JP6139212B2 - サスペンション装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車の後輪用のサスペンション装置に関し、特に旋回初期に発生する上下力コンプライアンスステアの影響を抑制又は相殺することが可能なものに関する。
自動車等の車両の後輪用サスペンション装置は、後輪を回転可能に支持するハブベアリングハウジングを、車体に対して搖動可能に取り付けられたサスペンションリンク(リンク)を介して、車体に対して上下方向にストローク可能に支持するものである。
このような後輪用サスペンション装置は、一例として、上下一対のラテラルリンクによって後輪のキャンバ方向の位置決めを行うとともに、下側のラテラルリンクを前後に離間して一対配置することによって、トー方向の位置決めを行っている。
このような後輪用のサスペンション装置の一例として、例えば特許文献1には、ハブベアリングハウジングを、車体後部床下に取り付けられるサブフレームに搖動可能に取り付けられた前後ラテラルリンク(ロワリンク)及びトレーリングリンクを用いて位置決めしたものが記載されている。
これらの各リンクの一方又は両方の端部は、防振用のゴムブッシュを介して車体又はハブベアリングハウジングに接続されている。
例えば車両の旋回時に横力が作用した場合、前後のラテラルリンクのゴムブッシュの変形量の違いに起因して、後輪がトーイン又はトーアウト方向にトー角変化する横力コンプライアンスステアが生じる。
一般に、車両の旋回時には、旋回外輪側がトーイン、旋回内輪側がトーアウト傾向となることが好ましいことから、前後ラテラルリンクのゴムブッシュの剛性を設定する場合には、横力に対する変位量が後側に対して前側で大きくなるように設定することが多い。
また、サスペンションを構成する各リンク類の幾何学的配置(ジオメトリー)も、旋回外輪側すなわちバンプ側(縮側)でトーイン傾向、旋回内輪側すなわちリバウンド側(伸側)でトーアウト傾向となるようなバンプステア特性を与えている場合が多い。
特開2011− 57021号公報
しかし、上述したように旋回時の横力により外輪側でトーイン、内輪側でトーアウトとなるような横力コンプライアンスステアを示すサスペンションの場合、旋回初期には上下力に起因するコンプライアンスステア(上下力コンプライアンスステア)によって、外輪側でトーアウト、内輪側でトーインとなる傾向を示す場合がある。
その後、横力が増加しかつサスペンションのストロークが開始して横力コンプライアンスステア、バンプステアが生じると、最終的には外輪側でトーイン傾向、内輪側でトーアウト傾向となるものの、旋回初期に一時的に後輪が逆相にステアされることによって、操縦安定性が低下してしまう。
上述した問題に鑑み、本発明の課題は、旋回初期に発生する上下力コンプライアンスステアの影響を抑制又は相殺することが可能な後輪用サスペンション装置を提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、上述した課題を解決する。
請求項1に係る発明は、車両の後輪を車軸回りに回転可能に支持するハブベアリングハウジングと、両端部が車体及びハブベアリングにそれぞれ搖動可能に取り付けられ前記ハブベアリングハウジングを前記車体に対してストローク可能に支持するサスペンションリンクと、前記ハブベアリングハウジングの前記車体に対する上下方向の相対変位量に応じた反力を発生するサスペンションスプリングと、前記ハブベアリングハウジングの前記車体に対する上下方向の相対速度に応じた減衰力を発生するダンパとを備えるサスペンション装置であって、前記後輪の踏面に作用する上下力の増加によってトーイン側又はトーアウト側に前記後輪をステアする上下力コンプライアンスステア特性を有し、車両の旋回初期において一時的に前記上下力コンプライアンスステア特性に起因するトー変化を相殺又は抑制する方向のトー変化を発生させるトー変化発生手段を備え、前記トー変化発生手段は、前記サスペンションスプリング及び前記ダンパのストロークが横力コンプライアンスステア特性とバンプステア特性との少なくとも一方によるトー変化が発生することを考慮して設定された所定値以上となるのに応じて前記トー変化の発生を終了することを特徴とするサスペンション装置である。
これによれば、上下力コンプライアンスステアの影響が顕著となる旋回初期に、これを相殺又は抑制する方向のトー変化を発生させることによって、後輪のトー角が反転することを防止して操縦安定性を向上することができる。
また、バンプステアや横力コンプライアンスステアによって外輪トーイン側、内輪トーアウト側への十分なトー変化が得られる場合に、過度なトー変化を防止して操縦安定性をより向上することができる。
請求項2に係る発明は、前記トー変化発生手段は、左右の後輪に制駆動力差を発生させる制駆動力差発生手段を備えることを特徴とする請求項1に記載のサスペンション装置である。
これによれば、サスペンションが有する前後力コンプライアンスステア特性を利用して、簡単な構成によって所望の方向へのトー変化を発生させることができる。
請求項3に係る発明は、ホイールセンターに働く制動力によってハブベアリングハウジングがトーアウト方向へ変位するホイールセンター後引きトーアウト特性を有し、前記制駆動力差発生手段は、左右輪の駆動力を独立して制御可能な駆動手段を有し、旋回外輪側の駆動力を旋回内輪側に対して増加させることを特徴とする請求項2に記載のサスペンション装置である。
請求項4に係る発明は、ホイールセンターに働く制動力によってハブベアリングハウジングがトーアウト方向へ変位するホイールセンター後引きトーアウト特性を有し、前記制駆動力差発生手段は、左右輪の制動力を独立して制御可能な制動手段を有し、旋回外輪側の制動力を旋回内輪側に対して減少させることを特徴とする請求項2に記載のサスペンション装置である。
請求項5に係る発明は、ホイールセンターに働く制動力によってハブベアリングハウジングがトーアウト方向へ変位するホイールセンター後引きトーアウト特性を有し、前記制駆動力差発生手段は、左右輪の駆動力を独立して制御可能な駆動手段及び左右輪の制動力を独立して制御可能な制動手段を有し、旋回内輪に制動力を付与するとともに旋回外輪に駆動力を付与することを特徴とする請求項2に記載のサスペンション装置である。
これらの各発明によれば、上述した効果を確実に得ることができる。
請求項6に係る発明は、前記駆動手段は、左右後輪にそれぞれ設けられた駆動用モータを備えることを特徴とする請求項3又は請求項5に記載のサスペンション装置である。
これによれば、左右後輪の駆動力を容易かつ適切に制御することができる。
請求項7に係る発明は、前記トー変化発生手段は、前記後輪の接地荷重変動に応じてトー変化量が変動するように前記トー変化の発生制御を行なうことを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載のサスペンション装置である。
上下力コンプライアンスステアによるトー変化量(ステア量)は、後輪の接地荷重に応じて変化することから、これによれば、トー変化量を適切に設定して操縦安定性をより向上することができる。
請求項8に係る発明は、前記トー変化発生手段は、前記トー変化の発生を終了させる際にトー変化量を徐変させて減少させることを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載のサスペンション装置である。
これによれば、トー角が急変してドライバに違和感を与えることを防止できる。
