JP6148741B2 - ホースクランプ - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、自動車の配管どうしを、ホースを用いて接続する際に用いられるホースクランプに関する。
従来、自動車の配管どうしを、ホースを用いて接続する際には、パイプ状をなす配管の端部外周に可撓性のホースを被せ、このホース外周を更にホースクランプによって締付けることによって、配管にホースを固定する方法が広く用いられている。
例えば、下記特許文献1には、環状の板ばね本体を有し、その一端部に周方向に沿ったスリット及び外径方向に突出したアーチ状の第1ツマミ片が形成され、他端部にスリットに差し込まれて周方向にスライドする差込片が形成され、その端部から半径方向外方に第2ツマミ片が突出し、アーチ状の第1ツマミ片の内側からは、第2ツマミ片に向かってフック状の係止片が延出し、更に第2ツマミ片には、係止片が係合したときに、その係合状態を保持するストッパ部を設けた、ホースクランプが記載されている。
そして、プライヤ等の工具で両ツマミ片を把持して周方向に近接させ、第1ツマミ片の係止片を第2ツマミ片に係合させて、ストッパ部で保持することで、板ばね本体が拡径した状態に維持される。この状態のホースクランプをホース外周に配置した後、一対のツマミ片を周方向に近接させ、フック状の係止片を第2ツマミ片のストッパ部から外すことで、板ばね本体が弾性復帰してホースが締付固定されるようになっている。なお、板ばね本体を自由状態から拡径させるとき又は拡径状態から縮径させるときには、スリット内を差し込み片がスライドすると共に、フック状の係止片が差込み片の側方をすれ違うように移動する。
国際公開WO2010/092702号パンフレット
ところで、自動車の配管は、エンジンルームや、燃料タンク周辺、床下等の比較的スペースに余裕がない箇所に配設されることが多く、レイアウトが制限されやすい傾向にあった。このため、配管どうしを接続するホースクランプもよりコンパクトにすることが求められていた。
しかし、上記特許文献1のホースクランプにおいて、コンパクト化のため、ホースクランプの板ばね本体の板幅を狭くすると、第1ツマミ片に形成したスリット幅が狭くなる。そして、スリット幅を狭くすると、板ばね本体の拡径・縮径時に、フック状の係止片が差込み片の側方をすれ違うように移動するために必要な、係止片と差込み片とのクリアランスを確保できなくなるので、係止片自体を幅狭にせざるを得ず、その結果、係止片の強度が低下して、第2ツマミ片との係合状態をしっかりと維持することができなくなる可能性があった。
したがって、本発明の目的は、板ばね本体を幅狭にしてクランプのコンパクト化を図ることができると共に、係止片等の強度も十分に維持できるようにした、ホースクランプを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明のホースクランプは、環状に湾曲されて形成された板ばね本体を有し、この板ばね本体の一端部に、周方向に沿って形成されたスリットと、半径方向外方に向けて屈曲した第1ツマミ片とが形成され、前記板ばね本体の他端部には、前記スリットに差し込まれ、該スリット内を周方向にスライド可能とされた差込片と、該差込片の端部から半径方向外方に向けて屈曲し、前記第1ツマミ片に対向して配設された第2ツマミ片とが形成され、前記板ばね本体が縮径した自由状態から前記第1ツマミ片及び前記第2ツマミ片を近接させると、前記板ばね本体がその弾性力に抗して拡径するように構成されたホースクランプにおいて、前記第1ツマミ片には、該第1ツマミ片から延出して、前記第2ツマミ片に向かって周方向に伸びると共に、前記板ばね本体の幅方向に突出して、前記第2ツマミ片の、第1ツマミ片に対向する面とは反対側の面に係合できる係止部が設けられた係止片が形成され、前記第2ツマミ片には、前記第1ツマミ片に対向する面とは反対側の面に、前記係止片の係止部が係合したときに、その状態を保持する係合保持部が形成され、前記板ばね本体が縮径した自由状態で半径方向外方から見たときに、前記第1ツマミ片、前記第2ツマミ片、及び前記係止片の少なくとも1つが、前記板ばね本体の幅方向中心線と直角な方向に対して傾斜した角度で屈曲され、前記係止片の、前記幅方向中心線側の側面と、前記第2ツマミ片の前記係合保持部が形成された領域の、前記幅方向中心線側の側面とが離れるように、前記幅方向の外方に向けて延出していることを特徴とする。
本発明のホースクランプにおいては、前記板ばね本体が縮径した自由状態で半径方向外方から見たときに、前記第1ツマミ片及び/又は前記第2ツマミ片が、前記板ばね本体の幅方向中心線と直角な方向に対して傾斜した角度で屈曲され、前記係止片と前記係合部とが離れるように、前記幅方向の外方に向けて延出していることが好ましい。
本発明のホースクランプにおいては、前記板ばね本体が縮径した自由状態で半径方向外方から見たときに、前記係止片が、前記板ばね本体の幅方向中心線と直角な方向に対して傾斜した角度で屈曲され、前記係止片と前記係合部とが離れるように、前記幅方向の外方に向けて延出していることが好ましい。
本発明のホースクランプにおいては、前記第1ツマミ片、前記第2ツマミ片、及び前記係止片の屈曲角度は、前記係止片が、前記板ばね本体の幅方向の一側部外縁から突出しないように設定されていることが好ましい。
本発明のホースクランプにおいては、前記第1ツマミ片及び前記第2ツマミ片が、前記板ばね本体の幅方向中心線と直角な方向に対して、同じ傾斜角度で屈曲されていることが好ましい。
本発明のホースクランプにおいては、前記第2ツマミ片が、前記板ばね本体の幅方向中心線と直角な方向に対して傾斜した角度で屈曲されており、同第2ツマミ片に形成された係合保持部は、凹部又は孔からなることが好ましい。
