以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下で図面を用いて説明する各実施の形態は一例を示すだけであって、各実施の形態の記載に限定しない。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1における空気調和装置1の概略構成の一例を示す図である。図1に示す空気調和装置1は、詳細については後述するが、概略的には、複数の圧縮機21等を備えることで、複数の冷凍サイクルが独立して形成され、そのような複数の冷凍サイクルが制御されることで、後述する車両51の車内温度を均一に制御し、ドラフト感が強くなるエリア63をなくす。以下、本実施の形態1の詳細について順に説明する。
図1に示すように、空気調和装置1は、室内室12a、室内室12b、及び室外室13が形成されている。室外室13は、室内室12aと、室内室12bとの間に配置され、室内室12a、室外室13、及び室内室12bが長手方向に沿って隣接した配置構成となっている。なお、室内室12a及び室内室12bの何れか一方を特に区別しない場合、室内室12と称する。また、上記で説明した配置構成は一例を示し、特にこれに限定しない。また、室内室12と、室外室13とが隣接して配置されている必要もない。
室外室13は、圧縮機21a、圧縮機21b、室外熱交換器23a、室外熱交換器23b、及び室外送風機25等を備えている。圧縮機21a及び圧縮機21bには、それぞれ別々に制御指令が供給され、圧縮機21a及び圧縮機21bのそれぞれは各制御指令に基づいて吸引した冷媒を圧縮して吐出する。
室外熱交換器23a及び室外熱交換器23bは、供給される冷媒と、車両51の外部から取り込まれた外気とを熱交換する。室外送風機25は、ファンを駆動して負圧を生むことで、車両51から外気を取り込み、上記で説明したように、室外熱交換器23a及び室外熱交換器23bに冷媒との熱交換を行わせる。なお、室外熱交換器23a及び室外熱交換器23bのそれぞれの内部には、冷媒を流通させる内部配管が設けられている。このような内部配管は、本発明における第1内部配管に相当する。
なお、圧縮機21a及び圧縮機21bの何れか一方を特に区別しない場合、圧縮機21と称する。また、室外熱交換器23a及び室外熱交換器23bの何れか一方を特に区別しない場合、室外熱交換器23と称する。
要するに、室外室13は、少なくとも2台の圧縮機21と、少なくとも2台の室外熱交換器23とを備え、圧縮機21aと、圧縮機21bとが独立して駆動する構成である。
室内室12aには、リターン口35aが形成されている。リターン口35aは、後述する車両51に設けられている客室65の空気を取り込む開放口である。室内室12aは、室内熱交換器31a、室内送風機33a及び温度センサ37a等を備えている。室内熱交換器31aは、供給される冷媒と、客室65から取り込まれた空気とを熱交換する。室内送風機33aは、図示しないファンを駆動することで、室内室12aに空気の流れを形成する。なお、室内熱交換器31a及び室内熱交換器31bのそれぞれの内部には、冷媒を流通させる内部配管が設けられている。このような内部配管は、本発明における第2内部配管に相当する。
例えば、室内室12aには、室内送風機33aの下側に図示しない開放口が形成されており、室内送風機33aの駆動に伴い、室内送風機33aの下側の図示しない開放口から室内熱交換器31aで熱交換された空気が吹き出され、リターン口35aから後述する客室65内の空気が取り込まれる。
リターン口35aには、温度センサ37aが配置されている。温度センサ37aは、リターン口35aに取り込まれる空気の温度、すなわち、車内温度を検出する。なお、温度センサ37aが車内温度を検出するタイミングは特に限定しない。例えば、温度センサ37aは、常時車内温度を検出してもよく、予め定めた周期で車内温度を検出してもよい。また、圧縮機21、室外送風機25、及び室内送風機33aの何れかが駆動のときに車内温度を検出してもよい。
なお、室内室12bは、室内室12aと同様の機能及び構成を備えているため、その説明については省略する。また、室内熱交換器31a及び室内熱交換器31bの何れか一方を特に区別しない場合、室内熱交換器31と称する。
要するに、室内室12a及び室内室12bには、室外室13に設けられている圧縮機21の台数に応じた室内熱交換器31が設けられ、圧縮機21のそれぞれを用いて独立した複数の冷凍サイクルが形成される構成である。
図2は、本発明の実施の形態1における冷媒回路2の概略構成の一例を示す図である。図2に示すように、冷媒回路2は、図1で示した空気調和装置1に設けられている。冷媒回路2は、圧縮機21a、圧縮機21b、室外熱交換器23a、室外熱交換器23b、室内熱交換器31a、室内熱交換器31b、キャピラリチューブ39a、及びキャピラリチューブ39b等を備えている。
圧縮機21a、室外熱交換器23a、キャピラリチューブ39a、及び室内熱交換器31aが冷媒配管で接続されることで、1つの冷凍サイクルが形成されている。また、圧縮機21b、室外熱交換器23b、キャピラリチューブ39b、及び室内熱交換器31bが冷媒配管で接続されることで、1つの冷凍サイクルが形成されている。
次に、冷媒回路2の動作について説明する。圧縮機21aで圧縮して吐出された高温高圧の冷媒蒸気は、室外熱交換器23aで外気と熱交換して高温高圧の冷媒液に状態変化し、キャピラリチューブ39aで減圧されて冷媒蒸気を含む低温低圧の冷媒液に状態変化し、室内熱交換器31aに流入する。室内熱交換器31aでは、減圧された冷媒蒸気を含む低温低圧の冷媒液は、図3で後述する客室65内の空気のうち、エリア63a側の空気と熱交換して低圧の冷媒蒸気に状態変化し、再び圧縮機21aに戻る。
一方、圧縮機21bで圧縮して吐出された高温高圧の冷媒蒸気は、室外熱交換器23bで外気と熱交換して高温高圧の冷媒液に状態変化し、キャピラリチューブ39bで減圧されて冷媒蒸気を含む低温低圧の冷媒液に状態変化し、室内熱交換器31bに流入する。室内熱交換器31bでは、減圧された冷媒蒸気を含む低温低圧の冷媒液は、図3で後述する客室65内の空気のうち、エリア63b側の空気と熱交換して低圧の冷媒蒸気に状態変化し、再び圧縮機21bに戻る。
つまり、空気調和装置1には、2つの冷凍サイクルが独立して形成されている。よって、2つの冷凍サイクルは独立して動作するため、エリア63aは1つの冷凍サイクルで独立して車内温度が制御され、エリア63bはエリア63aの車内温度の制御で用いられたものとは別の冷凍サイクルで独立して車内温度が制御される。
