JP6137087B2 - 焼結鉱の製造方法 - Google Patents

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本発明は、高炉用原料である焼結鉱の製造方法、詳細には、焼結鉱の冷却工程で予備還元を行う焼結鉱の製造方法に関する。
銑鉄製造プロセスでは、消費エネルギー、生産性および生産規模の観点から、焼結機、コークス炉および高炉を用いた、いわゆる「高炉法」が広く普及している。高炉法では、まず、鉄源である粉鉄鉱石と、溶剤である石灰石と、熱源である粉コークスとを混合した配合原料を、グレート炉形式の焼結機を用いて焼結し、得られた焼結ケーキを破砕・整粒して、塊状の焼結鉱を製造する。一方、コークス炉を用いて石炭を室炉乾留し、塊状のコークスを製造する。そして、鉄源である焼結鉱と、熱源かつ還元材であるコークスを高炉に装入し、鉄源を還元・溶融させることで銑鉄を得ている。
高炉操業における生産性は炉内の通気性に大きく支配されるため、通気性を低下させないようにするために、粒度や強度が大きい鉄源や還元材を使用することが求められる。そのため、粉鉄鉱石の使用にあたっては、そのまま高炉に装入するのではなく、事前に焼結により塊状化して焼結鉱とし、この焼結鉱を装入している。
通常、高炉操業では、一酸化炭素ガスによる間接還元を主に利用するため、ガス還元平衡の制約を受け、多くの還元材を必要とする。また、上述のように炉内通気性の確保の面から、強度の高い高品質の塊コークスが必要とされる。これに対して、近年、二酸化炭素排出抑制による地球温暖化対策および老朽化が進んでいるコークス炉の寿命延長の観点から、製銑プロセスとして炭素による酸化鉄の直接還元を主に利用するプロセスが開発され、実用化され始めている。このプロセスでは、ガス還元平衡の制約を受けることがなくなるため、還元材の原単位を削減することができ、二酸化炭素排出抑制およびコークス炉稼働率の低下を可能とする。
直接還元を利用する還元鉄製造方法としては、例えば、溶融還元法、回転炉床法、ロータリーキルン法などが挙げられるが、いずれの方法も大規模な設備投資を伴うこと、生産性が著しく低い等の理由から、高炉法の補完プロセスとなっているのが現状である。
一方、既存焼結機を利用し、焼結機上で塊成化と同時に還元反応も行わせ、予備還元された組織を一部含む焼結鉱を製造する方法が、特許文献1、2などで提案されている。特許文献1、2によれば、既存焼結機において粉鉄鉱石に対してその還元に必要な炭材を加えることで、直接還元反応を利用して予備還元焼結鉱を製造できるとしている。この方法は、新規の大規模な設備投資を伴うことなく大量に予備還元焼結鉱を製造する方法として実現可能性の高い方法であると言える。
特開平4−210432号公報 特開2000−192154号公報
しかしながら、特許文献1、2に示される技術では、通常焼結プロセスの2〜4倍程度の炭材を燃焼させることが必要となるため、上記還元反応が吸熱反応であっても熱過剰になりやすく、原料の粉鉱石がFeやFeから高温でFeOに還元された段階で、鉱石中の脈石や添加したフラックスと反応して大量の融液を発生させる。この融液は、副原料として添加されるCaO系副原料と鉱石との反応により生成するカルシウムフェライト融液、および還元により生成したFeOと鉱石中の脈石SiOとの反応により生成するオリビン系融液である。このようにして大量に生成した融液は、その周囲の粒子どうしを急速に融着させると同時に、擬似粒子の外部から内部に向かって溶融を進行させる。原料充填層である焼結ベッド内には擬似粒子の溶融・収縮によって巨大な空隙が形成され、焼結機における吸引ガスは、その部分のみを通過するようになる。その結果として、通常400〜600mmある原料充填層の上層から下層に徐々に燃焼帯が移動すべき焼結反応が妨げられ、焼結ベッドの下層部に未焼部が大量に残り、還元反応の進行が阻止されるとともに、生産性が極度に低下するという問題がある。
