本実施例のぱちんこ遊技機においては、従来にいう第1種ぱちんこ遊技機に相当する遊技が複数混在する。その複数の遊技としての第1の遊技と第2の遊技とが、同時に実行されないよう第2の遊技が優先的に実行される。またこれらの遊技性を両立させるために、本実施例のぱちんこ遊技機は、複数の始動入賞口、複数の特別図柄表示装置、複数の保留ランプ、複数の大入賞口を備える。
詳細な構成は後述するが、第2の遊技のための始動入賞口(第2始動口)には、入球の容易性を可変に調整可能な拡開機構である普通電動役物(いわゆる電動チューリップ)が設けられる。そして特別遊技終了後には特定遊技状態へ移行し、第1の遊技のための始動入賞口(第1始動口)への入球よりも第2始動口への入球が容易な状態となる。また、第2始動口への入球に伴う賞球数は、第1始動口への入球に伴う賞球数よりも少なく設定される一方、第2始動口への入球に伴う小当り確率は、第2始動口への入球に伴う小当り確率よりも高く設定される。さらにまた、小当りを契機とする大入賞口の開放時間は、少数の遊技球の入球が可能なように比較的長く設定される(例えば1.7秒)。したがって、本実施例のぱちんこ遊技機は、特別遊技終了後の特定遊技状態において、第2始動口への入球を狙って小当りを発生させ、小当りにより開放された大入賞口へ入球させて賞球を得ることで遊技球の減少を抑制させつつ、次の大当りの発生を狙う遊技性となる。
また本実施例のぱちんこ遊技機では、特別遊技終了後の特定遊技状態における小当りの発生を契機として、小当り遊技中の演出として、ぱちんこ遊技に関する各種状況を遊技者へ示唆する種々の示唆演出を表示させる。これにより、遊技者にとって小当りの重要性を効果的に高めて、遊技の興趣を一層高める。以下、第1実施例および第2実施例では、特定遊技状態での小当りを契機として入球容易状態の継続期間を示唆する期間示唆演出を表示させるぱちんこ遊技機を提案する。第3実施例では、特別遊技終了時に確変状態へ移行するか否かを遊技者に報知せず、特定遊技状態での小当りを契機として確変状態か否かを示唆する確変示唆演出を表示させるぱちんこ遊技機を提案する。第4実施例では、特定遊技状態での小当りを契機として保留球の当否を示唆する当否示唆演出(いわゆる先読み演出)を表示させるぱちんこ遊技機を提案する。
(第1実施例)
図1は、ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。ぱちんこ遊技機10は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。ぱちんこ遊技機10の遊技機枠は、外枠11、前枠12、透明板13、扉14、上球皿15、下球皿16、および発射ハンドル17を含む。外枠11は、開口部分を有し、ぱちんこ遊技機10を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠12は、外枠11の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構により外枠11へ開閉可能に取り付けられる。前枠12は、遊技球を発射する機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導または回収するための機構等を含む。
透明板13は、ガラスなどにより形成され、扉14により支持される。扉14は、図示しないヒンジ機構により前枠12へ開閉可能に取り付けられる。上球皿15は、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿16への遊技球の抜き取り等をする機構を有する。下球皿16は、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。上球皿15と下球皿16の間にはスピーカ18が設けられており、後述する演出を制御する手段によって遊技状態などに応じた効果音が出力される。
遊技盤50は、外レール54と内レール56により区画された遊技領域52上に、アウト口58、第1特別図柄表示装置70、第2特別図柄表示装置71、演出表示装置60、第1始動入賞口(以下「第1始動口」という)62、第2始動入賞口(以下「第2始動口」という)63、センター飾り64、第1大入賞口91、第2大入賞口92、作動口68、一般入賞口72を含む。さらに遊技領域52には、図示しない複数の遊技釘や風車などの機構が設置される。
第1始動口62は第1の遊技に対応する始動入賞口として設けられ、第2始動口63は第2の遊技に対応する始動入賞口として設けられる。第1始動口62および第2始動口63は、遊技球の発射強弱によっていずれかを目標にした打ち分けが可能な程度に互いに離れた位置に設けられる。第1始動口62と第2始動口63は、遊技者の意思にしたがった遊技球の発射強弱によっていずれか一方への入球を狙うことが可能となるよう、それぞれ遊技領域52の左側と右側に離れて設置され、一方を狙った遊技球が他方へ入球しがたい構成となっている。たとえば、第1始動口62は遊技領域52の左側を狙って比較的弱めに発射したときに入球しやすくなるような位置に設けられ、第2始動口63は遊技領域52の右側を狙って比較的強めに発射したときに入球しやすくなるような位置に設けられる。当否抽選は、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定する抽選であり、第1始動口62または第2始動口63へ入球があるたびに実行される。
第1始動口62は、始動入賞検出装置74を備える。始動入賞検出装置74は、第1始動口62への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第1始動入賞情報を生成する。第2始動口63は、始動入賞検出装置75と、拡開機構である普通電動役物65(いわゆる電動チューリップ)と、普通電動役物65を開閉させるための普通電動役物ソレノイド76を備える。始動入賞検出装置75は、第2始動口63への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第2始動入賞情報を生成する。
普通電動役物ソレノイド76の駆動力により普通電動役物65が拡開されると、第2始動口63への入球容易性が高まる。普通電動役物65の1回の開放時間は、通常状態においては0.2秒程度の短時間であるが、入球容易状態においては普通電動役物65の1回の開放時間が6秒程度と通常入球状態よりも長く設定されるので、遊技球は第2始動口63に入球しやすくなる。
第2始動口63は図示するとおり遊技領域52の右側における狭い通路に設けられているので、右側を狙って強めに打球した遊技球の多くが少なくとも第2始動口63の近傍に集まり、入球容易状態における第2始動口63への入球可能性は高い。これに対して第1始動口62には普通電動役物が設置されておらず、しかも狭い通路から離れた位置に設けられている。したがって、少なくとも入球容易状態においては第1始動口62よりも第2始動口63の方が入球可能性が相対的に高くなるような配置または構成の関係となっている。
一般入賞口72は、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置73を複数備える。一般入賞検出装置73は、一般入賞口72への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す一般入賞情報を生成する。
第1大入賞口91は第1の遊技に対応する大入賞口として設けられ、第2大入賞口92は第2の遊技に対応する大入賞口として設けられる。第1大入賞口91は、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置78と、第1大入賞口91を開閉させるための大入賞口ソレノイド80を備える。入賞検出装置78は、第1大入賞口91への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第1大入賞口入賞情報を生成する。第2大入賞口92は、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置79と、第2大入賞口92を開閉させるための大入賞口ソレノイド81を備える。入賞検出装置79は、第2大入賞口92への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第2大入賞口入賞情報を生成する。第1大入賞口91は、第1特別図柄192が所定の態様にて停止したときに「大当り」として開放状態となる横長方形状の入賞口である。第1大入賞口91はアウト口58の上方の位置に設けられる。第2大入賞口92は、第2特別図柄193が所定の態様にて停止したときに「大当り」として開放状態となる横長方形状の入賞口である。第2大入賞口92はアウト口58の右上方の位置に設けられる。
遊技領域52の左下方に第1の遊技に対応する第1特別図柄表示装置70と第2の遊技に対応する第2特別図柄表示装置71とが左右に並設され、第1特別図柄192および第2特別図柄193の変動が表示される。遊技領域52の略中央には演出表示装置60が設けられ、第1特別図柄192または第2特別図柄193に連動する装飾図柄190を含む演出画像の変動を表示する。以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という。
第1特別図柄192は、第1始動口62への遊技球の入球を契機として行われる第1の抽選の結果に対応した図柄であり、その変動表示が所定の当り態様にて停止されたときに特別遊技としての大当りが発生する。第2特別図柄193は、第2始動口63への遊技球の入球を契機として行われる第2の抽選の結果に対応した図柄であり、その変動表示が所定の当り態様にて停止されたときに特別遊技としての大当りが発生する。第1特別図柄表示装置70および第2特別図柄表示装置71は、例えば7セグメントLEDで構成される表示装置である。本実施例においてセグメントの組合せで表される第1特別図柄192および第2特別図柄193は、必ずしも文字や数字の体をなしておらず、7セグメントLEDを構成する各セグメントの組合せで形成される一般に意味を持たない記号であってよい。これらの記号が高速で次々に入れ替わって第1特別図柄表示装置70および第2特別図柄表示装置71へ表示されることにより、第1特別図柄192および第2特別図柄193の図柄変動表示が実現される。また、7セグメントLEDは、「8の字」を形成する7個のセグメントおよび「ドット」を表す1個のセグメントからなる8個のセグメントで構成されてもよい。この場合、8個のセグメントを組み合わせることにより8ビット分の数値を表現できる。さらに、第1特別図柄表示装置70および第2特別図柄表示装置71を7セグメントLEDではないLEDドットアレーを用いて、その点灯パターンや点灯色の組合せで複数種類の第1特別図柄192および第2特別図柄193を表現してもよい。
演出表示装置60は、第1特別図柄192または第2特別図柄193の変動表示と連動する形で装飾図柄190を変動表示する液晶ディスプレイで構成される表示装置である。装飾図柄190は、第1特別図柄192および第2特別図柄193で示される抽選の結果表示を視覚的に演出するための図柄である。演出表示装置60は、装飾図柄190として、例えばスロットマシンのゲームを模した複数列の図柄を変動させる動画像を画面の中央領域に表示する。本実施例においては、「0」〜「9」の数字で構成される図柄を3列に表示して変動させ、最終的に停止表示される3個の図柄組合せによって当りまたは外れを示す。装飾図柄190を構成する複数図柄のそれぞれは、色彩や模様の装飾が施された数字、文字、または記号で構成されるが、これら数字、文字、記号に対して全図柄に共通する絵柄または図柄ごとに異なる絵柄を加えて一体化させる形で構成されてもよい。この絵柄は、ぱちんこ遊技機10の当該機種に設定された装飾または演出のテーマに関連するモチーフが描かれた絵柄であり、例えば人物や動物のキャラクターが描かれた絵柄であってもよい。装飾図柄190は、絵柄が一体的に含まれる図柄が変動表示される場合と、絵柄が分離して数字、文字、記号の部分のみが変動表示される場合とが、演出の展開に沿って切り替えられる構成であってもよい。装飾図柄190の変動表示の背景には、ぱちんこ遊技機10の当該機種に設定された装飾または演出のテーマに関連する演出的効果を有する動画像が図柄変動と連動して表示される。
演出表示装置60は、本実施例では液晶ディスプレイなどの高精細なドットマトリクス型表示装置で構成されるが、ドラム回転式などの機械的表示手段やLEDマトリクス式などの表示手段で構成されてもよい。なお、第1特別図柄192および第2特別図柄193は必ずしも演出的な役割をもつことを要しないため、本実施例では演出表示装置60の左下方の第1特別図柄表示装置70および第2特別図柄表示装置71にて目立たない大きさで表示させる。ただし、特別図柄自体に演出的な役割をもたせることで装飾図柄を用いずに表現する手法を採用する場合には、特別図柄を7セグメントLEDではなく液晶ディスプレイに表示させる構成としてもよい。
作動口68は、遊技盤50の右側方位置に設けられる。作動口68は、通過検出装置69を含む。通過検出装置69は、作動口68への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。作動口68への遊技球の通過は普通電動役物65を拡開させるか否かを決定する開放抽選の契機となる。作動口68を遊技球が通過すると、開放抽選の結果を示す図柄である普通図柄が普通図柄表示装置59に変動表示される。したがって、開放抽選は「普通図柄抽選」とも呼ぶ。本実施例における普通図柄表示装置59は、便宜上、二つのランプで構成されるとともに、それらのうちいずれのランプが点灯しているかによって普通図柄の表示状態が表現される。例えば、第1のランプの点灯が外れを示し、第2のランプが当りを示すとき、それらが交互に点灯と消灯を繰り返すことによって普通図柄の変動表示が表現され、最終的にいずれかの点灯状態にて停止されることで普通図柄の停止図柄が表現される。普通図柄表示装置59は演出表示装置60の右下方に設けられる。変動開始から所定時間の経過後に、普通図柄の変動表示が停止する。このとき、通常入球状態では例えば1/256程度の低確率にて普通図柄が当りの図柄で停止し、入球容易状態では例えば250/256程度の高確率にて普通図柄が当りの図柄で停止する。普通図柄が当りの図柄で停止すると、普通電動役物65が所定時間拡開される。普通電動役物65の開放時間は、例えば通常状態では0.2秒間であり、入球容易状態では6秒間である。普通図柄の変動時間は、例えば通常状態では30〜60秒間であり、入球容易状態では2秒間である。
なお、上述の通り普通図柄の当り確率の変動、普通電動役物65の開放時間の延長、普通図柄の変動時間の短縮の3つの機能を用いて第2始動口63への入球容易性を高める構成を本実施例では採用する。ただし、変形例としては、これら3つの機能のうち、1つまたは2つの機能を用いて第2始動口63への入球容易性を高める構成としてもよい。このように3つの機能のうち一部だけを用いても第2始動口63への入球容易性を高めることは可能である。また、後述の通り本実施例ではいわゆる「時短」と呼ばれる特別図柄の変動時間短縮機能を入球容易状態においてさらに実施する仕様とし、単に入球容易状態と呼ぶ場合は時短状態でもあることとする。ただし変形例として、入球容易状態において特別図柄の時短を実施しない仕様としてもよい。
演出表示装置60の周囲には、センター飾り64が設けられる。センター飾り64は、遊技球の流路、演出表示装置60の保護、装飾等の機能を有する。遊技領域52の左下部には、第1特別図柄保留表示装置20および第2特別図柄保留表示装置21が設けられ、その対称的な位置である遊技領域52の右下部には、普通図柄表示装置59の下に普通図柄保留表示装置22が設けられている。
遊技効果ランプ90がセンター飾り64の上部および下部に設けられ、点滅等することで演出の役割を果たす。第1特別図柄表示装置70の上方には第1の遊技に対応する第1特別図柄保留表示装置20が設けられ、第2特別図柄表示装置71の上方には第2の遊技に対応する第2特別図柄保留表示装置21が設けられている。第1特別図柄保留表示装置20は2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって第1の遊技における当否抽選値の保留数を表示する。第1特別図柄保留表示装置20における当否抽選値の保留数は、第1特別図柄192の変動中または特別遊技の実行中に第1始動口62へ入賞した抽選結果の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。第2特別図柄保留表示装置21も2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって第2の遊技における当否抽選値の保留数を表示する。第2特別図柄保留表示装置21における当否抽選値の保留数は、第2特別図柄193の変動中または特別遊技の実行中に第2始動口63へ入賞した抽選結果の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。
当否抽選の保留数が3個になると、遊技効率を高めるために外れの場合の図柄変動時間が通常より短縮される(以下、「短縮変動」ともいう)。同様に、当否抽選の保留数が4個になると、さらに遊技効率を高めるために外れの場合の図柄変動時間が上記3個の場合よりもさらに短縮される(以下、「超短縮変動」ともいう)。
普通図柄保留表示装置22もまた2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって普通図柄変動の保留数を表示する。普通図柄変動の保留数は、普通図柄195の変動中に作動口68を通過した遊技球の個数であり、普通図柄195の変動がまだ実行されていない普通図柄抽選の数を示す。
操作ボタン82は、遊技者が遊技機へ所定の指示を入力するために操作する操作入力手段であり、その操作入力の内容に応じて演出内容等に変化が加えられる。操作ボタン82は、上球皿15近傍の外壁面に設けられる。本実施例における操作ボタン82は一つのボタンで構成されるが、複数のボタンや十字キーなどの方向指示ボタンで構成されてもよい。
以上のような構成においてなされる遊技の方法および制御の流れを概説する。遊技者が発射ハンドル17を手で回動させると、その回動角度に応じた強度で上球皿15に貯留された遊技球が1球ずつ内レール56と外レール54に案内されて遊技領域52へ発射される。遊技者が発射ハンドル17の回動位置を手で固定させると一定の時間間隔で遊技球の発射が繰り返される。遊技領域52の上部へ発射された遊技球は、複数の遊技釘や風車に当たりながらその当たり方に応じた方向へ落下する。遊技球が一般入賞口72、第1始動口62、第2始動口63、第1大入賞口91、第2大入賞口92の各入賞口へ落入すると、その入賞口の種類に応じた賞球が上球皿15または下球皿16に払い出される。一般入賞口72等の各入賞口に落入した遊技球はセーフ球として処理され、アウト口58に落入した遊技球はアウト球として処理される。なお、各入賞口は遊技球が通過するゲートタイプのものを含み、本願において「落入」「入球」「入賞」というときは「通過」を含むものとする。
第1始動口62または第2始動口63に入球すると、第1特別図柄表示装置70、第2特別図柄表示装置71および演出表示装置60において第1特別図柄192、第2特別図柄193、および装飾図柄190が変動表示される。第1特別図柄192、第2特別図柄193、および装飾図柄190の変動表示は、表示に先だって決定された変動表示時間の経過後に停止される。第1特別図柄192および第2特別図柄193は、その変動開始から停止までの変動態様が定められた変動パターンにしたがって変動表示される。装飾図柄190は、その変動開始から停止までの変動態様が定められた変動演出パターンにしたがって変動表示される。変動パターンおよび変動演出パターンはそれぞれ複数種ずつ用意され、それぞれが長短様々な変動時間をもつ。変動パターンにしたがって第1特別図柄192および第2特別図柄193が変動表示される間、同じ変動時間をもつ変動演出パターンにしたがって装飾図柄190が変動表示される。変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に第1特別図柄192、第2特別図柄193、および装飾図柄190の変動が停止される。
装飾図柄190の変動表示としては、まず変動開始とともにスロットマシンのリール回転のように3列とも図柄を変動させ、変動終了タイミングへ近づいたときに一列ずつ停止させることで最終的な停止態様としての図柄組合せを表示する。停止時の第1特別図柄192、第2特別図柄193、および装飾図柄190が大当りを示す停止態様となった場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、第1大入賞口91または第2大入賞口92の開閉動作が開始される。大当りを示す装飾図柄190の停止態様は、例えば3つの図柄の種類が一致する組合せの態様である。
変動演出パターンには、通常外れ演出パターン、リーチ外れ演出パターン、リーチ大当り演出パターンが含まれる。通常外れ演出パターンは、通常の外れの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。リーチ外れ演出パターンは、あと一つ図柄が揃えば大当りとなる状態であるリーチ状態を経て外れの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。リーチ大当り演出パターンは、リーチ状態を経て大当りの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれ、相対的に変動時間の短いリーチパターンを「ノーマルリーチ」と称し、変動時間の長いリーチパターンを「スーパーリーチ」と称する。
特別遊技には通常特別遊技と短縮特別遊技の2種類があり、それぞれ獲得賞球による利益に大きな差が生じる。通常特別遊技は、開始デモ時間と呼ばれる演出画面の表示によって開始される。開始デモ時間の画面表示後に第1大入賞口91または第2大入賞口92が開放され、その開放が約30秒間続いた後、または9球以上の遊技球が落入した後で一旦閉鎖される。このような第1大入賞口91または第2大入賞口92の開放から閉鎖までが、基本的には単位遊技と呼ばれるが、1回の単位遊技の間に複数回の短時間の開放を繰り返す場合があってもよい。第1大入賞口91または第2大入賞口92の開閉ないし単位遊技が所定回数、例えば15回繰り返された後、終了デモ時間と呼ばれる演出画面の表示によって通常特別遊技が終了される。通常特別遊技においては、1回の単位遊技あたり9球以上の入球が十分に期待でき、15回分の単位遊技によって十分な賞球(これを「出玉」ともいう)を獲得でき、大きな利益が得られる。15回の単位遊技が繰り返される特別遊技を適宜「15R大当り」とも称する。
