JP6147843B2 - 基地局及び通信制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、D2D通信をサポートする移動通信システムにおいて用いられる基地局及び通信制御方法に関する。
移動通信システムの標準化プロジェクトである3GPP(3rd Generation Partnership Project)では、リリース12以降の新機能として、端末間(Device to Device:D2D)通信の導入が検討されている(非特許文献1参照)。
D2D通信では、近接する複数のユーザ端末が、コアネットワークを介さずに直接的な通信を行う。すなわち、D2D通信のデータパスはコアネットワークを経由しない。一方、移動通信システムの通常の通信(セルラ通信)のデータパスはコアネットワークを経由する。
3GPP技術報告 「TR 22.803 V12.0.0」 2012年12月
移動通信システムにおいてセルラ通信とD2D通信との間の干渉を防止するためには、通信に使用する無線リソースをセルラ通信とD2D通信とで異ならせることが考えられる。
しかしながら、そのような方法では、移動通信システムにおける無線リソースの利用効率を改善することが困難である。
そこで、本発明は、干渉の影響を軽減しつつ、無線リソースの利用効率を改善できる基地局及び通信制御方法を提供する。
実施形態に係る基地局は、データパスがコアネットワークを経由するセルラ通信と、データパスがコアネットワークを経由しない直接的な端末間通信であるD2D通信と、をサポートする移動通信システムにおいて用いられる。前記基地局は、前記D2D通信と共用しない専用無線リソース、又は前記D2D通信と共用する共用無線リソースを、前記セルラ通信を行う複数のセルラ端末のそれぞれに割り当てる制御部を有する。前記制御部は、前記共用無線リソースの割当優先度に従って、前記共用無線リソースが割り当てられるセルラ端末を前記複数のセルラ端末の中から選択するスケジューラを含む。前記スケジューラは、前記セルラ通信と前記D2D通信との間の干渉の影響が軽減されるように、前記複数のセルラ端末のそれぞれについて前記割当優先度を算出する。
実施形態に係るLTEシステムの構成図である。 実施形態に係るUEのブロック図である。 実施形態に係るeNBのブロック図である。 LTEシステムにおける無線インターフェイスのプロトコルスタック図である。 LTEシステムで使用される無線フレームの構成図である。 D2D通信における直接通信モードを説明するための図である。 D2D通信における局所中継モードを説明するための図である。 実施形態に係る動作環境を説明するための図である。 専用リソース割当方式を説明するための図である。 共用リソース割当方式を説明するための図である。
[実施形態の概要]
第1実施形態及び第2実施形態に係る基地局は、データパスがコアネットワークを経由するセルラ通信と、データパスがコアネットワークを経由しない直接的な端末間通信であるD2D通信と、をサポートする移動通信システムにおいて用いられる。前記基地局は、前記D2D通信と共用しない専用無線リソース、又は前記D2D通信と共用する共用無線リソースを、前記セルラ通信を行う複数のセルラ端末のそれぞれに割り当てる制御部を有する。前記制御部は、前記共用無線リソースの割当優先度に従って、前記共用無線リソースが割り当てられるセルラ端末を前記複数のセルラ端末の中から選択するスケジューラを含む。前記スケジューラは、前記セルラ通信と前記D2D通信との間の干渉の影響が軽減されるように、前記複数のセルラ端末のそれぞれについて前記割当優先度を算出する。
第1実施形態では、前記スケジューラは、前記共用無線リソースが同一のセルラ端末に連続的に割り当てられないように、前記複数のセルラ端末のそれぞれについて前記割当優先度を算出する。
その他の実施形態では、前記スケジューラは、前記共用無線リソースが前記同一のセルラ端末に周期的に連続的に割り当てられないように、前記複数のセルラ端末のそれぞれについて前記割当優先度を算出する。
第1実施形態では、前記スケジューラは、前記複数のセルラ端末のそれぞれについて、前記共用無線リソースが最後に割り当てられてからの経過時間に基づいて前記割当優先度を算出する。前記経過時間が短いほど、前記割当優先度が低くなるよう調整される。
第2実施形態では、前記スケジューラは、前記複数のセルラ端末のうち前記基地局の近傍のセルラ端末に優先的に前記共用無線リソースが割り当てられるように、前記複数のセルラ端末のそれぞれについて前記割当優先度を算出する。
第2実施形態では、前記スケジューラは、前記複数のセルラ端末のそれぞれについて、前記基地局との間のパスロスに基づいて前記割当優先度を算出する。前記パスロスが小さいほど、前記割当優先度が高くなるよう調整される。
その他の実施形態では、前記スケジューラは、前記複数のセルラ端末のそれぞれについて、前記基地局との間のパスロスと、前記基地局の近傍に位置する他の基地局との間のパスロスとに基づいて前記割当優先度を算出する。前記基地局との間のパスロス及び前記他の基地局との間のパスロスのいずれかのパスロスが小さいほど、前記割当優先度が高くなるよう調整される。
その他の実施形態では、前記複数のユーザ端末のうち前記基地局と前記他の基地局とが上りリンクにおいてCoMP協働セットとして機能するセルラ端末についての前記割当優先度が、前記基地局との間のパスロス及び前記他の基地局との間のパスロスのいずれかのパスロスが小さいほど、高くなるよう調整される。
その他の実施形態では、前記複数のセルラ端末のうち前記他の基地局との間のパスロスに応じて送信電力が制御されるセルラ端末についての前記割当優先度が、前記基地局との間のパスロス及び前記他の基地局との間のパスロスのいずれかのパスロスが小さいほど、高くなるよう調整される。
第2実施形態の変更例では、前記スケジューラは、前記複数のセルラ端末のそれぞれについて、上りリンクの送信電力に基づいて前記割当優先度を算出する。前記上りリンク送信電力が小さいほど、前記割当優先度が高くなるよう調整される。
第1実施形態及び第2実施形態では、前記共用無線リソースの割当優先度の算出には、前記専用無線リソースの割当優先度の算出に使用されるスケジューリングアルゴリズムとは異なるスケジューリングアルゴリズムが使用される。
