JP6136689B2 - 電動モータ及び電動パワーステアリング装置 - Google Patents

電動モータ及び電動パワーステアリング装置 Download PDF

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本発明は、電動モータ及び電動パワーステアリング装置に関する。
電動パワーステアリング装置に用いられる、ウォーム及びウォームホイールを有する減速機構では、ウォームの歯とウォームホイールの歯との間にバックラッシュが生ずることで歯打音が発生することがある。この歯打音の抑制のために、特許文献1に記載される技術が知られている。特許文献1には、付勢手段によってウォームをウォームホイールに向けて付勢して予圧しバックラッシュをなくし歯打音の発生を抑制する技術が記載されている。
特開2005−212559号公報
特許文献1に記載される技術を用いた場合、ウォームは、ウォームを支持する軸受のうちモータとの接続部に近い軸受を支点として、ウォームホイールに近付く方向と遠ざかる方向とに動くことになる。ウォームのこの動きにより、ウォームとモータの接続部に力が加わる。このため、モータを支持する軸受のうちウォームとの接続部に近い軸受を支点として、ウォームとの接続部から遠い軸受が動かされる。その結果、ウォームとの接続部から遠い軸受からモータのモータケースを押す力が加わる。また、このモータケースと、モータケースとウォームとを接続するためのフランジ部材との間には隙間が生ずる可能性がある。このため、ウォームとの接続部から遠い軸受からモータケースを押す力が加わると、モータケースとフランジ部材とが接触し離れることを繰り返すことで異音が発生する可能性がある。
また、モータケースとフランジ部材との間の隙間は、モータケースとフランジ部材とを締結する箇所を増やせば、なくすことができる可能性がある。しかし、一般的に、モータケース及びフランジ部材部は、搭載性向上のために小型化することが求められている。このため、モータケースとフランジ部材とを締結する箇所は、2箇所であることが望ましい。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、モータケースとフランジ部材との締結箇所を2箇所としながらも、モータケースとフランジ部材との間の隙間が生ずることによって発生する異音を抑制する電動モータ及び電動パワーステアリング装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、電動モータは、一端に開口部を有する筒状であって、前記開口部側の端部を外周の外側へ拡げた端面であるケースフランジを有し、モータロータを内蔵するモータケースと、前記モータロータに連動して回転する入出力シャフトと、2つのケース固定機構によって前記ケースフランジに固定され、かつ前記入出力シャフトが貫通するフランジ部材と、前記2つのケース固定機構とは異なる位置で、前記フランジ部材と対向する前記ケースフランジの対向面に向かって前記フランジ部材を貫通する貫通孔と、前記貫通孔に挿入され、端部が前記ケースフランジに接触し押圧する押圧部材と、を含むことを特徴とする。
これにより、押圧部材がケースフランジを押圧し、ケースフランジが弾性変形することで、押圧部材に反力が加わるため、ケースフランジと押圧部材とが接触している状態が保たれる。このため、電動モータは、モータケースとフランジ部材との締結箇所を2箇所としながらも、モータケースとフランジ部材との間の隙間が生ずることによって発生する異音を抑制することができる。
また、電動モータにおいて、前記貫通孔は、内表面にネジ山を有し、前記押圧部材は、ネジであり、前記ネジ山に螺合して前記貫通孔に挿入されることが好ましい。これにより、押圧部材と貫通孔の内表面のネジ山とが螺合した状態で、ケースフランジから押圧部材に反力が加えられるため、ネジ山同士が噛み合って摩擦力が増加する。このため、押圧部材の緩みが抑制される。よって、電動モータは、モータケースとフランジ部材との締結箇所を2箇所としながらも、モータケースとフランジ部材との間の隙間が生ずることによって発生する異音をより抑制することができる。
また、電動モータにおいて、前記押圧部材の長さは、前記貫通孔の長さよりも短いことが好ましい。これにより、押圧部材の一方の端部がケースフランジに接触するとき、押圧部材の他方の端部は、フランジ部材の減速装置との対向面から減速装置側に突出せずに貫通孔の内側に位置する。このため、フランジ部材に減速装置が固定されても、押圧部材は、減速装置と干渉して力を加えられることなく、ケースフランジを押圧できる。よって、電動モータは、モータケースとフランジ部材との締結箇所を2箇所としながらも、モータケースとフランジ部材との間の隙間が生ずることによって発生する異音をより抑制することができる。
また、電動モータにおいて、前記ケースフランジは、前記押圧部材の端部が接触する位置に凹部を有することが好ましい。これにより、ケースフランジは、径方向及び周方向への滑りが抑制されながら押圧部材から押圧される。このため、押圧部材がより確実にケースフランジを押圧することができ、ケースフランジと押圧部材とが接触している状態が保たれやすくなる。よって、電動モータは、モータケースとフランジ部材との締結箇所を2箇所としながらも、モータケースとフランジ部材との間の隙間が生ずることによって発生する異音をより抑制することができる。
また、電動モータにおいて、前記押圧部材の端部と前記ケースフランジとの間にスペーサを有し、前記スペーサは、前記押圧部材の端部との接触面積よりも前記ケースフランジとの接触面積の方が大きいことが好ましい。これにより、押圧部材がスペーサを介してケースフランジを押圧すると、押圧部材の端部とスペーサとの接触面積よりも広い範囲に押圧力が伝わる。これにより、ケースフランジと押圧部材とが接触している状態がより広い範囲で保たれやすくなる。よって、電動モータは、モータケースとフランジ部材との締結箇所を2箇所としながらも、モータケースとフランジ部材との間の隙間が生ずることによって発生する異音をより抑制することができる。
