むことができる。しかし、本発明で用いるPS−Poll(すなわち、第1フレームの一例としてのPS−Poll)は、そのフォーマットは既存のPS−Pollと基本的に同一であってもよいが、ビーコンを受信していない(すなわち、TIMを受信していない)STAであっても送信できるものと定義される。
図30の例示では、スリープ状態(又は、doze state)にあるSTAがアウェイク状態に切り替わって、自身に対するDLデータがあるか否かを確認するためにAPに第1フレーム(例えば、PS−Poll)を送信することができる。これに応答して、APは、STAに送信するデータがあることを示す(すなわち、MD=1に設定された)第2フレーム(例えば、ACKフレーム)をSTAに送信することができる。次に、APはDLデータをSTAに送信し、STAはそれに対する応答としてACKをAPに送信することができる。
本発明に係る例示では、APがSTAに第2フレーム(すなわち、STAのチャネルアクセス要請(又は、PS−Poll)に対する応答としてのACKフレーム又はResponseフレーム)を送信する時に、STAが自身の属したグループに対するチャネルアクセスインターバルを直接的/間接的に把握できるようにする情報(例えば、時間同期のための情報)を含めて送信することができる。例えば、STAが長い−スリープモードで動作する場合は、STAが起床して第1フレームを送信する時にAPとの時間同期が一致しない可能性が高いため、APは、第2フレームにタイムスタンプ情報を含めて送信してもよい。すなわち、本発明によれば、STAがAPにタイムスタンプを要請したわけではないが、APは要請されていない(unsolicited)タイムスタンプ情報をSTAに送信するようにする動作が定義されてもよい。
このようなSTAの時間同期のための情報(例えば、タイムスタンプ情報)は、前述したような第2フレーム(例えば、CA−RSPフレーム、ACKフレームなど)に含めてもよく、APがACKなしで直ちにデータを送信する場合はデータフレームにピギーバック(piggyback)方式で共に送ってもよい。
図31の例示では、PID(Page ID)=2を有するSTAが第1フレーム(例えば、PS−Poll)をAPに送信することができる。APは、PS−Pollに応答してACKを送信しながら、STAに送信するデータが存在することを、MD=1に設定して知らせることができる。そして、APがSTAに送信するデータを準備する間に、STAに時間同期のための情報(例えば、タイムスタンプ情報)を知らせることができる。タイムスタンプ情報が送信されるフレームとして上記第2フレームの一例(例えば、図18(a)のCA−RSPフレームフォーマット)を用いることができる。又は、図31の例示では、別途のフレーム(例えば、アクセス制御(Access Control)フレーム)を用いて単独(standalone)形態でタイムスタンプ情報を送信してもよい。該アクセス制御フレームには、STAのチャネルアクセス要請を許容するか否かを示す情報(例えば、応答タイプフィールド)を含むことができる。図31の例示では、STAのPIDが現在チャネルアクセスインターバルのPIDと同一であるため、チャネルアクセスが許容される場合を示す。したがって、アクセス制御フレームには、チャネルアクセス許容(Accept)を示す情報と、タイムスタンプ情報を含めることができる。タイムスタンプ情報を受信したSTAは、これに基づいて自身の時間を調整(adjust)することができる。その後、APはデータをSTAに送信し、STAはそれに応答してACKを送信し、再びスリープモードで動作することができる。又は、第2フレーム(例えば、アクセス制御フレーム)とデータフレームとを結合(concatenate)して一度に送信してもよい。
APにとってはSTAのAIDから、当該STAが長い−スリープモードで動作するSTAであるか否かが黙示的に(implicitly)わかるため、これによってSTAの時間同期のための情報(例えば、タイムスタンプ情報)をSTAに提供するか否かを決定することができる。また、STAが第1フレーム(例えば、CA−REQ又はPS−Poll)をAPに送信する時、自身が長い−スリープモードで動作するSTAであるか否かを明示的に(explicitly)示す情報を含めて送信することもできる。これによって、APは上記情報から、STAが長い−スリープモードで動作するものであることを確認した場合、当該STAに時間同期のための情報(例えば、タイムスタンプ情報)を提供することができる。
上記例示では、STAの時間同期のための情報として、タイムスタンプ情報を例示的に説明したが、本発明はこれに制限されるものではない。すなわち、STAが時間同期を直接的/間接的に調整できるようにする情報に加えて、図18乃至図20で提案する様々な情報がSTAに提供されてもよい。例えば、STAが起床すべき時間オフセット(例えば、CASO)に関する情報などが第2フレーム(例えば、CA−RSP、ACKフレームなど)を通じて提供されてもよい。
