以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。各実施形態で同一の機能や形状、構造等を有する構成要素(部材や構成部品)については同一の符号を付して説明する。また一対で構成されていて特別に区別して説明する必要がない構成要素については、説明を簡明にするため、一方を適宜記載することで対としての説明に代える。さらに、図及びその説明を簡明にするため、ある図に示されるべき構成要素であっても、その図において特別に説明する必要がない構成要素は適宜断りなく省略している。
<実施形態1>
図1は、本発明を適用し得る画像形成装置の一例としての孔版印刷装置1を示している。図示の孔版印刷装置1は、印刷部2、製版部3、給紙部4、排版部5、排紙部6、画像読取部7、制御手段75等を有している。図において、8は前記各部、装置を搭載している装置本体を示す。
印刷部2は、装置本体8のほぼ中央に配置してあり、版胴9及び押圧手段としての圧胴10を有している。版胴9は、インキ通過性の開孔部とインキ不通過性の非開孔部とを有し、支軸11の周りに図中矢印方向に回転可能に支持してある。また版胴9は、図示しない版胴駆動手段としてのメインモータによって図中矢印方向に回転駆動される。版胴9は、後述するインキ供給手段等と共に一体的にユニット化してあり、装置本体8に対して着脱自在となっている。
版胴9の内部には、インキ供給管を兼ねた支軸11、版胴9の内周面に対してその外周面を近接配置されたインキローラ12、インキローラ12の外周面と僅かな間隙をもってその外周面を近接配置したドクターローラ13等を有するインキ供給手段14が設けてある。インキ供給管を兼ねた支軸11より供給されたインキは、インキローラ12とドクターローラ13との近接部においてインキ溜まりを形成する。このインキ溜まりのインキがインキローラ12とドクターローラ13との所定の間隙を通過してインキローラ12の外周面に層状に供給される。インキローラ12の外周面に供給されたインキは、圧胴10によって版胴9の外周面が押圧された際に、版胴9の内周面とインキローラ12とが圧接することにより版胴9の内周面に供給される。そして、このインキは、版胴9の開孔部より滲出して印刷部2から給送されて来た用紙Pへと転写される。版胴9の内部には、孔版印刷装置1の温度を検知する温度検知手段としての温度センサ68が設けてある。この温度センサ68は、インキ供給手段14のインキ溜まり形成部に配置する。温度センサ68は、例えば製版用エネルギーの調整等に使用されているサーミスタを兼用させ得る。
版胴9の外周面の一母線上には、版胴9自身の外周面上に製版済みのマスタを巻装させるべくマスタの先端部を挟んでクランプするクランパ15が設けてある。クランパ15は、版胴9の非開孔部に開閉自在に取り付けてある。このクランパ15は、版胴9が所定の回転位置、製版済みのマスタを給版する給版位置、版胴9上の使用済みのマスタ23を剥離する排版位置、初期位置であるホームポジション等を占めた際、図示しない開閉手段によって開閉させる。
版胴9の図中下方には、図示しない一対のアーム部材によってその支軸両端を回転自在に支持させた圧胴10が設けてある。圧胴10は、図示しない各アーム部材をこれも図示しない揺動手段によって揺動させる。そのことにより、図1に示す版胴9の外周面より僅かに離間した離間位置か、版胴9の外周面に所定の圧接力で圧接する圧接位置に位置する。圧胴10は、前記メインモータからの駆動力をギヤ列やベルト等の図示しない駆動力伝達手段を介して伝達され、版胴9の回転と同期して図中矢印方向に回転駆動される。圧胴10の外周部の一部には、版胴9のクランパ15と対向した際にこれとの干渉を避けるための凹部10aが形成してある。圧胴10の回転方向上流側の凹部10aには、印刷部2から給送されて来た用紙Pの先端部を挟んでクランプする用紙クランパ10bが圧胴10の所定の回転位置で開閉自在に設けてある。
製版部3は、装置本体8の図中右上部に設けてある。製版部3は、マスタ保持部材16、プラテンローラ17、サーマルヘッド18、マスタ切断手段19、マスタ搬送ローラ対20、反転ローラ対21、マスタストック手段22等を有している。マスタ保持部材16は、製版部3内の図示しないユニット側板に取り付けてあり、熱可塑性樹脂フィルムと多孔性支持体とを貼り合わせたマスタ23をロール状に巻いて形成したマスタロール23aの芯部を回転自在かつ着脱自在に支持する。
マスタ保持部材16の図中左方には、プラテンローラ17が前記ユニット側板に回転自在に支持してある。プラテンローラ17は、前記ユニット側板に固設させた図示しないステッピングモータによって回転駆動する。サーマルヘッド18は、多数の発熱素子18aを有してプラテンローラ17の図中下方に設けてある。サーマルヘッド18は、図示しない付勢手段の付勢力によってその発熱素子18a面がプラテンローラ17の外周面に圧接させられている。サーマルヘッド18は、マスタ23の熱可塑性樹脂フィルム面に接触しつつ各発熱素子18aを位置選択的に発熱させ、マスタ23を穿孔製版する製版手段としての機能を有する。