また、電動モータにおいて、前記貫通孔及び前記押圧部材は、それぞれ2つであり、前記2つのケース固定機構は、前記入出力シャフトと直交する第1仮想直線上で相互に異なる位置に配置され、2つの前記貫通孔は、前記入出力シャフトと直交する第2仮想直線上で相互に異なる位置に配置され、前記第1仮想直線と前記第2仮想直線とは直交することが好ましい。これにより、貫通孔とケース固定機構とは、入出力シャフトの中心軸を中心として周方向で等間隔に配置されている。2つの貫通孔が配置される位置は、ケース固定機構から周方向で最も遠い位置である。貫通孔がこのように配置され、押圧部材がケースフランジを押圧することで、ケースフランジとフランジ部材との隙間が発生しやすい位置で、ケースフランジと押圧部材とが接触している状態が保たれやすくなる。よって、電動モータは、モータケースとフランジ部材との締結箇所を2箇所としながらも、モータケースとフランジ部材との間の隙間が生ずることによって発生する異音をより抑制することができる。
また、本発明に係る電動パワーステアリング装置は、上記の電動モータから補助操舵トルクを得る。上記の電動モータを備える電動パワーステアリング装置は、電動モータの周囲の異音を低減することができる。このため、電動パワーステアリング装置は、作動音が低減し、操作者に対して快適な操舵感を与えることができる。
本発明によれば、モータケースとフランジ部材との締結箇所を2箇所としながらも、モータケースとフランジ部材との間の隙間が生ずることによって発生する異音を抑制する電動モータ及び電動パワーステアリング装置を提供することができる。
図1は、本実施形態に係る電動モータを備える電動パワーステアリング装置の構成図である。 図2は、電動モータの周囲の操舵力アシスト機構を模式的に示す説明図である。 図3は、図2に示す操舵力アシスト機構の内部構造を模式的に示す説明図である。 図4は、本実施形態に係る電動モータ及び減速装置の一例を説明する説明図である。 図5は、図4に示した位置Qの拡大図である。 図6は、図4に示したフランジ部材を減速装置側から見た図である。 図7は、変形例1に係る減速装置の図4の位置Qに相当する部分の拡大図である。 図8は、変形例1に係るフランジ部材を減速装置側から見た図である。 図9は、変形例2に係る減速装置の図4の位置Qに相当する部分の拡大図である。 図10は、変形例2に係るフランジ部材を減速装置側から見た図である。
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
(実施形態)
図1は、本実施形態に係る電動モータを備える電動パワーステアリング装置の構成図である。図2は、電動モータの周囲の操舵力アシスト機構を模式的に示す説明図である。図3は、図2に示す操舵力アシスト機構の内部構造を模式的に示す説明図である。図4は、本実施形態に係る電動モータ及び減速装置の一例を説明する説明図である。図3及び図4は、構造の一部を部分的に断面として示してある。図1から図4を用いて、電動モータ10を備える電動パワーステアリング装置80の概要を説明する。
<電動パワーステアリング装置>
電動パワーステアリング装置80は、操舵者から与えられる力が伝達する順に、ステアリングホイール81と、ステアリングシャフト82と、操舵力アシスト機構83と、ユニバーサルジョイント84と、ロアシャフト85と、ユニバーサルジョイント86と、ピニオンシャフト87と、ステアリングギヤ88と、タイロッド89とを備える。また、電動パワーステアリング装置80は、ECU(Electronic Control Unit)90と、トルクセンサ91aとを備える。車速センサ91bは、車両に備えられ、CAN(Controller Area Network)通信により車速信号VをECU90に入力する。
ステアリングシャフト82は、入力軸82aと、出力軸82bとを含む。入力軸82aは、一方の端部がステアリングホイール81に連結され、他方の端部がトルクセンサ91aを介して操舵力アシスト機構83に連結される。出力軸82bは、一方の端部が操舵力アシスト機構83に連結され、他方の端部がユニバーサルジョイント84に連結される。本実施形態では、入力軸82a及び出力軸82bは、鉄等の磁性材料から形成される。
ロアシャフト85は、一方の端部がユニバーサルジョイント84に連結され、他方の端部がユニバーサルジョイント86に連結される。ピニオンシャフト87は、一方の端部がユニバーサルジョイント86に連結され、他方の端部がステアリングギヤ88に連結される。
ステアリングギヤ88は、ピニオン88aと、ラック88bとを含む。ピニオン88aは、ピニオンシャフト87に連結される。ラック88bは、ピニオン88aに噛み合う。ステアリングギヤ88は、ラックアンドピニオン形式として構成される。ステアリングギヤ88は、ピニオン88aに伝達された回転運動をラック88bで直進運動に変換する。タイロッド89は、ラック88bに連結される。
操舵力アシスト機構83は、減速装置92と、電動モータ(モータ)10とを含む。なお、電動モータ10は、いわゆる、ブラシレスモータを例示して説明するが、ブラシ(摺動子)及びコンミテータ(整流子)を備える電動モータであってもよい。減速装置92は、出力軸82bに連結される。電動モータ10は、減速装置92に連結され、かつ、補助操舵トルクを発生させる電動機である。なお、電動パワーステアリング装置80は、ステアリングシャフト82と、トルクセンサ91aと、減速装置92とによりステアリングコラムが構成されている。電動モータ10は、ステアリングコラムの出力軸82bに補助操舵トルクを与える。すなわち、本実施形態の電動パワーステアリング装置80は、コラムアシスト方式である。
コラムアシスト方式の電動パワーステアリング装置80は、操作者と電動モータ10との距離が比較的近く、電動モータ10が車室内の運転者の足元近くに配置されているので、制御ユニットの筐体が、電動モータ10近傍で生じる音を増幅し、操舵者に影響を与える可能性がある。このため、電動パワーステアリング装置80では、電動モータ10近傍で生じる音を抑制することが、より快適なアシスト操作に寄与することになる。
図2及び図3に示すように、電動パワーステアリング装置80の操舵力アシスト機構83は、ECU90及び電動モータ10などの各部を支持する機構として、ステアリングコラム51と、アッパ取り付けブラケット52と、ロア取り付けブラケット54と、を有する。ステアリングコラム51は、入力軸82aを回転自在に内装する。ステアリングコラム51は、減速装置92との連結部にコラプス時の衝撃エネルギーを吸収して所定のコラプスストロークを確保する内管及び外管で構成された2重管構造となっている。
