JP6151091B2 - 格納式中間棚を備えた逆ネスティングラック - Google Patents

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Description

本発明は、物品を載置可能な逆ネスティングラックに係り、特に当該ラックに格納可能な中間棚を有する場合に好適な格納式中間棚を備えた逆ネスティングラックに関する。
物品をパレットに積載したまま保管できるようにするため、従来から逆ネスティングラックが使用されている。例えば特許文献1に記載の積載用荷物収納ラックでは、荷物積載・保管時の段積みと荷物を保管しない不使用時のネスティングの双方において、複数個積層した収納ラックが安定した状態となるようにしている。具体的には、コの字形状の下側フレーム部の両側フレーム間を荷受け部の横幅よりも外側になるよう幅広に形成し、後ろ側支柱間は荷受け部のやや内側になるよう幅狭にしている。そして、両側フレームの底面に案内溝を形成し、前側支柱の上端部にこの案内溝よりも背の高い案内用突出山形部を形成し、この山形部に前側支柱の底面部が嵌合できるようにしている。さらに、荷受け部の後端部に保持プレートを突設し、両側フレームの前端部に載置プレートを設けている。
パレットに積載した荷を保管する逆ネスティングラックの他の例が、特許文献2に記載されている。この公報に記載のラックでは、特許文献1に記載のものと同様にネスティングを可能とするために、左右一対の前部支柱に内側間隔よりも狭い外側間隔で左右一対の後部支柱を配置している。そして上下方向中間部に前部支柱と後部支柱間及び一対の後部支柱間を結ぶ梁を設けて平面視コ字型となる中間棚枠を設け、この中間棚枠に着脱自在に中間棚を備えている。
特開2007−223801号公報 特開平4−189209号公報
逆ネスティングラックを段積みしたときは、フォークリフトがアクセス可能なパレットを天井面に載置可能にして、段積みするとともに、最下段のラックでは床面にパレットを置くようにしている。そのため、天井面は比較的密な格子状としてパレットの落下を防止し、底面部は開放部としてコの字型の枠のみを形成するようにする。それとともに、不使用時には保管容積を少なくするため、前後方向に入れ子状体にして、積み重ねている。
特許文献1に記載の荷物収納ラックでは、段積み時の作業性および保管時の安定性を保持するために、天井面に保持プレートを、前側支柱の上端部に保持プレートを配して、それぞれ天井面の後ろ枠および前側支柱の下端部と係合するようにしている。
しかしながら、この収納ラックでは、パレットに積載される荷物の大きさについては全く考慮されていない。すなわち、パレットに積載される荷物がこの収納ラックの高さに比べて著しく低い場合、荷物の上方は収納ラックの天井面を形成する部材である荷受け部まで全くの無駄な空間となってしまう。そのため、段積みしてもこのラックに保管可能な荷物の量が少なくなり、保管面積または収納ラックを多く必要とする。
一方、特許文献2に記載の保持棚は、段積みとネスティングの双方が可能であるとともに、中間棚を着脱自在にしているので、上記不具合の発生は回避できる。しかしながら、この特許文献2に記載のものは、中間棚枠に中間棚を単に載置する構造であるため、中間棚を使用しない場合には、中間棚を別途保持する場所を確保する必要がある。その結果、中間棚を必要とするときに中間棚を得られない、中間棚の部品が不足している等の不具合が生じる。このことは、普段は丈の高い荷物を保管していて、時折沢山の丈の低い荷物を保管しなければならない場合等で顕著になる。
本発明は上記従来技術の不具合に鑑みなされたものであり、その目的は、段積みとネスティングの双方が可能な逆ネスティングラックにおいて、中間棚を用いた物品の保管と中間棚を用いない物品の保管とを可能にするとともに、中間棚を当該ラックに自在に格納することにある。
