JP6149370B2 - 磁区不連続部検出方法 - Google Patents

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Description

本発明は、磁区不連続部検出装置および磁区不連続部検出方法に関する。
電磁鋼板は、透磁率が高くて鉄損が少ないという磁気特性に優れた鋼板である。例えば、方向性電磁鋼板は、変圧器のコアに多く用いられている。変圧器のコアに巻かれた電線に流れる交流電流は、コアの内部に交流磁場を発生させ、一般に鋼板内に交流磁場が与えられた場合には、渦電流損とヒステリシス損とが生じる。電磁鋼板では、これら渦電流損およびヒステリシス損を低減することが要請されている。
鋼板に交流磁場が印加された際の渦電流損の発生は不可避であり、周波数が高いほど渦電流損は大きくなる。一方、この渦電流損に影響を与える因子の一つとして鋼板の磁区の幅があり、この幅が狭いほど、渦電流損を低減することができる。このように鋼板の磁気特性と磁区の形状とは、非常に深い結びつきがあることが知られている。
そこで、方向性電磁鋼板の製造工程では、渦電流損を低減するために、磁区を細分化する手法(磁区細分化処理)が施されている。方向性電磁鋼板の磁区は圧延方向に延びており、この磁区を横切る方向に歪みを入れたり、溝を形成したりすることにより、磁区を細分化することができる(例えば特許文献1参照)。歪みを入れる方法としては、例えばレーザや電子ビームなどを磁区を横切る方向に照射して熱歪みを与える方法が知られている。この磁区細分化処理が適切に施されているか否かを検査するために、磁区構造を観察する技術が知られている(特許文献2参照)。
磁区細分化処理において、レーザや電子ビームの幅、照射角度、パワーの制御は重要であり、鋼板の磁気特性が向上するような範囲に収束するように設定および調整されている。しかしながら、連続操業の間に、電子銃のフィラメントが劣化するなどの要因により、レーザや電子ビームが所望の強度および位置で照射されないことがあり、規定の磁気特性を満たさない製品が作成されることとなる。そこで、磁区細分化処理の結果を検査するために、磁区の形状および磁区不連続部などの磁区構造を検査する検査技術が知られている(特許文献2参照)。
特開2012−52230号公報 特開2007−101519号公報
しかしながら、特許文献2に記載さたような従来の検査技術では、磁性粉が溶液中を移動して磁区構造を反映した像を形成するのに時間が必要である。このため、磁区細分化処理にて不具合が発生した場合でも、その不具合が検出されるまでに長時間を要するため、不適合品を製造し続けることによる歩留まりの低下が発生してしまう。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、その目的は、磁区細分化処理により形成される磁区不連続部の輪郭を明瞭化することができる磁区不連続部検出装置および磁区不連続部検出方法を提供することにある。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる磁区不連続部検出装置は、鋼板の表面に接触または近接し、前記鋼板の磁区構造が転写されることにより、前記磁区構造を光学特性へ変換する磁気光学素子と、前記鋼板に関して前記磁気光学素子の反対側に配置され、前記鋼板を磁化する磁化器と、前記磁気光学素子に直線偏光を照射する光源と、前記磁気光学素子に照射された直線偏光が、前記磁気光学素子に転写された前記鋼板の磁区構造によって偏光面を回転された直線偏光を検出する検出器とを備えることを特徴とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる磁区不連続部検出方法は、磁区構造を光学特性へ変換する磁気光学素子を鋼板の表面に接触または近接し、前記鋼板の磁区構造を前記磁気光学素子に転写する転写ステップと、前記鋼板に関して前記磁気光学素子の反対側に配置される磁化器により、前記鋼板を磁化する磁化ステップと、前記磁気光学素子に直線偏光を照射する照射ステップと、前記磁気光学素子にて反射する直線偏光の偏光面の回転を検出する検出ステップと、前記直線偏光の偏光面の回転から前記鋼板の磁区不連続部を検出する検出ステップとを含むことを特徴とする。