アッパ取り付けブラケット52は、ステアリングコラム51の外管及び減速装置92の鉛直方向上側に配置されている。アッパ取り付けブラケット52は、車体に取付けられ、ステアリングコラム51の外管及び減速装置92を支持している。アッパ取り付けブラケット52は、車体側部材(図示せず)に取付けられる取付板部と、この取付板部に一体に形成された方形枠状支持部と、ステアリングコラム51の外管を支持するチルト機構と、を備えている。チルト機構は、方形枠状支持部に形成されている。
アッパ取り付けブラケット52の取付板部は、車体側部材に取付けられる左右一対のカプセルと、これらカプセルに樹脂インジェクションによって固定された摺動板部と、で構成されている。取付板部は、衝突時にステアリングコラム51を車体前方に移動させる衝撃力が作用することにより、カプセルに対して摺動板部が車体前方に摺動して樹脂インジェクションが剪断され、その剪断荷重がコラプス開始荷重となるように構成されている。
チルト機構のチルトレバー53を回動させることにより、支持状態が解除される。この操作により、ステアリングコラム51をロア取り付けブラケット54の枢軸を中心として上下にチルト位置が調整可能とされている。
ロア取り付けブラケット54は、ステアリングコラム51の外管及び減速装置92の鉛直方向下側に配置されている。ロア取り付けブラケット54は、車体に取付けられ、ステアリングコラム51の外管及び減速装置92を支持している。ロア取り付けブラケット54は、車体側部材(図示せず)に取付けられる取付板部と、この取付板部の下面に所定間隔を保って平行に延長する一対の支持板部と、で形成されている。そして、ロア取り付けブラケット54は、支持板部の先端が、減速装置92の減速装置ハウジング93の下端側即ち車体前方側に形成された部分に枢軸を介して回動自在に連結されている。
また、電動モータ10は、減速装置92の側面(ステアリングシャフト82の回転軸に平行かつ鉛直方向に平行な面)に設けられており、減速装置92の減速装置ハウジング93に固定されている。
ステアリングシャフト82は、図2及び図3に示すように、入力軸82aと、出力軸82bと、入力軸82aと出力軸82bとを連結する連結軸(トーションバー)82cと、を有する。ステアリングシャフト82は、入力軸82aに入力された回転が、連結軸82cを介して出力軸82bに伝達する。
(減速装置)
図3及び図4に示すように、減速装置92は、ウォーム減速装置であり、減速装置ハウジング93と、ウォーム94と、玉軸受95aと、玉軸受95bと、ウォームホイール96と、ホルダ97とを備える。
ウォーム94は、電動モータ10の入出力シャフト21にスプライン、または弾性カップリングで結合する。ウォーム94は、玉軸受95aと、ホルダ97に保持された玉軸受95bとで回転自在に減速装置ハウジング93に保持されている。ウォームホイール96は、減速装置ハウジング93に回転自在に保持される。ウォーム94の一部に形成されたウォーム歯94aは、ウォームホイール96に形成されているウォームホイール歯96aに噛み合う。
減速装置ハウジング93は、減速ギヤボックスと呼ばれ、高熱伝導性を有する材料例えばアルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム及びマグネシウム合金の何れか1つを例えばダイキャスト成型されている。
電動モータ10の回転力は、ウォーム94を介してウォームホイール96に伝達されて、ウォームホイール96を回転させる。減速装置92は、ウォーム94及びウォームホイール96によって、電動モータ10のトルクを増加させる。そして、減速装置92は、出力軸82bに補助操舵トルクを与える。減速装置92は、ウォーム94の歯打音抑制のため、後述するモータ結合部側軸受を支点として、ウォーム94が一方向、つまり図2に示すウォーム変位方向FWに動くようにウォーム94をウォームホイール96に当接させている。ウォームホイール96の動きにより、ウォーム94とモータ側との結合部、例えばスプライン嵌合、または弾性カップリングにも同じ一方向(上下方向)の力が作用する。このため、後述するフランジ部材部材を支点として、電動モータ10内のリヤ側軸受に対して上述したウォーム変位方向FWの動きと連動する力が電動モータ10に発生する。
図1に示すトルクセンサ91aは、ステアリングホイール81を介して入力軸82aに伝達された運転者の操舵力を操舵トルクとして検出する。車速センサ91bは、電動パワーステアリング装置80が搭載される車両の走行速度(車速)を検出する。ECU90は、電動モータ10と、トルクセンサ91aと、車速センサ91bと電気的に接続される。
(制御ユニット:ECU)
ECU90は、電動モータ10の動作を制御する。また、ECU90は、トルクセンサ91a及び車速センサ91bのそれぞれから信号を取得する。すなわち、ECU90は、トルクセンサ91aから操舵トルクTを取得し、かつ、車速センサ91bから車両の車速信号Vを取得する。ECU90は、イグニッションスイッチ98がオンの状態で、電源装置(例えば車載のバッテリ)99から電力が供給される。ECU90は、操舵トルクTと車速信号Vとに基づいてアシスト指令の補助操舵指令値を算出する。そして、ECU90は、その算出された補助操舵指令値に基づいて電動モータ10へ供給する電力値Xを調節する。ECU90は、電動モータ10から誘起電圧の情報または後述するレゾルバ等のモータロータの回転の情報を動作情報Yとして取得する。
ステアリングホイール81に入力された操舵者(運転者)の操舵力は、入力軸82aを介して操舵力アシスト機構83の減速装置92に伝わる。この時に、ECU90は、入力軸82aに入力された操舵トルクTをトルクセンサ91aから取得し、かつ、車速信号Vを車速センサ91bから取得する。そして、ECU90は、電動モータ10の動作を制御する。電動モータ10が作り出した補助操舵トルクは、減速装置92に伝えられる。そして、減速装置92は、出力軸82bに補助操舵トルクを与える。
出力軸82bを介して出力された操舵トルク(補助操舵トルクを含む)は、ユニバーサルジョイント84を介してロアシャフト85に伝達され、さらにユニバーサルジョイント86を介してピニオンシャフト87に伝達される。ピニオンシャフト87に伝達された操舵力は、ステアリングギヤ88を介してタイロッド89に伝達され、操舵輪を転舵させる。
