JP6151111B2 - 電解質溶液の製造方法、電解質溶液、電解質膜、電極触媒層、膜電極接合体、及び固体高分子電解質型燃料電池 - Google Patents

電解質溶液の製造方法、電解質溶液、電解質膜、電極触媒層、膜電極接合体、及び固体高分子電解質型燃料電池 Download PDF

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Description

本発明は、電解質溶液の製造方法、及び該製造方法により得られる電解質溶液、並びに該電解質溶液を用いた、電解質膜、電極触媒層、及び固体高分子電解質型燃料電池に関する。
近年、固体高分子電解質型燃料電池(以下、単に「燃料電池」ともいう。)の電解質膜及び電極への需要が大きくなっている。燃料電池用の電解質膜の製造や修理、触媒粒子を含む電極の製造等には、スルホン酸型官能基及び/又はスルホン酸塩型官能基を有するフッ素系高分子を含む電解質(以下、単に「フッ素系高分子電解質」ともいう。)の電解質溶液が使用されている。
フッ素系高分子電解質は、生産性の観点から、溶け残りなく電解質溶液中に溶解できることが求められている。また、電解質溶液は、高温における燃料電池の運転条件に耐えられるように、電解質膜及び電極として高い耐熱水溶解性が求められており、電解質溶液の製造時に電解質が熱分解しないこと、即ち電解質溶液中のフッ素イオン濃度が低いことが求められる。さらに、電解質膜及び電極の材料として取り扱いが容易となるように、電解質溶液の粘度が低いことが望まれる。
スルホン酸型官能基(SOH)を有するフッ素系高分子電解質としては、代表的なものとしてNafion(登録商標)Dispersion Solution(米国DuPont社製)、Aciplex(登録商標)−SS(旭化成ケミカルズ株式会社製)等が挙げられる。しかしながら、スルホン酸型官能基を有するフッ素系高分子電解質の溶媒への分散性は極めて低いため、これまで、フッ素系高分子電解質を様々な技術により溶媒に分散させた電解質溶液が提案されてきた。
例えば、特許文献1には、1025〜1500の範囲の当量質量を有するパーフルオロ化イオン交換重合体の液体組成物が開示されている。
また、特許文献2には、水又は水とベンゼンからなる分散媒体を用いて分散処理を行った高フッ素化イオン交換ポリマー粒子含有組成物が開示されている。
またさらに、特許文献3では、フッ素化及び極性溶媒による処理のうちの少なくとも1つを含むパーフルオロイオノマー液体組成物の製造方法について開示されている。
加えて、特許文献4では、燃料電池用触媒ペーストの材料となる電解質溶液における電解質の分散性の向上について開示されている。
特開昭57−192464号公報 特表2001−504872号公報 特表2012−529549号公報 特表2013−51051号公報
しかしながら、特許文献1において、フッ素系高分子電解質を水性媒体に分散させる際、フッ素系高分子電解質の溶け残りがある場合がある。
また、特許文献2において、スルホン酸塩型官能基を有するフッ素系高分子電解質の溶解処理の結果得られた電解質溶液は極めて高粘度の塊状体であるか、あるいはフッ素系高分子電解質の溶け残りが存在している。
さらに、特許文献3において具体的に開示しているのは、スルホン酸ナトリウム型のポリマーの溶解であり、未溶解成分があるためこれを除くために遠心分離を行う必要がある。
またさらに、特許文献4において具体的に開示しているのは、スルホン酸型官能基を有するフッ素系高分子電解質溶液をガラス転移点以上の温度で熱処理を行う方法であり、ガラス転移点未満の温度で熱処理することについては開示されていない。さらに、熱処理温度がフッ素系高分子電解質の熱分解開始温度近辺であるため、ポリマーの熱分解が示唆される。即ち、フッ素系高分子電解質が熱分解することにより、得られる電解質溶液の耐熱水溶解性が低いことが示唆される。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであって、フッ素系高分子電解質の溶け残りがより少なく、含まれるフッ素イオン濃度がより低い電解質溶液が得られる電解質溶液の製造方法、及び該製造方法により得られる電解質溶液、並びに該電解質溶液を用いた、電解質膜、電極触媒層、及び燃料電池を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記問題点について鋭意検討した結果、所定のフッ素系高分子電解質と、水を含む溶媒と、を混合し、溶解処理する溶解処理工程を、所定の圧力及び所定の温度条件で行なうことにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
〔1〕
SO 3 X基(Xは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、又はNR 1 2 3 4 であり、R 1 、R 2 、R 3 、及びR 4 は、それぞれ独立して、炭素数1〜3のアルキル基又は水素である。)を含むフッ素系高分子電解質と、水を含む溶媒と、を容器内で溶解処理して、電解質溶液を得る溶解処理工程を有し、
前記溶解処理工程において、
前記容器内の圧力を、窒素、ヘリウム、アルゴン、酸素、空気、水素、及び一酸化炭素からなる群より選ばれる1種類以上のガスを用いて、前記溶媒の飽和蒸気圧を超えるよう加圧し、かつ
前記容器内の温度を、溶解温度まで加熱し、該溶解温度は前記フッ素系高分子電解質のガラス転移点未満である、
電解質溶液の製造方法。
〔2〕
前記フッ素系高分子電解質が、水性媒体に分散された電解質エマルジョンであり、
該電解質エマルジョンの平均粒子径が10nm以上500nm未満である、前項〔1〕に記載の電解質溶液の製造方法。
〔3〕
前記フッ素系高分子電解質が、下記式(1)で表される繰り返し単位と、式(2)で表される繰り返し単位と、を含む共重合体を含む、前項〔1〕又は〔2〕に記載の電解質溶液の製造方法。
−(CFZ−CF 2 )− (1)
(式(1)中、Zは、H、Cl、F、又は炭素数1〜3のパーフルオロアルキル基である。)
−(CF 2 −CF(−O−(CF 2 CF(CF 3 )O) n −(CF 2 m −SO 3 X))− (2)
(式(2)中、Xは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、又はNR 1 2 3 4 であり、R 1 、R 2 、R 3 、及びR 4 は、それぞれ独立して、炭素数1〜3のアルキル基又は水素であり、mは0〜12の整数であり、nは0〜2の整数である。ただし、m及びnは同時に0にならない。)
〔4〕
前記溶解処理工程において、少なくとも前記容器内が前記溶解温度であるときに、前記
容器内の圧力が、前記溶媒の飽和蒸気圧を超えるように前記容器内を加圧する、前項〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載の電解質溶液の製造方法。
〔5〕
前記容器内の圧力が、前記溶解処理工程において常に前記溶媒の飽和蒸気圧を超えるように前記容器内を加圧する、前項〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載の電解質溶液の製造方法。
〔6〕
前記電解質溶液のフッ素イオン濃度が、前記フッ素系高分子電解質の固形分質量に対して、200ppm以下である、前項〔1〕〜〔5〕のいずれか1項に記載の電解質溶液の製造方法。
〔7〕
前記フッ素系高分子電解質の当量質量が、300〜1,500g/eqである、前項〔1〕〜〔6〕のいずれか1項に記載の電解質溶液の製造方法。
〔8〕
前記溶解処理工程の前に、フッ素系高分子電解質前駆体を化学処理して、前記フッ素系高分子電解質を製造する前処理工程を有し、
前記フッ素系高分子電解質前駆体は、荷重2.16kg、270℃におけるメルトフローレートが、0.01〜100g/10分である、前項〔1〕〜〔7〕のいずれか1項に記載の電解質溶液の製造方法。
〔9〕
前記溶解処理工程後に、前記SO 3 X基の前記XをHへイオン交換するイオン交換工程をさらに含む、前項〔1〕〜〔8〕のいずれか1項に記載の電解質溶液の製造方法。
本発明により、フッ素系高分子電解質の溶け残りがより少なく、含まれるフッ素イオン濃度がより低い電解質溶液が得られる電解質溶液の製造方法、及び該製造方法により得られる電解質溶液、並びに該電解質溶液を用いた、電解質膜、電極触媒層、及び燃料電池を実現することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる
〔電解質溶液の製造方法〕
本実施形態に係る電解質溶液の製造方法は、
