JP6134622B2 - 通信システム及び時刻同期方法 - Google Patents

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Description

本発明は、通信システム及び時刻同期方法に係る。本発明は、特に、分散配置され任意の中継網を介して接続される複数の通信網を、単一の基準時刻サーバに同期する広域又は遠隔地間の時刻配信システムに関する。また、本発明は、特に、通信網間の地理的距離によらず時刻同期精度を向上するための通信システム構築方法、並びに通信網間(中継網通過時)における通信品質の不定性に伴う時刻同期精度の劣化を回避するための時刻制御信号中継時の信号処理方法に関する。
インターネットが企業活動に不可欠なインフラとして定着し、ネットワークを介した業務データの共有が日常的に行われている。業務に求められるスピード感が増し、且つ従来よりもグローバル市場をターゲットとしたビジネス運営が求められることから、メール、Web閲覧、業務データのバックアップ等だけでなく、ネットワークを介しての遠隔地間のリアルタイムな情報交換が必要とされるケースが増えている。そのためネットワークには拡大しつつあるデータトラフィックを収容すると同時に、データ保護機能の充実や通信品質の更なる改善が求められている。
音声会話やテレビ会議を利用したリアルタイムの情報共有をサポートするには、ネットワークを介した場合のデータ転送所要時間(以下、遅延時間と称する)を短縮することが必要である。インターネット技術をベースとしてネットワークサービスが普及したことが大きな要因となり、データトラフィックの増加と共にIP(Internet Protocol)やEthernet(登録商標で以下同様)を代表とするパケットトランスポート技術の導入が進んできた。ベストエフォート方式を基本とするパケット通信技術を通信キャリアが提供するトランスポートサービスへ適用するには、通信網の不安定性を極力低減しなければならない。そこで障害対応や状態監視の制度を向上するためにOAM(Operation,Administration and Maintenance)技術や時刻位相同期技術が検討されてきた。特に時刻位相同期技術については、モバイル端末の急速な普及により、その重要度を増している。ユーザの増加とモバイル端末を用いたデータトラフィックの増加に対応するため、複数の基地局間で、例えば、マイクロ秒以下のレベルでの高精度な位相同期が求められている。更に、時刻情報は地理的条件やシステム仕様に関わり決定され、社会生活と密接に関連する重要情報である。この時刻の共通性を利用して電子データへのアクセス時刻を監視しておき、第三者による改ざんを防ぐ等の利用方法が考えられている。
標準時刻情報を利用するために、従来の通信網では、主に、NTP(Network Time Protocol)による標準時刻提供サービスを利用するか、GPS受信機を各通信網に設置するか、或いはIEEE1588等の標準規格で規定される時刻配信プロトコルPTP(Precision Time Protocol)を用いて時刻情報を入手するか、のいずれかが用いられてきた。NTPは日本のNICT(National Institute of Information and Communications Technology)等の標準時刻を管理する団体が備える標準時刻サーバ(時刻源はGPS(Global Positioning System)、標準電波、原子時計など)が、一般ユーザのPCなどクライアント端末からの時刻配信要求に応答して標準時を通知する技術であり、閉域網(LAN;Local Area Network)と広域網(WAN;Wide Area Network)のいずれでも広く使用されてきた。NTPの精度は1ミリ秒程度、GPSの精度は1マイクロ秒未満である。NTPではネットワークの通信の遅延時間(及びそのゆらぎ)が時刻同期精度低下の主要因となる。IEEE1588 PTPは、主に遅延の厳密な管理が可能なLAN内で使うことを条件に、ナノ秒レベルの同期精度を実現する技術である。
遠隔地同士での高精度な時刻位相同期を実現する方法として、特許第5122890号公報がある。この公報には「伝送装置は、端末装置との間の往復の伝送遅延時間と伝送装置の時刻情報とを用いて端末装置の時刻情報の補正値を作成し、端末装置に送信する。端末装置では伝送装置に向けて送信するフレームに、端末装置の時刻情報と伝送装置から受信した補正値とに基づいた到着予想時刻情報を含む。伝送装置はこのフレームの受信時刻とフレーム中の到着予想時刻情報とを比較する。一致ならば端末装置の時刻情報は伝送装置の時刻情報に同期している。不一致ならば、新たな補正値を端末装置に送信する。端末装置は新たな補正値を用いた到着予想時刻情報を含んだフレームを伝送装置に送信する。このような処理を繰り返すことにより、端末装置の時刻を伝送装置の時刻に同期させる。」と記載されている(要約参照)。これは、標準時刻情報を持つ通信装置が複数の端末装置に対して時刻情報を配信する方法である。ここでは、通信装置と端末装置との通信所要時間(遅延時間)の測定にPON(Passive Optical Network)のレンジングプロセスを利用し、時刻配信に先立って測定される遅延時間のゆらぎを低減することで、子局に設定する時刻の精度を向上する。
特許第5122890号公報
例えばインターネット上の商取引ではチケット予約や株取引の際に、ユーザの注文が証券等の取引サーバに到達する順序(即ち、注文到達時刻)に従って処理される。従って、取引サーバはリアルタイムに市場状況を開示しなければならず、ユーザと取引サーバとの通信時間はできるだけ短縮しレスポンス速度を向上することが望ましい。勿論、ユーザと取引サーバとは高精度に時刻同期していることが必要である。モバイルバックホールを運営する通信キャリアは基地局間を位相同期するために、広域で高精度な時刻同期網を必要としている。また一般に、企業や自治体が複数の関連サイトを有し各サイトが分散配置されている場合に、前述した網管理及び会議アプリ等業務上の必要性から、分散サイト間の高精度同期を確立することが求められる。
従来の時刻情報配信システムでは分散配置された通信網同士を時刻同期するためNTPが用いられてきたが、近年はミリ秒レベル以上の精度要求に対応するためIEEE1588 PTPを用いてクライアント端末と共にパケットネットワーク内の機器を時刻同期する方法が主流である。しかしながら、中継網内の通信遅延とその不安定性により通信遅延量と時刻設定値の誤差が拡大するため、広域分散システムでの時刻同期にPTPを利用することは困難とされてきた。特に、社会インフラとして導入が進んでいる従来型のレイヤ2スイッチ或いはIPルータによる遅延保証のないネットワークを中継網とするケースでのPTPの可用性と実現性に深刻な不一致がみられた。上述の誤差及び不安定性は、通信距離が長く、通過する中継装置数が多いほど影響がある。
本発明の目的は、以上の点に鑑み、広域に分散配置されたモバイル基地局等の装置間、或いは通信事業者やISP(Internet Service Provider)網等のネットワークを介して相互接続される分散拠点間においてPTPを用いた高精度な時刻同期を実現することにある。
本発明の第1の解決手段によると、
通信システムであって、
時刻配信装置を含む第1の通信網と、
時刻受信装置を含む第2の通信網と、
前記第1の通信網及び第2の通信網とそれぞれ接続し、前記第1の通信網と前記第2の通信網との通信信号を中継する中継網と、
前記第1の通信網と前記中継網とを接続する第1の相互接続点に設けられた第1の遅延制御装置と、
前記中継網と前記第2の通信網とを接続する第2の相互接続点に設けられた第2の遅延制御装置と、
前記第1及び前記第2の遅延制御装置に同一の時刻情報を設定する高精度時刻源と、
を備え、