本発明のホースクランプのもう一つは、環状に湾曲されて形成された板ばね本体を有し、この板ばね本体の一端部に、周方向に沿って形成されたスリットと、半径方向外方に向けて屈曲した第1ツマミ片とが形成され、前記板ばね本体の他端部には、前記スリットに差し込まれ、該スリット内を周方向にスライド可能とされた差込片と、該差込片の端部から半径方向外方に向けて屈曲し、前記第1ツマミ片に対向して配設された第2ツマミ片とが形成され、前記板ばね本体が縮径した自由状態から前記第1ツマミ片及び前記第2ツマミ片を近接させると、前記板ばね本体がその弾性力に抗して拡径するように構成されたホースクランプにおいて、前記板ばね本体の他端部に、前記第1ツマミ片に係合できる係止部が設けられた係止片が形成され、前記第1ツマミ片に、前記係止片の係止部が係合したときに、その状態を保持する係合保持部が形成され、前記板ばね本体が縮径した自由状態で半径方向外方から見たときに、前記第1ツマミ片、前記第2ツマミ片の少なくとも1つが、前記板ばね本体の幅方向中心線と直角な方向に対して傾斜した角度で屈曲されていることを特徴とする。
上記本発明のもう一つのホースクランプにおいては、前記係止片は、前記板ばね本体の他端部に設けた前記差込片の、一部を切り起こして形成され、その先端部が前記係止部をなしており、該係止部が係合する前記係合保持部は、前記第1ツマミ片の、第2ツマミ片に対向する面とは反対側の面に形成されていることが好ましい。
上記本発明のもう一つのホースクランプにおいては、前記板ばね本体が縮径した自由状態で半径方向外方から見たときに、前記係止片は、前記第1ツマミ片の係合保持部が設けられた部分とは、前記板ばね本体の幅方向反対側の側部に設けられていることが好ましい。
本発明によれば、板ばね本体が縮径した自由状態から弾性力に抗して第1ツマミ片及び第2ツマミ片を近接させ、係止片を幅方向に寄せてその係止部を第2ツマミ片の反対面に係合させることで、係合保持部によりその係合状態が保持されて、板ばね本体の両端部が幅方向に撓んだ状態で、拡径した状態に維持することができる。この状態でホース外周にホースクランプを配置し、プライヤ等の工具で、第1ツマミ片と第2ツマミ片とを摘んで近接させ、係止片の係止部を係合保持部に対して幅方向にずらし、係止片の係止部と係合保持部との係合を解除した後、第1ツマミ片と第2ツマミ片とを離すことにより、板ばね本体の弾性復元力により差込片がスリット内をスライドして、板ばね本体が縮径し、ホースを締付けてパイプ等に固定することができる。
そして、板ばね本体が縮径した自由状態で半径方向外方から見たときに、第1ツマミ片、第2ツマミ片、及び係止片の少なくとも1つが、板ばね本体の幅方向中心線と直角な方向に対して傾斜した角度で屈曲され、係止片の幅方向中心線側の側面と、第2ツマミ片の係合保持部が形成された領域の、幅方向中心線側の側面とが離れるように、前記幅方向の外方に向けて延出しているので、板ばね本体の幅を小さくして、差込片がスライド移動するスリットの幅が小さくなっても、第2ツマミ片の係合保持部が形成された領域の側面と、その側方をすれ違って移動する係止片の側面とのクリアランスを保持しつつ、係止片の幅を確保して十分な剛性を得ることができる。その結果、クランプのコンパクト化を図りつつ、係止片の係止部が係合保持部に係合して、板ばね本体が拡径した状態にしっかりと維持することができる。
また、本発明のもう一つのホースクランプにおいては、第1ツマミ片や第2ツマミ片が、板ばね本体の幅方向中心線と直角な方向に対して傾斜した角度で屈曲しているため、係止片を係合保持部に係合させて拡径保持された状態から、第1ツマミ片と第2ツマミ片とを摘んで近接させると、第1ツマミ片や第2ツマミ片が、板ばね本体の幅方向において互いに離れる方向に移動するので、スリット内部に、係止片の係止部と係合保持部との係合解除を補助する構造を設けなくとも、係止片の係止部と係合保持部との係合解除をスムーズに行うことができる。その結果、板ばね本体の幅を狭くすることができ、かつ、係止片の幅を確保して十分な剛性を得ることができるので、クランプのコンパクト化を図りつつ、係止片の係止部が係合保持部に係合して、板ばね本体が拡径した状態にしっかりと維持することができる。
本発明に係るホースクランプの一実施形態を示しており、縮径状態での斜視図である。 同ホースクランプの縮径状態における平面図である。 同ホースクランプを平面状に展開した状態を示す説明図である。 同ホースクランプの係止片を第2ツマミ片に係合させて拡径した状態の斜視図である。 同ホースクランプの拡径状態における要部拡大斜視図である。 同ホースクランプの拡径状態における正面図である。 同ホースクランプの拡径状態における平面図である。 同ホースクランプの拡径状態における左側面図である。 同ホースクランプの拡径状態における右側面図である。 本発明に係るホースクランプの他の実施形態を示しており、縮径状態での斜視図である。 同ホースクランプの縮径状態における平面図である。 同ホースクランプを平面状に展開した状態を示す説明図である。 同ホースクランプの係止片を第2ツマミ片に係合させて拡径した状態の斜視図である。 同ホースクランプの拡径状態における要部拡大斜視図である。 同ホースクランプの拡径状態における平面図である。 本発明に係るホースクランプの、更に他の実施形態を示しており、縮径状態での斜視図である。 同ホースクランプの縮径状態における平面図である。 同ホースクランプの係止片を第2ツマミ片に係合させて拡径した状態の斜視図である。 同ホースクランプの拡径状態における要部拡大斜視図である。 同ホースクランプの拡径状態における平面図である。 同ホースクランプの拡径状態から、係止片と第2ツマミ片との係合を解除した状態の斜視図である。 同ホースクランプの変形例を示す、要部拡大平面図である。 同ホースクランプの他の変形例を示す、要部拡大平面図である。
