JP6135948B2 - 固定用スペーサ及びこれを用いた防風柵 - Google Patents
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Description
本発明は、支柱にボードを取り付けるための固定用スペーサ及びこれを用いた防風柵に関する。
従来より、横長矩形状のボードとH鋼との組み合わせは、複数のH鋼を所定の間隔で立設してなる支柱間に、複数のボードを設置することにより防風柵や防雪柵等として利用されてきた。このようなボードをH鋼に組み付ける手段としては溶接が使用されることが多いが、溶接以外の手段として、例えば以下の特許文献1に開示された先行技術が存在する。
特許文献1に記載の先行技術は防塵柵に関するものであり、上下の平坦部1aと中間部の突出平坦部1bとをつないだ傾斜面部1cとで山形状に形成された左右方向に長い金属板で、そのほぼ全面に複数の丸孔2と長孔3が上下・左右方向に規則的な行列で配置され、開口率20%〜40%に設けられた構成の孔あき金属板1が、下端を基礎に固定して建てられたH鋼からなる支柱5の間へ水平方向に架け渡され、その両端部が支柱5にボルト10及びナット11で強固に締結して取り付け固定する、と云うものである(特許文献1の段落[0031]及び図8参照)。特許文献1では、孔あき金属板1を使用することにより、防塵柵が所定の遮蔽率を確保することができるようになっている。
遮蔽率(「充実率」ともいう。)は、防風柵の高さ、遮蔽させたい構造物の大きさ、距離、方向あるいは柵柱の間隔等の様々な要因に依存するため、遮蔽率を正確に設定することは困難である。したがって、防風柵を設置しながら調節し、あるいは設置した後に防風柵を調節することにより、遮蔽率を自由に変更することができるようにした構成が望ましい。
しかし、ボードとH鋼との組み合わせによる防風柵の場合、上下のボード間に設けられる隙間の寸法を調整することにより、防風柵全体として任意の遮蔽率に設定する必要があるところ、溶接による手段では遮蔽率を細かく調整することが難しいという問題がある。
他方、上記特許文献1に記載の先行技術は、ボルトと及びナットを用いるため、溶接手段に比較して遮蔽率を細かく調整することが可能である。
しかしながら、いずれにおいても長期間使用している間にボルトが緩むとボードにガタツキが発生すると云う問題がある。このようなガタツキは遮蔽率に変化を生じさせ、最悪の場合にはボードがH鋼から外れてしまう虞がある。
しかしながら、いずれにおいても長期間使用している間にボルトが緩むとボードにガタツキが発生すると云う問題がある。このようなガタツキは遮蔽率に変化を生じさせ、最悪の場合にはボードがH鋼から外れてしまう虞がある。
またボルトやナットが不要となれば、部品点数が削減され、製造コストを低減できることになる。
本発明は、上記した従来技術における問題点を解消すべく、少ない部品点数により、ボードをH鋼に容易に取り付け可能として遮蔽率を簡単に調整することができ、またボードにガタツキが生じ難く長期の使用に耐え得る固定用スペーサ及びこれを用いた防風柵を創出することを課題とする。
上記課題を解決するための手段のうち、第1発明の主たる手段は、
横長矩形状のボードをH鋼からなる支柱の溝内に固定するための固定用スペーサであって、
少なくとも、内側面と内側面の中央高さ位置に水平に設けられた支持部と、内側面と上面との間及び内側面と下面との間に夫々設けられた斜面とを有して左右対称形状に形成された一対の固定部材により構成され、
一対の固定部材の内側面同士を対向させて支持部同士が接触する閉じ状態において、一対の固定部材の両内側面と両支持部とを含んで形成される空間に、ボードの隅部である被固定部を保持固定する保持用陥没部が形成されることを特徴とする、と云うものである。
横長矩形状のボードをH鋼からなる支柱の溝内に固定するための固定用スペーサであって、