SOX基(Xは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、又はNRであり、R、R、R、及びRは、それぞれ独立して、炭素数1〜3のアルキル基又は水素である。)を含むフッ素系高分子電解質と、水を含む溶媒と、を容器内で溶解処理して、電解質溶液を得る溶解処理工程を有し、
前記溶解処理工程において、
前記容器内の圧力を、窒素、ヘリウム、アルゴン、酸素、空気、水素、及び一酸化炭素からなる群より選ばれる1種類以上のガスを用いて、前記溶媒の飽和蒸気圧を超えるように加圧し、かつ
前記容器内の温度を、溶解温度まで加熱し、該溶解温度が前記フッ素系高分子電解質のガラス転移点未満である。
上記溶解処理工程において、温度及び加圧の条件を上記のようにすることにより、フッ素系高分子電解質を含有する電解質溶液を製造する際、フッ素系高分子電解質の溶け残りが少なく、かつ含まれるフッ素イオン濃度が低い電解質溶液を得ることができる。
〔前処理工程〕
本実施形態に係る電解質溶液の製造方法は、溶解処理工程の前に前処理工程を有することが好ましい。本実施形態において、前処理工程とは、フッ素系高分子電解質前駆体を化学処理して、フッ素系高分子電解質を製造する工程をいう。
フッ素系高分子電解質前駆体の、荷重2.16kg、270℃におけるメルトフローレート(以下、「MFR」ともいう。)は、100g/10分以下が好ましく、10g/10分以下がより好ましく、5g/10分以下がさらに好ましい。MFRが100g/10分以下であることにより、燃料電池の出力特性をより長時間維持できる電解質溶液が得られる傾向にある。また、フッ素系高分子電解質前駆体のMFRは、0.01g/10分以上が好ましく、0.1g/10分以上がより好ましく、0.3g/10分以上がさらに好ましい。MFRが0.01g/10分以上であることにより、フッ素系高分子電解質をより効率的に溶解処理できる傾向にある。なお、MFRは、実施例に記載の方法により測定することができる。
フッ素系高分子電解質前駆体としては、特に限定されないが、例えば、SOF基を含む構造を有するフッ素系高分子電解質などが挙げられる。
上記化学処理方法としては、特に限定されないが、例えば、フッ素系高分子電解質前駆体と塩基性溶液若しくは酸性溶液又は陽イオン交換樹脂とを接触させる方法が挙げられる。
前処理工程は、得られたフッ素系高分子電解質の不安定末端基を安定化処理する操作をさらに含んでもよい。フッ素系高分子電解質に含まれうる不安定末端基としては、特に限定されないが、例えば、カルボン酸、カルボン酸塩、カルボン酸エステル、カーボネート、炭化水素、メチロール等が挙げられる。これら不安定末端基は、重合方法や開始剤、連鎖移動剤、重合停止剤の種類等によって変化する。例えば、重合方法として乳化重合を選択し、連鎖移動剤を使用しない場合には、不安定末端基はそのほとんどがカルボン酸である。安定化処理する操作を行なうことにより、本実施形態に係る電解質溶液の製造方法により得られる電解質溶液からなる電解質膜、電極触媒層、膜電極接合体、及び燃料電池の耐久性がより向上する傾向にある。
上記安定化処理方法としては、特に限定されないが、例えば、フッ素系高分子電解質の前駆体又は得られたフッ素系高分子電解質を加熱脱炭酸して、不安定末端基を−CFHとして安定化する方法等を挙げることができる。
〔溶解処理工程〕
本実施形態に係る電解質溶液の製造方法は、溶解処理工程を有する。本実施形態において、溶解処理工程とは、フッ素系高分子電解質と、水を含む溶媒と、を容器内で混合し、溶解処理する工程をいう。この際、容器内の圧力は、窒素、ヘリウム、アルゴン、酸素、空気、水素、及び一酸化炭素からなる群より選ばれる1種類以上のガスを用いて、溶媒の飽和蒸気圧を超えるように加圧する。また、容器内の温度は、フッ素系高分子電解質のガラス転移点未満である溶解温度まで加熱する。以下、溶解処理工程について説明する。
(フッ素系高分子電解質)
本実施形態において用いるフッ素系高分子電解質は、SOX基(Xがアルカリ金属、アルカリ土類金属又はNRであり、R、R、R及びRは、それぞれ独立して、炭素数1〜3のアルキル基又は水素である)を含む。スルホン酸型官能基(SOH型)を有するフッ素系高分子電解質は酸性であり、スルホン酸塩型官能基(SOX型)を有するフッ素系高分子電解質は中性である。そのため、スルホン酸塩型官能基(SOX型)を有するフッ素系高分子電解質を用いることにより、用いる容器等の金属の腐食がより抑制できる。また、用いる容器等の金属の電解質溶液への混入も抑制することができ、これにより耐久性に優れる、電解質膜、電極触媒層、膜電極接合体、及び燃料電池を得ることのできる電解質溶液を得ることができる。
このようなフッ素系高分子電解質としては、特に限定されないが、例えば、下記式(1)で表される繰り返し単位と、式(2)で表される繰り返し単位と、を含む共重合体、及び/又は、下記式(1)で表される繰り返し単位と、分岐構造及び/又は環構造を有する繰り返し単位と、を含む共重合体を含むものが好ましい。このようなフッ素系高分子電解質を用いることにより、溶解工程後のフッ素系高分子電解質の分散性がより高くなる傾向にある。
−(CFZ−CF)− (1)
(式(1)中、Zは、H、Cl、F、又は炭素数1〜3のパーフルオロアルキル基である。)
−(CF−CF(−O−(CFCF(CF)O)−(CF−SOX))− (2)
(式(2)中、Xは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、又はNRであり、R、R、R及びRは、それぞれ独立して、炭素数1〜3のアルキル基又は水素であり、mは0〜12の整数であり、nは0〜2の整数である。ただし、m及びnは同時に0にならない。)
式(1)において、ZがFであることが好ましい。また、式(2)において、XがK、Naであり、mが0〜4であり、nが0〜1であることが好ましい。式(2)において、XがK、Naであり、nが0であり、mが2であることがより好ましい。このようなフッ素系高分子電解質は側鎖の構造が短くなる傾向にあるため、得られる高分子電解質の結晶性が向上する傾向にある。これにより、本実施形態で得られる電解質溶液から作製した電解質膜等の耐熱性や機械的強度がより優れる傾向にある。
分岐構造及び/又は環構造を有する繰り返し単位としては、特に限定されないが、例えば、下記式で表される化合物が挙げられる。
CF=CF−O−(CFCFXO)−[A]
(式中、Xは、F又は炭素数1〜3のパーフルオロアルキル基であり、nは0〜5の整数であり、Aは(CF−Wを示し、mは0〜6の整数を示す(ただし、nとmは同時に0にならない)。Wは加水分解によりSOHに転換し得る官能基を示す。)
CF=CF−O−(CF−CF((−O−(CF−W)
(式中、pは0〜12の整数を示し、kは1〜5の整数を示し、Wは加水分解によりSOHに転換し得る官能基を示す。)
CF=CF−O−(CF−CF(−(CF−O−(CF−W))
(式中、pは0〜12の整数を示し、mは0〜6の整数を示し、Lは1〜5の整数を示し、Wは加水分解によりSOHに転換し得る官能基を示す。)
CF=C(−O−R)(−O−CF−CF(−R)(−CF−O−(CF−SOX))
(式中、Nは1〜5の整数である。Xは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、又はNRであり、R、R、R、及びRは、それぞれ独立して、炭素数1〜3のアルキル基又は水素であり、R及びRは、互いに結合して環状になる酸素原子又は炭化水素基を表す。)
(式中、Nは1〜5の整数である。Xは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、又はNRであり、R、R、R、及びRは、それぞれ独立して、炭素数1〜3のアルキル基又は水素である。)
また、フッ素系高分子電解質は、必要に応じてその他の成分を含んでいてもよい。その他の成分としては、特に限定されないが、例えば、−(R−S)−(Sはイオウ原子、Rは炭化水素基、nは1以上の整数)の化学構造を含む、チオエーテル基を有する化合物が挙げられる。このようなチオエーテル基を有する化合物としては、特に限定されないが、例えば、ジメチルチオエーテル、ジエチルチオエーテル、ジプロピルチオエーテル、メチルエチルチオエーテル、メチルブチルチオエーテルのようなジアルキルチオエーテル;テトラヒドロチオフェン、テトラヒドロアピランのような環状チオエーテル;メチルフェニルスルフィド、エチルフェニルスルフィド、ジフェニルスルフィド、ジベンジルスルフィドのような芳香族チオエーテル等が挙げられる。チオエーテル基を有する化合物は、単量体で用いてもよいし、例えばポリフェニレンスルフィド(PPS)のような重合体で用いてもよい。
その他の成分の含有量は、溶媒を除いたフッ素系高分子電解質と他の成分の総量100質量%に対して、0.01〜50質量%が好ましく、1〜30質量%がより好ましく、2〜20質量%がさらに好ましい。
