JP6135119B2 - インプリント方法、インプリント樹脂滴下位置決定方法及びインプリント装置 - Google Patents

インプリント方法、インプリント樹脂滴下位置決定方法及びインプリント装置 Download PDF

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本発明は、インプリント方法、インプリント樹脂滴下位置決定方法及びインプリント装置に関する。
微細加工技術として知られているナノインプリント技術は、基材の表面に微細凹凸パターンが形成されてなる型部材(インプリントモールド)を用い、当該微細凹凸パターンを被加工物に転写することで微細凹凸パターンを等倍転写するパターン形成技術である(特許文献1参照)。特に、半導体デバイスのさらなる微細化等に伴い、半導体デバイスの製造プロセス等においてナノインプリント技術が益々注目されている。
このナノインプリント技術においては、一般に、微細凹凸パターン構造体が形成される基板上に被加工物としてのインプリント樹脂が塗布され、インプリント樹脂とインプリントモールドとを接触させた状態で当該インプリント樹脂を硬化させることにより微細凹凸パターン構造体が形成される。このインプリント樹脂を基板上に塗布する方法として、基板表面(微細凹凸パターン構造体が形成される面)の所定の位置にインプリント樹脂を離散的に滴下するインクジェット方式等が知られている。
ナノインプリントにより微細凹凸パターン構造体を形成する場合、当該微細凹凸パターン構造体における凹部の膜厚(残膜厚)が全体にわたって均一であることが要求される。この残膜の厚みにムラがあると、微細凹凸パターン構造体をエッチングマスクとして用いる場合に、エッチング精度が低下して、エッチングにより基板に形成される微細凹凸パターンの寸法にバラツキが生じてしまうという問題がある。
したがって、ナノインプリントの技術分野においては、残膜厚のバラツキを可能な限り小さくすることが解決すべき課題として認識されており、従来、当該課題を解決するために、インクジェット方式によるインプリント樹脂の滴下方法に関する技術が種々提案されている。例えば、インクジェット方式によりインプリント樹脂を基板上に塗布するにあたり、インプリントモールドの凹部の全容積、残膜厚、インプリント樹脂の揮発量等に基づいて、インプリント樹脂の基板上における塗布量分布を生成し、当該分布に従ってインプリント樹脂を滴下する方法(特許文献2参照)、インプリントモールドの凹部内に充填されるインプリント樹脂の量を示す充填量情報及び残膜厚を示す残膜厚情報のそれぞれに基づいてインプリント樹脂の滴下位置(滴下量)をそれぞれ求め、求められた2つの滴下位置(滴下量)を合算してインプリント樹脂の滴下位置を求める方法(特許文献3参照)等が提案されている。
インクジェット方式による樹脂塗布装置においては、一般に、複数の樹脂吐出口(ノズル)が所定の間隔で設けられたインクジェットヘッドを所定の方向に走査させて基板上にインプリント樹脂が滴下される。その基板上において実際にインプリント樹脂が滴下される位置は、ノズル間隔、インクジェットヘッドの走査速度、ノズルからのインプリント樹脂の滴下タイミング等により決まる。上記のような樹脂塗布装置において、ノズル間隔、インクジェットヘッドの走査速度、ノズルからのインプリント樹脂の滴下タイミング等のパラメータ等を自由に設定(制御)可能であれば、基板上の所定の領域内のいかなる位置であってもインプリント樹脂の滴下が可能である。しかしながら、上記のような樹脂塗布装置においては、樹脂塗布装置ごとに予め決められた範囲内、又はその範囲内で特定の値を選択することでしか上記パラメータ等を設定することができないという装置上の制限が課せられてしまう。また、使用するインプリント樹脂の粘度や表面張力等の物理的特性によって、上記パラメータ(特に滴下タイミング)等の設定可能範囲がさらに制限されることがある。そのため、上記のような樹脂塗布装置においては、上記装置上の制限や使用するインプリント樹脂の物理的特性等により決定される、インクジェットヘッドの走査方向(主走査方向及び副走査方向のそれぞれ)に沿った最小の所定間隔(数μm程度)のグリッド(一般に、インクジェットヘッドの主走査方向及び副走査方向のそれぞれに平行なグリッド線の各交点)の整数倍の間隔でしかインプリント樹脂を滴下することができないという制約がある。また、数pL(数千μm3)と極めて微量であるインプリント樹脂一滴の液滴量を、滴下(一滴)ごとに増減させるように制御することは極めて困難である。
上記特許文献2に記載の発明のように生成された塗布量分布に従ってインプリント樹脂を滴下することが可能であれば、残膜厚の均一な微細凹凸パターン構造体を形成することができると考えられる。しかしながら、上述したような樹脂塗布装置を用いると、樹脂滴下グリッドから外れた位置にインプリント樹脂を滴下することはできず、また滴下(一滴)ごとの液適量の増減も困難である。そのため、特許文献2に記載の発明により生成された複雑な塗布量分布に従ってインプリント樹脂を塗布することは極めて困難であって、特殊な機構を有する樹脂塗布装置を用いない限りは、上記特許文献2に記載の発明を実施することは困難である。
また、上記特許文献3には、インプリントモールドの凹部に十分にインプリント樹脂を充填させるために、当該凹部に対応する領域へのインプリント樹脂の滴下位置を密にすることが開示されている。
しかしながら、ナノインプリントに用いられるインプリントモールドの凹部及び凸部の寸法は数十nm〜数百nm程度である。そのため、当該インプリントモールドの凹部の寸法に比べて桁違いに大きい間隔のグリッド線の各交点上にしかインプリント樹脂を滴下することのできない樹脂塗布装置を用い、インプリントモールドの凹部の寸法に比べて桁違いに大きいサイズのインプリント樹脂の液滴を、インプリントモールドの凹部に対応する領域に密に滴下することは非常に困難である。
また、上記特許文献2及び3に記載の発明では、インプリントモールドと接触したときのインプリント樹脂の液滴の濡れ広がり方が等方性である、すなわち平面視略円形状の液滴が略円形状(放射状)に濡れ広がることを前提として滴下位置を求めている。しかしながら、例えば、インプリントモールドの微細凹凸パターンがラインアンドスペース状である場合、そのライン方向に略平行な方向にはインプリント樹脂の液滴が濡れ広がりやすいが、ライン方向に略直交する方向にはインプリント樹脂の液滴が濡れ広がり難い。そのため、上記特許文献2及び3に記載の発明では、インプリントモールドの微細凹凸パターンがラインアンドスペース状であると、インプリント樹脂の液滴の濡れ広がり方に伴い、残膜厚にムラが生じてしまうという問題がある。
このような問題を解決するために、従来、ラインアンドスペース状の微細凹凸パターンにおけるライン方向に略平行な方向に沿ったインプリント樹脂の液滴間隔を長く、ライン方向に略垂直な方向に沿ったインプリント樹脂の液滴間隔を短くするように、インプリント樹脂の液滴を塗布することを特徴とするナノインプリント方法が提案されている(特許文献4参照)。