少なくとも、内側面と内側面の中央高さ位置に水平に設けられた支持部と、内側面と上面との間及び内側面と下面との間に夫々設けられた斜面とを有して左右対称形状に形成された一対の固定部材により構成され、
一対の固定部材の内側面同士を対向させて支持部同士が接触する閉じ状態において、一対の固定部材の両内側面と両支持部とを含んで形成される空間に、ボードの隅部である被固定部を保持固定する保持用陥没部が形成されることを特徴とする、と云うものである。
第1発明の主たる手段では、一対の固定部材という少ない部品点数により、ボードの保持と、ボードを保持した固定用スペーサの支柱への保持・固定化を同時に行うことを達成し得る。
また第1発明の他の手段は、上記主たる手段に、一対の固定部材に背面を設けた、との構成を加えたものである。
上記構成では、固定部材が支柱から脱落することを防止し得る。
また第1発明の他の手段は、上記いずれかの手段に、内側面及び斜面を一つの傾斜面で形成し、傾斜面とボードとの間にクサビ型ライナーを挿入可能とした、との構成を加えたものである。
あるいは、上記いずれかの手段に、支柱のフランジの内面と固定部材の外側面との間に、薄板状のライナーを介在させる、との構成を加えたものである。
上記構成では、固定部材とフランジとの間の隙間を埋め、固定部材の外側面でフランジの内面を強固に押圧することで、ボードをより安定的に保持・固定化することが可能となる。
また第1発明の他の手段は、上記手段に、接着剤を用いてライナーを接着固定する、との構成を加えたものである。
上記構成では、クサビ型ライナー又はライナーの脱落を防止し、ひいてはボードの安定的な保持・固定化を達成し得る。
また第2発明の主たる手段は、上記いずれか一項に記載の固定用スペーサを用いた防風柵であって、
所定の間隔を有して立設された複数の支柱と、隣接する支柱間に段積みされる横長矩形状からなる複数のボードとを有して構成され、
一対の固定部材からなる固定用スペーサが支柱の溝内に夫々配置されており、
支柱間の溝内に挿入して落とし込んだボードの隅部である被固定部が、一対の固定部材に設けられた保持用陥没部で固定されると共に、一対の固定部材が互いに離間し水平方向に押し開かれることにより、一対の固定部材の外側面が支柱のフランジの内面を夫々押圧することで支柱に保持・固定されていることを特徴とする、と云うものである。
所定の間隔を有して立設された複数の支柱と、隣接する支柱間に段積みされる横長矩形状からなる複数のボードとを有して構成され、
一対の固定部材からなる固定用スペーサが支柱の溝内に夫々配置されており、
支柱間の溝内に挿入して落とし込んだボードの隅部である被固定部が、一対の固定部材に設けられた保持用陥没部で固定されると共に、一対の固定部材が互いに離間し水平方向に押し開かれることにより、一対の固定部材の外側面が支柱のフランジの内面を夫々押圧することで支柱に保持・固定されていることを特徴とする、と云うものである。
上記構成では、溶接やボルトを使用することなく、簡単且つ確実にボードを支柱に保持・固定化することができる。また高さ寸法や支持部の板厚寸法の異なる固定部材を使用することにより、上下のボード間に形成される隙間の大きさを容易に調整することができるため、防風柵の遮蔽率を所望の範囲に容易に設定することが可能となる。
本発明は、上記した構成となっているので、以下に示す効果を奏する。
固定用スペーサは非金属製であり腐食に強く長期使用に耐えうる。
一対の固定部材という少ない部品点数で構成できるため、製造コストを低減できる。
また溶接やボルトのネジ締めといった作業が不要となるため、ボードを支柱の溝内に容易に取り付けることが可能となり、従来に比較し遮蔽率の調整も簡単に行うことができるようになる。
さらにボードのガタツキを低減することが可能となるため、ボードを支柱に対して安定的に保持・固定化することができる。
