JP6145106B2 - 精製したセコイリドイドグルコシド誘導体からなる発毛促進剤、IGF−1発現増加剤、VEGF発現増加剤、HGF発現増加剤、KGF発現増加剤、およびβ−カテニン発現増加剤 - Google Patents

精製したセコイリドイドグルコシド誘導体からなる発毛促進剤、IGF−1発現増加剤、VEGF発現増加剤、HGF発現増加剤、KGF発現増加剤、およびβ−カテニン発現増加剤 Download PDF

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Description

本発明は、セコイリドイドグルコシド誘導体を有効成分として含む脱毛の予防または治療用、または発毛促進用組成物に関するものである。
国民健康保険公団の健康保険政策研究院が2001年から2008年まで健康保険診療費の支給資料を分析した内容によれば、「脱毛疾患」の実診療患者数が2001年10万3千人から2005年14万2千人、そして2008年16万5千人であって、最近7年間60%増加した。年齢別には20〜40代の実診療患者数が11万4千人と患者の69.5%を占め、10代以下の患者も2万2千人以上であることが分かった。性別実診療患者数は2008年基準で男性が8万4千人、女性は8万人と男性が女性より少し多い実情であり、「脱毛」疾患の傷病別国内健康保険実診療患者数は2008年基準で円形脱毛症(13万人)、瘢痕性脱毛症(2万人)、アンドロゲン性脱毛症(9千人)、その他非瘢痕性毛髪損失(8千人)の順であった。
海外の脱毛患者の有病率をみると、2003年6月国際毛髪及び成形美容研究討論会の資料によると、世界的に2.5億人が脱毛患者であり、24〜50歳において脱毛発病率が30〜65%程度だった。2008年基準で中国の脱毛人口は約3億人に達し、30代男性人口の30%、そして50代男性人口の50%程度が脱毛の症状を示しており、毎年脱毛患者数は10〜15%程度増加している。日本人の場合、脱毛発病率が26.5%であり、推定脱毛患者人口数は1,293万人程度と予想された。
現在、脱毛治療のための製剤は、大きく医薬品と医薬部外品、そして化粧品に分類される。医者の処方があってこそ購入が可能な専門医薬品としては、米Merck社が開発販売している「プロペシア」があり、これの主成分であるフィナステリド(Finasteride)は1997年12月米FDAから脱毛治療剤の承認を受けた。フィナステリドは、テストステロンをジヒドロテストステロン(dihydrotestosterone, DHT)へ変換する5−α還元酵素を阻害する薬剤であって、軟毛を太くて長い毛髪に成長させる役割をする。これは短期的に脱毛改善に効果があるが、勃起不全、性機能減退、男性の乳房肥大などのような副作用が報告されている。安全性と有効性が認められて医者の処方無しでも購入が可能な薬品としてミノキシジル(Minoxidil)があり、1997年12月米FDAから最初の塗布タイプ脱毛治療剤として承認された。この薬品は、血液循環を改善させてカリウムチャネルを開放させることで毛成長を促進させる効果があるが、痒み、発疹など局所反応が起こるおそれがあり、頻脈などが起こることもある。
食品医薬品安全庁で脱毛防止と育毛機能を許可された医薬部外品の製品としては、代表的にCJライオンの「毛髪力コムピテント」、モラクルの「ヘアトニック」、LG生活健康の「MO&MORE」などがあり、化粧品類としては、シャンプー類または肌、毛髪の健康を維持または増進するために頭皮や毛髪に使用される製品が販売されている。
人間の毛周期は、大きく成長期(anagen)、退行期(catagen)及び休止期(telogen)に分けられる。成長期は毛乳頭の活動が活発で細胞分裂が旺盛に起こり、毛髪の毛が早く伸びる時期である。成長期の寿命は毛の種類によって違うが、髪の毛の場合、3〜6年程度である。成長期の毛髪は全体毛髪の80〜90%を占め、脱毛が進行している人は成長期が短くなり休止期が長い毛周期を持つようになって、全体毛髪において成長期毛髪の比重が減少することになる。退行期は毛髪の成長期が終わって毛髪生成が徐々に遅くなり、結局、細胞分裂及び成長が止まる時期で、退行期の寿命は1〜1.5ヶ月程度であり、全体毛髪の1%程度がこの段階に属する。休止期は成長の最後の段階であって、毛包と毛乳頭とが完全に分離して、毛包は萎縮し、毛根はさらに上方へ上がって髪の毛が抜ける段階である。休止期は3〜4ヶ月間持続して全体毛髪の4〜14%がこの段階に該当する。休止期が終わって再度毛乳頭の活動が活発になると、新しい毛髪の毛乳頭が作られながら休止期にあった毛髪は押し出されて、完全に頭皮の外に抜け出される。
