JP2020202498A - 時刻同期装置、時刻同期システム、時刻同期方法及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】ネットワーク環境が劣悪な場合でも、同期精度を維持することが可能な時刻同期装置を提供する。【解決手段】実施の形態に係る時刻同期装置1は、基準時刻に基づいて生成された同期パケットを、通信網を介して、複数の疎通経路を用いて受信する受信部2と、疎通経路毎に、同期パケットの遅延揺らぎ量を測定する遅延揺らぎ測定部3と、疎通経路毎の遅延揺らぎ量を比較し、複数の疎通経路のうちのいずれかを、同期制御に採用される同期パケットを受信する同期用疎通経路として切り替える切替制御部4とを備える。【選択図】図1
Description
本発明は、時刻同期装置、時刻同期システム、時刻同期方法及びプログラムに関する。
IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)1588等の時刻同期プロトコルを用いて、パケット網に存在する複数の装置の時刻を同期させるシステムが利用されている。このようなシステムでは、時刻マスタ装置と時刻スレーブ装置間で定期的に同期パケットの送受信を行って、時刻スレーブ装置にて時刻の再生を行うことが一般的である。
従来から、このようなシステムにおいて、高精度な時刻同期を実現するための提案がなされている。特許文献1には、時刻スレーブ装置にて同期パケットの遅延量を測定し、所定の閾値を超える同期パケットを廃棄する技術が開示されている。これにより、時刻スレーブ装置では、遅延揺らぎの影響を受けていない品質の良好な同期パケットのみを同期制御に採用し、同期精度を維持している。
また、特許文献2では、中央局と、トラフィックの観測を行う複数の計測装置とにより構成されるネットワーク制御システムが開示されている。この計測装置は、中央局の時刻情報配信装置と時刻同期パケットの交換を行うことにより、内部時刻を時刻情報配信装置と一致させている。中央局は、トラフィック観測データを収集して解析し、トラフィック量、パケットロス量、ネットワーク遅延量、遅延ジッタ量を含むネットワーク品質の解析結果、フロー毎の経路情報を基に、フロー毎に最適経路を探索し、該当するネットワークノード装置に対して経路設定を行う。
特許文献2では、正確な時刻同期を実現するために、時刻情報配信装置と計測装置との間のRTT(Round Trip Time)の平均値の近傍のデータ、又は、前回のRTTから推定される誤差範囲内に収まるデータだけを用いて時刻同期を実施することが記載されている。
時刻同期プロトコルを用いる場合、同期パケットがパケット網内を転送される際にルータやスイッチ等の中継装置においてキューイング遅延の影響を受ける。キューイング遅延とは、帯域幅以上のパケットが回線到達した場合に、ネットワーク上のルータ等が、帯域幅を超過した分のパケットをバッファ内に溜め込み、データを転送するためにバッファ内に保持している時間をいう。このため、特に、遅延変動の大きいネットワーク環境においては、再生した時刻の精度が劣化するという問題がある。
このような問題を解決するために、IEEE1588v2において規定されるTransparent Clock(TC)機能を用いることによって遅延揺らぎの影響を排除する方法がある。しかしながら、時刻マスタ装置と時刻スレーブ装置間に存在するすべての中継装置でTC機能を実装するとコストが高くなるという問題がある。
また、ネットワーク環境が劣悪な場合には、同期パケットの遅延量が所定の閾値を超える同期パケットの発生確率が高くなる。この場合、特許文献1では、廃棄の対象となるパケットが多くなり、同期制御に採用するパケットを確保することが難しくなる。これにより、同期精度が劣化してしまうという問題がある。
特許文献2においても同様に、同期制御に採用するデータを確保することができず、同期精度が劣化してしまう。特許文献2では、ネットワーク品質の解析は計測装置の内部時刻を用いて行われるため、ネットワーク環境が劣悪な場合には解析制度が劣化して、経路判定に誤りが発生する虞がある。
本開示の目的は、上述した問題を鑑み、ネットワーク環境が劣悪な場合でも、同期精度を維持することが可能な時刻同期装置、時刻同期システム、時刻同期方法及びプログラムを提供することにある。