米国特許第5,772,905号 特開2009−88376号公報 特開2012−54322号公報 特開2011−228619号公報
上記特許文献4に記載の発明においては、残膜厚が均一な微細凹凸パターン構造体を形成するために、インプリントモールドの微細凹凸パターンの形状(ラインアンドスペース状)に応じたインプリント樹脂の濡れ広がり方を考慮して、好適なインプリント樹脂の液滴の配置パターンを決定している。この際に、任意(自由)に設定した残膜厚となるように、インプリント樹脂の液滴の配置パターンが決定されている。そのため、当該配置パターンに従ってインプリント樹脂の液滴を滴下するために、インクジェットヘッドを走査方向(主走査方向)に対して所定の角度に傾斜させることで、当該走査方向(主走査方向)に直交する方向(副走査方向)における複数のノズルの間隔を変更し、インプリント樹脂の滴下位置を規定するグリッド線の交点の間隔を適宜変更している。また、当該配置パターンに従ってインプリント樹脂の液滴を滴下する際に、インプリントモールドの微細凹凸パターンの凹部の空間体積に従ってインプリント樹脂の一滴の液適量を増減している。
しかしながら、複数のノズルのピッチを変更するためにインクジェットヘッドの走査方向に対する傾斜角度を制御することや、インプリント樹脂の一滴の液適量を制御することは、汎用されているインクジェット方式の樹脂塗布装置では非常に困難であって、そのような制御が可能な特殊な樹脂塗布装置を用いない限りは実現が困難であるという問題がある。
かかる問題に鑑みて、本発明は、凹凸パターンが形成されてなるインプリントモールドを用い、全体として残膜厚が均一な凹凸パターン構造体を形成するために、特に装置上の制限等により定められる所定のグリッド線の各交点上にのみインプリント樹脂を滴下可能な汎用の樹脂塗布装置によりインプリント樹脂を滴下する位置を決定する方法及びその方法を用いたインプリント方法、並びにインプリント装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、所定のグリッド線の交点上にのみインプリント樹脂を滴下可能な樹脂塗布装置を用い、インクジェット法により被転写面上の所定の位置に離散的に滴下されたインプリント樹脂と、パターン形成面に凹凸パターンが形成されてなるモールドの当該パターン形成面とを接触させることで前記被転写面上に塗り広げられた前記インプリント樹脂を硬化させ、前記被転写面上に凹凸パターン構造体を形成するインプリント方法であって、前記モールドの凹凸パターンに対応して形成される前記凹凸パターン構造体の残膜が実質的に均一な厚みになる複数の残膜厚を含む残膜厚群の中から一の残膜厚を選択する工程と、前記選択された残膜厚に基づいて、前記被転写面上における前記インプリント樹脂の滴下位置を決定する工程と、前記決定された滴下位置に前記インプリント樹脂を滴下する工程とを有し、前記残膜厚群に含まれる複数の残膜厚は、それぞれ、前記モールドの凹凸パターンに応じて決定される前記インプリント樹脂の液滴の基本配置パターン及び当該基本配置パターンのサイズに基づいて求められ、前記インプリント樹脂の滴下位置を決定する工程において、前記選択された残膜厚に基づいて、前記選択された残膜厚に対応する前記インプリント樹脂の液滴の基本配置パターン及び当該基本配置パターンのサイズを選択し、前記選択された基本配置パターン及び当該基本配置パターンのサイズに基づいて、前記インプリント樹脂の滴下位置を決定することを特徴とするインプリント方法を提供する(発明1)。
インクジェット法によりインプリント樹脂を塗布し得る汎用の樹脂塗布装置においては、装置上の制限等により設定される滴下グリッド(インクジェットヘッドの走査方向(主走査方向及び副走査方向のそれぞれ)に平行な線上の一定間隔に並んだグリッド)上にしかインプリント樹脂を滴下することができず、その滴下グリッドの位置を任意の位置に変更することは極めて困難である。このような樹脂塗布装置において、例えば後工程等を考慮して任意に残膜厚を設定すると、設定された残膜厚に応じてインプリント樹脂の必要量を算出し、その必要量のインプリント樹脂が被転写面上に滴下されるようにインプリント樹脂の滴下位置が決定されるのが通常である。
一方、モールドの凹凸パターンに応じたインプリント樹脂の濡れ広がり方を考慮して、任意に設定された残膜厚において均一厚みで形成可能なインプリント樹脂の滴下位置を決定するとする。このようにして決定した滴下位置にインプリント樹脂を滴下することができるのであれば、均一厚みの残膜を有する凹凸パターン構造体が形成可能である。しかしながら、このようにして決定したインプリント樹脂の滴下位置は、設定された残膜厚によっては、実際に樹脂塗布装置において決定される滴下位置(装置上の制限により設定される滴下グリッド上であって、インプリント樹脂の必要量に応じて決定される滴下位置)と一致する場合もあれば、一致しない場合もある。これらが一致しない場合に、インプリント樹脂の濡れ広がりに濃淡が発生してしまうため、凹凸パターン構造体における残膜厚に厚みムラが生じることとなる。
このように、凹凸パターン構造体において形成可能な残膜厚は、モールドのパターン形成面に形成されている凹凸パターンの種類に応じて最適とされるインプリント樹脂の滴下配置(凹凸パターン構造体の残膜厚を均一に形成可能な最適滴下配置)において、断続的な複数の値をとることになる、ということが本発明者らの鋭意研究の結果、明らかとなった。
そこで、上記発明(発明1)によれば、モールドのパターン形成面に形成されている凹凸パターンの種類に応じて、各凹凸パターンに応じて形成される凹凸パターン構造体の残膜が実質的に均一な厚みになる残膜厚群の中から選択された一の残膜厚になるように、インプリント樹脂の滴下位置を決定することができるため、凹凸パターン構造体の残膜厚を全体として実質的に均一にすることができる。その結果として、高い寸法精度の凹凸パターンを有する凹凸パターン構造体を形成することができる。
なお、本発明において、残膜厚とは、凹凸パターン構造体における凹部のインプリント樹脂膜(モールドの凸部に対応して形成されるインプリント樹脂膜)の厚みのことを意味する。
上記発明(発明1)においては、前記モールドのパターン形成面には、複数種類の凹凸パターンが形成されており、前記残膜厚を選択する工程において、前記複数種類の凹凸パターンのそれぞれに対応して形成される前記凹凸パターン構造体の残膜が実質的に均一な厚みになる複数の残膜厚を含む残膜厚群の中から、全凹凸パターンに一致する又は実質的に一致する一の残膜厚を選択するのが好ましい(発明2)。