オレウロペインはオリーブ葉及びオリーブ油に多量含有されているセコイリドイド系化合物であって、オリーブ葉の特徴的なほろ苦い香りを出す成分である。オレウロペインの構造式はC253213で、分子量は540.514であり、化学構造は次のとおりである。
オレウロペインの知られている生理活性としては、抗酸化、抗ウイルス、坑腫瘍、抗菌作用、抗肥満及び非アルコール性脂肪肝の改善効果などが報告されている。併せて、オレウロペインの毒性有無を調べるために、ラットを対象に1g/kg(体重)を7日間投与した結果、全然毒性が現れず、他の様々な実験を通じても、LD50を計算できないほどオレウロペインが安全だという結果が提示された。
しかしながら、今まで発毛促進または脱毛の改善に関連するオレウロペインの効能は知られていない。
本明細書の全体にかけて多数の論文及び特許文献が参照されてその引用が表示されている。引用された論文及び特許文献の開示内容はその全体が本明細書に参照により組み込まれ、本発明の属する技術分野の水準及び本発明の内容がより明確に説明される。
本発明者は副作用なしで脱毛を防止するか発毛促進させることができる天然由来の化合物またはこれの誘導体を見出すべく鋭意研究努力した。その結果、モクセイ科植物に含まれたセコイリドイドグルコシド誘導体(例えば、オレウロペイン)が高い効率で毛髪の成長を増進し脱毛を防止するという事実を多角的な実験を通じて確認し、本発明を完成するに至った。
したがって、本発明の目的は、セコイリドイドグルコシド(secoiridoid glucoside)誘導体、より具体的にはオレウロペイン、またはこれの加水分解産物を有効成分として含む脱毛の予防または治療用、または発毛促進用の薬剤学的組成物、脱毛改善または発毛促進用の化粧料組成物及び脱毛改善または発毛促進用の機能性食品組成物を提供することにある。
本発明の別の目的及び利点は、下記の発明の詳細な説明、請求の範囲及び図面によってより明確になる。
本発明の一様態によれば、本発明は、下記式(1)で表されるセコイリドイドグルコシド(secoiridoid glucoside)誘導体またはこれの加水分解産物を有効成分として含む脱毛の予防または治療用、または発毛促進用の薬剤学的組成物を提供する:
上記式中、R及びRはそれぞれ独立してC−Cアルキルであり;RないしRはそれぞれ独立して水素、ヒドロキシまたはC−Cアルキルであり;mは1〜3の整数であり;nは1〜4の整数である。
本発明者は副作用なしで脱毛を防止するか発毛を促進させることができる天然由来の化合物またはこれの誘導体を見出すべく鋭意研究努力した。その結果、モクセイ科植物に含まれたセコイリドイドグルコシド誘導体(例えば、オレウロペイン)が高い効率で毛髪の成長を増進し脱毛を防止するという事実を多角的な実験を通じて確認した。
本発明の特徴及び利点を要約すれば、次のとおりである:
(a)本発明は、セコイリドイドグルコシド(secoiridoid glucoside)誘導体(より具体的にはオレウロペイン)、またはこれの加水分解産物を有効成分として含む脱毛の予防または治療用の薬剤学的組成物、脱毛改善または発毛促進用の化粧料組成物及び機能性食品組成物を提供する。
(b)本発明は、慢性疾患である脱毛において長期投与時にも副作用がない天然化合物を有効成分としているだけでなく、育毛及び養毛に優れて安定的な効能を見せて、効率的な脱毛治療剤または発毛促進用の化粧料/機能性食品組成物として有用に用いられることができる。
除毛をしたマウスモデルで発毛促進剤の投与日数が経過するにつれて、毛髪の再成長を観察した結果を示す図である。 発毛促進剤を皮下注射したマウスで実験期間の間に成長した毛の長さを表示したグラフである。各値は84匹マウスの平均±標準誤差であり、同じ列内の異なる文字は一元配置分散分析(one−way ANOVA)の後、Duncan多重検定をした結果、P<0.05で有意的な差を見せた。 発毛促進剤を6週間皮下注射したマウスの背中の肌を組織学的観察した結果を示す図である。各値は4匹マウスの平均±標準誤差であり、同じ列内の異なる文字は一元配置分散分析(one−way ANOVA)の後、Duncan多重検定をした結果、P<0.05で有意的な差を見せた。 発毛促進剤を皮下注射したマウスの背中の肌組織の発毛促進関連タンパク質の発現変化を示す図である。 発毛促進剤を皮下注射したマウスの背中の肌組織の発毛促進関連遺伝子の発現変化を示す図である。同じ列内の異なる文字は一元配置分散分析(one−way ANOVA)の後、Duncan多重検定をした結果、P<0.05で有意的な差を見せた。