本発明にかかる磁区不連続部検出装置および磁区不連続部検出方法は、磁区細分化処理により形成される磁区不連続部の輪郭を明瞭化することができるという効果を奏する。
図1は、本発明の実施形態にかかる磁区不連続部検出装置の基本構成を示す模式図である。 図2は、磁気光学素子の構成例を示す断面図である。 図3は、磁化器と磁気光学素子が接触または近接する鋼板の表面上の検査領域Rとの関係を示す透過平面図である。 図4は、磁化器による磁化を行わない状態における検査画像である。 図5は、角度θ=0°で磁化器による磁化を行った状態における検査画像である。 図6は、角度θ=50°で磁化器による磁化を行った状態における検査画像である。 図7は、圧延方向と磁化方向のなす角度に対する検査画像のS/N値のグラフである。 図8は、第1構成例にかかる磁区不連続部検出装置を示す概略構成図である。 図9は、固定治具の構成例を示す部分構成図である。 図10は、第1構成例にかかる磁区不連続部検出装置の断面図である。 図11は、第1構成例にかかる磁区不連続部検出装置における磁気光学素子の近傍のみを抽出した模式図である。 図12は、第2構成例にかかる磁区不連続部検出装置の検査ユニットの内部構成例を示す模式図である。 図13は、磁区不連続部検出装置の駆動機構の側面図である。 図14は、磁区不連続部検出装置の駆動機構の上面図である。
以下に、本発明の実施形態にかかる磁区不連続部検出装置および磁区不連続部検出方法を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態により本発明が限定されるものではない。
〔基本構成〕
図1は、本発明の実施形態にかかる磁区不連続部検出装置1の基本構成を示す模式図である。図1に示されるように、本発明の実施形態にかかる磁区不連続部検出装置1は、鋼板Sの表面に接触または近接し、鋼板Sの磁区構造を光学特性へ変換する磁気光学素子2と、鋼板Sに関して磁気光学素子2の反対側に配置され、鋼板Sを磁化する磁化器3とを備える。さらに、磁化器3は、鋼板Sの圧延方向に対する磁化方向を調整するための回転機構4を有する。
また、本発明の実施形態にかかる磁区不連続部検出装置1は、磁気光学素子2に直線偏光を照射して磁気光学素子2から反射される反射偏光を検出する落射光学系を備える。すなわち、磁区不連続部検出装置1は、落射光学系として、光源5と、コリメータレンズ6と、偏光子(偏光フィルター)7と、ハーフミラー8と、検光子(偏光フィルター)9と、検出器10と、を備える。
磁気光学素子2は、ファラデー効果と呼ばれる磁気光学効果により鋼板Sの磁区構造を光学特性へ変換する素子である。ファラデー効果とは、直線偏光を物質に透過させたときに、その物質が感じる磁場によって偏光面が回転する効果であり、このファラデー効果を奏する代表的な物質として磁性ガーネットが挙げられる。
光源5は、磁気光学素子2に直線偏光を照射するためのものであり、例えば半導体レーザ光源またはLED光源など一般的光源が用いられる。光源2は、直接的に偏光を射出する光源である必要はなく、偏光子(偏光フィルター)7と組合わせて磁気光学素子2に照射する直線偏光を発生させる。また、光源5は、偏光を平行光として射出し得るように、コリメータレンズ6など光学素子と組合わせて用いられている。
偏光子7は、光源5から射出された光線を直線偏光に変換する偏光フィルターである。偏光子7は、検光子9との相対的角度を調整することにより、検出器10にて検出される偏光の調整を行う。すなわち、偏光子7は、回転機構を有し、直線偏光の偏光面の角度を調整することができる。なお、検光子9に回転機構を有した場合、偏光子7における回転機構は省略可能である。
ハーフミラー8は、偏光子7を透過した直線偏光を磁気光学素子2へ導き、磁気光学素子2から反射される反射偏光を検出器10へ導く光路分割手段である。検光子9は、先述の偏光子7との相対的角度を調整することにより、検出器10にて検出される偏光の調整を行う。検出器10は、いわゆるCCDカメラまたはCMOSカメラなど一般的な2次元画像取得装置である。検出器10にて検出された画像は、PC等の別途の画像処理手段11により適切な画像処理を施される。