前記第1の遅延制御装置は、前記中継網を通過して前記時刻配信装置から前記時刻受信装置へ向かう往路で、遅延時間測定信号である第1の通信信号を受信すると、受信時刻を第1の受信時刻として前記第1の通信信号に挿入して転送し、
前記第2の遅延制御装置は、前記第1の通信信号を受信した第2の受信時刻と、前記第1の通信信号から抽出した第1の受信時刻と、予め定められた第1の遅延設定値に従い、前記第1の遅延設定値と、前記第2の受信時刻及び第1の受信時刻の時間差との差分により第1の待機時間を求め、
一方、
前記第2の遅延制御装置は、前記時刻受信装置から前記時刻配信装置へ向かう復路で、遅延時間測定信号である第2の通信信号を受信すると、受信時刻を第3の受信時刻として前記第2の通信信号に挿入して転送し、
前記第1の遅延制御装置は、前記第2の通信信号を受信した第4の受信時刻と、前記第2の通信信号から抽出した第3の受信時刻と、前記第1の通信信号と同一の前記第1の遅延設定値に従い、前記第1の遅延設定値と、前記第4の受信時刻及び第3の受信時刻の時間差との差分により第2の待機時間を求め、

前記第1及び第2の遅延制御装置は、それぞれ、前記第2及び第1の待機時間でパケット転送の遅延制御を行うことにより、前記往路と前記復路で前記第1の遅延設定値による同一の遅延時間で通信信号を伝送する
ことを特徴とする通信システムが提供される。
本発明の第2の解決手段によると、
通信システムにおける時刻同期方法であって、
前記通信システムは、
時刻配信装置を含む第1の通信網と、
時刻受信装置を含む第2の通信網と、
前記第1の通信網及び第2の通信網とそれぞれ接続し、前記第1の通信網と前記第2の通信網との通信信号を中継する中継網と、
前記第1の通信網と前記中継網とを接続する第1の相互接続点に設けられた第1の遅延制御装置と、
前記中継網と前記第2の通信網とを接続する第2の相互接続点に設けられた第2の遅延制御装置と、
前記第1及び前記第2の遅延制御装置に同一の時刻情報を設定する高精度時刻源と、
を備え、

前記第1の遅延制御装置は、前記中継網を通過して前記時刻配信装置から前記時刻受信装置へ向かう往路で、遅延時間測定信号である第1の通信信号を受信すると、受信時刻を第1の受信時刻として前記第1の通信信号に挿入して転送し、
前記第2の遅延制御装置は、前記第1の通信信号を受信した第2の受信時刻と、前記第1の通信信号から抽出した第1の受信時刻と、予め定められた第1の遅延設定値に従い、前記第1の遅延設定値と、前記第2の受信時刻及び第1の受信時刻の時間差との差分により第1の待機時間を求め、
一方、
前記第2の遅延制御装置は、前記時刻受信装置から前記時刻配信装置へ向かう復路で、遅延時間測定信号である第2の通信信号を受信すると、受信時刻を第3の受信時刻として前記第2の通信信号に挿入して転送し、
前記第1の遅延制御装置は、前記第2の通信信号を受信した第4の受信時刻と、前記第2の通信信号から抽出した第3の受信時刻と、前記第1の通信信号と同一の前記第1の遅延設定値に従い、前記第1の遅延設定値と、前記第4の受信時刻及び第3の受信時刻の時間差との差分により第2の待機時間を求め、

前記第1及び第2の遅延制御装置は、それぞれ、前記第2及び第1の待機時間でパケット転送の遅延制御を行うことにより、前記往路と前記復路で前記第1の遅延設定値による同一の遅延時間で通信信号を伝送する
ことを特徴とする時刻同期方法が提供される。
本発明によると、広域に分散配置されたモバイル基地局等の装置間、或いは通信事業者やISP(Internet Service Provider)網等のネットワークを介して相互接続される分散拠点間においてPTPを用いた高精度な時刻同期を実現することができる。
実施例1の通信システム構成及び通信時間測定方法を示すネットワーク構成図である。 遅延制御装置10の構成例を示す機能ブロック図である。 本実施例の通信システムにおける遅延測定パケットに対する遅延制御の流れを示すシーケンス図である。 遅延制御装置10の時刻処理部2510の動作を説明するフローチャートである。 遅延制御装置10の遅延制御部2810の動作を説明するフローチャートである。 遅延制御装置10内に保持される遅延時間設定DB20の設定例を示すテーブル構成図である。 図1の通信システムにおける別の遅延制御方法を示すシーケンス図である。 図6のシーケンスにおける遅延制御装置10の送信制御部2610の動作を示すフローチャートである。 遅延制御装置10の内部遅延DB(2690)の設定例を示すテーブル構成図である。 スレーブクロックが2台同時に存在する場合の時刻配信システムの構成例を示すネットワーク図である。 遅延制御装置10の遅延制御部2810における動作を示すフローチャートである。 遅延制御装置10の遅延時間設定DB(20)及び内部遅延DB(2690)の設定例を示すテーブル構成図である。
以下、図面を用いて本発明の実施例を説明する。

1.概要

本発明又は本実施例では、
第1の通信網に属する時刻配信装置から、インターネット等の遅延保証のできない中継ネットワークを介して接続された第2の通信網に属する情報処理装置に対して時刻配信を行う通信システムにおいて、
第1の通信網と中継ネットワークとの接続点に第1の遅延制御装置を備え、第2の通信網と中継ネットワークとの接続点に第2の遅延制御装置を備え、
前記第1及び第2の遅延制御装置は、前記中継網を通過して前記情報配信装置から前記端末装置へ向かう第1の通信信号、乃至前記端末装置から前記情報配信装置へ向かう第2の通信信号をそれぞれ中継網内の他の通信信号と識別する機能と、それぞれ第1及び第2の時刻情報を保持する機能と、前記期第1の通信網から受信した前記通信信号が前記中継網を通過して前記第2の遅延制御装置を通過するまでの第1の通信時間、乃至前記第2の通信網から受信した前記第2の通信信号が前記中継網を通過して前記第1の遅延制御装置を通過するまでの第2の通信時間を制御する機能を備え、
前記第1の通信時間と前記第2の通信時間とを同一時間となるよう設定した状態で、前記第1及び第2の遅延制御装置を介して測定した第1及び第2の通信網間の通信所要時間に基づいて、(第1の通信網内の)時刻配信サーバから(第2の通信網内の)情報処理装置への設定時刻通知を行うことができる。