以下、図1〜10を参照して、本発明に係るホースクランプの一実施形態について説明する。
図1及び図4に示すように、本発明のホースクランプ10(以下、「クランプ10」という)は、パイプ状をなす配管Pの一端部に被せられたホースHの外周を締付けて、配管PにホースHを固定するために用いられるものである。
この実施形態におけるクランプ10は、図3に示すような帯状の金属板を所定形状に打抜き屈曲させることにより形成されるもので、環状に湾曲されて形成された板ばね本体15を有している。
板ばね本体15の一端部には、周方向に沿って所定長さでスリット18が形成されている。このスリット18の先端側で板ばね本体15の一端部が折曲されることで、半径方向外方に突出すると共に、アーチ形状をなす第1ツマミ片20が形成されている。
一方、板ばね本体15の他端部には、前記スリット18内に差し込まれると共に、板ばね本体15が拡径又は縮径したときに、スリット18内を周方向にスライドする差込片35が形成されている。この差込片35の先端よりやや手前の部分は、前記係止片25側に向く一側部36が、板ばね本体15の幅方向中心線Cにほぼ一致する位置まで切欠かれている。
そして、この一側部36を含む差込片35の端部が板ばね本体15の半径方向外方に折曲されて、前記第1ツマミ片20に対向して配設された第2ツマミ片40が形成されている。この第2ツマミ片40の突出した先端部からは、板ばね本体15の幅方向一側(係止片25に近づく向き)へ向けて突片41が突設されており、工具Tで第2ツマミ片40を摘まみやすくなっている。
板ばね本体15は、その自由状態で、第1ツマミ片20と第2ツマミ片40とが周方向に離れて縮径し(図1及び図2参照)、板ばね本体15の弾性力に抗して、第1ツマミ片20と第2ツマミ片40とを周方向に近接させたときに、拡径するように構成されている(図4〜9参照)。なお、板ばね本体15の周方向中間部には、複数の長孔17が形成されており、応力分布の均一化が図られている(図1及び図3参照)。
図1,2,5に示すように、前記第1ツマミ片20には、折り曲げ部23を介して前記第2ツマミ片40に係合する係止片25が形成されている。具体的には、アーチ状をなした第1ツマミ片20の上壁部21の、幅方向一側部寄りの下面から基部27が延出し、その下端部から折り曲げ部23を介して、係止片25が第2ツマミ片40に向かって周方向に延設されている。
この係止片25の延出方向の最先端部25aは、円弧状に丸みを帯びた形状をなすと共に(図2参照)、同最先端部25aを含む係止片25の先端部は、板ばね本体15の半径方向内方側に向けて屈曲しており(図6参照)、係止片25の最先端部25aをプライヤやペンチ等の工具T(図6参照)で誤って摘んでしまうことが防止されるようになっている。
また、係止片25の基部27の、板ばね本体15の幅方向中心側の側縁には、第1ツマミ片20側に向けて幅方向に広がるテーパ部27aが形成されている(図2及び図3参照)。このテーパ部27aは、板ばね本体15が拡径した状態から(図5及び図7参照)、第1ツマミ片20と第2ツマミ片40とを近接させたとき、第2ツマミ片40に接触して、同第2ツマミ片40を係止片25から離れるように幅方向に移動させる部分となる。また、係止片25の基部27には抜き孔27bが形成されており、係止片25を折り曲げ形成しやすくなっている。
更に係止片25の延出方向の先端部には、板ばね本体15の幅方向に対してフック状に突出して、第2ツマミ片40の、第1ツマミ片20に対向する面とは反対側の面に係合できる係止部30が設けられている(図2,5,7参照)。この係止部30の突出方向先端であって、第1ツマミ片20側の端面からは、係止突起31が突設されている。また、図2に示すように、係止部30の第2ツマミ片40側の側縁32は、前記最先端部25aに向けて次第に幅狭となるテーパ形状をなしている。
図5〜8に示すように、第2ツマミ片40の、前記第1ツマミ片20に対向する面とは反対側の面(以下、「第2ツマミ片40の外面」という)には、第2ツマミ片40の厚さ方向に所定深さの凹部からなる、係合保持部43が設けられている。この凹部をなす係合保持部43の内周縁に、前記係止片25の係止部30の係止突起31が係合すると共に、同係止突起31が係合保持部43の凹部内で保持されて、第2ツマミ片40と係止片25の係止部30との係合状態が保持されるようになっている(図5及び図7参照)。なお、係合保持部43は、第2ツマミ片40を板厚方向に貫通した孔や、係止部30の移動を規制する突起形状等であってもよく、第2ツマミ片40と係止部30との係合状態を保持できる形状であればよいが、前記の凹部や貫通した孔であることが好ましい。
また、図2に示すように、第2ツマミ片40の前記係合保持部43が位置する部分の内側面は、板ばね本体15が縮径した自由状態で、前述した第1ツマミ片20の係止部30の係止突起31に対して幅方向にずれていて、周方向に沿って見たとき重ならない位置に形成されている。
そして、両ツマミ片20,40どうしを周方向に近接させると共に、係止突起31が係合保持部43に整合するように板ばね本体15を幅方向に撓ませ、係合保持部43に係止突起31を係合させることにより、板ばね本体15が拡径した状態に保持されるようになっている(図4〜9参照)。