固定用スペーサは非金属製であり腐食に強く長期使用に耐えうる。
一対の固定部材という少ない部品点数で構成できるため、製造コストを低減できる。
また溶接やボルトのネジ締めといった作業が不要となるため、ボードを支柱の溝内に容易に取り付けることが可能となり、従来に比較し遮蔽率の調整も簡単に行うことができるようになる。
さらにボードのガタツキを低減することが可能となるため、ボードを支柱に対して安定的に保持・固定化することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
最初に固定用スペーサについて説明する。
図1は本発明の第1実施例として、一対の固定部材から成る固定用スペーサを示し、Aは正面側からの斜視図、Bは背面側からの斜視図、図2は一対の固定部材が左右に開いた後の状態を示し、Aは正面側からの斜視図、Bは背面側からの斜視図、図3は一方の固定部材を示し、Aは平面図、Bは正面図、Cは右側面図、Dは左側面図である。
最初に固定用スペーサについて説明する。
図1は本発明の第1実施例として、一対の固定部材から成る固定用スペーサを示し、Aは正面側からの斜視図、Bは背面側からの斜視図、図2は一対の固定部材が左右に開いた後の状態を示し、Aは正面側からの斜視図、Bは背面側からの斜視図、図3は一方の固定部材を示し、Aは平面図、Bは正面図、Cは右側面図、Dは左側面図である。
図1乃至図3に第1実施例として示す固定用スペーサ10は、H鋼からなる支柱2の溝2c内にボード1を容易に保持・固定する部材である。固定用スペーサ10は、左右対称形状を成す一対の固定部材11により構成され、一対の固定部材11は、非金属製で量産性及び耐久性に優れる素材、例えば、ポリエチレンなどの合成樹脂、あるいは天然又は合成ゴムなどで形成されている。
固定部材11の内側面14の高さ方向の中央の位置には、長方形から成る支持部18が水平に形成されている。支持部18よりも上部側の内側面14と上面16との境界部分には斜面19が形成され、同様に支持部18よりも下部側の内側面14と下面17との境界部分には斜面19が形成されている。つまり第1実施例に示す固定部材11は、支持部18を挟んで上下対称形状でもある。
図1に示すように、一対の固定部材11の内側面14同士を対向させて支持部18同士及び背面13同士を接触させると、両支持部18の上下の位置で、且つ両背面13、両斜面19を含む両内側面14及び両支持部18によって4方向から囲まれる空間に凹状の保持用陥没部20が夫々形成される。なお、残り2方向、すなわち上側の保持用陥没部20では上面16側及び正面12側が開放され、下側の保持用陥没部20では下面17側及び正面12側が開放されている。
以下の説明においては、図1A,Bに示す固定用スペーサ10の状態、すなわち一対の固定部材11の内側面14同士を対向させて支持部18同士、さらには背面13同士を接触させた状態を「閉じ状態」という。
以下の説明においては、図1A,Bに示す固定用スペーサ10の状態、すなわち一対の固定部材11の内側面14同士を対向させて支持部18同士、さらには背面13同士を接触させた状態を「閉じ状態」という。
そして、図2A,Bに示すように、図1A,Bに示す閉じ状態から一対の固定部材11が互いに離間する方向に押し開くことにより、保持用陥没部20の幅寸法W1、すなわち両内側面14間の対向距離を広げることが可能となっている。なお、保持用陥没部20の幅寸法W1は、後述するボード1の厚み寸法Wb(図6C参照)よりも若干狭い寸法で形成されている。また図1Aに示す固定用スペーサ10の全幅寸法Ws(閉じ状態とした固定用スペーサ10において外側面15同士間の寸法)は、後述する支柱2(H鋼)の一対のフランジ2a,2a間の対向寸法Wh(図6C参照)よりも小さい寸法で形成されている。以下の説明においては、図2A,Bに示す固定用スペーサ10を構成する一対の固定部材11が互いに離れた状態を「開き状態」という。