(電解質エマルジョン)
本実施形態において用いるフッ素系高分子電解質は、フッ素系高分子電解質の粒子が水性媒体に分散された電解質エマルジョンであることが好ましい。上記のような電解質エマルジョンを用いることで、パウダー、フレーク、ペレットなどのバルクポリマーに比べて、より短時間で電解質溶液を得ることができる傾向にある。なお、フッ素系高分子電解質としては、上記と同様のものを用いることができる。
このような電解質エマルジョンの製造方法としては、特に限定されないが、例えば、WO2011−034179A1号公報に記載されている方法で製造することができる。電解質エマルジョンを製造する過程で、電解質エマルジョンの粒子の凝析や乾燥等の操作を含まないことが好ましい。粒子を凝集させないことにより、平均粒子径が10〜500nmの粒子が分散されてなる電解質エマルジョンをより容易に得ることができる。
水性媒体としては、特に限定されないが、水のみが好ましく、水と有機溶媒の混合溶媒を用いてもよい。このような有機溶媒としては、特に限定されないが、例えば、アルコール類、グリセリン等のプロトン性有機溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等の非プロトン性溶媒等が挙げられる。これらは1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
(電解質エマルジョンの平均粒子径)
本実施形態において用いうる電解質エマルジョンの平均粒子径は、10nm以上500nm未満が好ましく、50〜300nmがより好ましく、100〜200nmがさらに好ましい。平均粒子径が上記範囲であることにより、フッ素系高分子電解質の粒子の安定性が向上し、またフッ素系高分子電解質の前駆体の粒子が容易に製造できる傾向にある。なお、平均粒子径は動的光散乱粒径測定により測定することができる。なお、平均粒子径は実施例に記載の方法により測定することができる。
(球形)
本実施形態で用いうるフッ素系高分子電解質の粒子は球形であることが好ましい。ここで「球形である」とは、アスペクト比が3.0以下であることをいう。上記球形粒子のアスペクト比は、3.0以下であることが好ましく、2.0以下であることがより好ましく、1.5以下であることがさらに好ましい。上記球形粒子のアスペクト比の下限は、1.0であることが好ましい。一般に、電解質粒子の粒子形状に異方性があると、エマルジョンが高粘度となりやすい傾向にある。フッ素系高分子電解質が球形粒子であると、粒子の形状が球形でない場合に比べてエマルジョンの粘度が低く、フッ素系高分子電解質の固形分濃度を高くしても取り扱い性が良好となる傾向にある。なお、アスペクト比は、走査型電子顕微鏡等で、電解質エマルジョンをアルミ箔等に塗布したのち水性媒体を除去して得られたフッ素系高分子電解質の集合体を観測し、得られた画像上の20個以上の粒子について測定した長軸及び短軸の長さの比(長軸/短軸)の平均することで得ることができる。
〔水を含む溶媒〕
本実施形態において用いる水を含む溶媒としては、特に限定されないが、例えば、水のみでもよいし、水と有機溶媒の混合溶媒を用いてもよい。本実施形態において用いうる有機溶媒としては、特に限定されないが、例えば、アルコール類、グリセリン等のプロトン性有機溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等の非プロトン性溶媒等が挙げられる。これらは1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
上記アルコール類としては、特に限定されないが、例えば、低沸点である炭素数1〜3のアルコールが好ましい。低沸点である炭素数1〜3のアルコールとしては、特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、及び2−プロパノールからなる群より選ばれる1種類以上のアルコールが挙げられる。その中でも特にエタノールと1−プロパノールが好ましい。このようなアルコール類を用いることにより、電解質溶液の粘度がより低くなる傾向にあり、またフッ素系高分子電解質との親和性がより高くなる傾向にある。親和性がより高くなることについては、アルコール類を含有する溶媒を用いることでフッ素系高分子電解質が膨潤しその結果として溶解させやすくなるためと考えられる。親和性がより高くなることにより、より低温で溶解処理を行うことができる傾向にある。上記アルコールは1種類で用いても、2種類以上を併用してもよい。
水とアルコール類を含む混合溶媒においてアルコール類の濃度は、50質量%以下が好ましく、より好ましくは30質量%以下であり、さらに好ましくは0質量%である。アルコール類の濃度が50質量%以下であることにより、電解質溶液の粘度をより低くすることができる傾向にある。
水を含む混合溶媒において水の濃度は、50質量%以上であることが好ましく、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは100質量%である。水の濃度が50質量%以上であることにより、電解質溶液の粘度をより低くすることができる傾向にある。なお、有機溶媒は電解質溶液として必須ではないことから、水のみを溶媒として用いた際には、その後有機溶媒を取り除く工程が必要なくなり、生産性の観点から好ましい。
〔処理条件〕
溶解処理工程においては、容器内の圧力を、窒素、ヘリウム、アルゴン、酸素、空気、水素、及び一酸化炭素からなる群より選ばれる1種類以上のガスを用いて、溶媒の飽和蒸気圧を超えるように加圧し、容器内の温度を、溶解温度まで加熱する。溶解処理工程の開始は、容器において、昇温、降温、及び加圧のうち少なくともいずれか1つ以上の操作を行った時点とする。また、溶解処理工程の終了は、溶解温度から、降温操作を行なった時点とする。
(溶解温度)
溶解温度は、フッ素系高分子電解質のガラス転移点未満の温度である。溶解温度をフッ素系高分子電解質のガラス転移点未満の温度にすることで、溶解処理工程におけるフッ素系高分子電解質の分解を抑えることができ、これによりフッ素イオン濃度の低い電解質溶液を得ることができる。ここで、「溶解温度」とは、溶解処理工程における、圧力容器内の液温の最大温度をいう。
また、スルホン酸塩型官能基(SOX型)を有する、中性のフッ素系高分子電解質を用い、かつ溶解温度をフッ素系高分子電解質のガラス転移点未満の温度にすることにより、フッ素系高分子電解質の溶解処理工程を行う容器の材質としてSUSを用いた場合でも、容器本体に含有されるFe、Ni等の成分から生じる金属イオンの溶出を防ぐことができる。一般的には、金属イオンが含有される電解質溶液を用いて作製した電解質膜又は電極は、燃料電池運転中に発生する過酸化水素を起因とする化学的劣化への耐久性が大幅に低下するおそれがある。これに対し、本実施形態に係る電解質溶液の製造方法によれば、容器等からの金属イオンの溶出を防ぐことができ、その結果、耐久性に優れる、電解質膜、電極触媒層、膜電極接合体、及び燃料電池を得ることのできる電解質溶液を得ることができる。
(容器)
本実施形態において用いうる容器としては、特に限定されないが、例えば、SUS、ハステロイ<登録商標>、インコネル<登録商標>からなるものが挙げられる。このなかでも比較的安価なSUS製の容器を用いることが、生産性の観点から好ましい。
上記フッ素系高分子電解質のガラス転移点の測定は、実施例に記載の方法により行なうことができる。
(加圧)
加圧は、窒素、ヘリウム、アルゴン、酸素、空気、水素、及び一酸化炭素からなる群より選ばれる1種類以上のガスを、容器内に導入することで行う。用いうるガスとしては、好ましくは窒素、ヘリウム、アルゴンであり、より好ましくは窒素である。このようなガスを用いることにより、安全性により優れる傾向にある。加圧して、容器内の圧力を溶媒の飽和蒸気圧を超えるようにすることで、溶媒の蒸発が抑えられ、気泡の発生を抑制できる。これによって、容器壁面及び/又は液面で、気泡が乾くことで生成するフッ素系高分子電解質のゲル状物の発生を防ぐことができる。このようなゲル状物の発生を防ぐことで、得られる電解溶液中の溶け残りをより少なくすることができる。
加圧を行うタイミングは、特に限定されず、昇温前に行ってもよいし、溶解温度まで昇温した後に加圧してもいい。また、昇温途中や昇温と同時に加圧を行ってもよい。このなかでも、少なくとも容器内が溶解温度であるときに、容器内の圧力が、溶媒の飽和蒸気圧を超えるように、容器内を加圧することが好ましい。これにより、溶媒の蒸発が抑えられ、気泡の発生を抑制でき、得られる電解溶液中の溶け残りをより少なくすることができる。
