JP6142574B2 - 膜分離活性汚泥装置における膜間差圧の上昇を抑制する方法 - Google Patents
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Description
しかしながら、膜分離活性汚泥法においては、活性汚泥処理した処理水に膜閉塞を発生させる物質が含まれていると、分離膜の細孔を閉塞させ、分離膜を目詰まりさせて、膜間差圧を上昇させることがあった。
世界的に水の需要が増しており、再生水の必要性が一層高まり、低コストで維持管理が容易で効率的な水処理方法の開発が求められている。
例えば、膜分離活性汚泥装置の分離膜面上の流れに凝集剤を未反応で新鮮な状態でかつ高濃度に存在させる方法がある(特許文献1)。
また、水溶性重合体からなる高分子凝集剤や塩化第二鉄、硫酸バンドなどからなる無機凝集剤に活性炭を併用して膜分離活性汚泥装置に添加する方法(特許文献2)、制御装置を用いてアルミニウム系の無機凝集剤を膜分離活性汚泥装置に添加して膜間差圧の上昇を抑制する方法(特許文献3)もある。
本発明の目的は、膜分離活性汚泥装置において、活性汚泥処理がなされた処理水への水溶性重合体の添加方法を改良し、膜間差圧の上昇を安定的に抑制する方法を提供することにある。
[1]被処理水を導入し該被処理水の有機物を活性汚泥と共に曝気処理し、凝集剤の添加された活性汚泥混合液を分離膜で固液分離する機能を備えた膜分離活性汚泥装置において、吸引ポンプによって分離膜に与えられる膜間差圧の上昇を抑制する方法であって、未使用の分離膜および洗浄により未使用時の初期膜間差圧+10kPa以下の分離膜を用い、分離膜で分離される以下の測定方法で求められる濃縮スラッジの変形率が30%以下となるようにカチオン性重合体および両性重合体の少なくとも一方の水溶性重合体を膜分離活性汚泥装置に70〜100mg/L添加することを特徴とする、膜分離活性汚泥装置における膜間差圧の上昇を抑制する方法。
<濃縮スラッジの変形率の測定方法>
水溶性重合体を添加し混合した汚泥300mLを48メッシュのナイロン製のろ布の上に載せた内径が36mmからなる透明なろ過筒でろ過する。ろ液が無くなったときのスラッジの高さをAcmとし、ろ過筒を取り除いた後のスラッジの高さをBcmとし、以下の式により変形率を求める。
濃縮スラッジ変形率(%)=(1−B/A)×100
分離膜の形状は、平膜、管状膜あるいは中空糸膜などいずれの形でも構わない。材質は、セルロース系、ポリオレフィン系、ポリビニルアルコール系、ポリメチルメタクリレート系、ポリスルフォン系、ポリフッ化ビニリデン系等の各種材料からなるものが使用できる。
処理水の引き抜きは、分離膜の二次側(下流側)をポンプで吸引することによって行われる。引き抜きの際、処理水は分離膜を通過するが、フロック等の粒状物は通過しにくくなっている。そのため、処理水の引き抜きによって固液分離できるようになっている。
膜閉塞原因物質による膜閉塞によって引き抜き速度を高められず、0.1〜1.0m/日となる場合には、本発明による膜閉塞の抑制効果は顕著となる。
「カチオン性重合体」とは、カチオン性単量体単位を有する重合体のことであり、カチオン性単量体単位のみであってもよいし、ノニオン性単量体単位を有してもよい。また、「カチオン性重合体」は、上記一般式(1)及びまたは上記一般式(2)で表されるアミジン構造単位を有するカチオン性重合体であってもよい。
「両性重合体」とは、カチオン性単量体単位およびアニオン性単量体単位を有する重合体のことであり、カチオン性単量体単位およびアニオン性単量体単位のみであってもよいし、ノニオン性単量体単位を有してもよい。
また、X−、Y−は各々独立して陰イオンであるが、全てが同一であってもよいし、異なっていてもよい。一般式(1)及び(2)において、X−,Y−で表される陰イオンとしては、具体的には、Cl−、Br−、1/2SO4 2−、CH3(CO)O−、H(CO)O−などが挙げられる。
具体的には、各単量体単位を、重合開始剤の存在下で公知の方法で重合することにより製造することができる。重合開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸2,2’−アゾビズ−2−アミジノプロパン塩酸塩等のラジカル開始剤が挙げられる。重合方法としては、特に制限されず、水溶液重合、光重合、懸濁重合、エマルション重合等の方法を適用することができる。