一方、係合保持部43に係止突起31を係合させることにより、板ばね本体15が拡径保持された状態で、両ツマミ片20,40を工具Tで摘んで更に周方向に近接させると、係合保持部43から係止突起31が外れ、係止片25の基部27のテーパ部27aに、第2ツマミ片40の係合保持部43が位置する部分の内側辺が摺接して、第2ツマミ片40が幅方向に移動して板ばね本体15の幅方向の撓みが是正され、第2ツマミ片40の内側辺と、係止片25とが周方向に沿って見たとき重ならない位置となり、この状態で両ツマミ片20,40を互いに離れる方向に開くことにより、第2ツマミ片40が係止片25の側方を通過し、スリット18内を差込片35がスライドして、板ばね本体15が縮径するようになっている。
そして、このクランプ10は、図2に示すように、板ばね本体15が縮径した自由状態で半径方向外方から見たときに、第1ツマミ片20及び第2ツマミ片40が、板ばね本体15の幅方向中心線Cに対して直角でない傾斜した角度で屈曲されている。
図2及び図3に示すように、第1ツマミ片20及び第2ツマミ片40を、板ばね本体15の幅方向中心線Cに対して直角な方向をLとしたとき、このクランプ10の第1ツマミ片20及び第2ツマミ片40は、前記直角な方向Lに対して所定の角度θで傾斜したラインに沿ってそれぞれ屈曲している。
なお、図2には、第1ツマミ片及び第2ツマミ片を直角な方向Lに沿って曲げた場合(板ばね本体15の幅方向中心線Cに対して直角に屈曲させた場合)の、第1ツマミ片20A、第2ツマミ片40A、及び、係止片25Aが仮想線(二点鎖線)で記載されている。
このように、第1ツマミ片20及び第2ツマミ片40は、板ばね本体15の幅方向中心線Cと直角な方向Lに対して所定の傾斜角度θで屈曲されることにより、係止片25の、幅方向中心線C側の側面と、第2ツマミ片40の係合保持部43が形成された領域の、幅方向中心線C側の側面とが離れるように、板ばね本体15の幅方向の外方に向けて延出する構造となっている。
これによって図2に示すように、第2ツマミ片40の係合保持部43が形成された領域の内側面(第1ツマミ片20側)と、その側方をすれ違って移動する係止片25の内側面(第2ツマミ片40側)とのクリアランスSを十分に確保するようにしている。なお、仮想線で示すように、第1ツマミ片20及び第2ツマミ片40を、板ばね本体15の幅方向中心線Cに対して直角に屈曲させた場合は、両者が板ばね本体15の幅方向に近接し、上記クリアランスが十分に確保できなくなる。
また、この実施形態では、図2に示すように、第1ツマミ片20及び第2ツマミ片40が、板ばね本体15の幅方向中心線Cに対して直角な方向Lに対し、同じ傾斜角度θで傾斜するラインに沿って屈曲されており、それによって、図7に示すように、第1ツマミ片20及び第2ツマミ片40を周方向に近接させたとき、それらがほぼ平行に配置されるようになっている。
更にこの実施形態では、前記傾斜角度θは、係止片25が、板ばね本体15の幅方向の一側部外縁から突出しないように設定されている(図2参照)。なお、第1ツマミ片や第2ツマミ片の傾斜角度を、係止片が板ばね本体の幅方向の一側部外縁から突出しないように設定してもよい。すなわち、この実施形態における前記傾斜角度θとは、第1ツマミ片、第2ツマミ片、係止片の少なくとも1つを、板ばね本体の幅方向中心線と直角な方向に対して屈曲させたときに、前記クリアランスSが広がるように、それらが屈曲する角度となることを意味するものである。
また、第1ツマミ片20及び第2ツマミ片40の傾斜角度θは、それぞれ異なっていてもよい。なお、両ツマミ片20,40を屈曲させる場合には、同一の屈曲方向でなければならない。
なお、図3には、第1ツマミ片20及び第2ツマミ片40を、上記のように所定の傾斜角度θで屈曲させることが可能な、曲げ範囲R(斜線で示された範囲)が示されている。
また、この実施形態では、第1ツマミ片20及び第2ツマミ片40が、板ばね本体15の幅方向中心線Cと直角な方向に対して傾斜した角度で屈曲されているが、第1ツマミ片20又は第2ツマミ片40の一方が上記傾斜した角度で屈曲していてもよく、更に、係止片25が上記傾斜した角度で屈曲していてもよい。すなわち、第1ツマミ片20、第2ツマミ片40及び係止片25の少なくとも1つが上記のように傾斜した角度で屈曲して、係止片25の、幅方向中心線C側の側面と、第2ツマミ片40の係合保持部43が形成された領域の、幅方向中心線C側の側面とが離れるように、板ばね本体15の幅方向の外方に向けて延出する構造となっていればよい。なお、係止片25が屈曲する場合には、後述する他の実施形態(図10〜15)において説明する。
更に、この実施形態では、第1ツマミ片20から係止片25が延出し、該係止片25のの係止部30が第2ツマミ片40に係合するようになっているが、この態様に限定されるものではない。すなわち、第1ツマミ片又は板ばね本体の他端部の一方に、係止部が設けられた係止片を形成し、第1ツマミ片又は板ばね本体の他端部の他方に、係止片の係止部が係合したときに、その状態を保持する係合保持部を形成してもよい。なお、板ばね本体の他端部に係止片を設けた態様については、後述する、更に他の実施形態(図16〜23参照)において説明する。
次に、上記構成からなるクランプ10を用いて、ゴム等の材質からなる可撓性のホースHを、パイプ等の配管Pに締付け固定する際の手順について説明する。
図1に示すように、第1ツマミ片20及び第2ツマミ片40が互いに離れていて、板ばね本体15が自由状態とされて縮径した状態から、第1ツマミ片20及び第2ツマミ片40を、プライヤやペンチ等の工具T(図6参照)によって摘んで、板ばね本体15の弾性復元力に抗して周方向に挟み付けていく。そして、係止片25の係止部30を、第2ツマミ片40の外面側に突出させると共に、係止部30の係止突起31が、凹部をなす係合保持部43に整合するように、板ばね本体15を幅方向に撓ませて、係止突起31を係合保持部43に係合させる(図7,8参照)。その結果、係合保持部43によって、係合保持部43と係止突起31との係合状態が保持されて、図3〜9に示すように、板ばね本体15の両端部が幅方向に撓んだ状態で、同板ばね本体15を拡径した状態に維持することができる。