また、容器内の圧力が、溶解処理工程において常に溶媒の飽和蒸気圧を超えるように容器内を加圧すること好ましい。これにより、溶媒の蒸発が抑えられ、気泡の発生を抑制でき、得られる電解溶液中の溶け残りをより少なくすることができる。ここで「常に」とは、溶解処理工程開始から溶解処理工程終了までにわたって、いずれの温度においてもという意味である。具体的な方法としては、特に限定されないが、例えば、室温で容器内に上記ガスを導入してから昇温する方法や、昇温とともに、容器内加圧しつづけることで、容器内の圧力が、常に溶媒の飽和蒸気圧を超えるようにする方法が挙げられる。これによって、昇温過程も含め、容器内の圧力が、常に溶媒飽和蒸気圧を超えるように制御することができる。
例えば、25℃で加圧してから昇温する場合には、25℃における容器内の圧力は、0.5MPa以上が好ましく、1.5MPa以上が好ましく、3MPa以上が好ましい。25℃における容器内の圧力が0.5MPa以上であることにより、電解質溶液中の溶け残りをより少なくできる傾向にある。また、250℃における容器内の圧力は、20MPa以下が好ましく、10MPa以下がより好ましく、5MPa以下がさらに好ましい。250℃における容器内の圧力が20MPa以下であることにより、高い耐圧性を有する容器を用いなくてもよいため、製造コストに優れる傾向にある。
溶媒の飽和蒸気圧については、単一の溶媒では化学便覧などに記載の既知の値を参照することができる。また混合溶媒では、ラウールの法則を用いて近似した値を飽和蒸気圧として用いることができる。
(当量質量)
本実施形態において用いるフッ素系高分子電解質の当量質量、つまりスルホン酸基1当量当たりの乾燥質量は、300〜1,500g/eqが好ましく、400〜1,200g/eqがより好ましく、450〜1.000g/eqがさらに好ましく、500〜900g/eqがよりさらに好ましい。当量質量が300g/eq以上であることにより、発電特性により優れる電解質膜等を得ることができる電解質溶液が得られる傾向にある。また、当量質量が1,500g/eq以下であることにより、吸水性がより低く機械的強度により優れる電解質膜等を得ることができる電解質溶液が得られる傾向にある。なお、当量質量は、後述の実施例に記載の方法で測定することができる。
(固形分濃度)
溶解処理工程において、フッ素系高分子電解質と水を含む溶媒との混合液中のフッ素系高分子電解質の固形分濃度は、3〜50質量%が好ましく、4〜40質量%がより好ましく、5〜30質量%がさらに好ましく、5〜25質量%がよりさらに好ましい。固形分濃度が3質量%以上であることにより、電解質溶液の収量に優れる傾向にある。また、50質量%以下であることにより、電解質溶液の粘度の上昇に伴う取扱いの困難さを抑制できる傾向にある。固形分濃度は、実施例に記載の方法により測定することができる。
〔イオン交換工程〕
溶解処理工程後に、必要に応じてSOX基のXをHへイオン交換するイオン交換工程をさらに行ってもよい。イオン交換の方法としては、特に限定されないが、例えば、前記電解質溶液を陽イオン交換樹脂に通液させる方法が挙げられる。イオン交換工程をさらに行ことにより、製膜性により優れる傾向にある。
(フッ素イオン濃度)
電解質溶液に含まれるフッ素イオン濃度は、フッ素系高分子電解質の固形分質量に対して、200ppm以下が好ましく、150ppm以下がより好ましく、125ppm以下がさらに好ましい。本実施形態におけるフッ素イオン濃度は、電解質溶液中のフッ素系高分子電解質の分解度を示すために用いられる。即ち、電解質溶液中のフッ素イオン濃度が高ければ、フッ素系高分子電解質の分解が進んでいることを示す。フッ素イオン濃度が200ppm以下であることにより、フッ素系高分子電解質の分解が大量に起きてないことが示唆されるため、電解質溶液を製膜して得られる電解質膜等は耐熱水溶解性に優れる傾向にあり、かつ高温における燃料電池の運転条件により適する傾向にある。
〔電解質溶液〕
本実施形態に係る電解質溶液は、上記電解質溶液の製造方法により製造したものである。本実施形態に係る電解質溶液は、フッ素系高分子電解質の溶け残りがより少なく、含まれるフッ素イオン濃度がより低いものとなる。
〔電解質膜〕
本実施形態に係る電解質膜は、上記電解質溶液からなるものである。電解質膜の製造方法としては、特に限定されないが、例えば、上記電解質溶液(以下、「電解質溶液」という。)を基材に塗布する工程と、基材に塗布した電解質溶液を乾燥させて電解質膜を得る工程と、電解質膜を基材から剥離する工程と、を含む製造方法が挙げられる。
上記の電解質膜の製造方法は、キャスト製膜と呼ばれる方法であり、例えば、シャーレ等の容器に電解質を展開し、必要に応じてオーブン等の中で加熱することにより溶媒を少なくとも部分的に留去した後、容器から剥がす等して膜状体を得る方法である。また、キャスト製膜の他の方法としては、特に限定されないが、例えば、ガラス板又はフィルム等の基材に電解質溶液を厚みが均一になるように、ブレード、エアナイフ又はリバースロールといった機構を有するブレードコーター、グラビアコーター又はコンマコーター等の装置によって膜厚を制御しながらキャスト成膜して枚葉の塗工膜を形成する方法、基材に電解質溶液を連続的にキャストして連続成膜し、長尺のフィルム状の膜を形成する方法も挙げられる。
上記基材となるフィルムとしては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンブタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、液晶ポリエステル類を含むポリエステル、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリアリレート、ポリエーテル、ポリカーボネート(PC)、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、セロファン、芳香族ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリビニルクロライド(PVC)、ポリスチレン(PS)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリアミド、ポリアセタール(ROM)、ポリフェニレンテレフタレート(PPE)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルアミド(PEI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド(PI)、ポリメチルペンテン(PMP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、フッ素化エチレン−プロピレン(FEP)、テトラフルオロエチレン−エチレン(ETFE)コポリマー、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリベンザゾール(PBZ)、ポリベンズオキサゾール(PBO)、ポリベンゾチアゾール(PBT)、ポリベンズイミダゾール(PBI)及びポリパラフェニレンテレフタルイミド(PPTA)等からなる群より選択して用いることができる。
〔電極触媒層〕
本実施形態に係る電極触媒層は、上記電解質溶液からなるものである。電極触媒層の製造方法としては、特に限定されないが、例えば、上記電解質溶液に触媒金属及び導電剤を含む複合粒子を分散させて電極触媒組成物(以下、「電極触媒インク」ともいう。)を調製する工程と、該電極触媒組成物を高分子電解質膜上又はPTFEシ一ト等の他の基材に塗布する工程と、該基材に塗布した前記電極触媒組成物を乾燥させて電極触媒層を得る工程とを含む製造方法が挙げられる。尚、本実施形態において電極触媒組成物の塗布は、スクリーン印刷法、スプレー法等の一般的に知られている各種方法を用いることが可能である。
また、ガス拡散層と電極触媒層が積層したBASF社製ELAT(登録商標)のようなガス拡散電極に、上記電極触媒組成物を塗布もしくは浸漬・塗布せしめた後に、乾燥、固化することによっても本実施形態に係る電極触媒層を得ることができる。
電極面積に対するフッ素系高分子電解質の担持量としては、電極触媒層を形成した状態で、好ましくは0.001〜10mg/cmであり、より好ましくは0.01〜5mg/cmであり、さらに好ましくは0.1〜1mg/cmである。
電極触媒層は、触媒金属の微粒子及びこれを担持した導電剤を含む複合粒子と、バインダーとしてのフッ素系高分子電解質と、を含むことができ、必要に応じて撥水剤を含むことができる。電極に使用される触媒金属としては、特に限定されず、水素の酸化反応及び酸素の還元反応を促進する金属であればよく、例えば、白金、金、銀、パラジウム、イリジウム、ロジウム、ルテニウム、鉄、コバルト、ニッケル、クロム、タングステン、マンガン、バナジウム、及びこれらの合金からなる群より選択される少なくとも一種の金属であることが好ましい。この中でも、主として白金が用いられる。白金を含む触媒金属としては、特に限定されないが、例えば、Pt担持カーボンが挙げられる。