カチオン性重合体が、アミジン構造単位を有するカチオン性重合体である場合には、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミドなどのN−ビニルカルボン酸アミドと、アクリロニトリルまたはメタアクリロニトリルのニトリル類とを塊状重合、水溶液沈殿重合、懸濁重合、乳化重合等の公知の方法で共重合した後、酸加水分解し、共重合により得られた共重合体中のシアノ基と一級アミノ基とを反応させてアミジン化する方法により製造できる。
さらに、カチオン性重合体の中でも、膜閉塞原因物質との相互作用がより強いことから、アミジン構造単位を主成分とするカチオン性重合体が好ましい。アミジン構造は荷電密度が高く疎水的であるため、膜閉塞原因物質や活性汚泥と強固なフロックを形成し、分離膜との相互作用も低くなるため、膜の目詰まりをより防止でき、膜間差圧上昇をより抑制できる。
水溶性重合体を添加し混合した汚泥300mLを48メッシュのナイロン製のろ布の上に載せた内径が36mmからなる透明なろ過筒でろ過する。ろ液が無くなったときのスラッジの高さをAcmとし、ろ過筒を取り除いた後のスラッジの高さをBcmとし、以下の式により変形率を求める。
濃縮スラッジ変形率(%)=(1−B/A)×100
また、水溶液の形態では、水溶性重合体の溶解性を向上させ、また、水溶液の保存安定性を向上させるために、固体酸を添加しても構わない。固体酸としては、スルファミン酸等が挙げられる。
膜閉塞原因物質の1つである糖の濃度が汚泥中に10mg/L以上存在すると、膜閉塞が生じやすく、水溶性重合体の添加による抑制効果を発揮しやすい。一方、汚泥中の糖の濃度が前記下限以下であれば、膜閉塞が発生しにくい。
また、膜閉塞原因物質の存在の指標としてろ紙ろ過量が知られている。ろ紙ろ過量とは、50mLの汚泥をろ過したときに5分間にろ紙を通過するろ過量であり、この値が20mL以下では、膜閉塞原因物質による膜閉塞を生じやすく、本方法が効果的である。
一方、ろ過量が前記上限以上であれば、膜閉塞は発生しにくい。
また、膜閉塞が進行した状態で水溶性重合体を添加しても、膜間差圧の上昇は効果的に抑制できない。これは、水溶性重合体により糖、蛋白質等の有機性コロイド、溶解性有機物質などを除去し、また膜閉塞原因物質の放出を抑えても、既に膜表面に形成されている付着物に対するその他の物質の付着は抑制できないためと考えられる。
カチオン性重合体および両性重合体を脱塩水に溶解し、pH=3.0において、トルイジンブルーを指示薬として、1/400規定のPVSK(ポリビニル硫酸カリウム)水溶液により滴定した。
カチオン性重合体および両性重合体の2.5gを4%NaCl水溶液に溶解し、0.5%ポリマー水溶液の500gを調製した。B型粘度計(東機産業社製)を用い、温度25℃、回転速度60rpmの条件で、前記0.5%ポリマー水溶液の攪拌を開始してから5分後の0.5%塩粘度を測定した。
実施例および比較例では、膜分離活性汚泥に添加する水溶性重合体として、カチオン性重合体または両性重合体を用いた。
また、カチオン性重合体としては、ジメチルアミノエチルメタクリレートのメチルクロライド4級塩の単独重合体であるKP201G(ダイヤニトリックス(株)カチオン当量3.9meq/g 0.5%塩粘度 16mPa・s)、または、アミジン重合体を主成分とするKP7000(ダイヤニトリックス(株)カチオン当量5.4meq/g 0.5%塩粘度 7mPa・s)を用いた。
また、両性重合体としては、ジメチルアミノエチルメタクリレートのメチルクロライド4級塩とジメチルアミノエチルアクリレートのメチルクロライド4級塩とアクリルアミドとアクリル酸の共重合体であるKA405D(ダイヤニトリックス(株)カチオン当量2meq/g 0.5%塩粘度 25mPa・s)を用いた。
以下の試験例(実施例及び比較例)において、水溶性重合体の膜分離活性汚泥に添加量を決めるため、以下の方法により、濃縮スラッジ変形率を測定した。
水溶性重合体を添加し混合した汚泥300mLを48メッシュのナイロン製のろ布の上に載せた内径が36mmからなる透明なろ過筒でろ過する。ろ液が無くなったときのスラッジの高さをAcmとし、ろ過筒を取り除いた後のスラッジの高さをBcmとし、以下の式により変形率を求める。