プラテンローラ17及びサーマルヘッド18の図中左方には、マスタ23を所定の長さに切断するマスタ切断手段19が設けてある。マスタ切断手段19は、前記ユニット側板に固設された固定刃と、この固定刃に対して移動自在に支持された可動刃とを有し、固定刃に対して可動刃が回転移動あるいは上下動することによりマスタ23を切断する。マスタ切断手段19の図中左方には、マスタ搬送ローラ対20及び反転ローラ対21が配設してあり、各ローラ対20、21間にはマスタストック手段22が設けてある。各ローラ対20、21は、前記ユニット側板にそれぞれ回転自在に支持された駆動ローラと従動ローラとを有しており、互いに異なる駆動手段によってそれぞれ回転駆動される。マスタストック手段22は、内部に図示しないファンを有している。そして、このファンを駆動させることによりその内部に製版されたマスタ23を撓みボックス22a内に引き込み、1版分の製版済みのマスタ23をストック可能に構成してある。マスタストック手段22の上部には、図示しないがマスタガイド板が設けてある。マスタガイド板は、マスタ搬送ローラ対20によって搬送されるマスタ23を反転ローラ対21へと案内する第1案内位置と、マスタストック手段22内へと案内する第2案内位置とを選択的に占める。
給紙部4は、製版部3の図中下方に設けてある。給紙部4は、給紙台としての給紙トレイ24、給紙ローラ25、分離ローラ26、分離パッド27、レジストローラ対28等を有している。給紙トレイ24は、上面に多数枚の用紙Pを積載可能に、かつ、装置本体8に対して上下動自在に構成してある。給紙トレイ24は、図示しない昇降機構を介して駆動モータによって上下動される。給紙トレイ24の上面には、用紙Pの幅方向の揃えを行う一対のサイドフェンス30が、周知のラックアンドピニオン機構を介して、用紙搬送方向Xaと直交する用紙幅方向に互いに同移動量ずつ移動可能に設けてある。給紙トレイ24上には、用紙搬送方向Xaに沿った用紙Pの縦サイズを検知する用紙サイズ検知手段としての縦用紙サイズ検知センサ29が複数配置してある。また用紙搬送方向Xaと直交する用紙幅方向に沿った用紙Pの横サイズを検知する用紙サイズ検知手段としての図示しない横用紙サイズ検知センサも複数配置してある。横用紙サイズ検知センサは、サイドフェンス対30の用紙幅方向への移動に連動して用紙Pの横サイズを検知する周知の構成のものである。これらの縦用紙サイズ検知センサ29及び横用紙サイズ検知センサ(以下、これらを総称して「用紙サイズ検知センサ群29」という)から出力されるに信号に基づいて、制御手段75が用紙サイズを認識、決定する。
給紙トレイ24の左端上方には、表面に高摩擦抵抗部材を有する給紙ローラ25が設けてある。給紙ローラ25は、装置本体8に揺動自在に支持された図示しないブラケットに回転自在に支持してあり、給紙トレイ24が上昇した際に所定の圧接力で給紙トレイ24上の最上位の用紙Pに圧接する。給紙ローラ25は、図示しないステッピングモータからなる給紙モータによって回転駆動される。
給紙ローラ25の左方には、分離ローラ26が設けてある。分離ローラ26は、表面に高摩擦抵抗部材を有しており、給紙ローラ25の回転時にこれと同期して同方向に回転駆動される。分離ローラ26の下方には、高摩擦抵抗部材からなり、分離ローラ26の周面に圧接する分離パッド27が設けてある。用紙Pは、分離ローラ26と分離パッド27とによって1枚ずつに分離給送される。
分離ローラ26及び分離パッド27の図中左方には、駆動ローラと従動ローラとを有するレジストローラ対28が設けてある。各ローラは、装置本体8の図示しない側板間に回転自在に支持してあり、図示しない版胴駆動手段からの回転駆動力を図示しない駆動力伝達手段を介して伝達されることにより、版胴9と同期して回転駆動される。レジストローラ対28の駆動ローラを回転駆動する手段は、前記したものに限らず、前記給紙モータとは別のステッピングモータからなるレジストモータ(図示せず)で回転駆動されるように構成してもよい。
排版部5は、装置本体8の左上部に設けてある。排版部5は、上排版部材31、下排版部材32、排版ボックス33、圧縮板34等を有している。上排版部材31及び下排版部材32は、共に駆動ローラ、従動ローラ、無端ベルト等を有しており、図示しない排版駆動手段によって駆動ローラが回転駆動されることにより無端ベルトが移動する。また、下排版部材32は、図示しない移動手段によって移動自在に構成してあり、図に示す待機位置と無端ベルトが版胴9の外周面に当接する剥離位置とを選択的に占める。排版ボックス33は、その内部に使用済みのマスタ23を貯えるものであり、装置本体8に対して着脱自在に構成してある。圧縮板34は、上排版部材31と下排版部材32とによって運ばれた使用済みのマスタ23を排版ボックス33の内部に押し込み、圧縮する。そのことにより、その収納量を増加させるものであり、装置本体8に上下動自在に支持してあり、図示しない昇降手段によって上下動させる。