触媒金属の微粒子(電極触媒粒子)の平均粒子径は特に限定されないが、10〜1,000オングストロームが好ましく、より好ましくは10〜500オングストロームであり、さらに好ましくは15〜100オングストロームである。
導電剤としては、導電性を有する粒子あれば特に限定されないが、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラック;活性炭、黒鉛;及び各種金属からなる群より選択される少なくとも1種の導電剤であることが好ましい。これら導電剤の平均粒子径としては、好ましくは10オングストローム〜10μm、より好ましくは50オングストローム〜1μm、さらに好ましくは100〜5,000オングストロームである。
複合粒子は、導電剤に対して電極触媒粒子を、好ましくは1〜99質量%含み、より好ましくは10〜90質量%含み、さらに好ましくは30〜70質量%含む。具体的には、田中貴金属工業株式会社製TEC10E40E等のPt触媒担持カーボンが好適な例として挙げられる。
複合粒子の含有量は、電極触媒層の全質量に対し、好ましくは20〜95質量%であり、より好ましくは40〜90質量%、さらに好ましくは50〜85質量%、よりさらに好ましくは60〜80質量%である。
電極面積に対する電極触媒層の担持量としては、電極触媒層を形成した状態で、好ましくは0.001〜10mg/cmであり、より好ましくは0.01〜5mg/cmであり、さらに好ましくは0.1〜1mg/cmである。電極触媒層の厚みとしては、好ましくは0.01〜200μmであり、より好ましくは0.1〜100μmであり、さらに好ましくは1〜50μmである。
電極触媒層の空隙率としては、特に限定されないが、好ましくは10〜90体積%、より好ましくは20〜80体積%、さらに好ましくは30〜60体積%である。
また、撥水性の向上のため、本実施形態に係る電極触媒層は、ポリテトラフルオロエチレン(以下、「PTFE」という。)をさらに含有してもよい。この場合、PTFEの形状としては特に限定されないが、定形性のものであればよく、粒子状、繊維状であることが好ましい。なお、これらは、単独で使用されても混合して使用されていてもよい。電極触媒層がPTFEを含有する場合、PTFEの含有量としては、電極触媒層の全質量に対し、好ましくは0.001〜20質量%であり、より好ましくは0.01〜10質量%であり、さらに好ましくは0.1〜5質量%である。
また、親水性向上のため、本実施形態の電極触媒層が、金属酸化物をさらに含有してもよい。この場合、金属酸化物としては、特に限定されないが、例えば、Al、B、MgO、SiO、SnO、TiO、V、WO、Y、ZrO、Zr及びZrSiOからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属酸化物であることが好ましい。この中でもAl、SiO、TiO及びZrOからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属酸化物であることがより好ましく、このなかでもSiOがさらに好ましい。
本実施形態において、電極触媒層が金属酸化物を含有する場合、金属酸化物の含有量は、電極触媒層の全質量に対し、好ましくは0.001〜20質量%であり、より好ましくは0.01〜10質量%であり、さらに好ましくは0.1〜5質量%である。金属酸化物の形態としては、粒子状や繊維状のものを用いることができる。このなかでも、特に非定形であることが好ましい。ここで「非定形」とは、光学顕微鏡や電子顕微鏡で観察しても、粒子状や繊維状の金属酸化物が観察されないことをいう。特に、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて電極触媒層を数10万倍までに拡大して観察しても、粒子状や繊維状の金属酸化物は観察されないこと、また、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて電極触媒層を数10万倍〜数100万倍に拡大して観察しても、明確に粒子状や繊維状の金属酸化物は観察することができないことなど、現状の顕微鏡技術の範囲内では、金属酸化物の粒子状や繊維状を確認することができないことを指す。
上述のような電極触媒層を使用することにより、フラッティングが生じにくく、高い出力を得ることができる。この理由は、含水率を低くすることができ、電極の排水性に優れていることに起因するものと推測される。
上記電極触媒組成物は、フッ素系高分子電解質を含み、必要に応じて媒体、及び複合粒子を含むことが好ましい。電極触媒組成物は、必要に応じてさらに溶媒を添加して使用してもよい。用いることができる溶媒としては、特に限定されないが、例えば、水;エタノール、2−プロパノール、エチレングリコール、グリセリン等のアルコール類;フロン等;又はこれらの複合溶媒が挙げられる。このような溶媒の添加量としては、電極触媒組成物の全質量に対し、好ましくは0.1〜90質量%であり、より好ましくは1〜50質量%であり、さらに好ましくは5〜20質量%である。
また、電極触媒層を作製後に塩酸等の無機酸に浸漬を行うことが好ましい。酸処理の温度としては、好ましくは5〜900℃、より好ましくは10〜700℃であり、さらに好ましくは20〜500℃である。
〔膜電極接合体〕
本実施形態に係る膜電極接合体は、上記電解質膜と、上記電極触媒層とを有する。「膜電極接合体」とは、電解質膜の両面にアノードとカソードの2種類の電極触媒層が接合したユニットをいう。当該ユニットを有するものであれば、電極触媒層のさらに外側に一対のガス拡散層を対向するように接合したものについても、MEAと呼ばれる場合がある。
膜電極接合体の製造方法としては、特に限定されないが、例えば、上記電解質膜と、上記電極触媒層とを接合させて、膜電極接合体を得る接合工程を行う製造方法が挙げられる。
〔固体高分子電解質型燃料電池〕
本実施形態に係る固体高分子電解質型燃料電池は、上記膜電極接合体を有する。燃料電池は、固体高分子電解質型燃料電池であることが好ましい。燃料電池の製造方法としては、特に限定されないが、例えば、上記膜電極接合体、場合によっては一対のガス拡散電極が対向した構造をさらに有する膜電極接合体を、バイポーラプレートやパッキングプレート等の一般的な燃料電池に用いられる構成成分とさらに組み合わせる方法が挙げられる。
ここで「バイポーラプレート」とは、その表面に燃料や酸化剤等のガスを流すための溝を形成させたグラファイトと樹脂との複合材料又は金属製のプレート等をいう。バイポーラプレートは、電子を外部負荷回路へ伝達する機能の他、燃料や酸化剤を電極触媒近傍に供給する流路としての機能を持っている。こうしたバイポーラプレートの間にMEAを挿入して複数積み重ねることにより、燃料電池が製造される。
以下、本発明を実施例及び比較例を用いてさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。尚、本発明に用いられる評価方法及び測定方法は以下のとおりである。
〔フッ素系高分子電解質のガラス転移点の測定方法〕
アイティー計測制御株式会社製の動的粘弾性測定装置 itk DVA−225を用いて、幅5mm×長さ30mmの短冊状に切り出したフッ素系高分子電解質に対して、測定周波数35Hzで測定した際の損失正接 tanδのピークトップを測定した。その測定値を、フッ素系高分子電解質のガラス転移点とした。
〔フッ素系高分子電解質の当量質量の測定方法〕
実施例及び比較例で得られたスルホン酸基の対イオンがプロトンの状態(以下、「SOH型」ともいう。)になっているフッ素系高分子電解質0.02〜0.1gを、25℃、飽和NaCl水溶液30mLに浸漬し、攪拌しながら30分間放置した。次いで、飽和NaCl水溶液中のプロトンを、フェノールフタレインを指示薬として0.01N水酸化ナトリウム水溶液を用いて中和滴定した。中和後に得られた、スルホン酸基の対イオンがナトリウムイオンの状態(以下、「SONa型」ともいう。)となっているフッ素系高分子電解質を、純水ですすぎ、さらに真空乾燥して秤量した。中和に要した水酸化ナトリウムの物質量をM(mmol)、スルホン酸基の対イオンがナトリウムイオンの電解質膜の質量をW(mg)とし、下記数式(1)より当量質量(g/eq)を求めた。
当量質量=(W/M)−22 数式(1)
なお、SOH型のフッ素系高分子電解質以外のフッ素系高分子電解質を用いる場合は、先にイオン交換を行い、対イオンをプロトンの状態にしてから上記測定を行った。