なお、固定部材11の高さ寸法H及び支持部18の板厚寸法h(図3B参照)は、上段側のボード1と下段側のボード1との間に形成される間隙S(図4参照)の大きさに応じて、様々なタイプの固定部材11を用意することができる。そして、様々なタイプの固定部材11を使用することにより、防風柵の遮蔽率を所望の範囲に容易に設定することが可能となっている。
次に、固定用スペーサを用いた防風柵について説明する。
図4は固定用スペーサを用いて組み立てられる防風柵を示す斜視図、図5Aは固定用スペーサを支柱内の最下部に配置した状態を示す正面図、図5Bは最下部の固定用スペーサのボードをセットした状態を示す正面図である。また図6は図4のa部の詳細を開き状態として示したものであり、Aは正面図、Bは側面図、Cは平面図である。なお、図5B及び図6Bの側面図では支柱2を省略している。
図4は固定用スペーサを用いて組み立てられる防風柵を示す斜視図、図5Aは固定用スペーサを支柱内の最下部に配置した状態を示す正面図、図5Bは最下部の固定用スペーサのボードをセットした状態を示す正面図である。また図6は図4のa部の詳細を開き状態として示したものであり、Aは正面図、Bは側面図、Cは平面図である。なお、図5B及び図6Bの側面図では支柱2を省略している。
防風柵は、例えば沿岸部の鉄道沿線、高速道路のトンネル出口付近、雪国における風雪を防止するために設置されるものであり、図4に示すようにボード1とそれを支える支柱2及び上述の固定用スペーサ10とにより構成される。
ボード1は、潮風害に対する耐腐食性及び量産性に優れる材質が好ましく、例えば横長矩形状からなるブレキャスト製コンクリート板、木製合成板、鋼製折板、ステンレス板等の金属板で形成されている。このボード1の上縁部1A及び下縁部1Bの両端の隅部には、上方又は下方に凸状に突出する被固定部1aが形成されている。
ボード1は、潮風害に対する耐腐食性及び量産性に優れる材質が好ましく、例えば横長矩形状からなるブレキャスト製コンクリート板、木製合成板、鋼製折板、ステンレス板等の金属板で形成されている。このボード1の上縁部1A及び下縁部1Bの両端の隅部には、上方又は下方に凸状に突出する被固定部1aが形成されている。
図4に示すように、支柱2は中央のウェブ2bの両端に一対のフランジ2a,2aが平行に対向配置されたH鋼で形成されている。そして、ウェブ2bの両側の位置には長手方向に沿う溝2c,2cが夫々形成されている。支柱2の下端は、例えば円柱形状からなるコンクリート製の台座9の中央に形成された垂設穴(図示せず)に埋設され且つ周囲にコンクリートを流し込んで固めることによって立設されている。このような支柱2は、隣接する支柱2間の距離をボード1の長さ寸法に適合させた状態で多数並設されている。
次に、防風柵の組立て方法について説明する。
まず図5Aに示すように、第1段目となる固定用スペーサ10、すなわち一対の固定部材11を閉じ状態に設定し、隣接する一対の支柱2の各溝2c内の最下部に設置する。
次に、図5Aに示すように、第1段目となるボード1を一対の支柱2の各溝2c内に夫々挿入し、第1段目の固定用スペーサ10の上に落とし込む。この際、ボード1両端の被固定部1aが、支持部18よりも上部側の保持用陥没部20内に夫々挿入され、第1段目の固定用スペーサ10は一対の固定部材11が左右に開いた開き状態となる(図5B参照)。
まず図5Aに示すように、第1段目となる固定用スペーサ10、すなわち一対の固定部材11を閉じ状態に設定し、隣接する一対の支柱2の各溝2c内の最下部に設置する。
次に、図5Aに示すように、第1段目となるボード1を一対の支柱2の各溝2c内に夫々挿入し、第1段目の固定用スペーサ10の上に落とし込む。この際、ボード1両端の被固定部1aが、支持部18よりも上部側の保持用陥没部20内に夫々挿入され、第1段目の固定用スペーサ10は一対の固定部材11が左右に開いた開き状態となる(図5B参照)。