第1実施形態及び第2実施形態に係る通信制御方法は、データパスがコアネットワークを経由するセルラ通信と、データパスがコアネットワークを経由しない直接的な端末間通信であるD2D通信と、をサポートする移動通信システムにおいて用いられる。前記通信制御方法は、前記D2D通信と共用しない専用無線リソース、又は前記D2D通信と共用する共用無線リソースを、前記セルラ通信を行う複数のセルラ端末のそれぞれに割り当てる基地局が、前記共用無線リソースの割当優先度に従って、前記共用無線リソースが割り当てられるセルラ端末を前記複数のセルラ端末の中から選択するステップAを有する。前記ステップAにおいて、前記基地局は、前記セルラ通信と前記D2D通信との間の干渉の影響が軽減されるように、前記複数のセルラ端末のそれぞれについて前記割当優先度を算出する。
[第1実施形態]
以下、図面を参照して、3GPP規格に準拠して構成される移動通信システム(LTEシステム)にD2D通信を導入する場合の実施形態を説明する。
(LTEシステム)
図1は、第1実施形態に係るLTEシステムの構成図である。図1に示すように、LTEシステムは、複数のUE(User Equipment)100と、E−UTRAN(Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network)10と、EPC(Evolved Packet Core)20と、を含む。E−UTRAN10は無線アクセスネットワークに相当し、EPC20はコアネットワークに相当する。E−UTRAN10及びEPC20は、LTEシステムのネットワークを構成する。
UE100は、移動型の通信装置であり、接続を確立したセル(サービングセル)との無線通信を行う。UE100はユーザ端末に相当する。
E−UTRAN10は、複数のeNB200(evolved Node−B)を含む。eNB200は基地局に相当する。eNB200は、1又は複数のセルを構成しており、自セルとの接続を確立したUE100との無線通信を行う。なお、「セル」は、無線通信エリアの最小単位を示す用語として使用される他に、UE100との無線通信を行う機能を示す用語としても使用される。
eNB200は、例えば、無線リソース管理(RRM)機能と、ユーザデータのルーティング機能と、モビリティ制御及びスケジューリングのための測定制御機能と、を有する。
EPC20は、複数のMME(Mobility Management Entity)/S−GW(Serving−Gateway)300を含む。MMEは、UE100に対する各種モビリティ制御等を行うネットワークノードであり、制御局に相当する。S−GWは、ユーザデータの転送制御を行うネットワークノードであり、交換局に相当する。MME/S−GW300により構成されるEPC20は、eNB200を収容する。
eNB200は、X2インターフェイスを介して相互に接続される。また、eNB200は、S1インターフェイスを介してMME/S−GW300と接続される。
次に、UE100及びeNB200の構成を説明する。
図2は、UE100のブロック図である。図2に示すように、UE100は、アンテナ101と、無線送受信機110と、ユーザインターフェイス120と、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機130と、バッテリ140と、メモリ150と、プロセッサ160と、を有する。メモリ150及びプロセッサ160は、制御部を構成する。UE100は、GNSS受信機130を有していなくてもよい。また、メモリ150をプロセッサ160と一体化し、このセット(すなわち、チップセット)をプロセッサ160’としてもよい。
アンテナ101及び無線送受信機110は、無線信号の送受信に用いられる。アンテナ101は、複数のアンテナ素子を含む。無線送受信機110は、プロセッサ160が出力するベースバンド信号を無線信号に変換してアンテナ101から送信する。また、無線送受信機110は、アンテナ101が受信する無線信号をベースバンド信号に変換してプロセッサ160に出力する。
ユーザインターフェイス120は、UE100を所持するユーザとのインターフェイスであり、例えば、ディスプレイ、マイク、スピーカ、及び各種ボタンなどを含む。ユーザインターフェイス120は、ユーザからの操作を受け付けて、該操作の内容を示す信号をプロセッサ160に出力する。GNSS受信機130は、UE100の地理的な位置を示す位置情報を得るために、GNSS信号を受信して、受信した信号をプロセッサ160に出力する。バッテリ140は、UE100の各ブロックに供給すべき電力を蓄える。
メモリ150は、プロセッサ160によって実行されるプログラムと、プロセッサ160による処理に使用される情報と、を記憶する。プロセッサ160は、ベースバンド信号の変調・復調及び符号化・復号などを行うベースバンドプロセッサと、メモリ150に記憶されるプログラムを実行して各種の処理を行うCPU(Central Processing Unit)と、を含む。プロセッサ160は、さらに、音声・映像信号の符号化・復号を行うコーデックを含んでもよい。プロセッサ160は、後述する各種の処理及び各種の通信プロトコルを実行する。
図3は、eNB200のブロック図である。図3に示すように、eNB200は、アンテナ201と、無線送受信機210と、ネットワークインターフェイス220と、メモリ230と、プロセッサ240と、を有する。メモリ230及びプロセッサ240は、制御部を構成する。第1実施形態において、プロセッサ240は、上述したスケジューラの機能を有する。なお、メモリ230をプロセッサ240と一体化し、このセット(すなわち、チップセット)をプロセッサとしてもよい。
アンテナ201及び無線送受信機210は、無線信号の送受信に用いられる。アンテナ201は、複数のアンテナ素子を含む。無線送受信機210は、プロセッサ240が出力するベースバンド信号を無線信号に変換してアンテナ201から送信する。また、無線送受信機210は、アンテナ201が受信する無線信号をベースバンド信号に変換してプロセッサ240に出力する。