排紙部6は、排版部5の図中下方に配置してある。排紙部6は、剥離ファン35、排紙吸着搬送装置36、一対のジャンプ台50a、50b、排紙トレイ53等を有している。剥離ファン35は、版胴9上の製版済みのマスタ23と用紙Pとの間に送風して版胴9から用紙Pを剥離する送風剥離手段としての機能を有する。剥離ファン35は、版胴9と圧胴10とで形成されるニップ部の左斜め近傍にその送風口が配置され、装置本体8に固定されている。剥離ファン35の近傍には、孔版印刷装置1の湿度を検知する湿度検知手段としての湿度センサ69が設けてある。なお、剥離ファン35に加えて、図示しない剥離爪が配設される場合もある。この剥離爪は周知のもので、その基端を装置本体8に揺動自在に支持されることにより、図示しない爪揺動手段によって揺動させる。すると、鋭角状に形成されたその自由端が版胴9の外周面に近接して版胴9上の製版済みのマスタ23から用紙Pを強制的に剥離、分離する剥離位置と、クランパ15等の障害物を回避するために版胴9の外周面より離間する離間位置とを選択的に占める。剥離ファン35及び前記剥離爪に代えて、これらの両機能を有するエアナイフを用いることもある。
剥離ファン35の図中下方には排紙吸着搬送装置36が設けてある。排紙吸着搬送装置36は、版胴9上の製版済みのマスタ23から剥離された画像形成済みの用紙である印刷済みの用紙P(図1に示されている排紙PBでもある)を、排紙トレイ53に向けて搬送する排紙搬送手段としての機能を有する。図2は図1の排紙部に配置された排紙吸着搬送装置及びジャンプ台周りの分解斜視図である。この図2において、符号44は排紙吸着搬送装置36の骨組みをなす搬送装置筐体を示す。なお、搬送装置筐体44は、図2にのみ図示し、その他の図1、図3等の図においては図の簡明化のためにその図示を省略してある。
排紙吸着搬送装置36は、図1及び図2に示すように、吸引ファン37、駆動ローラ39、従動ローラ38、複数本の無端状のベルト(以下、無端ベルト)40、面板41、ケーシング42、そして排紙駆動機構45を備えている。駆動ローラ39は、搬送装置筐体44における排紙方向Xbの下流側に回転自在に支持された駆動ローラ軸39aと一体的に形成された串刺し団子状のものである。従動ローラ38は、搬送装置筐体44における排紙方向Xbの上流側に回転自在に支持された従動ローラ軸38aと一体的に形成された串刺し団子状のものである。複数本の無端ベルト40は、駆動ローラ39と従動ローラ38との間に掛け渡してあり、用紙Pの搬送面を構成している。面板41は、搬送装置筐体44の上部に配設され無端ベルト40配置部を除く部位に多数の吸引孔41aを形成してある。ケーシング42は、この面板41の図中下方に近接して配置してあり、複数枚の整風板43で仕切ってある。吸引ファン37は、ケーシング42の図中下方に近接して配置してあり、相隣る整風板43間の空間及び吸引孔41aを介して空気を吸引し、搬送している用紙Pを搬送面に吸着する。排紙駆動機構45は排紙駆動手段等を備えている。無端ベルト40は、例えば、排紙PBに対して高摩擦抵抗を有するゴムや樹脂で形成する。吸引ファン37には、図示しないファンモータを内蔵する。
以下、構成要素や構成部品の配置位置を説明にするに当たって、排紙方向Xbの下流側に見て、図1において排紙経路の紙面奥側を「右もしくは右側」または「駆動側」と、排紙経路の紙面手前側を「左もしくは左側」または「操作側」というときがある。
排紙駆動機構45は、駆動プーリ46、ベルト駆動モータ49、及び無端ベルト48とから主に構成してある。駆動プーリ46は、駆動ローラ軸39aの一端部(図2の上端部)に固設してある。ベルト駆動モータ49は、装置本体8側に固設してあり、その出力軸にモータプーリ47を取り付けてある。無端ベルト48は、排紙駆動手段とし駆動プーリ46とモータプーリ47との間に掛け渡してある。この排紙吸着搬送装置36により、排紙駆動機構45のベルト駆動モータ49及び吸引ファン37を回転駆動すると、駆動プーリ46、無端ベルト48、駆動プーリ46、駆動ローラ軸39aへと順次ベルト駆動モータ49の回転駆動力が伝達される。そして、吸引ファンが作動することにより、排紙PBが面板41の吸引孔41aにより吸引されつつ無端ベルト40上に押し付けられながら排紙方向Xbのさらに下流側へと搬送される。
排紙吸着搬送装置36の排紙方向Xbの下流側には、排紙台としての排紙トレイ53が設けてある。排紙トレイ53は、排紙吸着搬送装置36によって搬送、排出されてくる印刷済みの用紙(排紙)PBを多数積載する周知の構成を有する。排紙トレイ53は、その上面に排紙PBの排紙方向Xbの揃えを行うための排紙方向Xbに移動可能な1つのエンドフェンス52を有する。また、排紙PBの用紙幅方向Yの揃えを行うための一対のサイドフェンス51を有している。サイドフェンス51は、排紙方向Xbと直交する用紙幅方向Yに同量ずつ同期して移動可能である。