下記実施例で立証されたように、オレウロペインは毛髪を休止期から成長期へと転換させ、毛包の数を増加させ、肌組織で毛髪成長に係る成長因子の発現を増加させることで、究極的に肌面積当たりの毛髪の密集度を顕著に増加させる。
下記の実施例は、代表的なセコイリドイドグルコシド誘導体であるオレウロペインを用いて発毛促進及び脱毛予防の効能を立証しているが、これは本発明の効果を確認するための代表的な一実施例に過ぎず、オレウロペインと同一または類似する水準の生物学的活性を示す式(1)に含まれるセコイリドイドグルコシド誘導体も、オレウロペインと類似する発毛促進及び脱毛予防の効能を示すことは当業者に明確である。
また、セコイリドイドグルコシド誘導体のグリコシル基が加水分解されて形成されたエレノール酸(elenolic acid)も、オレウロペインと同一または類似する水準の生物学的活性を示すものと知られている(米国特許第6,117,844号及び第6,455,580号)。これらエレノール酸はセコイリドイド誘導体が生体内で代謝される場合、形成されることもある。よって、セコイリドイドグルコシド誘導体の加水分解産物もオレウロペインと類似する発毛促進及び脱毛予防効能を示すということは、当業者に明確である。
本明細書において用語「アルキル」は直鎖または分枝鎖の飽和炭化水素基を意味し、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソブチル、ペンチルまたはヘキシルなどを含む。C−Cアルキルは炭素数1〜4のアルキル単位を持つアルキル基を意味し、C−Cアルキルが置換された場合、置換体の炭素数は含まれていないものである。
本発明の好ましい実現例によれば、本発明の式(1)のR及びRはそれぞれ独立してC−Cアルキルであり;RないしRはそれぞれ独立して水素またはヒドロキシであり;mは1であり;nは2である。
より好ましくは、本発明の式(1)のセコイリドイドグルコシド誘導体は下記式(2)で表される化合物である。
本発明によると、上記式(2)の化合物はオレウロペイン(oleuropein)を示す。
オレウロペインはモクセイ科(Oleaceae family)に属する植物の実、根、幹、特に葉に多量で含有されている。オレウロペインを多量含有する上記モクセイ科植物は24属の約600種余り以上を含んでいるものと知られている。本発明で用いられるモクセイ科植物は、オレウロペインをはじめとするセコイリドイドグルコシド誘導体を含む限り、特に限定されず、好ましくはオリーブの木(Olea europaea)、イボタノキ属(Ligustrum)植物、ハシドイ属(Syringa)植物、トネリコ属(Fraxinus)植物、ソケイ属(Jasminum)植物またはモクセイ属(Osmanthus)植物などである。
セコイリドイドグルコシド誘導体を含むモクセイ科植物抽出物は、モクセイ科植物(好ましくは、モクセイ科植物の葉)に通常の抽出溶媒を用いて得ることができ、好ましくは(a)炭素数1〜4の無水または含水低級アルコール(例:メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、n−プロパノール、イソプロパノール及n−ブタノールなど)、(b)上記低級アルコールと水との混合溶媒、(c)アセトン、(d)酢酸エチル、(e)クロロホルム、(f)1,3−ブチレングリコール、(g)ヘキサン、(h)ジエチルエーテル、(i)酢酸ブチルまたは(j)水を抽出溶媒として得ることができる。
セコイリドイドグルコシド誘導体を含むモクセイ科植物の分画物は、モクセイ科植物の抽出物を追加的に分離/精製して得たより単離/精製された形態(form)を意味する。例えば、モクセイ科植物の抽出物を一定の分子量カットオフ値を持つ限外ろ過膜を通過させて得た分画、多様なクロマトグラフィー(大きさ、電荷、疎水性または親和性による分離のために作製されたもの)による分離など、追加的に実施された多様な精製方法を通じて得られた分画もモクセイ科植物の分画物に含まれるものである。オリーブ葉の抽出物を用いてオレウロペインを得る方法は、米国特許出願公開第2003−0017217号に詳細に記載されている。
