JP6137363B2 - 消耗品管理装置及び消耗品管理プログラム - Google Patents
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Description
このような画像形成装置では、画像形成に伴って消費されるトナー、画像形成に伴って磨耗や劣化が生ずる感光体ドラムや光源LED(Light Emitting Diode)、といった種々の消耗品が用いられている。これらの消耗品を適宜に補給又は交換しなければ、画像形成装置の動作に不具合等を生ずる原因となり得る。そこで、画像形成装置の保守サービスの一環として、消耗品を補給又は交換する作業が必要となる前までに画像形成装置の設置場所へ消耗品を配送しておくことで、その作業が必要となった際に速やかに消耗品を補給又は交換できるようにすることが求められている。
例えば、特許文献1には、画像形成装置のトナー搬送機構におけるトナーの搬送時間に関する情報と、現像器でのトナー消費量の変動に係わる特性量に関する情報と、画像形成装置内の環境を表す特性量に関する情報とを取得し、取得したトナーの搬送時間に関する情報により、予測部にてトナー容器のトナー残量についての予測値を算出し、さらに、補正部にて、記憶部からこの予測値とトナー容器におけるトナー残量についての実測値との対応関係を取得し、取得した対応関係をトナー消費量の変動に係わる特性量と環境を表す特性量とにより補正して、補正した対応関係を用いて予測値を補正する発明が記載されている。
図1には、本発明の一実施形態に係る消耗品管理システムの全体構成の概略を示してある。
本例の消耗品管理システム1は、消耗品管理装置2にネットワーク4を介して複数台(本例では、6台)の画像形成装置3A〜3F(以下、画像形成装置3)を接続した構成になっている。
ここで、以下の説明では、画像形成装置3による消耗品の一種であるトナーを例にして、消耗品の補給又は交換が必要となる時期を予測して消耗品の配送時期を決定する処理を説明するが、感光体ドラムや光源LEDといった他の消耗品についても適用することができる。
ネットワーク4としては、種々の通信路を用いることができ、例えば、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネットなどが用いられる。
消耗品管理装置2は、図2に機能ブロックの例を示すように、通信部21、想定消費量特定部22、予測部23、配送指示部24を有している。
なお、画像形成装置3には、トナーの消耗度を示す値と画像形成装置3の稼働条件を示す値を提供するために、これらの値を検出する検出部が設けられてあり、検出部により検出された値を定期的(本例では1日毎)に消耗品管理装置2へ送信する仕組みとなっている。
なお、他の値をトナーの消耗度を示す値として用いてもよく、トナーの消耗度を把握することが可能な値であればよい。
また、トナー以外の消耗品を後段の想定消費量特定部23及び予測部24による処理の対象とする場合には、その消耗品の種別に応じた値を取得すればよく、該当する消耗品の消耗度を把握することが可能な値であればよい。具体的には、例えば、感光体ドラムを処理の対象とする場合には、画像形成装置3による画像形成の枚数を計数するカウンタ値を、感光体ドラムの消耗度を示す値として取得する。また、例えば、光源LEDを処理の対象とする場合には、画像形成装置3の稼働積算時間を、光源LEDの消耗度を示す値として取得する。
ここで、トナーの消耗度を示す値(本例ではディスペンスモータの通電積算時間)のみを用いた単回帰でもトナーの想定消費量を算出できるが、正確性が十分とはいえないため、本例では、稼働条件を示す値を加味した重回帰によりトナーの想定消費量を算出している。また、稼働条件を示す値は多様であり、全ての値を用いることは処理負担の観点から見れば好ましくないため、本例では、稼働条件を示す各種の値の全てではなく、トナーの消耗度に与える影響の寄与度が高いと推定される幾つかの値を所定のアルゴリズムにより選択して重回帰に用いるようにしている。所定のアルゴリズムとしては、例えば、AIC(Akaike’s Information Criterion)を採用したアルゴリズムが挙げられる。
この予測は種々の手法により行うことができ、例えば、これまでのトナーの想定消費量の推移に基づいて、トナー消費の推移傾向(時間的変化)を表す回帰直線(或いは回帰曲線)を求め、この回帰直線(或いは回帰曲線)からトナーの残量がゼロとなる時期を予測する手法などがある。
図3には、トナー交換の予測日とトナー交換の実施日との差分の分布例を示してある。
図3(a)のグラフは従来方式による分布例であり、図3(b)のグラフは本実施例による分布例である。これらのグラフにおいて、横軸は、トナー交換の予測日とトナー交換の実施日との差分(ずれ日数)を表し、縦軸は各差分の発生頻度(本例ではトナーカートリッジの本数)を表す。
本例の比較対象とする従来方式では、トナー供給用のディスペンスモータの通電積算時間(トナーの消耗度を示す値)のみを用いた単回帰によりトナーの残量がゼロとなる日を予測してトナー交換の予測日とし、トナー交換の予測日にトナーが到着するように、トナー交換の予測日からトナー配送日数(トナーの配送に要すると想定される日数)分を遡った日をトナーの配送日(配送センタからトナーを送り出す日)に決定する。なお、従来方式では、過去のデータに基づき、トナー交換の予測日からトナー配送日数分を遡った日の時点(例えば10日)におけるトナーの平均的な残量(例えば15%)を、PN(Pre Near)と規定してあるものとする。すなわち、従来方式では、トナーの残量がPN未満となった時点でトナーの配送指示が行われる。