この状態で、配管Pの一端部外周に装着されたホースHの外周に、クランプ10を配置する。そして、図6に示すように、プライヤやペンチ等の工具Tで第1ツマミ片20と第2ツマミ片40とを摘んで、両ツマミ片20,40どうしを周方向に近接させていく。
このとき、この実施形態においては、第1ツマミ片20及び第2ツマミ片40が、板ばね本体15の幅方向中心線Cに対して直角な方向Lに対して、同じ傾斜角度θで屈曲されているので、第1ツマミ片20及び第2ツマミ片40がほぼ平行に配置されることとなり(図7参照)、上記のように、係止片25の係止部30と係合保持部43との係合を解除すべく、工具Tで第1ツマミ片20と第2ツマミ片40とを摘むときに、両ツマミ片20,40を摘みやすくすることができる。
更にこの実施形態においては、第1ツマミ片20及び第2ツマミ片40の傾斜角度θは、係止片25が、板ばね本体15の幅方向の一側部外縁から突出しないように設定されているので、上記のように、係止片25の係止部30と係合保持部43との係合を解除すべく、工具Tで第1ツマミ片20と第2ツマミ片40とを摘むときに、工具Tが係止片25に引っ掛かりにくくなり、板ばね本体15の縮径作業をスムーズに行うことができる。また、係止片25が、板ばね本体15の幅方向一側部外縁から突出しないので、後述するクランプ10のコンパクト化を妨げることがない。
こうして、工具Tで摘んで第1ツマミ片20及び第2ツマミ片40どうしが周方向に近接させると、係合保持部43から係止突起31が外れる。
このとき、この実施形態では、第2ツマミ片40が、板ばね本体15の幅方向中心線Cと直角な方向Lに対して傾斜した傾斜角度θで屈曲され、その係合保持部43が凹部とされているので(図6及び図7参照)、拡径した状態の板ばね本体15を縮径させるべく、工具Tによって第1ツマミ片20と第2ツマミ片40とを摘むと、係止片25の係止突起31を、係合保持部43から斜めに滑るようにして容易に外すことができ、板ばね本体15の縮径作業の作業性を高めることができる。なお、係合保持部43が孔である場合にも、同様の効果を得ることができる。
そして、上記のように、第2ツマミ片40の係合保持部43から係止片25の係止突起31を外した後、なおも両ツマミ片20,40どうしを近接させると、第2ツマミ片40が係止片25のテーパ部27aに摺接しつつ案内されて、第2ツマミ片40が係止片25の係止部30から離れるように、板ばね本体15の幅方向に移動する。その結果、図2に示すように、第2ツマミ片40の内側辺と、係止片25とが周方向に沿って見たとき、クリアランスSを有して干渉しない位置となる。
ただし、上記のようなテーパ部27aを設けていない場合には、第1ツマミ片20の係止片25とは反対側の一側面と、第2ツマミ片40の突片41とを工具Tで摘んで、第2ツマミ片40を板ばね本体15の幅方向にずらして、係止片25の係止部30の係止突起31を係合保持部43から外すことができる。この場合、係止片25が、板ばね本体15の幅方向の一側部外縁から突出しないように設定されているので、工具Tが係止片25に引っ掛かりにくくなり、第1ツマミ片20の一側面と第2ツマミ片40の突片41とを容易に摘むことができ、板ばね本体15の縮径作業をスムーズに行うことができる。
上記のように、係止片25の係止突起31を係合保持部43から外し、第2ツマミ片40を係止片25から離れるように幅方向に移動させ、第2ツマミ片40を第1ツマミ片20の係止片25と干渉しない位置に移動させた後、工具Tを徐々に開いて、第1ツマミ片20と第2ツマミ片40とを広げて離すと、板ばね本体15の弾性復元力により、差込片35がスリット18内をスライドして、板ばね本体15が縮径して、ホースHを締付けて配管Pに固定することができる。
そして、このクランプ10においては、図2に示すように、板ばね本体15が縮径した自由状態で半径方向外方から見たときに、第1ツマミ片20及び第2ツマミ片40が、板ばね本体15の幅方向中心線Cと直角な方向Lに対して傾斜した傾斜角度θで屈曲され、係止片25の、幅方向中心線C側の側面と、第2ツマミ片40の係合保持部43が形成された領域の、幅方向中心線C側の側面とが離れるように、板ばね本体15の幅方向の外方に向けて延出する構造となっているので、第2ツマミ片40の係合保持部43が形成された領域の内側面と、その側方をすれ違って移動する係止片25の内側面とのクリアランスSを大きく確保することができる。
その結果、板ばね本体15の幅を小さくして、差込片35がスライド移動するスリット18の幅が小さくなっても、第2ツマミ片40と係止片25とのクリアランスSを保持しつつ、係止片25の幅を確保して十分な強度を得ることができるので、クランプ10のコンパクト化を図りつつ、係止片25の係止部30が係合保持部43に係合して、板ばね本体15が拡径した状態にしっかりと維持することができると共に、係止片25の係止部30と係合保持部43との係合解除作業を、確実に行うことができる。
また、板ばね本体15の幅を狭くすることができるので、使用する金属板を無駄なく有効に利用することができ、製品の歩留まりを向上させることができる。
更に、このクランプ10は、図2の仮想線で示すような、第1ツマミ片20Aや第2ツマミ片40Aを、板ばね本体15の幅方向中心線Cに対して直角に屈曲させて形成されるものと、使用する金属板については差異がなく、ただ第1ツマミ片20及び第2ツマミ片40の曲げ方を上記のように、板ばね本体15の幅方向中心線Cに対して直角でない傾斜した角度で屈曲させた形成したものであるので、製造が簡単でコストの低減を図ることができる。