<電動モータ>
図4に示す、実施形態1に係る電動モータ10は、回転軸を含む仮想断面で切った場合の模式的な断面が示されている。図4に示すように、電動モータ10は、モータケース11と、フランジ部材12と、リヤ側軸受13と、レゾルバ14と、モータロータ20と、ステータ30とを備える。電動モータ10は、図4に示すように、入出力シャフト21がフランジ部材12を貫通し、入出力シャフト21が露出したフランジ部材12側の面が減速装置92に対面して配置されている。電動モータ10は、フランジ部材12を介して減速装置92に固定されている。
モータケース11は、電動モータ10を覆う筐体であり、一端に開口部を有する筒状ハウジング11aとケースフランジ11bを含む。筒状ハウジング11aの中心軸は、モータロータ20の回転軸Zrと一致する。ケースフランジ11bは、筒状ハウジング11aの開口部側の端部を外周の外側へ拡げた端面であり、筒状ハウジング11aに対して直交する面を有する。以下、筒状ハウジング11aの径方向を単に径方向という。なお、ケースフランジ11bは、筒状ハウジング11aに別部材として接合してもよい。
フランジ部材12は、高熱伝導性を有する材料、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム及びマグネシウム合金の何れか1つを例えばダイキャスト成型されている。なお、フランジ部材12は、樹脂を材料としてもよい。略円板状の形状であるフランジ部材12は、回転軸Zr方向に筒状に突出する突部12aを有する。フランジ部材12は、突部12aを筒状ハウジング11aの内側に挿入して、筒状ハウジング11aの一方の端部を閉塞するようにケースフランジ11bに取り付けられる。突部12aは、筒状ハウジング11aの内側に挿入されることで、フランジ部材12の筒状ハウジング11aに対する位置を規制する位置決め部の役割を果たしている。筒状ハウジング11aは、フランジ部材12とは反対側の端部に、この端部を閉塞する底部を有する。底部は、例えば、筒状ハウジング11aと一体に形成される。筒状ハウジング11aを形成する磁性材料としては、例えばSPCC(Steel Plate Cold Commercial)等の一般的な鋼材や、電磁軟鉄等が適用できる。また、フランジ部材12は、電動モータ10を所望の機器(本実施形態では減速装置92)に取り付ける役割を果たしている。
リヤ側軸受13は、筒状ハウジング11aの内側であって、底部の略中央部分に設けられる。リヤ側軸受13は、筒状ハウジング11aの内側に配置されたモータロータ20の一部である入出力シャフト21の他端を回転可能に支持する。これにより、入出力シャフト21は、回転軸Zrを中心に回転する。筒状ハウジング11aの内側であって、フランジ部材12の略中央部分には、フロント側軸受(図示省略)が設けられてもよい。フロント側軸受は、入出力シャフト21を回転可能に支持する。
ステータ30は、筒状ハウジング11aの内部にモータロータ20を包囲するように筒状に設けられる。ステータ30は、筒状ハウジング11aの内周面11dに例えば嵌合されて取り付けられる。ステータ30の中心軸は、モータロータ20の回転軸Zrと一致する。ステータ30は、筒状のステータコア31と、励磁コイル37とを含む。ステータ30は、ステータコア31に励磁コイル37が巻きつけられる。電動モータ10とECU90とは、電気導電性を有する金属の板状部材で構成したバスバーを介して電気的に接続されている。そして、バスバーは、ECU90の制御信号に応じた電力を励磁コイル37に供給する端子台15を介して供給している。
ステータコア31は、電磁鋼板などの磁性材料で形成され、略同形状に形成された複数のコア片が回転軸Zr方向に積層されて束ねられる複数の分割コアを含む。複数の分割コアは、回転軸Zrを中心とした周方向に等間隔で並んで配置される。以下、回転軸Zrを中心とした周方向を単に周方向という。そして、ステータコア31が筒状ハウジング11a内に圧入されることで、ステータ30は、環状の状態で筒状ハウジング11aの内部に設けられる。なお、ステータコア31と筒状ハウジング11aとは、圧入の他に接着、焼き嵌めまたは溶接等によって固定されてもよい。
励磁コイル37は、線状の電線である。励磁コイル37は、ステータコア31の外周に励磁コイルインシュレータ37aを介して集中巻きされる。この構成により、磁極数を低減でき、かつ分布巻きに比較してコイルエンドが短くなることからコイル量を低減できる。その結果、コストを低減でき、電動モータ10をコンパクトとすることができる。励磁コイル37は、分割コアのティースの複数の外周に分布巻きされていてもよい。この構成により、磁極数が増え、磁束の分布が安定することからトルクリップルを抑制することができる。励磁コイル37は、分割コアのバックヨークの外周にトロイダル巻きされていてもよい。
励磁コイルインシュレータ37aは、励磁コイル37とステータコア31とを絶縁するための部材であり、耐熱部材で形成される。このように、ステータ30は、モータロータ20を包囲できる形状となる。つまり、ステータコア31は、後述するロータヨーク22の外側に所定の間隔を有して環状に配置される。
モータロータ20は、筒状ハウジング11aに対して回転軸Zrを中心に回転できるように、筒状ハウジング11aの内部に設けられる。モータロータ20は、入出力シャフト21と、ロータヨーク22と、マグネット23とを含む。入出力シャフト21は、筒状に形成される。ロータヨーク22は、筒状に形成される。なお、ロータヨーク22は、外周が円弧状である。
ロータヨーク22は、電磁鋼板、冷間圧延鋼板などの薄板が、接着、ボス、カシメなどの手段により積層されて製造される。ロータヨーク22は、順次金型の型内で積層され、金型から排出される。ロータヨーク22は、例えばその中空部分に入出力シャフト21が圧入されて入出力シャフト21に固定される。なお、入出力シャフト21とロータヨーク22とは、一体で成型されてもよい。
マグネット23は、ロータヨーク22の外周方向に沿って埋め込まれ、複数設けられている。マグネット23は、永久磁石であり、S極及びN極がロータヨーク22の周方向に交互に等間隔で配置される。