2.システム及び時刻同期
本実施例では、互いに地理的に離れて設置される複数の通信網同士を、例えばマイクロ秒以下のわずかな誤差で高精度に時刻同期するための基本的な通信システム構成方法及び信号処理方法を説明する。
図1は、本実施例の通信システム構成を示すネットワーク構成図である。複数の通信網210、220が互いに中継網100を介して通信を行う。ここで通信網210、220は例えば企業の本社と支社、或いはデータセンタの運用拠点とそのバックアップ拠点のように、互いに地理的に離れた場所に設置される。中継網100の実装例は地域通信網(アクセス網)や中・長距離通信網(メトロ/コア網)などであり、中継網100では、例えば、個人ユーザや企業ユーザ同士の相互通信をサポートする信号中継機能を備える。一般に中継網100は、各ユーザに対しインターネットへの接続環境を提供する機能も備えており、比較的大規模な通信網となる。従って中継網100については、既存の電話網や電力配信網を所有するインフラ事業者により整備される事例が多い。
通信網210、220は各拠点別に管理される閉域通信網(LAN;Local Area Network)として構築されることが多い。LAN内部で利用される通信プロトコルは殆どの場合Ethernetである。近年、一部の通信網ではMPLS−TP(Multiprotocol Label Switching−Transport Profile)も用いられる。LAN内部では取り扱いの容易さが求められ、コンピュータ通信の普及開始から現在に至るまで、Ethernetをベースとするパケット通信が主流である。本実施例においても通信網210、220における通信プロトコルとして、一例としてEthernetを想定する。一方、中継網100は一般に通信事業者が提供する高速長距離通信網であって、SDH/SONETやOTNなど大容量通信向けの通信技術が用いられてきた。近年ではEthernetやMPLS−TPなどパケット通信技術の発達とともに、これらをメトロ/コア網へ適用する動きが広がっている。本実施例の説明では、一例としてEthernetを用いて中継網100を構築した場合を想定する。尚、本実施例においては、通信網210、220、中継網100のいずれにも、任意の通信プロトコルを適用できる。パケット通信技術だけでなく、通信網210、220、100の一部に伝統的な回線交換技術を適用しても良い。
図1では、通信網210内に設置される時刻配信装置30(以下、マスタークロックと称する)から通信網220内の時刻受信装置40(以下、スレーブクロックと称する)に対し時刻を設定する。信号1211、1212、1101、1102、1221、1222は、マスタークロック30とスレーブクロックとの間の往復通信時間を測定する際に用いる遅延測定パケットの流れを示す。
中継網100には遅延制御機能を持つ中継装置10及び20(以下、遅延制御装置と称する。)を備える。遅延制御装置10、20はそれぞれ通信網210、220と中継網100を接続する位置(中継網100の「エッジ」)にあり、遅延測定パケット1101、1102が通過する中継経路の両端を占める。本図では、遅延測定装置10がマスタークロック30から受信した遅延測定パケット1211を中継網100内の信号1101として遅延制御装置20へ中継し、遅延制御装置20は該パケット1101をスレーブクロック40宛ての遅延測定パケット1221として更に転送する。スレーブクロック40からマスタークロック30宛ての応答信号である遅延測定パケット1222、1102、1212についても同様に遅延制御装置20及び10がそれぞれ信号を中継する。
中継網100を運用する通信事業者は、事業者マスタークロック1000を備えており、遅延制御装置10及び20に対して時刻同期処理を行う。即ち遅延制御装置10と遅延制御装置20は同一の時刻情報源に従い互いに高精度に同期される。遅延制御装置10、20の時刻情報は時刻情報管理部11、21に保持されており、遅延制御装置10、20の内部における信号処理で必要に応じて参照できる構成である。
中継網100には、遅延測定パケット1101、1102を中継するための中継装置91、92、93を備える。これらは従来のルータやL2スイッと同様の構成であって、遅延制御装置10と20との間で送受する信号(遅延測定パケット1101、1102や、マスタークロック30からスレーブクロック40へ送る時刻情報や、或いは当該経路を通過するユーザデータなど)を通す経路を構成する。本実施例においては、これら中継装置91、92、93は遅延制御装置10、20とは異なり、事業者マスタークロック1000と同期している必要はない。遅延制御装置10と遅延制御装置20が同期していれば良いため、その他中継装置91、92、93は同期機能を省略した装置を用いたり、既存ルータやL2スイッチを流用したり、設備投資を抑える効果が期待できる。
マスタークロック30とスレーブクロック40との間の高精度な往復遅延測定を行うため、本実施例では遅延制御装置10、20のそれぞれ遅延時間設定データベース12、22を備える。遅延制御装置20の遅延時間設定データベース22は、マスタークロック30からスレーブクロック40へ送られる遅延測定パケット1101について、中継網100内部を通過する時間を指定するために用いる。即ち遅延制御装置20が遅延測定パケット1101を受信すると、当該パケットに対して予め設定された遅延時間を経過するまでスレーブクロック40宛ての信号1221を送出せずに待機する。このときの待機時間は、遅延測定フレーム1211が中継網100に到着した時刻を基準に決定される相対時間である(詳細は後述。)。この一連の処理を実現するために、遅延制御装置10では遅延測定パケット1211が到着すると、その受信時刻を記録し、遅延測定パケット1101に当該受信時刻のタイムスタンプを挿入して中継網100内を転送させる。遅延制御装置20では遅延制御パケット1101のタイムスタンプと遅延制御装置20の時刻情報管理部21の現在時刻(標準時刻)を比較し、遅延制御装置20内に於ける当該パケットの待機時間を決定する(詳細は後述。)。待機時間経過後は、遅延制御装置10で付与したタイムスタンプを当該パケットから抜去して、遅延測定パケット1221をスレーブクロック40宛て転送する。
スレーブクロック40からマスタークロック30へ向かう一連の信号1222、1102、1212についても同様に遅延制御を行う。即ち遅延制御装置20は遅延測定パケット1222を受信すると、その受信時刻をタイムスタンプとしてパケットに挿入し、遅延測定パケット1102として中継網100を転送する。遅延制御装置10では、受信パケットに含まれるタイムスタンプと自装置の時刻情報管理部11が記録する当該パケットの受信時刻を参照して待機時間を算出する。待機時間経過後に、タイムスタンプを当該パケットから外して遅延制御パケット1212をマスタークロック30へ返す。
中継網100内の事業者マスタークロック1000は、マスタークロック30と同期している必要はない。広域に渡る中継網100と通信網210、220をすべて同期するには多大なコストがかかり現実的ではない。本実施例では、中継網100の中でも遅延測定パケット1101、1102の通過経路に当たる少なくとも遅延制御装置10、20のみが時刻同期され、それぞれが標準時刻を把握できれば良い。
一般的な遅延測定プロトコルでは、往復の遅延時間を測定した後、測定結果の1/2を片道通信遅延時間と見做し、マスタークロック30の標準時刻に片道遅延時間を追加した時刻をスレーブクロック40の設定時刻として通知する。従って測定精度を高めるには、往路遅延時間と復路遅延時間が等しくなるように通信システムを設計する必要がある。本実施例の場合、遅延制御装置10、20の遅延時間設定データベース12、22への設定値を互いに等しくなるように決定する。設定値は往復とも等しければ任意であるが、遅延調整時間を確保するため、中継網100内部における通常のデータパケットの通信所要時間よりも余裕を持って設定する。