一方、短縮特別遊技には、開始デモ時間および終了デモ時間も設けられていない。第1始動口62への入球を契機とする、言い換えれば、第1特別図柄192が大当りとなることに伴う短縮特別遊技では、1回の単位遊技で第1大入賞口91を0.2秒間だけ開放させる。その一方、第2始動口63への入球を契機とする、言い換えれば、第2特別図柄193が大当りとなることに伴う短縮特別遊技では、1回の単位遊技で第2大入賞口92を0.85秒間だけ開放させる。この単位遊技を2回繰り返して短縮特別遊技が終了される。短縮特別遊技では、短時間の第1大入賞口91または第2大入賞口92の開放を2回繰り返すだけであるため、1回の短縮特別遊技で開放される第1大入賞口91または第2大入賞口92には大量の入球は困難であり、結果として得られる賞球数(出玉)は少ない。2回の単位遊技が繰り返される特別遊技を適宜「2R大当り」とも称する。
停止時の第1特別図柄192または第2特別図柄193および装飾図柄190が所定の小当り態様であった場合、1回の単位遊技で構成される小当り遊技に移行し、第1大入賞口91または第2大入賞口92の開閉動作が実行される。第1始動口62への入球を契機とする、言い換えれば、第1特別図柄192が小当りとなることに伴う小当り遊技では、小当り遊技を構成する1回の単位遊技において、第1大入賞口91が0.2秒間の開放を2回繰り返す。その一方、第2始動口63への入球を契機とする、言い換えれば、第2特別図柄193が小当りとなることに伴う小当り遊技では、小当り遊技を構成する1回の単位遊技において、第2大入賞口92が0.85秒間の開放を2回繰り返す。このように小当り遊技は、外観上は2R大当りと同様の動作態様となる。小当り遊技においても、第1大入賞口91または第2大入賞口92には大量の入球は困難であり、結果として得られる賞球数(出玉)は少ない。例えば、第2始動口63への入球を契機とする、言い換えれば、第2特別図柄193が小当り態様となることによる小当り遊技では、1回の小当りに伴う大入賞口の開放で2〜3球程度の入球であり、賞球数は30〜45程度(入球1球当りの賞球数15の場合)である。また、第1始動口62への入球を契機とする、言い換えれば、第1特別図柄192が小当り態様となることによる小当り遊技では、大入賞口への入球はさらに困難であり、ほぼ出玉が発生しない。
特別遊技が終了した後の通常遊技において特定遊技の一つである入球容易状態が開始される。入球容易状態においては、開放抽選が当りになる確率を通常より高め、普通図柄の変動時間を通常状態より短縮するとともに、普通電動役物65の拡開時間を通常状態よりも長くする、いわゆる開放延長を実行する。このように、入球容易状態では一定時間あたりの普通図柄の変動回数が通常状態よりも増加する可能性が高まる上、第2始動口63への入球容易性も増すため、第2始動口63への入球数が増加する可能性も高い。したがって、入球容易状態では第2始動口63への入球による賞球を得られる機会が増加する結果、持ち玉をほとんど減らさないか、あるいは少しずつ持ち玉を増やしながら遊技し続けることが可能となる。入球容易状態においては、さらに第1特別図柄192、第2特別図柄193、装飾図柄190の変動時間が通常状態よりも短縮される。第1特別図柄192、第2特別図柄193、装飾図柄190の変動時間は、所定の変動回数、例えば100回の変動表示がなされた後で元の変動時間に戻されるが、その変動回数に達する前に大当りが発生すれば入球容易状態もいったん終了する。入球容易状態において第1特別図柄192、第2特別図柄193、装飾図柄190の変動時間が短縮されるため、通常の変動時間のまま図柄変動がなされる通常状態の場合と比べて、大当りが発生するまでの時間を短縮することができ、大当りの獲得容易性を相対的に高めることができる。
特別遊技が発生した場合であってそのときの当り停止図柄が特定の態様であった場合、特別遊技の終了後に特定遊技の一つである確変がさらに開始される。確変中は、通常の確率状態より当りの確率が高い当否抽選が行われ、比較的早期に新たな特別遊技が発生し得る。第1実施例では、確変状態は次の大当りが発生するまで継続される、言い換えれば、確変状態の継続期間(終期)は次の大当りが発生するまでとなる。その一方、入球容易状態の最大の継続期間(終期)は、複数種類の期間(特別図柄の変動表示回数)の中からいずれかが選択される。詳細は後述する。
図2は、ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す。電源スイッチ40は、ぱちんこ遊技機10の電源をオンオフするスイッチである。メイン基板102は、ぱちんこ遊技機10の全体動作を制御し、とくに第1始動口62、第2始動口63へ入賞したときの抽選等、遊技動作全般を処理する。サブ基板104は、液晶ユニット42を備え、演出表示装置60における表示内容を制御し、特にメイン基板102による抽選結果に応じて表示内容を変動させる。メイン基板102およびサブ基板104は、遊技制御装置100を構成する。裏セット機構39は、賞球タンク44や賞球の流路、賞球を払い出す払出ユニット43等を含む。払出制御基板45は、払出ユニット43による払出動作を制御する。発射装置46は、上球皿15の貯留球を遊技領域52へ1球ずつ発射する。発射制御基板47は、発射装置46の発射動作を制御する。電源ユニット48は、ぱちんこ遊技機10の各部へ電力を供給する。
払出ユニット43は、各入賞口への入賞に応じて、賞球タンク44から供給される遊技球を上球皿15へ払い出す。言い換えれば、後述の入球判定手段110により遊技球が入球した判定された入賞口の種類に応じた数の遊技球を賞球として払い出す。本実施例では、第1大入賞口91および第2大入賞口92への入賞の場合に賞球数15を払い出し、第1始動口62への入賞の場合に賞球数3を払い出し、第2始動口63への入賞の場合に賞球数1を払い出す。したがって、特定遊技状態(入球容易状態)において第2始動口63へ入球させるだけでは遊技数が減少しやすく、遊技球の減少を効果的に抑制するには、第2始動口63への入球により小当りを発生させて大入賞口への入球を狙う必要がある。
図3は、本実施例におけるぱちんこ遊技機10の機能ブロックを示す。ぱちんこ遊技機10において、遊技制御装置100は、第1始動口62、第2始動口63、第1大入賞口91、第2大入賞口92、一般入賞口72、作動口68、第1特別図柄表示装置70、第2特別図柄表示装置71、演出表示装置60、普通図柄表示装置59、操作ボタン82、スピーカ18、遊技効果ランプ90のそれぞれと電気的に接続されており、各種制御信号の送受信を可能とする。遊技制御装置100は、遊技の基本動作だけでなく、図柄変動表示や電飾等の演出的動作も制御する。遊技制御装置100は、遊技の基本動作や遊技の進行を含むぱちんこ遊技機10の全体動作を制御する主制御装置としてのメイン基板102と、図柄の演出等を制御する副制御装置としてのサブ基板104とに機能を分担させた形態で構成される。遊技制御装置100は、ハードウエア的にはデータやプログラムを格納するROMやRAM、演算処理に用いるCPU等の素子を含んで構成される。
本実施例におけるメイン基板102は、入球判定手段110、第1抽選手段126、第2抽選手段128、普図抽選手段129、保留制御手段116、メイン表示制御手段118、特別遊技制御手段120、小当り遊技制御手段154、特定遊技実行手段122、開閉制御手段124、特図調整手段152を備える。本実施例におけるサブ基板104は、パターン記憶手段130、図柄態様決定手段131、演出決定手段132、演出基準記憶手段133、演出表示制御手段134、小当り演出記憶手段135、操作検出手段156を備える。なお、メイン基板102に含まれる各機能ブロックは、いずれかがメイン基板102ではなくサブ基板104に搭載されるかたちで構成されてもよい。同様に、サブ基板104に含まれる各機能ブロックは、いずれかがサブ基板104ではなくメイン基板102に搭載されるかたちで構成されてもよい。
ただし、メイン基板102とサブ基板104の間におけるデータの送受信はメイン基板102からサブ基板104への一方向であるため、そのような一方向でのデータ送受信にて全体動作が実現されるよう各構成がメイン基板102とサブ基板104に配置される。このようにメイン基板102からサブ基板104へのデータ送信の一方向性が保たれるため、サブ基板104に含まれる構成からメイン基板102に含まれる構成へはデータを送信することができず、データ送信の要求もできない。したがって、メイン基板102で生成された情報は、メイン基板102がサブ基板104へ一方的に送信しない限りサブ基板104から参照することはできない。
入球判定手段110は、各入賞口への遊技球の入球を判定する。入球判定手段110は、第1始動入賞情報を受け取ると遊技球が第1始動口62に入賞したと判断し、第2始動入賞情報を受け取ると遊技球が第2始動口63に入賞したと判断する。入球判定手段110は、第1大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が第1大入賞口91に入賞したと判断し、第2大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が第2大入賞口92に入賞したと判断し、一般入賞情報を受け取ると遊技球が一般入賞口72に入賞したと判断する。入球判定手段110は、通過情報を受け取ると遊技球が作動口68を通過したと判断する。
第1抽選手段126および第2抽選手段128は、当否抽選手段として機能する。第1抽選手段126は、第1抽選値取得手段112、第1当否判定手段113、第1パターン決定手段114を含み、第1始動口62への入球に対応する当否抽選として第1の抽選を実行する。第1の抽選の結果は、第1特別図柄表示装置70において第1特別図柄192の変動表示の形で示され、演出表示装置60の表示領域194において装飾図柄190の変動表示の形で示される。第2抽選手段128は、第2抽選値取得手段115、第2当否判定手段117、第2パターン決定手段119を含み、第2始動口63への入球に対応する当否抽選として第2の抽選を実行する。第2の抽選の結果は、第2特別図柄表示装置71において第2特別図柄193の変動表示の形で示され、演出表示装置60の表示領域194において装飾図柄190の変動表示の形で示される。第1抽選手段126および第2抽選手段128は、図柄変動を開始するにあたり、その図柄変動に対応する抽選の結果を図柄変動の制御コマンドとともに演出決定手段132へ送信する。
第1抽選手段126および第2抽選手段128は、第1始動口62または第2始動口63への入球時にも事前判定処理として抽選値が当否判定におけるいずれの抽選値範囲に該当するかの事前当否判定を実行し、その判定結果を抽選結果として演出決定手段132へ送信する。事前判定処理の結果は送信バッファに一時保存された後、その抽選に対応する図柄変動表示が直ちに開始されるか否かにかかわらず演出決定手段132へ送信され、送信バッファから消去または後に上書きされる。そのため、サブ基板104の側にとっては図柄変動開始の順番が巡ってくる前にあらかじめ当否結果を推測的に認識できる、いわゆる「先読み」と呼ばれる処理が実現される。
第1抽選値取得手段112は、第1始動口62への入球を契機に、第1の抽選のために乱数の値を第1当否抽選値として取得する。第2抽選値取得手段115は、第2始動口63への入球を契機に、第2の抽選のために乱数の値を第2当否抽選値として取得する。例えば、当否抽選のために第1当否抽選値および第2当否抽選値として取得する値は「0」から「65535」までの値範囲から取得される。なお、本願にいう「乱数」は、数学的に発生させる乱数でなくてもよく、ハードウエア乱数やソフトウエア乱数などにより発生させる疑似乱数でもよい。第1当否抽選値、第2当否抽選値として取得する値は、保留制御手段116により一時的に保留される。ただし、所定の保留上限数を超えない範囲で当否抽選値が保留される。
第1当否判定手段113は、第1当否抽選値に基づき、特別遊技または小当り遊技へ移行するか否かを判定する当否判定と、第1当否抽選値が当否判定におけるいずれの抽選値範囲に該当するかの事前当否判定を実行する。第2当否判定手段117は、第2当否抽選値に基づき、特別遊技または小当り遊技へ移行するか否かを判定する当否判定と、第2当否抽選値が当否判定におけるいずれの抽選値範囲に該当するかの事前当否判定を実行する。第1当否判定手段113および第2当否判定手段117は、当否判定で参照する当否判定テーブルと事前当否判定テーブルを保持する。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する当否判定を、特に事前当否判定と区別するために、適宜「本判定としての当否判定」とも呼ぶ。
第1当否判定手段113および第2当否判定手段117は、当否判定で参照する当否判定テーブルを複数保持する。複数の当否判定テーブルには、大当りおよび外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられた大当りの範囲設定に応じて当否確率が定まる。第1当否判定手段113および第2当否判定手段117は、通常確率状態においては通常の当り確率による当否判定のための当否テーブルを参照し、確率変動状態においては通常確率より大当り確率が高くなる当否テーブルを参照する。第1当否判定手段113および第2当否判定手段117は、複数の当否テーブルのうちいずれかを参照し、当否抽選値が当りであるか否かを判定する。
図4は、当否判定テーブルを模式的に示す図である。本図の当否判定テーブルには、大当り、小当り、外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられたそれぞれの範囲設定に応じて大当り当否確率や小当りの当否確率が定まる。第1当否判定手段113および第2当否判定手段117は、本判定として当否判定において本図の当否判定テーブルを参照する。第1当否判定手段113による第1の抽選と第2当否判定手段117による第2の抽選のいずれにおいても、通常時には当否抽選値が0〜299の範囲に該当したときのみ大当りとなる。確変時には大当りの範囲が拡大され、当否抽選値が0〜299の範囲に該当する場合だけでなく、300〜2999の範囲に該当する場合にも大当りとなる。このように、大当りに該当する範囲は遊技状態に応じて変化する。なお、本図では単一の当否判定テーブルによって通常時と確変時の双方の大当り範囲を示したが、当否判定テーブルは通常時用と確変時用とで別個に用意してもよいし、第1の抽選用と第2の抽選用とで別個に用意してもよい。
本実施例においては、当否抽選値が大当り範囲に該当しない場合であっても、所定の範囲に該当した場合には小当りとなる。本図の例では、第1当否判定手段113が取得する当否抽選値が65318〜65535の範囲に該当した場合に小当りとなり、第2当否判定手段117が取得する当否抽選値が60495〜65535の範囲に該当した場合に小当りとなる。すなわち、第1の抽選よりも第2の抽選の方が小当りに該当する範囲が広く、小当りが発生しやすい。具体的には、第1の抽選における小当り確率は約300分の1であるのに対し、第2の抽選における小当り確率は約13分の1に設定される。このように、大当りに該当しなかった場合、本来はすべて「外れ」であるが、本図の例では大当りに該当しなかった場合のうち小当りにも該当しなかった場合の当否抽選値範囲を特に「外れ」と表現している。なお、本図では大当りか否かの判定テーブルと小当りか否かの判定テーブルとを単一の当否判定テーブルの形で実現する例を示したが、それぞれを別個のテーブルとして実現してもよい。
図5は、事前当否判定で参照される事前当否判定テーブルを模式的に示す図である。第1当否判定手段113は図5(a)のテーブルを参照し、当否抽選値が「0〜299」の場合はその旨(すなわち通常時確変時大当り)を示す「1」の値を判定結果としての当否範囲に設定し、当否抽選値が「300〜2999」の場合はその旨(すなわち確変時大当り)を示す「2」の値を判定結果としての当否範囲に設定する。当否抽選値が「3000〜65317」の場合はその旨(すなわち外れ)を示す「3」の値を判定結果としての当否範囲に設定し、当否抽選値が「65318〜65535」の場合はその旨(すなわち小当り)を示す「4」の値を判定結果としての当否範囲に設定する。第1当否判定手段113は、以上のように当否範囲を設定するたびにその値を第1の抽選であることを示す値や保留の個数とともに演出決定手段132へ送信する。
第2当否判定手段117は図5(b)のテーブルを参照し、当否抽選値が「0〜299」の場合はその旨を示す「1」(すなわち通常時確変時大当り)の値を判定結果としての当否範囲に設定し、当否抽選値が「300〜2999」の場合はその旨(すなわち確変時大当り)を示す「2」の値を判定結果としての当否範囲に設定する。当否抽選値が「3000〜60494」の場合はその旨(すなわち外れ)を示す「3」の値を判定結果としての当否範囲に設定し、当否抽選値が「60495〜65535」の場合はその旨(すなわち小当り)を示す「4」の値を判定結果としての当否範囲に設定する。第2当否判定手段117は、以上のように当否範囲を設定するたびにその値を第2の抽選であることを示す値や保留の個数とともに演出決定手段132へ送信する。
図3に戻り、第1当否判定手段113および第2当否判定手段117は、別途取得する図柄抽選値と当否判定の結果に基づいて、図柄の変動開始にあたってその停止図柄を決定するとともに、図柄抽選値がいずれの図柄範囲に該当するかの事前図柄判定を実行する。第1当否判定手段113および第2当否判定手段117は、特別図柄の停止図柄を決定するために参照する複数の図柄判定テーブルと事前図柄判定テーブルを保持する。第1当否判定手段113および第2当否判定手段117は、当否判定結果に応じて異なる図柄判定テーブルを参照する。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する図柄判定を、特に事前図柄判定と区別するために、適宜「本判定としての図柄判定」とも呼ぶ。
図6(A)は、図柄判定テーブルを模式的に示す図である。図6(a)は当否判定結果が大当りであった場合に参照するテーブルであり、図6(b)は当否判定結果が外れであった場合に参照するテーブルであり、図6(c)は当否判定結果が小当りであった場合に参照するテーブルである。第1当否判定手段113および第2当否判定手段117は、本判定として図柄判定において本図の図柄判定テーブルを参照する。各図柄判定テーブルには、特別図柄の種類を示す複数種類の番号と第1図柄抽選値または第2図柄抽選値との対応関係が定められている。特別図柄の種類はそれぞれ大当り、小当り、外れの当否判定結果と対応付けられており、「100」〜「140」、「200」〜「240」が大当りに対応し、「15」〜「19」、「25」〜「29」が小当りに対応し、「10」が外れに対応する。各種類には複数の特別図柄、すなわちセグメントの組合せで形成される一般に意味を持たない記号が複数割り当てられている。
図6(A)の(a)に示す通り、特別図柄の種類「100」〜「140」、「200」〜「240」が大当りに対応付けられている。そのうち、種類「100」、「101」、「200」〜「203」は確変を伴う15R大当りを示し、第1図柄抽選値の場合は「0〜29」に対応付けられ、第2図柄抽選値の場合は「0〜59」に対応付けられる。種類「110」、「111」、「210」、「211」は確変を伴う8R大当りを示し、第1図柄抽選値の場合は「30〜59」に対応付けられ、第2図柄抽選値の場合は「60〜119」に対応付けられる。種類「120」、「220」は確変を伴う2R大当りを示し、第1図柄抽選値の場合は「60〜179」に対応付けられ、第2図柄抽選値の場合は「120〜179」に対応付けられる。種類「130」、「131」、「230」〜「233」は確変を伴わない15R大当りを示し、第1図柄抽選値の場合は「180〜199」に対応付けられ、第2図柄抽選値の場合は「180〜219」に対応付けられる。種類「140」、「240」は確変を伴わない2R大当りを示し、第1図柄抽選値の場合は「200〜255」に対応付けられ、第2図柄抽選値の場合は「220〜255」に対応付けられる。
このように図柄抽選値の範囲の大きさによって大当り種類ごとの選択確率が定まる。具体的には、大当り発生に伴う確変移行確率は約70%である。また、第1の抽選で大当りとなるよりも第2の抽選で大当りとなる方が、ラウンド数が相対的に多い特別遊技が実行される確率が大きい。言い換えれば、第1の抽選で大当りとなった場合には遊技者にとっての利益が相対的に小さい特別遊技が実行されやすく、第2の抽選で大当りとなった場合には遊技者にとっての利益が相対的に大きい特別遊技が実行されやすい。
図6(A)の(b)に示す通り、種類「10」は当否判定結果が外れの場合における全範囲の図柄抽選値に対応付けられている。
図6(A)の(c)に示す通り、特別図柄の種類「15」〜「19」、「25」〜「29」が小当りに対応付けられている。種類「15」、「25」は図柄抽選値の範囲「0〜49」に対応付けられ、種類「16」、「26」は図柄抽選値の範囲「50〜99」に対応付けられる。種類「17」、「27」は図柄抽選値の範囲「100〜149」に対応付けられ、種類「18」、「28」は図柄抽選値の範囲「150〜199」に対応付けられ、種類「19」、「29」は図柄抽選値の範囲「200〜255」に対応付けられる。
なお、事前図柄判定においても図6(A)のテーブルが事前図柄判定テーブルとして参照される。第1当否判定手段113および第2当否判定手段117は、事前図柄判定の結果として特別図柄の種類を示す「10」、「15」〜「19」、「25」〜「29」、「100」〜「140」、「200」〜「240」の値を第1の抽選または第2の抽選であることを示す値や保留の個数とともに演出決定手段132へ送信する。
図6(B)は、特別図柄の種類と開放大入賞口、時短回数の対応関係を示す図である。例えば同図では、確変を伴う15R大当りを示す特別図柄の種類「100」について、特別遊技において開放対象とする大入賞口が「1」(すなわち第1大入賞口91)であり、特別遊技終了後の時短状態(入球容易状態)の継続期間が図柄変動回数80回とすることを定めている。また確変を伴わない15R大当りを示す特別図柄の種類「230」について、特別遊技において開放対象とする大入賞口が「2」(すなわち第2大入賞口92)であり、特別遊技終了後の時短状態(入球容易状態)の継続期間が図柄変動回数100回とすることを定めている。このように、開放大入賞口および時短回数は特別図柄の種類に応じて決まる。そのため、第1の抽選(第1始動口62への入球)にもとづく大当りであっても、開放大入賞口を「2」(第2大入賞口92)と定めることもできる。