図1ないし図4に示すように、図2に示す面板41の排紙方向Xb端部、すなわち排紙方向と直交方向の両側角部には、無端ベルト40により搬送されてきた排紙PBに腰付けを行うジャンプ台50a、50bが設けてある。ジャンプ台50a、50bは、搬送面の両端側で傾斜面をなす坂路形成部材であり、換言すれば排紙PBを湾曲変形させる度合いを変更可能に複数(本実施形態では一対)設けてある。各ジャンプ台50a、50bは、板材からなり、図示しない蝶番(ヒンジ)を介して面板41に揺動可能に取り付けてある。
図3に示す54a、54bはジャンプ台角度可変機構である。排紙PBの各側縁部に対する各ジャンプ台50a、50bの角度を可変させる。換言すれば排紙PBの各側縁部と当接してそのガイドする位置を変える。ジャンプ台角度可変機構54a、54bは、排紙PBの裏面と接触する無端ベルト40の上部平面、もしくはほぼ平面をなす面板41に対する角度θを変える機構であるとも言える。各ジャンプ台角度可変機構54a、54bは、図3等において示すように、ほぼ左右対称に配置してある。また、それぞれ同一の構成要素、構成部品から構成してある。そのため、特に必要がない限り図3における右側(排紙経路の左側、操作側)のジャンプ台角度可変機構54aを代表して詳述する。そのため左側のジャンプ台角度可変機構54bの詳細な説明を省略する。駆動側のジャンプ台角度可変機構54bの構成要素、構成部品は、ジャンプ台角度可変機構54aのそれらの同一のアラビア数字に添えた符号aに代えて、符号bを付しただけの相違しかない。
ジャンプ台角度可変機構54aは、カム55a、駆動ギヤ57a、カム駆動モータ59a、遮光片60a、ホームポジションセンサ61aとから主に構成してある。カム55aは、ジャンプ台50aの裏面に当接して連続的にその角度・位置を変更可能な角度、位置を可変させる部材としての偏心カムである。駆動ギヤ57aは、カム軸56aを介して装置本体8側に回転自在に支持されカム軸56aに固設してある。カム駆動モータ59aは、装置本体8側に固設され駆動ギヤ57aと噛み合うモータギヤ58aの出力軸に固設した小型のものである。遮光片60aは、カム55aのホームポジションに対応して該カム55aの一側面に突出形成してある。ホームポジションセンサ61aは、遮光片60aを挟む態様で選択的に遮光片60aと係合可能に構成してある。
カム55aは、例えば板カムである。カム駆動モータ59aは、回転位置制御が容易なステッピングモータからなる。ホームポジションセンサ61aは、例えば透過型のフォトセンサ(フォトインタラプタ)からなる。カム55aの遮光片60aがホームポジションセンサ61aの光路を遮る時をカム55aのホームポジションとする。このホームポジションを起点としてカム駆動モータ59aのステップ数でカム55aの回転位置、すなわちジャンプ台50aの角度・位置を細かく設定できる。
画像読取部7は、装置本体8の上部に設けてある。画像読取部7は、コンタクトガラス62、圧板63、走査ユニット64、レンズ65、画像読取センサ66、原稿サイズ検知センサ群67等を有している。コンタクトガラス62には図示しない原稿を載置する。圧板63はコンタクトガラス62に対して接離自在である。走査ユニット64は原稿画像を走査して読み取る。レンズ65は、走査された画像を集束する。画像読取センサ66は集束された画像を処理するCCD等の手段である。原稿サイズ検知センサ群67は、原稿のサイズを検知する複数の原稿サイズ検知センサを備えている。原稿サイズ検知センサ群67は、原稿の原稿搬送方向に沿ったサイズを検知する複数のセンサと、原稿搬送方向と直交する原稿幅方向のサイズを検知する複数のセンサとの総称である。
装置本体8の上部前面には、図5に示すように、孔版印刷装置1の操作を行う操作パネル130が設けてある。操作パネル130には、用紙サイズを設定する用紙サイズ設定手段としての機能を有する用紙サイズ設定キー134、用紙種類を設定する用紙種類設定手段としての機能を有する用紙種類設定キー138、製版スタートキー144、印刷スタートキー145、試し刷りキー143、テンキー146、画像形成速度としての印刷速度を設定する印刷速度設定キー147、速度表示器148、LED表示装置149A、LCD表示装置149B等が設けてある。
用紙サイズ設定キー134は、本実施形態では説明の簡明化のため、2種類の用紙サイズを有するものとしてある。すなわちA3サイズの用紙サイズを設定するA3サイズ設定キー132と、A4サイズの用紙サイズを設定するA4サイズ設定キー133とを有する。もちろん、用紙サイズ設定キー134の構成は、これには限定されない。A3サイズ設定キー132、A4サイズ設定キー133には、それぞれLED(発光ダイオード)が内蔵してある。そのキーを1回押すと前記LEDが点灯する。そのことで、該当の用紙サイズが設定された状態となったことが表示される。また2回押すと前記LEDが消灯することで、その用紙サイズの設定状態が解除されたことが表示される。