ネットワークインターフェイス220は、X2インターフェイスを介して隣接eNB200と接続され、S1インターフェイスを介してMME/S−GW300と接続される。ネットワークインターフェイス220は、X2インターフェイス上で行う通信及びS1インターフェイス上で行う通信に用いられる。
メモリ230は、プロセッサ240によって実行されるプログラムと、プロセッサ240による処理に使用される情報と、を記憶する。プロセッサ240は、ベースバンド信号の変調・復調及び符号化・復号などを行うベースバンドプロセッサと、メモリ230に記憶されるプログラムを実行して各種の処理を行うCPUと、を含む。プロセッサ240は、後述する各種の処理及び各種の通信プロトコルを実行する。
図4は、LTEシステムにおける無線インターフェイスのプロトコルスタック図である。図4に示すように、無線インターフェイスプロトコルは、OSI参照モデルのレイヤ1乃至レイヤ3に区分されており、レイヤ1は物理(PHY)レイヤである。レイヤ2は、MAC(Media Access Control)レイヤと、RLC(Radio Link Control)レイヤと、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)レイヤと、を含む。レイヤ3は、RRC(Radio Resource Control)レイヤを含む。
物理レイヤは、符号化・復号、変調・復調、アンテナマッピング・デマッピング、及びリソースマッピング・デマッピングを行う。UE100の物理レイヤとeNB200の物理レイヤとの間では、物理チャネルを介してデータが伝送される。
MACレイヤは、データの優先制御、及びハイブリッドARQ(HARQ)による再送処理などを行う。UE100のMACレイヤとeNB200のMACレイヤとの間では、トランスポートチャネルを介してデータが伝送される。eNB200のMACレイヤは、上下リンクのトランスポートフォーマット(トランスポートブロックサイズ、変調・符号化方式(MCS))、及び割当リソースブロックを決定するスケジューラを含む。
RLCレイヤは、MACレイヤ及び物理レイヤの機能を利用してデータを受信側のRLCレイヤに伝送する。UE100のRLCレイヤとeNB200のRLCレイヤとの間では、論理チャネルを介してデータが伝送される。
PDCPレイヤは、ヘッダ圧縮・伸張、及び暗号化・復号化を行う。
RRCレイヤは、制御プレーンでのみ定義される。UE100のRRCレイヤとeNB200のRRCレイヤとの間では、各種設定のための制御メッセージ(RRCメッセージ)が伝送される。RRCレイヤは、無線ベアラの確立、再確立及び解放に応じて、論理チャネル、トランスポートチャネル、及び物理チャネルを制御する。UE100のRRCとeNB200のRRCとの間にRRC接続がある場合、UE100は接続状態(RRC connected state)であり、そうでない場合、UE100はアイドル状態(RRC idle state)である。
RRCレイヤの上位に位置するNAS(Non−Access Stratum)レイヤは、セッション管理及びモビリティ管理などを行う。
図5は、LTEシステムで使用される無線フレームの構成図である。LTEシステムは、下りリンクにはOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiplexing Access)、上りリンクにはSC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)がそれぞれ適用される。
図5に示すように、無線フレームは、時間方向に並ぶ10個のサブフレームで構成され、各サブフレームは、時間方向に並ぶ2個のスロットで構成される。各サブフレームの長さは1msであり、各スロットの長さは0.5msである。各サブフレームは、周波数方向に複数個のリソースブロック(RB)を含み、時間方向に複数個のシンボルを含む。リソースブロックは、周波数方向に複数個のサブキャリアを含む。UE100に割り当てられる無線リソースのうち、周波数リソースはリソースブロックにより特定でき、時間リソースはサブフレーム(又はスロット)により特定できる。
下りリンクにおいて、各サブフレームの先頭数シンボルの区間は、主に制御信号を伝送するための物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)として使用される制御領域である。また、各サブフレームの残りの区間は、主にユーザデータを伝送するための物理下りリンク共有チャネル(PDSCH)として使用できる領域である。また、下りリンクにおいて、各サブフレームには、セル固有参照信号(CRS)などの参照信号が分散して配置される。PDCCHは、制御信号を搬送する。制御信号は、例えば、上りリンクSI(Scheduling Information)、下りリンクSI、TPCビットを含む。上りリンクSIは上りリンク無線リソースの割当てを示す情報であり、下りリンクSIは、下りリンク無線リソースの割当てを示す情報である。TPCビットは、上りリンクの送信電力の増減を指示する情報である。これらの情報は、下りリンク制御情報(DCI)と称される。PDSCHは、制御信号及び/又はユーザデータを搬送する。例えば、下りリンクのデータ領域は、ユーザデータにのみ割当てられてもよく、ユーザデータ及び制御信号が多重されるように割当てられてもよい。
上りリンクにおいて、各サブフレームにおける周波数方向の両端部は、主に制御信号を伝送するための物理上りリンク制御チャネル(PUCCH)として使用される制御領域である。また、各サブフレームにおける周波数方向の中央部は、主にユーザデータを伝送するための物理上りリンク共有チャネル(PUSCH)として使用できる領域である。PUCCHは、制御信号を搬送する。制御信号は、例えば、CQI(Channel Quality Indicator)、PMI(Precoding Matrix Indicator)、RI(Rank Indicator)、SR(Scheduling Request)、ACK/NACKなどである。CQIは、下りリンクのチャネル品質を示す情報であり、下りリンク伝送に使用すべき推奨変調方式及び符号化速度の決定等に使用される。PMIは、下りリンクの伝送の為に使用することが望ましいプリコーダマトリックスを示す情報である。RIは、下りリンクの伝送に使用可能なレイヤ数(ストリーム数)を示す情報である。SRは、上りリンク無線リソース(リソースブロック)の割当てを要求する情報である。ACK/NACKは、下りリンクの物理チャネル(例えば、PDSCH)を介して送信される信号の復号に成功したか否かを示す情報である。PUSCHは、制御信号及び/又はユーザデータを搬送する。例えば、上りリンクのデータ領域は、ユーザデータにのみ割当てられてもよく、ユーザデータ及び制御信号が多重されるように割当てられてもよい。