〔フッ素系高分子電解質前駆体のメルトフローレート(MFR)の測定方法〕
実施例及び比較例で用いたフッ素系高分子電解質前駆体のMFRの測定は、JIS K 7210に従って270℃,荷重2.16kgの条件下で、MELT INDEXER TYPEC−5059D(日本国東洋精機社製)を用いて測定した。押し出されたポリマーの質量を10分間あたりのダラム数で表した。
〔フッ素系高分子電解質エマルジョンの平均粒子径の測定方法〕
フッ素系高分子電解質エマルジョンの平均粒子径の測定は、動的光散乱粒径測定により行なった。動的光散乱粒径測定は、大塚電子社製粒径測定システムELS−Z2plus装置を用いて行なった。具体的には、ディスポーザブルセルにセットした測定サンプルに対して、30mW、658nmの半導体レーザーを照射し、160°散乱光の強度をフォトン/秒として、積算200回で測定し、測定サンプル中の粒子の平均粒子径、粒径ピークを得た。測定サンプルとしては、フッ素系高分子電解質の固形分濃度2.5質量%、水97.5質量%の液組成に濃縮あるいは希釈により揃えたものを用意した。
〔電解質溶液の固形分濃度の測定方法〕
乾燥した室温の秤量瓶の質量を精秤し、これをW0とした。測定した秤量瓶に実施例又は比較例で得られた電解質溶液を10g入れ、精秤しW1とした。実施例又は比較例で得られた電解質溶液を入れた秤量瓶をエスペック株式会社製LV−120型真空乾燥機を用いて温度110℃、絶対圧0.01MPa以下で3hr以上乾燥した後、シリカゲル入りのデシケーター中で冷却し、室温になった後に精秤しW2とした。次いで、下記式より各電解質溶液の固形分濃度を算出した。この固形分濃度の算出を5回繰り返し、その平均値を電解質溶液の固形分濃度とした。
固形分濃度(質量%)=(W2−W0)/(W1−W0)×100 数式(2)
〔電解質溶液の粘度の測定方法〕
東機産業株式会社製TV−33形粘度計・コーンプレートタイプ(E型粘度計)及び1°34’×R24の標準コーンロータ(ロータコード01)を用い、温度25℃、せん断速度191.5sec−1にて測定時間2分経過後の値を測定し、電解質溶液の粘度とした。
〔電解質溶液中のアルコール類濃度の測定方法〕
実施例及び比較例で得られた電解質溶液中のアルコール類濃度の測定には、株式会社島津製作所製ガスクロマトグラフ装置G4000、及びジーエルサイエンス株式会社製キャピラリカラムInertCap WAX(内径0.25mm、長さ30m、膜厚0.25μm)を用いた。内部標準物質に和光純薬工業社製試薬特級1−ブタノールを用い、予めアルコール類の検量線を作成した。測定サンプルは、電解質溶液1gと1質量%1−ブタノール水溶液1g及び精製水18gを混合したものを用いた。注入口を200℃、水素炎イオン化検出器を210℃、オーブンを60℃に設定した後にマイクロシリンジを用いて測定サンプルを1μL注入した。その後直ちに10℃/分の速度でオーブンの温度を上昇させた際に測定されるスペクトルからピーク面積を求め、アルコール類の濃度を測定した。
〔電解質溶液中の水分量の測定方法〕
実施例及び比較例で得られた電解質溶液中の水分量は、カールフィッシャー水分計(MKS−20、京都電子工業(株)社製)を用いて測定した。
〔電解質溶液中のフッ素イオン濃度の測定方法〕
フッ素イオン濃度の測定は、サーモオリオン社製フッ素イオンメーターとフッ素複合電極を用いて行なった。具体的には、検量線を0.1、1、10ppmの3点で作成し、必要があればこの範囲内になるように測定サンプルを電解質溶液と同じ溶媒及び溶媒比で希釈して測定した。得られた測定値を希釈倍率で計算し直し、電解質溶液の固形分濃度で割ることにより、対固形分濃度のフッ素イオン濃度が算出した。
〔電解質溶液中の鉄イオン濃度の測定方法〕
ICP発光分析を用いて、電解質溶液中の鉄イオンの定量を行い、得られた値を、電解質溶液の固形分濃度で割ることにより、電解質溶液中の固形分濃度に対する鉄イオン濃度を算出した。
〔電解質膜の耐熱水溶解性の評価方法〕
電解質膜を23℃、50%RHの恒温恒湿室に24時間静置後、秤量して処理前質量とした。次いで、その電解質膜を90℃の熱水中に浸漬して5時間の熱処理を施した。次に、電解質膜を浸漬した状態で熱水を冷却した後、電解質膜を水中から取り出し、23℃、50%RHの恒温恒湿室に24時間静置した。処理後の電解質膜の質量を秤量して処理後質量とした。下記式により、電解質膜の質量減少率を算出した。質量減少率の数値が低いほど耐熱水溶解性が高いことを示す。
質量減少率(%)=(処理前質量−処理後質量)/処理前質量×100
〔燃料電池特性の評価方法〕
作製した電極触媒層及び膜電極接合体(MEA)の電池特性は、固体高分子型燃料電池(単セル)を用いて行った。
単セルを燃料電池特性評価装置(株式会社東陽テクニカ製 燃料電池自動評価システム)に設置し、次いで燃料に水素ガス、酸化剤に空気ガスを用い、下記の条件下で発電試験を実施し、0.20A/cmの電流密度の時のセル電圧を用いて、発電特性を評価した。
(条件:常圧、セル温度80℃、水素ガス加湿温度80℃、空気ガス加湿温度70℃、水素ガス利用率70%、空気ガス利用率40%)
[実施例1]
(前処理工程)
特開2010−225585の実施例1に記載の重合工程を経て、フッ化オレフィン(CF=CF)とフッ化ビニル化合物(CF=CF−O−(CF−SOF)との共重合体(MFR=2.9g/10分)からなるフッ素系高分子電解質前駆体を得た。このようにして得られたフッ素系高分子電解質前駆体を、水酸化ナトリウム(18質量%)とメタノール(45質量%)とを水に溶解した水溶液に、80℃で20時間接触させて、加水分解処理を行った。得られた加水分解処理物を、イオン交換水で水洗し、スルホン酸塩型官能基(SONa型)を有するフッ素系高分子電解質A(当量質量=720g/eq、ガラス転移点313℃)を得た。
(溶解処理工程)
次に、SUS316製で容量300mLのオートクレーブに、得られたフッ素系高分子電解質A42gと、蒸留水168gとを仕込み混合液とした(フッ素系高分子電解質としては20質量%)。オートクレーブ内を25℃とし、窒素置換を行い、さらに、オートクレーブの圧力(以降、「絶対圧」を意味する。)が1.9MPaになるまで、窒素ガスの導入を行い、容器内を加圧した。なお、25℃における水の飽和蒸気圧は、0.1MPaである。その後、混合液を400rpmで攪拌しながら、溶解温度250℃まで昇温した。昇温とともにオートクレーブ内圧が上昇し、溶解温度250℃における圧力は4.4MPaであった。なお、250℃における水の飽和蒸気圧は、4.0MPaである。その後、7hrの溶解処理を実施した。溶解処理工程において、容器内の圧力は常に溶媒の飽和蒸気圧を超えていた。冷却後、混合液をオートクレーブから取り出したところ、オートクレーブ内に溶け残りはなく、均一で透明なフッ素系高分子電解質の電解質溶液AS1を得た。AS1の組成はフッ素系高分子電解質20質量%、水80質量%であった。AS1の粘度は、15cPであった。AS1の鉄イオン濃度は<0.5ppmであり、フッ素イオン濃度は、95ppmであった。
(イオン交換工程)
三菱化学社製の陽イオン交換樹脂SK1BH 100gを、純水で十分に洗浄し、硝子製カラムに充填した。上記で得られたSONa型のAS1 200gを、上記カラムを空間流速(SV)=10で通液させ、SOH型となったフッ素系高分子電解質の電解質溶液AS1−Hを得た。AS1−Hの組成は、固形分20質量%、水80質量%の液組成であり、その粘度は、15cPであった。
(電解質膜)
上記で得られたAS1−Hをガラスシャーレに展開し、アズワン株式会社製ネオホットプレートHI−1000を用いて80℃にて30分の加熱乾燥を行い、溶媒を除去した。さらに160℃で1時間の熱処理を行った。この後、25℃のイオン交換水に浸漬しガラスシャーレから剥離することによって、膜厚約30μmの電解質膜を得た。得られた電解質膜に皺は観察されなかった。この電解質膜の当量質量(EW)は718g/eqで、熱水溶解試験における質量減少率は1.7質量%であった。
(燃料電池特性評価)
前述の燃料電池特性評価の項目に従い、上記で得られた電解質膜を用いてMEAを形成し、燃料電池特性評価を行った。
電極触媒粒子(複合粒子)としてのPt担持カーボン(田中貴金属(株)社製 TEC10E40E、Pt:37.0質量%)1.00gに対して、20.86質量%のパーフルオロスルホン酸ポリマー水溶液(旭化成イーマテリアルズ(株)社製、製品名:SS700C/20、EW=740)2.04g、エタノール9.92gを配合し、ホモジナイザーを用いて攪拌し、均一な電極触媒インクを得た。この電極触媒インクを電極触媒インク1とした。