以上説明したように、本発明によれば、旋回初期に発生する上下力コンプライアンスステアの影響を抑制又は相殺することが可能な後輪用サスペンション装置を提供することができる。
本発明を適用したサスペンション装置の実施例1を前方側から見た斜視図である。 実施例1のサスペンション装置を後方側から見た斜視図である。 実施例1のサスペンション装置を正面から見た図である。 実施例1のサスペンション装置を後方から見た図である。 実施例1のサスペンション装置を上方から見た図である。 実施例1のサスペンション装置を下方から見た図である。 実施例1のサスペンション装置を側方から見た図である。 実施例1のサスペンション装置の制御システムの構成を示すブロック図である。 実施例1のサスペンション装置のトー角補正制御を示すフローチャートである。 実施例1のサスペンション装置における後輪トー角の推移の一例を模式的に示すグラフである。 本発明を適用したサスペンション装置の実施例2におけるトー角補正制御を示すフローチャートである。 実施例2のサスペンション装置におけるトップマウント荷重と駆動力補正量との相関を示すグラフである。 実施例2のサスペンション装置における正規化された駆動力補正終了時の駆動力補正量の推移を示すグラフである。 実施例2のサスペンション装置における後輪トー角の推移の一例を模式的に示すグラフである。 本発明を適用したサスペンション装置の実施例3におけるトー角補正制御を示すフローチャートである。 本発明を適用したサスペンション装置の実施例4におけるサスペンション装置の制御システムの構成を示すブロック図である。 実施例4のサスペンション装置におけるトー角補正制御を示すフローチャートである。 本発明を適用したサスペンション装置の実施例5におけるサスペンション装置の制御システムの構成を示すブロック図である。 実施例5のサスペンション装置におけるトー角補正制御を示すフローチャートである。 実施例5のサスペンション装置における後輪トー角の推移の一例を模式的に示すグラフである。 本発明を適用したサスペンション装置の実施例6におけるサスペンション装置の制御システムの構成を示すブロック図である。 実施例6のサスペンション装置におけるトー角補正制御を示すフローチャートである。 本発明を適用したサスペンション装置の実施例7におけるサスペンション装置の制御システムの構成を示すブロック図である。 実施例7のサスペンション装置におけるトー角補正制御を示すフローチャートである。 実施例7のサスペンション装置における後輪トー角の推移の一例を模式的に示すグラフである。 本発明を適用したサスペンション装置の実施例8の制御システムの構成を示すブロック図である。 実施例8のサスペンション装置におけるトー角補正制御を示すフローチャートである。 実施例8のサスペンション装置における後輪トー角の推移の一例を模式的に示すグラフである。 本発明を適用したサスペンション装置の実施例9の制御システムの構成を示すブロック図である。 実施例9のサスペンション装置におけるトー角補正制御を示すフローチャートである。 本発明を適用したサスペンション装置の実施例10の制御システムの構成を示すブロック図である。 実施例10のサスペンション装置におけるトー角補正制御を示すフローチャートである。 実施例10のサスペンション装置における後輪トー角の推移の一例を模式的に示すグラフである。 本発明を適用したサスペンション装置の実施例11の制御システムの構成を示すブロック図である。 実施例11のサスペンション装置におけるトー角補正制御を示すフローチャートである。 実施例11のサスペンション装置における後輪トー角の推移の一例を模式的に示すグラフである。 本発明を適用したサスペンション装置の実施例12の制御システムの構成を示すブロック図である。 実施例12のサスペンション装置におけるトー角補正制御を示すフローチャートである。 実施例12のサスペンション装置における後輪トー角の推移の一例を模式的に示すグラフである。
本発明は、旋回初期に発生する上下力コンプライアンスステアの影響を抑制又は相殺することが可能な後輪用サスペンション装置を提供する課題を、操舵開始直後からサスペンションのストロークが所定値以上となるまでの間、上下力コンプライアンスステアを相殺する方向に左右輪の制駆動力差を付与すること等によって解決した。
以下、本発明を適用したサスペンション装置の実施例1について説明する。
実施例のサスペンション装置は、例えば4輪の乗用車等の自動車の後輪用として設けられるダブルウィッシュボーン式のサスペンションである。
図1は、実施例1のサスペンション装置を前方側から見た斜視図である。
図2は、実施例1のサスペンション装置を後方側から見た斜視図である。
図3は、実施例1のサスペンション装置を正面から見た図である。
図4は、実施例1のサスペンション装置を後方から見た図である。
図5は、実施例1のサスペンション装置を上方から見た図である。
図6は、実施例1のサスペンション装置を下方から見た図である。
図7は、実施例1のサスペンション装置を側方から見た図である。
サスペンション装置1は、サブフレーム10、ハウジング20、フロントラテラルリンク30、リアラテラルリンク40、アッパリンク50、トレーリングリンク60、ダンパユニット70、スタビライザ装置80等を有して構成されている。
サブフレーム10は、サスペンション装置1の各リンクが取り付けられる基部となる構造部材であって、図示しない車体の後部床下に、防振ゴムを有するサブフレームブッシュを介して取り付けられている。
サブフレーム10は、フロントメンバ11、リアメンバ12、サイドメンバ13等を有して構成されている。
フロントメンバ11は、サブフレーム10の前端部に設けられ、車幅方向にほぼ沿って配置された梁状の部材である。
フロントメンバ11の両端部は、サブフレームブッシュを介して車体に取り付けられている。
リアメンバ12は、サブフレーム10の後端部に設けられ、車幅方向にほぼ沿って配置された梁状の部材である。
リアメンバ12の両端部は、サブフレームブッシュを介して車体に取り付けられている。
サイドメンバ13は、フロントメンバ11の側端部近傍の部分と、リアメンバ12の側端部近傍の部分とを車両前後方向にほぼ沿って連結する梁状の部材である。
サイドメンバ13は、車幅方向に離間して左右一対設けられている。
ハウジング20は、車輪が取り付けられるハブを回転可能に支持するハブベアリングを収容する部材である。
サスペンション装置1は、ハウジング20をサブフレーム10に対して、所定の軌跡に沿って上下方向にストローク可能に支持するものである。
フロントラテラルリンク30、リアラテラルリンク40は、サイドメンバ13の下部とハウジング20の下部との間にわたして設けられている。
フロントラテラルリンク30、リアラテラルリンク40は、車幅方向にほぼ沿いかつ車両の前後方向に離間して配置されている。
フロントラテラルリンク30、リアラテラルリンク40の両端部は、それぞれ防振用のゴムブッシュを介して、サイドメンバ13及びハウジング20に対して揺動可能に接続されている。
アッパリンク50は、サイドメンバ13の上部とハウジング20の上部との間にわたして設けられている。
アッパリンク50は、車幅方向にほぼ沿って配置されている。
アッパリンク50の両端部は、それぞれ防振用のゴムブッシュ及びボールジョイントを介して、サイドメンバ13及びハウジング20に対して揺動可能に接続されている。
トレーリングリンク60は、フロントメンバ11の側端部近傍と、ハウジング20の下部との間にわたして設けられている。