なお、図1には図示されないレンズ等の光学素子より、磁気光学素子2に照射される際の光束径が磁気光学素子2の大きさに一致するように調整されている。さらに、磁気光学素子2から検出器10までの光学系は、テレセントリック光学系となっている。
図2は、磁気光学素子2の構成例を示す断面図である。図2に示されるように、磁気光学素子2は、鋼板Sに面する方向から順に、保護膜2a、反射膜2b、磁気光学膜2c、および基板2dにより構成される。なお、磁気光学膜2cは、磁性ガーネットを組成に含むことが好ましい。この磁気光学素子2に照射される偏光は、基板2dに入射され、磁気光学膜2cを透過し、反射膜2bにて反射した後、再度磁気光学膜2cおよび基板2dを透過して、磁気光学素子2から射出される。
次に、図3〜7を参照しながら磁化器3および回転機構4の作用および効果について説明する。
図3は、磁化器3と磁気光学素子2が接触または近接する鋼板Sの表面上の検査領域Rとの関係を示す透過平面図である。図3は、鋼板Sを座標平面とした場合に、鋼板Sの表面の検査領域Rと裏面の磁化器3との当該座標平面に関する位置関係を示している。なお、当該座標平面の横軸は鋼板Sの圧延方向であり、縦軸は鋼板Sの幅方向である。
図3に示されるように、検査領域Rの中心と磁化器3の中心とは、当該座標平面に関して一致している。一方で、検査領域Rは、当該座標平面に関して傾いていないが、磁化器3は、当該座標平面に関して傾いている。すなわち、磁化器3は、鋼板Sの圧延方向に関して角度をなして磁化している。なお、鋼板Sの圧延方向は主磁区の方向に一致しているので、磁化器3は、鋼板Sの主磁区方向に関して角度をなして磁化していることと同値である。以下、鋼板Sの圧延方向と磁化器3による磁化方向とのなす角度をθとする。また、磁化器3は、鋼板Sの圧延方向に対する磁化方向を調整するための回転機構4により、角度θの調整が可能である。
また、磁化器3は、検査領域Rに比較して大きいものを用いている。鋼板Sの検査領域R内を均質に磁化するためである。例えば、磁化器3は、検査領域Rの大きさの2倍以上のものを用いるのが好ましい。検査領域Rが10mm平方である場合、磁化器3の磁極間距離は、20mm以上であり、磁極幅は、20mm以上とする。
図4〜6は、検査領域Rにおける検査画像の例を示す画像である。図4は、磁化器3による磁化を行わない状態における検査画像であり、図5は、角度θ=0°で磁化器3による磁化を行った状態における検査画像であり、図6は、角度θ=50°で磁化器3による磁化を行った状態における検査画像である。なお、図4〜6に示される検査画像の取得に際し、光源5は、波長505nmの緑色LEDが用いられ、図5および図6に示される検査画像の取得に際し、磁化器3による磁化は、20ガウスの磁場を印加することにより行われた。
図4に示されるように、磁区細分化処理が施された鋼板Sにおいて磁化を行わない状態における検査画像では、主磁区と磁区不連続部とが接する部分で磁区不連続部の輪郭が不明瞭になってしまう。したがって、磁区不連続部の輪郭が不明瞭になってしまうことにより、所望の位置および幅に電子ビームが照射できているか否かを判断することが困難である。
一方、図5に示されるように、磁化器3による磁化を行った状態における検査画像では、検査画像から主磁区のみが消失し、磁区不連続部の輪郭が明瞭化される。さらに、図6に示されるように、角度θ=50°で磁化器3による磁化を行った状態における検査画像では、磁区不連続部の輪郭がより明瞭化される。
したがって、本発明の実施形態にかかる磁区不連続部検出装置1は、磁化器3による磁化を行った状態で鋼板Sの検査を行うことにより、磁区不連続部の輪郭を明瞭化することができ、磁区不連続部の位置および幅を高精度で測定することができる。すなわち、本発明の実施形態にかかる磁区不連続部検出装置1は、磁区不連続部の位置および幅を高精度で測定することができるので、所望の位置および幅に電子ビームが照射できているか否かの判断が正確になる。
図7は、圧延方向と磁化方向のなす角度に対する検査画像のS/N値のグラフである。上記のように、図7に示されるグラフは、磁区細分化処理が施された鋼板Sにおいて、圧延方向と磁化方向のなす角度を変化させながら、磁化器3により20ガウスの磁場を鋼板Sに印加することにより磁化を行った状態での検査画像のS/N値を表している。ここで、検査画像のS/N値は、磁区不連続部周囲の輝度値の平均をノイズ(N)とし、磁区不連続部の端部における輝度値の最大値または最小値をシグナル(S)とした。