なお、本発明において、インプリント樹脂の液滴にモールドのパターン形成面を接触させたときに、凹凸パターンに応じてインプリント樹脂の液滴の濡れ広がり方(濡れ広がった液滴の形状及び大きさ、濡れ広がりの方向性)の異なる場合には、凹凸パターンの種類が異なることを意味するものとする。ラインアンドスペース形状、ホール形状、ピラー形状、格子形状等の構造の異なる凹凸パターン、同一構造であっても凹部及び凸部の寸法(凹凸パターンの平面視における寸法)や凹部の深さの異なる凹凸パターン等は、原則として異なる種類の凹凸パターンである。例えば、ラインアンドスペース形状の凹凸パターンであっても、寸法50nmの凹凸パターンと寸法100nmの凹凸パターンとは、インプリント樹脂の濡れ広がり方が異なるため、異なる種類の凹凸パターンである。また、構造、寸法及び凹部の深さが同一であっても、インプリント樹脂の液滴の濡れ広がりの方向性が異なる凹凸パターンは、異なる種類の凹凸パターンである。例えば、寸法及び凹部の深さが同一のラインアンドスペース形状の凹凸パターンであっても、それらのライン方向が相互に交差する方向である凹凸パターンは、異なる種類の凹凸パターンである。
上記発明(発明1,2)においては、前記残膜厚群に含まれる複数の残膜厚は、それぞれ、前記インプリント樹脂の液滴の基本配置パターン及び当該基本配置パターンのサイズに基づき、下記式により算出されるのが好ましい(発明)。
Hr={Dp−(α/100×S×Hp)}/S
式中、Hrは「実質的に均一な厚みになる残膜厚(μm)」を、Dpは「基本配置パターン内を充たすインプリント樹脂量(μm3)」を、αは「モールドの凹凸パターンの凹部の面積比率(%)」を、Hpは「モールドの凹凸パターンの凹部の深さ(μm)」を、Sは「基本配置パターンの面積(μm2)」を表す。
また、本発明は、モールドのパターン形成面に形成されてなる凹凸パターンに対応する凹凸パターン構造体を被転写面上にインプリントにより形成するために、所定のグリッド線の交点上にのみインプリント樹脂を滴下可能な樹脂塗布装置を用いてインクジェット法によりインプリント樹脂を当該被転写面上に滴下する位置を決定する方法であって、前記モールドの凹凸パターンに対応して形成される前記凹凸パターン構造体の残膜が実質的に均一な厚みになる複数の残膜厚を含む残膜厚群の中から一の残膜厚を選択する工程と、前記選択された残膜厚に基づいて、前記被転写面上における前記インプリント樹脂の滴下位置を決定する工程とを有し、前記残膜厚群に含まれる複数の残膜厚は、それぞれ、前記モールドの凹凸パターンに応じて決定される前記インプリント樹脂の液滴の基本配置パターン及び当該基本配置パターンのサイズに基づいて求められ、前記インプリント樹脂の滴下位置を決定する工程において、前記選択された残膜厚に基づいて、前記選択された残膜厚に対応する前記インプリント樹脂の液滴の基本配置パターン及び当該基本配置パターンのサイズを選択し、前記選択された基本配置パターン及び当該基本配置パターンのサイズに基づいて、前記インプリント樹脂の滴下位置を決定することを特徴とするインプリント樹脂滴下位置決定方法を提供する(発明)。
上記発明(発明)においては、前記モールドのパターン形成面には、複数種類の凹凸パターンが形成されており、前記残膜厚を選択する工程において、前記複数種類の凹凸パターンのそれぞれに対応して形成される前記凹凸パターン構造体の残膜が実質的に均一な厚みになる残膜厚群の中から、全凹凸パターンに一致する又は実質的に一致する一の残膜厚を選択するのが好ましい(発明)。
さらに、本発明は、パターン形成面に凹凸パターンが形成されてなるモールドを用い、インプリント樹脂により構成される凹凸パターン構造体を被転写面上に形成するインプリント装置であって、前記被転写面上に設定される所定のグリッド線の交点上にのみインクジェット法により前記インプリント樹脂を離散的に滴下する樹脂塗布部と、前記モールドのパターン形成面と前記被転写面上のインプリント樹脂とを接触させることにより前記被転写面上に塗り広げられた前記インプリント樹脂を硬化させ、前記被転写面上に前記凹凸パターン構造体を形成するインプリント部と、前記被転写面上における前記インプリント樹脂の滴下位置を決定するインプリント樹脂滴下位置決定部とを備え、前記インプリント樹脂滴下位置決定部は、前記モールドの凹凸パターンに対応して形成される前記凹凸パターン構造体の残膜が実質的に均一な厚みになる、前記モールドの凹凸パターンに応じて決定される前記インプリント樹脂の液滴の基本配置パターン及び当該基本配置パターンのサイズに基づいて求められる複数の残膜厚を含む残膜厚群の中から選択される一の残膜厚に基づいて、前記選択された残膜厚に対応する前記インプリント樹脂の液滴の基本配置パターン及び当該基本配置パターンのサイズを選択し、前記選択された基本配置パターン及び当該基本配置パターンのサイズに基づいて、前記被転写面上における前記インプリント樹脂の滴下位置を決定し、前記樹脂塗布部は、前記インプリント樹脂滴下位置決定部により決定された前記インプリント樹脂の滴下位置に基づいて、前記被転写面上に前記インプリント樹脂を滴下することを特徴とするインプリント装置を提供する(発明)。
上記発明(発明)においては、前記モールドのパターン形成面には、複数種類の凹凸パターンが形成されており、前記インプリント樹脂滴下位置決定部は、前記複数種類の凹凸パターンのそれぞれに対応して形成される前記凹凸パターン構造体の残膜が実質的に均一な厚みになる複数の残膜厚を含む残膜厚群の中から選択された、全凹凸パターンに一致する一の残膜厚に基づいて、前記被転写面上における前記インプリント樹脂の滴下位置を決定するのが好ましい(発明)。
本発明によれば、凹凸パターンが形成されてなるインプリントモールドを用い、全体として残膜厚が均一な凹凸パターン構造体を形成するために、特に装置上の制限により所定のグリッド線の各交点上にのみインプリント樹脂を滴下可能な汎用の樹脂塗布装置によりインプリント樹脂を滴下する位置を決定する方法及びその方法を用いたインプリント方法、並びにインプリント装置を提供することができる。
本発明の一実施形態に係るインプリント方法の工程を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係るインプリント方法において用いられるインプリントモールドの一例を示す平面図である。 本発明の一実施形態に係るインプリント方法において、インプリントモールドの微細凹凸パターンの種類(ラインアンドスペース状の微細凹凸パターン)とインプリント樹脂の濡れ広がり方及び基本配置パターンとの関係性を示す平面図である。 本発明の一実施形態に係るインプリント方法において、インプリントモールドの微細凹凸パターンの種類(ホール状の微細凹凸パターン)とインプリント樹脂の濡れ広がり方及び基本配置パターンとの関係性を示す平面図である。 本発明の一実施形態に係るインプリント方法にて用いられるインクジェット方式の樹脂塗布装置におけるインプリント樹脂の滴下可能位置を示す平面図である。 本発明の一実施形態に係るインプリント方法において、微細凹凸パターンの種類と基本配置パターン及びそのサイズと残膜厚との関係の一例を示す表(その1)である。 本発明の一実施形態に係るインプリント方法において、微細凹凸パターンの種類と基本配置パターン及びそのサイズと残膜厚との関係の一例を示す表(その2)である。 本発明の一実施形態に係るインプリント方法において生成されるインプリント樹脂の滴下位置(ドロップマップ)の一例を示す平面図である。 本発明の一実施形態に係るインプリント方法を実施可能なインプリント装置の概略構成を示すブロック図である。