なお、図6(B)に示す対応関係を定めたテーブルは、メイン基板102の所定の記憶領域(ROM)に格納される。特別遊技制御手段120および小当り遊技制御手段154は、図6(B)に示す対応関係を参照して、第1特別図柄192または第2特別図柄193の停止図柄に対応づけられた大入賞口(第1大入賞口91または第2大入賞口92)を開放させる。また特定遊技実行手段122は、図6(B)に示す対応関係にしたがって、時短状態(入球容易状態)の継続期間を決定する。
図3に戻り、第1パターン決定手段114は、第1特別図柄表示装置70および演出表示装置60に表示させる図柄変動の表示過程が定められた変動パターンを、別途取得する第1パターン抽選値に基づいて複数の変動パターンの中から決定する。第2パターン決定手段119は、第2特別図柄表示装置71および演出表示装置60に表示させる図柄変動の表示過程が定められた変動パターンを、別途取得する第2パターン抽選値に基づいて複数の変動パターンの中から決定する。第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、それぞれ図柄変動を開始する際に変動パターンテーブルを参照してその図柄変動の変動パターンを決定する。また、第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、パターン抽選値がいずれの変動パターン範囲に該当するかの事前パターン判定を実行する。第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、変動パターンを決定するために参照する変動パターンテーブルと事前パターン判定テーブルをそれぞれ保持または共有する。変動パターンには、特別図柄を変動表示させるときの変動開始から停止までの変動時間が定められており、その種類によって長短様々な変動時間をもつ。すなわち、各変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に特別図柄の変動が停止される。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する変動パターン判定を、特に事前パターン判定と区別するために、適宜「本判定としての変動パターン判定」とも呼ぶ。
図7は、変動パターンテーブルを模式的に示す図である。第1パターン決定手段114または第2パターン決定手段119は、当否判定結果が外れのときは図7(a)に示される外れ用の変動パターンを参照する。第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、本判定としての変動パターン判定において本図の変動パターンテーブルを参照する。当否判定結果が15R大当りのときは図7(b)に示される15R大当り用の変動パターンテーブルを参照する。当否判定結果が2R大当りまたは小当りのときは図7(c)に示される2R大当りおよび小当り用の変動パターンテーブルを参照する。
図7(a)においては、パターン抽選値0〜10には「スーパー1」というスーパーリーチが対応付けられ、パターン抽選値11〜20には「スーパー2」というスーパーリーチが対応付けられている。パターン抽選値21〜255には「ノーマル1」「ノーマル2」「リーチなし」のいずれかの変動パターンが対応付けられている。このように、当否判定結果が外れの場合、スーパーリーチ、ノーマルリーチ、リーチなしのいずれも選択される可能性がある。なお、外れ用の変動パターンテーブルにおいて、特に「リーチなし」の変動パターンを選択するとき、時短状態においては通常状態よりもさらに変動時間が概ね短い変動パターンが選択されるよう異なるテーブルを参照する。また、外れ用の変動パターンテーブルは保留数ごとに参照すべき欄が異なるように規定されるが、通常状態を例とするその詳細は後述する図9において説明する。
図7(b)においては、パターン抽選値0〜120には「スーパー1」のスーパーリーチが対応付けられ、パターン抽選値121〜240には「スーパー2」のスーパーリーチが対応付けられている。パターン抽選値241〜250には「ノーマル1」のリーチが対応付けられ、パターン抽選値251〜255には「ノーマル2」のリーチが対応付けられている。このように、当否判定結果が15R大当りの場合はリーチ付きの変動パターンが選択される。
図7(c)においては、パターン抽選値0〜122には「スーパー3」というスーパーリーチが対応付けられ、パターン抽選値123〜255には「ノーマル3」というノーマルリーチが対応付けられている。このように当否判定結果が2R大当りまたは小当りの場合は「スーパー3」または「ノーマル3」がそれぞれ約50%の確率で選択される。
図8は、事前パターン判定で参照される事前パターン判定テーブルを模式的に示す図である。第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、当否結果が外れの場合に図8(a)のテーブルを参照し、パターン抽選値が「0〜10」の場合はその旨を示す「1」の値を判定結果としてのパターン範囲に設定し、パターン抽選値が「11〜20」の場合はその旨を示す「2」の値を判定結果としてのパターン範囲に設定する。パターン抽選値が「21〜255」の場合はその旨を示す「3」の値を判定結果としてのパターン範囲に設定する。
第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、当否結果が15R大当りの場合に図8(b)のテーブルを参照し、パターン抽選値が「0〜120」の場合はその旨を示す「4」の値を判定結果としてのパターン範囲に設定し、パターン抽選値が「121〜240」の場合はその旨を示す「5」の値を判定結果としてのパターン範囲に設定する。パターン抽選値が「241〜250」の場合はその旨を示す「6」の値を判定結果としてのパターン範囲に設定し、パターン抽選値が「251〜255」の場合はその旨を示す「7」の値を判定結果としてのパターン範囲に設定する。
第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、当否結果が2R大当りまたは小当りの場合に図8(c)のテーブルを参照し、パターン抽選値が「0〜122」の場合はその旨を示す「8」の値を判定結果としてのパターン範囲に設定し、パターン抽選値が「123〜255」の場合はその旨を示す「9」の値を判定結果としてのパターン範囲に設定する。第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、以上のようにパターン範囲を設定するたびにその値を第1の抽選と第2の抽選のいずれであるかを示す値や保留の個数とともに演出決定手段132へ送信する。なお、本実施例においては、第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119が、共通の変動パターンテーブル、事前パターン判定テーブルを用いる例を示した。変形例においては、第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119が、これら変動パターンテーブルおよび事前パターン判定テーブルの少なくとも一方について別々のテーブルを用いるようにしてもよい。
図9は、外れ用の変動パターンテーブルを詳細に示す図である。本図の変動パターンテーブル210においては、保留数ごとにそれぞれ変動パターンに対応付けられたパターン抽選値の範囲が異なる。具体的には、保留数が少ないほど変動時間が相対的に長い変動パターンに割り当てられたパターン抽選値の範囲が広くされており、それら変動時間の長い変動パターンが選択される確率を高めている。そのため、保留制御手段116による保留数が少ないほど平均的な変動時間が長くなる。したがって、保留制御手段116による保留数が所定数、例えば1〜2個より少なくなった場合に、変動時間の長い変動パターンの選択確率が通常より高くなり、変動時間が比較的長くなりやすい。
第1欄212には、第1保留手段144による第1の抽選の結果保留数、または、第2保留手段146による第2の抽選の結果保留数が1の場合のパターン抽選値範囲と変動パターンとの対応関係が示される。同様に、第2欄214、第3欄216、第4欄218に、第1保留手段144または第2保留手段146による第1の抽選の結果保留数または第2の抽選の結果保留数がそれぞれ2、3、4の場合のパターン抽選値範囲と変動パターンとの対応関係が示される。すなわち、第1欄212、第2欄214、第3欄216、第4欄218が保留数ごとの変動パターンテーブルを示すと考えることができる。本図では、外れのときに選択され得る複数の変動パターンを変動時間別に5種類に分類した例を説明するが、実際にはそれらの分類ごとに複数の変動演出パターンが用意されており、全体で数十種類の変動演出パターンがそれぞれの分類ごとの抽選値範囲に対応付けられていることに等しい。
第1範囲222には、抽選値が0から10までのパターン抽選値に該当する場合の変動パターンとして、第1欄212、第2欄214、第3欄216、第4欄218のいずれにも「スーパー1」というスーパーリーチの変動パターンが対応付けられる。第2範囲224には、抽選値が11から20までのパターン抽選値に該当する場合の変動パターンとして、第1欄212、第2欄214、第3欄216、第4欄218のいずれにも「スーパー2」というスーパーリーチの変動パターンが対応付けられる。このように、抽選値が0から10までのパターン抽選値と抽選値が11から20までのパターン抽選値の場合には、保留数にかかわらず同じ変動時間の変動パターンが選択される。
第3範囲226には、抽選値が21から255までのパターン抽選値に該当する場合の変動パターンとして、第1欄212、第2欄214、第3欄216、第4欄218にはそれぞれノーマルリーチである「ノーマル1」「ノーマル2」と「リーチなし」の3種類の変動パターンが対応付けられる。ただし、それぞれの変動パターンが対応付けられるパターン抽選値の範囲は保留数によって異なる。第1欄212では、「ノーマル1」「ノーマル2」「リーチなし」のそれぞれが対応付けられる抽選値範囲の大きさがそれぞれほぼ等しく、21から255をほぼ3等分した範囲が対応付けられている。これに対し、第2欄214では、「ノーマル1」「ノーマル2」のそれぞれに対応付けられる抽選値範囲の大きさが「リーチなし」に対応付けられる抽選値範囲よりやや小さい。また、第3欄216では「ノーマル1」「ノーマル2」のそれぞれに対応付けられる抽選値範囲の大きさがさらに小さくなり、第4欄218にて「ノーマル1」「ノーマル2」のそれぞれに対応付けられる抽選値範囲の大きさはまたさらに小さくなっている。
「ノーマル1」「ノーマル2」の変動時間は「リーチなし」の変動時間より長くてもよく、また「リーチなし」のときは時短状態のように変動時間が短縮される場合もあるため、上記の第3範囲226の設定内容に応じて平均的な変動時間が異なることとなる。保留数が1から2、3、4と多くなるにつれて「ノーマル1」および「ノーマル2」のパターン抽選値範囲は小さくなり、逆に「リーチなし外れ」のパターン抽選値範囲が大きくなる。したがって、保留数が多いほど平均的な変動時間は短くなり、逆に保留数が少ないほど平均的な変動時間は長くなる。このように保留数ごとにパターン抽選値範囲と変動パターンの対応関係が異なる変動パターンテーブルを用いることにより、保留数が少なくなったときに変動時間の長い変動パターンが選択されやすくなる制御を実現することができる。
また第2パターン決定手段119は、特定遊技状態(入球容易状態)において当否判定結果が小当りとなった場合に、次回の図柄変動以降、所定回数の図柄変動が終了するまでの間、言い換えれば、小当り遊技終了後に所定回数の図柄変動が終了するまでの間、特殊変動パターンテーブルを参照して第2特別図柄193の変動パターンを決定する。特殊変動パターンテーブルは、小当りの発生前までに参照した変動パターンテーブル(例えば図7)とは異なる決定基準を定めたテーブルであり、言い換えれば、通常時に(通常状態において)参照すべき変動パターンテーブルとは異なる決定基準を定めたテーブルである。
図10は、変動パターンテーブルを模式的に示す図である。図10(a)は、後述の期間示唆演出がなされない演出パターンと対応づけられた複数の変動パターン(以下、「第1特殊変動パターン」とも呼ぶ。)を規定した第1特殊変動パターンテーブルを示している。図10(b)は、期間示唆演出がなされる演出パターンと対応づけられた複数の変動パターン(以下、「第2特殊変動パターン」とも呼ぶ。)を規定した第2特殊変動パターンテーブルを示している。すなわち、第1特殊変動パターンテーブルが参照される場合は期間示唆演出が表示されない一方、第2特殊変動パターンテーブルが参照される場合は期間示唆演出が表示される。図10(b)に記載した複数の第2特殊変動パターンはいずれも、後述の遊技者誘導演出および期間示唆演出の表示時間を確保するためのものであり、遊技者誘導演出および期間示唆演出の両方を表示させるために必要な時間と同じかもしくは対応する図柄変動表示時間を定める。
なお図10(b)には不図示であるが、第2特殊変動パターンテーブルには、大当りおよび小当りの当否結果に対応する変動パターンも規定される。第2パターン決定手段119は、第2特殊変動パターンテーブルを参照する場合で、当否結果が大当りまたは小当りのときには、大当りと小当りのそれぞれに対応づけられた変動パターンを選択する。これらの変動パターンは、大当りと小当りをそれぞれ示すもの(大当りおよび小当りを報知・示唆する演出と対応づけられたもの)であってよく、期間示唆演出が表示されないもの(期間示唆演出と対応づけられていないもの)であってもよい。変形例として、第2パターン決定手段119は、第2特殊変動パターンテーブルを参照すべきタイミングであっても、当否抽選の結果が大当りまたは小当りの場合は、大当りまたは小当りに対応した別の変動パターンテーブルを参照して、大当りまたは小当りを示す変動パターンを決定することにより、期間示唆演出に代えて、大当りまたは小当りを示す演出を表示させてもよい。
なお、図10(a)のスーパー4,5と、図10(b)のスーパー6,7は、特別図柄の変動表示態様については図7のスーパー1,2と同じ態様を定めるものであってもよい。同様に、図10(a)のノーマル4,5と、図10(b)のノーマル6,7は、特別図柄の変動表示態様については図7のノーマル1,2と同じ態様を定めるものであってもよい。
第2パターン決定手段119は、当否判定結果が小当りで特別図柄種類が「15」、「25」の場合、次回以降の図柄変動において第1特殊変動パターンテーブルと第2特殊変動パターンのどちらも参照せず、通常の変動パターンテーブル(典型的には入球容易状態において通常参照すべき変動パターンテーブル)を参照して変動パターンを決定する。また、当否判定結果が小当りで特別図柄種類が「16」「26」の場合、次に開始される図柄変動においてのみ、第2特殊変動パターンを参照して変動パターンを決定する。この場合、小当りに伴う期間示唆演出の表示後、小当り終了直後の図柄変動表示中にも期間示唆演出が再度表示されることになる。
また、当否判定結果が小当りで特別図柄種類が「17」、「18」、「27」、「28」の場合、次回以降9回の図柄変動が終了するまでの間は第1特殊変動パターンテーブルを参照し、10回目の図柄変動においては第2特殊変動パターンを参照して変動パターンを決定する。この場合、小当りに伴う期間示唆演出の表示後、10回目の図柄変動表示中に期間示唆演出が再度表示されることになる。また、当否判定結果が小当りで特別図柄種類が「19」、「29」の場合、次回以降19回の図柄変動が終了するまでの間は第1特殊変動パターンテーブルを参照し、20回目の図柄変動においては第2特殊変動パターンを参照して変動パターンを決定する。この場合、小当りに伴う期間示唆演出の表示後、20回目の図柄変動表示中に期間示唆演出が再度表示されることになる。このような複数種類の特殊変動パターンテーブルの参照規則(参照順序)は他にも様々な態様が考えられる。例えば、第1特殊変動パターンテーブルの参照と、第2特殊変動パターンテーブルの参照の組み合わせが、複数回実行されるよう定められてもよい。具体的には、第1特殊変動パターンテーブルを9回参照→第2特殊変動パターンを1回参照→第1特殊変動パターンテーブルを19回参照→第2特殊変動パターンを1回参照、・・・という参照規則が定められてもよい。
第2パターン決定手段119は、特殊変動パターンテーブルを参照して変動パターンを決定すべき期間中に新たに小当りとなった場合は、前回の小当り遊技終了後の図柄変動回数にかかわらず、新たな小当りにおける特別図柄種類にしたがって特殊変動パターンテーブルの参照態様を新たに決定する。言い換えれば、前回の小当り図柄に応じた特殊変動パターンテーブルの参照態様および参照回数をリセットし、次回以降の図柄変動では、今回の小当り図柄に応じた態様での特殊変動パターンテーブルの参照を、参照回数0から再スタートする。これは、今回の(新たに発生した)小当りに伴い期間示唆演出が表示されるためである。また、特殊変動パターンテーブルを参照して変動パターンを決定すべき期間中に特定遊技状態(入球容易状態)が終了した場合は、次回の図柄変動以降、特殊変動パターンテーブルに代えて、通常状態用の変動パターンテーブルを参照して変動パターンを決定する。
図3に戻り、普図抽選手段136は、作動口68を遊技球が通過したときに抽選値を取得することにより抽選を実行する。普図抽選手段136による抽選の結果は、普通図柄表示装置59において普通図柄の形で変動表示される。普図抽選手段136は、普通図柄表示装置59に表示させる普通図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄判定テーブルを保持する。その図柄判定テーブルには抽選値と普通図柄の対応関係が定められており、普図抽選手段136は普通図柄の停止図柄を図柄判定テーブルを参照して決定する。決定された停止図柄が所定の図柄となった場合に普通図柄が当りに該当したと判定され、その停止図柄にて普通図柄の変動表示が停止された後に開閉制御手段124が第2始動口63の普通電動役物65を所定時間拡開する。普通図柄の抽選値は、保留制御手段116により一時的に保留される。ただし、保留制御手段116により保留される所定の保留上限数を超えない場合にだけ抽選値が保留される。
保留制御手段116は、第1保留手段144、第2保留手段146、普図保留手段147を含む。第1保留手段144は、新たに第1の抽選が実行されるときにそれ以前の抽選に対応する図柄変動が表示されている場合、新たな第1の抽選の結果をその抽選に対応する図柄の変動表示開始まで保留する。本実施例では第1の抽選の結果として4個を上限として当否抽選値と、事前判定結果としての当否範囲、図柄範囲、パターン範囲の設定を保持する。第2保留手段146は、新たに第2の抽選が実行されるときにそれ以前の抽選に対応する図柄変動が表示されている場合、新たな第2の抽選の結果をその抽選に対応する図柄の変動表示開始まで保留する。本実施例では第2の抽選の結果として4個を上限として当否抽選値と、事前判定結果としての当否範囲、図柄範囲、パターン範囲の設定を保持する。なお、当否抽選値とは別の領域に事前判定の結果を保持してもよい。
普図保留手段147は、普図抽選手段129により取得された普図抽選値を保留球として保持する。これらの保留数がそれぞれ第1特別図柄保留表示装置20、第2特別図柄保留表示装置21、普通図柄保留表示装置22の点灯数または点滅数により表される。第1保留手段144および第2保留手段146による保留の数は表示領域194にも表示される。
第2保留手段146に保留された第2の抽選の抽選値は、第1保留手段144に保留された第1の抽選の抽選値より優先的に消化されて図柄変動が表示される。そのため、第1の抽選として大当りの抽選値が保留されていても第2の抽選として抽選値の保留がある限りは第1の抽選の大当り抽選値に対応する図柄変動は表示されない。したがって、第1の抽選として大当りの保留があっても、さらに第2の抽選として大当りの保留が入るまで打ち続けることで、複数回の連続的な大当りを獲得できる可能性がある。
メイン表示制御手段118は、第1特図制御手段148、第2特図制御手段150、普図制御手段153を含む。第1特図制御手段148は、第1抽選手段126による第1の抽選の結果として決定された変動パターンにしたがい第1特別図柄192の変動を第1特別図柄表示装置70に表示させる。第1特図制御手段148は、それ以前になされた第1の抽選または第2の抽選に対応する図柄の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。第2特図制御手段150は、第2抽選手段128による第2の抽選の結果として決定された変動パターンにしたがい第2特別図柄193の変動を第2特別図柄表示装置71に表示させる。第2特図制御手段150もまた、それ以前になされた第1の抽選または第2の抽選に対応する図柄の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。
第1特図制御手段148は、第2保留手段146により第2の抽選の結果が保留されている場合は第1の抽選に対応する図柄変動表示の開始を留保する。一方、第2特図制御手段150は、第1保留手段144により第1の抽選の結果が保留されているか否かにかかわらず第2の抽選に対応する図柄変動表示を開始する。これにより、第1の抽選と第2の抽選の双方に抽選値が保留されていた場合、第2の抽選で保留された抽選値が優先的に読み出されて図柄変動が表示される。そのような場合、第2の抽選の保留数が0になるまでは第1の抽選で保留された抽選値は読み出されずその図柄変動も開始しない。
第1特図制御手段148および第2特図制御手段150は、第1特別図柄192および第2特別図柄193の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、変動開始コマンドと変動停止コマンドを演出表示制御手段134へ送信する。変動開始コマンドを送信するとき、本判定として判定ないし決定された当否判定結果、停止図柄、変動パターンのそれぞれを示す値と第1の抽選と第2の抽選のいずれであるかを示す値とを変動開始コマンドとともに演出表示制御手段134へ送信する。変動停止コマンドを送信するとき、あらためて停止図柄を示す値を変動停止コマンドとともに演出表示制御手段134へ送信する。これにより、メイン表示制御手段118および演出表示制御手段134による変動表示が同期し、連動が保たれる。普図制御手段153は、普図抽選手段129による抽選の結果を普通図柄の変動表示として普通図柄表示装置59に表示させる。