そのため、特許文献1、2の技術により既存の焼結機を用いて高炉の主原料となる大量(少なくとも日産数千トンの規模)の予備還元焼結鉱を製造するには、解決すべき大きな課題がある。
したがって本発明の目的は、焼結機の操業を悪化させることなく焼結鉱を適切に予備還元することができ、高品質の予備還元焼結鉱を高い生産性で製造することができる焼結鉱の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上述した従来技術の課題に鑑み、焼結工程ではなく、次工程である冷却工程において焼結鉱を予備還元する方法について検討を行い、その結果、メタンなどの炭化水素の二酸化炭素改質反応(吸熱反応)により焼結鉱を冷却しつつ、同改質反応で生成した一酸化炭素および水素を還元ガスとして焼結鉱を予備還元するという新たな方法を創案した。
この方法によれば、焼結工程に全く影響を与えることなく焼結鉱を予備還元することができ、しかも、炭化水素の二酸化炭素改質は吸熱反応であるので、高温の焼結鉱を効率的に冷却することができる。また、焼結鉱は、比較的高濃度の鉄分を含んでいるため炭化水素の二酸化炭素改質反応の触媒として機能するとともに、同改質反応に必要な熱の供給源としても機能するため、炭化水素の二酸化炭素改質を安定的且つ効率的に進行させることができ、これにより生成した還元ガス(水素および一酸化炭素)により焼結鉱を安定的に還元することができる。
すなわち、本発明の要旨は以下のとおりである。
[1]焼結機から排鉱される高温の焼結鉱を反応容器(A)に装入し、該反応容器(A)に炭化水素と二酸化炭素を吹き込むことで、炭化水素の二酸化炭素改質反応により水素および一酸化炭素を生成させ、該炭化水素の二酸化炭素改質反応により焼結鉱を冷却しつつ、生成した水素および一酸化炭素を還元ガスとして焼結鉱を予備還元することを特徴とする焼結鉱の製造方法。
[2]上記[1]の製造方法において、650℃以上の焼結鉱を反応容器(A)内に装入することを特徴とする焼結鉱の製造方法。
[3]上記[1]または[2]の製造方法において、反応容器(A)内では、焼結鉱のみを触媒とし、且つ焼結鉱のみを熱源として炭化水素の二酸化炭素改質を行うことを特徴とする焼結鉱の製造方法。
[4]上記[1]〜[3]のいずれかの製造方法において、反応容器(A)に吹き込む二酸化炭素として、高炉ガスから分離・回収した二酸化炭素を用いることを特徴とする焼結鉱の製造方法。
本発明の焼結鉱の製造方法によれば、焼結工程ではなく、次工程である冷却工程において焼結鉱の予備還元を行うようにしたので、焼結機の操業を悪化させることなく焼結鉱を適切に予備還元することができ、高品質の予備還元焼結鉱を高い生産性で製造することができる。また、炭化水素の二酸化炭素改質反応は吸熱反応であるため、送風空気との自然熱交換による冷却を行っている従来の焼結冷却方法に比べて冷却速度が速く、高温の焼結鉱を効率的に冷却することができる。このため焼結鉱クーラーの負担を軽減し、クーラー設備を小型化することができる。また、焼結鉱は、比較的高濃度の鉄分を含んでいるため炭化水素の二酸化炭素改質反応の触媒として機能するとともに、同改質反応に必要な熱の供給源としても機能するため、炭化水素の二酸化炭素改質を安定的且つ効率的に進行させることができ、これにより生成した還元ガス(水素および一酸化炭素)により焼結鉱を安定的に還元することができる。
本発明法の一実施形態を模式的に示す説明図 実施例における反応後ガス(オフガス)のガス成分の推移を示すグラフ 実施例で使用した縦型管状炉を示す説明図