本発明の一態様に係る時刻同期装置は、基準時刻に基づいて生成された同期パケットを、通信網を介して、複数の疎通経路を用いて受信する受信部と、前記疎通経路毎に、前記同期パケットの遅延揺らぎ量を測定する遅延揺らぎ測定部と、前記疎通経路毎の前記遅延揺らぎ量を比較し、複数の前記疎通経路のうちのいずれかを、同期制御に採用される前記同期パケットを受信する同期用疎通経路として切り替える切替制御部とを備えるものである。
本発明の一態様に係る時刻同期システムは、基準時刻に基づいて生成した同期パケットを送信するマスタ装置と、前記マスタ装置と通信網を介して接続され、自装置の時刻を前記基準時刻に同期させる同期制御を行う時刻同期装置とを含む、時刻同期システムであって、前記時刻同期装置は、前記同期パケットを、複数の疎通経路を用いて受信する受信部と、前記疎通経路毎に、前記同期パケットの遅延揺らぎ量を測定する遅延揺らぎ測定部と、前記疎通経路毎の前記遅延揺らぎ量を比較し、複数の前記疎通経路のうちのいずれかを、前記同期制御に採用される前記同期パケットを受信する同期用疎通経路として切り替える切替制御部とを備えるものである。
本発明の一態様に係る時刻同期方法は、基準時刻に基づいて生成された同期パケットを、通信網を介して、複数の疎通経路を用いて受信し、前記疎通経路毎に、前記同期パケットの遅延揺らぎ量を測定し、前記疎通経路毎の前記遅延揺らぎ量を比較し、複数の前記疎通経路のうちのいずれかを、同期制御に採用される前記同期パケットを受信する同期用疎通経路として切り替え、前記同期用疎通経路から受信した前記同期パケットを用いて、自装置の時刻を前記基準時刻に同期させる。
本発明の一態様に係るプログラムは、基準時刻に基づいて生成された同期パケットを、通信網を介して、複数の疎通経路を用いて受信する処理と、前記疎通経路毎に、前記同期パケットの遅延揺らぎ量を測定する処理と、前記疎通経路毎の前記遅延揺らぎ量を比較し、複数の前記疎通経路のうちのいずれかを、同期制御に採用される前記同期パケットを受信する同期用疎通経路として切り替える処理と、
前記同期用疎通経路から受信した前記同期パケットを用いて、自装置の時刻を前記基準時刻に同期させる処理とをコンピュータに実行させる。
前記同期用疎通経路から受信した前記同期パケットを用いて、自装置の時刻を前記基準時刻に同期させる処理とをコンピュータに実行させる。
本発明によれば、ネットワーク環境が劣悪な場合でも、同期精度を維持することが可能な時刻同期装置、時刻同期システム、時刻同期方法及びプログラムを提供することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。説明の明確化のため、以下の記載及び図面は、適宜、省略、及び簡略化がなされている。また、様々な処理を行う機能ブロックとして図面に記載される各要素は、ハードウェア的には、CPU、メモリ、その他の回線で構成することができる。また、本発明は、任意の処理を、CPU(Central Processing Unit)にコンピュータプログラムを実行させることにより実現することも可能である。従って、これらの機能ブロックがハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、又はそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは当業者には理解されるところであり、いずれかに限定されるものではない。
また、上述したプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-Transitory computer Readable Medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage Medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(Transitory computer Readable Medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
実施の形態は、自装置の時刻を基準時刻に同期させる同期制御技術に関する。上述したように、IEEE1588を一例とする時刻同期プロトコルを用いる場合、同期パケットがパケット網内を転送される際に中継装置においてキューイング遅延の影響を受け、特に遅延変動の大きいネットワーク環境においては再生した時刻の精度が劣化するという問題がある。
また、図5、6を参照して、ネットワーク環境が良好な場合と劣悪な場合とにおける同期パケットの遅延量と遅延が発生する確率(発生確率)との関係について説明する。図5に示すように、ネットワーク環境が良好な場合、遅延量が所定の閾値を超える同期パケットの発生確率が低く、廃棄の対象となるパケットが少なくなる。このため、同期制御に採用するパケットをより多く確保することができ、同期精度を維持することが可能になる。