濃縮スラッジ変形率(%)=(1−B/A)×100
以下の試験例(実施例及び比較例)において、水溶性重合体の添加による膜間差圧上昇抑制効果の評価は、膜分離活性汚泥装置において一定の通水量で膜濾過した際の膜間差圧上昇速度を計測することにより行った。その結果を表1、2、3および4にそれぞれ示す。
糖濃度とは、水に溶存、またはコロイド状で存在する多糖類濃度を示すものであり、紫外可視分光光度計(島津サイエンス(株)製 UV−3100)により490nm付近の吸光度を測定し、標準液による検量線から算出した。
汚泥中の糖濃度の測定は、次のように実施した。すなわち、採取した汚泥を孔径0.45μmのシリンジフィルター(Whatman(社)製 25mmGD/X Sterile Syringe Filters)によりフィルターろ過して得られた処理液について、全糖濃度の測定を常法;フェノール硫酸法[Hodge,J.E.and Hofreiter,B.T., Method in Carbohydrate Chemistry,1,338(1962)]に準じて実施した。
ろ紙ろ過量とは、径185mmの5Cろ紙(ADVANTEC社製)を16折りとし、漏斗に入れて50mlメスシリンダーに装着した後、ろ過流束低下原因物質除去後の汚泥50mlを流し入れ、5分後のろ過量を測定した。
使用後に取り出した膜を濃度0.3%となるよう調整した次亜塩素酸水1Lに20時間浸漬した後、膜を取り出して、これを水道水ですすいだ。すすぎ終わった膜を未使用品の膜を同じ流速で処理水を引抜いた際に、未使用時の初期膜間差圧+10kPa以下の膜間差圧の範囲となることを確認して、膜の洗浄完了を判断し未閉塞の膜とした。なお、未使用品の膜間差圧は2.0kPaであった。
中空糸精密ろ過膜(三菱レイヨン(株)製、ポリフッ化ビニリデン製「SADF膜」)を幅0.088mに19本均等に配置し、該中空糸精密ろ過膜の両端を環状支持体に接続した未閉塞の膜モジュール(有効膜長さ0.077m、膜面積0.0012m2)を用意した。その膜モジュールを、膜長さ方向が鉛直方向に沿うように、曝気槽(横幅0.2m、奥行き0.1m、高さ0.35m)の内部の、散気管の上方に設置して、膜分離活性汚泥装置とした。
MLSSが5000mg/L、糖濃度10mg/L、ろ紙ろ過量が10mL/5分のA社の化学工場排水処理設備の活性汚泥(pH6.7)を採取し、KP7000の0.3質量%の水溶液を活性汚泥全量当たり100mg/L添加したところ、活性汚泥の濃縮スラッジの変形率が10%であった。この活性汚泥を膜分離化成汚泥装置に4000mL充填し、曝気量9L/分として、KP7000の0.3質量%の水溶液を活性汚泥全量当たり100mg/L添加して、化学工業排水を流速0.42m/日となるよう供給を開始した。このときの膜間差圧は2.2kPaであった。添加後1日目及び14日目の膜間差圧を測定した。それぞれの時点での測定は、圧力センサ((株)キーエンス製、AP−10S(達成圧型))を用いて計測し、各1日での差圧上昇値を24時間で除した値を膜間差圧上昇速度として求めた。
KP7000の0.3質量%の水溶液を活性汚泥全量当たり70mg/L(活性汚泥の濃縮スラッジの変形率25%)添加した以外は実施例1と同様に行った。化学工業排水の供給を開始した時の膜間差圧は2.1kPaであった。
KP7000の0.3質量%の水溶液を活性汚泥全量当たり40mg/L(活性汚泥の濃縮スラッジの変形率40%)添加した以外は実施例1と同様に行った。化学工業排水の供給を開始した時の膜間差圧は2.1kPaであった。
しかしながら、14日目よりも前に膜間差圧が50kPa以上となり、一定量の処理水の引抜きが不可能となったため実験を中止した。
KP7000の0.3質量%の水溶液を活性汚泥全量当たり20mg/L(活性汚泥の濃縮スラッジの変形率60%)添加した以外は実施例1と同様に行った。化学工業排水の供給を開始した時の膜間差圧は2.0kPaであった。
しかしながら、14日目よりも前に膜間差圧が50kPa以上となり、一定量の処理水の引抜きが不可能となったため実験を中止した。
水溶性重合体を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様に行った。化学工業排水の供給を開始した時の膜間差圧は2.1kPaであった。
しかしながら、14日目よりも前に膜間差圧が50kPa以上となり、一定量の処理水の引抜きが不可能となったため実験を中止した。