本発明法は、焼結機から排鉱される高温の焼結鉱(破砕焼結ケーキ)の冷却工程で予備還元を行うものであり、反応容器内において、メタンなどの炭化水素の二酸化炭素改質反応(吸熱反応)により焼結鉱を冷却しつつ、同改質反応で生成した一酸化炭素および水素を還元ガスとして焼結鉱を予備還元するものである。
反応容器内に、例えば650℃〜1100℃の高温において、炭化水素であるメタンと二酸化炭素を流通させると以下の反応が進行する。
CH→C+2H …(1)
C+CO→2CO …(2)
CH+CO→2H+2CO …(3)
メタンの二酸化炭素改質反応では、上記(1)式のCHの分解反応と上記(2)式のCOを生成する反応が進行し、結果として上記(3)式により二酸化炭素改質が表される。上記(3)式の反応は大きな吸熱反応(ΔH=−247kJ/mol)であるため、反応容器内に高温の焼結鉱を装入し、この反応容器内でメタンの二酸化炭素改質を行うことにより、高温焼結鉱は急冷されることになる。この際、焼結鉱は上記(3)式の改質反応の触媒として機能し、また、同改質反応に必要な熱の供給源としても機能する。
一方、上記(3)式の改質反応により生成した一酸化炭素および水素の存在により、反応容器内において、以下のような焼結鉱の還元反応が進行する。
Fe+CO→2FeO+CO …(4)
Fe+H→2FeO+HO …(5)
FeO+CO→Fe+CO …(6)
FeO+H→Fe+HO …(7)
そこで、本発明では、焼結機から排鉱される高温の焼結鉱を反応容器(A)に装入し、この反応容器(A)に炭化水素と二酸化炭素を吹き込むことで、炭化水素の二酸化炭素改質反応により水素および一酸化炭素を生成させ、この改質反応により焼結鉱を冷却しつつ、生成した水素および一酸化炭素を還元ガスとして焼結鉱を予備還元する。なお、本発明において反応容器(A)に装入される高温の焼結鉱は、通常、焼結機グレードから排鉱された後、クラッシャーで破砕された焼結ケーキである。
本発明では、高温の焼結鉱が反応容器(A)に装入され、反応容器(A)内で焼結鉱の冷却と予備還元がなされるが、上記(3)式の反応は、650℃以上の高温条件にて進行することが知られており、このため本発明では、特に、650℃以上の焼結鉱を反応容器(A)に装入することが好ましい。
一般に高炉原料となる焼結鉱はグレード炉形式の焼結機で製造され、焼結機から排鉱直後の焼結鉱は、その部位によって50℃程度から1000℃以上までの幅広い温度分布を有しているが、そのうちの高温の焼結鉱(好ましくは650℃以上の焼結鉱)のみを選択的に反応容器(A)に装入し、上述した改質反応を利用した冷却と予備還元を行うことが好ましい。
反応容器(A)を用いた実施形態は任意であるが、例えば、高温の焼結鉱を反応容器(A)の上部から装入し、反応容器(A)の下部から反応ガスとしてメタンなどの炭化水素と二酸化炭素の混合ガスを吹き込み、炉上部から反応後ガスを排出する。
本発明法による焼結鉱の予備還元率は、特に制限はないが、高炉での還元材比低減という観点から30%以上が好ましい。なお、焼結鉱の予備還元率は、「予備還元率=100−(予備還元処理後の焼結鉱中のO量/予備還元処理前の焼結鉱中のO量)×100」で求められる。
反応容器(A)に吹き込む炭化水素、二酸化炭素の供給源や濃度は任意であり、炭化水素としては、例えばLNGを用いることができる。また、二酸化炭素としては、例えば、高炉ガスから分離・回収した二酸化炭素を用いることができる。高炉ガスに含まれる二酸化炭素は、製鉄所で発生する二酸化炭素のうち相当の割合を占めるので、高炉ガスから分離・回収した二酸化炭素を用いることにより、製鉄所内でのトータルの二酸化炭素発生量を大幅に削減することができる。
また、上述したように、本発明において反応容器(A)に装入された焼結鉱は、炭化水素の二酸化炭素改質反応の触媒および熱源(反応に必要な熱の供給源)として機能するが、本発明では他の触媒や熱源の使用を排除するものではない。ただし、経済性などの観点から、反応容器(A)内では、焼結鉱のみを触媒とし、且つ焼結鉱のみを熱源として炭化水素の二酸化炭素改質を行うことが好ましい。
