JP6135488B2 - エンジンのブリーザ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ブローバイガスと噴霧状のエンジンオイル(ミスト状オイル)とを分離するエンジンのブリーザ装置に関する。
エンジンには、エンジンの運転中に、シリンダアッセンブリ(特にシリンダブロック)のシリンダボアとピストンとの隙間からクランク室内へ漏出するブローバイガスから、混入されたミスト状オイルを除去するブリーザ装置が具備されている。このブリーザ装置のうち、キックアイドルギアの回転を利用してミスト状オイルをブローバイガスから遠心分離させるものが、特許文献1等に記載されている。
図10は、キックアイドルギアの回転を利用して、ブローバイガスとミスト状オイルとを遠心分離する従来のブリーザ装置の一例を示す断面図である。この図10及び図11に示すように、ブリーザ装置100は、クランクケース101に片持ち状態で支持された中空形状のキックアイドルシャフト102と、このキックアイドルシャフト102に回転自在に支持されると共にスポーク部に流入口104を備えたキックアイドルギア103と、このキックアイドルギア103のスポーク部における図示しないクラッチ機構側に装着されてキックアイドルギア103との間に分離室106を形成するギアプレート105と、を有して構成される。
ミスト状オイルが混入されたブローバイガスは、図10の矢印A0に示すように、回転するキックアイドルギア103の流入口104から分離室106内に流入する。この分離室106内では、キックアイドルギア103の回転によって、重量の大きなミスト状オイルが遠心分離される。この遠心分離されたオイル分は、図10の矢印B0に示すように、キックアイドルギア103の流入口104から分離室106外へ排出される。また、ミスト状オイルが除去されたブローバイガスは、図10の矢印C0に示すように、キックアイドルシャフト102の内部空間であるブリーザ通路107に導かれ、ブリーザユニオン108を経てエンジン吸気系のエアクリーナへ導入される。
特開2003−129819号公報
ところが、上述のブリーザ装置100では、ブローバイガス及びミスト状オイルを分離室106に流入するためのキックアイドルギア103の流入口104が、分離室106内で遠心分離されたオイル分を排出する排出口としても機能する。そのため、遠心分離されたオイル分は、遠心分離前のブローバイガス及びミスト状オイルに混入してしまい、ブローバイガスとミスト状オイルとの分離性能が必ずしも十分であるとは言えなかった。
本発明の目的は、上述の事情を考慮してなされたものであり、ブローバイガスとミスト状オイルとの分離性能を向上できるエンジンのブリーザ装置を提供することにある。
本発明に係るエンジンのブリーザ装置は、クランクケースの内部が、クランクシャフトを収容するクランク室と、カウンタシャフトにより支持されたクラッチ本体を収容するミッション室とに区画され、ライダーの踏力が、前記ミッション室に収容されたキックドライブギア、キックアイドルギア及びキックドリブンギアを介し前記クランクシャフトへ伝達されてエンジンを始動させるキック始動装置を備えた前記エンジンであって、前記キックアイドルギアは、前記クランクケースに支持された中空形状のキックアイドルシャフトに回転自在に支持されると共に、そのスポーク部にブローバイガス及びミスト状オイル用の流入口が形成され、前記キックアイドルギアの前記スポーク部における前記クラッチ本体側にギアプレートが設けられ、このギアプレートと前記スポーク部との間に、前記流入口から流入したブローバイガスとミスト状オイルとを遠心分離する分離室が設けられ、前記ギアプレートの周縁部に、遠心分離されたオイルを排出するオイル排出口が形成され、前記キックアイドルシャフトの内側空間が前記分離室に連通されて、この分離室で遠心分離によりミスト状オイルが除去されたブローバイガスを導くブリーザ通路として構成されたことを特徴とするものである。