図32の例示では、PID=1を有するSTAが第1フレーム(例えば、PS−Poll)を送信しており、APが当該STAに送信するデータが存在する場合に、APはPS−Pollに応答してMD=1に設定されたACKフレームを送信することができる。しかし、現在チャネルアクセスインターバルはPID=2に該当するSTAのためのものであるから、PID=1のSTAにチャネルアクセスを許容することはできない。したがって、APはチャネルアクセスが拒絶されることを示す情報を含む第2フレーム(例えば、アクセス制御フレーム)をSTAに送信することができる。これに加えて、STAが自身の属したPIDのためのチャネルアクセスインターバルまでスリープ状態で動作できるように、APは、上記アクセス制御フレームに開始オフセット(又は、開始時点)に関する情報をさらに含めて送信することができる。これによって、STAは、開始オフセット値で示された時点で起床してチャネルアクセス動作(例えば、第1フレーム(例えば、PS−Poll)の送信など)を行うことができ、自身のためのDLデータを正しく受信することができる。
図33の例示では、PID=1を有するSTAが第1フレーム(例えば、PS−Poll)を送信しており、APが当該STAに送信するデータが存在する場合には図32の例示の通りとなる。しかし、チャネルアクセス要請/応答手順を単純化するために、APは、STAのためのデータが存在する場合であっても、当該STAのPIDが現在チャネルアクセスインターバルのPIDと一致しない場合は、第2フレーム(例えば、ACKフレーム)のMDビットを0に設定して送信することができる。これに加えて、当該STAの属したPIDのためのチャネルアクセスインターバルが始まる時点に関する情報(すなわち、開始オフセット)を上記ACKと共にSTAに提供してもよい。そのために、第2フレーム(例えば、CA−RSPフレーム、ACKフレーム、アクセス制御フレームなど)の様々な例示的なフォーマットを用いることができる。
上記の諸例示で、APからチャネルアクセス可能な時点に関する情報を受けたSTAはスリープモードで動作するが、該当時点では起床してチャネルアクセスを試みることができる。この場合、起床したSTAは再び第1フレーム(例えば、CA−REQ又はPS−Poll)を送信してもよく、又は、第1フレーム送信無しでDLデータを待機してもよい。
図34の例示で、PID=1を有するSTAが第1フレーム(例えば、PS−Poll)を送信しており、APが当該STAに送信するデータが存在する場合は、図32又は図33の例示の通りとなる。しかし、本例示では、現在チャネルアクセスインターバルのPIDに属しないSTAにAID(又は、PID/GID)を再割当して、現在チャネルアクセスインターバルでチャネルアクセスを許容することによって、STAとAPの動作をより簡素化することができる。図34の例示で、PID=1を有するSTAの第1フレームを受信したAPは、現在チャネルアクセスインターバルのPIDである2を、PID=1であるSTAの新しいPIDとして再割当する情報を送信することができる。この情報は、前述した第2フレームの例示的なフォーマット(例えば、図20(e))を用いてもよく、新しい独立したフレーム(例えば、アクセス制御フレーム)を通じて送信されてもよい。この場合、第2フレームの応答タイプフィールドは、チャネルアクセスの許容や拒絶ではなく、AID(又は、PID/GID)の再割当(reassignment)を示す値に設定され得る。これによって、STAは、自身のAID(又は、PID/GID)を新しい値に再設定し、現在チャネルアクセスインターバルでAPへのチャネルアクセスを行ってDLデータを正しく受信することができる。
また、APがSTAのAID(又は、PID/GID)を再割当する場合にも、該STAの時間同期のための情報(例えば、タイムスタンプ情報、STAが起床すべき時間オフセット(例えば、CASO)に関する情報、チャネルアクセス期間に関する情報など)がSTAにさらに提供されてもよい。すなわち、前述したように、現在チャネルアクセスインターバルでチャネルアクセスを要請する(すなわち、第1フレームを送信する)STAに対するチャネルアクセス許容/拒絶/ID再割当の場合を問わず(すなわち、いつでも)、APはSTAの時間同期のための情報を第2フレームに含めて送信することができる。また、この時間同期のための情報は、タイムスタンプ情報、次のビーコンの送信時点に関する情報、STAが起床すべき時間オフセット(例えば、CASO)に関する情報、STAがチャネルを使用できる期間(例えば、GCAD)に関する情報などを含むことができる。
図35は、本発明の一例によるチャネルアクセス方法を説明するためのフローチャートである。
段階S3510で、第1のSTA(例えば、非−AP STA)は、スリープ状態からアウェイク状態に切り替わることがある。
段階S3520で、第1のSTAは、本発明で提案する第1フレーム(例えば、PS−Poll又はCA−REQフレーム)を第2のSTA(例えば、AP)に送信することができる。例えば、第1のSTAは起床したいつの場合でも(例えば、ビーコンフレームを通じてTIMを取得できなかった場合でも)第1フレームを送信することができる。