本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1に示すように、本実施形態に係るインプリント方法においては、まず、微細凹凸パターン構造体を形成するために用いられるインプリントモールドを用意する(S101)。
インプリントモールドとしては、特に限定されるものではないが、本実施形態において、インプリントモールドと基板との間に介在するインプリント樹脂(光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂)にエネルギー(紫外線、熱等)が印加されることで当該インプリント樹脂を硬化させる場合、石英ガラス、ソーダガラス、蛍石、フッ化カルシウム、シリコン基板等により作製されてなるものが好ましい。特に、インプリントモールドのパターン形成面に対向する面側から発せられた光(紫外線)がインプリントモールドを透過してインプリントモールドと基板との間に介在するインプリント樹脂に照射されることで当該インプリント樹脂を硬化させる場合、石英ガラス、ソーダガラス、蛍石、フッ化カルシウムにより作製されてなるものが好ましい。
インプリントモールドにおけるパターン形成面には、微細凹凸パターン構造体における微細凹凸パターンに対応する複数種類の微細凹凸パターンが形成されている。インプリントモールドの微細凹凸パターンの形状は、特に限定されるものではなく、ラインアンドスペース形状、ホール形状、ピラー形状、格子形状等を例示することができる。
インプリントモールドの微細凹凸パターンの寸法は、特に限定されるものではないが、基板等の被転写面上に離散的に滴下されたインプリント樹脂の液滴が、インプリントモールドのパターン形成面に接触することで毛細管力により濡れ広がる程度の寸法である。特に、当該微細凹凸パターンの寸法がサブミクロン以下、特に200nm以下程度になると、インプリント樹脂の濡れ広がり方に毛細管力が寄与する程度が大きくなり、微細凹凸パターンの種類による濡れ広がり方の違いがより顕著に現われるとともに、形成される微細凹凸パターン構造体の残膜厚も5nm〜50nm程度ときわめて薄く要求されることで、本実施形態に係るインプリント方法による効果がより顕著に奏されることとなる。
なお、本実施形態において、インプリント樹脂の液滴にインプリントモールドのパターン形成面を接触させたときに、微細凹凸パターンに応じてインプリント樹脂の液滴の濡れ広がり方(液滴の濡れ広がり形状及び大きさ、濡れ広がりの方向性)が異なる場合には、微細凹凸パターンの種類が異なることを意味するものとする。ラインアンドスペース形状、ホール形状、ピラー形状、格子形状等の構造の異なる微細凹凸パターン、同一構造であっても凹部及び凸部の寸法(微細凹凸パターンの平面視における寸法)や凹部の深さの異なる微細凹凸パターン等は、異なる種類の微細凹凸パターンである。例えば、ラインアンドスペース形状の微細凹凸パターンであっても、寸法50nmの微細凹凸パターンと寸法100nmの微細凹凸パターンとは、異なる種類の微細凹凸パターンである。また、構造、寸法及び凹部の深さが同一であっても、インプリント樹脂の液滴の濡れ広がりの方向性が異なる微細凹凸パターンは、異なる種類の微細凹凸パターンである。例えば、寸法及び凹部の深さが同一のラインアンドスペース形状の微細凹凸パターンであっても、それらのライン方向が相互に交差する方向である微細凹凸パターンは、異なる種類の微細凹凸パターンである。
上記インプリントモールドにおいて、インプリントモールドのパターン形成面内が複数の領域に区分けされ、各領域に異なる種類の微細凹凸パターンが形成されている。本実施形態におけるインプリントモールドとしては、例えば、図2に示すように、パターン形成面PS内の一の領域PA1に図中縦方向に延伸するラインアンドスペース形状の微細凹凸パターンP1が形成され、他の領域PA2に図中斜め右方向に延伸するラインアンドスペース形状の微細凹凸パターンP2が形成されてなるものが挙げられる。
次に、微細凹凸パターン構造体の形成に用いられるインプリントモールドにおける微細凹凸パターンの種類に基づいて、形成する微細凹凸パターン構造体における残膜厚を選択し、インプリント樹脂の液滴の滴下配置パターン(基本配置パターン)及びその基本配置パターンのサイズを決定する(S102)。具体的には、以下に示す手順にてそれらを決定する。
基板上に離散的に滴下されたインプリント樹脂の液滴は、インプリントモールドのパターン形成面と接触することで濡れ広がるが、必ずしも略円形状に濡れ広がるわけではなく、インプリントモールドにおける微細凹凸パターンの種類によって濡れ広がり方が異なる。そのため、当該微細凹凸パターンの種類ごとに、すなわちインプリント樹脂の液滴の濡れ広がり方ごとに、均一な厚みの残膜を形成するためのインプリント樹脂の液滴の滴下配置パターン(基本配置パターン)が異なる。
なお、本実施形態において、基本配置パターンとは、各微細凹凸パターンに対応するインプリント樹脂の液滴の滴下位置を構成する繰り返し単位となる液滴の配置パターンであって、後述するグリッド線G(図5参照)のなす交点を頂点として形成される外形形状を有するものを意味する。
例えば、ラインアンドスペース形状の微細凹凸パターンPの場合、図3に示すように、ライン方向(微細凹凸パターンの長手方向)に沿ってインプリント樹脂の液滴Dは濡れ広がりやすく、ライン方向に直交する方向には濡れ広がり難い。すなわち、インプリント樹脂の液滴Dは、長径がライン方向に沿った略楕円形状(又は略長円形状)の領域WAに濡れ広がる。なお、インプリント樹脂の濡れ広がりやすさの程度は、例えば、インプリント樹脂の粘度、基板やインプリントモールド(パターン形成面)の濡れ性、微細凹凸パターンの寸法や凹部の深さ等に応じて変化し、それに伴い一滴のインプリント樹脂の液滴Dが濡れ広がる略楕円形状(又は略長円形状)の領域WAの大きさも変化する。したがって、後述するグリッド線G(図5参照)とライン方向とが略平行であるラインアンドスペース形状の微細凹凸パターンの場合、例えば、図3(a)〜(c)に示すように、基本配置パターンAPは、インプリント樹脂の濡れ広がりの程度に応じて、グリッド線Gのなす交点を頂点として形成された外形形状を有する面心格子状、単純格子状又は斜方格子状(単純正方格子の一の対角線に沿って複数のインプリント樹脂の液滴が配置される形状)となる。特に、上記グリッド線G(図5参照)とライン方向とのなす角度が45°程度であるラインアンドスペース形状の微細凹凸パターンの場合、図3(c)に示すように、基本配置パターンAPは、インプリント樹脂の濡れ広がりの程度に応じて、斜方格子状(単純正方格子の対角線のうちライン方向の直交方向と略平行な対角線に沿って複数のインプリント樹脂の液滴が配置される形状)となる。