また、濃縮スラッジの変形率が40%(活性汚泥全量当たり20mg/L)、60%(40mg/L)となるように水溶性重合体としてKP7000を用いた比較例2および3は、水溶性重合体としてKP7000を用いなかった比較例3と同じく、膜間差圧上昇速度が速かった。
実施例1と同じA社の化学工場排水処理設備の活性汚泥(pH6.7)を採取し、KP7000の0.3質量%の水溶液を活性汚泥全量当たり100mg/L添加したところ、活性汚泥の濃縮スラッジの変形率が10%であった。この活性汚泥を実施例1と同じ膜分離化成汚泥装置に4000mL充填し、曝気量9L/分として、KP7000の0.3質量%の水溶液を活性汚泥全量当たり100mg/L添加して、化学工業排水を流速0.42m/日となるよう供給を開始した。このときの膜間差圧は2.3kPaであった。添加後1日目及び14日目の膜間差圧を測定した。それぞれの時点での測定は、圧力センサ((株)キーエンス製、AP−10S(達成圧型))を用いて計測し、各1日での差圧上昇値を24時間で除した値を膜間差圧上昇速度として求めた。
KP201Gの0.3質量%の水溶液を活性汚泥全量当たり100mg/L(活性汚泥の濃縮スラッジの変形率20%)添加した以外は実施例1と同様に行った。化学工業排水の供給を開始した時の膜間差圧は2.1kPaであった。
KA405Dの0.3質量%の水溶液を活性汚泥全量当たり100mg/L(活性汚泥の濃縮スラッジの変形率30%)添加した以外は実施例1と同様に行った。化学工業排水の供給を開始した時の膜間差圧は2.2kPaであった。
KP201GおよびKA405Dを0.3質量%の水溶液状を活性汚泥全量当たり各50mg/Lずつ(活性汚泥の濃縮スラッジの変形率25%)順次添加してから、処理水引き抜きを再開した以外は実施例1と同様に行った。化学工業排水の供給を開始した時の膜間差圧は2.1kPaであった。
水溶性重合体を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様に行った。化学工業排水の供給を開始した時の膜間差圧は2.3kPaであった。しかしながら、14日目よりも前に膜間差圧が50kPa以上となり、一定量の処理水の引抜きが不可能となったため実験を中止した。
水溶性重合体を添加した時の膜間差圧が12.3kPaであったこと以外は実施例3と同様に行った。
水溶性重合体を添加した時の膜間差圧が12.1kPaであったこと以外は実施例4と同様に行った。
水溶性重合体を添加した時の膜間差圧が12.2kPaであったこと以外は実施例5と同様に行った。
水溶性重合体を添加した時の膜間差圧が12.1kPaであったこと以外は実施例6と同様に行った。
水溶性重合体を添加しなかったこと以外は、実施例7と同様に行った。膜間差圧が12.3kPaの時から14日目よりも前に膜間差圧が50kPa以上となり、一定量の処理水の引抜きが不可能となったため実験を中止した。
また、水溶性重合体としてKP7000を用いた実施例3および実施例7は、水溶性重合体としてKP7000を用いなかった実施例4,5、6、8、9および10よりも、膜間差圧上昇速度が低く、14日目でも差圧は小さかった。
水溶性重合体を添加しなかった比較例4および5では、膜間差圧上昇速度が速かった。
実施例1と同じA社の化学工場排水処理設備の活性汚泥(pH6.7)を採取し、KP7000の0.3質量%の水溶液を活性汚泥全量当たり100mg/L添加したところ、活性汚泥の濃縮スラッジの変形率が10%であった。この活性汚泥を実施例1と同じ膜分離化成汚泥装置に4000mL充填し、曝気量9L/分として、化学工業排水を流速0.42m/日となるよう供給を開始した。膜間差圧20kPaとなった時に、KP7000の0.3質量%の水溶液を活性汚泥全量当たり100mg/L添加した。添加後1日目の膜間差圧は43.8kPa、膜間差圧上昇速度は1.2kPa/時であった。次いで、引き抜きを停止し、未閉塞の膜(膜間差圧2.1kPa)に交換後に引き抜きを再開し、添加後2日目および膜交換後17日目の膜間差圧上昇速度を測定すると、それぞれ0.015kPa/時、0.025kPa/時と低く抑えられていた。
水溶性重合体を添加後1日目に膜を交換しなかったこと以外は、実施例11と同様に行った。しかしながら、添加後1日目以降に膜間差圧が50kPa以上となり、一定量の処理水の引抜きが不可能となったため実験を中止した。