次に、各支柱2の溝2c内に、上記同様第2段目となる固定用スペーサ10を夫々挿入し、第1段目のボード1の上縁部1A両端に設けられている被固定部1aの上に夫々セットする。この時には、図5Bに示すように、第2段目の固定用スペーサ10は、支持部18よりも下部側に設けられた斜面19,19が、第1段目のボード1の被固定部1aのエッジ1b,1bに接触する。さらに、第2段目の固定用スペーサ10は自重による落とし込みにより、両斜面19が両エッジ1b上を摺動しながら下方に向かって移動する。これにより、第2段目の固定用スペーサ10を構成する一対の固定部材11は、互いに離れる方向に水平に移動して保持用陥没部20の幅寸法W1(図1A参照)が拡張する開き状態に至り、図6A、B、C(特に図6A)に示すように第1段目のボード1の上縁部1A側の被固定部1aが第2段目の固定用スペーサ10の下部側の保持用陥没部20内に入り込む。同時に、第2段目の固定用スペーサ10を構成する一対の固定部材11の両外側面15が、フランジ2a,2aの内面を夫々押圧する。これにより、第2段目の固定用スペーサ10がボード1の支柱2内に固定される。
そして、以下同様に、ボード1と固定用スペーサ10とを交互に取り付ける作業を何度か繰り返し、ボード1と固定用スペーサ10とを交互に段積みすることにより防風柵が組み上げられる。
この防風柵では、段積みされた上下のボード1間に所望の寸歩からなる間隙Sを形成することが可能となっている。この間隙Sは、高さ寸法H及び支持部18の板厚寸法h(図3B参照)が異なるタイプの固定部材11を使用することにより、任意に調整することが可能であり、従来のように溶接手段やボルトを使用してボードを固定する場合に比較して防風柵の遮蔽率を容易に調整することができる。
ここで、防風柵の遮蔽率は、遮蔽柵の全体の面積(すべてのボード1とすべての間隙Sとを合算した面積)に対する間隙Sが占める面積であるので、間隙Sが占める面積に大きく依存する。そして、遮蔽率を大きくしたい場合には間隙Sが占める面積を小さくする代わりに、ボード1の枚数を増やしてボード1が占める面積を大きくすることが有効である。これとは逆に遮蔽率を小さくしたい場合には間隙Sが占める面積を大きくする代わりに、ボード1の枚数を減らし、ボード1が占める面積を小さくすることが有効である。
したがって、板厚寸法hの小さな固定用スペーサ10を選定すれば間隙Sが占める面積が小さくなるため、防風柵の遮蔽率を高めることができる。また板厚寸法hの大きな固定用スペーサ10を選定すれば間隙Sの面積が大きくなるため、防風柵の遮蔽率を下げることが可能となる。
このように、本発明では使用する固定用スペーサ10の板厚寸法hを変更し、間隙Sが占める面積を調整することにより、防風柵の設置をしながら遮蔽率を自由に調節することが可能となっている。例えば同一設置場所においても、環境の変化により遮蔽率を変更したい場合、ボード1自体の規格、寸法の変更は要せず、固定用スペーサ10の板厚寸法hを変更するだけで、必要な遮蔽率を簡単且つ低コストで施工することができる。
次に、本発明の第2実施例について説明する。
図7は本発明の第2実施例としての固定用スペーサを用いて構築される防風柵の要部を示す図6A同様の正面図である。
第2実施例に示す固定用スペーサが、上記第1実施例において説明した固定用スペーサと主として異なる点は、固定部材11の内側面14を傾斜面19aのみにすると共に、傾斜面19aとボード1の被固定部1aとの間にクサビ型ライナー21を挿入した点にある。なお、図7では傾斜面19a及びクサビ型ライナー21を支持部18の上部側のみに設けた構成を示すが、同様の構成を支持部18の下部側に設けることも可能である。