なお、キャピラリチューブ39a及びキャピラリチューブ39bの何れか一方を特に区別しない場合、キャピラリチューブ39と称する。また、キャピラリチューブ39の台数は特に限定しない。また、キャピラリチューブ39は、膨張装置の一例として説明したが、特にこれに限定しない。例えば、膨張装置として、キャピラリチューブ39ではなく、電子膨張弁であってもよい。つまり、室外熱交換器23と、室内熱交換器31との間に、冷媒を減圧する動作をする装置が設けられていればよい。
なお、上記の説明では、センシングする装置として、温度センサ37が空気調和装置1に設けられている一例について説明したが、特にこれに限定しない。例えば、図4を用いて後述するように、湿度センサ41又は外気温度センサ43等が設けられていてもよい。
図3は、本発明の実施の形態1における車両用空気調和システム3の概略構成の一例を示す図である。図3に示すように、車両用空気調和システム3は、空気調和装置1を備えている。空気調和装置1は、例えば、車両51の屋根側に設けられている。車両51は、客室65を備え、客室65は、車内温度の制御対象空間の制御範囲として、例えば、エリア63aと、エリア63bとが区分けされている。また、空気調和装置1は、内部に空調制御装置71を設けている。なお、空調制御装置71については後述する。
エリア63aは、車両51の長手方向に対し、約2分割した空間の一方の側が制御範囲として設定されたものである。一方、エリア63bは、車両51の長手方向に対し、ほぼ2分割した空間のもう一方の側が制御範囲として設定されたものである。
エリア63a側であって、車両51の屋根裏側には、車両51の長手方向に沿って、空調ダクト61aが設けられている。一方、エリア63b側であって、車両51の屋根裏側には、車両51の長手方向に沿って、空調ダクト61bが設けられている。空調ダクト61aは、空気調和装置1で調和された調和空気をエリア63a側へ導く風路である。一方、空調ダクト61bは、空気調和装置1で調和された調和空気をエリア63b側へ導く風路である。なお、空調ダクト61a及び空調ダクト61bには、図示しないラインフローファンが設けられていてもよい。また、空調ダクト61a及び空調ダクト61bのそれぞれを特に区別しない場合、空調ダクト61と称する。また、空調ダクト61の形状及び大きさは、特に限定しない。
空気調和装置1は、図1で示した室内室12a側が、図3に示すエリア63a側に対応した位置となるように配置されている。また、空気調和装置1は、図1で示した室内室12b側が、図3に示すエリア63b側に対応した位置となるように配置されている。
つまり、図1で示したリターン口35aでは、図3に示すエリア63a側の車内空気が吸い込まれ、温度センサ37aは、エリア63a側の車内空気の車内温度を検出する。一方、図1で示したリターン口35bでは、図3に示すエリア63b側の車内空気が吸い込まれ、温度センサ37bは、エリア63b側の車内空気の車内温度を検出する。
また、室内送風機33aが空調ダクト61aと対向する位置となるように、空気調和装置1は配置されている。また、室内送風機33bが空調ダクト61bと対向する位置となるように、空気調和装置1は配置されている。
なお、上記の説明では、空気調和装置1が屋根側に設けられる一例について説明したが、特にこれに限定しない。例えば、空気調和装置1は、車両51の底部に設けられていてもよい。また、例えば、空気調和装置1は、車両51の内部に設けられていてもよい。
また、上記の説明では、客室65の車内温度の制御対象空間の制御範囲として、エリア63a及びエリア63bが設けられる一例について説明したが、特にこれに限定しない。例えば、車両51の長手方向に対し、2分割以外の分割数で分割した空間がそれぞれ車内温度の制御対象空間の制御範囲として設定されていてもよい。また、例えば、車両51の幅方向に対し、複数に分割した空間がそれぞれ車内温度の制御対象空間の制御範囲として設定されていてもよい。また、例えば、車両51の上下方向に対し、複数に分割した空間がそれぞれ車内温度の制御対象空間の制御範囲として設定されていてもよい。要するに、分割数、分割方向、及び分割範囲は特に限定しない。例えば、客室65を3:1の空間で分割した空間を制御範囲としてもよい。
図4は、本発明の実施の形態1における空気調和装置1を制御する空調制御装置71の一例を示す図である。図4に示すように、空調制御装置71には、温度センサ37の検出結果、湿度センサ41の検出結果、及び外気温度センサ43の検出結果等が入力される。温度センサ37は、上記で説明したように、各エリア63の車内温度を検出している。湿度センサ41は、図示は省略するが、例えば、エリア63毎に設けられ、各エリア63の湿度である車内湿度を検出している。外気温度センサ43は、図示は省略するが、例えば、室外熱交換器23の近くの図示しない外気取込口に設けられ、室外送風機25を駆動させることで取り込んだ外気温度を検出している。
後述するように、空調制御装置71は、車両情報制御装置73と各種信号を送受信している。また、後述するように、車両情報制御装置73は、列車情報管理装置75と各種信号を送受信している。
空調制御装置71は、各種入力値に基づいて、空気調和装置1を制御する。例えば、空調制御装置71は、温度センサ37の検出結果に基づいて、圧縮機21に圧縮機制御指令を供給する。
圧縮機制御指令は、例えば、圧縮機21の圧縮機容量が固定であれば、圧縮機21に電源を供給するか否かの制御信号である。また、圧縮機制御指令は、例えば、圧縮機21が多気筒圧縮機であれば、アンロード運転のときの作動気筒数に関する制御信号である。また、圧縮機制御指令は、例えば、圧縮機21がスクリュー圧縮機であれば、スライド弁の調整量に関する制御信号である。また、圧縮機制御信号は、例えば、圧縮機21がインバータ圧縮機であれば、圧縮機21の回転数に関する制御信号である。なお、圧縮機制御指令は、上記の説明に特に限定せず、圧縮機21の駆動を制御する指令であればよい。
空調制御装置71は、室内送風機33に室内送風機制御指令を供給する。室内送風機制御指令は、例えば、室内送風機33を駆動する図示しない電動機の回転数に関する制御指令である。空調制御装置71は、室外送風機25に室外送風機制御指令を供給する。室外送風機制御指令は、例えば、室外送風機25を駆動する図示しない電動機の回転数に関する制御指令である。なお、室内送風機制御指令は、上記の説明に特に限定せず、室内送風機33の駆動を制御する指令であればよい。また、室外送風機制御指令は、上記の説明に特に限定せず、室外送風機25の駆動を制御する指令であればよい。