また、ホール形状の微細凹凸パターンPであって各微細凹凸パターンのピッチ(隣接する微細凹凸パターン間の距離)がほぼ同一である場合、例えば、図4に示すように、インプリント樹脂の液滴Dは略円形状(放射状)の領域WAに濡れ広がる。なお、インプリント樹脂の濡れ広がりやすさの程度は、例えば、インプリント樹脂の粘度、基板やインプリントモールド(パターン形成面)の濡れ性、微細凹凸パターンの寸法や凹部の深さ等に応じて変化し、それに伴い一滴のインプリント樹脂の液滴Dが濡れ広がる略円形状の領域WAの大きさも変化する。したがって、この場合、例えば、図4(a)及び(b)に示すように、基本配置パターンAPは、インプリント樹脂の濡れ広がりの程度に応じて、面心格子状又は単純格子状となる。
なお、インプリント樹脂の液滴Dの濡れ広がる領域WAの形状、大きさ及び方向性は、使用予定のインプリントモールドを用いて実験的に求めてもよいし、当該インプリントモールドにおける微細凹凸パターンの構造や寸法等、使用予定のインプリント樹脂の粘性等の物性、インプリントモールドや基板の濡れ性等からシミュレーション等により求めてもよい。
ここでは、理解を容易にするため、複数の樹脂吐出孔(ノズル)の並列方向がインクジェットヘッドの主走査方向に対して垂直になるようにインクジェットヘッドが固定された一般的なインクジェット方式による樹脂塗布装置を例に挙げて説明する。
当該インクジェット方式による樹脂塗布装置は、ノズル間隔、インクジェットヘッドの主走査方向における走査速度、ノズルからのインプリント樹脂の滴下タイミング等を容易には変更することができないという装置上の制限を有する。特に、インプリント樹脂の滴下タイミングは、使用するインプリント樹脂の粘度や表面張力等の物理的特性によってさらに制限され得る。そのため、図5に示すように、当該樹脂塗布装置においては、所定のグリッド線Gの交点PI上にしかインプリント樹脂を滴下することができない。このグリッド線Gにより構成される、略正方形状の各セルCのサイズ(縦方向(例えば主走査方向)及び横方向(例えば副走査方向)の長さt1,t2)は、樹脂塗布装置におけるノズル間隔、インクジェットヘッドの主走査方向における走査速度、ノズルからのインプリント樹脂の滴下タイミング等に応じて決まる。特に、各セルCの縦方向のサイズ(主走査方向の長さt1)は、使用するインプリント樹脂の粘度や表面張力等の物理的特性によっても変動する。したがって、微細凹凸パターンの種類に応じた基本配置パターンAPのサイズは、使用する樹脂塗布装置やインプリント樹脂の物理的特性等により決定されるグリッド線Gにより構成されるセルCのサイズに依存することになる。
例えば、基本配置パターンAPが、図3(a)及び図4(a)に示す面心格子状である場合、基本配置パターンAPのサイズ(縦方向(例えば主走査方向)及び横方向(例えば副走査方向)の長さT1,T2)は、グリッド線Gにより構成されるセルCのサイズの偶数倍となる。すなわち、基本配置パターンAPのサイズは下記式(1)及び(2)により表される。
1=M×(2×t1) ・・・(1)
2=N×(2×t2) ・・・(2)
また、基本配置パターンAPが、図3(b)及び図4(b)に示す単純格子状である場合、基本配置パターンAPのサイズ(縦方向(例えば主走査方向)及び横方向(例えば副走査方向)の長さT1,T2)は、グリッド線Gにより構成されるセルCのサイズの整数倍となる。すなわち、基本配置パターンAPのサイズは下記式(3)及び(4)により表される。
1=M×t1 ・・・(3)
2=N×t2 ・・・(4)
さらに、基本配置パターンAPが、図3(c)に示す斜方格子状である場合、基本配置パターンAPのサイズ(縦方向(例えば主走査方向)及び横方向(例えば副走査方向)の長さT1,T2)は、グリッド線Gにより構成されるセルCのサイズの所定の整数倍(図3(c)においては3倍)となる。すなわち、基本配置パターンAPのサイズは下記式(5)及び(6)により表される。
1=M×(3×t1) ・・・(5)
2=N×(3×t2) ・・・(6)
式(1)〜(6)において、M及びNはいずれも1以上の整数である。
すなわち、基本配置パターンAPのサイズT1,T2は、下記式(7)及び(8)により表されることになる。
1=M×V×t1 ・・・(7)
2=N×W×t2 ・・・(8)
式(7)及び(8)において、M及びNはいずれも1以上の整数であって、基本配置パターンAPの格子形状が正方格子を基本とする形状(例えば、面心正方格子状、正方格子状、斜方正方格子状等)であればM及びNは同一である(M=N)。また、当該格子形状が長方格子を基本とする形状であれば、インプリントモールドの微細凹凸パターンに応じたインプリント樹脂の液滴Dが濡れ広がる領域WAの形状に従い、M及びNのいずれか一方が大きくなる(M>N又はN>M)。
なお、V及びWは基本配置パターンAPの格子形状内に位置するインプリント樹脂の液滴数に1を足した数であって、例えば、単純格子であればV=W=1、面心格子であればV=W=2、斜方格子であればV及びWは3以上の整数である。
このように、基本配置パターンAPのサイズがセルCのサイズに依存することになるため、インプリントモールドの微細凹凸パターンの種類に応じ、形成される微細凹凸パターン構造体の残膜厚が略均一となるときの当該残膜厚は、微細凹凸パターンの種類及び基本配置パターンAPのサイズに従い断続的に複数の値をとる。
インプリントモールドにおける微細凹凸パターンの種類に応じて基本配置パターンAPの種類(面心格子、単純格子、斜方格子等の種類)が決定される。そして、当該微細凹凸パターンの寸法、並びに凹部の深さ及び面積比率と、基本配置パターンAPのサイズとに基づいて、微細凹凸パターン構造体において略均一に形成可能な残膜厚を求めることができる。具体的には、下記式(9)により略均一に形成可能な残膜厚を求めることができる。
Hr={Dp−(α/100×S×Hp)}/S ・・・(9)
上記式(9)中、Hrは「略均一に形成可能な残膜厚(μm)」を、Dpは「基本配置パターン内を充たすインプリント樹脂量(μm3)」を、αは「インプリントモールドの微細凹凸パターンの凹部の面積比率(%)」を、Hpは「インプリントモールドの微細凹凸パターンの凹部の深さ(μm)」を、Sは「基本配置パターンの面積(μm2)」を表す。
よって、上記式(9)により微細凹凸パターンの種類ごとに略均一に形成可能な残膜厚群(基本配置パターンAPのサイズに応じて求まる複数の残膜厚からなる群)を求め、その残膜厚群の中から、各微細凹凸パターンにおいて一致する一の残膜厚を選択し、選択された残膜厚に基づいて、基本配置パターンAPの種類及びそのサイズを選択する。
なお、各微細凹凸パターンに対応する残膜厚群の中には、各微細凹凸パターンにおいて一致する残膜厚が複数存在する場合もある。この場合には、例えば、一致する残膜厚のうち、形成しようとする微細凹凸パターン構造体において必要とされる残膜厚(残膜厚の目標値)に最も近いものを選択すればよい。
例えば、インプリントモールドにおける複数種類の微細凹凸パターンが、ライン方向が縦方向(主走査方向)に平行なラインアンドスペース状の微細凹凸パターン(図6におけるパターン1)及びホール状の微細凹凸パターン(図6におけるパターン2)であって、いずれの微細凹凸パターンにおいても凹部の深さHpが50nm、凹部の面積比率αが50%であるものとする。また、形成予定の微細凹凸パターン構造体における残膜厚の目標値は12nmであり、その厚みムラの許容範囲が±2.0nmであるものとする。
