以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態としての通信システム1の構成を図1に示す。図1において、通信システム1は、通信装置10と、ネットワーク管理装置20とを含む。以下では、通信装置10を、ノード10とも記載する。ネットワーク管理装置20は、複数のノード10からなるネットワーク100と通信可能に接続される。各ノード10は、ネットワーク100において、1つ以上の他のノード10と通信可能に接続される。なお、図1には、4つの通信装置10および1つのネットワーク管理装置20を示したが、本発明の通信システムにおける各装置の数を限定するものではない。
ノード10は、多重通信を行う通信装置であり、クロスコネクト機能を有する。クロスコネクト機能とは、多重化された複数の入出力信号間で任意に方路設定を行う機能である。すなわち、ノード10は、多重化されて入力された各信号が他のいずれのノード10からいずれの通信リソースを用いて入力されたかに基づいて、その信号をいずれの通信リソースを用いて他のいずれのノード10に対して出力するかを設定し、設定にしたがって方路毎に信号を多重化して出力する。ここで、通信リソースとは、多重通信において物理的な伝送路を論理的に分割するために用いられるリソースをいう。例えば、通信リソースとしては、TDM(Time Division Multiplex)におけるタイムスロットや、WDM(Wavelength Division Multiplex)ネットワークにおける波長等が挙げられる。また、各ノード10には、他のノードとの通信に用いることができる1つ以上の通信リソースがあらかじめ実装されている。
次に、通信システム1を構成する各装置の機能ブロックを図2に示す。図2において、ノード10は、パス設定部11と、多重通信部12とを含む。また、ネットワーク管理装置20は、パス情報記憶部21と、通信リソース管理情報記憶部22と、割当状況判断部23と、通常パス登録部24と、予備パス登録部25とを含む。
ここで、通信システム1を構成する各装置のハードウェア構成の一例を図3〜図4に示す。
図3において、ノード10は、1つ以上のインタフェース1001と、スイッチ1002と、プロセッサおよびメモリを含む制御部1003とを備える。
インタフェース1001は、他のノード10、ネットワーク管理装置20またはその他の外部装置とリンクを介して接続される。また、インタフェース1001は、リンクを介して入力される多重化された信号を分離してスイッチ1002に出力する。また、インタフェース1001は、スイッチ1002から入力される信号を多重化してリンクを介して出力する。
スイッチ1002は、各インタフェース1001から入力される信号の経路設定を行って適切なインタフェース1001に出力する。
制御部1003のメモリには、装置を本実施の形態のノード10として機能させるためのコンピュータ・プログラムおよび各種データが記憶されている。制御部1003は、メモリに記憶されたコンピュータ・プログラムおよび各種データを読み込んで実行することにより、スイッチ1002の経路設定を制御する。上述のパス設定部11は、制御部1003によって構成される。また、多重通信部12は、インタフェース1001およびスイッチ1002によって構成される。なお、ノード10およびその各機能ブロックを構成するハードウェア構成は、上述の構成に限定されない。
また、図4において、ネットワーク管理装置20は、プロセッサ2001と、メモリ2002と、ハードディスク等の記憶装置2003と、ネットワークインタフェース2004と、入力装置2005と、出力装置2006とを備える。
記憶装置2003には、装置を本実施の形態のネットワーク管理装置20として機能させるためのコンピュータ・プログラムおよび各種データが記憶されている。
プロセッサ2001は、記憶装置2003に記憶されたコンピュータ・プログラムおよび各種データをメモリ2002に読み込んで実行することにより、通信システム1における通信を管理する。
ネットワークインタフェース2004は、ネットワーク100を介してノード10との通信を行う。
上述のパス情報記憶部21および通信リソース管理情報記憶部22は、記憶装置2003によって構成される。また、割当状況判断部23は、入力装置2005と、記憶装置2003に記憶されたコンピュータ・プログラムおよび各種データをメモリ2002に読み込んで実行するプロセッサ2001によって構成される。また、通常パス登録部24は、ネットワークインタフェース2004と、記憶装置2003に記憶されたコンピュータ・プログラムおよび各種データをメモリ2002に読み込んで実行するプロセッサ2001とによって構成される。また、予備パス登録部25は、記憶装置2003に記憶されたコンピュータ・プログラムおよび各種データをメモリ2002に読み込んで実行するプロセッサ2001によって構成される。なお、ネットワーク管理装置20およびその各機能ブロックを構成するハードウェア構成は、上述の構成に限定されない。
なお、ネットワーク管理装置20は、各ノード10と直接通信可能に接続されていなくてもよい。ネットワーク管理装置20は、いずれかのノード10に接続されることにより各ノード10との通信を行ってもよい。あるいは、ネットワーク管理装置20は、ノード10によって構成されるネットワーク100に対して、さらに他のネットワークを介して接続されていてもよい。
次に、ノード10の機能ブロックの詳細について説明する。
パス設定部11は、ネットワーク管理装置20から通知される情報に基づいて、自装置に現用パスを設定する。具体的には、パス設定部11は、ネットワーク管理装置20から、現用パスの経路および使用する通信リソースをそれぞれ表す情報を受信する。そして、パス設定部11は、通知された経路上で自装置と隣接する一方のノード10から、通知された通信リソースを用いて入力される信号を、隣接する他方のノード10に対して、通知された通信リソースを用いて出力するようパスの設定を行う。
多重通信部12は、パス設定部11による設定に基づいて、他のノード10との間で多重通信を行う。
次に、ネットワーク管理装置20の各機能ブロックの詳細について説明する。
パス情報記憶部21は、任意の2つのノード10(端点ノード)間の通信経路(パス)に関するパス情報を記憶している。詳細には、パス情報記憶部21は、2つのノード間の通常または予備の通信経路(パス)、および、そのパスに割り当てられた1つ以上の通信リソースをそれぞれ表す情報を含むパス情報を記憶している。ここで、予備のパス(予備パス)とは、端点ノード間の通常のパス(通常パス)とは異なる通信経路である。
例えば、パス情報記憶部21に記憶されるパス情報の一例を図5に示す。図5において、各行は、パス情報を表している。この例では、パス情報は、パスIDと、端点情報と、通常パス経路情報と、通常パスリソース情報と、予備パス経路情報と、予備パスリソース情報とからなる。