特図調整手段152は、第1特別図柄192および第2特別図柄193のうち、一方を変動表示させる間は他方の変動表示の開始を待機させる。特図調整手段152は、第1始動口62および第2始動口63のうちいずれに遊技球が入球したかの順序に関係なく、第2始動口63への入球に基づく第2特別図柄193の変動表示を、第1始動口62への入球に基づく第1特別図柄192の変動表示より優先させる。例えば、第1当否抽選値および第2当否抽選値の双方が保留されているとき、つねに第2当否抽選値を優先的に消化させ、第2特別図柄193を連続的に変動表示させる。
なお、変形例における特図調整手段152は、第1特別図柄192の変動表示と第2特別図柄193の変動表示とを、第1始動口62および第2始動口63への入球順序にしたがって選択的に変動表示させてもよい。例えば、第1始動口62、第1始動口62、第2始動口63の順序で入球したときは、第1特別図柄192、第1特別図柄192、第2特別図柄193の順序で変動表示される。この場合、特図調整手段152は保留制御手段116を監視して当否抽選値の保留順序を記憶する。どちらの特別図柄を変動させるべきかが遊技球の入球順、すなわち保留制御手段116における当否抽選値の保留順序にしたがって決定されるので、遊技者は変動の順序を視覚的に把握しやすい。
別の変形例における特図調整手段152は、第1特別図柄192の変動表示と第2特別図柄193の変動表示とを、入球順序にかかわらず予め定められた消化順序にて表示させてもよい。例えば、第1特別図柄192の変動表示と第2特別図柄193の変動表示とを交互に表示することを優先してもよい。例えば、第1当否抽選値および第2当否抽選値の双方が保留されているとき、第1特別図柄192と第2特別図柄193とが交互に変動表示される。いずれの特別図柄を変動させるべきかが遊技球の入球順に関係なく単純に交互に入れ替わるので、遊技者は変動の順序を感覚的に把握しやすい。
特図調整手段152は、また、第1特別図柄192および第2特別図柄193のうち、一方が当り態様で停止されたときは他方の変動表示の開始を待機させる。この場合、特別遊技を実行する間は特別図柄の変動表示は開始されないので、遊技者は特別遊技に集中することができる。
特別遊技制御手段120は、第1抽選手段126による第1の抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合、第1特別図柄192が所定の大当り態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、第1特別図柄192の停止態様(大当り図柄)に応じて第1大入賞口91または第2大入賞口92を開閉制御手段124に開放させることにより特別遊技を実行する。同様に、特別遊技制御手段120は、第2抽選手段128による第2の抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合、第2特別図柄193が所定の大当り態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、第2特別図柄193の停止態様(大当り図柄)に応じて第1大入賞口91または第2大入賞口92を開閉制御手段124に開放させることにより特別遊技を実行する。
特別遊技は、第1大入賞口91または第2大入賞口92の開閉動作を複数回数連続して継続する遊技であり、1回の開閉を単位とした複数回の単位遊技で構成される。特別遊技には、単位遊技を15回繰り返す15R大当りと、同様の単位遊技を8回繰り返す8R大当りと、15R大当りおよび8R大当りより開放時間が短い単位遊技を2回だけ繰り返す2R大当りがある。15R大当りおよび8R大当りにおいては、1回の単位遊技において第1大入賞口91または第2大入賞口92を原則として約30秒間開放させる。2R大当りにおいては、1回の単位遊技において第1大入賞口91または第2大入賞口92を約0.2秒間(第1特別図柄192で2R大当りの場合)、または約0.85秒間(第2特別図柄193で2R大当りの場合)だけ開放させる。特別遊技制御手段120は、単位遊技の設定ラウンド数を消化したときに特別遊技を終了させる。なお、2R大当りとなった場合においても、所定の条件を満たした場合には、15R大当りと同様の開放態様で第1大入賞口91または第2大入賞口92を開放させてもよい。
小当り遊技制御手段154は、第1抽選手段126による第1の抽選が小当りを示す結果となった場合、第1特別図柄192が所定の小当り態様で停止されたときに小当り遊技作動条件が成立したと判定し、開閉制御手段124に第1大入賞口91を開放させることにより小当り遊技を実行する。同様に、小当り遊技制御手段154は、第2抽選手段128による第2の抽選が小当りを示す結果となった場合、第2特別図柄193が所定の小当り態様で停止されたときに小当り遊技作動条件が成立したと判定し、開閉制御手段124に第2大入賞口92を開放させることにより小当り遊技を実行する。
小当り遊技においては、単位遊技が1回実行され、1回の単位遊技において第1大入賞口91または第2大入賞口92を2回開閉する。小当り遊技制御手段154は、1回の開閉あたり第1大入賞口91または第2大入賞口92を約0.2秒間(第1特別図柄192で小当りの場合)、または約0.85秒間(第2特別図柄193で小当りの場合)だけ開放させ、小当り遊技全体としては約0.4秒間(第1特別図柄192で小当りの場合)、または約1.7秒間(第2特別図柄193で小当りの場合)開放させる。また小当り遊技制御手段154は、開放中の第1大入賞口91または第2大入賞口92に、遊技球が予め定められた規定数(例えば3球)入球した場合、大入賞口の開放期間が0.4秒または1.7秒未満であっても、大入賞口を閉鎖して、小当り遊技を終了させる。
特定遊技実行手段122は、確変状態、時短状態、および入球容易状態における通常遊技を制御する。特定遊技実行手段122は、特別遊技の終了後に遊技状態を時短状態および入球容易状態へ移行させる。時短状態および入球容易状態は、特別図柄の変動表示回数が特別遊技の終了時点から数えて所定の継続回数に達するまで継続される。一方、特別遊技の終了後に確変状態へ移行させるのは、決定された特別図柄が確変への移行を伴う大当り図柄であった場合に限られる。時短状態においては、第1特別図柄192および第2特別図柄193の変動表示時間が概ね短くなるよう、第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119が変動時間の短い変動パターンを選択する。本実施例では、図柄変動時間が1秒程度の超短縮変動がなされる。ただし、通常状態においては、保留制御手段116による当否抽選結果の保留数に応じた変動パターンテーブルを参照し、保留制御手段116による保留数が少なくなるほど変動時間の長い変動パターンが出現しやすくなる。入球容易状態においては、普通図柄195の時短、普通図柄195の確変、第2始動口63の開放延長が実施される。確変状態は、次の大当りによる特別遊技が実行されるまで継続される。確変状態の間は第1当否判定手段113および第2当否判定手段117による当否判定結果が大当りとなる確率が高い値のまま維持される。
特定遊技実行手段122は、第1特別図柄192または第2特別図柄193の大当り図柄に応じて、時短状態および入球容易状態(以下、単に「入球容易状態」と呼ぶ。)の最大の継続期間(言い換えれば終期)を決定する。本実施例の特定遊技実行手段122は、入球容易状態の継続期間として、図柄変動の消化回数20回、40回、60回、80回、100回の中からいずれかを、大当り図柄ごとに予め定められた選択確率にて選択する。変形例として、特定遊技実行手段122は所定の抽選を実行して、その抽選の結果にしたがって、入球容易状態の継続期間を決定してもよく、上記5パターンの継続期間の中からいずれかを予め定められた選択確率にて選択してもよい。例えば、上記5パターンの継続期間の中から、それぞれ20%の確率(すなわち5パターンとも同じ確率)でいずれかを選択してもよく、継続期間が長いほど選択確率が低くなるように傾斜した選択確率が設定されていてもよい。特定遊技実行手段122が決定した入球容易状態の真の継続期間は、入球容易状態への移行時には遊技者から秘匿され、すなわち演出表示装置60に表示されることなく、小当りを契機とする期間示唆演出において徐々に示唆されていく。
開閉制御手段124は、第2始動口63の普通電動役物65や第1大入賞口91、第2大入賞口92の開閉を制御する。開閉制御手段124は、普通図柄が特定の態様で停止されると、普通電動役物ソレノイド76に開放指示を送り、第2始動口63の普通電動役物65を開放させる。開閉制御手段124は、入球容易状態においては普通電動役物65を通常状態に比べて長い時間作動させ、第2始動口63を通常状態に比べて長い時間拡開させる開放延長を実行する。第2始動口63の入球容易性を高め、遊技者が持ち玉を減らさずに遊技を継続できるようにするものである。開閉制御手段124は、特別遊技において、大入賞口ソレノイド80または大入賞口ソレノイド81に開放指示を送り、第1大入賞口91または第2大入賞口92を開放させる。
操作検出手段156は、操作ボタン82に対する遊技者の操作入力を受け付ける。本実施例では、操作ボタン82に対する押下操作がなされたことを検出する。本実施例では操作入力態様として操作ボタン82の押下を例に説明するが、変形例としては操作ボタン82以外の操作入力手段を用いた操作入力であってもよい。例えば、押下以外の操作方法としてスライドさせる、引っ張る、回す、倒すといった操作入力のための操作部材を用いてもよい。
パターン記憶手段130は、装飾図柄190の変動において演出表示装置60に表示させる演出的な画像内容とその表示過程が定められた複数の演出パターンを保持する。演出パターンには、装飾図柄190の変動表示における変動開始から停止までの変動過程と演出過程が定められ、当否抽選の結果(例えば大当りの発生有無)を示すための複数の変動演出パターンと、装飾図柄の変動表示とは別に表示されて大当りへの期待度の高さを変動表示の停止前に予告的に示唆する複数の予告演出パターンとが含まれる。
演出決定手段132は、第1抽選手段126から受け取る第1の抽選の結果または第2抽選手段128から受け取る第2の抽選の結果に応じて、演出表示制御手段134によって演出表示装置60へ表示させる演出内容を決定する。演出決定手段132は、第1パターン決定手段114または第2パターン決定手段119により決定された特別図柄の変動パターンに対応する複数の変動演出パターンの中からいずれかを選択してパターン記憶手段130から読み出す。演出決定手段132は、読み出した変動演出パターンの情報を演出表示制御手段134へ送る。演出決定手段132は、変動演出パターンを選択するために参照すべきパターンテーブルを保持する。
各変動演出パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段132は、特別図柄の変動パターンに応じて、変動時間が等しい演出画像の変動演出パターンを選択する。
図柄態様決定手段131は、装飾図柄190の停止図柄の組合せとその配置を、第1抽選手段126または第2抽選手段128による抽選の結果、特別図柄の停止図柄、特別図柄の変動パターン、装飾図柄の変動演出パターンに応じて決定する。図柄態様決定手段131は、決定した停止図柄の組合せを示す情報を演出表示制御手段134へ送信する。図柄態様決定手段131は、装飾図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルを保持する。
装飾図柄190の停止図柄は、3つの図柄の組合せとして形成され、例えば第1当否判定手段113および第2当否判定手段117による当否判定結果が15R大当りの特別遊技への移行を示す場合には特定の組合せ、例えば「777」や「111」のように3つの図柄が揃った組合せが選択される。当否判定結果が2R大当りの場合や小当りの場合もまた特定の組合せ、例えば「357」のような所定の組合せが選択されるが、それらの特定の組合せは必ずしも3つの図柄が揃った組合せでなくてもよい。当否判定結果が大当りでも小当りでもない場合は、「312」や「946」のように3つの図柄が揃っていない組合せであって、2R大当りや小当りのときに選択される特定の組合せに該当しない組合せが選択される。当否判定結果が15R大当りではない場合であって、リーチ付きの外れを示す変動パターンが選択された場合は、「191」や「727」のように一つだけ図柄が揃っていない組合せを選択する。
装飾図柄の変動演出パターンには、装飾図柄の変動表示態様、すなわち装飾図柄の変動開始から変動停止までの演出過程が定義される。変動演出パターンには、通常の外れ図柄を表示するときのパターンと、あと一つ図柄が揃えば大当りとなるリーチ状態を経て外れ図柄を表示するときのパターンと、リーチ状態を経て大当り図柄を表示するときのパターンが含まれる。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれる。各変動演出パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段132は、特別図柄の変動パターンに応じて、特別図柄と変動時間が等しい装飾図柄の変動演出パターンを選択する。
予告演出パターンは、特定のキャラクタやモチーフの画像、アニメーション、映像などを一時的に画面表示させる演出パターンや、特定の音声を出力する演出パターンである。予告演出パターンによる演出は、図柄変動と並行して実行され、その図柄変動が大当り態様にて停止する期待度が高いことを予告的に示唆する。例えば、キャラクタの画像を一つだけ画面に表示させるだけの通常予告演出や、多数のキャラクタの群れを画面の一端から他端へ通過させるように表示させる群予告演出がある。また、予告演出の表示過程を複数段階に分け、表示させる段階数を可変にして段階数が多いほど大当りへの期待度が高くなるように設定されるステップアップ予告演出がさらに含まれる。
予告演出パターンには、装飾図柄190の表示態様がリーチ状態となった後のタイミングで演出が実行されて図柄の最終的な停止態様を予告するパターンと、装飾図柄190が一つも停止していないタイミングで演出が実行されてリーチ状態となることを同時に予告するパターンとがある。
演出決定手段132は、当否抽選の結果に応じて演出表示装置60に予告演出を表示させるか否かを所定の予告抽選により決定して事前演出設定をするとともに、表示させるべき予告演出パターンを決定する。演出決定手段132は、予告演出を表示させるか否かを決定するために参照すべき予告決定テーブルと、予告演出パターンの種類を選択するときに参照すべき予告種類テーブルとを保持する。予告決定テーブルは、当否抽選の結果に応じて異なる欄が参照されるように設定されており、当否抽選が当りの場合は外れの場合よりも高い確率で予告演出を表示させるよう、当否抽選の結果と予告演出を表示するか否かの対応関係が定められる。これにより、予告演出が表示されること自体で大当りへの期待度の高さを示唆することができる。
演出表示制御手段134は、第1抽選手段126または第2抽選手段128による当否抽選の結果として、選択された変動演出パターンデータにしたがって演出表示装置60へ装飾図柄190を含む演出画像を変動表示させる。演出表示制御手段134は、装飾図柄190の変動開始コマンドを受け取ったことと、それ以前の第1の抽選および第2の抽選に対応する装飾図柄190の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。
演出表示制御手段134は、予告演出を表示させる旨が演出決定手段132により決定された場合、選択された予告演出パターンにしたがった予告演出を図柄変動の演出に重畳させる形で演出表示装置60へ表示させる。演出表示制御手段134は、遊技効果ランプ90の点灯および消灯や、スピーカ18からの音声出力などの演出処理をさらに制御する。
演出表示制御手段134は、第2の抽選の結果が保留されている場合は第1の抽選に対応する図柄変動表示の開始を留保し、第1の抽選の結果が保留されているか否かにかかわらず第2の抽選に対応する図柄変動表示を開始する。これにより、第1の抽選と第2の抽選の双方について抽選値が保留されていた場合は第2の抽選で保留された抽選値が優先的に読み出されて装飾図柄の変動が表示される。そのような場合、第2の抽選の保留数が0になるまでは第1の抽選で保留された抽選値は読み出されずその装飾図柄の変動も開始しない。このように演出表示制御手段134は、装飾図柄190の変動表示を含む図柄変動演出を演出表示装置60に表示させる。
本実施例のぱちんこ遊技機10において特徴的な演出制御の構成を以下説明する。
小当り演出記憶手段135は、小当り遊技における演出パターンとして、入球容易状態の継続期間の長さを遊技者に示唆する内容の期間示唆演出のパターンデータを保持する。本実施例の期間示唆演出は、入球容易状態の継続期間の変動状況を遊技者に示唆する演出であり、具体的には、入球容易状態の継続期間があたかも増加していくかのように外観上見せる演出である。また小当り演出記憶手段135は、期間示唆演出を表示させるための演出上の要求を示す演出であり、期間示唆演出を表示させる条件を遊技者へ提示して所定の遊技操作を遊技者に促す内容の遊技者誘導演出のパターンデータも保持する。本実施例の遊技者誘導演出は、遊技者による操作ボタン82の操作を促す内容の演出であり、具体的には、操作ボタン82の押下を指示するメッセージを表示する演出である。
演出決定手段132は、特定遊技実行手段122が決定した入球容易状態の真の(実際の)継続期間と、演出表示装置60の表示領域194において入球容易状態の継続期間として表示している仮の(表示上の、見かけ上の)継続期間(以下、「仮継続期間」とも呼ぶ。)のそれぞれを保持する。演出決定手段132は、入球容易状態での図柄変動表示時および期間示唆演出表示時に、そのときの仮継続期間を演出表示制御手段134へ通知して、演出表示装置60の表示領域194に仮継続期間を表示させる。なお、演出決定手段132が演出内容を決定し、決定した演出内容を演出表示制御手段134に通知して演出表示装置60の表示領域194に表示させることを、以下では単に「演出決定手段132が・・・演出を表示させる」とも表現する。
演出決定手段132は、入球容易状態へ移行された当初、真の継続期間よりも短い期間を仮継続期間として表示させる。演出決定手段132は、入球容易状態での第2始動口63への入球を契機とする図柄変動において、第2特別図柄193が小当りを示す図柄で停止した場合に遊技者誘導演出の表示を決定し、その旨を演出表示制御手段134へ通知して遊技者誘導演出を演出表示装置60に表示させる。小当り遊技中(例えば後述の図11における大入賞口開放期間と大入賞口閉鎖期間をあわせた期間内)に、操作ボタン82の押下操作が検出されると、演出決定手段132は、期間示唆演出の表示を決定し、その旨を演出表示制御手段134へ通知して期間示唆演出を演出表示装置60に表示させる。あわせて仮継続期間を、それまでの値から真の継続期間に近づけるよう延長した値へ更新し、仮継続期間の増加量および更新後の仮継続期間を演出表示制御手段134へ通知して期間示唆演出で表示させる。
なお演出表示制御手段134は、操作ボタン82への操作入力が有効なものとして操作検出手段156により受け付けられる期間(の長さ)を示すためのインジケータ画像を演出表示装置60に表示させてもよい。言い換えれば、操作ボタン82への操作入力の有効時間をインジケータ表示により示してもよい。この場合、演出表示制御手段134は、操作ボタン82への操作入力の実際の有効時間よりもインジケータで提示する有効時間(インジケータの表示時間)を短くして、実際の有効時間に到達する前に、インジケータ上で有効時間に到達したかのように表示し、またはインジケータを非表示とすることが好ましい。これにより、インジケータ表示が消えるのとほぼ同時に操作ボタン82への操作入力がなされた場合でも操作ボタン82への操作入力を有効なものとして判定しやすくなる。
演出決定手段132は、通常状態での第2始動口63への入球を契機とする図柄変動において、第2特別図柄193が小当りを示す図柄で停止した場合は演出の表示を抑制する。この場合、第2大入賞口92の開閉のみが実行される。また、通常状態および入球容易状態での第1始動口62への入球を契機とする図柄変動において、第1特別図柄192が小当りを示す図柄で停止した場合は遊技者誘導演出および期間示唆演出とは異なる所定の小当り演出を表示させる。なお、通常状態での第2始動口63への入球を契機とする小当り遊技、および、通常状態および入球容易状態での第1始動口62への入球を契機とする小当り遊技では、開始デモや終了デモは非表示とされてもよい。すなわち、小当り遊技の態様と2R特別遊技の態様とを類似させて外観上判別困難なものとしてもよい。
変形例として、演出決定手段132は、通常状態での第2始動口63への入球を契機とする図柄変動において、第2特別図柄193が小当り図柄で停止した場合に、第1特別図柄192が小当り図柄で停止した場合と同じ小当り演出を表示させてもよい。また、入球容易状態での第1始動口62への入球を契機とする図柄変動において、第1特別図柄192が小当り図柄で停止した場合に、第2特別図柄193が小当り図柄で停止した場合と同じく遊技者誘導演出および期間示唆演出を表示させてもよい。
図11は、小当りに係るタイムチャートを示す図である。本実施例のぱちんこ遊技機10では、小当りを示す図柄で図柄変動表示が停止してから、小当りに伴う大入賞口の開放までの間(例えば数秒間)が小当り開始デモ期間として確保されており、この期間において遊技者誘導演出を表示する。また小当り遊技期間は、大入賞口開放(1回目)から大入賞口閉鎖(1回目)までの大入賞口開放中を示す1回目の大入賞口開放期間(0.85秒)と、大入賞口閉鎖(1回目)から大入賞口開放(2回目)までの大入賞口閉鎖中を示す大入賞口閉鎖期間(0.2秒)と、大入賞口開放(2回目)から大入賞口閉鎖(2回目)までの大入賞口開放中を示す2回目の大入賞口開放期間(0.85秒)を含み、大入賞口の開放期間が合計で1.7秒に達すると小当り遊技は終了する。本実施例では、小当り遊技期間中に期間示唆演出を表示する。なお図11では大入賞口閉鎖期間を0.2秒としているが、変形例として、大入賞口閉鎖期間をより長くしてもよく(例えば大入賞口開放期間以上の長さにしてもよく)、これにより小当り遊技期間をより長くして、期間示唆演出の表示時間をより長く確保してもよい。別の変形例として、小当り遊技期間において、大入賞口閉鎖期間を設けず、大入賞口開放期間を1回のみ設けてもよい。例えば、小当り遊技制御手段154は、大入賞口を最初に開放させてから予め定められた規定時間(例えば1.7秒)に達するまで大入賞口の開放状態を維持し、言い換えれば、大入賞口の閉鎖を挟むことなく大入賞口を開放させ続け、規定時間に到達すると大入賞口を閉鎖して小当り遊技を終了させてもよい。