トレーリングリンク60は、車両前後方向にほぼ沿って配置されている。
トレーリングリンク60の両端部は、それぞれ防振用のゴムブッシュを介して、フロントメンバ11及びハウジング20に対して揺動可能に接続されている。
ダンパユニット70は、伸縮速度に応じた減衰力を発生するダンパ、及び、伸縮量に応じたバネ反力を発生するコイルスプリングをユニット化したものである。
ダンパユニット70の上端部は、防振ゴムを有するトップマウントを介して図示しない車体に取り付けられている。
ダンパユニット70の下端部は、リアラテラルリンク40に取り付けられている。
スタビライザ装置80は、サスペンション装置1の左右で逆方向(逆位相)のストロークが生じた場合に、左右のストローク差を軽減する方向へのバネ反力を発生するアンチロール装置である。
スタビライザ装置80は、バネ鋼によって形成され中間部が車幅方向にほぼ沿って配置されたスタビライザバーの両端を、リンクを介して左右のリアラテラルリンク40に接続されている。
上述したサスペンション装置1においては、旋回による横力に起因するフロントラテラルリンク30、リアラテラルリンク40のブッシュの弾性変形により、旋回外輪側でトーイン、旋回内輪側でトーアウト傾向となる横力コンプライアンスステア特性となるよう、各ブッシュの剛性を設定している。
具体的には、フロントラテラルリンク30のゴムブッシュの横方向の剛性を、リアラテラルリンク40のゴムブッシュの横方向の剛性に対して低くしている。
また、サスペンション装置1には、各リンク類のジオメトリに起因して、後輪が車体に対して上昇する方向(バンプ側)にストロークした場合にはトーイン側にステアされ、後輪が車体に対して下降する方向(リバウンド側)にストロークした場合にはトーアウト側にステアするバンプステア特性を有する。
上述した横力コンプライアンスステア特性、バンプステア特性により、車両が定常旋回中においては、外輪がトーイン、内輪がトーアウト側にステアされるようになっている。
また、サスペンション装置1は、後輪へのホイールセンターへの制動力付与時に、後輪がトーアウト方向へステアする、いわゆるホイールセンター後引きトーアウト特性を有する。
一方、フロントラテラルリンク30、リアラテラルリンク40には、後輪の接地荷重に起因して、車両の直進状態においては引張荷重が負荷されている。
車両の旋回初期においては、車体をロールさせるモーメントが発生するが、ダンパのスティック等に起因してサスペンションのストロークが開始しない領域が存在する。
このような領域においては、横力コンプライアンスステア、バンプステアの影響は実質的に発生しないが、旋回外輪側で接地荷重が増大し、旋回内輪側で接地荷重が減少する。
このため、フロントラテラルリンク30、リアラテラルリンク40に作用する引張荷重は、旋回外輪側で増大し、旋回内輪側で減少するようになる。
フロントラテラルリンク30、リアラテラルリンク40のゴムブッシュの横剛性は、上述したようにフロントラテラルリンク30側のほうが低いため、このような引張荷重の変化によるハウジング20の変位量は、前側において後側よりも大きくなる。
このため、旋回外輪はトーアウト側にステアし、旋回内輪はトーイン側にステアする上下力コンプライアンスステア特性が発生する。
上述したように、旋回初期においては上下力コンプライアンスステアの影響が強く表れる一方、横力コンプライアンスステア及びバンプステアの影響はほとんど表れないため、旋回外輪はトーアウト側、旋回内輪はトーイン側へステアされる。
その後、ダンパユニット70がストロークを開始し、フロントラテラルリンク30、リアラテラルリンク40に横力が作用し始めると、横力コンプライアンスステア、バンプステアの影響が強くなって旋回外輪はトーイン側、旋回内輪はトーアウト側に切戻される。
このように、旋回初期と定常旋回時とで後輪が逆方向にステアされると、車両の操縦安定性に悪影響が発生する場合がある。
そこで、実施例1においては、旋回初期の上下力コンプライアンスステアを軽減又は相殺する方向のトー変化を生成するトー補正制御を行っている。
この点について以下説明する。
図8は、実施例1のサスペンション装置の制御システムの構成を示すブロック図である。
サスペンション制御システム100は、電動パワーステアリング(EPS)制御ユニット110、挙動制御ユニット120、駆動制御ユニット130、トー補正制御ユニット140等を有して構成されている。
これらは例えば車載LANの一種であるCAN通信システム150を介して相互に通信可能となっている。
EPS制御ユニット110は、ドライバからの入力トルクに応じて操舵アシストトルクを発生する電動パワーステアリング装置を制御するものである。
EPS制御ユニット110には、舵角センサ111、トルクセンサ112が接続されている。
舵角センサ111は、ステアリング系の現在の操舵角(ハンドル角)を検出するものである。
トルクセンサ112は、ドライバからステアリング系に入力されている入力トルクを検出するものである。
挙動制御ユニット120は、車両にオーバーステア、アンダーステア等の挙動が発生した場合に、左右輪の制動力差を発生させてこれらの挙動を抑制する方向のモーメントを発生させるものである。
挙動制御ユニット120は、LHブレーキ121、RHブレーキ122に供給されるブレーキ液圧を個別に制御可能なハイドロリックコントロールユニット(HCU)123を制御する。
また、挙動制御ユニット120には、車輪の回転速度に応じたパルス信号を出力する車速センサ124が接続され、車速を取得することが可能となっている。
駆動制御ユニット130は、左右後輪に独立したモータによって駆動力を付与する駆動制御を行うものである。
駆動制御ユニット130は、LHモータ131、RHモータ132に個別に駆動用電力を供給するインバータ133を制御することによって、左右後輪の駆動力を個別に制御することが可能となっている。
LHモータ131、RHモータ132は、例えば、左右後輪のハブ部にそれぞれ設けられるインホイールモータであるが、これに限らず、サブフレーム10からドライブシャフトを介して左右後輪を駆動する構成としてもよい。
トー補正制御ユニット140は、EPS制御ユニット110等からの情報によって旋回開始を検出した場合に、上述した上下力コンプライアンスステアを抑制又は相殺する方向へのトー変化を一時的に発生させるトー補正制御を行うものである。
トー補正制御ユニット140には、ストロークセンサ141、トップマウント荷重センサ142が接続されている。
ストロークセンサ141は、左右のダンパユニット70のダンパのストロークをそれぞれ検出するものである。
トップマウント荷重センサ142は、左右のダンパユニット70の上端部に設けられるトップマウントに作用する上下方向荷重をそれぞれ検出するものである。
図9は、実施例1のサスペンション装置のトー角補正制御を示すフローチャートである。
以下、ステップ毎に順を追って説明する。
<ステップS01:ハンドル角θs取得>
トー補正制御ユニット140は、EPS制御ユニット110からハンドル角θsを取得する。
その後、ステップS02に進む。
<ステップS02:操舵速度θs´算出>
トー補正制御ユニット140は、ステップS01において取得したハンドル角θsを時間微分して操舵速度θs´を算出する。
その後、ステップS03に進む。
<ステップS03:車速判断>
トー補正制御ユニット140は、挙動制御ユニット120から車速Vを取得する。