パスIDは、パスを識別する情報である。図5の例では、パスIDは、#Nで表される。以降、パスIDが#Nのパスを、パス#Nとも記載する。
また、端点情報は、2つの端点ノードを表す。図5の例では、パス#2の端点情報「A,C」は、端点のノード10の識別子がそれぞれ「A」および「C」であることを表している。以下では、識別子が「X」のノード10を、ノード10Xとも記載する。
また、図5の例では、パス#2の通常パス経路情報「A−E−F−C」は、端点ノードであるノード10Aおよびノード10C間の通常の通信経路を表している。この例では、通常パス経路情報は、通常パス上のノード10の識別情報を順に並べたリストとして表されている。
また、図5の例では、パス#2の通常パスリソース情報「ch7」は、通常パスに対して、チャネル7(ch7)の通信リソースが割り当てられていることを表している。詳細には、この通常パスリソース情報は、通常パス「A−E−F−C」に対して、リンク「A−E」におけるch7、「E−F」におけるch7、および「F−C」におけるch7の3つの通信リソースが割り当てられていることを表している。なお、リンク「X−Y」とは、ノード10Xおよびノード10Y間を接続するリンクをさす。
また、図5の例では、パス#2の予備パス経路情報「A−B−C」は、端点ノードであるノード10Aおよびノード10C間の通常パスとは異なる通信経路を表している。この例では、予備パス経路情報も、通常パス経路情報と同様に、経路上のノード10の識別情報を順に並べたリストとして表されている。
また、図5の例では、パス#2の予備パスリソース情報「ch2」は、予備パスに対して、チャネル2(ch2)の通信リソースが割り当てられていることを表している。詳細には、この予備パスリソース情報は、予備パス「A−B−C」に対して、リンク「A−B」におけるch2、および、「B−C」におけるch2の2つの通信リソースが割り当てられていることを表している。
通信リソース管理情報記憶部22は、各通信リソースに関する割当状況情報を記憶している。例えば、ネットワーク100において各ノード10間を接続するリンクがN本あるとする。また、各ノード10には、n個の通信リソースが実装されているとする。この場合、通信リソース管理情報記憶部22は、N本の各リンクにおけるn個ずつの各通信リソースについて、割当状況情報を記憶する。割当状況情報とは、各通信リソースのパスに対する割当状況を表す情報である。例えば、割当状況情報は、共有リソース、専有リソース、未割当リソースのいずれかを表す情報であってもよい。ここで、共有リソースとは、複数の予備パスに対して共有して割当可能な通信リソースである。また、専有リソースとは、1つの通常パスに対して専有して割り当てられた通信リソースである。また、未割当リソースとは、いずれのパスに対しても未だ割り当てられていない通信リソースである。
例えば、通信リソース管理情報記憶部22に記憶される割当状況情報の一例を図6に示す。図6では、例えば、1〜n行目までの各行は、ノード10Aおよびノード10B間のリンク「A−B」において使用可能なn個の各通信リソース(ch1〜ch n)に関する割当状況情報を表している。図6の例では、リンク「A−B」におけるch1およびch2の通信リソースは、共有リソースである。また、リンク「A−B」のch3およびch4の通信リソースは、専有リソースである。また、リンク「A−B」のch5の通信リソースは、未割当リソースである。なお、通信リソース管理情報記憶部22は、各リンクの各通信リソースについて、2ビットで表された割当状況情報を記憶してもよい。例えば、図6に示すように、共有リソースは「01」で表され、専有リソースは「11」で表され、未割当リソースは「00」で表されていてもよい。その他、割当状況情報は、各通信リソースのパスに対する割当状況を表す情報であれば、どのような形式であってもよい。
割当状況判断部23は、登録前のパス情報が入力されると、該パス情報の示すパスに割り当てられる1つ以上の通信リソースについての割当状況を、通信リソース管理情報記憶部22を参照して判断する。
なお、割当状況判断部23は、入力装置2005を介してパス情報を取得してもよい。あるいは、割当状況判断部23は、通信可能に接続されたオペレータ端末(図示せず)からパス情報を取得してもよい。
通常パス登録部24は、入力されたパス情報が登録前の通常パスを示す場合に機能するよう構成される。登録前の通常パスを表すパス情報には、通常パスとしての経路情報と、その通常パスに割り当てられる予定の通信リソースを表す情報とが含まれる。
また、通常パス登録部24は、登録前の通常パスに割り当てられる予定の1つ以上の通信リソースについての割当状況が、いずれも他のパスに割り当てられていないと割当状況判断部23によって判断された場合に、以下の処理を行う。例えば、通常パス登録部24は、登録前の通常パスに割り当てられる予定の1つ以上の通信リソースが、いずれも未割当リソースである場合に、以下の処理を行えばよい。
具体的には、通常パス登録部24は、入力された通常パス上の各ノード10に対して、パス情報に基づく経路設定を行うよう通知する。例えば、通常パス登録部24は、該当する各ノード10に対して、その通常パス上で隣接する一方のノード10からその通信リソースを用いて入力される情報を、他方のノード10に対してその通信リソースを用いて出力するようクロスコネクトの設定を要求するメッセージを送信すればよい。
また、通常パス登録部24は、通常パスの経路設定に成功すると、パス情報記憶部21に対して、入力された通常パスを表すパス情報を登録する。例えば、通常パス登録部24は、新たなパスIDを付与したパス情報を登録し、そのパス情報の通常パス経路情報および通常パスリソース情報に、入力された通常のパスの経路を表す情報および通信リソースを表す情報を設定すればよい。
また、通常パス登録部24は、通常パスの経路設定に成功すると、通信リソース管理情報記憶部22を更新する。例えば、通常パス登録部24は、通常パスに割り当てられた各通信リソースについての割当状況情報を「専有リソース」に更新してもよい。
なお、通常パス登録部24は、入力された通常パスに割り当てられる予定の1つ以上の通信リソースの少なくともいずれかが他のパスに割り当てられている(例えば、専有リソースまたは共有リソースである)場合には、通常パスの経路設定およびその登録を行わない。この場合、例えば、通常パス登録部24は、その通信リソースは既に他のパスに対して割り当てられているため専有リソースとして割り当てられないことを表すメッセージを、出力装置2006に出力してもよい。