図7に示されるように、圧延方向と磁化方向のなす角度を変化した場合、検査画像のS/N値も変化する。角度θが0°である場合、検査画像のS/N値は実用に耐え得る値であるが、最良の値とはなっていない。図7に示される例では、検査画像のS/N値が最良となるのは、角度θが50°である。実際、図5および図6に示される検査画像を見比べると、図6に示された角度θが50°である場合の検査画像の方が、磁区不連続部の輪郭はより明瞭化されている。
一方、図7に示される検査画像のS/N値のグラフは、鋼板Sの鋼種および板厚によって変化し、S/N値が最良となる角度も異なる。したがって、本発明の実施形態にかかる磁区不連続部検出装置1は、磁化器3による磁化方向の鋼板Sの圧延方向に対する角度を固定せず、回転機構4により調整可能な構成としている。実際の運用としては、例えば、製造予定の鋼板Sについて事前に実験および理論検討を行い、S/N値が最良となる角度θを決定し、この角度θを用いて回転機構4により磁化器3による磁化方向の鋼板Sの圧延方向に対する角度を調整する方法が考えられる。
以下、上記説明した本発明の実施形態にかかる磁区不連続部検出装置1の基本構成を満たす磁区不連続部検出装置1の構成例について説明する。なお、以下に説明する構成例は、板幅方向に1つの検査領域を有する磁区不連続部検出装置1であるが、板幅方向に複数の検査領域を有する構成にも容易に拡張可能である。この場合、磁化器3を板幅方向に複数台設置するなどの方法により、鋼板Sを均質に磁化する。
〔第1構成例〕
磁区不連続部検出装置1の第1構成例は、磁気光学素子2を鋼板Sの表面に近接させた構成である。すなわち、磁気光学素子2は、鋼板Sの表面に接触または近接させることにより、鋼板Sの磁区構造を光学特性へ変換するのだが、第1構成例では、鋼板Sの表面に接触させずに近接させるに留める。したがって、第1構成例にかかる磁区不連続部検出装置1は、鋼板Sを通板しながら磁区不連続部の検出が実行可能である。
図8は、第1構成例にかかる磁区不連続部検出装置1を示す概略構成図である。図8に示されるように、第1構成例にかかる磁区不連続部検出装置1は、鋼板Sの製造ラインの板幅方向に架渡された中心軸15と、鋼板Sと中心軸15との距離が一定となるように鋼板Sを押え付けながら中心軸15を中心に回転するロール12とを備える。
さらに、第1構成例にかかる磁区不連続部検出装置1は、鋼板Sに近接され、鋼板Sの磁区構造を光学特性へ変換する磁気光学素子2と、中心軸15に固定され、磁気光学素子2を中心軸15から一定の距離に保つ固定治具14とを備える。
図8に示されるように、第1構成例にかかる磁区不連続部検出装置1では、中心軸15が鋼板Sの製造ラインの板幅方向に架渡されて、軸受16により固定されている。すなわち、中心軸15は、それ自身が回転することはなく、ロール12のみが中心軸15を中心に回転する。
ロール12は、半径が一定であることにより、鋼板Sと中心軸15との距離を一定に保ちながら回転する。一方、図8に示されるように、鋼板Sに関してロール12の反対側に、鋼板Sの垂れ下がり防止のためのロール13を設ける。鋼板Sを押え付けるロール12と垂れ下がり防止のためのロール13とにより鋼板Sを表裏から保持することにより、より安定的に鋼板Sと中心軸15との距離が一定に保たれる。
図9は、固定治具14の構成例を示す部分構成図である。図9に示されるように、固定治具14は、中心軸15に固定され、磁気光学素子2を中心軸15から一定の距離に保つ機能を有する。さらに、固定治具14は、光源5、偏光子(偏光フィルター)7、ハーフミラー8、検光子(偏光フィルター)9、および検出器10を保持する機能を有する。また、磁気光学素子2を保持するホルダ17は、磁気光学素子2と中心軸15との距離を微調整するための調節機構を備えている。