なお、空調制御装置71に入力される各種入力値は、上記の説明に限定しない。例えば、空調制御装置71には、図示しない荷重センサの検出結果が入力されてもよい。また、空調制御装置71には、図示しない防犯カメラの検出結果が入力されてもよい。また、空調制御装置71には、図示しない赤外線センサの検出結果が入力されてもよい。要するに、空調制御装置71は、車両51に関する各種情報が入力され、その入力に応じて各種制御を行う制御主体である。
上記で説明した構成に基づいた車両用空気調和システム3の動作について説明する。なお、動作の前提として、空調制御装置71が空気調和装置1に各種指令を供給して、客室65に設けられている各エリア63の車内温度を制御していると想定する。
図1に示すリターン口35aから図3に示すエリア63aの空気が取り込まれ、エリア63aの車内温度として温度センサ37aで検出され、図4に示すように、検出結果が空調制御装置71に供給される。空調制御装置71は、温度センサ37aの検出結果に基づいて、図2に示すように、圧縮機21a、室外熱交換器23a、キャピラリチューブ39a、及び室内熱交換器31aで形成される冷凍サイクルを制御し、エリア63aに供給する調和空気を調整する。
また、図1に示すリターン口35bから図3に示すエリア63bの空気が取り込まれ、エリア63bの車内温度として温度センサ37bで検出され、図4に示すように、検出結果が空調制御装置71に供給される。空調制御装置71は、温度センサ37bの検出結果に基づいて、図2に示すように、圧縮機21b、室外熱交換器23b、キャピラリチューブ39b、及び室内熱交換器31bで形成される冷凍サイクルを制御し、エリア63bに供給する調和空気を調整する。
具体的には、エリア63aの車内温度の制御は、エリア63a側の車内温度を検出する温度センサ37aに基づいて独立に圧縮機21aが制御され、圧縮機21aを構成要素とする冷凍サイクルが独自に制御される。また、エリア63bの車内温度の制御は、エリア63b側の車内温度を検出する温度センサ37bに基づいて独立に圧縮機21bが制御され、圧縮機21bを構成要素とする冷凍サイクルが独自に制御される。
さらに具体的には、空調制御装置71は、温度センサ37aの検出結果と、温度センサ37bの検出結果とが、同一の目標温度に到達するように、2つの冷凍サイクルをそれぞれ制御する。具体的には、図1で示した圧縮機21a、圧縮機21b、室外送風機25、室内送風機33a、及び室内送風機33bの駆動をそれぞれ制御する。空調制御装置71は、温度センサ37aの検出結果と、温度センサ37bの検出結果とが同一の目標温度に到達した場合、その同一の目標温度を維持するように、2つの冷凍サイクルを適宜制御する。
つまり、空調制御装置71は、2つの冷凍サイクルをそれぞれ制御して客室65の車内温度を均一に制御する。よって、空調制御装置71は、圧縮機21の制御を主に制御し、室内送風機33の風量を上げるだけの制御で客室65の車内温度を制御することがない。したがって、例えば、エリア63aの熱負荷が増えた場合であっても、エリア63bの空調制御に影響を与えることがない。また、例えば、エリア63bの熱負荷が増えた場合であっても、エリア63aの空調制御に影響を与えることがない。
その結果、エリア63a及びエリア63bの何れかに存在する人に向かって、風速の増加した調和空気が吹き出されないため、強いドラフト感をエリア63に存在する人に与えることがなくなる。なお、上記で説明した制御は一例を示し、特にこれに限定しない。
換言すれば、車両用空気調和システム3は、1つの客室65を複数のエリア63に区分けされたものと想定し、1台の空気調和装置1の内部に形成された複数の冷凍サイクルのそれぞれを該当する各エリア63の車内温度の制御に割り当てることで、簡単な制御であったとしても車内温度を均一化させると共に、ドラフト感が強くなるエリア63をなくすことができる。
以上の説明から、本実施の形態1においては、車両51に設けられ、車両51の客室65の空気を調和する空気調和装置1と、空気を調和する制御範囲として、客室65が少なくとも2つのエリア63に区分けされ、エリア63毎に、客室65の空気の温度である車内温度を検出する複数の温度センサ37と、空気調和装置1を制御する空調制御装置71と、を備え、空気調和装置1は、圧縮機21、室内送風機33、室内熱交換器31、室外熱交換器23、及びキャピラリチューブ39を含む冷凍サイクルをエリア63に対応して備え、空調制御装置71は、複数の温度センサ37の検出結果に基づいて、冷凍サイクルを制御し、エリア63毎の車内温度を均一に制御する車両用空気調和システム3が構成される。
上記構成のため、車両用空気調和システム3は、1つの客室65を複数のエリア63に区分けされたものと想定し、1台の空気調和装置1の内部に形成された複数の冷凍サイクルのそれぞれを該当する各エリア63の車内温度の制御に割り当てることで、簡単な制御であったとしても車内温度を均一化させると共に、ドラフト感が強くなるエリア63をなくすことができる。
また、本実施の形態1においては、空調制御装置71は、空気調和装置1の内部に設けられ、圧縮機21及び室内送風機33のそれぞれに制御指令を供給する。
また、本実施の形態1においては、少なくとも2台の室内熱交換器31のそれぞれは、室内熱交換器31の内部に設けられた第1内部配管が少なくとも2つの冷凍サイクルのうちの1つの冷凍サイクルの一部を形成し、少なくとも2台の室外熱交換器23のそれぞれは、室外熱交換器23の内部に設けられた第2内部配管が前記少なくとも2つの冷凍サイクルのうちの1つの冷凍サイクルの一部を形成する。
また、本実施の形態1においては、1台の車両51につき、空気調和装置1が少なくとも1台搭載される。
また、本実施の形態1においては、複数の温度センサ37のそれぞれは、空気調和装置1の内部であって、エリア63毎の車内温度を検出する位置にそれぞれ設けられ、エリア63毎の車内温度を検出する。
以上の構成から、車両用空気調和システム3は、簡単な制御であったとしても車内温度を均一化させると共に、ドラフト感が強くなるエリア63を特に顕著になくすことができる。
実施の形態2.