予備パス登録部25は、入力されたパス情報が登録前の予備パスを示す場合に機能するよう構成される。登録前の予備パスを表すパス情報には、予備パスとしての経路情報と、その予備パスに割り当てられる予定の通信リソースを表す情報とが含まれる。また、登録前の予備パスを表すパス情報には、どの通常パスに対する予備パスであるかを特定可能な情報として、パスIDや端点ノードに関する情報が含まれていてもよい。
また、予備パス登録部25は、登録前の予備パスに割り当てられる予定の1つ以上の通信リソースについての割当状況が、いずれも他の通常パスに割り当てられていないことを表すと割当状況判断部23によって判断された場合に、以下の処理を行う。例えば、予備パス登録部25は、登録前の予備パスに割り当てられる予定の1つ以上の通信リソースのいずれもが共有リソースまたは未割当リソースである場合、以下の処理を行えばよい。
具体的には、予備パス登録部25は、パス情報記憶部21に対して、予備パスを表すパス情報を登録する。詳細には、予備パス登録部25は、入力された予備パスに対応する通常パスを含むパス情報をパス情報記憶部21から検索する。そして、予備パス登録部25は、検索したパス情報の予備パス経路情報および予備パスリソース情報に、入力された予備パスの経路を表す情報および通信リソースを表す情報を設定すればよい。
また、予備パス登録部25は、通信リソース管理情報記憶部22を更新する。例えば、予備パス登録部25は、予備パスに割り当てられた各通信リソースについて、割当状況情報を「共有リソース」に更新してもよい。
なお、予備パス登録部25は、予備パスの登録時に、その経路上の各ノード10に対して経路設定を通知することはしない。
また、予備パス登録部25は、入力された予備パスに対して割り当てられる予定の1つ以上の通信リソースの少なくともいずれかが他の通常パスに割り当てられている(例えば、専有リソースである)場合には、予備パスの登録を行わない。この場合、例えば、予備パス登録部25は、その通信リソースは既に他の通常パスによって専有されているため共有リソースとして割り当てられないことを表すメッセージを、出力装置2006に出力してもよい。
以上のように構成された通信システム1の動作について、図7を参照して説明する。
まず、割当状況判断部23は、外部から入力される登録前のパス情報を取得する(ステップS1)。ここで入力される登録前のパス情報には、通常パスまたは予備パスの経路を表す情報と、該パスに割り当てられる予定の1つ以上の通信リソースを表す情報とが少なくとも含まれる。また、前述のように、入力されるパス情報が登録前の予備パスを表す場合、入力されるパス情報には、対応する通常パスを特定可能なパスIDや端点ノード等の情報が含まれていてもよい。
次に、割当状況判断部23は、ステップS1で取得された1つ以上の通信リソースに関する割当状況情報を、通信リソース管理情報記憶部22から取得する(ステップS2)。
次に、割当状況判断部23は、ステップS1で取得されたパス情報が、登録前の通常パスを表すか登録前の予備パスを表すかを判断する(ステップS3)。
ここで、登録前の通常パスを表す場合、割当状況判断部23は、ステップS2で取得された各通信リソースの割当状況が、いずれも他のパスに割り当てられていないかを判断する(ステップS4)。
例えば、割当状況情報が2ビットの情報で表され、未割当リソースが「00」、共有リソースが「01」、専有リソースが「11」で表されている場合、割当状況判断部23は、上位1ビット目が0であるか否かによって、各通信リソースが他のパスに割り当てられていない未割当リソースであるか否かを判断すればよい。
ここで、各通信リソースのうち少なくともいずれかが他のパスに割り当てられていると判断された場合、通常パス登録部24は、入力された通常パスを登録できないと判断し、動作を終了する。この場合、通常パス登録部24は、この通信リソースを通常パスに割り当てられないことを表すメッセージを出力してもよい。
一方、ステップS4で、各通信リソースがいずれも他のパスに割り当てられていないと判断された場合、通常パス登録部24は、入力された通常パス上の各ノード10に対して、このパス情報に基づく経路設定を通知する(ステップS5)。
次に、通常パス登録部24は、パス情報記憶部21に、この通常パスを表すパス情報を登録する(ステップS6)。例えば、通常パス登録部24は、新たなパスIDを付与したパス情報を登録し、その通常パス経路情報に、入力された通常パスの経路を表す情報を設定し、その通常パスリソース情報に、入力された1つ以上の通信リソースを表す情報を設定する。
次に、通常パス登録部24は、ステップS6で登録した通常パスに割り当てた1つ以上の通信リソースについて、通信リソース管理情報記憶部22に記憶された割当状況情報を更新する(ステップS7)。例えば、通常パス登録部24は、該当する各通信リソースの割当状況情報を「専有リソース」に更新してもよい。
なお、通常パス登録部24は、ステップS5で通常パスの経路設定に成功しなかった場合、ステップS6〜S7を実行しないで、動作を終了する。この場合、通常パス登録部24は、通常パスの経路設定に失敗したことを表すメッセージを出力してもよい。
一方、ステップS3において、ステップS1で取得されたパス情報が登録前の予備パスを示すと判断された場合、割当状況判断部23は、ステップS2で取得された各通信リソースの割当状況が、いずれも他の通常パスに割り当てられていないかを判断する(ステップS8)。
例えば、割当状況情報が上述のような2ビットの情報で表されている場合、割当状況判断部23は、上位から2ビット目が0であるか否かによって、他の通常パスに割り当てられていない共有リソースまたは未割当リソースであるか否かを判断すればよい。
ここで、各通信リソースのうち少なくともいずれかが他の通常パスに割り当てられている(例えば、専有リソースである)と判断された場合、予備パス登録部25は、入力された予備パスを登録できないと判断し、動作を終了する。このとき、予備パス登録部25は、この通信リソースを予備パスに割り当てられないことを表すメッセージを出力してもよい。
一方、ステップS8で、各通信リソースのいずれもが他の通常パスに割り当てられていないと判断された場合、予備パス登録部25は、パス情報記憶部21に、この予備パスを表すパス情報を登録する(ステップS9)。例えば、予備パス登録部25は、パス情報記憶部21において、ステップS1で入力されたパス情報に含まれるパスIDを付与したパス情報を検索する。そして、予備パス登録部25は、検索したパス情報の予備パス経路情報に、入力された予備パスの経路を表す情報を設定し、その予備パスリソース情報に、入力された1つ以上の通信リソースを表す情報を設定する。
次に予備パス登録部25は、ステップS9で登録した予備パスに割り当てられた各通信リソースについて、通信リソース管理情報記憶部22に記憶された割当状況情報を更新する(ステップS10)。例えば、予備パス登録部25は、該当する各通信リソースについての割当状況情報を、「共有リソース」に更新してもよい。