図12は、第1実施例における小当りに関する演出を模式的に示す図である。この例において、入球容易状態の真の継続期間は図柄変動表示回数が40回であることとする。図12(a)は、入球容易状態における装飾図柄190の変動表示を示しており、当初の仮継続期間として20回を表示している。図12(b)は、入球容易状態において装飾図柄190(および第2特別図柄193)が小当り態様で停止したことを契機とする遊技者誘導演出を示している。なお、入球容易状態の開始時点で表示する仮継続期間の値は所定の抽選により決定してもよい。例えば、真の継続期間が長いほど、複数種類の仮継続期間のうち相対的に長い期間を高確率で選択してもよい。言い換えれば、真の時短回数が多いほど、複数種類の表示上の時短回数のうち相対的に多い時短回数を高確率で選択してよく、真の時短回数が少ないほど、複数種類の表示上の時短回数のうち相対的に少ない時短回数を高確率で選択してもよい。この場合、演出決定手段132は、複数種類の真の継続期間と、複数種類の仮継続期間と、抽選値範囲(選択確率)とが予め対応づけられたテーブルを参照し、真の継続期間と抽選値にしたがって仮継続期間を決定してもよい。
図12(c)は、小当り遊技期間中に操作ボタン82の押下操作がなされたことにより、仮継続期間を22回に更新した期間示唆演出を示している。この期間示唆演出は、あたかも入球容易状態の継続期間が20回から22回へ延長されたかのように見せる演出であり、言い換えれば、入球容易状態が少なくとも22回継続することを示唆する演出と言える。図12(d)は、小当り遊技期間中に操作ボタン82の押下操作がなされたものの、仮継続期間が延長されなかった(それまでの仮継続期間22回が維持された)ことを示唆する期間示唆演出を示している。図12(e)は、小当り遊技終了後(2回目の大入賞口閉鎖後)に開始された図柄変動表示を示している。
演出決定手段132は、小当り遊技期間中に、操作ボタン82に対する複数回の操作入力が検出された場合、複数回の操作入力のそれぞれに応じて仮継続期間を増加させ、もしくは維持する。例えば、各操作入力に応じた仮継続期間の増加数として、「+0回」「+1回」「+2回」「+5回」の中から所定の抽選にていずれかを選択してもよい。したがって、小当りに伴う小当り遊技期間中における操作ボタン82の押下回数が多くなるほど、期間示唆演出における仮継続期間は実際の継続期間に近づいていく。ただし演出決定手段132は、仮継続期間が真の継続期間を超過しないよう仮継続期間の増加数を選択する。例えば、仮継続期間の長さが真の継続期間の長さに達すると、以降は「+0回」のみを選択する。
また演出決定手段132は、単一の入球容易状態において、複数回の小当り遊技における複数回の期間示唆演出に亘り仮継続期間のデータを引き継ぐ。すなわち、先の小当り遊技における期間示唆演出で仮継続期間が更新された場合、後の小当り遊技における期間示唆演出では、その更新された仮継続期間を初期値、言い換えれば、仮継続期間の更新開始の基準値として表示させ、操作ボタン82の押下操作によってその初期値を更新する。例えば図12(e)以降に次の小当りが発生した場合、その期間示唆演出では「22回」が仮継続期間の初期値として表示されることになる。したがって、単一の入球容易状態において小当り回数が多くなるほど、期間示唆演出における仮継続期間は実際の継続期間に近づいていく。ただし演出決定手段132は、仮継続期間が真の継続期間を超過しないよう仮継続期間の増加数を選択する。
なお図12の例では、入球容易状態の仮継続期間として、入球容易状態の開始から終了までの長さ(図柄変動回数)を表示したが、変形例として、入球容易状態の仮継続期間として、入球容易状態の終了までの残り期間を示す見かけ上の図柄変動回数を表示してもよい。この場合、演出決定手段132は、入球容易状態の真の継続期間として、特定遊技実行手段122が決定した入球容易状態全体の長さから現在までの図柄変動回数を差し引いた残り期間(図柄変動回数)を保持する。そして、入球容易状態の真の継続期間(真の残り期間)を仮継続期間(見かけ上の残り期間)が上回ることがないように、演出決定手段132は、操作ボタン82の操作に伴う仮継続期間の増加数を決定する。
また演出決定手段132が保持する予告決定テーブルでは、第2パターン決定手段119が決定した第2特別図柄193の特定の変動パターンが、特定の演出パターンに対応づけられている。具体的には、図10(b)で示した第2特殊変動パターンは、その変動表示時間と整合する演出表示時間を定めた遊技者誘導演出および期間示唆演出の演出パターンと対応づけられている。その一方、図10(a)で示した第1特殊変動パターンは、遊技者誘導演出および期間示唆演出以外の演出パターンと対応づけられている。
演出決定手段132は、第2パターン決定手段119が第2特殊変動パターンを決定した場合、予告決定テーブルでの対応関係にしたがって、第2特殊変動パターンの図柄変動時間に整合する遊技者誘導演出および期間示唆演出の演出パターンを選択する。典型的には、遊技者誘導演出の表示時間と、期間示唆演出の表示時間の合計時間が図柄変動表示時間と同じになるよう、これらの演出パターンを選択する。そして、選択した遊技者誘導演出および期間示唆演出を、図柄変動表示中に表示させる。その一方、演出決定手段132は、第2パターン決定手段119が第1特殊変動パターンを決定した場合、予告決定テーブルでの対応関係にしたがって、第1特殊変動パターンの図柄変動時間に整合する演出であり、遊技者誘導演出と期間示唆演出以外の演出パターンを選択する。
ここで演出基準記憶手段133は、入球容易状態における小当り遊技期間での累積操作回数(すなわち操作ボタン82の押下操作を検出した累積数)と、期間示唆演出において仮継続期間として遊技者へ示唆することが許容される最長の期間(以下、「示唆許容期間」とも呼ぶ。)とを対応づけた演出許容基準テーブルを保持する。演出許容基準テーブルでは、累積操作回数が多くなるほど長い示唆許容期間と対応づけている。例えば、累積操作回数1〜5回と示唆許容期間30回を対応づけ、累積操作回数6〜10回と示唆許容回数50回を対応づけてもよい。
演出決定手段132は、入球容易状態における小当り遊技期間中に操作ボタン82の押下操作が検出されると、演出許容基準テーブルを参照し、検出した押下操作を含めた累積操作回数に対応づけられた示唆許容期間以下の期間を仮継続期間として決定し、期間示唆演出にて表示させる。例えば演出決定手段132は、仮継続期間の長さが示唆許容期間の長さ未満であれば、仮継続期間の増加回数として「+1回」以上を選択する一方、仮継続期間の長さが示唆許容期間の長さに達している場合は、仮継続期間の増加回数として「+0回」を決定する。この場合、累積操作回数が増加して示唆許容期間が増加しない限り、仮継続期間は延長されずにそのまま維持されることになる。なお演出決定手段132は、仮継続期間の長さと、示唆許容期間の長さとの差が大きいほど、相対的に大きい増加回数(例えば「+5回」や「+10回」等)を高確率で選択してもよい。
以上の構成による動作および制御の過程を以下説明する。
図13は、ぱちんこ遊技機における基本的な動作過程を示すフローチャートである。まず、遊技球が第1始動口62、第2始動口63、一般入賞口72、第1大入賞口91、第2大入賞口92などへ入賞した場合の処理を実行し(S10)、通常遊技中であれば(S12のY)、図柄変動などの通常遊技の制御処理を実行し(S14)、通常遊技中でなければ(S12のN)、特別遊技の制御処理を実行する(S16)。特定遊技状態(入球容易状態)において第2特別図柄193が小当り図柄で停止したことを条件とする特殊小当り遊技条件が充足した場合に(S210のY)、特殊小当り遊技性処理を実行する(S212)。特殊小当り遊技条件が非充足、すなわち通常状態での小当りか、第1特別図柄192が小当り図柄で停止した場合は(S210のN)、通常の小当り遊技制御処理を実行する(S17)。その後、S10の入賞処理においてセットされた賞球数にて各種入賞に応じた賞球払出を処理する(S18)。
図14は、図13におけるS10の入賞処理を詳細に示すフローチャートである。第1始動口62または第2始動口63に入球があった場合(S20のY)、始動入賞口に対応する賞球数をセットする(S22)。第1始動口62への入球であれば第1の抽選の保留数が4未満であるか否かを参照し、第2始動口63への入球であれば第2の抽選の保留数が4未満であるか否かを参照し、それぞれにさらなる保留が可能な状態であれば(S24のY)、当否抽選値を取得する(S26)。このとき、保留される当否抽選値の種別(第1当否抽選値であるか第2当否抽選値か)、その当否抽選値の保留順序等の情報が、演出決定手段132に送信される。そして、その当否抽選値に基づいて当否判定する事前判定処理を実行し(S28)、当否抽選値を第1保留手段144または第2保留手段146に保留する(S30)。S20において第1始動口62または第2始動口63への入球がない場合はS22からS30までの処理をスキップする(S20のN)。S24において保留数が上限に達していてさらなる保留が不可能な場合はS26からS30までの処理をスキップする(S24のN)。以上のS20からS30までの処理が始動入賞口への入球に対する入賞処理である。なお、本実施例では第1抽選手段126と第2抽選手段128の双方が事前判定として当否判定を実行する例としているが、変形例としては第1抽選手段126による事前判定と第2抽選手段128による事前判定とを異なる態様としてもよい。例えば、当否判定、図柄決定、パターン決定のうちいずれを事前判定として実行するかについての態様を第1抽選手段126と第2抽選手段128とで相違させてもよい。または、第1抽選手段126と第2抽選手段128のいずれか一方のみが事前判定を実行してその判定結果を送信する態様としてもよいし、確変中か否かといった遊技状態に応じて第1抽選手段126と第2抽選手段128のいずれが事前判定を実行するかを切り替えてもよい。あるいは、第1抽選手段126と第2抽選手段128の双方において遊技状態に応じて事前判定を実行するか否かを決定する態様としてもよい。また、第1抽選手段126と第2抽選手段128が事前判定結果をサブ基板104に送信しつつ、サブ基板104側で遊技状態に応じてその判定結果を利用するか否かを切り替えてもよい。
一般入賞口72に入球があった場合は(S32のY)、一般入賞口72に対応する賞球数をセットし(S34)、一般入賞口72への入球がないときはS34をスキップする(S32のN)。第1大入賞口91または第2大入賞口92に入球があった場合は(S36のY)、第1大入賞口91または第2大入賞口92に対応する賞球数をセットし(S38)、第1大入賞口91および第2大入賞口92への入球がないときはS38をスキップする(S36のN)。
図15は、図14におけるS28の事前判定処理を詳細に示すフローチャートである。まず、事前当否判定テーブルを参照して事前当否判定を実行し(S40)、その判定結果として当否範囲を示す値を設定し(S42)、図柄判定テーブルを参照して事前図柄判定を実行し(S44)、その判定結果として図柄番号を示す値を設定し(S46)、事前パターン判定テーブルを参照して事前パターン判定を実行し(S48)、その判定結果としてパターン範囲を示す値を設定する(S50)。以上のように設定された事前判定結果の値が、第1の抽選と第2の抽選のいずれであるかを示す値、保留の個数、保留順序等の情報とともに送信バッファに一時保存され、サブ基板104の演出決定手段132へ送信される(S52)。
図16は、図13におけるS14の通常遊技制御処理の全体的な過程を示すフローチャートである。この通常遊技制御処理は、サブ基板104における先読み処理が実行され(S150)、メイン基板102における特別図柄変動処理の実行と(S152)、サブ基板104における装飾図柄変動処理の実行とが(S154)、繰り返し処理されることとなる。
図17は、図16におけるS150の先読み処理を詳細に示すフローチャートである。いわゆる先読みによって得られる情報に基づいてどのような演出をサブ基板104において実行するか、また事前判定結果がどのような結果の場合にその結果に応じた演出を実行するかといった基準は、ぱちんこ遊技機10における遊技性の設計に応じて種々考えられる。本実施例においては、「スーパー1」の変動パターンが選択されたことを事前判定処理の結果に基づいてあらかじめサブ基板104側でも認識し、大当りの期待度が高いことを演出的に示唆することとする。
サブ基板104の演出決定手段132がメイン基板102から事前判定結果を受信した場合(S160のY)、演出表示制御手段134は事前判定結果とともに受信した、第1の抽選と第2の抽選のいずれであるかを示す値および保留数の情報に基づいて演出表示装置60における保留数の表示を更新する(S162)。その時点での保留数が例えば「3個以上」といった所定の前兆演出をするのに十分な個数であり(S164のY)、事前判定により設定された当否範囲の値が「1」でパターン範囲の値が「4」の場合や(S166のY)、異なる値であっても(S166のN)、事前判定により設定された当否範囲の値が「3」でパターン範囲の値が「1」の場合は(S168のY)、前兆設定をオンにする(S172)。S168において当否範囲の値とパターン範囲の値が該当しない場合は(S168のN)、S172をスキップする。保留数が所定数に満たない場合は(S164のN)、S166からS172までの処理をスキップする。事前判定処理の結果を受信していない場合は本図のフロー全体をスキップする(S160のN)。なお、本図の例では、事前判定により設定された当否範囲とパターン範囲に基づいて前兆設定をオンすべきか否かを決定する。変形例としては事前判定により設定された図柄範囲に応じて、あるいは第1の抽選と第2の抽選のいずれの判定結果であったかに応じて前兆設定をオンすべきか否かを決定してもよい。または、それらの情報とともに所定の抽選に基づいて前兆設定をオンすべきか否かを決定してもよい。あるいは、事前判定結果として送られる情報、すなわち図柄の種類、当否結果、変動パターン等のうち少なくとも一つの情報を用いて前兆設定をオンすべきか否かを決定してもよい。なお、本実施例では、当否判定の結果が通常時および確変時を問わず大当りの場合、すなわち大当り確定の場合に前兆設定をオンにする例を示したが、確変時のみに大当りとなる場合、あるいは小当りとなる場合に前兆設定をオンにするようにしてもよい。あるいは、15R大当りまたは2R大当りのときに、前兆設定をオンにするようにしてもよい。
図18は、図16におけるS152の特別図柄変動処理の実行処理を詳細に示すフローチャートである。まだ図柄変動表示が開始されていない場合(S60のN)、第2当否抽選値の保留がなされている場合(S62のY)、第2当否判定手段117が第2当否抽選値を読み出して第2特別図柄193の当否を判定し(S63)、第2当否判定手段117が第2特別図柄193を決定する(S64)。第2パターン決定手段119は、特殊変動パターンテーブルを参照中で(S65のY)、特殊変動パターンテーブルを規定回数参照済みであれば(S66のY)、特殊変動パターンテーブルの参照を終了する(S68)。例えば、小当り遊技終了後、9回の図柄変動において第1特殊変動パターンテーブルを参照して第2特別図柄193の変動パターンを決定し、次の1回の図柄変動において第2特殊変動パターンテーブルを参照して第2特別図柄193の変動パターンを決定した場合は、特殊変動パターンテーブルの参照を終了する。そして次回の図柄変動からは通常の(すなわち時短状態および入球容易状態において通常参照すべき)変動パターンテーブルを参照して第2特別図柄193の変動パターンを決定する。第2パターン決定手段119が特殊変動パターンテーブルを参照中でなく(S65のN)、もしくは、特殊変動パターンテーブルの参照回数が規定回数未満であれば(S66のN)、S67をスキップする。第2パターン決定手段119は第2特別図柄193の変動パターンを決定し(S69)、決定した結果とともに変動開始コマンドをサブ基板104へ送信して第2特別図柄193の図柄変動を開始する(S77)。
第2当否抽選値の保留がなされていない場合であって(S62のN)、第1当否抽選値の保留がなされている場合(S70のY)、第1当否判定手段113が第1当否抽選値を読み出してあらためて第1特別図柄192の当否を判定し(S72)、第1当否判定手段113が第1特別図柄192を決定し(S74)、第1パターン決定手段114が第1特別図柄192の変動パターンを決定し(S76)、決定した結果とともに変動開始コマンドをサブ基板104へ送信して第1特別図柄192の図柄変動を開始する(S77)。第1当否抽選値の保留がなされていない場合はS72からS77までの処理をスキップする(S70のN)。
すでに図柄変動表示が開始されている場合(S60のY)、特別図柄の図柄変動表示を処理し(S78)、所定の変動時間が経過して図柄表示の停止タイミングに達したときは(S80のY)、変動停止コマンドをサブ基板104へ送信して表示中の図柄変動をあらかじめ決定された停止図柄にて停止し(S82)、本図のフローを終了する。図柄表示の停止タイミングに達していない場合はS82の処理をスキップして本図のフローを終了する(S80のN)。
図19は、図16におけるS154の装飾図柄変動処理の実行処理を詳細に示すフローチャートである。サブ基板104の演出決定手段132がメイン基板102から変動開始コマンドを受信した場合(S180のY)、受信した特別図柄の停止図柄、変動パターン、当否判定結果に応じて装飾図柄の停止態様を決定し(S182)、変動演出パターンを決定する(S184)。特別図柄の変動パターンが第1特殊変動パターンの場合、第1特殊変動パターンと予め対応づけられた予告演出(遊技者誘導演出、期間示唆演出以外の演出)を選択する一方、特別図柄の変動パターンが第2特殊変動パターンの場合、第2特殊変動パターンと予め対応づけられた遊技者誘導演出および期間示唆演出を予告演出として選択する。
ここで、前兆設定がオンになっている場合(S186のY)、すでに決定されている変動演出パターンが、予告演出との重畳表示を回避すべき特定の演出内容が含まれたパターンでない場合であって(S188のN)、前兆設定がオンされた契機である図柄変動でなければ(S190のN)、所定の予告演出を表示すべき設定を実行し(S192)、前兆設定がオンされた契機である図柄変動である場合は(S190のY)、前兆設定をオフする(S194)。その後、装飾図柄の変動表示を開始する(S196)。前兆設定がオンでない場合や(S186のN)、変動演出パターンに特定の演出内容が含まれる場合は(S188のY)、S190からS194の処理をスキップする。メイン基板102から変動開始コマンドを受信しなかった場合はS182からS194をスキップする(S180のN)。
すでに装飾図柄の変動表示が開始済みであれば(S198のY)、その図柄変動や予告演出の表示処理を実行し(S200)、メイン基板102から変動停止コマンドを受信したときは(S202のY)、S182で決定された停止態様にて装飾図柄を停止表示させることで図柄変動表示を停止する(S204)。変動停止コマンドをメイン基板102から受信していないときはS204をスキップし(S202のN)、変動表示が開始済みでないときはS200からS204をスキップする(S198のN)。
図20は、図13におけるS16の特別遊技を詳細に示すフローチャートである。まず、第1大入賞口91または第2大入賞口92がまだ開放済でない場合(S100のN)、演出表示制御手段134が特別遊技の演出処理を開始し(S102)、開閉制御手段124が第1大入賞口91または第2大入賞口92を開放する(S104)。第1大入賞口91または第2大入賞口92が開放済であればS102およびS104をスキップする(S100のY)。第1大入賞口91または第2大入賞口92が開放されてから、所定の開放時間が経過した場合(S106のY)、または、開放時間が経過していないものの(S106のN)、第1大入賞口91または第2大入賞口92への入球数が9球以上に達した場合(S108のY)、開閉制御手段124が第1大入賞口91または第2大入賞口92を閉鎖させる(S110)。開放時間が経過しておらず(S106のN)、第1大入賞口91または第2大入賞口92への入球数も9球以上に達していない場合は(S108のN)、S110以降の処理をスキップしてS16のフローを終了する。
S110における第1大入賞口91または第2大入賞口92の閉鎖後、単位遊技が最終ラウンドに達していた場合(S112のY)、演出表示制御手段134は特別遊技の演出処理を終了させ(S114)、特別遊技制御手段120は特別遊技を終了させ(S116)、特定遊技、すなわち確変および時短の実行を開始する(S118)。具体的には、特定遊技実行手段122は、大当り図柄の態様に応じて、予め定められた複数種類の継続期間の中からいずれかを選択して時短状態(入球容易状態)へ移行させ、さらに特別遊技の契機が所定の大当り図柄であった場合には確変状態へも移行させる。単位遊技が最終ラウンドに達していなければ(S112のN)、ラウンド数に1を加算してS16のフローを終了する(S119)。
図21は、図13におけるS17の小当り遊技を詳細に示すフローチャートである。第1大入賞口91または第2大入賞口92が開放済でなければ(S220のN)、第1大入賞口91または第2大入賞口92の開放処理を実行し(S222)、開放済みであれば(S220のY)、S222をスキップする。所定の開放時間を経過した場合(S224のY)、第1大入賞口91または第2大入賞口92を閉鎖し(S226)、所定の開放時間を経過していなければ(S224のN)、S226以降をスキップする。S226における第1大入賞口91または第2大入賞口92の閉鎖後、設定回数分の開閉が終了していれば(S228のY)、小当り遊技を終了する(S230)。設定回数分の開閉が終了していなければ(S228のN)、開閉回数に1を加算してS17のフローを終了する(S232)。
図22は、図13におけるS212の特殊小当り遊技を詳細に示すフローチャートである。第2大入賞口92が開放済でなければ(S240のN)、演出決定手段132は演出表示制御手段134に遊技者誘導演出を表示させる(S242)。そして小当りを示す図柄変動の停止から所定時間の経過後に、小当り遊技制御手段154は開閉制御手段124に第2大入賞口92を開放させる(S244)。第2大入賞口92が開放済みであれば(S240のY)、S242およびS244をスキップする。操作ボタン82の押下操作が操作検出手段156により検出されると(S246のY)、演出決定手段132はそれまでの仮継続期間を、特定遊技実行手段122により決定された真の継続期間に近づくよう延長する。そして演出決定手段132は、延長した仮継続期間を示す期間示唆演出を表示させる(S250)。なお、小当り遊技における小当り遊技期間中は入球容易状態の回数(仮継続期間)が常時表示されてもよく、遊技者によるボタン操作のたびに仮継続期間が延長されていくかのように見せる演出を期間示唆演出として表示させてもよい。操作ボタン82の押下操作が未検出であれば(S246のN)、S248およびS250をスキップする。