図5は、本発明の実施の形態2における車両用空気調和システム4の概略構成の一例を示す図である。本実施の形態2において、実施の形態1との相違点は、温度センサ37が空気調和装置1内部ではなく、客室65内部に設けられている点である。
なお、本実施の形態2において、特に記述しない項目については実施の形態1と同様とし、同一の機能及び構成については同一の符号を用いて述べることとする。また、実施の形態1と同一の機能及び構成についてはその説明を省略する。
図5に示すように、温度センサ37aは、エリア63a側に設けられている。よって、図1で示した場合の配置構成と比べて、さらに近くでエリア63a側の車内温度を検出することができる。よって、温度センサ37aの検出結果の精度をさらに向上させることができる。
また、図5に示すように、温度センサ37bは、エリア63b側に設けられている。よって、図1で示した場合の配置構成と比べて、さらに近くでエリア63b側の車内温度を検出することができる。よって、温度センサ37bの検出結果の精度をさらに向上させることができる。
したがって、車両用空気調和システム4は、さらに精度の高い車内温度の制御を行うことができる。
以上の説明から、本実施の形態2においては、複数の温度センサ37のそれぞれは、客室65の内部であって、エリア63毎に設けられ、エリア63の車内温度を検出する。
上記構成のため、車両用空気調和システム4は、さらに精度の高い車内温度の制御を行うことができる。
実施の形態3.
図6は、本発明の実施の形態3における車両用空気調和システム5の概略構成の一例を示す図である。本実施の形態3において、実施の形態1及び実施の形態2との相違点は、空調制御装置71が空気調和装置1内部以外に設けられている点である。
なお、本実施の形態3において、特に記述しない項目については実施の形態1及び実施の形態2と同様とし、同一の機能及び構成については同一の符号を用いて述べることとする。また、実施の形態1及び実施の形態2と同一の機能及び構成についてはその説明を省略する。
空調制御装置71は、車両51の底部に設けられている。車両51内部には、伝送路81が形成されており、空気調和装置1と、空調制御装置71とは、伝送路81を介して接続されており、伝送路81を経由して各種信号等が送受信されている。例えば、空調制御装置71は、伝送路81を介して、圧縮機21及び室内送風機33のそれぞれに制御指令を供給する。
また、空調制御装置71が車両51の底部に設けられることで、空調制御装置71の各種設定及びメンテナンス等が容易になる。つまり、空調制御装置71が車両51の底部に設けられることで、空調制御装置71の保守管理の作業性を向上させることができる。
また、車両51には、車両情報制御装置73及び列車情報管理装置75等が設けられている。車両情報制御装置73は、車両51に関する情報を管理し、また、車両51に関する各種制御を行う。例えば、車両情報制御装置73は、図示しないドアの開閉を制御し、また、客室65に乗り込んだ人の重さを検出する。列車情報管理装置75は、車両51が複数連結されている場合には、複数の車両51の状況を統括管理する。例えば、列車情報管理装置75は、各車両51のドアの開閉状況及び車内温度等を管理する。また、例えば、列車情報管理装置75は、空気調和装置1の稼働状況を管理する。
以上で説明したように、本実施の形態3においては、空調制御装置71は、車両51に設けられ、車両51に設けられる伝送路81を介して、空気調和装置1と接続され、伝送路81を介して、圧縮機21及び室内送風機33のそれぞれに制御指令を供給する。
上記構成のため、空調制御装置71の保守管理の作業性を向上させることができる。
実施の形態4.