本発明によれば、遠心分離前のブローバイガス及びミスト状オイルを分離室へ流入する流入口と、分離室で遠心分離されたオイルを排出するオイル排出口と、分離室で遠心分離によりミスト状オイルが除去されたブローバイガスを導くブリーザ通路とが、それぞれ異なる箇所に設けられたので、ブローバイガスとミスト状オイルとの分離性能を向上させることができる。
本発明に係るエンジンのブリーザ装置における一実施形態が適用された自動二輪車を示す右側面図。 図1のエンジン周囲を拡大して示す側面図。 図2のIII−III線に沿う断面図。 図3のブリーザ装置を拡大して示す断面図。 図4のキックアイドルギア及びギアプレートを示す正面図。 図4のキックアイドルギア及びバックプレートを示す斜視図。 図6のキックアイドルギアとバックプレートとを示す分解斜視図。 バックプレートの変形形態が装着されたキックアイドルギアを示す斜視図。 図8のキックアイドルギアとバックプレートとを示す分解斜視図。 従来のブリーザ装置を示す断面図。 図10のキックアイドルギアを示す斜視図。
以下、本発明を実施するための実施形態を図面に基づき説明する。
図1は、本発明に係るエンジンのブリーザ装置における一実施形態が適用された自動二輪車を示す右側面図であり、図2は、図1のエンジン周囲を拡大して示す側面図である。また、図3は、図2のIII−III線に沿う断面図である。本実施形態において、上下、左右、前後の表現は、車両乗車時の運転者(ライダー)を基準にしたものである。
本実施形態の自動二輪車10は例えばモトクロス車両であり、その車体フレーム11は、ヘッドパイプ12、メインパイプ13、フロントパイプ14、ダウンパイプ15、センターフレーム16、シートパイプ17及びシートステイ18を有して構成される。このうち、メインパイプ13、ダウンパイプ15、センターフレーム16、シートパイプ17及びシートステイ18が左右一対設けられる。
ヘッドパイプ12の後上部から後斜め下方へ向かって左右一対のメインパイプ13が延設されると共に、ヘッドパイプ12の後下部からフロントパイプ14が略下方に延設される。メインパイプ13のそれぞれの後端にセンターフレーム16のそれぞれの上端が接続され、このセンターフレーム16が後斜め下方へ向かって延設される。また、フロントパイプ14の下端に左右一対のダウンパイプ15が接続される。このダウンパイプ15は、一旦下方へ延びた後に後方へ水平方向に延び、それぞれの後端がセンターフレーム16のそれぞれの下端に接続される。更に、センターフレーム16のそれぞれの最上端にシートパイプ17のそれぞれが接続される。このシートパイプ17は、後方へ延設されると共に、その中央部付近がシートステイ18を介してセンターフレーム16の下部に支持される。
車体フレーム11の前半部を構成するメインパイプ13、センターフレーム16、フロントパイプ14及びダウンパイプ15に囲まれるようにして、エンジン20が車体フレーム11に搭載される。このエンジン20は、例えばDOHC(ダブルオーバーヘッドカムシャフト)形式の4サイクル単気筒エンジンであり、エンジンケース21の上面に、シリンダブロック、シリンダヘッド、ヘッドカバーからなるシリンダアッセンブリ22が略直立して設置される。このシリンダアッセンブリ22の前面に図示しない排気ポートが、後面に図示しない吸気ポートがそれぞれ開口する。
エンジン20の上方には、左右のメインパイプ13に挟まれるようにして燃料タンク23に設置され、この燃料タンク23の後上面からシートパイプ17の上部にかけて着座シート24が載置される。シートパイプ17には、着座シート24の後方にリアフェンダ25が載置される。また、着座シート24の下方にはエアクリーナ26が、シートパイプ17及びシートステイ18に囲まれ、両側がサイドカバー27に覆われて配置されている。
エアクリーナ26は、図示しないスロットルボディ及び燃料インジェクタ等と共にエンジン吸気系28を構成する。このエンジン吸気系28がエンジン20のシリンダアッセンブリ22における吸気ポートに接続されて、シリンダアッセンブリ22のシリンダボアに連通する燃焼室(共に図示せず)へ、燃料と空気の混合気を供給する。また、シリンダアッセンブリ22の排気ポートに排気管29が接続され、この排気管29は車両後方に配設された排気マフラ30に接続される。これらの排気管29及び排気マフラ30によってエンジン排気系31が構成される。