上記目的を達成する本発明の特徴は、上下方向に延びる左右一対の前面支柱と、この前面支柱にほぼ平行に配置され上下方向に延びる左右一対の背面支柱と、これら前面支柱と背面支柱の上端部に接続されパレット載置面が形成されたパレット台座とを有し、前方側が開放形状に形成され、未使用時には複数個ネスティングが可能で、使用時には複数段段積み可能な逆ネスティングラックにおいて、前記一対の背面支柱の上下方向中間部に回動可能に係止する中間棚を設け、この中間棚は、前記背面支柱に係止する後方枠と、この後方枠に入れ子状で接続する前方枠と、この前方枠の左右両端側に入れ子状で接続する一対の中間軸前方支持パイプとから構成されており、中間棚使用時にこの中間棚を前記前面支柱に係止する第1係止手段を前記前面支柱に設けると共に、中間棚未使用時にこの中間棚を、前記背面支柱を含む背面枠に格納するための第2係止手段を前記背面支柱に設けたことにある。
そしてこの特徴において、前記前方枠は、前記中間棚の使用時には前端となる左右に延びる前方フレームと、この前方フレームにほぼ直角に取り付けた複数の側面フレームとを有し、前記前方フレームの内径は前記中間棚前方支持パイプの一方端の外径よりも大きく、前記側面フレームの内径は前記後方枠に取り付けたこの前方枠への入れ子部の外径よりも大きいのがよく、前記中間棚前方支持パイプは、前記前方枠の前方フレームに入れ子状に嵌合するパイプ本体と、このパイプ本体の一方端側に設けられたフランジ状のパイプしまい板と、このパイプしまい板に接続し前記第1係止手段に固定係止する中間棚支持ピンと、前記第1係止手段からの離脱を防止するストッパを有することが望ましい。
また上記特徴において、一対の前記背面支柱は前記中間棚の後方枠を係止する第3係止手段を前記第2係止手段よりも上下方向下部に有し、前記後方枠はこの第3係止手段に回動自在に係止する円管状の背面フレームと、前記前方枠が有する前記複数の側面フレームにそれぞれ嵌合可能な中間棚フレームとを有するのが好ましく、前記第2および第3係止手段は、一対の前記背面支柱が対向する面内に形成されており、前記第1係止手段は一対の前記前面支柱が対向する面内に形成されているのがよい。また、前記中間棚の前方枠は前記複数の側面フレームを連接する横桟を有し、前記後方枠は複数の前記中間棚フレームを連接する横桟を有し、側面フレーム及び中間棚フレーム、横桟とにより樹脂パレットのブロック9点支持を可能とすることが望ましい。
本発明によれば、段積みとネスティングの双方が可能な逆ネスティングラックの中間棚の後部枠部材の両端部を、逆ネスティングラックの後部支柱に自在に格納しかつ回動自在に保持し、この中間棚の前部枠部材を前方及び左右双方に伸縮自在にするとともに、その左右端部を離脱自在に前部支柱と後部支柱のいずれかに選択的に係止できるようにしたので、中間棚を用いた物品の保管と中間棚を用いない物品の保管が選択的に可能になる。また、中間棚を当該ラックに自在に格納できる。
本発明に係る格納式中間棚を備えた逆ネスティングラックの一実施例の斜視図である。 本発明に係る格納式中間棚を備えた逆ネスティングラックの一実施例の斜視図である。 図1に示した格納式中間棚を備えた逆ネスティングラックの正面図及び側面図、背面図である。 図1に示した格納式中間棚を備えた逆ネスティングラックの上面図及び下面図である。 図1に示した格納式中間棚を備えた逆ネスティングラックが有する中間棚の格納を説明する図である。 図1に示した格納式中間棚を備えた逆ネスティングラックが有する中間棚の設置を説明する図である。 本発明に係る格納式中間棚を備えた逆ネスティングラックをネスティングした状態を示す斜視図である。 本発明に係る格納式中間棚を備えた逆ネスティングラックを段積みした状態を示す図である。
以下、本発明に係る格納式中間棚を備えた逆ネスティングラックの一実施例を、図面を用いて説明する。図1A、図1Bは、逆ネスティングラック100の一実施例の斜視図であり、図1Aは、中間棚50の前方フレーム52の両端側に中間棚前方支持パイプ54、55を嵌合させ、この中間棚支持パイプ54、55を前面支柱11、12に係止した状態である。これは、中間棚50の使用状態を示す図である。また、図1Bは中間棚50を逆ネスティングラック100の背面支柱13、14及び上部背面フレーム34、下部背面フレーム23が形成する背面枠に格納した状態を示す図である。
図2及び図3は、逆ネスティングラック100の六面図のうち、左右対称であるから左側面図を省いた五面図及び中間棚50の上面図である。具体的には、図2(a)は、逆ネスティングラック100の正面図、同図(b)は右側面図、同図(c)は背面図である。また、図3(a)は上面図で図2(a)のA矢視図、同図(b)は底面図で図2(a)のC−C断面視図、同図(c)は中間棚50の上面図で図2(a)のB−B断面視図である。