そして、グリッド線Gにより構成されるセルCの一辺t1,t2を40μm、インプリント樹脂の液適量を3pL(3000μm3)とすると、図6に示すように、それぞれの微細凹凸パターン(パターン1,2)及び基本配置パターンAPの種類に応じて、均一に形成可能な残膜厚群が上記式から求められる。そして、パターン1及びパターン2のそれぞれの残膜厚群の中から、残膜厚の目標値及びその厚みムラの許容範囲内(12±2.0nm)において一致する残膜厚を選択する。
このとき、図6から明らかなように、一致する残膜厚が複数存在する(パターン1の基本配置1−1とパターン2の基本配置2−2,パターン1の基本配置1−2とパターン2の基本配置2−1)。したがって、一致する残膜厚の中から、残膜厚の目標値及びその厚みムラの許容範囲内(12±2.0nm)のものを選択する。すなわち、この場合においては、残膜厚として12.5nmを選択し、それに基づき、基本配置パターン及びそのサイズとして、パターン1における基本配置1−1(サイズ:M=10,N=5,V=W=1)及びパターン2における基本配置2−2(サイズ:M=5,N=5,V=W=2)が選択される。
なお、複数種類の微細凹凸パターンのそれぞれに応じた残膜群の中で、各微細凹凸パターンにおいて一致する残膜厚が存在しない場合もある。この場合には、例えば、各残膜厚群の中から選択した残膜厚の差分が、残膜の厚みムラの許容範囲内(微細凹凸パターン構造体におけるパターン寸法のバラツキ、パターンの欠陥等が生じない程度と評価可能な範囲内)であれば、実質的に一致する残膜厚として微細凹凸パターンごとに選択することができる。当該実質的に一致する残膜厚のうち、上記差分が最小となるような残膜厚を微細凹凸パターンごとに選択するのが好ましい。
例えば、インプリントモールドの複数種類の微細凹凸パターンが、図2に示すように、ライン方向が縦方向(主走査方向)に平行なラインアンドスペース状の微細凹凸パターンP1(図7におけるパターン1)及びライン方向が斜め方向のラインアンドスペース状の微細凹凸パターンP2(図7におけるパターン3)であって、2種類のラインアンドスペース状の微細凹凸パターンP1,P2は、いずれも凹部の深さHpが50nm、凹部の面積比率αが50%であるものとする。また、形成予定の微細凹凸パターン構造体における残膜厚の目標値は12nmであり、その厚みムラの許容範囲が±2.0nmであるものとする。
そして、グリッド線Gにより構成されるセルCの一辺t1,t2を40μm、インプリント樹脂の液適量を3pL(3000μm3)として、それぞれの微細凹凸パターン(パターン1,3)及び基本配置パターンの種類に応じて、均一に形成可能な残膜厚群を上記式から求めると、図7から明らかなように、各残膜厚群の中に一致する残膜厚は存在しない。したがって、各微細凹凸パターンの残膜厚群の中から残膜厚の目標値及びその厚みムラの許容範囲内(12±2.0nm)において差分が最小となる残膜厚をそれぞれ選択する。
よって、この場合においては、パターン1の残膜厚12.5nmと、パターン3の残膜厚14.1nmとを選択する(残膜厚の差分:1.6nm)。それに基づいて、パターン1に対応する基本配置パターンとして、基本配置1−1(サイズ:M=10,N=5,V=W=1)が選択され、パターン3に対応する基本配置パターンとして、基本配置3−1(サイズ:M=N=4,V=W=3)が選択される。
続いて、上述のようにして選択された基本配置パターン及びそのサイズに基づいて、インプリント樹脂の滴下配置(ドロップマップ)を作成する(S103)。例えば、上述したパターン1及びパターン3のそれぞれに対応する基本配置パターンとして、基本配置1−1(サイズ:M=10,N=5,V=W=1)及び基本配置3−1(サイズ:M=N=4,V=W=3)が選択された場合、図8に示すような、基板Su上におけるインプリント樹脂の液滴Dの滴下位置を示すドロップマップを作成する。なお、図8において、図中上側がパターン1に対応するドロップマップ、下側がパターン3に対応するドロップマップを表す。そして、当該ドロップマップに従ってインプリント樹脂を基板上に滴下する(S104)。
本実施形態において、インプリント樹脂としては、特に限定されるものではなく、通常インプリントに用いられる樹脂(熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂等)を用いることができる。
なお、本実施形態において、インクジェットヘッドの各ノズルから滴下されるインプリント樹脂の液滴量は、装置設計上規定されており、すべてのノズルにおいて一定であることが前提とされている。しかしながら、液滴量が、装置設計上の値と異なっている場合や、各ノズルから滴下される液滴量にバラツキが存在することは実用上で予想され得ることである。この場合において、液適量が装置設計上の値であって、すべてのノズルにおいて一定であることを前提として上記式(9)により算出される残膜厚と、実際のインプリントにより得られる残膜厚とを比較検証し、その結果を上記式(9)における液滴量(基本配置パターン内を充たすインプリント樹脂量(μm3),Dp)に反映させて、残膜厚を算出し、ドロップマップを作成してもよい。
また、液滴量だけではなく、インクジェットヘッドの走査軸のヨーイング、滴下位置のずれ等、インプリント装置及びインプリント樹脂の実態に基づいて残膜厚を算出し、ドロップマップを作成するのが好ましい。
さらに、上述のように作成したドロップマップに従ってインプリント樹脂を基板上に滴下するにあたり、各滴下位置に滴下されたインプリント樹脂の滴下順序に伴う揮発量の相違をも考慮し、均一な厚みの残膜が形成され得るようにインプリント樹脂の滴下順序を決定するのが好ましい。
その後、基板上の所定の位置に離散的に滴下されたインプリント樹脂にインプリントモールドのパターン形成面を接触させてインプリント樹脂を基板上に濡れ広がらせ、基板上に濡れ広がったインプリント樹脂を、熱の印加、紫外線の照射等により硬化させ、硬化後のインプリント樹脂からインプリントモールドを剥離する(S105)。
上述したように、本実施形態においては、インプリントモールドの微細凹凸パターンの種類に応じて均一な残膜厚となり得るドロップマップであって、各微細凹凸パターンに対応して形成される微細凹凸パターン構造体の残膜厚が共通(一致)し得る又は実質的に共通(一致)し得るドロップマップを決定し、それに基づいてインプリント樹脂を滴下している。そのため、その状態でインプリント樹脂を硬化し、インプリントモールドを剥離することで形成される微細凹凸パターン構造体の残膜厚が全体として略均一になる。よって、寸法精度の高い微細凹凸パターン構造体を形成することができ、微細凹凸パターン構造体において欠陥等が生じるのを抑制することができる。
次に、上述した本実施形態に係るインプリント方法を実施可能なインプリント装置の一例について説明する。図9は、本実施形態におけるインプリント装置の概略構成を示すブロック図である。