尚、中継網100は広域での情報通信インフラを提供するものであり、一般的に複数の管理ドメインを含む。図1では最も簡単な例として中継網100を単一の管理ドメインで表現しているが、実際には通信網210から中継網100に入力された信号が、更に別の事業者による別の中継網や、同一事業者が提供する別の中継網を経由して通信網220へ到達するケースも珍しくない。中継網100の両端に相当する遅延制御装置10、20に対し、同一の時刻源もしくは互いに高精度に同期されたそれぞれの時刻源を用いて時刻同期をとることで本実施例の動作が可能である。
図2は、遅延制御装置10の構成例を示す機能ブロック図である。
遅延制御装置10は、従来の通信装置としての機能に加えて時刻情報を管理する時刻情報管理部11と遅延時間設定データベース12を備える。時刻情報の入手経路には複数の実装がある。例えばIEEE1588規定を採用する場合、時刻情報はデータパケットと同じインタフェースを介して受信される。また例えばGPSを用いると、GPS受信機とのインタフェースを遅延制御装置10に備えるか、遅延制御装置10にGPS受信機を備えておけば良い。この実装の差異は本発明又は本実施例の特徴に影響しないため、本図では一例としてデータパケット用インタフェース部2100、2200の他、GPS受信機など外部の時刻情報供給装置とのインタフェース2011を設ける構成とした。
装置間接続用のインタフェースとして、通信網210側インタフェース(UNI;User―Network Interface)と中継網100側インタフェース(NNI;Network−Network Interface)にそれぞれ複数の物理ポート(例えばEthernetコネクタ)を備える。本図ではUNIインタフェース部2100に物理ポート(PHY IF)2100−1〜2100−n、NNIインタフェース部2200に物理ポート2200−1〜2200−mを備える構成とした。本構成では、それぞれの物理ポートには複数の論理ポートを設定できる。例えばEthernetの場合、論理ポートはVLAN機能を用いて実現される。そこで本図では、簡単な構成例として各物理ポートに1つの論理ポートを設定した状態を示した。
UNI(2100)で受信したデータパケットは、受信処理部2500、スイッチ(経路振分部)2900、送信処理部2600を介してNNI(2200)から中継網100へ転送される。またNNI(2200)から入力されるデータパケットは、受信処理部2700、スイッチ2900、送信処理部2800を介してUNI(2100)より通信網210宛て転送される。
受信処理部2500、送信処理部2600、受信処理部2700、送信処理部2800は、遅延測定パケットを処理する上で時刻情報を参照する必要があるため、時刻情報管理部11から標準時刻情報を入手できる構成としている。時刻情報管理部11が管理する標準時刻情報は、図1の事業者マスタークロックに同期する時刻情報である。
以下、遅延制御装置10内部での信号処理の流れを述べる。ここでは遅延測定パケットを受信した場合を想定する。
遅延測定パケットは、例えば、パケットが(例えばヘッダ部分に)含むVLANなどの経路識別子が遅延測定対象経路であること、またパケット内のTypeフィールドに代表されるような、当該パケットが含む情報の種別を判定できるフィールドを参照することにより、他の(遅延測定目的以外の)パケットと識別できる。
受信処理部2500では受信した遅延測定パケット1211を、受信パケットバッファ2520に蓄える。このとき信号のプリアンブルを参照して遅延測定パケット1211の検出処理を行うが、これと同時に時刻処理部2510では装置10内の標準時刻情報と装置10内での当該パケット受信タイミングを照合し、パケット受信時刻を取得及び記録する。更に、時刻処理部2510は確認した受信時刻をタイムスタンプとして該遅延制御パケットに挿入する。タイムスタンプを付与された遅延測定パケットはスイッチ部2900を介して送信制御部2600へ送られる。尚、通常は受信処理部とインタフェース部を一体としたハードウエア構成(図の点線箇所を参照)が用いられる。スイッチ部2900はUNIから受信した個々のパケットの転送先に応じ、複数ある受信カード2590と送信カード2690との対応付けを行う。本図では動作の説明を明確化するため一対の構成のみ図示した。NNIからUNIへ向かうパケットの処理についても同様である
送信処理部2600では、送信制御部2610が、スイッチ部2900から受信した遅延制御パケットの振分け及び送出を行う。具体的には経路表(図示せず)に基づき当該パケットを送出すべき物理ポート2200―1〜2200−m及び論理ポート2200−1−1〜2200−m−1を選択して送出する。送信パケットが大量に存在する場合には、送信待ちパケットを送信キュー2620に格納し、送信帯域が空き次第、順次送出する。
NNI(2200)からUNI(2100)へ向かうパケットの処理も概ね同様である。NNI(2200)から受信するパケットに対しては、受信処理部2700ではタイムスタンプを付与する必要はない。転送処理部2710は、NNI(2200)から受信するパケットを順にスイッチ部2900へ転送する。また送信処理部2800では、遅延時間設定データベース12に従い、スイッチ部2900から受信した遅延制御パケットに対して予め規定した遅延時間分だけバッファ(送信キュー2820)内部で待機させた後に送出する。遅延制御部2810は、この遅延測定パケットに対する遅延時間の確認と、待機時間管理、及び送出キュー2820からUNI(2100)への送出指示を行う。
図3は、本実施例の通信システムにおける遅延測定パケットに対する遅延制御の流れを示すシーケンス図である。本図は図1に倣いマスタークロック30、遅延制御装置10、遅延制御装置20、スレーブクロック40による遅延制御パケットの処理を示す。
マスタークロック30から遅延制御装置10に送られる遅延測定パケット1211について、遅延制御装置10では受信時刻をタイムスタンプにして当該パケットに付与する(S101)。その後、中継網100内を転送される遅延測定パケット1101は遅延測定装置20の遅延制御(S102)より、遅延時間の調整のため暫く待機した後、スレーブクロック40向けに送出される。スレーブクロック40にて折り返された遅延測定パケット1222は、再び中継網100に入る際、往路と同様に遅延制御装置20にてタイムスタンプを付与される(S201)。その後、遅延制御装置10における遅延制御(通信時間調整)(S202)を経てマスタークロック30に戻り、マスタークロック30にて往復通信時間が記録される。
遅延制御装置20及び10に予め設定しておくべき、それぞれ往路と復路の各通信遅延時間の設定値は、図中の期間3100(T4−T1)及び期間3200(T10−T7)となる。即ち、この設定値は、それぞれ中継網100に到達した時点から中継網100を出る時点までの所要時間である。遅延制御装置20及び10では、遅延時間設定データベース22、12に設定されたこれらの設定値と、実際に受信したパケットが中継網100を通過するために要した時間との差分を取り、その差分時間だけ装置内に当該パケットを滞留させる。従って、装置内での遅延測定パケットの待機時間3110及び3210は、中継網100内部の通信状況(帯域利用率、障害の有無など)によって随時変動するが、その変動を遅延制御装置20及び10における遅延制御(S102、S202)によって吸収し、外部に影響を及ぼさない設計とする。装置内部における待機時間Tw3110(3210も同様)は、次の式(1)で算出する。