そして、現在の車速Vが予め設定された上限車速Vmax以下でありかつ下限速度Vmin以上である場合には、トー補正制御を実行すべき車速範囲内であると判断し、ステップS04に進む。
その他の場合には、トー補正制御を実行すべきでない車速範囲内であると判断し、一連の処理を終了(リターン)する。
<ステップS04:操舵開始判断フラグ判断>
トー補正制御ユニット140は、操舵開始判断フラグのフラグ値が0である場合には、操舵開始の有無を判別するためステップS05に進む。
操舵開始判断フラグの値が1である場合には、既に操舵が開始されているものとして、ステップS09に進む。
<ステップS05:外乱判断>
トー補正制御ユニット140は、ステップS01において取得したハンドル角θsと、EPS制御ユニット110から取得したドライバ入力トルクTsとの積が所定の閾値以上である場合には、ドライバによる意図的な操舵操作があったものとしてステップS06に進む。
その他の場合には、ハンドル角θs等に変化があったとしても外乱によるものであると判断し、一連の処理を終了(リターン)する。
<ステップS06:操舵速度絶対値判断>
トー補正制御ユニット140は、ステップS02において算出した操舵速度θs´の絶対値を予め設定された閾値と比較する。
操舵速度θs´の絶対値が閾値以上である場合は、ステップS07に進み、その他の場合には一連の処理を終了(リターン)する。
<ステップS07:切り増し・切り戻し判断>
トー補正制御ユニット140は、ステップS01において取得したハンドル角θsと、ステップS02において算出した操舵速度θs´との積が正(0より大きい)場合には、ドライバ操作によって舵角が増加している切り増し中であると判断してステップS08に進む。
一方、その他の場合には、舵角が減少している切り戻し中であると判断して一連の処理を終了する。
<ステップS08:操舵開始判断フラグセット>
トー補正制御ユニット140は、操舵開始判断フラグのフラグ値を0から1にして、フラグをセットする。
その後、ステップS09に進む。
<ステップS09:駆動力補正制御>
トー補正制御ユニット140は、駆動制御ユニット130に指令を出して、駆動力補正制御を行なわせる。
駆動力補正制御は、旋回外輪の駆動力を増加させてホイールセンター後引きトーアウト特性によりトーイン方向へステアさせるとともに、旋回内輪の駆動力を減少させてトーイン方向へステアさせるものである。
その後、ステップS10に進む。
<ステップS10:ストローク変化検出>
トー補正制御ユニット140は、ストロークセンサ141を用いて左右のダンパユニット70のストロークを検出する。
その後、ステップS11に進む。
<ステップS11:外輪側ストローク判断>
トー補正制御ユニット140は、旋回外輪側のダンパユニット70の直進時からのストローク変化量が、予め設定された閾値以上である場合は、横力コンプライアンスステア特性、バンプステア特性によって外輪ではトーイン、内輪ではトーアウトへのトー変化が十分に発生しているものと判断して、ステップS12に進む。
その他の場合には、トー補正制御の継続が必要であると判断して一連の処理を終了(リターン)する。
<ステップS12:操舵開始判断フラグクリア>
トー補正制御ユニット140は、操舵開始判断フラグのフラグ値を0としてクリアし、ステップS13に進む。
<ステップS13:駆動力補正終了>
トー補正制御ユニット140は、駆動力補正を終了し、一連の処理を終了する。
図10は、実施例1のサスペンション装置における後輪トー角の推移の一例を模式的に示すグラフである。
縦軸は旋回外輪のトー角を示し、上方がトーイン側を示している。
横軸は、操舵開始からの時間を示している。
また、駆動力補正制御を行なわない場合の履歴を破線で示し、駆動力補正制御を行なった場合の履歴を実線で示している。
なお、旋回内輪側においても、トーイン、トーアウトが反転するが、実質的に同様の履歴を示す。
駆動力補正制御を行なわない場合には、後輪のトー角は上下力コンプライアンスステア特性によってまずトーアウト方向へ変化し、その後サスペンションのストローク変化や横力が発生すると、バンプステア特性及び横力コンプライアンスステア特性によってトーイン側へ変化する。
これに対し、実施例1によれば、上述した駆動力補正制御によって、旋回初期に一時的にトーイン側へのトー変化を発生させることができ、一時的にトーアウト側へステアされることを防止して操縦安定性を向上することができる。
また、旋回内輪側においても同様に、トーアウト側へステアされる前に一時的にトーイン側へステアされることを防止できる。
次に、本発明を適用したサスペンション装置の実施例2について説明する。
以下説明する各実施例において、従前の実施例と実質的に同様の箇所には同じ符号を付して説明を省略し、主に相違点について説明する。
実施例2のサスペンション装置は、実施例1と同様に左右後輪の駆動力補正制御によって上下力コンプライアンスステアの影響をキャンセルするものであるが、駆動力制御のオンオフによる急激なトー変化を抑制するため、駆動力補正量をトップマウント荷重に応じて設定するとともに、補正終了時の駆動力補正量を徐変させることを特徴とする。
図9は、実施例1のサスペンション装置のトー角補正制御を示すフローチャートである。
以下、ステップ毎に順を追って説明する。
<ステップS01:ハンドル角θs取得>
トー補正制御ユニット140は、EPS制御ユニット110からハンドル角θsを取得する。
その後、ステップS02に進む。
<ステップS02:操舵速度θs´算出>
トー補正制御ユニット140は、ステップS01において取得したハンドル角θsを時間微分して操舵速度θs´を算出する。
その後、ステップS03に進む。
<ステップS03:車速判断>
トー補正制御ユニット140は、挙動制御ユニット120から車速Vを取得する。
そして、現在の車速Vが予め設定された上限車速Vmax以下でありかつ下限速度Vmin以上である場合には、トー補正制御を実行すべき車速範囲内であると判断し、ステップS04に進む。
その他の場合には、トー補正制御を実行すべきでない車速範囲内であると判断し、ステップS09に進む。
<ステップS04:操舵開始判断フラグ判断>
トー補正制御ユニット140は、操舵開始判断フラグの値が0である場合には、操舵開始の有無を判別するためステップS05に進む。
操舵開始判断フラグの値が1である場合には、既に操舵が開始されているものとして、ステップS10に進む。
<ステップS05:外乱判断>
トー補正制御ユニット140は、ステップS01において取得したハンドル角θsと、EPS制御ユニット110から取得したドライバ入力トルクTsとの積が所定の閾値以上である場合には、ドライバによる意図的な操舵操作があったものとしてステップS06に進む。
その他の場合には、ハンドル角θs等に変化があったとしても外乱によるものであると判断し、ステップS09に進む。
<ステップS06:操舵速度絶対値判断>
トー補正制御ユニット140は、ステップS02において算出した操舵速度θs´の絶対値を予め設定された閾値と比較する。
操舵速度θs´の絶対値が閾値以上である場合は、ステップS07に進み、その他の場合にはステップS09に進む。
<ステップS07:切り増し・切り戻し判断>
トー補正制御ユニット140は、ステップS01において取得したハンドル角θsと、ステップS02において算出した操舵速度θs´との積が正(0より大きい)場合には、ドライバ操作によって舵角が増加している切り増し中であると判断してステップS08に進む。