図7は本発明の第2実施例としての固定用スペーサを用いて構築される防風柵の要部を示す図6A同様の正面図である。
第2実施例に示す固定用スペーサが、上記第1実施例において説明した固定用スペーサと主として異なる点は、固定部材11の内側面14を傾斜面19aのみにすると共に、傾斜面19aとボード1の被固定部1aとの間にクサビ型ライナー21を挿入した点にある。なお、図7では傾斜面19a及びクサビ型ライナー21を支持部18の上部側のみに設けた構成を示すが、同様の構成を支持部18の下部側に設けることも可能である。
クサビ型ライナー21は、天然又は合成ゴム、エラストマー等の弾性を有する材料で形成されている。クサビ型ライナー21の取り付けは、上記のように固定用スペーサ10の上にボード1を落とし込んで一対の固定部材11を水平に移動させた後、傾斜面19aとボード1の被固定部1aとの間にクサビ型ライナー21を挿入し、ハンマー等を用いてこのクサビ型ライナー21の上端を打ち込むことにより行うことができる。この時、クサビ型ライナー21には予め接着剤を塗布しておく。
クサビ型ライナー21の介在により、固定部材11の外側面15をフランジ2aの内面に確実に押圧することが可能となり、支柱2に対しボード1をガタツキなく安定的に保持・固定化することができる。
クサビ型ライナー21の介在により、固定部材11の外側面15をフランジ2aの内面に確実に押圧することが可能となり、支柱2に対しボード1をガタツキなく安定的に保持・固定化することができる。
次に、本発明の第3実施例について説明する。
図8は本発明の第3実施例としての固定用スペーサを用いて構築される防風柵の要部を示す図6A同様の正面図である。
第3実施例に示す固定用スペーサが、上記第1実施例において説明した固定用スペーサと主として異なる点は、固定部材11の外側面15をフランジ2aの内面との間にライナー23を介在させている点にある。
図8は本発明の第3実施例としての固定用スペーサを用いて構築される防風柵の要部を示す図6A同様の正面図である。
第3実施例に示す固定用スペーサが、上記第1実施例において説明した固定用スペーサと主として異なる点は、固定部材11の外側面15をフランジ2aの内面との間にライナー23を介在させている点にある。
ライナー23は合成樹脂材料、天然又は合成ゴムなどで薄板状に形成されており、板状の本体部23aとその上端部に断面L字状からなる操作片23bが一体形成されたものである。ライナー23の取り付けは、本体部23aの表裏面に公知の接着剤を塗布した状態で固定部材11の外側面15をフランジ2aの内面との間に挿入する。あるいは第2実施例同様にハンマー等を用いて操作片23bを打ち込んで狭入してもよい。
これにより、固定部材11の外側面15がフランジ2aの内面を押圧した状態で固定することが可能となり、ボード1を支柱2に安定的に取り付けることができる。
これにより、固定部材11の外側面15がフランジ2aの内面を押圧した状態で固定することが可能となり、ボード1を支柱2に安定的に取り付けることができる。
以上、実施例に沿って本発明の構成とその作用効果について説明したが、本発明の実施の形態は上記実施例に限定されるものではない。
上記各実施例では、固定用スペーサを防風柵に使用した例を示して説明したが、本発明の固定用スペーサは上記実施例に限定されるものではなく、その他防護柵、防塵柵、防護壁、防音壁等に使用することも可能である。
上記各実施例では、固定用スペーサを防風柵に使用した例を示して説明したが、本発明の固定用スペーサは上記実施例に限定されるものではなく、その他防護柵、防塵柵、防護壁、防音壁等に使用することも可能である。