Tw=Td−(T−T) ・・・・・・・・・・・・・・・(1)

ここで、Tdは遅延時間の設定値、Tは受信時刻、Tはタイムスタンプの時刻である。
中継網100内部は通信オフセット区間3000として遅延時間が常時一定に制御される。これにより、マスタークロック30から見ると通信時間の不定性は中継網100外部の期間4100、4200、4300のみとなる。即ち中継網100を通過するために必要な絶対的な通信時間に寄らず、通信時間の不確定性(ゆらぎ)を抑えることができる。時刻同期においては、遅延の大きさではなく、その測定の不確定性が実質的な設定時刻の誤差に現れる。このことから、中継網100内部での往復時間を厳密に統一することによって、LANと同等の精度での遠隔地向け時刻配信を実現できる。
図4は、遅延制御装置10の時刻処理部2510の動作を説明するフローチャートである。
図3で説明したように、時刻処理部2510は、遅延測定パケット1211を受信すると(F101)、時刻情報管理部11から得られる時刻情報を確認し、その受信時刻を記録する(F102)。更に、時刻処理部2510は、当該時刻を遅延制御装置20に伝えるため、受信した遅延測定パケットにタイムスタンプとして挿入する(F103)。図3の処理S101は、本フローチャートのF102とF103に相当する。
図5は、遅延制御装置10の遅延制御部2810の動作を説明するフローチャートである。
遅延制御部2810は、スイッチ部2900を介して前段の受信処理部2700から遅延測定パケットを受信すると(F201)、先ず当該遅延測定パケットに含まれるタイムスタンプを確認する(F202)。次に、遅延制御部2810は、当該パケットに対し設定されている遅延時間の設定値を遅延時間設定データベース12から抽出し、これと当該パケットに含まれるタイムスタンプ、及び装置10が管理する現在時刻から得られる当該パケットの受信時刻を参照して、上述の式(1)から当該パケットの装置10内での待機時間を決定する(F203)。送出タイミングを確認するための一つの手段として、ここではタイマーを利用する方法を説明する。遅延制御部2810は、現在時刻から送出時間までの待機時間をタイマー設定しておき(F204)、タイマー終了時刻にパケットを送出して(F205)一連の処理を完了する。
図6は、遅延制御装置10内に保持される遅延時間設定DB20の設定例を示すテーブル構成図である。
本テーブルは、経路識別子601、経路別遅延時間の設定値(遅延設定値)602、当該経路における遅延制御装置10の役割を示す通信方向603を含む構成とした。
経路識別子601は、例えばEthernetの場合はVLAN IDを用いて中継網100内の通信経路を識別できる。転送プロトコルにMPLS−TPを用いる場合は、経路識別子としてMPLSラベルを用いればよい。VLANやMPLSラベルは複数同時に使用できるため、経路識別子601も複数のVLAN又はMPLSラベルを記載可能とする。遅延設定値602は、当該エントリの経路に対する遅延時間の設定値である。この設定値は、遅延時間調整における余裕時間を確保するため、通常の通信信号処理に要する中継網100内の通過時間よりも大きな値とする。遅延設定値602は、中継網100に遅延測定信号が入力した時刻に対する相対的な時刻であり、中継網100内に遅延測定信号が存在する期間(中継開始時刻からの経過時間)を示す。この遅延設定値602は任意の値として良いが、中継網100内部における待機時間を低減し、中継網100のリソース(即ち遅延制御装置など通信装置が備えるバッファや通信帯域)を有効活用することを考える場合、往路1101と復路1102の双方に同一の遅延設定値602を適用できる最小値、もしくはそれに近い値を選択することが望ましい。通信方向603は、当該経路601において、遅延制御装置10が中継網100へ信号を送出する立場(Send)か、中継網100から信号を受信する立場(Recv)かを示すフィールドである。中継網100に信号送出する場合、遅延制御装置10では通信信号にタイムスタンプを付与し、遅延制御を行う必要はない。そこで遅延設定値602は“0”としている。一方、タイムスタンプを含む信号を受信した場合は、本テーブル12を参照して遅延設定値602とタイムスタンプ、それに当該信号を受信した時刻を参照し、上述の式(1)により遅延制御装置10内部における待機時間を決定する。
図7は、図1の通信システムにおける別の遅延制御方法を示すシーケンス図である。遅延制御装置10、20、マスタークロック30、スレーブクロック40等、システム構成要件は図3と同様である。ここでは、図2の機能ブロック図における内部遅延データベース2690を用いて、装置内部の遅延時間を制御する方法を説明する。この方法により、遅延制御装置10における遅延測定信号1211の受信時刻から測定信号1212の出力時刻までの全経路に対する遅延測定(図3)に比べ、マスタークロック30からスレーブクロック40に対する測定区間が短縮されるため、時刻測定精度が向上する。従って、図6で述べたように中継網100内部における遅延時間を低減させたい場合など、本システムに必要な遅延時間の見積もり精度が向上することが期待される。更に、測定精度が向上する結果、スレーブクロック40に対する時刻設定の誤差を低減できる。以下、図3との差分について説明する。
内部遅延データベース2690は、中継網100の入り口にあたる遅延制御装置10の送信処理部2600が遅延測定パケットを送出する時間を、当該パケットを受信した時刻からの相対的な時間経過で示すデータベースである。ここでデータベースに記録される遅延時間設定値の情報は、期間5100の時間幅となる。
送信処理部2600にある送信制御部2610は、タイムスタンプを含む遅延測定パケットを受信すると、当該パケットのタイムスタンプと現在時刻とを比較し、予め設定された装置内遅延時間が経過するまで、当該パケットを転送せずに保持する(S111)。
本実施例の場合、復路の中継網100の出口側にあたる遅延制御部2810では、図3と同様の処理を行う(S202)。中継網100から遅延測定パケットを受信した時点での、受信時刻を確認する処理は、送出時刻を算出するため必要である(図3と同様)。本図ではこの受信時刻確認処理を受信処理S211で示した。
内部遅延データベースの設定値は、往路と復路で同等になるよう設定する。このように装置内部における送信側での所要時間を規定しておくことにより、図3で説明した方法に比べて装置内部における不安定要因、即ち処理負荷の変動や受信パケット数の変動に起因する処理時間のゆらぎが排除されるため、スレーブクロック40へ通知する設定時刻の精度が向上する効果がある。
ユーザを収容する論理回線数は、通信キャリア網の中でも光多重伝送を用いるコア網側よりアクセス網側の方が多く、アクセス網ではそれぞれの論理回線を独立した(多重されない)パケット通信方式で転送するため、遅延制御装置10のユーザ側インタフェース2100、受信処理部2500、送信処理部2600、NNI側インタフェース部2200に於いては、パケット集中を予測できないことから、中継網100内部の他の伝送装置に比べて転送遅延のゆらぎが発生し易い状況にあることが想定される。そこで本図で説明するようにユーザに近い遅延制御装置10の内部における処理時間の誤差を抑えることにより、中継網100を介した通信遅延時間をより性格に測定できる。
図8は、図6のシーケンスにおける遅延制御装置10の送信制御部2610の動作を示すフローチャートである。
送信制御部2610は、スイッチ部2900を介してタイムスタンプ付きパケットを受け取ると(F301)、図2に述べたように当該パケットの宛先を確認し、送信キュー2620に格納する(F302)。その後、送信制御部2610は、内部遅延データベース2690を参照して当該パケットに付与すべき遅延量を確認し(F303)、該待機時間が経過した後パケットを送出する(F304)。待機時間Tw’は、上述の式(1)により、