(D2D通信)
第1実施形態に係るLTEシステムは、直接的なUE間通信であるD2D通信をサポートする。ここでは、D2D通信を、LTEシステムの通常の通信(セルラ通信)と比較して説明する。
セルラ通信は、コアネットワークであるEPC20をデータパスが経由する。データパスとは、ユーザデータ(ユーザプレーン)の通信経路である。これに対し、D2D通信は、UE間に設定されるデータパスがEPC20を経由しない。よって、EPC20のトラフィック負荷を削減できる。
UE100は、近傍に存在する他のUE100を発見し、D2D通信(communication)を開始する。D2D通信には、直接通信モード及び局所中継モード(Locally Routedモード)が存在する。
図6は、D2D通信における直接通信モードを説明するための図である。図6に示すように、直接通信モードは、データパスがeNB200を経由しない。相互に近接するUE100−1D及びUE100−2Dは、eNB200のセルにおいて、低送信電力で直接的に無線通信を行う。よって、UE100の消費電力の削減、及び隣接セルへの干渉の低減といったメリットを得られる。
図7は、D2D通信における局所中継モードを説明するための図である。図7に示すように、局所中継モードは、データパスがeNB200を経由するもののEPC20を経由しない。すなわち、UE100−1D及びUE100−2Dは、eNB200のセルにおいて、EPC20を介さずにeNB200を介して無線通信を行う。局所中継モードは、EPC20のトラフィック負荷を削減できるものの、直接通信モードに比べてメリットが少ない。よって、第1実施形態では、直接通信モードを主として想定する。
(第1実施形態に係る動作)
第1実施形態では、周波数利用効率を改善する観点から、D2D通信がLTEシステムの周波数帯域(ライセンスバンド)内で行われるケースを想定する。このようなケースでは、ネットワークの管理下でD2D通信が行われる。
図8は、第1実施形態に係る動作環境を説明するための図である。図8に示すように、UE100−Cは、eNB200のセルにおいてセルラ通信を行うセルラUE(セルラ端末)である。接続状態にあるセルラUE100−Cは、eNB200から割り当てられる無線リソースを用いて、セルラ通信を行う。セルラUE100−Cは、ユーザデータ及び制御信号をeNB200と送受信する。なお、図8では、1つのセルラUEを図示しているが、実動作環境では、eNB200のセルに複数のセルラUEが在圏する。
UE100−1D及びUE100−2Dは、eNB200のセルにおいてD2D通信を行うD2D UE(D2D端末)である。接続状態にあるD2D UE100−1D及びD2D UE100−2Dは、eNB200から割り当てられる無線リソースを用いて、D2D通信(communication)を行う。具体的には、D2D UE100−1D及びD2D UE100−2Dは、ユーザデータを相互に送受信し、制御信号をeNB200と送受信する。
このように、第1実施形態では、セルラUE100−CとD2D UE100−D(UE100−1D及びUE100−2D)とが同一セルに在圏する。ただし、D2D通信を行うD2D UE群に含まれる一部のD2D UEは、他のセルに在圏してもよく、圏外であってもよい。
LTEシステムの周波数帯域内でD2D通信を行う場合に、D2D通信に割り当てる無線リソース(D2D無線リソース)を確保するためには、専用リソース割当方式及び共用リソース割当方式の2通りの方式がある。
図9は、専用リソース割当方式を説明するための図である。図9に示すように、専用リソース割当方式は、D2D無線リソースを、セルラ通信に割り当てる無線リソース(セルラ無線リソース)と共用させない方式である。図9の例では、3サブフレーム分の無線リソース(具体的には、時間・周波数リソース)のうち、中央のサブフレームにおける中央の数リソースブロックがD2D無線リソースとして確保されている。この場合、D2D無線リソースは、D2D通信に専用の無線リソースである。専用リソース割当方式によれば、セルラ通信とD2D通信との間の干渉を回避できるものの、セルラ無線リソースが相対的に減少するため、無線リソースの利用効率が悪いという問題がある。
図10は、共用リソース割当方式を説明するための図である。図10に示すように、共用リソース割当方式は、D2D無線リソースをセルラ無線リソースと共用させる方式である。図10の例では、3サブフレーム分の無線リソースのうち、中央のサブフレームにおける中央の数リソースブロックは、セルラ無線リソースとして使用されるだけでなく、D2D無線リソースとしても使用される。この場合、D2D無線リソースは、セルラ通信と共用の無線リソースである。D2D無線リソースは、セルラ無線リソースと空間的に分離される。共用リソース割当方式によれば、無線リソースの利用効率が高いものの、セルラ通信とD2D通信との間で干渉が生じ易い、すなわち、通信品質が劣化し易いという問題がある。
そこで、第1実施形態に係るeNB200は、共用リソース割当方式の適用を前提として、複数のセルラUE100−Cに対するスケジューリングを工夫することにより、干渉の影響を軽減しつつ、無線リソースの利用効率を改善する。以下において、D2D通信と共用しないセルラ無線リソースを「セルラ専用無線リソース」と称し、D2D通信と共用するセルラ無線リソースを「D2D共用無線リソース」と称する。D2D共用無線リソースは、D2D通信との間で干渉が生じ難いセルラ無線リソースである。これに対し、セルラ専用無線リソースは、D2D通信との間で干渉が生じ易いセルラ無線リソースである。
eNB200のスケジューラは、セルラ専用無線リソース又はD2D共用無線リソースを、セルラ通信を行う複数のセルラUE100−Cのそれぞれに割り当てる。