得られた電極触媒インク1を、上記電解質膜上に、白金担持量が0.3mg/cmとなるように塗布した。尚、電極触媒インクの塗布には200メッシュのスクリーン(メッシュ工業(株)社製)を具備したスクリーン印刷機(ニューロング精密工業株式会社製 LS−150)を用いた。次いで、同じ手法を用いて電解質膜の反対側の面に電極触媒インクを、白金担持量が0.2mg/cmとなるように塗布した。その後、大気雰囲気下、140℃で5分間乾燥させ膜電極接合体を得た。ここで得られた膜電極接合体の、白金担持量が0.3mg/cmとなるように塗布した側をカソードに、白金担持量が0.2mg/cmとなるように塗布した側をアノードに設置し、ガス拡散層にマイクロポーラス層を具備したカーボンペーパー(SGLグループ(株)社製 GDL35BC)を用いて単セルを組み、上記の測定方法により、燃料電池の発電特性を測定したところ、セル電圧は0.821Vであった。
[実施例2]
SUS316製で容量300mLのオートクレーブに、上記フッ素系高分子電解質A42g、蒸留水168gを仕込み混合液とした(フッ素系高分子電解質としては20質量%)。オートクレーブ内を25℃とし、窒素置換を行った。その際、オートクレーブの圧力は、0.1MPaであった。混合液を400rpmで攪拌しながら、溶解温度である250℃に昇温した後に、オートクレーブの圧力が6.0MPaになるまで窒素ガスの導入を行い、容器内を加圧した。その後、7hrの溶解処理を実施した。冷却後、混合液をオートクレーブから取り出したところ、オートクレーブ内に溶け残り残留樹脂はなく、均一で透明なフッ素系高分子電解質の電解質溶液AS2を得た。AS2の組成はフッ素系高分子電解質20質量%、水80質量%であった。AS2の粘度は、15cPであった。AS2の鉄イオン濃度は<0.5ppm、フッ素イオン濃度は、105ppmであった。実施例1と同様に、陽イオン交換樹脂でイオン交換を行い、末端がSOH型となったフッ素系高分子電解質の溶解液AS2−Hを得た。AS2−Hを用いて、実施例1と同様にして膜厚約30umのフッ素系高分子電解質膜を得た。このフッ素系高分子電解質膜の熱水溶解試験での質量減少率は1.8質量%であった。
実施例1と同様に、上記で得られた電解質膜を用いてMEAを形成し、燃料電池特性評価を行った。そのセル電圧は0.820Vであった。
[実施例3]
SUS316製で容量300mLのオートクレーブに、上記フッ素系高分子電解質A42g、蒸留水154gエタノール14gを仕込み混合液とした(フッ素系高分子電解質としては20質量%)。オートクレーブ内を25℃とし、窒素置換を行い、さらに、オートクレーブの圧力が4.0MPaになるまで、窒素ガスの導入を行い、容器内を加圧した。なお、25℃における水:エタノールの質量比が11:1の混合溶媒の飽和蒸気圧は、0.1MPaである。その後、液を400rpmで攪拌しながら、溶解温度220℃で8hrの溶解処理を実施した。加温とともにオートクレーブ内圧が上昇し最大圧力は8.0MPaであった。なお、220℃における水:エタノールの質量比が11:1の混合溶媒の飽和蒸気圧は、2.3MPaである。溶解処理工程において、容器内の圧力は常に溶媒の飽和蒸気圧を超えていた。冷却後、混合液をオートクレーブから取り出したところ、オートクレーブ内に溶け残りはなく、均一で透明なフッ素系高分子電解質の電解質溶液AS3を得た。AS3の組成はフッ素系高分子電解質20質量%、水73質量%、エタノール7質量%であった。AS3の粘度は、22cPであった。AS3の鉄イオン濃度は<0.5ppm、フッ素イオン濃度は、120ppmであった。実施例1と同様に、陽イオン交換樹脂でイオン交換を行い、末端がSOH型となったフッ素系高分子電解質の溶解液AS3−Hを得た。AS3−Hを用いて、実施例1と同様にして膜厚約30umのフッ素系高分子電解質膜を得た。このフッ素系高分子電解質膜の熱水溶解試験での質量減少率は1.9質量%であった。
実施例1と同様に、上記で得られた電解質膜を用いてMEAを形成し、燃料電池特性評価を行った。そのセル電圧は0.819Vであった。
[実施例4]
WO2005−028522の実施例1に記載の重合工程とフッ素化工程を経て、フッ素化処理した、フッ化オレフィン(CF=CF)とフッ化ビニル化合物(CF=CF−O−(CF−SOF)との共重合体(MFR=3.0g/10分)からなるフッ素系高分子電解質前駆体を得た。このようにして得られたフッ素系高分子電解質前駆体を、水酸化ナトリウム(18質量%)とメタノール(45質量%)とを水に溶解した水溶液に、80℃で20時間接触させて、加水分解処理を行った。得られた加水分解処理物を、イオン交換水で水洗し、SONa型のフッ素系高分子電解質B(当量質量=720g/eq、ガラス転移点316℃)を得た。
次に、SUS316製で容量300mLのオートクレーブに、上記フッ素系高分子電解質B42g、蒸留水168gを仕込み混合液とした(フッ素系高分子電解質としては20質量%)。オートクレーブ内を25℃とし、窒素置換を行い、さらに、オートクレーブの圧力が1.9MPaになるまで、窒素ガスの導入を行い、オートクレーブ内を加圧した。その後、液を400rpmで攪拌しながら、溶解温度250℃で7hrの溶解処理を実施した。加温とともにオートクレーブ内圧が上昇し最大圧力は4.4MPaであった。溶解処理工程において、容器内の圧力は常に溶媒の飽和蒸気圧を超えていた。冷却後、混合液をオートクレーブから取り出したところ、オートクレーブ内に溶け残りはなく、均一で透明なフッ素系高分子電解質の電解質溶液AS4を得た。AS4の組成はフッ素系高分子電解質20質量%、水80質量%であった。AS4の粘度は、14cPであった。AS4の鉄イオン濃度は<0.5ppm、フッ素イオン濃度は、85ppmであった。実施例1と同様に、陽イオン交換樹脂でイオン交換を行い、末端がSOH型となったフッ素系高分子電解質の溶解液AS4−Hを得た。AS4−Hを用いて、実施例1と同様にして膜厚約30umのフッ素系高分子電解質膜を得た。このフッ素系高分子電解質膜の熱水溶解試験での質量減少率は1.6質量%であった。
実施例1と同様に、上記で得られた電解質膜を用いてMEAを形成し、燃料電池特性評価を行った。そのセル電圧は0.822Vであった。
[実施例5]
WO2008−102851の実施例1に記載の重合工程と溶融混練工程を経て、フッ化オレフィン(CF=CF)とフッ化ビニル化合物(CF=CF−O−(CF−SOF)との共重合体(MFR=3.0g/10分)からなるフッ素系高分子電解質前駆体と、ポリフェニレンスルフィド(シグマアルドリッチジャパン(株)製、310℃における溶融粘度275ポイズ)との質量比が90/10のペレットを得た。このようにして得られたペレットを、水酸化ナトリウム(18質量%)とメタノール(45質量%)とを水に溶解した水溶液に、80℃で20時間接触させて、加水分解処理を行った。得られた加水分解処理物を、イオン交換水で水洗し、SONa型のスルホン酸末端を有するペレットC(当量質量=800g/eq、ガラス転移点291℃)を得た。
次に、SUS316製で容量300mLのオートクレーブに、得られたペレットC42g、蒸留水168gを仕込み混合液とした(ペレットとしては20質量%)。オートクレーブ内を25℃とし、窒素置換を行い、さらに、オートクレーブの圧力が1.9MPaになるまで、窒素ガスの導入を行い、容器内を加圧した。その後、液を400rpmで攪拌しながら、溶解温度250℃で7hrの溶解処理を実施した。加温とともにオートクレーブ内圧が上昇し最大圧力は4.4MPaであった。溶解処理工程において、容器内の圧力は常に溶媒の飽和蒸気圧を超えていた。冷却後、混合液をオートクレーブから取り出したところ、オートクレーブ内に溶け残りはなく、均一なフッ素系高分子電解質とポリフェニレンスルフィドの混合溶液AS5を得た。AS5の組成はフッ素系高分子電解質18質量%、ポリフェニレンスルフィド2質量%、水80質量%であった。AS5の粘度は、14cPであった。AS5の鉄イオン濃度は<0.5ppm、フッ素イオン濃度は、110ppmであった。実施例1と同様に、陽イオン交換樹脂でイオン交換を行い、末端がSOH型となったフッ素系高分子電解質の溶解液AS5−Hを得た。AS5−Hを用いて、実施例1と同様にして膜厚約30umのフッ素系高分子電解質膜を得た。このフッ素系高分子電解質膜の熱水溶解試験での質量減少率は1.8質量%であった。
実施例1と同様に、上記で得られた電解質膜を用いてMEAを形成し、燃料電池特性評価を行った。そのセル電圧は0.810Vであった。
[実施例6]
WO2011−034179A1号公報の実施例1に記載の重合工程と加水分解工程と限外ろ過工程を経て、フッ化オレフィン(CF=CF)とフッ化ビニル化合物(CF=CF−O−(CF−SONa)との共重合体(MFR=3.2g/10分)からなり、平均粒子径111nm、アスペクト比1.0のフッ素系高分子電解質(当量質量=710g/eq、ガラス転移点312℃)のNa型エマルジョンDを得た(固形分濃度36.7質量%、水分濃度63.3質量%)。