図10は、第1構成例にかかる磁区不連続部検出装置1の断面図である。図10に示されるように、第1構成例にかかる磁区不連続部検出装置1では、固定治具14により磁気光学素子2が中心軸15から一定の距離に保たれ、その一定の距離は、ロール12の半径より若干短い。例えば、この中心軸15から磁気光学素子2までの距離とロール12の半径との差は、100μmである。第1構成例にかかる磁区不連続部検出装置1は、上述のような構成を有することにより、ロール12の回転によらずに、鋼板Sと磁気光学素子2との間が近接した状態、つまり100μmの距離を保つことができる。
また、第1構成例にかかる磁区不連続部検出装置1では、垂れ下がり防止のためのロール13の内部に磁化器3を設置している。ロール13は、非磁性材料で製作され、磁化器3が発生する磁場は、ロール13を透過して鋼板Sを磁化する。さらに、鋼板Sの圧延方向に対する磁化方向を調整するための回転機構もロール13の内部に設置する。
次に、図11を参照しながら、第1構成例にかかる磁区不連続部検出装置1における磁気光学素子2の作用について説明する。図11は、第1構成例にかかる磁区不連続部検出装置1における磁気光学素子2の近傍のみを抽出した模式図である。なお、図11では、記載を容易にするために作用の説明に必要とされない構成要素は省略されている。
図11に示されるように、磁気光学素子2の反射膜2bおよび磁気光学膜2cは、鋼板Sに近接されて配置しているが、鋼板Sとは接触していない。一方、鋼板Sは、ロール12により磁気光学素子2の両側にて押し付けられている。したがって、ロール12の回転に伴って鋼板Sは製造ライン上を通板することができるが、磁気光学素子2は、鋼板Sに近接された状態を維持される。
上記のように、磁気光学素子2が鋼板Sに近接した状態では、鋼板2の磁区構造が磁気光学膜2cに転写される。そして、磁気光学素子2に対して磁気光学膜2c側から入射された偏光Pは、反射膜2bにて反射されて磁気光学素子2から射出する間に、磁気光学膜2c内を往復する。結果、偏光Pは、磁気光学膜2cによるファラデー効果により偏光面が回転する。なお、上記のように、偏光Pを反射膜2bにて反射されて磁気光学膜2c内を往復させることにより、偏光Pの偏光面の回転量は増幅される。
〔第2構成例〕
磁区不連続部検出装置1の第2構成例は、磁気光学素子2を鋼板Sの表面に接触させる構成である。第2構成例は、鋼板Sの製造ラインの一時停止時に、検査ユニットを駆動することにより、鋼板Sに接触して磁区不連続部の検出を行う構成である。
図12は、第2構成例にかかる磁区不連続部検出装置1の検査ユニット18の内部構成例を示す模式図である。図12に示されるように、検査ユニット18は、鋼板Sの磁区構造を光学特性へ変換する磁気光学素子2と、磁気光学素子2を弾性体を介して検査ユニット18に固定するホルダ17と、磁気光学素子2に直線偏光を照射して磁気光学素子2から反射される反射偏光を検出する落射光学系を備える。すなわち、検査ユニット18は、落射光学系として、光源5と、コリメータレンズ6と、偏光子(偏光フィルター)7と、ハーフミラー8と、検光子(偏光フィルター)9と、検出器10とを備える。
第2構成例にかかる磁区不連続部検出装置1では、検査ユニット18を駆動することにより、磁気光学素子2が、鋼板Sの検査領域Rに接触し、鋼板Sの磁区構造が磁気光学素子2に転写され、磁気光学素子2に照射される偏光の偏光面が回転する。なお、ホルダ17は、検査ユニット18を駆動して磁気光学素子2を鋼板Sに接触させる際の衝撃を和らげるために、弾性体を介して磁気光学素子2を検査ユニット18に固定している。
また、第2構成例にかかる磁区不連続部検出装置1では、垂れ下がり防止のためのロール13の内部に磁化器3を設置している。ロール13は、非磁性材料で製作され、磁化器3が発生する磁場は、ロール13を透過して鋼板Sを磁化する。さらに、鋼板Sの圧延方向に対する磁化方向を調整するための回転機構もロール13の内部に設置する。
図13および図14は、第2構成例にかかる磁区不連続部検出装置1の駆動方式を説明する概略構成図である。図13は、磁区不連続部検出装置1の駆動機構の側面図であり、図14は、磁区不連続部検出装置1の駆動機構の上面図である。
図13および図14に示されるように、第2構成例にかかる磁区不連続部検出装置1では、鋼板Sの製造ラインの両脇に垂置されたレール19に沿って検査ユニット18が上下移動可能となっている。検査ユニット18は、車輪20によりレール19上を移動可能に設置されており、車輪20の車軸22には、それぞれモータ23が設けられている。検査ユニット18は、モータ23の回転駆動によりレール19に沿って上下移動する。