これに対して、図6に示すように、ネットワーク環境が劣悪な場合、遅延量が所定の閾値を超える同期パケットの発生確率が高くなる。その結果、廃棄の対象となるパケットが多く、同期制御に採用するパケットを確保することが難しくなる。この場合、時刻従装置が、自身が保有する自走クロックを用いて自走する頻度が上昇する。これにより、同期精度が劣化してしまうという問題がある。または、自走精度を保つため時刻従装置に高精度発信器が必要となり、コストが高くなるという問題がある。このような問題点を解決するために、本発明者は以下の技術を考案した。
図1は、実施の形態に係る時刻同期装置の構成を示すブロック図である。図1に示すように、時刻同期装置1は、基準時刻に基づいて生成された同期パケットを、通信網を介して、複数の疎通経路を用いて受信する受信部2と、疎通経路毎に、同期パケットの遅延揺らぎ量を測定する遅延揺らぎ測定部3と、疎通経路毎の遅延揺らぎ量を比較し、複数の疎通経路のうちのいずれかを、同期制御に採用される同期パケットを受信する同期用疎通経路として切り替える切替制御部4とを備える。これにより、同期パケットの遅延揺らぎが大きくなるような劣悪なネットワーク環境においても、より高い同期精度を維持することが可能となる。
以下、より詳細な実施例について説明する。
以下、より詳細な実施例について説明する。
図2は、実施例に係る時刻同期システム100の構成を示すブロック図である。図2に示すように、時刻同期システム100は、時刻スレーブ装置10と時刻マスタ装置20とを含む。時刻スレーブ装置10と時刻マスタ装置20とは、パケット網30を一例とする通信網を介して、複数の疎通経路を用いて接続されている。図2では、時刻マスタ装置20に対して、1台の時刻スレーブ装置10のみが、2つの疎通経路(第1疎通経路、第2疎通経路)を用いて接続されている例が示されている。なお、時刻マスタ装置20に対して、複数の時刻スレーブ装置10が接続されていてもよい。また、時刻スレーブ装置10と時刻マスタ装置20との疎通経路は2本に限定されず、N(2より大きい整数)本の疎通経路を用いてもよい。
時刻マスタ装置20は、基準時刻に基づいて生成した、時刻の同期に必要となる同期パケットを含むパケットを、複数の疎通経路を用いて送信する。ここで、時刻同期システム100を構成する時刻マスタ装置20と時刻スレーブ装置10との間で送受信される信号の一例について説明する。図3は、時刻マスタ装置20と時刻スレーブ装置10との間における、同期パケット(Syncメッセージ、DelayResponseメッセージ)、及び、同期要求パケット(DelayRequestメッセージ)の送受信シーケンスの一例を示す図である。
時刻マスタ装置20は、IEEE1588v2等で定義されている周期T(1/64s、1/128s等)で、時刻スレーブ装置10に向けてSyncメッセージを送信する。時刻スレーブ装置10は、時刻マスタ装置20からSyncメッセージを受信すると(S21)、時刻マスタ装置20に向けてDelayRequestメッセージを送信し(S22)、時刻マスタ装置20からDelayResponseメッセージを受信する(S23)。時刻スレーブ装置10と時刻マスタ装置20間では、Syncメッセージ、DelayRequestメッセージ、DelayResponseメッセージの送受信が繰り返し実行される(S24〜S26)。
なお、時刻マスタ装置20から送信されるSyncメッセージ及びDelayResponseメッセージを含むパケットは、時刻マスタ装置20にて疎通経路数分、複製されてマルチキャスト送信される。時刻マスタ装置20が送信したパケットは、パケット網30を介して、時刻スレーブ装置10で受信される。
時刻スレーブ装置10は、自装置の時刻を時刻マスタ装置20の基準時刻に同期させる同期制御を行う時刻同期装置である。時刻スレーブ装置10は、第1受信部11a、第2受信部11b、第1遅延揺らぎ測定部12a、第2遅延揺らぎ測定部12b、切替制御部13、時刻再生部14、第1送信部15a、第2送信部15bを含む。
第1受信部11a、第1遅延揺らぎ測定部12a、第1送信部15aが第1疎通経路に対応し、第2受信部11b、第2遅延揺らぎ測定部12b、第2送信部15bが第2疎通経路に対応する。第1受信部11a、第1疎通経路を用いて、時刻マスタ装置20からのパケット(受信パケット21a)を受信する。第2受信部11bは、第2疎通経路を用いて、時刻マスタ装置20からのパケット(受信パケット21b)を受信する。