Tw’=Td−(T102−T

で求めることができる。ここで、Tdは遅延時間の設定値、T102は受信時刻、Tはタイムスタンプの時刻である。
ここで、内部遅延時間を往路と復路の双方で統一しておくことにより、通信時間が不確定となる通信区間を一部排除できる。
図9は、遅延制御装置10の内部遅延DB(2690)の設定例を示すテーブル構成図である。
本テーブルの構成は内部遅延設定値902を除き、図6のテーブル構成例と同一である。そこで以下の説明では、経路識別子901、通信方向903についての説明を割愛する。通信方向903がSendの場合に、送出処理部2610にて内部遅延設定値902に従う遅延を与え、その後当該信号を経路1101に載せて送出する。内部遅延設定値902は、遅延測定信号1211を受信した時刻に対する相対時刻として設定される。送出処理部2610における動作並びに待機時間算出方法は、図6で述べた遅延制御部2810の動作と同様である。
本実施例では、複数のスレーブクロックに対し一つのマスタークロックが時刻配信を行うケースを考える。このときマスタークロックとスレーブクロックの組合せ(中継網100内部における遅延測定パケットの通過経路)の違いにより、遅延制御装置10が遅延測定パケットに与える待機時間が異なる可能性がある。そこで中継網100のマスタークロック側に位置する遅延制御装置10には、マスタークロックとスレーブクロックの組合せに応じて遅延時間を変更する機能が必要となる。
マスタークロックとスレーブクロックの組合せごとに遅延時間を設定する方法としては、論理的なコネクション毎と装置毎の二通りが考えられる。前者について、実施例1で示したように、遅延設定データベース及び内部遅延データベースにて設定する方法は図6及び図9で説明済みである。そこで、本実施例では装置単位に遅延時間を設定する方法について述べる。
以下の説明では、最も簡単な例として2つのスレーブクロックへの時刻同期を行うケースを想定する。
図10は、スレーブクロックが2台同時に存在する場合の時刻配信システムの構成例を示すネットワーク図である。
スレーブクロック60を含む通信網230の構成は通信網220と同様である。また中継網100の通信網230側エッジ装置である遅延制御装置50は、時刻管理部51及び遅延時間設定データベース52を備えており、その機能は図2のブロック構成と同様である。尚、図3で説明した中継装置91、92、93は本図では省略した。
図3或いは図6の場合と動作が異なる箇所は、往路の遅延制御を行う遅延制御装置10の遅延制御部2810である。遅延制御部2810は、スイッチ部2900から受信する遅延測定パケットのヘッダ情報を参照して、該遅延測定パケットが通過する経路を識別する。送信処理部2800には、経路識別子と関連付けられる遅延時間設定データベース12を備える。遅延時間設定データベース12への設定値は、中継網100内の通過経路によって異なっていても良い。通常のデータパケットが中継網100を通過するために要する時間に対して十分に大きな遅延時間を全経路に対して設定しておいても良いが、遅延測定の効率化を考えて経路ごとに最適値を設定することもできる。
このとき、遅延制御部2810では、ヘッダ情報から経路識別子を抽出し、該識別子を基に、受信パケットごとに必要な待機時間を算出する。
実施例2の遅延制御方法のシーケンスは、図3等に示した遅延制御方法のシーケンス及び図7等に示した別の遅延制御方法のシーケンスを適用することができる。
図11は、遅延制御部2810における動作を示すフローチャートである。
遅延制御部2810は、遅延測定パケットを受信した後(F401)、当該パケットのヘッダ情報から当該パケットが測定対象とする経路(この場合は遅延制御装置10と接続される対向の遅延制御装置)を識別する(F402)。遅延制御部2810は、抽出した経路情報に基づいて遅延情報設定データベース12を参照し、当該パケットに対して予め設定されている中継網100内部での待機時間を抽出する(F403)。待機時間は、上述の式(1)により求めることができる。F404以降の処理は、図5のF203以降と同様のため説明を割愛する。
図12は、遅延制御装置10の遅延時間設定DB(20)及び内部遅延DB(2690)の設定例を示すテーブル構成図である。
本テーブルの構成は装置識別子12001、12011を除き、図6及び図9のテーブル構成例と同一である。そこで以下の説明では、遅延設定値12002、内部遅延設定値12012、通信方向12003、12013についての説明を割愛する。
遅延時間設定データベース20は遅延制御部2810にて遅延を調整する際に参照され、その場合の遅延時間設定値12002を抽出する検索キーとして装置識別子12001が用いられる。内部遅延データベース2690は図7から図9の実施例において送出処理部2610にて内部遅延設定値902に従う遅延を与える際に参照され、同様に、内部遅延設定値12012をテーブルから読み出す際の検索キーとして装置識別子12011を使用する。遅延処理の動作並びに待機時間算出方法は、図6及び図9の説明と同様であるため割愛する。
3.構成例