また、この実施形態においては、第1ツマミ片20及び第2ツマミ片40を、板ばね本体15の幅方向中心線Cと直角な方向Lに対して所定の傾斜角度θで屈曲させるという比較的な簡単な構造によって、第2ツマミ片40と係止片25とのクリアランスSを確保することができる。なお、第1ツマミ片20又は第2ツマミ片40の一方を所定の傾斜角度θで屈曲させた場合も、同様の効果が得られる。
図10〜15には、本発明に係るホースクランプの他の実施形態が示されている。なお、前記実施形態と実質的に同一部分には同符号を付してその説明を省略する。
この実施形態のホースクランプ10a(以下、「クランプ10a」という)は、図12及び図13に示すように、板ばね本体15が縮径した自由状態で半径方向外方から見たときに、係止片25が、板ばね本体15の幅方向中心線Cに対して直角でない傾斜した角度で屈曲されている。
すなわち、係止片25は、第1ツマミ片20の基部27の下端部から折り曲げ部23を介して延出しているが、この実施形態においては、図11及び図12に示すように、板ばね本体15の幅方向中心線Cに対して直角な方向をLとしたとき、第1ツマミ片20及び第2ツマミ片40が、前記直角な方向Lに沿ってそれぞれ屈曲している一方、前記係止片25が、前記直角な方向Lに対して所定の角度θで傾斜したラインに沿って屈曲している。その結果、係止片25の、幅方向中心線C側の側面と、第2ツマミ片40の係合保持部43が形成された領域の、幅方向中心線C側の側面とが離れるように、板ばね本体15の幅方向の外方に向けて延出している。
なお、図12には、係止片25を、上記のように所定の傾斜角度θで屈曲させることが可能な、曲げ範囲Rが示されている。
このホースクランプ10aは、板ばね本体15が縮径した自由状態から弾性力に抗して第1ツマミ片20及び第2ツマミ片40を近接させ、係止片25を幅方向に寄せてその係止部30の係止突起31を、第2ツマミ片40の反対面の係合保持部43に係合させることで、係合保持部43によりその係合状態が保持されて、板ばね本体15の両端部が幅方向に撓んだ状態で、拡径した状態に維持することができる(図13〜15参照)。
この状態でホースHの外周に配置して、工具Tで第1ツマミ片20と第2ツマミ片40とを摘んで近接させると、前記実施形態と同様に、係止部30の係止突起31と係合保持部43との係合が解除され、第2ツマミ片40が係止片25のテーパ部27aに摺接しつつ案内されて、第2ツマミ片40が係止片25の係止部30から離れるように、板ばね本体15の幅方向に移動し、第2ツマミ片40の内側辺と、係止片25とが周方向に沿って見たとき、クリアランスSを有して干渉しない位置となる。その状態で、第1ツマミ片20と第2ツマミ片40とを離すことで、板ばね本体15の弾性復元力により差込片35がスリット18内をスライドして、板ばね本体15が縮径し、ホースHを締付けて配管Pに固定することができる。
そして、この実施形態においては、係止片25を板ばね本体15の幅方向中心線Cと直角な方向Lに対して、所定の傾斜角度θで屈曲させるという比較的簡単な構造によって、第2ツマミ片40の係合保持部43が形成された領域の内側面と、その側方をすれ違って移動する係止片25の内側面とのクリアランスS(図11参照)を十分に確保することできる。なお、前記傾斜角度θを、係止片25が板ばね本体15の側方から外方に突出しない範囲で設定すれば、板ばね本体15のコンパクト化を妨げることがない。
図16〜22には、本発明に係るホースクランプの、更に他の実施形態が示されている。なお、前記実施形態と実質的に同一部分には同符号を付してその説明を省略する。
図16及び図18に示すように、この実施形態のホースクランプ10b(以下、「クランプ10b」という)は、板ばね本体15の他端部に設けた差込片35の、一部が切り起こされて、係止片37が形成されており、該係止片37の先端部が、係止部37aをなしている。
また、図17に示すように、この実施形態における前記係止片37は、板ばね本体15が縮径した自由状態で半径方向外方から見たときに、第1ツマミ片20の、後述する係合保持部29が設けられた部分とは、板ばね本体15の幅方向反対側の側部に設けられている。
一方、図18及び図19に示すように、第1ツマミ片20の、第2ツマミ片40に対向する面とは反対側の面(すなわち、「第1ツマミ片20の外面」)に、前記係止片37の係止部37aが係合したときに、その状態を保持する係合保持部29が設けられている。
また、図19及び図21に示すように、上記係合保持部29は、第1ツマミ片20の上壁部21の、幅方向一側部寄りの下面から延出した基部27であって、その第1ツマミ片20の外面側に設けられている。更に図17に示すように、アーチ状をなした第1ツマミ片20の上記基部27と、幅方向一側片26との間には、前記係止片37を通過させるための、空隙28が設けられている。
そして、このクランプ10bにおいては、図17に示すように、板ばね本体15が縮径した自由状態で半径方向外方から見たときに、第2ツマミ片40が、板ばね本体15の幅方向中心線Cに対して直角でない傾斜した角度で屈曲されている。
すなわち、図17に示すように、板ばね本体15の幅方向中心線Cに対して直角な方向をLとしたとき、第1ツマミ片20及び係止片37が、前記直角な方向Lに沿ってそれぞれ屈曲し、その一方、第2ツマミ片40が、前記直角な方向Lに対して所定の角度θで傾斜したラインに沿って屈曲している。
なお、この実施形態における前記傾斜角度θとは、第1ツマミ片、第2ツマミ片の少なくとも1つを、板ばね本体15の幅方向中心線Cと直角な方向に対して屈曲させたときに、第2ツマミ片40の、板ばね本体15の幅方向中心線Cから離れた方の側面A、又は、第1ツマミ片40の、前記第2ツマミ片40の側面Aとは、反対側に位置する側面Bが、板ばね本体15の幅方向中心線Cから離れていくように屈曲する角度となることを意味するものである。