スケジューラは、セルラ専用無線リソースの割当優先度P1に従って、セルラ専用無線リソースが割り当てられるセルラUE100−Cを複数のセルラUE100−Cの中から選択する。セルラ専用無線リソースの割当優先度P1の算出には、第1のスケジューリングアルゴリズムが使用される。第1のスケジューリングアルゴリズムは、例えば、プロポーショナル・フェアネス、又はMax.CIR(Maximum Carrier to Interference power Ratio)などである。プロポーショナル・フェアネスは、無線リソースを割り当てたときに期待される瞬時スループットが、それまでの平均スループットと比較して大きくなるUEに対して、当該無線リソースについての割当優先度を高くするスケジューリングアルゴリズムである。Max.CIRは、無線リソースのCIRが高いUEに対して、当該無線リソースについての割当優先度を高くするスケジューリングアルゴリズムである。
あるセルラ専用無線リソースが割り当てられるセルラUE100−Cを複数のセルラUE100−Cの中から選択する場合、スケジューラは、第1のスケジューリングアルゴリズムを使用して、複数のセルラUE100−Cのそれぞれについて割当優先度P1を算出する。そして、複数のセルラUE100−Cのうち、割当優先度P1が最高となるセルラUE100−Cに対して、当該セルラ専用無線リソースを割り当てる。
また、スケジューラは、D2D共用無線リソースの割当優先度P2に従って、D2D共用無線リソースが割り当てられるセルラUE100−Cを複数のセルラUE100−Cの中から選択する。ここで、スケジューラは、セルラ通信とD2D通信との間の干渉の影響が軽減されるように、複数のセルラUE100−Cのそれぞれについて割当優先度P2を算出する。第1実施形態では、スケジューラは、D2D共用無線リソースが同一のセルラUE100−Cに連続的に割り当てられないように、複数のセルラUE100−Cのそれぞれについて割当優先度P2を算出する。
D2D共用無線リソースの割当優先度P2の算出には、上述した第1のスケジューリングアルゴリズムとは異なる第2のスケジューリングアルゴリズムが使用される。ここでは、第1のスケジューリングアルゴリズムを変形したものを第2のスケジューリングアルゴリズムとして使用する一例を説明する。
あるD2D共用無線リソースが割り当てられるセルラUE100−Cを複数のセルラUE100−Cの中から選択する場合、スケジューラは、第2のスケジューリングアルゴリズムを使用して、複数のセルラUE100−Cのそれぞれについて割当優先度P2を算出する。そして、複数のセルラUE100−Cのうち、割当優先度P2が最高となるセルラUE100−Cに対して、当該D2D共用無線リソースを割り当てる。
第1実施形態では、第2のスケジューリングアルゴリズムは、複数のセルラUE100−Cのそれぞれについて、D2D共用無線リソースが最後に割り当てられてからの経過時間を考慮したスケジューリングアルゴリズムである。この場合、スケジューラは、複数のセルラUE100−Cのそれぞれについて、D2D共用無線リソースが最後に割り当てられてからの経過時間を管理している。
例えば、第2のスケジューリングアルゴリズムでは、複数のセルラUE100−Cのそれぞれについて、以下の計算式でD2D共用無線リソースの割当優先度P2を算出する。
P2=P1+α1
ここで、P1は、D2D共用無線リソースについて第1のスケジューリングアルゴリズムにより算出される割当優先度である。α1は、D2D共用無線リソースが最後に割り当てられてからの経過時間を示す調整値(補正値)である。
このような第2のスケジューリングアルゴリズムによれば、D2D共用無線リソースが最後に割り当てられてからの経過時間が長いセルラUE100−Cは、割当優先度P2が高くなるよう調整される。これに対し、当該経過時間が短いセルラUE100−Cは、割当優先度P2が相対的に低くなるよう調整される。すなわち、D2D共用無線リソースが同一のセルラUE100−Cに連続的に割り当てられないように調整される。
これにより、セルラ通信とD2D通信との間の干渉の影響が同一のセルラUE100−C(及びその周辺のD2D UE100−D)に集中することを防止できる。言い換えると、セルラ通信とD2D通信との間の干渉の影響を分散させることができる。
従って、共用リソース割当方式を適用する場合でも干渉の影響を軽減できるため、干渉の影響を軽減しつつ無線リソースの利用効率を改善できる。
[第2実施形態]
以下、第2実施形態について、上述した第1実施形態との相違点を説明する。第2実施形態は、D2D共用無線リソースのスケジューリング方法が第1実施形態とは異なる。その他の点については、第1実施形態と同様である。
第2実施形態では、eNB200のスケジューラは、複数のセルラUE100−CのうちeNB200の近傍のセルラUE100−Cに優先的にD2D共用無線リソースが割り当てられるように、複数のセルラUE100−CのそれぞれについてD2D共用無線リソースの割当優先度P2を算出する。
D2D共用無線リソースの割当優先度P2の算出には、上述した第1のスケジューリングアルゴリズムとは異なる第2のスケジューリングアルゴリズムが使用される。ここでは、第1のスケジューリングアルゴリズムを変形したものを第2のスケジューリングアルゴリズムとして使用する一例を説明する。
あるD2D共用無線リソースが割り当てられるセルラUE100−Cを複数のセルラUE100−Cの中から選択する場合、スケジューラは、第2のスケジューリングアルゴリズムを使用して、複数のセルラUE100−Cのそれぞれについて割当優先度P2を算出する。そして、複数のセルラUE100−Cのうち、割当優先度P2が最高となるセルラUE100−Cに対して、当該D2D共用無線リソースを割り当てる。
第2実施形態では、第2のスケジューリングアルゴリズムは、複数のセルラUE100−Cのそれぞれについて、eNB200との間のパスロス(伝搬損失)を考慮したスケジューリングアルゴリズムである。この場合、スケジューラは、複数のセルラUE100−Cのそれぞれについて、eNB200との間のパスロスを管理している。パスロスは、既知の送信電力と、測定された受信電力と、の差分により求められる。eNB200の近傍のセルラUE100−Cは、通常、eNB200との間のパスロスが小さい。