以上で、通信システム1は、パス登録動作を終了する。
次に、通信システム1の動作を具体例で示す。
まず、この具体例で説明する通信システム1の構成を、図8に示す。図8では、通信システム1は、識別子が「A」〜「F」までの6つのノード10と、ネットワーク管理装置20とを含んでいる。また、ノード10A〜10F間を結ぶ実線は、各ノード10間を接続するリンクを表している。すなわち、この例では、各ノード10間に、7本のリンクがある。また、この例では、各ノード10は、それぞれch1〜ch88までの88チャネルの通信リソースを有し、88本のパスを登録可能となっている。
この場合、通信リソース管理情報記憶部22は、7本の各リンクを介して行われる通信において使用可能な88ずつの通信リソースについて、その割当状況情報を記憶する。この具体例において、通信リソース管理情報記憶部22に記憶される情報の一例を図9に示す。図9では、まだ1本のパスも登録されていないため、全ての通信リソースが未割当リソースとなっている。
このような具体例において、ネットワーク管理装置20が、ノード10Eおよび10F間の通常パスおよび予備パスと、ノード10Aおよび10C間の通常パスおよび予備パスを登録する動作について説明する。
<ノード10Eおよびノード10F間の通常パスの登録動作>
まず、ネットワーク管理装置20が、ノード10Eおよびノード10F間の通常パスを登録する動作について説明する。
ここでは、まず、割当状況判断部23は、登録前の通常パスとしての経路「E−F」を表す情報と、この通常パスに割り当てられる予定の通信リソース「ch2」を表す情報とを取得する(ステップS1)。
次に、割当状況判断部23は、パス「E−F」上のリンク「E−F」における通信リソース「ch2」の割当状況情報を、通信リソース管理情報記憶部22から取得する(ステップS2)。ここでは、割当状況判断部23は、図9に示した通信リソース管理情報記憶部22から、「未割当リソース」を表す情報を取得したものとする。
入力されたパス情報が登録前の通常パスを表し(ステップS3で「通常パス」)、その通常パスに割り当てられる予定の通信リソースが「未割当リソース」であるため(ステップS4でYes)、ネットワーク管理装置20の動作は、ステップS5に進む。
すなわち、通常パス登録部24は、入力された通常パス上のノード10Eおよびノード10Fに対して、ch2を用いた通常パス「E−F」の経路設定を通知する(ステップS5)。これにより、ノード10Eおよびノード10Fは、ch2を用いた通常パス「E−F」の経路設定を実行する。
そして、通常パス登録部24は、パス情報記憶部21に、新たなパスIDである「#1」を付与したパス情報を登録し、その通常パス経路情報に「E−F」を設定し、その通常パスリソース情報に「ch2」を設定する(ステップS6)。
これにより、パス情報記憶部21には、図10に示すような情報が記憶される。
次に通常パス登録部24は、通常パス「E−F」上のリンク「E−F」に割り当てた通信リソース「ch2」について、通信リソース管理情報記憶部22に記憶された割当状況情報を、「専有リソース」に更新する(ステップS7)。
これにより、通信リソース管理情報記憶部22には、図11に示すような情報が記憶される。図11において、太字で示した情報は、通信リソース管理情報記憶部22において更新された情報を表している。
このようにして、パス#1の通常パス「E−F」が現用パスとして設定された状態を、模式的に図12に示す。図12では、ch1〜ch88の参照符号がそれぞれ付された矩形は、各リンクにおいて使用可能な88チャネルの通信リソースを表している。また、斜線パターンで塗りつぶされた矩形は、「専有リソース」を表している。また、二重線で囲まれた矩形は、該当するリンクにおいて該当するノード10により使用されている通信リソースを表している。つまり、図12では、リンク「E−F」における「ch2」の通信リソースは、専有リソースであり、ノード10Eおよびノード10Fによって使用されている状態である。
<ノード10Eおよびノード10F間の予備パスの登録動作>
次に、ネットワーク管理装置20が、ノード10Eおよびノード10F間の通常パスに対する予備パスを登録する動作について説明する。
ここでは、まず、割当状況判断部23は、パス#1の登録前の予備パスとしての経路「E−A−B−C−F」を表す情報と、この予備パスに割り当てられる予定の通信リソース「ch2」を表す情報とを取得する(ステップS1)。
次に、割当状況判断部23は、パス「E−A−B−C−F」上の各リンクにおける通信リソース「ch2」の割当状況情報を、通信リソース管理情報記憶部22からそれぞれ取得する(ステップS2)。ここでは、割当状況判断部23は、図11に示した通信リソース管理情報記憶部22から、リンク「E−A」、「A−B」、「B−C」、「C−F」における各通信リソース「ch2」について、「未割当リソース」を表す情報を取得したものとする。
入力されたパス情報が登録前の予備パスを表し(ステップS3で「予備パス」)、その予備パスに割り当てられる予定の各通信リソースのいずれもが「未割当リソース」であるため(ステップS8でYes)、ネットワーク管理装置20の動作は、ステップS9に進む。
すなわち、予備パス登録部25は、パス情報記憶部21において、パス#1のパス情報の予備パス経路情報に「E−A−B−C−F」を設定し、その予備パスリソース情報に「ch2」を設定する(ステップS9)。
これにより、パス情報記憶部21には、図13に示すような情報が記憶される。
次に予備パス登録部25は、予備パス「E−A−B−C−F」上の各リンクに割り当てた通信リソース「ch2」について、通信リソース管理情報記憶部22に記憶された割当状況情報を、「共有リソース」に更新する(ステップS10)。
これにより、通信リソース管理情報記憶部22には、図14に示すような情報が記憶される。
このようにして、パス#1に対して、ch2を用いた予備パス「E−A−B−C−F」が確保された状態を、模式的に図15に示す。なお、以下の図面では、ドットパターンで塗りつぶされた矩形は、「共有リソース」を表している。つまり、図15では、リンク「E−A」、「A−B」、「B−C」および「C−F」における「ch2」の各通信リソースは、共有リソースである。なお、これらの各リンクにおける「ch2」の通信リソースは、ネットワーク管理装置20の通信リソース管理情報記憶部22において共有リソースとして管理されているが、該当するノード10に使用されていない状態である。
<ノード10Aおよびノード10C間の通常パスの登録動作>
次に、ネットワーク管理装置20が、ノード10Aおよびノード10C間の通常パスを登録する動作について説明する。
まず、割当状況判断部23は、登録前の通常パスとしての経路「A−E−F−C」を表す情報と、この通常パスに割り当てられる予定の通信リソース「ch7」を表す情報とを取得する(ステップS1)。