次に、SUS316製の容量300mLのオートクレーブに、得られたNa型エマルジョンD114.4g、和光純薬社製蒸留水95.6gを仕込み混合液とした(フッ素系高分子電解質としては20質量%)。オートクレーブ内を25℃とし、窒素置換を行い、さらに、オートクレーブの圧力(以降、絶対圧)が1.9MPaになるまで、窒素ガスの導入を行い、容器内を加圧した。その後、液を400rpmで攪拌しながら、溶解温度250℃まで昇温した。昇温とともにオートクレーブ内圧が上昇し、溶解温度250℃における圧力は4.4MPaであった。その後、2hrの溶解処理を実施した。溶解処理工程において、容器内の圧力は常に溶媒の飽和蒸気圧を超えていた。冷却後、混合液をオートクレーブから取り出したところ、オートクレーブ内に溶け残りはなく、均一で透明なフッ素系高分子電解質の電解質溶液AS6を得た。AS6の組成はフッ素系高分子電解質20質量%、水80質量%であった。AS6の粘度は、12cPであった。AS6の鉄イオン濃度は<0.5ppm、フッ素イオン濃度は、85ppmであった。実施例1と同様に、陽イオン交換樹脂でイオン交換を行い、末端がSOH型となったフッ素系高分子電解質の溶解液AS6−Hを得た。AS6−Hを用いて、実施例1と同様にして膜厚約30umのフッ素系高分子電解質膜を得た。このフッ素系高分子電解質膜の熱水溶解試験での質量減少率は1.6質量%であった。実施例1と同様に、上記で得られた電解質膜を用いてMEAを形成し、燃料電池特性評価を行った。そのセル電圧は0.822Vであった。
[比較例1]
SUS316製で容量300mLのオートクレーブに、上記フッ素系高分子電解質A42g、蒸留水168gを仕込み(フッ素系高分子電解質としては20質量%)、25℃で窒素置換を行った。オートクレーブの圧力が0.1MPaであることを確認した後に、液を400rpmで攪拌しながら、溶解温度250℃で7hrの溶解処理を実施した。加温とともにオートクレーブ内圧が上昇し最大圧力は4.0MPaであった。冷却後、混合液をオートクレーブから取り出し、比較例1の電解質溶液を得た。実施例1と同様に評価をした。その評価結果を表1に示す。なお、オートクレーブ内に溶け残りの量は16g(仕込みのフッ素系高分子電解質の38質量%に相当)であった。
[比較例2]
SUS316製で容量300mLのオートクレーブに、上記フッ素系高分子電解質A42g、蒸留水168gを仕込み混合液とした(フッ素系高分子電解質としては20質量%)。オートクレーブ内を25℃とし、窒素置換を行い、さらに、オートクレーブの圧力が1.9MPaになるまで、窒素ガスの導入を行い、容器内を加圧した。その後、液を400rpmで攪拌しながら、溶解温度370℃で7hrの溶解処理を実施した。加温とともにオートクレーブ内圧が上昇し最大圧力は21.3MPaであった。なお、370℃における水の飽和蒸気圧は、20.8MPaである。冷却後、混合液をオートクレーブから取り出したところ、オートクレーブ内に溶け残りはなく、茶褐色のフッ素系高分子電解質の溶解液AS7を得た。AS7の粘度は、10cPであった。AS7の鉄イオン濃度は12ppm、フッ素イオン濃度は、270ppmでであった。実施例1と同様に、陽イオン交換樹脂でイオン交換を行い、末端がSOH型となったフッ素系高分子電解質の溶解液AS7−Hを得た。AS7−Hを用いて、実施例1と同様にして膜厚約30umのフッ素系高分子電解質膜を得た。このフッ素系高分子電解質膜の熱水溶解試験での質量減少率は3.8質量%であった。
[比較例3]
特開2010−225585の実施例1に記載の重合工程、加水分解工程、塩酸処理工程を経て、フッ化オレフィン(CF=CF)とフッ化ビニル化合物(CF=CF−O−(CF−SOF)との共重合体(MFR=2.9g/10分)からなるSOH型のフッ素系高分子電解質E(当量質量=720g/eq、ガラス転移点143℃)を得た。
ハステロイC製の容量300mLのオートクレーブに、上記フッ素系高分子電解質E42g、蒸留水168gを仕込み混合液とした(フッ素系高分子電解質としては20質量%)。オートクレーブ内を25℃とし、窒素置換を行い、さらに、オートクレーブの圧力が1.9MPaになるまで、窒素ガスの導入を行い、容器内を加圧した。その後、液を400rpmで攪拌しながら、溶解温度250℃まで昇温した。昇温とともにオートクレーブ内圧が上昇し、溶解温度250℃における圧力は4.4MPaであった。その後、7hrの溶解処理を実施した。冷却後、混合液をオートクレーブから取り出したところ、オートクレーブ内に溶け残りはなく、均一で薄茶色透明のフッ素系高分子電解質の溶解液AS8−Hを得た。AS8−Hのフッ素イオン濃度は、730ppmであった。このAS8−Hを用いて、実施例1と同様にして膜厚約30umのフッ素系高分子電解質膜を得た。このフッ素系高分子電解質膜の熱水溶解試験での質量減少率は7.0質量%であった。実施例1と同様に、上記で得られた電解質膜を用いてMEAを形成し、燃料電池特性評価を行った。そのセル電圧は0.450Vであった。
本発明に係る電解質溶液の製造方法は、電解質膜、電極触媒層、膜電極接合体、及び固体高分子電解質型燃料電池の材料として用いうる電解質溶液を製造する方法として、産業上の利用可能性を有する。

Claims (9)

  1. SO3X基(Xは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、又はNR1234であり、R1、R2、R3、及びR4は、それぞれ独立して、炭素数1〜3のアルキル基又は水素である。)を含むフッ素系高分子電解質と、水を含む溶媒と、を容器内で溶解処理して、電解質溶液を得る溶解処理工程を有し、
    前記溶解処理工程において、
    前記容器内の圧力を、窒素、ヘリウム、アルゴン、酸素、空気、水素、及び一酸化炭素からなる群より選ばれる1種類以上のガスを用いて、前記溶媒の飽和蒸気圧を超えるよう加圧し、かつ
    前記容器内の温度を、溶解温度まで加熱し、該溶解温度は前記フッ素系高分子電解質のガラス転移点未満である、
    電解質溶液の製造方法。
  2. 前記フッ素系高分子電解質が、水性媒体に分散された電解質エマルジョンであり、
    該電解質エマルジョンの平均粒子径が10nm以上500nm未満である、請求項1に記載の電解質溶液の製造方法。
  3. 前記フッ素系高分子電解質が、下記式(1)で表される繰り返し単位と、式(2)で表される繰り返し単位と、を含む共重合体を含む、請求項1又は2に記載の電解質溶液の製造方法。
    −(CFZ−CF2)− (1)
    (式(1)中、Zは、H、Cl、F、又は炭素数1〜3のパーフルオロアルキル基である。)
    −(CF2−CF(−O−(CF2CF(CF3)O)n−(CF2m−SO3X))− (2)
    (式(2)中、Xは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、又はNR1234であり、R1、R2、R3、及びR4は、それぞれ独立して、炭素数1〜3のアルキル基又は水素であり、mは0〜12の整数であり、nは0〜2の整数である。ただし、m及びnは同時に0にならない。)
  4. 前記溶解処理工程において、少なくとも前記容器内が前記溶解温度であるときに、前記容器内の圧力が、前記溶媒の飽和蒸気圧を超えるように前記容器内を加圧する、請求項1〜のいずれか1項に記載の電解質溶液の製造方法。
  5. 前記容器内の圧力が、前記溶解処理工程において常に前記溶媒の飽和蒸気圧を超えるように前記容器内を加圧する、請求項1〜のいずれか1項に記載の電解質溶液の製造方法。
  6. 前記電解質溶液のフッ素イオン濃度が、前記フッ素系高分子電解質の固形分質量に対して、200ppm以下である、請求項1〜のいずれか1項に記載の電解質溶液の製造方法。
  7. 前記フッ素系高分子電解質の当量質量が、300〜1,500g/eqである、請求項1〜のいずれか1項に記載の電解質溶液の製造方法。
  8. 前記溶解処理工程の前に、フッ素系高分子電解質前駆体を化学処理して、前記フッ素系高分子電解質を製造する前処理工程を有し、
    前記フッ素系高分子電解質前駆体は、荷重2.16kg、270℃におけるメルトフローレートが、0.01〜100g/10分である、請求項1〜のいずれか1項に記載の電解質溶液の製造方法。
  9. 前記溶解処理工程後に、前記SO3X基の前記XをHへイオン交換するイオン交換工程をさらに含む、請求項1〜のいずれか1項に記載の電解質溶液の製造方法。
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