ここで、第1疎通経路に対応する第1受信部11a、第1遅延揺らぎ測定部12aの動作について説明する。第1受信部11aは、時刻マスタ装置20から受信した受信パケット21aから、同期に必要となるパケットのみを抽出する。ここで、同期に必要なパケットとは、図3に示すSyncメッセージ、DelayResponseメッセージを指す。第1受信部11aは、このパケットを同期パケット22aとして、第1遅延揺らぎ測定部12a、時刻再生部14に送信する。
第1遅延揺らぎ測定部12aは、時刻スレーブ装置10内の基準クロックに基づき、所定の周期で受信する同期パケット22aを監視することで、第1疎通経路の遅延揺らぎ量23aを測定する。そして、第1遅延揺らぎ測定部12aは、遅延揺らぎ量23aを切替制御部13に送信する。
なお、第2疎通経路に対応する第2受信部11b、第2遅延揺らぎ測定部12bの動作は、第1疎通経路に対応する第1受信部11a、第1遅延揺らぎ測定部12aの動作と同様である。すなわち、第2受信部11bは、受信パケット21bから同期に必要なパケットのみを抽出し、同期パケット22bとして第2遅延揺らぎ測定部12b、時刻再生部14に送信する。第2遅延揺らぎ測定部12bは、時刻スレーブ装置10内の基準クロックに基づき、同期パケット22bを監視することで、第2疎通経路の遅延揺らぎ量23bを測定し、これを切替制御部13に送信する。
切替制御部13は、第1遅延揺らぎ測定部12aから受信した第1疎通経路の遅延揺らぎ量23aと、第2遅延揺らぎ測定部12bから受信した第2疎通経路の遅延揺らぎ量23bとを比較する。そして、切替制御部13は、比較結果に基づいて、第1疎通経路、第2疎通経路のいずれかを、同期制御に採用される同期パケットを受信する同期用疎通経路として選択し、切り替えるための制御信号24を生成する。切替制御部13は、第1疎通経路と第2疎通経路のうち、遅延揺らぎ量が小さい方を、同期用疎通経路として切り替える。この制御信号24は、時刻再生部14に送信される。
時刻再生部14は、切替制御部13からの制御信号24に基づいて、複数の疎通経路のうちのいずれかを、同期制御に採用される同期パケットを受信する同期用疎通経路として切り替える。すなわち、第1受信部11aからの同期パケット22a、第2受信部11bからの同期パケット22bのいずれか一方を終端し、時刻スレーブ装置10の時刻を再生する。
また、時刻再生部14は、時刻マスタ装置20に向けた同期要求パケット25a、25bを、同期用疎通経路として選択された疎通経路に対応する第1送信部15a、第2送信部15bのいずれかに送信する。同期要求パケットは、図3に示すDelayRequestメッセージを指す。第1送信部15a、第2送信部15bのいずれかは、時刻再生部14から受信した同期要求パケット25a、25bを送信パケット26a、26bとして、時刻マスタ装置20に向けて送信する。すなわち、第1送信部15a、第2送信部15bのいずれかは、同期用疎通経路を介して、受信した同期パケットに対する応答を、ユニキャストで送信する。
次に、実施例の時刻同期システムの動作について、図を用いて説明する。図4は、実施例に係る時刻同期方法を示すフロー図である。図4では、時刻スレーブ装置10における同期パケットの遅延揺らぎ量の測定と、同期用疎通経路の切替制御の動作に関するフローが示されている。
まず、時刻スレーブ装置10は、時刻マスタ装置20との間でパケットの送信周期Tを決定した後、パケットの受信動作を開始する(ステップS11)。次に、第1遅延揺らぎ測定部12aは、時刻スレーブ装置10内の基準クロックを基に、同期パケット22aの遅延揺らぎ量(PV1)を測定する。(ステップS12)。また、第2遅延揺らぎ測定部12bは、時刻スレーブ装置10内の基準クロックを基に、同期パケット22bの遅延揺らぎ量(PV2)を測定する(ステップS13)。
時刻マスタ装置20からは、時刻マスタ装置20から所定の周期TでSyncメッセージが送信されるため、第1遅延揺らぎ測定部12a、第2遅延揺らぎ測定部12bはそれぞれ、所定の周期TでSyncメッセージを監視し、遅延揺らぎ量(PV1、PV2)を測定する。