第2大入賞口92の開放中に入球数が所定数に達し(S252のY)、入球数が所定数未満であっても(S252のN)、所定の開放時間(例えば0.85秒)を経過した場合(S254のY)、第2大入賞口92を閉鎖する(S256)。所定の開放時間を経過していなければ(S254のN)、S212のフローを終了する。第2大入賞口92の閉鎖後、設定回数(2回)分の開閉が終了していれば(S258のY)、小当り遊技を終了し、第2パターン決定手段119は、参照対象の変動パターンテーブルを、第1特殊変動パターンテーブルおよび第2特殊変動パターンへ切り替える(S262)。設定回数分の開閉が終了していなければ(S258のN)、開閉回数に1を加算してS212のフローを終了する(S264)。
第1実施例のぱちんこ遊技機10によると、入球容易状態(時短状態)において遊技者は第2始動口63への入球〜小当り〜第2大入賞口92への入球を狙って遊技球の減少抑制を図るところ、小当りの獲得により遊技者は入球容易状態の継続期間を把握しやすくなるため、遊技者にとって小当りの意義を高めることができる。また、遊技者が小当りに当選させて操作ボタン82を押下することで、あたかも時短回数が延長しているかのように見せる期間示唆演出が表示されるため、遊技者に自力で時短回数を上乗せしているかのような感覚を抱かせやすくなり、遊技の興趣を高めることができる。また、入球容易状態の小当り演出として入球容易状態の継続期間を示唆することにより、現在の遊技状態と関連性、一体感のある内容の小当り演出を遊技者に提供できる。すなわち、特定遊技状態として比較的小当りを獲得しやすい入球容易状態を設けた遊技機において、小当りを、単に出玉を確保するためのものだけでなく、遊技者に有益な情報を提供するための演出の契機として活用することができる。
また、入球容易状態における累積操作回数が多くなるほど、遊技者は入球容易状態の実際の継続期間を把握しやすくなるため、小当り遊技において操作ボタン82に対する操作を一層促進することができる。また、入球容易状態の実際の継続期間を表示させるためには、小当り遊技期間中に所定回数以上、操作ボタン82を操作することが必要になり、言い換えれば、入球容易状態における1回の小当り(操作ボタン82に対する数回程度の操作)では、実際の継続期間の把握を困難なものにできる。これにより、入球容易状態においてある程度の期間、実際の継続期間を遊技者から秘匿しやすくなり、遊技者の期待感を継続して煽ることができる。
またぱちんこ遊技機10によると、小当り遊技終了後の複数回の図柄変動の間に期間示唆演出に対応する変動パターンを少なくとも1回選択して、入球容易状態の継続期間を改めて示唆する期間示唆演出を図柄変動表示中の演出としても表示させる。これにより、仮に小当りになかなか当選しない場合でも、期間示唆演出の表示機会を提供でき、遊技者は入球容易状態の継続期間を把握しやすくなり、遊技の興趣の低下を抑制しやすくなる。
またぱちんこ遊技機10によると、小当り遊技中にボタン操作を繰り返すことで、仮継続期間を延長表示する期間示唆演出が繰り返し表示されるため、遊技者は自身の操作により特定遊技状態の実際の継続期間を把握しやすくすることができ、小当り遊技の興趣を高めることができる。また、小当りに当選するたびに、仮継続期間を延長表示する期間示唆演出が繰り返し表示されるため、遊技者は特定遊技状態の実際の継続期間を把握しやすくなって、小当り遊技の興趣を高めることができる。
第1実施例の変形例を説明する。
上記第1実施例では特に言及していないが、入球容易状態の継続期間が相対的に多い場合と相対的に少ない場合とで、期間示唆演出の表示条件とするボタン操作方法が異なってもよい。この変形例の演出決定手段132は、入球容易状態の継続期間の複数の態様(例えば図柄変動回数20回、40回、60回、80回、100回)のそれぞれと、操作ボタン82の押下回数および/または押下時間が異なる複数種類の操作入力態様のうち少なくとも1つとを対応づけた操作態様決定テーブルを保持する。
操作ボタン82の押下回数または押下時間が異なる複数種類の操作入力態様は、例えば、「連打」、「一発押し」、「長押し」である。「連打」は、素早い複数回連続押下であり、操作回数も操作時間も相対的に多い操作入力態様である。「一発押し」は、1回だけの押下であり、操作回数も操作時間も相対的に少ない操作入力態様である。「長押し」は、操作回数は相対的に少ないが操作時間は相対的に多い操作入力態様である。一般的に、遊技者による操作入力の負担(難易度、煩雑さ)は低い方から、「一発押し」<「長押し」<「連打」の順となる。
このように演出上の要求として遊技者に促す操作ボタン82の操作入力態様としては、操作の入力所要時間の長い態様から短い態様まで複数通りが考えられる。本変形例では、入力所要時間の短い「一発押し」から、入力所要時間の長い「連打」や「長押し」までがある。ここで、入球容易状態の継続期間が相対的に長いものであるときには、「連打」や「長押し」によって入力所要時間が長くなっても、その結果として長い継続期間が獲得できるため、操作入力の煩雑さを遊技者に感じさせてしまうおそれは少ない。しかし、「連打」や「長押し」によって入力所要時間が長くなった挙げ句に短い継続期間しか獲得できなかった場合には、遊技者に促す操作入力態様を煩雑なものとして感じさせかねない。
そこで本変形例の演出決定手段132が保持する操作態様決定テーブルは、入球容易状態の継続期間が短いほど、操作ボタン82の操作回数または操作時間が相対的に少ない操作入力態様を高確率で選択するよう定める。また入球容易状態の継続期間が長いほど、操作ボタン82の操作回数または操作時間が相対的に多い操作入力態様を高確率で選択するよう定める。例えば、入球容易状態の継続期間が図柄変動20回の場合、「一発押し」の選択確率を75%、「長押し」の選択確率を20%、「連打」の選択確率を5%に定めてもよい。また継続期間が図柄変動40回の場合、「一発押し」の選択確率を50%、「長押し」の選択確率を35%、「連打」の選択確率を15%に定めてもよい。また継続期間が図柄変動60回の場合、「一発押し」の選択確率を25%、「長押し」の選択確率を50%、「連打」の選択確率を25%に定めてもよい。また継続期間が図柄変動80回の場合、「一発押し」の選択確率を15%、「長押し」の選択確率を35%、「連打」の選択確率を50%に定めてもよい。また継続期間が図柄変動100回の場合、「一発押し」の選択確率を5%、「長押し」の選択確率を20%、「連打」の選択確率を75%に定めてもよい。
演出決定手段132は、入球容易状態において小当りが発生すると、特定遊技実行手段122が決定した入球容易状態の継続期間に対して、操作態様決定テーブルにおいて定められた選択確率にしたがって、期間示唆演出の表示条件としての操作入力態様を決定する。そして、決定した操作入力態様を遊技者に促す内容の遊技者誘導演出を、小当り開始デモ期間中に表示させる。例えば、決定した操作入力態様が「連打」であった場合、遊技者誘導演出として「ボタンを連打しろ」等のメッセージが表示されてもよい。
演出決定手段132は、小当り遊技期間中に、遊技者誘導演出で促した操作入力態様に整合する操作入力が検出されると、入球容易状態の継続期間を示唆する期間示唆演出を表示させる。遊技者誘導演出で促した操作入力態様に整合する操作入力とは、操作態様決定テーブルにもとづいて決定した操作入力態様について予め定められた操作回数以上および/または操作時間以上の操作入力である。例えば、遊技者誘導演出で促した操作入力態様が「連打」の場合、操作ボタン82が所定回数以上押下され、かつ、所定時間以上押下状態とされたことを条件として期間示唆演出を表示させる。また遊技者誘導演出で促した操作入力態様が「長押し」の場合、操作ボタン82が所定時間以上押下状態とされたことを条件として期間示唆演出を表示させる。また遊技者誘導演出で促した操作入力態様が「一発押し」の場合、操作ボタン82に対する1回の押下操作を条件として期間示唆演出を表示させる。
この変形例によると、期間示唆演出の表示条件とする操作入力態様に複数種類のバリエーションを設けることにより、遊技者には小当り遊技の時々で多彩な操作入力態様が求められるため、遊技の単調化を回避して遊技の興趣を高めることができる。また、入球容易状態の継続期間の長短に応じて遊技者が得る利益の大きさと、遊技者が要求される操作入力の煩雑さとの適切なバランスを維持しやすくなる。
別の変形例として、入球容易状態の継続期間の複数態様と、複数の操作入力態様との対応関係が上記変形例と逆に構成されてもよい。すなわち、演出決定手段132が保持する操作態様決定テーブルは、入球容易状態の継続期間が短いほど、操作ボタン82の操作回数または操作時間が相対的に多い操作入力態様を高確率で選択するよう定めてもよい。また入球容易状態の継続期間が長いほど、操作ボタン82の操作回数または操作時間が相対的に少ない操作入力態様を高確率で選択するよう定めてもよい。既述したように、操作ボタン82の操作回数または操作時間が相対的に多い操作入力態様(例えば「連打」)は、入力の煩雑さ(難易度)が相対的に高いため、遊技者の操作入力が期間示唆演出の表示条件としての操作に該当しないと判定されやすい。例えば、操作回数または操作時間が不十分な操作入力と判定されやすい。したがって、仮継続期間が延長されないまま、見かけ上(演出上)、入球容易状態が終了するものの、実際の入球容易状態は継続するという演出上の不整合が発生しやすいと考えられる。この変形例のように、入球容易状態の継続期間が長いほど、操作ボタン82の操作回数または操作時間が相対的に少ない操作入力態様を高確率で選択することにより、入球容易状態の実際の継続と演出上の継続(仮継続期間)との間で不整合が発生することを防止しやすくなる。
さらに別の変形例として、演出決定手段132が保持する操作態様決定テーブルは、期間示唆演出において示唆すべき仮継続期間の延長期間が相対的に短いほど、操作ボタン82の操作回数または操作時間が相対的に少ない操作入力態様を高確率で選択するよう定めてもよい。また仮継続期間の延長期間が相対的に長いほど、操作ボタン82の操作回数または操作時間が相対的に多い操作入力態様を高確率で選択するよう定めてもよい。例えば、延長期間が「+1回」の場合に、「一発押し」の選択確率を75%、「長押し」の選択確率を20%、「連打」の選択確率を5%に定めてもよい。また延長期間が「+10回」の場合に、「一発押し」の選択確率を25%、「長押し」の選択確率を50%、「連打」の選択確率を25%に定めてもよい。延長期間が「+20回」の場合に、「一発押し」の選択確率を5%、「長押し」の選択確率を20%、「連打」の選択確率を75%に定めてもよい。この変形例においても、期間示唆演出の表示条件とする操作入力態様に複数種類のバリエーションを設けることにより、遊技者には小当り遊技の時々で多彩な操作入力態様が求められるため、遊技の単調化を回避して遊技の興趣を高めることができる。また、入球容易状態の延長期間の長短に応じて遊技者が得る利益の大きさと、遊技者が要求される操作入力の煩雑さとの適切なバランスを維持しやすくなる。
(第2実施例)
第2実施例のぱちんこ遊技機10は、基本的な構成および動作については第1実施例のぱちんこ遊技機10と同じであるが、小当り遊技期間中の操作ボタン82の操作に代えて、第2大入賞口92への入球を条件として期間示唆演出を表示させる点で第1実施例のぱちんこ遊技機10と異なる。以下、第2実施例のぱちんこ遊技機10の構成および動作について、第1実施例のぱちんこ遊技機10と異なる点を主に説明し、重複する構成および動作の説明は適宜省略する。
小当り演出記憶手段135は、小当り遊技における演出パターンとして、期間示唆演出のパターンデータと、期間示唆演出を表示させる条件を遊技者へ提示して所定の遊技操作を遊技者に促す内容の遊技者誘導演出のパターンデータとを保持する。本実施例の遊技者誘導演出は、小当りの当選を報知するとともに、小当り遊技に伴い開放される大入賞口への入球を促すメッセージを表示する演出である。
演出決定手段132は、入球容易状態へ移行された当初、真の継続期間よりも短い期間を仮継続期間として表示させる。演出決定手段132は、入球容易状態での第2始動口63への入球を契機とする図柄変動において、第2特別図柄193が小当りを示す図柄で停止した場合に遊技者誘導演出の表示を決定し、その旨を演出表示制御手段134へ通知して遊技者誘導演出を演出表示装置60に表示させる。小当り遊技中(すなわち図11における小当り遊技期間中)に第2大入賞口92への入球が検出されると、演出決定手段132は、期間示唆演出の表示を決定し、その旨を演出表示制御手段134へ通知して期間示唆演出を演出表示装置60に表示させる。あわせて仮継続期間を、それまでの値から真の継続期間に近づけるよう延長した値へ更新し、仮継続期間の増加量および更新後の仮継続期間を演出表示制御手段134へ通知して期間示唆演出で表示させる。
図12で示した小当りに係る演出も第1実施例と同様であるが、図12(b)における遊技者へのメッセージは、第2大入賞口92(いわゆるアタッカー)への入球を狙うことを遊技者に促す内容となる。そして、第2大入賞口92の開放期間中に第2大入賞口92への入球が検出されるたびに、図12(c)・(d)で例示する期間示唆演出を表示させる。
演出決定手段132による仮継続期間の調整態様も第1実施例と同様である。すなわち演出決定手段132は、小当り遊技期間中に、第2大入賞口92への複数個の入球が検出された場合、複数個の入球のそれぞれに応じて仮継続期間を増加させ、もしくは維持する。したがって、小当りに伴う大入賞口開放期間中に第2大入賞口92への入球数が多くなるほど、期間示唆演出における仮継続期間は実際の継続期間に近づいていく。ただし、演出決定手段132は、仮継続期間が真の継続期間を超過しないよう仮継続期間の増加数を選択する。例えば、仮継続期間の長さが真の継続期間の長さに達すると、以降は「+0回」のみを選択する。
また演出決定手段132は、単一の入球容易状態において、複数回の小当り遊技における複数回の期間示唆演出に亘り仮継続期間のデータを引き継ぐ。すなわち、先の小当り遊技における期間示唆演出で仮継続期間が更新された場合、後の小当り遊技における期間示唆演出では、その更新された仮継続期間を初期値、言い換えれば、仮継続期間の更新開始の基準値として表示させ、第2大入賞口92への入球に伴ってその初期値を更新する。例えば図12(e)以降に次の小当りが発生した場合、その期間示唆演出では「22回」が仮継続期間の初期値として表示されることになる。したがって、単一の入球容易状態において小当り回数が多くなるほど、期間示唆演出における仮継続期間は実際の継続期間に近づいていく。ただし演出決定手段132は、仮継続期間が真の継続期間を超過しないよう仮継続期間の増加数を選択する。
また演出決定手段132は、第1の実施例と同様に、第2パターン決定手段119が第2特殊変動パターンを決定した場合、その変動パターンが示す図柄変動時間に整合する遊技者誘導演出および期間示唆演出の演出パターンを選択する。典型的には、遊技者誘導演出の表示時間と、期間示唆演出の表示時間の合計時間が図柄変動表示時間と同じになるよう、これらの演出パターンを選択する。その一方、演出決定手段132は、第2パターン決定手段119が第1特殊変動パターンを決定した場合、その変動パターンが示す図柄変動時間に整合する演出であり、遊技者誘導演出と期間示唆演出以外の演出パターンを選択する。
なお第2実施例では、小当りに伴う遊技者誘導演出は第2大入賞口92への入球を促す内容であるのに対し、第2特殊変動パターンに対応づけられた遊技者誘導演出は第1実施例と同様に操作ボタン82の押下操作を促す内容となる。そして演出決定手段132は、第2特殊変動パターンに対応づけられた遊技者誘導演出の表示から所定期間内において操作ボタン82の押下操作が検出されるたびに、仮継続期間が延長されたことを示す期間示唆演出を表示させる。
演出基準記憶手段133は、入球容易状態における小当り遊技の大入賞口開放期間での累積入球個数(すなわち第2大入賞口92への入球を検出した累積数)と示唆許容期間とを対応づけた演出許容基準テーブルを保持する。演出許容基準テーブルでは、累積入球個数が多くなるほど長い示唆許容期間と対応づけている。例えば、累積入球個数1〜3個と示唆許容期間30回を対応づけ、累積入球個数4〜6個と示唆許容回数50回を対応づけてもよい。
演出決定手段132は、入球容易状態における小当り遊技の大入賞口開放期間中に第2大入賞口92への入球が検出されると、演出許容基準テーブルを参照し、検出した入球を含めた累積入球個数に対応づけられた示唆許容期間以下の期間を仮継続期間として決定し、期間示唆演出にて表示させる。例えば演出決定手段132は、仮継続期間の長さが示唆許容期間の長さ未満であれば、仮継続期間の増加回数として「+1回」以上を選択する一方、仮継続期間の長さが示唆許容期間の長さに達している場合は、仮継続期間の増加回数として「+0回」を決定する。この場合、累積入球個数が増加して示唆許容期間が増加しない限り、仮継続期間は延長されずにそのまま維持されることになる。なお演出決定手段132は、仮継続期間の長さと、示唆許容期間の長さとの差が大きいほど、相対的に大きい増加回数(例えば「+5回」や「+10回」等)を高確率で選択してもよい。
第2実施例のぱちんこ遊技機10の動作は、図13〜図22のフローチャートで示した動作と基本的に同じである。ただし、図22のS242の遊技者誘導演出は、第2大入賞口92の開放に先立って、第2大入賞口92への入球を狙うよう遊技者を促す内容の演出となる。また、図22のS246における仮継続期間延長の条件および仮継続期間の延長を示す期間示唆演出の表示条件は、第2大入賞口92への入球となる点で異なる。
第2実施例のぱちんこ遊技機10によると、入球容易状態(時短状態)において遊技者は第2始動口63への入球〜小当り〜第2大入賞口92への入球を狙って遊技球の減少抑制を図るところ、小当りの獲得により遊技者は入球容易状態の継続期間を把握しやすくなるため、遊技者にとって小当りの意義を高めることができる。また、遊技者が小当りに当選させて第2大入賞口92へ入球させることで、あたかも時短回数が延長しているかのように見せる期間示唆演出が表示されるため、遊技者に自力で時短回数を上乗せしているかのような感覚を抱かせやすくなり、遊技の興趣を高めることができる。また、入球容易状態の小当り演出として入球容易状態の継続期間を示唆することにより、現在の遊技状態と関連性、一体感のある内容の小当り演出を遊技者に提供できる。すなわち、特定遊技状態として比較的小当りを獲得しやすい入球容易状態を設けた遊技機において、小当りを、単に出玉を確保するためのものだけでなく、遊技者に有益な情報を提供するための演出の契機として活用することができる。
また第2実施例のぱちんこ遊技機10では、第2大入賞口92への入球を期間示唆演出の表示条件とする。これにより、期間示唆演出の表示頻度の高低(言い換えれば、期間示唆演出の回数の大小)により、第2大入賞口92の釘状態(入球が容易なように調整されているか否か)を遊技者が把握しやすくなる。また、大入賞口への入球は賞球の払い出し契機となるため、遊技者は積極的に大入賞口への入球を狙うと想定され、設計者の意図通りに期間示唆演出を表示させやすくなる。例えば、第1実施例での操作ボタン82の押下操作は賞球払い出しには直結しないため、遊技者が操作ボタン82の押下操作に消極的となることも考えられる。しかし、第2大入賞口92への入球は賞球払い出しに直結するため、遊技者は積極的に第2大入賞口92への入球を狙い、結果として、期間示唆演出の表示が促進される。
また、入球容易状態における第2大入賞口92への累積入球個数が多くなるほど、遊技者は入球容易状態の実際の継続期間を把握しやすくなるため、小当り遊技において大入賞口へ入球させることを一層促進することができる。また、入球容易状態の実際の継続期間を表示させるためには、第2大入賞口92へ所定数以上入球させることが必要になり、言い換えれば、入球容易状態における1回の小当り(第2大入賞口92への少数の入球)では、実際の継続期間の把握を困難なものにできる。これにより、入球容易状態においてある程度の期間、実際の継続期間を遊技者から秘匿しやすくなり、遊技者の期待感を継続して煽ることができる。
またぱちんこ遊技機10によると、小当り遊技後の複数回の図柄変動の間に期間示唆演出に対応する変動パターンを少なくとも1回選択して、入球容易状態の継続期間を改めて示唆する期間示唆演出を図柄変動表示中の演出としても表示させる。これにより、仮に小当りになかなか当選しない場合でも、期間示唆演出の表示機会を提供でき、遊技者は入球容易状態の継続期間を把握しやすくなって、遊技の興趣の低下を抑制しやすくなる。
またぱちんこ遊技機10によると、小当り遊技中に第2大入賞口92へ入球させるたびに、仮継続期間を延長表示する期間示唆演出が繰り返し表示されるため、遊技者は特定遊技状態の実際の継続期間を自力で把握しやすくなり、小当り遊技の興趣を高めることができる。また、小当りに当選するたびに、仮継続期間を延長表示する期間示唆演出が繰り返し表示されるため、遊技者は特定遊技状態の実際の継続期間を把握しやすくなり、小当り遊技の興趣を高めることができる。
ここで第1実施例と第2実施例の両方に適用可能な変形例を説明する。上記の第1実施例および第2実施例では、特定遊技実行手段122が入球容易状態の複数種類の継続期間の中からいずれかを選択し、入球容易状態における小当りを契機として、入球容易状態の継続期間を遊技者に示唆する演出を表示した。また確変状態は、次の大当り発生まで維持されることとした。変形例では、確変状態が継続する最大期間(以下、単に「確変状態の継続期間」と呼ぶ。)が、次の大当り発生まででなく、予め定められた複数種類の期間のいずれかに制限されてもよい。すなわち、ぱちんこ遊技機10はいわゆるST機であってもよい。そして期間示唆演出における示唆対象は、入球容易状態ではなく確変状態の継続期間であってもよい。
この変形例において、特定遊技実行手段122は、特別遊技の終了後は一律に確変状態かつ入球容易状態へ移行させる。その一方、特定遊技実行手段122は、第1特別図柄192および第2特別図柄193の停止態様にもとづいて、確変状態の最大の継続期間を複数種類の中からいずれかを選択する。例えば、図柄変動の消化回数20回、40回、60回、80回、100回の中からいずれかを選択する。確変状態は次の大当りが発生するまで、もしくは大当りが未発生のまま確変継続期間が経過するまで続行されるが、特定遊技実行手段122は、確変継続期間が経過すると大当りが未発生であっても確変状態を終了させて非確変状態へ移行させる。
具体的に、第1実施例の変形例としては、演出決定手段132は、期間示唆演出として確変状態の仮継続期間を表示させる。そして小当り遊技における操作ボタン82の押下操作のたびに、仮継続期間を実際の確変状態の継続期間に近づくよう延長表示させる。また第2実施例の変形例としては、演出決定手段132は、期間示唆演出として確変状態の仮継続期間を表示させる。そして小当り遊技における第2大入賞口92への入球のたびに、仮継続期間を実際の確変状態の継続期間に近づくよう延長表示させる。