上述したように、反応容器(A)内で冷却・予備還元される焼結鉱は、比較的高濃度の鉄分を含んでいるため炭化水素の二酸化炭素改質反応の触媒として機能するとともに、同改質反応に必要な熱の供給源としても機能する。このため、高価な触媒や特別な熱源を用いることなく或いはそれらの使用を最小限にとどめつつ、炭化水素の二酸化炭素改質を行うことができる。特に、焼結鉱製造プロセスでは、焼結機から連続的に大量の焼結鉱が排鉱されるので、これを触媒及び熱源として利用することにより、Fe系触媒であっても十分な触媒作用が得られ、且つ熱源としても十分な熱量が確保できる。このため、炭化水素の二酸化炭素改質を安定的且つ効率的に進行させることができ、これにより生成した還元ガス(水素および一酸化炭素)により焼結鉱を安定的に還元することができる。
また、反応容器(A)内で炭化水素の二酸化炭素改質反応(吸熱反応)により高温の焼結鉱が冷却されるが、送風空気との自然熱交換による冷却を行っている従来の焼結冷却方法に比べて冷却速度が速い。このため、焼結鉱クーラーの負担を軽減し、クーラー設備を小型化することができる。また、急冷できるため、短時間で後工程へ輸送することが可能となる。
図1は、本発明法の一実施形態を模式的に示す説明図であり、Aは反応容器、1はガス混合器である。本実施形態は、改質対象の炭化水素がメタンである場合を示している。
本実施形態の反応容器Aは、容器内の下部に分散板2を有し、この分散板2上に高温焼結鉱が装入され、その充填層aが形成される。分散板2の下方の空間(風箱)には、混合ガス(炭化水素+二酸化炭素)の供給管3が接続されている。一方、反応容器Aの上部には排気管4が接続されている。
本実施形態では、焼結機から排鉱された焼結鉱のうち高温焼結鉱(650℃以上)を選択的に反応容器A内に装入し、分散板2上に焼結鉱の充填層aを形成する。一方、中低温焼結鉱(650℃未満)は、従来と同様に直接クーラー5に送られて冷却される。焼結機から排鉱された焼結鉱のうち高温焼結鉱のみを選択的に反応容器A内に装入する方法としては、例えば、焼結機の排鉱部に仕切り板を設置し、厚み方向で温度分布をもった焼結ケーキを厚み方向で分離し、別々のシュートで移送することで高温焼結鉱のみを反応容器Aに導くことができる。
メタン(例えば、LNG)と二酸化炭素(例えば、高炉ガスから分離・回収された純度90%以上の二酸化炭素)はガス混合器1で混合された後、供給管3を通じて反応容器Aに連続的に供給される。混合ガスは、分散板2から焼結鉱の充填層aに吹き込まれ、焼結鉱を触媒及び熱源とする炭化水素の二酸化炭素改質が行われ、水素と一酸化炭素を含有する改質ガスが生成する。炭化水素の二酸化炭素改質反応により、充填層aを構成する焼結鉱が冷却されるとともに、生成した水素と一酸化炭素を還元ガスとして焼結鉱が予備還元される。
反応容器A内のガス(焼結鉱の還元に利用されなかった一酸化炭素、水素を含む混合ガス)は排気管4を通じて連続的に取り出され、燃料ガスなどとして有効利用(例えば、製鉄所内での利用)される。
反応容器A内の焼結鉱が所定の温度まで冷却され、且つ所定の還元率に予備還元された時点で、反応容器A内の焼結鉱を取り出し、新たな焼結鉱(焼結機から排鉱された高温の焼結鉱)と入れ替える。すなわち、操業中は、所定時間毎に反応容器Aへの混合ガス(メタン+二酸化炭素)の供給を中断し、反応容器A内の焼結鉱を新たな焼結鉱と入れ替える。この入れ替えは、焼結鉱温度の面からは、反応容器A内の焼結鉱の温度が650℃未満となる前に行うことが好ましい。反応容器A内の焼結鉱を入れ替えする時間的な間隔は、装入前の焼結鉱の温度、反応容器A内での温度低下、焼結鉱の予備還元率などにより異なるが、数分〜数十分毎に行うことが好ましい。