また上記各実施例では、固定用スペーサを構成する固定部材11が背面13を有する構成を示して説明したが、本発明の固定用スペーサは上記実施例に限定されるものではなく、背面13を設けるか否かは任意である。なお、背面13を有する構成とした場合には、背面13はボード1の長手方向の両側面に当接可能であることから、振動等により固定部材11が外れて支柱2から脱落することを防止することができる点で有効である。
本発明は、調整を要する柵や壁などの分野における用途展開をさらに広い領域で図ることができる。
1 : ボード
1A : 上縁部
1B : 下縁部
1a : 被固定部
2 : 支柱(H鋼)
2a : フランジ
2b : ウェブ
2c : 溝
10 : 固定用スペーサ
11 : 固定部材
12 : 正面
13 : 背面
14 : 内側面
15 : 外側面
16 : 上面
17 : 下面
18 : 支持部
19 : 斜面
19a: 傾斜面
20 : 保持用陥没部
21 : クサビ型ライナー
23 : ライナー
23a: 本体部
23b: 操作部
1A : 上縁部
1B : 下縁部
1a : 被固定部
2 : 支柱(H鋼)
2a : フランジ
2b : ウェブ
2c : 溝
10 : 固定用スペーサ
11 : 固定部材
12 : 正面
13 : 背面
14 : 内側面
15 : 外側面
16 : 上面
17 : 下面
18 : 支持部
19 : 斜面
19a: 傾斜面
20 : 保持用陥没部
21 : クサビ型ライナー
23 : ライナー
23a: 本体部
23b: 操作部
Claims (6)
- 横長矩形状のボード(1)をH鋼からなる支柱(2)の溝(2c)内に固定するための固定用スペーサであって、
少なくとも、内側面(14)と該内側面(14)の中央高さ位置に水平に設けられた支持部(18)と、前記内側面(14)と上面(16)との間及び前記内側面(14)と下面(17)との間に夫々設けられた斜面(19)とを有して左右対称形状に形成された一対の固定部材(11)により構成され、
前記一対の固定部材(11)の内側面(14)同士を対向させて前記支持部(18)同士が接触する閉じ状態において、前記一対の固定部材(11)の両内側面(14)と両支持部(18)とを含んで形成される空間に、前記ボード(1)の隅部である被固定部(1a)を保持固定する保持用陥没部(20)が形成されることを特徴とする固定用スペーサ。 - 一対の固定部材(11)に背面(13)を設けた請求項1記載の固定用スペーサ。
- 内側面(14)及び斜面(19)を一つの傾斜面(19a)で形成し、該傾斜面(19a)とボード(1)との間にクサビ型ライナー(21)を挿入可能とした請求項1又は2記載の固定用スペーサ。
- 支柱(2)のフランジ(2a)の内面と固定部材(11)の外側面(15)との間に、薄板状のライナー(23)を介在させる請求項1又は2に記載の固定用スペーサ。
- 接着剤を用いてライナー(21,23)を接着固定するようにした請求項3又は4記載の固定用スペーサ。
- 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の固定用スペーサを用いた防風柵であって、
所定の間隔を有して立設された複数の支柱(2)と、隣接する支柱(2)間に段積みされる横長矩形状からなる複数のボード(1)とを有して構成され、
一対の固定部材(11)からなる固定用スペーサ(10)が前記支柱(2)の溝(2c)内に夫々配置されており、
前記支柱(2)間の溝(2c)内に挿入して落とし込んだボード(1)の隅部である被固定部(1a)が、前記一対の固定部材(11)に設けられた保持用陥没部(20)で固定されると共に、前記一対の固定部材(11)が互いに離間し水平方向に押し開かれることにより、前記一対の固定部材(11)の外側面(15)が支柱(2)のフランジ(2a)の内面を夫々押圧することで前記支柱(2)に保持・固定されていることを特徴とする防風柵。
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