本発明及び/又は本実施例のひとつの態様によると、
情報配信装置を含む第1の通信網と、
端末装置を含む第2の通信網と、
前記第1の通信網及び第2の通信網とそれぞれ接続し、前記第1の通信網と前記第2の通信網との通信信号を中継する中継網とで構成され、
前記第1の通信網と前記中継網とを接続する第1の相互接続点に第1の遅延制御装置を備え、
前記中継網と前記第2の通信網とを接続する第2の相互接続点に第2の遅延制御装置を備える通信システムであって、
前記第1及び第2の遅延制御装置は、前記中継網を通過して前記情報配信装置から前記端末装置へ向かう第1の通信信号、乃至前記端末装置から前記情報配信装置へ向かう第2の通信信号をそれぞれ中継網内の他の通信信号と識別する機能を備え、
前記第1及び第2の遅延制御装置は、更に、それぞれ第1及び第2の時刻情報を保持する機能を備え、
前記第1及び第2の遅延制御装置は、更に、前記第1の通信網から受信した前記通信信号が前記中継網を通過して前記第2の遅延制御装置を通過するまでの第1の通信時間、乃至前記第2の通信網から受信した前記第2の通信信号が前記中継網を通過して前記第1の遅延制御装置を通過するまでの第2の通信時間を制御する機能を備える
ことを特徴とする通信システムを提供することができる。
上述のような通信システムであって、
前記第1及び第2の時刻情報は、ともに同一の高精度時刻源に基づき前記第1及び前記第2の遅延制御装置に設定される
ことを特徴とすることができる。
上述のような通信システムであって、
前記第1及び第2の遅延制御装置は、更に、前記第1及び第2の通信信号について、それぞれ独立した第1及び第2の通信時間を与える機能乃至互いの通信時間を関連付けて設定する機能を備えることができる。
上述のような通信システムであって、
前記第1及び第2の遅延制御装置は、更に、前記第1の通信時間と前記第2の通信時間とを同一時間となるよう制御する機能を備えることができる。
上述のような通信システムであって、
前記情報配信装置は標準時刻情報を管理する機能と前記端末装置に対する時刻通知機能を備え、
前記第1及び第2の通信信号は、前記情報配信装置が発行する、前記端末装置との間の往復通信時間を測定するための遅延時間測定信号であるか、或いは前記情報配信装置が前記端末装置に対して発行する時刻通知信号である
ことを特徴とすることができる。
上述のような通信システムであって、
前記第1及び第2の通信信号は、IEEE1588の高精度時間プロトコルPTPに従う遅延測定信号或いは時刻通知信号である
ことを特徴とすることができる。
上述のような通信システムであって、
前記第2乃至第1の遅延制御装置は、
前記第1乃至第2の通信信号に対し、それぞれ前記情報配信装置から前記第1の遅延制御装置へ到達する第1の到着時刻、又は前記端末装置から前記第2の遅延制御装置へ到達する第2の到着時刻に対する相対的な時間経過を算出する機能と、
前記第1乃至第2の通信信号を前記第1乃至第2の通信時間に渡り保持する機能と、
更に前記第1乃至第2の通信信号を、それぞれ前記第1乃至第2の到着時刻から前記第1乃至前記第2の通信時間が経過した後に、前記端末装置乃至前記情報配信装置へ宛てて転送する機能を備えることができる。
上述のような通信システムであって、
前記第2乃至第1の遅延制御装置は、前記第1乃至第2の到着時刻を、前記第1乃至第2の通信装置が前記第1乃至第2の通信信号に挿入するタイムスタンプとして入手する機能を備えることができる。
上述のような通信システムであって、
前記第1の遅延制御装置は、前記第1の通信信号を前記中継網へ送出する前に、前記第1の通信信号を前記第1の遅延制御装置から送出するまでの前記第1の到着時刻から経過時間を一定に保つように装置内部における遅延調整を行う内部待機時間制御機能を備えることができる。
上述のような通信システムであって、
前記第1及び第2の遅延制御装置は、それぞれ第1及び第2の通信網に属し、前記第1の通信網と前記中継網、及び前記第2の通信網と前記中継網との相互接続機能を提供するインタフェースを備えることができる。
上述のような通信システムであって、
前記第1及び第2の遅延制御装置は、前記中継網内の、それぞれ第1及び第2の通信網に近い端点に設置され、前記第1の通信網と前記中継網、及び前記第2の通信網と前記中継網との相互接続機能を提供するインタフェースを備えることができる。
4.実施例の効果

時刻配信装置から端末装置への時刻通知に際して、時刻配信装置から端末装置までの通信時間(遅延時間)を把握する必要がある。このとき両装置間を信号が往復するために必要な遅延時間を測定するが、一般には往路と復路で通信状況(通信経路/遅延/輻輳)が異なり通信時間の揺らぎの影響を回避できない。本発明の通信システムを用いると、往路遅延時間と復路遅延時間を常時一定に保つことができ、且つ時刻配信装置が内蔵する時計で測定される往路と復路の遅延時間(合計値)のゆらぎを低減できるため、広域に分散設置された通信網同士であっても、地理的距離によらずPTPを用いた高精度な時刻同期を実現できる。即ち、通信距離により飛躍的に増大する遅延時間並びにその不安定性(ゆらぎ)の影響を、事実上完全に回避できる。
5.付記

なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれている。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
10、20、50 遅延制御装置
30 マスタークロック
40、60 スレーブクロック
100 中継網
110 通信遅延制御区間
3000 遅延オフセット区間
12、22、52 遅延時間設定データベース

Claims (4)

  1. 通信システムであって、
    時刻配信装置を含む第1の通信網と、
    時刻受信装置を含む第2の通信網と、
    前記第1の通信網及び第2の通信網とそれぞれ接続し、前記第1の通信網と前記第2の通信網との通信信号を中継する中継網と、
    時刻処理部と送信制御部とを備え、前記第1の通信網と前記中継網とを接続する第1の相互接続点に設けられた第1の遅延制御装置と、
    前記中継網と前記第2の通信網とを接続する第2の相互接続点に設けられた第2の遅延制御装置と、
    前記第1及び前記第2の遅延制御装置に同一の時刻情報を設定する高精度時刻源と、
    を備え、
    前記第1の遅延制御装置は、前記中継網を通過して前記時刻配信装置から前記時刻受信装置へ向かう往路で、遅延時間測定信号である第1の通信信号を受信すると、
    前記第1の遅延制御装置の前記時刻処理部は、受信時刻を第5の受信時刻として前記第1の通信信号に挿入して、前記送信制御部に転送し、
    前記送信制御部は、前記第1の通信信号を受信した第6の受信時刻と、前記第1の通信信号から抽出した第5の受信時刻と、予め定められた第2の遅延設定値に従い、前記第2の遅延設定値と、前記第6の受信時刻及び第5の受信時刻の時間差との差分により第3の待機時間を求め、
    前記第1の遅延制御装置は、前記第3の待機時間により、パケット転送の遅延制御を行い、受信時刻を第1の受信時刻として前記第1の通信信号に挿入して転送し、
    前記第2の遅延制御装置は、前記第1の通信信号を受信した第2の受信時刻と、前記第1の通信信号から抽出した第1の受信時刻と、予め定められた第1の遅延設定値に従い、前記第1の遅延設定値と、前記第2の受信時刻及び第1の受信時刻の時間差との差分により第1の待機時間を求め、
    一方、
    前記第2の遅延制御装置は、前記時刻受信装置から前記時刻配信装置へ向かう復路で、遅延時間測定信号である第2の通信信号を受信すると、受信時刻を第3の受信時刻として前記第2の通信信号に挿入して転送し、
    前記第1の遅延制御装置は、前記第2の通信信号を受信した第4の受信時刻と、前記第2の通信信号から抽出した第3の受信時刻と、前記第1の通信信号と同一の前記第1の遅延設定値に従い、前記第1の遅延設定値と、前記第4の受信時刻及び第3の受信時刻の時間差との差分により第2の待機時間を求め、

    前記第1及び第2の遅延制御装置は、それぞれ、前記第2及び第1の待機時間でパケット転送の遅延制御を行うことにより、前記往路と前記復路で前記第1の遅延設定値による同一の遅延時間で通信信号を伝送する
    ことを特徴とする通信システム。
  2. 通信システムであって、
    時刻配信装置を含む第1の通信網と、
    時刻受信装置を含む第2の通信網と、
    前記第1の通信網及び第2の通信網とそれぞれ接続し、前記第1の通信網と前記第2の通信網との通信信号を中継する中継網と、
    経路識別子、経路別の遅延設定値、通信方向を対応して記憶した第1の遅延時間設定DBを備え、前記第1の通信網と前記中継網とを接続する第1の相互接続点に設けられた第1の遅延制御装置と、
    前記中継網と前記第2の通信網とを接続する第2の相互接続点に設けられた第2の遅延制御装置と、
    前記第1及び前記第2の遅延制御装置に同一の時刻情報を設定する高精度時刻源と、
    を備え、

