JP6142171B2 - フリル付タオル - Google Patents

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本発明は、フリルの付いたタオルに関する。
フリルのついたタオルは、身体洗浄時に泡立ち性に優れ肌触りが良いことから浴用タオルとして適しており、これまで種々提案されている。例えば、特許文献1には、長方形状の布地において、長手方向に直角方向(上下方向)に布地をS字状に折り畳んで布地の両面に折り山を形成し、折り重なった部分のほぼ中心を上下方向にギャザーをよせ、または細めの帯状の布地を挟んでギャザーをよせ(又は弾性体を入れて)縫い合わせて、上記折り山が布地の両面にフリル状の襞を布地の長手方向に近接して又は適宜間隔をあけて複数個所設けたタオルが提案されている。このタオルにあっては、身体洗浄時抵抗があり、薄い布地でも襞の腰が強く肌を押し付ける感触が得られ、押圧感(コシ)、摩擦感があり、洗い心地がよく、また、凹凸が多いので繰り返し左右に引っ張ることで摩擦効果を高め、泡立ちが増す効果がある、とされている。
また、特許文献2には、タオル本体の両側縁部及び両端縁部全体に、外周縁部がタオル本体の外周縁から外方に突出するように両側縁及び両端縁外周フリルを設けたボディータオルにおいて、前記フリルを、タオル本体の表裏に設けたボディータオルが提案されている。このボディータオルにあっては、フリルをタオル本体の表裏両面に設けているので、十分なボリュームがあり、泡立ちも良好であって、表裏両面において、垢摺用のみならず身体洗浄用のボディータオルとして、十分な効果が得られる、とされている。
また、特許文献3には、一定の幅方向の列をコースとし、その幅方向と直交する方向の列をウェールとして編まれるタオル本体を有し、そのタオル本体の表裏両側のうちの少なくとも片側に、タオル本体から突出したフリルが、編まれることで形成されているタオルが提案されている。このタオルにあっては、フリルが、タオル本体を編んで形成するときに同時に編むことで形成され、フリルとタオル本体とが一体的に編まれているので、フリルの基端側がタオル本体に編み込まれて表面に表れずに見栄えがよく、しかもフリルを縫い付ける必要がないので、糸解けによるフリルの消失が起こり難いものになる、とされている。
特開2012−152528号公報 実用新案登録第3123166号公報 特開2007−97882号公報
特許文献1に開示されたタオルにあっては、布地をS字状に折り畳んで布地の両面に折り山を形成し、折り重なった部分のほぼ中心を上下方向にギャザーを寄せた状態としてこの部分を縫い合わせることによりフリルを形成しているが、その縫製作業はいたって煩瑣であるため、自ずと生産効率が低くならざるを得ず、また、使用を重ねるうちに上記縫い合わせ部分の糸解けが生じる虞が多分にあり、糸解けが生じるとフリルが消失してしまい、フリル付タオルの体をなさなくなるといった不都合があった。
また、特許文献2に開示されたボディータオルにあっても、フリルをタオル本体に縫着により設けるものであるため、特許文献1のタオルと同様の不都合があった。
一方、特許文献3に開示されたタオルにあっては、フリルをタオル本体に縫着するのではなく、タオル本体を編んで形成するときにフリルを同時に編んでいるため、特許文献1や特許文献2における上記したような不都合はない。しかしながら、フリルは単にタオル本体と同時に編むことで形成していることから、フリルに、特許文献1や特許文献2のタオルでは形成し得たギャザーが無いため、使用時に押圧感(コシ)や摩擦感に乏しく、また、泡立ちの効果がさして得られないといった不都合があった。
本発明は、係る点に鑑みて創案されたものであり、その目的とするところは、縫製作業に依ることなく編成工程だけで形成することができ、使用時の押圧感(コシ)や摩擦感に優れ、泡立ちの効果の大きい、ギャザーを有するフリル付のタオルを提供することを目的とする。