本例の消耗品管理装置2では、トナーの消耗度を示す値のみを用いた単回帰による予測と、トナーの消耗度を示す値及び画像形成装置3の稼働条件を示す値を用いた重回帰による高精度予測を組み合わせて用いている。具体的には、トナーの残量がPN以上の予め定められた時点(例えば20%)までは従来方式と同様の単回帰によりトナーの想定消費量の特定を行い、それ以降は重回帰によりトナーの想定消費量を高精度に特定して、トナー交換の予測日を算出する。この重回帰による高精度予測では、トナーの消耗度に影響を与え得る画像形成装置3の稼働条件を考慮すべく、温度、湿度、画像形成密度などの値(画像形成装置3の稼働条件を示す各種の値からAIC等により選択したもの)を取り込んで統計処理等のデータ処理やデータ解析を行うことで、従来方式より高精度にトナーの想定消費量を特定でき、トナー交換の予測日を精度良く算出することができる。
この結果、図3(b)に示すように、トナー交換の予測日とトナー交換の実施日との差分(ずれ日数)が低減して、ずれ日数のばらつきが小さくなり、従来方式(図3(a))と比べて大幅に予測精度が向上していることがわかる。
すなわち、配送指示部24では、図3(b)の斜線ハッチ領域の面積が図3(a)の斜線ハッチ領域の面積と一致するようにトナーの到着日を設定する。
これにより、緊急配送や預託在庫を削減可能なトナーの配送日を決定することができ、トナーの配送時期の適正化を実現することができる。
本例では、複数の画像形成装置3をトナーの消耗速度に応じてクラスタ(画像形成装置群)に分類し、クラスタ別にその特性を考慮してトナーの交換日を予測し、トナーの配送日を決定する。
クラスタリング処理は、データマイニングツール部41、データ管理システム部42、物流部43の各ブロック部により実施される。ここで、データ管理システム部42は想定消費量特定部22及び予測部23に相当し、物流部43は配送指示部24に相当する。
図5(a)は、トナー交換の平均日数が6日未満の画像形成装置群であるクラスタ1についてのグラフであり、図5(b)は、トナー交換の平均日数が6日以上10日未満の画像形成装置群であるクラスタ2についてのグラフであり、図5(c)は、トナー交換の平均日数が10日以上20日未満の画像形成装置群であるクラスタ3についてのグラフであり、図5(d)は、トナー交換の平均日数が20日以上50日未満の画像形成装置群であるクラスタ4についてのグラフである。
クラスタ1ではオフセット日数(トナー交換の予測日D1とトナーの到着日D3の間に設ける日数)が8日、クラスタ2ではオフセット日数が16日、クラスタ3ではオフセット日数が24日、クラスタ4ではオフセット日数が48日、となっている。なお、各グラフにおける網掛け領域は、緊急配送を表している。
これにより、画像形成装置3の使用状況を考慮してトナーの配送日を決定することができ、トナーの配送時期の更なる適正化(緊急配送や預託在庫の削減)を実現することができる。
なお、画像形成装置3の分類は、トナーの消耗速度以外の値を用いて分類してもよく、画像形成装置3の使用状況を特徴付ける種々の値を用いて分類することができる。
本例では、本発明に係る予測手段の機能を想定消費量特定部22及び予測部23により実現し、本発明に係る決定手段の機能を配送指示部24により実現している。
なお、本例のようなソフトウェア構成により各機能部を実現する態様に限られず、各機能部を専用のハードウェアモジュールで実現するようにしてもよい。
21:通信部、 22:想定消費量特定部、 23:予測部、 24:配送指示部、
41:データマイニングツール部、 42:データ管理システム部、 43:物流部、
D1:トナー交換の予測日、 D2:トナーの配送日、 D3:トナーの到着日
Claims (2)
- 画像形成装置から提供される、消耗品の消耗度を示す値と画像形成装置の稼働条件を示す温度、湿度又は画像記録材上の画像密度の少なくともいずれかの値とに基づいて、画像形成装置の消耗品の交換時期を予測する予測手段と、
過去に消耗品を交換した複数の事例における予測の交換時期と実際の交換時期との差分の分布に基づいて、画像形成装置の設置場所への消耗品の到着時期より実際の交換時期が前となる緊急配送の程度、又は、消耗品の到着時期より実際の交換時期が後となる預託在庫の程度が予定値となるように、予測の交換時期と消耗品の到着時期との間に設けるオフセット期間を設定する設定手段と、
管理対象の画像形成装置について、前記予測手段により予測された交換時期から前記オフセット期間を遡った時期を消耗品の到着時期に決定し、当該到着時期から消耗品の配送に要する期間を遡った時期を消耗品の配送時期に決定する決定手段と、
を備えたことを特徴とする消耗品管理装置。 - コンピュータに、
画像形成装置から提供される、消耗品の消耗度を示す値と画像形成装置の稼働条件を示す温度、湿度又は画像記録材上の画像密度の少なくともいずれかの値とに基づいて、画像形成装置の消耗品の交換時期を予測する予測機能と、
過去に消耗品を交換した複数の事例における予測の交換時期と実際の交換時期との差分の分布に基づいて、画像形成装置の設置場所への消耗品の到着時期より実際の交換時期が前となる緊急配送の程度、又は、消耗品の到着時期より実際の交換時期が後となる預託在庫の程度が予定値となるように、予測の交換時期と消耗品の到着時期との間に設けるオフセット期間を設定する設定機能と、
管理対象の画像形成装置について、前記予測機能により予測された交換時期から前記オフセット期間を遡った時期を消耗品の到着時期に決定し、当該到着時期から消耗品の配送に要する期間を遡った時期を消耗品の配送時期に決定する決定機能と、
を実現させるための消耗品管理プログラム。
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