JP6138534B2 - 靴の中敷き - Google Patents

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Description

本願発明は、歩行(ウォーキング)やランニング、ゴルフ、テニスなどの運動をする時に履く靴の中敷きに関する。
これまでも、運動をする時に履く中敷きが提案されている。例えば、靴底の内表面とほぼ同形状の中敷き本体の爪先部に高さが漸増する弾性傾斜体を設けた中敷きが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、連続気泡多孔性材料の中敷き本体の土踏まず内側に隆起部を設け、土踏まず内側端縁を外方へ突出させた中敷きも提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
特開2010−284212号公報 特開2003−38204号公報
図5に足根部の外側から見た骨格を示す。足根部は、7つの足根骨(踵骨56、距骨57、立方骨58、舟状骨59、楔状骨60、指節骨62)からなっている。足部には、体重による負荷を効果的に吸収し、足底の血管、神経、筋肉の通るスペースを確保するため、いくつかの縦足弓(縦アーチ)が形成されている。縦アーチには、踵骨56の内側縁から距骨57、舟状骨59、楔状骨60、中足骨61へと続く内側縦アーチと、踵骨56の外側縁から立方骨58、中足骨61へと続く外側縦アーチとがある。本明細書では、内側縦アーチから外側縦アーチにかけての領域を縦アーチ領域と呼ぶことにする。
縦アーチ領域は、体重がかかると降下する(沈み込む)。さらに、筋バランスの乱れや疲労によりアーチを維持することができず縦アーチ領域の降下が大きくなる。
足の縦アーチ領域は床や地面からの衝撃を吸収する機能を有している。したがって、縦アーチ領域の降下が生ずると、疲労や痛みにつながり、また、足の力が床や地面に伝わり難くなる。
また、特にアスリートの場合、足が靴を介して床や地面を確実に捕える必要がある。そのためには、足と靴の一体化を図る必要があり、中敷きと足との密着性も重要になる。
足と靴を一体化するために中敷きが使用されるが、上記従来の中敷きは、一体化する性能が劣っていた。
また、従来の中敷きは密着性の観点で製作されていなかったので足との密着性が良くなかった。
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、足の縦アーチ領域の衝撃吸収機能を阻害することなく縦アーチ領域を持ち上げ、且つ足と中敷きとの一体化が図られる靴の中敷きを提供することを課題とする。
課題を解決するためになされた本発明の靴の中敷きは、踵骨から中足骨までカバーする弾性基材と、該弾性基材の上に固定された踵骨から指節骨までカバーする通気性のクッション材とを備える靴の中敷きであって、外周形状が足裏形状をなすと共に、前記踵骨から立方骨と楔状骨までを取り囲む湾曲した起立部と、前記踵骨から前記中足骨へと続く縦アーチ領域に当接する上に凸のドーム部とを有し、前記ドーム部に下向きの荷重が加わると前記起立部が内側に変形することを特徴とする。
体重がかかると、弾性基材でできたドーム部が足の縦アーチ領域で押し下げられる。すると、その押し下げられる応力で起立部が内側に変形するので、足と中敷きとの一体化が図られ、足と中敷きとの密着性が向上し、側方への足の動揺も抑制される。
上記の靴の中敷きにおいて、前記弾性基材は微弾性基材であるとよい。これにより、ドーム部に下向きの荷重が加わると起立部が内側に容易に変形することができる。
また、前記微弾性基材は、樹脂シートを網状繊維でサンドイッチしてなるとよい。これにより、基材の摩耗・破損が生じにくくなる。
また、前記クッション材は、複数のシートを重ねた多層構造をしており、該シートの上側シートには多数の孔が形成され、該シートの下側シートは耐摩耗性と通気性を有するとよい。これにより、通気性とクッション性を向上させることができる。
また、前記起立部の高さは、15mm以上であるとよい。骨を高さ方向に幅広く包み込むことができる。
また、前記起立部は、厚さが端部方向に漸減するとよい。これにより、靴と中敷き及び中敷きと足の隙間が少なくなり、足と靴との一体化が促進される。
体重がかかると、弾性基材でできたドーム部が足の縦アーチ領域で押し下げられる。すると、その押し下げられる応力で起立部が内側に変形するので、足と中敷きとの一体化が図られ、足と中敷きとの密着性が向上し、側方への足の動揺も抑制される。
本実施形態に係る靴の中敷きの斜視図である。 図1のA1−A1線断面図である。 図1のA2−A2線断面図である。 弾性基材の部分拡大断面図である。 クッション材の部分拡大断面図である。 足の骨格図である。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施する形態を詳細に説明する。
本実施形態に係る靴の中敷き1は、図1〜3に示すように、踵骨から中足骨までカバーする弾性基材11の上に踵骨から指節骨までカバーする通気性のクッション材12が積層されてなる。また、中敷き1は、踵骨から立方骨と舟状骨までを取り囲む湾曲した起立部13と、中足骨に当接する上に凸の中足骨アーチ部14とを備えている。
中足骨アーチ部14は、長軸が中心線CLに沿う楕円状をしており、その後端部は立方骨58と舟状骨59に当接する位置まで伸びている。
中敷き1の踵骨56に当接する部位は、図3に示すようにドーム状に湾曲しており、起立部13の厚さが端部方向に漸減している。したがって、起立部13の上端部にはクッション材12のみが露出している。また、起立部13の上端の延長線と垂線VLとのなす角はθ(>0)であり、起立部13は左右方向にθだけ開いている。
本実施形態の中敷き1は上記のような形状をしているので、靴にセットして足を入れる(靴を履く)際、起立部13に邪魔されることがない。また、中足骨アーチ部14が押し下げられると、点線矢印で示す内向きの応力がかかり、起立部13が内側に弾性変形するので足と靴の一体化が図られ、足と中敷きとの密着性が向上し、側方への足の動揺も抑制される。
また、起立部13の高さは、15mm以上であるとよい。骨を高さ方向に幅広く包み込むことができる。
弾性基材11は、弾性を有するものであればよく、例えば、エチレンビニルアセテート、ポリオレフィン発泡体、ポリウレタン発泡体、熱可塑性ポリウレタン、ゴム等を挙げることができるがこれらに限定されるものではない。好ましくは図4に示すような、所謂可撓性(微弾性)材料製である。すなわち、弾性基材11は、熱可塑性樹脂シート11bを網状繊維11aでサンドイッチして成形した複合材料である。したがって、厚さが1.5mm未満と薄くても強度があり微弾性を示すことができる。
クッション材12の材質としては、例えば、エチレンビニルアセテート、ポリオレフィン発泡体、ポリウレタン発泡体、熱可塑性ポリウレタン、ゴム等を挙げることができるがこれらに限定されるものではない。好ましくは、図5に示すような、通気性に優れた材料製である。すなわち、クッション材12は、上側シート12aと中間シート12bと下側シート12cからなる3層構造を有し、上側シート12aには多数の孔が形成され、下側シート12cの下面に凹凸パターンが形成されている。したがって、図5に示すクッション材12は、通気性とクッション性に非常に優れている。
本実施形態の中敷きにおけるクッション材12は上記したように、3層構造であったが、3層に限定されるものではない。2層でも4層でも5層でも・・・よい。何層でもよいが、一番上の層のシートに多数の孔が形成され、一番下のシートは耐摩耗性と通気性を有することが好ましい。
1・・・・・・・・靴の中敷き
11・・・・・・弾性基材
11a・・・・網状繊維
11b・・・・樹脂シート
12・・・・・・クッション材
12a・・・・上側シート
12b・・・・中間シート
12c・・・・下側シート
13・・・・・・起立部
14・・・・・・ドーム部