この変形例のぱちんこ遊技機10においても第1実施例と第2実施例に記載の効果を奏する。すなわち、入球容易状態において遊技者は第2始動口63への入球〜小当り〜第2大入賞口92への入球を狙って遊技球の減少抑制を図るところ、小当りの獲得により遊技者は確変状態の継続期間を把握しやすくなるため、遊技者にとって小当りの意義を高めることができる。また、確変状態における小当り演出として確変状態の継続期間を示唆することにより、現在の遊技状態と関連性、一体感のある内容の小当り演出を遊技者に提供できる。
(第3実施例)
第3実施例のぱちんこ遊技機10は、基本的な構成および動作については第1実施例のぱちんこ遊技機10と同じであるが、小当りに伴い入球容易状態の継続期間を示唆することに代えて、確変状態か否かを示唆する確変示唆演出を表示させる点で第1実施例のぱちんこ遊技機10と異なる。具体的には、第3実施例のぱちんこ遊技機10は、特別遊技終了時点では確変状態に移行するか否かを遊技者に報知することなく秘匿し、また、特定遊技状態において小当りが発生するまでの間も確変状態か否かを遊技者から秘匿する。そして、特定遊技状態(入球容易状態)で小当りとなったことを条件として確変示唆演出を表示させる。以下、第3実施例のぱちんこ遊技機10の構成および動作について、第1実施例のぱちんこ遊技機10と異なる点を主に説明し、重複する構成および動作の説明は適宜省略する。
パターン記憶手段130は、予告演出のデータとして、現在の遊技状態が確変状態と非確変状態のいずれであるかを遊技者から秘匿する内容の潜伏演出のパターンデータを保持する。潜伏演出は、確変状態か否かを演出表示装置60上で遊技者に報知もしくは示唆しない内容の演出と言え、また、確変状態もしくは非確変状態をいわゆる潜伏状態とする内容の演出と言える。また潜伏演出は、通常状態において表示される演出、もしくは入球容易状態かつ非確変状態の特定遊技状態において表示される演出と同じ内容であってもよい。なお、パターン記憶手段130は、特別遊技中の演出(典型的には開始デモや終了デモ)としても、潜伏演出と同様に、特別遊技終了後の遊技状態が確変状態と非確変状態のいずれであるかを遊技者から秘匿する内容の演出のパターンデータを保持する。
小当り演出記憶手段135は、現在の遊技状態が確変状態か否かを遊技者に示唆する内容の確変示唆演出のパターンデータを保持する。また、確変示唆演出を表示させるための演出上の要求を示す演出であり、確変示唆演出を表示させる条件を遊技者へ提示して所定の遊技操作を遊技者に促す内容の遊技者誘導演出のパターンデータも保持する。本実施例の遊技者誘導演出は、遊技者による操作ボタン82の操作を促す内容の演出であり、具体的には、操作ボタン82の押下を指示するメッセージを表示する演出である。
演出決定手段132は、特別遊技中の演出(例えば終了デモ演出)として、特別遊技終了後の遊技状態が確変状態と非確変状態のいずれであるかを遊技者から秘匿する内容の演出を表示させる。特別遊技終了後の入球容易状態においては、確変状態を遊技者に未報知の場合、図柄変動中の予告演出として、実際の遊技状態が確変状態か否かに関わらず潜伏演出を表示させる。演出決定手段132は、入球容易状態において第2特別図柄193が小当り図柄で停止した場合、小当り開始デモ期間中に遊技者誘導演出を表示させる。そして小当り遊技期間中に、操作ボタン82の押下操作が検出されると確変示唆演出を表示させる。
演出決定手段132は、確変示唆演出において確変状態である旨を遊技者に報知した場合、すなわち演出等によりぱちんこ遊技機10の外観上で確変状態を明示した場合、小当り遊技終了後の図柄変動表示中に、潜伏演出に代えて確変状態であることを明示する内容の演出(メッセージ等)を表示させる。その一方、確変示唆演出において確変状態である旨を明示しなかった場合は、小当り遊技終了後の図柄変動中に、小当り前と同様の潜伏演出を表示させる。
演出決定手段132は、入球容易状態でない通常状態での第2始動口63への入球を契機とする図柄変動において、第2特別図柄193が小当りを示す図柄で停止した場合は演出の表示を抑制する。この場合、第2大入賞口92の開閉のみが実行される。また、通常状態および入球容易状態での第1始動口62への入球を契機とする図柄変動において、第1特別図柄192が小当りを示す図柄で停止した場合は遊技者誘導演出および確変示唆演出とは異なる所定の小当り演出を表示させる。なお、通常状態での第2始動口63への入球を契機とする小当り遊技、および、通常状態および入球容易状態での第1始動口62への入球を契機とする小当り遊技では、開始デモや終了デモは非表示とされてもよい。すなわち、小当り遊技の態様と2R特別遊技の態様とを類似させて外観上判別困難なものとしてもよい。
変形例として、演出決定手段132は、入球容易状態でない通常状態での第2始動口63への入球を契機とする図柄変動において、第2特別図柄193が小当り図柄で停止した場合に、第1特別図柄192が小当り図柄で停止した場合と同じ小当り演出を表示させてもよい。また、入球容易状態での第1始動口62への入球を契機とする図柄変動において、第1特別図柄192が小当り図柄で停止した場合に、第2特別図柄193が小当り図柄で停止した場合と同じく遊技者誘導演出および確変示唆演出を表示させてもよい。
図23は、第3実施例における小当りに関する演出を模式的に示す図である。図23(a)〜(e)は特別遊技終了後の演出表示を示しており、特別遊技終了後の遊技状態は入球容易状態であり、かつ確変状態であることとする。図23(a)は、特別遊技終了後の入球容易状態における装飾図柄190の変動表示を示しており、この時点では遊技状態が確変状態か否かを遊技者から秘匿する内容の潜伏演出を表示させている。図23(b)は、装飾図柄190(および第2特別図柄193)が小当り態様で停止したことを契機とする遊技者誘導演出を示している。
このとき演出表示装置60の表示領域194には、確変インジケータ400も表示される。確変インジケータ400は、レベル3に達した場合に確変状態にあることを遊技者に確約する一方、レベル3に未達(レベル0,1,2)の場合は確変状態であることを確約しない、言い換えれば、非確変状態の可能性もあることを示す演出オブジェクト(絵柄)である。レベル1の場合はレベル1の領域のみがハイライト表示され、レベル3の場合は確変インジケータ400の全領域がハイライト表示され、レベル0の場合は確変インジケータ400のいずれの領域もハイライト表示されないこととする。遊技者は、小当り遊技中に操作ボタン82を押下して、確変インジケータ400をレベル3とすることにより、確変状態にあることを把握できる。
図23(c)は、小当りに伴う小当り遊技期間中に操作ボタン82の押下操作がなされたことにより、確変インジケータ400をレベル1とした確変示唆演出を示している。図23(d)は、小当りに伴う小当り遊技期間中に操作ボタン82の押下操作がなされたことにより、確変インジケータ400をレベル3として、確変状態であることを遊技者に報知した確変示唆演出を示している。図23(e)は、小当り遊技終了後の図柄変動表示を示しており、確変状態であることを報知済みであるため、「確変中」を示す演出が表示されている。なお、確変インジケータ400が図12(c)の状態のまま小当り遊技が終了すると、小当り遊技終了後の図柄変動表示では予告演出として潜伏演出が表示され、例えば図12(a)のように再度表示されることになる。
演出決定手段132は、1回の小当り遊技中に操作ボタン82の押下操作が検出されるたびに、レベル決定基準テーブルを参照して、確変インジケータ400において表示すべきレベルを決定する。図24は、レベル決定基準テーブルの内容を模式的に示す図である。移行元レベルは、レベル更新の契機となる操作ボタン82の押下操作時のレベルを示し、移行先レベルは、操作ボタン82の押下操作により移行先となるレベルを示している。レベル決定基準テーブルでは、移行元レベルと移行先レベルの組み合わせごとに、遊技状態が確変状態である場合の選択確率(確変時選択確率)と、遊技状態が非確変状態である場合の選択確率(非確変時選択確率)を定めている。図24で示すように、非確変時には、移行先レベルとしてレベル3が選択されることはない。また相対的に低確率であるものの、操作ボタン82の1回の押下操作により、レベル0からレベル3へ直接移行することもある。
演出決定手段132は、1回の小当り遊技中に操作ボタン82の押下操作が検出されるたびに、移行元レベルと、確変時選択確率または非確変時選択確率にしたがって、移行先レベルを決定する。そして決定した移行先レベルを確変示唆演出の確変インジケータ400において表示させる。なおレベル決定基準テーブルは、選択確率として図4等のように抽選値範囲を定めるものであってもよく、演出決定手段132は、所定の抽選処理を行なって抽選値を取得し、その抽選値が該当する範囲の移行先レベルへ移行させてもよいことはもちろんである。
第3実施例では、1回の小当り遊技が終了すると確変インジケータ400のレベルは0へ戻されることとする。したがって、先の小当り遊技中に確変インジケータ400がレベル3に未達である場合、演出決定手段132は、後の小当り遊技において確変インジケータ400の初期値としてレベル0を再度表示させる。変形例として、複数回の小当り遊技に亘り、確変インジケータ400のレベルは維持されてもよい。すなわち演出決定手段132は、後の小当り遊技において確変インジケータ400の初期値として、先の小当り遊技終了時点での確変インジケータ400のレベル値を表示させてもよい。この変形例によると、遊技者は小当りの獲得を繰り返すことによって確変状態か否かを把握しやすくなり、小当り遊技の興趣を高めることができる。すなわち、特定遊技状態として比較的小当りを獲得しやすい入球容易状態を設けた遊技機において、小当りを、単に出玉を確保するためのものだけでなく、遊技者に有益な情報を提供するための演出の契機として活用することができる。
また演出決定手段132が保持する予告決定テーブルでは、第2パターン決定手段119が決定した第2特別図柄193の特定の変動パターンが、特定の演出パターンとを対応づけられている。具体的には、図10(b)で示した第2特殊変動パターンは、その変動表示時間と整合する演出表示時間を定めた遊技者誘導演出および確変示唆演出の演出パターンと対応づけられている。その一方で、図10(a)で示した第1特殊変動パターンは、遊技者誘導演出および確変示唆演出以外の演出パターンと対応づけられている。
演出決定手段132は、第2パターン決定手段119が第2特殊変動パターンを決定した場合、予告決定テーブルでの対応関係にしたがって、その変動パターンが示す図柄変動時間に整合する遊技者誘導演出および確変示唆演出の演出パターンを選択する。典型的には、遊技者誘導演出の表示時間と、確変示唆演出の表示時間の合計時間が図柄変動表示時間と同じになるよう、これらの演出パターンを選択する。そして、選択した遊技者誘導演出および確変示唆演出を、図柄変動表示中に表示させる。その一方、演出決定手段132は、第2パターン決定手段119が第1特殊変動パターンを決定した場合、その変動パターンが示す図柄変動時間に整合する演出であり、遊技者誘導演出と確変示唆演出以外の演出パターンを選択する。
第3実施例のぱちんこ遊技機10の動作は、図13〜図22のフローチャートで示した動作と基本的に同じである。ただし、図19のS184の変動演出パターン決定処理では、特別図柄の変動パターンが第1特殊変動パターンの場合、第1特殊変動パターンと予め対応づけられた予告演出(遊技者誘導演出、確変示唆演出以外の演出)を選択する一方、特別図柄の変動パターンが第2特殊変動パターンの場合、第2特殊変動パターンと予め対応づけられた遊技者誘導演出および確変示唆演出を予告演出として選択する。また、図22のS246において操作ボタンが押下されると(S246のY)、S248の処理として、確変インジケータ400のレベル値を決定する。そしてS250の処理として、S248で決定したレベル値を遊技者に提示する確変示唆演出を表示させる。
第3実施例のぱちんこ遊技機10によると、入球容易状態(時短状態)において遊技者は第2始動口63への入球〜小当り〜第2大入賞口92への入球を狙って遊技球の減少抑制を図るところ、小当りの獲得により遊技者は確変状態であるか否かを把握しやすくなるため、遊技者にとって小当りの意義を高めることができる。また、遊技者が小当りに当選させて操作ボタン82を押下することで、確変示唆演出が表示されるため、遊技者に自力で確変を確定させたかのような感覚を抱かせやすくなり、遊技の興趣を高めることができる。また、いわゆる潜伏状態(潜伏確変状態)の小当り演出として確変状態か否かを示唆することにより、現在の遊技状態と関連性、一体感のある内容の小当り演出を遊技者に提供できる。すなわち、特定遊技状態として比較的小当りを獲得しやすい入球容易状態を設けた遊技機において、小当りを、単に出玉を確保するためのものだけでなく、遊技者に有益な情報を提供するための演出の契機として活用することができる。
また、小当り遊技後の複数回の図柄変動の間に確変示唆演出に対応する変動パターンを少なくとも1回選択して、確変状態か否かを改めて示唆する確変示唆演出を図柄変動表示中の演出としても表示させる。これにより、仮に小当りになかなか当選しない場合でも、確変示唆演出の表示機会を提供できるため、遊技者は確変状態か否かを把握しやすくなって、遊技の興趣の低下を抑制しやすくなる。
またぱちんこ遊技機10によると、小当り遊技中にボタン操作を繰り返すことで、確変状態か否かを、確変インジケータ400のレベルアップにより示唆する確変示唆演出が繰り返し表示されるため、遊技者は自身の操作により確変状態の有無を把握しやすくすることができ、小当り遊技の興趣を高めることができる。
上記の第3実施例では、小当り遊技中に操作ボタン82の押下操作が検出されることを条件として、確変示唆演出を表示させることとした。変形例として、第2実施例と同様の条件、すなわち小当り遊技中に第2大入賞口92への入球が検出されることを条件として、確変示唆演出を表示させてもよい。第2実施例で記載したように、小当り遊技において大入賞口への入球は賞球の払い出しの契機となるため、遊技者は積極的に大入賞口への入球を狙うと想定され、本変形例によると、設計者の意図通りに確変示唆演出を表示させることを促進できる。
本変形例における遊技者誘導演出は、小当りの当選を報知するとともに、小当り遊技に伴い開放される大入賞口への入球を促すメッセージを表示する内容である。演出決定手段132は、入球容易状態における小当り発生時にその遊技者誘導演出を表示させる。そして小当りに伴う大入賞口開放期間中に第2大入賞口92への入球が検出されるたびに、演出決定手段132は、確変インジケータ400のレベル値を決定して、決定したレベル値を確変示唆演出で表示させる。
なお本変形例においては、小当りに伴う遊技者誘導演出は第2大入賞口92への入球を促す内容であるのに対し、第2特殊変動パターンに対応づけられた遊技者誘導演出は第3実施例と同様に操作ボタン82の押下操作を促す内容となる。演出決定手段132は、第2特殊変動パターンに対応づけられた遊技者誘導演出の表示から所定期間内において操作ボタン82の押下操作が検出されるたびに、確変インジケータ400のレベル値を決定して、決定したレベル値を確変示唆演出で表示させる。
別の変形例として、確変示唆演出の表示条件として、第3実施例に記載の条件と上記変形例の条件とを組み合わせてもよい。すなわち、小当り遊技中に操作ボタン82の押下操作が検出されることと、小当り遊技中に第2大入賞口92への入球が検出されることのいずれか一方が充足されたことを条件として、確変示唆演出を表示させてもよい。またこのようなOR条件でなくAND条件としてもよく、すなわち、小当り遊技中に操作ボタン82の押下操作が検出されることと、小当り遊技中に第2大入賞口92への入球が検出されることの両方が充足されたことを条件として、確変示唆演出を表示させてもよい。
さらに別の変形例として、特別遊技終了後の入球容易状態において小当りが発生したことだけを条件として、さらに言えば、操作ボタン82の押下操作や第2大入賞口92への入球を条件とすることなく、確変示唆演出を表示させてもよい。また小当りが発生した際に、演出決定手段132は、確変示唆の実行と非実行のいずれかを所定の確率で選択する抽選を実行し、確変示唆の実行を選択した(抽選に当選した)場合に確変示唆演出を表示させてもよい。この変形例においては、1回の小当り遊技中に確変インジケータ400のレベル値を複数回更新することが難しいため、複数回の小当り遊技に亘り(先の小当り遊技から後の小当り遊技に亘り)、確変インジケータ400のレベル値が引き継がれることが望ましい。これにより、遊技者は入球容易状態において小当り遊技を獲得するほど確変状態か否かを判別しやすくなり、比較的小当りを獲得しやすい入球容易状態を設けた遊技機において好適な演出を提供できる。
さらに別の変形例を説明する。この変形例の構成は、第1実施例の変形例の構成に対応するものであるため、以下、主に差分を記載する。
上記第3実施例では特に言及していないが、特別遊技終了後の入球容易状態が確変状態でもある場合と非確変状態である場合とで、確変示唆演出の表示条件とするボタン操作方法が異なってもよい。この変形例の演出決定手段132は、確変状態か否かに関する複数態様(例えば確変状態を示す事実と非確変状態を示す事実)のそれぞれと、操作ボタン82の押下回数および/または押下時間が異なる複数種類の操作入力態様のうち少なくとも1つとを対応づけた操作態様決定テーブルを保持する。操作ボタン82の押下回数または押下時間が異なる複数種類の操作入力態様は、例えば、「連打」、「一発押し」、「長押し」である。
このように演出上の要求として遊技者に促す操作ボタン82の操作入力態様としては、操作の入力所要時間の長い態様から短い態様まで複数通りが考えられる。ここで、遊技状態が確変状態であるときには、「連打」や「長押し」によって入力所要時間が長くなっても、その結果として確変状態であることが明示されるため、操作入力の煩雑さを遊技者に感じさせてしまうおそれは少ない。しかし、「連打」や「長押し」によって入力所要時間が長くなった挙げ句に確変状態が明示されない、言い換えれば、遊技者にとって非確変状態の可能性が高まる場合は、遊技者に促す操作入力態様を煩雑なものとして感じさせかねない。
そこで本変形例の演出決定手段132が保持する操作態様決定テーブルは、遊技状態が確変状態である場合に、操作ボタン82の操作回数または操作時間が相対的に多い操作入力態様を高確率で選択するよう定める。また遊技状態が非確変状態である場合に、操作ボタン82の操作回数または操作時間が相対的に少ない操作入力態様を高確率で選択するよう定める。例えば、遊技状態が確変状態の場合、「一発押し」の選択確率を15%、「長押し」の選択確率を35%、「連打」の選択確率を50%に定めてもよい。また遊技状態が非確変状態の場合、「一発押し」の選択確率を50%、「長押し」の選択確率を35%、「連打」の選択確率を15%に定めてもよい。
演出決定手段132は、入球容易状態において小当りが発生すると、遊技状態が確変状態か非確変状態かに対して、操作態様決定テーブルにおいて定められた選択確率にしたがって、確変示唆演出の表示条件としての操作入力態様を決定する。そして、決定した操作入力態様を遊技者に促す内容の遊技者誘導演出を、小当り開始デモ期間中に表示させる。演出決定手段132は、小当り遊技期間中に、遊技者誘導演出で促した操作入力態様に整合する操作入力が検出されると、現在の遊技状態が確変状態か否かを示唆する確変示唆演出を表示させる。
この変形例によると、確変示唆演出の表示条件とする操作入力態様に複数種類のバリエーションを設けることにより、遊技者には小当り遊技の時々で多彩な操作入力態様が求められるため、遊技の単調化を回避して遊技の興趣を高めることができる。また、遊技状態が確変状態であるかに応じて遊技者が得る利益の大きさと、遊技者が要求される操作入力の煩雑さとの適切なバランスを維持しやすくなる。
別の変形例として、遊技状態が確変状態か否かに関する複数態様と、複数の操作入力態様との対応関係が上記変形例と逆に構成されてもよい。すなわち、演出決定手段132が保持する操作態様決定テーブルは、遊技状態が確変状態である場合に、操作ボタン82の操作回数または操作時間が相対的に少ない操作入力態様を高確率で選択するよう定めてもよい。また遊技状態が非確変状態である場合に、操作ボタン82の操作回数または操作時間が相対的に多い操作入力態様を高確率で選択するよう定めてもよい。
既述したように、操作ボタン82の操作回数または操作時間が相対的に多い操作入力態様(例えば「連打」)は、入力の煩雑さ(難易度)が相対的に高いため、遊技者の操作入力が確変示唆演出の表示条件としての操作に該当しないと判定されやすい。例えば、操作回数または操作時間が不十分な操作入力と判定されやすい。したがって、遊技状態が非確変状態の場合に確変示唆演出が表示されにくくなり、遊技者には確変状態か否かが示唆されにくくなる。言い換えれば、遊技状態が非確変状態の可能性が高いことを遊技者に示唆しにくくなるため、確変状態であることに対する遊技者の期待感を小当り後もそのまま維持させやすくなる。この場合、演出決定手段132は、操作入力が不十分(不適切)である旨、言い換えれば、遊技者示唆演出で促した通りの操作入力がなされなかった旨を報知する演出を表示させることが望ましい。これにより、正しい操作入力を行なえば、確変状態報知がなされる可能性があるとの期待感を遊技者に抱かせやすくなる。
(第4実施例)
第4実施例のぱちんこ遊技機10は、基本的な構成および動作については第1実施例のぱちんこ遊技機10と同じであるが、小当りに伴い入球容易状態の継続期間を示唆することに代えて、保留球の当否結果を、図柄変動の開始前に示唆する当否示唆演出を表示させる点で第1実施例のぱちんこ遊技機10と異なる。この当否示唆演出はいわゆる先読み演出と言える。本実施例では、入球容易状態において小当りが発生した場合に、第2保留手段146の保留球に大当りが存在すれば、当否示唆演出として、当該保留球の演出表示装置60での表示態様を変化させる。これにより、大当りとなる保留の存在を遊技者へ示唆する。以下、第4実施例のぱちんこ遊技機10の構成および動作について、第1実施例のぱちんこ遊技機10と異なる点を主に説明し、重複する構成および動作の説明は適宜省略する。