用紙種類設定キー138は、これも説明の簡明化のため、2種類の用紙種類、すなわち画用紙や封筒、あるいは孔版上質紙等の用紙種類を設定する厚紙設定キー136と、更紙やのし紙等の薄紙を設定する薄紙設定キー137とを有するものとしてある。厚紙設定キー136、薄紙設定キー137には、それぞれLED(発光ダイオード)が内蔵してある。そのキーを1回押すと前記LEDが点灯することで、その用紙種類が設定された状態となったことが表示される。また、2回押すと前記LEDが消灯することで、その用紙種類の設定状態が解除されたことが表示される。
用紙種類設定手段及び用紙サイズ設定手段は、上述した2種類の用紙種類や2つの用紙サイズに限らず、例えば3つ以上のキーを配設したり、階層的なタッチパネル方式等を採用したりすることにより、3種類以上の用紙種類や3つ以上の用紙サイズを設定して選択できるように構成可能なことは無論である。
印刷速度設定キー147は、印刷速度を下げる速度ダウンキー147aと印刷速度を上げる速度アップキー147bとを備えている。版付け印刷速度(例えば15〜20枚/分:15〜20ppm)の超低速度を除き5段階の印刷速度(60〜120ppm)に設定変更可能な周知の構成を有する。速度表示器148は、速度ダウンキー147aまたは速度アップキー147bの1回ごとの押下により、前記印刷速度を5段階の設定印刷速度に切り換えられる印刷速度を点灯表示する機能を有する。これにより、オペレータやユーザ(以下、「ユーザ」という)が選択した設定印刷速度が速度表示器148にて目視確認できる。図にハッチングを施した「設定印刷速度:3速」は、通常使用される印刷速度に対応した標準印刷速度であって、速度ダウンキー147aまたは速度アップキー147bを押下しなかった場合に自動的に設定されるようになっている。また、版胴9を回転駆動する前記メインモータの出力軸には、フォトエンコーダ(図示せず)が取り付けられている。このフォトエンコーダを挟む態様で、装置本体8側に取り付けられた透過型フォトセンサからなる図示しないエンコーダセンサにより、印刷速度の検出がなされる。
図6を参照して、孔版印刷装置1の要部の制御構成について説明する。
同図において、制御手段75は、装置本体8の内部に設けられており、CPU76、ROM77、RAM78等を有するマイクロコンピュータを具備して構成してある。制御手段75には、操作パネル130からの各種設定信号、すなわち用紙サイズ設定キー134、用紙種類設定キー138、印刷速度設定キー147等を含む各種キーからの信号がそれぞれ送信・入力される。また、制御手段75には、排紙部6におけるジャンプ台角度可変機構54a、54bのホームポジションセンサ61a、61bからの信号が、版胴9内の温度センサ68からの信号が、排紙部6の湿度センサ69からの信号が、前記エンコーダセンサからの印刷速度や版胴9の回転位置に関する各種検知信号がそれぞれ送信・入力される。制御手段75は、入力された各種信号に基づいて、排紙部6におけるジャンプ台角度可変機構54a、54bのカム駆動モータ59a、59bを制御する基本的な機能を有する。また、制御手段75は、入力された各種信号に基づいて、印刷部2、製版部3のサーマルヘッド18、給紙部4、排版部5、排紙部6、画像読取部7、操作パネル130の速度表示器148、LED表示装置149A、LCD表示装置149Bの動作をそれぞれ制御する機能も有する。
図6に示すように、原稿の光学情報は画像読取センサ66で光電変換され、そのアナログの電気信号はアナログ/デジタル(A/D)変換装置70に入力されデジタルの画像信号に変換される。このデジタルの画像信号は画像処理装置71で画像処理を施され、こうして画像処理を施された画像信号は、図示しない製版制御部を含む制御手段75に入力される。製版制御部は、主として図示しないサーマルヘッド駆動回路を介して製版部3のサーマルヘッド18を制御するものであり、制御手段75の一部を構成している。なお、制御手段75へ入力される画像信号はCCDからなる画像読取センサ66で読み取ったものに限らず、例えば密着イメージセンサ(CIS)等からのものでも構わない。
上述の構成を備える孔版印刷装置1の動作を説明する。孔版印刷装置1の動作は、制御手段75のCPU76の制御機能の下に主になされるが、以下説明の簡明化のため、制御手段75のCPU76を単に制御手段75というときがある。
ユーザによりコンタクトガラス62上に印刷すべき原稿が載置された後、圧板63が閉じられた状態で製版スタートキー144が押下されると、画像読取部7において原稿画像の読取動作が行われる。画像の読み取りは走査ユニット64で原稿画像を走査することにより行われ、読み取られた画像はレンズ65で集束された後に画像読取センサ66に送られる。