図9に示すように、本実施形態におけるインプリント装置1は、インクジェット法により基板等の被転写面上にインプリント樹脂を離散的に滴下し得る樹脂塗布部2と、インプリント樹脂が滴下された基板等が搬送され、所定のインプリントモールドを用いてインプリント処理を行うインプリント部3と、樹脂塗布部2におけるインプリント樹脂の滴下位置を決定する機能を少なくとも果たす制御部4とを備える。
樹脂塗布部2は、インプリント樹脂の液滴を吐出する複数のノズルが所定の間隔で並列されてなるインクジェットヘッドを有し、インクジェットヘッドを基板上で所定の方向に走査させることにより、所定のグリッド線Gの交点CPにインプリント樹脂を滴下することができる(図5参照)。
樹脂塗布部2は、複数のノズルの並列方向を走査方向(主走査方向)に対して略直交させるようにしてインクジェットヘッドを走査する。したがって、インクジェットヘッドの走査方向(主走査方向)に略直交する方向(副走査方向)におけるグリッド線Gの間隔(インプリント樹脂の液滴の最小間隔)は、複数のノズルの間隔と略同一であるか、又は副走査方向へのインクジェットヘッドの移動可能距離が複数のノズルの間隔の1/P(Pは2以上の整数である。)であれば、当該グリッド線Gの間隔は、ノズル間隔の1/Pである。
なお、樹脂塗布部2は、インクジェットヘッドのノズル並列方向を主走査方向に対して所定の角度に調整することで、主走査方向におけるノズル間隔を調整し得る機構を有するものであってもよいし、そのような機構を有しないものであってもよいが、本実施形態においては、少なくとも1枚の被転写面上にインプリント樹脂を塗布する間において、樹脂塗布部2は、ノズル並列方向の主走査方向に対する角度を一定にしたままインクジェットヘッドを走査し、基板上にインプリント樹脂を滴下するのが好ましい。
また、樹脂塗布部2においては、主走査方向におけるグリッド線Gの間隔を、副走査方向におけるグリッド線Gの間隔と略同一とするように、インクジェットヘッドの主走査方向における走査速度及びノズルからのインプリント樹脂の滴下タイミング等が設定されていてもよいし、一方向(例えば主走査方向)のグリッド線Gの間隔が他方向(例えば副走査方向)のグリッド線Gの間隔の1/Z(Zは整数)となるように走査速度や滴下タイミング等が設定されていてもよい。
さらに、樹脂塗布部2は、ノズルから滴下されるインプリント樹脂の液滴量を制御(増減)し得る機構を有するものであってもよいし、インプリント樹脂の液滴を滴下するか否かを制御し得る機構を有するが、液滴量を制御(増減)する機構を有しないものであってもよい。前者の場合(インプリント樹脂の液滴量を制御し得る機構を有する場合)においても、本実施形態においては、樹脂塗布部2は、インプリント樹脂の液滴量を一定として、基板上にインプリント樹脂を滴下するのが好ましい。
インプリント部3は、樹脂塗布部2によりインプリント樹脂が離散的に滴下された基板が載置され、複数種類の微細凹凸パターンを有するインプリントモールドを基板上のインプリント樹脂に接触させて当該インプリント樹脂を濡れ広げ、その状態で光(紫外線等)の照射や熱の印加等により当該インプリント樹脂を硬化させ、微細凹凸パターン構造体を形成することができる。
制御部4は、インプリントモールドにおける微細凹凸パターンの寸法、微細凹凸パターンの構造、微細凹凸パターンの凹部の面積比率、インプリント樹脂の物性(粘性等)、各微細凹凸パターンの種類に対応する基本配置パターンの種類及びサイズ等に基づいて、微細凹凸パターンの種類ごとに略均一に形成可能な残膜厚を算出し、当該残膜厚群と基本配置パターンの種類及びサイズとを微細凹凸パターンの種類ごとに関連付けるプログラムを有する(図6、図7参照)。
また、制御部4は、インプリントモールドにおける微細凹凸パターンの種類に応じて選択される、略均一に形成可能な残膜厚に基づいて、基本配置パターンの種類及びサイズを選択し、選択された基本配置パターンの種類及びサイズに従って、インプリント樹脂の滴下配置(ドロップマップ)を作成するプログラムを有する。さらに、作成したインプリント樹脂の滴下配置(ドロップマップ)に従って、樹脂塗布部2の動作を制御する。
なお、インプリント装置1において、制御部4は、樹脂塗布部2に備えられていてもよいし、インプリント部3に備えられてもよい。また、制御部4は、樹脂塗布部2及びインプリント部3とは別個独立した装置として備えられていてもよい。
上述した構成を有するインプリント装置において、使用されるインプリントモールドにおける各微細凹凸パターンに関する情報(寸法、構造、凹部の面積比率等)、使用されるインプリント樹脂に関する情報(粘性等の物性に関する情報)が制御部4に与えられると、制御部4は、各微細凹凸パターンに関する情報に基づいて、各微細凹凸パターンの種類に対応する少なくとも1種類の基本配置パターンを選択する。そして、選択した基本配置パターンのサイズごとに略均一に形成可能な残膜厚を算出し、算出された残膜厚群と基本配置パターンの種類及びサイズとを微細凹凸パターンの種類ごとに関連付ける。
次に、算出された残膜厚群の中から、各微細凹凸パターンに一致する又は実質的に一致する残膜厚が選択されると、当該一致する又は実質的に一致する残膜厚に関連付けられている基本配置パターンの種類及びサイズを微細凹凸パターンの種類ごとに選択し、選択された基本配置パターンの種類及びサイズに従って、インプリント樹脂の滴下配置(ドロップマップ)を作成する(図7参照)。
続いて、制御部4は、作成したインプリント樹脂の滴下配置(ドロップマップ)に従って樹脂塗布部2の動作を制御し、樹脂塗布部2は、当該ドロップマップに従ってインプリント樹脂を基板上に滴下する。
そして、ドロップマップに従ってインプリント樹脂が離散的に滴下された基板がインプリント部3に搬送され、インプリント部3にてインプリント処理が行われることで微細凹凸パターン構造体が形成される。
上述した構成を有するインプリント装置によれば、各微細凹凸パターンに応じて略均一、かつ各微細凹凸パターンに一致する又は実質的に一致する残膜厚が選択され、当該選択された残膜厚で形成可能なインプリント樹脂の滴下配置(ドロップマップ)が作成されるため、形成される微細凹凸パターン構造体の残膜厚を全体として略均一にすることができる。その結果として、寸法精度の高い微細凹凸パターン構造体を形成することができる。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
上記実施形態においては、複数種類(2種類)の微細凹凸パターンを有するインプリントモールドを用いたインプリント方法を例に挙げて説明したが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、1種類の微細凹凸パターンを有するインプリントモールドを用いたインプリント方法においても本発明を適用可能である。この場合において、上述のようにして算出される残膜厚群の中から、用途や目的等に応じて設定される残膜厚の目標値に最も近い残膜厚を選択すればよい。