車体フレーム11のヘッドパイプ12にはステアリング機構33が枢支される。このステアリング機構33に、前輪34を回転自在に支持するフロントフォーク35及びハンドルバー36が設けられ、フロントフォーク35にフロントフェンダ37が取り付けられる。ハンドルバー36を左右に操作することで、ステアリング機構33及びフロントフォーク35を介して前輪34が左右に操舵される。
また、センターフレーム16の下部には、車幅方向に延びるピボット軸38が架設され、このピボット軸38にスイングアーム39の先端が回動自在に軸支される。このスイングアーム39の後端に駆動輪としての後輪40が軸支され、エンジン20の駆動力が後輪40に、図示しないチェーン等を介して伝達される。
さて、エンジン20のエンジンケース21は、車幅方向に2分割される左右のクランクケース42と、このクランクケース42の右側面に配置されたクラッチハウジング43と、クランクケース42の左側面に配置された発電機カバー(不図示)と、を有して構成される。
上記クランクケース42の内部は、図示しない隔壁によって前後に区画され、前方にクランク室42Aが、後方にミッション室42Bがそれぞれ形成され、クランク室42Aにクランクシャフト44が収容される。このクランクシャフト44は、シリンダアッセンブリ22の前記シリンダボア内を往復移動するピストンにコンロッド(共に図示せず)を介して連結されて、ピストンの往復運動を回転運動に変換する。このクランクシャフト44に、図示しないプライマリドライブギアが回転一体に設けられる。
前記ミッション室42Bには、図2及び図3に示すように、カウンタシャフト45、クラッチ機構46、ドライブシャフト49、及びカウンタシャフト45とドライブシャフト49との間に介在された複数のミッションギア48…等が収容される。クラッチ機構46のクラッチ本体47は、カウンタシャフト45に回転自在に支持されたプライマリドリブンギア50と回転一体に取り付けられる。このプライマリドリブンギア50は、クランクシャフト44のプライマリドライブギアと噛み合う。
従って、クランクシャフト44の回転駆動力は、プライマリドライブギア、プライマリドリブンギア50及びクラッチ機構46を介してカウンタシャフト45へ伝達され、更に複数のミッションギア48の組み合わせにより減速されて、ドライブシャフト49へ伝達される。このドライブシャフト49に伝達されたクランクシャフト44の回転駆動力が、チェーン等を介して後輪40へ伝達される。尚、図1及び図3中の符号51は、クラッチハウジング43の開口を覆うクラッチカバーである。
図2及び図3に示すように、本実施形態のエンジン20では、キックレバー52を踏み込むライダー(運転者)の踏力がキックドライブギア53、キックアイドルギア54及びキックドリブンギア55を介してクランクシャフト44へ伝達されてエンジン20を始動させるエンジン始動装置56を備える。キックドライブギア53、キックアイドルギア54及びキックドリブンギア55は、クラッチ機構46等と共にミッション室42Bに収容されている。
キックレバー52は、クランクケース42及びクラッチハウジング43に回転自在に支持されたキックドライブシャフト57の一端に取り付けられる。このキックドライブシャフト57に、キックドライブギア53が回転自在に支持されると共に、ラチェット機構58が回転一体に捩りスプライン結合されている。ライダーの踏力がキックレバー52に作用してキックドライブシャフト57が回転すると、捩りスプライン結合の作用でラチェット機構58がキックドライブギア53側へ移動してこのキックドライブギア53と噛み合い、このキックドライブギア53を回転させる。
キックアイドルギア54は、一端側がクランクケース42に片持ち状態で支持された中空形状のキックアイドルシャフト59に回転自在に支持され、クラッチ本体47及びプライマリドリブンギア50に対向して配置される。このキックアイドルギア54はキックドライブギア53と常時噛み合っている。また、キックドリブンギア55は、プライマリドリブンギア50と回転一体に形成されて、キックアイドルギア54に常時噛み合う。これにより、キックドライブギア53の回転力は、キックアイドルギア54、キックドリブンギア55、プライマリドリブンギア50及びプライマリドライブギアを経てクランクシャフト44へ伝達されて、エンジン20が始動する。