なお、前記第1ツマミ片20を、板ばね本体15の幅方向中心線Cと直角な方向Lに対して、所定角度屈曲させてもよい。
そして、このクランプ10bは、板ばね本体15が縮径した自由状態から弾性力に抗して第1ツマミ片20及び第2ツマミ片40を近接させ、係止片37を前記空隙28に通過させて、第1ツマミ片20の外面側に移動させると共に、同係止片37を幅方向に寄せて、その係止部37aを、第1ツマミ片20の係合保持部29に係合させることで、該係合保持部29によって、その係合状態が保持されて、板ばね本体15の両端部が幅方向に撓んだ状態で、拡径した状態に維持することができる(図18〜20参照)。
この状態でホースHの外周に配置して、工具Tで第1ツマミ片20と第2ツマミ片40とを摘んで近接させると、図20に示すように、傾斜した第2ツマミ片40にかかる工具Tによる挟み込み力F1が、第2ツマミ片40の幅方向一端部に作用する。
すると、図18及び図20に示すような、第2ツマミ片40の回転中心S(板ばね本体15の幅方向中心線C上であって、同板ばね本体15の、第2ツマミ片40に対して周方向に対向する位置)の回りに、図20に示すような曲げモーメントMが第2ツマミ片40に作用するので、第2ツマミ片40側に位置する係止片37の係止部37aと、第1ツマミ片20側の係合保持部29との係合解除を補助するように、第2ツマミ片40が自然に第1ツマミ片20から離れる方向に移動して、両ツマミ片20,40を、板ばね本体15の幅方向において互いに離れる方向に移動させることができる。
その結果、板ばね本体15のスリット18の内部に、係止片の係止部と係合保持部との係合解除を補助する構造(例えば、図1に示す実施形態の、第1ツマミ片20に設けたテーパ部27a等)を設けなくとも、図21に示すように、係止片37の係止部37aと係合保持部29との係合解除をスムーズに行うことができる。その結果、板ばね本体15の幅を狭くすることができ、かつ、係止片25の幅を確保して十分な強度を得ることがきるので、クランプ10bのコンパクト化を図りつつ、係止片37の係止部37aが係合保持部29に係合して、板ばね本体15が拡径した状態にしっかりと維持することができる。
また、この実施形態においては、係止片37は、板ばね本体15の他端部に設けた差込片35の、一部を切り起こして形成され、その先端部が係止部37aをなし、該係止部37aが係合する係合保持部29は、第1ツマミ片20の、第2ツマミ片40に対向する面とは反対側の面に形成されているので、第1ツマミ片20から係止片25が延出し、その係止部30を、第2ツマミ片40の、第1ツマミ片20との対向面とは反対側の面に係合させる構造をなす前記実施形態のクランプ10,10aと比べて、第1ツマミ片20と第2ツマミ片40との係合構造を比較的シンプルなものとすることができ、板ばね本体15を幅狭にしても、係止片37の幅を確保しやすくして、係止片37の係止部37aと係合保持部29との保持強度を高めることができる。
更に、この実施形態においては、図17に示すように、板ばね本体15が縮径した自由状態で半径方向外方から見たときに、係止片37は、第1ツマミ片20の係合保持部29が設けられた部分とは、板ばね本体15の幅方向反対側の側部に設けられているので、係止片37の係止部37aが係合保持部29に係合保持されて、板ばね本体15が拡径した状態から、第1ツマミ片20と第2ツマミ片40を工具Tとを摘んで近接させるときに、第1ツマミ片20及び第2ツマミ片40を、板ばね本体15の幅方向に離れる方向に位置ずれさせやすくして、係止片37の係止部37aを係合保持部29から解除させやすくすることができ、板ばね本体15をより幅狭にすることができる。
なお、この実施形態においては、板ばね本体15の他端部の差込片35に係止片37を設け、第1ツマミ片20の係合保持部29に係合保持させるようになっているが、この態様に限定されるものではない。例えば、第1ツマミ片又は板ばね本体他端部の第2ツマミ片の一方に、切り起こし状に係止片を形成し、第1ツマミ片又は板ばね本体他端部の第2ツマミ片の他方に、同係止片に係合する、同じく切り起こし状をなした係合保持部を形成したりしてもよい。
また、この実施形態においては、第2ツマミ片40のみが屈曲しているが、図22に示すように、第1ツマミ片20及び第2ツマミ片40の両方を、板ばね本体15が縮径した自由状態で半径方向外方から見たときに、板ばね本体15の幅方向中心線Cに対して直角でない傾斜した角度で屈曲させてもよい。この場合には、クランプ10bをホースHの外周に配置して、工具Tで第1ツマミ片20と第2ツマミ片40とを摘んで近接させると、図22に示すように、板ばね本体15の幅方向中心線Cに対して、工具Tによる挟み込み力F1が、斜め外方に向けてずれる方向に作用するので、両ツマミ片20,40が、板ばね本体15の幅方向において互いに離れる方向に移動することとなり、係止片37の係止部37aと係合保持部29との係合解除がスムーズになされる。
更に、この実施形態においては、図23に示すように、第2ツマミ片40を屈曲させずに、第1ツマミ片40のみを、板ばね本体15が縮径した自由状態で半径方向外方から見たときに、板ばね本体15の幅方向中心線Cに対して直角でない傾斜した角度で屈曲させてもよい。