本発明は、半導体装置の製造過程において微細な凹凸パターンを形成するためのナノインプリント工程にて用いられるインプリント用モールドの製造に有用である。
P,P1,P2…微細凹凸パターン(凹凸パターン)
PS…パターン形成面
AP…基本配置パターン

Claims (7)

  1. 所定のグリッド線の交点上にのみインプリント樹脂を滴下可能な樹脂塗布装置を用い、インクジェット法により被転写面上の所定の位置に離散的に滴下されたインプリント樹脂と、パターン形成面に凹凸パターンが形成されてなるモールドの当該パターン形成面とを接触させることで前記被転写面上に塗り広げられた前記インプリント樹脂を硬化させ、前記被転写面上に凹凸パターン構造体を形成するインプリント方法であって、
    前記モールドの凹凸パターンに対応して形成される前記凹凸パターン構造体の残膜が実質的に均一な厚みになる複数の残膜厚を含む残膜厚群の中から一の残膜厚を選択する工程と
    前記選択された残膜厚に基づいて、前記被転写面上における前記インプリント樹脂の滴下位置を決定する工程と
    前記決定された滴下位置に前記インプリント樹脂を滴下する工程と
    を有し、
    前記残膜厚群に含まれる複数の残膜厚は、それぞれ、前記モールドの凹凸パターンに応じて決定される前記インプリント樹脂の液滴の基本配置パターン及び当該基本配置パターンのサイズに基づいて求められ、
    前記インプリント樹脂の滴下位置を決定する工程において、前記選択された残膜厚に基づいて、前記選択された残膜厚に対応する前記インプリント樹脂の液滴の基本配置パターン及び当該基本配置パターンのサイズを選択し、前記選択された基本配置パターン及び当該基本配置パターンのサイズに基づいて、前記インプリント樹脂の滴下位置を決定する
    ことを特徴とするインプリント方法。
  2. 前記モールドのパターン形成面には、複数種類の凹凸パターンが形成されており、
    前記残膜厚を選択する工程において、前記複数種類の凹凸パターンのそれぞれに対応して形成される前記凹凸パターン構造体の残膜が実質的に均一な厚みになる複数の残膜厚を含む残膜厚群の中から、全凹凸パターンに一致する又は実質的に一致する一の残膜厚を選択することを特徴とする請求項1に記載のインプリント方法。
  3. 前記残膜厚群に含まれる複数の残膜厚は、それぞれ、前記インプリント樹脂の液滴の基本配置パターン及び当該基本配置パターンのサイズに基づき、下記式により算出されることを特徴とする請求項1又は2に記載のインプリント方法。
    Hr={Dp−(α/100×S×Hp)}/S
    式中、Hrは「実質的に均一な厚みになる残膜厚(μm)」を、Dpは「基本配置パターン内を充たすインプリント樹脂量(μm3)」を、αは「モールドの凹凸パターンの凹部の面積比率(%)」を、Hpは「モールドの凹凸パターンの凹部の深さ(μm)」を、Sは「基本配置パターンの面積(μm2)」を表す。
  4. モールドのパターン形成面に形成されてなる凹凸パターンに対応する凹凸パターン構造体を被転写面上にインプリントにより形成するために、所定のグリッド線の交点上にのみインプリント樹脂を滴下可能な樹脂塗布装置を用いてインクジェット法によりインプリント樹脂を当該被転写面上に滴下する位置を決定する方法であって、
    前記モールドの凹凸パターンに対応して形成される前記凹凸パターン構造体の残膜が実質的に均一な厚みになる複数の残膜厚を含む残膜厚群の中から一の残膜厚を選択する工程と
    前記選択された残膜厚に基づいて、前記被転写面上における前記インプリント樹脂の滴下位置を決定する工程と
    を有し、
    前記残膜厚群に含まれる複数の残膜厚は、それぞれ、前記モールドの凹凸パターンに応じて決定される前記インプリント樹脂の液滴の基本配置パターン及び当該基本配置パターンのサイズに基づいて求められ、
    前記インプリント樹脂の滴下位置を決定する工程において、前記選択された残膜厚に基づいて、前記選択された残膜厚に対応する前記インプリント樹脂の液滴の基本配置パターン及び当該基本配置パターンのサイズを選択し、前記選択された基本配置パターン及び当該基本配置パターンのサイズに基づいて、前記インプリント樹脂の滴下位置を決定する
    ことを特徴とするインプリント樹脂滴下位置決定方法。
  5. 前記モールドのパターン形成面には、複数種類の凹凸パターンが形成されており、
    前記残膜厚を選択する工程において、前記複数種類の凹凸パターンのそれぞれに対応して形成される前記凹凸パターン構造体の残膜が実質的に均一な厚みになる残膜厚群の中から、全凹凸パターンに一致する又は実質的に一致する一の残膜厚を選択することを特徴とする請求項に記載のインプリント樹脂滴下位置決定方法。
  6. パターン形成面に凹凸パターンが形成されてなるモールドを用い、インプリント樹脂により構成される凹凸パターン構造体を被転写面上に形成するインプリント装置であって、
    前記被転写面上に設定される所定のグリッド線の交点上にのみインクジェット法により前記インプリント樹脂を離散的に滴下する樹脂塗布部と、
    前記モールドのパターン形成面と前記被転写面上のインプリント樹脂とを接触させることにより前記被転写面上に塗り広げられた前記インプリント樹脂を硬化させ、前記被転写面上に前記凹凸パターン構造体を形成するインプリント部と、
    前記被転写面上における前記インプリント樹脂の滴下位置を決定するインプリント樹脂滴下位置決定部と
    を備え、
    前記インプリント樹脂滴下位置決定部は、前記モールドの凹凸パターンに対応して形成される前記凹凸パターン構造体の残膜が実質的に均一な厚みになる、前記モールドの凹凸パターンに応じて決定される前記インプリント樹脂の液滴の基本配置パターン及び当該基本配置パターンのサイズに基づいて求められる複数の残膜厚を含む残膜厚群の中から選択される一の残膜厚に基づいて、前記選択された残膜厚に対応する前記インプリント樹脂の液滴の基本配置パターン及び当該基本配置パターンのサイズを選択し、前記選択された基本配置パターン及び当該基本配置パターンのサイズに基づいて、前記被転写面上における前記インプリント樹脂の滴下位置を決定し、
    前記樹脂塗布部は、前記インプリント樹脂滴下位置決定部により決定された前記インプリント樹脂の滴下位置に基づいて、前記被転写面上に前記インプリント樹脂を滴下する
    ことを特徴とするインプリント装置。
  7. 前記モールドのパターン形成面には、複数種類の凹凸パターンが形成されており、
    前記インプリント樹脂滴下位置決定部は、前記複数種類の凹凸パターンのそれぞれに対応して形成される前記凹凸パターン構造体の残膜が実質的に均一な厚みになる複数の残膜厚を含む残膜厚群の中から選択された、全凹凸パターンに一致する一の残膜厚に基づいて、前記被転写面上における前記インプリント樹脂の滴下位置を決定することを特徴とする請求項に記載のインプリント装置。
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