キックレバー52に踏力が作用しなくなったとき、このキックレバー52及びキックドライブシャフト57は、リターンスプリング60の作用で元位置に復帰すべく逆方向に回転する。これにより、ラチェット機構58がキックドライブギア53から離れてこのキックドライブギア53との噛み合いが外れる。従って、エンジン20の始動によりプライマリドライブギア、プライマリドリブンギア50、キックドリブンギア55、キックアイドルギア54及びキックドライブギア53が回転しても、キックドライブシャフト57が回転することはない。
ところで、エンジン20には、シリンダアッセンブリ22のシリンダボアとピストンとの隙間を通ってクランク室42A内に漏出したブローバイガスを、このブローバイガスに混入したミスト状オイル(噴霧状のエンジンオイル)と分離して除去し、その後エンジン吸気系28のエアクリーナ26へ導くブリーザ装置62が具備されている。このブリーザ装置62は、エンジン20の運転中に回転するキックアイドルギア54の回転を利用して、ブローバイガスに混入されたミスト状オイルを遠心分離して除去するものであり、図3及び図4に示すように、前記キックアイドルギア54、前記キックアイドルシャフト59、ギアプレート63及びプレート部材としてのバックプレート64を有して構成される。
キックアイドルギア54は、図4〜図7に示すように、キックアイドルシャフト59に回転自在に支持されるためのボス部65と、ギアの歯(図5〜図7においては図示を省略)が設けられたギア部66と、ボス部65とギア部66とを連結するスポーク部67とを有して構成される。このスポーク部67に、ブローバイガス及びミスト状オイル用の流入口68が、周方向に複数個(例えば6個)形成される。
ギアプレート63は、図4及び図5に示すように、キックアイドルギア54のスポーク部67におけるクラッチ本体47側に、キックアイドルギア54のギア部66の内周に嵌合された状態で装着される。このギアプレート63とキックアイドルギア54のスポーク部67との間に、スポーク部67の流入口68から流入したブローバイガスとミスト状オイルとを、キックアイドルギア54の回転により遠心分離するための分離室70が形成される。尚、図4中では、ミスト状オイルが混入されたブローバイガスの流れを矢印Aで示す。
分離室70内では、キックアイドルギア54の回転に伴い、ブローバイガスよりも重量の大きなミスト状オイルが遠心力の作用でキックアイドルギア54の半径方向外方へ移動して、ブローバイガスと分離される。そして、ギアプレート63の周縁部に、分離室70内での遠心分離されたオイル分を分離室70外へ排出するためのオイル排出口71が形成される。このオイル排出口71は、ギアプレート63の周方向に複数個、例えば6個形成される。ここで、遠心分離されたオイル分の流れを、図4中の矢印Bで示す。
図4に示すように、中空形状のキックアイドルシャフト59の内部空間がブリーザ通路72として機能する。つまり、ブリーザ通路72は分離室70に連通され、この分離室70内でミスト状オイルが分離されて除去されたブローバイガスを導く。ここで、ミスト状オイルが除去されたブローバイガスの流れを、図4中の矢印Cで示す。このブローバイガスは、キックアイドルシャフト59におけるギアプレート63と反対側の流出口73から流出室74内を経てブリーザユニオン75に至り、図1に示すエンジン吸気系28のエアクリーナ26へ導かれる。ここで、流出室74はクランクケース42に形成された部屋であり、ブリーザユニオン75は、流出室74に連通してクランクケース42に装着されている。
バックプレート64は、図4、図6及び図7に示すように、円筒形状のベース部64Aにフランジ部64Bが一体成形されて構成される。このバックプレート64は、フランジ部64Bがキックアイドルギア54のスポーク部67におけるクラッチ本体47と反対側の側面に対して所定距離(例えば2mm程度)だけ離間した状態で、ベース部64Aがキックアイドルギア54のボス部65に固着されることで、キックアイドルギア54に取り付けられる。