一方、その他の場合には、舵角が減少している切り戻し中であると判断してステップS09に進む。
<ステップS08:操舵開始判断フラグセット>
トー補正制御ユニット140は、操舵開始判断フラグのフラグ値を0から1にして、フラグをセットする。
その後、ステップS10に進む。
<ステップS09:トップマウント荷重記憶>
トー補正制御ユニット140は、トップマウント荷重センサ142が検出した現在のトップマウント荷重(F0)を記憶する。
その後、一連の処理を終了(リターン)する。
<ステップS10:外輪ストロークフラグ判断>
トー補正制御ユニット140は、外輪側のダンパユニット70のストローク有無を示すフラグである外輪ストロークフラグのフラグ値が0である場合には、ステップS11に進み、その他の場合には、ステップS17に進む。
<ステップS11:トップマウント荷重取得>
トー補正制御ユニット140は、トップマウント荷重センサ142から外輪側のダンパユニット70の現在のトップマウント荷重を取得する。
その後、ステップS12に進む。
<ステップS12:外輪ストローク判断>
トー補正制御ユニット140は、ストロークセンサ141が検出した外輪側の直進状態からのストローク変化量が予め設定された閾値よりも小さい場合には、トー補正制御が必要であると判断してステップS13に進み、その他の場合にはトー補正制御を終了させるためにステップS16に進む。
<ステップS13:駆動力補正制御>
トー補正制御ユニット140は、駆動制御ユニット130に指令を出して、駆動力補正制御を行なわせる。
駆動力補正制御は、旋回外輪の駆動力を増加させてホイールセンター後引きトーアウト特性によりトーイン方向へステアさせるとともに、旋回内輪の駆動力を減少させてトーアウト方向へステアさせるものである。
このときの外輪側の駆動力減少量及び内輪側の駆動力増加量は、トップマウント荷重に応じて変動するようになっている。
図12は、実施例2のサスペンション装置におけるトップマウント荷重と駆動力補正量との相関を示すグラフである。
図12に示すように、駆動力補正量は、トップマウント荷重の増加に応じて増加するように設定される。
その後、ステップS14に進む。
<ステップS14:補正量記憶>
トー補正制御ユニット140は、現在実行中の駆動力補正による補正量γを記憶する。
その後、ステップS15に進む。
<ステップS15:タイムインデックス記憶>
トー補正制御ユニット140は、現在の時刻をタイムインデックスt0として記憶する。
その後、一連の処理を終了(リターン)する。
<ステップS16:外輪ストロークフラグセット>
トー補正制御ユニット140は、外輪ストロークフラグのフラグ値を1として、フラグをセットする。
その後、ステップS17に進む。
<ステップS17:タイムインデックス取得>
トー補正制御ユニット140は、現在の時刻をタイムインデックスtとして取得する。
その後、ステップS18に進む。
<ステップS18:補正値演算>
トー補正制御ユニット140は、駆動力補正の補正量(外輪駆動力減少量・内輪駆動力増加量)を、以下の式1を用いて算出する。

補正値=γF((t−t0)/T) ・・・(式1)

ここで、F(x)は、補正量を漸減させるために設定される関数である。
図13は、実施例2のサスペンション装置における正規化された駆動力補正終了時の駆動力補正量の推移を示すグラフである。
図13に示すように、関数F(x)は、正規化された時間の経過(0〜1)に応じて、正規化された補正量を1から0まで徐変させるものである。
また、Tは、補正量を漸減させて最終的に0となるまでの時間を示している。
その後、ステップS19に進む。
<ステップS19:駆動力補正>
トー補正制御ユニット140は、ステップS19において算出された駆動力補正量を用いて、左右後輪の駆動力を補正する。
その後、ステップS20に進む。
<ステップS20:補正終了時間判断>
トー補正制御ユニット140は、以下の式2を用いて、駆動力補正が実質的に終了したか否かを判定する。

T−t−t0<0 ・・・(式2)

式2を充足する場合には、駆動力補正が実質的に終了したものとして一連の処理を終了(リターン)する。
一方、式2を充足しない場合には、ステップS21に進む。
<ステップS21:操舵開始判断フラグクリア>
トー補正制御ユニット140は、操舵開始判断フラグのフラグ値を0とし、フラグをクリアする。
その後、ステップS22に進む。
<ステップS22:駆動力補正終了>
トー補正制御ユニット140は、駆動力補正を終了してステップS23に進む。
<ステップS23:外輪ストロークフラグクリア>
トー補正制御ユニット140は、外輪ストロークフラグのフラグ値を0とし、フラグをクリアする。
その後、一連の処理を終了する。
図14は、実施例2のサスペンション装置における後輪トー角の推移の一例を模式的に示すグラフである。
実施例2においては、駆動力補正における補正量をトップマウント荷重に応じて増加するように設定するとともに、補正終了時に補正量を漸減させることによって、トー角の変化を穏やかとし、操縦安定性を向上するとともにドライバに与える違和感を軽減することができる。
次に、本発明を適用したサスペンション装置の実施例3について説明する。
実施例3のサスペンション装置は、実施例1における左右後輪の駆動力差に代えて、左右後輪の制動力差を用いて旋回初期の上下力コンプライアンスステアの影響をキャンセルするものである。
このような制動力差は、挙動制御ユニット120及びHCU123を用いて発生させることができる。
図15は、実施例3のサスペンション装置におけるトー角補正制御を示すフローチャートである。
図15に示すように、実施例3においては、ステップ09において、外輪の制動力を増加(制動していない場合には制動力を発生)させるとともに、内輪の制動力を減少(制動していない場合には補正なし)する制動力補正制御を行なっている点、及び、ステップS13において、この制動力補正制御を終了している点において、図9に示す実施例1の制御と相違する。
以上説明した実施例3においても、上述した実施例1の効果と実質的に同様の効果を得ることができる。
なお、実施例3において、制動力補正量を、実施例2における駆動力補正量と実質的に同様に、トップマウント荷重に応じて増加するように設定するとともに、制動力補正の終了時に、制動力補正量を徐変させるようにしてもよい。
この場合には、上述した実施例2の効果と実質的に同様の効果を得ることができる。
次に、本発明を適用したサスペンション装置の実施例4について説明する。
実施例4のサスペンション装置は、アクチュエータによって後輪をステアする4輪操舵(4WS)システムを用いて旋回初期の上下力コンプライアンスステアの影響をキャンセルするものである。
図16は、実施例4のサスペンション装置の制御システムの構成を示すブロック図である。
実施例4のサスペンション制御システムは、実施例1の駆動制御ユニット130等に代えて、4WS制御ユニット230を有する。
4WS制御ユニット230は、左右後輪のトー角を強制的に変化(ステア)させる電動アクチュエータである4WSモータ231を制御するものである。
図17は、実施例4のサスペンション装置におけるトー角補正制御を示すフローチャートである。
図17に示すように、実施例4においては、ステップS09において、外輪をトーイン側、内輪をトーアウト側へステアするトー角補正制御を行なうとともに、ステップS13において、このトー角補正制御を終了している点において、図9に示す実施例1の制御と相違する。