図4は、中間棚50の係止作業を説明する図であり、中間棚50を背面枠に格納するまたは背面枠への格納を解除するときの様子を示す図である。同図(a)は、背面枠に中間棚50を格納した状態を示す斜視図であり、同図(b)は図4(a)のE部詳細図であり、中間棚50の後部側を回動自在に背面枠に形成した中間棚支持部材41aに格納する状態を示す斜視図である。また、同図(c)は同図(a)のD部詳細図であり、中間棚50の前部側を背面枠に形成した中間段未使用時係止部材に格納する状態を示す図である。
図5は、中間棚50を使用して中間棚50にパレットを載置するため、中間棚50の前部側の中間棚前方支持パイプを前部支柱11に形成した係止部16に係止した様子を説明するための斜視図である。同図(a)は係止部16に中間枠50を係止したときの中間棚50の斜視図であり、同図(b)は同図(a)に示したF部の拡大図である。図6は、本発明に係る複数個の逆ネスティングラック100をネスティングして保管する状態を示す斜視図であり、図7は本発明に係る複数個の逆ネスティングラック100を段積みした様子を示す斜視図である。
図1A、1Bにおいて、中間棚50を備える逆ネスティングラック100は、左右両側に配置され上下方向に延びる一対の前面支柱11、12と、この一対の前面支柱の背面側に配置され上下方向に延びる一対の背面支柱13、14とを有している。各支柱11〜14の下端部は、前後方向に延びる左右一対の下部側面フレーム21、22と、下部側面フレーム21、22間を接続し、左右方向に延びる下部背面フレーム23とにより、上面視「コ」の字形状となっており、前方側が開放されている。
一方、各支柱11〜14の上端部は、前面支柱11、12間を接続し左右に延びる上部前面フレーム33と、背面支柱13、14間を接続し左右に延びる上部背面フレーム34と、前面支柱11、12と背面支柱13、14とを接続し、前後方向に延びる左右一対の上部側面フレーム31、32とで枠状に形成されている。そして、この枠内に、左右方向に延びる複数の上部フレーム(横桟)38とこの上部フレーム38にほぼ直交する複数の上部フレーム(横桟)35a〜35cとで、複数の格子が形成されている。これらフレーム31〜38は、この逆ネスティングラック100の天井部を形成するとともに、パレットを積載するパレット台座30を構成する。なお、各フレーム21〜23、31〜34や前後面支柱11〜14の接続部には、補強のため補強板を取り付けているが、図1Aでは前面支柱11、12と上部前面フレーム33との接続部のみ、補強板11b、12bを明記している。
本発明に係る格納式中間棚を備えた逆ネスティングラック100は、使用時には3段程度まで段積みが可能であり、不使用時には5〜10個程度までネスティング保管が可能である。そのため、段積みに備えて、上部前面フレーム33の左右両端部であって上面側には、小突起状に形成された段積み位置決め金具36a、36bが設けられている。また、上部背面フレーム34の左右方向中間部であって最背面側に複数の背面位置決めプレート37a、37bが取り付けられている。
なお、前面支柱11、12及び背面支柱13、14は、中空の角柱で形成されており、段積み位置決め金具36a、36bが前面支柱11、12の底部に嵌合可能になっている。逆ネスティングラック100を段積みした時には、下部背面フレーム23の背面側が、背面位置決めプレート37a、37bに当接して、上段の逆ネスティングラック100の位置ずれを防止する。
一方、ネスティングに備えて、前後に延びる下部側面フレーム21、22の前端側であって前面支柱11、12の背面には、中空の角柱状の前方段積みパイプ11c、12cが下部側面フレーム21、22の上面に、下部側面フレーム21、22に沿って配置されている。また、下部背面フレーム23の左右両端部にも、中空の角柱状の後方段積みパイプ23a、23bが下部背面フレーム23の上面に、下部背面フレーム23に沿って配置されている。
次に、本発明の特徴である中間棚50について説明する。この中間棚50はパレットに積載された荷物(積荷)の形状に応じて使用・不使用を可能にするもので、使用時には、前端部を前面支柱11、12に係止し、不使用時には前端部を背面支柱13、14に係止するものである。