次に、切替制御部13は、第1疎通経路の遅延揺らぎ量PV1と第2疎通経路の遅延揺らぎ量PV2と比較し、揺らぎ量の少ない疎通経路を判定する。ここでは、遅延揺らぎ量PV1が遅延揺らぎ量PV2以下であるか否かが判断される(ステップS14)。遅延揺らぎ量PV1が遅延揺らぎ量PV2以下である場合(ステップS14、YES)、第1疎通経路が、同期制御に採用される同期パケットを受信する同期用疎通経路として選択される。時刻再生部14は、第1疎通経路からの同期パケット22a(Syncメッセージ、DelayResponseメッセージ)から時刻を再生する(ステップS15)。
また、時刻再生部14は、同期パケット(Syncメッセージ)への応答として、時刻マスタ装置20に向けて第1疎通経路を介して送信される、同期要求パケット25a(DelayRequestメッセージ)を第1送信部15aへ送信する。(ステップS16)。
一方、遅延揺らぎ量PV1が遅延揺らぎ量PV2よりも大きい場合(ステップS14、NO)、第2疎通経路が、同期制御に採用される同期パケットを受信する同期用疎通経路として選択される。時刻再生部14は、第2疎通経路からの同期パケット22b(Syncメッセージ、DelayResponseメッセージ)から時刻を再生する(ステップS17)。
また、時刻再生部14は、同期パケット(Syncメッセージ)への応答として、時刻マスタ装置20に向けて第2疎通経路を介して送信される、同期要求パケット25b(DelayRequestメッセージ)を第2送信部15bへ送信する。(ステップS18)。以降、ステップS11〜S18を繰り返す。
このように、実施例では、時刻スレーブ装置10が時刻マスタ装置20との疎通経路毎に同期パケットの遅延揺らぎ量の測定を行い、最も揺らぎの少ない経路から受信した同期パケットを同期制御に使用する。これにより、同期パケットの遅延揺らぎが大きくなるような劣悪なネットワーク環境においても、高い同期精度を保つことが可能になる。また、ネットワーク中継装置の全てに、IEEE1588v2において規定されるTC機能を実装する必要がなく、コストの上昇を抑えることができる。
また、時刻マスタ装置20がマルチキャストで同期パケットを送信するのに対し、時刻スレーブ装置10はユニキャストで同期要求パケットを送信する。このように、時刻スレーブ装置10は、時刻マスタ装置20との同期確立後も、最も遅延揺らぎの少ない疎通経路に向けて同期要求パケットをユニキャスト送信するため、同一の時刻マスタ装置20との同期を継続し、高い同期精度を維持することが可能となる。
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。上記の例では、同期パケットを用いてパケット網の遅延揺らぎの大小を測定する方法を説明したが、これに限定されない。遅延揺らぎの大小を測定する方法として、例えば、ITU−T(International Telecommunication Union Telecommunication Standardization Sector)Y.1731 ETH−DM(Ethernet frame Delay Measurement:イーサネット(登録商標)フレーム遅延測定)などの遅延測定用の試験フレームを用いて遅延揺らぎを測定する方法を用いても、上記と同様の効果が得られる。
1 時刻同期装置
2 受信部
3 遅延揺らぎ測定部
4 切替制御部
10 時刻スレーブ装置
11a 第1受信部
11b 第2受信部
12a 第1遅延揺らぎ測定部
12b 第2遅延揺らぎ測定部
13 切替制御部
14 時刻再生部
15a 第1送信部
15b 第2送信部
20 時刻マスタ装置
21a 受信パケット
21b 受信パケット
22a 同期パケット
22b 同期パケット
23a 遅延揺らぎ量
23b 遅延揺らぎ量
24 制御信号
25a 同期要求パケット
25b 同期要求パケット
26a 送信パケット
26b 送信パケット
30 パケット網
100 時刻同期システム
2 受信部
3 遅延揺らぎ測定部
4 切替制御部
10 時刻スレーブ装置
11a 第1受信部
11b 第2受信部
12a 第1遅延揺らぎ測定部
12b 第2遅延揺らぎ測定部
13 切替制御部
14 時刻再生部
15a 第1送信部
15b 第2送信部
20 時刻マスタ装置
21a 受信パケット
21b 受信パケット
22a 同期パケット
22b 同期パケット
23a 遅延揺らぎ量
23b 遅延揺らぎ量
24 制御信号
25a 同期要求パケット
25b 同期要求パケット
26a 送信パケット
26b 送信パケット
30 パケット網
100 時刻同期システム
Claims (9)
- 基準時刻に基づいて生成された同期パケットを、通信網を介して、複数の疎通経路を用いて受信する受信部と、