また、上記のセコイリドイドグルコシド誘導体は化学的に合成することができる。セコイリドイド誘導体の合成方法はPCT出願公開第WO96/14064号に詳細に記載されている。
本発明の好ましい実現例によれば、本発明の組成物は、IGF−1(Insulin−like growth factor 1)、VEGF(vascular endothelial growth factor)、HGF(hepatocyte growth factor)、KGF(keratocyte growth facfor)またはβ−カテニンの発現を増加させる。
本発明者らは本発明の組成物が発毛を促進することを分子的水準で確認するために多角的に実験した結果、本発明の組成物が肌組織で発毛促進に影響を与える成長因子であるIGF1、VEGF、HGF及びKGFの発現量を有意的に増加させるだけでなく、β−カテニンの発現を増加させることで毛包の発生及び毛髪成長に中枢的な役割を果たすものとされているWnt/β−カテニンシグナル伝逹系を活性化させるということを確認した。よって、本発明の組成物は、多角的で安定的な発毛促進効能を示す効率的な発毛剤組成物として適用されることができる。
本発明によれば、本発明の組成物は脱毛の予防または治療用の薬剤学的組成物として製造されることができる。本発明の組成物が薬剤学的組成物として製造される場合、本発明の薬剤学的組成物は薬剤学的に許容される担体を含む。本発明の薬剤学的組成物に含まれる薬剤学的に許容される担体は、製剤時に通常用いられるものであって、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、デンプン、アカシアゴム、リン酸カルシウム、アルギネート、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、微結晶性セルロース、ポリビニルピロリドン、セルロース、水、シロップ、メチルセルロース、ヒドロキシ安息香酸メチル、ヒドロキシ安息香酸プロピル、滑石、ステアリン酸マグネシウム及び鉱油などを含むが、これに限定されるものではない。本発明の薬剤学的組成物は、上記成分以外に、潤滑剤、湿潤剤、甘味剤、香味剤、乳化剤、懸濁剤、保存剤などをさらに含むことができる。好適な薬剤学的に許容される担体及び製剤は、Remington’s Pharmaceutical Sciences (19th ed., 1995)に詳しく記載されている。
本発明の薬剤学的組成物は、経口または非経口投与することができ、好ましくは非経口方式で投与され、より好ましくは皮下注射方式で投与される。
本発明の薬剤学的組成物の好適な投与量は、製剤化方法、投与方式、患者の年齢、体重、性別、病的状態、食べ物、投与時間、投与経路、排泄速度及び反応感応性といった要因によって多様に処方されることができる。本発明の薬剤学的組成物の好ましい投与量は、大人基準で0.001〜100mg/kg範囲内である。
本発明の薬剤学的組成物は、当該発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できる方法によって、薬剤学的に許容される担体及び/または賦形剤を用いて製剤化することで単位用量形態で製造されるか、あるいは多用量容器内に内入させて製造されることができる。このとき、剤形はオイルまたは水性媒質中の溶液、懸濁液、シロップ剤または乳化液の形態であるか、エキス剤、散剤、粉剤、顆粒剤、錠剤またはカプセル剤の形態であってもよく、分散剤または安定化剤をさらに含んでもよい。
本発明の別の様態によれば、本発明は、上述した式(1)で表されるセコイリドイドグルコシド誘導体またはこれの加水分解産物を有効成分として含む脱毛改善または発毛促進用の化粧料組成物を提供する。
本発明で用いられるセコイリドイドグルコシド誘導体については既に詳述したので、過度な重複を避けるためにその記載を省略する。
本発明の化粧料組成物に含まれる成分は、有効成分としてのセコイリドイドグルコシド誘導体またはこれの加水分解産物以外に、化粧品組成物に通常用いられる成分を含み、例えば、抗酸化剤、安定化剤、溶解化剤、ビタミン、顔料及び香料のような通常の補助剤、そして担体を含む。