図7は、本発明の実施の形態4における冷媒回路6の概略構成の一例を示す図である。本実施の形態4において、実施の形態1〜実施の形態3との相違点は、冷媒回路6を形成する室外熱交換器23及び室内熱交換器31のそれぞれが複数の圧縮機21に対応している点である。
なお、本実施の形態4において、特に記述しない項目については実施の形態1〜実施の形態3と同様とし、同一の機能及び構成については同一の符号を用いて述べることとする。また、実施の形態1〜実施の形態3と同一の機能及び構成についてはその説明を省略する。
図7に示すように、室外熱交換器23a、室外熱交換器23b、室内熱交換器31a、及び室内熱交換器31bのそれぞれの内部に設けられた内部配管は、少なくとも2つの冷凍サイクルのそれぞれの一部を形成している。
具体的には、室外熱交換器23aの内部に設けられた内部配管は、圧縮機21a、室外熱交換器23a、キャピラリチューブ39a_1、キャピラリチューブ39a_2、及び室内熱交換器31aで形成される冷凍サイクルの一部を形成している。
また、室外熱交換器23aの内部に設けられた内部配管は、圧縮機21b、室外熱交換器23a、キャピラリチューブ39a_3、及び室内熱交換器31aで形成される冷凍サイクルの一部を形成している。
また、室外熱交換器23bの内部に設けられた内部配管は、圧縮機21b、室外熱交換器23b、キャピラリチューブ39b_3、及び室内熱交換器31bで形成される冷凍サイクルの一部を形成している。
また、室内熱交換器31aの内部に設けられた内部配管は、圧縮機21a、室外熱交換器23a、キャピラリチューブ39a_1、キャピラリチューブ39a_2、及び室内熱交換器31aで形成される冷凍サイクルの一部を形成している。
また、室内熱交換器31aの内部に設けられた内部配管は、圧縮機21b、室外熱交換器23a、キャピラリチューブ39a_3、及び室内熱交換器31aで形成される冷凍サイクルの一部を形成している。
換言すれば、室外熱交換器23a及び室内熱交換器31は、圧縮機21a及び圧縮機21bのそれぞれを用いて形成される各冷凍サイクルの一部を形成している。なお、室内熱交換器31の内部に設けられた内部配管は、本発明における第1内部配管に相当する。また、室外熱交換器23の内部に設けられた内部配管は、本発明における第2内部配管に相当する。
なお、室外熱交換器23b及び室内熱交換器31bのそれぞれは、2つの冷凍サイクルの一部が形成される内部配管が構成されている。上記で説明した一例では、冷媒回路6には2つの冷凍サイクルが形成される一例について説明したが、これらを利用することで、さらに冷凍サイクルを冷媒回路6内に形成することができる。
以上で説明したように、本実施の形態4においては、少なくとも2台の室内熱交換器31のそれぞれは、室内熱交換器31の内部に設けられた第1内部配管が少なくとも2つの冷凍サイクルのそれぞれの一部を形成し、少なくとも2台の室外熱交換器23のそれぞれは、室外熱交換器23の内部に設けられた第2内部配管が少なくとも2つの冷凍サイクルのそれぞれの一部を形成する。
上記構成のため、冷媒回路6は、少なくとも2つの冷凍サイクルを形成することができる。
実施の形態5.
図8は、本発明の実施の形態5における車両用空気調和システム7の概略構成の一例を示す図である。本実施の形態5において、実施の形態1〜実施の形態4との相違点は、車両51に空気調和装置1a及び空気調和装置1bが設けられている点である。
なお、本実施の形態5において、特に記述しない項目については実施の形態1〜実施の形態4と同様とし、同一の機能及び構成については同一の符号を用いて述べることとする。また、実施の形態1〜実施の形態4と同一の機能及び構成についてはその説明を省略する。
図8に示すように、空気調和装置1aと、空気調和装置1bとが車両51の屋根側に設けられている。空気調和装置1a及び空気調和装置1bのそれぞれの構成及び機能は、上記で説明した空気調和装置1と同様である。よって、空気調和装置1aには、2つの冷凍サイクルが形成されている。また、空気調和装置1bには、2つの冷凍サイクルが形成されている。
また、車両51には、空気を調和する制御範囲として、エリア63a、エリア63b、エリア63c、及びエリア63dが車両51の長手方向に沿って区分けされている。なお、エリア63a、エリア63b、エリア63c、及びエリア63dの何れか1つを特に限定しない場合、エリア63と称する。
よって、図8に示す一例においては、少なくとも4つのエリア63に対応した冷凍サイクルがそれぞれ設けられている。例えば、空気調和装置1aには、エリア63a及びエリア63bがそれぞれ割り当てられている。また、例えば、空気調和装置1bには、エリア63c及びエリア63dがそれぞれ割り当てられている。したがって、車両用空気調和システム7は、車両51に設けられる空気調和装置1の台数を増加させることで、車両51の客室65の空気を調和する制御範囲を細かくできるため、さらにきめ細かく車内温度を調整でき、無駄な動作を低減できるため、さらに消費エネルギーを低減させることができる。
以上で説明したように、本実施の形態5においては、1台の車両51につき、空気調和装置1が少なくとも2台搭載される。
上記構成のため、車両用空気調和システム7は、車両51に設けられる空気調和装置1の台数を増加させることで、車両51の客室65の空気を調和する制御範囲を細かくできるため、さらにきめ細かく車内温度を調整でき、無駄な動作を低減できるため、さらに消費エネルギーを低減させることができる。
実施の形態6.
図9は、本発明の実施の形態6における車両用空気調和システム8の概略構成の一例を示す図である。本実施の形態6において、実施の形態1〜実施の形態5との相違点は、車両51に空気調和装置1a及び空気調和装置1bが設けられ、温度センサ37が空気調和装置1a及び空気調和装置1bのそれぞれの内部ではなく、客室65内部に設けられている点である。
なお、本実施の形態6において、特に記述しない項目については実施の形態1〜実施の形態5と同様とし、同一の機能及び構成については同一の符号を用いて述べることとする。また、実施の形態1〜実施の形態5と同一の機能及び構成についてはその説明を省略する。
図9に示すように、温度センサ37aは、エリア63a側に設けられている。よって、図8で示した場合の配置構成と比べて、さらに近くでエリア63a側の車内温度を検出することができる。よって、温度センサ37aの検出結果の精度をさらに向上させることができる。
また、図9に示すように、温度センサ37bは、エリア63b側に設けられている。よって、図8で示した場合の配置構成と比べて、さらに近くでエリア63b側の車内温度を検出することができる。よって、温度センサ37bの検出結果の精度をさらに向上させることができる。
また、図9に示すように、温度センサ37cは、エリア63c側に設けられている。よって、図8で示した場合の配置構成と比べて、さらに近くでエリア63c側の車内温度を検出することができる。よって、温度センサ37cの検出結果の精度をさらに向上させることができる。
また、図9に示すように、温度センサ37dは、エリア63d側に設けられている。よって、図8で示した場合の配置構成と比べて、さらに近くでエリア63d側の車内温度を検出することができる。よって、温度センサ37dの検出結果の精度をさらに向上させることができる。
したがって、車両用空気調和システム8は、さらに精度の高い車内温度の制御を行うことができる。
以上の説明から、本実施の形態6においては、複数の温度センサ37のそれぞれは、客室65の内部であって、エリア63毎に設けられ、エリア63の車内温度を検出するものである。
上記構成から、車両用空気調和システム8は、さらに精度の高い車内温度の制御を行うことができる。
実施の形態7.