上記した目的を達成するため、本発明に係るフリル付タオルは、ウエール方向に並列して延びる合成繊維よりなる鎖編目列に対して、コース方向に1列又は複数列離れた鎖編目列との間にわたり、合成繊維よりなる緯挿入糸がジグザグ状に折り返し挿入されて、タオル本体となる経編基布が編成されるとともに、ウエール方向に並列して延びる合成繊維よりなる鎖編目列に対して、コース方向に1列又は複数列離れた鎖編目列との間にわたり、合成繊維よりなる緯挿入糸がジグザグ状に折り返し挿入されて、フリルとなる細幅の経編布片が複数編成され、且つ、それら各経編布片の一側縁において、ウエール方向に延びるゴム繊維よりなる1列又は複数列のフリル止着用鎖編目列が配設され、このフリル止着用鎖編目列により各フリルの一側縁がそれぞれ前記経編基布に止着された状態で前記経編基布と前記各経編布片とが一体的に編成されたことを特徴とするものである。
このような特定事項によれば、フリル及びタオル本体の編成と、タオル本体とフリルとの一体化とが同時に行い得るとともに、フリルの一側縁をタオル本体に止着するフリル止着用鎖編目列がゴム繊維よりなることから、このゴム繊維によりフリルのギャザーもタオル本体とフリルの編成と同時に形成されるため、ギャザーを有するフリル付のタオルの製作にあたり、縫製作業を廃し、編成工程だけとすることができる。また、縫製作業が不要であるから、従来技術でみられたような、使用を重ねるうちにフリルとタオル本体との縫合部分の糸解けが生じる、といった虞が全くない。しかも、フリルはギャザーを有しているため、使用時の押圧感(コシ)や摩擦感に優れ、泡立ちの効果が高いものとなる。
本発明によれば、縫製作業に依ることなく編成工程だけで形成することができ、使用時の押圧感(コシ)や摩擦感に優れ、泡立ちの効果の大きい、ギャザーを有するフリル付のタオルを提供することができる。
図1は、本発明に係るフリル付タオルの一実施形態を示す斜視図である。 図2は、図1に示すフリル付タオルの部分組織図であり、フリル1枚分に相当する領域のみを示している。 図3は、図1に示すフリル付タオルの経編基布の鎖編目列を示す組織分解図であり、フリル1枚分に相当する領域のみを示している。 図4は、図1に示すフリル付タオルの経編基布の緯挿入糸を示す組織分解図であり、フリル1枚分に相当する領域のみを示している。 図5は、図1に示すフリル付タオルの経編布片の鎖編目列を示す組織分解図であり、フリル1枚分に相当する領域のみを示している。 図6は、図1に示すフリル付タオルの経編布片の緯挿入糸を示す組織分解図であり、フリル1枚分に相当する領域のみを示している。 図7は、図1に示すフリル付タオルの経編基布に経編布片を止着するフリル止着用鎖編目列を示す組織分解図であり、フリル1枚分に相当する領域のみを示している。
以下、本発明に係るフリル付タオルの一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1〜図7に本発明の一実施形態を示す。図1は、本実施形態に係るフリル付タオルを示す斜視図、図2は、その部分組織図、図3は、フリル付タオルの経編基布の鎖編目列を示す組織分解図、図4は、その経編基布の緯挿入糸を示す組織分解図、図5は、フリル付タオルの経編布片の鎖編目列を示す組織分解図、図6は、その経編布片の緯挿入糸を示す組織分解図、図7は、フリル付タオルの経編基布に経編布片を止着するフリル止着用鎖編目列を示す組織分解図である。なお、図2〜図7は、フリル1枚分に相当する領域のみを示している。
このフリル付タオル1は、図1に示すように、タオル本体2の一面に複数枚(図示例では17枚)のフリル3…がタオル本体2と一体的に編成されるとともに、各フリル3にそれぞれギャザー4が形成されたものであって、このような形態により、浴用タオルとして使用した場合、使用時の押圧感(コシ)や摩擦感に優れ、泡立ちの効果の大きいものとなっている。