Claims (6)

  1. 踵骨から中足骨までカバーする弾性基材と、該弾性基材の上に固定された踵骨から指節骨までカバーする通気性のクッション材とを備える靴の中敷きであって、
    外周形状が足裏形状をなすと共に、前記踵骨から立方骨と楔状骨までを取り囲む湾曲した起立部と、前記中足骨に当接する上に凸のドーム部とを有し、前記上に凸のドーム部の下縁は長軸が足裏幅方向の中心線に沿う楕円状をしており、前記上に凸のドーム部に下向きの荷重が加わると前記起立部が内側に変形することを特徴とする靴の中敷き。
  2. 前記弾性基材は微弾性基材である請求項1に記載の靴の中敷き。
  3. 前記微弾性基材は、樹脂シートを網状繊維でサンドイッチしてなる請求項2に記載の靴の中敷き。
  4. 前記クッション材は複数のシートを重ねた多層構造をしており、該シートの上側シートには多数の孔が形成され、該シートの下側シートは耐摩耗性と通気性を有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の靴の中敷き。
  5. 前記起立部の高さは、15mm以上である請求項1〜4のいずれか1項に記載の靴の中敷き。
  6. 前記起立部は、厚さが端部方向に漸減する請求項1〜5のいずれか1項に記載の靴の中敷き。
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