レゾルバ14は、モータロータ20(入出力シャフト21)の回転位置を検出する。レゾルバ14は、レゾルバロータ14aと、レゾルバステータ14bとを備える。レゾルバロータ14aは、例えば入出力シャフト21の円周面に圧入等で取り付けられる。レゾルバステータ14bは、レゾルバロータ14aに所定間隔の空隙を介して対向して配置される。レゾルバステータ14bは、電磁鋼板などの磁性材料で形成され、略同形状に形成された複数のコア片が回転軸Zr方向に積層されて束ねられる複数相のレゾルバステータコアと、レゾルバステータコアを巻回するレゾルバコイルと、レゾルバステータコアとレゾルバコイルとを絶縁するレゾルバインシュレータと、を含む。
レゾルバロータ14aは、電磁鋼板などの磁性材料で形成された円環状のロータ鉄心を有している。そして、レゾルバロータ14aは、ロータ鉄心の内径中心が回転軸Zrと一致している。レゾルバロータ14aは、ロータ鉄心の外径中心がロータ鉄心の内径中心から一定の偏心量だけ偏心するようにロータ鉄心の外径を変化させている。ロータ鉄心が回転すると、所定位置でのレゾルバステータ14bのレゾルバステータ14bの内径と、ロータ鉄心の外径との距離が変化する。これにより、ロータ鉄心の外径とレゾルバステータ14bとの空隙の距離が変化する。その結果、ロータ鉄心の回転は、ロータ鉄心とステータ鉄心とのリラクタンスを変化させる。このレゾルバロータ14aと、レゾルバステータ14bとのリラクタンスの変化を利用して回転位置を検出するレゾルバ装置は、バリアブルリラクタンス型レゾルバばれ、リラクタンスの変化に応じて電流値が変化したレゾルバ信号が出力される。このレゾルバ信号がモータロータ20の回転の情報となり、上述した動作情報Y(図1参照)となる。ECU90は、レゾルバ信号からモータロータ20の回転角または回転回数を演算することができる。
上述したように、電動モータ10の回転力が、ウォーム94を介してウォームホイール96に伝達されて、ウォームホイール96を回転させる。ウォームホイール96を回転させるとき、ウォーム94の一部に形成されたウォーム歯94aは、ウォームホイール96に形成されているウォームホイール歯96aに噛み合う。ウォーム減速装置である減速装置92は、ウォーム歯94aとウォームホイール歯96aとの間の隙間であるバックラッシュが生ずることで、歯打音が発生することがある。そこで、ウォーム94をウォームホイール96に向けて付勢する付勢手段を設けることで、バックラッシュをなくし歯打音の発生を抑制することできる。しかし、付勢手段を設けることで、ウォーム94は、玉軸受95aを支点として、図2に示すウォーム変位方向FWに動くことになる。ウォーム94のこの動きにより、入出力シャフト21に力が加わる。このため、玉軸受95aを支点としてリヤ側軸受13が動かされることで、リヤ側軸受13からモータケース11を押す力が加わる。
また、モータケース11は、一般的にプレス加工を用いて形成される。ステータコア31が筒状ハウジング11a内に圧入される際のステータコア31の歪みが抑制されるように、モータケース11の板厚は、1mm以上5mm以下であることが好ましい。ケースフランジ11bは、筒状ハウジング11aとともに、プレス加工(深絞り加工)により形成され、板厚が5mm以下に制限される。このため、ケースフランジ11bは、板厚が制約されるので、ケースフランジ11bの剛性には上限がある。また、ケースフランジ11bは、切削を加えて端面部の精度を高めても、ステータコア31の筒状ハウジング11a内への圧入時における筒状ハウジング11aの変形の影響で、フランジ部材12とケースフランジ11bとの間に隙間を生じる可能性がある。このようにして生じるフランジ部材12とケースフランジ11bとの間の隙間は、例えば、数十μm程度である。
ケースフランジ11bとフランジ部材12とは、固定機構によって締結される。ただし、ケースフランジ11bとフランジ部材12とを締結する箇所が増えると、モータケース11及びフランジ部材12の外形が大きくなる。しかし、電動モータ10の搭載性向上のために、モータケース11及びフランジ部材12の外形の小型化が望まれていることから、ケースフランジ11bとフランジ部材12とを締結する箇所は、2箇所であることが望ましい。このため、例えば本実施形態においては、回転軸Zrと直交する直線上で相互に異なる2箇所で、ケースフランジ11bとフランジ部材12とが締結される。なお、ケースフランジ11bとフランジ部材12とが締結される箇所は、回転軸Zrと直交する直線上で相互に異なる2箇所でなくてもよいが、回転軸Zrを中心として周方向で相互に100度以上異なる2箇所であることが望ましい。
回転軸Zrと直交する直線上で相互に異なる2箇所で、ケースフランジ11bとフランジ部材12とが締結されるため、締結される部分から周方向で遠い部分には、固定機構の力が及びにくく、ケースフランジ11bとフランジ部材12との間に隙間が発生する可能性がある。そして、リヤ側軸受13からモータケース11を押す力が加わることでモータケース11が動き、ケースフランジ11bとフランジ部材12とが接触し離れることを繰り返すことで異音が発生する可能性がある。このようにして発生する異音を抑制するため、フランジ部材12は、押圧部材40と貫通孔41とを備える。
図5は、図4に示した位置Qの拡大図である。図6は、図4に示したフランジ部材を減速装置側から見た図である。図4に示す位置Qは、図6に示す貫通孔41の位置に相当する。貫通孔41は、減速装置92との対向面からフランジ部材12と対向するケースフランジ11bの対向面に向かってフランジ部材12を貫通し、内表面41aにネジ山を有する孔である。押圧部材40は、例えば、六角穴付き止めネジであり、六角穴40aに工具を嵌めて回転させられることで、貫通孔41の内表面41aのネジ山と螺合して減速装置92側から貫通孔41に挿入される。六角穴付き止めネジは、ネジ部分の径方向の大きさとネジ頭の径方向の大きさが同じである。このため、押圧部材40は、貫通孔41に深く挿入されても、ネジ頭で動きが規制されることなく動くことができる。また、押圧部材40が貫通孔41に挿入されるのは、ケースフランジ11bとフランジ部材12とが締結された後である。