図10は、本発明の実施の形態7における車両用空気調和システム9の概略構成の一例を示す図である。本実施の形態7において、実施の形態1〜実施の形態6との相違点は、互いに隣接するエリア63b及びエリア63cでは、1つの温度センサ37bで両エリアの車内温度を検出する点である。
なお、本実施の形態7において、特に記述しない項目については実施の形態1〜実施の形態6と同様とし、同一の機能及び構成については同一の符号を用いて述べることとする。また、実施の形態1〜実施の形態6と同一の機能及び構成についてはその説明を省略する。
図10に示すように、エリア63bと、エリア63cとは、互いに隣接している。そのような互いに隣接する箇所には、温度センサ37bが少なくとも1台配置されている。つまり、温度センサ37bは、エリア63bの車内温度の検出とエリア63cの車内温度の検出とを行っており、両エリア63の車内温度の検出を少なくとも1台の温度センサ37bで兼用している。
よって、客室65の車内温度を検出する温度センサ37の台数を減らすことができるため、低コストで車両用空気調和システム9を構築することができる。
以上の説明から、本実施の形態7においては、複数の温度センサ37のうち、エリア63が互いに隣接する箇所には、温度センサ37が少なくとも1台配置される。
上記構成のため、低コストで車両用空気調和システム9を構築することができる。
実施の形態8.
図11は、本発明の実施の形態8における車両用空気調和システム10の概略構成の一例を示す図である。本実施の形態8において、実施の形態1〜実施の形態7との相違点は、各エリア63の車内温度の検出に複数の温度センサ37が設けられる点である。
なお、本実施の形態8において、特に記述しない項目については実施の形態1〜実施の形態7と同様とし、同一の機能及び構成については同一の符号を用いて述べることとする。また、実施の形態1〜実施の形態7と同一の機能及び構成についてはその説明を省略する。
図11に示すように、エリア63毎に、少なくとも、さらに1台ずつ温度センサ37が設けられている。具体的には、エリア63aには、温度センサ37a及び温度センサ37bが設けられている。エリア63bには、温度センサ37c及び温度センサ37dが設けられている。エリア63cには、温度センサ37e及び温度センサ37fが設けられている。エリア63dには、温度センサ37g及び温度センサ37hが設けられている。
空調制御装置71aには、温度センサ37a〜温度センサ37dの検出結果が入力される。空調制御装置71bには、温度センサ37e〜温度センサ37hの検出結果が入力される。
ここで、温度センサ37aの検出結果が、寒い状態を検出し、温度センサ37bの検出結果が、寒い状態を検出し、温度センサ37cの検出結果が、快適状態を検出し、温度センサ37dの検出結果が、暑い状態を検出し、温度センサ37eの検出結果が、快適状態を検出し、温度センサ37fの検出結果が、快適状態を検出し、温度センサ37gの検出結果が、快適状態を検出し、温度センサ37hの検出結果が、快適状態を検出したと想定する。
空調制御装置71aは、室内送風機33aの制御範囲であるエリア63aの冷えすぎを抑制させつつ、室内送風機33bの制御範囲であるエリア63bの快適状態を維持するため、室内送風機33bを用いて形成される冷凍サイクルの冷房能力を抑える。また、空調制御装置71aは空調制御装置71bに、室内送風機33cを用いて形成される冷凍サイクルの冷房能力を上げる指令を供給する。空調制御装置71bは、空調制御装置71aからの指令を受け、室内送風機33cを用いて形成される冷凍サイクルの冷房能力を上げる。つまり、空調制御装置71は、制御範囲のうち、車内温度の制御が割り当てられたエリア63と、エリア63に隣接するエリア63以外のエリア63の車内温度を、エリア63毎に配置される複数の温度センサ37のそれぞれの検出結果に基づいて、冷凍サイクルのそれぞれで制御することで、客室65の全体で前記車内温度を均一に制御する。
よって、車両用空気調和システム10は、客室65全体の車内温度を各自の割り当てられたエリア63以外を考慮して均一に制御できる。したがって、車両用空気調和システム10は、さらにきめ細かい車内温度の制御を行うことができるので、全体として消費エネルギーをさらに低減させる空調制御を行うことができる。
以上の説明から、本実施の形態8においては、複数の温度センサ37のそれぞれは、エリア63毎に、少なくとも、さらに1台ずつ設けられ、空調制御装置71は、制御範囲のうち、車内温度の制御が割り当てられたエリア63と、エリア63に隣接するエリア63以外のエリア63の車内温度を、エリア63毎に配置される複数の温度センサ37のそれぞれの検出結果に基づいて、冷凍サイクルのそれぞれで制御することで、客室65の全体で前記車内温度を均一に制御する。
上記構成のため、車両用空気調和システム10は、さらにきめ細かい車内温度の制御を行うことができるので、全体として消費エネルギーをさらに低減させる空調制御を行うことができる。
実施の形態9.