    前記第1の遅延制御装置は、前記中継網を通過して前記時刻配信装置から前記時刻受信装置へ向かう往路で、遅延時間測定信号である第1の通信信号を受信すると、受信時刻を第1の受信時刻として前記第1の通信信号に挿入して転送し、
    前記第2の遅延制御装置は、前記第1の通信信号を受信した第2の受信時刻と、前記第1の通信信号から抽出した第1の受信時刻と、予め定められた第1の遅延設定値に従い、前記第1の遅延設定値と、前記第2の受信時刻及び第1の受信時刻の時間差との差分により第1の待機時間を求め、
    一方、
    前記第2の遅延制御装置は、前記時刻受信装置から前記時刻配信装置へ向かう復路で、遅延時間測定信号である第2の通信信号を受信すると、受信時刻を第3の受信時刻として前記第2の通信信号に挿入して転送し、
    前記第1の遅延制御装置は、前記第1の遅延時間設定DBを参照して、前記第1の遅延設定値を求め、前記第2の通信信号を受信した第4の受信時刻と、前記第2の通信信号から抽出した第3の受信時刻と、前記第1の通信信号と同一の前記第1の遅延設定値に従い、前記第1の遅延設定値と、前記第4の受信時刻及び第3の受信時刻の時間差との差分により第2の待機時間を求め、

    前記第1及び第2の遅延制御装置は、それぞれ、前記第2及び第1の待機時間でパケット転送の遅延制御を行うことにより、前記往路と前記復路で前記第1の遅延設定値による同一の遅延時間で通信信号を伝送する
    ことを特徴とする通信システム。
  3. 通信システムであって、
    時刻配信装置を含む第1の通信網と、
    時刻受信装置を含む第2の通信網と、
    前記第1の通信網及び第2の通信網とそれぞれ接続し、前記第1の通信網と前記第2の通信網との通信信号を中継する中継網と、
    装置識別子、経路別の遅延設定値、通信方向を対応して記憶した第2の遅延時間設定DBを備え、前記第1の通信網と前記中継網とを接続する第1の相互接続点に設けられた第1の遅延制御装置と、
    前記中継網と前記第2の通信網とを接続する第2の相互接続点に設けられた第2の遅延制御装置と、
    前記第1及び前記第2の遅延制御装置に同一の時刻情報を設定する高精度時刻源と、
    を備え、

    前記第1の遅延制御装置は、前記中継網を通過して前記時刻配信装置から前記時刻受信装置へ向かう往路で、遅延時間測定信号である第1の通信信号を受信すると、受信時刻を第1の受信時刻として前記第1の通信信号に挿入して転送し、
    前記第2の遅延制御装置は、前記第1の通信信号を受信した第2の受信時刻と、前記第1の通信信号から抽出した第1の受信時刻と、予め定められた第1の遅延設定値に従い、前記第1の遅延設定値と、前記第2の受信時刻及び第1の受信時刻の時間差との差分により第1の待機時間を求め、
    一方、
    前記第2の遅延制御装置は、前記時刻受信装置から前記時刻配信装置へ向かう復路で、遅延時間測定信号である第2の通信信号を受信すると、受信時刻を第3の受信時刻として前記第2の通信信号に挿入して転送し、
    前記第1の遅延制御装置は、前記第2の遅延時間設定DBを参照して、前記第1の遅延設定値を求め、前記第2の通信信号を受信した第4の受信時刻と、前記第2の通信信号から抽出した第3の受信時刻と、前記第1の通信信号と同一の前記第1の遅延設定値に従い、前記第1の遅延設定値と、前記第4の受信時刻及び第3の受信時刻の時間差との差分により第2の待機時間を求め、

    前記第1及び第2の遅延制御装置は、それぞれ、前記第2及び第1の待機時間でパケット転送の遅延制御を行うことにより、前記往路と前記復路で前記第1の遅延設定値による同一の遅延時間で通信信号を伝送する
    ことを特徴とする通信システム。
  4. 通信システムにおける時刻同期方法であって、
    前記通信システムは、
    時刻配信装置を含む第1の通信網と、
    時刻受信装置を含む第2の通信網と、
    前記第1の通信網及び第2の通信網とそれぞれ接続し、前記第1の通信網と前記第2の通信網との通信信号を中継する中継網と、
    時刻処理部と送信制御部とを備え、前記第1の通信網と前記中継網とを接続する第1の相互接続点に設けられた第1の遅延制御装置と、
    前記中継網と前記第2の通信網とを接続する第2の相互接続点に設けられた第2の遅延制御装置と、
    前記第1及び前記第2の遅延制御装置に同一の時刻情報を設定する高精度時刻源と、
    を備え、

    前記第1の遅延制御装置は、前記中継網を通過して前記時刻配信装置から前記時刻受信装置へ向かう往路で、遅延時間測定信号である第1の通信信号を受信すると、
    前記第1の遅延制御装置の前記時刻処理部は、受信時刻を第5の受信時刻として前記第1の通信信号に挿入して、前記送信制御部に転送し、
    前記送信制御部は、前記第1の通信信号を受信した第6の受信時刻と、前記第1の通信信号から抽出した第5の受信時刻と、予め定められた第2の遅延設定値に従い、前記第2の遅延設定値と、前記第6の受信時刻及び第5の受信時刻の時間差との差分により第3の待機時間を求め、
    前記第1の遅延制御装置は、前記第3の待機時間により、パケット転送の遅延制御を行い、受信時刻を第1の受信時刻として前記第1の通信信号に挿入して転送し、
    前記第2の遅延制御装置は、前記第1の通信信号を受信した第2の受信時刻と、前記第1の通信信号から抽出した第1の受信時刻と、予め定められた第1の遅延設定値に従い、前記第1の遅延設定値と、前記第2の受信時刻及び第1の受信時刻の時間差との差分により第1の待機時間を求め、
    一方、
    前記第2の遅延制御装置は、前記時刻受信装置から前記時刻配信装置へ向かう復路で、遅延時間測定信号である第2の通信信号を受信すると、受信時刻を第3の受信時刻として前記第2の通信信号に挿入して転送し、
    前記第1の遅延制御装置は、前記第2の通信信号を受信した第4の受信時刻と、前記第2の通信信号から抽出した第3の受信時刻と、前記第1の通信信号と同一の前記第1の遅延設定値に従い、前記第1の遅延設定値と、前記第4の受信時刻及び第3の受信時刻の時間差との差分により第2の待機時間を求め、

    前記第1及び第2の遅延制御装置は、それぞれ、前記第2及び第1の待機時間でパケット転送の遅延制御を行うことにより、前記往路と前記復路で前記第1の遅延設定値による同一の遅延時間で通信信号を伝送する
    ことを特徴とする時刻同期方法。
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