中間棚50は、3種4個の部材から形成されている。すなわち、背面支柱13、14側にその端部が係止される後方枠と、この後方枠と入れ子状に嵌合する前方枠と、使用状態では前方枠の前側左右両端部に位置する一対の中間棚前方支持パイプ54、55とを有している。
後方枠は、円管状であって左右に延びる中間棚背面フレーム51と、この背面フレーム51にほぼ垂直に形成され、パレットを支持する左右一対の中間棚フレーム58a、58b(入れ子軸)と、左右の中間棚フレーム58a、58b間を連設し、背面フレーム51にほぼ平行であって背面フレーム51の近くに設けられた中間棚フレーム(横桟)59とで構成されている。
背面フレーム51の左右の両端部は、図4(b)に詳細を示すように、背面支柱13、14に形成した中間棚支持部材(第3係止手段)41a、41bに回動可能に保持される。ここで、中間棚支持部材41aは、1枚の薄板を「コ」字状に曲げた形状をしており、背面フレーム51が当接する水平4部1eとこの水平部41eの両側に形成される垂直部41c、41dとを有している。垂直部41c、41dは、中間棚支持部材41aに背面フレーム51を係止させるときの脱落防止部材として作用する。中間棚支持部材41bも同様の形状である。
前方枠は、背面フレーム51よりも左右方向長さが短い中間棚前方フレーム51と、この前方フレーム52にほぼ直角に一端部が取り付けられた左右一対の中間棚前方側面フレーム56a、56bと、左右一対の側面フレーム56a、56bを接続し、側面フレーム56a、56bの端部近傍に配設された中間棚フレーム(横桟)57とから構成されている。ここで、側面フレーム56a、56bに中間棚フレーム58a、58bが嵌合できるように、側面フレーム56a、56bの左右の距離は、中間棚フレーム58a、58bの左右方向距離と同じにしている。また、側面フレーム56a、56bの内径は、中間棚フレーム58a、58bの外径よりも大きい。これにより、前方枠と後方枠はその相対距離を可変にできる。
前方フレーム52の左右両端部に嵌合する一対の中間棚前方支持パイプ54、55は、図4(c)及び図5(b)に詳細を示すように、前方フレーム52に嵌合するパイプ本体54aと、このパイプ本体54aの端部に形成したフランジ状の円板であるパイプしまい板54bと、パイプ本体54aより小径のパイプ状の中間軸支持ピン54cと、この中間軸支持ピン54cの先端部に取り付けたキノコ頭状のストッパ54dとを有している。ここで、パイプ本体54aの外径は、前方フレーム52の内径よりも小さい。これにより、中間棚前方支持パイプ54は前方フレーム52に対して左右方向に移動可能になる。また、パイプしまい板は、前方フレーム52に中間棚前方支持パイプ54を嵌合したときに、前方フレーム52内に中間棚前方支持パイプ54が完全に入り込むのを防止する。
図4(a)に示すように、中間棚50の未使用時には、中間棚前方支持パイプ54、55は背面支柱13、14の上部に形成した中間棚未使用時係止部材(第1係止手段)42a、42bに係止される。中間棚未使用時係止部材42aは、図4(c)に示すように、薄板を一方の辺が長い「コ」字状に曲げた形状をしており、中間棚前方支持パイプ54が当接する水平部42eの前後両側に短辺部42c及び長辺部42dの2つの垂直部が形成されている。これら短辺部42c及び長辺部42dは、中間棚前方支持パイプ54をこの係止部材42aに係止する際の脱落防止部材として作用する。中間棚前方支持パイプ55も同様の構成である。
中間棚50を使用するときは、中間棚前方支持パイプ54、55を前面支柱11、12に設けた係止部16、17に係止する。図5(a)に示すように、前面支柱11の上下方向中間部であって、背面支柱13、14に設けた中間棚支持部材41a、41bとほぼ上下方向高さが同じ高さのところに、中間棚前方支持パイプ54の係止部(第2係止手段)16が取り付けられている。
係止部16は、矩形状の補強板16aから構成されている。補強板16aには、上部が大径孔16dで下部が小径孔16cから形成された瓢箪孔16bが形成されている。大径孔16dの内径は、中間棚前方支持パイプ54の先端部に形成したストッパ54の最大径よりも大きい。また、小径孔16cの内径は、ストッパ54の最大径よりも小さく、中間棚支持ピン54cの外径よりも大きい。この補強板16aに形成した瓢箪穴16bに対応する前面支柱11の位置にも同様な孔または空孔が形成されている。