図12は、本発明の実施の形態9における圧縮機容量の変動例を示す図である。本実施の形態9においては、圧縮機21の圧縮機容量が固定の場合の圧縮機容量の制御について説明する。
なお、本実施の形態9において、特に記述しない項目については実施の形態1〜実施の形態8と同様とし、同一の機能及び構成については同一の符号を用いて述べることとする。また、実施の形態1〜実施の形態8と同一の機能及び構成についてはその説明を省略する。
図12に示すように、圧縮機21の圧縮機容量が固定の場合には、圧縮機21に電源が供給されている電源供給状態と、圧縮機21に電源が供給されない電源遮断状態とで圧縮機容量が制御される。
例えば、電源供給状態では、圧縮機21に供給される電源がON状態となることで圧縮機21が駆動し、圧縮機21の仕様に基づいた圧縮機容量を吐出する。また、例えば、電源遮断状態では、圧縮機21に供給される電源がOFF状態となることで圧縮機21が停止し、圧縮機容量はゼロとなる。
換言すれば、圧縮機21の圧縮機容量が固定の場合には、空調制御装置71は、圧縮機21に供給される電源のON状態とOFF状態とを切り替えることで、圧縮機容量を制御できる。よって、上記で説明した冷媒回路2及び冷媒回路6等を流通する冷媒流量は適宜調整され、無駄に駆動されることがなくなる。したがって、上記で説明した空気調和装置1はエネルギー消費量を削減することができる。この結果、上記で説明した空気調和装置1を備える車両用空気調和システム3〜5、7〜10はエネルギー消費量を削減することができる。
以上の説明から、本実施の形態9においては、圧縮機21は、圧縮機容量が固定であって、空調制御装置71は、圧縮機21の電源の供給状態と圧縮機21の電源の遮断状態とを切り替えることで、圧縮機21の圧縮機容量を調整する。
上記構成のため、車両用空気調和システム3〜5、7〜10はエネルギー消費量を削減することができる。
実施の形態10.
図13は、本発明の実施の形態10における圧縮機容量の変動例を示す図である。本実施の形態10においては、圧縮機21の圧縮機容量が可変であって、アンローダ運転で圧縮機容量が制御される場合の圧縮機容量の制御について説明する。
なお、本実施の形態10において、特に記述しない項目については実施の形態1〜実施の形態9と同様とし、同一の機能及び構成については同一の符号を用いて述べることとする。また、実施の形態1〜実施の形態9と同一の機能及び構成についてはその説明を省略する。
図13に示すように、圧縮機21の圧縮機容量が可変であって、圧縮機21が多気筒圧縮機である場合、図示しないアンローダ運転を制御する容量制御装置が図示しない吸い込み弁を開放して、作動気筒数を減らすことで、予め決められた範囲で圧縮機容量を段階的に制御できる。
例えば、圧縮機21が8気筒圧縮機で構成されている場合、25%、50%、75%、及び100%の何れかで圧縮機容量を段階的に調整することができる。
なお、上記の説明では、圧縮機21が8気筒圧縮機で構成される場合の一例について説明したが、特にこれに限定しない。例えば、圧縮機21は、4気筒圧縮機で構成されていてもよい。この場合には、空調制御装置71は、50%及び100%の何れか一方に圧縮機容量を調整することができる。また、例えば、圧縮機21は、6気筒圧縮機で構成されていてもよい。この場合には、空調制御装置71は、33%、66%、及び100%の何れかで圧縮機容量を調整することができる。
よって、上記で説明した冷媒回路2及び冷媒回路6等を流通する冷媒流量は適宜調整され、無駄に駆動されることがなくなる。したがって、上記で説明した空気調和装置1はエネルギー消費量を削減することができる。この結果、上記で説明した空気調和装置1を備える車両用空気調和システム3〜5、7〜10はエネルギー消費量を削減することができる。
以上の説明から、圧縮機21は、容量が可変な多気筒圧縮機であって、空調制御装置71は、圧縮機21をアンロード運転することで、段階的に前記圧縮機の圧縮機容量を調整する。
上記構成のため、車両用空気調和システム3〜5、7〜10はエネルギー消費量を削減することができる。
実施の形態11.
図14は、本発明の実施の形態11における圧縮機容量の変動例を示す図である。本実施の形態11においては、圧縮機21の圧縮機容量が可変であって、スクリュー圧縮機の場合の圧縮機容量の制御について説明する。
なお、本実施の形態11において、特に記述しない項目については実施の形態1〜実施の形態10と同様とし、同一の機能及び構成については同一の符号を用いて述べることとする。また、実施の形態1〜実施の形態10と同一の機能及び構成についてはその説明を省略する。
図14に示すように、圧縮機21の圧縮機容量が可変であって、圧縮機21がスクリュー圧縮機である場合、図示しないスライド弁が制御されることで、予め決められた範囲で圧縮機容量を無段階で制御できる。
例えば、空調制御装置71は、図示しないスライド弁を予め決められた範囲で制御することで、圧縮機21の吸い込み蒸気の閉じ込み量を調整し、圧縮機容量を調整することができる。
よって、上記で説明した冷媒回路2及び冷媒回路6等を流通する冷媒流量は適宜調整され、無駄に駆動されることがなくなる。したがって、上記で説明した空気調和装置1はエネルギー消費量を削減することができる。この結果、上記で説明した空気調和装置1を備える車両用空気調和システム3〜5、7〜10はエネルギー消費量を削減することができる。
以上の説明から、圧縮機21は、圧縮機容量を制御するスライド弁を備え、圧縮機容量が可変なスクリュー圧縮機であって、空調制御装置71は、スライド弁を制御することで圧縮機21の圧縮機容量を無段階で調整する。
上記構成のため、車両用空気調和システム3〜5、7〜10はエネルギー消費量を削減することができる。
実施の形態12.