押圧部材40は、六角穴40aを有する側とは反対側に、少なくとも一部がケースフランジ11bと平行な面である端部40bを有する。押圧部材40の端部40bは、ケースフランジ11bに接触してケースフランジ11bを押圧する。押圧部材40の端部40bがケースフランジ11bを押圧するために、押圧部材40の端部40bは、フランジ部材12のケースフランジ11bとの対向面の表面よりもケースフランジ11b側へ突出している。また、押圧部材40の回転軸Zr方向の長さは、貫通孔41の回転軸Zr方向の長さよりも短い。これにより、押圧部材40の端部40bがケースフランジ11bに接触するとき、押圧部材40の六角穴40a側の端部は、フランジ部材12の減速装置92との対向面から減速装置92側に突出せずに貫通孔41の内側に位置する。このため、フランジ部材12に減速装置92が固定されても、押圧部材40は、減速装置92と干渉して力を加えられることなく、ケースフランジ11bを押圧できる。
押圧部材40がケースフランジ11bを押圧し、ケースフランジ11bが弾性変形することで、押圧部材40にケースフランジ11bから反力が加わる。これより、押圧部材40とケースフランジ11bとが相互に押圧し合うため、ケースフランジ11bと押圧部材40とが接触している状態が保たれる。また、押圧部材40と貫通孔41の内表面41aのネジ山とが螺合した状態で、ケースフランジ11bから押圧部材40に反力が加えられるため、ネジ山同士が噛み合って摩擦力が増加する。このため、押圧部材40の緩みが抑制される。押圧部材40の緩みが抑制されることで、ケースフランジ11bと押圧部材40とが接触している状態がより安定して保たれる。また、貫通孔41は、内表面41aに接着剤が塗布されていてもよい。これにより、押圧部材40の緩み及び押圧部材40の脱落が抑制される。
また、図6に示すように、フランジ部材12は、2つのケース固定機構H1と2つの貫通孔41とを有する。フランジ部材12は、モータケース11と、ケース固定機構H1で固定されている。ケース固定機構H1は、例えば、ケースフランジ11bの取付孔を貫通し、フランジ部材12の雌ねじと、当該雌ねじと螺合結合する雄ねじとを含む、締結構造である。ケース固定機構H1は、ケースフランジ11bと、フランジ部材12とを固定できればよく、例えばカップリング結合でもよい。2つのケース固定機構H1は、回転軸Zrと直交する第1仮想直線L1上で相互に異なる位置に配置される。このようにケース固定機構H1を配置することで、モータケース11及びフランジ部材12の外形が大きくなる方向が少なくなるため、電動モータ10は、周囲の部材の干渉を抑制できる。このため、電動パワーステアリング装置80は、車両への搭載性を高めることができる。しかし、例えば、コラムへのモータ搭載位置によって、第1仮想直線L1と、ウォーム94の動きのウォーム変位方向FWとが略直交する場合、ケース固定機構H1の力が及びにくい位置にモータケース11を動かす力がより大きく作用する可能性がある。
そこで、2つの貫通孔41は、回転軸Zrと直交する第2仮想直線L2上で相互に異なる位置に配置される。第2仮想直線L2は、第1仮想直線L1と直交する。すなわち、貫通孔41とケース固定機構H1とは、回転軸Zrを中心として周方向で等間隔に配置されている。2つの貫通孔41が配置される位置は、ケースフランジ11bとフランジ部材12とを締結するケース固定機構H1の位置から周方向で最も遠い位置である。貫通孔41がこのように配置され、押圧部材40の端部40bがケースフランジ11bを押圧することで、ケースフランジ11bとフランジ部材12との隙間が発生する可能性がある位置で、ケースフランジ11bと押圧部材40とが接触している状態が保たれやすくなる。このため、本実施形態に係る電動モータ10は、モータケース11とフランジ部材12との締結箇所を2箇所としながらも、ケースフランジ11bとフランジ部材12との間の隙間が生ずることによって発生する異音を抑制することができる。
また、貫通孔41は、3つ以上あってもよい。例えば、図6に示す第2仮想直線L2上相互に異なる位置に2つの貫通孔41が配置され、それぞれの貫通孔41の周方向で両隣りにさらに貫通孔41が配置されてもよい。このように配置した場合、第2仮想直線L2上の貫通孔41に挿入された押圧部材40の端部40bがケースフランジ11b側へ突出する量は、当該貫通孔41の周方向で両隣りに配置された貫通孔41に挿入された押圧部材40の端部40bがケースフランジ11b側へ突出する量よりも大きいことが好ましい。このようにすることで、押圧部材40の端部40bとケースフランジ11bとの間に隙間が生じる事態が抑制されるため、電動モータ10は、異音をより抑制することができる。
また、押圧部材40は、第2仮想直線L2上で相互に異なる2箇所でケースフランジ11bを押圧するが、2箇所での押圧力が相互に異なる場合、モータケース11が傾く可能性がある。モータケース11が傾くと、電動モータ10のロストルク、コギングトルク及びトルクリップルに影響がでる可能性がある。このため、本実施形態に係る電動モータ10は、押圧部材40によってケースフランジ11bに押圧力を加えたあとに、入出力シャフト21の角度の検査等によって2箇所に均等な押圧力が加わってことが確認されることが望ましい。
なお、フランジ部材12は、ケース固定機構H1とは重ならない位置に、ギヤボックス固定機構を備えている。ギヤボックス固定機構も、減速装置ハウジング93に設けられた雌ねじと、フランジ部材12を貫通する取付孔を介して、当該雌ねじと螺合結合する雄ねじとを含む、締結構造である。ギヤボックス固定機構は、減速装置ハウジング93とフランジ部材12とを固定できれば、カップリング結合でもよい。
上述したように、本実施形態に係る電動モータ10は、一端に開口部を有する筒状であって、開口部側の端部を外周の外側へ拡げた端面であるケースフランジ11bを有し、モータロータ20を内蔵するモータケース11と、モータロータ20に連動して回転する入出力シャフト21とを備える。本実施形態に係る電動モータ10は、2つのケース固定機構H1によってケースフランジ11bに固定され、かつ入出力シャフト21が貫通するフランジ部材12と、2つのケース固定機構H1とは異なる位置で、フランジ部材12と対向するケースフランジ11bの対向面に向かってフランジ部材12を貫通する貫通孔41と、貫通孔41に挿入され、端部がケースフランジ11bに接触し押圧する押圧部材40と、を含む。