これにより中間棚前方支持パイプ54の先端部を瓢箪穴16bの大径部16dに挿入した後、中間棚前方支持パイプ54全体を下方に移動させれば、中間棚支持ピン54cが小径部16cに嵌合し、中間棚50の前側枠が前面支柱11に固定される。なお、前面支柱12および係止部17も、この前面支柱11及び係止部16と同様の構成である。
以上のように構成した本発明に係る逆ネスティングラック100の使用方法を以下に説明する。図6に示すように、逆ネスティングラック100を使用しない状態では、保管面積を低減するために、5〜10段程度までネスティングして保管する。なお、図6では3段のネスティング状態を示している。ネスティング可能とするために、前面支柱11、12間の左右方向距離は背面支柱13、14間の左右方向距離より長くなっている。また、ネスティング時には、中間棚50を背面支柱13、14に格納して背面枠からはみ出ないようにしている。このように、中間棚50を背面枠内に収めるために、中間棚支持ピン54cは、前面支柱11に係止した場合に比べ左右方向では前方フレーム52に引き込んだ状態となっている。つまり、中間棚支持ピン54cと前方フレーム52との相対位置関係を変化できるようにしたので、背面フレームに中間棚を格納できる。
一方、図7に示すように、種々雑多な荷物がパレット310に載置されて運ばれ、逆ネスティングラック100に保管されるときには、パレット310の積荷に応じて中間棚50を使用する。中間棚50を使用するときは逆ネスティングラック100内に作業者が入り、図4(a)に示すように、初めに前方フレーム52を矢印で示すように上方に持ち上げて、中間棚未使用時係止部材42a、42bと中間棚前方支持パイプ54、55の係止を解除する。そして、中間棚50の背面フレーム51を中間棚支持部材周りにほぼ90度回転させてほぼ水平にし、前面支柱11、12の位置まで前側枠を引き出すとともに、図5(b)に示すように左右一対の中間棚前方支持パイプ54、55を前方フレーム52から引き出す。そして、上述した様に係止部16、17に中間棚前方支持パイプ54、55を係止する。中間棚50を使用した後、使用せず背面枠に格納する場合は、この逆の手順となる。
上記実施例では、第1ないし第3係止手段を、それぞれ前面支柱11、12または背面支柱13、14同士が対向する面内に形成する。これにより、中間棚50を背面枠に格納したときに、背面枠面内から中間棚50がはみ出ることがなく、ネスティングや積荷の邪魔になるのが防止される。
以上詳述したように本実施例によれば、使用時に前面支柱に係止し、不使用時には背面枠に格納可能な中間棚を設けたので、パレットに積載される積荷の形状に応じて中間棚を使用でき、荷物の保管効率が向上する。また、前面支柱への係止及び背面支柱への格納時に前方フレームの左右方向長さを調整でき、さらに中間棚の使用時と未使用時で前後方向(上下方向)長さを調整できるようにしたので、背面支柱の上下方向中間部(ほぼ半分の高さ)位置に中間棚の回動中心位置を設けることが可能になり、中間棚として効率的に利用できる。
本実施例によれば、作業者一人で簡単にかつ迅速に長さ調整ができる。しかも中間棚を構成する部品の総重量は10kg以下であり、作業者に対する負担が少ない。また、逆ネスティングパレット内で中間棚の設定及び格納のいずれをも可能にしたので、段差や凹凸のない床面に作業者が位置して作業できるので、作業時の不安定性を排除できる。さらに、中間棚は軽量ではあるが金属製(鋼管製)であり、横桟及び側面フレームにより格子状に形成されているので、樹脂パレットのブロック9点を完全に支持できる。
上記実施例によれば、中間棚未使用時には中間棚を背面枠に格納するとともに、中間棚の部品は各逆ネスティングラックについて4点だけであって、各部品がパイプを入れ子状にした接続でありねじ等が不要であるから、中間棚部品の紛失を確実に防止できる。また、何らかの理由で中間棚を交換する必要が生じた場合であっても、中間棚の背面枠を上方に持ち上げるだけで容易に中間棚の交換が可能である。