次に、割当状況判断部23は、パス「A−E−F−C」上の各リンクにおける通信リソース「ch7」の割当状況情報を、通信リソース管理情報記憶部22からそれぞれ取得する(ステップS2)。ここでは、割当状況判断部23は、図14に示した通信リソース管理情報記憶部22から、リンク「A−E」、「E−F」、および、「F−C」における各通信リソース「ch7」について、「未割当リソース」を表す情報を取得したものとする。
入力されたパス情報が登録前の通常パスを表し(ステップS3で「通常パス」)、その通常パスに割り当てられる予定の通信リソースのいずれもが「未割当リソース」であるため(ステップS4でYes)、ネットワーク管理装置20の動作は、ステップS5に進む。
すなわち、通常パス登録部24は、入力された通常パス上のノード10A、ノード10E、ノード10Fおよびノード10Cに対して、ch7を用いた通常パス「A−E−F−C」のパス設定を通知する(ステップS5)。これにより、ノード10A、ノード10E、ノード10Fおよびノード10Cは、隣接するノード10とのch7を用いた通信の経路設定を実行する。
そして、通常パス登録部24は、パス情報記憶部21に、新たなパスIDである「#2」を付与したパス情報を登録し、その通常パス経路情報に「A−E−F−C」を設定し、その通常パスリソース情報に「ch7」を設定する(ステップS6)。
これにより、パス情報記憶部21には、図16に示すような情報が記憶される。
次に通常パス登録部24は、通常パス「A−E−F−C」上の各リンクにおける通常パスリソース「ch7」について、通信リソース管理情報記憶部22に記憶された割当状況情報を、「専有リソース」に更新する(ステップS7)。
これにより、通信リソース管理情報記憶部22には、図17に示すような情報が記憶される。
このようにして、パス#1の通常パス(現用パス)および予備パスに加えて、パス#2の通常パスが現用パスとして設定された状態を、模式的に図18に示す。図18では、リンク「A−E」、「E−F」、「F−C」における「ch7」の通信リソースは、専有リソースであり、該当するノード10によって使用されている状態である。
<ノード10Aおよびノード10C間の予備パスの登録動作>
次に、ネットワーク管理装置20が、ノード10Aおよびノード10C間の通常パスに対する予備パスを登録する動作について説明する。
まず、割当状況判断部23は、パス#2の登録前の予備パスとしての経路「A−B−C」を表す情報と、この予備パスに割り当てられる予定の通信リソース「ch2」を表す情報とを取得する(ステップS1)。
次に、割当状況判断部23は、パス「A−B−C」上の各リンクにおける通信リソース「ch2」の割当状況情報を、通信リソース管理情報記憶部22からそれぞれ取得する(ステップS2)。ここでは、割当状況判断部23は、図17に示した通信リソース管理情報記憶部22から、リンク「A−B」、「B−C」における通信リソース「ch2」について、「共有リソース」を表す情報を取得したものとする。
入力されたパス情報が登録前の予備パスを表し(ステップS3で「予備パス」)、その予備パスに割り当てられる予定の各通信リソースのいずれもが「共有リソース」であるため(ステップS8でYes)、ネットワーク管理装置20の動作は、ステップS9に進む。
すなわち、予備パス登録部25は、パス情報記憶部21において、パス#2のパス情報の予備パス経路情報に「A−B−C」を設定し、その予備パスリソース情報に「ch2」を設定する(ステップS9)。
これにより、パス情報記憶部21には、図19に示すような情報が記憶される。
次に、予備パス登録部25は、予備パス「A−B−C」上の各リンクに割り当てた通信リソース「ch2」について、通信リソース管理情報記憶部22に記憶された割当状況情報を、「共有リソース」に更新する(ステップS10)。なお、ここでは、リンク「A−B」および「B−C」における通信リソース「ch2」の割当状況情報は、既に「共有リソース」となっている。この場合、予備パス登録部25は、割当状況情報の更新を行わなくてもよい。
したがって、この時点で通信リソース管理情報記憶部22に記憶されている情報は、図17に示したものと同様である。
このようにして、パス#2に対して、ch2を用いた予備パス「A−B−C」が確保された状態を、模式的に図20に示す。図20に示すように、パス#1およびパス#2に対する各予備パスには、リンク「A−B」およびリンク「B−C」において、ch2が共有して割り当てられている。
以上で、具体例の説明を終了する。
次に、本発明の第1の実施の形態の効果について述べる。
本発明の第1の実施の形態としての通信システムは、複数のノードからなるネットワークにおけるパスに対する迂回路用の通信リソースを、効率的に活用するよう管理することができる。
その理由は、ネットワーク管理装置の通信リソース管理情報記憶部が、ネットワークにおける各通信リソースについて、パスに対する割当状況を表す割当状況情報を記憶し、割当状況判断部が、入力されたパスに割り当てられる予定の通信リソースの割当状況を判断するからである。具体的には、割当状況判断部によって、登録前の通常パス上の各リンクに割り当てられる予定の各通信リソースのいずれもが他の登録済のパスに割り当てられていないと判断された場合に、通常パス登録部が、入力された通常パス上の各ノードに、入力されたパス情報に基づく経路設定を通知するからである。そして、通常パス登録部が、入力された通常パスを表すパス情報をパス情報記憶部に登録するとともに、その通常パスに割り当てた各通信リソースについての割当状況情報を更新するからである。また、割当状況判断部によって、登録前の予備パス上の各リンクに割り当てられる予定の各通信リソースのいずれもが他の登録済の通常パスに割り当てられていないと判断された場合に、予備パス登録部が、入力された予備パスを表すパス情報をパス情報記憶部に登録するとともに、その予備パスに割り当てた各通信リソースについての割当状況情報を更新するからである。
このように、本発明の第1の実施の形態のネットワーク管理装置は、1つの通常パスに対して専有して割り当てられる通信リソースと、複数の予備パスに対して共有して割り当て可能な通信リソースとを区別して管理することができる。これにより、通常パスに割り当てられた通信リソースは、その通常パスによって専有され、他の通常パスや予備パスに対して割り当てられない。また、予備パスに割り当てられた通信リソースは、他の予備パスに対して共有して割り当てられることが可能となる。これにより、本発明の第1の実施の形態のネットワーク管理装置を用いる管理者は、ネットワークの設計段階において、どの通信リソースをあらかじめ共有可能な通信リソースとして確保しておけばよいか事前に計画することができる。したがって、本実施の形態は、運用コストも削減することができる。