本発明の化粧料組成物は、当業界で通常製造されるいずれの剤形にも製造されることができ、例えば、溶液、懸濁液、乳濁液、ペースト、ゲル、クリーム、ローション、パウダー、石鹸、界面活性剤含有クレンジング、オイル、粉状ファンデーション、乳濁液ファンデーション、ワックスファンデーション及びスプレーなどに剤形化されることができるが、これに限定されるものではない。
本発明の剤形がペースト、クリームまたはゲルの場合には、担体成分として、動物油、植物油、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、シリカ、滑石または酸化亜鉛などが用いられることができる。
本発明の剤形がパウダーまたはスプレーの場合には、担体成分として、ラクトース、滑石、シリカ、アルミニウムヒドロキシド、カルシウムシリケートまたはポリアミドパウダーが用いられることができ、特にスプレーの場合には、さらにクロロフルオロハイドロカーボン、プロパン/ブタンまたはジメチルエーテルのような推進剤を含むことができる。
本発明の剤形が溶液または乳濁液の場合には、担体成分として、溶媒、溶解化剤または乳濁化剤が用いられ、例えば、水、エタノール、イソプロパノール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチルグリコールオイル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールまたはソルビタン脂肪酸エステルがある。
本発明の剤形が懸濁液の場合には、担体成分として、水、エタノールまたはプロピレングリコールのような液状の希釈剤、エトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールエステル及びポリオキシエチレンソルビタンエステルのような懸濁剤、微結晶性セルロース、アルミニウムメタヒドロキシド、ベントナイト、寒天またはトラガントなどが用いられることができる。
本発明の剤形が界面活性剤含有クレンジングの場合には、担体成分として、脂肪族アルコールサルフェート、脂肪族アルコールエーテルサルフェート、スルホコハク酸モノエステル、イセチオネート、イミダゾリニウム誘導体、メチルタウレート、サルコシネート、脂肪酸アミドエーテルサルフェート、アルキルアミドベタイン、脂肪族アルコール、脂肪酸グリセリド、脂肪酸ジエタノールアミド、植物油、ラノリン誘導体またはエトキシル化グリセリン脂肪酸エステルなどが用いられることができる。
本発明の別の様態によれば、本発明は上述した式(1)で表されるセコイリドイドグルコシド誘導体またはこれの加水分解産物を有効成分として含む脱毛改善または発毛促進用の機能性食品組成物を提供する。
本発明で用いられるセコイリドイドグルコシド誘導体については既に詳述したので、過度な重複を避けるためにその記載を省略する。
本発明の組成物が食品組成物に製造される場合、有効成分としてセコイリドイドグルコシド誘導体またはこれの加水分解産物だけでなく、食品製造時に通常添加される成分を含み、例えば、タンパク質、炭水化物、脂肪、栄養素、調味料及び香味料を含む。上述した炭水化物の例は、単糖類、例えば、ブドウ糖、果糖など;二糖類、例えば、マルトース、スクロース、オリゴ糖など;及び多糖類、例えば、デキストリン、シクロデキストリンなどのような通常の糖及び、キシリトール、ソルビトール、エリトリトールなどの糖アルコールである。香味料として天然香味料[タウマチン、ステビア抽出物(例えば、レバウジオシドA、グリチルリチンなど])及び合成香味料(サッカリン、アスパルテームなど)を使用することができる。
例えば、本発明の食品組成物がドリンク剤に製造される場合には、本発明の有効成分であるセコイリドイドグルコシド誘導体またはこれの加水分解産物以外に、クエン酸、異性化糖、砂糖、ブドウ糖、酢酸、リンゴ酸、果汁、トチュウ抽出液、ナツメ抽出液またはカンゾウ抽出液などをさらに含ませることができる。
以下、実施例を通じて本発明をより詳細に説明する。これら実施例は、単に本発明をより具体的に説明するためのものであって、本発明の要旨によって本発明の範囲がこれら実施例によって制限されないということは、当業界で通常の知識を有する者にとって自明であろう。
実施例1:オレウロペインの発毛促進効能
実験動物の飼育及び発毛剤の皮下注射
(1)試料の準備