小当り演出記憶手段135は、第2保留手段146に保留されている当否抽選結果を示唆する内容の当否示唆演出のパターンデータを保持する。本実施例の当否示唆演出は、第2保留手段146に保留されている当否抽選結果が大当りの可能性が高いことを遊技者に示唆する内容の演出である。例えば、当否抽選結果が大当りであると判定された保留球についてその保留球を示す液晶上の絵柄の態様を通常時よりも強調された態様(形状や模様、色彩)へ変更するとともに、「大当りチャンス」等の所定のメッセージを表示する演出であることとする。また小当り演出記憶手段135は、当否示唆演出を表示させるための演出上の要求を示す演出であり、当否示唆演出を表示させる条件を遊技者へ提示して所定の遊技操作を遊技者に促す内容の遊技者誘導演出のパターンデータも保持する。本実施例の遊技者誘導演出は、遊技者による操作ボタン82の操作を促す内容の演出であり、具体的には、操作ボタン82の押下を指示するメッセージを表示する演出である。
既述したように、第1当否判定手段113は、第1保留手段144が保留している遊技球の個数、言い換えれば、第1始動口62に入球したものの第1特別図柄192の変動表示が未開始の遊技球の個数を示す情報をサブ基板104へ送信する。第2当否判定手段117は、第2保留手段146が保留している遊技球の個数、言い換えれば、第2始動口63に入球したものの第2特別図柄193の変動表示が未開始の遊技球の個数を示す情報をサブ基板104へ送信する。なお、これらの情報は、第1保留手段144および第2保留手段146がサブ基板104へ送信してもよい。演出表示制御手段134は、第1保留手段144と第2保留手段146のそれぞれが保留している遊技球の個数を演出表示装置60の表示領域194に表示させる。
演出決定手段132は、第2保留手段146における先頭から4番目の保留、具体的には、第2始動口63への入球を契機とした第2の遊技の抽選結果であり、図柄変動表示が4番目に実行される抽選結果を、当否示唆演出の対象の保留(以下、「示唆対象保留」とも呼ぶ。)として識別する。なお、第2保留手段146のどの位置に保留された抽選結果を示唆対象保留とするかは設計者の知見や実験により適宜決定されてよく、複数の保留位置の複数の抽選結果を示唆対象保留としてもよいことはもちろんである。また、第1保留手段144に保留された抽選結果を示唆対象保留としてもよい。
入球容易状態において第2特別図柄193が小当り図柄で停止した場合、言い換えれば、現在図柄変動表示対象の当否抽選結果が小当りであった場合、演出決定手段132は、その小当り開始デモ期間中に遊技者誘導演出を表示させる。小当りに伴う小当り遊技期間中に、操作ボタン82の押下操作が検出されるたびに、その小当り遊技内で当否示唆演出を未表示であることを条件として、演出決定手段132は、当否示唆演出の実行有無、言い換えれば、先読み演出の実行有無を決定するための抽選(以下、「当否示唆抽選」とも呼ぶ。)を実行する。この当否示唆抽選は予め定められた確率にて、当否示唆演出の実行可能を示す当選となる。
当否示唆抽選に当選した場合、演出決定手段132は、示唆対象保留について第2抽選手段128から送信された事前判定結果を参照して、示唆対象保留が大当りか否かを判定する。例えば、現在の遊技状態が確変状態であれば、事前判定結果としての当否範囲が「1」および「2」の場合に示唆対象保留が大当りであると判定し、非確変状態であれば、事前判定結果としての当否範囲が「1」の場合に示唆対象保留が大当りであると判定してもよい。
示唆対象保留が大当りであると判定した場合、演出決定手段132は、相対的に高確率(例えば100%の確率)で、第2保留手段146に大当りが保留されている旨を示唆する内容の当否示唆演出を演出表示装置60に表示させる。具体的には当否示唆演出として、演出表示装置60に表示された第2保留手段146の保留状況を示す絵柄において、示唆対象保留の表示態様を、通常態様から大当りを示唆するための予め定められた態様(特定の形状や模様、色彩)へ変化させる。また当否示唆演出として、第2保留手段146に保留されている当否抽選結果が大当りの可能性が高いことを遊技者に示唆するためのメッセージを演出表示装置60に表示させる。なお示唆対象保留が大当りであると判定した場合でも、演出決定手段132は、相対的に低確率(例えば10%の確率)で、当否示唆演出の表示を抑制してもよい。
その一方、示唆対象保留が大当りでない(例えば外れや小当り)と判定した場合、演出決定手段132は、相対的に低確率(例えば10%の確率)で、第2保留手段146に大当りが保留されている旨を示唆する内容の当否示唆演出を演出表示装置60に表示させる。また示唆対象保留が大当りでない場合、演出決定手段132は、相対的に高確率(例えば90%の確率)で当否示唆演出の表示を抑制する。例えば、演出表示装置60における示唆対象保留の表示態様を通常態様のまま維持し、また、特別なメッセージの表示を抑制する。なお、大当りが保留されている可能性が低い(もしくは保留されていない)ことを示唆する内容のメッセージを演出表示装置60上に表示させてもよい。
演出決定手段132は、入球容易状態でない通常状態での第2始動口63への入球を契機とする図柄変動において、第2特別図柄193が小当りを示す図柄で停止した場合は演出の表示を抑制する。この場合、第2大入賞口92の開閉のみが実行される。また、通常状態および入球容易状態での第1始動口62への入球を契機とする図柄変動において、第1特別図柄192が小当りを示す図柄で停止した場合は遊技者誘導演出および当否示唆演出とは異なる所定の小当り演出を表示させる。なお、通常状態での第2始動口63への入球を契機とする小当り遊技、および、通常状態および入球容易状態での第1始動口62への入球を契機とする小当り遊技では、開始デモや終了デモは非表示とされてもよい。すなわち、小当り遊技の態様と2R特別遊技の態様とを類似させて外観上判別困難なものとしてもよい。
変形例として、演出決定手段132は、入球容易状態でない通常状態での第2始動口63への入球を契機とする図柄変動において、第2特別図柄193が小当り図柄で停止した場合に、第1特別図柄192が小当り図柄で停止した場合と同じ小当り演出を表示させてもよい。また、入球容易状態での第1始動口62への入球を契機とする図柄変動において、第1特別図柄192が小当り図柄で停止した場合に、第2特別図柄193が小当り図柄で停止した場合と同じく遊技者誘導演出および当否示唆演出を表示させてもよい。
図25は、第4実施例における小当りに関する演出を模式的に示す図である。図25(a)〜(e)は特別遊技終了後の入球容易状態での演出表示を示している。第1保留インジケータ402は、第1保留手段144が保留する当否抽選結果の個数を示すオブジェクトであり、第2保留インジケータ404は、第2保留手段146が保留する当否抽選結果の個数を示すオブジェクトである。第1保留インジケータ402および第2保留インジケータ404では、保留中の個々の当否抽選結果に対応する絵柄(図中では丸形の絵柄)を表示する。
図25(a)は、入球容易状態における装飾図柄190の変動表示を示している。図25(b)は、装飾図柄190(および第2特別図柄193)が小当り態様で停止したことを契機とする遊技者誘導演出を示している。ここで、小当りに伴う小当り遊技期間中に操作ボタン82の押下操作が検出されて、当否示唆抽選に当選したこととする。また演出決定手段132は、第2保留手段146の4番目の保留(すなわち示唆対象保留)の事前判定結果を参照し、事前判定結果としての当否範囲が大当りを示す値であると判定したとする。このとき演出決定手段132は、当否示唆演出の表示を決定し、その旨を演出表示制御手段134へ通知して当否示唆演出を演出表示装置60に表示させる。
図25(c)は当否示唆演出を示している。この当否示唆演出では、示唆対象保留に相当する第2保留インジケータ404の4番目の保留の絵柄を、大当りの可能性が高いことを示す所定の絵柄(同図では星形の絵柄)へ変更し、また将来的な大当りの発生を遊技者に示唆するメッセージを表示させている。図25(d)は、小当り遊技終了後の図柄変動表示を示している。小当り遊技中に当否示唆演出がなされた保留については、大当りの可能性が高いことを示す絵柄による表示が小当り遊技終了後も維持される。
また演出決定手段132が保持する予告決定テーブルでは、第2パターン決定手段119が決定した第2特別図柄193の特定の変動パターンが、特定の演出パターンとを対応づけられている。具体的には、図10(b)で示した第2特殊変動パターンは、その変動表示時間と整合する演出表示時間を定めた遊技者誘導演出および当否示唆演出の演出パターンとを対応づけられている。その一方で、図10(a)で示した第1特殊変動パターンは、遊技者誘導演出および当否示唆演出以外の演出パターンと対応づけられている。
演出決定手段132は、第2パターン決定手段119が第2特殊変動パターンを決定した場合、予告決定テーブルでの対応関係にしたがって、その変動パターンが示す図柄変動時間に整合する遊技者誘導演出および当否示唆演出の演出パターンを選択する。典型的には、遊技者誘導演出の表示時間と、当否示唆演出の表示時間の合計時間が図柄変動表示時間と同じになるよう、これらの演出パターンを選択する。そして、選択した遊技者誘導演出および当否示唆演出を、図柄変動表示中に表示させる。その一方、演出決定手段132は、第2パターン決定手段119が第1特殊変動パターンを決定した場合、その変動パターンが示す図柄変動時間に整合する演出であり、遊技者誘導演出と当否示唆演出以外の演出パターンを選択する。
第4実施例のぱちんこ遊技機10の動作も図13〜図22のフローチャートで示した動作と基本的に同じである。以下、第1実施例のぱちんこ遊技機10と異なる動作について図26を参照して説明する。図26は、図13におけるS212の特殊小当り遊技を詳細に示すフローチャートである。図26は、図22に対応し、図22と同じ処理については同じステップ番号を付している。図26のS240〜S244およびS252〜S264は、第1の実施例において既述した図22のS240〜S244およびS252〜S264と同じであるため、説明を省略する。
小当り遊技期間中に、操作ボタン82の押下操作が検出され(S246のY)、当否示唆演出をそれまで未表示の場合(S270のN)、演出決定手段132は当否示唆抽選を実行する。所定確率にて当否示唆抽選に当選した場合(S272のY)、演出決定手段132は、示唆対象保留が大当りか否かをその保留に関する事前当否結果にもとづいて判定する。示唆対象保留が大当りであると判定した場合(S274のY)、演出決定手段132は、相対的に高確率(例えば100%の確率)で、その保留が大当りであることを示唆する内容の当否示唆演出を表示させる(S276)。示唆対象保留が外れと判定した場合(S274のN)、相対的に低確率(例えば10%の確率)で、その保留が大当りであることを示唆する内容の当否示唆演出を表示させる(S278)。操作ボタン82の押下操作が未検出の場合(S246のN)、または当否示唆演出を表示済みの場合(S270のY)、または当否示唆抽選に外れた場合(S272のN)、S274からS278をスキップする。本実施例では、示唆対象保留が外れ(実際には大当りでない)場合にも、低確率ではあるが当否示唆演出を表示させることとした。変形例として、演出決定手段132は、示唆対象保留が大当りである場合に限り、その大当りを確定的に報知する当否示唆演出(確変報知演出)を表示させてもよい。
第4実施例のぱちんこ遊技機10によると、入球容易状態(時短状態)において遊技者は第2始動口63への入球〜小当り〜第2大入賞口92への入球を狙って遊技球の減少抑制を図るところ、小当りの獲得により遊技者は大当りの保留状況を把握しやすくなる、言い換えれば、保留された当否結果を図柄変動表示前に把握しやすくなるため、遊技者にとって小当りの意義を高めることができる。また、遊技者が小当りに当選させて操作ボタン82を押下することで、当否示唆演出が表示されるため、遊技者に自力で大当りを確定させたかのような感覚を抱かせやすくなり、遊技の興趣を高めることができる。すなわち、特定遊技状態として比較的小当りを獲得しやすい入球容易状態を設けた遊技機において、小当りを、単に出玉を確保するためのものだけでなく、遊技者に有益な情報を提供するための演出の契機として活用することができる。
また、小当り遊技後の複数回の図柄変動の間に当否示唆演出に対応する変動パターンを少なくとも1回選択して、大当りが保留されているか否かを改めて示唆する当否示唆演出を図柄変動表示中の演出としても表示させる。これにより、仮に小当りになかなか当選しない場合でも、当否示唆演出の表示機会を提供できるため、遊技者は大当りの保留状況を把握しやすくなって、遊技の興趣の低下を抑制しやすくなる。
またぱちんこ遊技機10によると、仮に当否示唆抽選に外れた場合でも、遊技者は小当り遊技中にボタン操作を繰り返すことで、当否示唆抽選に当選する可能性が高まり、当否示唆演出を表示させやすくなる。このように、遊技者は自身の操作により大当りの保留状況を把握しやすくすることができ、小当り遊技の興趣を高めることができる。
上記の第4実施例では、小当り遊技中に操作ボタン82の押下操作が検出されることを条件として、当否示唆演出を表示させることとした。変形例として、第2実施例と同様の条件、すなわち小当り遊技中に第2大入賞口92への入球が検出されることを条件として、当否示唆演出を表示させてもよい。第2実施例で記載したように、小当り遊技において大入賞口への入球は賞球の払い出しの契機となるため、遊技者は積極的に大入賞口への入球を狙うと想定され、本変形例によると、設計者の意図通りに当否示唆演出を表示させることを促進できる。
本変形例における遊技者誘導演出は、小当りの当選を報知するとともに、小当り遊技に伴い開放される大入賞口への入球を促すメッセージを表示する内容である。演出決定手段132は、入球容易状態における小当り発生時にその遊技者誘導演出を表示させる。そして小当りに伴う大入賞口開放期間中に第2大入賞口92への入球が検出されるたびに、演出決定手段132は、当否示唆抽選の結果と、示唆対象保留に対する事前当否判定結果とに応じて、当否示唆演出を表示させる。
なお本変形例においては、小当りに伴う遊技者誘導演出は第2大入賞口92への入球を促す内容であるのに対し、第2特殊変動パターンに対応づけられた遊技者誘導演出は第4実施例と同様に操作ボタン82の押下操作を促す内容となる。演出決定手段132は、第2特殊変動パターンに対応づけられた遊技者誘導演出の表示から所定期間内において操作ボタン82の押下操作が検出されるたびに、当否示唆抽選の結果と、示唆対象保留に対する事前当否判定結果とに応じて、当否示唆演出を表示させる。
別の変形例として、当否示唆演出の表示条件として、第4実施例に記載の条件と上記変形例の条件とを組み合わせてもよい。すなわち、小当り遊技中に操作ボタン82の押下操作が検出されることと、小当り遊技中に第2大入賞口92への入球が検出されることのいずれか一方が充足されたことを条件として、当否示唆演出を表示させてもよい。またこのようなOR条件でなくAND条件としてもよく、すなわち、小当り遊技中に操作ボタン82の押下操作が検出されることと、小当り遊技中に第2大入賞口92への入球が検出されることの両方が充足されたことを条件として、当否示唆演出を表示させてもよい。
さらに別の変形例として、特別遊技終了後の入球容易状態において小当りが発生したことだけを条件として、さらに言えば、操作ボタン82の押下操作や第2大入賞口92への入球を条件とすることなく、当否示唆演出を表示させてもよい。また小当りが発生したことだけを条件として、演出決定手段132は、当否示唆抽選を実行し、当否示唆抽選に当選した場合に当否示唆演出を表示させてもよい。これにより、遊技者は入球容易状態において小当り遊技を獲得するほど大当りの保留状況を判別しやすくなり、比較的小当りを獲得しやすい入球容易状態を設けた遊技機において好適な演出を提供できる。
さらに別の変形例を説明する。この変形例の構成は、第1実施例の変形例の構成に対応するものであるため、以下、主に差分を記載する。
上記第4実施例では特に言及していないが、示唆対象保留の事前当否判定結果が大当りである場合と外れである場合とで、当否示唆演出の表示条件とするボタン操作方法が異なってもよい。この変形例の演出決定手段132は、示唆対象保留の当否結果に関する複数態様(例えば大当りを示す結果と外れを示す結果)のそれぞれと、操作ボタン82の押下回数および/または押下時間が異なる複数種類の操作入力態様のうち少なくとも1つとを対応づけた操作態様決定テーブルを保持する。操作ボタン82の押下回数または押下時間が異なる複数種類の操作入力態様は、例えば、「連打」、「一発押し」、「長押し」である。
このように演出上の要求として遊技者に促す操作ボタン82の操作入力態様としては、操作の入力所要時間の長い態様から短い態様まで複数通りが考えられる。ここで、示唆対象保留が大当りであるときには、「連打」や「長押し」によって入力所要時間が長くなっても、その結果として大当りが保留されていることが示唆されるため、操作入力の煩雑さを遊技者に感じさせてしまうおそれは少ない。しかし、「連打」や「長押し」によって入力所要時間が長くなった挙げ句に大当りの発生が示唆されない、言い換えれば、遊技者にとって大当りが保留されていない可能性が高まる場合は、遊技者に促す操作入力態様を煩雑なものとして感じさせかねない。
そこで本変形例の演出決定手段132が保持する操作態様決定テーブルは、示唆対象保留の事前当否判定結果が大当りを示す場合に、操作ボタン82の操作回数または操作時間が相対的に多い操作入力態様を高確率で選択するよう定める。また示唆対象保留の事前当否判定結果が大当りでないことを示す(外れや小当り等を示す)場合に、操作ボタン82の操作回数または操作時間が相対的に少ない操作入力態様を高確率で選択するよう定める。例えば、示唆対象保留が大当りである場合、「一発押し」の選択確率を15%、「長押し」の選択確率を35%、「連打」の選択確率を50%に定めてもよい。また示唆対象保留が大当りでない場合、「一発押し」の選択確率を50%、「長押し」の選択確率を35%、「連打」の選択確率を15%に定めてもよい。
演出決定手段132は、入球容易状態において小当りが発生すると、示唆対象保留が大当りか否かに対して、操作態様決定テーブルにおいて定められた選択確率にしたがって、当否示唆演出の表示条件としての操作入力態様を決定する。そして、決定した操作入力態様を遊技者に促す内容の遊技者誘導演出を、小当り開始デモ期間中に表示させる。演出決定手段132は、小当り遊技期間中に、遊技者誘導演出で促した操作入力態様に整合する操作入力が検出されると、示唆対象保留の当否結果(例えば大当りか否か)を示唆する当否示唆演出を表示させる。
この変形例によると、当否示唆演出の表示条件とする操作入力態様に複数種類のバリエーションを設けることにより、遊技者には小当り遊技の時々で多彩な操作入力態様が求められるため、遊技の単調化を回避して遊技の興趣を高めることができる。また、示唆対象保留の当否結果に応じて遊技者が得る利益の大きさと、遊技者が要求される操作入力の煩雑さとの適切なバランスを維持しやすくなる。
別の変形例として、示唆対象保留の当否結果に関する複数態様と、複数の操作入力態様との対応関係が上記変形例と逆に構成されてもよい。すなわち、演出決定手段132が保持する操作態様決定テーブルは、示唆対象保留の事前当否判定結果が大当りを示す場合に、操作ボタン82の操作回数または操作時間が相対的に少ない操作入力態様を高確率で選択するよう定めてもよい。また示唆対象保留の事前当否判定結果が大当りでないことを示す場合に、操作ボタン82の操作回数または操作時間が相対的に多い操作入力態様を高確率で選択するよう定めてもよい。
既述したように、操作ボタン82の操作回数または操作時間が相対的に多い操作入力態様(例えば「連打」)は、入力の煩雑さ(難易度)が相対的に高いため、遊技者の操作入力が当否示唆演出の表示条件としての操作に該当しないと判定されやすい。例えば、操作回数または操作時間が不十分な操作入力と判定されやすい。したがって、示唆対象保留が外れの場合に当否示唆演出が表示されにくくなり、遊技者には大当りの保留状況が示唆されにくくなる。言い換えれば、大当りが保留されていない可能性が高い旨を遊技者に示唆しにくくなるため、大当り発生に対する遊技者の期待感を小当り後もそのまま維持させやすくなる。この場合、演出決定手段132は、操作入力が不十分(不適切)である旨、言い換えれば、遊技者示唆演出で促した通りの操作入力がなされなかった旨を報知する演出を表示させることが望ましい。これにより、正しい操作入力を行なえば、大当りを示す先読み演出がなされる可能性があるとの期待感を遊技者に抱かせやすくなる。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例はあくまで例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
上記の実施例においては、第1の抽選および第2の抽選の双方の当否判定結果を事前判定結果としてメイン基板102からサブ基板104へ送信する例を説明した。変形例としては、第1の抽選または第2の抽選のいずれかの当否判定結果のみを事前判定結果としてメイン基板102からサブ基板104へ送信する構成としてもよい。
上記の実施例においては、第1の抽選および第2の抽選において当否判定、図柄決定、および変動パターン決定をそれぞれ別個の抽選値を取得することで処理する例を説明した。変形例としては、第1の抽選および第2の抽選において当否判定、図柄決定、および変動パターン決定のすべてを単一の抽選値を用いて処理する構成としてもよい。また、確変や時短を伴う大当りか否かを決定するためにそれぞれ別個の抽選値を用いてもよい。
上記の実施例においては、事前判定結果としての当否範囲、図柄範囲、パターン範囲を示す値とともに、第1の抽選と第2の抽選のいずれの結果であったかを示す値や保留数の情報をメイン基板102からサブ基板104へ送信する例を説明した。変形例においては、これらの情報を一度に送信せずに別々に送信する構成としてもよい。
上記の実施例においては、当否判定テーブルと事前当否判定テーブル、変動パターンテーブルと事前パターン判定テーブル、これらのテーブル間でそれぞれ抽選値の範囲が一致するよう各テーブルが規定された例を説明した。変形例においては、抽選値の範囲に少しずつズレを設けるなど、事前判定の結果が本判定の結果と必ず一致するわけではないが高い確率で一致するといった程度に留める形で各テーブルを設定してもよい。これにより、例えば当否判定結果が当りの場合と外れの場合とで前兆設定の判定を分けることなく、高い確率で当りとなる判定結果が送信されたときに前兆設定をするようにすることもできる。このようにして事前判定結果についてある程度不確実性を持たせることで、その情報を受けたサブ基板104側でその当否に基づく処理の調整を減らすこともでき、処理負荷が低減されうる。
請求項に記載の各構成要件が果たすべき機能は、実施の形態および変形例において示された各構成要素の単体もしくはそれらの連係によって実現されることも当業者には理解されるところである。例えば、請求項に記載の演出制御手段は、各実施例に記載の演出決定手段132と演出表示制御手段134の連携により実現されてよい。