図13および図14に示されるように、検査ユニット18は、近接センサー21を備えている。近接センサー21は、検査ユニット18と鋼板Sの表面との距離を測定するためのセンサーである。第2構成例にかかる磁区不連続部検出装置1は、検査ユニット18が下降して磁気光学素子2を鋼板Sの表面に接触させる際に、鋼板Sの表面および磁気光学素子2が衝突により損傷を受けないように、鋼板Sの近傍では低速で降下する。近接センサー21は、検査ユニット18の降下速度を低速に変更すべき高さを検知する。
なお、図13および図14に示される駆動機構は、第2構成例にかかる磁区不連続部検出装置1に適用可能な一例に過ぎない。したがって、図13および図14に示される駆動機構に限らず、ウィンチ式など他の機構を採用することも可能である。また、図13および図14に示される駆動機構は、検査ユニット18を一体として駆動しているが、検査ユニット18に含まれる一部の構成要素、例えば磁気光学素子2およびホルダ17のみを駆動する構成とすることも可能である。
以上より、本発明の実施形態にかかる磁区不連続部検出装置1は、鋼板Sの表面に接触または近接し、鋼板Sの磁区構造が転写されることにより、その磁区構造を光学特性へ変換する磁気光学素子2と、鋼板Sに関して磁気光学素子2の反対側に配置され、鋼板Sを磁化する磁化器3と、磁気光学素子2に直線偏光を照射する光源5と、磁気光学素子2に照射された直線偏光が、磁気光学素子2に転写された鋼板Sの磁区構造によって偏光面を回転された直線偏光を検出する検出器10とを備えるので、磁区細分化処理により形成される磁区不連続部の輪郭を明瞭化することができる。
また、本発明の実施形態にかかる磁区不連続部検出装置1の磁化器3は、鋼板Sの圧延方向に対する磁化方向を調整するための回転機構4を有するので、検査画像のS/N値が最良となる磁化方向となるように調整可能である。
また、本発明の実施形態にかかる磁気光学素子2は、鋼板Sに面する方向から順に、保護膜2a、反射膜2b、磁気光学膜2c、および基板2dにより構成され、直線偏光が、基板2d側から入射され、反射膜2bにて反射されるので、入射された直線偏光が磁気光学膜2cを往復することにより、ファラデー効果を2倍得ることができる。また、磁気光学膜2cは、磁性ガーネットを組成に含むことが好ましい。
1 磁区不連続部検出装置
2 磁気光学素子
2a 保護膜
2b 反射膜
2c 磁気光学膜
2d 基板
3 磁化器
4 回転機構
5 光源
6 コリメータレンズ
7 偏光子
8 ハーフミラー
9 検光子
10 検出器
11 画像処理手段
12 ロール
13 ロール
14 固定治具
15 中心軸
16 軸受け
17 ホルダ
18 検査ユニット
19 レール
20 車輪
21 近接センサー
22 車軸
23 モータ

Claims (3)

  1. 磁区構造を光学特性へ変換する磁気光学素子を鋼板の表面に接触または近接し、前記鋼板の磁区構造を前記磁気光学素子に転写する転写ステップと、
    前記鋼板に関して前記磁気光学素子の反対側に配置される磁化器により、前記鋼板を磁化する磁化ステップと、
    前記磁気光学素子に直線偏光を照射する照射ステップと、
    前記磁気光学素子にて反射する直線偏光の偏光面の回転を検出する検出ステップと、
    前記直線偏光の偏光面の回転から前記鋼板の磁区不連続部を検出する検出ステップと、
    を含み、
    前記磁化器は、前記鋼板の圧延方向に対する磁化方向を調整するための回転機構を用いて、事前の実験および理論検討により決定された角度にされる、
    ことを特徴とする磁区不連続部検出方法。
  2. 前記磁気光学素子は、前記鋼板に面する方向から順に、保護膜、反射膜、磁気光学膜、および基板により構成され、
    前記直線偏光は、前記基板側から入射され、前記反射膜にて反射される、
    ことを特徴とする請求項に記載の磁区不連続部検出方法。
  3. 前記磁気光学膜は、磁性ガーネットを組成に含むことを特徴とする請求項に記載の磁区不連続部検出方法。
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