以上説明した実施例4においては、旋回初期に4WSシステムを用いて外輪をトーイン側、内輪をトーアウト側へステアするトー角補正制御を行なうことによって、上下力コンプライアンスステアによって外輪がトーアウト側へステアされることを防止して操縦安定性を向上することができる。
なお、実施例4において、トー角の補正量を、実施例2における駆動力補正量と実質的に同様に、トップマウント荷重に応じて増加するように設定するとともに、トー角補正の終了時に、トー角補正量を徐変させるようにしてもよい。
この場合には、上述した実施例2の効果と実質的に同様の効果を得ることができる。
次に、本発明を適用したサスペンション装置の実施例5について説明する。
実施例5のサスペンション装置は、外部から磁場を印加することによって粘弾性特性が変化するMR流体を作動流体とする可変ダンパを用いて旋回初期の上下力コンプライアンスステアの影響をキャンセルするものである。
図18は、実施例5のサスペンション装置の制御システムの構成を示すブロック図である。
実施例5のサスペンション制御システムは、実施例1の駆動制御ユニット130等に代えて、減衰制御ユニット330を有する。
減衰制御ユニット330は、左右のダンパユニット70のダンパに対して印加する磁場を制御して、減衰特性を変化させるものである。
図19は、実施例5のサスペンション装置におけるトー角補正制御を示すフローチャートである。
図19に示すように、実施例5においては、ステップS09において、外輪側ダンパの減衰力を低下させる減衰力補正制御を行なうとともに、ステップS13において、この減衰力補正制御を終了している点において、図9に示す実施例1の制御と相違する。
図20は、実施例5のサスペンション装置における後輪トー角の推移の一例を模式的に示すグラフである。
減衰力補正制御を行なわない場合には、後輪のトー角は上下力コンプライアンスステア特性によってまずトーアウト方向へ変化し、その後サスペンションのストローク変化や横力が発生すると、バンプステア特性及び横力コンプライアンスステア特性によってトーイン側へ変化する。
減衰力補正制御を行なった場合、旋回外輪のダンパ減衰力を低下させることによって、ダンパユニット70の初期ストロークを促進し、早期にバンプステア特性を発生させて上下力コンプライアンスステア特性による影響が表れる期間を短縮して操縦安定性を向上することができる。
次に、本発明を適用したサスペンション装置の実施例6について説明する。
実施例6のサスペンション装置は、強制的にダンパストロークを伸縮可能なアクティブサスペンションであり、ダンパストロークの制御によって旋回初期の上下力コンプライアンスステアの影響をキャンセルするものである。
図21は、実施例6のサスペンション装置の制御システムの構成を示すブロック図である。
実施例6のサスペンション制御システムは、実施例1の駆動制御ユニット130等に代えて、ダンパストローク制御ユニット430を有する。
ダンパストローク制御ユニット430は、左右のダンパユニット70のダンパを伸縮させるアクチュエータを制御して、ストロークを制御するものである。
図22は、実施例6のサスペンション装置におけるトー角補正制御を示すフローチャートである。
図22に示すように、実施例6においては、ステップS09において、外輪側ダンパのストロークを短縮させるストローク補正制御を行なうとともに、ステップS13において、このストローク補正制御を終了している点において、図9に示す実施例1の制御と相違する。
また、ステップS10において、ダンパユニット70のトップマウント荷重を検出し、ステップS11において、トップマウント荷重が閾値より大きい場合にステップS12に進み、その他の場合には一連の処理を終了(リターン)する点においても相違する。
以上説明した実施例6においては、旋回初期に外輪側ダンパのストロークを強制的に短縮することによって、早期にバンプステアを発生させることができ、上下力コンプライアンスステアによって外輪がトーアウト側へステアされることを防止して操縦安定性を向上することができる。
次に、本発明を適用したサスペンション装置の実施例7について説明する。
実施例7のサスペンション装置は、エア等の流体を充填することによってダンパの軸方向に伸縮可能なトップマウントを有し、トップマウントの制御によって旋回初期の上下力コンプライアンスステアの影響をキャンセルするものである。
図23は、実施例7のサスペンション装置の制御システムの構成を示すブロック図である。
実施例7のサスペンション制御システムは、実施例1の駆動制御ユニット130等に代えて、トップマウント制御ユニット530を有する。
トップマウント制御ユニット530は、左右のダンパユニット70のトップマウントへのエア注入を制御することによって、トップマウントをダンパの軸方向に伸縮させるものである。
図24は、実施例7のサスペンション装置におけるトー角補正制御を示すフローチャートである。
図24に示すように、実施例7においては、ステップS09において、外輪側トップマウントにエアを注入してストロークを伸長させるストローク補正制御を行なうとともに、ステップS13において、このストローク補正制御を終了している点において、図9に示す実施例1の制御と相違する。
図25は、実施例7のサスペンション装置における後輪トー角の推移の一例を模式的に示すグラフである。
ストローク補正制御を行なわない場合には、後輪のトー角は上下力コンプライアンスステア特性によってまずトーアウト方向へ変化し、その後サスペンションのストローク変化や横力が発生すると、バンプステア特性及び横力コンプライアンスステア特性によってトーイン側へ変化する。
ストローク補正制御を行なった場合、旋回初期にトップマウントを伸長させてダンパへの入力荷重を増加させ、ダンパユニット70のスティックを早期に解除して初期ストロークを促進し、早期にバンプステア特性を発生させて上下力コンプライアンスステア特性による影響が表れる期間を短縮して操縦安定性を向上することができる。
次に、本発明を適用したサスペンション装置の実施例8について説明する。
実施例8のサスペンション装置は、スタビライザ装置80がロール剛性を変更可能な可変剛性スタビライザであって、ロール剛性制御によって旋回初期の上下力コンプライアンスステアの影響をキャンセルするものである。
図26は、実施例8のサスペンション装置の制御システムの構成を示すブロック図である。
実施例8のサスペンション制御システムは、実施例1の駆動制御ユニット130等に代えて、可変スタビライザ制御ユニット630を有する。
可変スタビライザ制御ユニット630は、スタビライザ装置80に設けられた図示しないアクチュエータを制御して、ロール剛性を変化させるものである。
図27は、実施例8のサスペンション装置におけるトー角補正制御を示すフローチャートである。
図27に示すように、実施例8においては、ステップS09において、ロール剛性を低下(軟化)させるロール剛性補正制御を行なうとともに、ステップS13において、このロール剛性補正制御を終了している点において、図9に示す実施例1の制御と相違する。
図28は、実施例8のサスペンション装置における後輪トー角の推移の一例を模式的に示すグラフである。
図28において、ロール剛性を定常的に低くした場合の後輪トー角を推移を二点鎖線で示している。
ロール剛性補正制御を行なわない場合には、後輪のトー角は上下力コンプライアンスステア特性によってまずトーアウト方向へ変化し、その後サスペンションのストローク変化や横力が発生すると、バンプステア特性及び横力コンプライアンスステア特性によってトーイン側へ変化する。