具体的には、フリル付タオル1は、ウエール方向に並列して延びる合成繊維よりなる鎖編目列5(図2及び図3参照)に対して、コース方向に1列離れた鎖編目列5との間にわたり、合成繊維よりなる緯挿入糸6がジグザグ状に折り返し挿入されて(図2及び図4参照)、タオル本体2となる経編基布20が編成されるとともに、ウエール方向に並列して延びる合成繊維よりなる鎖編目列7(図2及び図5参照)に対して、コース方向に1列離れた鎖編目列7との間にわたり、合成繊維よりなる緯挿入糸8がジグザグ状に折り返し挿入されて(図2及び図6参照)、フリル3となる細幅の経編布片30が複数(図示例では17枚)編成され、且つ、それら各経編布片30の一側縁9において、ウエール方向に延びるゴム繊維よりなる2列のフリル止着用鎖編目列10、10が配設され(図2及び図7参照)、このフリル止着用鎖編目列10、10により各フリル3の一側縁9がそれぞれ経編基布20に止着された状態で経編基布20と各経編布片30とが一体的に編成されたものである(図2参照)。生産過程では、例えばラッセル編み機により、図1において示す矢符Xの方向にフリル付タオル1の原反が編成されていくので、この原反をその幅方向(矢符Xの方向と直交する方向)に裁断するとともに、裁断した縁をかがり縫い11し、これによってフリル付タオル1が得られる。そして各フリル3には、上記フリル止着用鎖編目列10、10のゴム繊維の収縮力によってギャザー4が形成される。
上記タオル本体2及びフリル3の各鎖編目列5、7を構成する地糸並びに上記各緯挿入糸6、8としては、例えば、ポリエステル繊維糸又はナイロン繊維糸を採用することができるが、身体洗浄用に適した繊維であればそれら例示したものに限らない。なお、上記実施形態では、各緯挿入糸6、8は、それぞれコース方向に1列離れた鎖編目列5、7との間にわたり挿入されているが、コース方向に複数列離れた鎖編目列5、7との間にわたり挿入されていてもよい。
本実施形態では、フリル3同士が隣接するようにしているが、これに限らず、フリル3は相互に適宜の間隔をあけて設けてもよい。また、フリル3はタオル本体2の一方の面だけに限らず、タオル本体2の両面に設けてもよい。その場合、タオル本体2を挟んでフリル3が互い違いになるように、あるいは、タオル本体2を挟んで対称になるように設けてもよい。
以上説明したように、上記のフリル付タオル1は、フリル3及びタオル本体2の編成と、タオル本体2とフリル3との一体化とが同時に行い得るとともに、フリル3の一側縁9をタオル本体2に止着するフリル止着用鎖編目列10がゴム繊維よりなることから、このゴム繊維によりフリル3のギャザー4もタオル本体2とフリル3の編成と同時に形成されるため、ギャザー4を有するフリル付のタオル1の製作にあたり、縫製作業を廃し、編成工程だけとすることができる。また、縫製作業が不要であるから、従来技術でみられたような、使用を重ねるうちにフリルとタオル本体との縫合部分の糸解けが生じる、といった虞が全くない。しかも、フリル3はギャザーを有しているため、使用時の押圧感(コシ)や摩擦感に優れ、泡立ちの効果が高いものとなる。
1 フリル付タオル
2 タオル本体
3 フリル
4 ギャザー
5 鎖編目列(タオル本体側)
6 緯挿入糸(タオル本体側)
7 鎖編目列(フリル側)
8 緯挿入糸(フリル側)
9 一側縁
10 フリル止着用鎖編目列(ゴム繊維)
20 経編基布(タオル本体)
30 経編布片(フリル)

Claims (1)

  1. ウエール方向に並列して延びる合成繊維よりなる鎖編目列に対して、コース方向に1列又は複数列離れた鎖編目列との間にわたり、合成繊維よりなる緯挿入糸がジグザグ状に折り返し挿入されて、タオル本体となる経編基布が編成されるとともに、ウエール方向に並列して延びる合成繊維よりなる鎖編目列に対して、コース方向に1列又は複数列離れた鎖編目列との間にわたり、合成繊維よりなる緯挿入糸がジグザグ状に折り返し挿入されて、フリルとなる細幅の経編布片が複数編成され、且つ、それら各経編布片の一側縁において、ウエール方向に延びるゴム繊維よりなる1列又は複数列のフリル止着用鎖編目列が配設され、このフリル止着用鎖編目列により各フリルの一側縁がそれぞれ前記経編基布に止着された状態で前記経編基布と前記各経編布片とが一体的に編成されたことを特徴とするフリル付タオル。
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