これにより、押圧部材40がケースフランジ11bを押圧し、ケースフランジ11bが弾性変形することで、押圧部材40に反力が加わるため、ケースフランジ11bと押圧部材40とが接触している状態が保たれる。このため、電動モータ10は、モータケース11とフランジ部材12との締結箇所を2箇所としながらも、モータケース11とフランジ部材12との間の隙間が生ずることによって発生する異音を抑制することができる。
また、電動モータ10において、貫通孔41は、内表面41aにネジ山を有する。また、押圧部材40は、ネジであり、貫通孔41の内表面41aのネジ山に螺合して貫通孔41に挿入される。これにより、押圧部材40と貫通孔41の内表面41aのネジ山とが螺合した状態で、ケースフランジ11bから押圧部材40に反力が加えられるため、ネジ山同士が噛み合って摩擦力が増加する。このため、押圧部材40の緩みが抑制される。よって、電動モータ10は、モータケース11とフランジ部材12との締結箇所を2箇所としながらも、モータケース11とフランジ部材12との間の隙間が生ずることによって発生する異音をより抑制することができる。
また、電動モータ10において、押圧部材40の長さは、貫通孔41の長さよりも短い。これにより、押圧部材40の一方の端部がケースフランジ11bに接触するとき、押圧部材40の他方の端部は、フランジ部材12の減速装置92との対向面から減速装置92側に突出せずに貫通孔41の内側に位置する。このため、フランジ部材12に減速装置92が固定されても、押圧部材40は、減速装置92と干渉して力を加えられることなく、ケースフランジ11bを押圧できる。よって、電動モータ10は、モータケース11とフランジ部材12との締結箇所を2箇所としながらも、モータケース11とフランジ部材12との間の隙間が生ずることによって発生する異音をより抑制することができる。
また、電動モータ10において、貫通孔41及び押圧部材40は、それぞれ2つである。また、2つのケース固定機構H1は、入出力シャフト21と直交する第1仮想直線上L1で相互に異なる位置に配置され、2つの貫通孔41は、入出力シャフト21と直交する第2仮想直線L2上で相互に異なる位置に配置され、第1仮想直線L1と第2仮想直線L2とは直交する。これにより、貫通孔41とケース固定機構H1とは、入出力シャフト21の中心軸を中心として周方向で等間隔に配置されている。2つの貫通孔41が配置される位置は、ケース固定機構H1から周方向で最も遠い位置である。貫通孔41がこのように配置され、押圧部材40がケースフランジ11bを押圧することで、ケースフランジ11bとフランジ部材12との隙間が発生しやすい位置で、ケースフランジ11bと押圧部材40とが接触している状態が保たれやすくなる。よって、電動モータ10は、モータケース11とフランジ部材12との締結箇所を2箇所としながらも、モータケース11とフランジ部材12との間の隙間が生ずることによって発生する異音をより抑制することができる。
また、電動パワーステアリング装置80は、電動モータ10から補助操舵トルクを得る。電動モータ10を備える電動パワーステアリング装置80は、電動モータ10の周囲の異音を低減することができる。このため、電動パワーステアリング装置80は、作動音が低減し、操作者に対して快適な操舵感を与えることができる。
(変形例1)
図7は、変形例1に係る減速装置の図4の位置Qに相当する部分の拡大図である。図8は、変形例1に係るフランジ部材を減速装置側から見た図である。なお、上述した実施形態で説明したものと同じ構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
変形例1に係るモータケース11は、例えば、図8に示すように2つの凹部11cを有する。凹部11cは、ケースフランジ11bの押圧部材40と接触する位置にあり、押圧部材40の端部40bが嵌まる形状の窪みである。凹部11cは、例えば、ケースフランジ11bの表面を切削することで形成される。モータケース11が凹部11cを有することで、押圧部材40の端部40bは、凹部11cに嵌まってケースフランジ11bを押圧する。このため、ケースフランジ11bは、径方向及び周方向への滑りが抑制されながら押圧部材40から押圧される。これにより、変形例1に係る押圧部材40は、より確実にケースフランジ11bを押圧することができる。これにより、ケースフランジ11bと押圧部材40とが接触している状態が保たれやすくなる。このため、変形例1に係る電動モータ10は、モータケース11とフランジ部材12との締結箇所を2箇所としながらも、ケースフランジ11bとフランジ部材12との間の隙間が生ずることによって発生する異音を抑制することができる。
また、押圧部材40の端部40bがケースフランジ11bを押圧するために、押圧部材40の端部40bは、フランジ部材12のケースフランジ11bとの対向面の表面よりもケースフランジ11b側へ突出している。そして、当該突出する量は、上述した実施形態において突出する量よりも大きくなる。また、貫通孔41は、3つ以上あってもよい。貫通孔41が3つ以上ある場合、貫通孔41の数に対応した数の凹部11cが、それぞれの貫通孔41に挿入される押圧部材40と接触する位置に設けられるのが好ましい。
また、変形例1に係るモータケース11は、例えば、深さの異なる複数の凹部11cを有していてもよい。例えば、図8に示す第2仮想直線L2上で相互に異なる位置に2つの貫通孔41が配置され、それぞれの貫通孔41の周方向で両隣りにさらに貫通孔41が配置される場合、第2仮想直線L2上の貫通孔41に挿入された押圧部材40の端部40bに接触する凹部11cの深さは、当該貫通孔41の周方向で両隣りに配置された貫通孔41に挿入された押圧部材40の端部40bに接触する凹部11cの深さよりも浅いことが好ましい。このようにすることで、押圧部材40の端部40bがケースフランジ11b側へ突出する量を揃えながら、押圧部材40の端部40bと凹部11cとの間に隙間が生じる事態が抑制されるため、電動モータ10は、異音をより抑制することができる。
(変形例2)
図9は、変形例2に係る減速装置の図4の位置Qに相当する部分の拡大図である。図10は、変形例2に係るフランジ部材を減速装置側から見た図である。なお、上述した実施形態で説明したものと同じ構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