ビヒクル(Vehichle)として使用されたコーン油と対照薬であるミノキシジルはシグマアルドリッチ(株)から購入し、試験物質であるオレウロペインはExtrasynthese(株)から購入した。
(2)実験動物の飼育
生後6週齢の雄C57BL/6Nマウス12匹をオリエントバイオ(株)から購入し、2週間飼育室の環境に適応させた後、陰性対照群(Con群)、陽性対照群(MXD群)及びオレウロペイン群(Ole群)の計3つの群に分けて実験に使用した。動物飼育室は温度21±2.0℃、相対湿度50±5%で、12時間ずつ昼夜を維持した。一般の固形飼料(chow)を自由に水とともに供給した。
(3)発毛剤の皮下注射及び肉眼的観察方法
発毛効果を調べるために、背中の肌色がピンクを呈する休止期体毛の8週齢のマウスを使用した。マウス用クリッパーを使用してマウス背中の毛を除去した後、その部位に注射器を用いて毎日0.1mL分量の試料を皮下注射した。試験物質であるオレウロペイン(0.8mg/0.1mL)と対照薬として使用されたミノキシジル(0.003mg/0.1mL)は皮下注射を実施する直前にコーン油に溶解させて使用し、陰性対照群にはビヒクル(コーン油)のみを皮下注射した。試料の投与は毎日午後4時に1回ずつ6週間実施した。
毛が伸びる状態を肉眼的に確認するために皮下注射を開始して1週、2週、3週、4週、5週及び6週が経過した時点で、エーテルで実験動物を軽く麻酔した後、背中部分を写真撮影した。毛が伸びた程度を評価するために定規を用いて毛の長さを測定した。
体重変化の測定
発毛剤の皮下注射直前から皮下注射が終了する時点まで実験動物の体重を毎週測定した。陰性対照群であるCon群と試験群であるOle群、そして陽性対照群であるMXD群の初期体重は群同士でいずれも有意的な差がなかったし、皮下注射6週後に測定された体重も実験群同士で有意的な差がなかった。
発毛状態及び毛の長さの変化の測定
(1)発毛の肉眼的特徴
マウスの背中部位に試料を6週間皮下注射しながら、毎週毛が伸びる様相を写真を撮って確認した。休止期(Telogen)に入っていったマウスは、除毛をしたとき、体表面の色がピンク色を呈した。試験を進行するにつれて体表面の色が黒色に変わって行く場合、毛周期が休止期から成長期(anagen)に戻ることを意味する。コーン油を皮下注射したマウスでは、6週後にもほとんど毛が伸びなかったが、Ole群では皮下注射3週目から毛が伸び始め、6週後には均一で旺盛に毛が伸びることを観察することができた。このようなオレウロペインの発毛促進効果は、対照薬であるミノキシジルよりもっと優れることが分かった(図1)。
(2)毛の長さの変化
各試料を6週間皮下注射する間に、毎週毛の長さを測定した。Ole群の毛の長さは皮下注射3週目から陰性対照群に比べて有意的に(P<0.05)増加し、6週後には陰性対照群に比べて62%増加した。陽性対照群であるMXD群の毛の長さは4週目まで陰性対照群と全然差がなかったし、5週以後に増加する傾向を見せたが、陰性対照群と有意的な差を示すことはできなかった(図2)。したがって、オレウロペインは毛髪の成長を促進する効果があり、このような効果は発毛剤として商用化されているミノキシジルよりも優れることを確認した。
背中の肌の組織学的分析
(1)組織学的分析法
皮下注射を実施してから6週後に、実験動物を剖検して皮下注射部位を中心に背中の肌組織試料をハサミと鉗子を用いて摘出した後、ホルマリンで固定した。段階別にアルコールとキシレンで脱水処理した後、パラフィンで包埋し、ミクロトームを用いて5μmの切片を作製し、さらにアルコールとキシレンでパラフィンを除去した。H&E(Hematoxylin & Eosin)染色を実施した後、光学顕微鏡で毛包組織の組織学的変化を観察した。病理検鏡担当者が検鏡して発毛周期を評価し、光学顕微鏡上で毛包(hair follicle)の数量及び直径を測定した。
(2)組織学的分析の結果
各群の肌組織をH&E染色した後、顕微鏡検査をして発毛周期を観察した結果を下記の表1に示す。試験物質を投与する前(非処理)に測定された肌発毛周期は全部休止期と観察されたので、本試験に使用された8週齢の試験動物は発毛効能評価モデルとしての条件を揃えたものと判断された。皮下注射を6週間実施した後、組織病理学的に発毛周期を評価した結果、陰性対照群の場合、1例で成長期段階が観察され、MXD群の場合、1例、そしてOle群の場合、2例が成長期段階にあるものと観察された。