画像読取動作と並行して、排版部5では版胴9の外周面上から使用済みのマスタ23を剥離、排版する排版動作が行われる。製版スタートキー144が押下されると、図示しないメインモータ(版胴駆動手段)が作動して版胴9が回転を開始し、版胴9が所定の排版位置に到達するとその回転が停止する。そして、下排版部材32が作動すると共に剥離位置に移動し、下排版部材32によって版胴9上の使用済みのマスタ23がすくい上げられる。その後、版胴9が回転駆動されると共に上排版部材31が作動し、版胴9上の使用済みのマスタ23は各排版部材31、32によって搬送されて排版ボックス33内に収納される。その後、圧縮板34が作動して排版ボックス33内の使用済みのマスタ23が圧縮されると共に、版胴9が所定の給版位置、すなわちクランパ15が図1のほぼ右横に位置するまで回転して停止し、クランパ15が開放されて孔版印刷装置1は給版待機状態となる。
排版動作と並行して、製版部3では製版動作が行われる。製版スタートキー144が押下されると、プラテンローラ17、マスタ搬送ローラ対20、反転ローラ対21がそれぞれ回転し、マスタロール23aよりマスタ23が引き出される。引き出されたマスタ23はサーマルヘッド18を通過する際に加熱穿孔され、その熱可塑性樹脂フィルム面に製版画像が形成される。この際、前記マスタガイド板(図示せず)は第1案内位置を占めており、マスタ搬送ローラ対20によって送られたマスタ23は反転ローラ対21へと案内される。そして、マスタ23の先端が反転ローラ対21によって挟まれると、前記マスタガイド板が第2案内位置に切り替えられ、マスタ搬送ローラ対20によって送られたマスタ23はマスタストック手段22の撓みボックス22a内に貯容される。
孔版印刷装置1が給版待機状態となると、反転ローラ21が回転して製版済みのマスタ23がクランパ15に向けて送られる。そして、マスタ23の先端がクランパ15によって保持可能な位置まで搬送されたと制御手段75が判断するとクランパ15が閉じられ、製版済みのマスタ23はその先端部を版胴9の外周面上に保持される。その後、版胴9がマスタ23の搬送速度とほぼ同じ周速度で回転し、マスタ23の版胴9への巻装動作が行われる。そして、1版分のマスタ23が製版されたと制御手段75によって判断されると、プラテンローラ17及びマスタ搬送ローラ対20の作動が停止されると共に、マスタ切断手段19が作動してマスタ23が切断される。切断されたマスタ23は版胴9及び反転ローラ対21の回転によって製版部3より引き出され、マスタ23の巻装後に版胴9がホームポジションで停止することにより製版動作及び給版動作が完了する。
版胴9に巻装される1版分のマスタ23の製版終了時には、用紙種類、用紙サイズ、印刷速度及び環境温・湿度以外の排紙揃えに影響を与えるパラメータとしての、用紙Pに形成される画像の比率(以下、「画像比率」というときがある)、つまりサーマルヘッド18により1版分のマスタ23の製版のために消費された電気エネルギー量と同等の画像比率が画像処理装置71から送信、入力される画像データ(黒のデジタル画像データ)に現れる。そこで、CPU76は、その1版分の全ての画像データ量(白黒の全デジタル画像データ)に対する黒のデジタル画像データ量(黒ドットの信号データの数)の割合を計算して画像比率を求め、記憶手段としてのRAM78に一時的に記憶させる。なお、CPU76は、サーマルヘッド18により1版分のマスタ23の製版のために実際に消費された電気エネルギー量に基づいて、画像比率を求めてもよい。
また、画像比率が、用紙Pの排紙方向Xbに沿った中心線に関して用紙幅方向Yのいずれか一方の側に偏倚している場合、すなわち画像比率に偏りがある場合には、CPU76は画像処理装置71から送信、入力される画像データ(白黒のデジタル画像データ)に基づいて画像比率の分布を求めて、RAM78に一時的に記憶させる。なお、CPU76は、サーマルヘッド18により1版分のマスタ23の製版のために実際に消費された電気エネルギー量の分布に基づいて、画像比率の分布を求めてもよい。
給版動作に引き続き版付け動作が行われる。版胴9がホームポジションで停止すると、給紙ローラ25及び分離ローラ26が回転して給紙トレイ24上より最上位の用紙Pが引き出されると共に、版胴9が図1において時計回り方向に低速で回転駆動される。引き出された用紙Pは1枚だけ分離給送され、その先端をレジストローラ対28のニップ部に突き当て、当接される(この状態の用紙が、用紙PAである)。そして、版胴9に巻装されたマスタ23の版胴回転方向における画像領域先端部が圧胴10との接触部に到達する所定のタイミングでレジストローラ対28が回転し、用紙Pが圧胴10の用紙クランパ10bに向けて給送され、所定のタイミングで拡開した用紙クランパ10bによって挟まれてクランプされる。レジストローラ対28の回転とほぼ同時に図示しない揺動手段の作動により圧胴10がその周面を版胴9の外周面に圧接させ、給送された用紙Pが版胴9上のマスタ23に圧接される。この押圧動作により圧胴10と用紙Pとマスタ23と版胴9とが圧接し、インキローラ12によって版胴9の内周面に供給されたインキが版胴9の開孔部より滲出し、マスタ23の多孔性支持体に充填された後にマスタ23の穿孔部を介して用紙Pに転写・転移され、いわゆる版付けが行われる。