例えば、第2のスケジューリングアルゴリズムでは、複数のセルラUE100−Cのそれぞれについて、以下の計算式でD2D共用無線リソースの割当優先度P2を算出する。
P2=P1−α2
ここで、P1は、D2D共用無線リソースについて第1のスケジューリングアルゴリズムにより算出される割当優先度である。α2は、eNB200との間のパスロスを示す調整値(補正値)である。
このような第2のスケジューリングアルゴリズムによれば、eNB200との間のパスロスが大きいセルラUE100−Cは、割当優先度P2が低くなるよう調整される。これに対し、eNB200との間のパスロスが小さいセルラUE100−Cは、割当優先度P2が相対的に高くなるよう調整される。すなわち、eNB200の近傍のセルラUE100−Cに優先的にD2D共用無線リソースが割り当てられるように調整される。
下りリンクのセルラ無線リソースにD2D共用無線リソースが設けられる場合には、eNB200の近傍のセルラUE100−CにD2D共用無線リソースを割り当てることにより、D2D共用無線リソースにおけるeNB200の送信電力(下りリンク送信電力)を低く抑えることができる。これにより、D2D通信とセルラ通信との間の干渉の影響を低減できる。
上りリンクのセルラ無線リソースにD2D共用無線リソースが設けられる場合には、eNB200の近傍のセルラUE100−CにD2D共用無線リソースを割り当てることにより、D2D共用無線リソースにおけるセルラUE100−Cの送信電力(上りリンク送信電力)を低く抑えることができる。これにより、D2D通信とセルラ通信との間の干渉の影響を低減できる。
従って、共用リソース割当方式を適用する場合でも干渉の影響を軽減できるため、干渉の影響を軽減しつつ無線リソースの利用効率を改善できる。
[第2実施形態の変更例]
第2実施形態の変更例では、第2のスケジューリングアルゴリズムは、複数のセルラUE100−Cのそれぞれについて、上りリンクの送信電力を考慮したスケジューリングアルゴリズムである。この場合、スケジューラは、複数のセルラUE100−Cのそれぞれについて、上りリンクの送信電力を管理している。eNB200の近傍のセルラUE100−Cは、通常、上りリンクの送信電力が小さい。
本変更例に係る第2のスケジューリングアルゴリズムでは、複数のセルラUE100−Cのそれぞれについて、例えば以下の計算式でD2D共用無線リソースの割当優先度P2を算出する。
P2=P1−α3
ここで、P1は、D2D共用無線リソースについて第1のスケジューリングアルゴリズムにより算出される割当優先度である。α3は、上りリンクの送信電力を示す調整値(補正値)である。
このような第2のスケジューリングアルゴリズムによれば、上りリンクの送信電力が大きいセルラUE100−Cは、割当優先度P2が低くなるよう調整される。これに対し、上りリンクの送信電力が小さいセルラUE100−Cは、割当優先度P2が相対的に高くなるよう調整される。すなわち、eNB200の近傍のセルラUE100−Cに優先的にD2D共用無線リソースが割り当てられるように調整される。
従って、上述した第2実施形態と同様に、共用リソース割当方式を適用する場合でも干渉の影響を軽減できるため、干渉の影響を軽減しつつ無線リソースの利用効率を改善できる。
[その他の実施形態]
上述した各実施形態では、eNB200がD2D通信のためにUE100に割り当てる無線リソース(D2D無線リソース)として、ユーザデータの送受信に用いられる無線リソース(commucnication用の無線リソース)を例に説明したが、これに限られない。D2D無線リソースは、D2D通信に関する他の用途のための無線リソースであってもよい。例えば、D2D無線リソースは、UE100の近傍に存在する他のUE100を発見するため(又は発見されるため)に用いられる無線リソース(discovery/discoverable用の無線リソース)であってもよい。また、D2D無線リソースは、D2D UEどうしがD2D通信のために同期を取るための同期信号の送信に用いられる無線リソースであってもよいし、D2D UE100がスケジューリングを行ったD2D通信用のユーザデータの割当位置を示す割当情報(Scheduling Assignment)の送受信に用いられる無線リソースであってもよい。
上述した各実施形態では、第1のスケジューリングアルゴリズムを変形したものを第2のスケジューリングアルゴリズムとして使用していた。しかしながら、第2のスケジューリングアルゴリズムは、第1のスケジューリングアルゴリズムとは全く異なるものであってもよい。
上述した第1実施形態では、スケジューラは、D2D共用無線リソースが同一のセルラUE100−Cに連続的に割り当てられないように、複数のセルラUE100−Cのそれぞれについて割当優先度P2を算出していたが、スケジューラは、D2D共用無線リソースが同一のセルラUE100−Cに周期的に連続的に割り当てられないように、複数のセルラUE100−Cのそれぞれについて割当優先度P2を算出してもよい。例えば、以下の計算式でD2D共用無線リソースの割当優先度P2を算出する。
P2=P1+α1’
ここで、P1は、D2D共用無線リソースについて第1のスケジューリングアルゴリズムにより算出される割当優先度である。α1’は、セルラUE100−Cに割り当てられるD2D共用無線リソースの周期(すなわち、同一のセルラUE100−Cに割り当てられたD2D共用無線リソースの間隔)を示す調整値(補正値)である。
従って、例えば、セミパーシステントスケジューリング(Semi−Persistent Scheduling)によって割り当てられる周期的に連続する無線リソース(例えば、VoIPの無線リソース)と、同一のセルラUE100−Cに割り当てられたD2D共用無線リソースとが連続して重複することを避けることができる。その結果、セルラ通信とD2D通信との間の干渉の影響が同一のセルラUE100−C(及びその周辺のD2D UE100−D)に集中することを防止できる。