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、本実施の形態の説明において参照する各図面において、本発明の第1の実施の形態と同一の構成および同様に動作するステップには同一の符号を付して本実施の形態における詳細な説明を省略する。
まず、本発明の第2の実施の形態としての通信システム2の構成を図21に示す。図21において、通信システム2は、本発明の第1の実施の形態としての通信システム1に対して、ネットワーク管理装置20に替えてネットワーク管理装置30を備える点が異なる。
また、ネットワーク管理装置30の機能ブロックを図22に示す。図22において、ネットワーク管理装置30は、本発明の第1の実施の形態としてのネットワーク管理装置20に対して、パス情報記憶部21に替えてパス情報記憶部31と、通信リソース管理情報記憶部22に替えて通信リソース管理情報記憶部32と、通常パス登録部24に替えて通常パス登録部34とを備え、さらに、パス切替部36とを備える点が異なる。
ここで、ネットワーク管理装置30は、本発明の第1の実施の形態において図4を用いて説明したネットワーク管理装置20と同様のハードウェア構成要素によって構成可能である。この場合、パス切替部36は、ネットワークインタフェース2004と、入力装置2005と、記憶装置2003に記憶されたコンピュータ・プログラムおよび各種データをメモリ2002に読み込んで実行するプロセッサ2001とによって構成される。なお、ネットワーク管理装置30およびその各機能ブロックを構成するハードウェア構成は、上述の構成に限定されない。
パス情報記憶部31は、パス情報として、本発明の第1の実施の形態と同様の情報に加えて、端点ノード間の通信経路として経路設定されている現用パスが、通常パスおよび予備パスのいずれであるかを表す現用パス情報をさらに記憶する。
例えば、パス情報記憶部31に記憶される情報の一例を図23に示す。図23では、パス#1およびパス#2において、どちらも通常パスが現用パスとなっている。
通信リソース管理情報記憶部32は、ネットワーク100において隣接するノード10間で使用可能な各通信リソースに関して、本発明の第1の実施の形態と同様の割当状況情報に加えて、ノード10による使用状況情報を記憶する。使用状況情報は、その通信リソースがそのリンクを介した通信においてノード10によって使用されているか否かを表す。
例えば、通信リソース管理情報記憶部32に記憶される情報の一例を図24に示す。図24では、例えば、ノード10Aおよびノード10E間のリンク「A−E」において、共有リソースである「ch2」は、「OFF(使用されていない)」状態であり、専有リソースである「ch7」は、「ON(使用されている)」状態である。
通常パス登録部34は、本発明の第1の実施の形態における通常パス登録部24と同様に構成されることに加えて、パス情報記憶部31に通常パスを登録する際に、パス情報の現用パス情報に、「通常パス」を設定する。また、通常パス登録部34は、登録した通常パスリソース情報の示す通信リソースの使用状況情報を、「ON(使用されている)」状態に更新する。
パス切替部36は、パス切替情報が入力されると、パス切替情報が示すパスへの切替が可能かどうかを判断する。ここで、パス切替情報とは、通常パスおよび予備パスのうちいずれを現用パスとするかの切替指示を表す情報である。パス切替情報には、パスを特定する情報(パスIDや、端点ノード情報など)と、切替後のパス(通常パスまたは予備パス)を表す情報とが含まれる。具体的には、パス切替部36は、通常パスへの切替であれば、切替可能と判断する。これは、通常パスに割り当てられた通信リソースは専有リソースとして管理されており、他の現用パスによって使用されることがないからである。
また、パス切替部36は、予備パスへの切替であれば、その予備パスに割り当てられた通信リソースが、他の現用パスによる通信において使用されているか否かを判断する。このとき、パス切替部36は、通信リソース管理情報記憶部32に記憶された各通信リソースについての使用状況情報を参照することにより、判断処理を行えばよい。例えば、パス切替部36は、予備パスに割り当てられた各通信リソースのいずれもが、使用されていない状態であれば、予備パスへの切替が可能であると判断する。
また、パス切替部36は、切替可能であれば、現用パスの設定を解除してからパスの切替を実行する。例えば、パス切替部36は、パス情報記憶部31の現用パス情報を参照することにより、切替前の現用パスとして設定されているパス上の各ノード10を特定する。そして、パス切替部36は、切替前の現用パス上の各ノード10に対して、現用パスの設定を解除して、使用していた通信リソースを解放するよう通知する。
また、パス切替部36は、現用パスの設定の解除に成功すると、パス切替情報の示すパス上の各ノード10に対して、該パスに割り当てられた通信リソースを用いて現用パスを設定するよう通知する。
また、パス切替部36は、パスの切替に成功後、パス情報記憶部31における現用パス情報を更新する。また、パス切替部36は、パスの切替により使用状況が変化した通信リソースについて、通信リソース管理情報記憶部32に記憶された使用状況情報を更新する。具体的には、パス切替部36は、切替前の現用パスが解除されることにより解放された通信リソースに関する使用状況情報を、「OFF(使用されていない)」状態を表す情報に更新する。また、パス切替部36は、切替後の現用パスにより使用されている通信リソースに関する使用状況情報を、「ON(使用されている)」状態を表す情報に更新する。
以上のように構成された通信システム2の動作について図面を参照して説明する。
まず、通信システム2のパス登録動作について説明する。通信システム2のパス登録動作は、図7を参照して説明した本発明の第1の実施の形態としての通信システム1のパス登録動作と略同様である。ただし、本実施の形態では、ステップS6およびステップS7における動作の詳細が異なる。通常パス登録部34は、ステップS6において、通常パスをパス情報記憶部31に登録する際に、さらに、登録したパス情報における現用パス情報に「通常パス」を設定する。また、通常パス登録部34は、ステップS7において、通信リソース管理情報記憶部32において該当する通信リソースの割当状況情報を「専有リソース」に更新することに加えて、さらに、その使用状況情報を「ON(使用されている)」状態を表す情報に更新する。
次に、通信システム2のパス切替動作について、図25を参照して説明する。
まず、パス切替部36は、パス切替情報を取得する(ステップS11)。前述のように、パス切替情報には、パスを特定するパスIDなどの情報と、切替後のパス(通常パスか予備パスか)を表す情報とが含まれる。