段階S3530で、第2のSTAは、第1のSTAが送信した第1フレームに含まれた情報、現在チャネルアクセスインターバルに該当するグループ番号、ネットワーク状況などを総合的に考慮して、該第1のSTAのチャネルアクセスを許容するか否かを判定することができる。
段階S3540で、第2のSTAは、第1のSTAから受信された第1フレームに応答して、本発明で提案する第2フレーム(例えば、ACK、CA−RSP、又はアクセス制御フレーム)を第1のSTAに送信することができる。ここで、第2フレームは、第1のSTAの時間同期のための情報、又は再びスリープ状態に入ってから次に起床しなければならない時点に関する情報などに関するタイミング情報を含むことができる。さらに、この第2フレームは、前述した本発明の様々な例示で説明した情報を含んでもよい。
これによって、第1のSTAは第2のSTAとの時間同期が合わなくても、電力消耗を最小化しながらチャネルアクセスを行うことが可能になる。
以下では、図36乃至図43の例示を参照して、STAの上りリンクデータ送信に関連する本発明に係るチャネルアクセス実行方法について説明する。
本発明に係る上りリンクデータ送信では、STAがチャネルアクセス要請に関する第1フレームを送信しながら、上りリンクデータが存在するか否かを示す情報/フィールドを第1フレームに含めて送信することができる。言い換えると、STAは、上りリンクデータが存在するか、又は上りリンクデータ送信が可能かを確認するために、上りリンクチャネル使用要請に該当する情報を第1フレームに含めて送信することができる。ここで、第1フレームは、PS−Pollフレーム、NDP(Null Data packet)PS−Pollフレーム、又は上記で新しく定義したCA−REQフレームであってもよい。より詳しくは、STAは、ドーズ状態でビーコンフレームを受信せずに特定時間(例えば、リッスンインターバルに該当する時間)にアウェイク状態に切り替わった後、NDP PS−Pollフレーム(又は、PS−Pollフレーム)を送信することができるが、このNDP PS−Pollフレーム(又は、PS−Pollフレーム)に、STAの上りリンクデータが存在するか否かを示す情報を含めることができる。又は、ビーコンフレームを受信したSTAは、PS−Pollフレーム(又は、NDP PS−Pollフレーム)を送信できるが、このPS−Pollフレーム(又は、NDP PS−Pollフレーム)に、STAの上りリンクデータが存在するか否かを示す情報が含まれてもよい。ここで、STAの上りリンクデータが存在するか否かを示す情報は、後述するように、PS−PollフレームのMD(More Data)フィールドに含まれてもよい(すなわち、More Data fieldが1に設定される)。又は、STAの上りリンクデータが存在するか否かを示す情報は、上りリンクチャネルアクセス要請指示子(UL channel access request indicator)やDL/UL指示子(indicator)がPS−Pollフレームに含まれたり、PS−PollフレームのSIGフィールドやPS−PollフレームのMACヘッダーにおいてFCフィールドに含まれて送信されてもよい。
上述したような第1フレームを受信したAPは、それに対する応答として、上りリンクデータ送信を許容するか否かを示す情報を含む第2フレームをSTAに送信することができる。より詳しくは、第2フレームは、ACKフレーム又はCA−RSPフレーム又は下りリンクデータであってもよく、第1フレームに含まれた、上りリンクデータが存在するか否かを示す情報が、上りリンクデータが存在することを示すと、第2フレームは、STAの上りリンク接近要請許容(UL channel access permission)をするか否かを示す情報を含むことができる。以下、このようなSTAの上りリンクデータ送信に関する例示を、図36乃至図43を参照して説明する。以下の説明で参照される図面においてPS−Poll(UL access request=1/MD=1)という表現は、前述の上りリンクデータが存在するか否かを示す情報/フィールドを意味するもので、必ずしもUL access requestフィールド又はMDフィールドに限定されず、上りリンクデータが存在するか否かを示すものであれば、他の名称のフィールドも可能であろう。また、以下の説明で参照する図面では、STAがビーコンフレームを受信した後、相当の時間ドーズ状態に留まった後に第1フレームを送信することが例示されているが、必ずしもこれに限定されず、前述した通り、ビーコンフレーム受信に伴うPS−Pollフレーム送信(又は、NDP PS−Pollフレーム送信)及びビーコンフレーム受信に伴わないPS−Pollフレーム送信(又は、、NDP PS−Pollフレーム送信)の両方を意味すると理解することができる。
図36では、STAがAPに送信する上りリンクデータが存在し、APが上りリンクデータ送信を許容する場合、STAの上りリンクデータ送信を例示している。