版付けによって画像を転写された用紙Pは、剥離ファン35によって版胴9の外周面より剥離され、下方へと落下して排紙吸着搬送装置36へと送られた後、排紙吸着搬送装置36によって排紙方向Xbのさらに下流側に吸引搬送される(この状態の印刷済みの用紙が、排紙PBである)。なおこの際、従来の孔版印刷装置における排紙装置では、本実施形態のような特有の構成、つまりジャンプ台角度可変機構54a、54b及び制御手段75等を有していなかったため、次のような問題点が発生していた。すなわち、従来の孔版印刷装置では、図1及び図2を借りて示すように排紙PBは無端ベルト40に接触し、面板41に明けられた吸引孔41aからの吸引により吸着され、無端ベルト40の排紙方向Xb下流側への回転、走行により排紙トレイ53へ向かって搬送される。このとき、排紙PBに腰(コシ)がないと、図6に示すように排紙PBの先端がジャンプ台50a、50bを通過すると、すぐに面板41の角部から垂れ下がってしまい、排紙トレイ53に落下する時には排紙トレイ53上に積載されている前の排紙PCの印刷画像面をこすり、この際の抵抗によって搬送力が不足し失速してしまい、最後にはジャムに至る場合があった。このような場合には、ジャンプ台50a、50bをして起き上がらせるようにその角度等が制御され、排紙PBに腰付けをすることで、前記不具合を解消してきた。
また、これとは逆に排紙PBの腰が強いときには、図5に示すように、ジャンプ台50a、50bが起き上がっていると、排紙PBが搬送されていくにつれて排紙PBが無端ベルト40上から離れるため搬送力が減少し、排紙吸着搬送装置36上で排紙PBが停止あるいは停止しそうになり、排紙PBの後端に次に印刷された排紙PBの先端が衝突してしまい、最後にはジャムに至る場合があった。このような場合には、ジャンプ台50a、50bをして下がらせるようにその角度等が制御され、排紙PBの搬送の邪魔をしないようにすることで、前記不具合を解消してきた。
これまでの孔版印刷装置では、前記のようなジャンプ台50a、50bの角度、位置の変更を、例えば表1に示すように、用紙種類、用紙サイズ、印刷速度、環境温、湿度の5つの情報(排紙腰付け用パラメータ)に基づき、ソレノイドやモータ等を駆動させ、その駆動力を伝達する部材であるアームやリンク装置等を介して、その腰付け強さの設定を行っていた。なお、表1に示す排紙腰付け用パラメータ別排紙腰付け強さ方向性の見方は、用紙種類が厚紙で比較的排紙の腰付け強さが大きい状態にあるときには、腰付け強さの設定を小さく(弱く)設定する。すなわちジャンプ台50a、50bの角度を比較的小さく設定することで、排紙の腰付け強さが大きいことに起因する排紙揃えの悪化を補って良好な排紙揃えを行えることを表している。逆に、用紙種類が薄い用紙で比較的排紙の腰付け強さが大きい状態にあるときには、腰付け強さの設定を大きく(強く)設定する。すなわちジャンプ台50a、50bの角度を比較的大きく設定することで、排紙の腰付け強さが小さいことに起因する排紙揃えの悪化を補って良好な排紙揃えを行えることを表している。
また、温度の高低によってもジャンプ台50a、50bの角度、位置を変化させていた。すなわち、高温環境下では排紙PBの腰が低下するため、厚手の用紙や小サイズ紙であっても腰付けを要する。そのような場合にはジャンプ台50a、50bを起こして用紙の腰付けを行う。また、低温環境下では排紙PBの腰が上昇するため、薄手の用紙や大サイズ紙であっても強い腰付けは不要となる。そのような場合にはジャンプ台50a、50bを下げる。
ところで、印刷速度がある程度以上速い場合には、搬送されている用紙Pがサイドフェンス51の端面に接触したときにその衝撃が大きいために用紙Pが跳ね上がり、排紙揃えが大きく乱れたり、排紙台としての排紙トレイ53から飛び出したりする。また印刷速度がある程度以上速いと、用紙Pが搬送されることで受ける空気抵抗が大きいため、用紙Pの姿勢が乱れやすく、同様に排紙揃えが大きく乱れたり、用紙Pが排紙トレイ53から飛び出したりすることがある。