前記疎通経路毎に、前記同期パケットの遅延揺らぎ量を測定する遅延揺らぎ測定部と、
前記疎通経路毎の前記遅延揺らぎ量を比較し、複数の前記疎通経路のうちのいずれかを、同期制御に採用される前記同期パケットを受信する同期用疎通経路として切り替える切替制御部と、
を備える、
時刻同期装置。 - 前記切替制御部は、前記遅延揺らぎ量が最も小さい疎通経路を前記同期用疎通経路として切り替える、
請求項1に記載の時刻同期装置。 - 前記同期パケットは、複数の前記疎通経路にマルチキャストで送信され、
前記同期用疎通経路を介して受信した前記同期パケットに対する応答を、ユニキャストで送信する送信部をさらに備える、
請求項1又は2に記載の時刻同期装置。 - 前記遅延揺らぎ測定部は、自装置内の基準クロックに基づき、所定の周期で受信する前記同期パケットを監視することで、前記遅延揺らぎ量を測定する、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の時刻同期装置。 - 基準時刻に基づいて生成した同期パケットを送信するマスタ装置と、
前記マスタ装置と通信網を介して接続され、自装置の時刻を前記基準時刻に同期させる同期制御を行う時刻同期装置と、
を含む、時刻同期システムであって、
前記時刻同期装置は、
前記同期パケットを、複数の疎通経路を用いて受信する受信部と、
前記疎通経路毎に、前記同期パケットの遅延揺らぎ量を測定する遅延揺らぎ測定部と、
前記疎通経路毎の前記遅延揺らぎ量を比較し、複数の前記疎通経路のうちのいずれかを、前記同期制御に採用される前記同期パケットを受信する同期用疎通経路として切り替える切替制御部と、
を備える、
時刻同期システム。 - 前記切替制御部は、前記遅延揺らぎ量が最も小さい疎通経路を前記同期用疎通経路として切り替える、
請求項5に記載の時刻同期システム。 - 前記マスタ装置は、複数の前記疎通経路にマルチキャストで前記同期パケットを送信し、
前記時刻同期装置は、前記同期用疎通経路を介して受信した前記同期パケットに対する応答を、ユニキャストで前記マスタ装置に送信する送信部をさらに備える、
請求項5又は6に記載の時刻同期システム。 - 基準時刻に基づいて生成された同期パケットを、通信網を介して、複数の疎通経路を用いて受信し、
前記疎通経路毎に、前記同期パケットの遅延揺らぎ量を測定し、
前記疎通経路毎の前記遅延揺らぎ量を比較し、複数の前記疎通経路のうちのいずれかを、同期制御に採用される前記同期パケットを受信する同期用疎通経路として切り替え、
前記同期用疎通経路から受信した前記同期パケットを用いて、自装置の時刻を前記基準時刻に同期させる、
時刻同期方法。 - 基準時刻に基づいて生成された同期パケットを、通信網を介して、複数の疎通経路を用いて受信する処理と、
前記疎通経路毎に、前記同期パケットの遅延揺らぎ量を測定する処理と、
前記疎通経路毎の前記遅延揺らぎ量を比較し、複数の前記疎通経路のうちのいずれかを、同期制御に採用される前記同期パケットを受信する同期用疎通経路として切り替える処理と、
前記同期用疎通経路から受信した前記同期パケットを用いて、自装置の時刻を前記基準時刻に同期させる処理と、
をコンピュータに実行させる、
プログラム。
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Cited By (1)
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WO2023233588A1 (ja) * | 2022-06-01 | 2023-12-07 | 三菱電機株式会社 | 時刻同期装置、時刻同期方法及び時刻同期プログラム |
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2019
- 2019-06-11 JP JP2019108686A patent/JP2020202498A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2023233588A1 (ja) * | 2022-06-01 | 2023-12-07 | 三菱電機株式会社 | 時刻同期装置、時刻同期方法及び時刻同期プログラム |
JP7531750B2 (ja) | 2022-06-01 | 2024-08-09 | 三菱電機株式会社 | 時刻同期装置、時刻同期方法及び時刻同期プログラム |
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