上述した第2実施形態では、第2のスケジューリングアルゴリズムは、複数のセルラUE100−Cのそれぞれについて、eNB200との間のパスロスを考慮したスケジューリングアルゴリズムであったが、これに限られない。具体的には、複数のセルラUE100−CのそれぞれとeNB200との間のパスロス(以下、第1パスロス)だけでなく、複数のセルラUE100−Cのそれぞれについて、eNB200の近傍に位置する他のeNB200との間のパスロス(以下、第2パスロス)を考慮したスケジューリングアルゴリズムが使用されてもよい。
例えば、以下の計算式でD2D共用無線リソースの割当優先度P2を算出する。
P2=P1+α2’
ここで、P1は、D2D共用無線リソースについて第1のスケジューリングアルゴリズムにより算出される割当優先度である。α2’は、第1パスロス及び第2パスロスのうち小さい方のパスロスを示す調整値(補正値)である。例えば、eNB200は、他のeNB200から第2パスロスを示す情報を取得して、α2’を算出する。
上述のスケジューリングアルゴリズムが使用された場合、第1パスロス及び第2パスロスの両方のパスロスが大きいセルラUE100−Cは、割当優先度P2が低くなるよう調整される。これに対し、第1パスロス及び第2パスロスのいずれかのパスロスが小さいセルラUE100−Cは、割当優先度P2が相対的に高くなるよう調整される。すなわち、eNB200又は他のeNB200のいずれかに近傍しているセルラUE100−Cに優先的にD2D共用無線リソースが割り当てられるように調整される。従って、共用リソース割当方式を適用する場合でも干渉の影響を軽減できるため、干渉の影響を軽減しつつ無線リソースの利用効率を改善できる。
上述の第1パスロス及び第2パスロスを考慮したスケジューリングアルゴリズムは、以下のセルラUE100−Cにのみ使用されてもよい。
第1に、複数のセルラUE100−Cのうち、eNB200(が管理するセル)と他のeNB200(が管理するセル)とが上りリンクにおいてCoMP(Coordinated Multi−Point)協働セットとして機能するセルラUE100−Cに上述のスケジューリングアルゴリズムが使用されてもよい。セルラUE100−Cからの上りリンク信号をeNB200及び他のeNB200が協調して受信する場合、eNB200及び他のeNB200のいずれかが当該セルラUE100−Cからの上りリンク信号を受信できればよいため、第1パスロス及び第2パスロスのいずれかのパスロスが小さい当該セルラUE100−Cは、割当優先度P2が相対的に高くなるよう調整できる。特に、セルラUE100−Cからの上りリンク信号をeNB200と他のeNB200とが共同受信するJR−CoMP(Joint reception CoMP)が適用されるセルラUE100−Cに対して、上述のスケジューリングアルゴリズムが使用されることが好ましい。
なお、eNB200は、上述のスケジューリングアルゴリズムが使用されたセルラUE100−1に対して、送信電力を制御するための指示を送信してもよい。
第2に、複数のセルラUE100−Cのうち、他のeNB200(が管理するセル)との間のパスロスに応じて送信電力が制御されるセルラUE100−Cに上述のスケジューリングアルゴリズムが使用されてもよい。セルラUE100−Cと他のeNB200との間のパスロスが小さい場合、当該セルラUE100−Cは、第2パスロスが小さい場合、第2パスロスに応じて送信電力を下げるため、第1パスロス及び第2パスロスのいずれかのパスロスが小さい当該セルラUE100−Cは、割当優先度P2が相対的に高くなるよう調整できる。
なお、eNB200は、上述のスケジューリングアルゴリズムが使用されたセルラUE100−Cに対して、送信電力を制御するための指示を送信してもよい。
また、上述した第2実施形態の変更例と同様に、eNB200への上りリンクの送信電力に加えて、他のeNB200への上りリンクの送信電力を考慮したアルゴリズムが使用されてもよい。この場合、スケジューラは、複数のセルラUE100−Cのそれぞれについて、eNB200への上りリンクの送信電力と、他のeNB200への上りリンクの送信電力とに基づいて、割当優先度を算出する。eNB200は、eNB200への上りリンクの送信電力及び他のeNB200への上りリンクの送信電力のいずれかの送信電力が小さいほど、割当優先度が高くなるように、割当優先度を調整する。
なお、他のeNB200は、eNB200と同じ周波数帯域を使用可能である。他のeNB200とは、例えば、隣接eNB200、又は、eNB200が管理するセル内に配置され、小セルを管理するeNB200である。
また、eNB200と他のeNB200とは、UE100がeNB200及び他のeNB200のそれぞれと、ユーザデータの伝送に用いられるデータパスを確立する二重接続(Dual Connectivity)方式を利用可能であってもよい。また、eNB200と他のeNB200とは、1つの時間・周波数リソースを用いて、協調してUE100と通信を行うCoMP協調セット(CoMP cooperating set)であってもよい。また、eNB200は、他のeNB200が使用可能な周波数帯(キャリア)を、キャリアアグリゲーション(Carrier Aggregation)におけるコンポーネントキャリアとして使用してもよい。
また、上述した各実施形態では、eNB200のスケジューラが上述の各スケジューリングアルゴリズムを使用して、無線リソースを割り当てていたが、これに限られない。例えば、相互に近接する複数のUE100からなるD2D UE群(クラスタ)において、D2D通信を制御するUEであるクラスタヘッド(CHUE)(具体的には、スケジュール機能を有するCHUEの制御部)が、当該クラスタに属するD2D UE100に対して、D2D無線リソースを割り当てる場合、上述の各スケジューリングアルゴリズムを使用してもよい。
具体的には、D2D無線リソースが、1つのクラスタが専用で使用する専用クラスタD2D無線リソース(すなわち、他のクラスタと共用しないD2D無線リソース)と、複数のクラスタが共用で使用する共用クラスタD2D無線リソース(すなわち、他のクラスタと共用するD2D無線リソース)とに分かれているケースを想定する。このケースにおいて、CHUE100−1は、上述のスケジューリングと同様に、割当優先度(P1、P2)を算出して、専用クラスタD2D無線リソース又は共用クラスタD2D無線リソースを、CHUE100−1のクラスタに属する複数のD2D UE100(CHUE100−1を含む)のそれぞれに割り当てることができる。これによれば、複数のクラスタが共用でD2D無線リソースを使用する場合でも、クラスタ間における干渉の影響を軽減できるため、干渉の影響を軽減しつつD2D無線リソースの利用効率を改善できる。