図15は、本発明の実施の形態12における圧縮機容量の変動例を示す図である。本実施の形態12においては、圧縮機21の圧縮機容量が可変であって、インバータ圧縮機の場合の圧縮機容量の制御について説明する。
なお、本実施の形態12において、特に記述しない項目については実施の形態1〜実施の形態11と同様とし、同一の機能及び構成については同一の符号を用いて述べることとする。また、実施の形態1と同一の機能及び構成についてはその説明を省略する。
図15に示すように、圧縮機21の圧縮機容量が可変であって、圧縮機21がインバータ圧縮機である場合、圧縮機21の回転速度が制御されることで、予め決められた範囲で圧縮機容量を調整することができる。
例えば、空調制御装置71は、圧縮機21に供給する電源の周波数を変化させることで、圧縮機21の回転速度を制御し、圧縮機容量を調整することができる。
よって、上記で説明した冷媒回路2及び冷媒回路6等を流通する冷媒流量は適宜調整され、無駄に駆動されることがなくなる。したがって、上記で説明した空気調和装置1はエネルギー消費量を削減することができる。この結果、上記で説明した空気調和装置1を備える車両用空気調和システム3〜5、7〜10はエネルギー消費量を削減することができる。
以上の説明から、圧縮機21は、容量が可変なインバータ圧縮機であって、空調制御装置71は、圧縮機21の回転速度を制御することで圧縮機21の圧縮機容量を調整する。
上記構成のため、車両用空気調和システム3〜5、7〜10はエネルギー消費量を削減することができる。
実施の形態13.
図16は、本発明の実施の形態13における空気調和装置11の概略構成の一例を示す図である。図17は、本発明の実施の形態13における冷媒回路16の概略構成の一例を示す図である。本実施の形態13において、実施の形態1〜実施の形態12との相違点は、空気調和装置11に圧縮機21が少なくとも3台設けられている点である。
なお、本実施の形態13において、特に記述しない項目については実施の形態1〜実施の形態12と同様とし、同一の機能及び構成については同一の符号を用いて述べることとする。また、実施の形態1〜実施の形態12と同一の機能及び構成についてはその説明を省略する。
図16に示すように、空気調和装置11には、圧縮機21cがさらに設けられている。図17に示すように、室外熱交換器23a、室外熱交換器23b、室内熱交換器31a、及び室内熱交換器31bのそれぞれの内部に設けられた内部配管は、少なくとも2つの冷凍サイクルのそれぞれの一部を形成している。
具体的には、室外熱交換器23aの内部に設けられた内部配管は、圧縮機21a、室外熱交換器23a、キャピラリチューブ39a_1、キャピラリチューブ39a_2、及び室内熱交換器31aで形成される冷凍サイクルの一部を形成している。
また、室外熱交換器23aの内部に設けられた内部配管は、圧縮機21b、室外熱交換器23a、キャピラリチューブ39a_3、及び室内熱交換器31aで形成される冷凍サイクルの一部を形成している。
また、室外熱交換器23bの内部に設けられた内部配管は、圧縮機21b、室外熱交換器23b、キャピラリチューブ39b_3、及び室内熱交換器31bで形成される冷凍サイクルの一部を形成している。
また、室外熱交換器23bの内部に設けられた内部配管は、圧縮機21c、室外熱交換器23b、キャピラリチューブ39b_1、キャピラリチューブ39b_2、及び室内熱交換器31bで形成される冷凍サイクルの一部を形成している。
また、室内熱交換器31aの内部に設けられた内部配管は、圧縮機21a、室外熱交換器23a、キャピラリチューブ39a_1、キャピラリチューブ39a_2、及び室内熱交換器31aで形成される冷凍サイクルの一部を形成している。
また、室内熱交換器31aの内部に設けられた内部配管は、圧縮機21b、室外熱交換器23a、キャピラリチューブ39a_3、及び室内熱交換器31aで形成される冷凍サイクルの一部を形成している。
また、室内熱交換器31bの内部に設けられた内部配管は、圧縮機21b、室外熱交換器23b、キャピラリチューブ39b_3、及び室内熱交換器31bで形成される冷凍サイクルの一部を形成している。
また、室内熱交換器31bの内部に設けられた内部配管は、圧縮機21c、室外熱交換器23b、キャピラリチューブ39b_1、キャピラリチューブ39b_2、及び室内熱交換器31bで形成される冷凍サイクルの一部を形成している。
換言すれば、室外熱交換器23及び室内熱交換器31は、圧縮機21a、圧縮機21b、及び圧縮機21cのそれぞれを用いて形成される各冷凍サイクルの一部を形成している。そして、各冷凍サイクルは、上記で説明した空調制御装置71でそれぞれ制御され、冷凍サイクルのそれぞれは独立して動作できる。したがって、冷媒回路6は、少なくとも3つの冷凍サイクルを形成することができる。
なお、室内熱交換器31の内部に設けられた内部配管は、本発明における第1内部配管に相当する。また、室外熱交換器23の内部に設けられた内部配管は、本発明における第2内部配管に相当する。
以上で説明したように、本実施の形態13においては、空気調和装置11は、圧縮機21を少なくともさらに1台備え、圧縮機21の台数に応じて冷凍サイクルを独立して形成し、空調制御装置71は、複数の温度センサ37の検出結果に基づいて、冷凍サイクルのそれぞれを制御することで、エリア63毎の前記車内温度を均一に制御する。
上記構成のため、冷媒回路6は、圧縮機21の台数に応じて、少なくとも3つの冷凍サイクルを形成することができる。
なお、実施の形態1〜実施の形態13は、単独で実施されてもよく、組み合わせて実施されてもよい。いずれの場合においても、上記で説明した有利な効果を奏することとなる。
また、実施の形態1〜実施の形態13の何れにおいても、空気調和装置1及び空気調和装置11のそれぞれには、内部に複数の冷凍サイクルが独立して形成され、客室65に設定された各エリア63の車内温度が各冷凍サイクルでそれぞれ制御されることで、簡単な制御であったとしても車内温度を均一化させると共に、ドラフト感が強くなるエリア63をなくすことができる。