ロール剛性補正制御を行なった場合、旋回初期にロール剛性を低下させて車体のロールを促進し、ダンパユニット70のスティックを早期に解除して初期ストロークを促進し、早期にバンプステア特性を発生させて上下力コンプライアンスステア特性による影響が表れる期間を短縮して操縦安定性を向上することができる。
また、バンプステア及び横力コンプライアンスステアが十分に発生した後は、ロール剛性を初期状態に戻すことによって、操縦安定性を向上することができる。
次に、本発明を適用したサスペンション装置の実施例9について説明する。
実施例9のサスペンション装置は、スタビライザ装置80がスタビライザバーを中間部で分割され、これらを捩じる方向のトルクを付与することによって車両のロール方向のモーメントを発生可能なアクティブアクチュエータとなっている。
実施例9においては、アクティブアクチュエータの制御により旋回初期の上下力コンプライアンスステアの影響をキャンセルするものである。
図29は、実施例9のサスペンション装置の制御システムの構成を示すブロック図である。
実施例9のサスペンション制御システムは、実施例1の駆動制御ユニット130等に代えて、アクティブスタビライザ制御ユニット730を有する。
アクティブスタビライザ制御ユニット730は、スタビライザ装置80に設けられた図示しないアクチュエータを制御して、左右のスタビライザバーを相対的に捩じる制御を行なうものである。
図30は、実施例9のサスペンション装置におけるトー角補正制御を示すフローチャートである。
図30に示すように、実施例9においては、ステップS09において、アクティブスタビライザによって外輪側がバンプする方向のロール挙動を促進するようにスタビライザバー捩じり制御を行なうとともに、ステップS13において、このスタビライザバー捩じり制御を終了している点において、図9に示す実施例1の制御と相違する。
以上説明した実施例9においては、アクティブスタビライザを用いて実質的に強制的にロールを発生させ、サスペンションをストロークさせることによって、早期にバンプステアを発生させることができ、上下力コンプライアンスステアによって外輪がトーアウト側へステアされることを防止して操縦安定性を向上することができる。
次に、本発明を適用したサスペンション装置の実施例10について説明する。
実施例10のサスペンション装置は、フロントラテラルリンク30、リアラテラルリンク40の車体側ゴムブッシュにバネ定数を変更可能な可変剛性ゴムブッシュを備え、これらのバネ定数を制御して上下力コンプライアンスステア特性を反転させるものである。
図31は、実施例10のサスペンション装置の制御システムの構成を示すブロック図である。
実施例10のサスペンション制御システムは、実施例1の駆動制御ユニット130等に代えて、ブッシュ剛性制御ユニット830を有する。
ブッシュ剛性制御ユニット830は、フロントラテラルリンク30の車体側ゴムブッシュのバネ定数を制御するものである。
図32は、実施例10のサスペンション装置におけるトー角補正制御を示すフローチャートである。
図32に示すように、実施例10においては、ステップS09において、外輪側及び内輪側のフロントラテラルリンク30のゴムブッシュのバネ定数を増加させる制御を行なうとともに、ステップS13において、このバネ定数制御を終了している点において、図9に示す実施例1の制御と相違する。
図33は、実施例10のサスペンション装置における後輪トー角の推移の一例を模式的に示すグラフである。
実施例10においては、上述したフロントラテラルリンク30のブッシュのバネ定数制御を行なうことによって、フロントラテラルリンク30のゴムブッシュと、リアラテラルリンク40のゴムブッシュとの剛性差を、旋回初期とそれ以外とで逆転させるようにしている。
その結果、実施例10においては、このような制御を行なわない場合とは上下力コンプライアンスステア特性を反転させることが可能となる。
このため、実施例10によれば、旋回初期に外輪がトーアウト側へステアされること、及び、内輪がトーイン側へステアされることを防止して操縦安定性を向上することができる。
なお、フロントラテラルリンク30のブッシュのバネ定数を一時的に増加させることに代えて、あるいは、これと併用して、リアラテラルリンク40のブッシュのバネ定数を一時的に減少させても実質的に同様の効果を得ることができる。
次に、本発明を適用したサスペンション装置の実施例11について説明する。
実施例11のサスペンション装置は、ダンパユニット70上端部のトップマウントにバネ定数を変更可能な可変剛性トップマウントを備え、このバネ定数を制御して上下力コンプライアンスステアの影響を軽減するものである。
図34は、実施例11のサスペンション装置の制御システムの構成を示すブロック図である。
実施例11のサスペンション制御システムは、実施例1の駆動制御ユニット130等に代えて、トップマウント剛性制御ユニット930を有する。
トップマウント剛性制御ユニット930は、ダンパユニット70のトップマウントのバネ定数を制御するものである。
図35は、実施例11のサスペンション装置におけるトー角補正制御を示すフローチャートである。
図35に示すように、実施例11においては、ステップS09において、外輪側及び内輪側のトップマウントのバネ定数を増加させる制御を行なうとともに、ステップS13において、このバネ定数制御を終了している点において、図9に示す実施例1の制御と相違する。
図36は、実施例11のサスペンション装置における後輪トー角の推移の一例を模式的に示すグラフである。
実施例11においては、上述したトップマウントのバネ定数制御を行なうことによって、ダンパユニット70への初期入力を大きくし、ダンパユニット70のスティックを早期に解除して初期ストロークを促進し、早期にバンプステア特性を発生させて上下力コンプライアンスステア特性による影響が表れる期間を短縮して操縦安定性を向上することができる。
次に、本発明を適用したサスペンション装置の実施例12について説明する。
実施例12のサスペンション装置は、フロントラテラルリンク30、リアラテラルリンク40、アッパリンク50、トレーリングリンク60の端部に備えられた各ブッシュのうち、バネ定数を変化(増加又は減少)させることによってハウジング20をトーイン側に回転させることが可能な一部のブッシュ(トーイン側特定ブッシュ)、及び、トーアウト側に回転させることが可能な一部のブッシュ(トーアウト側特定ブッシュ)のバネ定数を変化させることによって、上下力コンプライアンスステアの影響を軽減するものである。
図37は、実施例12のサスペンション装置の制御システムの構成を示すブロック図である。
実施例12のサスペンション制御システムは、実施例1の駆動制御ユニット130等に代えて、ブッシュ剛性制御ユニット1030を有する。
ブッシュ剛性制御ユニット1030は、上述したトーイン側特定ブッシュ、トーアウト側特定ブッシュのバネ定数を制御するものである。
図38は、実施例12のサスペンション装置におけるトー角補正制御を示すフローチャートである。
図38に示すように、実施例12においては、ステップS09において、旋回外輪側のトーイン側特定ブッシュ及び旋回内輪側のトーアウト側特定ブッシュのバネ定数を変化させる制御を行なうとともに、ステップS13において、このバネ定数変化を終了している点において、図9に示す実施例1の制御と相違する。