バックプレート64のフランジ部64Bは、バックプレート64がキックアイドルギア54に取り付けられた状態において、キックアイドルギア54の流入口68を略覆う大きさ(外径)に設定される。これにより、キックアイドルギア54の流入口68を通過するブローバイガス及びミスト状オイルの通過量が調整(制限)されると共に、ミスト状オイルの一部が遠心分離される。尚、図4中の符号76は、キックアイドルギア54のボス部65とキックアイドルシャフト59の鍔部77との間に介在されて、キックアイドルギア54を位置決めするスラストワッシャである。
次に、上述のブリーザ装置62の作用を説明する。
図1〜図3に示すように、エンジン20の運転中には、クランクシャフト44のプライマリドライブギア及びプライマリドリブンギア50の作用で、キックドリブンギア55、キックアイドルギア54及びキックドライブギア53が常時回転した状態になる。また、エンジン20の運転中には、シリンダアッセンブリ22のシリンダボアとピストンとの隙間からガスがクランク室42A内へ漏出する。このガスはブローバイガスと称され、このブローバイガスには噴霧状のエンジンオイル(ミスト状オイル)が混入された状態になっている。このミスト状オイルが混入されたブローバイガスは、例えばクランクケース42の左側面に形成された発電機室(不図示)を経てミッション室42Bに流入し、キックアイドルギア54付近に至る。
図4に示すように、ミッション室42Bに流入したブローバイガス及びミスト状オイルは、矢印Aに示すように、キックアイドルギア54のスポーク部67における流入口68への流入が、キックアイドルギア54のギア部66とバックプレート64のフランジ部64Bとにより制限された状態で、この流入口68を通過する。この間にミスト状オイルの一部が、矢印Bに示すように、キックアイドルギア54及びバックプレート64の回転により遠心分離される。
キックアイドルギア54のスポーク部67における流入口68を通過したブローバイガス及びミスト状オイルは分離室70内に流入し、この分離室70内でキックアイドルギア54の回転によりミスト状オイルが遠心分離される。この遠心分離されたオイル分は、矢印Bに示すように、ギアプレート63のオイル排出口71を経て分離室70外へ排出される。
ミスト状オイルが除去されたブローバイガスは、分離室70内からキックアイドルシャフト59のブリーザ通路72へ導入される。このブローバイガスは、ブリーザ通路72の流出口73、流出室74及びブリーザユニオン75を経て、図1に示すエンジン吸気系28のエアクリーナ26へ還流され、新気と共にエンジン20の燃焼室へ供給されて再燃焼される。また、遠心分離されたオイル分は、キックアイドルギア54等の表面を自然落下して、ミッション室42Bのオイルパンに滴下する。
以上のように構成されたことから、本実施形態によれば、次の効果(1)及び(2)を奏する。
(1)キックアイドルギア54のスポーク部67に設けられたギアプレート63とスポーク部67との間に形成される分離室70には、スポーク部67に形成された流入口68からブローバイガス及びミスト状オイルが流入し、また、この分離室70で遠心分離されたオイル分がギアプレート63のオイル排出口71から排出され、更に、分離室70で遠心分離によりミスト状オイルが除去されたブローバイガスが、キックアイドルギア54を支持するキックアイドルシャフト59のブリーザ通路72へ導入される。このように、遠心分離前のブローバイガス及びミスト状オイルを分離室70へ流入する流入口68と、分離室70で遠心分離されたオイル分を排出するオイル排出口71と、分離室70で遠心分離によりミスト状オイルが除去されたブローバイガスを導くブリーザ通路72とは、それぞれ異なる箇所に設けられたので、例えば、遠心分離されたオイル分が遠心分離前のブローバイガス及びミスト状オイルに混入すること等がなく、ブローバイガスとミスト状オイルとの分離性能を向上させることができる。