各試験群の毛包数を40倍率の光学顕微鏡下で測定した結果を図3に示す。陰性対照群に比べてOle群とMXD群の場合、毛包の数が有意的に増加した。イメージ分析を通じて各試験群の毛包直径を評価した結果、陰性対照群に比べてOle群とMXD群で有意的に増加した。また、Ole群とMXD群では毛包が長くなって肌に表出されている現象を示し、このような現象は2つの物質の発毛促進効果と関連があるものと思われる。
実施例2:オレウロペインによるマウス肌組織の発毛関連遺伝子及びタンパク質発現の調節
肌組織を対象とした免疫組織化学的検査
(1)免疫組織学的分析法
肌組織で毛髪成長に係るIGF1とβ−カテニンの発現量を観察するために、IGF1とβ−カテにンに対する一次抗体をそれぞれ1:50で希釈した後、組織切片に加えて室温で12時間反応させた。一次抗体の希釈は0.1Mリン酸緩衝液(PB)に1%正常ヤギ血清(Vector Laboratories Inc.)と0.3% Triton X−100(Sigma)混合液を使用した。組織切片を室温で15分間2回、0.1M PBで洗浄し、さらに1:200で希釈された二次抗体[ビオチン化抗ラビットIgG(Vector Laboratories Inc.)]と1時間室温で反応させた。さらに0.1M PBで15分間2回の水洗過程を経た後、パーオキシダーゼが標識されたABC溶液に浸漬して、室温で1時間反応させた。その後、さらに0.1M PBで15分間2回水洗して30mgの3,3’−ジアミノベンジジンを150mLの0.1M PBに溶かした溶液で5分間反応させた後、過酸化水素を0.005%濃度で添加して約5分間褐色発色反応を行った。反応の終わった組織はさらに0.1M PBで数回水洗してヘマトキシリンで20秒間対比染色した後、通常の方法によって脱水と透明化を経た後、封入して光学顕微鏡で観察した。
(2)免疫組織学的分析の結果
現在まで男性ホルモン及び成長ホルモン以外にもWnt/β−カテニンなどのような細胞内シグナル伝逹活性因子などが毛髪成長及び脱落に役割をすることが明らかになっており、脱毛抑制及び毛髪成長促進用の薬物の開発において、このようなWnt/β−カテニンシグナル伝達物質をターゲットとして効能をスクリーニングする研究が進行されて来ている。本発明では毛包の発生及び毛髪成長に中枢的な役割をするものとされているWnt/β−カテニンシグナル伝逹系を活性化させる物質を見出して、脱毛防止及び発毛促進用の製品の素材として応用しようとした。
6週間の発毛促進剤の皮下注射によって背中の肌組織で発毛関連タンパク質の発現が変化したのかを確認するために、免疫組織化学的検査を行った。発毛を促進することに関与するWnt/β−カテニンシグナル伝達体系が活性化されたのかを確認するために、背中の肌組織でβ−カテニン発現量を免疫組織化学的方法で調べた結果、Ole群の場合、陰性対照群に比べてβ−カテニンがより多く検出されたことを観察することができた。また、発毛促進成長因子であるIGF1タンパク質の発現量を免疫組織化学的方法で肌組織で調べた結果、Ole群の場合、陰性対照群に比べてIGF1がより多く検出された。このようなオレウロペインによるβ−カテニン及びIGF1発現増加の効果は、ミノキシジルに比べてより優れたものと観察された(図4)。
肌組織で発毛関連遺伝子の発現調節
(1)Trizol methodを用いたRNA分離方法
実験動物の肌組織で総RNAを分析定量するために、肌組織50〜100mgにTrizol溶液1mLを入れて均質化した後、4℃、12,000×gで10分間遠心分離した。上層液を新しいチューブに移した後、クロロホルム200μLを添加して、ボルテックスした。この過程を二回繰り返した後、上層液を新しいチューブに移した後、イソプロパノールと上層液を1:1の割合で添加した。10回強く振ってから室温で10分間放置した後、12,000×g、4℃で10分間遠心分離させた後、上層液を除去し、残りの沈殿物に70%エタノール 1mLを加えた後、7,500g、4℃で5分間遠心分離した。エタノールを除去した後、RNA沈殿物が入れられたチューブを室温で5分間乾燥させ、核酸加水分解酵素のない水(nuclease free water)を使用してRNA沈殿物を溶解させた。UV/VIS分光光度計(Beckman coulter, DU730)を用いて260nm及び280nm波長で抽出されたRNA試料の濃度を測定し、アガロースゲル電気泳動を行ってRNA試料の保全(integrity)を確認した。