なお、CHUEのスケジューリングに上述の各実施形態に係るスケジューリング方法を適用する場合、「専用クラスタD2D無線リソース」は、上述の「セルラ専用無線リソース」に該当し、「共用クラスタD2D無線リソース」は、上述の「D2D共用無線リソース」に該当し、「CHUE100−1のスケジューラ」は、上述の「eNB200のスケジューラ」に該当し、「CHUE100−1のクラスタに属する複数のD2D UE100」は、上述の「複数のセルラUE100−C」に該当する。
上述した各実施形態では、本発明をLTEシステムに適用する一例を説明したが、LTEシステムに限定されるものではなく、LTEシステム以外のシステムに本発明を適用してもよい。
なお、米国仮出願第61/765901号(2013年2月18日出願)の全内容が、参照により、本願明細書に組み込まれている。
以上のように、本発明に係る基地局及び通信制御方法は、干渉の影響を軽減しつつ、無線リソースの利用効率を改善できるため、移動通信分野において有用である。

Claims (12)

  1. データパスがコアネットワークを経由するセルラ通信と、データパスがコアネットワークを経由しない直接的な端末間通信であるD2D通信と、をサポートする移動通信システムにおいて用いられる基地局であって、
    前記D2D通信と共用しない専用無線リソース、又は前記D2D通信と共用する共用無線リソースを、前記セルラ通信を行う複数のセルラ端末のそれぞれに割り当てる制御部を有し、
    前記制御部は、前記共用無線リソースの割当優先度に従って、前記共用無線リソースが割り当てられるセルラ端末を前記複数のセルラ端末の中から選択するスケジューラを含み、
    前記スケジューラは、前記セルラ通信と前記D2D通信との間の干渉の影響が軽減されるように、前記複数のセルラ端末のそれぞれについて前記割当優先度を算出することを特徴とする基地局。
  2. 前記スケジューラは、前記共用無線リソースが同一のセルラ端末に連続的に割り当てられないように、前記複数のセルラ端末のそれぞれについて前記割当優先度を算出することを特徴とする請求項1に記載の基地局。
  3. 前記スケジューラは、前記共用無線リソースが前記同一のセルラ端末に周期的に連続的に割り当てられないように、前記複数のセルラ端末のそれぞれについて前記割当優先度を算出することを特徴とする請求項2に記載の基地局。
  4. 前記スケジューラは、前記複数のセルラ端末のそれぞれについて、前記共用無線リソースが最後に割り当てられてからの経過時間に基づいて前記割当優先度を算出しており、
    前記経過時間が短いほど、前記割当優先度が低くなるよう調整されることを特徴とする請求項2に記載の基地局。
  5. 前記スケジューラは、前記複数のセルラ端末のうち前記基地局の近傍のセルラ端末に優先的に前記共用無線リソースが割り当てられるように、前記複数のセルラ端末のそれぞれについて前記割当優先度を算出することを特徴とする請求項1に記載の基地局。
  6. 前記スケジューラは、前記複数のセルラ端末のそれぞれについて、前記基地局との間のパスロスに基づいて前記割当優先度を算出しており、
    前記パスロスが小さいほど、前記割当優先度が高くなるよう調整されることを特徴とする請求項5に記載の基地局。
  7. 前記スケジューラは、前記複数のセルラ端末のそれぞれについて、前記基地局との間のパスロスと、前記基地局の近傍に位置する他の基地局との間のパスロスとに基づいて前記割当優先度を算出しており、
    前記基地局との間のパスロス及び前記他の基地局との間のパスロスのいずれかのパスロスが小さいほど、前記割当優先度が高くなるよう調整されることを特徴とする請求項5に記載の基地局。
  8. 前記複数のユーザ端末のうち前記基地局と前記他の基地局とが上りリンクにおいてCoMP協働セットとして機能するセルラ端末についての前記割当優先度が、前記基地局との間のパスロス及び前記他の基地局との間のパスロスのいずれかのパスロスが小さいほど、高くなるよう調整されることを特徴とする請求項1に記載の基地局。
  9. 前記複数のセルラ端末のうち前記他の基地局との間のパスロスに応じて送信電力が制御されるセルラ端末についての前記割当優先度が、前記基地局との間のパスロス及び前記他の基地局との間のパスロスのいずれかのパスロスが小さいほど、高くなるよう調整されることを特徴とする請求項1に記載の基地局。
  10. 前記スケジューラは、前記複数のセルラ端末のそれぞれについて、上りリンクの送信電力に基づいて前記割当優先度を算出しており、
    前記上りリンク送信電力が小さいほど、前記割当優先度が高くなるよう調整されることを特徴とする請求項5に記載の基地局。
  11. 前記共用無線リソースの割当優先度の算出には、前記専用無線リソースの割当優先度の算出に使用されるスケジューリングアルゴリズムとは異なるスケジューリングアルゴリズムが使用されることを特徴とする請求項1に記載の基地局。
  12. データパスがコアネットワークを経由するセルラ通信と、データパスがコアネットワークを経由しない直接的な端末間通信であるD2D通信と、をサポートする移動通信システムにおいて用いられる通信制御方法であって、
    前記D2D通信と共用しない専用無線リソース、又は前記D2D通信と共用する共用無線リソースを、前記セルラ通信を行う複数のセルラ端末のそれぞれに割り当てる基地局が、前記共用無線リソースの割当優先度に従って、前記共用無線リソースが割り当てられるセルラ端末を前記複数のセルラ端末の中から選択するステップAを有し、
    前記ステップAにおいて、前記基地局は、前記セルラ通信と前記D2D通信との間の干渉の影響が軽減されるように、前記複数のセルラ端末のそれぞれについて前記割当優先度を算出することを特徴とする通信制御方法。
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