(2)バックプレート64は、フランジ部64Bが、キックアイドルギア54のスポーク部67におけるクラッチ本体47と反対側の側面に対し所定距離だけ離間した状態でキックアイドルギア54に取り付けられ、この取付状態でフランジ部64Bが、キックアイドルギア54のスポーク部67の流入口68を略覆うように設けられている。このため、キックアイドルギア54の流入口68を通過するブローバイガス及びミスト状オイルの通過量を、バックプレート64によって調整(制限)することができるので、このとき、ミスト状オイルの一部を、回転するキックアイドルギア54及びバックプレート64により遠心分離することができる。
また、キックアイドルギア54の流入口68を通過するブローバイガス及びミスト状オイルの通過量がバックプレート64により調整されるので、流入口68の開口面積を拡大させることができ、この結果、キックアイドルギア54のスポーク部67の重量を低減することができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。
例えば、図8及び図9に示すように、プレート部材としてのバックプレート80は、ベース部64Aが軸方向に延設された後に半径方向内方へ屈曲され、この屈曲部がスラストワッシャ76として機能するスラストワッシャ部81として構成されてもよい。このバックプレート80は、ベース部64Aがキックアイドルギア54のボス部65に固着されず、スラストワッシャ部81が、キックアイドルギア54のボス部65とキックアイドルシャフト59の鍔部77との間に介在されて挟持されることで、キックアイドルギア54のスポーク部67とフランジ部64Bとの距離が保持される。このバックプレート80を用いることで、スラストワッシャ76を省略できるので、部品点数を削減できる。
10 自動二輪車
20 エンジン
42 クランクケース
44 クランクシャフト
46 クラッチ機構
47 クラッチ本体
53 キックドライブギア
54 キックアイドルギア
55 キックドリブンギア
56 エンジン始動装置
59 キックアイドルシャフト
62 ブリーザ装置
63 ギアプレート
64 バックプレート(プレート部材)
67 スポーク部
68 流入口
70 分離室
71 オイル排出口
72 ブリーザ通路
80 バックプレート(プレート部材)
81 スラストワッシャ部

Claims (3)

  1. クランクケースの内部が、クランクシャフトを収容するクランク室と、カウンタシャフトにより支持されたクラッチ本体を収容するミッション室とに区画され、
    ライダーの踏力が、前記ミッション室に収容されたキックドライブギア、キックアイドルギア及びキックドリブンギアを介し前記クランクシャフトへ伝達されてエンジンを始動させるキック始動装置を備えた前記エンジンであって、
    前記キックアイドルギアは、前記クランクケースに支持された中空形状のキックアイドルシャフトに回転自在に支持されると共に、そのスポーク部にブローバイガス及びミスト状オイル用の流入口が形成され、
    前記キックアイドルギアの前記スポーク部における前記クラッチ本体側にギアプレートが設けられ、このギアプレートと前記スポーク部との間に、前記流入口から流入したブローバイガスとミスト状オイルとを遠心分離する分離室が設けられ、
    前記ギアプレートの周縁部に、遠心分離されたオイルを排出するオイル排出口が形成され、
    前記キックアイドルシャフトの内側空間が前記分離室に連通されて、この分離室で遠心分離によりミスト状オイルが除去されたブローバイガスを導くブリーザ通路として構成されたことを特徴とするエンジンのブリーザ装置。
  2. 前記キックアイドルギアのスポーク部におけるクラッチ本体と反対側の側面に対し所定距離だけ離間して、前記スポーク部の流入口を覆う大きさのプレート部材が配置されたことを特徴とする請求項1に記載のエンジンのブリーザ装置。
  3. 前記プレート部材が、キックアイドルギアのボス部とキックアイドルシャフトとの間に介在されるスラストワッシャ部を有して構成されたことを特徴とする請求項2に記載のエンジンのブリーザ装置。
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