一方、曝気槽への水溶性重合体を添加したが、膜を交換せずに継続した比較例3では、膜間差圧上昇速度が速かった。
MLSSが4000mg/L、糖濃度15mg/L、ろ紙ろ過量が5mL/5分のB社の化学工場排水処理設備の活性汚泥(pH6.7)を採取し、KP7000の0.3質量%の水溶液を活性汚泥全量当たり100mg/L添加したところ、活性汚泥の濃縮スラッジの変形率が15%であった。この活性汚泥を実施例1と同じ膜分離化成汚泥装置に4000mL充填し、曝気量9L/分として、KP7000の0.3質量%の水溶液を活性汚泥全量当たり100mg/L添加して、化学工業排水を流速0.42m/日となるよう供給を開始した。このときの膜間差圧は2.3kPaであった。添加後1日目及び14日目の膜間差圧を測定した。
KP201Gの0.3質量%の水溶液を活性汚泥全量当たり100mg/L(活性汚泥の濃縮スラッジの変形率20%)添加した以外は実施例1と同様に行った。化学工業排水の供給を開始した時の膜間差圧は2.2kPaであった。
KA405Dの0.3質量%の水溶液を活性汚泥全量当たり100mg/L(活性汚泥の濃縮スラッジの変形率30%)添加した以外は実施例1と同様に行った。化学工業排水の供給を開始した時の膜間差圧は2.1kPaであった。
KP201GおよびKA405Dを0.3質量%の水溶液状を活性汚泥全量当たり各50mg/Lずつ(活性汚泥の濃縮スラッジの変形率25%)順次添加してから、処理水引き抜きを再開した以外は実施例1と同様に行った。化学工業排水の供給を開始した時の膜間差圧は2.1kPaであった。
水溶性重合体を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様に行った。化学工業排水の供給を開始した時の膜間差圧は2.4kPaであった。しかしながら、14日目よりも前に膜間差圧が50kPa以上となり、一定量の処理水の引抜きが不可能となったため実験を中止した。
水溶性重合体を添加した時の膜間差圧が12.3kPaであったこと以外は実施例3と同様に行った。
水溶性重合体を添加した時の膜間差圧が12.2kPaであったこと以外は実施例3と同様に行った。
水溶性重合体を添加した時の膜間差圧が12.1kPaであったこと以外は実施例3と同様に行った。
水溶性重合体を添加した時の膜間差圧が膜間差圧は12.1kPaであったこと以外は実施例3と同様に行った。
水溶性重合体を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様に行った。膜間差圧が12.4kPaの時から14日目よりも前に膜間差圧が50kPa以上となり、一定量の処理水の引抜きが不可能となったため実験を中止した。
また、水溶性重合体としてKP7000を用いた実施例12および実施例16は、水溶性重合体としてKP7000を用いなかった実施例13,14、15、17、18および19よりも、膜間差圧上昇速度が低く、14日目でも差圧は小さかった。
水溶性重合体を添加しなかった比較例7および8では、膜間差圧上昇速度が速かった。
Claims (2)
- 被処理水を導入し該被処理水の有機物を活性汚泥と共に曝気処理し、凝集剤の添加された活性汚泥混合液を分離膜で固液分離する機能を備えた膜分離活性汚泥装置において、吸引ポンプによって分離膜に与えられる膜間差圧の上昇を抑制する方法であって、未使用の分離膜および洗浄により未使用時の初期膜間差圧+10kPa以下の分離膜を用い、分離膜で分離される以下の測定方法で求められる濃縮スラッジの変形率が30%以下となるようにカチオン性重合体および両性重合体の少なくとも一方の水溶性重合体を膜分離活性汚泥装置に70〜100mg/L添加することを特徴とする、膜分離活性汚泥装置における膜間差圧の上昇を抑制する方法。
<濃縮スラッジの変形率の測定方法>
水溶性重合体を添加し混合した汚泥300mLを48メッシュのナイロン製のろ布の上に載せた内径が36mmからなる透明なろ過筒でろ過する。ろ液が無くなったときのスラッジの高さをAcmとし、ろ過筒を取り除いた後のスラッジの高さをBcmとし、以下の式により変形率を求める。
濃縮スラッジ変形率(%)=(1−B/A)×100
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