次に、パス切替部36は、パス切替情報が、通常パスへの切替を示すものであるか、予備パスへの切替を示すものであるかを判断する(ステップS12)。
ここで、通常パスへの切替を示すものであれば、パス切替部36は、切替可能と判断し、ステップS14に進む。
一方、予備パスへの切替を示す場合、パス切替部36は、パス切替情報の示す予備パスに割り当てられた1つ以上の通信リソースがいずれも「OFF(使用されていない)」状態である否かを判断する(ステップS13)。具体的には、パス切替部36は、パス情報記憶部31を参照することにより、パス切替情報の示す予備パスに割り当てられた各通信リソースを特定する。そして、パス切替部36は、予備パスに割り当てられた各通信リソースの使用状況情報を、通信リソース管理情報記憶部32から取得する。そして、パス切替部36は、取得した使用状況情報がいずれも「OFF(使用されていない)」状態を表すか否かを判断すればよい。
ここで、パス切替情報の示す予備パスに割り当てられた1つ以上の通信リソースの少なくともいずれかが「ON(使用されている)」状態であれば、共有リソースであるその通信リソースは、他の予備パスが現用パスとして設定されることにより使用されていることになる。したがって、パス切替情報の示す予備パスに切り替えることはできないので、通信システム2は、動作を終了する。
一方、パス切替情報の示す予備パスに割り当てられた1つ以上の通信リソースのいずれもが、「OFF(使用されていない)」状態であれば、パス切替部36は、パス切替情報の示す予備パスへ切替可能と判断し、ステップS14に進む。
ステップS14では、パス切替部36は、パス情報記憶部31の現用パス情報を参照することにより、現用パス上の各ノード10を特定する。具体的には、パス切替部36は、現用パス情報が通常パスを示していれば通常パス上の各ノード10を特定し、現用パス情報が予備パスを示していれば予備パス上の各ノード10を特定すればよい。そして、パス切替部36は、現用パス上の各ノード10に対して、現用パスの設定を解除して使用していた通信リソースを解放するよう通知する(ステップS14)。
次に、パス切替部36は、パス切替情報の示すパス上の各ノード10に対して、そのパスに割り当てられた各通信リソースを用いて現用パスを設定するよう通知する(ステップS15)。
ステップS14〜S15の処理に成功すると、パス切替部36は、通信リソース管理情報記憶部32を更新する(ステップS16)。具体的には、パス切替部36は、ステップS14で解放した通信リソースの使用状況情報を、「OFF(使用されていない)」状態を表す情報に更新する。また、パス切替部36は、ステップS15で設定したパス上の通信リソースの使用状況情報を、「ON(使用されている)」状態を表す情報に更新する。
次に、パス切替部36は、該当するパス情報の現用パス情報を更新する(ステップS17)。
以上で、通信システム2は、パス切替動作を終了する。
次に、通信システム2の動作を具体例で示す。この具体例における通信システム2の構成は、図8を用いて説明した通信システム1の具体例の構成と同様であるものとする。また、パス情報記憶部31には、図23に示した情報が記憶され、通信リソース管理情報記憶部32には、図24に示した情報が記憶されているものとする。
このような具体例において、ネットワーク管理装置30が、パス#1の現用パスを切り替える動作と、パス#2の現用パスを切り替える動作について説明する。
<パス#1の現用パスの切替動作(通常パス→予備パス)>
まず、パス切替部36は、パス切替情報として「パス#1において予備パスへ切替」を指示する情報を取得する(ステップS11)。
パス切替情報が予備パスへの切替を示すので(ステップS12で「予備パス」)、パス切替部36は、該当する予備パス「E−A−B−C−F」上の各リンクに割り当てられた通信リソース「ch2」の使用状況情報を、図24に示す通信リソース管理情報記憶部32から取得する。図24では、各リンクのch2はいずれも「OFF(使用されていない)」状態なので(ステップS13でYes)、パス切替部36は、パス切替情報の示す予備パスに切替可能と判断し、ステップS14に進む。
そこで、パス切替部36は、パス情報記憶部31を参照することにより、パス#1の現用パスである通常パス上のノード10Eおよびノード10Fを特定する。そして、パス切替部36は、特定したノード10Eおよびノード10Fに対して、現用パスの設定を解除して使用していた通信リソース「ch2」を解放するよう通知する(ステップS14)。
次に、パス切替部36は、パス切替情報の示す予備パス上の各ノード10E、10A、10B、10Cおよび10Fに対して、この予備パスに割り当てられた各通信リソース「ch2」を用いて現用パスを設定するよう通知する(ステップS15)。
ステップS14〜S15の処理に成功すると、パス切替部36は、ステップS14で解放したリンク「E−F」における通信リソース「ch2」の使用状況情報を、「OFF(使用されていない)」状態を表す情報に更新する。また、パス切替部36は、ステップS15で設定した予備パス上の各リンク「E−A」、「A−B」、「B−C」、「C−F」における各通信リソース「ch2」の使用状況情報を、「ON(使用されている)」状態を表す情報に更新する(ステップS16)。
これにより、通信リソース管理情報記憶部32には、図26に示すような情報が記憶されることになる。
次に、パス切替部36は、パス情報記憶部31において、パス#1のパス情報の現用パス情報を、「予備パス」に更新する(ステップS17)。
これにより、パス情報記憶部31には、図27に示すような情報が記憶されることになる。
このようにして、パス#1の現用パスが通常パスから予備パスに変更された状態を、模式的に図28に示す。図28において、斜線パターンで塗りつぶされた矩形は、前述のように、ネットワーク管理装置30によって専有リソースとして管理されている通信リソースを表している。また、ドットパターンで塗りつぶされた矩形は、前述のように、ネットワーク管理装置30によって共有リソースとして管理されている通信リソースを表している。また、前述のように、二重線で囲まれた矩形は、該当するリンクにおいてノード10によって使用されている通信リソースを表している。
なお、図28の状態において、リンク「E−F」の通信リソース「ch2」は使用されていないが、専有リソースである。この状態において、リンクE−Fに通信リソース「ch2」を割り当てる登録前のパス情報が、ネットワーク管理装置30に入力された場合について考える。この場合、ネットワーク管理装置30は、本発明の第1の実施の形態と同様に動作することにより、リンクE−F間の通信リソース「ch2」が「専有リソース」であるため、新たな通常パスの専有リソース(または新たな予備パスの共有リソース)として割り当てられないと判断する。したがって、この場合、ネットワーク管理装置30は、通信リソース「ch2」を使用する新たな通常パス(または予備パス)の登録を行わない。このように、ネットワーク管理装置30は、専有リソースとして管理している通信リソースを、その使用状況に関わらず、他の通常パスまたは予備パスに割り当てることはない。