図36を参照すると、ドーズ状態のSTAは、アウェイク状態に切り替わった後、上りリンクデータが存在するか否かを示す情報/フィールドを含むPS−PollフレームをAPに送信することができる(S3601)。ここで、上りリンクデータが存在するか否かを示す情報/フィールドは、上りリンクデータが存在すること(UL access request=1/MD=1)を示す。これを受信したAPは、上りリンクデータ送信を許容すること(UL access permission=accept(1))を示す情報/フィールドを含むACKフレームをSTAに送信することができる(S362)。このACKを受信した後、STAは、所定時間(例えば、SIFS)後に上りリンクデータをAPに送信することができる(S3603)。その後、上りリンクデータを受信したAPは、それに対するACKフレームをSTAに送信することができる(S3604)。
図37は、APが上りリンクデータ送信を許容しない場合を例示している。
図37を参照すると、ドーズ状態のSTAはアウェイク状態に切り替わった後、上りリンクデータが存在するか否かを示す情報/フィールドを含むPS−PollフレームをAPに送信することができる(S3701)。これを受信したAPは、上りリンクチャネル使用を許容しないと決定して、上りリンクデータ送信を拒絶すること(UL access permission=reject(0))を示す情報/フィールドを含むACKフレームをSTAに送信することができる(S3702)。STAは、このACKフレームを受信して、上りリンクデータ送信が許容されないことを知り、ドーズ状態に入ることができる。
ただし、図37の例示のような場合、上りリンクデータを有するSTAがいつどのようにそれを送信するかを定義する必要があり、そのための様々な方法を、以下、図38乃至図43の例示を参照して説明する。
図38は、APが上りリンクデータ送信を許容しない場合、STAの上りリンクデータ送信を例示する。
図38を参照すると、上りリンクデータがあることを示す情報/フィールドを含むPS−Pollフレームを送信したSTAが、APから上りリンクデータ送信が許容されないことを示す情報/フィールドを含むACKフレームを受信した場合、次のビーコンフレーム受信まで待った後に上りリンクデータ送信を行うことができる。したがって、STAは、PS−Pollフレームを送信してから次のビーコンを受信するまで(より正確には、ビーコンフレームを受信してから、上りリンクデータを送信しそれに対するACKフレームを受信するまで)アウェイク状態を維持する必要がある。
図39は、APが上りリンクデータ送信を許容しない場合、STAの上りリンクデータを送信する方法であって、図38の場合に比べて電力消耗を低減できる方法を例示している。
図39を参照すると、上りリンクデータがあることを示す情報/フィールドを含むPS−Pollフレームを受信したAPが上りリンクデータ送信を許容しないと決定した場合、それを示すACKフレームをSTAに送信するが、このACKフレームには開始オフセット(start offset)情報及びデューレーション(duration)情報を含むことができる。ここで、開始オフセット情報は、STAが上りリンクデータを送信し得る時期を示すことができる。したがって、端末は、開始オフセットに該当する時間になるまでドーズ状態を維持することによって省電力を図ることができる。デューレーション情報は、開始オフセットに該当する時間からSTAがアウェイク状態を維持する時間までの時間区間を示すことができる。もし、STAが、図39に例示するように開始オフセット時間にアウェイクして上りリンクデータを送信した場合、それに対するACKフレームを、デューレーション情報に該当する時間区間で受信することができる。
図40は、図39の状況で、APがSTAに送信する下りリンクデータがある場合を示している。図40を参照すると、APは、デューレーション情報に該当する時間区間で上りリンクデータを受信し、それに対するACKフレームを送信した後、バッファされた下りリンクデータを送信することができる。
図41は、図39ではデューレーション情報に該当する時間区間でSTAがアウェイク状態を維持することとは違い、STAが上りリンクデータを送信した後ドーズ状態に切り替わることを例示している。すなわち、電力消耗を低減するために、デューレーション情報に該当する時間区間の終了まで待たずにドーズ状態に切り替わる。このような場合、APはSTAに送信する下りリンクデータがあっても、STAが再びPS−Pollを送信するまで下りリンクデータをバッファしていればよい。
図42は、図39の場合において、STAがタイマーを動作させることを例示している。図42を参照すると、STAは、開始オフセット情報に該当する時間区間が経過した後に上りリンクデータを送信しそれに対するACKフレームを受信すると、T1タイマーを起動することができる。T1タイマーが終了するまで上りリンクデータ送信(又は、APからの下りリンクデータ送信)がないと、STAは、デューレーション情報に該当する時間区間が終了する前であってもドーズ状態に切り替わって電力消耗を減らすことができる。