この場合には、クランプ10bをホースHの外周に配置して、工具Tで第1ツマミ片20と第2ツマミ片40とを摘んで近接させると、図23に示すように、第1ツマミ片20の回転中心S(板ばね本体15の幅方向中心線C上であって、同板ばね本体15の、第1ツマミ片20に対して周方向に対向する位置)の回りに、図23に示すような曲げモーメントMが第1ツマミ片20に作用するので、第1ツマミ片20が第2ツマミ片40から離れる方向に移動して、両ツマミ片20,40を、板ばね本体15の幅方向において互いに離れる方向に移動させることができ、この場合も、係止片37の係止部37aと係合保持部29との係合解除がスムーズになされる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で、各種の変形実施形態が可能であり、そのような実施形態も本発明の範囲に含まれる。
10,10a,10b ホースクランプ(クランプ)
15 板ばね本体
17 長孔
18 スリット
20 第1ツマミ片
25 係止片
29 係合保持部
30 係止部
31 係止突起
35 差込片
37 係止片
37a 係止部
40 ツマミ片
43 係合保持部
C 幅方向中心線

Claims (9)

  1. 環状に湾曲されて形成された板ばね本体を有し、
    この板ばね本体の一端部に、周方向に沿って形成されたスリットと、半径方向外方に向けて屈曲した第1ツマミ片とが形成され、
    前記板ばね本体の他端部には、前記スリットに差し込まれ、該スリット内を周方向にスライド可能とされた差込片と、該差込片の端部から半径方向外方に向けて屈曲し、前記第1ツマミ片に対向して配設された第2ツマミ片とが形成され、
    前記板ばね本体が縮径した自由状態から前記第1ツマミ片及び前記第2ツマミ片を近接させると、前記板ばね本体がその弾性力に抗して拡径するように構成されたホースクランプにおいて、
    前記第1ツマミ片には、該第1ツマミ片から延出して、前記第2ツマミ片に向かって周方向に伸びると共に、前記板ばね本体の幅方向に突出して、前記第2ツマミ片の、第1ツマミ片に対向する面とは反対側の面に係合できる係止部が設けられた係止片が形成され、
    前記第2ツマミ片には、前記第1ツマミ片に対向する面とは反対側の面に、前記係止片の係止部が係合したときに、その状態を保持する係合保持部が形成され、
    前記板ばね本体が縮径した自由状態で半径方向外方から見たときに、前記第1ツマミ片、前記第2ツマミ片、及び前記係止片の少なくとも1つが、前記板ばね本体の幅方向中心線と直角な方向に対して傾斜した角度で屈曲され、前記係止片の、前記幅方向中心線側の側面と、前記第2ツマミ片の前記係合保持部が形成された領域の、前記幅方向中心線側の側面とが離れるように、前記幅方向の外方に向けて延出していることを特徴とするホースクランプ。
  2. 前記板ばね本体が縮径した自由状態で半径方向外方から見たときに、前記第1ツマミ片及び/又は前記第2ツマミ片が、前記板ばね本体の幅方向中心線と直角な方向に対して傾斜した角度で屈曲され、前記係止片の係止部と前記係合保持部とが離れるように、前記幅方向の外方に向けて延出している請求項1記載のホースクランプ。
  3. 前記板ばね本体が縮径した自由状態で半径方向外方から見たときに、前記係止片が、前記板ばね本体の幅方向中心線と直角な方向に対して傾斜した角度で屈曲され、前記係止片の係止部と前記係合保持部とが離れるように、前記幅方向の外方に向けて延出している請求項1記載のホースクランプ。
  4. 前記第1ツマミ片、前記第2ツマミ片、及び前記係止片の傾斜角度は、前記係止片が、前記板ばね本体の幅方向の一側部外縁から突出しないように設定されている請求項1〜3のいずれか1つに記載のホースクランプ。
  5. 前記第1ツマミ片及び前記第2ツマミ片が、前記板ばね本体の幅方向中心線と直角な方向に対して、同じ傾斜角度で屈曲されている請求項1〜4のいずれか1つに記載のホースクランプ。
  6. 前記第2ツマミ片が、前記板ばね本体の幅方向中心線と直角な方向に対して傾斜した角度で屈曲されており、同第2ツマミ片に形成された係合保持部は、凹部又は孔からなる請求項1、2、4又は5のいずれか1つに記載のホースクランプ。
  7. 環状に湾曲されて形成された板ばね本体を有し、
    この板ばね本体の一端部に、周方向に沿って形成されたスリットと、半径方向外方に向けて屈曲した第1ツマミ片とが形成され、
    前記板ばね本体の他端部には、前記スリットに差し込まれ、該スリット内を周方向にスライド可能とされた差込片と、該差込片の端部から半径方向外方に向けて屈曲し、前記第1ツマミ片に対向して配設された第2ツマミ片とが形成され、
    前記板ばね本体が縮径した自由状態から前記第1ツマミ片及び前記第2ツマミ片を近接させると、前記板ばね本体がその弾性力に抗して拡径するように構成されたホースクランプにおいて、
    前記板ばね本体の他端部に、前記第1ツマミ片に係合できる係止部が設けられた係止片が形成され、前記第1ツマミ片に、前記係止片の係止部が係合したときに、その状態を保持する係合保持部が形成され、
    前記板ばね本体が縮径した自由状態で半径方向外方から見たときに、前記第1ツマミ片、前記第2ツマミ片の少なくとも1つが、前記板ばね本体の幅方向中心線と直角な方向に対して傾斜した角度で屈曲されていることを特徴とするホースクランプ。
  8. 前記係止片は、前記板ばね本体の他端部に設けた前記差込片の、一部を切り起こして形成され、その先端部が前記係止部をなしており、
    該係止部が係合する前記係合保持部は、前記第1ツマミ片の、第2ツマミ片に対向する面とは反対側の面に形成されている請求項7記載のホースクランプ。
  9. 前記板ばね本体が縮径した自由状態で半径方向外方から見たときに、前記係止片は、前記第1ツマミ片の係合保持部が設けられた部分とは、前記板ばね本体の幅方向反対側の側部に設けられている請求項7又は8記載のホースクランプ。
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