変形例2に係るフランジ部材12は、例えば、図10に示すように2つのスペーサ収納部12bと2つのスペーサ42とを有する。スペーサ収納部12bは、フランジ部材12のケースフランジ11bと対向する面に周方向に沿って設けられる窪みである。例えば、スペーサ収納部12bは、フランジ部材12の表面を切削することで形成される。例えば、スペーサ収納部12bは、図9に示すように、径方向の大きさが貫通孔41の内径よりも大きく、図10に示すように、周方向の大きさが貫通孔41の内径よりも十分に大きい窪みである。また、例えば、スペーサ収納部12bを中心軸Zrを含む平面で切った場合の断面は、略長方形である。そして、貫通孔41は、スペーサ収納部12bの周方向中央部でフランジ部材12を回転軸Zr方向に貫通する。貫通孔41の内径とスペーサ収納部12bの径方向の大きさが異なるため、フランジ部材12は、段差部12cを有する。なお、スペーサ収納部12bの径方向の大きさは、貫通孔41の内径と同じであってもよい。
スペーサ42は、段差部12cによって回転軸Zr方向に位置決めされてスペーサ収納部12bに嵌め込まれ、押圧部材40の端部40bとケースフランジ11bとに挟まれる部材である。スペーサ42は、一方の面で押圧部材40の端部40bと接触し、他方の面でケースフランジ11bに接触しているが、押圧部材40の端部40bとの接触面積よりもケースフランジ11bとの接触面積の方が大きい。このため、押圧部材40がスペーサ42を介してケースフランジ11bを押圧すると、押圧部材40の端部40bとスペーサ42との接触面積よりも広い範囲に押圧力が伝わる。また、スペーサ42がケースフランジ11bを押圧するために、スペーサ42は、フランジ部材12のケースフランジ11bとの対向面の表面よりもケースフランジ11b側へ突出している。これより、ケースフランジ11bと押圧部材40とが接触している状態がより広い範囲で保たれやすくなる。このため、本実施形態に係る電動モータ10は、モータケース11とフランジ部材12との締結箇所を2箇所としながらも、ケースフランジ11bとフランジ部材12との間の隙間が生ずることによって発生する異音を抑制することができる。
10 電動モータ
11 モータケース
11a 筒状ハウジング
11b ケースフランジ
11c 凹部
11d 内周面
12 フランジ部材
12a 突部
12b スペーサ収納部
12c 段差部
13 リヤ側軸受
14 レゾルバ
14a レゾルバロータ
14b レゾルバステータ
15 端子台
20 モータロータ
21 入出力シャフト
22 ロータヨーク
23 マグネット
30 ステータ
31 ステータコア
37 励磁コイル
37a 励磁コイルインシュレータ
40 押圧部材
40a 六角穴
40b 端部
41 貫通孔
41a 内表面
42 スペーサ
51 ステアリングコラム
52 アッパ取り付けブラケット
54 ロア取り付けブラケット
80 電動パワーステアリング装置
81 ステアリングホイール
82 ステアリングシャフト
82a 入力軸
82b 出力軸
82c 連結軸
83 操舵力アシスト機構
84 ユニバーサルジョイント
85 ロアシャフト
86 ユニバーサルジョイント
87 ピニオンシャフト
88 ステアリングギヤ
88a ピニオン
88b ラック
89 タイロッド
90 ECU
91a トルクセンサ
91b 車速センサ
92 減速装置
93 減速装置ハウジング
94 ウォーム
94a ウォーム歯
95a、95b 玉軸受
96 ウォームホイール
96a ウォームホイール歯
97 ホルダ
98 イグニッションスイッチ
FW ウォーム変位方向
H1 ケース固定機構
L1 第1仮想直線
L2 第2仮想直線
Zr 回転軸

Claims (7)

  1. 一端に開口部を有する筒状であって、前記開口部側の端部を外周の外側へ拡げた端面であるケースフランジを有し、モータロータを内蔵するモータケースと、
    前記モータロータに連動して回転する入出力シャフトと、
    2つのケース固定機構によって前記ケースフランジに固定され、かつ前記入出力シャフトが貫通するフランジ部材と、
    前記2つのケース固定機構とは異なる位置で、前記フランジ部材と対向する前記ケースフランジの対向面に向かって前記フランジ部材を貫通する貫通孔と、
    前記貫通孔に挿入され、端部が前記ケースフランジに接触し押圧する押圧部材と、を含むことを特徴とする電動モータ。
  2. 前記貫通孔は、内表面にネジ山を有し、
    前記押圧部材は、ネジであり、前記ネジ山に螺合して前記貫通孔に挿入されることを特徴とする請求項1に記載の電動モータ。
  3. 前記押圧部材の長さは、前記貫通孔の長さよりも短いことを特徴とする請求項1または2に記載の電動モータ。
  4. 前記ケースフランジは、前記押圧部材の端部が接触する位置に凹部を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電動モータ。
  5. 前記押圧部材の端部と前記ケースフランジとの間にスペーサを有し、
    前記スペーサは、前記押圧部材の端部との接触面積よりも前記ケースフランジとの接触面積の方が大きいことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電動モータ。
  6. 前記貫通孔及び前記押圧部材は、それぞれ2つであり、
    前記2つのケース固定機構は、前記入出力シャフトと直交する第1仮想直線上で相互に異なる位置に配置され、
    2つの前記貫通孔は、前記入出力シャフトと直交する第2仮想直線上で相互に異なる位置に配置され、
    前記第1仮想直線と前記第2仮想直線とは直交することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の電動モータ。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の電動モータから補助操舵トルクを得ることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
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