<パス#2の現用パスの切替動作(通常パス→予備パス)>
図28の状態において、パス#2に関するパス切替情報が取得された場合の通信システム2の動作について説明する。
まず、パス切替部36は、パス切替情報として「パス#2において予備パスへ切替」を指示する情報を取得する(ステップS11)。
パス切替情報が予備パスへの切替を示すので(ステップS12で「予備パス」)、パス切替部36は、該当する予備パス「A−B−C」上の各リンクに割り当てられた通信リソース「ch2」の使用状況情報を、図26に示す通信リソース管理情報記憶部32から取得する。図26では、予備パス「A−B−C」上のリンク「A−B」およびリンク「B−C」において「ch2」はいずれも「ON(使用されている)」状態である(ステップS13でNo)。したがって、パス切替部36は、パス切替情報の示す予備パスに切替できないと判断する。そして、通信システム2は動作を終了する。
このように、ネットワーク管理装置30は、ある端点ノード間において予備パスが現用パスとして設定されている場合、その予備パスによって使用されている共有リソースを共有して割り当てている他の端点ノード間の予備パスへの切替を実行しないようにする。
例えば、図20に示したようにパス群が設定されている状態において、ノード10Eおよびノード10Aにおいてパッケージ交換等の必要が生じたことを想定する。この場合、通信システム2は、例えば、次のように動作可能である。
ステップS21):まず、通信システム2は、パス#1の現用パスを通常パスから予備パスに切り替える。ここで、管理者等によりノード10Eのパッケージが交換されてもよい。
ステップS22):次に、通信システム2は、パス#1の現用パスを予備パスから通常パスに切り替える。
ステップS23):次に、通信システム2は、パス#2の現用パスを通常パスから予備パスに切り替える。ここで、管理者等によりノード10Aのパッケージが交換されてもよい。
ステップS24):次に、通信システム2は、パス#2の現用パスを予備パスから通常パスに切り替える。
なお、通信システム2は、ステップS21〜S24の動作を、オペレータによるパス切替情報の入力に応じて実行してもよい。あるいは、通信システム2は、外部のスケジュール装置によりあらかじめスケジュールされたタイミングで出力されるパス切替情報の取得に応じて、ステップS21〜S24の動作を実行してもよい。あるいは、通信システム2は、パッケージ交換等のメンテナンス作業の開始または終了を検出する外部の検出装置により出力されるパス切替情報の取得に応じて、ステップS21〜S24の動作を実行してもよい。
以上で、通信システム2の動作の具体例の説明を終了する。
次に、本発明の第2の実施の形態の効果について述べる。
本発明の第2の実施の形態としての通信システムは、複数のノードからなるネットワークにおけるパスに対する迂回路用の通信リソースを効率的に活用しながら、迂回路への切替動作を適切に実行することができる。
その理由は、パスの切替指示を表すパス切替情報が入力されると、パス切替部が、予備パスへの切替指示である場合に、その予備パスに割り当てられている1つ以上の通信リソースが、他の予備パスにより使用されているか否かを判断し、使用されていない場合に、切替前の現用パスの設定を解除して、予備パス上の各ノードに対してその通信リソースを用いて現用パスを設定するよう通知するからである。また、そのために、通信リソース管理情報記憶部が、各通信リソースについて、現用パスの通信において使用されているか否かを表す使用状況情報を記憶しておくからである。また、そのために、パス情報記憶部が、通常パスまたは予備パスのいずれが現用パスであるかを表す現用パス情報を記憶しておくからである。
これにより、本発明の第2の実施の形態としてのネットワーク管理装置は、異なる通常パスに対する予備パスが同時に必要となる可能性が低いことを利用して、異なる予備パスに対して通信リソースを共有して割り当てておき、同一の通信リソースを共有する異なる予備パスに同時に切り替えることのないよう制御するので、迂回路への切替動作を適切に実行することができる。
なお、上述した本発明の各実施の形態では、通常パスに対して予備パスが1つずつ設定可能である例を中心に説明したが、各実施の形態において、1つの通常パスに対して複数の予備パスが設定可能となっていてもよい。この場合、各実施の形態のパス情報記憶部は、1つのパス情報に1つ以上の予備パス経路情報およびその予備パスリソース情報を含めて記憶するようにしてもよい。
また、上述した本発明の各実施の形態において、パス情報記憶部および通信リソース管理情報記憶部に格納される情報のデータ構造は一例であり、その他のデータ構造であってもよい。例えば、パス情報記憶部は、パスIDに対して通常パスおよび予備パスの経路情報や通信リソース情報を対応付けたパス経路情報テーブルと、パスIDに対して現用パス情報や端点ノード情報を対応付けたパス構成情報テーブルとを記憶していてもよい。
また、上述した本発明の各実施の形態において、割当状況判断部は、入力装置やオペレータ端末からパス情報を取得して登録する例を中心に説明した。この他、各実施の形態における割当状況判断部は、通信システムにおいて端点ノード間の通常パスやその予備パスを生成するパス生成装置等の外部の装置から、パス情報を取得して登録を行ってもよい。
また、上述した本発明の第2の実施の形態において、パス切替部は、入力装置やオペレータ端末からパス切替情報を取得して切り替えを実行する例を中心に説明した。この他、本発明の第2の実施の形態におけるパス切替部は、通信システムにおいて障害が発生したパスを検出する障害発生パス検出装置等の外部の装置から、パス切替情報を取得して切り替えを実行してもよい。
また、上述した本発明の各実施の形態において、ネットワーク管理装置は、いずれかの通信装置と同一の装置によって構成されていてもよい。
また、上述した本発明の各実施の形態において、各フローチャートを参照して説明したネットワーク管理装置の動作を、本発明のコンピュータ・プログラムとしてコンピュータ装置の記憶装置(記憶媒体)に格納しておき、係るコンピュータ・プログラムを当該CPU(Central Processing Unit)が読み出して実行するようにしてもよい。そして、このような場合において、本発明は、係るコンピュータ・プログラムのコードあるいは記憶媒体によって構成される。
また、上述した各実施の形態は、適宜組み合わせて実施されることが可能である。
また、本発明は、上述した各実施の形態に限定されず、様々な態様で実施されることが可能である。