図43は、図42の場合において、T1タイマーが終了してSTAがドーズ状態に切り替わる場合、これをAPに知らせるフレームを送信することを例示している。図示してはいないが、STAがデューレーション情報に該当する時間区間でT1タイマーを駆動することなく、ドーズ状態に切り替わることを知らせるフレームをAPに送信した後にドーズ状態に切り替わってもよいだろう。
図44は、MD=1のPS−PollフレームやUDI=1のNDP PS−Pollフレームを受信したAPがSTAに送信する下りリンクデータ(DL Data)がある場合、応答として下りリンクデータを直接送る例を示している。
すなわち、APがSTAから上りリンクデータ存在を示すPS−Pollフレーム(又は、NDP PS−Pollフレーム)を受信し、STAに送信する下りリンクデータがあると、応答として下りリンクデータを直接送信して、上りリンク使用を許可することができる。このとき、下りリンクデータに上りリンクアクセス許可(UL access permission)情報を含めることができる。STAがPS−Pollに対する下りリンクデータを受信すると、応答として上りリンクデータ(UL data)を直接送信することができる。APが下りリンクデータ送信に対する応答として上りリンクデータを受信したとき、送信する下りリンクデータがないと、応答としてACK(又は、NDP ACK)フレームを送信する。STAはACKフレームを受信した後、送信するデータがないと、ドーズ状態に入ることができる。
前述した本発明の様々な実施例で説明した事項は、独立して適用されてもよく、又は2つ以上の実施例が同時に適用されるように具現されてもよい。
図45は、本発明の一実施例に係る無線装置の構成を示すブロック図である。
AP10は、プロセッサ11、メモリー12、送受信器13を備えることができる。STA20は、プロセッサ21、メモリー22、送受信器23を備えることができる。送受信器13及び23は、無線信号を送信/受信することができ、例えば、IEEE 802システムに基づく物理層を具現することができる。プロセッサ11及び21は、送受信器13及び21と接続して、IEEE 802システムに基づく物理層及び/又はMAC層を具現することができる。プロセッサ11及び21は、前述した本発明の様々な実施例に係る動作を行うように構成されてもよい。また、前述した本発明の様々な実施例に係るAP及びSTAの動作を具現するモジュールがメモリー12及び22に格納され、プロセッサ11及び21によって実行されてもよい。メモリー12及び22は、プロセッサ11及び21の内部に含まれてもよく、又はプロセッサ11及び21の外部に設けられて、プロセッサ11及び21と公知の手段によって接続されてもよい。
このようなAP及びSTA装置の具体的な構成は、前述した本発明の様々な実施例で説明した事項が独立して適用されたり、又は2つ以上の実施例が同時に適用されるように具現されてもよく、重複する内容は明確性のために説明を省略する。
上述した本発明の実施例は様々な手段を用いて具現することができる。例えば、本発明の実施例は、ハードウェア、ファームウェア(firmware)、ソフトウェア又はそれらの結合などによって具現することができる。
ハードウェアによる具現の場合、本発明の実施例に係る方法は、一つ又はそれ以上のASICs(Application Specific Integrated Circuits)、DSPs(Digital Signal Processors)、DSPDs(Digital Signal Processing Devices)、PLDs(Programmable Logic Devices)、FPGAs(Field Programmable Gate Arrays)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサなどによって具現することができる。
ファームウェアやソフトウェアによる具現の場合、本発明の実施例に係る方法は、以上で説明された機能又は動作を実行するモジュール、手順又は関数などの形態で具現することができる。ソフトウェアコードは、メモリーユニットに保存され、プロセッサによって駆動されてよい。メモリーユニットは、プロセッサの内部又は外部に設けられ、既に公知の様々な手段によってプロセッサとデータを交換することができる。
以上開示された本発明の好ましい実施例についての詳細な説明は、当業者が本発明を具現して実施できるように提供された。以上では本発明の好適な実施例を参照して説明したが、当該技術の分野における熟練した当業者に理解されるように、本発明の領域から逸脱しない範囲内で本発明を様々に修正及び変更することもできる。例えば、当業者は、上記の実施例に記載された各構成を互いに組み合わせる方式で用いてもよい。したがって、本発明は、ここに開示されている実施形態に制限されるものではなく、ここに開示されている原理及び新規な特徴と一致する最も広い範囲を与えるためのものである。