11…(左)前面支柱、11b…(支柱)補強材、11c…(前方)段積みパイプ、12…(右)前面支柱、12b…(支柱)補強材、12c…(前方)段積みパイプ、13…(左)背面支柱、14…(右)背面支柱、16…係止部(第2係止手段)、16a…補強板、16b…瓢箪孔、16c…小径孔、16d…大径孔、21、22…(下部)側面フレーム、23…(下部)背面フレーム、23a、23b…(後方)段積みパイプ、30…パレット台座、31、32…(上部)側面フレーム、33…(上部)前面フレーム、34…(上部)背面フレーム、35a〜35c…上部フレーム(縦桟)、36a、36b…段積み位置決め金具、37a、37b…背面位置決めプレート、38…上部フレーム(横桟)、41a、41b…中間棚支持部材(第3係止手段)、41c、41d…垂直部、41e…水平部、42a、42b…中間棚未使用時係止部材(第1係止手段)、42c…短辺側、42d…長辺側、42e…水平部、50…中間棚、51…(中間棚)背面フレーム、52…(中間棚)前方フレーム、54…中間棚前方支持パイプ、54a…パイプ本体、54b…パイプしまい板、54c…中間棚支持ピン、54d…ストッパ、55…中間棚前方支持パイプ本体、56a、56b…(中間棚前方)側面フレーム、57…中間棚フレーム(横桟)、58a、58b…中間棚フレーム(入れ子軸)、59…中間棚フレーム(横桟)、100…逆ネスティングラック、200…ネスティングラック、310…パレット、311…フォーク差し込み口、320〜380…荷物、400…段積みラック。

Claims (6)

  1. 上下方向に延びる左右一対の前面支柱と、この前面支柱にほぼ平行に配置され上下方向に延びる左右一対の背面支柱と、これら前面支柱と背面支柱の上端部に接続されパレット載置面が形成されたパレット台座とを有し、前方側が開放形状に形成され、未使用時には複数個ネスティングが可能で、使用時には複数段段積み可能な逆ネスティングラックにおいて、
    前記一対の背面支柱の上下方向中間部に回動可能に係止する中間棚を設け、この中間棚は、前記背面支柱に係止する後方枠と、この後方枠に入れ子状で接続する前方枠と、この前方枠の左右両端側に入れ子状で接続する一対の中間軸前方支持パイプとから構成されており、中間棚使用時にこの中間棚を前記前面支柱に係止する第1係止手段を前記前面支柱に設けると共に、中間棚未使用時にこの中間棚を、前記背面支柱を含む背面枠に格納するための第2係止手段を前記背面支柱に設けたことを特徴とする格納式中間棚を備えた逆ネスティングラック。
  2. 前記前方枠は、前記中間棚の使用時には前端となる左右に延びる前方フレームと、この前方フレームにほぼ直角に取り付けた複数の側面フレームとを有し、前記前方フレームの内径は前記中間前方支持パイプの一方端の外径よりも大きく、前記側面フレームの内径は前記後方枠に取り付けたこの前方枠への入れ子部の外径よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の格納式中間棚を備えた逆ネスティングラック。
  3. 前記中間前方支持パイプは、前記前方枠の前方フレームに入れ子状に嵌合するパイプ本体と、このパイプ本体の一方端側に設けられたフランジ状のパイプしまい板と、このパイプしまい板に接続し前記第1係止手段に固定係止する中間棚支持ピンと、前記第1係止手段からの離脱を防止するストッパとを有することを特徴とする請求項1または2に記載の格納式中間棚を備えた逆ネスティングラック。
  4. 一対の前記背面支柱は前記中間棚の後方枠を係止する第3係止手段を前記第2係止手段よりも上下方向下部に有し、前記後方枠はこの第3係止手段に回動自在に係止する円管状の背面フレームと、前記前方枠が有する前記複数の側面フレームにそれぞれ嵌合可能な中間棚フレームとを有することを特徴とする請求項2に記載の格納式中間棚を備えた逆ネスティングラック。
  5. 前記第2および第3係止手段は、一対の前記背面支柱が対向する面内に形成されており、前記第1係止手段は一対の前記前面支柱が対向する面内に形成されていることを特徴とする請求項4に記載の格納式中間棚を備えた逆ネスティングラック。
  6. 前記中間棚の前方枠は前記複数の側面フレームを連接する横桟を有し、前記後方枠は複数の前記中間棚フレームを連接する横桟を有し、前記側面フレーム及び中間棚フレーム、
    横桟とにより樹脂パレットのブロック9点支持を可能としていることを特徴とする請求項4に記載の格納式中間棚を備えた逆ネスティングラック。
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