そこで本実施形態では、画像形成装置における画像形成速度に応じて剛性可変手段の搬送面に対する角度を少なくとも2種類に区分し、用紙への画像形成速度が所定の速度より速い場合には、剛性可変手段の搬送面に対する角度を、角度が急になる区分となるように可変させる。具体的には、印刷速度がある程度以上速い場合には、ジャンプ台50a、50bの角度、位置を従来の角度、位置よりも大きく変化させる。つまり、印刷速度が低速の場合には、従来の用紙種類が薄い用紙の場合と同じ角度、位置とし、印刷速度が高速の場合には、それよりもさらに腰付け強さの設定を大きく(強く)設定することで、すなわちジャンプ台50a、50bの角度をさらに大きく設定する。これを一覧表として下記表1として示す。なお下記の表1では3区分としてあるが、本発明はもちろんこれに限定されない。
これらの角度変更によって、印刷速度がある程度以上速い場合に、用紙Pの腰付け強さの設定が極大きく(強く)設定される。そこで、上方から見た用紙Pの幅方向寸法が小さくなり、そのためサイドフェンス51に当たらなくなるか、あるいは当たる衝撃が小さくなる。すると用紙Pが跳ね上がる現象が起きにくくなり、排紙揃えが大きく乱れたり、用紙Pが排紙トレイ53から飛び出したりすることがなくなる。また、用紙の腰付け強さの設定が大きく(強く)設定されるので、搬送中の用紙の剛性が上るため、用紙が搬送されることで受ける空気抵抗によって用紙の姿勢が乱れなくなり、排紙揃えが大きく乱れたり、排紙トレイ53から飛び出したりしにくくなる。
ジャンプ台50a、50bの角度の動作としては、図2及び図3において示すように、カム55a、55bの最大径がジャンプ台50a、50bに接している状態でジャンプ台角度が極大の状態を作り出す。またカム55a、55bの最小径から最大径に至る中間径の状態がジャンプ台50a、50bに接している状態でジャンプ台角度が大の状態を作り出す。また、カム55a、55bの最小径がジャンプ台50a、50bに接している状態でジャンプ台角度が小の状態を作り出す。
なお印刷速度が遅いとは60枚/分から90枚/分程度、速いとは90枚/分を超える速度から120枚/分程度、ある程度以上速いとは120枚/分を超える速度をそれぞれ示す。
なお用紙の厚さに応じて下記表2のように前記表1の区分に加え、ジャンプ台50a、50bがなす角度を小さくした区分を設けても良い。すなわち下記表2では用紙が厚紙では腰付けがあまり必要でない場合が多いの。そこで、そのような場合のために、ジャンプ台50a、50bがなす角度が最も緩やかになる区分を設定してある。
上述のような孔版印刷装置では、高速印刷時に、画像濃度確保などのため、印刷スタート直後には低速で印刷を開始して徐々に印刷速度を上げている動作(スローアップ)をすることが従来から知られている。本実施形態では、印刷速度によってジャンプ台50a、50bの角度を表2に示したように4段階に可変させる。そのため、スローアップ動作中には、各印刷速度に合ったジャンプ台50a、50bの角度になるように動作する。ただし、スローアップ動作中に、上記ジャンプ台50a、50b上を前の用紙Pが通過したあとから次の用紙Pが到達するまでのインターバル時間の間に、ジャンプ台50a、50bの上昇動作が終わらなければならない。その時間が不足する場合には、孔版印刷装置1の動作はそのままで給紙動作を一旦停止させる空回転動作を入れる等すればよい。
通常ジャンプ台は、図9に示したように左右とも一体であり、角度変更によりジャンプ台50a、50b全体の角度が変化する。そこで図10のようにジャンプ台50a、50bをその伸長方向(図の紙面で左右斜め方向)で二分割とすることもできる。ジャンプ台50a、50bが一体の場合、ジャンプ台50a、50bの角度を大きくして行くと、ジャンプ台50a、50bの根元付近の用紙Pが吸着ユニットを構成する排紙吸着搬送装置36のエア吸引面(面板)から浮くことがある。それにより排紙吸着搬送装置36での吸引力が弱まる。そこでジャンプ台を二分割にすることで、ジャンプ台根元部分50a1、50b1の角度とジャンプ台先端部分50a2、50b2の角度を異なる角度とすることを可能にする。すなわち分割部分の搬送面に対する角度を個別に変更可能とすることにより用紙の姿勢をより自然なR形状(カール形状)にすることができるようになるので、用紙が排紙吸着搬送装置36のエア吸引面(面板)から浮きにくくなり、吸引力が弱まる不具合が発生しなくなる。特にジャンプ台角度が極大の場合にこのような不具合が発生しやすいため、ジャンプ台50a、50bの角度が極大の場合に、分割されたジャンプ台50a、50bの根元部分50a1、50b1と先端部分50a2、50b2とを別々に制御して角度を異ならせる。また、ジャンプ台50a、50bの角度が大の場合にも同様の制御を行ってもよい。なお、ジャンプ台50a、50bの根元部分50a1、50b1の角度と先端部分50a2、50b2の角度とを異ならせるためには、図3に示したようなジャンプ台角度可変機構を根元部分と先端部分にそれぞれ設けるなどすればよい。
本発明は以上説明した実施形態に限定されるものではなく、多くの変形が本発明の技術的思想内で当分野において通常の知識を有する者により可能である。