図39は、実施例12のサスペンション装置における後輪トー角の推移の一例を模式的に示すグラフである。
実施例12においては、リンクブッシュの剛性制御により旋回外輪側でトーイン側、旋回内輪側でトーアウト側にハウジング20を回転させることによって、上下力コンプライアンスステアの影響を抑制し、操縦安定性を向上することができる。
(変形例)
本発明は、以上説明した実施例に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。
(1)サスペンション装置の構成は上述した実施例に限らず、適宜変更することができる。例えば、サスペンション装置の形式は、実施例のようなダブルウィッシュボーン式に限らず、ストラット式、マルチリンク式、トレーリングアーム式などの他の形式であってもよい。また、制御システムの構成も特に限定されない。
(2)実施例1,2においては、左右後輪に独立して駆動力を付与するモータを利用して左右後輪に駆動力差を発生させているが、これに限らず、他の手法によって駆動力差を発生させてもよい。
例えば、エンジンや左右後輪をともに駆動する電動モータの出力を、左右後輪のトルク配分を異ならせて伝達するトルクベクタリング装置で配分して駆動力差を発生させてもよい。
(3)実施例1,2のような駆動力差によるトー制御と、実施例3,4のような駆動力差によるトー制御とを併用してもよい。
例えば、後引きトーイン特性を有するサスペンション装置の場合には、外輪に駆動力を付与するとともに、内輪に制動力を付与する構成としてもよい。
(4)実施例1〜4はいずれもホイールセンター後引きトーアウト特性を有するサスペンション装置であったが、ホイールセンター後引きトーイン特性を有するサスペンション装置にも本発明は適用することができる。この場合、内輪と外輪とで制御の内容を反転させればよい。
(5)各実施例は、ダンパストローク、トップマウント荷重等に基づいてトー補正制御を終了しているが、これに限らず、他の手法によってトー補正制御を終了してもよい。例えば、旋回開始後所定時間で制御を終了するようにしてもよい。また、制御量を徐変させる場合の手法も特に限定されない。
(6)各実施例は左右後輪に独立して制動力を付与するモーターを利用して左右後輪に制動力差を発生させているが、これに限らず、ESCなどブレーキ制御により左右制動力差を発生させても良い。この場合は、接地点に制動力が作用するため、接地点後引きのトー変化特性に応じて制御内容を変更する。たとえば、サスペンション装置1は、接地点後引きトーイン特性を有しているため、旋回外輪の制動力を増やすことで、旋回初期の上下力ステアによるトーアウトを抑制することが出来る。
1 サスペンション装置 10 サブフレーム
11 フロントメンバ 12 リアメンバ
13 サイドメンバ 20 ハウジング
30 フロントラテラルリンク 40 リアラテラルリンク
50 アッパリンク 60 トレーリングリンク
70 ダンパユニット 80 スタビライザ装置
100 サスペンション制御システム
110 電動パワーステアリング(EPS)制御ユニット
111 舵角センサ 112 トルクセンサ
120 挙動制御ユニット 121 LHブレーキ
122 RHブレーキ
123 ハイドロリックコントロールユニット
124 車速センサ
130 駆動制御ユニット 131 LHモータ
132 RHモータ 133 インバータ
140 トー補正制御ユニット 141 ストロークセンサ
142 トップマウント荷重センサ 150 CAN通信システム
230 4WS制御ユニット 231 4WSモータ
330 減衰制御ユニット 430 ダンパストローク制御ユニット
530 トップマウント制御ユニット 630 可変スタビライザ制御ユニット
730 アクティブスタビライザ制御ユニット
830 ブッシュ剛性制御ユニット 930 トップマウント剛性制御ユニット
1030 ブッシュ剛性制御ユニット

Claims (8)

  1. 車両の後輪を車軸回りに回転可能に支持するハブベアリングハウジングと、
    両端部が車体及びハブベアリングにそれぞれ搖動可能に取り付けられ前記ハブベアリングハウジングを前記車体に対してストローク可能に支持するサスペンションリンクと、
    前記ハブベアリングハウジングの前記車体に対する上下方向の相対変位量に応じた反力を発生するサスペンションスプリングと、
    前記ハブベアリングハウジングの前記車体に対する上下方向の相対速度に応じた減衰力を発生するダンパと
    を備えるサスペンション装置であって、
    前記後輪の踏面に作用する上下力の増加によってトーイン側又はトーアウト側に前記後輪をステアする上下力コンプライアンスステア特性を有し、
    車両の旋回初期において一時的に前記上下力コンプライアンスステア特性に起因するトー変化を相殺又は抑制する方向のトー変化を発生させるトー変化発生手段を備え
    前記トー変化発生手段は、前記サスペンションスプリング及び前記ダンパのストロークが横力コンプライアンスステア特性とバンプステア特性との少なくとも一方によるトー変化が発生することを考慮して設定された所定値以上となるのに応じて前記トー変化の発生を終了すること
    を特徴とするサスペンション装置。
  2. 前記トー変化発生手段は、
    左右の後輪に制駆動力差を発生させる制駆動力差発生手段を備えること
    を特徴とする請求項1に記載のサスペンション装置。
  3. ホイールセンターに働く制動力によってハブベアリングハウジングがトーアウト方向へ変位するホイールセンター後引きトーアウト特性を有し、
    前記制駆動力差発生手段は、左右輪の駆動力を独立して制御可能な駆動手段を有し、旋回外輪側の駆動力を旋回内輪側に対して増加させること
    を特徴とする請求項2に記載のサスペンション装置。
  4. ホイールセンターに働く制動力によってハブベアリングハウジングがトーアウト方向へ変位するホイールセンター後引きトーアウト特性を有し、
    前記制駆動力差発生手段は、左右輪の制動力を独立して制御可能な制動手段を有し、旋回外輪側の制動力を旋回内輪側に対して減少させること
    を特徴とする請求項2に記載のサスペンション装置。
  5. ホイールセンターに働く制動力によってハブベアリングハウジングがトーアウト方向へ変位するホイールセンター後引きトーアウト特性を有し、
    前記制駆動力差発生手段は、左右輪の駆動力を独立して制御可能な駆動手段及び左右輪の制動力を独立して制御可能な制動手段を有し、旋回内輪に制動力を付与するとともに旋回外輪に駆動力を付与すること
    を特徴とする請求項2に記載のサスペンション装置。
  6. 前記駆動手段は、左右後輪にそれぞれ設けられた駆動用モータを備えること
    を特徴とする請求項3又は請求項5に記載のサスペンション装置。
  7. 前記トー変化発生手段は、前記後輪の接地荷重変動に応じてトー変化量が変動するように前記トー変化の発生制御を行なうこと
    を特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載のサスペンション装置。
  8. 前記トー変化発生手段は、前記トー変化の発生を終了させる際にトー変化量を徐変させて減少させること
    を特徴とする請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載のサスペンション装置
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