また、多くの場合、上記(1)式の反応に比べて上記(2)式の反応速度が遅れる傾向にあるため、触媒である焼結鉱に炭素の析出が発生し、数時間〜数十時間後には触媒活性の低下が見られる。しかし、反応容器A内の焼結鉱を数分〜数十分毎に入れ替えすれば、上記(1)式の反応により炭素が析出したとしても触媒活性が低下することはない。
焼結鉱の入れ替えにより反応容器Aから取り出された焼結鉱はクーラー5に送られ、必要な温度まで冷却される。冷却された焼結鉱は、高炉原料として用いられる。したがって、反応容器A内で焼結鉱表面に析出した炭素は、焼結鉱とともに高炉に装入され、高炉原料の還元材として有効利用される。
表1に、1000℃、1100℃、1200℃の各焼結鉱(比熱0.22kcal/kg/℃)を反応容器内に1000kg装入した状態で、反応容器内にメタンと二酸化炭素を吹き込むことでメタンの二酸化炭素改質を開始し、吸熱反応(吸熱量247kJ/mol-CH)によって焼結鉱が650℃に冷却されるまで焼結鉱の冷却と予備還元を行った場合について、導入メタン量、反応メタン量、メタンの転化率などの計算結果を示す。これによれば、反応容器内に装入された高温の焼結鉱は、メタンの二酸化炭素改質の吸熱反応により効果的に冷却され、しかも二酸化炭素改質で生成した還元ガス(水素、一酸化炭素)により予備還元されることが判る。
Figure 0006137087
図3に示す直径30mmの縦型管状炉(石英ガラス製の反応管)を用いて焼結鉱の予備還元実験を行った。この実験では、縦型管状炉内に詰められた綿の上に焼結鉱(常温)を30g乗せ、下からメタン(500mL/分)と二酸化炭素(500mL/分)の混合ガスを流通させた。加熱装置で縦型管状炉を加熱し、反応温度及び焼結鉱温度を1000℃に維持した。
実験開始から反応後ガス(オフガス)の分析(GC-TCDによるガス分析)を行った。その結果を図2に示すが、メタンと二酸化炭素の濃度低下および一酸化炭素と水素の生成が確認される。ガスの流通時間は60分としたが、ガス流通開始後10分程度で改質反応はほぼ安定化し、また、その後、実験終了までの期間で触媒活性が低下した兆候も見受けられない。
実験前後の焼結鉱組成を分析した結果、実験前の焼結鉱はT.Fe:56.6mass%、FeO:8.0mass%であったのに対し、実験後の焼結鉱はT.Fe:59.4mass%、FeO:55.7mass%であった。すなわち、予備還元率は17.5%であり、メタンの二酸化炭素改質により生成した還元ガス(水素および一酸化炭素)により焼結鉱の予備還元がなされたことが確認できた。
物質収支解析によると、本実験による焼結鉱の予備還元は水素による間接還元が支配的であった。
A 反応容器
a 充填層
1 ガス混合器
2 分散板
3 供給管
4 排気管
5 クーラー

Claims (3)

  1. 焼結機から排鉱される650℃以上の焼結鉱を反応容器(A)に装入し、該反応容器(A)に炭化水素と二酸化炭素を吹き込むことで、炭化水素の二酸化炭素改質反応により水素および一酸化炭素を生成させ、該炭化水素の二酸化炭素改質反応により焼結鉱を冷却しつつ、生成した水素および一酸化炭素を還元ガスとして焼結鉱を予備還元することを特徴とする焼結鉱の製造方法。
  2. 反応容器(A)内では、焼結鉱のみを触媒とし、且つ焼結鉱のみを熱源として炭化水素の二酸化炭素改質を行うことを特徴とする請求項1に記載の焼結鉱の製造方法。
  3. 反応容器(A)に吹き込む二酸化炭素として、高炉ガスから分離・回収した二酸化炭素を用いることを特徴とする請求項1または2に記載の焼結鉱の製造方法。
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