(2)RT−PCR(Reverse Transcription−Polymerase Chain Reaction)法
RNAを分離した後、オリゴdTプライマーとSuperscript逆転写酵素(GIBCOBRL, Gaithersburg, MD,USA)を用いて逆転写を行うことにより、cDNAを合成した。逆転写を通じて得たcDNAを鋳型とし、増幅しようとする遺伝子のcDNAの5’と3’フランキング配列(flanking sequence)をプライマーとして使用してPCRを行った。このとき必要なプライマーは(株)バイオニアに合成を依頼して使用し、これらプライマー配列は下記の表2に示す。10×反応緩衝液[100mM KCl, 20mM Tris−HCl(pH8.0), 2.5mM MgCl] 5μL、10mM dNTP 4μL、0.2μM センス及びアンチセンスプライマーをそれぞれ1μL入れた混合物に2μLのcDNAを反応させた反応混合液と2.5unitのTaqポリメラーゼ(Takara, Japan)を入れた後、蒸溜水で50μLに定容し、PCR機器を用いてPCRを行った。PCR条件は94℃(4分)、94℃(30秒)、30サイクルの[52℃(30秒)、72℃(45秒)]、そして72℃(10分)に設定した。増幅された産物1μLを1%アガロースゲルに電気泳動してDNAバンドを確認することで、遺伝子発現量を評価した。
(3)発毛関連遺伝子の発現調節の結果
6週間物質を皮下注射したマウスの背中の肌組織で発毛関連遺伝子の発現変化を評価するために、RT−PCRを行った。発毛促進メカニズムと知られているWnt/β−カテニンシグナル伝達物質の発現変化を調べた結果、Wnt10bとWnt10bの受容体であるFZDR(frizzled receptor 1)、そしてLRP5(low−density lipoprotein receptor−related protein 5)の発現がOle群で陰性対照群に比べて有意的に増加した。これによって、Wnt10bによって発現が抑制されるGSK3β(glycogen synthase kinase 3β)とAxinはOle群で陰性対照群に比べて有意的に減少した。Wnt/β−カテニンシグナル伝達体系の活性化によってβ−カテニンの発現がOle群で陰性対照群に比べて有意的に増加した。
また、オレウロペインの発毛促進作用機序を調べるために、毛髪成長に影響を及ぼす内分泌系因子の発現変化を評価した。背中の肌組織で発毛促進に影響を与える成長因子であるIGF1(insulin−like growth factor 1)、VEGF(vascular endothelial growth factor)、HGF(hepatocyte growth factor)、そしてKGF(keratocyte growth facfor)の遺伝子発現量を評価した結果、3つの遺伝子いずれもOle群で陰性対照群に比べて発現が有意的に増加した(図5)。したがって、オレウロペインは毛包の長さ成長を加速化することで毛包が成長期に戻るように活性化させ、併せて肌組織でIGF1、HGF、VEGF及びKGFの発現を増加させることで毛髪の再成長を促進するものと見られる。
以上、本発明の特定の部分を詳細に記述したが、当業界の通常の知識を有する者にとってこのような具体的な記述は単に好ましい実現例に過ぎず、これに本発明の範囲が制限されないことは明らかである。したがって、本発明の実質的な範囲は、添付の請求項とそれの等価物によって定義されると言える。

Claims (2)

  1. 精製した下記式(2)で表されるセコイリドイドグルコシド(secoiridoid glucoside)誘導体からなることを特徴とする発毛促進剤
  2. 精製した下記式(2)で表されるセコイリドイドグルコシド(secoiridoid glucoside)誘導体からなることを特徴とするIGF−1(Insulin−like growth factor 1)発現増加剤、VEGF(vascular endothelial growth factor)発現増加剤、HGF(hepatocyte growth factor)発現増加剤、KGF(keratocyte growth facfor)発現増加剤またはβ−カテニン発現増加剤。
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